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JP6087434B2 - 送電装置、非接触給電システム、及び制御方法 - Google Patents

送電装置、非接触給電システム、及び制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、非接触で電力を送電する送電装置、当該送電装置を含む非接触給電システム、及び非接触給電システムの送電の制御方法に係り、例えば、電磁界の共振結合(磁気共鳴)を利用した送電装置及び非接触給電システムに適用して有効な技術に関する。
電源コード等を介さずに非接触で電気機器に電力を供給する非接触電力伝送を用いたシステム(以下、「非接触給電システム」と称する。)の実用化が進みつつある。例えば、離間して配置されたアンテナ(コイル)間の電磁誘導を利用した電磁誘導方式や、電磁界の共振結合を利用した磁気共鳴方式の非接触給電システムが知られている。また、無線により情報の伝送を行う非接触通信技術に関する標準規格としてNFC(Near Field Communication)が知られており、NFC規格に準拠したICカードや小型携帯端末装置も普及し始めている。
磁気共鳴方式の非接触給電システムは、コイルとコンデンサを含む共振回路を用いて実現される。磁気共鳴方式の非接触給電システムは、コイルのQ値を高くすることで、従来の電磁誘導方式に比べて、送電用のコイルと受電用のコイルとの間の伝送距離が大きくとれるとともに、送電用のコイルと受電用のコイルの位置ずれに強いといった特長を有する。
また、磁気共鳴方式の非接触給電システムは、送電側と受電側との間に存在する異物の影響を比較的受け難いという特長がある。しかしながら、その異物の種類によっては吸収される送電電力量が大きくなるため、電力の伝送効率が低下するとともに、異物が吸収した電力によって発熱し破損する虞がある。
下記特許文献1及び2には、磁気共鳴方式の非接触給電システムにおいて異物や給電対象の異常を検出するための技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、路上に送電コイルを設置し、車両側に受電にコイルを搭載することで車両に非接触で充電を行う磁気共鳴方式の非接触給電システムにおいて、送電側と受電側との間に存在する異物を検出するための技術が開示されている。具体的に特許文献1に記載の構成によれば、車両に搭載された受電電力に基づいて充電されるバッテリの端子電圧を検出することでインピーダンス値が推定され、その推定値と実測したインピーダンス値との差が閾値を超えた場合に異物の存在が報知されるとともに給電が停止される。
また、特許文献2には、路上に送電コイルを設置し、車両側に受電にコイルを搭載することで車両に非接触で充電を行う磁気共鳴方式の非接触給電システムにおいて、反射電力の増大を検出することで車両の異常を検出する技術が開示されている。具体的に特許文献2の構成によれば、不審者が充電中の車両に乗ったときの車高の変化によって発生したインピーダンス不整合により反射電力が増大したことを検出し、その検出が車両の異常として通知される。
特開2011−244531号公報 特開2011−219007号公報
従来の磁気共鳴方式の非接触給電システムについて本発明者が検討した結果、以下のような課題があることが明らかとなった。
磁気共鳴方式の非接触給電システムにおいて、送電側と受電側との間に異物が存在したとしても、その異物が非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かは、送電側から送電電力として出力される送電信号の周波数(以下、「送電周波数」と称する。)によって異なることを本願発明者は見出した。
例えば、電磁調理器に用いられる100kHz帯の送電周波数を用いた非接触電力伝送では、異物が金属である場合、吸収される送電電力が大きいため伝送効率が大きく低下し、金属の発熱量も大きくなる虞がある。これに対し、異物がNFC規格(周波数13.65MHz)に準拠したICカード等である場合、吸収される電力が小さいため伝送効率は大きく低下せず、ICカードの発熱による破損の可能性は低い。他方、近年研究が進められているNFC通信の周波数に近い数MHz帯の送電周波数を用いた非接触電力伝送では、異物がNFC規格に準拠したICカード等である場合、吸収される送電電力が大きいため伝送効率が大きく低下し、ICカード等が発熱によって破損する虞があるが、異物が金属である場合、吸収される電力が小さいため伝送効率は大きく低下せず、金属の発熱量も小さい。
特許文献1に記載の技術では、インピーダンスの推定値と実測値との差が閾値を超えた場合に異物と判定されるが、その異物が非接触電力伝送にとって影響のある異物であるか否かについて何ら考慮されていないため、異物の検出精度が高いとは言い難い。例えば、特許文献1に記載の非接触給電システムでは、非接触電力伝送に影響のない異物が存在する場合であっても異物であると検出され、給電動作が停止するなどの安全制御が働いてしまう虞があり、非接触電力伝送システムの信頼性が高いとは言えない。なお、特許文献2に記載の技術は、単に反射電力の増加を検出するものであり、異物の検出精度を向上させることについて特に考慮されていない。
このような課題を解決するための手段等を以下に説明するが、その他の課題と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本送電装置は、共振回路を利用した電磁界の共振結合によって非接触で電力を送電するための送電処理を行う送電装置であって、送電電力として出力される送電信号の周波数と等しくなるように設定された前記共振回路の共振周波数が前記電力の送電中にずれた場合に、前記共振周波数のずれた方向を検出し、その検出結果に基づいて前記送電処理を制御する。
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本送電装置によれば、非接触電力伝送システムの信頼性を高めることができる。
図1は、実施の形態1に係る送電装置を含む非接触給電システムを例示する図である。 図2は、共振周波数調整回路103の内部構成を例示する図である。 図3は、共振周波数調整回路103によるインピーダンス整合を説明するためのスミスチャート図である。 図4は、共振周波数と信号の反射電力量との関係を示す図である。 図5は、共振周波数調整回路103の一実施の形態を例示する図である。 図6は、共振周波数調整回路103の別の実施の形態を例示する図である。 図7は、スイッチ回路SWの内部構成を例示する図である。 図8は、電力量検出部106の一実施の形態を例示する図である。 図9は、電力量検出部106の別の一実施の形態を例示する図である。 図10は、送電アンプ102から給電コイル107側を見たときのインピーダンスを示すスミスチャート図である。 図11は、共振周波数調整回路103のインピーダンスを変化させたときの共振周波数を示す図である。 図12は、実施の形態1に係る異物の判定基準の一例を示す図である。 図13は、非接触給電システム1において電力の送電が開始されるまでの処理の流れの一例を示すフロー図である。 図14は、非接触給電システム1において異物が接近した場合の処理の流れの一例を示すフロー図である。 図15は、実施の形態2に係る異物の判定基準の一例を示す図である。 図16は、実施の形態3に係る異物の判定基準の一例を示す図である。 図17は、実施の形態4に係る非接触給電システムにおいて、電力の送電が開始されるまでの処理の流れの一例を示すフロー図である。 図18は、実施の形態5に係る送電装置を含む非接触給電システムを例示する図である。 図19は、実施の形態6に係る送電装置を含む非接触給電システムを例示する図である。 図20は、実施の形態6に係る非接触給電システム9において、電力の送電が開始されるまでの処理の流れの一例を示すフロー図である。 図21は、実施の形態6に係る非接触給電システム9において、異物が接近した場合の処理の流れの一例を示すフロー図である。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕(共振周波数のずれ方向に基づいて送電処理を制御する送電装置)
代表的な実施の形態に係る送電装置(1、4、7)は、共振回路(110)を利用した電磁界の共振結合によって非接触で電力を送電するための送電処理を行う。前記送電装置は、送電電力として出力される送電信号の周波数(fTx)と等しくなるように設定された前記共振回路の共振周波数が前記電力の送電中にずれた場合に、前記共振周波数のずれた方向を検出し、その検出結果に基づいて前記送電処理を制御する。
これによれば、共振周波数のずれた方向によって誘電率の低い金属系の異物であるか、誘電率の高いICカード等の非金属系の異物であるかを判別することができる。すなわち、本送電装置によれば、送電範囲に存在する異物の有無のみならず、非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かを精度良く判定することが可能となる。当該送電装置を非接触電力伝送システムに適用することで、非接触電力伝送システムの信頼性が向上する。
〔2〕(共振周波数のずれの方向によって送電の継続・停止を制御する)
項1の送電装置において、前記検出結果に基づいて前記電力の送電の継続の可否を制御する。
これによれば、例えば、非接触電力伝送に影響のある異物であるである場合に送電を停止し、影響のない異物である場合に送電を継続するなどの制御を行うことができ、非接触電力伝送システムにおける送電制御の信頼性を高めることができる。
〔3〕(共振周波数のずれた方向とずれ幅によって送電処理を制御する)
項2の送電装置は、前記共振周波数のずれた方向に加えて、前記共振周波数のずれ幅を検出する。
これによれば、非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かを、より精度良く判定することが可能となる。
〔4〕(送電電力と受電電力との差と共振周波数のずれ情報に基づいて送電処理を制御する)
項1乃至3の何れかの送電装置は、前記検出結果に加えて、電力の送電対象とされる外部装置が受電した受電電力量と前記送電された送電電力量との差に基づいて、前記送電処理を制御する。
これによれば、非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かを、より精度良く判定することが可能となる。
〔5〕(共振周波数が高い場合に送電継続し、低い場合に送電停止する)
項2乃至4の何れかの送電装置において、前記送電装置は、前記共振周波数が高くなる方向にずれた場合に前記電力の送電を継続し、前記共振周波数が低くなる方向にずれた場合に前記電力の送電を停止する。
異物が金属である場合には共振周波数が高い方にずれる傾向があり、異物が非金属系のプラスチック等に覆われたICカード等である場合には共振周波数が低い方にずれる傾向がある。本送電装置によれば、ICカード等の非金属系の異物が存在する場合は送電が停止されるので、例えばNFC規格に準拠したICカード等の発熱による破壊を防止することができる。また、送電電力の吸収が多いICカード等に非金属系の異物が存在する状態では給電は停止され、送電電力の吸収が少ない金属系の異物が存在する状態では給電が停止されないので、NFC通信の周波数に近い数MHz帯の送電周波数を用いた非接触電力伝送システムにおいて、効率の良い送電が可能となる。
〔6〕(大きな金属の場合に送電を停止する)
項3又は4の送電装置において、前記共振周波数が高くなる方向にずれた場合に、前記共振周波数のずれ幅が所定の閾値を超えていれば前記電力の送電を停止させ、前記共振周波数のずれ幅が所定の閾値を超えなければ前記電力の送電を継続し、前記共振周波数が低くなる方向にずれた場合に、前記電力の送電を停止する。
これによれば、項5と同様に、ICカード等の発熱による破壊を防止することができる。また、異物として金属が存在する場合、その金属の表面積が大きければ、共振周波数のずれ幅は大きくなり、表面積が小されば、共振周波数のずれ幅が小さくなる傾向がある。本送電装置によれば、金属系の異物が存在する場合であっても、電力の吸収量が比較的大きい表面積の大きな金属の場合に給電を停止し、電力の吸収量が比較的小さい表面積の小さな金属の場合に給電を継続するので、NFC通信の周波数に近い数MHz帯の送電周波数を用いた非接触電力伝送システムにおいて更に効率の良い送電が可能となる。
〔7〕(反射電力量の変化方向によって共振周波数のずれ方向を判別する)
項1乃至6の何れかの送電装置は、前記送電電力に応じた交流信号を生成する電源部(101、102)と、送電用アンテナとしての共鳴コイル(108)及び共振容量(109)を含み、前記電源部によって生成された交流信号に基づく電力の供給を受ける一次側共振回路(110)と、を有する。前記送電装置は更に、前記電源部と前記一次側共振回路との間に設けられ、前記一次側共振回路の共振周波数を調整するための共振周波数調整部(103)と、前記電源部から前記一次共振回路側に供給される交流信号の反射電力量の大きさを検出するための電力量検出部(106)と、制御部(104)と、を有する。前記制御部は、前記共振周波数調整部を制御することにより前記一次側共振回路の共振周波数を変化させ、前記電力量検出部によって検出された前記反射電力量の変化方向を判定することにより、前記共振周波数のずれた方向を判別する。
これによれば、前記共振周波数のずれの方向を判別することが容易となる。
〔8〕(共振周波数のずれ方向の判定方法;共振周波数を高く設定して判別する)
項7の送電装置において、前記制御部は、前記一次側共振回路の前記共振周波数が高くなるように前記共振周波数調整部を制御し、それによって前記反射電力量が増加した場合には、前記共振周波数が前記送電信号の周波数よりも高くなる方向にずれたと判定し、前記反射電力量が減少した場合には、前記共振周波数が前記送電信号の周波数よりも低くなる方向にずれたと判定する。
これによれば、簡単且つ高精度に、前記共振周波数のずれた方向を判別することができる。
〔9〕(共振周波数のずれ方向の判定方法;共振周波数を低く設定して判別する)
項7の送電装置において、前記制御部は、前記一次側共振回路の前記共振周波数が低くなるように前記共振周波数調整部を制御し、それによって前記反射電力量が増加した場合には、前記共振周波が前記送電信号の周波数よりも低くなる方向にずれたと判定し、前記反射電力量が減少した場合には、前記共振周波数が前記送電信号よりも高くなる方向にずれたと判定する。
これによれば、簡単且つ高精度に、前記共振周波数のずれた方向を判別することができる。
〔10〕(共振周波数のずれ方向の判定方法;共振周波数を高い方と低い方の双方に設定して判別する)
項7の送電装置において、前記制御部は、前記一次側共振回路の前記共振周波数が低くなるように前記共振周波数調整部を調整したときの前記反射電力量の変化方向と、前記一次側共振回路の前記共振周波数が高くなるように前記共振周波数調整部を調整したときの前記反射電力量の変化方向とに基づいて、前記共振周波のずれの方向を判別する。
これによれば、より高精度に前記共振周波数のずれた方向を判別することができる。
〔11〕(電圧定在波比VSWRによって反射電力量の変化を判定する)
項7乃至10の何れかの送電装置において、前記電力量検出部は、前記電源部から前記一次共振回路側に供給される交流信号の入射電力量に対応した電圧(Vi)と当該交流信号の反射電力量に対応した電圧(Vr)とを生成する。前記制御部は、前記電力量検出部によって生成された前記入射電力量に対応した電圧及び前記反射電力量に対応した電圧に基づいて電圧定在波比(VSWR)を算出し、その算出結果に基づいて前記反射電力量の変化方向を判別する。
これによれば、簡単且つ高精度に、前記反射電力量の変化方向を判別することができる。
〔12〕(共振周波数を変化させつつ反射電力量が最も小さくなる状態を探索する)
項11の送電装置において、前記制御部は、前記共振周波数調整部を制御することにより前記一次側共振回路の前記共振周波数を一方向に単位調整量毎に変化させて前記電圧定在波比の値を逐次算出するとともに、前記共振周波数の変化前後の算出値を逐次比較する演算処理を行う。制御部は、変化後の算出値が変化前の算出値よりも大きくなったら、前記共振周波数を変化させる方向を逆にして前記演算処理を実行し、変化後の算出値が変化前の算出値よりも大きくなったら前記演算処理を停止する。
これによれば、反射電力量が最も小さくなる共振周波数を探索して、設定することが容易となる。
〔13〕(データ通信可能な送電装置)
項1乃至12の何れかの送電装置において、通信用アンテナ(111)と、前記通信用アンテナを介したデータの送受信を制御する通信部(105)と、を更に有する。
〔14〕(非接触給電システム)
代表的な実施の形態に係る非接触給電システム(3,6,9)は、項1乃至13の何れかの送電装置(1)と、前記送電装置から供給された電力を、共振回路(130,141)を利用した電磁界の共振結合によって非接触で受電する受電装置(2,5,8)と、を含む。
これによれば、信頼性の高い非接触給電システムを提供することができる。
〔15〕(NFC方式の非接触電力伝送システム)
項14の非接触給電システム(6)において、前記送電装置と前記受電装置とはNFC規格に準拠したデータ通信が可能にされる。前記受電装置は、一つのアンテナ(142)を用いて前記データ通信と電力の受電とを行うことが可能にされる。
これによれば、信頼性の高いNFC方式の非接触給電システムを提供することができる。
〔16〕(非接触電力給電システムの制御方法;共振周波数のずれ方向に基づいて送電処理を制御)
代表的な実施の形態に係る制御方法は、送電装置(1、4、7)と受電装置(2、5、8)と含み、前記送電装置と前記受電装置の夫々に設けられた送電側及び受電側の共振回路を利用した電磁界の共振結合によって電力の送電及び受電を行う非接触給電システム(3、6、9)において、電力の送電を制御するための方法である。前記制御方法は、前記送電装置が、送電電力として出力される送電信号の周波数(fTx)と等しくなるように前記送電側の共振回路の共振周波数を設定する第1ステップ(S102〜S116)と、前記送電装置が、前記第1ステップにおいて前記共振周波数を設定した後、前記電力の送電を開始する第2ステップ(S117)と、を含む。前記制御方法は、更に、前記第1ステップにおいて設定した前記共振周波数が前記電力の送電中にずれた場合に、前記送電装置が前記共振周波数のずれた方向を検出し、その検出結果に基づいて電力の送電に係る処理を制御する第3ステップ(S201〜S213)と、を含む。
これによれば、非接触電力給電システムの送電範囲に異物が存在する場合に、共振周波数のずれた方向によって、その異物が誘電率の低い金属系であるか、誘電率の高いICカード等の非金属系であるかを判別することができる。すなわち、本制御方法によれば、送電範囲に存在する異物の有無のみならず、非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かを精度良く判定することが可能となる。これにより、非接触電力伝送システムの信頼性が向上する。
〔17〕(制御方法;共振周波数のずれ方向に基づいて送電の継続・停止を制御する)
項16の非接触電力伝送方法において、第3ステップは、送電装置が送電側の共振回路の共振周波数を変化させながら、共振回路に供給される交流信号の反射電力量を計測することによって最も反射電力量の小さくなるときの共振周波数を推定し、その推定された共振周波数から共振周波数のずれの方向を含む共振周波数のずれ情報を生成する第4ステップ(S205〜S211)を含む。前記第3ステップは、前記送電装置が、前記第4ステップで生成された前記共振周波数のずれ情報に基づいて、非接触電力伝送に影響のある異物の有無を判定する第5ステップ(S212)を更に含む。前記第3ステップは、更に、前記送電装置が、前記第5ステップにおいて非接触電力伝送に影響のある異物であると判定した場合に、電力の送電を停止し(S213)、非接触電力伝送に影響のある異物でないと判定した場合に電力の送電を継続する第6ステップ(S201)を含む。
これによれば、前記共振周波数のずれた方向を判別することが容易となる。また、異物の有無だけでなく、非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かによって送電の停止と継続が制御されるので、非接触電力伝送システムにおける送電制御の信頼性を高めることができる。
〔18〕(制御方法;共振周波数のずれた方向とずれ幅とによって送電処理を制御する)
項17の制御方法の前記第4ステップにおいて、前記送電装置は、前記共振周波数のずれの方向に加えて、前記共振周波数のずれ幅を含む前記ずれ情報を生成する。
これによれば、非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かの検出精度を高めることができる。
〔19〕(制御方法;受電電力と送電電力の差とずれ情報に基づいて送電処理を制御する)
項17又は19の制御方法において、前記第3ステップは、前記受電装置が、受電した受電電力量の情報を前記送電装置に送信するステップ(S201)を含む。前記第5ステップにおいて、前記送電装置は、前記受電装置から送信された前記受電電力の情報に基づいて、前記受電電力量と前記送電装置から送電された送電電力量との差分を算出し、当該差分と前記ずれ情報とに基づいて、非接触電力伝送に影響のある異物の有無を判定する。
これによれば、非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かの検出精度を更に高めることができる。
〔20〕(共振周波数のずれた方向によって送電継続の可否を決定する)
項17乃至19の何れかの制御方法の前記第5ステップにおいて、前記送電装置は、前記共振周波数が高くなる方向にずれた場合に、非接触電力伝送に影響のない異物であると判定し、前記共振周波数が低くなる方向にずれた場合に、非接触電力伝送に影響のある異物であると判定する。
これによれば、送電電力の吸収が多いICカード等に非金属系の異物が存在する状態では給電は停止され、送電電力の吸収が少ない金属系の異物が存在する状態では給電が停止されないので、NFC通信の周波数に近い数MHz帯の送電周波数を用いた非接触電力伝送システムにおいて、効率の良い送電が可能となる。また、例えばNFC規格に準拠したICカード等の発熱による破壊を防止することができる。
〔21〕(制御方法;大きな金属の場合に送電を停止する)
項17の制御方法の前記第5ステップにおいて、前記送電装置は、おいて前記共振周波数が高くなる方向にずれた場合に、前記共振周波数のずれ幅が所定の閾値を超えていれば非接触電力伝送に影響のある異物であると判定し、前記共振周波数のずれ幅が所定の閾値を超えていなければ非接触電力伝送に影響のない異物であると判定する。また、前記送電装置は、前記共振周波数が低くなる方向にずれた場合に、非接触電力伝送に影響のある異物であると判定する。
これによれば、項20と同様に、ICカード等の発熱による破壊を防止することができる。また、金属系の異物が存在する場合であっても、電力の吸収量が比較的大きい表面積の大きな金属の場合に給電を停止し、電力の吸収量が比較的小さい表面積の小さな金属の場合に給電を継続するので、非接触電力伝送システムにおいて、更に効率の良い送電が可能となる。
〔22〕(制御方法;電圧定在波比の計測値に基づいて共振周波数のずれ方向を判別する)
項17乃至21の何れかの制御方法の前記第4ステップにおいて、前記送電装置は、前記送電側の前記共振回路に供給される交流信号の入射電力量と当該交流信号の反射電力量とを計測し、その計測結果に基づいて算出した電圧定在波比の値から、前記反射電力量を計測する。
これによれば、簡単且つ高精度に、前記共振周波数のずれの方向を判別することができる。
〔23〕(制御方法;共振周波数を変化させて電圧定在波比を測定し、ずれ方向を算出)
項22の制御方法において、前記第4ステップは、前記送電装置が前記送電装置における前記共振回路の前記共振周波数を所定量だけ変化させて、変化前後の前記電圧定在波比を算出するとともに、前記変化前後の前記電圧定在波比を比較する演算処理を、変化後の前記電圧定在波比の値が変化前の値よりも大きくなるまで繰り返し実行する第7ステップ(S205〜S207)を含む。前記第4ステップは、前記第7ステップの演算処理において、変化後の前記電圧定在波比の値が変化前の値よりも大きくなったら、前記送電装置が、前記共振周波数を変化させる方向を逆にして前記演算処理を行うとともに、変化後の前記電圧定在波比の値が変化前の値よりも大きくなるまで当該演算処理を繰り返し実行する第8ステップ(S208〜S210)を更に含む。前記第4ステップは、前記送電装置が、前記第7ステップ及び前記第8ステップの演算処理の結果に基づいて、電圧定在波比の値が最も小さくなるときの共振周波数を推定し、その推定値から前記共振周波数のずれ情報を生成する第9ステップ(S211)、を更に含む。
これによれば、共振周波数のずれの方向を容易に判別することができる。また、共振周波数のずれ幅を容易に算出することができる。
〔24〕(制御方法;低い電力で送電し、共振周波数を最適化したら通常の電力で送電する)
項23の制御方法において、前記第1ステップは、前記送電装置が、第1電力で電力を送電する第10ステップ(S105)を含む。前記第1ステップは、更に、前記送電装置が、前記送電装置における前記共振回路の前記共振周波数を所定量だけ変化させて、変化前後の前記電圧定在波比を算出するとともに、前記変化前後の前記電圧定在波比を比較する演算処理を、変化後の前記電圧定在波比の値が変化前の値よりも大きくなるまで繰り返し実行する第11ステップ(S110〜S112)を含む。前記第1ステップは、更に、前記第11ステップの演算処理において、変化後の前記電圧定在波比の値が変化前の値よりも大きくなったら、前記送電装置が、前記共振周波数を変化させる方向を逆にして前記演算処理を行うとともに、変化後の前記電圧定在波比の値が変化前の値よりも大きくなるまで当該演算処理を繰り返し実行する第12ステップ(S113〜S115)を含む。前記第1ステップは、更に、前記第12ステップの演算処理において、変化後の前記電圧定在波比の値が変化前の値よりも大きくなったら、前記電圧定在波比の値が最も小さくなるときの共振周波数を前記送電側の共振回路に設定する第13ステップ(S116)と、を含む。前記第2ステップにおいて、前記送電装置は、前記第1電力よりも大きい電力で送電を開始する。
これによれば、反射電力量が最も小さくなる共振周波数を探索して、送電側の共振回路に設定することが容易となる。また、初めに低い電力で送電を開始し、その後電力を大きくして送電を開始することで、送電開始時において既に異物が存在する場合であっても、その異物に与える影響を小さくすることができるから、非接触電力伝送システムにおける送電制御の信頼性を高めることができる。
〔25〕(制御方法;送電対象の認証)
項24の制御方法において、前記第1ステップは、前記第10ステップの前に、前記受電装置に対して当該受電装置が電力の送電対象であるか否かの認証を行うステップ(S104)を更に含む。前記第10ステップは、前記受電装置が送信対象であると認証された場合に実行される。
これによれば、非接触電力伝送システムにおける送電制御の信頼性を更に高めることができる。
〔26〕(制御方法;受電装置の受電の通知を受けてから、送信開始)
項24の制御方法において、前記第1ステップは、前記受電装置が、前記第10ステップによって送電された電力を受け取った場合に、電力を受け取った旨の通知を前記送電装置に送信するステップ(S122)を含む。前記第1ステップは、更に、前記送電装置が、前記電力を受け取った旨の通知を受け取った場合に、前記受電装置に対して当該受電装置が電力の送電対象であるか否かの認証を行うステップ(S124)を含む。前記第11ステップは、前記受電装置が送信対象であると認証された場合に実行される。
これによれば、送電装置と受電装置との間で無線通信(データ通信)は可能であるが、十分な電力の送受電が行えないといった状況において送電が開始されてしまうことを防ぐことができ、非接触電力伝送システムにおける送電制御の信頼性を更に高めることができる。
〔27〕(送電装置;インピーダンスが調整可能な共振周波数調整部の構成)
項7乃至13の何れかの送電装置において、前記共振周波数調整部は、前記電源部と前記一次共振回路との間に設けられたインダクタ(202)と、前記インダクタの一端とグラウンドノードとの間に接続された第1容量(201)と、前記インダクタの他端と前記グラウンドノードとの間に接続された第2容量(203)とを含み、前記第1容量と前記第2容量の容量値が調整可能にされる。
これによれば、前記共振周波数調整部のインピーダンスを調整することが容易となる。
〔28〕(送電装置;バリキャップダイオードで構成された容量素子)
項27の送電装置において、前記第1容量と前記第2容量は、可変容量ダイオード(503、504)を含んで構成される。前記可変容量ダイオードは、前記制御部から供給された電圧に基づいて制御可能にされる。
これによれば、前記第1容量と前記第2容量の容量値を変化させることが容易となる。
〔29〕(送電装置;容量とスイッチトランジスタを含んで構成された容量素子)
項27の送電装置において、前記第1容量と前記第2容量は、容量素子(603)とスイッチ回路(SW)とが直列に接続された容量回路(601)を複数(n、m)含んで構成される。
これによれば、前記第1容量と前記第2容量の容量値を変化させることが容易となる。
〔30〕(送電装置;電流リークを防止する構成のスイッチ回路)
項29の送電装置において、前記スイッチ回路は、直列に接続された二つの電界効果トランジスタ(604、605)を含む。前記二つの電界効果トランジスタは、互いのソース電極及びバックゲート電極が共通に接続される。
これによれば、電解効果トランジスタのバックゲート電極とドレイン電極との間の寄生ダイオードを介して電流がリークすることを防止できる。
〔31〕(非接触給電システム;送電側より受電側のQ値が小さくされる)
項14又は15の非接触給電システムにおいて、前記受電装置の共振回路(130)は、前記送電装置の共振回路(110)よりもQ値が小さくされる。
これによれば、前記受電装置の共振周波数のずれ幅は、送電装置の共振周波数のずれ幅よりも小さくなるため、送電装置に比べて共振周波数の調整が容易となる。
〔32〕(共振周波数のずれに基づいて異物の種類を判定する送電装置)
項1乃至13とは異なる別の実施の形態に係る送電装置(1)は、共振回路(110)を利用した電磁界の共振結合によって非接触で電力の送電を行う。当該送電装置は、前記電力を送電するための送電信号の周波数(fTx)に対応して設定された前記共振回路の共振周波数が前記電力の送電中にずれた場合に、前記共振周波数がずれた方向を検出し、その検出結果に基づいて送電範囲に存在する異物の種類を判定する。
これによれば、送電範囲に存在する異物の有無のみならず、その異物の種類を判定することができるから、異物の検出精度を高めることができ、非接触給電システムの信頼性の向上に資する。
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。なお、発明を実施するための形態を説明するための全図において、同一の機能を有する要素には同一の符号を付して、その繰り返しの説明を省略する。
≪実施の形態1≫
〈非接触給電システムの概要〉
図1に、実施の形態1に係る送電装置を含む非接触給電システムを例示する。同図に示される非接触給電システム3は、送電装置1と受電装置2とを含む。非接触給電システム3では、送電装置1から受電装置2への非接触(ワイヤレス)による電力供給が可能とされる。特に制限されないが、非接触給電システム3は、電磁界の共振結合を利用した磁気共鳴方式によって非接触電力伝送が可能にされる。非接触電力伝送において、送電電力として出力される送電信号の周波数(送電周波数)は、例えば数MHz帯の周波数とされる。また、非接触給電システム3では、近距離無線通信によって、送電装置1と受電装置2との間で相互にデータの送信と受信が可能とされる。当該近距離無線通信は、例えば、数GHz帯の周波数を用いた無線通信である。
〈送電装置1の構成〉
送電装置1は、例えば、発振器101、送電アンプ102、共振周波数調整回路(RSNF_CNT)103、電源回路(REG_CIR)112、制御回路(CNT_CIR)104、通信部(CMM_CIR)105、電力量検出部(PWR_SEN)106、給電コイル107、共鳴コイル108、共振容量109、通信用アンテナ111を含んで構成される。
発振器101は、送電装置1から送信される電力を送電するための送電信号に応じた周波数の交流信号を生成する。特に制限されないが、発振器101から出力される交流信号の周波数は固定とされ、前記送電信号の周波数(送電周波数)fTxと等しくされる。送電アンプ102は、発振器101から出力された交流信号を増幅して、送電すべき電力の大きさに応じた駆動信号を生成する。送電アンプ102は、その増幅率が可変される可変増幅器である。送電アンプ102は、例えば、電源回路112によって生成された電圧を電源として動作し、送電アンプ102に供給されるバイアス電圧やバイアス電流が調整されることにより、その増幅率が可変される。電源回路112は、例えば電源アダプタやユニバーサルシリアルバス(USB)等から供給された入力電圧VINに基づいて、送電装置1の各機能部の動作電源となる複数の電圧を生成する。例えば、上述したように送電アンプ102の動作電源となる電圧や、制御回路104の動作電源となる電圧を生成する。
送電アンプ102から出力された駆動信号は、共振周波数調整回路103を介して給電コイル107に給電される。給電コイル107と共鳴コイル108とは磁気的に結合され、給電コイル107に供給された駆動信号に係る交流電力が、電磁誘導によって共鳴コイル108に供給される。共鳴コイル108と共振容量109とは、一次側の共振回路110を構成する。共振回路110は、例えば、共鳴コイル108と共振容量109とが並列に接続された並列共振回路である。共振回路110による共振によって磁界が発生することにより、送電装置1から電力が送信される。
共鳴コイル108と共振容量109で強い磁界を発生させるためには、共鳴コイル108のQ値を高くする必要がある。ここでコイルのQ値について説明する。コイルのQ値は先鋭度、選択度などと呼ばれ、コイルのインダクタンスをL、コイルの巻き線抵抗成分をr、送電周波数fTxの角速度をωとするとQ値は次式で求められる。
Figure 0006087434
式(1)から理解されるように、Q値を高くするには、コイルの抵抗成分rを小さくして、低損失なコイルを用いればよい。このため、コイルに使う線材としては抵抗成分の小さい銅の線材を用いるとともに線径をなるべく太くすることで低損失化を図ることが好ましい。
共振周波数調整回路103は、送電アンプ102と共振回路110との間に設けられる。具体的に、共振周波数調整回路103は、給電コイル107と送電アンプ102との間に接続され、共振回路110とそれに接続される内部回路とのインピーダンス整合を行うとともに、共振回路110の共振周波数を調整する。共振周波数調整回路103の具体的な内部構成については後述するが、共振周波数調整回路103はそのインピーダンスが調整可能にされ、インピーダンスを調整することにより、共振回路110の共振周波数を調整する。例えば送電装置1から送電された電力を受電装置2が受電し、バッテリBATを充電するような通常の給電動作時には、共振回路110と内部回路との間のインピーダンスが整合されるとともに、共振回路110の共振周波数が送電周波数と等しくなるように調整される。これにより、磁気的結合によって給電コイル107から共振回路110に効率よく給電されるとともに、共鳴コイル108からは効率よく磁界が発生し、受電装置2の共振回路130と強く結合する。
電力量検出部106は、送電アンプ102から共振回路110側に供給される駆動信号の入射電力量に対応した電圧Viと、駆動信号の反射電力量に対応した電圧Vrとを生成する。通信部105は、通信用アンテナ111を介して受電装置2と無線通信を行う。例えば、受電装置2が送電装置1の送電対象であるか否かを認証するための認証データのやり取りや、送電装置1から送電された電力を受電装置2が受信したか否かを通知する受電通知のやり取り等は、当該無線通信を利用して行われる。その他、非接触電力伝送の制御に必要な受信装置2とのデータのやり取りは、通信部105による無線通信によって実現される。
制御回路104は、メモリ等に格納されたプログラムに従ってデータ処理を実行するプログラム処理装置を含んで構成される。制御回路104は、例えばマイクロコントローラであり、例えば公知のCMOS集積回路の製造技術によって1個の単結晶シリコンのような半導体基板に形成された半導体集積回路を含んで実現される。制御回路104は、送電装置1の統括的な制御を行う。例えば、通信用アンテナ111を介した無線通信と共鳴コイル108を介した非接触電力伝送の実行と停止を制御するとともに、無線通信における各種データ処理及び非接触電力伝送データに係る各種データ処理を行う。例えば、制御回路104は、無線通信を行う際に、無線通信に係る信号の変調処理及び復調処理を行う。また、制御回路104は、非接触電力伝送を行う際に、送電アンプ102の増幅率を制御することにより送電すべき電力量を調整するとともに、共振周波数調整回路103を制御することにより共振回路110の共振周波数を調整する。更に、制御回路104は、非接触電力伝送時に、電力量検出部106によって生成された電圧Vi及びVrを取り込んで、電圧定在波比VSWRを算出し、その算出結果に基づいて各種の制御を行う。なお、制御回路104による電圧定在波比VSWRに基づく制御の詳細については後述する。
〈受電装置2の構成〉
受電装置2は、例えば、携帯端末などの小型携帯機器であり、無線通信によるデータの送受信と、非接触給電によるバッテリBATの充電等が可能にされる。受電装置2は、例えば、受電コイル131、共振容量132、整流回路(RCR_CIR)133、電源回路(REG_CIR)134、充電制御回路(CHGCNT)135、制御回路(CNT_CIR)136、通信部(CMM_CIR)137、通信用アンテナ138、内部回路(EC)139、バッテリBATを含んで構成される。
受電コイル131と共振容量132とは、二次側の共振回路130を構成し、送電装置1の一次側の共振回路110によって発生された磁界の共鳴作用によって、起電力(交流信号)を生ずる。共振回路130の共振周波数が送電周波数fTxと等しくなるように調整されることにより、送電装置1からの磁界を効率よく受信することができる。
整流回路133は、共振回路130によって受電した交流信号を直流に変換する。電源回路134は、整流回路133によって直流に変換された電圧を、所望の大きさの一定電圧に変換する。電源回路134は、DC/DCコンバータであって、例えば降圧型のスイッチングレギュレータやシリーズレギュレータ(LDO:Low drop out)等を含んで構成される。
電源回路134によって生成された電圧は、受電装置2の各機能部の電源電圧として供給される。例えば、図1には、電源回路134の出力端子に接続される負荷回路140として、内部回路139、充電制御回路135、及びバッテリBATが例示されている。
内部回路139は、受電装置2としての特有の機能(例えば受電装置2が携帯端末であれば、携帯端末として期待される機能)を実現するための電子回路である。バッテリBATは、電源回路134によって生成された直流電圧に基づいて充電が可能にされる二次電池である。特に制限されないが、バッテリBATは、例えば1セルの電池(4.0〜4.2V)とされ、例えばリチウムイオン電池とされる。充電制御回路135は、電源回路134の生成した直流電圧によるバッテリBATの充電を制御する。例えば、充電制御回路135は、バッテリBATの充電電流やバッテリBATの端子電圧を監視することにより、バッテリBATの状態(満充電容量、残量、及び充電状態等)を検知し、充電の実行や停止等を制御する。特に制限されないが、充電制御回路135は、公知のCMOS集積回路の製造技術によって1個の単結晶シリコンのような半導体基板に形成された半導体集積回路から構成され、例えばマイクロコントローラである。
通信部137は、通信用アンテナ138を介して送電装置1と無線通信を行う。具体的には、受電装置2の通信部137と送電装置1の通信部105との間で、通信用アンテナ111、138を介した無線通信によるデータの送受信が可能にされる。
制御回路136は、受電装置2の統括的な制御を行う。例えば、通信用アンテナ138を介した無線通信の実行と停止の制御や無線通信における各種データ処理(例えば受信した信号の変調処理や復調処理)に加え、電源回路134の動作制御(イネーブル制御)や充電制御回路135によるバッテリBATの充電制御の実行と停止を制御する。
上述した共振回路130は、20Ω〜30Ω程度の入力インピーダンスを持つ後段の整流回路133と直列に接続されるため、送電装置1の共振回路110よりもQ値が小さくされる。これにより、異物等の侵入により受電装置2の共振回路130の共振周波数がずれた場合であっても、そのずれ幅が送電装置の共振周波数のずれ幅よりも小さくなるため、送電装置1に比べて共振周波数の調整が容易となる。また、図1に示されるように、共振回路130を受電コイル131と共振容量132を直列に接続した直列共振回路とすることにより、後段の回路とのインピーダンス整合を図ることが容易となり、共振回路130の後段に整合回路を別途設ける必要性が低くなる。仮に、整合回路を設けたとしても、その整合回路を簡単な回路構成で実現することができる。これにより、受電装置2の小型化に資する。
〈共振周波数調整回路103の構成〉
送電装置1における共振周波数調整回路103について詳細に説明する。
上述したように、共振回路110の共振周波数の調整は、共振周波数調整回路103のインピーダンスを変化させることによって実現される。共振周波数調整回路103としては、例えば、アンテナカップラーを用いることができる。
図2に、共振周波数調整回路103の内部構成を例示する。同図に示されるように、共振周波数調整回路103は、送電アンプ102の出力ノードと給電コイル107との間に直列に接続されたインダクタ202と、インダクタ202の送電アンプ102側の端子とグラウンドノードとの間に接続された可変容量201と、インダクタ202の給電コイル107側の端子とグラウンドノードとの間に接続された可変容量203とを含む。可変容量201と可変容量203は、その容量値が調整可能にされる。これにより、共振周波数調整部103のインピーダンスを容易に変化させることができ、共振周波数を調整することが容易となる。例えば、同図に示される共振周波数調整回路103の場合、可変容量201、203の容量値を大きくすると共振周波数が低くなる方向にずれ、容量値を小さくすると共振周波数が高くなる方向にずれる。
図3は、共振周波数調整回路103によるインピーダンス整合を説明するためのスミスチャート図である。同図には、共振周波数調整回路103のインピーダンスを調整することにより、給電コイル107のインピーダンスの特性が変化する様子が示されている。
図3に示されるように、共振周波数調整回路103を設けなかった場合の送電アンプ102から見た共振回路110(給電コイル107)側のインピーダンス10が、容量性の高い特性である場合を考える。この場合、共振周波数調整回路103を上記位置に設けることによって、インピーダンスは以下のように移動する。先ず、可変容量203によって、参照符号Aに示される方向にインピーダンスが移動する。次に、インダクタ202によって、参照符号Bに示される方向にインピーダンスが移動する。そして、可変容量201によって、参照符号Cに示される方向にインピーダンスが移動する。
ここで、参照符号Aに示される方向のインピーダンスの変化量は、可変容量203の容量値によって決定され、参照符号Bに示される方向のインピーダンスの変化量は、可変容量201の容量値によって決定される。したがって、送電アンプ102から見た共振回路110側のインピーダンスが参照符号11の位置(スミスチャート上の中央:50Ω)に来るように可変容量201、203の容量値を調整することで、インピーダンスの整合が図られる。
図4は、共振周波数と信号の反射電力量との関係を示す図である。同図において、横軸は周波数を表し、縦軸は信号の反射電力量(リターンロス)を表す。参照符号301は、インピーダンスが図3の参照符号10の位置にある場合の反射特性を表し、参照符号300は、インピーダンスが図3の参照符号11の位置にある場合の反射特性を表す。また、同図におけるfTxは、送電周波数を表す。夫々の特性300、301において、反射電力量が最も小さいときの周波数が共振回路110の共振周波数である。
前述したように、共振周波数調整回路103を設けなかった場合、送電アンプ102から見た共振回路110側のインピーダンスが図3の参照符号10の位置に存在し、インピーダンス不整合の状態となる。この場合、共振回路110の共振周波数は、特性301に示されるように、送電周波数fTxよりも低域にずれる。このため、送電周波数fTxの交流信号を送電アンプ102から出力すると、その反射電力量が大きくなり、効率の良い送電を行うことができない。これに対し、共振周波数調整回路103によってインピーダンスを図3の参照符号11の位置に移動させて整合させた場合、特性300に示されるように、共振周波数が送電周波数fTxと一致し、反射電力量が最も小さくなる。
以上のように、共振周波数調整回路103のインピーダンスを調整することによって、インピーダンス整合を図るとともに、共振回路110の共振周波数を送電周波数fTxと一致させることができ、反射電力量の少ない効率の良い送電を実現することができる。
次に、共振周波数調整回路103を実現するための具体的な回路構成として、代表的に2つの例を図5及び図6に示す。
図5は、共振周波数調整回路103の一実施の形態を例示する図である。同図に示されるように、可変容量201、203は可変容量ダイオード(例えば、バリキャップダイオード)を含んだ構成される。具体的に、可変容量201は、一端が送電アンプ102の出力ノードに接続された容量501と、容量501の他端とグラウンドノードとの間に接続された可変容量ダイオード503と、容量501と可変容量ダイオード503との接続ノードに接続された抵抗505と、を含む。同様に、可変容量203は、一端が給電コイル107に接続された容量502と、容量502の他端とグラウンドノードとの間に接続された可変容量ダイオード504と、容量502と可変容量ダイオード504との接続ノードに接続された抵抗506と、を含む。可変容量ダイオード503、504の容量値は、抵抗505、506を介して可変容量ダイオード503、504のカソード側に印加されるバイアス電圧の大きさによって変化する。具体的には、制御回路104は、可変容量ダイオード503、504のバイアス電圧を制御することにより、可変容量201、203の容量値を変化させ、共振回路110の共振周波数を調整する。
以上の構成によれば、可変容量201、203の容量値を変化させることが容易となる。
図6は、共振周波数調整回路103の別の実施の形態を例示する図である。同図に示されるように、可変容量201、203は、容量素子とスイッチ回路とが直列に接続された回路を複数含んで構成される。具体的に、可変容量201は、一端が送電アンプ102の出力ノードに接続された容量603と、容量603の他端とグラウンドノードとの間に接続されたスイッチ回路SWとを含む容量回路601を複数個含み、夫々の容量回路601が並列に接続された構成とされる。可変容量203も、可変容量201と同様に、複数の容量回路602が並列に接続された構成とされる。夫々のスイッチ回路SWは、制御部104によってオン・オフが制御可能にされる。これにより、可変容量201、203の容量値を変化させることが容易となる。なお、同図には、可変容量201として、n(nは2以上の整数)個の容量回路601_1〜601_nが設けられ、可変容量203として、m(mは2以上の整数)個の容量回路602_1〜602_mが設けられた場合が例示される。n及びmの数を増やすことにより、共振周波数の調整幅を広くすることができ、また、より細かい調整間隔で共振周波数を調整することが可能となる。
図7に、スイッチ回路SWの内部構成を例示する。同図に示されるように、スイッチ回路SWは、トランジスタ604とトランジスタ605とが直列に接続された構成とされる。トランジスタ604、605は、例えば電界効果トランジスタである。トランジスタ604、605は、互いのソース電極及びバックゲート電極が共通に接続される。具体的には、トランジスタ604のドレイン電極が容量603の他端に接続され、トランジスタ604のソース電極及びバックゲート電極が、トランジスタ605のソース電極及びバックゲート電極が接続される。トランジスタ605のドレイン電極は、グラウンドノードに接続される。トランジスタ604のゲート電極には抵抗606が接続され、トランジスタ605のゲート電極には抵抗607が接続される。トランジスタ604、605のゲート電極に、制御回路104から共通の制御信号が供給されることにより、トランジスタ604、605のオン・オフが制御される。例えば、トランジスタ604、605のゲート電極にハイ(High)レベルの制御信号を印加すると、電界効果トランジスタ604、605がオン状態となって容量603が接地されることにより、共振周波数が低くなる方向に変化する。一方、例えば、トランジスタ604、605のゲート電極にロー(Low)レベルの制御信号を印加すると、電界効果トランジスタ604、605がオフ状態となって容量603の一端が開放(オープン)状態となり、共振周波数が高くなる方向に変化する。
これによれば、スイッチ回路SWを簡単な回路構成によって実現することができる。また、トランジスタ604、605のソース及びバックゲート電極を共通接続することにより、容量603に接続されるノードの電圧がグラウンド電圧よりも低くなった場合であっても、トランジスタ604、605のオフ期間に、トランジスタ604、605のバックゲート電極とドレイン電極の間に存在する寄生ダイオードを介して電流がリークすることを防ぐことができる。
〈電力量検出部106の構成〉
前述したように、電力量検出部106は、送電アンプ102から共振回路110側(共振周波数調整回路103)に供給される駆動信号の入射電力量に対応した電圧Viと、前記駆動信号の反射電力量に対応した電圧Vrとを生成する。電力量検出部106として、例えば、CM型方向性結合器を用いることができる。
図8は、電力量検出部106の一実施の形態を例示する図である。同図に示されるように、電力量検出部106は、トロイダルコア701、1次側巻き線702、2次側巻き線703、容量704、705、706707、検波ダイオード708709、反射電力基準抵抗710、入射電力基準抵抗711、抵抗712、713、反射電圧出力端子714、及び入射電圧出力端子715を含んで構成される。同図において、1次側巻き線702は送電アンプ102と共振周波数調整回路103との間に挿入され、2次側巻き線703の両端は反射電力基準抵抗710、入射電力基準抵抗711を介してグラウンドノードに接続(接地)される。共振周波数調整回路103と1次側巻き線702との接続ノードND2とグラウンドノードとの間に、容量705と容量707とが直列に接続される。また、送電アンプ102と1次側巻き線702との接続ノードND1とグラウンドノードとの間に、容量704と容量706とが直列に接続される。検波ダイオード709は、そのアノードが2次側巻き線703と入射電力基準抵抗711との接続ノードに接続され、検波ダイオード708のアノードが、2次側巻き線703と反射電力基準抵抗710との接続ノードに接続される。検波ダイオード708のカソードは、抵抗712を介して反射電圧出力端子714に接続される。検波ダイオード709のカソードは、抵抗713を介して入射電圧出力端子715に接続される。
以上の構成により、送電アンプ102から給電コイル107側に入射される駆動信号の入射電力量に対応した電圧Viが検波ダイオード709により検波され、入射電圧出力端子715から出力される。一方、給電コイル107側から送電アンプ102側に反射した反射信号の反射電力量に対応した電圧Vrが検波ダイオード708により検波され、反射電圧出力端子714から出力される。上記の構成によれば、入射電力量及び反射電力量に応じた電圧を容易に生成することができる。
図9は、電力量検出部106の別の実施の形態を例示する図である。同図に示されるように、電力量検出部106は、トロイダルコア731、トライダルコア732、1次側巻き線735、736、2次側巻き線737、738、検波回路733、734、反射電力基準抵抗710、及び入射電力基準抵抗711を含んで構成される。
トロイダルコア731の1次巻き線(巻き数の多い側)735は、その一端が送電アンプ102の出力ノードに接続され、他端がグラウンドノードに接続(接地)される。トロイダルコア731の2次巻き線737の両端は、反射電力基準抵抗710と入射電力基準抵抗711を介して夫々グラウンドノードに接続(接地)される。トライダルコア732の1次巻き線(巻き数の少ない側)736は、その一端が送電アンプ102の出力ノードに接続され、他端が共振周波数調整回路103に接続される。トライダルコア732の2次巻き線738は、その一端がグラウンドノードに接続され、他端が、入射電力基準抵抗711と2次巻き線737との接続ノードに接続される。検波回路733は、その入力端子に反射電力基準抵抗710と2次巻き線737との接続ノードが接続される。検波回路734は、その入力端子に入射電力基準抵抗711と2次巻き線737、738との接続ノードが接続される。
以上の構成によれば、送電アンプ102からの給電コイル107側に入射される駆動信号の入射電力量に応じた電圧が、トロイダルコア732を介して入射電力基準抵抗711の両端に生じる。検波回路734は、入射電力基準抵抗711の両端に生じた電圧を検波し、その検波結果に応じた直流電圧を入射電力量に対応した電圧Viとして出力する。一方、給電コイル107側から送電アンプ102側に反射した反射信号の反射電力量に応じた電圧が、トロイダルコア731を介して反射電力基準抵抗710の両端に生じる。検波回路733は、反射電力基準抵抗710の両端に生じた電圧を検波し、その検波結果に応じた直流電圧を反射電力量に対応した電圧Vrとして出力する。上記の構成によれば、入射電力量及び反射電力量に応じた電圧を容易に生成することができる。
なお、図8及び9において、入射と反射の基準となるインピーダンスは反射電力基準抵抗710、入射電力基準抵抗711により設定可能である。反射電力基準抵抗710、入射電力基準抵抗711として、例えば50Ωの抵抗が用いることができるが、これに限定されるものではない。
〈非接触給電システムにおける送電範囲に存在する異物の判定〉
送電装置1の送電範囲に異物が存在すると、送電装置1から受電装置2に対して送電された電力の一部が異物に吸収され、非接触給電システム3における電力の伝送効率が低下するとともに、その異物が発熱によって破損する虞がある。前述したように、従来は、送電範囲に異物が存在する場合に、その異物が非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かによらず電力の送電を停止するなどの安全制御を行っていたため、非接触電力伝送システムの信頼性が高いとは言えなかった
非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かは、前述したように、異物の材質と送電周波数fTxによって異なる。例えば、本実施の形態のように、NFC通信の周波数(13.65MHz)に近い数MHz帯の送電周波数fTxを用いた非接触給電システム3では、異物がNFC規格に準拠したICカード等であれば、異物に吸収される送電電力は大きくなり、異物が金属であれば、異物に吸収される送電電力は小さくなる傾向がある。
また、本願発明者が検討したところによれば、非接触給電システムにおいて送電中に送電範囲に異物が侵入した場合、異物が金属であれば共振周波数が高い方にずれる傾向があり、異物が非金属系のプラスチック等に覆われたICカード等であれば共振周波数が低い方にずれる傾向がある。
そこで、本非接触給電システム3では、共振回路110の共振周波数が送電中にずれた場合に、送電装置1が共振周波数のずれた方向を検出し、その検出結果に基づいて送電処理を制御する。これによれば、送電範囲に存在する異物の有無のみならず、非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かを精度良く判定することが可能となり、非接触給電システムの信頼性が向上する。具体的には、送電装置1は、上記検出結果に基づいて送電の継続の可否を決定する。以下この内容について詳細に説明する。
送電装置1は、共振周波数調整回路103のインピーダンス(共振回路110の共振周波数)を変化させながら送電に係る信号の反射電力量を検出し、その検出結果に基づいて反射電力量の変化方向(増減)を判定することにより、共振周波数のずれの方向を判断する。反射電力量の変化方向に基づく共振周波数のずれの方向の判別について、図10、11を用いて説明する。
図10は、送電アンプ102から給電コイル107側を見たときのインピーダンスを示すスミスチャート図である。同図には、共振周波数調整回路103のインピーダンスを調整することにより、給電コイル107のインピーダンスが移動する様子が示されている。
同図において、参照符号12は、共振回路110の共振周波数を送電周波数fTxと一致するように設定したときの送電アンプ102から給電コイル107側を見たインピーダンスを示す。
送電範囲内に異物として金属が侵入した場合、共振周波数が高い方にずれ、送電アンプ102から給電コイル107側を見たインピーダンスは例えば参照符号13の位置となる。この場合、共振周波数調整回路103の可変容量201、203の容量値を大きくして共振周波数を下げれば、インピーダンスがY方向に移動し、参照符号12の位置に近づけることが可能になる。他方、送電範囲内に異物としてICカード等の非金属が侵入した場合、共振周波数は低い方にずれ、送電アンプ102から給電コイル107側を見たインピーダンスは例えば参照符号14の位置となる。この場合、共振周波数調整回路103の可変容量201、203の容量値を小さくして共振周波数を上げれば、インピーダンスがX方向に移動し、参照符号12の位置に近づけることが可能になる。
図11は、共振周波数調整回路103のインピーダンスを変化させたときの共振周波数を示す図である。同図において、横軸は周波数を表し、縦軸は信号の反射電力量(リターンロス)を表す。参照符号400は、共振回路110の共振周波数が送電周波数fTxと一致しているときの反射特性を表し、参照符号401は、共振周波数が送電周波数fTxよりも低域にずれているときの反射特性を表し、参照符号402は、共振周波数が送電周波数fTxよりも高域にずれているときの反射特性を表す。
参照符号402のように、共振周波数が送電周波数fTxよりも高域にずれているときは、可変容量201、203の容量値を大きくすれば共振周波数が低くなる方向に移動する。逆に、参照符号403のように、共振周波数が送電周波数fTxよりも低域にずれているときは、可変容量201、203の容量値を小さくすれば共振周波数が高くなる方向に移動する。したがって、共振周波数調整部103の可変容量201、203の容量値(共振周波数)をずらしながら反射電力量を計測し、可変容量201、203の容量値の変化方向に対して反射電力量が増加(減少)したか否かを判定することにより、共振周波数がどちらの方向にずれたのかを推定することができる。更に、可変容量201、203の容量値の変化量から、共振周波数がどの程度ずれているかを推定することも可能となる。
具体的に、送電装置1は、例えば以下に示す3つの手法によって共振周波数のずれの方向を判定する。
一つは、送電中に共振周波数がずれたことが検出されたら、制御部104が、共振回路110の共振周波数が高くなるように共振周波数調整部103のインピーダンスを調整し、それによって反射電力量が増加又は減少したかを判定する。例えば、その調整により反射電力量が増加した場合には、共振周波数が送電周波数fTxよりも高くなる方向にずれたと判定する。逆に、反射電力量が減少した場合には、共振周波数が送電周波数fTxよりも低くなる方向にずれたと判定する。これによれば、簡単且つ高精度に、共振周波数のずれた方向を判別することができる。
もう一つは、送電中に共振周波数がずれたことが検出されたら、制御部104が、共振回路110の共振周波数が低くなるように共振周波数調整部103のインピーダンスを調整し、それによって反射電力量が増加又は減少したかを判定する。例えば、反射電力量が増加した場合には、共振周波数が送電周波数fTxよりも低くなる方向にずれたと判定する。逆に、反射電力量が減少した場合には、共振周波数が送電周波数fTxよりも高くなる方向にずれたと判定する。これによれば、簡単且つ高精度に、共振周波数のずれた方向を判別することができる。
更にもう一つは、上記2つの手法を組み合わせた手法である。すなわち、送電中に共振周波数がずれたことが検出したら、制御部104が、共振回路110の共振周波数が低くなるように共振周波数調整部103のインピーダンスを調整したときの反射電力量の変化方向と、共振回路110の共振周波数が高くなるように共振周波数調整部103のインピーダンスを調整したときの反射電力量の変化方向とに基づいて、共振周波のずれの方向を判別する。これによれば、より高精度に共振周波数のずれた方向を判別することができる。
特に制限されないが、反射電力量の変化方向及び変化量は、電圧定在波比VSWRの変化方向及び変化量によって推定することができる。例えば、電圧定在波比VSWRは、(式2)によって算出される。
Figure 0006087434
制御部104は、電力量検出部106によって生成された電圧Vi及びVrに基づいて電圧定在波比VSWRを算出し、反射電力量を推定する。例えば、可変容量201、203の容量値を変化させることによって、電圧定在波比VSWRが増加した場合には反射電力量が増加したと判断し、電圧定在波比VSWRが減少した場合には反射電力量が減少したと判断する。これにより、反射電力量の変化方向を簡単且つ高精度に判別することができる。
制御部104は、上記の判別方法によって共振周波数のずれの方向を判定したら、その判定結果に応じて、その異物が非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かを判定し、送電の継続と停止を制御する。
図12は、実施の形態1に係る異物の判定基準の一例を示す図である。
同図に示されるように、制御部104は、共振周波数が高い方向にずれた場合に、異物120が非接触電力伝送に影響のない異物(金属)であると判定し(判定OK)、送電を継続する。他方、共振周波数が低い方向にずれた場合に、異物120が非接触電力伝送に影響のない異物(ICカード等)であると判定し(判定NG)、送電を停止する。
上述の制御によれば、異物として例えばNFC規格に準拠したICカードが存在する場合に送電が停止されるので、そのICカードが発熱によって破壊されるのを防ぐことができる。一方、異物として送電電力の吸収が少ない金属が存在する場合は送電が停止されないので、単に異物の有無を判定することによって送電を停止するような制御に比べて、効率の良い送電が可能となる。
〈非接触給電システム3における送電制御の処理フロー〉
非接触給電システム3における送電制御の処理の流れについて、図13、14を用いて詳細に説明する。
図13は、非接触給電システム1において電力の送電が開始されるまでの処理の流れの一例を示すフロー図である。同図に示されるフロー図には、例えば送電装置1の送電範囲に受電装置2が存在することを検知してから、電力が送電されるまでの処理の流れが例示されている。
例えば送電装置1の電源が投入され、送電装置1が動作可能な状態となると、送電制御に係る処理が開始される(S101)。先ず、送電装置1は、受電装置と無線通信を行うため、アンテナ111からデータを送信する(S102)。送電装置1における通信部105は、送信したデータに対する応答の有無に基づいて、通信エリア内に通信可能な受電装置が存在か否かを判定する(S103)。通信可能な受電装置が存在しない場合には、データの送信を繰り返し行う(S102)。通信可能な受電装置が存在する場合には、送電装置1は、当該受電装置との間で無線通信を行い、当該受電装置が電力の送電対象であるか否かの認証を行う(S104)。認証の結果、当該受電装置が送電装置1の送電対象ではないと判定された場合には、ステップS102に戻り、送電装置1はデータの送信を再開する。認証の結果、当該受電装置が送電装置1の送電対象であると判定された場合には、送電装置1は、通常よりも低い電力で送電を開始する(S105)。具体的には、制御部104が、通常の送電時の電力量よりも低い電力量となるように、送電アンプ102の増幅率を変化させる。これによれば、送電装置1の送電範囲に異物が最初から置かれていた場合であっても、その異物に与える影響を小さくすることができる。
送電装置1は、通常の送電時よりも低い電力量の送電を行っている期間に、入射電力量に対応する電圧Vi及び反射電力量に対応する電圧Vrを計測し、制御部104によって電圧在波比VSWR値を算出する(S106)。制御部104は、算出したVSWRの値が予め設定された閾値TA以上であるか否かを判定する(S107)。算出したVSWRの値が予め設定された閾値TA以上である場合には、受電装置2が送電アンテナの近くに置かれておらず、送受電間コイルの結合が不足し、電力反射が大きくなったと判断できる。この場合、制御部104は、受電装置2が正常な位置に置かれていないことを示すエラー情報を通知する(S108)。エラー情報の通知は、外部にエラーを通知するものであればその方法に特に制限はない。例えば、送電装置1内に設けられたディスプレイ等の表示部(図示せず)にエラー情報を表示させたり、警告音を発したり、受電装置2と通信を行うことにより受電装置2にエラー情報を送信したりする方法が考えられる。エラー情報の通知後、送電装置1は送電を停止し、送電処理を終了する(S109)。
ステップS107において、算出したVSWRの値が予め設定された閾値TA以上でない場合、制御部104は、共振回路110の共振周波数を所定量だけ一方向に変化させる(S110)。例えば、制御部104は、共振周波数調整部103における可変容量201、203の容量値を所定量だけ大きくすることにより、共振周波数を下げる。そして、制御部104は、電力量検出部106によって検出された電圧Vi及び電圧Vrに基づいて、電圧在波比VSWR値を算出する(S111)。制御部104は、共振周波数の変化前のVSWRの値と変化後のVSWRの値とを比較し、VSWRの値が増加したか否かを判定する(S112)。判定の結果、VSWRの値が減少した場合には、共振周波数が高い方向にずれていることが分かるため、更に所定量だけ共振周波数を下げてVSWRを算出し、変化前後のVSWRの値を比較する処理を、VSWRの値が増加に転じるまで繰り返し実行する(S110〜S112)。
ステップS112の判定の結果、VSWRの値が増加した場合には、制御部104は、共振周波数を変化させる方向を逆にして上記ステップS110〜S112と同様の処理を行う。例えば、制御部104は、共振周波数調整部103における可変容量201、203の容量値を所定量だけ小さくすることにより、共振周波数を上げる(S113)。そして、制御部104は、電力量検出部106によって検出された電圧Vi及び電圧Vrに基づいて、電圧在波比VSWR値を算出する(S114)。制御部104は、共振周波数の変化前のVSWRの値と変化後のVSWRの値とを比較し、VSWRの値が増加したか否かを判定する(S115)。判定の結果、VSWRの値が減少した場合には、共振周波数が低い方向にずれていることが分かるため、更に所定量だけ共振周波数を上げてVSWRを算出し、変化前後のVSWRの値を比較する処理を、VSWRの値が増加するまで繰り返し実行する(S113〜S115)。
ステップS115の判定の結果、VSWRの値が減少した場合には、制御部104は、ステップS110〜S115の処理結果に基づいて共振回路110の共振周波数を設定する(S116)。例えば、ステップS115においてVSWRの値が増加に転じる直前に設定した共振周波数になるように、共振周波数調整回路103のインピーダンスを設定する。これにより、反射電力量(VSWRの値)が最も小さくなったときの共振周波数が設定される。
その後、送電装置1は、通常の電力で送電を開始する(S117)。具体的には、制御部104が、ステップ105で設定した電力量よりも大きな電力量となるように、送電アンプ102の増幅率を変化させる。これにより、受電装置2への給電動作が開始される。
以上の処理によれば、反射電力量が最も小さくなる共振周波数を探索して送電側の共振回路110に設定することが容易となる。これにより、効率の良い非接触電力伝送を実現することできる。また、初めに低い電力で送電を開始し、その後電力を大きくして送電を開始することで、送電開始時において既に異物が存在する場合であっても、その異物に与える影響を小さくすることができるから、非接触電力伝送システムにおける送電制御の信頼性を高めることができる。
図14は、非接触給電システムにおいて異物が接近した場合の処理の流れの一例を示すフロー図である。同図に示されるフロー図には、例えば送電装置1が通常の電力で送電を開始した後に、異物が接近した場合の処理の流れが例示されている。
例えば、図13のステップ117において通常の電力での送電が開始されたら、受電装置2は、受電した電力量の情報を送電装置1に対して送信する(S201)。例えば、受電装置2は、受電した電力量を算出し、その電力量の情報(受電電力量の情報)を、無線通信によって送電装置1に送信する。送電装置1は、入射電力量に対応する電圧Vi及び反射電力量に対応する電圧Vrを計測し、制御部104によって電圧在波比VSWR値を算出する(S202)。制御部104は、算出したVSWRの値が予め設定された閾値TB以下であるか否かを判定する(S203)。算出したVSWRの値が閾値TB以下である場合には、送電装置1は、受電装置2に対して効率よく電力が伝送されていると判断して送電を継続するとともに、再度、受電装置2からの受電電力量の情報の送信を待つ(S201)。
ステップS203において、VSWR値が閾値TBを超えている場合には、送電装置1の送電範囲に異物が侵入した可能性があるため、送電装置1は送電電力を下げる(S204)。次いで、送電装置1は、共振回路110の共振周波数を所定量だけ一方向に変化させる(S205)。例えば、送電装置1における制御部104は、共振周波数調整部103における可変容量201、203の容量値を大きくすることにより、共振周波数を所定量だけ下げる。そして、制御部104は、電力量検出部106によって検出された電圧Vi及び電圧Vrに基づいて、電圧在波比VSWR値を算出する(S206)。制御部104は、共振周波数の変化前のVSWRの値と変化後のVSWRの値とを比較し、VSWRの値が減少したか否かを判定する(S207)。判定の結果、VSWRの値が減少した場合には、異物の侵入によって共振周波数が高い方向にずれていることが分かるため、更に共振周波数を所定量だけ下げてVSWRを算出し、変化前後のVSWRの値を比較する処理を、VSWRの値が増加に転じるまで繰り返し実行する(S205〜S207)。
ステップS207の判定の結果、VSWRの値が増加した場合には、制御部104は、共振周波数を変化させる方向を逆にして上記ステップS205〜S207と同様の処理を行う。例えば、制御部104は、共振周波数調整部103における可変容量201、203の容量値を小さくすることにより、共振周波数を所定量だけ上げる(S208)。そして、制御部104は、電力量検出部106によって検出された電圧Vi及び電圧Vrに基づいて、電圧在波比VSWR値を算出する(S209)。制御部104は、共振周波数の変化前のVSWRの値と変化後のVSWRの値とを比較し、VSWRの値が増加したか否かを判定する(S210)。判定の結果、VSWRの値が減少した場合には、異物の侵入によって共振周波数が低い方向にずれていることが分かるため、更に共振周波数を所定量だけ上げてVSWRを算出し、変化前後のVSWRの値を比較する処理を、VSWRの値が増加に転じるまで繰り返し実行する(S208〜S210)。
VSWRの値が増加に転じたら、制御部104は、最もVSWRの値(反射電力量)が小さくなるときの共振周波数を推定し、その推定された共振周波数から、共振周波数のずれの方向を含む共振周波数のずれ情報を生成する(S211)。そして、制御部104は、前記共振周波数のずれ情報に基づいて、異物の判定処理を実行する(S212)。具体的には、制御部104は、図12に示したように、共振周波数のずれた方向によって、異物の判定処理を行う。例えば、制御部104は、共振周波数が高い方向にずれたと判定したら、非接触電力伝送に影響のない異物(金属)と判断し、共振周波数のずれを補正して送電を継続する(S201)。ここで、共振周波数のずれの補正は、例えば、上述のステップS116と同様に、ステップS210においてVSWRの値が増加に転じる直前に設定した共振周波数になるように、共振周波数調整回路103のインピーダンスを設定することによって実現される。
他方、共振周波数が低い方向にずれたと判定したら、制御部104は、非接触電力伝送に影響のある異物(ICカード等)と判断して送電を停止するとともに、異物の侵入によって送電を停止したことを示すエラー情報を通知する(S213)。エラー情報の通知は、前述のステップS108と同様に、外部にエラーを通知するものであればその方法に特に制限はない。その後、送電装置1は、送電処理を終了する(S214)。
以上、実施の形態1に係る送電装置1によれば、非接触給電システムの送電範囲に存在する異物の有無のみならず、非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かを精度良く判定することが可能となり、非接触給電システムの信頼性が向上する。
≪実施の形態2≫
NFC通信の周波数に近い数MHz帯の送電周波数fTxを用いた非接触給電システムにおいて、異物として金属が存在する場合、その金属の大きさ(表面積)によっては送電の効率に与える影響が無視できない場合がある。例えば、異物が小さな(表面積が小さい)金属であれば、その異物に吸収される送電電力が小さいので送電の効率に与える影響を無視できるが、異物が大きな(表面積が大きい)金属であれば、その異物に吸収される送電電力が大きくなるので、送電の効率が大きく低下する虞がある。
また、異物が金属である場合、その金属の表面積が大きければ共振周波数のずれ幅は大きくなり、表面積が小されば共振周波数のずれ幅が小さくなる傾向がある。他方、異物が非金属である場合、その異物がICカード等であれば共振周波数のずれ幅は小さくなり、その異物がICカード等以外(例えば人体等)であれば共振周波数のずれ幅が大きくなる傾向がある。
そこで、本実施の形態では、共振周波数のずれの方向に加えて共振周波数のずれ幅に基づいて異物の判定を行うことにより、異物の判定精度を向上させる。なお、その他の制御及びそれに関連する非接触給電システム3の構成は、実施の形態1と同様である。
具体的には、制御部104は、上述したステップS205〜S211において、可変容量201、203の容量値を変化させながらVSWRの値(反射電力量)を算出し、VSWRの値が最も小さくなるまでの可変容量201、203の変化量から共振周波数のずれ幅を推定する。そして、制御部104は、ステップS211において、共振周波数のずれの方向の情報とともに、共振周波数のずれ幅の推定値を共振周波数のずれ情報として生成する。制御部104は、共振周波数のずれ幅が所定の閾値を超える場合には、そのずれ幅が大きいと判定し、共振周波数のずれ幅が所定の閾値を超えない場合には、そのずれ幅が小さいと判定する。
図15は、実施の形態2に係る異物の判定基準の一例を示す図である。
制御部104は、異物の判定処理(S212)において、共振周波数のずれの方向と共振周波数のずれ幅とに基づいて、非接触電力伝送に影響のある異物か否かを判定する。例えば、図15に示されるように、共振周波数が高い方向にずれ、且つ、共振周波数のずれ幅が大きい場合には、非接触電力伝送に影響のある異物(比較的大きな金属)であると判定し(判定NG)、送電を停止する。また、共振周波数が高い方向にずれ、且つ、共振周波数のずれ幅が小さい場合には、非接触電力伝送に影響のある異物(比較的小さい金属)であると判定し(判定OK)、送電を継続する。更に、共振周波数が低い方向にずれた場合には、共振周波数のずれ幅によらず送電を停止する。
これによれば、非接触電力伝送に影響のある異物が存在するか否かをより精度良く判定することができるので、非接触給電システムの信頼性の向上に資する。例えば、異物が金属である場合に、その異物が電力の吸収量が比較的大きな金属の場合に給電を停止し、電力の吸収量が比較的小さな金属の場合には給電を継続するので、非接触給電システムにおいて更に効率の良い送電が可能となる。
≪実施の形態3≫
実施の形態1、2では、共振周波数のずれの方向と共振周波数のずれ幅によって非接触電力伝送に影響のある異物か否かを判定したが、実施の形態3では、更に、送電電力がどの程度受電側に供給されているかを考慮して判定を行う。
電力の送電範囲に異物が存在する場合、送電装置1から出力された電力は、その一部が異物に吸収され、残りの電力が受電装置2に供給されたと考えることができる。そこで、送電装置1は、受電装置2から無線通信によって送信された受電電力量の情報と、送電装置1において算出した送電電力量の情報とに基づいて、異物に吸収された電力量を推定し、その推定値に基づいて異物の判定を行う。例えば、制御部104が、送電電力量と受電電力量との差分を算出し、その差分を異物に吸収された電力量の推定値とする。制御部104は、当該推定値が所定の閾値を超える場合には、送電範囲に非接触電力伝送に影響のある異物が存在すると判定し、前記推定値が所定の閾値を超えない場合には、送電範囲に非接触電力伝送に影響のある異物が存在しないと判定する。
図16は、実施の形態3に係る異物の判定基準の一例を示す図である。
制御部104は、異物の判定処理(S212)において、異物に吸収された電力量の推定値と、共振周波数のずれの方向と、共振周波数のずれ幅とに基づいて、非接触電力伝送に影響のある異物か否かを判定する。例えば、図16に示されるように、異物に吸収された電力量の推定値(送電電力量と受電電力量との差分)が所定の閾値よりも大きい場合、制御部104は、送電範囲に非接触電力伝送に影響のある異物が存在すると判断し、異物の種類の判定を行って送電処理を制御する。例えば、この場合、共振周波数が高い方向にずれ、且つ、そのずれ幅が大きければ、非接触電力伝送に影響のある異物(比較的大きな金属)であると判定し(判定NG)、送電を停止する。共振周波数が高い方向にずれ、且つ、そのずれ幅が小さい場合には、非接触電力伝送に影響のある異物(比較的小さい金属)であると判定し(判定OK)、送電を継続する。また、共振周波数が低い方向にずれた場合には、共振周波数のずれ幅によらず送電を停止する。
他方、異物に吸収された電力量の推定値(送電電力量と受電電力量との差分)が所定の閾値よりも小さい場合、送電範囲に非接触電力伝送に影響のある異物が存在しないと判断し(判定OK)、送電を継続する。
これによれば、非接触電力伝送に影響のある異物が存在するか否かを更に精度良く判定することができるので、非接触給電システムの更なる信頼性の向上に資する。
≪実施の形態4≫
実施の形態4では、実施の形態1に係る非接触給電システムの送電制御の処理フローにおいて、通常の電力での送電を開始するまでの別の方法を例示する。なお、その他の制御及びそれに関連する非接触給電システムの構成は実施の形態1と同様であり、それらの詳細な説明は省略する。
図17は、実施の形態4に係る非接触給電システムにおいて、電力の送電が開始されるまでの処理の流れの一例を示すフロー図である。同図に示されるフロー図には、例えば送電装置1の送電範囲に受電装置2が存在することを検知してから、電力が送電されるまでの処理の流れが例示されている。
例えば送電装置1の電源が投入され、送電装置1が動作可能な状態となると、送電制御に係る処理が開始される(S101)。先ず、送電装置1は、通常よりも低い電力で送電を開始する(S121)。具体的には、制御部104が、通常の送電時の電力量よりも低い電力量となるように、送電アンプ102の増幅率を変化させる。これによれば、送電装置1の送電範囲に異物が最初から置かれていた場合であっても、その異物に与える影響を小さくすることができる。
送電装置1は、ステップ121において電力の送電を開始したら、受電装置2からの受電の応答を待つ(S122)。例えば、受電装置2は、ステップ121において送電された電力を受電したら受電した電力量の情報を送電装置1に対して送信する。送電装置1は、前記受電した電力量の情報を受信しなかった場合には、当該情報を受信するまで低い電力での送電を継続する(S121〜S122)。
前記受電した電力量の情報を受信した場合には、送電装置1は受電の応答があったと判断し、受電装置2と無線通信を行うため、アンテナ111からデータを送信する(S123)。送電装置1は、前記受電した電力の情報を送信した受電装置が、電力の送電対象であるか否かの認証を行う(S124)。認証の結果、当該受電装置が送電装置1の送電対象ではないと判定された場合には、ステップS121に戻り、送電装置1は低い電力での送電を継続する。認証の結果、当該受電装置が送電装置1の送電対象であると判定された場合には、送電装置1は、入射電力量に対応する電圧Vi及び反射電力量に対応する電圧Vrを計測し、制御部104によって電圧在波比VSWR値を算出する(S106)。その後の処理は、図13と同様である。
一般に非接触電力伝送による電力の伝送距離よりも無線通信による通信距離の方が長いため、送電装置と受電装置との間で無線通信は可能であるが、十分な電力の送受電が行えないといった状況も有り得る。例えば、送電装置と受電装置との間の無線通信によって受電装置が送電対象であると認証された後に、送電装置から電力の送電が開始されたとしても、その受電装置が送電装置からの電力を十分に受電できない可能性がある。本実施の形態に係る処理フローによれば、最初に非接触電力伝送を行い、それに対する受電の応答の有無に応じて送電のための処理を継続するか否かを決定するので、受電装置が十分な電力を受電できないような状況で送電が開始されてしまうことを防ぐことができる。これにより、非接触電力伝送システムにおける送電制御の信頼性を更に高めることができる。
≪実施の形態5≫
図18に、実施の形態5に係る送電装置を含む非接触給電システムを例示する。
同図に示される非接触給電システム6は、送電装置4と受電装置5とを含む。非接触給電システム6では、送電装置4から受電装置5への磁気共鳴方式による非接触電力伝送と、送電装置4と受電装置5によるNFC通信とが可能にされる。
送電装置4は、アンテナ110の代わりにコイルアンテナ113を備え、通信部105は、コイルアンテナ113を介してNFC通信が可能にされる。その他の構成は、送電装置1と同様である。
受電装置5は、NFC通信に用いるアンテナと磁気共鳴方式による給電に用いるアンテナとを共用し、電力の送電・受電と情報伝達のための通信とを切り替えて行うことが可能とされる。これにより、受電装置5の小型化を図ることができる。
具体的には、受電装置5は、受電コイル141と共振容量132とからなる共振回路140と、共振回路140に接続される切替回路(SEL)142を有する。その他の構成は、受電装置2と同様である。
切替回路142は、共振回路140によって受電した交流信号の信号レベルに応じて、受電した信号を通信部137と整流回路133の何れか一方に切り替えて出力する。
例えば、送電装置4と受電装置5との間でNFC通信を行う場合、送電装置4においては、通信部105がオン状態(イネーブル状態)とされ、送電アンプ102がオフ状態(ディセーブル状態)とされ、コイルアンテナ113によってNFC通信が行われる。これに対し、受電装置5は、通常は、切替回路142の出力が通信部137側にセットされており、送電装置4の通信可能なエリアに受電装置5が接近した場合に、NFC通信を開始する。NFC通信により受電装置5が送電装置4の送電対象と認証されたら、送電装置4は、通信部105をオフ状態とし、送電アンプ102をオン状態にして送電を開始する。受電装置5は、NFC通信時よりも信号レベルの高い信号を受信すると、切替回路142の出力が整流回路133側に切り替わる。これにより、電力の受電が行われる。
上記以外の制御は、非接触給電システムと同様である。すなわち、NFC通信(無線通信)を行うときに送電を停止させる制御を行えば、非接触給電システム1における処理フロー(図13、図14)と同様の制御が可能となる。
したがって、実施の形態5に係る非接触給電システム6によれば、実施の形態1乃至4に係る非接触給電システムと同様に、送電制御の信頼性を高めることができる。
≪実施の形態6≫
図19に、実施の形態6に係る送電装置を含む非接触給電システムを例示する。
同図に示される非接触給電システム9は、送電装置7と受電装置8とを含む。非接触給電システム9では、送電装置7から受電装置8への磁気共鳴方式による非接触電力伝送が行われ、送電装置7と受電装置8による無線通信は行わない。具体的に、送電装置7は、送電装置1から通信部105と通信用アンテナ111を取り除いた構成とされ、受電装置は、受電装置2から通信部137と通信用アンテナ138を取り除いた構成とされる。その他の構成は、非接触給電システムと同様である。
非接触給電システム9における送電制御の処理の流れについて、図20、21を用いて詳細に説明する。
図20は、非接触給電システム9において電力の送電が開始されるまでの処理の流れの一例を示すフロー図である。同図に示されるフロー図には、例えば送電装置の電源が投入されてから、通常の電力で送電が開始されるまでの処理の流れが例示されている。
例えば送電装置7の電源が投入され、送電装置7が動作可能な状態となると、送電制御に係る処理が開始される(S101)。先ず、送電装置7は、通常よりも低い電力で送電を開始する(S131)。具体的には、制御部104が、通常の送電時の電力量よりも低い電力量となるように、送電アンプ102の増幅率を変化させる。これによれば、送電装置7の送電範囲に異物が最初から置かれていた場合であっても、その異物に与える影響を小さくすることができる。送電装置は、低い電力で送電を行っている期間に、入射電力量に対応する電圧Vi及び反射電力量に対応する電圧Vrを計測し、制御部104によって電圧在波比VSWR値を算出する(S107)。その後の処理は、図13と同様である。
以上の処理によれば、無線通信を行わなくても、実施の形態1に係る非接触給電システムと同様に、反射電力量が最も小さくなる共振周波数を探索して送電側の共振回路110に設定することができ、効率の良い非接触電力伝送を実現することが容易となる。また、初めに低い電力で送電を開始し、その後電力を大きくして送電を開始することで、非接触電力伝送システムにおける送電制御の信頼性を高めることができる。
図21は、非接触給電システム9において異物が接近した場合の処理の流れの一例を示すフロー図である。同図に示されるフロー図には、例えば送電装置7が通常の電力で送電を開始した後に、異物が接近した場合の処理の流れが例示されている。
同図に示される処理フローは、受電装置8と送電装置7との間で無線通信を行わない点を除いて、実施の形態1に係る処理フロー(図14)と同様である。
例えば、図20のステップS117において通常の電力での送電が開始されたら、送電装置1は、入射電力量に対応する電圧Vi及び反射電力量に対応する電圧Vrを計測し、制御部104によって電圧在波比VSWR値を算出する(S202)。その後の処理は、図14と同様である。
これによれば、無線通信を行わなくても、実施の形態1に係る非接触給電システムと同様に、非接触給電システムの送電範囲に存在する異物の有無のみならず、非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かを精度良く判定することが可能となり、非接触給電システムの信頼性が向上する。特に、本送電装置7は、小型の電気機器向けの非接触給電システム等に適用して好適である。例えば、受電装置が電気シェーバー等の小型の電気機器である場合、高い送電電力が必要ではないため、無線通信を行わなくても非接触電力伝送に影響のある異物であるか否かを精度良く判定することが可能となる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、実施の形態2に係る異物の判定処理において、共振周波数が低い方向にずれた場合に、共振周波数のずれ幅によらず送電を停止させる制御を行うことを例示したが、これに限られず、共振周波数が低い方向にずれた場合であっても共振周波数のずれ幅によって制御を変えても良い。例えば、共振周波数が低い方向にずれ、且つ、そのずれ幅が小さい場合に、非接触電力伝送に影響のある異物(ICカード等)であると判定し(判定NG)、送電を停止する。他方、共振周波数が低い方向にずれ、且つ、そのずれ幅が大きい場合に、非接触電力伝送に影響のない異物(人体等)であると判定し(判定OK)、送電を継続しても良い。これによれば、非接触給電システムから発生する電磁波が人体に悪影響を及ぼさないという大前提に立てば、より効率の良い送電が可能となる。
また、実施の形態3において、異物に吸収された電力量の推定値と、共振周波数のずれの方向と、共振周波数のずれ幅とに基づいて異物の判定処理を行う場合を例示したが、これに限られない。例えば、異物に吸収された電力量の推定値と共振周波数のずれの方向とに基づいて、異物の判定処理を行っても良い。
実施の形態5に係る送電装置4は、実施の形態2、3のように、共振周波数のずれの方向のみならず、共振周波数のずれ幅や異物に吸収された電力量の推定値に基づいて、異物の判定処理(S211)を行っても良い。
実施の形態6に係る送電装置7は、実施の形態2のように、共振周波数のずれの方向のみならず、共振周波数のずれ幅に基づいて、異物の判定処理(S211)を行っても良い。
実施の形態1乃至6において、受電装置2等が、携帯端末などの小型携帯機器である場合を例示したが、非接触で給電が可能な機器であれば、特に制限されない。例えば、ノートパソコンや車両等であっても良い。
VSWRの値(反射電力量)が最も小さくなるときの共振周波数を導き出す方法として、図13のステップS110〜S115及び図14のS205〜S210の処理を例示したが、これに限られない。例えば、バイナリサーチ等によって、VSWRの値(反射電力量)が最も小さくなるときの共振周波数を導き出しても良い。
共振周波数調整回路103のインピーダンスを調整可能にする構成として、容量201、203を可変にする構成を例示したが、これに限られず、インダクタ202を可変とする構成であっても良い。
本発明は、磁気共鳴を利用した送電装置及び非接触給電システムに広く適用することができる。
1 送電装置
2 受電装置
3 非接触給電システム
101 発振器
102 送電アンプ
103 共振周波数調整回路
104 制御回路
105 通信部
106 電力量検出部
107 給電コイル
108 共鳴コイル
109 共振容量
110 共振回路
111 通信用アンテナ
112 電源回路
Vi 送電アンプ102から共振回路110側に供給される駆動信号の入射電力量に対応した電圧
Vr 駆動信号の反射電力量に対応した電圧
130 共振回路
131 受電コイル
132 共振容量
133 整流回路
134 電源回路
135 充電制御回路
136 制御回路
137 通信部
138 通信用アンテナ
139 内部回路
140 負荷回路
BAT バッテリ
202 インダクタ
201、203 可変容量
10 共振周波数調整回路103を設けなかった場合の給電コイル107側のインピーダンス
A,B,C インピーダンスの移動方向
11 整合がとれているときのインピーダンス
300、301 反射特性
503、504 可変容量ダイオード
501、502 容量
505、506 抵抗
601、602、601_1〜601_n、602_1〜602_m 容量回路
603 容量
SW スイッチ回路
606、607 抵抗
604、605 電界効果トランジスタ
701 トロイダルコア
702 1次側巻き線
703 2次側巻き線
704、705、707、709 容量
706、707 検波ダイオード
710 反射電力基準抵抗
711 入射電力基準抵抗
712、713 抵抗
714 反射電圧出力端子
715 反射電圧出力端子
ND1、ND2 ノード
731 トロイダルコア
732 トライダルコア
735、736 1次側巻き線
737、738 2次側巻き線
733、734 検波回路
12 共振周波数と送電周波数が一致しているときのインピーダンスの位置
13 共振周波数が高い方にずれたときのインピーダンスの位置
14 共振周波数が低い方にずれたときのインピーダンスの位置
400、401、402 反射特性
4、7 送電装置
5、8 受電装置
6、9 非接触給電システム
142 切替回路

Claims (15)

  1. 共振回路を利用した電磁界の共振結合によって非接触で電力を送電するための送電処理を行う送電装置であって、
    送電電力として出力される送電信号の周波数と等しくなるように設定された前記共振回路の共振周波数が前記電力の送電中にずれた場合に、前記共振周波数のずれた方向を検出し、その検出結果に基づいて前記送電処理を制御し、
    前記検出結果に基づいて前記電力の送電の継続の可否を制御し、
    前記共振周波数が高くなる方向にずれた場合に前記電力の送電を継続し、前記共振周波数が低くなる方向にずれた場合に前記電力の送電を停止する、送電装置。
  2. 共振回路を利用した電磁界の共振結合によって非接触で電力を送電するための送電処理を行う送電装置であって、
    送電電力として出力される送電信号の周波数と等しくなるように設定された前記共振回路の共振周波数が前記電力の送電中にずれた場合に、前記共振周波数のずれた方向を検出し、その検出結果に基づいて前記送電処理を制御し、
    前記検出結果に基づいて前記電力の送電の継続の可否を制御し、
    前記共振周波数のずれた方向に加えて、前記共振周波数のずれ幅を検出し、
    前記共振周波数が高くなる方向にずれた場合に、前記共振周波数のずれ幅が所定の閾値を超えていれば前記電力の送電を停止させ、前記共振周波数のずれ幅が所定の閾値を超えなければ前記電力の送電を継続し、前記共振周波数が低くなる方向にずれた場合に、前記電力の送電を停止する、送電装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記検出結果に加えて、電力の送電対象とされる外部装置が受電した受電電力量と前記送電された送電電力量との差に基づいて、前記送電処理を制御する、送電装置。
  4. 請求項1または請求項2において、
    前記送電電力に応じた交流信号を生成する電源部と、
    送電用アンテナとしての一次側共鳴コイル及び共振容量を含み、前記電源部によって生成された交流信号に基づく電力の供給を受ける一次側共振回路と、
    前記電源部と前記一次側共振回路との間に設けられ、前記一次側共振回路の共振周波数を調整するための共振周波数調整部と、
    前記電源部から前記一次共振回路側に供給される交流信号の反射電力量の大きさを検出するための電力量検出部と、
    制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記共振周波数調整部を制御することにより前記一次側共振回路の共振周波数を変化させ、前記電力量検出部によって検出された前記反射電力量の変化方向を判定することにより、前記共振周波数のずれた方向を判別する、送電装置。
  5. 請求項4において、
    前記制御部は、前記一次側共振回路の前記共振周波数が高くなるように前記共振周波数調整部を制御し、それによって前記反射電力量が増加した場合には、前記共振周波数が前記送電信号の周波数よりも高くなる方向にずれたと判定し、前記反射電力量が減少した場合には、前記共振周波数が前記送電信号の周波数よりも低くなる方向にずれたと判定する、送電装置。
  6. 請求項4において、
    前記制御部は、前記一次側共振回路の前記共振周波数が低くなるように前記共振周波数調整部を制御し、それによって前記反射電力量が増加した場合には、前記共振周波が前記送電信号の周波数よりも低くなる方向にずれたと判定し、前記反射電力量が減少した場合には、前記共振周波数が前記送電信号よりも高くなる方向にずれたと判定する、送電装置。
  7. 請求項4において、
    前記制御部は、前記一次側共振回路の前記共振周波数が低くなるように前記共振周波数調整部を調整したときの前記反射電力量の変化方向と、前記一次側共振回路の前記共振周波数が高くなるように前記共振周波数調整部を調整したときの前記反射電力量の変化方向とに基づいて、前記共振周波のずれの方向を判別する、送電装置。
  8. 請求項4において、
    前記電力量検出部は、前記電源部から前記一次共振回路側に供給される交流信号の入射電力量に対応した電圧と当該交流信号の反射電力量に対応した電圧とを生成し、
    前記制御部は、前記電力量検出部によって生成された前記入射電力量に対応した電圧及び前記反射電力量に対応した電圧に基づいて電圧定在波比を算出し、その算出結果に基づいて前記反射電力量の変化方向を判別する、送電装置。
  9. 請求項8において、
    前記制御部は、前記共振周波数調整部を制御することにより前記一次側共振回路の前記共振周波数を一方向に単位調整量毎に変化させて前記電圧定在波比の値を逐次算出するとともに、前記共振周波数の変化前後の算出値を逐次比較する演算処理を行い、変化後の算出値が変化前の算出値よりも大きくなったら、前記共振周波数を変化させる方向を逆にして前記演算処理を実行し、変化後の算出値が変化前の算出値よりも小さくなったら前記演算処理を停止する、送電装置。
  10. 請求項4において、
    通信用アンテナと、
    前記通信用アンテナを介したデータの送受信を制御する通信部と、を更に有する、送電装置。
  11. 請求項1または請求項2の送電装置と、
    前記送電装置から供給された電力を、共振回路を利用した電磁界の共振結合によって非接触で受電する受電装置と、を含む非接触給電システム。
  12. 請求項11において、
    前記送電装置と前記受電装置とはNFC規格に準拠したデータ通信が可能にされ、
    前記受電装置は、一つのアンテナを用いて前記データ通信と電力の受電とを行うことが可能にされる、非接触給電システム。
  13. 送電装置と受電装置と含み、前記送電装置と前記受電装置の夫々に設けられた送電側及び受電側の共振回路を利用した電磁界の共振結合によって電力の送電及び受電を行う非接触給電システムにおいて、電力の送電を制御するための制御方法であって、
    前記送電装置が、送電電力として出力される送電信号の周波数と等しくなるように前記送電側の共振回路の共振周波数を設定する第1ステップと、
    前記送電装置が、前記第1ステップにおいて前記共振周波数を設定した後、前記電力の送電を開始する第2ステップと、
    前記第1ステップにおいて設定した前記共振周波数が前記電力の送電中にずれた場合に、前記送電装置が前記共振周波数のずれた方向を検出し、その検出結果に基づいて電力の送電に係る処理を制御する第3ステップと、を含み、
    前記第3ステップは、
    前記送電装置が、前記送電側の共振回路の前記共振周波数を変化させながら、当該共振回路に供給される交流信号の反射電力量を計測することによって最も反射電力量の小さくなるときの共振周波数を推定し、その推定された共振周波数から前記共振周波数のずれの方向を含む共振周波数のずれ情報を生成する第4ステップと、
    前記送電装置が、前記第4ステップで生成された前記共振周波数のずれ情報に基づいて、非接触電力伝送に影響のある異物の有無を判定する第5ステップと、
    前記送電装置が、前記第5ステップにおいて非接触電力伝送に影響のある異物であると判定した場合に、電力の送電を停止し、非接触電力伝送に影響のある異物でないと判定した場合に電力の送電を継続する第6ステップと、を含み、
    前記送電装置は、前記第5ステップにおいて前記共振周波数が高くなる方向にずれた場合に、非接触電力伝送に影響のない異物であると判定し、前記共振周波数が低くなる方向にずれた場合に、非接触電力伝送に影響のある異物であると判定する、制御方法。
  14. 請求項13において、
    前記第4ステップは、
    前記送電装置が、前記共振周波数のずれの方向に加えて、前記共振周波数のずれ幅を含む前記ずれ情報を生成する、制御方法。
  15. 請求項13において、
    前記第3ステップは、
    前記受電装置が、受電した受電電力量の情報を前記送電装置に送信するステップを含み、
    前記第5ステップにおいて、前記送電装置は、前記受電装置から送信された前記受電電力の情報に基づいて、前記受電電力量と前記送電装置から送電された送電電力量との差分を算出し、当該差分と前記ずれ情報とに基づいて、非接触電力伝送に影響のある異物の有無を判定する、制御方法。
JP2015522414A 2013-06-19 2013-06-19 送電装置、非接触給電システム、及び制御方法 Active JP6087434B2 (ja)

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