JP6017773B2 - 偏光フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
[1]PVA系重合体を主成分とする原反フィルムを架橋剤を含む水浴中で一軸延伸する工程を含む偏光フィルムの製造方法であって、下記式(1)および(2)を満たす、製造方法、
1≦A≦60 ・・・(1)
−0.0725×A+62.0≦B≦−0.0725×A+67.3 ・・・(2)
[上記式(1)および(2)中、Aは前記原反フィルムの厚み(単位:μm)を表し、Bは前記一軸延伸を行う温度(単位:℃)を表す。]
[2]前記原反フィルムが単層のフィルムである、上記[1]の製造方法、
[3]前記PVA系重合体がエチレン単位を1〜4モル%含む、上記[1]または[2]の製造方法、
[4]前記Aが45以下である、上記[1]〜[3]のいずれか1つの製造方法、
に関する。
PVA系重合体のけん化度とは、PVA系重合体が有する、けん化によりビニルアルコール単位に変換されうる構造単位(典型的にはビニルエステル単位)とビニルアルコール単位との合計モル数に対して当該ビニルアルコール単位のモル数が占める割合(モル%)を示したものである。なお、PVA系重合体のけん化度は、JIS K6726−1994に記載の方法により測定することができる。
PVA系重合体の重合度は、JIS K6726−1994の記載に準じて測定することができる。すなわち、PVA系重合体を再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度から求めることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸カリウム等のカルボン酸型、オクチルサルフェート等の硫酸エステル型、ドデシルベンゼンスルホネート等のスルホン酸型などが好適である。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンラウレート等のアルキルエステル型、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル等のアルキルアミン型、ポリオキシエチレンラウリン酸アミド等のアルキルアミド型、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル等のポリプロピレングリコールエーテル型、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド型、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル等のアリルフェニルエーテル型などが好適である。
これらの界面活性剤は1種を単独で使用しても、または2種以上を併用してもよい。
1≦A≦60 ・・・(1)
10≦A≦50 ・・・(1’)
20≦A≦40 ・・・(1”)
また上記のように一軸延伸は染色と同時に行うこともでき、この場合には架橋剤を含む水浴はさらに染料を含むことが好ましい。
−0.0725×A+63.0≦B≦−0.0725×A+67.3 ・・・(2)
−0.0725×A+63.1≦B≦−0.0725×A+66.3 ・・・(2’)
−0.0725×A+63.3≦B≦−0.0725×A+66.0 ・・・(2”)
以下の実施例または比較例で得られた偏光フィルムの幅方向の中央部から、偏光フィルムの配向方向に平行に約4cm×4cmの正方形のサンプルを採取し、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製「V7100」)を用いて、このサンプルの単体透過率Ts’および偏光度Pを求め、単体透過率Ts’から表面反射率を除くことにより、視感度補正した単体透過率Tsを算出した。
また、下記式により偏光フィルムの二色性比Rdを算出した。下記式において、Tsは前記視感度補正した単体透過率(%)、Pは偏光度(%)を表す。
Rd=log(Ts/100−Ts/100×P/100)/log(Ts/100+Ts/100×P/100)
上記(1)の偏光性能の測定においてハンターLab表色系に基づくb値を求めて色相評価の指標とした。b値が0に近いほどニュートラル性の高い偏光フィルムであって色相が良好であると評価される。
けん化度99.95モル%、重合度2400のPVA100質量部に対してグリセリンを6質量部含む厚み20μmのPVAフィルム(PVAの含有率88質量%)を原反フィルムとして用いて、これを予備膨潤、染色、一軸延伸および乾燥処理して、偏光フィルムを製造した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に30秒間浸漬して予備膨潤させながら、PVAフィルムの長さが元長の1.3倍となるように一軸延伸した。ついで、ヨウ素/ヨウ化カリウムの濃度比(質量比)が1/100で両者の合計の濃度が5質量%の30℃の水溶液中に1分間浸漬し、前記一軸延伸と同じ方向に元長の2.4倍となるように一軸延伸しながらフィルムを染色した。続いて、PVAフィルムを61.8℃の4質量%ホウ酸水溶液中で、前記一軸延伸と同じ方向に元長の6.3倍となるように一軸延伸した。その後、PVAフィルムを取り出し、60℃の温風で乾燥して、厚み8μmの偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムは、良好な色相を有していた。また、視感度補正した単体透過率(Ts)が43.9%、偏光度(P)が99.99%であり、計算により求めた二色性比(Rd)は75.6であり偏光性能は非常に良好であった。さらに、偏光フィルムの製造中に延伸切れなどは見られず、偏光フィルムを円滑に製造することができた。
けん化度99.3モル%、重合度2400、エチレン単位の含有率2モル%の変性PVA100質量部に対してグリセリンを6質量部含む厚み20μmのPVAフィルム(変性PVAの含有率88質量%)を原反フィルムとして用いて、これを予備膨潤、染色、一軸延伸および乾燥処理して、偏光フィルムを製造した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に30秒間浸漬して予備膨潤させながら、PVAフィルムの長さが元長の1.3倍となるように一軸延伸した。ついで、ヨウ素/ヨウ化カリウムの濃度比(質量比)が1/100で両者の合計の濃度が5質量%の30℃の水溶液中に1分間浸漬し、前記一軸延伸と同じ方向に元長の2.4倍となるように一軸延伸しながらフィルムを染色した。続いて、PVAフィルムを64.2℃の4質量%ホウ酸水溶液中で、前記一軸延伸と同じ方向に元長の6.2倍となるように一軸延伸した。その後、PVAフィルムを取り出し、60℃の温風で乾燥して、厚み8μmの偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムは、良好な色相を有していた。また、視感度補正した単体透過率(Ts)が43.8%、偏光度(P)が99.99%であり、計算により求めた二色性比(Rd)は74.3であり偏光性能は非常に良好であった。さらに、偏光フィルムの製造中に延伸切れなどは見られず、偏光フィルムを円滑に製造することができた。
けん化度99.3モル%、重合度2400、エチレン単位の含有率2モル%の変性PVA100質量部に対してグリセリンを6質量部含む厚み30μmのPVAフィルム(変性PVAの含有率88質量%)を原反フィルムとして用いて、これを予備膨潤、染色、一軸延伸および乾燥処理して、偏光フィルムを製造した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に30秒間浸漬して予備膨潤させながら、PVAフィルムの長さが元長の1.3倍となるように一軸延伸した。ついで、ヨウ素/ヨウ化カリウムの濃度比(質量比)が1/100で両者の合計の濃度が5質量%の30℃の水溶液中に1分間浸漬し、前記一軸延伸と同じ方向に元長の2.4倍となるように一軸延伸しながらフィルムを染色した。続いて、PVAフィルムを62.0℃の4質量%ホウ酸水溶液中で、前記一軸延伸と同じ方向に元長の6.2倍となるように一軸延伸した。その後、PVAフィルムを取り出し、60℃の温風で乾燥して、厚み12μmの偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムは、良好な色相を有していた。また、視感度補正した単体透過率(Ts)が43.6%、偏光度(P)が99.99%であり、計算により求めた二色性比(Rd)は75.0であり偏光性能は非常に良好であった。さらに、偏光フィルムの製造中に延伸切れなどは見られず、偏光フィルムを円滑に製造することができた。
けん化度99.3モル%、重合度2400、エチレン単位の含有率2モル%の変性PVA100質量部に対してグリセリンを6質量部含む厚み30μmのPVAフィルム(変性PVAの含有率88質量%)を原反フィルムとして用いて、これを予備膨潤、染色、一軸延伸および乾燥処理して、偏光フィルムを製造した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に30秒間浸漬して予備膨潤させながら、PVAフィルムの長さが元長の1.5倍となるように一軸延伸した。ついで、ヨウ素/ヨウ化カリウムの濃度比(質量比)が1/100で両者の合計の濃度が5質量%の30℃の水溶液中に1分間浸漬し、前記一軸延伸と同じ方向に元長の2.6倍となるように一軸延伸しながらフィルムを染色した。続いて、PVAフィルムを63.0℃の4質量%ホウ酸水溶液中で、前記一軸延伸と同じ方向に元長の6.2倍となるように一軸延伸した。その後、PVAフィルムを取り出し、60℃の温風で乾燥して、厚み12μmの偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムは、良好な色相を有していた。また、視感度補正した単体透過率(Ts)が44.1%、偏光度(P)が99.98%であり、計算により求めた二色性比(Rd)は73.2であり偏光性能は非常に良好であった。さらに、偏光フィルムの製造中に延伸切れなどは見られず、偏光フィルムを円滑に製造することができた。
けん化度99.3モル%、重合度2400、エチレン単位の含有率2モル%の変性PVA100質量部に対してグリセリンを6質量部含む厚み40μmのPVAフィルム(変性PVAの含有率88質量%)を原反フィルムとして用いて、これを予備膨潤、染色、一軸延伸および乾燥処理して、偏光フィルムを製造した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に30秒間浸漬して予備膨潤させながら、PVAフィルムの長さが元長の1.5倍となるように一軸延伸した。ついで、ヨウ素/ヨウ化カリウムの濃度比(質量比)が1/100で両者の合計の濃度が4質量%の30℃の水溶液中に1分間浸漬し、前記一軸延伸と同じ方向に元長の2.6倍となるように一軸延伸しながらフィルムを染色した。続いて、PVAフィルムを60.5℃の4質量%ホウ酸水溶液中で、前記一軸延伸と同じ方向に元長の6.5倍となるように一軸延伸した。その後、PVAフィルムを取り出し、60℃の温風で乾燥して、厚み17μmの偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムは、良好な色相を有していた。また、視感度補正した単体透過率(Ts)が43.9%、偏光度(P)が99.99%であり、計算により求めた二色性比(Rd)は77.1であり偏光性能は非常に良好であった。さらに、偏光フィルムの製造中に延伸切れなどは見られず、偏光フィルムを円滑に製造することができた。
けん化度99.3モル%、重合度2400、エチレン単位の含有率2モル%の変性PVA100質量部に対してグリセリンを6質量部含む厚み40μmのPVAフィルム(変性PVAの含有率88質量%)を原反フィルムとして用いて、これを予備膨潤、染色、一軸延伸および乾燥処理して、偏光フィルムを製造した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に30秒間浸漬して予備膨潤させながら、PVAフィルムの長さが元長の2.2倍となるように一軸延伸した。ついで、ヨウ素/ヨウ化カリウムの濃度比(質量比)が1/100で両者の合計の濃度が4質量%の30℃の水溶液中に1分間浸漬し、前記一軸延伸と同じ方向に元長の3.3倍となるように一軸延伸しながらフィルムを染色した。続いて、PVAフィルムを63.0℃の4質量%ホウ酸水溶液中で、前記一軸延伸と同じ方向に元長の6.5倍となるように一軸延伸した。その後、PVAフィルムを取り出し、60℃の温風で乾燥して、厚み16μmの偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムは、良好な色相を有していた。また、視感度補正した単体透過率(Ts)が43.7%、偏光度(P)が99.99%であり、計算により求めた二色性比(Rd)は76.1であり偏光性能は非常に良好であった。さらに、偏光フィルムの製造中に延伸切れなどは見られず、偏光フィルムを円滑に製造することができた。
けん化度99.95モル%、重合度2400のPVA100質量部に対してグリセリンを12質量部含む厚み50μmのPVAフィルム(PVAの含有率82質量%)を原反フィルムとして用いて、これを予備膨潤、染色、一軸延伸および乾燥処理して、偏光フィルムを製造した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に30秒間浸漬して予備膨潤させながら、PVAフィルムの長さが元長の1.6倍となるように一軸延伸した。ついで、ヨウ素/ヨウ化カリウムの濃度比(質量比)が1/100で両者の合計の濃度が3質量%の30℃の水溶液中に1分間浸漬し、前記一軸延伸と同じ方向に元長の2.7倍となるように一軸延伸しながらフィルムを染色した。続いて、PVAフィルムを60.7℃の4質量%ホウ酸水溶液中で、前記一軸延伸と同じ方向に元長の6.5倍となるように一軸延伸した。その後、PVAフィルムを取り出し、60℃の温風で乾燥して、厚み20μmの偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムは、良好な色相を有していた。また、視感度補正した単体透過率(Ts)が43.7%、偏光度(P)が99.99%であり、計算により求めた二色性比(Rd)は76.7であり偏光性能は非常に良好であった。さらに、偏光フィルムの製造中に延伸切れなどは見られず、偏光フィルムを円滑に製造することができた。
けん化度99.3モル%、重合度2400、エチレン単位の含有率2モル%の変性PVA100質量部に対してグリセリンを6質量部含む厚み20μmのPVAフィルム(変性PVAの含有率88質量%)を原反フィルムとして用いて、これを予備膨潤、染色、一軸延伸および乾燥処理して、偏光フィルムを製造した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に30秒間浸漬して予備膨潤させながら、PVAフィルムの長さが元長の1.3倍となるように一軸延伸した。ついで、ヨウ素/ヨウ化カリウムの濃度比(質量比)が1/100で両者の合計の濃度が5質量%の30℃の水溶液中に1分間浸漬し、前記一軸延伸と同じ方向に元長の2.4倍となるように一軸延伸しながらフィルムを染色した。続いて、PVAフィルムを58.5℃の4質量%ホウ酸水溶液中で、前記一軸延伸と同じ方向に一軸延伸したが、予備試験の段階で延伸切れが発生したため、延伸切れする直前の合計の延伸倍率である元長の5.6倍まで一軸延伸した。その後、PVAフィルムを取り出し、60℃の温風で乾燥して、厚み9μmの偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムは、視感度補正した単体透過率(Ts)が44.0%、偏光度(P)が99.92%であり、計算により求めた二色性比(Rd)は62.1であり偏光性能は不十分なレベルであった。また、実施例1〜7の偏光フィルムと比較して、色相が劣っていた。
けん化度99.3モル%、重合度2400、エチレン単位の含有率2モル%の変性PVA100質量部に対してグリセリンを6質量部含む厚み30μmのPVAフィルム(変性PVAの含有率88質量%)を原反フィルムとして用いて、これを予備膨潤、染色、一軸延伸および乾燥処理して、偏光フィルムを製造した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に30秒間浸漬して予備膨潤させながら、PVAフィルムの長さが元長の1.5倍となるように一軸延伸した。ついで、ヨウ素/ヨウ化カリウムの濃度比(質量比)が1/100で両者の合計の濃度が5質量%の30℃の水溶液中に1分間浸漬し、前記一軸延伸と同じ方向に元長の2.6倍となるように一軸延伸しながらフィルムを染色した。続いて、PVAフィルムを59.0℃の4質量%ホウ酸水溶液中で、前記一軸延伸と同じ方向に一軸延伸したが、予備試験の段階で延伸切れが発生したため、延伸切れする直前の合計の延伸倍率である元長の6.2倍まで一軸延伸した。その後、PVAフィルムを取り出し、60℃の温風で乾燥して、厚み12μmの偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムは、視感度補正した単体透過率(Ts)が44.0%、偏光度(P)が99.94%であり、計算により求めた二色性比(Rd)は64.2であり偏光性能は不十分なレベルであった。また、実施例1〜7の偏光フィルムと比較して、色相が劣っていた。
けん化度99.3モル%、重合度2400、エチレン単位の含有率2モル%の変性PVA100質量部に対してグリセリンを6質量部含む厚み40μmのPVAフィルム(変性PVAの含有率88質量%)を原反フィルムとして用いて、これを予備膨潤、染色、一軸延伸および乾燥処理して、偏光フィルムを製造した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に30秒間浸漬して予備膨潤させながら、PVAフィルムの長さが元長の1.8倍となるように一軸延伸した。ついで、ヨウ素/ヨウ化カリウムの濃度比(質量比)が1/100で両者の合計の濃度が4質量%の30℃の水溶液中に1分間浸漬し、前記一軸延伸と同じ方向に元長の2.9倍となるように一軸延伸しながらフィルムを染色した。続いて、PVAフィルムを59.0℃の4質量%ホウ酸水溶液中で、前記一軸延伸と同じ方向に一軸延伸したが、予備試験の段階で延伸切れが発生したため、延伸切れする直前の合計の延伸倍率である元長の6.2倍まで一軸延伸した。その後、PVAフィルムを取り出し、60℃の温風で乾燥して、厚み18μmの偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムは、視感度補正した単体透過率(Ts)が43.7%、偏光度(P)が99.97%であり、計算により求めた二色性比(Rd)は66.7であり偏光性能は不十分なレベルであった。また、実施例1〜7の偏光フィルムと比較して、色相が劣っていた。
けん化度99.9モル%、重合度2400のPVA100質量部に対してグリセリンを12質量部含む厚み40μmのPVAフィルム(PVAの含有率82質量%)を原反フィルムとして用いて、これを予備膨潤、染色、一軸延伸および乾燥処理して、偏光フィルムを製造した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に30秒間浸漬して予備膨潤させながら、PVAフィルムの長さが元長の1.8倍となるように一軸延伸した。ついで、ヨウ素/ヨウ化カリウムの濃度比(質量比)が1/100で両者の合計の濃度が4質量%の30℃の水溶液中に1分間浸漬し、前記一軸延伸と同じ方向に元長の2.9倍となるように一軸延伸しながらフィルムを染色した。続いて、PVAフィルムを65.0℃の4質量%ホウ酸水溶液中で、前記一軸延伸と同じ方向に一軸延伸したが、原反フィルムが高温に耐え切れず溶断が発生したため、偏光フィルムを得ることができなかった。
けん化度99.3モル%、重合度2400、エチレン単位の含有率2モル%の変性PVA100質量部に対してグリセリンを6質量部含む厚み40μmのPVAフィルム(変性PVAの含有率88質量%)を原反フィルムとして用いて、これを予備膨潤、染色、一軸延伸および乾燥処理して、偏光フィルムを製造した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に30秒間浸漬して予備膨潤させながら、PVAフィルムの長さが元長の1.8倍となるように一軸延伸した。ついで、ヨウ素/ヨウ化カリウムの濃度比(質量比)が1/100で両者の合計の濃度が4質量%の30℃の水溶液中に1分間浸漬し、前記一軸延伸と同じ方向に元長の2.9倍となるように一軸延伸しながらフィルムを染色した。続いて、PVAフィルムを63.0℃の水中で、前記一軸延伸と同じ方向に一軸延伸したが、予備試験の段階で延伸切れが発生したため、延伸切れする直前の合計の延伸倍率である元長の5.0倍まで一軸延伸した。その後、PVAフィルムを取り出し、60℃の温風で乾燥して、厚み25μmの偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムは、視感度補正した単体透過率(Ts)が43.7%、偏光度(P)が99.41%であり、計算により求めた二色性比(Rd)は43.3であり偏光性能は不十分なレベルであった。また、実施例1〜7の偏光フィルムと比較して、色相が劣っていた。
けん化度99.9モル%、重合度2400のPVA100質量部に対してグリセリンを12質量部含む厚み75μmのPVAフィルム(PVAの含有率82質量%)を原反フィルムとして用いて、これを予備膨潤、染色、一軸延伸および乾燥処理して、偏光フィルムを製造した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に30秒間浸漬して予備膨潤させながら、PVAフィルムの長さが元長の1.8倍となるように一軸延伸した。ついで、ヨウ素/ヨウ化カリウムの濃度比(質量比)が1/100で両者の合計の濃度が3質量%の30℃の水溶液中に1分間浸漬し、前記一軸延伸と同じ方向に元長の2.9倍となるように一軸延伸しながらフィルムを染色した。続いて、PVAフィルムを60.0℃の4質量%ホウ酸水溶液中で、前記一軸延伸と同じ方向に一軸延伸したが、予備試験の段階で延伸切れが発生したため、延伸切れする直前の合計の延伸倍率である元長の6.3倍まで一軸延伸した。その後、PVAフィルムを取り出し、60℃の温風で乾燥して、厚み30μmの偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムは、視感度補正した単体透過率が44.3%、偏光度(P)が99.30%であり、計算により求めた二色性比(Rd)は46.4であり偏光性能は不十分なレベルであった。また、実施例1〜7の偏光フィルムと比較して、色相が劣っていた。
Claims (4)
- ポリビニルアルコール系重合体を主成分とする原反フィルムを架橋剤を含む水浴中で一軸延伸する工程を含む偏光フィルムの製造方法であって、前記ポリビニルアルコール系重合体の重合度が1000〜2400である、下記式(1)および(2)を満たす、製造方法。
1≦A≦50 ・・・(1)
−0.0725×A+63.0≦B≦−0.0725×A+67.3 ・・・(2)
[上記式(1)および(2)中、Aは前記原反フィルムの厚み(単位:μm)を表し、Bは前記一軸延伸を行う温度(単位:℃)を表す。] - 前記原反フィルムが単層のフィルムである、請求項1に記載の製造方法。
- 前記ポリビニルアルコール系重合体がエチレン単位を1〜4モル%含む、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記Aが45以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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