JP6018734B2 - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents
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Description
カチオン界面活性剤の中でも、エステル基を含むアミン化合物、該アミン化合物の中和物、または該アミン化合物の4級化物は生分解性を有し、環境上好ましいが、経時で加水分解しやすく、その結果、液の増粘を生じる。
特許文献1には、かかる生分解性カチオン界面活性剤が加水分解して生じた化合物の分散性を向上させることで、増粘を抑える方法が記載されている。
特許文献1に記載の方法は、生分解性カチオン界面活性剤の加水分解自体を抑えるものではないため、柔軟性付与効果の低下は抑制できない。
一方、液体柔軟剤組成物にあっては、香りを重視した製品開発が進められており、製品毎に特徴的な香気成分が配合される。すなわち、香りは製品の差別化を図る重要な要素であり、液体柔軟剤組成物の香りが保存中に変化することは好ましくない。
(A)成分:少なくとも1つのエステル基を含むアミン化合物、該アミン化合物の中和物、及び該アミン化合物の4級化物からなる群から選ばれる1種以上のカチオン界面活性剤。
(B−1)成分:下記一般式(I)で表されるエステル化合物より選ばれる1種以上。
R1−COO−R2 ・・・(I)
(式中のR1、R2はそれぞれ独立に炭素数10以下の1価の炭化水素基、またはヒドロキシフェニル基を表す。)
(B−2)成分:ミルセン、アロオシメン、オシメン、1,3,5−ウンデカトリエン、4−イソプロピル−1−メチル−2−プロペニルベンゼン、ジフェニル、ジフェニルメタン、カンフェン、α−フェランドレン、テルピネン、テルピノーレン、3−カレン、p−サイメン、ビサボレン、セドレン、β−カリオフィレン、カジネン、バレンセン、ツヨプセン、グアイエン、およびロンギホレンからなる群より選ばれる1種以上。
(C)成分:分子内に下記式(II)で表される構造を有するビグアニド系化合物。
−NH−C(NH)−NH−C(NH)−NH− ・・・(II)
(A)成分は、少なくとも1つのエステル基を含むアミン化合物、該アミン化合物の中和物、及び該アミン化合物の4級化物からなる群から選ばれる1種以上である。中和物は具体的には、該アミン化合物の有機酸または無機酸による中和物である。
該アミン化合物の中和に用いる酸としては、塩酸、硫酸、メチル硫酸等が挙げられる。アミン化合物の4級化に用いる4級化剤としては塩化メチルやジメチル硫酸が挙げられる。
(A)成分は、分子内にエステル基を有するカチオン性界面活性剤であり、生分解性を有し、繊維製品への柔軟性付与効果に寄与する。
(A)成分の例として、下記一般式(1)〜(7)で表される3級アミン、これらの中和物、及びこれらの4級化物が挙げられる。以下、一般式(1)〜(7)で表される化合物をそれぞれ化合物(1)〜(7)ということもある。
柔軟処理した衣類に良好な吸水性を付与するために、Rのもととなる脂肪酸の飽和/不飽和比率(質量比)は、80/20〜0/100が好ましく、60/40〜0/100より好ましい。
Rが不飽和脂肪酸残基である場合、シス体とトランス体が存在するが、シス体/トランス体の質量比率は、50/50〜100/0が好ましく、70/30〜90/10が特に好ましい。
(a)飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の比率(質量比)が70/30〜10/90、より好ましくは60/40〜40/60である。
(b)シス体/トランス体の比率(質量比)が70/30〜90/10である。
(c)炭素数18の脂肪酸が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が2質量%未満であり、炭素数22の脂肪酸が1質量%未満である。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化反応を十分に進行させる点で、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。化合物(3)、(4)、(5)の各4級化物の存在比率は、柔軟性の観点から質量比で、化合物(3)の4級化物が1〜60質量%、化合物(4)の4級化物が5〜98質量%、化合物(5)の4級化物が0.1〜40質量%であることが好ましく、化合物(3)の4級化物が30〜60質量%、化合物(4)の4級化物が10〜55質量%、化合物(5)の4級化物が5〜35質量%であることがより好ましい。また化合物、(3)、(4)、(5)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、「4級化物/4級化されていないエステルアミン」の比率は70/30〜99/1の質量比率の範囲内であることが好ましい。
液体柔軟剤組成物中における(A)成分の配合量は、好ましくは3〜30質量%であり、より好ましくは5〜20質量%である。(A)成分の配合量が上記の範囲の下限値以上であると、良好な柔軟性付与効果が得られやすく、上限値以下であると、液体柔軟剤組成物の初期粘度が高くなりすぎず、保存安定性も良好となる。
(B)成分として、(B−1)成分と(B−2)成分を用いる。(B−1)成分は(B−1群)より選ばれる1種以上のエステル化合物であり、(B−2)成分は(B−2群)より選ばれる1種以上の炭化水素化合物である。(B−1群)および(B−2群)は後述する。
(B)成分は、(A)成分の経時による加水分解を抑制する成分である。特に(B−1)成分は、高温条件(例えば50℃)での加水分解抑制効果に寄与し、(B−2)成分は、室温〜40℃程度の温度条件での加水分解抑制効果に寄与する。
また、(A)成分と(B)成分の質量比(A/B)すなわち(A/{(B−1)+(B−2)})は、2〜150が好ましく、4〜25がより好ましく、5〜20がさらに好ましい。(B)成分の比率が低すぎる場合、(A)成分の加水分解を抑制する効果が不十分となりやすい。(B)成分の比率が高すぎる場合、(B−1)成分の経時的な分解による、液体柔軟剤組成物の香気の劣化が生じやすくなる。
(B−1群)は、下記一般式(I)で表されるエステル化合物からなる群である。
R1−COO−R2・・・(I)
式中、R1、R2はそれぞれ独立に炭素数10以下の1価の炭化水素基、またはヒドロキシフェニル基を表す。R1とR2は、互いに同じでもよく、異なっていてもよい。
R1、R2としての炭化水素基は直鎖状でもよく、分岐状であってもよく、飽和でもよく、不飽和でもよく、環構造を有していてもよい。
R1、R2としての炭化水素基の炭素数が10以下であると、親水性と疎水性のバランスが良く、エステル基の近傍に存在するため加水分解を抑制できる。一方、炭素数が10以上であるとエステル化合物がより疎水性になり、溶存位置が変化するため好ましくない。該炭素数は2〜8であることが加水分解抑制能の点から好ましい。
液体柔軟剤組成物中において、一般式(I)で表されるエステル化合物は、エステル基を有するカチオン性界面活性剤である(A)成分のエステル基の近傍に存在し、これによって(A)成分のエステル基に水分子が近づきにくくなって(A)成分の加水分解が抑制されると考えられる。
液体柔軟剤組成物における(B−1)成分の配合量は0.1〜3質量%が好ましく、0.2〜2%がより好ましく、0.4〜1%の範囲がさらに好ましい。(B−1)成分は香気成分でもある。(B−1)成分の配合量が上記の範囲の下限値以上であると、高温条件下での(A)成分の加水分解抑制効果が良好に得られやすく、上限値以下であると、高温条件下でも液体柔軟剤組成物の香気が悪化し難い。
(B−2群)は、炭化水素化合物からなる群であり、ミルセン、アロオシメン、オシメン、1,3,5−ウンデカトリエン、4−イソプロピル−1−メチル−2−プロペニルベンゼン、ジフェニル、ジフェニルメタン、カンフェン、α−フェランドレン、テルピネン、テルピノーレン、3−カレン、p−サイメン、ビサボレン、セドレン、β−カリオフィレン、カジネン、バレンセン、ツヨプセン、グアイエン、ロンギホレンからなる群である。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液体柔軟剤組成物中において、(B−2群)の炭化水素化合物は、カチオン性界面活性剤である(A)成分のアルキル鎖間に存在し、これらの会合体が適度なパッキング状態を形成することによって、(A)成分のエステル基に水分子が近づきにくくなって(A)成分の加水分解が抑制されると考えられる。かかる状態は、特に液体柔軟剤組成物の温度が室温〜40℃の範囲内において得られやすい。
液体柔軟剤組成物における(B−2)成分の配合量は0.1〜3質量%が好ましく、0.2〜2%がより好ましく、0.4〜1%の範囲がさらに好ましい。(B−2)成分の配合量が上記の範囲の下限値以上であると、室温〜40℃程度の温度条件下での(A)成分の加水分解抑制効果が良好に得られやすく、上限値以下であると、液体柔軟剤組成物の良好な初期性状が得られやすい。
(C)成分は、分子内に下記式(II)で表される構造を有するビグアニド系化合物である。
−NH−C(NH)−NH−C(NH)−NH− ・・・(II)
液体柔軟剤組成物に(A)成分および(B)成分に加えて、(C)成分を配合することにより、(A)成分の加水分解を抑制する効果が向上する。
(C)成分の具体例としては、ヘキサメチレンビグアナイドハイドロクロライド、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジンなどのクロルヘキシジン類等が挙げられる。また、これらの化合物がモノマーとして重合した高分子化合物等も挙げられる。
(C)成分として、下記一般式(III)で表されるポリアルキレンビグアニド化合物が特に好ましい。
−[R’−NH−C(NH)−NH−C(NH)−NH]n−n・HY ・・・(III)
式中、R’は炭素数2〜8のアルキレン基であり、炭素数4〜8のアルキレン基が好ましく、ヘキサメチレン基が特に好ましい。
式中のnは2〜14、好ましくは10〜14、より好ましくは11〜13であり、12が最も好ましい。
式中のHYは、有機酸又は無機酸を示し、好ましくは塩酸、グルコン酸、酢酸が好適であり、特に塩酸が好ましい。
(A)、(B)、(C)成分のほかに、液体柔軟剤組成物において公知の成分を適宜配合することができる。具体的には水、溶剤、無機又は有機の水溶性塩類、染料、香料、紫外線吸収剤、抗菌剤、消臭剤、スキンケア成分などを含有させることができる。
水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水など、いずれも用いることができる。イオン交換水が好適である。
水溶性溶剤としては、低級(炭素数1〜4)アルコール、グリコールエーテル系溶剤、多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。具体的にはエタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び下記一般式(X)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を配合することが好ましい。
R10−O−(C2H4O)y−(C3H6O)z−H ・・・(X)
式中、R10は、炭素数1〜6、好ましくは2〜4のアルキル基又はアルケニル基である。yおよびzは平均付加モル数であり、yは1〜10、好ましくは2〜5、zは0〜5、好ましくは0〜2の数を示す。
水溶性溶剤として、上記に挙げた中でも、エタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノプロピレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
これらの水溶性溶剤は、組成物中に0〜30質量%、好ましくは0.01〜25質量%、より好ましくは0.1〜20質量%配合される。
添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。液体柔軟剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料、反応性染料が好ましく、その配合量は組成物全体に対し、好ましくは1〜50ppm、より好ましくは1〜30ppmである。
本発明の液体柔軟剤組成物に用いられる染料としては、特開平6−123081号公報、特開平6−123082号公報、特開平7−18573号公報、特開平8−27669号公報、特開平9−250085号公報、特開平10−77576号公報、特開平11−43865号公報、特開2001−181972号公報、特開2001−348784号公報、に記載されている染料を用いることもできる。
本発明の液体柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、保存経日に伴う(A)成分の分子中に含まれるエステル基の加水分解を抑制する目的で、pHを1〜6の範囲に調整することが好ましく、2〜4の範囲であることがより好ましい。pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
本発明の液体柔軟剤組成物の粘度は1000mPa・s(B型粘度計、TOKIMEC社製、25℃、以下同様)未満であることが好ましい。保存経日による粘度上昇を考慮すると、配合直後の粘度は800mPa・s未満であるのがより好ましく、500mPa・s未満であるのがさらに好ましい。このような範囲にあると、洗濯機への投入の際のハンドリング性等の使用性が良好であるので好ましい。
実施例、比較例で用いた各成分は以下の通りである。
表1中の「飽和/不飽和の比」は飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の質量比を表す。
表1中の「シス/トランスの比」はシス体/トランス体の質量比を表す。
表1中の「モノ/ジ/トリの比」は、モノエステルアンモニウム塩/ジエステルアンモニウム塩/トリエステルアンモニウム塩の質量比を表す。
液体柔軟剤組成物の製造方法は、以下の製造方法Aまたは製造方法Bを用いた。
[製造方法A]
液体柔軟剤組成物は、内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、次の手順により調製した。
まず、(A)成分、(B)成分、及び(D)香料組成物を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、塩化カルシウム、イソチアゾロン液をバランス用精製水に溶解させて水相混合物を得た。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、990gから油相混合物と塩化カルシウム、及びイソチアゾロン液の合計質量を差し引いた残部に相当する量とする。
次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し、攪拌した。ここで、水相混合物の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで、1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間行った。さらに残りの任意成分からなる組成物を添加し、攪拌した。必要に応じて、(C)成分または抗菌剤を添加し、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)、または水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の液体柔軟剤組成物を得た。
液体柔軟剤組成物は、内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、次の手順により調製した。
まず、(A)成分、(B)成分を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、塩化カルシウム、イソチアゾロン液をバランス用精製水に溶解させて水相混合物を得た。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、990gから油相混合物と(D)香料組成物、塩化カルシウム、及びイソチアゾロン液の合計質量を差し引いた残部に相当する量とする。
次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し、攪拌した。ここで、水相混合物の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで、1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間行った。さらに残りの任意成分からなる組成物を添加し、攪拌した。その後、攪拌を低速で継続しながら30℃になるまで冷却した。内容物をアジホモミキサー(みずほ工業製)に移し、香料組成物(D)を添加し下記の運転条件でホモミキサーを運転し、(D)成分を乳化した。
その後、必要に応じて、(C)成分または抗菌剤を添加し、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)、または水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、均一になるよう攪拌混合し、目的の液体柔軟剤組成物を得た。
なお、アジホモミキサーは、内容量2L、ローター径28mmφ、クリアランス0.5mmのものを用いた。運転条件は、回転数2,000rpm、撹拌時間150s、周速2.9m/s、吐出流量係数0.20、剪断速度5,864s−1、循環回数11.0回/sとした。
[カチオン残存率の測定方法]
(A)成分の経時的な加水分解の程度を評価するために、液体柔軟剤組成物中のカチオン残存率を下記の方法で測定した。
液体柔軟剤組成物を内容積100mLのガラス容器に収納して密閉し、50℃で2ヶ月または、40℃で4ヶ月保存した後、25℃に冷却したものを評価用サンプルとした。また、同様にガラス容器に収納して密閉し、5℃で2ヶ月、または5℃で4ヶ月保存したものをそれぞれの参照用サンプルとした。
これらのサンプル中のメチルサルフェート(TES)カチオン(トリエステル体+ジエステル体)の残存率を測定した。測定は、HITACHI社製column oven L−7300C を用いてHPLC−RI測定にて行った。TESカチオンには、トリエステル体、ジエステル体、モノエステル体、トリエタノールアミンの4級化物が含まれているが、柔軟性付与効果への寄与が大きいトリエステル体とジエステル体のみの残存率を調べた。測定条件を表7に示す。
参照用サンプル中のTESカチオン残存量を100%とし、評価用サンプル中のTESカチオン残存量の割合を残存率とする。商品価値上、いずれの保存条件においても残存率60%以上であるものを合格とする。
上記<液体柔軟剤組成物の製造方法>に基づいて調製した液体柔軟剤組成物を、軽量PSガラスビン(PS−No.11、田沼硝子工業所製)に、100mL入れて密栓したものを保存前サンプルとした。
同様に軽量PSガラスビンに入れて密栓した後、50℃条件下で2ヶ月保管したものを保存後サンプルとした。
専門パネル10名により、保存前サンプルの臭気を基準とし、これと保存後サンプルの臭気を比べたときの評価を、下記の基準に基づく5段階評価法で行った。10名の評価結果の平均値に基づき、下記の判定基準により判定した。商品価値上◎、○を合格とする。
(評価基準)
5:保存前サンプルと同等と認められる。
4:保存前サンプルと比べてごくわずかに違いが認められるが、異臭は感じられない。
3:保存前サンプルに比べてわずかに異臭が感じられる。
2:保存前サンプルに比べてかなり違いがあり、異臭が感じられる。
1:保存前サンプルに比べて非常に違いがある。
(判定基準)
◎:平均値が4点以上。
○:平均値が3点以上44点未満。
△:平均値が2点以上3点未満。
×:平均値が2点未満。
表8、9に示す配合および製造方法で液体柔軟剤組成物を製造し、カチオン残存率および保存後臭気を評価した。その結果を表8、9に示す。
また(C)成分を含有させた実施例11、12は、実施例1に比べてカチオン残存率がより向上した。(C)成分に代えて、(C)成分以外の抗菌剤1、2を含有させた実施例13、14は実施例1と同等の結果であった。
一方、(B−1)成分および(B−2)成分のいずれも含まない比較例1、5は、カチオンの残存率が低く、保存中に(A)成分の加水分解が進行したことがわかる。
(B−1)成分を含むが、(B−2)成分を含まない比較例2は、50℃で保存したときのカチオン残存率は良好であったが、40℃で保存したときのカチオン残存率が低かった。
(B−2)成分を含むが、(B−1)成分を含まない比較例3は、40℃で保存したときのカチオン残存率は良好であったが、50℃で保存したときのカチオン残存率が低かった。
比較例4は、(B−1)/(B−2)の質量比が大きいため、カチオン残存率は良好であったが、保存後に異臭が発生した。
Claims (2)
- 下記の(A)成分と(B−1)成分と(B−2)成分とを含有し、(B−1)成分と(B−2)成分の含有量の質量比(B−1)/(B−2)が、0.2〜10であり、かつ、(B−1)成分と(B−2)成分の含有量の合計に対する(A)成分の含有量の質量比(A)/{(B−1)+(B−2)}が4〜25であることを特徴とする液体柔軟剤組成物。
(A)成分:少なくとも1つのエステル基を含むアミン化合物、該アミン化合物の中和物、及び該アミン化合物の4級化物からなる群から選ばれる1種以上のカチオン界面活性剤。
(B−1)成分:下記一般式(I)で表されるエステル化合物より選ばれる1種以上。
R1−COO−R2 ・・・(I)
(式中のR1、R2はそれぞれ独立に炭素数10以下の1価の炭化水素基、またはヒドロキシフェニル基を表す。)
(B−2)成分:ミルセン、アロオシメン、オシメン、1,3,5−ウンデカトリエン、4−イソプロピル−1−メチル−2−プロペニルベンゼン、ジフェニル、ジフェニルメタン、カンフェン、α−フェランドレン、テルピネン、テルピノーレン、3−カレン、p−サイメン、ビサボレン、セドレン、β−カリオフィレン、カジネン、バレンセン、ツヨプセン、グアイエン、およびロンギホレンからなる群より選ばれる1種以上。 - さらに、下記(C)成分を含有する、請求項1記載の液体柔軟剤組成物。
(C)成分:分子内に下記式(II)で表される構造を有するビグアニド系化合物。
−NH−C(NH)−NH−C(NH)−NH− ・・・(II)
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