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JP6046161B2 - 非タンパク質新生アミノ酸を含むジペプチド - Google Patents

非タンパク質新生アミノ酸を含むジペプチド Download PDF

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Description

本発明は、非タンパク質新生アミノ酸を含むジペプチド、その製造方法、一または複数の非タンパク新生アミノ酸を含むポリペプチドまたはタンパク質を産生するための当該ジペプチドの使用方法に関する。
多くのポリペプチドおよびタンパク質は、医療行為に使用するために承認されている。ポリペプチドおよびタンパク質は、組み換えDNA技術によって適切な宿主細胞において産生され得るか、またはそれらは十分に確立されたペプチド合成技術によって合成的に製造することができる。しかしながら、天然のポリペプチドおよびタンパク質は、ポリペプチドの高い血漿濃度が長期間にわたって必要とされる多くの臨床適応症にとって許容できない高いクリアランス率を示す傾向がある。
天然ポリペプチドおよびタンパク質は、その特定の特性を変更または増強するために、天然の形態から、類似体および誘導体に変更されてもよい。(例えば、GLP−1ペプチドのDPP−IVによる加水分解のような)加水分解に対して一定の保護を与えるために、例えば、非タンパク質新生アミノ酸(すなわち、非天然アミノ酸)をポリペプチドまたはタンパク質に添加または置換してもよい。
例えば、N末端が改変されたGLP−1類似体などの一または複数の非タンパク質新生アミノ酸を含むポリペプチドは、ポリペプチドまたはタンパク質に付加される各アミノ酸についてカップリング工程に続いて脱保護工程が適用される段階的な方法で、化学合成を介しての非タンパク質新生アミノ酸を導入することによって調製することができた。
段階的合成は、しかしながら、時間がかかり、不便であり、多くの副生成物の形成につながり、中間精製工程が必要とされることがあり、ヒスチジン残基のようないくつかのアミノ酸残基の有意の量のラセミ化を生じ得る。
代替的には非タンパク質新生アミノ酸(non-proteogenic amino acid(s))を含むペプチドフラグメントは残りのポリペプチドまたはタンパク質に結合されてもよく、例えばN末端アミノ基と側鎖のアミノ基に保護された断片のような、完全に保護された断片がその方法において用いられる。
このようなペプチド断片は、しかしながら、その使用を制限する水性媒体に可溶性でないかもしれない。さらに、直交性の保護基がフラグメント中に存在する場合にはいくつかの脱保護工程が必要になり、単離された場合には、合成手順の間に中間体の精製が必要であり、中間体の単離の問題が発生する可能性がある。
WO2009/083549は非タンパク質新生アミノ酸を含有するGLP−1類似体および誘導体の調製方法に関する。特許出願は、WO2007/147816A1およびWO2010/125079A2は、ペプチド断片の合成カップリングに関する。Bourgault, S.らはPEPTIDES, vol. 29, no. 6(1), June 2008, 919−932ページの中で、従来のペプチド化学の使用について記載している。
一または複数の非タンパク質新生アミノ酸を含むポリペプチドを得るための改良された方法で使用するためのペプチド断片が依然として必要とされている。
国際公開第WO2009/083549号パンフレット 国際公開第WO2007/147816A1パンフレット 国際公開第WO2010/125079A2パンフレット
Bourgault, S.ら、PEPTIDES、vol. 29、no. 6(1)、June 2008, 919−932ページ
本発明は、Chem.1:
〔式中、
R1は、Hまたはアミノ保護基であり、R2は、アミノ保護基であり;または
R1は、取り外し可能なアルキル基であり、R2はHまたは取り外し可能なアルキル基であり;または、
R1およびR2は一緒に環を形成しており;
R3は、H、または二級アンモニウムカチオン、三級アンモニウムカチオンまたはカルボキシレート基と塩を形成している金属カチオンであり;および
R4は存在しないか、または酸性塩である。〕
のジペプチドに関する。
また、本発明のジペプチドの製造方法も意図される。
さらに、一または複数の非タンパク質新生アミノ酸を含むポリペプチドまたはタンパク質を得るための方法が記載され、該方法は本発明のジペプチドをポリペプチドまたはタンパク質と反応させる工程を含んでいる。
本発明はまた、例示的な実施形態の開示から明らかであろう更なる問題点を解決することができる。
本発明は、ジペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質にカップリングするのに適している非タンパク質新生アミノ酸を含むジペプチドに関連している。
一態様では、本発明のジペプチドは、遊離の保護されていないイミダゾリル部分を有する。一態様では、本発明のジペプチドは、カルボン酸塩の形態である。
本発明の一態様では、ジペプチドは、Chem.1:
〔式中、
R1はHまたは例えばBoc、Trt、Bpoc、Fmoc、Nsc、Cbz、Alloc、oNBS、pNBS、dNBS、ivDdeまたはNps等であるがこれらに限定されないアミノ保護基であり、R2はBoc、Trt、Bpoc、Fmoc、Nsc、Cbz、Alloc、oNBS、pNBS、dNBS、ivDdeまたはNps等であるがこれらに限定されないアミノ保護基である;あるいは、
R1はベンジルまたはtert−ブチル等であるがこれらに限定されない取り外し可能なアルキル基であり、R2はHまたはベンジルもしくはtert−ブチル等であるがこれらに限定されない取り外し可能なアルキル基であり;あるいは
R1とR2は一緒になってフタルイミドまたは1,3,5−ジオキサジン等であるがこれらに限定されない環を形成し;
R3は、H、二級アンモニウムカチオン、三級アンモニウムカチオンまたはアルカリ金属カチオン若しくはアルカリ土類金属カチオン等の金属カチオンであってカルボキシレート基と塩を形成し、
R4は、存在しないか、またはTFA、HCl、HBrの塩または硫酸水素塩等であるがこれらに限定されない酸性塩である〕のものである。
本発明の一態様では、R1がHであり、R2がBoc、Trt、Bpoc、Fmoc、Nsc、Cbz、Alloc、oNBS、pNBS、dNBS、ivDdeまたはNps等であるがこれらに限定されないアミノ保護基であるか;あるいはR1とR2は一緒になってフタルイミドまたは1,3,5−ジオキサジン等であるがこれらに限定されない環を形成し;あるいはR1はベンジルまたはtert−ブチル等であるがこれらに限定されない取り外し可能なアルキル基であり、R2はHまたはベンジルもしくはtert−ブチル等であるがこれらに限定されない取り外し可能なアルキル基である。
一態様において、R1は、Hであり、R2はFmocなどであるが、これらに限定されない塩基感受性保護基である。一態様において、R1はHであり、R2はFmocである。
本明細書において用いられる場合、用語「アミノ保護基」は、反応の間に全く同じアミン上の反応を防止するためにアミン(機能性)の化学修飾によってジペプチドに導入されるとペプチド化学の当業者に知られている保護基(代替用語:保護基)であると理解されるべきである。
本明細書において用いられる場合、用語「取り外し可能なアルキル基」とは、触媒性水素化分解(catalytical hydrogenolysis)方法論によって除去することができるベンジル基等であるがこれに限定されない、アルキル基と理解されるべきである。本発明の一態様において、R1はベンジルであり、R2はHである。
R3は、水素、二級アンモニウムカチオン、三級アンモニウムカチオンまたは金属カチオンであり、ここで、前記二級アンモニウムカチオン、三級アンモニウムカチオンまたは金属カチオンは、それが隣接しているカルボキシレート基と塩を形成する。本発明の一態様において、金属カチオンはアルカリ金属カチオンまたはアルカリ土類金属カチオンである。一態様において、R3はH、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、マグネシウムカチオンおよびN,N−ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジtert−ブチルアンモニウムカチオン等であるがこれらに限定されない二級アミンから誘導されるカチオン、トリエチルアンモニウム等であるがこれらに限定されない三級アミンから誘導されるカチオンからなる群より選択される。
一態様において、R3はHである。一態様において、R3は隣接するカルボキシレート基と一緒になって一価の塩、二価の塩またはアミンから誘導される塩等であるがこれらに限定されない塩を形成する。
本発明の一態様によれば、R3は二級アンモニウムカチオン、三級アンモニウムカチオン、またはアルカリ金属カチオン若しくはアルカリ土類金属カチオン等の金属カチオンであって、隣接するカルボキシレート基と塩を形成していてもよい。R3とカルボキシレート基の間の塩は、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等のアルカリ塩であるがこれらに限定されない一価の塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、またはN,N−ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジtert−ブチルアミン等であるがこれらに限定されない二級アミンから誘導される塩、またはトリエチルアミン等であるがこれらに限定されない三級アミンから誘導される塩であってもよい。
驚くべきことに、R3がHであるか、二級アンモニウムカチオン、三級アンモニウムカチオンまたは隣接するカルボキシレート基と塩を形成する金属カチオンであり、R4が存在しないか酸性塩である本発明のジペプチドは、例えばジペプチドがペプチドまたはポリペプチドと反応する水性アシル化反応において特に優れていることを本発明者らは発見した。
本発明の一態様において、R4は存在しない。一態様において、R4はジペプチドと塩を形成する酸性成分である。一態様において、R4は、TFA、HCl、HBrおよび硫酸水素塩からなる群より選択される。一態様において、R4は、TFAである。
一態様において、本発明のジペプチドはChem.2:
〔式中、*は前記ジペプチドのキラル中心を示し、R4は存在しないかまたはTFA、HCl、HBr若しくは硫酸水素塩等であるがこれらに限定されない酸性成分である〕のエナンチオマーまたはラセミジペプチドFmoc−His−Aib−OH。一態様において、R4はTFAである。
ここで、化合物試料中における「エナンチオマー」とは、一つの鏡像異性体、すなわちL体またはD体が試料中で過多であると理解すべきである。ここで用いられる「ラセミ」とは、L体とD体が化合物試料中で同じ量であると理解すべきである。非限定的な例として、Chem.2のエナンチオマーFmoc−His−Aib−OHのヒスチジン残基はL−ヒスチジンであってもD−ヒスチジンであってもよい。
本発明の一態様において、Chem.1またはChem.2のジペプチドは当業者に知られている活性化剤によって活性化される。一態様において、Chem.1またはChem.2のジペプチドはホスホニウム系カップリング試薬によって活性化される。一態様では、ホスホニウム系カップリング試薬は、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(BOP)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、(7−アザベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyAOP)、6−クロロ―ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−tris−ピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyClock)、O−[(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデン)アミノ]−オキシトリ(ピロリジン−1−イル)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyOxP)、O−〔(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデン)アミノ〕−オキシトリ(ピロリジン−1−イル)ホスホニウム テトラフルオロボレート(PyOxB)からなる群より選択される。一態様では、ホスホニウム系カップリング試薬は、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)である。
ここで、ホスホニウム系カップリング試薬は、インサイチュでカルボキシル酸と反応するとポリペプチドまたはタンパク質と反応する活性化されたカルボキシル酸を形成するホスホニウム塩を有するカップリング試薬であると理解すべきである。
本発明のジペプチドは、驚くべきことに安定であり、貯蔵寿命が長い。
本明細書で用いられる場合、用語「安定化された」または「安定」は、本発明のジペプチドについては、増加された化学的安定性、増加された物理的安定性または増加された物理的および化学的安定性を有するジペプチドをいう。
一態様において、本発明のジペプチドは、6週間以上の使用および2年以上の貯蔵において安定である。他の態様では、本発明のジペプチドは4週間以上の使用および2年以上の貯蔵において安定である。更なる態様では、本発明のジペプチドは、4週間以上の使用および3年以上の貯蔵において安定である。なおも更なる態様では、本発明のジペプチドは2週間以上の使用および1年以上の貯蔵において安定である。
本明細書において用いられる用語「周囲温度」とは周囲の温度を意味する。室内条件下では、周囲温度は室温と同じであり、25℃であってもよい。
本発明のジペプチドは取り扱いがしやすく、脱保護および活性化工程等の化学修飾工程の量が減らされていることにより、ペプチド化学の中でのその使用は従来の一工程ごとの固相ペプチド合成に比較して容易である。
一態様において、本発明のジペプチドは一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むポリペプチドまたはタンパク質を得るための方法において用いることができる。
一態様において、本発明のジペプチドはジペプチドをポリペプチドまたはタンパク質に共有結合的に結合させるための工程において用いられる。一態様において、ジペプチドは、ポリペプチドまたはタンパク質のN−末端アミンにジペプチドを結合させるための工程において用いられる。一態様において、ジペプチドはポリペプチドおよび/またはタンパク質の化学基に属さない他の分子中の求核試薬にジペプチドを結合させるための工程において用いられる。
一態様において、ジペプチドが結合するポリペプチドまたはタンパク質はタンパク質新生アミノ酸からなる。すなわち、ジペプチドが結合するポリペプチドまたはタンパク質は、いかなる非タンパク質新生アミノ酸も含まない。
本発明の一態様では、Chem.1またはChem.2のジペプチドは当該ジペプチドをポリペプチドまたはタンパク質に結合させてChem.1のジペプチドのカルボキシレート基、すなわちR3を含む官能基若しくはChem.2のカルボキシル酸と、ポリペプチド若しくはタンパク質の遊離アミンとの間に、アミド結合を形成するために用いられる。一態様において、Chem.1またはChem.2のジペプチドは水性媒体中でポリペプチドまたはタンパク質と反応させるとChem.1またはChem.2のジペプチドのカルボキシル酸とポリペプチドまたはタンパク質のN末端アミンとの間にアミド結合が形成される。
本発明の一態様では、R1および/またはR2はポリペプチドまたはタンパク質との反応が完了した後に除去される。一態様では、R1および/またはR2は一つの化学的工程で除去される。一態様では、R1および/またはR2は、反応媒体への塩基の添加を含む脱保護工程において除去される。一態様では、R1および/またはR2は、反応媒体へのアミンの添加を含む脱保護工程において除去される。一態様では、R1および/またはR2は、反応媒体へのピペリジンの添加を含む脱保護工程において除去される。
本発明の一態様では、R1および/またはR2はポリペプチドまたはタンパク質とのアシル化反応の完了後にインサイチュで一つの化学的工程において除去される。
一態様によれば、本発明のジペプチドは一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むポリペプチドまたはタンパク質を得るための方法において用いられてもよい。一態様において、反応は溶液中で行われる。一態様において、本発明の活性化されたジペプチドは、水性媒体中に溶解されたポリペプチドまたはタンパク質と反応させる。一態様において、カップリング反応は、当分野の当業者に知られている固相ペプチド合成において行われる。本発明者らが発見したところによれば、一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含み、そのN末端にヒスチジンを含むポリペプチドまたはタンパク質を得るための該方法を用いることにより、ヒスチジン残基が全くラセミ化されていないか、僅かのみラセミ化されているポリペプチドまたはタンパク質生成物が得られる。
一態様によれば、一つ以上の非タンパク新生アミノ酸を含むポリペプチドまたはタンパク質を得るための方法は、以下のステップを含む:
1.ホスホニウム系のカップリング試薬でジペプチドを活性化する工程
2.活性化されたジペプチドをポリペプチドまたはタンパク質と反応させる工程
3.インサイチュで保護基を除去する工程
これにより最終的なポリペプチドまたはタンパク質が得られる。
一態様によれば、一つ以上の非タンパク新生アミノ酸を含むポリペプチドまたはタンパク質を得るための方法は、以下のステップを含む:
1.ホスホニウム系のカップリング試薬でChem.1またはChem.2のジペプチドを活性化する工程
2.活性化されたジペプチドをポリペプチドまたはタンパク質と反応させる工程
3.インサイチュで保護基を除去する工程
これにより最終的なポリペプチドまたはタンパク質が得られる。
一態様によれば、活性化されたジペプチドは水性媒体中でポリペプチドまたはタンパク質と反応させられる。本明細書において、用語「水性媒体」は任意の水系媒体、例えば水、生理食塩水、糖溶液、輸液溶液、緩衝液、および任意の他の容易に入手可能な水ベースの媒体を含む。また、水性媒体はジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、ジオキサン;例えば、ジメチルアセタール、ジエチルアセタール、または1,3−ジオキソランのような水溶性アセタール;例えばメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブトキシ−2−エタノールのような水溶性アルコール等であるが、それらに限定されない一つ以上の水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。
一態様では、活性化されたジペプチドがポリペプチドまたはタンパク質と反応する水性媒体は、100〜10%の水および0〜90%のさらなる溶媒を含み、ここでさらなる溶媒の非限定的な例は、例えばDMF、NMP、DMAC、DMSO、アセトニトリル、ジオキサン;例えばジメチルアセタール、ジエチルアセタールまたは1,3−ジオキソラン等の水溶性アセタール;およびメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブトキシ−2−エタノールのような水溶性アルコールからなる群より選択されるものであってもよい。一態様では、水性媒体は80〜20%の水、例えば60〜30%の水を含む。一態様では、水性媒体は50〜30%の水を含む。一態様では、水性媒体は約50%の水を含む。一態様では、水性媒体は約40%の水を含む。一態様では、水性媒体は約30%の水を含む。
本発明の一態様では、ジペプチドは、ペプチドまたはポリペプチドと反応させる水性媒体に添加される前に、DMF、NMP、DMAC、DMSO、アセトニトリルおよびジオキサン等であるが、これらに限定されない、非プロトン性の有機溶媒またはそれらの混合物に溶解される。
本明細書において、用語「非プロトン性」は、大きな双極子モーメント、すなわち同じ分子の中での同一分子内の部分的な正および負の部分電荷の分離、を有し、およびそれらの負の双極子を介して、正に荷電した種を溶媒和する傾向にある、例えばアセトンまたはジクロロメタン等のような、溶媒について用いられる。非プロトン性溶媒の例は、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、エチルアセテート、アセトン、DMF、NMP、DMAC、DMSO、アセトニトリル、ジオキサンおよびプロピレンカーボネートを含むがこれらに限定されない。
一態様では、活性化されたジペプチドは、例えば、ISBN0−7167−7009−1「合成ペプチド」グレゴリー A.グラント編、等の、ペプチド化学の当業者に知られている手順を用いて固相上でポリペプチドまたはタンパク質と反応させる。
一態様では、ホスホニウム系カップリング試薬はPyBOPである。一態様において、保護基はFmocである。一態様において、最終的なポリペプチドまたはタンパク質は、溶液で得られる。
一態様において、保護基は塩基性条件下で除去される。一態様ではほごきは少なくとも7のpHで除去される。一態様では、保護基はピペリジン、DBU(1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン)またはtert−ブチルアミンによって除去される。
本発明の一態様では、アシル化工程における水性反応混合物のpHをpH7および14との間に調整する。一態様では、反応媒体のpHはpH8とpH13との間である。別の態様では、pHは、pH8およびpH12の間である。別の態様では、pHは、pH8およびpH10の間である。別の態様では、pHは、pH8.3およびpH9.7の間である。
「反応混合物」は、本発明のジペプチドとポリペプチドまたはタンパク質を反応させる際に用いられる溶媒および試薬の混合物であると理解すべきである。反応混合物は水性であってもよく、すなわち反応混合物中に水が存在していてもよい。
反応混合物のpHは当業者に知られている手段で制御してもよい。例えば、単なるpH試験紙(pHスティック)またはpHメーターをpHの測定に用い、手作業で酸または塩基を添加してpHを調整してもよく、または溶液のpHを制御することができるpHフィードバックメカニズム付きのpHメーターを用いてもよい。
pHの調整に適した酸には、塩酸、硫酸、硫酸水素塩、リン酸、クエン酸、酢酸が含まれるがこれらに限定されない。
pHの調整に適した塩基には、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等であるがこれらに限定されない第三級アミン塩基;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化セシウム等であるがこれらに限定されないアルカリ金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素リチウム等であるがこれらに限定されないアルカリ炭酸塩、が含まれるがこれらに限定されない。
本発明の一つの態様において、反応混合物は緩衝液を含む。本発明の一つの態様において、緩衝液は、リン酸緩衝液、炭酸ナトリウム緩衝液、ビシンN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン緩衝液、HEPPS緩衝液(3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸緩衝液)、HEPPS緩衝液(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸緩衝液)、MOPS緩衝液(3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸緩衝液)およびTEA緩衝液(トリエチルアミン緩衝液)からなる群より選択される。本発明の一つの態様において、反応混合液はTEA緩衝液(トリエチルアミン緩衝液)を含む。
反応混合物に添加する前に、ジペプチドは、活性化されてもよく、すなわち、ジペプチドのカルボン酸官能基は、前記カルボン酸の活性化エステルに変換されてもよい。本発明のジペプチドを活性化する際には、活性化工程における反応混合物の温度は−5℃から50℃の間であり、例えば0℃から50℃の間である。一態様において、温度は5℃から40℃の間である。他の一態様において、温度は10℃から35℃の間である。さらなる態様では、温度は15℃から25℃の間である。なおもさらなる態様では、活性化工程の間、温度は約20℃である。
本発明のジペプチドがポリペプチドまたはタンパク質と反応する、アシル化工程の間の反応混合物の温度は、−5℃から50℃の間であり、例えば0℃から50℃の間である。一態様において、温度は5℃から40℃の間である。他の一態様において、温度は10℃から35℃の間である。さらなる態様では、温度は15℃から25℃の間である。なおもさらなる態様では、活性化工程の間、温度は約20℃である。
用語「ポリペプチドまたはタンパク質」は、本明細書において、ペプチド結合によって接続された少なくとも2つの構成アミノ酸からなる化合物を意味する。構成アミノ酸は遺伝暗号によりコードされるアミノ酸(タンパク質新生アミノ酸)の群から選択することができ、これらは遺伝暗号によりコードされない天然のアミノ酸、ならびに合成アミノ酸(非タンパク質新生アミノ酸)であってもよい。22のタンパク質新生アミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、ヒドロキシプロリン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンである。
このように非タンパク新生アミノ酸は、ポリペプチド結合を介してポリペプチドまたはタンパク質に組み込まれ得るが、タンパク質新生アミノ酸ではない部分である。例としては、γ−カルボキシグルタミン酸、オルニチン、ホスホセリン、例えばD−アラニンおよびD−グルタミンなどのD−アミノ酸である。合成非タンパク質新生アミノ酸は、化学合成により製造されたアミノ酸を含む、すなわち、例えば、D−アラニンおよびD−ロイシンのような遺伝暗号によりコードされるアミノ酸のD−異性体、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Abu(α−アミノ酪酸)、オルニチン、Dap(2,3−ジアミノプロピオン酸)、Dab(2,4−ジアミノブタン酸)、Tle(tert−ブチルグリシン)、3−アミノメチル安息香酸、アントラニル酸、デス−アミノ−ヒスチジン、β−アラニン等などのアミノ酸のベータアナログ、D−ヒスチジン、デスアミノ−ヒスチジン、2−アミノ−ヒスチジン、β−ヒドロキシ−ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα−アセチル−ヒスチジン、α−フルオロメチル−ヒスチジン、α−メチル−ヒスチジン、3−ピリジルアラニン、2−ピリジルアラニンまたは4−ピリジルアラニン、(1−アミノシクロプロピル)カルボン酸、(1−アミノシクロブチル)カルボン酸、(1−アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1−アミノシクロヘキシル)カルボン酸、(1−アミノシクロヘプチル)カルボン酸または(1−アミノシクロオクチル)カルボン酸である。
本明細書においてポリペプチドまたはタンパク質について用いられる「類似体」は、ポリペプチドまたはタンパク質の一つ以上のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されているおよび/またはポリペプチドまたはタンパク質から一つ以上のアミノ酸残基が欠失しているおよび/またはポリペプチドまたはタンパク質に一つ以上のアミノ酸残基が付加されている、改変されたポリペプチドまたはタンパク質を意味する。そのようなアミノ酸残基の付加または欠失は、ポリペプチドまたはタンパク質のN末端および/またはポリペプチドまたはタンパク質のC末端で起こり得る。類似体を記載するためにしばしば簡単な系が用いられる:例えば[Aib8,Arg34]GLP−1(7−37)は、自然発生の8位のアラニンがα−アミノイソ酪酸に置換され、34位のリジンがアルギニンに置換されているGLP−1(7−37)の類似体であることを示す。光学異性体が述べられていない全てのアミノ酸はL異性体を意味すると理解されるべきである。本発明の一態様において、最大17のアミノ酸が改変されている。本発明の一態様において、最大15のアミノ酸が改変されている。本発明の一態様において、最大10のアミノ酸が改変されている。本発明の一態様において、最大8つのアミノ酸が改変されている。本発明の一態様において、最大7つのアミノ酸が改変されている。本発明の一態様において、最大6つのアミノ酸が改変されている。本発明の一態様において、最大5つのアミノ酸が改変されている。本発明の一態様において、最大4つのアミノ酸が改変されている。本発明の一態様において、最大3つのアミノ酸が改変されている。本発明の一態様において、最大2つのアミノ酸が改変されている。本発明の一態様において、1つのアミノ酸が改変されている。
本発明の一態様では、本発明の誘導体のC末端は、酸またはアミドのいずれかとして終了することができる。一態様では、本発明の誘導体のC末端はアミドである。別の態様において、本発明の誘導体のC末端は酸である。
本発明は、例えばグルカゴン様ペプチドおよびインスリンのような、糖尿病を治療するたまに適した一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むポリペプチドまたはタンパク質を作るのに特に適している。
ジペプチドと反応させられるポリペプチドまたはタンパク質の一態様は、グルカゴン様ペプチドである。
本明細書で使用する用語「グルカゴン様ペプチド」は、ペプチド、エキセンディンおよびその類縁体のグルカゴンファミリーを意味する。ポリペプチドのグルカゴンファミリーは、プレプログルカゴン遺伝子によってコードされ、高い程度の相同性を有する3つの小さいポリペプチド、すなわちグルカゴン(1−29)、GLP−1(1−37)およびGLP−2(1−33)を包含している。エキセンディンは、トカゲにおいて発現されるポリペプチドであり、GLP−1と同様に、インスリン分泌促進のものである。エキセンディンの例は、エキセンディン−3およびエキセンディン−4である。
用語GLP−1、GLP−2、エキセンディン−3およびエキセンディン−4は、当業者に知られている。例えば本明細書で用いられる「GLP−1化合物」または「GLP−1ペプチド」はヒトGLP−1(7−37)、そのインスリン分泌性アナログおよびそのインスリン分泌性誘導体を意味する。GLP−1アナログの非限定的な例としては、GLP−1(7−36)アミド、Arg34−GLP−1(7−37)、Aib8Arg34−GLP−1(7−37)、Gly8−GLP−1(7−37)、Val8−GLP−1(7−36)−アミドおよびVal8Asp22−GLP−1(7−37)である。GLP−1誘導体の非限定的な例は、デスアミノ−His7、Arg26、Lys34(Nε−(γ−Glu(Nα−hexadecanoyl)))−GLP−1(7−37)、デスアミノ−His7、Arg26、Lys34(Nε−octanoyl)−GLP−1(7−37)、Arg26,34、Lys38(Nε−(ω−カルボキシペンタdecanoyl))−GLP−1(7−38)、Arg26,34、Lys36(Nε−(γ−Glu(Nα−hexadecanoyl)))−GLP−1(7−36)および Arg34、 Lys26(Nε−(γ−Glu(Nα−hexadecanoyl)))−GLP−1(7−37)である。
当分野で確立された慣習では、GLPの命名法は7位に参照されるヒスチジン残基から始め、続くアミノ酸残基はそれに応じて番号付けられ、グリシン37で終わる。したがって、一般的に、本明細書におけるいかなるGLP−1(7−37)配列のアミノ酸残基番号または位置番号も、7位のHisで始まり37位のGlyで終わる。本発明の誘導体のGLP−1類似体はi)変更されたアミノ酸残基に対応する天然のGLP−1(7−37)におけるアミノ酸残基の番号、およびii)実際の変化、を参照することによって記載することができる。
一態様では、本発明に係るグルカゴン様ペプチドは保護されたジペプチジルアミノペプチダーゼIVである。他の態様では本発明に係るグルカゴン様ペプチドは保護されたジペプチジルアミノペプチダーゼIVである。
本明細書で用いられる用語「保護されたジペプチジルアミノペプチダーゼIV」は、グルカゴン様ペプチド、例えばジペプチジルアミノペプチダーゼIV(DPP−IV)に対して天然の化合物、例えばGLP−1(7−37)より耐性があるGLP類似体である。そのような保護は天然の化合物の突然変異および/または誘導体化によって得ることができる。ジペプチジルアミノペプチダーゼIVによる分解に対するGLP−1化合物の耐性は次の分解アッセイによって決定される。
GLP−1化合物(5 nmol)のアリコートを、pH7.4の0.1Mのトリエチルアミン−HCl緩衝液100μL中で、5mUの酵素活性に相当する1μLの精製したジペプチジルアミノペプチダーゼIVと一緒に10〜180分インキュベートする。酵素反応を10%トリフルオロ酢酸5μLの添加により終了させ、ポリペプチドの分解産物を分離し、HPLC解析で定量する。この解析を行うための一つの方法は以下のとおりである。混合物をVydac C18ワイドポア(30nm孔、5μm粒子)250×4.6mmカラムに置き、流速1ml/分で、アセトニトリルの0.1%トリフルオロ酢酸中の線形段階的勾配(0%アセトニトリルで3分、0−24%アセトニトリルで17分、24−48%アセトニトリルで1分)で、Siegel ら, Regul. Pept. 1999;79: 93−102 および Mentlein ら、 Eur. J. Biochem. 1993;214: 829−35にしたがって溶出する。ポリペプチドおよびそれらの分解産物は220nm(ペプチド結合)または280nm(芳香族アミノ酸)での吸収によってモニターすることができ、標準に対するそれらのピークエリアの積分によって定量することができる。ジペプチジルアミノペプチダーゼIVによるGLP−1化合物の加水分解速度は、加水分解されるGLP−1化合物が10%未満になるインキュベーション時間で推定される。
本明細書で用いられる、グルカゴン様ペプチドについての「インスリン分泌性」という用語は、増加した血漿グルコースレベルに応答してインスリンの分泌を刺激する能力を意味する。インスリン分泌性のグルカゴン様ペプチドはGLP−1受容体のアゴニストである。化合物のインスリン分泌特性は、当技術分野で公知のインビトロまたはインビボアッセイによって決定することができる。以下のインビトロアッセイは、例えばグルカゴン様ペプチドのようなインスリン分泌性化合物の性質を決定するために使用することができる。好ましくは、インスリン分泌性化合物は、下記のアッセイにおいてEC50値が5nM未満を示し、さらにより好ましくはEC50値が500pM未満を示す。
クローニングされたヒトGLP−1受容体(BHK 467−12A)を発現するベビーハムスター腎臓(BHK)細胞を、100IU/mLのペニシリン、100μL/mLのストレプトマイシン、10%ウシ胎児血清および1mg/mLのジェネテシンG−418(Life Technologies)を添加したDMEM培地中で培養した。原形質膜は緩衝液(10 mM Tris−HCl、 30 mM NaCl および1 mMジチオトレイトール、 pH 7.4、加えて5 mg/mL ロイペプチン(Sigma)、 5 mg/L ペプスタチン (Sigma)、100 mg/L バシトラシン (Sigma)、 および16 mg/L アプロチニン (Calbiochem−Novabiochem、La Jolla、CA)中で均質化することによって調製する。ホモジネートを41%W /vのスクロース層の上で遠心分離する。二つの層の間のホワイトバンドを緩衝液に希釈し、遠心分離する。原形質膜は、使用するまで−80℃で保存する。
機能的レセプターアッセイは、インスリン分泌性ペプチドまたはインスリン分泌性化合物による刺激に対する応答としてcAMPを測定することにより行われる。インキュベーションは、140mLの総容量で、以下の最終濃度で96ウェルマイクロタイタープレートで実施する:50のトリス−HCl、1mMのEGTA、1.5 mMの硫酸マグネシウム、1.7 mMのATP、20mMのGTP、2mMの3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)、0.01%w/vのトゥイーン20、pH7.4。化合物を溶解させ、緩衝液で希釈する。GTPは新たに各実験のために調製する:2.5μgの膜を各ウェルに添加し、混合物を室温で振とうしながら暗闇の中で90分間インキュベートする。反応を25mLの0.5MHClの添加によって停止させる。形成されたcAMPはシンチレーション近接アッセイ(RPA 542、Amersham社、UK)によって測定する。用量反応曲線は、化合物ごとにプロットされ、EC50値はGraphPad Prismソフトウェアを用いて計算される。
本明細書で用いられる用語「インスリン分泌性化合物のプロドラッグ」は、本明細書で患者への投与後にインスリン分泌性化合物に変換される化学的に修飾された化合物を意味する。このようなプロドラッグは、典型的には、インスリン分泌性化合物のアミノ酸拡張バージョンまたはエステルである。
本明細書で使用する用語「エキセンディン−4化合物」は、エキセンディン−4(1−39)そのインスリン分泌性断片、そのインスリン分泌性類似体およびそのインスリン分泌性誘導体として定義される。エキセンディン−4のインスリン分泌性断片は、全配列がエキセンディン−4の中に見つけることができ、少なくとも一つの末端アミノ酸が削除されているインスリン分泌性ポリペプチドである。エキセンディン−4(1−39)のインスリン分泌性断片の例は、エキセンジン−4(1−38)およびエキセンディン−4(1−31)である。化合物のインスリン分泌特性は、当技術分野で周知のインビボまたはインビトロアッセイによって決定することができる。例えば、化合物を動物に投与して経時的にインスリン濃度をモニターしてもよい。
エキセンディン−4(1−39)のインスリン分泌性類似体は、アミノ酸残基の一または複数が他のアミノ酸残基で交換され、および/または1つ以上のアミノ酸残基が欠失したおよび/またはより一または複数のアミノ酸残基が添加された分子であるが、ただし当該類似体はインスリン分泌性であるか、またはインスリン分泌性化合物のプロドラッグである。エキセンディン−4(1−39)のインスリン分泌性類似体の例は、2位と3位のアミノ酸残基がそれぞれセリンおよびアスパラギン酸で置換されているSer2Asp3−エキセンディン−4(1−39)である(この特定の類似体はエキセンディン−3として当分野で知られている)。エキセンディン−4(1−39)のインスリン分泌性誘導体およびその類似体は、当業者がこれらのペプチドの誘導体であると考えるものであり、即ち、親ペプチド分子には存在しない少なくとも一つの置換基を有し、但し、その誘導体はインスリン分泌性であるか、インスリン分泌性化合物のプロドラッグのいずれかである。置換基の例は、アミド、炭水化物、アルキル基、エステル、および親油性置換基である。
本明細書で用いられる用語「安定なエキセンディン−4」は化学的に改変されたエキセンディン−4(1−39)すなわち、従来の方法で決定したインビボ血漿排除半減期がヒトにおいて少なくとも10時間である類似体または誘導体である。
本明細書で使用する用語「ジペプチジルアミノペプチダーゼIV保護されたエキセンディン−4化合物」は、ジペプチジルアミノペプチダーゼIV保護されたGLP−1化合物の定義に記載されているアッセイによって決定される、エキセンディン−4よりも血漿ペプチダーゼジペプチジルアミノペプチダーゼIV(DPP−IV)に対してより耐性であるエキセンディン−4化合物を意味する。
GLP−1類似体は、例えば天然発生のGLP−1(7−37)の34位のLysがArgに置換されているものであってもよい。
また、インスリン分泌性ペプチドの前駆体または中間体の誘導体も、本発明によってカバーされる。
本発明の一態様において、グルカゴン様ペプチドはインスリン分泌性である。さらなる態様においてインスリン分泌性グルカゴン様ペプチドは、GLP−1、GLP−2、エキセンディン−4、エキセンディン−3およびそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される。
タンパク質ベース薬物の立体配座の安定性は、生物学的活性の維持のため、および変性およびフィブリル化による構造の不可逆的な損失を最小にするために、重要である。特に大規模なインスリン分泌性ポリペプチドおよびタンパク質は、複雑なフォールディングパターンによるコンホメーション変化に関して不安定である。また、GLP−1のようなフィブリル化の歴史が知られているインスリン分泌性ポリペプチドは、三次構造(すなわち溶融球状状態の形成)の不安定化に特に敏感である。
一態様において、本発明に係るグルカゴン様ペプチドの構成アミノ酸は、遺伝暗号によりコードされるアミノ酸の群から選択することができ、それらは、遺伝コードによってコードされない天然アミノ酸並びに合成アミノ酸であってもよい。遺伝暗号によりコードされない天然アミノ酸は、例えばヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、オルニチン、ホスホセリン、D−アラニンおよびD−グルタミンである。合成アミノ酸は、化学合成により製造されたアミノ酸を含み、すなわち例えば、D−アラニンおよびD−ロイシンのような遺伝暗号によりコードされるアミノ酸のD−異性体、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Abu(α−アミノ酪酸)、Tle(tert−ブチルグリシン)、β−アラニン、3−アミノメチル安息香酸、アントラニル酸である。
本発明の一態様では、本発明のジペプチドと反応させるグルカゴン様ペプチドは、GLP−1ポリペプチドである。さらなる態様において、GLP−1ポリペプチドは、WO2006/005667、WO2005/027978、WO2011/080103またはWO2006/097537に記載された側鎖を有するGLP−1ペプチドである。一態様では、GLP−1ポリペプチドはWO2006/005667、WO2005/027978、WO2011/080103またはWO2006/097537に記載された側鎖を有するGLP−1(9−37); Arg34−GLP−1(9−37); Aib22、Arg34−GLP−1(9−37); Arg34、Pro37−GLP−1(9−37) または Aib22,27,30,35、Arg34、Pro37− GLP−1(9−37)アミドである。一態様では、GLP−1ポリペプチドはWO2011/080103 84頁24行〜95頁2行に記載されたGLP−1ペプチド、またはWO2006/097537 19頁25行〜22頁4行に記載されたGLP−1類似体である。
別の態様では、本発明に係るジペプチドと反応させるグルカゴン様ペプチドは、以下からなる群:
Arg34−GLP−1(9−37);
Aib22,Arg34−GLP−1(9−37);
Arg34, Pro37−GLP−1(9−37);
Aib,22,27,30,35,Arg34,Pro37−GLP−1(9−37)アミド;
NΣ26−[2−(2−{2−[10−(4−カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−(2−{2−[10−(4−カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]−[Arg34,Lys37]GLP−1(9−37)−ペプチド;
NΣ26{2−[2−(2−{2−[2−(2−{(S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシフェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}, NΣ37−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{(S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシフェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチル}−[Arg34,Lys37]GLP−1(9−37)−ペプチド;
NΣ26−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシペンタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシペンタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル][Arg34,Lys37]GLP−1(9−37)−ペプチドアミド;
NΣ26−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(11−カルボキシウンデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(11−カルボキシウンデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル]−[Arg34,Lys37]−GLP−1(9−37)−ペプチドアミド;
NΣ26−[2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(13−カルボキシトリデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(13−カルボキシトリデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)アセチル][Arg34,Lys37]GLP−1(9−37)−ペプチドアミド;
NΣ26 (17−カルボキシヘプタデカノイル)−[Arg34]GLP−1−(9−37)−ペプチド;
NΣ26−(19−カルボキシノナデカノイル)−[Arg34]GLP−1−(9−37)−ペプチド;
NΣ26−[2−(2−[2−(2−[2−(2−[4−(17−カルボキシヘプタデカノイルアミノ)−4(S)−カルボキシブチリルアミノ]−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ)−エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP−1−(9−37)ペプチド;および
NΣ26−[2−(2−[2−(2−[2−(2−[4−(21−カルボキシウンエイコサノイルアミノ)−4(S)−カルボキシブチリルアミノ]−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ)−エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP−1−(9−37)ペプチド
から選択されるaGLP−1ポリペプチドである。
別の態様では、本発明に係るジペプチドと反応させるグルカゴン様ペプチドは、以下からなる群:
Arg34−GLP−1(9−37);
Aib22,Arg34−GLP−1(9−37);
Arg34, Pro37−GLP−1(9−37);および
Aib,22,27,30,35,Arg34,Pro37−GLP−1(9−37)アミド
から選択されるaGLP−1ポリペプチドである。
別の態様では、本発明に係るジペプチドと反応させるグルカゴン様ペプチドは、以下:
NΣ26−[2−(2−{2−[10−(4−カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−(2−{2−[10−(4−カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]−[Arg34,Lys37]GLP−1(9−37)−ペプチド;
NΣ26{2−[2−(2−{2−[2−(2−{(S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシフェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}, NΣ37−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{(S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシフェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチル}−[Arg34,Lys37]GLP−1(9−37)−ペプチド;
NΣ26−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシペンタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシペンタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル][Arg34,Lys37]GLP−1(9−37)−ペプチドアミド;
NΣ26−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(11−カルボキシウンデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(11−カルボキシウンデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル]−[Arg34,Lys37]−GLP−1(9−37)−ペプチドアミド;および
NΣ26−[2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(13−カルボキシトリデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(13−カルボキシトリデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル]−[Arg34,Lys37]GLP−1(9−37)−ペプチドアミド
からなる群から選択されるGLP−1ポリペプチドである。
別の態様では、本発明に係るジペプチドと反応させるグルカゴン様ペプチドは、以下
NΣ26−(17−カルボキシヘプタデカノイル)−[Arg34]GLP−1−(9−37)−ペプチド;
NΣ26−(19−カルボキシノナデカノイル)−[Arg34]GLP−1−(9−37)−ペプチド;
NΣ26−[2−(2−[2−(2−[2−(2−[4−(17−カルボキシヘプタデカノイルアミノ)−4(S)−カルボキシブチリルアミノ]−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP−1−(9−37)ペプチド;および
NΣ26−[2−(2−[2−(2−[2−(2−[4−(21−カルボキシウンエイコサノイルアミノ)−4(S)−カルボキシブチリルアミノ]−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ)−エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP−1−(9−37)ペプチド
からなる群から選択されるGLP−1ポリペプチドである。
一態様では、一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むグルカゴン様ペプチドは本発明の方法によって得られる。他の態様では、本発明の方法によって得られる一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むグルカゴン様ペプチドは一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むGLP−1ペプチドである。一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むGLP−1ペプチドは、一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含み、GLP−1ペプチドはWO2006/005667、WO2005/027978、WO2011/080103またはWO2006/097537に記載された側鎖を有するGLP−1ペプチドである。一態様では、一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むGLP−1ペプチドは、WO2006/005667、WO2005/027978、WO2011/080103またはWO2006/097537に記載された側鎖を有するAib8,Arg34−GLP−1(7−37); Aib8,22,Arg34−GLP−1(7−37); Aib8,Arg34, Pro37−GLP−1(7−37)またはAib8,22,27,30,35,Arg34,Pro37− GLP−1 (7−37)アミドである。一態様では、一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むGLP−1ペプチドはWO2011/080103 84頁24行〜95頁2行に記載されたGLP−1ペプチド、またはWO2006/097537 19頁25行〜22頁4行に記載されたGLP−1類似体である。
一態様では、一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むGLP−1ペプチドは以下:
Aib8,Arg34−GLP−1(7−37);
Aib8,22,Arg34−GLP−1(7−37);
Arg34−GLP−1(7−37);
Aib8,Arg34, Pro37−GLP−1(7−37);
Aib8,22,27,30,35,Arg34,Pro37−GLP−1(7−37)アミド;
NΣ26−[2−(2−{2−[10−(4−カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−(2−{2−[10−(4−カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]−[Aib8,Arg34,Lys37]GLP−1(7−37)−ペプチド;
NΣ26−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{(S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシフェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}, NΣ37−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{(S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシフェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチル}−[Aib8,Arg34,Lys37]GLP−1(7−37)−ペプチド;
NΣ26−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシペンタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシペンタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル][Aib8,Arg34,Lys37]GLP−1(7−37)−ペプチドアミド;
NΣ26−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(11−カルボキシウンデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(11−カルボキシウンデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル]−[Aib8,Arg34,Lys37]−GLP−1(7−37)−ペプチドアミド;
NΣ26−[2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(13−カルボキシトリデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(13−カルボキシトリデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル]−[Aib8,Arg34,Lys37]GLP−1(7−37)−ペプチドアミド;
NΣ26 (17−カルボキシヘプタデカノイル)−[Aib8,Arg34]GLP−1−(7−37)−ペプチド;
NΣ26−(19−カルボキシノナデカノイル)−[Aib8,Arg34]GLP−1−(7−37)−ペプチド;
NΣ26−[2−(2−[2−(2−[2−(2−[4−(17−カルボキシヘプタデカノイルアミノ)−4(S)−カルボキシブチリルアミノ]−エトキシ)−エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP−1−(7−37)ペプチド;および
NΣ26−[2−(2−[2−(2−[2−(2−[4−(21−カルボキシウンエイコサノイルアミノ)−4(S)−カルボキシブチリルアミノ]−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ)−エトキシ]−エトキシ)−アセチル]−[Aib8,Arg34]GLP−1−(7−37)ペプチド
からなる群より選択される。
一態様では、一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むGLP−1ペプチドは以下:
Aib8,Arg34−GLP−1(7−37);
Aib8,22,Arg34−GLP−1(7−37);
Arg34−GLP−1(7−37);
Aib8,Arg34, Pro37−GLP−1(7−37);および
Aib8,22,27,30,35,Arg34,Pro37−GLP−1(7−37)アミド
からなる群より選択される。
一態様では、一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むGLP−1ペプチドは以下:
NΣ26−[2−(2−{2−[10−(4−カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−(2−{2−[10−(4−カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]−[Aib8,Arg34,Lys37]GLP−1(7−37)−ペプチド;
NΣ26−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{(S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシフェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}, NΣ37−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{(S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシフェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチル}−[Aib8,Arg34,Lys37]GLP−1(7−37)−ペプチド;
NΣ26−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシペンタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(15−カルボキシペンタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル][Aib8,Arg34,Lys37]GLP−1(7−37)−ペプチドアミド;
NΣ26−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(11−カルボキシウンデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(11−カルボキシウンデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル]−[Aib8,Arg34,Lys37]−GLP−1(7−37)−ペプチドアミド;
NΣ26−[2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(13−カルボキシトリデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル], NΣ37−[2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(13−カルボキシトリデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル]−[Aib8,Arg34,Lys37]GLP−1(7−37)−ペプチドアミド;
NΣ26−(17−カルボキシヘプタデカノイル)−[Aib8,Arg34]GLP−1−(7−37)−ペプチド;
NΣ26−(19−カルボキシノナデカノイル)−[Aib8,Arg34]GLP−1−(7−37)−ペプチド;
NΣ26−[2−(2−[2−(2−[2−(2−[4−(17−カルボキシヘプタデカノイルアミノ)−4(S)−カルボキシブチリルアミノ]−エトキシ)−エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP−1−(7−37)ペプチド;および
NΣ26−[2−(2−[2−(2−[2−(2−[4−(21−カルボキシウンエイコサノイルアミノ)−4(S)−カルボキシブチリルアミノ]−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ)−エトキシ]−エトキシ)−アセチル]−[Aib8,Arg34]GLP−1−(7−37)ペプチド
からなる群より選択される。
ペプチドおよびタンパク質の製造は当分野でよく知られている。ペプチドまたはタンパク質は例えば伝統的なペプチド合成、例えばt−BocまたはFmoc化学を用いた固相ペプチド合成法や十分に確立された他の技術等の伝統的なペプチド合成法によって製造してもよく、例えばGreene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley & Sons, 1999、 “Organic Synthesis on solid Phase”, Florencio Zaragoza Dorwald, Wiley−VCH Verlag GmbH, D−69469 Weinheim, 2000、 “Novabiochem Catalog”, Merck Biosciences 2006/2007 および “Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis”, Edited by W.C. Chan and P.D. White, Oxford University Press, 2000, ISBN 0−19−963724−5を参照してもよい。ペプチドまたはタンパク質は、ペプチドまたはタンパク質をコードするDNA配列を含み、前記ペプチドまたはタンパク質の発現を可能にする条件下の好適な栄養培地において前記ペプチドまたはタンパク質を発現することができるホスト細胞を培養することを含む方法によって製造することもできる。非天然アミノ酸残基を含むペプチドまたはタンパク質のためには、組み換え細胞を、例えばtRNA変異体を用いることによって、前記非天然アミノ酸が前記ペプチドまたはタンパク質に取り込まれるように改変すべきである。
本明細書において用いられる「約」または「およそ」とは、プラスまたはマイナス10%や、pH値についてのプラスまたはマイナス0.2または温度についてプラスマイナス5℃のように、記載された数値の合理的な近傍を意味する。
以下は、本発明に係る実施形態の非限定的なリストである。
1.Chem.1:
〔式中、
R1はHまたはアミノ保護基であり、R2はアミノ保護基であるか;または
R1は取り外し可能なアルキル基であり、R2はHまたは取り外し可能なアルキル基であるか;または、
R1およびR2は一緒に管を形成しており;
R3はHであるか、またはカルボキシレート基と塩を形成する、二級アンモニウムカチオン、三級アンモニウムカチオン若しくは金属カチオンであり、
R4は存在しないか、または酸性塩である〕
のジペプチド。
2.アミノ保護基が、Boc、Trt、Bpoc、Fmoc、Nsc、Cbz、Alloc、oNBS、pNBS、dNBS、ivDdeおよびNpsからなる群より選択される、実施形態1のジペプチド。
3.取り外し可能なアルキル基が、以下:
ベンジルおよびtert−ブチル
からなる群より選択される、実施形態1または2のジペプチド。
4.R1およびR2が一緒になって環を形成している場合、一緒になって形成される環が、以下:
ファタルイミドおよび1,3,5−ジオキサジン
からなる群より選択される、実施形態1〜3のいずれかのジペプチド。
5.R1がHであるか、またはBoc、Trt、Bpoc、Fmoc、Nsc、Cbz、Alloc、oNBS、pNBS、dNBS、ivDdeおよびNpsからなる群より選択されるアミノ保護基であり、R2がBoc、Trt、Bpoc、Fmoc、Nsc、Cbz、Alloc、oNBS、pNBS、dNBS、ivDdeおよびNpsからなる群より選択されるアミノ保護基であるか;または
R1がベンジルおよびtert−ブチルからなる群より選択される取り外し可能なアルキル基であって、R2がHであるか、またはベンジルおよびtert−ブチルからなる群より選択される取り外し可能なアルキル基であるか;または
R1およびR2は一緒になって、ファタルイミドおよび1,3,5−ジオキサジンからなる群より選択される環を形成しており;
R3はHであるか、またはカルボキシレート基と塩を形成する、二級アンモニウムカチオン、三級アンモニウムカチオン、アルカリ金属カチオン若しくはアルカリ土類金属カチオンであり;
R4は存在しないか、またはTFAの塩、HClの塩、HBrの塩および硫酸水素塩の塩からなる群より選択される酸性塩である、実施形態1〜4のいずれか一つのジペプチド。
6.R1がHであるか、またはBoc、Trt、Bpoc、Fmoc、Nsc、Cbz、Alloc、oNBS、pNBS、dNBS、ivDdeおよびNpsからなる群より選択されるアミノ保護基であり、
R2がBoc、Trt、Bpoc、Fmoc、Nsc、Cbz、Alloc、oNBS、pNBS、dNBS、ivDdeおよびNpsからなる群より選択されるアミノ保護基である、実施形態1〜5のいずれか一つのジペプチド。
7.R1がHであり、R2がBoc、Trt、Bpoc、Fmoc、Nsc、Cbz、Alloc、oNBS、pNBS、dNBS、ivDdeおよびNpsからなる群より選択されるアミノ保護基である、実施形態1〜5のいずれか一つのジペプチド。
8.R1がHであり、R2がFmocである、実施形態1〜5のいずれか一つのジペプチド。
9.R1がBoc、Trt、Bpoc、Fmoc、Nsc、Cbz、Alloc、oNBS、pNBS、dNBS、ivDdeおよびNpsからなる群より選択されるアミノ保護基であり、
R2がBoc、Trt、Bpoc、Fmoc、Nsc、Cbz、Alloc、oNBS、pNBS、dNBS、ivDdeおよびNpsからなる群より選択されるアミノ保護基である、実施形態1〜5のいずれか一つのジペプチド。
10.R1がベンジルおよびtert−ブチルからなる群より選択される取り外し可能なアルキル基であり、
R2がHであるか、またはベンジルおよびtert−ブチルからなる群より選択される取り外し可能なアルキル基である、実施形態1〜5のいずれか一つのジペプチド。
11.R1がベンジルおよびtert−ブチルからなる群より選択される取り外し可能なアルキル基であり、
R2がHである、実施形態1〜5のいずれか一つのジペプチド。
12.R1がベンジルおよびtert−ブチルからなる群より選択される取り外し可能なアルキル基であり、
R2がベンジルおよびtert−ブチルからなる群より選択される取り外し可能なアルキル基である、実施形態1〜5のいずれか一つのジペプチド。
13.R3がHである、実施形態1〜12のいずれか一つのジペプチド。
14.R3がカルボキシレート基と塩を形成する二級アンモニウムカチオンである、実施形態1〜12のいずれか一つのジペプチド。
15.R3がカルボキシレート基と塩を形成する三級アンモニウムカチオンである、実施形態1〜12のいずれか一つのジペプチド。
16.R3がカルボキシレート基と塩を形成するアルカリ金属カチオンである、実施形態1〜12のいずれか一つのジペプチド。
17.R3がカルボキシレート基と塩を形成するアルカリ土類金属カチオンである、実施形態1〜12のいずれか一つのジペプチド。
18.R4が存在しない、実施形態1〜17のいずれか一つのジペプチド。
19.R4がTFAの塩、HClの塩、HBrの塩および硫酸水素塩の塩からなる群より選択される酸性塩である、実施形態1〜17のいずれか一つのジペプチド。
20.R1がHであり、
R2がFmocであり、
R3がHであり、および
R4が存在しないか、またはTFA、HCl、HBr若しくはHOAc等の酸性塩である、実施形態1〜19のいずれか一つのジペプチド。
21.Chem.2
〔式中、Hisはヒスチジンであり、Aibは人工アミノ酸2−アミノイソ酪酸、Fmocは保護基9−フルオレニルメチルオキシカルボニルであり、R4は存在しないかTFA、HCl、HBr、またはHOAc等の酸性塩である〕のFmoc−His−Aib−OHである、実施形態1〜3のいずれか一つのジペプチド。
22.Fmoc−His−Aib−OHのTFA塩:
Fmoc−His−Aib−OH,TFA
〔式中、Hisはヒスチジンであり、Aibは人工アミノ酸2−アミノイソ酪酸、Fmocは保護基9−フルオレニルメチルオキシカルボニルであり、TFAはトリフルオロ酢酸である〕である、実施形態1〜3のいずれか一つのジペプチド。
23.ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(PyBOP)等のホスホニウムベースのカップリング剤等の活性化剤によって活性化される、実施形態1〜22のいずれか一つのジペプチド。
24.実施形態1〜23のいずれか一つのジペプチドの製造方法。
25.実施形態1〜23のいずれか一つのジペプチドをポリペプチドまたはタンパク質と反応させる工程を含む、一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
26.当該ジペプチドが水性媒体中でポリペプチドまたはタンパク質と反応される、実施形態25の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
27.水性媒体中でジペプチドとポリペプチドまたはタンパク質を混合する工程を含む、実施形態25の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
28.ポリペプチドまたはタンパク質との反応が完了した後、当該ジペプチドのR1および/またはR2が除去される、実施形態25〜27のいずれか一つに記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
29.当該ペプチドのR1および/またはR2が塩基性条件下での脱保護工程において除去される、実施形態25〜28のいずれか一つに記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
30.当該ペプチドのR1および/またはR2が、反応媒体にピペリジンが添加される脱保護工程において除去される、実施形態25〜29のいずれか一つに記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
31.当該ペプチドのR1および/またはR2が、ポリペプチドまたはタンパク質とのアシル化反応の完了後にインサイチュで一つの化学的工程で除去される、実施形態25〜30のいずれか一つに記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
32.ポリペプチドまたはタンパク質が、N末端がFmocで保護されており、N末端がFmocで保護されたポリペプチドまたはタンパク質がインサイチュで脱保護される、実施形態25〜31のいずれか一つに記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
33.当該方法が以下の工程:
1.ホスホニウム系のカップリング剤でChem.1またはChem.2のジペプチドを活性化する工程、
2.当該活性化されたジペプチドをポリペプチドまたはタンパク質と反応させる工程、
3.インサイチュで保護基を除去する工程、
を含み、それにより、最終的なポリペプチドまたはタンパク質が得られる、実施形態25〜32のいずれか一つに記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
34.工程2において、当該活性化されたジペプチドを水性媒体中でポリペプチドまたはタンパク質と反応させる、実施形態33に記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
35.当該水性媒体が、DMF、NMP、DMAC、DMSO、アセトニトリル、ジオキサン、ブトキシ−2−エタノール、水溶性アセタールおよび水溶性アルコールからなる群より選択される一つ以上の水溶性有機溶媒を含む、実施形態26〜34のいずれか一つに記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
36.当該一つ以上の水溶性有機溶媒がNMPである、実施形態35に記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
37.その中で当該活性化されたジペプチドがポリペプチドまたはタンパク質と反応させられる前記水性媒体が、10〜100%の水を含む、実施形態26〜36のいずれか一つに記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
38.その中で当該活性化されたジペプチドがポリペプチドまたはタンパク質と反応させられる前記水性媒体が、約40%の水を含む、実施形態26〜36のいずれか一つに記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
39.前記水性媒体のpHがpH7とpH14の間である、実施形態26〜38のいずれか一つに記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
40.前記水性媒体のpHがpH8.7とpH9.4の間である、実施形態26〜38のいずれか一つに記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
41.前記水性媒体のpHがpH約9.1である、実施形態26〜38のいずれか一つに記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
42.前記水性媒体のpHがpH約9.3である、実施形態26〜38のいずれか一つに記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
43.前記水性媒体が緩衝液を含む、実施形態26〜38のいずれか一つに記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
44.一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むポリペプチドまたはタンパク質が、溶液中で得られる、実施態様25〜38のいずれか一つに記載のポリペプチドまたはタンパク質を得るための方法。
45.当該ジペプチドと反応させられるポリペプチドまたはタンパク質が、固相上に固定されている、実施態様1〜23のいずれか一つに記載のポリペプチドまたはタンパク質を得るための方法。
46.当該ジペプチドが前記ポリペプチドまたはタンパク質のα−N末端と反応させられる、実施態様1〜23のいずれか一つに記載のポリペプチドまたはタンパク質を得るための方法。
47.当該ジペプチドと反応させられるポリペプチドまたはタンパク質がGLP−1ペプチドである、実施態様1〜23のいずれか一つに記載のポリペプチドまたはタンパク質を得るための方法。
略語リスト
ADO: 8−アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸
Aib: 2−アミノイソ酪酸
Alloc: アリルオキシカルボニル
Boc: tert−ブトキシカルボニル
Bpoc: 2−(p−ビフェニルイル)−2−プロピルオキシカルボニル
Cbz: ベンジルオキシカルボニル
DCM: ジクロロメタン
DIC: N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA: N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DME: ジメチルエーテル
dNBS: 2,4−ジニトロベンゼンスルホニル
EtOH: エタノール
Fmoc: 9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
HBr: 臭化水素酸
HCl: 塩酸
His: ヒスチジン
HOAc: 酢酸
HOBt: ヒドロキシベンゾトリアゾール
ivDde: 1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロ−ヘキシリデン)−3−メチルブチル
Lys: リジン
MeCN: アセトニトリル
Mtt: 4−メチルトリチル
NMP: N−メチル−2−ピロリドン
Nps: o−またはp−ニトロフェニルスルフェニル
Nsc: 2−(4−ニトロフェニル)スルホニルエトキシカルボニル
oNBS: o−ニトロベンゼンスルホニル
OtBu: tert−ブトキシ
pNBS: p−ニトロベンゼンスルホニル
PyBOP: (ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスファート
TBME: tert−ブチル メチル エーテル
TBTU: o−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート
TEA: トリメチルアミン
TFA: トリフルオロ酢酸
TIPS: トリイソプロピルシラン
Trt: トリフェニルメチル
実施例1:2−[(S)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−3−(1H−イミダゾ−ル−4−イル)−プロパノイルアミノ]−2−メチル−プロピオン酸 トリフルオロアセテート (別名:Fmoc−His−Aib−OH, TFA)
Fmoc−His(Trt)−Aib−OH(1moleq.、開始材料)をDCM(1.5mL/g)に懸濁し、TIPS(1.7 moleq.)を添加した。冷却した(0〜10℃)TFA(3mL/g)を添加し、混合物を周囲温度で反応が完了する(高速液体クロマトグラフィ(HPLC)換算)まで攪拌した。DME(1mL/g 開始材料)およびTBME(11mL/g 開始材料)を加熱に先立って添加した。温度をゆっくりと室温(rt)に戻すと白色個体の沈澱を生じた。混合物をさらに3時間攪拌し、フィルターにかけた。沈殿をTBME(3mL/g 開始材料)で二度洗浄し、真空下で一晩乾燥させ、90%の収率で脱トリチル化されたジペプチドをTFA塩として得た。
冷凍(<−15℃±5℃)、冷蔵(5℃±3℃)および室温(20℃±3℃)における安定性の研究では、24か月を超える安定性を示した。
NMRデータ:
実施例2:NΣ26 [(S)−(22,40−ジカルボキシ−10,19,24−トリオキソ−3,6,12,15−テトラオキサ−9,18,23−トリアザテトラコンタン−1−オイル)] [Aib8, Arg34]GLP−1−(7−37) ペプチド (別名: Nε26 [2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル][Aib8, Arg34]GLP−1−(7−37) ペプチド)
工程1
ジペプチドFmoc−His−Aib−OH,TFA(混合物1)のインサイチュ活性化

Fmoc−His−Aib−OH,TFA(4 moleq.)およびHOBt*H2O(4 moleq.)の混合物にNMP(ジペプチド 4.7 ml/g)を周囲温度で添加した。アイスバスを用いて溶液の温度を周囲温度に維持したまま、攪拌された溶液にTEAをpHが8になるまで添加した。NMP(2.4 mL/g ジペプチド)中のPyBOP(3.9 moleq.)の溶液を、周囲温度でジペプチドを含む溶液に添加した。反応混合物のpHをTEAを用いて8に調整した。混合物IIに添加する前に、混合物を周囲温度で20分間攪拌した。
ペプチドの調製(NΣ26 [(S)−(22,40−ジカルボキシ−10,19,24−トリオキソ−3,6,12,15−テトラオキサ−9,18,23−トリアザテトラコンタン−1−オイル)] [Arg34]GLP−1−(9−37) ペプチド (別名:アシル化のための Nε26 [2−(2−{2−[2−(2−{2−[(S)−4−カルボキシ−4−(17−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]− エトキシ}−エトキシ)−アセチル][Arg34]GLP−1−(9−37) ペプチド (混合物 II):
NΣ26 [(S)−(22,40−ジカルボキシ−10,19,24−トリオキソ−3,6,12,15−テトラオキサ−9,18,23−トリアザテトラコンタン−1−オイル)] [Arg34]GLP−1−(9−37)を、NMP中の40%(w/w)H2O中に懸濁した(37g ペプチド/L 溶媒混合物)。冷却した懸濁液にTEAをpH9.3になるまで添加した。
工程2
N ε26 [(S)−(22,40−ジカルボキシ−10,19,24−トリオキソ−3,6,12,15−テトラオキサ−9,18,23−トリアザテトラコンタン−1−オイル)] [Arg 34 ]GLP−1−(9−37) ペプチドの、ペプチドのアシル化 (混合物III)
周囲温度で混合物IIに混合物Iを滴下して添加した。添加の後、TEAでpHをpH9.3(pHメーター)に再調整した。混合物は最適の転換(HPLCで測定)になるまで攪拌した。
工程3
保護基(Fmoc)の除去
混合物IIIにピペリジン(20 moleq./ジペプチド)を添加し、混合物を室温で40分間攪拌した。

Orbitrap m/z 1028,7(4+) 1371,4(3+)
実施例3:Nε26,Nε37−bis[(S)−(22−カルボキシ−33−(4−カルボキシフェノキシ)−10,19,24−トリオキソ−3,6,12,15−テトラオキサ−9,18,23−トリアザトリトリアコンタン−1−オイル)][Aib8,Arg34,Lys37]GLP−1−(7−37) ペプチド (別名: NΣ26−[2−[2−[2−[[2−[2−[2−[[(4S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ] エトキシ]アセチル]アミノ] エトキシ] エトキシ]アセチル]−, NΣ37−[2−[2−[2−[[2−[2−[2−[[(4S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ] エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]−[Aib8, Arg34, Lys37]−GLP−1−(7−37)−ペプチド)
工程1
側鎖のアシル化
イソプロシピテートした(isoprecipitated)ペレット(15g、ペプチド含量約13%w/w、純度〜93%)としての[Arg34, Lys37]−GLP−1−(9−37)−ペプチドを水(50mL)中に懸濁し、NaOH(aq)(1M;1150μL)を添加してペプチドを溶解した。結果物の溶液(57mL)を150mLの滴定装置付きの反応チャンバーに移した。溶液のpHを測ると10.6だった。pHは希釈NaOH(0.5M、0.67mL)で滴定装置で11.3に調整し、体積を水で60mLにして最終ペプチド濃度を約33mg/mL
にした。[Arg34, Lys37]−GLP−1−(9−37)−ペプチドの標準曲線に対して溶液をアッセイして、補正ペプチド含量1.71gを得た。1.71gのペプチドを用いて溶液の補正濃度28.5mg/mLを得た。83%活性エステルとして側鎖が活性化された2,5−ジオキソピロリジン−1−イルオキシ (S)−(22−カルボキシ−33−(4−カルボキシフェノキシ)−10,19,24−トリオキソ−3,6,12,15−テトラオキサ−9,18,23−トリアザトリトリアコンタナート(別名: (4−[9−((S)−1−カルボキシ−3−{2−[2−({2−[2−(2−ヒドロキシ−5−オキソ−ピロリジン−1−イルオキシカルボニルメトキシ)−エトキシ]−エチルカルバモイル}−メトキシ)− エトキシ]−エチルカルバモイル}−プロピルカルバモイル)−ノニルオキシ]−安息香酸)1.73g 3.3eq)をNMP(4.8mL)に溶解して5.2mLの溶液(0.63eq/mL)を得た。シリンジポンプから一定の速度でNaOH溶液(aq)(0.5M)を滴定装置で制御して添加することによってpHを11.3に一定に保ちながら、側鎖のNMP溶液を添加した。1時間10分かけて3.90mL(2.4eq)の側鎖を添加した(〜2eq/h)。超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)解析により、アシル化はほぼ完了したことを示し、側鎖の添加は合計2.8eq(4.43mL)まで継続した。添加の間、0.5NのNaOH(aq)の合計(16.71mL;8.4mmol)を滴定装置で添加した。
工程2:イソプロシピテーション
反応混合物を水で50mLの4つの遠心分離バイアル(それぞれ22mL)に移し、それぞれのpHを濃酢酸を添加して4.8に調整して白色沈殿を得た。EtOH(約10%v/vを合計2.2mL)を添加した。沈殿を遠心分離して次の工程で更なる精製なしに用いた。
工程3:ジペプチドのライゲーション
イソプレシピテートをNMP(48mL;ペプチド50mg/mL)に懸濁し、DIPEA(656μL)を添加した。得られた溶液のpHを測定すると、900μLの水で希釈された100μLの試料のpH=9.6であった。スラリーの水分含量はカール・フィッシャー滴定で1.4%と測定された。水(9.2mL)を添加して水分含量を約20%にした。
Fmoc−His−Aib−OH.TFA(1058mg、3.5eq)をHОBt(248mg、3.5 eq)、PyBOP(907mg、3.325 eq)およびNMP中のトリエチルアミン(545μL)で活性化した。湿式pHスティックで測定したpHは4〜5だった。混合物をペプチド溶液に添加し、トリエチルアミンでpHをpH9.3に調整した(反応混合物(100μL)を水(900μL)に添加した試料を測定することによって)。1時間後、UPLCにより、ほぼ完全に所望の産物に変換されたことが示された。
工程4:Fmocの脱保護
ライゲーション工程からの反応混合物にピペリジン(3.35mL、(5%v/v))を添加し、混合物を25分間攪拌し、その後、UPLC解析により、完全に産物に変換されたことが示された。水を添加して1:1のNMP−水溶液を得て、酢酸でpHを8.5に調整し、産物を標準のクロマトグラフィーで精製した。
分析:
RP−UPLC: BEH C18, 150*1mm@45oC および 0,1ml/min; 勾配 30 から 60% MeCN中の0.04%TFA (溶離液B) 30分、その後 90% Bまで, 合計ランタイム38分。 UV@215nm, 5Hz
Synapt 高精度質量分析計(High Definition Mass Spectrometry (HDMS)): positive ES−MS mode from m/z 200−2500 (1Hz). V(cap): 3kV; V(cone): 28V; 脱溶媒ガス 250oC@750l/h; コーン ガス 50l/h@110oC
Rt = 15.18 分
Exact mass: 4885,4477 Da; Found: M/4: 1222.35; M/3: 1629.45
実施例4:Nε26[(S)−(22−カルボキシ−33−(4−カルボキシフェノキシ)−10,19,24−トリオキソ−3,6,12,15−テトラオキサ−9,18,23−トリアザトリトリアコンタン−1−オイル)][Aib8,Arg34,Lys37]GLP−1−(7−37) ペプチド (別名:NΣ26−[2−[2−[2−[[2−[2−[2−[[(4S)−4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]−[Aib8, Arg34, Lys37]−GLP−1−(7−37)−ペプチド)の調製:

固相ペプチド合成を用いたペプチドの合成:
Fmoc−Lys(Boc)−Wang−LL (eq. 0.24 mmol/g)樹脂1.04gに段階的に、4moleq.の標準Fmoc/OtBuプロトコルで保護されたアミノ酸またはSer−SerシュードプロリンまたはFmoc−L−Lys(Mtt)−OHを添加した。カートリッジ中の活性化アミノ酸(4moleq.)を4moleqのDICおよび4moleq.のNMP中のHOBtと7分間反応させた。結果物のペプチドを樹脂と一緒に反応べセルに移し、30分間反応させた。DIPEA(4moleq.)を添加し、反応を30分間継続した。樹脂をNMPの流れで洗浄し、続いて20%ピペリジン(10mL、20分)で脱保護した。樹脂を再度NMPの流れで洗浄した。
MTT脱保護
前記樹脂をDCM中で洗浄した。1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(10mLで10分間)を添加し、樹脂を排出した。該脱保護手順の全体を4回繰り返した。樹脂をDCMで、次にNMPで洗浄した。
(S)−22−(tert−ブトキシカルボニル)−33−(4−(tert−ブトキシカルボニル)フェノキシ)−10,19,24−トリオキソ−3,6,12,15−テトラオキサ−9,18,23−トリアザトリトリアコンタン−1−オイック酸の混合物に、HOBt(4moleq.)およびNMP(10 ml)中のDIPEA(4moleq.)を添加し、TBTU(3.8moleq.)を固体で添加し、前記樹脂に添加する前に混合物を15分間振とうした。2時間後、前記樹脂を排出し、NMPおよびDCMの流れで洗浄した。
ペプチジル樹脂をNMP(10mL)中で10分間、周囲温度で膨張させた。べセルを排出した。NMP(20mL)中の20体積%のピペリジンを樹脂に添加した。混合物を周囲温度で20分間膨張させた。前記ジペプチドFmoc−L−His−Aib−OH.TFA(580mg)およびHOBt.HO(153mg)を20mLバイアルの中に置いた。NMP(4mL)を添加した。混合物にTEA(650μL)を、pH8(pHスティック)になるまで添加した。反応混合物にNMP(4mL)中のPyBOP(500mg)溶液を添加した。反応混合物に再度TEA(200μL)を、pH8(pHスティック)になるまで添加した。混合物を周囲温度で35分間攪拌した。べセルを排出した。NMP(20mL)中の20体積%のピペリジンを再度樹脂に添加した(二重脱保護)。混合物を周囲温度で20分間膨張させ、樹脂を排出した。前記樹脂をNMP(50mL)、DCM(50mL)、および3回のNMP(50mL)の流れで洗浄した。最後に、樹脂をDCMの流れで洗浄し、排出した。ペプチドを、TFA,H2OおよびTIPS(95%、2.5%、2.5%)の混合物で3時間で樹脂から切り離した。結果物の切り離されたペプチドはジエチルエーテル中で沈殿させ、フィルターで分離した。
TOF MS ES+: m/z, 実測値 m/4 (1045.54), 計算値 m/4 (1045.5)
本発明の特定の特徴について図示し説明したが、多くの修正、置換、変更、および均等物が当業者に思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲内に入るようなすべての修正および変更を包含するものと理解されたい。

Claims (14)

  1. Chem.1:
    〔式中、
    は、Hまたはアミノ保護基であり、 は、アミノ保護基であるか;または
    は、取り外し可能なアルキル基であり、 はHまたは取り外し可能なアルキル基であり;
    は、Hであり;および
    は存在しないか、または酸性塩である。〕
    のジペプチド。
  2. アミノ保護基が、Boc、Trt、Bpoc、Fmoc、Nsc、Cbz、Alloc、oNBS、pNBS、dNBS、ivDdeおよびNpsからなる群より選択される、請求項1に記載のジペプチド。
  3. 取り外し可能なアルキル基が、以下:
    ベンジルおよびtert−ブチル
    からなる群より選択される、請求項1または2に記載のジペプチド。
  4. がHであるか、またはBoc、Trt、Bpoc、Fmoc、Nsc、Cbz、Alloc、oNBS、pNBS、dNBS、ivDdeおよびNpsからなる群より選択されるアミノ保護基であり、 がBoc、Trt、Bpoc、Fmoc、Nsc、Cbz、Alloc、oNBS、pNBS、dNBS、ivDdeおよびNpsからなる群より選択されるアミノ保護基であるか;または
    がベンジルおよびtert−ブチルからなる群より選択される取り外し可能なアルキル基であって、 がHであるか、またはベンジルおよびtert−ブチルからなる群より選択される取り外し可能なアルキル基であり;
    はHであり;
    は存在しないか、またはTFAの塩、HClの塩、HBrの塩および硫酸水素塩の塩からなる群より選択される酸性塩である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のジペプチド。
  5. が存在しない、請求項1〜4のいずれか一項に記載のジペプチド。
  6. がTFAの塩、HClの塩、HBrの塩および硫酸水素塩の塩からなる群より選択される酸性塩である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のジペプチド。
  7. Chem.2:
    〔式中、Hisはヒスチジンであり、Aibは人工アミノ酸2−アミノイソ酪酸、Fmocは保護基9−フルオレニルメチルオキシカルボニルであり、 は存在しないかTFA、HCl、HBr、またはHOAc等の酸性塩である〕のFmoc−His−Aib−OHである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のジペプチド。
  8. Fmoc−His−Aib−OHのTFA塩:
    Fmoc−His−Aib−OH,TFA
    〔式中、Hisはヒスチジンであり、Aibは人工アミノ酸2−アミノイソ酪酸、Fmocは保護基9−フルオレニルメチルオキシカルボニルであり、TFAはトリフルオロ酢酸である〕である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のジペプチド。
  9. ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(PyBOP)等のホスホニウムベースのカップリング剤等の活性化剤によって活性化される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のジペプチド。
  10. Fmoc−His(Trt)−Aib−OH
    〔式中、Fmocは保護基9−フルオレニルメチルオキシカルボニルであり、Hisはヒスチジンであり、Trtは保護基トリフェニルメチルであり、Aibは人工アミノ酸2−アミノイソ酪酸である〕を脱トリチル化する工程を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のジペプチドの製造方法。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のジペプチドをポリペプチドまたはタンパク質と反応させる工程を含む、一つ以上の非タンパク質新生アミノ酸を含むポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
  12. 当該ジペプチドの および/または が塩基性条件下での脱保護工程において除去される、請求項11に記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
  13. 水性媒体のpHがpH8.7とpH9.4の間である、請求項11または12に記載の、ポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
  14. 当該ジペプチドが前記ポリペプチドまたはタンパク質のα−N末端と反応させられる、請求項11〜13のいずれか一項に記載のポリペプチドまたはタンパク質を得る方法。
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