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JP6026793B2 - 電極用触媒及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極用触媒及びその製造方法に関する。より詳しくは、蓄電池等の技術分野に適用される電極用触媒、特に、空気電池や燃料電池における空気極(空気電極)やリチウム二次電池における正極等、これら蓄電池における電極を構成する電極材料として好適である電極用触媒及びそれを製造するのに好適な製造方法に関する。
昨今、環境問題への関心の高まりを背景に、様々な産業分野で石油等の化石燃料から電気へとエネルギー源の転換が進んでいる。それにともなって、携帯電話やノートパソコン等の電子機器だけでなく、自動車や航空機等の分野をはじめ、様々な分野で電池やキャパシタ等の蓄電装置の使用が広がりをみせている。このような背景の下、これら蓄電装置に用いられる材料について、活発に研究開発が行われている。そのような材料の1つに、蓄電装置の性能を左右する重要なものとして、各種電池の正極、負極を構成する電極材料が挙げられる。電極材料は、通常では、電極、電極活物質、電極用触媒等によって構成されることになる。
従来の電極材料としては、FeCl溶液とケッチェンブラック分散液とを混合し、熱処理して製造したγ−Fe/ケッチェンブラック複合体を電極触媒として用い、対極、参照電極としてLi金属を用いたものが開示され、これらの電極材料を用いたリチウム−空気二次電池が開示されている(非特許文献1参照)。
ところで、電極活物質を酸素とし、それが正極となる空気極において還元されて電気エネルギーが生じる空気電池や燃料電池が電気化学エネルギーデバイスの1つとして研究されている。このような空気電池や燃料電池は、補聴器等の小型電子機器等に適用することができ、エネルギー問題が大きく取り上げられる現代において、各種分野における実用化が期待される電池の1つとなっている。これら空気電池等の二次電池の技術分野においては、電池需要の拡大、化石燃料代替による適用用途の拡大にともなって、電子機器から自動車等に至る実用用途で充分な性能が発揮されるように、電池性能の更なる向上が望まれているところである。
第36回固体イオニクス討論会 予稿集(P12−13)
このように、蓄電池に関する様々な研究が行われているが、各種産業分野で求められている高い性能を満足する電池を広く提供できるには至っていないのが現状である。特に蓄電池の性能を左右する新規電極材料の開発が急務である。
そのような中、非特許文献1に記載された技術において、導電助剤に触媒が担持された複合材料が二次電池電極材料として機能し、電池性能を向上し得ることが見いだされた。当該複合材料は、導電助剤に触媒が担持した電極用触媒として好適に使用することができるものである。この技術においては、γ−Feの調製と同時に導電助剤としてケッチェンブラック(KB)を混合し、熱処理(焼成)してγ−Fe/KB複合体が調製されている。この複合体を電極材料とすると、ケッチェンブラックが電極において導電助剤として作用することになり、また、金属酸化物であるFeが電極における反応に対して触媒作用を発揮することになる。そして、この複合体を空気電池の電極触媒として用いると、カーボンブラックのみでは進行しなかった繰り返し充放電が可能となることが確認されている。
しかしながら、様々な電池用途において、充分な性能を発揮できる電池の実現に向け、各種材料の開発が求められており、電極用触媒にも更に活性を向上することが望まれている。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、蓄電池等の技術分野に適用される電極用触媒、特に、空気電池や燃料電池における空気極(空気電極)等の蓄電池における電極を構成する電極用触媒として高活性であり、電極材料として好適である電極用触媒、及び、そのような電極用触媒を製造するのに好適な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、電池の電極材料等として優れた性能を発揮することができる材料について種々検討したところ、電極用触媒としての活性を更に高めることはできないか検討を進めた。そのような中、少なくとも2種の元素を含有し、周期律表における特定の族に属する遷移金属元素と、それとは異なる特定の族に属する元素とを必須とする触媒組成物とすることにより、該触媒組成物が蓄電池等における電極反応、特に空気極等の正極における還元反応に高い活性を示すことを見いだしたものである。
上記触媒組成物は、蓄電池等の技術分野に好適であり、特に、空気電池や燃料電池における空気極における正極等、これら蓄電池における電極を構成する電極用触媒として新規なものであり、電極において優れた触媒活性を発揮することになる。
また、電極用触媒の製造方法としては、複数の原料化合物を混合し、不活性ガス雰囲気下で焼成処理する工程を含む方法が好適であることも見いだしたものである。これにより、触媒となる金属及び/又は半金属成分の昇華を防ぎ、優れた触媒活性を示す電極用触媒を効率よく製造することが可能となる。
このような電極用触媒、その製造方法によって、上記課題を見事に解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、少なくとも2種の元素を含有する電極用触媒であって、該少なくとも2種の元素を第1の元素及び第2の元素とすると、該第1の元素は、第7〜11族に属する元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素であり、該第2の元素は、第4〜6及び13〜17族に属する元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である電極用触媒である。
本発明はまた、上記電極用触媒を製造する方法であって、該製造方法は、複数の原料化合物を混合し、不活性ガス雰囲気下で焼成処理する工程を含む電極用触媒の製造方法でもある。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の電極用触媒は、少なくとも2種の元素として、周期律表における第7〜11族に属する元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素(第1の元素)と、周期律表における第4〜6及び13〜17族に属する元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(第2の元素)との組み合わせを必須とする。
上記第7〜11族に属する遷移金属元素(第1の元素)としては、例えば、第4周期元素がMn、Fe、Co、Ni、Cu、第5周期元素がRu、Rh、Pd、Ag、第6周期元素がRe、Os、Ir、Pt、Auである。
上記第4〜6族に属する元素(第2の元素)としては、例えば、第4周期元素がTi、V、Cr、第5周期元素がZr、Nb、Mo、第6周期元素がHf、Ta、Wである。
上記第13〜17族に属する元素(第2の元素)としては、例えば、第2周期元素がB、F、第3周期元素がAl、Si、P、S、第4周期元素がGa、Ge、Se、第5周期元素がIn、Sn、Sb、Te、第6周期元素がTl、Pb、Biである。
なお、上記族番号は、旧族番号で表すと、第4〜6族が第4A族(IVA)、第5A族(VA)、第6A族(VIA)となり、第7〜11族が第7A族(VIIA)、第8族(VIII)、第1B族(IB)となり、第13〜17族が第3B族(IIIB)、第4B族(IVB)、第5B族(VB)、第6B族(VIB)、第7B族(VIIB)となる。
本発明においては、第1の元素及び第2の元素の触媒作用等が相まって、電極用触媒としての作用効果を奏することになる。
上記第1の元素は、いずれの元素を選択しても、同族元素は同様の化学特性をもつことから、その効果に差異はあるが同様の触媒作用を発揮するといえる。族番号が違うものであっても、族番号が近接すること、また、すべて遷移金属元素としての特性を有することから、後述する実施例において電極用触媒としての作用が証明された実施形態以外の形態であっても、その効果に差異はあるが同様の触媒作用を発揮するといえる。
また上記第2の元素についても、いずれの元素を選択しても、同族元素は同様の化学特性をもつことから、その効果に差異はあるが同様の触媒作用を発揮するといえる。族番号が違うものであっても、族番号が近接することから、後述する実施例において電極用触媒としての作用が証明された実施形態以外の形態であっても、その効果に差異はあるが同様の触媒作用を発揮するといえる。なお、金属元素と半金属元素は、金属元素としての共通の特性をもつことになる。
本発明の電極用触媒を構成する必須元素は、上述した第1の元素、第2の元素の中から適宜選択し、組み合わせればよいが、好ましい形態としては、次のようである。
上記第1の元素は、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Ag、Re、Os、Ir、Pt及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、上記第2の元素は、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、B、F、Al、Si、P、S、Ga、Ge、Se、In、Sn、Sb、Te、Tl、Pb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記第1の元素及び第2の元素の好ましい形態においては、元素として触媒活性が高いものが選択されている。なお、第1の元素の好ましい形態においては、Co、Mn、Cu、Fe、Niが第4周期元素としての共通の触媒特性をもち、また、Ag、Ru、Rh、Pdは周期が1つだけ異なる第5周期元素であり、また、Re、Os、Ir、Pt、Auは周期が2つだけ異なる第6周期元素であり、近似した触媒特性をもつこととなる。
これら第1の元素及び第2の元素の好ましい形態は、当該元素を含む原料化合物の入手が容易であり、また、後述する合金や酸化物としやすいため、電極用触媒を調製するのに有利となる。
上記第1の元素のより好ましい形態は、Ag、Co、Mn、Cu、Ru、Ni、Pd及びPtからなる群より選ばれる少なくとも1種である。上記第2の元素のより好ましい形態は、V、Al、Si、Sn、Sb及びBiから選ばれる少なくとも1種である。
これらの形態により、触媒活性をより高くすることができ、また、後述する合金や酸化物とするのに有利となる。
上記元素の選択において最も好ましい形態は、第2の元素をSb、Si及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種とすることである。Sb、Si及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種を必須とする本発明の触媒においては、例えば、Snを必須とする本発明のSn系触媒やその他の本発明の触媒と比較して、触媒活性を高めることができ、還元電流開始電圧や触媒寿命等の特性をより有利なものとすることができる。この形態においては、第1の元素が第7〜11族に属する元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素であり、かつ、第2の元素がSb、Si及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種である形態;第1の元素がAg、Co、Mn、Cu、Ru、Ni、Pd及びPtからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、かつ、第2の元素がSb、Si及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種である形態が挙げられる。
なお、第2の元素をSb、Si及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種とする形態においては、第2の元素としてSb、Si及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種を必須とすればよいが、第2の元素において、Sb、Si及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種が主体的構成成分(主成分)となり、また、実質的にSb、Si及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種のみにより構成されることが好ましい。
上記少なくとも2種の元素の組み合わせにおける各元素の割合としては、第4〜6及び13〜17族に属する金属元素又は半金属元素(第2の元素)のモル比を1とすれば、第7〜11族に属する遷移金属元素(第1の元素)のモル比が0.1〜10であることが好ましい。このような割合とすることにより、例えば、後述するような第1の元素と第2の元素とによって構成される合金や酸化物を調製することができる。
上記第7〜11族に属する遷移金属元素(第1の元素)のモル比としては、より好ましくは、0.2〜5であり、更に好ましくは、1〜3である。
本発明の電極用触媒は、合金の場合は、上述した少なくとも2種の元素を必須元素として構成される限り、他の元素や他の成分を含んでいてもよい。通常では、上記必須元素が主体的構成成分(主成分)となり、また、実質的に上記必須元素のみにより構成されることになる。また、少なくとも2種の元素と他の元素とによって化合物が構成される場合、少なくとも2種の元素を有する化合物が主体的構成成分(主成分)となり、また、実質的に該化合物のみにより構成されることになる。電極用触媒が酸化物の場合は、上記2種の元素を必須元素とし更に酸素元素から構成される以外は、上記合金の場合と同様である。
また本発明の電極用触媒の形態としては、電極用触媒としての作用を発揮し得る限り、第1の元素と第2の元素とが混合された形態、複合された形態等、いずれの形態であってもよい。中でも、第1の元素と第2の元素との相互作用によって触媒活性を向上させるためには、第1の元素と第2の元素とが複合された形態であることが好ましい。
上記複合された形態としては、第1の元素と第2の元素とから形成された合金である形態、及び/又は、第1の元素及び第2の元素を含む酸化物である形態が好適である。
上記合金においては、下記一般式(1)により表されるものであることが好ましい。
XpYq (1)
式中、Xは、上述した第1の元素を表し、Yは、上述した第2の元素を表す。p、qは、それぞれの元素数を表し、qを1とすれば、pが0.1〜10であることが好ましい。より好ましくは、pが0.2〜5であり、更に好ましくは、pが1〜3である。
上記酸化物においては、下記一般式(2)により表されるものであることが好ましい。
XpYqOr (2)
式中、X、Y、p、qは、上記一般式(1)と同様である。rは、酸素原子(O)の数であり、第1の元素及び第2の元素の価数により決まることになる。
上記一般式において、最も好ましい形態は、第2の元素としてSb、Si及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種が選択された、下記一般式(3)、(5)及び(7)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。qが1であれば、下記一般式(4)、(6)、(8)のように表記できる。
XpSbq (3)
XpSb (4)
XpSiq (5)
XpSi (6)
XpVq (7)
XpV (8)
式中、X、p、qは、上記一般式(1)と同様である。
上記電極用触媒のより好ましい形態としては、第1の元素及び第2の元素を含む合金及び/又は酸化物を含有することが好ましい。すなわち、上述した合金及び/又は酸化物の形態であることが好ましい。
なお、第1の元素及び第2の元素からなる合金においては、第1の元素及び第2の元素を必須として構成される限り、他の元素を含んでいてもよいが、該必須元素が主体的構成成分(主成分)となり、また、実質的に該必須元素のみにより構成されることが好ましい。また、第1の元素及び第2の元素を含む酸化物においても、第1の元素及び第2の元素を必須とし更に酸素元素から構成される以外は、上記合金の場合と同様である。
上記合金及び酸化物においては、第1の元素及び/又は第2の元素による結晶構造を有するものであることが好ましい。結晶構造を有することにより、触媒成分となり得る複数の元素によって構成される触媒として、触媒活性をより高めることができる。該結晶構造は、第1の元素だけによるものであっても、第2の元素だけによるものであっても、第1の元素及び第2の元素によるものであってもよい。これらの必須元素に加えて、他の原子を有していてもよい。また、酸化物においては、上記必須元素に加えて、酸素元素も有するものである。
このような結晶構造を有するか否かは、結晶構造を解析することができるXRD(X線回析)等の通常の分析手法によって判定することができる。
上記電極用触媒はまた、導電性物質上に上記合金及び/又は酸化物を有する複合体であることが好ましい。
上記複合体は、導電性物質上に上記合金及び/又は酸化物を有することになればよく、複合状態が特に限定されるものではない。また、上記複合体においては、導電性物質の一部でも複合、被覆された複合体となっていればよい。好ましくは、導電性物質における表面の主体的部分が上記のように複合、被覆された形態となっていることである。
上記合金及び/又は酸化物を有する複合体における「複合」とは、2種以上の物質において、(1)それらがそれぞれ単体で混在している混合状態、(2)分子間力等により近接又は接触した状態、(3)共有結合等により結合した状態のいずれかの状態であることを意味する。該(2)及び(3)の状態においては、2種以上の物質どうしが吸着又は結合して複合体を形成しているともいえる。少なくとも、2種以上の物質が近接及び/又は接触して分散した状態にあること、例えば、nmのオーダーで近接及び/又は接触して存在し、分散した状態にあること、また、共有結合等により結合した状態にあることが好ましい。
なお、導電性物質上に上記合金及び/又は酸化物を有するとは、導電性物質と上記合金及び/又は酸化物とが上記のように近接、接触又は結合して存在していればよく、導電性物質の表面だけではなく、導電性物質中に上記合金及び/又は酸化物を有していてもよい。
上記導電性物質は、電極材料となり得る導電性を有する物質、電極材料における導電助剤となり得る物質であることが好ましく、具体的には、炭素材料からなることが好ましい。
上記炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック類等が好適である。これらは、1種又は2種以上を用いてもよい。
なお、導電性物質における導電特性は、上記カーボンブラックがもつような導電特性であればよい。
上記複合体において、導電性物質及び上記合金と酸化物の質量割合としては、これらの成分の合計を100質量%とすると、(導電性物質の質量%)/(合金と酸化物の合計質量%)=10〜90/90〜10であることが好ましい。このような範囲内で設定することにより、例えば、導電性物質の導電助剤としての作用、導電性物質と上記合金・酸化物との相互作用、上記合金・酸化物の触媒活性が適切にバランスされ、電極用触媒としての性能を充分に高めることができる。より好ましくは、(導電性物質の質量%)/(上記合金と酸化物の合計質量%)=30〜80/70〜20であり、更に好ましくは、60〜70/40〜30である。
本発明の電極用触媒は、蓄電池等の電極材料、特に、空気電池や燃料電池における正極としての空気極(空気電極)等を構成する電極材料として好適である。電極材料とは、電極活物質、電極用触媒、導電助剤、電極そのものを構成する材料を総称したものである。
中でも、上記電極用触媒は、空気電極用触媒として用いられることが好適である。この場合、例えば、上記複合体として用いられる形態では、実質的には、電極用触媒及び/又は導電助剤として用いられることになる。また、上記空気極において用いられる場合は、空気電極用触媒として、また、空気電極用導電助剤として用いることが好適である。
上記電極材料、電池の構成等については、詳細を後述する。
次に、本発明の電極用触媒の好ましい製造方法について説明する。
上記電極用触媒を製造する方法であって、該製造方法は、複数の原料化合物を混合し、不活性ガス雰囲気下で焼成処理する工程を含む電極用触媒の製造方法は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
上記製造方法において、複数の原料化合物としては、第1の元素として第7〜11族に属する元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素を有する化合物(以下、第1の元素含有化合物ともいう)と、第2の元素として第4〜6及び13〜17族に属する元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素又は半金属元素を有する化合物(以下、第2の元素含有化合物ともいう)とを必須とすることが好ましい。
上記製造方法においても、上述した本発明の電極用触媒における好ましい形態をすべて適用することができる。すなわち、上記製造方法の好ましい形態としては、下記(1)〜(5)のようなものを挙げることができる。
(1)第1の元素含有化合物は、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Ag、Re、Os、Ir、Pt及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種を有し、上記第2の元素含有化合物は、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、B、F、Al、Si、P、S、Ga、Ge、Se、In、Sn、Sb、Te、Tl、Pb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を有する形態。
(2)上記第1の元素含有化合物は、Ag、Co、Mn、Cu、Ru、Ni、Pd及びPtからなる群より選ばれる少なくとも1種を有する形態。
(3)上記第2の元素含有化合物は、Sb、Si及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種を有する形態。
(4)上記製造方法によって調製される電極用触媒は、第1の元素及び第2の元素からなる合金及び/又は酸化物を含有する形態。
(5)上記製造方法によって調製される電極用触媒は、空気電極用触媒として用いられる形態。
中でも、上記製造方法において、特に好ましい形態は、複数の原料化合物がアンチモン含有化合物、ケイ素含有化合物及びバナジウム含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を必須とする形態であり、特にV含有化合物がスピネル型構造を持つ形態が好ましい。
上記複数の原料化合物において、第1の元素含有化合物としては、第1の元素を有する酸化物又は遷移金属塩であることが好ましい。該遷移金属塩としては、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、塩化物、水酸化物等であって、塩を構成する金属元素が第1の元素を必須とする化合物が好適である。例えば、酸化物として、酸化銀、酸化コバル、酸化マンガン、酸化銅、酸化レニウム、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、酸化パラジウム、遷移金属塩として、炭酸銀、炭酸コバルト、炭酸マンガン、硝酸銀、硝酸コバルト、硝酸マンガン、硝酸銅、硝酸レニウム、硝酸鉄、硝酸ルテニウム、硝酸ロジウム、硝酸イリジウム、硝酸ニッケル、硝酸パラジウム、硫酸銀、硫酸コバルト、硫酸マンガン、硫酸銅、硫酸酸鉄、硫酸ルテニウム、硫酸ロジウム、硫酸イリジウム、硫酸ニッケル、硫酸パラジウム、リン酸銀、リン酸コバルト、リン酸マンガン、リン酸銅、リン酸鉄、リン酸ルテニウム、リン酸ニッケル、酢酸銀、酢酸コバルト、酢酸酸マンガン、酢酸酸銅、酢酸酸レニウム、酢酸鉄、酢酸ルテニウム、酢酸ロジウム、酢酸イリジウム、酢酸酸ニッケル、酢酸パラジウム、クエン酸銀、クエン酸コバルト、クエン酸マンガン、クエン酸銅、クエン酸鉄、クエン酸ルテニウム、クエン酸ニッケル、クエン酸パラジウム、クエン酸白金、シュウ酸銀、シュウ酸コバルト、シュウ酸マンガン、シュウ酸銅、シュウ酸鉄、シュウ酸ルテニウム、シュウ酸ニッケル、シュウ酸パラジウム、シュウ酸白金、水酸化銀、水酸化コバルト、水酸化マンガン、水酸化銅、水酸化レニウム、水酸化鉄、水酸化ルテニウム、水酸化ロジウム、水酸化イリジウム、水酸化ニッケル、水酸化パラジウム、水酸化白金、ハロゲン化銀、ハロゲン化コバルト、ハロゲン化マンガン、ハロゲン化銅、ハロゲン化レニウム、ハロゲン化鉄、ハロゲン化ルテニウム、ハロゲン化ロジウム、ハロゲン化イリジウム、ハロゲン化ニッケル、ハロゲン化パラジウム、ハロゲン化白金、ハロゲン化金、ハロゲン化白金酸及びそのアルカリ金属塩、ハロゲン化金酸及びそのアルカリ金属塩等が挙げられる。
また、第2の元素含有化合物としては、第2の元素からなる単体、又は、第2の元素を有する酸化物、又は、第2の元素を有する塩であることが好ましい。該塩としては、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、塩化物、水酸化物等であって、塩を構成する金属元素が第2の元素を必須とする化合物が好適である。
上記第1の元素含有化合物、上記第2の元素含有化合物は、それぞれ1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記第1の元素含有化合物及び上記第2の元素含有化合物の質量割合としては、電極用触媒における第1の元素と第2の元素とのモル比が上述した範囲となるように調整すればよい。
上記製造方法はまた、上記複合体を製造する場合に好適に適用されるものである。すなわち、上記製造方法は、電極用触媒として導電性物質上に上記合金及び/又は酸化物を有する複合体を製造する方法として好適である。この場合、上記複数の原料化合物は、導電性物質を含有することが好ましい。
この場合、上記第1の元素含有化合物、上記第2の元素含有化合物及び導電性物質の質量割合としては、電極用触媒における第1の元素と第2の元素とのモル比が上述した範囲となり、かつ、導電性物質及び上記合金と酸化物の合計質量割合が上述した範囲となるように調整すればよい。
上記複数の原料化合物を混合するには、ミキサー、ブレンダー、ニーダー、ビーズミル、ボールミル等を使用することができる。混合時間等の混合条件は、原料化合物の種類や質量割合等によって適宜調整すればよい。
上記複数の原料化合物を混合した後、乾燥することが好ましい。乾燥条件としては、例えば50〜100℃とすることが好適である。雰囲気としては、空気中で行うことができるが、エバポレータ等を用いて減圧条件下で乾燥することが好ましい。
上記複数の原料化合物を混合することによって、電極用触媒の前駆体を調製することができる。特に、上記合金・酸化物及び/又は複合体の形態とする場合は、該前駆体を不活性ガス雰囲気下で焼成処理することにより、上記合金・酸化物及び/又は複合体としての電極用触媒を調製することができる。
上記不活性ガス雰囲気下で焼成処理する工程においては、例えば、温度を250℃以上とすることが好ましく、300〜1500℃の範囲で調整することがより好ましい。また、上記焼成処理の時間としては、例えば、0.5時間以上とすることが好ましい。より好ましくは、1〜24時間である。250℃未満であったり、0.5時間未満であったりすると、焼成が充分ではなく、特に、上記合金・酸化物及び/又は複合体としての電極用触媒を調製する場合、合金化・酸化物化や複合化が充分に行われないおそれがある。
上記複数の原料化合物を焼成処理する工程において、上記製造方法では、焼成処理の雰囲気を不活性ガス雰囲気下とする。例えば、水素(H)を数%含む雰囲気下で焼成することもできるが、その場合、水素によって金属元素が還元され、水素化された金属元素が昇華することとなる。これに対して、不活性ガス雰囲気下で焼成処理することによって、触媒となる金属及び/又は半金属成分の昇華を防ぎ、高い触媒活性を示す電極用触媒を効率よく製造することが可能となる。
上記不活性ガス雰囲気としては、窒素(N)ガス雰囲気とすることが好ましい。この場合、金属及び/又は半金属成分の昇華が充分に防止されるように、焼成処理を行う容器内の雰囲気が充分に窒素ガスで満たされていればよい。
本発明の好ましい実施形態としては、上記電極用触媒を含む電極材料を挙げることができる。以下では、本発明の電極用触媒が空気電極用触媒として用いられる場合の空気電極材料、本発明の電極用触媒が二次電池電極用触媒として用いられる場合の電極材料について説明する。
本発明の電極用触媒が適用される電極としては、正極であることが好適である。この場合、上記電極材料としては、電池の正極を形成する材料である正極合剤となる。
上記電極材料、好ましくは正極合剤としては、本発明の電極用触媒を必須成分とし、導電助剤、有機化合物を含んで構成されることが好ましく、必要により正極活物質を含み、その他の成分を含んでいてもよい。
なお、上記空気極においては、酸素が正極活物質となり、上記電極用触媒のほか、酸素の還元や水の酸化が可能なペロブスカイト型化合物触媒等を含む空気極とすることも可能である。
上記電極材料、好ましくは正極合剤を粒子状の形態とする場合、平均粒子径が1000μm以下である粒子とすることが好ましい。
上記平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、粒度分布測定装置等により測定することができる。粒子の形状としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、鱗片状、多面体状等が挙げられる。なお、平均粒子径が上述のような粒子は、例えば、粒子をボールミル等により粉砕し、得られた粗粒子を分散剤に分散させて所望の粒子径にした後乾固する方法や、該粗粒子をふるい等にかけて粒子径を選別する方法のほか、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、所望の粒径の(ナノ)粒子を得る方法等により製造することが可能である。ここで平均粒子径とは、粒子群が径の不均一な多くの粒子から構成される場合に、その粒子群を代表させる粒子径を考えるとき、その粒子径を平均粒子径とする。粒子径は一般的な決められたルールに従って測定した粒子の長さをそのまま粒子径とするが、例えば、(i)顕微鏡観察法の場合には、1個の粒子について長軸径、短軸径、定方向径等二つ以上の長さを測定し、その平均値を粒子径とする。少なくとも100個の粒子に対して測定を行うことが好ましい。(ii)画像解析法、遮光法、コールター法の場合には、粒子の大きさとして直接に測定された量(投影面積、体積)を幾何学公式により、規則的な形状(例:円、球や立方体)の粒子に換算してその粒子径(相当径)とする。(iii)沈降法、レーザー回折散乱法の場合には、特定の粒子形状と特定の物理的な条件を仮定したとき導かれる物理学的法則(例:Mie理論)を用いて測定量を粒子径(有効径)として算出する。(iv)動的光散乱法の場合には、液体中の粒子がブラウン運動により拡散する速度(拡散係数)を計測することで粒子径を算出する。
上記電極材料から電極を形成する工程としては、次のように実施することが好ましい。
先ず、必要により水及び/又は有機溶媒を、本発明の電極用触媒、導電助剤、有機化合物、必要により正極活物質と共に混練し、ペースト状とする。次に、得られたペースト混合物をアルミ箔等の金属箔上に、できる限り膜厚が一定になるように塗工する。塗工後、0〜250℃で乾燥する。乾燥温度としてより好ましくは、15〜200℃である。乾燥は真空乾燥で行ってもよい。また、乾燥後に0.01〜20tの圧力で、ロールプレス機等によりプレスを行うことが好ましい。プレスする圧力としてより好ましくは、0.1〜15tの圧力である。
上記電極、好ましくは正極電極の膜厚は、例えば、1nm〜2000μmであることが好ましい。より好ましくは、10nm〜1500μmであり、更に好ましくは、100nm〜1000μmである。
上記電極材料の調製や電極の調製における混合、混練には、ミキサー、ブレンダー、ニーダー、ビーズミル、ボールミル等を使用することができる。混合の際、水や、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン等の有機溶剤を加えてもよい。混合した後、粒子を所望の粒子径に揃えるために、混合、混練操作の前後で上記したようにふるいにかける等の操作を行ってもよい。
上記電極材料、好ましくは正極合剤を用いて構成される蓄電池もまた、本発明の好ましい実施形態の一つである。上記蓄電池としては、正極電極、負極電極及び電解液(又は固体電解質)、好ましくは、セパレータを構成要素とするものである。なお、蓄電池は本発明の好ましい実施形態の一つであって、一次電池、充放電が可能な二次電池(蓄電池)、メカニカルチャージの利用、正極及び負極とは別の第3極の利用等、いずれの形態であってもよい。
以下では、上記電極材料において用いることができる、導電助剤、有機化合物、蓄電池において用いることができる、電解液、セパレータ等について説明する。
なお、上記導電助剤は、上記複合体において、導電性物質として用いてもよく、そのような形態は、本発明の好ましい実施形態の一つである。すなわち、上記複合体は、導電性物質として上記導電助剤を用い、該導電助剤上に本発明の電極用触媒を有するものとすることが好ましい。
上記導電助剤としては、例えば、導電性カーボンの1種又は2種以上を用いることができる。導電性カーボンとしては、黒鉛、アモルファス炭素、カーボンナノフォーム、活性炭、グラフェン、ナノグラフェン、グラフェンナノリボン、フラーレン、カーボンブラック、ファイバー状カーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維、気相成長炭素繊維等が挙げられる。これらの中でも、グラフェン、ファイバー状カーボン、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、炭素繊維、気相成長炭素繊維が好ましい。より好ましくは、グラフェン、ファイバー状カーボン、カーボンナノチューブ、アセチレンブラックである。
上記導電助剤は、正極における導電性を向上させる作用を有するものである。
上記導電助剤の配合量としては、電極材料、好ましくは正極合剤(導電助剤を含む、以下同様)を100質量%とすると、0.001〜90質量%であることが好ましい。導電助剤の配合量がこのような範囲であると、本発明の電極用触媒を含む電極材料から形成される電極がより良好な電池性能を発揮することとなる。より好ましくは、0.01〜70質量%であり、更に好ましくは、0.05〜60質量%である。
上記有機化合物としては、有機化合物の他、有機化合物塩を例示することができ、1種又は2種以上用いることができる。例えば、ポリ(メタ)アクリル酸含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸塩含有ポリマー、ポリアクリロニトリル含有ポリマー、ポリアクリルアミド含有ポリマー、ポリ塩化ビニル含有ポリマー、ポリビニルアルコール含有ポリマー、ポリエチレンオキシド含有ポリマー、ポリプロピレンオキシド含有ポリマー、ポリブテンオキシド含有ポリマー、ポリエチレン含有ポリマー、ポリプロピレン含有ポリマー、ポリブテン含有ポリマー、ポリヘキセン含有ポリマー、ポリオクテン含有ポリマー、ポリブタジエン含有ポリマー、ポリイソプレン含有ポリマー、アナルゲン、ベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、トルエン、ピペロンアルデヒド、カーボワックス、カルバゾール、セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリアセチレン含有ポリマー、ポリエチレンイミン含有ポリマー、ポリアミド含有ポリマー、ポリスチレン含有ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン含有ポリマー、ポリフッ化ビニリデン含有ポリマー、ポリペンタフルオロエチレン含有ポリマー、ポリ(無水)マレイン酸含有ポリマー、ポリマレイン酸塩含有ポリマー、ポリ(無水)イタコン酸含有ポリマー、ポリイタコン酸塩含有ポリマー、陽イオン・陰イオン交換膜等に使用されるイオン交換性重合体、環化重合体、スルホン酸塩、スルホン酸塩含有ポリマー、第四級アンモニウム塩、第四級アンモニウム塩含有ポリマー、第四級ホスホニウム塩、第四級ホスホニウム塩ポリマー等が挙げられる。
なお、上記有機化合物、有機化合物塩がポリマーの場合には、ポリマーの構成単位に該当するモノマーより、ラジカル重合、ラジカル(交互)共重合、アニオン重合、アニオン(交互)共重合、カチオン重合、カチオン(交互)共重合等により得ることができる。
上記有機化合物、有機化合物塩は、粒子同士や粒子と集電体とを結着させる結着剤として働くこともできる。上記有機化合物、有機化合物塩として好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸塩含有ポリマー、セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン含有ポリマー、ポリペンタフルオロエチレン含有ポリマー、ポリマレイン酸塩含有ポリマー、ポリイタコン酸塩含有ポリマー、イオン交換性重合体、スルホン酸塩含有ポリマー、第四級アンモニウム塩含有ポリマー、第四級ホスホニウム塩ポリマーである。
上記有機化合物、有機化合物塩の配合量、好ましくはポリマーの配合量としては、電極材料、好ましくは正極合剤を100質量%とすると、0.01〜50質量%であることが好ましい。これら有機化合物、有機化合物塩、好ましくはポリマーの配合量がこのような範囲であると、本発明の電極用触媒を含む電極材料から形成される電極が、より良好な電池性能を発揮することとなる。より好ましくは、0.01〜45質量%であり、更に好ましくは、0.1〜40質量%である。
上記電極材料は、本発明の電極用触媒、導電助剤、有機化合物、必要により配合される正極活物質以外の成分を含む場合、該成分の配合量は、電極材料、好ましくは正極合剤を100質量%とすると、0.01〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.05〜7質量%であり、更に好ましくは、0.1〜5質量%である。
上記電解液としては、蓄電池の電解液として通常用いられるものを用いることができ、特に制限されないが、例えば、有機溶剤系電解液としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、フッ素基含有カーボネート、フッ素基含有エーテル、イオン性液体、ゲル化合物含有電解液、ポリマー含有電解液等が好ましく、水系電解液としては、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ水溶液や硫酸水溶液等の酸性水溶液が挙げられる。電解液は、上記1種又は2種以上使用してもよい。無機固体電解質を使用してもよい。
上記電解液の濃度は、電解質の濃度が0.01〜15mol/Lであることが好ましい。このような濃度の電解液を用いることで、良好な電池性能を発揮することができる。より好ましくは、0.1〜12mol/Lである。電解質としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiN(SOF)、LiN(SOCF、LiN(SO、Li(BC)、LiF、LiB(CN)、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、フッ化カリウム、ホウ酸カリウム等が挙げられる。また、電解液は添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば正極や負極の保護皮膜を形成する材料や、プロピレンカーボネートを電解液に使用した場合に、プロピレンカーボネートの黒鉛への挿入を抑制する材料等が挙げられ、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、臭化エチレンカーボネート、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、クラウンエーテル類、ホウ素含有アニオンレセプター類、アルミニウム含有アニオンレセプター等が挙げられる。添加剤は、上記1種又は2種以上使用してもよい。
上記蓄電池におけるセパレータとは、正極と負極を隔離し、電解液を保持して正極と負極との間のイオン伝導性を確保する部材である。セパレータとして特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、セロファン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ビニロン、ポリ(メタ)アクリル酸等のマイクロポアを有する高分子量体やそれら共重合体、ゲル化合物、イオン交換膜性重合体やそれら共重合体、環化重合体やそれら共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸塩含有ポリマーやそれら共重合体、スルホン酸塩含有ポリマーやそれら共重合体、第四級アンモニウム塩含有ポリマーやそれら共重合体、第四級ホスホニウム塩ポリマーやそれら共重合体等が挙げられる。
本発明の電極用触媒を含む電極材料から正極を形成する場合、上記蓄電池における負極としては、黒鉛;アモルファス炭素;カーボンナノフォーム;活性炭;グラフェン;ナノグラフェン;グラフェンナノリボン;フラーレン;カーボンブラック;ファイバー状カーボン;カーボンナノチューブ;カーボンナノホーン;ケッチェンブラック;アセチレンブラック;炭素繊維;気相成長炭素繊維等の炭素材料、酸化等の表面処理を施した炭素材料、ホウ素等の元素を導入した炭素材料、Li;Mg;Ca;Al;Si;Ge;Sn;Pb;As;Sb;Bi;Ag;Au;Zn;Cd;Hg等の金属単体やこれらの金属とリチウムとの合金化合物、SiO;CoO;Li4/3Ti5/3等の酸化物、MoS;MnS等の硫化物、Li2.6Co0.4等の窒化物、NiP等のリン化合物、珪素含有化合物等が挙げられる。
上述したように、電極用触媒を少なくとも2種の元素によって構成し、該元素を特定すれば、触媒としての活性、電極における還元能力を高めることが可能となる。特に、従来においては、合金/酸化物系触媒が電極用触媒としての作用を発揮し得ることが知られていなかったが、そのような触媒が電極用触媒としての作用を発揮し得るものであることを見いだしたところにも本発明の重要な技術的意義がある。本発明の電極用触媒は、従来の金属酸化物を用いたような触媒と比較して、電池性能において更に有利な効果を発揮させることができる新規材料として有用なものである。
本発明の電極用触媒は、上述の構成よりなり、蓄電池における電極を構成する電極用触媒として高活性であり、還元電流開始電圧や還元能力において有利であるため、蓄電池等の技術分野に適用される電極用触媒、特に、空気電池や燃料電池における空気極等、これら蓄電池における電極を構成する電極材料として優れた性能を発揮させることができ好適なものである。また、本発明の電極用触媒の製造方法は、そのような電極用触媒を製造するのに好適な方法である。
調製例1で得られたCoSn/KBを電極用触媒として用いて、250rpmにおいて酸素還元能評価を行った結果を示す。 調製例2で得られたNiSn/KBを電極用触媒として用いて、250rpmにおいて酸素還元能評価を行った結果を示す。 調製例3で得られたCuSn/KBを電極用触媒として用いて、250rpmにおいて酸素還元能評価を行った結果を示す。 調製例4で得られたMnSn/KBを電極用触媒として用いて、250rpmにおいて酸素還元能評価を行った結果を示す。 調製例5で得られたCuBi/KBを電極用触媒として用いて、250rpmにおいて酸素還元能評価を行った結果を示す。 調製例6で得られたMnSb/KBを電極用触媒として用いて、250rpmにおいて酸素還元能評価を行った結果を示す。 調製例7で得られたCoSb/KBを電極用触媒として用いて、250rpmにおいて酸素還元能評価を行った結果を示す。 調製例8で得られたNiSb/KBを電極用触媒として用いて、250rpmにおいて酸素還元能評価を行った結果を示す。 調製例9で得られたCuSb/KBを電極用触媒として用いて、250rpmにおいて酸素還元能評価を行った結果を示す。 比較調製例1で得られたFe/KBを電極用触媒として用いて、250rpmにおいて酸素還元能評価を行った結果を示す。 KBを電極用触媒として用いて、250rpmにおいて酸素還元能評価を行った結果を示す。 Sn系触媒、Sb系触媒、その他に分け、酸素還元開始電圧における電池性能の相対評価を示したものである。 調製例10で得られたMnSi/XC72を電極用触媒に用いて酸化・還元サイクル特性評価を行った結果を示す。 比較調製例2で得られたMnО/XC72を電極用触媒に用いて酸化・還元サイクル特性評価を行った結果を示す。 XC72を電極用触媒に用いて酸化・還元サイクル特性評価を行った結果を示す。 Pt/XC72を電極用触媒に用いて酸化・還元サイクル特性評価を行った結果を示す。 調製例11で得られたMn/XC72を電極用触媒に用いて分極曲線測定を行った結果を示す。 Pt/XC72を電極用触媒に用いて分極曲線測定を行った結果を示す。
以下に発明を実施するための形態を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの発明を実施するための形態のみに限定されるものではない。
調製例1
炭酸コバルト(II)(塩基性)(ナカライテスク株式会社製)1.96g、酸化スズ(IV)(22〜43nm、株式会社ワコーケミカル製)1.46g、ケッチェンブラックECP600JD(ライオン株式会社製)3.00g、エタノール(99.5)(和光純薬工業株式会社製)120g、水120gをボールミル(製品名:ユニバーサルボールミルUBM−4、増田理化工業株式会社製)中に添加し、ボールミル混合(混合条件:5mmφのジルコニアボール350gを用いて回転数80rpmにて20時間処理)を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、4容量%Hガスで700℃、5時間焼成を行った。得られた生成物は、CoとSnとからなる合金がケッチェンブラック(KB)に担持した複合体であった。主たる結晶相をXRDで測定・分析したところ、Co2.9Sn(CoSn)であることがわかった。原料化合物の組成から、CoSnとKBとの質量比を求めると、CoSn/KB=40/60となる。
調製例2〜4
調製例1と同様にして、表1に示すように調製例2〜4の生成物を得た。
調製例5
炭酸コバルト(II)の代わりに塩基性炭酸銅(II)を、酸化スズ(IV)の代わりに炭酸酸化ビスマス(III)を用いた以外は調製例1と同様にして、表1に示すように調製例5の生成物を得た。
調製例6
炭酸マンガン(II)n水和物(和光純薬工業株式会社製)2.14g、酸化アンチモン(III)(99.9%、和光純薬工業株式会社製)1.26g、ケッチェンブラックECP600JD(ライオン株式会社製)3.00g、エタノール(99.5)(和光純薬工業株式会社製)120g、水120gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、Nガス雰囲気下で600℃、5時間焼成を行った。得られた生成物は、MnとSbの酸化物がケッチェンブラック(KB)に担持した複合体であった。主たる結晶相をXRDで測定・分析したところ、MnO、MnSbOであることがわかった。原料化合物の組成から、Mn成分およびSb成分とKBとの質量比をMnSbとKBとの質量比として求めると、MnSb/KB=40/60となる。
調製例7〜9
調製例6と同様にして、表1に示すように調製例7〜9の生成物を得た。
調製例10
炭酸マンガン(II)n水和物(和光純薬工業株式会社製)2.90g、ケイ素(粉末、99.9%、和光純薬工業株式会社製)0.22g、Vulcan XC72(Cabot社製、カーボンブラック)3.50g、エタノール(99.5)(和光純薬工業株式会社製)180gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下50℃で2時間乾燥し、更に、Nガス雰囲気下で700℃、3時間焼成を行った。得られた生成物は、MnとSiの酸化物がVulcan XC72(XC72)に担持した複合体であった。主たる結晶相をXRDで測定・分析したところ、MnO、MnSiO、Siであることがわかった。原料化合物の組成から、Mn成分およびSi成分とXC72との質量比をMnSiとXC72との質量比として求めると、MnSi/XC72=30/70となる。
調製例11
酸化マンガン(IV)(99.5%、和光純薬株式会社製)0.81g、酸化バナジウム(III)(STREM CHEMICALS社製)0.69g、Vulcan XC72(Cabot社製)3.50g、エタノール(99.5)(和光純薬株式会社製)180gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下50℃で2時間乾燥し、更に、Nガス雰囲気下で700℃、3時間焼成を行った。得られた生成物は、MnとVの酸化物がVulcan XC72(XC72)に担持した複合体であった。主たる結晶相をXRDで測定・分析したところ、スピネル型構造のVMnO、岩塩型構造のMnOであることがわかった。原料化合物の組成から、Mn成分およびV成分とXC72との質量比をMnとXC72との質量比として求めると、Mn/XC72=30/70となる。
比較調製例1
水酸化鉄(III)(キシダ化学株式会社製)2.35g、ケッチェンブラックECP600JD(ライオン株式会社製)3.00g、エタノール(99.5)(和光純薬工業株式会社製)120g、水120gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、4容量%Hガスで400℃、5時間焼成を行った。得られた生成物は、酸化鉄がケッチェンブラック(KB)に担持した複合体であった。主たる結晶相をXRDで測定・分析したところ、Fe、Feであることがわかった。原料化合物の組成から、Fe成分とKBとの質量比をFeとKBとの質量比として求めると、Fe/KB=40/60となる。
比較調製例2
炭酸マンガン(II)n水和物(和光純薬工業株式会社製)1.61g、Vulcan XC72(Cabot社製)4.08g、エタノール(99.5)(和光純薬工業株式会社製)90g、水90gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、Nガス雰囲気下で600℃、3時間焼成を行った。得られた生成物は、MnOがVulcan XC72(XC72)に担持した複合体であった。主たる結晶相をXRDで測定・分析したところ、MnOであることがわかった。原料化合物の組成から、Mn成分とXC72との質量比をMnOとXC72との質量比として求めると、MnO/XC72=18/82となる。
上記調製例1〜9及び比較調製例1で得られた生成物を用い、XRDで測定・分析した主たる結晶相も表1に示す。
なお、XRD測定は、TTRIIIシステム(リガク社製)を用いて定法に従い、以下の条件で測定した。
走査範囲:10°−70°
ステップサイズ:0.020°
スキャン速度:5.000°min−1
<酸素還元能評価>
(実施例1〜9、比較例1〜2)
上記調製例1〜9及び比較調製例1で得られた電極用触媒(実施例1〜9、比較例1)、及び、ケッチェンブラック(KB)(比較例2)を用いて、以下のようにして酸素還元能を評価した。
上記電極用触媒20mgを、1−ヘキサノール2.0ml中に超音波分散にて分散させ、分散液(スラリー)を調製した。この分散液を、回転電極装置(北斗電工社製、HR−201)に付属の回転ディスク電極のGC(グラッシーカーボン)ディスク上に、マイクロピペットを用いて5.0μl滴下し、乾燥し、電極用触媒を均一に堆積した。該回転ディスク電極を0.1M水酸化カリウム水溶液中にセットし、酸素を吹き込むことで酸素飽和水溶液とした。当該回転ディスク電極を空気電極(正極)とする。
参照電極としてはAg/AgCl電極を用いた。0Vから−0.6Vに向けて0.005mV/secの掃引速度で掃引して酸素還元電流を測定した。
上記酸素還元能評価を行った結果を表1及び図1〜11に示す。
表1には、酸素還元開始電圧(mV)を記載した。当該酸素還元開始電圧は、上記酸素還元能評価を行った際、−50mAの電流が流れた時点の電圧を示すものである。
Figure 0006026793
また、上記各図において、横軸が印加電圧(V)、縦軸が電流値(mA)であり、横軸の0.0Vから−0.6Vの方向に印加電圧を変化させる場合、電池性能を比較して性能が高い、すなわち電極用触媒としての触媒作用が優れているといえるのは、縦軸の0.0mAからマイナス電流値へ早く立ち上がる(早くマイナス電流の値(絶対値)が大きくなる)方であり、また、印加電圧のマイナスの値(絶対値)が大きくなるに従ってマイナス電流の値(絶対値)が大きくなる方である。
図1〜9は、調製例1〜9で得られた生成物を電極用触媒として用いて、250rpmにおいて酸素還元能評価を行った結果を示したグラフである。図1〜9より、本発明の電極用触媒は、酸素還元能において高い活性を示したことがわかる。
図10は、比較調製例1で得られたFe/KBを電極用触媒として用いて、250rpmにおいて酸素還元能評価を行った結果を示したグラフである。
図11は、KBを電極用触媒として用いて、250rpmにおいて酸素還元能評価を行った結果を示したグラフである。
図12は、Sn系触媒、Sb系触媒、その他に分け、酸素還元開始電圧における電池性能の相対評価を示したものである。
酸素還元能評価結果を示す図1〜11より、横軸の0.0Vから−0.6Vの方向に印加電圧を変化させる場合、本発明の電極用触媒を用いた電極は、−0.1Vの前後の時点で立ち上がっていることがわかる。特に、調製例6〜9で得られた電極用触媒(Sb系触媒)を用いた電極においては、−0.1Vに達する前の時点で立ち上がっている。本発明の電極用触媒を用いた場合、初期の立ち上がりは、ケッチェンブラック(KB)やFe/KB等を用いた従来の電極よりもかなり早く、また、マイナス電流の値(絶対値)も、本発明の方が高くなる。
またこれらの結果をまとめた図12より、本発明の電極用触媒において第2の元素をSnとするSn系触媒、第2の元素をSbとするSb系触媒、その他に分けて考察すると、第1の元素としてMnを用いた形態、Cuを用いた形態、Niを用いた形態のそれぞれで比較すれば、本発明の電極用触媒であるSn系触媒、Sb系触媒が比較例よりも活性が高くなっていることがわかる。これらの中で、Sb系触媒の活性が最も高く、また、第1の元素としては、Mnを用いた形態が最も活性が高く、次いで、Cuを用いた形態、Niを用いた形態の順となる。
このように、本発明の電極用触媒は、還元電流開始電圧における性能、還元電流の値(絶対値)の大きさにおいて、従来のFe/KBや金属元素が担持されていないKBと比較して有利な効果を奏することになり、特に、合金及び/又は酸化物となった形態、Sb系触媒においては、電極性能が格段に向上することになる。
<酸化・還元サイクル特性評価結果>
(実施例10)
調製例10で得られたMnSi/XC72を20mg分取し、1−ヘキサノール2.0ml中に超音波分散にて分散させ、分散液(スラリー)を調製した。この分散液を、回転電極装置(北斗電工社製、HR−201)に付属の回転ディスク電極のGC(グラッシーカーボン)ディスク上に、マイクロピペットを用いて5.0μl滴下し、乾燥し、電極用触媒を均一に堆積した。該回転ディスク電極を0.1M水酸化カリウム水溶液中にセットし、酸素を吹き込むことで酸素飽和水溶液とした。当該回転ディスク電極を空気電極(正極)とする。
参照電極としてはHg/HgO電極を用いた。−0.1mAの電流を100秒印加した後の電位の値を酸素還元過電圧とし、その後+0.1mAの電流を100秒印加した後の電位の値を酸素発生過電圧とした。上記手順にて1サイクルとし、合計20サイクル繰り返した際の過電圧の変化を測定することでサイクル特性評価を行った。結果を図13に示す。
(比較例3)
比較調製例2で得られたMnO/XC72を20mg分取し、1−ヘキサノール2.0ml中に超音波分散にて分散させ、分散液(スラリー)を調製した。この分散液を、回転電極装置(北斗電工社製、HR−201)に付属の回転ディスク電極のGC(グラッシーカーボン)ディスク上に、マイクロピペットを用いて5.0μl滴下し、乾燥し、電極用触媒を均一に堆積した。該回転ディスク電極を0.1M水酸化カリウム水溶液中にセットし、酸素を吹き込むことで酸素飽和水溶液とした以外は、実施例1と同様にして酸素還元電流を測定した。結果を図14に示す。
(比較例4)
Vulcan XC72(Cabot社製)を20mg分取し、1−ヘキサノール2.0ml中に超音波分散にて分散させ、分散液(スラリー)を調製した。この分散液を、回転電極装置(北斗電工社製、HR−201)に付属の回転ディスク電極のGC(グラッシーカーボン)ディスク上に、マイクロピペットを用いて5.0μl滴下し、乾燥し、電極用触媒を均一に堆積した。該回転ディスク電極を0.1M水酸化カリウム水溶液中にセットし、酸素を吹き込むことで酸素飽和水溶液とした以外は、実施例1と同様にして酸素還元電流を測定した。結果を図15に示す。
(比較例5)
Ptのカーボン分散体である市販品Pt/XC72(ElectroChem、Inc.社製、品番:EC−20−PTC、Pt担持量20wt%)を20mg分取し、1−ヘキサノール2.0ml中に超音波分散にて分散させ、分散液(スラリー)を調製した。この分散液を、回転電極装置(北斗電工社製、HR−201)に付属の回転ディスク電極のGC(グラッシーカーボン)ディスク上に、マイクロピペットを用いて5.0μl滴下し、乾燥し、電極用触媒を均一に堆積した。該回転ディスク電極を0.1M水酸化カリウム水溶液中にセットし、酸素を吹き込むことで酸素飽和水溶液とした以外は、実施例1と同様にして酸素還元電流を測定した。結果を図16に示す。
上記サイクル特性評価を行った結果を表2に示す。表2には各サイクル数での酸素還元過電圧と酸素発生過電圧の値を記載した。当該酸素還元過電圧は各サイクル数に於いて−0.1mAの電流を100秒印加した時点での電圧を示すものである。当該酸素発生過電圧は各サイクル数に於いて0.1mAの電流を100秒印加した時点での電圧を示すものである。
Figure 0006026793
また、上記図13〜16において、横軸が時間(秒)、縦軸が測定された電圧値(V)であり、酸素還元性能を比較して性能が高いといえるのは、より正の酸素還元過電圧を示すものであり、酸素発生性能を比較して性能が高いといえるのは、より負の酸素発生過電圧を示すものである。
サイクル特性評価結果を示す図13〜16より、比較例3〜5で得られた触媒は、サイクルを重ねる毎に酸素還元過電圧がより負の方へ変化しており、サイクルを重ねることにより生じる劣化が顕著であることが分かる。一方、実施例10で得られた触媒は、サイクルを重ねても有意な酸素還元過電圧の変化は認められず、20サイクルを経た後ではPt/XC72よりも高い酸素還元活性を示した。
このように、本発明の電極用触媒は、酸素還元過電圧の大きさにおいて、従来のPt/XC72や金属元素が担持されていないXC72と比較して有利な効果を奏することになり、特に、Siを含有した触媒においては、電極性能が格段に向上することになる。
<分極曲線測定>
(実施例11)
調製例11で得られたMn/XC72とポリテトラフロオロエチレン(PTFE)粉末を9:1の質量比となるよう混合し空気極触媒層を調製した。アセチレンブラック(HS100)とPTFEを7:3の質量比となるように混合しガス拡散層を調製した。発泡ニッケルを集電体とし、空気極触媒層−発泡ニッケル−ガス拡散層の順に積層させプレス機(NPaシステム株式会社製、NT−100H)にセットし35MPaの圧力で1分間保持することでガス拡散電極を得た。得られたガス拡散電極を電気化学評価用のセルに取り付け、7Mの水酸化カリウム水溶液中で室温にて分極曲線測定を行った。電気化学評価用セルは内部に参照電極と対極を内包する構造になっており、参照電極として水銀/酸化水銀電極を、対極として白金板を用いた。ガス拡散電極は空気極触媒層とガス拡散層がそれぞれ7M水酸化カリウム水溶液と室温の空気に露出した形態で評価を実施した。分極曲線測定は北斗電工社製のHJ1001を用いた。分極曲線測定は電流密度を0.1mA/cmから100mA/cmまで変化させた際の参照電極に対する電位で評価し、酸素還元反応(1回目)、酸素発生反応(1回目)、酸素還元反応(2回目)の順に行った。2回目の酸素還元反応は酸素発生反応による劣化の有無を判断する為に行った。
分極曲線測定を行った結果を図17に示す。図17に示す通り、高電流密度域にて優れた酸素還元活性を示し、また2回目の酸素還元反応における劣化も見られず、後述の比較例6よりも優れた高電流密度特製と耐久性を示した。
(比較例6)
空気極触媒としてPtのカーボン分散体である市販品Pt/XC72(ElectroChem,Inc.社製、品番:EC−20−PTC,Pt担持量20wt%)を用いた以外は実施例11と同様の方法にてガス拡散電極を作成し分極曲線を測定した結果を図18に示す。図18に示す通り、100mA/cmの高電流密度域での分極の増大が大きく、また2回目の酸素還元反応において著しい劣化が見られた。
なお、上記実施例においては、第1の元素がMn、Co、Ni、Cu、第2の元素がSn、Sb、Bi、Siの形態において実証されているが、第1の元素は、第7〜11族に属する遷移金属元素から選ばれ、かつ、第2の元素は、第4〜6及び13〜17族に属する金属元素又は半金属元素から選ばれる場合であれば、これら同族又は近似・隣接した族に属する元素であれば、電極において還元触媒としての作用を発揮し得る。すなわち、少なくとも2種の元素を含有し、周期律表における特定の族に属する遷移金属元素と、それとは異なる特定の族に属する元素とを必須とする触媒組成物とすることにより、該触媒組成物が蓄電池等における電極反応、特に空気極等の正極における還元反応や酸化反応に高い活性を示すことになる作用機序は、本発明の電極用触媒を用いた場合にはすべて同様である。
したがって、上記実施例の結果から、本発明の技術的範囲全般において、また、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができるといえる。

Claims (4)

  1. 少なくとも2種の元素を含有する電極用触媒であって、
    該少なくとも2種の元素を第1の元素及び第2の元素とすると、
    該第1の元素は、Mn、Co及びCuからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    該第2の元素は、V、Ge、Sn及びSbからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    該電極用触媒は、空気電極用触媒として用いられ、第1の元素及び第2の元素を主成分として含む合金及び/又はその酸化物を含有し、該第2の元素がVである場合は、Mn及びCuからなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに、Vを含む酸化物を含有する
    ことを特徴とする電極用触媒。
  2. 前記第2の元素は、Sb及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の電極用触媒。
  3. 請求項1又は2に記載の電極用触媒を製造する方法であって、
    該製造方法は、複数の原料化合物を混合し、不活性ガス雰囲気下で焼成処理する工程を含むことを特徴とする電極用触媒の製造方法。
  4. 前記複数の原料化合物は、アンチモン含有化合物及びバナジウム含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を必須とすることを特徴とする請求項に記載の電極用触媒の製造方法。
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