JP6062195B2 - 転写用マスクの製造方法及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
形成が行われており、このフォトリソグラフィ法を実施する際における微細パターン転写
工程においては、マスクとして転写用マスクが用いられる。この転写用マスクは、一般的
には、中間体としてのマスクブランクの遮光膜等に所望の微細パターンを形成することに
よって得ている。それゆえ、中間体としてのマスクブランクに形成された遮光膜等の特性
がほぼそのまま得られる転写用マスクの性能を左右することになる。このマスクブランク
の遮光膜には、従来、Crが使用されるのが一般的であった。
ト膜厚であると、レジスト倒れなどの問題が起こっている。以下、この点を説明する。C
rを主成分とする遮光膜の場合、EB描画等によってレジスト膜に転写パターンを形成し
た後のエッチングには、ウェットエッチングとドライエッチングの両方が使用可能である。しかし、ウェットエッチングの場合、エッチングの進行が等方性を有するため、近年の
パターンの微細化への対応が困難になってきており、異方性の傾向を有するドライエッチ
ングが主流となってきている。
に塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを使用する。しかし、従来の有機系のレジスト膜は、
酸素ガスでエッチングされやすい特性を有しており、このため有機系のレジスト膜のエッ
チング速度は、Crを主成分とする遮光膜のエッチング速度と比べて非常に早い。レジス
ト膜は、Crを主成分とする遮光膜のドライエッチングによるパターンニングが完了する
まで残存していなければならないため、Crを主成分とする遮光膜の場合におけるレジス
ト膜の膜厚は、非常に厚くなってしまっていた(例えば、Crを主成分とする遮光膜の膜
厚の3倍)。
ジスト膜は、パターンが混み合った部分では、レジスト膜の幅に比べて高さが非常に高く
なってしまっており、現像時等にその不安定さから倒れてしまったり、剥離してしまった
りすることが発生している。このようなことが発生すると、Crを主成分とする遮光膜に
転写パターンが正しく形成されず、転写用マスクとして不適格なものになってしまう。こ
のため、レジストの薄膜化が至上命題となっていた。Crを主成分とする遮光膜の場合で
レジスト膜厚を薄くするには、遮光膜の方を薄くする必要があった。しかし、Crを主成
分とする遮光膜では、遮光性能が不十分になる限界の膜厚に達していた。
nmの光に対して、Cr金属膜以上の消衰係数(光吸収率)を有することが開示されてい
る。また、転写用マスクのパターンを形成する際のマスクとして用いられるレジストへの
負荷を軽減させて微細な転写用マスクのパターンを高精度で形成することが可能なマスク
ブランクとして、酸素含有塩素系ドライエッチング((Cl+O)系)では実質的なエッ
チングがされず、かつ酸素非含有塩素系ドライエッチング(Cl系)およびフッ素系ドラ
イエッチング(F系)でエッチングが可能な金属膜の遮光層と、酸素非含有塩素系ドライ
エッチング(Cl系)では実質的なエッチングがされず、かつ酸素含有塩素系ドライエッ
チング((Cl+O)系)あるいはフッ素系ドライエッチング(F系)の少なくとも一方
でエッチングが可能な金属化合物膜の反射防止層と、を備えているマスクブランクが開示
されている。
特許文献2には、特許文献1と同様に、MoSi膜は、ArFエキシマレーザー露光で
用いられる波長193nmの光に対して、Cr金属膜以上の消衰係数(光吸収率)を有す
ることが開示されている。また、転写用マスクのパターンを形成する際のマスクとして用
いられるレジストへの負荷を軽減させて微細な転写用マスクのパターンを高精度で形成す
ることが可能なマスクブランクとして、透明基板上に他の膜を介して又は介さずに積層さ
れたフッ素系ドライエッチングでエッチング可能な金属又は金属化合物からなる遮光膜と、該遮光膜上に形成されたフッ素系ドライエッチングに耐性を有する金属又は金属化合物
からなるエッチングマスク膜を有することを特徴とするフォトマスクブランクが開示され
ている。
ーティクルの除去を目的として、洗浄水や界面活性剤が含まれた洗浄液を用いて洗浄が行
われる。また、後のプロセスにおける微細パターンの剥がれや倒れを防止するために、マ
スクブランク表面の表面エネルギーを低減させておくための表面処理が行われる。表面処
理としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)やその他の有機シリコン系の表面処理
剤でマスクブランク表面をアルキルシリル化することなどが行われる。
される。マスクブランク上に形成したレジスト膜に描画・現像・リンスを行い、レジスト
パターンを形成した後、レジストパターンをマスクにして、遮光膜(通常、遮光層と反射
防止層の積層膜)をドライエッチングして遮光膜パターンを形成し、最後にレジスト膜を
除去して転写用マスクを製造する。製造された転写用マスクは、マスク欠陥検査装置によ
り、黒欠陥、白欠陥がないか検査し、欠陥が見つかった場合は適宜修正される。
異方性の高いドライエッチングが可能な材料、つまり、遮光層として、酸素非含有塩素系
ドライエッチングおよびフッ素系ドライエッチングでエッチング可能な遮光層と、フッ素
系ドライエッチングでエッチング可能な反射防止層との組み合わせの場合、更に、遮光層
と反射防止層とが互いに異なるエッチング選択性を有する材料、つまり、遮光層として、
酸素非含有塩素系ドライエッチングでエッチング可能な遮光層と、フッ素系ドライエッチ
ングでエッチング可能な反射防止層との組み合わせの場合に、マスクブランクの欠陥検査
では検出されないが、転写用マスクを製造した後の転写用マスクの欠陥検査において初め
て検出する微小黒欠陥が存在するという問題が発生した。
また、特許文献2に開示されたマスクブランクにおいて、フッ素系ドライエッチングで
エッチング可能な材料の遮光膜と、膜厚が薄い、たとえば、2〜30nmのフッ素系ドラ
イエッチングに耐性を有する金属又は金属化合物からなるエッチングマスク膜との組み合
わせの場合に、マスクブランクの欠陥検査では検出されないが、転写用マスクを製造した
後の転写用マスクの欠陥検査において初めて検出する微小黒欠陥が存在するという問題が
発生した。
この微小黒欠陥は、大別して2種類あり、一つは、薄膜パターンのエッジに存在する欠陥で、サイズが20〜300nm程度、高さが薄膜の膜厚相当のものであり、もう一つは、薄膜をパターニングした後の基板が露出された領域にスポット状に存在する欠陥で、サイズが20〜100nm、高さが薄膜の膜厚相当のものである。これらの微小黒欠陥は、薄膜に微細パターンを高精度に形成(パターニング)するために、酸素非含有塩素系ドライエッチングやフッ素系ドライエッチングでパターニングして転写用マスクを作製する場合や、たとえば2〜30nmのフッ素系ドライエッチングに耐性を有する金属又は金属化合物からなるエッチングマスク膜(ハードマスク)をマスクにして、遮光膜等の薄膜をフッ素系ドライエッチングでパターニングして転写用マスクを作製する場合や、半導体デザインルールでDRAMハーフピッチ(hp)32nmノード以降の転写用マスクを作製する場合、に初めて認識されたものである。上述の微小黒欠陥は、半導体デバイスを製造するに際しては欠陥となるので、全て除去・修正しなければならないが、欠陥数が50個超となると欠陥修正の負荷が大きく、事実上欠陥修正が困難となる。また、近年の半導体デバイスの高集積化において、転写用マスクに形成する薄膜パターンの複雑化(例えば、OPC(Optical Proximity Correction)パターン)、微細化(例えば、Assist Features)、狭小化において、除去・修正も限界があり問題となってきた。
ブランクの欠陥検査では検出されない潜在化したマスクブランク欠陥が一つの要因である
ことが判明した。
そして、上述の潜在化したマスクブランク欠陥が、エッチング阻害物質からなり、その
エッチング阻害物質は、マスクブランク表面を表面処理する際に使用する処理液(例えば、洗浄液)に極微量ながらも含まれていることがわかった。(エッチング阻害物質の詳細
については後述する。)
さらに、基板上に形成した転写パターンとなる薄膜が形成されたマスクブランクを表面
処理する際に使用する処理液に含まれるエッチング阻害物質の濃度を減らすことで、マス
クの微小黒欠陥を減少させることができることを確認し、出願を行っている(特願201
1−084783号、特願2011−084784号)。
陥が発生する場合のあることを突き止めた。この微小黒欠陥は、薄膜の大部分がイオン主
体のドライエッチング(酸素非含有塩素系ドライエッチングやフッ素系ドライエッチング
)でエッチング可能な材料であるTa系薄膜やMoSi系薄膜の場合に顕著に発生すること
を突き止めた。また、この微小黒欠陥は、100nmより小さいラインアンドスペース(
L&S)などの密なパターンを有するマスクを製造する場合に顕著に発生することを突き
止めた。この微小黒欠陥は、薄膜をパターニングした後に、主としてパターンエッジに存
在する欠陥、及び基板が露出された領域にスポット状に存在する欠陥であり、サイズが2
0〜300nm程度、特に後者のスポット状の欠陥については、20〜100nm未満、
高さが薄膜の膜厚相当のものであり、半導体デザインルールでDRAMハーフピッチ32
nmノード以降の転写用マスクを作製する場合に初めて認識されたものである。
近年、転写用マスクの現像工程においては、パドル現像方式であって、その中でも静止
スキャン方式が採用されている。静止スキャン方式は、基板を静止させ、例えば、吐出口
がスリット状のスリットノズルからアルカリ性の現像液を帯状(カーテン状)に吐出させ
つつ、スリットノズルを基板に対して水平にスキャンしながら現像を行う方式である。ス
リットノズルの長辺の長さは、通常、基板の対角線の長さと同程度又はそれ以上である。
静止スキャン方式によると、四角い基板上に、現像液をその表面張力によって溜めた状態
(液を盛った状態、パドルとも称する)で現像を行うことができる。静止スキャン方式に
よると、パターンへのインパクトを抑えた現像を行うことができる。
本発明者らは、パドル現像方式における静止スキャン方式では、静止状態で現像が進む
ため、アルカリ性の現像液により溶解したレジスト膜の溶解物が、基板上に留まり易く、
その後のリンス工程でのpHショックにより生成する析出物がレジストパターンエッジや、レジストパターン間に付着する問題に着目し、この析出物が微小黒欠陥の原因の一つと
考えた。
なお、特許文献3(特開2007−130409号公報)には、ハーフピッチ(hp)
90−65nmノードのレチクルの製造で発生する微小欠陥の発生は、リンス工程におい
て、スリットノズルを用いて大量にリンス液を所定の流速で吐出することにより、微小欠
陥の発生を低減できる([0011]段落)旨開示されている。また、特許文献3には、
例えば基板を7.5rpmで回転させ([0061]段落)、スリットノズルを用い、大
量の現像液を低インパクトで吐出することにより、微小欠陥の原因であるレジスト残渣を
除去できる([0014]段落)旨開示されている。
しかしながら、本発明者らは、半導体デザインルールでDRAMハーフピッチ32nm
ノード以降の転写用マスクを作製し、サイズが100nmより小さい微小黒欠陥をも問題
とする場合にあっては、引用文献3の手法では対応が難しいことを見い出した。具体的に
は、現像液の流量を大きくし、かつ、純水リンスの流量を大きくしても、サイズが100
nmより小さい微小黒欠陥が発生する場合のあることを見い出した。
パドル現像方式でも特に、静止スキャン方式の現像工程においては、レジスト膜を露光
しアルカリ性の現像液で現像処理すると、レジストを構成する高分子の分子鎖が伸長した
ひも状となって現像液中に溶け、溶解物を含んだ現像液が基板上に留まる。現像液中に溶
解物の量が多い場合、例えば大面積のレジスト部分を現像する場合、かなりの量の溶解物
が現像液中に溶け出すことになる。現像液(アルカリ溶液)中に溶けているレジストの溶
解物は、その後純水でリンスすることによって、純水で希釈されつつあるアルカリ性現像液のpHが下がって、レジストの溶解物が溶けられなくなって、分子鎖が収縮し糸玉状となる現象(pHショックと称する)が起き、析出物が生成される。析出物は固まった状態となって、その状態で乾燥すると、析出物がレジストパターン又は薄膜に付着する現象を引き起こす。析出物が付着したまま薄膜をエッチングすると、例えば、ブリッジ、突起、スポット、などの黒欠陥が発生する。
本発明者らは、パドル現像方式、特に静止スキャン方式において、アルカリ性の現像液
による現像工程と、純水等によるリンス工程との間に、リンス工程時にpHショックが起
こっても問題となるサイズの析出物が発生しないように(レジスト析出物が析出しないよ
うに)、ひいてはリンス工程時にpHショックが起こっても問題となるサイズの微小欠陥
が生じないように、現像後に基板上に留まっているレジスト溶解物を低減する処理を介在
させる必要があることを見い出した。更に、本発明者らは、上述のレジスト溶解物を低減
する処理として、微小欠陥の十分な低減を図るためには、現像後に現像液中に溶けている
レジストの溶解物を、pHショックが少なく、より効率的に落とすことが可能な洗浄方法
(洗浄条件)を採用する必要があることを見出し、本発明を完成させるに至った。
(構成1)
基板上に薄膜パターンを有する転写用マスクの製造方法であって、
基板上に、薄膜及びレジスト膜が形成されたマスクブランクを準備する工程と、
前記レジスト膜に所望のパターンの露光を行う露光工程と、
前記露光工程を終えた前記レジスト膜表面にアルカリ性の現像液を供給し、表面張力を
利用し前記レジスト膜の表面全体を前記現像液で覆って前記レジスト膜を現像する現像工
程と、
前記現像工程により生成され、前記基板上に覆われた前記現像液中に含まれる前記レジスト膜の溶解物が低減されるように、前記基板を回転させながら、前記基板上に覆われた前記現像液にアルカリ性処理液を供給して前記基板を洗浄するアルカリ洗浄工程と、
前記アルカリ洗浄工程の後、前記基板上の前記アルカリ性処理液にリンス液を供給するリンス工程を経て、前記薄膜上にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをマスクにして前記薄膜をドライエッチングし、前記基板上に薄
膜パターンを形成する薄膜パターン形成工程と、
を備えることを特徴とする転写用マスクの製造方法。
(構成2)
前記アルカリ洗浄工程は、前記基板の回転数を増加させる工程を含むことを特徴とする構成1に記載の転写用マスクの製造方法。
(構成3)
前記基板の回転数を増加させる工程における基板の角加速度は、0.5〜10rad/s2の範囲で行うことを特徴とする構成2記載の転写用マスクの製造方法。
(構成4)
前記薄膜パターン形成工程は、実質的に酸素を含まない塩素系ガス、及び/又はフッ素
系ガスによりドライエッチングすることを特徴とする構成1〜3のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法。
(構成5)
前記マスクブランクは、前記薄膜と前記レジスト膜との間にハードマスク膜が形成され
たマスクブランクであって、
前記薄膜パターン形成工程は、前記レジストパターンをマスクにして、前記ハードマス
ク膜を酸素含有塩素系ガスによりドライエッチングしてハードマスクを形成した後、前記
ハードマスクをマスクにして前記薄膜を、実質的に酸素を含まない塩素系ガス、及び/又
はフッ素系ガスによりドライエッチングすることを特徴とする構成1〜4のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法。
(構成6)
前記リンス液は、純水に炭酸ガスが溶解された炭酸ガス溶解水であることを特徴とする
構成1〜5のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法。
(構成7)
前記レジスト膜は、ネガレジストからなることを特徴とする構成1〜6のいずれかに記
載の転写用マスクの製造方法。
(構成8)
前記薄膜は、タンタルを含む材料で形成されることを特徴とする構成1〜7のいずれか
に記載の転写用マスクの製造方法。
(構成9)
構成1〜8のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法を用いて製造された転写用マス
クを用い、半導体ウェハ上に回路パターンを形成することを特徴する半導体デバイスの製
造方法。
スクの製造方法を提供できる。
また、問題となるサイズの微小黒欠陥の発生を低減又は防止により、マスクの欠陥修正
の負荷を低減できる。
本発明の転写用マスクの製造方法は、基板上に薄膜パターンを有する転写用マスクの製造
方法であって、
基板上に、薄膜及びレジスト膜が形成されたマスクブランクを準備する工程と、
前記レジスト膜に所望のパターンの露光を行う露光工程と、
前記露光工程を終えた前記レジスト膜表面にアルカリ性の現像液を供給し、表面張力を
利用し前記レジスト膜の表面全体を前記レジスト膜で覆って前記レジスト膜を現像する現
像工程と、
前記現像工程により生成され、前記基板上に覆われた前記現像液中に含まれる前記レジスト膜の溶解物が低減されるように、前記基板を回転させながら、前記基板上に覆われた前記現像液にアルカリ性処理液を供給して前記基板を洗浄するアルカリ洗浄工程と、
前記アルカリ洗浄工程の後、前記基板上の前記アルカリ性処理液にリンス液を供給するリンス工程を経て、前記薄膜上にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをマスクにして前記薄膜をドライエッチングし、前記基板上に薄
膜パターンを形成する薄膜パターン形成工程と、
を備えることを特徴とする(構成1)。
上記構成によれば、現像工程で生成された基板上にある現像液(基板上を覆う現像液)中のレジストの溶解物を低減させるため、pHショックが少ないアルカリ洗浄工程を設けているので、リンス工程時にpHショックによって析出する問題となるサイズの析出物を低減できる。これにより、問題となるサイズの析出物(レジスト残渣)に起因する問題となるサイズの微小黒欠陥の発生を低減又は防止できる。
又はT±10%の範囲、で実施される。現像工程後の純水などによるリンス工程によって現像反応は停止する。
本発明において、現像工程は、パドル現像方式であって、その中でも静止スキャン方式
とすることが好ましい。静止スキャン方式では、基板を静止させ、例えば、吐出口がスリ
ット状のスリットノズルから現像液を帯状(カーテン状)に吐出させつつ、スリットノズ
ルを基板に対して水平にスキャンしながら現像を行う。
基板を低速で回転させると、基板を静止させる場合と比べ、基板上に現像液を液盛りで
きる量が減少し、例えば、レジストパターンの線幅均一性の向上の妨げとなる。また、基
板を低速で回転させると、基板を静止させる場合と比べ、レジストパターンに対する現像
液の相対速度は高くなるので、レジストパターンに対するインパクトが大きくなる。
間に、リンス工程時にpHショックが起こっても問題となるサイズの析出物(レジスト残
渣)が析出しないように、ひいてはリンス工程時にpHショックが起こっても問題となる
サイズの微小欠陥が生じないように、現像工程の後、レジストの溶解物が低減されるよう
に基板上に覆われた現像液にアルカリ性処理液を供給して基板を洗浄するアルカリ洗浄工程を介在させることが好ましい。
実際にはリンス工程において、pHショックが全く起こらないようにすることは難しい。これは、現像工程の後に、アルカリ洗浄工程によって、現像されたレジストパターンに
悪影響を与えないような条件(洗浄時間、アルカリ性処理液の濃度)で、現像液中のレジ
ストの溶解物をすべて除去する(溶解物の濃度がゼロにまるまで低減する)ことは難しい
からである。
本発明においては、アルカリ洗浄工程において、基板上の現像液中のレジストの溶解物の濃度が、リンス工程時にpHショックが起こっても問題となるサイズの析出物(レジスト残渣)が析出しないような、ひいてはリンス工程時にpHショックが起こっても問題となるサイズの微小欠陥が生じないような、濃度以下となるまでアルカリ洗浄工程を行うことが好ましい。
本発明においては、問題となるサイズは、300nm程度以下のサイズであり、特に1
00nmより小さいサイズであり、20〜100nm未満のサイズの欠陥低減に効果的で
ある。
リ洗浄工程)において、微小欠陥の十分な低減を図るためには、現像工程の後に前記基板上に覆われた現像液中に溶けているレジストの溶解物をより効率的に低減させる(基板上から排除する)ことが可能な洗浄条件(アルカリ性処理液の種類(組成)、洗浄時間、アルカリ性処理液の濃度、基板回転数、基板回転の角加速度)を採用することが好ましい。
また、本発明においては、上記現像工程後の基板を洗浄する工程(アルカリ洗浄工程)
において、現像処理後のレジストパターンに悪影響(例えば寸法変化)を与えない範囲の
短時間(例えばアルカリ性処理液として現像工程で使用するアルカリ性の現像液を用いる
場合にあっては、標準の現像時間Tの40%以下、好ましくは35%以下、T=60秒の
場合20秒程度)で、現像工程後に現像液中に溶けているレジストの溶解物をより効率的
に低減(基板上から排除)することが可能な洗浄条件(アルカリ性処理液の種類(組成)、洗浄時間、アルカリ性処理液の濃度、基板回転数、基板回転の角加速度)を採用するこ
とが好ましい。
本発明において、基板の回転数を増加させる工程における基板の角加速度(rad/s2)は、例えば0.5〜10rad/s2の範囲が好ましい(構成3)。
さらに、上記現像工程後の基板を洗浄する工程(アルカリ洗浄工程)において、四角い
基板上に、アルカリ性処理液(例えば現像液)をその表面張力によって溜めた状態(液を
盛った状態、パドルとも称する)で供給する工程と、基板の回転数を増加させる工程を含
み、角加速度(rad/s2)を利用して、現像工程後に基板上に覆われた現像液中に溶けているレジストの溶解物をより効果的に低減(基板上から排除)するアルカリ洗浄方法(洗浄条件)を採用することがさらに好ましい。この一連の工程は複数回(たとえば、2回以上)繰り返すことが好ましい。
本発明においては、上記現像工程後の基板を洗浄する工程(アルカリ洗浄工程)におい
て、基板の回転数は、基板上に覆われた現像液中に溶けているレジストの溶解物を効果的に低減(基板上から排除)させること、レジストパターンに倒れ等のインパクトを与えないこと、また、基板等の乾燥を避けること等を考慮して決定する。
四角い基板上に、アルカリ性処理液(例えば現像液)をその表面張力によって溜めた状
態(液を盛った状態、パドルとも称する)で供給する工程における基板の回転数は、例え
ば10〜100rpmとすることが好ましい。
基板の回転数を増加させた後の基板の回転数は、例えば20〜200rpmとすることが好ましい。
基板の回転数を増加させる工程における角加速度(rad/s2)は、例えば0.5〜10rad/s2の範囲が好ましい。
表面に平行な面内で回転させても良い。
合、現像工程時の基板回転数(静止状態を含む)、現像液の供給条件、現像液の流量条件、及び現像時間とは異なる条件で、アルカリ洗浄工程を行うことが好ましい。
本発明では、例えば、現像工程時の基板回転数(静止状態を含む)、現像液の供給条件、現像液の流量条件、及び現像時間などの現像に適した条件とは異なる条件であって、レ
ジストの溶解物が低減するのに適した条件で、アルカリ洗浄工程を行うことが好ましい。
て、スキャン方式で基板上にアルカリ性処理液を供給することが好ましい。スキャン方式
では、例えば、吐出口がスリット状のスリットノズルからアルカリ性処理液を帯状(カー
テン状)に吐出させつつ、スリットノズルを基板に対して水平にスキャンしながらアルカ
リ性処理液の供給を行う。
本発明において、スリットノズルと基板の相対速度は新鮮なアルカリ性処理液を均等か
つ効率的に、基板上に供給し、液盛りできるように調整することが好ましい。
値が8以上であることが、現像工程後に基板上に覆われた現像液中に溶けているレジストの溶解物を低減する上で好ましい。
本発明において、前記アルカリ洗浄工程における前記アルカリ性処理液としては、現像
液、界面活性剤入り処理液等が挙げられる。
本発明において、前記アルカリ性処理液は、現像液であることが好ましい。
現像工程で使用する現像液をそのままアルカリ性処理液として用いると現像装置を利用
でき、追加の装置が不要であるため装置構成が容易となる。
及び/又はフッ素系ガスによりドライエッチングして転写用マスクを作製する場合におい
てより効果的である(構成4)。
上記薄膜パターン形成工程において、実質的に酸素を含まない塩素系ガス、及び/又は
フッ素系ガスのように、薄膜をイオン主体のドライエッチングで行う場合において、微小
黒欠陥が発生しやすくなるメカニズムは以下のように考える。尚、以下の例は、薄膜とし
て実質的に酸素を含まない塩素系ガスでドライエッチングされる遮光層と、フッ素系ガス
でドライエッチングされる反射防止層が積層された積層膜をあげて説明する。
(1) レジスト膜に描画工程、現像工程、リンス工程を経て、薄膜表面にレジストパタ
ーンを形成する。レジストパターンが形成されていない薄膜(反射防止層:薄いハードマ
スクに相当する)表面に、現像工程により生成されたレジストの溶解物が、その後のリン
ス工程で析出物となりこの析出物(レジスト残渣)が付着する。フッ素系ガスによるドラ
イエッチングにより反射防止層をパターニングする場合には、析出物(レジスト残渣)は
エッチングされにくいため、エッチング阻害物質となる(図6(a))。
(2) レジストパターンをマスクにしてフッ素系ガスによるドライエッチングで反射防
止層をパターニングする。このとき、析出物(レジスト残渣)が付着した領域がマスクと
なって、この領域に反射防止層残りが発生する(図6(b))。
(3) 次に、塩素系ガスによるドライエッチングで遮光層をパターニングする。このと
き、反射防止層残りがマスクとなって、遮光層がエッチングし除去され、反射防止層残り
のある領域に微小黒欠陥が形成される(図6(c))。
本発明において、現像工程とリンス工程の間に、レジストの溶解物を低減(基板上から
排除)するアルカリ性処理液によるアルカリ洗浄工程を行うので、レジストパターン形成
時の薄膜表面に対する析出物(レジスト残渣)の付着を防止、又は抑制することができる
ので、微小黒欠陥の発生を低減、又は防止することができる。
尚、上記微小黒欠陥の発生メカニズムは、薄膜(後で例示する薄膜)を実質的に酸素を
含まない塩素系ガスのみでドライエッチングする場合や、フッ素系ガスのみでドライエッ
チングする場合、実質的に酸素を含まない塩素系ガスによるドライエッチングの後、フッ
素系ガスによるドライエッチングする場合についても同様である。
ードマスク膜が形成されたマスクブランクであって、
上記薄膜パターン形成工程は、上記レジストパターンをマスクにして、上記ハードマス
ク膜を酸素含有塩素系ガスによりドライエッチングしてハードマスクを形成した後、上記
ハードマスクをマスクにして上記薄膜を実質的に酸素を含まない塩素系ガス、及び/又は
フッ素系ガスによるドライエッチングして転写用マスクを作製する場合においてより効果
的である(構成5)。
上記薄膜パターン形成工程において、ハードマスク膜を酸素含有塩素系ガスによりドラ
イエッチングしてハードマスクを形成した後、上記ハードマスクをマスクにして実質的に
酸素を含まない塩素系ガス、及び/又はフッ素系ガスのように、薄膜をイオン主体のドラ
イエッチングで行う場合において、微小黒欠陥が発生しやすくなるメカニズムは以下のよ
うに考える。尚、以下の例は、薄膜としてフッ素系ガスでドライエッチングされる遮光層
と、反射防止層が積層された積層膜をあげて説明する。
(1) レジスト膜に描画工程、現像工程、リンス工程を経て、薄膜表面にレジストパタ
ーンを形成する。レジストパターンが形成されていないハードマスク層表面に、現像工程
により生成されたレジストの溶解物が、その後のリンス工程で析出物となりこの析出物(
レジスト残渣)が付着する。酸素含有塩素系ガスによるドライエッチングによりハードマ
スク層をパターニングする場合に、ハードマスク層が薄いために、析出物(レジスト残渣)がハードマスク膜上に残留する(図7(a))。
(2) レジストパターンをマスクにして酸素含有塩素系ガスによるドライエッチングに
よりハードマスク層をパターニングする。このとき、ハードマスク層が薄いため、析出物
(レジスト残渣)が除去しきれずに残留し、析出物(レジスト残渣)が残留した領域がマ
スクとなって、この領域にハードマスク残りが発生する(図7(b))。
(3) 次に、ハードマスクをマスクにして、フッ素系ガスによるドライエッチングで反
射防止層及び遮光層をパターニングする。このとき、ハードマスク残りがマスクとなって、反射防止層及び遮光層がエッチングし除去され、ハードマスク残りのある領域に微小黒
欠陥が形成される(図7(c))。
本発明において、現像工程とリンス工程の間に、レジストの溶解物を低減(基板上から
排除)するアルカリ性処理液によるアルカリ洗浄工程を行うので、レジストパターン形成
時のハードマスク層表面に対する析出物(レジスト残渣)の付着を防止、又は抑制するこ
とができるので、微小黒欠陥の発生を低減、又は防止することができる。
た炭酸ガス溶解水であることが好ましい(構成6)。
比抵抗を下げることにより、リンスで生じるレジストの析出物について、より付着を防
止するためである。
本発明において、純水としては、DIW(Deionized water、脱イオン化水)を使用す
ることが好ましい。DIWは、金属イオンや微生物などの不純物をほとんど含まない、純
度100%の理論的に水に限りなく近い高純度の純水である。
成7)。
本発明は、ポジレジスト、ネガレジストの何れにも対応可能であり効果があるが、ネガ
レジストの方が現像工程後に現像液中に溶けているレジストの溶解物に起因する欠陥が発
生し易いため、ネガレジストに特に効果ある。
らば、どのような膜であってもよい。薄膜については後述する。
本発明は、前記薄膜が、タンタルを含む材料で形成される場合においてより効果的であ
る(構成8)。
他の薄膜(例えばクロム系膜)に比べ、タンタル系薄膜は表面が汚染される速度が速い
からである。
また、タンタル系薄膜は、他の薄膜(例えばクロム系膜)に比べ、中性から弱アルカリ
性領域においてブランク表面のゼータ電位が数十mV高いので、レジストの析出物が薄膜
に再付着しやすい。
他の薄膜(例えばクロム系膜)に比べ、タンタル系薄膜の方が現像後の欠陥のサイズが
大きい傾向がある。
タンタルを含む材料としては、例えば、TaO、TaON、TaN、TaCN、TaC、TaBO、TaBON、TaBN、TaBC、TaBCN等が挙げられる。
タンタルを含む材料からなる薄膜は、遮光性膜や、反射型マスクにおける吸収体膜等に
用いられる。
クの製造方法を用いて製造された転写用マスクを用い、半導体ウェハ上に回路パターンを
形成することを特徴する(構成9)。
上記構成によれば、問題となるサイズの微小黒欠陥の発生を低減又は防止により、マス
クの欠陥修正の負荷を低減でき、欠陥修正箇所の少ない転写用マスクを用いたパターン転
写が可能となる。
能を有する遮光膜、被転写体等との多重反射を抑制させるため、表面の反射を抑制させる
機能を有する反射防止膜、パターンの解像性を高めるため露光光に対して所定の位相差を
生じさせる機能を有する位相シフト膜等が挙げられ、これらの膜単独又は複数層積層させ
た積層膜とすることもできる。また、反射型マスクブランクにおいて、薄膜とは、露光光
を吸収させる機能を有する吸収体膜、露光光や欠陥検査光における多層反射膜とコントラ
ストを向上させるために、露光光の反射を低減させる反射低減膜、上述の吸収体膜のパタ
ーニング時の多層反射膜に対するエッチングダメージを防止するためのバッファー層、露
光光を反射させるための多層反射膜などが挙げられる。
また、マスクブランクを構成する膜としては、下層の材料膜をエッチングする際にエッ
チングマスク(ハードマスク)の働きを有するハードマスク膜(又はエッチングマスク膜)を、上述の薄膜以外に設けても良い。または、転写パターンとなる薄膜を積層膜とし、
その積層膜の一部としてハードマスク(エッチングマスク)を設けても良い。また、薄膜
とレジスト膜との密着性向上や、レジスト膜が化学増幅型レジストである場合に、化学増
幅機能を阻害する物質がレジスト膜の底部からレジスト膜内へ移動することを阻止する働きを有するレジスト下地膜を、上記薄膜以外に設けてもよい。レジスト下地膜は、レジスト膜とミキシングしない有機系材料が使用される。
本発明において、基板は、透過型マスクブランクの場合、露光光を透過する材料であれ
ば良く、例えば、合成石英ガラスが挙げられ、反射型マスクブランクの場合の基板材料と
しては、露光光の吸収による熱膨張を防止するための材料であれば良く、例えば、TiO2−SiO2低膨張ガラスが挙げる。そして、反射型マスクブランクにおける基板には、
該基板上に露光光を反射させるための多層反射膜(Mo/Si多層反射膜)が形成された
多層反射膜付き基板が含まれる。
金属を含む膜としては、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、
ニオブ、モリブデン、ランタン、タンタル、タングステン、シリコン、ハフニウムから選
ばれる一種又は二種以上の材料からなる膜、あるいはこれらの元素や合金を含む材料に加
え、酸素、窒素、珪素、炭素の少なくとも一つを含む膜からなる膜が挙げられ、異なる組
成で段階的に形成した複数層構造や、連続的に組成が変化した複数層構造とすることがで
きる。また、金属はシリサイド化して用いても良い。
また、本発明において、ハードマスク膜としては、上記薄膜と同様の材料を用いること
ができるが、上記薄膜をエッチングする際に使用するドライエッチングガスに対して実質
的にエッチングされない(上記薄膜とエッチング選択性を有する)材料が用いられる。
遮光膜は、反射防止層を含む態様であってもよい。
遮光膜は、組成傾斜膜を含む。
遮光膜は、裏面反射防止層、遮光層、表面反射防止層からなる3層構造としてもよい。
遮光膜は、遮光層、表面反射防止層からなる2層構造としてもよい。
金属シリサイド系薄膜としては、金属シリサイドや、金属シリサイドに酸素、窒素、炭
素、水素からなる元素を少なくとも1種を含むもの(金属シリサイドを主成分とする膜、
又は金属シリサイドを含む材料)、などの材料が挙げられる。
金属シリサイド系薄膜の金属としては、後述するように、実質的に酸素を含まない塩素
系ガス、及び/又はフッ素系ガスのドライエッチングガスにより、イオン主体のドライエ
ッチングが可能な材料であって、たとえば、チタン、クロム、ジルコニウム、モリブデン、タンタル、タングステンから選ばれる一種又は二種以上の元素から選択される。
これらのなかでも、モリブデンシリサイド、窒化モリブデンシリサイド、酸化モリブデ
ンシリサイド、窒化酸化モリブデンシリサイド、酸化炭化窒化モリブデンシリサイドのい
ずれかを主成分とする材料で形成されている態様が好ましい。
タンタル系薄膜としては、タンタル単体や、タンタルに酸素、窒素、炭素、水素からな
る元素を少なくとも1種を含むもの(タンタルを主成分とする膜、又はタンタルを含む材
料)、などの材料が挙げられる。
は、フッ素系ガスや実質的に酸素を含まない塩素系ガスが挙げられる。
フッ素系ガスとしては、CHF3、CF4、SF6、C2F6、C4F8等が挙げられる。実質的に酸素を含まない塩素系ガスとしては、Cl2、SiCl4、CHCl3、CH2Cl2、CCl4等が挙げられる。また、ドライエッチングガスとしては、上述のフッ素系ガス、塩素系ガスに加え、He、H2、Ar、C2H4等のガスを添加した混合ガスを用いることもできる。
また、イオン主体のドライエッチングが可能な材料とは、上述のフッ素系ガスや実質的
に酸素を含まない塩素系ガスを用いてドライエッチングできる材料であって、具体的には、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、パラジウム
(Pd)、モリブデン(Mo)、珪素(Si)やこれらの化合物が挙げられる。さらに、
光学特性やエッチング特性の制御の視点から、上述の材料に、酸素、窒素、炭素、水素、
フッ素が含まれていても構わない。
スクブランクス(ArFエキシマレーザー露光用位相シフトマスクブランクス、F2エキ
シマレーザー露光用位相シフトマスクブランクス)、X線やEUV用反射型マスクブラン
クスなどが挙げられ、用途としてはLSI(半導体集積回路)用マスクブランクス、LC
D(液晶表示板)用マスクブランクスなどが挙げられる。
説明する。
(実施例1)
まず、本実施例で使用するマスクブランクとして、約152mm×約152mmサイズ
の合成石英ガラス基板上に、実質的にタンタルと窒素とからなるTaNの遮光層(膜厚:
42nm)と、実質的にタンタルと酸素とからなるTaOの反射防止層(膜厚:9nm)
の積層構造からなる遮光膜を有する、半導体デザインルールDRAMハーフピッチ32n
mノード対応のArFエキシマレーザー露光用のバイナリーマスクブランクを準備した。
尚、上述のマスクブランクは、マスクブランクの欠陥検査では検出されない潜在化した
マスクブランク欠陥を防止するために、界面活性剤を含有するアルカリ性洗浄液(カルシ
ウム濃度:0.3ppb)を用いたスピン洗浄の後、DIW(脱イオン化水)(カルシウ
ム濃度:0.001ppb)を用いたリンスを実施したものを準備した。尚、上述のカル
シウム濃度は、マスクブランク表面に供給する直前の洗浄液について、誘導結合プラズマ
発光分光分析法(ICP-MS:Inductively Coupled Plasma-Mass Spectroscopy)により測定
した。
フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコーティングにより塗布した後、
プリベークを行い、レジスト膜を形成した。
次に、レジスト膜に対して電子線描画装置を用いて描画を行った。描画パターンは、1
00nmのラインアンドスペース(L&S)パターンとした。
に、基板を静止した状態(0rpm)にて、図示のように90度の角度をなす2辺の交点
付近を軸Oとして往復角運動するスリットノズルを1辺から他辺へ90度移動させ、基板
をスリットノズルでスキャンしながら、現像液を帯状(カーテン状)に吐出する(図1の
現像時間6.0秒まで参照)。
その後、基板をゆっくり90度回転させる(図1の現像時間16.5秒まで参照)。そ
の後、図2(1)に示すように、基板を静止した状態にて、スリットノズルを、基板に対してスキャンしながら、現像液を帯状(カーテン状)に吐出する(図1の現像時間22.5秒まで参照)。
以上の工程を2回繰り返し、基板の4辺について、静止スキャン方式で現像を行った。
現像液は、アルカリ性の現像液であって、東京応化工業(株)社製NMD−W(2.3
8%TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、界面活性剤入り、)を用
いた。
現像液の流量は約2800ml/min、総流量は約1120mlとした。現像液の温
度は室温(約23℃)とした。
アルカリ洗浄工程における現像液の流量は約2800ml/min、総流量は約930
mlとした。現像液の温度は室温(約23℃)とした。
を基板の中心を通る位置に静止した状態で、基板を回転させながら、リンス液を帯状(カ
ーテン状)に吐出する。基板の回転数は、経過時間0から2秒で回転数を0から75rp
mまで増加させ、5秒間で回転数を75rpmから300rpmに変化させ(角加速度は
4.7rad/s2)、回転数を300rpmで40秒間保つ(図3の経過時間47.0
秒まで参照)。続いて、5秒間で回転数を300rpmから400rpmに変化させ(角
加速度は2.1rad/s2)、回転数を400rpmで40秒間保つ(図3の経過時間
92.0秒まで参照)。続いて、3秒間で回転数を400rpmから300rpmに変化
させ(角加速度は−3.5rad/s2)、回転数を300rpmで42秒間保つ(図3
の経過時間137.0秒まで参照)。続いて、5秒間で回転数を300rpmから75r
pmに変化させ(角加速度は−4.7rad/s2)、回転数を75rpmで40秒間保
ちつつ、図3右側に示すように、スリットノズルを基板の中心を通る位置から基板端(辺)を通る位置の間で往復スキャンした状態で、基板を回転させながら、リンス水を帯状(
カーテン状)に吐出する(図3の経過時間182.0秒まで参照)。
リンス水は、DIW(脱イオン化水)と炭酸ガス溶解水(CO2水(比抵抗3μS))との混合水とし、流量比はDIW:CO2水=2:1とした。
リンス水の流量は約2800ml/min、総流量は約8400mlとした。リンス水
の温度は室温(約23℃)とした。
続いて、1000rpmで90秒間スピン乾燥を行った。このうち最初の30秒間は、
基板の回転数を75rpmから1000rpmまで増加させる加速時間である。
以上の工程を経て、マスクブランク表面に100nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを形成した。
走査型顕微鏡で100nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観
察したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジ
スト残渣)は観察されなかった(図4参照)。
ングを行い、反射防止層(TaO)をパターニングして反射防止層パターンを形成し、そ
の後、塩素系(Cl2)ガスを用いたドライエッチングを行い、反射防止層パターンをマ
スクにして遮光層(TaN)をパターニングして遮光層パターンを形成し、最後にレジス
トパターンを除去して、マスクを作製した。
いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結
果、100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、19個となった。
上述の実施例1において、現像工程及びリンス工程の間のアルカリ洗浄工程を実施しないこと以外は実施例1と同様とした。
走査型顕微鏡で100nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観
察したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジ
スト残渣)が観察された(図5参照)。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、812個となった。
上述の実施例1において、実施例1と同様に、基板の4辺について、静止スキャン方式のパドル現像を行った。その後、現像工程及びリンス工程の間のアルカリ洗浄工程として、基板の2辺について、静止スキャン方式で現像液の供給を行ったこと以外は実施例1と同様とした。
詳しくは、上述の実施例1において、実施例1と同様に、基板の4辺について、静止スキャン方式で現像を行った後、基板をゆっくり90度回転させる動作と、基板を静止した状態にて、スリットノズルを、基板に対してスキャンしながら、現像液を帯状(カーテン状)に吐出する動作(図2(1)参照)で構成させる工程を2回繰り返した。
走査型顕微鏡で100nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観
察したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(
レジスト残渣)が観察された。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、653個となった。
上述の実施例1において、アルカリ洗浄工程における基板の回転数を7.5rpm、15rpm、30rpmで一定としたこと以外は上記実施例1と同様としたところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジスト残渣)が若干観察され、100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、81個となった。
上述の実施例1において、60nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを形成したこと以外は、実施例1と同様とした。
走査型顕微鏡で60nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観察
したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジス
ト残渣)は観察されなかった。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、32個となった。
半導体デザインルール32nmノード対応のArFエキシマレーザー露光用のバイナリ
ーマスクとして、良好な特性を有していた。
上述の実施例2において、現像工程及びリンス工程の間のアルカリ洗浄工程を実施しないこと以外は実施例2と同様とした。
走査型顕微鏡で60nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観察
したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジス
ト残渣)が観察された。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、987個となった。
上述の実施例1において、ポジ型の化学増幅型レジスト(PRL009:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)に替えて、ネガ型の化学増幅型レジスト(SLV12M:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様とした。
走査型顕微鏡で100nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観
察したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジ
スト残渣)は観察されなかった。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、25個となった。
上述の実施例3において、現像工程及びリンス工程の間のアルカリ洗浄工程を実施しないこと以外は実施例3と同様とした。
走査型顕微鏡で100nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観
察したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジ
スト残渣)が観察された。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、903個となった。
上述の実施例3において、60nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを形成したこと以外は、実施例3と同様とした。
走査型顕微鏡で60nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観察
したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジス
ト残渣)は観察されなかった。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、36個となった。
半導体デザインルール32nmノード対応のArFエキシマレーザー露光用のバイナリ
ーマスクとして、良好な特性を有していた。
上述の実施例4において、現像工程及びリンス工程の間のアルカリ洗浄工程を実施しないこと以外は実施例4と同様とした。
走査型顕微鏡で60nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観察
したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジス
ト残渣)が観察された。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、1078個となった。
上述の実施例3において、タンタル系の遮光膜(TaN/TaO)に替えて、モリブデ
ンシリサイド系の遮光膜を用いたこと以外は、実施例3と同様とした。
本実施例で使用するマスクブランクとして、約152mm×約152mmサイズの合成
石英ガラス基板上に、窒化モリブデンシリサイドからなるMoSiNの遮光層(膜組成比
は、Mo:9.9原子%、Si:66.1原子%、N:24.0原子%、膜厚:47n
m)と、窒化モリブデンシリサイドからなるMoSiNの反射防止層(膜組成比は、Mo
:7.5原子%、Si:50.5原子%、N:42.0原子%、膜厚:13nm)の積層
構造からなる遮光膜と、窒化クロムからなるCrNのハードマスク膜(膜組成比は、Cr
:75.3原子%、N:24.7原子%、膜厚:5nm)を有する半導体デザインルール
DRAMハーフピッチ32nmノード対応のArFエキシマレーザー露光用のバイナリー
マスクブランクを準備した。
実施例1と同じ洗浄条件で上述のハードマスク膜を有するマスクブランクに対して洗浄
を行った。
実施例1と同じ条件で、レジスト膜形成工程、現像工程、アルカリ洗浄工程、リンス工
程を実施し、100nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを形成し
た。
走査型顕微鏡で100nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観
察したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジ
スト残渣)は観察されなかった。
ドライエッチングを行い、ハードマスク膜をパターニングしてハードマスクを形成し、次
に、ハードマスクをマスクにして、フッ素系(SF6+Heの混合)ガスを用いたドライ
エッチングを行い、反射防止層及び遮光層をパターニングして遮光膜パターンを形成した。最後にレジストパターンと、酸素と塩素の混合ガス(Cl2+O2ガス)により、ハー
ドマスクを除去して、ArFエキシマレーザー露光用のバイナリーマスクを作製した。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、14個となった。
上述の実施例5において、現像工程及びリンス工程の間のアルカリ洗浄工程を実施しないこと以外は実施例5と同様とした。
走査型顕微鏡で100nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観
察したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジ
スト残渣)が観察された。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、765個となった。欠陥数が100個超となり、
マスクの欠陥修正の負荷が大きく、事実上欠陥検査が困難な結果となった。
上述の実施例5において、60nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを形成したこと以外は、実施例5と同様とした。
走査型顕微鏡で60nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観察
したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジス
ト残渣)は観察されなかった。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、22個となった。
半導体デザインルール32nmノード対応のArFエキシマレーザー露光用のバイナリ
ーマスクとして、良好な特性を有していた。
上述の実施例6において、現像工程及びリンス工程の間のアルカリ洗浄工程を実施しないこと以外は実施例6同様とした。
走査型顕微鏡で60nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観察
したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジス
ト残渣)が観察された。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、887個となった。
上述の実施例1において使用したマスクブランクを、極短紫外(Extreme UltraViolet,EUV波長 約13nm)光を用いたEUVリソグラフィで使用される反射型マスクを
作製するための反射型マスクブランクとした以外は実施例1と同様にしてマスクを作製し
た。
この反射型マスクブランクは、基板として、TiO2−SiO2の低膨張ガラス基板上
に、EUV光を高反射率で反射させるための多層反射層(MoとSiを交互に40周期程
度積層したMo/Si多層反射膜)と、転写パターンとなる吸収体膜をエッチングする際
のエッチングストッパーの役割を果たす保護層(Ru膜)が形成された基板を使用し、該
基板上に、転写パターンとなる薄膜として吸収体層が形成されている。
吸収体層としては、EUV光に対して吸収性の高い材料を用いた吸収体膜と、検査光に
対して反射率が低い材料を用いた反射防止膜が積層された2層構造とした。そして、吸収
体膜としては、イオン主体のドライエッチングが可能な、実質的にタンタルとホウ素と窒
素とからなる材料を、反射防止膜として、イオン主体のドライエッチングが可能な実質的
にタンタルとホウ素と酸素とからなる材料を使用した。
実施例1と同じ洗浄条件で上述の反射型マスクブランクに対して洗浄を行った。洗浄を
行った後、マスクブランク欠陥検査装置(M1350:レーザーテック社製)により欠陥
検査を行い、マスクブランクを作製した。欠陥検査の結果、このマスクブランク表面に6
0nm以上のサイズのパーティクルやピンホールの欠陥を確認することができなかった。
実施例1と同じ条件で、レジスト膜形成工程、現像工程、アルカリ洗浄工程、リンス工
程を実施し、100nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを形成し
た。
走査型顕微鏡で100nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観
察したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジ
スト残渣)は観察されなかった。
行い、反射防止膜(TaBO)をパターニングして反射防止膜パターンを形成し、その後、塩素系(Cl2)ガスを用いたドライエッチングを行い、反射防止膜パターンをマスク
にして吸収体層(TaBN)をパターニングして吸収体層パターンを形成し、最後にレジ
ストパターンを除去して、反射型マスクを作製した。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、21個となった。
上述の実施例7において、現像工程及びリンス工程の間のアルカリ洗浄工程を実施しないこと以外は実施例7と同様とした。
走査型顕微鏡で100nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観
察したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジ
スト残渣)が観察された。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、892個となった。
上述の実施例7において、60nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを形成したこと以外は、実施例7と同様とした。
走査型顕微鏡で60nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観察
したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジス
ト残渣)は観察されなかった。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、38個となった。
本発明は、ハーフピッチ(hp)32nmノード以降の反射型のEUVマスクを作製す
る場合、吸収体膜としてタンタル系材料が用いられ、60nmのラインアンドスペース(
L&S)が形成され、本願課題が特に問題となるので、有用である。
上述の実施例8において、現像工程及びリンス工程の間のアルカリ洗浄工程を実施しないこと以外は実施例8同様とした。
走査型顕微鏡で60nmのラインアンドスペース(L&S)のレジストパターンを観察
したところ、レジストパターンのエッジ、及び、薄膜(スペース)上に、析出物(レジス
ト残渣)が観察された。
得られたマスクについて、マスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製)を用いて、転写パターン形成領域内(132mm×132mm)の欠陥検査を行った。その結果、
100nmサイズ未満の黒欠陥個数は、1033個となった。
Claims (9)
- 基板上に薄膜パターンを有する転写用マスクの製造方法であって、
基板上に、薄膜及びレジスト膜が形成されたマスクブランクを準備する工程と、
前記レジスト膜に所望のパターンの露光を行う露光工程と、
前記露光工程を終えた前記レジスト膜表面にアルカリ性の現像液を供給し、表面張力を利用し前記レジスト膜の表面全体を前記現像液で覆って前記レジスト膜を現像する現像工程と、
前記現像工程に続けて、前記現像工程により生成され、前記基板上に覆われた前記現像液中に含まれる前記レジスト膜の溶解物が低減されるように、前記基板を回転させながら、前記基板上に覆われた前記現像液にアルカリ性処理液を供給した後アルカリ性処理液を供給し続けながら前記基板を洗浄するアルカリ洗浄工程と、
前記アルカリ洗浄工程の後、前記基板上の前記アルカリ性処理液にリンス液を供給するリンス工程を経て、前記薄膜上にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをマスクにして前記薄膜をドライエッチングし、前記基板上に薄膜パターンを形成する薄膜パターン形成工程と、
を備え、
前記アルカリ洗浄工程は、前記基板の回転数を増加させる工程を含み、
前記基板の回転数を増加させる工程は、該基板の回転数を増加させた後の基板の回転数が、20〜200rpmとなるように前記基板の回転数を増加させる工程である
ことを特徴とする転写用マスクの製造方法。 - 前記アルカリ洗浄工程は、前記基板の回転数を増加させる工程を2回以上含むことを特徴とする請求項1に記載の転写用マスクの製造方法。
- 前記基板の回転数を増加させる工程における基板の角加速度は、0.5〜10rad/s2の範囲で行うことを特徴とする請求項2記載の転写用マスクの製造方法。
- 前記薄膜パターン形成工程は、実質的に酸素を含まない塩素系ガス、及び/又はフッ素系ガスによりドライエッチングすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法。
- 前記マスクブランクは、前記薄膜と前記レジスト膜との間にハードマスク膜が形成されたマスクブランクであって、
前記薄膜パターン形成工程は、前記レジストパターンをマスクにして、前記ハードマスク膜を酸素含有塩素系ガスによりドライエッチングをしてハードマスクを形成した後、前記ハードマスクをマスクにして前記薄膜を実質的に酸素を含まない塩素系ガス、及び/又はフッ素系ガスによりドライエッチングすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法。 - 前記リンス液は、純水に炭酸ガスが溶解された炭酸ガス溶解水であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法。
- 前記レジスト膜は、ネガレジストからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法。
- 前記薄膜は、タンタルを含む材料で形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法を用いて製造された転写用マスクを用い、半導体ウェハ上に回路パターンを形成することを特徴する半導体デバイスの製造方法。
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