以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる超音波診断装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図を示している。同図に示すように、超音波診断装置1は、超音波プローブ11を有する第1ユニット10と、第1ユニット10に対して脱着可能な第2ユニット200とを具備する。
第1ユニット10は、超音波プローブ11と第1ユニット本体100とを有する。第1ユニット本体100は、超音波送受信部101、Bモードデータ発生部103、画像発生部105、画像合成部107、第1インターフェース部109、第1入力部111、第1制御部113、表示部115、接続部117、接続検出部119を有する。第1ユニット10は、超音波の送受信機能とBモード画像を発生する機能とを有する。一方、後述する第2ユニット200は、後述するドプラデータを発生させる機能を有する。ドプラデータを発生させる機能には、後述するBモードデータを発生させる機能に比べて、多くのフィルタおよび複雑な計算機能が必要である。このため、第1ユニット10は、第2ユニット200に比べて小型で省電力となる。
超音波プローブ11は、圧電セラミックス等の音響/電気可逆的変換素子としての複数の圧電振動子を有する。複数の圧電振動子は並列され、超音波プローブ11の先端に装備される。各圧電振動子は、供給される駆動信号(電圧パルス)に従って所定のタイミングで超音波を発生する。なお、超音波プローブ11は、複数の圧電振動子が1方向に沿って配列された1次元アレイプローブ、複数の圧電振動子が2次元マトリックス状に配列された2次元アレイプローブのいずれであってもよい。以下、一つの圧電振動子が一チャンネルを構成するものとして説明する。
超音波送受信部101は、図示していない送信部と受信部とを有する。送信部は、図示していないパルス発生器、送信遅延回路、パルサを有する。パルス発生器は、所定のレート周波数で送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。パルス発生器は、例えば5kHzのレート周波数でレートパルスを繰り返し発生する。このレートパルスは、チャンネル数に分配され、送信遅延回路に送られる。送信遅延回路は、チャンネル毎に超音波をビーム状に収束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間を、各レートパルスに与える。なお、送信遅延回路には、図示していないトリガ信号発生器からのトリガが、タイミング信号として供給される。パルサは、送信遅延回路からレートパルスを受けたタイミングで、超音波プローブ11の振動子ごとに電圧パルスを印加する。これにより、超音波ビームが被検体に送信される。超音波送信時に駆動されるチャンネル数は、送信条件によって変更可能である。
受信部は、図示していないプリアンプ、アナログディジタル変換器、受信遅延回路、加算器を有する。プリアンプは、超音波プローブ11を介して取り込まれた被検体からのエコー信号をチャンネル毎に増幅し、アナログディジタル変換機でアナログ信号からディジタル信号に変換する。受信に利用するチャンネル数も目的に応じて変更可能である。受信遅延回路は、ディジタル信号に変換されたエコー信号に、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、後述する第1制御部113からの受信遅延パターンに従って複数のエコー信号を加算する。この加算により受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。この送信指向性と受信指向性とにより超音波送受信の総合的な指向性が決定される(この指向性により、いわゆる「超音波走査線」が決まる)。なお、受信部は、1回の超音波送信で複数の走査線上に生じたエコー信号を同時に受信する並列受信機能を有していてもよい。
超音波送受信部101は、第1制御部113の制御のもとで、発生した受信信号をBモードデータ発生部103に出力する。超音波送受信部101は、後述する第2ユニット200に搭載された第2制御部209の制御のもとで、発生した受信信号を、後述する接続部117を介して第2ユニット200に出力する。
Bモードデータ発生部103は、図示していない包絡線検波器、対数変換器、アナログディジタル変換器を有する。包絡線検波器は、Bモードデータ発生部103への入力信号、即ち、超音波送受信部101から出力された受信信号に対して包絡線検波を実行する。対数変換器は、検波信号の振幅を対数変換して弱い信号を相対的に強調する。これにより、Bモードデータ発生部103はBモードデータを発生する。
画像発生部105は、Bモードデータに基づいてBモード画像を発生する。画像発生部105は、後述する第2ユニット200に搭載されたドプラデータ発生部201から出力されたドプラデータに基づいて、平均速度画像、分散画像、パワー画像、およびこれらの組合せ画像を発生する。画像発生部105は、上記画像の発生に加えて、超音波スキャンの走査線信号列を、テレビなどに代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換する(以下、スキャンコンバートと呼ぶ)。画像発生部105は、この変換により、表示画像としての超音波画像を発生する。具体的には、画像発生部105は、スキャンコンバートを実行するとき、隣り合う走査線の間のデータを補間する補間処理、各種フィルタによる強調および平滑化処理、フレーム相関処理等を実行する。なお、画像発生部105は、画像データを格納する記憶メモリ等を搭載し、3次元画像の再構成処理などを実行させてもよい。
画像合成部107は、図示していないシネメモリ、フレームメモリ等を有する。画像合成部107は、画像発生部105から出力された画像に、種々のパラメータの文字情報や目盛等を合成する。画像合成部107は、合成した画像を表示部115に出力する。シネメモリは、例えばフリーズする直前の複数のフレームに対応する超音波画像を保存するメモリである。このシネメモリ記憶されている画像を連続表示(シネ表示)することで、超音波動画像を表示することも可能である。フレームメモリは、1フレーム分の超音波画像を記憶するメモリであり、当該フレームメモリに現在記憶されている画像が表示部115に表示される。なお、画像合成部107は、第1ユニット10と第2ユニット200とが接続された状態において、後述する記憶部203に記憶された被検体の過去の超音波画像を、画像発生部105で発生された画像とともに表示することも可能である。
第1インターフェース部109は、後述する第1入力部111、図示していない生体信号計測部などに関するインターフェースである。本超音波診断装置1によって得られた超音波画像等のデータ等は、第1インターフェース部109を介して他の装置に転送可能である。
第1入力部111は、第1インターフェース部109に接続される。第1入力部111は、Bモードに関する関心領域(Region Of Interest:以下ROIと呼ぶ)の範囲、超音波によりスキャンされる範囲(以下、走査範囲と呼ぶ)、走査線密度、フレームレート、並列同時受信機能に関する走査線数などの送受信条件およびイメージング法の選択などを、本超音波診断装置1に取り込む。イメージング法とは、例えば、2次元イメージング法、3次元イメージング法、時間発展も含めた4次元イメージング法、組織ハーモニックイメージング(Tissue Harmonic Imaging:以下、THIと呼ぶ)法、弾性イメージング法などである。
第1入力部111は、図示していないトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の入力デバイスを有する。入力デバイスは、表示画面上に表示されるカーソルの座標を検出し、検出した座標を後述する第1制御部113に出力する。なお、入力デバイスは、表示画面を覆うように設けられたタッチパネルでもよい。この場合、第1入力部111は、電磁誘導式、電磁歪式、感圧式等の座標読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を第1制御部113に出力する。また、操作者が第1入力部113の終了ボタンまたはFREEZEボタンを操作すると、超音波の送受信は終了し、本超音波診断装置1は一時停止状態となる。第1入力部111の入力は、後述する第2入力部207の入力デバイスと比べて、小型で省電力である。
第1制御部113は、図示していないメモリを有する。メモリは、フォーカス深度の異なる複数の受信遅延パターン、Bモードに関する本超音波診断装置1の制御プログラムなどを記憶する。具体的には、第1制御部113は、第1入力部111を介して入力された送受信条件と選択されたイメージング法とに基づいて、メモリに記憶された受信遅延パターンと制御プログラムとを読み出す。第1制御部113は、入力された送受信条件と読み出された制御プログラムとに従って、本超音波診断装置1の第1ユニット10を制御する。
第1制御部113は、後述する接続検出部119からの第1出力に基づいて、第1ユニット本体100に搭載された各部の制御を解除する。第1出力とは、第2ユニット200に第1ユニット10が接続されたことに関する情報である。第1制御部113は、接続検出部119からの第2出力に基づいて、第1ユニット本体100に搭載された各部の制御を開始する。第2出力とは、第1ユニット10と第2ユニット200とが非接続であることに関する情報である。
表示部115は、画像合成部107からの出力に基づいて、超音波画像を表示する。表示部115は、液晶表示器(Liquid Crystal Display:以下LCDと呼ぶ)を有する。なお、表示部115は、LCDとは異なる表示器を有していてもよい。また、表示部115は、第1ユニット10に搭載される代わりに、例えば被検体が載置された近傍に設置されてもよい。このとき、第1ユニット10と表示部115とは、第1インターフェース部109を介して接続されてもよい。
接続部117は、第1ユニット10を第2ユニット200に接続する。なお、接続部117のかわりに第1インターフェース部109を使用することも可能である。
接続検出部119は、接続部117による第1ユニット10と第2ユニット200との接続または非接続を検出する。接続検出部119は、第1ユニット10と第2ユニット200とが接続された場合、接続に関する情報(第1出力)を、第1制御部113と後述する第2制御部209とに出力する。接続検出部119は、第1ユニット10と第2ユニット200とが物理的に分離された場合、非接続に関する情報(第2出力)を、第1制御部113に出力する。
第2ユニット200は、ドプラデータ発生部201、記憶部203、第2インターフェース部205、第2入力部207、第2制御部209を有する。なお、第2ユニット200には、心電計、心音計、脈波計、呼吸センサに代表される図示していない生体信号計測部、外部記憶装置31およびネットワークが、第2インターフェース部205を介して接続されてもよい。
ドプラデータ発生部201は、図示していないドプラ信号発生部とカラードプラデータ生成部とを有する。ドプラ信号発生部は、図示していないミキサーと低域通過フィルタ(以下LPF)を有する。ミキサーは、第1ユニット10の超音波送受信部101から接続部117を介して出力された信号に、送信周波数と同じ周波数f0を有する基準信号を掛け合わせる。この掛け合わせにより、ドプラ偏移周波数fdの成分の信号と(2f0+fd)の周波数成分を有する信号とが得られる。LPFは、ミキサーからの2種の周波数成分を有する信号のうち、高い周波数成分(2f0+fd)の信号を取り除く。ドプラ信号発生部は、高い周波数成分(2f0+fd)の信号を取り除くことにより、ドプラ偏移周波数fdの成分を有するドプラ信号を発生する。本処理は直交検波とも呼ばれる。
カラードプラデータ生成部は、接続部117を介して超音波受信部101で直交検波されたドプラ信号を入力として、速度/分散/Power演算部を有する。速度/分散/Power演算部は、図示していないMTI(Moving Target Indicator)フィルタ、自己相関演算器を有する。MTIフィルタは、超音波受信部101から出力されたドプラ信号に対して、臓器の呼吸性移動や拍動性移動などに起因するドプラ成分(クラッタ成分)を除去する。自己相関演算器は、MTIフィルタによって血流情報のみが抽出されたドプラ信号に対して、自己相関値を算出する。自己相関演算器は、算出された自己相関値に基づいて、血流の平均速度値および分散値等を算出する。カラードプラデータ生成部は、複数のドプラ信号に基づく血流の平均速度値や分散値等からカラードプラデータを生成する。以下、ドプラ信号発生部により発生されたドプラ信号とカラードプラデータ生成部で生成されたカラードプラデータとをまとめて、ドプラデータと呼ぶ。
ドプラデータ発生部201は、ドプラデータを、第1ユニット10の接続部117を介して、画像発生部105に出力する。
記憶部203は、Bモードデータ発生部103で発生されたBモードデータ、ドプラデータ発生部201で発生されたドプラデータ、画像発生部105で発生された超音波画像、被検体に関する過去の超音波画像等を記憶する。
第2インターフェース部205は、後述する第2入力部207、図示していない生体信号計測部、外部記憶装置31、ネットワーク等に関するインターフェースである。本超音波診断装置1によって得られた超音波画像等のデータおよび、記憶部203に記憶されたデータなどは、第2インターフェース部205を介して外部記憶装置31および他の装置に転送可能である。
第2入力部207は、第2インターフェース部205に接続される。第2入力部207は、Bモードおよびドプラモードに関する操作者からの各種指示・命令・情報・選択・設定を本超音波診断装置1に取り込む。第2入力部207は、図示していないトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の入力デバイスを有する。入力デバイスは、表示画面上に表示されるカーソルの座標を検出し、検出した座標を第2制御部207に出力する。なお、入力デバイスは、表示画面を覆うように設けられたタッチパネルでもよい。この場合、第2入力部207は、電磁誘導式、電磁歪式、感圧式等の座標読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を第2制御部209に出力する。また、操作者が第2入力部207の終了ボタンまたはFREEZEボタンを操作すると、超音波の送受信は終了し、本超音波診断装置1は一時停止状態となる。
第2入力部209と第1入力部111とには、例えば以下のような相違がある。第2入力部209は、Bモードおよびドプラモードに関する各種指示・命令・情報・選択・設定を本超音波診断装置1に取り込む。第2入力部209を介して入力される項目は、第1入力部111で入力される項目に比べて多い。そのため、第2入力部207の消費電力は、第1入力部111の消費電力に比べて多くなる。
第2制御部209は、図示していないメモリを有する。メモリは、フォーカス深度の異なる複数の受信遅延パターン、Bモードおよびドプラモードに関する本超音波診断装置1の制御プログラムなどを記憶する。第2制御部209は、接続検出部119からの第1出力を契機として、第1ユニット10と第2ユニット200とを制御する。第1出力を契機として第1ユニット10に対する制御が解除され、かつ第2制御部209に第1出力が入力されると、第2制御部209は、第1ユニット10の第1制御部113を除く各部と第2ユニット200の各部とを制御する。具体的には、第2制御部209は、第2入力部207を介して入力されたBモードおよびドプラモードに関する各種指示・命令・情報・選択・設定に基づいて、メモリに記憶された受信遅延パターンと制御プログラムとを読み出す。第2制御部209は、入力された各種指示・命令・情報・選択・設定と読み出された制御プログラムとに従って、第1ユニット10と第2ユニット200とを制御する。
以下、Bモード画像を発生させる第1ユニット10と、ドプラデータを発生する第2ユニット200とに分離可能な本超音波診断装置1における超音波画像の発生に関する処理(以下、超音波画像発生処理と呼ぶ)について説明する。
図2は、超音波画像発生処理の流れの一例を示すフローチャートである。
接続部117を介して第1ユニット10と第2ユニット200とが接続されなければ(ステップSa1)、第1制御部113による制御のもとで、スキャンが実行される(ステップSa2)。超音波送受信部101で発生された受信信号に基づいて、Bモードデータが発生される(ステップSa3)。発生されたBモードデータに基づいて、超音波画像が発生される(ステップSa4)。発生された超音波画像が、表示部115に表示される(ステップSa5)。
接続部117を介して第1ユニット10と第2ユニット200とが接続されれば(ステップSa1)、第1制御部113による第1ユニット10の制御が解除される(ステップSa6)。第2制御部209による制御のもとで、スキャンが実行される(ステップSa7)。超音波送受信部101で発生された受信信号が、接続部117を介して第2ユニット200へ伝送される(ステップSa8)。伝送された受信信号に基づいて、ドプラデータが発生される(ステップSa9)。発生されたドプラデータが接続部117を介して第1ユニット10へ伝送される(ステップSa10)。伝送されたドプラデータに基づいて、超音波画像が発生される(ステップSa11)。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本超音波診断装置1によれば、Bモードデータを発生する第1ユニット10とドプラデータを発生する第2ユニット200とに分割することができる。これにより、病院内外の臨床現場にそれぞれ対応した超音波診断装置を提供することができる。すなわち、第1ユニット10を第2ユニット200から分離することで、本超音波診断装置1の第1ユニット10は、携帯型の超音波診断装置として、在宅医療、スポーツ場、災害現場等で使用することができる。また、第1ユニット10を第2ユニット200に接続することで、本超音波診断装置1は、携帯型の超音波診断装置に比べて高機能な据え置き型の超音波診断装置として、病院内などで使用することができる。加えて、本超音波診断装置1は、据え置き型の超音波診断装置と携帯型の超音波診断装置とをそれぞれ購入することに比べて、コストを低減させることができる。以上のことから、本超音波診断装置1は、被検体の周囲の状況および診断目的に応じた超音波診断のサービスを、低コストで効率的に提供することができる。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して、第2の実施形態を説明する。
図3は、第2の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す構成図である。
第2の実施形態と第1の実施形態との主な相違は、以下の4点である。
一つ目は、第1の実施形態における第1ユニット10のBモードデータ発生部103に関する機能が、第1Bモードデータ発生部102と第2Bモードデータ発生部202とに分配されていることである。第1Bモードデータ発生部102は、第1ユニット10に搭載される。第2Bモードデータ発生部202は、第2ユニット200に搭載される。
2つ目は、第1の実施形態における第1ユニット10の画像発生部105に関する機能が、第1画像発生部104と第2画像発生部204とに分配されていることである。第1画像発生部104は、第1ユニット10に搭載される。第2画像発生部204は、第2ユニット200に搭載される。
3つ目は、第1の実施形態における第1ユニット10の画像合成部107に関する機能が、第1画像合成部106と第2画像合成部206とに分配されていることである。第1画像合成部106は、第1ユニット10に搭載される。第2画像合成部206は、第2ユニット200に搭載される。
4つ目は、第1の実施形態における第1ユニット10の表示部115に関する機能が、第1表示部108と第2表示部208とに分配されていることである。第1表示部108は、第1ユニット10に搭載される。第2表示部208は、第2ユニット200に搭載される。
以下、第2の実施形態と第1の実施形態との構成要素において、異なる動作を行う構成要素および、第1Bモードデータ発生部102、第2Bモードデータ発生部202、第1画像発生部104、第2画像発生部204、第1画像合成部106、第2画像合成部206、第1表示部108、第2表示部208について説明する。
第1ユニット10は、超音波プローブ11と第1ユニット本体100とを有する。第1ユニット本体100は、超音波送受信部101、第1Bモードデータ発生部102、第1画像発生部104、第1画像合成部106、第1表示部108、接続部117、接続検出部119、第1制御部113、第1インターフェース部109、第1入力部111を有する。
第1入力部111は、第1インターフェース部109に接続される。第1入力部111は、Bモードに関する送信チャンネル数、受信チャンネル数、ROIの範囲、走査範囲、走査線密度、フレームレート、並列同時受信機能に関する走査線数などの複数の送受信条件の少なくとも一つを、本超音波診断装置1に取り込む。
第1制御部113は、図示していないメモリを有する。第1制御部113のメモリは、フォーカス深度の異なる複数の受信遅延パターン、Bモードに関する第1ユニット本体100の制御プログラムなどを記憶する。第1制御部113は、送信チャンネル数、受信チャンネル数、ROIの範囲、走査範囲、走査線密度、フレームレート、並列同時受信機能に関する走査線数などの複数の送受信条件のうち少なくとも一つが入力されると、後述する第1Bモードデータ発生部102のデータ処理能力に基づいて、他の送受信条件を決定する。第1制御部113は、決定された送受信条件に基づいて、メモリに記憶された受信遅延パターンと制御プログラムとを読み出す。第1制御部113は、入力および決定された送受信条件と、読み出された制御プログラムとに従って、本超音波診断装置1の第1ユニット10を制御する。
なお、第1制御部113は、入力された送受信条件に基づいて、メモリから制御プログラムを読み出してもよい。このとき第1制御部113は、決定された送受信条件に適合するように、超音波送受信部101から出力される受信信号を間引く。
第1制御部113は、接続検出部119から出力される第1出力に基づいて、第1ユニット10に搭載されている第1Bモードデータ発生部102と第1画像発生部104と第1画像合成部106との制御を解除する。第1出力とは、第2ユニット200に第1ユニット10が接続されたことに関する情報である。第1制御部113は、接続検出部119から出力される第2出力に基づいて、第1ユニット10に含まれる各部の制御を開始する。第2出力とは、第1ユニット10と第2ユニット200とが非接続であることに関する情報である。
超音波送受信部101は、超音波プローブ11を介して、被検体へ向けて超音波を送信する。超音波送受信部101は、送信された超音波に対応する反射波を被検体から受信する。超音波送受信部101は、受信した反射波に基づいて、受信信号を発生する。超音波送受信部101は、第1制御部113の制御のもとで、発生した受信信号を第1Bモードデータ発生部102に出力する。第1ユニット10と第2ユニット200とが接続されたとき、超音波送受信部101は、後述する第2制御部209の制御のもとで、発生した受信信号を、後述する接続部117を介して第2ユニット200に出力する。
第1Bモードデータ発生部102は、図示していない包絡線検波器、対数変換器、アナログディジタル変換器を有する。包絡線検波器は、超音波送受信部101から出力された受信信号に対して包絡線検波を実行する。対数変換器は、検波信号の振幅を対数変換して弱い信号を相対的に強調する。アナログディジタル変換器は、この対数変換器の出力信号をディジタル信号に変換し、第1のBモードデータを発生する。第1のBモードデータは、入力された送受信条件および決定された送受信条件を満たすデータである。第1Bモードデータ発生部102は、後述する第2Bモードデータ発生部202に比べて、低分解能であるBモードデータを発生するための基本的な構成を有するものとする。ここで、分解能とは、時間分解能および空間分解能であり、以降分解能と記述した場合、両者もしくは一方を意味するものとする。
第1画像発生部104は、第1のBモードデータに基づいて第1のBモード画像を発生する。以下、第1画像発生部104で発生された画像を第1の超音波画像と呼ぶ。第1画像発生部104は、スキャンコンバートにおいて、線形の補間処理、所定の枚数のフレームに対するフレーム相関処理等を実行する。第1画像発生部104は、後述する第2画像発生部204に比べて、画像を発生するための基本的な構成を有するものとする。
第1画像合成部106は、スキャンコンバートされた第1の超音波画像に、種々のパラメータの文字情報および目盛等を合成する。第1画像合成部106は、合成された第1の超音波画像を第1表示部108に出力する。第1画像合成部106は、後述する第2画像合成部206に比べて、画像を合成するための基本的な構成を有するものとする。
第1表示部108は、第1画像合成部106からの出力に基づいて、合成された第1の超音波画像を表示する。なお、第1表示部106は、消費電力を低減させるためと小型化のために、例えば合成された第1の超音波画像のみを表示する。
第2ユニット200は、第2Bモードデータ発生部202、ドプラデータ発生部201、第2画像発生部204、第2画像合成部206、第2表示部208、記憶部203、第2制御部209、第2インターフェース部205、第2入力部207を有する。なお、第2ユニット200には、外部記憶装置31およびネットワークが、第2インターフェース部205を介して接続されてもよい。
第2入力部207は、Bモードおよびドプラモードに関する送受信条件およびイメージング法の選択などを入力する。
第2制御部209は、図示していないメモリを有する。メモリは、フォーカス深度の異なる複数の受信遅延パターン、Bモードおよびドプラモードに関する本超音波診断装置1の制御プログラムなどを記憶する。第2制御部209は、接続検出部119からの第1出力を契機として、第1ユニット10の超音波送受信部101と第2ユニット200とを制御する。このとき、第1ユニット10の第1Bモードデータ発生部102と第1画像発生部104と第1画像合成部106とは、第1出力を契機として制御対象から除外される。具体的には、第2制御部209は、第2入力部207を介して入力されたBモードおよびドプラモードに関するイメージング法の各種指示・命令・情報・選択・設定に基づいて、メモリに記憶された受信遅延パターンと制御プログラムとを読み出す。第2制御部209は、入力された各種指示・命令・情報・選択・設定と読み出された制御プログラムとに従って、超音波送受信部101と第2ユニット200とを制御する。
なお、第2制御部209は、第1ユニット10と第2ユニット200とが接続されていない場合、記憶部13、外部記憶装置31、ネットワークを介して接続されたサーバなどに記憶された画像データの閲覧および記憶された画像データを用いた臨床アプリケーションの利用などを、第2入力部207を介した操作者の指示に従って実施することも可能である。
第2Bモードデータ発生部202は、超音波送受信部101で発生された受信信号を、接続部117を介して取得する。第2Bモードデータ発生部202は、取得した受信信号に基づいて、第2のBモードデータを発生する。第2のBモードデータと第1のBモードデータとの違いは、以下の通りである。第1のBモードデータは、第1Bモードデータ発生部102のデータ処理能力に応じて送信チャンネル数、受信チャンネル数、ROI範囲、走査範囲、走査線密度、フレームレート、並列受信機能などの複数の送受信条件を制限した状態で発生された受信信号に基づいて、発生される。一方、第2のBモードデータは、上記複数の送受信条件を制限しない状態で発生された受信信号に基づいて、発生される。この違いにより、第1Bモードデータ発生部102の消費電力は、第2Bモードデータ発生部202の消費電力に比べて低くなる。加えて、第1Bモードデータ発生部102の構成は、第2Bモードデータ発生部202の構成に比べて、単純であってコンパクト化可能である。また、第2Bモードデータ発生部202は、第1Bモードデータに比べて高分解能な第2のBモードデータを発生させることが可能である。
ドプラデータ発生部201は、超音波送受信部101で発生された受信信号を、接続部117を介して取得する。ドプラデータ発生部117は、取得した受信信号に基づいて、ドプラデータを発生する。
第2画像発生部204は、第2のBモードデータとドプラデータとの少なくともひとつに基づいて、画像を発生する。以下、第2画像発生部204で発生された画像を、第2の超音波画像と呼ぶ。第2画像発生部204は、スキャンコンバートにおいて、任意の次数の補間処理、各種フィルタによる強調および平滑化処理、フレーム相関処理等を実行する。なお、第2画像発生部204は、画像データを格納する記憶メモリ等を搭載し、3次元画像の再構成処理などを実行してもよい。第1画像発生部104における処理と第2画像発生部204における処理との違いは、以下のとおりである。
第1画像発生部104は、第1のBモードデータに対する各種処理を制限している。一方、第2画像発生部204には、上記各種処理に対する制限を解除している。この違いにより、第1画像発生部104の消費電力は、第2画像発生部204の消費電力に比べて低くなる。加えて、第1画像発生部104の構成は、第2画像発生部204の構成に比べて、単純であってコンパクト化可能である。第2画像発生部204で発生される画像の分解能は、第1画像発生部104で発生される画像の分解能よりも高くなる。
第2画像合成部206は、第2画像発生部204で発生された第2の超音波画像に、種々のパラメータの文字情報、目盛等を合成する。第2画像合成部206は、第2の超音波画像と、記憶部203に記憶された過去の被検体の超音波画像などの他の超音波画像とを並列させた合成画像を発生する。第1画像合成部106と第2画像合成部206との違いは、以下の通りである。第1画像合成部106は、第1の超音波画像に第1の超音波画像に付帯する情報を合成する。一方、第2画像合成部206は、上記合成画像を発生する。この違いにより、第1画像合成部106の構成は、第2画像合成部206の構成に比べて、単純であってコンパクト化可能である。
第2表示部208は、第2画像合成部206で合成された画像を表示する。第2表示部208は、第1表示部108に比べて、より大きい表示領域を有する。ここで、大きい表示領域とは表示画素数が増大することを意味するが、一般に表示画素数の増大に伴い表示画面のサイズ(面積)も大きくなるので、表示画面サイズが拡大することも含まれる。
以下、所定の分解能を有するBモード画像を発生させるための基本的な構成を有する第1ユニット10と、第1の超音波画像に比べて高分解能な第2の超音波画像を発生する第2ユニット200とに分離可能な本超音波診断装置1における超音波画像の発生に関する処理(以下、超音波画像発生処理と呼ぶ)について説明する。
図4は、超音波画像発生処理の流れの一例を示すフローチャートである。
接続部117を介して第1ユニット10と第2ユニット200とが接続されなければ(ステップSb1)、第1制御部113による制御のもとで、スキャンが実行される(ステップSb2)。超音波送受信部101で発生された受信信号に基づいて、第1のBモードデータが発生される(ステップSb3)。発生された第1のBモードデータに基づいて、第1の超音波画像が発生される(ステップSb4)。発生された第1の超音波画像が、第1表示部108に表示される(ステップSb5)。
接続部117を介して第1ユニット10と第2ユニット200とが接続されれば(ステップSb1)、第1制御部113による第1ユニット10の制御が解除される(ステップSb6)。第2制御部209による制御のもとで、スキャンが実行される(ステップSb7)。超音波送受信部101で発生された受信信号が、接続部117を介して第2ユニット200へ伝送される(ステップSb8)。伝送された受信信号に基づいて、第2のBモードデータまたはドプラデータが発生される(ステップSb9)。発生された第2のBモードデータまたはドプラデータに基づいて、第2の超音波画像が発生される(ステップSb10)。発生された第2の超音波画像が、第2表示部208に表示される(ステップSb11)。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本超音波診断装置1によれば、Bモード画像の発生に関する機能と表示に関する機能とを、第1ユニット10と第2ユニット200とに分配することができる。これにより、本超音波診断装置1の第1ユニット10の消費電力を低減させることができ、本超音波診断装置1の第1ユニット10の稼働時間が向上する。加えて、本超音波診断装置1の第1ユニット10の構成を簡略化でき、本超音波診断装置1の第1ユニット10の小型化が可能となる。また、これら消費電力の低減および小型化は、可動時間および可搬性を向上させる。その結果、在宅医療、スポーツ場、災害現場等での本超音波診断装置1の利便性が向上する。
また、第1ユニット10を第2ユニット200に接続することで、本超音波診断装置1は、携帯型の超音波診断装置に比べて高機能な据え置き型の超音波診断装置として、病院内などで使用することができる。加えて、本超音波診断装置1は、据え置き型の超音波診断装置と携帯型の超音波診断装置とをそれぞれ購入することに比べて、コストを低減させることができる。以上のことから、本超音波診断装置1は、被検体の周囲の状況および診断目的に応じた超音波診断のサービスを、低コストで効率的に提供することができる。
(第3の実施形態)
以下、図面を参照して、第3の実施形態を説明する。
図5は、第3の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す構成図である。
第1、第2の実施形態との相違は、有線または無線のネットワークを介して、第1ユニット10と第2ユニット200とを常時接続させることにより、第1、第2の実施形態における第1ユニットのように機能上の制約を解消している点にある。なお、有線のネットワークとしては、例えば、電気的通史回線を用いたローカルエリアネットワーク(Local Area Network:以下、LANと呼ぶ)およびインターネットなどがある。一方、無線のネットワークとしては、例えば、無線LANおよび衛星通信回線などがある。例えば、ネットワークが院内LANである場合、院内LANの端子は、病室または被検体が載置されるベッド近傍に設置される。
第1ユニット10は、超音波プローブ11と第1ユニット本体100とを有する。第1ユニット本体100は、超音波送受信部101、第1データ転送部110、第1表示部111、接続検出部119、第1制御部113、第1インターフェース部109、第1入力部111を有する。
第1入力部111は、Bモードおよびドプラモードに関する各種指示・命令・情報・選択・設定、超音波の送受信条件などを本超音波診断装置1に取り込む。
第1制御部113は、図示していないメモリを有する。メモリは、フォーカス深度の異なる複数の受信遅延パターンおよび超音波の送受信に関する制御プログラムなどを記憶する。第1制御部113は、第1入力部111を介した操作者の指示により、超音波を被検体に向けて送信するために、超音波送受信部101を制御する。
超音波送受信部101は、第1制御部113の制御のもとで、超音波プローブ11を介して被検体へ向けて超音波を送信する。超音波送受信部101は、送信された超音波に対応する反射波を、被検体から受信する。超音波送受信部101は、受信した反射波に基づいて受信信号を発生する。超音波送受信部101は、発生した受信信号を、第1データ転送部110へ出力する。
第1データ転送部110は、超音波送受信部101から出力された受信信号を、ネットワークを介して第2ユニット200の第2データ転送部210へ転送する。第1データ転送部110は、ネットワークを介して後述する第2データ転送部210から転送された超音波画像を、第1表示部108に転送する。なお、第1データ転送部110から転送される受信信号の帯域が所定の帯域を超えるとき、第1データ転送部110は、受信信号のデシメーション(decimation)レートを上げて、帯域を削減することも可能である。なお、所定の帯域とは、例えば数百Mbps乃至1Gbpsである。受信信号のデシメーションレートとは、例えば、超音波送受信部101により発生された受信信号に対する間引かれる信号の割合である。あるいは、超音波送受信部101は、受信信号を圧縮処理して帯域を制限して送信してもよい。
第1表示部108は、第1データ転送部110から転送された超音波画像を表示する。
接続検出部119は、ネットワークを介した第1ユニット10と第2ユニット200との接続を検出する。具体的には、接続検出部119は、まず、第1データ転送部110と第2データ転送部210との接続を検出するために、例えばピング(ping)を打つ。続いて、接続検出部119は、第2データ転送部210からの応答(reply)により、第1データ転送部110と第2データ転送部210との接続を検出する。
第2ユニット200は、第2データ転送部210、Bモードデータ発生部103、ドプラデータ発生部201、画像発生部105、画像合成部107、第2表示部208、第2制御部209、第2インターフェース部205、第2入力部207を有する。
第2データ転送部210は、ネットワークを介した第1データ転送部110からの受信信号を、Bモードデータ発生部103またはドプラデータ発生部201に転送する。第2データ転送部210は、後述する画像合成部107で合成された画像を、第1データ転送部110へネットワークを介して転送する。
Bモードデータ発生部103は、第2データ転送部210から転送された受信信号に基づいて、Bモードデータを発生する。
ドプラデータ発生部201は、第2データ転送部210から転送された受信信号に基づいて、ドプラデータを発生する。
画像発生部105は、Bモードデータまたはドプラデータに基づいて、超音波画像を発生する。
記憶部203は、Bモードデータ発生部103で発生されたBモードデータ、ドプラデータ発生部201で発生されたドプラデータおよび被検体に関する過去の超音波画像データなどを記憶する。
画像合成部107は、発生された超音波画像に、種々のパラメータ情報および目盛等を合成する。なお、画像合成部107は、発生された超音波画像と、記憶部203に記憶された被検体の過去の超音波画像とを並列させた合成画像を発生してもよい。画像合成部107は、合成された画像データを、第2データ転送部210へ出力する。
第2表示部208は、第2入力部207を介した操作者の指示により、画像合成部107で発生された合成画像を表示する。なお、第2表示部208は、第2インターフェース部205を介して接続された外部記憶装置31に記憶された超音波画像などを、表示することも可能である。
第1データ転送部110と第2データ転送部210とを接続するネットワークには、ネットワークモニタ37が接続されていてもよい。ネットワークモニタ37は、第1ユニット10と第2ユニット200との接続状況に関する情報、画像合成部107で合成された画像、記憶部203および外部記憶装置31に記憶された画像などを表示する。ネットワークモニタ37に表示される表示内容は、第2入力部207を介して操作者により設定可能である。
以下、ネットワークを介して接続された第1ユニット10と第2ユニット200とを有する本超音波診断装置1における超音波画像の発生に関する処理(以下、超音波画像発生処理と呼ぶ)について説明する。
図6は、第3の実施形態に係る超音波画像発生処理の流れの一例を示すフローチャートである。
第1ユニット10と第2ユニット200との接続が、接続検出部119により検出される(ステップSc1)と、第1制御部113による制御のもとで、スキャンが実行される(ステップSc2)。超音波送受信部101で発生された受信信号が、ネットワークを介して、第2ユニット200のBモードデータ発生部103またはドプラデータ発生部201に転送される(ステップSc3)。転送された受信信号に基づいて、Bモードデータまたはドプラデータが発生される(ステップSc4)。発生されたBモードデータまたはドプラデータに基づいて、超音波画像が発生される(ステップSc5)。発生された超音波画像が、ネットワークを介して第1ユニット10に転送される(ステップSc6)。転送された超音波画像が、第1表示部108に表示される(ステップSc7)。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本超音波診断装置1によれば、受信信号を発生する第1ユニット10と転送された受信信号に基づいて超音波画像を発生する第2ユニット200とがネットワークを介して接続されることにより、第1ユニット10に搭載される構成要素を従来に比べて減少させることができる。これにより、第1ユニット10における消費電力を低減させることができる。第1ユニット10における消費電力の低減は、第1ユニット10の稼働時間を向上させる。第1ユニット10に搭載される構成要素の減少は、第1ユニット10の小型化に寄与する。また、これら消費電力の低減および小型化は、可動時間および可搬性を向上させる。その結果、在宅医療、スポーツ場、災害現場等での本超音波診断装置1の利便性が向上する。
また、第1ユニット10は、ネットワークを介して第2ユニット200に接続されているため、本超音波診断装置1は、携帯型の超音波診断装置に比べて高機能な据え置き型の超音波診断装置としても使用することができる。例えば、ネットワークが衛星通信回線である場合、本超音波診断装置1は、据え置き型の超音波診断装置と同様な高機能を有する超音波診断装置として、あらゆる場所で使用可能となる。
加えて、本超音波診断装置1は、据え置き型の超音波診断装置と携帯型の超音波診断装置とをそれぞれ購入することに比べて、コストを低減させることができる。以上のことから、本超音波診断装置1は、被検体の周囲の状況および診断目的に応じた超音波診断のサービスを、低コストで効率的に提供することができる。
また、本実施形態によれば、シンクライアント(Thin Client)システムとしての超音波診断装置を提供することができる。
(第4の実施形態)
以下、図面を参照して、第4の実施形態を説明する。
図7は、第4の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す構成図である。
第3の実施形態との相違は、第1ユニット10にBモードデータ発生部103とドプラデータ発生部201とを搭載させることにある。これらBモードデータ発生部103とドプラデータ発生部105とにより、超音波送受信部101で発生された受信信号に基づいて、Bモードデータとドプラデータとがそれぞれ発生される。Bモードデータとドプラデータは、超音波送受信部101の出力信号に帯域に比べて十分に小さくなる。そのため、Bモードデータとドプラデータは、所定の帯域(例えば数百Mbps乃至1Gbps)で転送可能となる。あるいは、第3の実施形態で必要とする程の受信信号の削減量の必要がなくなる。あるいは、信号の高圧縮が不要なためCPU負荷の少ない簡易な圧縮技術で帯域圧縮が可能となる。あるいは、高圧縮して信号帯域を更に減らし転送負荷を大幅に削減して転送することが可能となる。
第1ユニット10は、超音波プローブ11と第1ユニット本体100とを有する。第1ユニット本体100は、超音波送受信部101、Bモードデータ発生部103、ドプラデータ発生部201、第1データ転送部110、第1表示部108、接続検出部119、第1制御部113、第1インターフェース部109、第1入力部111を有する。
第1入力部111は、Bモードおよびドプラモードに関する各種指示・命令・情報・選択・設定、超音波の送受信条件などを本超音波診断装置1に取り込む。
第1制御部113は、図示していないメモリを有する。メモリは、フォーカス深度の異なる複数の受信遅延パターンおよび超音波の送受信に関する制御プログラムなどを記憶する。第1制御部113は、第1入力部111を介した操作者の指示により、超音波を被検体に向けて送信するために、超音波送受信部101を制御する。
超音波送受信部101は、第1制御部113の制御のもとで、超音波プローブ11を介して被検体へ向けて超音波を送信する。超音波送受信部101は、送信された超音波に対応する反射波を、被検体から受信する。超音波送受信部101は、受信した反射波に基づいて受信信号を発生する。超音波送受信部101は、発生した受信信号を、Bモードデータ発生部103またはドプラデータ発生部201へ出力する。
Bモードデータ発生部103は、超音波送受信部101から出力された受信信号に基づいて、Bモードデータを発生する。
ドプラデータ発生部201は、超音波送受信部101から出力された受信信号に基づいて、ドプラデータを発生する。
第1データ転送部110は、Bモードデータおよびドプラデータを、ネットワークを介して第2ユニット200の第2データ転送部210へ転送する。第1データ転送部110は、ネットワークを介して後述する第2データ転送部210から転送された超音波画像を、第1表示部108に転送する。なお、第1データ転送部110から転送されるBモードデータおよびドプラデータの帯域は、例えば100Mbps乃至300Mbpsである。これにより、データの転送条件は、第3の実施形態に比べて緩和される。
第1表示部108は、第1データ転送部110から転送された超音波画像を表示する。
接続検出部119は、ネットワークを介した第1ユニット10と第2ユニット200との接続を検出する。
第2ユニット200は、第2データ転送部210、画像発生部105、画像合成部107、第2表示部208、第2制御部209、第2インターフェース部205、第2入力部207を有する。
第2データ転送部210は、ネットワークを介した第1データ転送部110からのBモードデータおよびドプラデータを、画像発生部105に転送する。第2データ転送部210は、後述する画像合成部107で合成された画像を、第1データ転送部110へネットワークを介して転送する。
画像発生部105は、転送されたBモードデータまたはドプラデータに基づいて、超音波画像を発生する。
記憶部203は、転送されたBモードデータ、ドプラデータ、および被検体に関する過去の超音波画像データなどを記憶する。
画像合成部107は、発生された超音波画像に、種々のパラメータ情報および目盛等を合成する。なお、画像合成部107は、発生された超音波画像と、記憶部13に記憶された被検体の過去の超音波画像とを並列させた合成画像を発生してもよい。画像合成部107は、合成された画像データを、第2データ転送部210へ出力する。
第2表示部208は、第2入力部207を介した操作者の指示により、画像合成部107で発生された合成画像を表示する。なお、第2表示部208は、第2インターフェース部205を介して接続された外部記憶装置31に記憶された超音波画像などを、表示することも可能である。
第1データ転送部110と第2データ転送部210とを接続するネットワークには、ネットワークモニタ37が接続されていてもよい。ネットワークモニタ37は、第1ユニット10と第2ユニット200との接続状況に関する情報、画像合成部107で合成された画像、記憶部13および外部記憶装置31に記憶された画像などを表示する。ネットワークモニタ37に表示される表示内容は、第2入力部207を介して操作者により設定可能である。
以下、ネットワークを介して接続された第1ユニット10と第2ユニット200とを有する本超音波診断装置1における超音波画像の発生に関する処理(以下、超音波画像発生処理と呼ぶ)について説明する。
図8は、第4の実施形態に係る超音波画像発生処理の流れの一例を示すフローチャートである。
第1ユニット10と第2ユニット200との接続が、接続検出部119により検出される(ステップSd1)と、第1制御部113による制御のもとで、スキャンが実行される(ステップSd2)。超音波送受信部101で発生された受信信号に基づいて、Bモードデータまたはドプラデータが発生される(ステップSd3)。発生されたBモードデータまたはドプラデータは、ネットワークを介して、第2ユニット200へ転送される(ステップSd4)。転送されたBモードデータまたはドプラデータに基づいて、超音波画像が発生される(ステップSd5)。発生された超音波画像のデータが、ネットワークを介して第1ユニット10に転送される(ステップSd6)。転送された超音波画像のデータに基づいて、超音波画像が、第1表示部108に表示される(ステップSd7)。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本超音波診断装置1によれば、受信信号に基づいてBモードデータまたはドプラデータを発生する第1ユニット10と転送されたBモードデータまたはドプラデータに基づいて超音波画像を発生する第2ユニット200とがネットワークを介して接続されることにより、第1ユニット10から第2ユニット200へ転送されるデータ量を減少させることができる。これにより、発生された受信信号を削減することなく良好な超音波画像を発生させることができる。
また、第1ユニット10は、ネットワークを介して第2ユニット200に接続されているため、本超音波診断装置1は、携帯型の超音波診断装置に比べて高機能な据え置き型の超音波診断装置としても使用可能である。例えば、ネットワークが衛星通信回線である場合、本超音波診断装置1は、据え置き型の超音波診断装置と同様な高機能を有する超音波診断装置として、あらゆる場所で使用可能となる。
加えて、本超音波診断装置1は、据え置き型の超音波診断装置と携帯型の超音波診断装置とをそれぞれ購入することに比べて、コストを低減させることができる。以上のことから、本超音波診断装置1は、被検体の周囲の状況および診断目的に応じた超音波診断のサービスを、低コストで効率的に提供することができる。
また、本実施形態によれば、シンクライアント(Thin Client)システムとしての超音波診断装置を提供することができる。
(第5の実施形態)
以下、図面を参照して、第5の実施形態を説明する。
図9は、第5の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す構成図である。
第5の実施形態と第2の実施形態との相違は、第2の実施形態における第1ユニットと第2ユニットとを、ネットワークを介して接続されていることである。なお、ネットワークには複数の第1ユニットを接続させることも可能である。
第1ユニット10は、超音波プローブ11と第1ユニット本体100とを有する。第1ユニット本体100は、超音波送受信部101、第1Bモードデータ発生部102、第1画像発生部104、第1画像合成部106、第1表示部108、第1データ転送部110、接続検出部119、第1制御部113、第1インターフェース部109、第1入力部111を有する。
第1入力部111は、第1インターフェース部109に接続される。第1入力部111は、Bモードに関する送信チャンネル数、受信チャンネル数、ROIの範囲、走査範囲、走査線密度、フレームレート、並列同時受信機能に関する走査線数などの複数の送受信条件を、本超音波診断装置1に取り込む。
第1制御部113は、図示していないメモリを有する。第1制御部113のメモリは、フォーカス深度の異なる複数の受信遅延パターン、Bモードに関する第1ユニット本体100の制御プログラムなどを記憶する。第1制御部113は、送信チャンネル数、受信チャンネル数、ROIの範囲、走査範囲、走査線密度、フレームレート、並列同時受信機能に関する走査線数などの複数の送受信条件のうち少なくとも一つが入力されると、後述する第1Bモードデータ発生部102のデータ処理能力に基づいて、他の送受信条件を決定する。第1制御部113は、決定された送受信条件に基づいて、メモリに記憶された受信遅延パターンと制御プログラムとを読み出す。第1制御部113は、入力および決定された送受信条件と、読み出された制御プログラムとに従って、本超音波診断装置1の第1ユニット10を制御する。
なお、第1制御部113は、入力された送受信条件に基づいて、メモリから制御プログラムを読み出してもよい。このとき第1制御部113は、決定された送受信条件に適合するように、超音波送受信部101から出力される受信信号を間引いてもよい。
第1制御部113は、ネットワークを介した第1ユニット10と第2ユニット200との接続が後述する接続検出部119により検出されたとき、第1ユニット10に搭載される第1Bモードデータ発生部102と第1画像発生部104と第1画像合成部106との制御を解除する。具体的には、後述する接続検出部119から出力される第1出力に基づいて、第1Bモードデータ発生部102と第1画像発生部104と第1画像合成部106との制御を解除する。第1出力とは、第2ユニット200に第1ユニット10がネットワークを介して接続されたことに関する情報である。
第1制御部113は、第1ユニット10と第2ユニット200との非接続が後述する接続検出部119により検出されたとき、第1ユニット10に含まれる各部の制御を開始する。具体的には、第1制御部113は、後述する接続検出部119からの第2出力に基づいて、第1ユニット10に含まれる各部の制御を開始する。第2出力とは、第1ユニット10と第2ユニット200とが非接続であることに関する情報である。
接続検出部119は、ネットワークを介した第1ユニット10と第2ユニット200との接続または非接続を検出する。具体的には、接続検出部119は、後述する第1データ転送部110と第2データ転送部200との接続を検出するために、例えばピング(ping)を打ち、第2データ転送部200からの応答(reply)により、第1データ転送部110と第2データ転送部210との接続を検出する。接続検出部119は、第1ユニット10と第2ユニット200との接続を検出すると、接続に関する情報(第1出力)を、第1制御部113と後述する第2制御部209とに出力する。接続検出部113は、第1ユニット10と第2ユニット200とが非接続である場合、非接続に関する情報(第2出力)を、第1制御部113に出力する。
超音波送受信部101は、超音波プローブ11を介して、被検体へ向けて超音波を送信する。超音波送受信部101は、送信された超音波に対応する反射波を被検体から受信する。超音波送受信部101は、受信した反射波に基づいて、受信信号を発生する。超音波送受信部101は、第1制御部113の制御のもとで、発生した受信信号を第1Bモードデータ発生部102に出力する。超音波送受信部101は、後述する第2制御部209の制御のもとで、発生した受信信号を、後述する第1データ転送部110へ出力する。
第1データ転送部110は、第1ユニット10と第2ユニット200とがネットワークを介して接続状態にあるとき、超音波送受信部101から出力された受信信号を、ネットワークを介して第2データ転送部210へ転送する。第1データ転送部110は、ネットワークを介して第2データ転送部210から転送された超音波画像を、第1表示部108に転送する。なお、第1データ転送部110から転送される受信信号の帯域が所定の帯域を超えるとき、第1データ転送部110は、受信信号のデシメーション(decimation)レートを上げて、帯域を削減することも可能である。なお、所定の帯域とは、例えば数百Mbps乃至1Gbpsである。受信信号のデシメーションレートとは、例えば、超音波送受信部101により発生された受信信号に対する間引かれる信号の割合である。あるいは、第1データ転送部110は、受信信号を圧縮処理して帯域を制限して送信してもよい。
第1Bモードデータ発生部102は、超音波送受信部101から出力された受信信号に基づいて、第1Bモードデータを発生する。第1Bモードデータ発生部102は、発生した第1Bモードデータを第1画像発生部104に出力する。
第1画像発生部104は、第1Bモードデータ発生部102から出力された第1のBモードデータに基づいて、第1のBモード画像を発生する。以下、第1画像発生部104で発生された画像を第1の超音波画像と呼ぶ。第1画像発生部104は、スキャンコンバートにおいて、線形の補間処理、所定の枚数のフレームに対するフレーム相関処理等を実行する。第1画像発生部104は、後述する第2画像発生部204に比べて、画像を発生するための基本的な構成を有するものとする。
第1画像合成部106は、スキャンコンバートされた第1の超音波画像に、種々のパラメータの文字情報および目盛等を合成する。第1画像合成部106は、合成された第1の超音波画像を第1表示部108に出力する。第1画像合成部106は、後述する第2画像合成部206に比べて、画像を合成するための基本的な構成を有するものとする。
第1表示部108は、第1画像合成部106からの出力に基づいて、合成された第1の超音波画像を表示する。なお、第1表示部108は、消費電力を低減させるためと小型化のために、例えば合成された第1の超音波画像のみを表示する。
第2ユニット200は、ドプラデータ発生部201、第2Bモードデータ発生部202、記憶部203、第2画像発生部204、第2インターフェース部205、第2画像合成部206、第2入力部207、第2表示部208、第2制御部209、第2データ転送部210を有する。
第2入力部207は、Bモードおよびドプラモードに関する送受信条件およびイメージング法の選択などを入力する。
第2制御部209は、図示していないメモリを有する。メモリは、フォーカス深度の異なる複数の受信遅延パターン、Bモードおよびドプラモードに関する本超音波診断装置1の制御プログラムなどを記憶する。第2制御部209は、接続検出部119からの第1出力を契機として、第1ユニット10の超音波送受信部101と第2ユニット200とを制御する。このとき、第1ユニット10の第1Bモードデータ発生部102と第1画像発生部104と第1画像合成部106とは、第1出力を契機として制御対象から除外される。具体的には、第2制御部209は、第2入力部207を介して入力されたBモードおよびドプラモードに関するイメージング法の各種指示・命令・情報・選択・設定に基づいて、メモリに記憶された受信遅延パターンと制御プログラムとを読み出す。
なお、第2制御部209は、第1ユニット10と第2ユニット200とが接続されていない場合、記憶部13、外部記憶装置31、ネットワークを介して接続されたサーバなどに記憶された画像データの閲覧および記憶された画像データを用いた臨床アプリケーションの利用などを、第2入力部207を介した操作者の指示に従って実施することも可能である。
第2データ転送部210は、ネットワークを介した第1データ転送部110からの受信信号を、後述する第2Bモードデータ発生部202またはドプラデータ発生部201に転送する。第2データ転送部210は、後述する第2画像合成部206で合成された画像のデータを、ネットワークを介して第1データ転送部110へ転送する。
第2Bモードデータ発生部202は、超音波送受信部101で発生された受信信号を、第2データ転送部210を介して取得する。第2Bモードデータ発生部202は、取得した受信信号に基づいて、第2のBモードデータを発生する。第2のBモードデータと第1のBモードデータとの違いは、以下の通りである。第1のBモードデータは、第1Bモードデータ発生部102のデータ処理能力に応じて送信チャンネル数、受信チャンネル数、ROI範囲、走査範囲、走査線密度、フレームレート、並列受信機能などの複数の送受信条件を制限した状態で発生された受信信号に基づいて、発生される。一方、第2のBモードデータは、上記複数の送受信条件を制限しない状態で発生された受信信号に基づいて、発生される。この違いにより、第1Bモードデータ発生部102の消費電力は、第2Bモードデータ発生部202の消費電力に比べて低くなる。加えて、第1Bモードデータ発生部102の構成は、第2Bモードデータ発生部202の構成に比べて、単純であってコンパクト化可能である。また、第2Bモードデータ発生部202は、第1Bモードデータに比べて高分解能な第2のBモードデータを発生させることが可能である。
ドプラデータ発生部201は、超音波送受信部101で発生された受信信号を、第2データ転送部210を介して取得する。ドプラデータ発生部201は、取得した受信信号に基づいて、ドプラデータを発生する。
第2画像発生部204は、第2のBモードデータとドプラデータとの少なくともひとつに基づいて、画像を発生する。以下、第2画像発生部204で発生された画像を、第2の超音波画像と呼ぶ。第2画像発生部204は、スキャンコンバートにおいて、任意の次数の補間処理、各種フィルタによる強調および平滑化処理、フレーム相関処理等を実行する。なお、第2画像発生部204は、画像データを格納する記憶メモリ等を搭載し、3次元画像の再構成処理などを実行してもよい。第1画像発生部104における処理と第2画像発生部204における処理との違いは、以下のとおりである。
第1画像発生部104は、第1のBモードデータに対する各種処理を制限している。一方、第2画像発生部204には、上記各種処理に対する制限を解除している。この違いにより、第1画像発生部104の消費電力は、第2画像発生部204の消費電力に比べて低くなる。加えて、第1画像発生部104の構成は、第2画像発生部204の構成に比べて、単純であってコンパクト化可能である。加えて、第2画像発生部204で発生される画像の分解能は、第1画像発生部104で発生される画像の分解能よりも高くなる。
第2画像合成部206は、第2画像発生部204で発生された第2の超音波画像に、種々のパラメータの文字情報、目盛等を合成する。なお、第2画像合成部206は、第2の超音波画像と、記憶部203に記憶された過去の被検体の超音波画像などの他の超音波画像とを並列させた合成画像を発生してもよい。第1画像合成部106と第2画像合成部206との違いは、以下の通りである。第1画像合成部106は、第1の超音波画像に第1の超音波画像に付帯する情報を合成する。一方、第2画像合成部206は、上記合成画像を発生する。この違いにより、第1画像合成部106の構成は、第2画像合成部206の構成に比べて、単純であってコンパクト化可能である。
第2表示部208は、第2画像合成部206で合成された画像を表示する。第2表示部208は、第1表示部108に比べて、より大きい表示領域を有する。
上述は、第1ユニット10がネットワークを介して第2ユニット200が接続された場合の実時間処理について言及しているが、第2ユニット200と接続する前の超音波受信部101あるいは第1画像発生部104の出力信号を第1ユニット10内の図示していない記憶部に一時的に記憶し、接続が確認されたときに第1ユニット10で保存した前記一時保存データを転送し、第2ユニット200内の処理部により複雑なフィルタ処理で画質向上を図る、あるいは出力信号に基づいたデータ解析や、応用計測などのアプリケーションを実行してもよい。
以下、所定の分解能を有するBモード画像を発生させるための基本的な構成を有する第1ユニット10と、第1の超音波画像に比べて高分解能な第2の超音波画像を発生する第2ユニット200とが、ネットワークを介して分離可能な本超音波診断装置1における超音波画像の発生に関する処理(以下、超音波画像発生処理と呼ぶ)について説明する。
図10は、超音波画像発生処理の流れの一例を示すフローチャートである。
第1制御部113による制御のもとで、スキャンが実行される(ステップSe1)。このとき、第1ユニット10と第2ユニット200とがネットワークを介して接続されていなければ(ステップSe2)、ステップSe3の処理、ステップSe4の処理、ステップSe5の処理が実行される。
第1ユニット10と第2ユニット200とがネットワークを介して接続されていれば(ステップSe2)、超音波送受信部101で発生された受信信号が、ネットワークを介して第2ユニット200に転送される(ステップSe6)。転送された受信信号に基づいて、第2のBモードデータまたはドプラデータが発生される(ステップSe7)。発生された第2のBモードデータまたはドプラデータに基づいて、第2の超音波画像が発生される(ステップSe8)。発生された第2の超音波画像が、ネットワークを介して第1ユニット10に転送される(ステップSe9)。転送された第2の超音波画像が、第1表示部108に表示される(ステップSe10)。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本超音波診断装置1によれば、Bモード画像の発生および表示に関する各部を、第1ユニット10と第2ユニット200とに分配することができる。これにより、本超音波診断装置1の第1ユニット10の消費電力を低減させることができ、第1ユニット10の稼働時間が向上する。加えて、第1ユニット10の構成を簡略化でき、第1ユニット10の小型化が可能となる。また、これら消費電力の低減および小型化は、可動時間および可搬性を向上させる。その結果、在宅医療、スポーツ場、災害現場等での本超音波診断装置1の利便性が向上する。
加えて、ネットワークを介して、第1ユニット10を第2ユニット200に接続することで、本超音波診断装置1は、携帯型の超音波診断装置に比べて高機能な据え置き型の超音波診断装置としても使用することができる。例えば、ネットワークが衛星通信回線などの無線通信網である場合、本超音波診断装置1は、据え置き型の超音波診断装置と同様な高機能を有する超音波診断装置として、あらゆる場所で使用可能となる。
また、本超音波診断装置1は、据え置き型の超音波診断装置と携帯型の超音波診断装置とをそれぞれ購入することに比べて、コストを低減させることができる。以上のことから、本超音波診断装置1は、被検体の周囲の状況および診断目的に応じた超音波診断のサービスを、低コストで効率的に提供することができる。
また、本実施形態によれば、第2ユニット200に接続可能な第1ユニット10は、第2ユニット200のパフォーマンスが許容可能な複数台数との接続が可能であり、シンクライアント(Thin Client)システムとしての超音波診断装置を提供することで、更にコストメリットを向上することができる。
(第6の実施形態)
図11は、第6の実施形態に係る超音波診断装置1の構成を示す構成図である。
第1ユニット10には、携帯型超音波診断装置として許容可能な画質、画像モード、性能を実現可能なCPUおよび、小型バッテリーなどが搭載される。
第2ユニット200には、図示していない高出力用電源、機能及び性能の拡張基板、大容量記憶装置、大容量バッテリーなどが搭載される。
第1Bモードデータ発生部102は、受信信号に基づいて、第1Bモードデータを発生する。第1Bモードデータ発生部102は、第1Bモードデータの発生に必要最低限な処理機能および演算速度を有する。例えば、第1Bモードデータ発生部102は、ハード的に負荷の低い全波整流方式の検波処理機能を有する。
第1画像発生部104は、第1Bモードデータに基づいて、第1Bモード画像を発生する。第1画像発生部104は、第1Bモード画像の発生に必要最低限な処理機能および演算速度を有する。発生された第1Bモード画像は、超音波画像として最低限の画質(解像度)、画角などを有する。
第1制御部113は、第1Bモードデータの発生に関する受信信号を得るために、超音波送受信部101を制御する。具体的には、第1制御部113は、超音波プローブ11における開口中心近傍の複数の圧電振動子各々に駆動電圧を印加するために、超音波送受信部101を制御する。すなわち、第1制御部113の制御のもとで、超音波送受信部101は、超音波プローブ11における複数の圧電振動子のうち一部分の複数の圧電振動子各々に、駆動電圧を印加する。第1制御部113の制御のもとでの走査範囲は、限定的なものとなる。
第1制御部113は、接続部117を介して、第2ユニット200に第1ユニット10が接続されると、第1ユニット本体100に搭載された各部の制御を解除する。すなわち、第1制御部113は、第1Bモードデータ発生部102と第1画像発生部104と(以下、第1超音波画像発生部と呼ぶ)を除く各部の制御権を解除する。なお、第1ユニット10と第2ユニット200とが接続されると、第1超音波画像発生部の制御権は、第2制御部209に移動されてもよい。
記憶部203は、他の医用画診断装置により発生され、転送された医用画像、およびボリュームデータなどを記憶する。
第2制御部209は、第1制御部113に搭載されたディジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor:以下、DSPと呼ぶ)より速い演算速度を有するDSPを有する。第2制御部209は、接続部117を介して、第2ユニット200に第1ユニット10が接続されると、第2ユニット200の各部の制御に加えて、超音波送受信部101を制御する。具体的には、第2制御部209は、第1ユニット10単体において駆動電圧が印される圧電振動子の数より多い数の圧電振動子に対して駆動電圧を印加するために、超音波送受信部101を制御する。これにより、駆動チャンネル数が増加し、S/N比が向上する。また、第2制御部209は、超音波送受信部101を制御することにより、並列同時受信を実行する。加えて、第2制御部209による制御のもとでのディジタルビームフォーマの能力は、第1制御部113による制御のもとで実行されるディジタルビームフォーマの能力に比べて向上する。
なお、第2制御部209は、リアルタイムの様々な臨床アプリケーション処理を実行するために、第2画像発生部204を制御してもよい。臨床アプリケーションとは、例えば、他の医用画像診断装置により発生された医用画像と、発生された超音波画像との位置合わせによる治療支援などである。また、第2制御部209は、後述する弾性画像が、例えば、被検体の心臓を包含する場合、心機能解析に関する機能を有していてもよい。心機能解析に関する機能とは、例えば、2次元または3次元の心筋ストレインである。なお、第1ユニット10と第2ユニット200とが切り離されると、第1超音波画像発生部の制御権は、第2制御部209から第1制御部113に移動されてもよい。
第2Bモードデータ発生部202は、受信信号に基づいて、第1Bモードデータよりデータ量の多い第2Bモードデータを発生する。また、第2Bモードデータ発生部202における演算速度は、第1Bモードデータ発生部102に比べて速い。これにより、エコープロセッサ(Echo Processor)の単位時間当たりの処理能力が向上する。
第2画像発生部204は、第2Bモードデータに基づいて、第1Bモード画像より解像度の高い第2Bモード画像を発生する。なお、第2画像発生部204は、第2Bモードデータに基づいて、レンダリング画像を発生してもよい。このとき、第2画像発生部204は、レンダリング機能を有する。第2画像発生部204には、第1画像発生部104に搭載されたグラフィックス プロセッシング ユニット(Graphics Processing Unit:以下、GPUと呼ぶ)より速い演算速度を有するGPUが搭載される。また、第2画像発生部204は、リアルタイムの高画質化処理を実行する機能を有する。リアルタイムの高画質化処理とは、例えば、2次元または3次元の非線形フィルタ処理である。この非線形フィルタ処理により、画像の内のエッジを残しつつノイズを低減することが可能となる。なお、第2画像発生部204は、4次元データ処理、定量化処理等を有していてもよい。
なお、第2画像発生部204は、第2Bモードデータに基づいて、弾性画像(エラストグラフィー)を発生することも可能である。
第2画像発生部204は、超音波プローブ11に設けられた図示していない位置センサ(磁気センサまたは光センサ)からの出力を用いて、記憶部203に記憶されたボリュームデータに基づいて、第2Bモード画像と略同一断面の断面画像を発生する。発生した断面画像は、第2画像合成部206に出力される。
以下、第2Bモードデータ発生部と第2画像発生部とをまとめて、第2超音波画像発生部と呼ぶ。
第2画像合成部206は、断面画像と第2Bモード画像とを並列表示する。この時、表示される断面画像と第2Bモード画像との更新レートは異なる。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本超音波診断装置1によれば、Bモード画像の発生に関して基本性能および基本機能を有する第1ユニット10と、基本性能より高機能であって、基本性能より高性能なBモード画像の発生ユニットを有する第2ユニット200とに分離可能な構成を有する。これにより、第1ユニット10が第2ユニット200に接続されると、第1超音波画像発生部の代わりに第2超音波発生部により第2Bモード画像が発生される。このために、第1ユニット10単体に比べて、性能および機能が向上する。加えて、本実施形態によれば、臨床アプリケーションの拡張も可能となる。以上のことから、本実施形態によれば、第1ユニット10を第2ユニット200に接続することにより、処理能力が向上し、機能が拡張される。
また、本超音波診断装置1の第1ユニット10の消費電力を低減させることができ、本超音波診断装置1の第1ユニット10の稼働時間が向上する。加えて、本超音波診断装置1の第1ユニット10の構成を簡略化でき、本超音波診断装置1の第1ユニット10の小型化が可能となる。また、これら消費電力の低減および小型化は、可動時間および可搬性を向上させる。その結果、在宅医療、スポーツ場、災害現場等での本超音波診断装置1の利便性が向上する。
また、第1ユニット10を第2ユニット200に接続することで、本超音波診断装置1は、携帯型の超音波診断装置に比べて高機能な据え置き型の超音波診断装置として、病院内などで使用することができる。加えて、本超音波診断装置1は、据え置き型の超音波診断装置と携帯型の超音波診断装置とをそれぞれ購入することに比べて、コストを低減させることができる。以上のことから、本超音波診断装置1は、被検体の周囲の状況および診断目的に応じた超音波診断のサービスを、低コストで効率的に提供することができる。
(第7の実施形態)
図12は、第7の実施形態に係る超音波診断装置1の構成を示す構成図である。
第1ドプラデータ発生部120は、受信信号に基づいて、第1ドプラデータを発生する。第1ドプラデータ発生部120は、第1ドプラデータの発生に必要最低限な処理機能および演算速度を有する。第1ドプラデータ発生部120は、第1超音波画像発生部に包含される。
第1画像発生部104は、第1ドプラデータに基づいて、第1ドプラ画像を発生する。第1画像発生部104は、第1ドプラ画像の発生に必要最低限な処理機能および演算速度を有する。発生された第1ドプラ画像は、超音波画像として最低限の画質(解像度)、画角などを有する。
第1制御部113は、第1ドプラデータの発生に関する受信信号を得るために、超音波送受信部101を制御する。具体的には、第1制御部113は、超音波プローブ11における開口中心近傍の複数の圧電振動子各々に駆動電圧を印加するために、超音波送受信部101を制御する。すなわち、第1制御部113の制御のもとで、超音波送受信部101は、超音波プローブ11における複数の圧電振動子のうち一部分の複数の圧電振動子各々に、駆動電圧を印加する。第1制御部113の制御のもとでの走査範囲は、限定的なものとなる。
第1制御部113は、接続部117を介して、第2ユニット200に第1ユニット10が接続されると、第1ユニット本体100に搭載された各部の制御を解除する。すなわち、第1制御部113は、第1Bモードデータ発生部102と第1ドプラデータ発生部120と第1画像発生部104とを除く各部の制御権を解除する。なお、第1ユニット10と第2ユニット200とが接続されると、制御権は、第2制御部209に移動されてもよい。
第2制御部209は、第1制御部113に搭載されたディジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor:以下、DSPと呼ぶ)より速い演算速度を有するDSPを有する。第2制御部209は、接続部117を介して、第2ユニット200に第1ユニット10が接続されると、第2ユニット200の各部の制御に加えて、超音波送受信部101を制御する。具体的には、第2制御部209は、第1ユニット10単体において駆動電圧が印される圧電振動子の数より多い数の圧電振動子に対して駆動電圧を印加するために、超音波送受信部101を制御する。これにより、駆動チャンネル数が増加し、S/N比が向上する。
なお、第2制御部209は、リアルタイムの様々な臨床アプリケーション処理を実行するために、第2画像発生部204を制御してもよい。臨床アプリケーションとは、例えば、血流のパラメータ解析(動脈血の特定、超音波バブルによる輝度変化など)などである。また、第2制御部209は、後述する弾性画像が、例えば、被検体の心臓を包含する場合、心機能解析に関する機能を有していてもよい。心機能解析に関する機能とは、例えば、2次元または3次元の心筋ストレイン(心腔壁の動きなど)である。
第2ドプラデータ発生部220は、受信信号に基づいて、第1ドプラデータよりデータ量の多い第2ドプラデータを発生する。また、第2ドプラデータ発生部220における演算速度は、第1ドプラデータ発生部120に比べて速い。これにより、フロープロセッサ(Flow Processor)の単位時間当たりの処理能力が向上する。第1ドプラデータ発生部120は、第2超音波画像発生部に包含される。
第2画像発生部204は、第2ドプラデータに基づいて、第1ドプラ画像より解像度の高い第2ドプラ画像を発生する。第2画像発生部204は、第2ドプラデータに基づいて、レンダリング画像を発生してもよい。このとき、第2画像発生部204は、レンダリング機能を有する。第2画像発生部204には、第1画像発生部104に搭載されたグラフィックス プロセッシング ユニット(Graphics Processing Unit:以下、GPUと呼ぶ)より速い演算速度を有するGPUが搭載される。第2画像発生部204は、第2ドプラデータに基づいて、弾性画像(エラストグラフィー)を発生することも可能である。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本超音波診断装置1によれば、ドプラ画像の発生に関して基本性能および基本機能を有する第1ユニット10と、基本性能より高機能であって、基本性能より高性能なドプラ画像の発生ユニットを有する第2ユニット200とに分離可能な構成を有する。これにより、第1ユニット10が第2ユニット200に接続されると、第1超音波画像発生部の代わりに第2超音波発生部により第2ドプラ画像が発生される。このために、第1ユニット10単体に比べて、性能および機能が向上する。加えて、本実施形態によれば、臨床アプリケーションの拡張も可能となる。以上のことから、本実施形態によれば、第1ユニット10を第2ユニット200に接続することにより、処理能力が向上し、機能が拡張される。
また、本超音波診断装置1の第1ユニット10の消費電力を低減させることができ、本超音波診断装置1の第1ユニット10の稼働時間が向上する。加えて、本超音波診断装置1の第1ユニット10の構成を簡略化でき、本超音波診断装置1の第1ユニット10の小型化が可能となる。また、これら消費電力の低減および小型化は、可動時間および可搬性を向上させる。その結果、在宅医療、スポーツ場、災害現場等での本超音波診断装置1の利便性が向上する。
また、第1ユニット10を第2ユニット200に接続することで、本超音波診断装置1は、携帯型の超音波診断装置に比べて高機能な据え置き型の超音波診断装置として、病院内などで使用することができる。加えて、本超音波診断装置1は、据え置き型の超音波診断装置と携帯型の超音波診断装置とをそれぞれ購入することに比べて、コストを低減させることができる。以上のことから、本超音波診断装置1は、被検体の周囲の状況および診断目的に応じた超音波診断のサービスを、低コストで効率的に提供することができる。
加えて、実施形態に係る機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。