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JP6051038B2 - リチウムイオン二次電池の正極集電体用箔とその製造方法、及び、リチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の正極集電体用箔とその製造方法、及び、リチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の正極集電体用箔とその製造方法、及び、リチウムイオン二次電池に関し、ハイレート特性に優れるリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、そのエネルギー密度の高さから現在、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータ、さらにビデオカメラといった用途に広く適用されている。これら用途に向けたリチウムイオン二次電池は、正極活物質にコバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)を、負極にグラファイトを用いているのが一般的である。
こうした高性能二次電池を自動車のようにより大きな電力を必要とする分野に適用する場合、放電と充電とを迅速に行なうことのできる急速充放電特性が要求される。
ところが、急速充放電を行うには、電流値を大きくすることが必要である。しかしながら、現状のリチウムイオン二次電池では大きな電流(ハイレート)で充放電を行うと、電池の電圧が急速に低下するのに伴って電池容量(初期電池容量維持率)の低下が著しくなる。
そこで特許文献1は、イオン透過性を有する化合物にリチウムイオンの導電を分担させ、電子導電性の炭素微粒子に電子導電を分担させる正極集電体構造にすることを提案している。
また、特許文献2は、正極集電体用箔(以下、正極箔ということがある)に穿孔加工を行うことで電極抵抗を下げ、ハイレートにおける急速充放電を可能にできることを述べている。
特開2007−226969号公報 特開2008−311171号公報
ところが、特許文献1の提案は、イオン透過性を有する化合物及び炭素微粒子を塗布して正極集電体に皮膜を形成する必要があり、リチウムイオン二次電池の製造コストを押し上げる。また、特許文献2のように正極箔を穿孔すると箔の強度が著しく低下するために、電池製造の際に正極箔が破断するおそれがある。
本発明は、このような課題に基づいてなされたもので、コストの上昇及び正極集電体の強度の低下を抑えつつ急速充放電特性を向上でき、また、高い生産性が得られるリチウムイオン二次電池の正極集電体用箔を提供することを目的とする。
また本発明は、前記正極集電体用箔を備えることで、急速充放電特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上述したようにリチウムイオン二次電池は充・放電レートが大きい(ハイレート)程電池の電圧が急速に低下し、電池容量が小さくなる。これは電池の内部抵抗が主な原因と解される。そこで本発明者は、正極活物質と正極集電体の間の電気抵抗を下げることを検討した。その結果、正極集電体として、正極活物質が接する面にその活物質粒子を収容する為のピットを形成したアルミニウム合金箔を用いれば、ハイレートの放電を行なっても電圧の低下が抑えられ、高い容量維持率が得られること、また、このアルミニウム合金箔に適切な量のZnを含有させれば、そのピットを形成するためのエッチング工程を効率良く行うことができ、正極集電体の生産性が向上することを見出した。
本発明により、ハイレートの放電を行なっても電圧の低下が抑えられ、高い容量維持率が得られる理由は明らかとなっていない。しかるに、正極箔の表面が粗面化処理されることで、正極活物質と正極箔の接触面積が増え、正極活物質と正極集電体の界面接触抵抗が小さくなり、電池の内部抵抗が低下することがその理由と本発明者は推察している。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、以下の構成を有する。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極集電体用箔は、Znを0.1〜1.5質量%、Siを0.03〜0.07質量%、Feを0.08〜0.11質量%含有し、残部不可避不純物とAlからなる厚さ10〜50μmのアルミニウム合金箔からなり、粒径0.3〜3μmのリン酸鉄リチウム、粒径3〜20μmのマンガン酸リチウム、粒径3〜30μmのコバルト酸リチウム、粒径10〜15μmのコバルト酸・マンガン酸・ニッケル酸リチウムの1種または2種以上からなる粒子状の正極活物質を収容する為のクレーター状のエッチングピットが表面に形成され、前記エッチングピットが直径0.3〜3μmの大きさで、10 個/mm 以上10 個/mm 以下の密度で存在し、直径3μmを超える前記エッチングピットの密度が10個/mm 以下であることを特徴とする。
本発明において、粒子状の正極活物質が収容されるエッチングピットを箔の表面に形成するのは、正極活物質と正極箔の接触面積をより増大できるからである。なお、ここでいう収容とは、形成されたエッチングピットの全てに正極活物質が収容されることを要求しておらず、一部のエッチングピットに正極活物質が収容されていればよい。また、粒子状の正極活物質の全体がエッチングピットに収容される必要はなく、正極活物質が部分的にエッチングピットに収容される場合を、本発明は包含する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池の正極集電体用箔の製造方法は、Znを0.1〜1.5質量%、Siを0.03〜0.07質量%、Feを0.08〜0.11質量%含有し、残部不可避不純物とAlからなる厚さ10〜50μmのアルミニウム合金箔に、アルカリ性溶液の表面処理を施すことにより、粒径0.3〜3μmのリン酸鉄リチウム、粒径3〜20μmのマンガン酸リチウム、粒径3〜30μmのコバルト酸リチウム、粒径10〜15μmのコバルト酸・マンガン酸・ニッケル酸リチウムの1種または2種以上からなる粒子状の正極活物質を収容する為のクレーター状のエッチングピットを前記アルミニウム合金箔の表面に形成するリチウムイオン二次電池の正極集電体用アルミニウム合金箔の製造方法であって、前記アルカリ性溶液の表面処理を施すことにより、前記エッチングピットを直径0.3〜3μmの大きさで、10 個/mm 以上10 個/mm 以下の密度で存在させ、直径3μmを超える前記ピットの密度を10個/mm 以下とすることを特徴とする。
本発明のハイレート放電特性に優れたリチウムイオン二次電池は、正極集電体と正極活物質と導電材とバインダと希釈剤を有する正極と、負極集電体と負極活物質と導電材とバインダとを有する負極と、備え、前記正極集電体は、請求項1に記載の正極集電体用箔からなることを特徴とする。
本発明のハイレート放電特性に優れたリチウムイオン二次電池において、前記正極活物質がリン酸鉄リチウムであり、前記導電材がアセチレンブラックであり、前記バインダがポリビニリデンフルオライドであり、前記希釈剤がN−メチル−2−ピロリドンであり、前記負極集電体が銅箔、前記負極活物質がメソカーボンマイクロビーズであることが好ましい。
本発明によれば、表面に0.3〜3μmの大きさで、10 個/mm 以上10 個/mm 以下の密度でエッチングピットを存在させ、直径3μmを超えるエッチングピットの密度を10個/mm 以下に規定した亜鉛含有アルミニウム合金箔により正極集電体を構成することで、コストの上昇及び正極集電体の強度の低下を抑えながら、急速充放電特性を向上できる。
また、アルミニウム合金箔が亜鉛を含有しているため、アルミニウム合金箔にアルカリ性溶液を用いる表面エッチング処理によってピットを形成する場合に、この表面処理時のエッチング速度が速くなり、正極集電体の生産性を著しく向上できる。
これは、アルミニウム合金箔からエッチング液中に溶け出した亜鉛が、箔表面に再析出して、エッチングピットの核生成を促進する効果があるためと推察される。
本発明に係るリチウムイオン二次電池の一実施形態を模式的に示す図である。 同実施形態における正極を模式的に示す図であり、図2(a)はピットが形成された正極集電体を示す断面図、図2(b)は正極活物質が塗布された正極集電体を示す断面図である。 同実施形態における正極を模式的に示し、図3(a)はクレータが形成された正極集電体を示す断面図、図3(b)は正極活物質が積層された正極集電体を示す断面図である。
以下、添付図面に示す実施形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池10は、正極1と負極2とがセパレータ3を介して積層されることにより形成される電極群4を備える。この電極群4は積層されるタイプの他に、正極1と負極2とがセパレータ3を介して捲回される構成でもよい。
<正極>
正極1は正極集電体(正極集電体用箔)1aと正極合剤層1bを備える。
正極集電体1aは、亜鉛を含有するアルミニウム合金箔(亜鉛含有アルミニウム合金箔)からなり、図2に示すように、その表面に多数のピット1dが形成されている。
正極集電体1aが亜鉛含有アルミニウム合金箔によって構成されていることにより、当該合金箔にアルカリ性溶液を用いる表面エッチング処理を施してピット1dを形成する場合に、表面処理時のエッチング速度が速くなり、正極集電体1aの生産性を著しく向上することができる。
亜鉛含有アルミニウム合金箔は、Znの含有量が0.1〜1.5質量%であり、残部がAlと不可避不純物からなる組成であることが好ましい。
亜鉛含有アルミニウム合金箔の亜鉛含有量が0.1質量%より少ないと、エッチング速度を向上させる効果が十分に得られない。また、亜鉛含有量が1.5質量%を超えると、エッチングピットの核生成サイトが多すぎてしまい、ピット1dの密度は上昇するが、ピット径は小さくなる。その結果、後述するようにピット1d内に正極活物質1cを十分に収容することができなくなる。このため、亜鉛含有アルミニウム合金箔の亜鉛含有量は0.1質量%以上、1.5質量%以下であることが好ましい。
亜鉛含有アルミニウム合金箔の厚さは、10〜50μmの範囲であることが好ましい。厚みが10μm未満であると、強度不足な上に、後述するアルカリ性溶液のエッチング表面処理により合金箔が破断する可能性があり、また、厚みが50μmを超えると電池内部の体積に占める正極集電体1aの割合が増加し、電池容量が低下するからである。この亜鉛含有アルミニウム合金箔は、12〜30μmの範囲の厚みを有していることがさらに好ましい。なお、正極1は、正極集電体1aとその両面の正極合剤層1bとを含めて50〜300μm程度の厚さを有する。
正極集電体1aは、表面がアルカリ性溶液のエッチング表面処理等により粗面化されている。粗面化するのは、正極合剤層1bに含まれる正極活物質との界面接触抵抗を低下させるためである。粗面化の内容は、正極活物質との接触面積を増加させるという目的を見据え、正極活物質との兼ね合いで決定される。つまり、正極活物質は種類により粒径が異なるので、この種類(粒径)に応じて粗面化すればよい。図2(b)に示すように、粒子状の正極活物質1cを収容できる複数のピット1dを形成することが、粗面化の例として掲げられる。図2(b)の場合、理想的には、周囲が隙間なく正極活物質1cの全体がピット1dに収容されることで、正極集電体1aと正極活物質1cの接触面積が増加し、両者間の界面接触抵抗を低下させることができる。ただし前述したように、本発明は、形成された全てのピットに正極活物質が収容されること、また、粒子状の正極活物質の全体がピットに収容されること、を必須の要件とするものではない。
この実施形態は、正極活物質1cの粒径が正極集電体1aの厚みより相当程度大きい場合には適用できないものの、粒径が数μm程度のリン酸鉄リチウムを正極活物質とする場合には有効である。その場合のピット1dは以下に従って作製するのが好ましい。
ピット径(直径):0.3〜3μm
ピット径が0.3μm未満であると正極活物質1cの粒径に対しピット径が小さすぎるために、ピット1dに正極活物質1cを収容することができなくなるので、界面接触抵抗の低下が小さくなる。したがって、電池の内部抵抗が低下せず電池のハイレート放電特性が殆ど向上しない。
ピット径が3μmを超えると局所的に周囲より厚みが薄いために強度が低い部分が生ずることになり、アルミニウム箔の強度が低下し、破断が生じる恐れがある。
ピット密度(直径0.3〜3μm):10個/mm〜10個/mm
ピット密度が10個/mm未満であると正極集電体1aと正極活物質1cの接触面積の増加が小さくなり界面接触抵抗の低下が小さくなる。したがって、電池の内部抵抗が低下せず電池のハイレート放電特性が殆ど向上しない。
ピット密度が10個/mmを超えると、隣接するピット1dが重なってしまい、その結果、箔表面が平滑になるおそれがある。
直径3μmを超えるピット1dの密度:10個/mm以下
エッチングにより形成された粗大なピット1d(欠陥)の許容密度を規定するものである。欠陥がこの密度を超えると、ハイレート放電特性に悪影響が表れる恐れがある。
なお、ピット1dは粗面化処理の1つの形態に過ぎないので、本発明のピットを得るための粗面化処理は図2に示すようなピット1dを形成するための処理に限らない。例えば、図3に示すように、クレーター状ピット1eを正極集電体1aの表面に形成する処理が粗面化処理であっても良い。
このクレーター状ピット1eは、径の大きな正極活物質1cに適合する。即ち、正極活物質1cの表面の一部がクレーター1eの内表面と接して収容されることで、正極集電体1aと正極活物質1cの接触面積を増加させ得る。この形態は、コバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)のようにリン酸リチウムよりも粒径の大きな正極活物質1cに適合できる。
亜鉛含有アルミニウム合金箔は、通常、圧延により作製されるので、作製されたままの亜鉛含有アルミニウム合金箔は表面が平坦である。本実施形態では、表面が平坦な亜鉛含有アルミニウム合金箔に、アルカリ性溶液を用いる表面エッチング処理を施して粗面化する。これにより、この合金箔に、前述の適正なピット径及びピット密度でピット1dを効率良く形成することができ、正極集電体1aを生産性良く製造することができる。
アルミニウム合金箔の表面にピットを形成するアルカリ性溶液は、一例として20%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を用いることができる。アルカリ性溶液の液温度を例えば35℃、浸漬時間2分の条件にてエッチング処理することでピットを形成できる。なお、アルカリ性溶液の液温度、浸漬時間は適宜変更しても良い。
次に、正極合剤層1bは、主成分である正極活物質1cに、導電材、バインダ及び希釈剤を混練してペースト状にし、正極集電体1aの表裏両面に塗布して形成することができる。
正極活物質1cとしては、公知の材料、例えばリチウム含有金属酸化物、リチウム含有金属リン酸化合物またはリチウム含有化合物を用いることができる。リチウム含有金属酸化物としては、LiCoO、Li(CoMnNi)O、LiMnOが挙げられ、リチウム含有金属リン酸化合物としては、LiFePO、LiMnPO、LiFe1−xMnPO4、LiCoPOが挙げられ、リチウム含有化合物としては、LiTi(PO、LiFeOが挙げられる。この中では、電気化学特性、安全性やコスト面で、LiFePO(リン酸鉄リチウム)、LiMnO(マンガン酸リチウム)、LiCoO(コバルト酸リチウム)、Li(CoMnNi)O(コバルト酸・マンガン酸・ニッケル酸リチウム)の一種又は二種以上を用いることが好ましい。これらの好ましい正極活物質1cの粒径は概ね以下の通りである。正極集電体1aの粗面化処理は、以下の粒径を念頭において施される。
リン酸鉄リチウム:0.3〜3μm
マンガン酸リチウム:3〜20μm
コバルト酸リチウム:3〜30μm
コバルト酸・マンガン酸・ニッケル酸リチウム:10〜15μm
バインダ、希釈剤は、公知の材料を用いればよい。
<負極>
負極2は負極集電体2aと負極合剤層2bを備える。
負極集電体2aとしては、電気化学的性質、箔状への加工性やコスト面から、銅箔が用いられている。ただし、他の材料からなる金属箔を負極集電体2aに用いることを本発明は妨げない。また、LiTi12(チタン酸リチウム)を負極とした場合にも、本発明の正極集電体用箔を用いることは可能である。
負極集電体2aの厚みは10〜50μmと、正極集電体1aと同じでよい。また、負極集電体2aと、その両面の負極合剤層2bとを含めた負極2の厚みも50〜300μmと、正極1と同じでよい。
次に、負極合剤層2bは、主成分である負極活物質とともに、導電材、バインダ及び希釈剤を混練してペースト状にし、負極集電体2aの両面に塗布して形成することができる。
負極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な公知の材料、例えば、炭素材、チタン酸リチウム、リチウム−アルミニウム合金、シリコン系またはスズ系リチウム合金を用いることができる。この中で、リチウムイオンの吸蔵・放出量が多く、不可逆容量が小さい炭素材を用いることが好ましい。炭素材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、気相法炭素繊維、グラファイト(黒鉛)を好適に用いることができる。
<セパレータ>
正極1と負極2の間に設けられるセパレータ3は、微細な孔が無数に存在する例えばポリプロピレン或いはポリエチレン樹脂フィルムから構成され、正極1と負極2との間を電気的に絶縁するが、リチウムイオンLiは自由に通過することができる。
<電解液>
正極1、負極2及びセパレータ3からなる電極群4が浸漬される電解液としては、リチウム塩を含む非水電解液またはイオン伝導ポリマーを用いることが好ましい。
リチウム塩を含む非水電解液における非水電解質の非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)が挙げられる。
また、非水溶媒に溶解できるリチウム塩としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、ホウ四フッ化リチウム(LiBF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiSOCF)が挙げられる。
以上の構成を備える電極群4は、封口される電池ケースの内部で電解液に浸漬され(いずれも図示が省略)、正極1及び負極2がそれぞれ端子に電気的に接続されて、リチウムイオン二次電池10を構成する。
以下本発明をより具体的な実施例に基づいて説明する。
<アルミニウム合金箔のエッチング速度の検討>
表1に示す組成の各種亜鉛含有アルミニウム合金箔(実験例1〜実験例4)を作製した。これらの合金箔を35℃のエッチング液(商品名「メックアルマット AR−1210」、メック株式会社製)に150秒浸漬させて表面エッチング処理を行い、表面を粗面化した。この表面エッチング処理時のエッチング速度を、粗面化前後での単位面積当たりの重量減少を測定することで評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0006051038
表1に示すように、亜鉛を含有するアルミニウム合金箔(実験例1、2、4)は、亜鉛含有量の少ないアルミニウム合金箔(実験例3)に比べてエッチング速度が速くなっており、実験例3のアルミニウム合金箔で、他のアルミニウム合金箔(実験例1、2、4)と同様のエッチング量を得るにはより長い処理時間が必要になる。このことから、亜鉛を含有するアルミニウム合金箔を用いることにより、亜鉛を含有しない合金箔を用いるのに比べて正極集電体の生産性を大幅に向上できることがわかった。
なお、ここでアルミニウム合金箔に形成されるピットの径は、アルミニウム合金箔の亜鉛含有量に依存して小径となり、亜鉛含有量が1.5質量%を超えるアルミニウム合金箔(実験例4)に形成されたピット径はリン酸鉄リチウム粒子の径(1μm)よりも小さくなっていると思われる。
<電池の放電容量の検討>
実験例1〜実験例4の亜鉛含有アルミニウム合金箔を粗面化して得た正極箔を正極集電体として正極を作製するとともに、負極を作製した。正極および負極の作製方法は以下の通りである。
[正極]
以下に示す正極活物質、導電材、バインダ及び希釈剤からなる正極スラリーを厚み50μmになるように正極箔上に塗布して、正極を得た。
正極活物質 リン酸鉄リチウム(平均粒径: 1μm)
導電材 アセチレンブラック(AB)
バインダ ポリビニリデンフルオライド(PVDF)
希釈剤 N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
各成分の配合比(重量比) 正極活物質:AB:PVDF=85:8:7
[負極]
以下に示す負極活物質と、正極と同じ導電材、バインダ及び希釈剤とからなる負極スラリーを厚み40μmになるように銅箔(厚さ 10μm)上に塗布して、負極を得た。
負極活物質 メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)
各成分の配合比(質量比) MCMB:AB:PVDF=93:2:5
以上のようにして作製した正極および負極をセパレータとともに組み込み、電解液を含浸させてリチウムイオン二次電池を作製した(実験例電池1〜実験例電池4)。
作製したリチウムイオン二次電池を用いてハイレート放電負荷特性を測定した。
測定の条件は以下の通りである。そして、各電流で放電した際の実験例電池3の放電容量を1として、その他の電池(実験例電池1、2、4)の放電容量を求めた。その結果を表2に示す。
充電 CC−CV:0.2C−4.0V 8hr.
放電 CC:0.2C、1C、5C、10C、15C(E.V=2.0V)
Cの定義:電池の定格容量値から計算され、1Cはある容量を有する電池を定電流で放電した際に、1時間で放電が終了する電流値を指す。例えば、15Cは1Cの15倍の電流値を意味する。
CC(Constant Current(定電流)):定電流で充電・放電することを示す。
CC−CV(Constant Current - Constant Voltage(定電流・定電圧)):電池の充電時に用いられる。最初に一定の電流で充電し、規定の電圧に達した後はその電圧を維持する為に電流値を下げながら充電する方法。「0.2C−4.0V 8hr.」は、最初に0.2Cで充電を開始し、電圧が4.0Vに達した時点から徐々に電流値を下げていき、充電開始から8時間後に充電を完了するということを示す。
Figure 0006051038
表2に示すように、正極箔の亜鉛含有量が0.1〜1.5質量%の実験例電池1、2は、正極箔の亜鉛含有量が0.1質量%未満の実験例電池3に比べて、粗面化処理時のエッチング速度が速い特徴を有していると同時に放電容量も同等以上の値が得られている。
実験例電池1〜3では、正極集電体の表面にリン酸鉄リチウム粒子(正極活物質)と略同じサイズのピットが形成されているため、図2(b)のようにピット内にリン酸鉄リチウム粒子が収容され、正極集電体のリン酸鉄リチウム粒子との接触面積が大きくなっているものと推測される。そのために、正極活物質と正極集電体の界面接触抵抗が低下し、ハイレート放電時でも電圧の低下が抑えられ、高い放電容量を維持できるものと解される。
これに対して、正極集電体の亜鉛含有量が1.5質量%を超える実験例電池4は、実験例電池1〜3に比べて放電容量が小さく、特に電流が大きくなるほど、その放電容量が大きく下回る。
これは、正極集電体の表面に形成されているピットがリン酸鉄リチウム粒子よりも小径であるため、ピット内にリン酸鉄リチウム粒子が十分に収容されないことが影響しているためと考えられる。
以上の結果から、正極集電体の亜鉛含有量は0.1〜1.5質量%の範囲が好ましいことがわかった。
1…正極、1a…正極集電体(正極集電体用箔)、1b…正極合剤層、1c…正極活物質、1d…ピット、1e…クレーター状ピット、2…負極、2a…負極集電体、2b…負極合剤層、3…セパレータ、4…電極群、10…リチウムイオン二次電池。

Claims (4)

  1. Znを0.1〜1.5質量%、Siを0.03〜0.07質量%、Feを0.08〜0.11質量%含有し、残部不可避不純物とAlからなる厚さ10〜50μmのアルミニウム合金箔からなり、
    粒径0.3〜3μmのリン酸鉄リチウム、粒径3〜20μmのマンガン酸リチウム、粒径3〜30μmのコバルト酸リチウム、粒径10〜15μmのコバルト酸・マンガン酸・ニッケル酸リチウムの1種または2種以上からなる粒子状の正極活物質を収容する為のクレーター状のエッチングピットが表面に形成され、前記エッチングピットが直径0.3〜3μmの大きさで、10 個/mm 以上10 個/mm 以下の密度で存在し、直径3μmを超える前記エッチングピットの密度が10個/mm 以下であることを特徴とする、リチウムイオン二次電池の正極集電体用箔。
  2. Znを0.1〜1.5質量%、Siを0.03〜0.07質量%、Feを0.08〜0.11質量%含有し、残部不可避不純物とAlからなる厚さ10〜50μmのアルミニウム合金箔に、アルカリ性溶液の表面処理を施すことにより、
    粒径0.3〜3μmのリン酸鉄リチウム、粒径3〜20μmのマンガン酸リチウム、粒径3〜30μmのコバルト酸リチウム、粒径10〜15μmのコバルト酸・マンガン酸・ニッケル酸リチウムの1種または2種以上からなる粒子状の正極活物質を収容する為のクレーター状のエッチングピットを前記アルミニウム合金箔の表面に形成するリチウムイオン二次電池の正極集電体用アルミニウム合金箔の製造方法であって、
    前記アルカリ性溶液の表面処理を施すことにより、前記エッチングピットを直径0.3〜3μmの大きさで、10 個/mm 以上10 個/mm 以下の密度で存在させ、直径3μmを超える前記エッチングピットの密度を10個/mm 以下とすることを特徴とするリチウムイオン二次電池の正極集電体用箔の製造方法。
  3. 正極集電体と正極活物質と導電材とバインダと希釈剤を有する正極と、負極集電体と負極活物質と導電材とバインダとを有する負極と、備え、前記正極集電体は、請求項1に記載の正極集電体用箔からなることを特徴とするハイレート放電特性に優れたリチウムイオン二次電池。
  4. 前記正極活物質がリン酸鉄リチウムであり、前記導電材がアセチレンブラックであり、前記バインダがポリビニリデンフルオライドであり、前記希釈剤がN−メチル−2−ピロリドンであり、前記負極集電体が銅箔であり、前記負極活物質がメソカーボンマイクロビーズであることを特徴とする請求項3に記載のハイレート放電特性に優れたリチウムイオン二次電池。
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