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JP7627120B2 - 偏光子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光子およびその製造方法に関する。
フラットパネルディスプレイ(FPD)は、開発初期の頃の電卓および腕時計などの小型機器から、近年では、ノートパソコン、モニター、カラープロジェクター、テレビ、車載用ナビゲーションシステム、携帯電話、屋内外で用いられる計測機器などの広い範囲で用いられるようになっているが、近年、特に小型のノートパソコンや携帯電話などのモバイル用途への展開に伴い、偏光板の薄型化が要求されている。
FPDには液晶表示装置(LCD)が広く用いられているが、近年、LCD以外の画像表示装置として、特に有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)が、モバイル用途を中心に需要が増加している。有機EL表示装置では、有機EL素子の視認側に、偏光板、特に楕円ないし円偏光板を配置して、反射防止機能を持たせた有機ELパネルが用いられることが多い。なお、楕円ないし円偏光板は、直線偏光板に1/4波長位相差板(すなわちλ/4板)を両者の遅相軸が所定の角度で交差するように積層したものである。
有機EL表示装置で用いられる偏光板の特徴は高い透過性である。LCD用途の偏光板は黒を表示する際に光を遮る必要があるため、偏光性能が高くなければならないが、有機EL用途では透過率が低いことは表示光の損失に繋がることから、LCDで用いられる偏光板よりも透過率が高い偏光板が用いられることが多い。一方、有機EL表示装置で必要とされる反射防止機能には、LCDで用いられる偏光板ほどの高い偏光度は不要である。
これらのFPDに用いられる偏光板としては、ポリビニルアルコール樹脂(以下、「PVA」と略記することがある。)フィルムを一軸延伸してなるマトリックス(一軸延伸して配向させた延伸フィルム)にヨウ素系色素(I3-やI5-等)が吸着している偏光子の両面、もしくは片面に、保護フィルムを貼り合せたものが主流である。この偏光子は、二色性色素を予め含有させたPVAフィルムを一軸延伸したり、PVAフィルムの一軸延伸と同時に二色性色素を吸着させたり、PVAフィルムを一軸延伸した後に二色性色素を吸着させたりするなどして製造される。
しかし、PVAを用いた偏光板には、温度変化が激しい環境下で使用された場合に、偏光板にクラックが生じやすい問題がある。この問題は偏光子が薄いほど顕著になりやすい。
この問題に対して、水添ノルボルネン系樹脂を含有する偏光板保護フィルムを偏光子に貼合し、ヒートサイクル性が向上した偏光板が提案されている。(特許文献1)。
また、製品使用中に起こり得る結露によってもクラックが発生し得ることに着目し、水と接触する環境下における耐クラック性が向上した偏光板として、偏光子と、偏光子の少なくとも片面に積層された機能層とを含む偏光板であって、偏光子の偏光子透過軸方向の弾性率から、機能層の偏光子透過軸方向の弾性率を差し引いた値が、-1100MPa以上である、偏光板が提案されている(特許文献2)。
国際公開第2017/110342号 特開2017-129859号公報
しかしながら、有機EL表示装置の中でも、近年開発が進行している車載用ディスプレイや屋外デジタルサイネージ用ディスプレイなど、より激しい温度変化に曝される用途においては、前記の従来技術を採用しても、クラックの発生を十分に抑制できない事が判ってきた。有機EL表示装置用の高透過偏光子の場合、偏光子中のヨウ素濃度が低いため偏光子中のヨウ素系色素による架橋効果が小さくなり、LCD用の偏光子よりも耐久性が低下しクラックが発生しやすいためである。
さらに近年、FPDの白表示の際の色つきの抑制やパネル設計時のカラーフィルターの設計の尤度の確保を目的として、黄色みもなく青みもなく色相がニュートラルな偏光板の需要が高まってきている。しかし、前記の従来技術を採用してもニュートラルな色相の偏光子を得ることが難しいことが判ってきた。
すなわち、本発明の課題は、薄い膜厚であっても、十分な光学性能を有し、かつ温度変化が激しい環境下でも耐久性に優れ、色相がニュートラルな偏光板を作製できる偏光子及び偏光子の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ね、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]~[7]である。
[1]ポリビニルアルコール及びホウ素化合物を含有する偏光子であって、偏光子中の全ホウ素元素含有量が1.0~3.5質量%であり、偏光子の単体透過率が45%以上であり、偏光子の偏光度が85%以上であり、偏光子の単体b値が-1.0~0.8である、偏光子。
[2]偏光子の厚みが20μm以下である、[1]に記載の偏光子。
[3][1]または[2]に記載の偏光子を積層してなる偏光板。
[4][3]に記載の偏光板を含む有機EL表示装置。
[5]偏光子の製造方法であって、偏光子がポリビニルアルコールフィルムからなり、前記ポリビニルアルコールフィルムを一軸延伸する延伸処理工程、前記延伸処理されたポリビニルアルコールフィルムを加熱乾燥する乾燥処理工程、前記乾燥処理されたポリビニルアルコールフィルムを前記延伸処理工程と同じ延伸方向に400~1000N/mのテンションをかけた状態で、温度50~80℃、湿度65%RH以上の雰囲気下で0.5~4時間保持する湿熱処理工程を含む、偏光子の製造方法。
[6]前記延伸処理工程における延伸温度が55~65℃である、[5]に記載の偏光子の製造方法。
[7]前記ポリビニルアルコールフィルムの厚みが60μm以下であって、得られる偏光子の厚みが20μm以下である、[5]または[6]に記載の偏光子の製造方法。
本発明の偏光子を用いることにより、比較的薄い膜厚であっても、十分な光学性能を有し、かつ温度変化が激しい環境下でも耐久性に優れ、色相がニュートラルな偏光板が得られる。さらに、本発明の偏光子は有機EL表示装置に好適に用いることができる。また、本発明の偏光子の製造方法を採用することにより、上記の優れた偏光子が提供される。
以下、本発明について具体的に説明する。なお、本明細書において、数値範囲(各成分の含有量、各成分から算出される値及び各物性等)の上限値及び下限値は適宜組み合わせ可能である。
本発明の偏光子は、ポリビニルアルコール及びホウ素化合物を含有する偏光子であって、偏光子中の全ホウ素元素含有量が1.0~3.5質量%であり、偏光子の単体透過率が45%以上であり、偏光子の偏光度が85%以上であり、偏光子の単体b値が-1.0~0.8である、偏光子である。
偏光子中の全ホウ素元素含有量を1.0~3.5質量%とすることで、十分な光学性能を有しながらも一部ホウ酸架橋が外れて偏光子表面が軟化するため、単層の偏光子の状態でもクラックの発生を抑制でき、保護フィルムを積層した偏光板も耐久性に優れる。また、偏光子の単体透過率を45%以上とし、偏光子の偏光度を85%以上とすることで、有機EL表示装置用途として、表示光を大きく損失せず、反射防止機能を十分に発揮する偏光板を得ることができる。さらに、偏光子の単体b値を-1.0~0.8とすることで、ニュートラルグレーに近い色味の偏光子となり、色相がニュートラルな偏光板を得られる。
本発明において、ポリビニルアルコール(以降、ポリビニルアルコールを「PVA」と略記することがある)としては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸イソプロペニル等のビニルエステルの1種または2種以上を重合して得られるポリビニルエステルをけん化することにより得られるものを使用することができる。上記のビニルエステルの中でも、PVAの製造の容易性、入手の容易性、コスト等の点から、分子中にビニルオキシカルボニル基を有する化合物が好ましく、酢酸ビニルがより好ましい。
上記のポリビニルエステルは、単量体として1種または2種以上のビニルエステルのみを用いて得られたものが好ましく、単量体として1種のビニルエステルのみを用いて得られたものがより好ましいが、本発明の効果を大きく損なわない範囲内であれば、1種または2種以上のビニルエステルと、これと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
上記のビニルエステルと共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン等の炭素数2~30のα-オレフィン;(メタ)アクリル酸またはその塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸i-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸i-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド;N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N-メチロール(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体等の(メタ)アクリルアミド誘導体;N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン等のN-ビニルアミド;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、i-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、i-ブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;イタコン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;不飽和スルホン酸またはその塩などを挙げることができる。上記のポリビニルエステルは、前記した他の単量体の1種または2種以上に由来する構造単位を有することができる。
上記のポリビニルエステルに占める上記他の単量体に由来する構造単位の割合は、ポリビニルエステルを構成する全構造単位のモル数に基づいて、15モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましく、5モル%以下であることが更に好ましい。
ポリビニルアルコールとしてはグラフト共重合がされていないものを好ましく使用することができるが、本発明の効果を大きく損なわない範囲内であれば、ポリビニルアルコールは1種または2種以上のグラフト共重合可能な単量体によって変性されたものであってもよい。当該グラフト共重合は、ポリビニルエステルおよびそれをけん化することにより得られるポリビニルアルコールのうちの少なくとも一方に対して行うことができる。上記グラフト共重合可能な単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸またはその誘導体;不飽和スルホン酸またはその誘導体;炭素数2~30のα-オレフィンなどが挙げられる。ポリビニルエステルまたはPVAにおけるグラフト共重合可能な単量体に由来する構造単位の割合は、ポリビニルエステルまたはポリビニルアルコールを構成する全構造単位のモル数に基づいて、5モル%以下であることが好ましい。
上記のポリビニルアルコールはその水酸基の一部が架橋されていてもよいし、架橋されていなくてもよい。また上記のポリビニルアルコールはその水酸基の一部がアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルデヒド化合物などと反応してアセタール構造を形成していてもよいし、これらの化合物と反応せずアセタール構造を形成していなくてもよい。
上記のポリビニルアルコールの重合度は特に制限されないが、1,000以上であることが好ましい。ポリビニルアルコールの重合度が1,000以上であることにより、得られる偏光子の偏光性能をより一層向上させることができる。ポリビニルアルコールの重合度はあまりに高すぎるとポリビニルアルコールの製造コストの上昇や製膜時における工程通過性の不良に繋がる傾向があるので、ポリビニルアルコールの重合度は1,000~10,000の範囲内であることがより好ましく、1,500~8,000の範囲内であることが更に好ましく、1,800~4,000の範囲内であることが特に好ましい。
上記のポリビニルアルコールのけん化度は、得られる偏光子の耐湿熱性が良好になることから、95モル%以上であることが好ましく、98モル%以上であることがより好ましく、99モル% 以上であることが更に好ましく、99.3モル%以上であることが特に好ましい。
本発明の偏光子はホウ素化合物を含有する。ホウ素化合物を含有することにより架橋構造を構築することができ、湿熱環境下などでの耐久性を発揮することができる。
上記ホウ素化合物としてはホウ酸、ホウ砂などのホウ酸塩などが挙げられ、これらのホウ素化合物は1種または複数種を併用してもよい。
これらのホウ素化合物の中でも、湿熱環境下における耐久性を向上させる観点から、ホウ酸が好ましい。
本発明の偏光子は、偏光子中の全ホウ素元素含有量が偏光子重量に対して、1.0~3.5質量%である。1.0質量%未満であると、湿熱環境下などでの耐久性が著しく低下する。偏光子中の全ホウ素元素含有量は、好ましくは2.0質量%以上である。一方、3.5質量%より大きいと、ヒートサイクル試験後に発生するクラックが多数発生する。偏光子中の全ホウ素元素含有量は、好ましくは3.0質量%以下である。ヒートサイクル試験については後述する。
本発明の偏光子の単体透過率は45%以上である。有機EL表示装置においては、偏光子の単体透過率が45%未満の場合、フラットパネルディスプレイ(FPD)の画面が暗くなるため、画面の明るさを確保するためには消費電力が多くなり、さらに有機EL素子の寿命が短くなる。なお、液晶表示装置においては、偏光子の単体透過率が45%以上の場合、偏光子の偏光度に依存するコントラスト比が低くなる傾向がある。偏光子の単体透過率は、好ましくは46%以上である。一方、偏光子の単体透過率の上限は特に制限されないが、単体透過率が高すぎる場合、偏光度が低下して十分な偏光機能を発揮しないおそれがある。よって偏光子の単体透過率は、49%以下が好ましく、48%以下がより好ましい。なお、単体透過率の測定方法は後述のとおりである。
本発明の偏光子の偏光度は85%以上である。偏光度が85%未満の場合、十分な偏光機能が発揮されず反射防止機能が低下するおそれがある。偏光子の偏光度は、好ましくは88%以上、より好ましくは90%以上である。
本発明の偏光子の単体b値は-1.0~0.8である。単体色相とは、単一の偏光子の色相を色差計を使用して測定したものを示し、b値とは、CIE座標系で色相を表現する値を言い、b値とは、b=200[(Y/Yn)1/3-(Z/Zn)1/3]で計算され、+bは黄色、-bは青色を意味する(ここで、Yn、Znは基準となるホワイト色相のY、Zに該当する)。すなわち、単体b値とは、単一の偏光子の色相を色差計で測定したCIE座標系でのb値を意味する。単体b値が-1.0未満の場合、偏光子の青みが強くなりすぎ、0.8以上の場合、偏光子の黄色みが強くなりすぎるため、偏光子の色相がニュートラルグレーを実現しにくい。よって偏光子の単体b値は、好ましくは-0.5~0.5であり、より好ましくは-0.2~0.3である。
ポリビニルアルコールフィルムとは、ポリビニルアルコールを含む溶液を製膜した無延伸のフィルムである。また、偏光子とは、上記ポリビニルアルコールフィルムに二色性色素を含浸し延伸して製造した偏光性能を持つフィルムである。以降、本発明の偏光子に用いるポリビニルアルコールフィルムについて説明する。なお、ポリビニルアルコールフィルムを「PVAフィルム」と略記することがある。
ポリビニルアルコールフィルムは上記したポリビニルアルコール及びホウ素化合物の他にと共に可塑剤を含んでいてもよい。ポリビニルアルコールフィルムが可塑剤を含むことにより、ポリビニルアルコールフィルムの取り扱い性や延伸性の向上等を図ることができる。可塑剤としては多価アルコールが好ましく用いられ、具体例としては、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどを挙げることができ、ポリビニルアルコールフィルムはこれらの可塑剤の1種または2種以上を含むことができる。これらのうちでもポリビニルアルコールフィルムの延伸性がより良好になることからグリセリンが好ましい。
ポリビニルアルコールフィルムにおける可塑剤の含有量は、ポリビニルアルコール100質量部に対して2~20質量部であることが好ましく、3~17質量部であることがより好ましく、4~14質量部であることが更に好ましい。ポリビニルアルコールフィルムにおける可塑剤の含有量がポリビニルアルコール100質量部に対して2質量部以上であることによりポリビニルアルコールフィルムの延伸性が向上する。一方、ポリビニルアルコールフィルムにおける可塑剤の含有量がポリビニルアルコール100質量部に対して20質量部以下であることにより、ポリビニルアルコールフィルムの表面に可塑剤がブリードアウトしてポリビニルアルコールフィルムの取り扱い性が低下するのを抑制することができる。
ポリビニルアルコールを含む製膜原液を用いてポリビニルアルコールフィルムを製造する場合、フィルムの厚み斑の発生が抑制されると共に、製膜後に金属ロールやベルトからのポリビニルアルコールフィルムの剥離が容易になり製膜性が向上することから、当該製膜原液中に界面活性剤を含むことが好ましい。当該製膜原液に含まれる界面活性剤、ひいてはポリビニルアルコールフィルム中に含有される界面活性剤の種類は特に限定されないが、金属ロールやベルトからの剥離性の観点から、アニオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤が好ましく、ノニオン性界面活性剤が特に好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸カリウム等のカルボン酸型;オクチルサルフェート等の硫酸エステル型;ドデシルベンゼンスルホネート等のスルホン酸型などが好適である。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル型;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル型;ポリオキシエチレンラウレート等のアルキルエステル型;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル等のアルキルアミン型;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド等のアルキルアミド型;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル等のポリプロピレングリコールエーテル型;ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド型;ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル等のアリルフェニルエーテル型などが好適である。
これらの界面活性剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができ
る。
当該製膜原液が界面活性剤を含む場合、製膜原液中における界面活性剤の含有量、ひいてはポリビニルアルコールフィルム中における界面活性剤の含有量は、当該製膜原液またはポリビニルアルコールフィルムに含まれるポリビニルアルコール100質量部に対して0.01~0.5質量部の範囲内であることが好ましく、0.02~0.3質量部の範囲内であることがより好ましい。界面活性剤の含有量がポリビニルアルコール100質量部に対して0.01質量部以上であることにより欠点の発生を抑制し、金属ロールからの剥離性を向上させることができる。一方、界面活性剤の含有量がポリビニルアルコール100質量部に対して0.5質量部以下であることにより、界面活性剤のブリードアウトによるフィルムのブロッキングを抑制でき、安定に取扱うことができる。
ポリビニルアルコールフィルムはポリビニルアルコール及びホウ素化合物のみからなっていてもよく、さらに上記した可塑剤および/または界面活性剤を含んでいてもよいが、必要に応じて、酸化防止剤、凍結防止剤、pH調整剤、隠蔽剤、着色防止剤、油剤などの他の成分を含有していてもよい。
ポリビニルアルコールフィルム全体における、ポリビニルアルコールの含有率は、50~100質量%の範囲内であることが好ましく、80~100質量%の範囲内であることがより好ましく、85~100質量% の範囲内であることが更に好ましい。
ポリビニルアルコールフィルムの厚みに特に制限はないが、60μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。ポリビニルアルコールフィルムの厚みが60μm以下であることにより、有機EL表示装置に適した薄型の偏光子を得ることができる。一方、偏光子をより円滑に製造することができることから、当該厚みは1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。ポリビニルアルコールフィルムの厚みが1μm以上であることで、得られる偏光子のクラックの発生を抑制することができる。
ポリビニルアルコールフィルムの形状に特に制限はないが、偏光子を生産性良く連続的に製造することができることから、長尺のフィルムであることが好ましい。当該長尺のフィルムの長さは特に制限されず、製造される偏光子の用途などに応じて適宜設定することができ、例えば、5~20,000mの範囲内にすることができる。当該長尺のフィルムの幅に特に制限はなく、例えば50cm以上とすることができるが、近年幅広の偏光子が求められていることから1m以上であることが好ましく、2m以上であることがより好ましく、4m以上であることが更に好ましい。当該長尺のフィルムの幅の上限に特に制限はないが、当該幅があまりに広すぎると、実用化されている装置で偏光子を製造する場合に、均一に延伸することが困難になる傾向があることから、ポリビニルアルコールフィルムの幅は7m以下であることが好ましい。
ポリビニルアルコールフィルムの製造方法は特に限定されず、製膜後のフィルムの厚みおよび幅がより均一になる製造方法を好ましく採用することができ、例えば、ポリビニルアルコールフィルムを構成する上記したポリビニルアルコール及びホウ素化合物、ならびに必要に応じて可塑剤、界面活性剤および他の成分のうちの1種または2種以上が液体媒体中に溶解した製膜原液や、ポリビニルアルコール及びホウ素化合物、ならびに必要に応じて更に可塑剤、界面活性剤、他の成分および液体媒体のうちの1種または2種以上を含み、ポリビニルアルコールが溶融している製膜原液を用いて製造することができる。当該製膜原液が可塑剤、界面活性剤および他の成分のうちの少なくとも1種を含有する場合には、それらの成分が均一に混合されていることが好ましい。
製膜原液の調製に使用される上記液体媒体としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどを挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。そのうちでも、環境に与える負荷が小さいことや回収性の点から水が好ましい。
製膜原液の揮発分率(製膜時に揮発や蒸発によって除去される液体媒体などの揮発性成分の製膜原液中における含有割合)は、製膜方法、製膜条件等によっても異なるが、50~95質量%の範囲内であることが好ましく、55~90質量%の範囲内であることがより好ましく、60~85質量%の範囲内であることが更に好ましい。製膜原液の揮発分率が50質量%以上であることにより、製膜原液の粘度が高くなり過ぎず、製膜原液調製時の濾過や脱泡が円滑に行われ、異物や欠点の少ないポリビニルアルコールフィルムの製造が容易になる。一方、製膜原液の揮発分率が95質量%以下であることにより、製膜原液の濃度が低くなり過ぎず、工業的なポリビニルアルコールフィルムの製造が容易になる。
上記した製膜原液を用いてポリビニルアルコールフィルムを製膜する際の製膜方法としては、例えば、キャスト製膜法、押出製膜法、湿式製膜法、ゲル製膜法などが挙げられ、キャスト製膜法、押出製膜法が好ましい。これらの製膜方法は1種のみを採用しても2種以上を組み合わせて採用してもよい。これらの製膜方法の中でも、厚みおよび幅が均一で物性の良好なポリビニルアルコールフィルムが得られることからキャスト製膜法、押出製膜法がより好ましい。ポリビニルアルコールフィルムフィルムには必要に応じて乾燥や熱処理を行うことができる。
ポリビニルアルコールフィルムは、偏光子の製造工程における生産性を改善するなどの理由から、熱処理を施したものであることが好ましい。熱処理は、下記の方法により測定される、ポリビニルアルコールフィルムの膨潤度と軟化点の調整方法の一つである。
[PVAフィルムの膨潤度]
測定対象となるPVAフィルムから幅方向に10cm、長さ方向に20cmの長方形のサンプルを切り出し、このサンプルをさらに幅が2~3mm、長さが20cmの短冊状にカットした。その後、これらの短冊状のサンプル全てを30℃の1,000gの蒸留水中にそのまま浸漬した。30分間浸漬後に短冊状のサンプルを取り出し、遠心分離機(KOKUSANXEM-KL-5886)を用いて3,000rpmで5分間遠心脱水し、脱水後の質量「N」(短冊状のサンプル全ての合計)を測定した。続いて、その短冊状のサンプルを105℃の乾燥機で16時間乾燥した後、質量「M」(短冊状のサンプル全ての合計)を測定し、式:膨潤度(%)=100×N/Mにより膨潤度を算出した。なお同様の測定を3回行い、その平均値を採用した。
[PVAフィルムの軟化点]
測定対象となるPVAフィルムの軟化点を、第一理化株式会社製自動軟化点測定装置「EX-820」を使用して測定した。具体的には、PVAフィルムから3cm角のサイズの正方形のサンプルを切り出し、このサンプルを中央に直径1cmの円形の穴のあいた厚み1mmで3cm角のステンレス板と中央に1cm×2cmの長方形の穴のあいた厚み1mmで3cm角のステンレス板との間に挟み、円形の穴のあいたステンレス板の方を上面にして架台に設置して、円形の穴の中央に位置するフィルム上にJIS B1501:2009に定める鋼球(呼び:3/8(直径9.525mm)、等級:G60、質量:3.5g±0.05g)を載せた。続いて25℃の蒸留水を750mL入れ、毎分5℃で昇温し、フィルムが架台から25mmの位置まで降下したときの温度をPVAフィルムの軟化点とした。
本発明の偏光子の製造に用いるPVAフィルムの膨潤度は、160~240%の範囲内であることが好ましく、170~230%の範囲内であることがより好ましく、180~220%の範囲内であることが特に好ましい。膨潤度が160%以上であることにより極度に結晶化が進行するのを抑制することができて、安定して高倍率まで延伸することができる。一方、膨潤度が240%以下であることにより、延伸時の溶解が抑制され、より高温の条件下でも延伸することが可能となる。本発明のフィルムは軟化点が63℃以下である。これにより収縮低減により優れる光学フィルムが得られる。軟化点は60℃以下であることが好ましく、57℃以下であることがより好ましく、55℃以下であることがさらに好ましい。軟化点が低いほど、得られる光学フィルムの収縮力が低減する。一方、フィルムを一軸延伸する際など、使用時の工程通過性の観点から、工業的な軟化点の下限は50℃程度である。
また、本発明の偏光子は、下記(A)~(D)の手順で実施するヒートサイクル試験(以下、ヒートサイクル試験と略することがある。)の後に生じるクラック数が、幅7.5cm当たり25本以下であることにより、偏光子の両面もしくは片面に保護フィルムを貼り合せた偏光板において、十分な耐クラック性を発揮する。
(A)偏光子を温度23℃、50RH%で18時間調湿後、当該偏光子から長さ方向に10cm×幅方向に7.5cmのフィルム片4枚を採取する。
(B)30cm×21cmのガラス板に、20cm×30cmに切り出した粘着剤シートを貼り、その右上、左上、右下、左下の4か所に前記4枚のフィルム片を貼合する。
(C)前記のフィルム片を貼合したガラス板を、-40℃で30分保持した後、温度85℃で30分保持するのを1サイクルとしたヒートサイクルを、200サイクル繰り返す。
(D)前記ヒートサイクルを200サイクル繰り返した後に4枚のフィルム片に生じた、全長さ方向(10cm)にわたるクラックの本数の総数を数え、幅7.5cm当たりのクラック数とする。
ヒートサイクル試験後に発生するクラック数は、幅7.5cmに対し25本以下であることが好ましく、幅7.5cmに対し20本以下であることがより好ましく、幅7.5cmに対し15本以下であることが更に好ましい。一方、ヒートサイクル試験後に発生するクラック数の下限には特に制限はないが、極度に発生するクラック数が少ない偏光子の場合、製造コストが高くなると予想されるため、幅7.5cmに対し5本以上であることが好ましく、幅7.5cmに対し10本以上であることがより好ましい。
本発明の偏光子の厚みは特に制限されないが、厚みが20μm以下であっても、十分な光学性能を有し、かつ温度変化が激しい環境下でも耐久性に優れ、色相がニュートラルな偏光板が得られる。
本発明の偏光子を積層してなる偏光板は、液晶表示装置と有機EL表示装置に用いることができる。これらの用途において、本発明の偏光子と保護フィルムとが積層されてなる偏光板が本発明の好適な実施態様である。本発明の偏光子を用いた偏光板は、優れた耐久性、および偏光性能、色相を有しているため、有機EL表示装置等、特にモバイル機器用の有機EL表示装置に好適に用いられる。
前記保護フィルムは、光学的に透明でかつ機械的強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、三酢酸セルロース(TAC)フィルム、酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルム、環状オレフィン(COP)フィルムなどを使用することができる。前記偏光板は、前記偏光子の片面に前記保護フィルムが張り合わされたものであってもよいし、前記偏光子の両面に前記保護フィルムが張り合わされたものであってもよい。また、貼り合わせのための接着剤としては、PVA系接着剤やウレタン系接着剤、もしくは紫外線硬化型接着剤などを挙げることができる。
本発明の偏光子の製造方法について説明する。本発明の偏光子の製造方法を採用することにより、本発明の偏光子を効率的に製造することができる。
本発明の偏光子の製造方法は、偏光子がポリビニルアルコールフィルムからなり、前記ポリビニルアルコールフィルムを一軸延伸する延伸処理工程、前記延伸処理されたポリビニルアルコールフィルムを加熱乾燥する乾燥処理工程、前記乾燥処理されたポリビニルアルコールフィルムを前記延伸処理工程と同じ延伸方向に400~1000N/mのテンションをかけた状態で、温度50~80℃、湿度65%RH以上の雰囲気下で0.5~4時間保持する湿熱処理工程を含む、偏光子の製造方法である。
本発明の偏光子の製造方法では、予め、原反のPVAフィルムを膨潤させる処理(以下、「膨潤処理工程」と称することがある)を経てから各工程に供することが好ましい。染色処理工程及び延伸処理工程に加えて、架橋剤を用いて上記PVAフィルムを架橋させる処理(以下、「架橋処理工程」と称することがある)を経た後、乾燥処理を経てから湿熱処理を行うことも好ましい。乾燥処理の前に、適宜PVAフィルムを洗浄する処理(洗浄処理)を行ってもよい。また、本発明の偏光子の製造方法において、1種類の処理を複数回行っても構わない。また、複数の処理を1つの浴中で同時に行っても構わない。
本発明の偏光子の製造方法は、染色処理工程、延伸処理工程、乾燥処理工程及び湿熱処理工程をこの順番で行う方法が好ましく、染色処理工程、架橋処理工程、延伸処理工程、乾燥処理工程及び湿熱処理工程をこの順番で行う方法が好ましく、膨潤処理工程、染色処理工程、架橋処理工程、延伸処理工程、乾燥処理工程及び湿熱処理工程をこの順番で行う方法がさらに好ましい。以下、各工程について詳細に説明する。
膨潤処理工程における膨潤処理は、PVAフィルムを水中に浸漬することにより行うことができる。水中に浸漬する際の水の温度は、20~40℃の範囲内であることが好ましく、22~38℃の範囲内であることがより好ましく、25~35℃の範囲内であることが更に好ましい。また、水中に浸漬する時間としては、例えば、0.1~5分間の範囲内であることが好ましく、0.5~3分間の範囲内であることがより好ましい。なお、水中に浸漬する際の水は純水に限定されず、各種成分が溶解した水溶液であってもよいし、水と水性媒体との混合物であってもよい。
染色処理工程における染色処理は、染色の時期として、延伸処理前、延伸処理時、延伸処理後のいずれの段階であってもよいが、延伸処理前が好ましい。染色はヨウ素系色素を用いて行い、PVAフィルムを染色浴としてヨウ素-ヨウ化カリウムを含有する溶液(特に水溶液)中に浸漬させることにより行うのが一般的であり、本発明においてもこのような染色方法が好適に採用される。染色浴におけるヨウ素の濃度は0.01~0.5質量%の範囲内であることが好ましく、ヨウ化カリウムの濃度は0.01~10質量%の範囲内であることが好ましい。また、染色浴の温度は20~50℃、特に25~40℃とすることが好ましい。
架橋処理工程における架橋処理は、PVAフィルムを、架橋剤を含む水溶液に浸漬する処理である。架橋処理を行うと、PVAフィルムに架橋構造が導入され、比較的高温且つ湿式で延伸処理を行う際に、PVAの水へ溶出を効果的に防止することができる。この観点から、架橋処理は染色処理の後に行うのが好ましい。当該架橋剤としては、ホウ酸、ホウ砂等のホウ酸塩などのホウ素化合物の1種または2種以上を使用することができる。架橋剤を含む水溶液における架橋剤の濃度は1~15質量%の範囲内であることが好ましく、2~7質量%の範囲内であることがより好ましい。架橋剤を含む水溶液はヨウ化カリウム等の助剤を含有してもよい。架橋剤を含む水溶液の温度は、20~50℃の範囲内であることが好ましく、25~40℃の範囲内であることがより好ましい。
延伸処理工程における延伸処理は、湿式延伸法または乾式延伸法のいずれで行ってもよい。湿式延伸法では、ホウ酸を含む水溶液中で一軸延伸を行うこともでき、また上記した染色浴中や後述する固定処理浴中で一軸延伸を行うこともできる。乾式延伸法は、吸水後のPVAフィルムを用いて大気下で一軸延伸を行うことができる。これらの中でも、延伸処理は湿式延伸法が好ましく、ホウ酸を含む水溶液中で一軸延伸する湿式延伸法がより好ましい。ホウ酸水溶液中におけるホウ酸の濃度は0.5~6.0質量%の範囲内であることが好ましく、1.0~5.0質量%の範囲内であることがより好ましく、1.5~4.0質量%の範囲内であることが特に好ましい。また、ホウ酸水溶液はヨウ化カリウムを含有してもよく、その濃度は0.01~10質量%の範囲内にすることが好ましい。
前記延伸処理における延伸温度は、55~65℃の範囲内であることが好ましい。
また、前記延伸処理における延伸倍率は、得られる偏光子の偏光性能の点から5倍以上であることが好ましく、5.5倍以上であることがより好ましく、6倍以上であることが特に好ましい。延伸倍率の上限は特に制限されないが、延伸倍率は8倍以下であることが好ましい。
本発明の偏光子の製造方法において、適宜PVAフィルムを洗浄する処理(洗浄処理)を行ってもよいが、PVAフィルムへの染料(ヨウ素等)の吸着をより強固にすることができることから、乾燥処理工程の前に洗浄処理を行うことが好ましい。洗浄処理に使用する洗浄処理浴としては、ホウ酸、硼砂等のホウ素化合物の1種または2種以上を含む水溶液を使用することができる。また、必要に応じて、洗浄処理浴中にヨウ素化合物や金属化合物を添加してもよい。その際、洗浄処理浴におけるホウ素化合物の濃度は、1~15質量%であることが好ましい。前記水溶液にヨウ化カリウムを含有させる場合、その濃度は0.01~10質量%が好ましい。洗浄処理浴の温度は、15~60℃、特に20~40℃であることが好ましい。
乾燥処理工程における乾燥処理は、30~150℃で行うことが好ましく、特に50~130℃で行うことがより好ましい。
湿熱処理工程における湿熱処理では、乾燥処理工程を通過したPVAフィルムを、延伸方向に400~1000N/mのテンションがかかった状態で、温度50~80℃、湿度65%RH以上の雰囲気下で処理する。テンションは、450~800N/mであることが好ましく、500~600N/mであることがより好ましい。
当該処理によりヒートサイクル試験後に発生するクラック数を低減させることができる理由は明らかではないが、高温高湿条件下ではPVAフィルム表面又は内部のホウ酸架橋が部分的に加水分解し、フィルム表面が軟化しやすくクラックの発生を抑制できるためと推定される。
前記湿熱処理における湿熱温度は、十分な水蒸気量でホウ酸架橋の加水分解を生じさせるため、55℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。また、光学特性の劣化を抑制するため、75℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましい。
湿熱処理における湿度は、十分な水蒸気量でホウ酸架橋の加水分解を生じさせるため、70%RH以上で行うことが好ましく、75%RH以上で行うことがより好ましい。一方で、湿度が過度に高いと、処理ゾーン内での結露の発生や、結露水によるフィルムの汚染が懸念されることから、90%RH以下が好ましく、85%RH以下がより好ましい。
湿熱処理における湿熱時間は、十分にホウ酸架橋の加水分解を生じさせるため1時間以上が好ましく、1.5時間以上がより好ましい。また、あまり長いと光学特性の劣化が懸念されることから、3時間以下が好ましく、2.5時間以下がより好ましい。
本発明の偏光子の製造方法を採用し、さらにポリビニルアルコールフィルムの厚みを60μm以下、得られる偏光子の厚みが20μm以下にすることにより、フレキシブル性が向上し、収縮力が低下した、有機EL表示装置、特にモバイル機器用の有機EL表示装置に適用可能な薄膜の偏光子が得られる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
[偏光子の光学性能評価]
各実施例または比較例で得られた偏光子の幅方向の中央部から、偏光子の長さ方向に3cm、幅方向に1.5cmの長方形のフィルム片を採取した。積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製「V7100」)を用いて、JIS Z8722(物体色の測定方法)に準拠し、視感度補正を行った上で、当該フィルム片の単体透過率、偏光度及び単体b値を測定した。
[偏光子中の全ホウ素元素含有量(質量%)の算出]
各実施例または比較例で得られた偏光子を温度23℃、湿度50%RHで16時間調湿した後、1mg前後のサンプルを採取し、その質量(J(g))を測定した。次に、採取したサンプルを蒸留水20mLに溶解させ水溶液とした。この水溶液を測定サンプルとし、その質量(K(g))を測定した。その後、島津製作所製マルチ形ICP発光分析装置(ICPE-9000)を用いて測定サンプルのホウ素濃度(L(ppm))を測定した。その後、下記計算式に値を代入して算出した値を偏光子中の全ホウ素元素含有量(質量%)とした。
偏光子中の全ホウ素元素含有量(質量%)
=[(L×10-6×K)/J]×100
[クラック数の評価]
各実施例または比較例で得られた偏光子を温度23℃、50RH%で18時間調湿後、当該偏光子から長さ方向に10cm×幅方向に7.5cmのフィルム片を4枚切り出した。次に、30cm×21cmのガラス板に、20cm×30cmに切り出した粘着剤(株式会社美舘イメージング社製、MCS70、厚み25μm)を貼り、その右上、左上、右下、左下の4か所に上記の4枚のフィルム片を貼り合わせて測定サンプルとした。楠本化成株式会社製の冷熱衝撃試験機(ETAC WINTECH NT530A)を用いて、温度-40℃で30分保持した後、温度85℃で30分保持するサイクルを200サイクル繰り返した。200サイクル後に4枚のフィルム片に生じた、全長さ方向(10cm)にわたるクラックの本数の総数を数えた。
[実施例1]
ポリビニルアルコール(酢酸ビニルの単独重合体のけん化物、重合度2,800、けん化度99.3モル%)100質量部、可塑剤としてグリセリン10質量部、界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム0.1質量部および水からなる揮発分率66質量%の製膜原液を用い、回転軸が互いに平行な18個の乾燥ロールを備える製膜装置によって、厚み45μm、膨潤度が203%、軟化点67.9℃の長尺のPVAフィルムを連続的に製膜した。
具体的には、上記の製膜原液をT型スリットダイから第1乾燥ロール(表面温度93℃、周速13.6m/分)上に膜状に吐出し、第1乾燥ロール上で、第1乾燥ロール非接触面の全体に熱風(温度90℃、露点温度10℃)を5m/秒の風速で均一に吹き付けながらポリビニルアルコール膜の揮発分率が25質量%になるまで乾燥し、次いで第1乾燥ロールから剥離して(第1乾燥ロールより剥離するときの揮発分率は25質量%)、PVA膜の第1乾燥ロール接触面と第1乾燥ロール非接触面とが各乾燥ロールに交互に対向するように、第2乾燥ロール以降の乾燥ロールで乾燥を行い、さらに幅方向両端部(耳)を切断・除去した後、ロール状に巻き取って、上記のポリビニルアルコールフィルムを得た。
得られたポリビニルアルコールフィルムの幅方向中央部から、幅5cm×長さ5cmの範囲が一軸延伸できるように幅5cm×長さ9cmのサンプルをカットした。このサンプルを、液温30℃の水中に1分間浸漬している間に元の長さの2倍に長さ方向に一軸延伸(1段目延伸)し膨潤させた(膨潤処理)。次いで、液温32℃のヨウ素水溶液(染色浴:ヨウ素濃度が0.019質量%、ヨウ化カリウム濃度が0.44質量%)に2分間浸漬している間に1.3倍(全体で2.5倍)に長さ方向に一軸延伸(2段目延伸)しながら染色した(染色処理)。次いで、液温32℃のホウ酸水溶液(架橋浴:ホウ酸濃度が2.6質量%)に2分間浸漬している間に1.2倍(全体で3.0倍)に長さ方向に一軸延伸(3段目延伸)しながら架橋した(架橋処理)。続いて、液温58℃のホウ酸/ヨウ化カリウム水溶液(延伸浴:ホウ酸濃度が2.8質量%、ヨウ化カリウム濃度が5.0質量%)に浸漬している間に2.0倍(全体で6.0倍)に長さ方向に一軸延伸(4段目延伸)した(延伸処理)。続いて、液温22℃のヨウ化カリウム水溶液(洗浄浴:ホウ酸濃度が1.5質量%、ヨウ化カリウム濃度が3.3質量%)に延伸せずに10秒間浸漬して洗浄した(洗浄処理)。続いて、80℃の乾燥機で長さ方向に寸法変化が起こらないように両端を固定して90秒間乾燥した(乾燥処理)。その後、温度60℃、湿度90%RHに保持された恒温恒湿機内に、長さ方向に500N/mのテンションがかかった状態で4時間保持した(湿熱処理)。得られた偏光子について、上記した方法により単体透過率、偏光度、単体b値、全ホウ素元素含有量及びクラック数を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例2]
湿熱処理において恒温恒湿機内に保持する時間を0.5時間に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造した。得られた偏光子について、上記した方法により単体透過率、偏光度、単体b値、全ホウ素元素含有量及びクラック数を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例3]
湿熱処理において恒温恒湿機内に保持する時間を2時間に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造した。得られた偏光子について、上記した方法により単体透過率、偏光度、単体b値、全ホウ素元素含有量及びクラック数を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例4]
湿熱処理において温度を50℃に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造した。得られた偏光子について、上記した方法により単体透過率、偏光度、単体b値、全ホウ素元素含有量及びクラック数を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例5]
湿熱処理において湿度を70%RHに変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造した。得られた偏光子について、上記した方法により単体透過率、偏光度、単体b値、全ホウ素元素含有量及びクラック数を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例6]
延伸処理(4段目延伸)で使用したホウ酸/ヨウ化カリウム水溶液(延伸浴)の液温を62℃、湿熱処理において恒温恒湿機内に保持する時間を0.5時間に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造した。得られた偏光子について、上記した方法により単体透過率、偏光度、単体b値、全ホウ素元素含有量及びクラック数を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例7]
片面にPVAのり(PVA含有量は3質量%)が塗布された三酢酸セルロース(TAC)フィルムを、実施例1で得られた偏光子の両側に配置して貼り合せた後、60℃にて10分間乾燥を行うことにより偏光板を作製した。得られた偏光板はクラックが見られず十分な耐久性を有していた。
[比較例1]
湿熱処理において恒温恒湿機内に保持する時間を8時間に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造した。得られた偏光子について、上記した方法により単体透過率、偏光度、単体b値、全ホウ素元素含有量及びクラック数を測定した。その結果を表1に示す。しかし、貼り合せに使う偏光子を上記した偏光子に変更した以外は、実施例7と同様にして製造した偏光板は、偏光度が低く十分な偏光性能を有さず、十分な色相にならなかった。
[比較例2]
染色処理(2段目延伸)で使用したヨウ素水溶液(染色浴)のヨウ素濃度を0.052質量%、ヨウ化カリウム濃度が1.2質量%、湿熱処理において恒温恒湿機内に保持する時間を6時間に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造した。得られた偏光子について、上記した方法により単体透過率、偏光度、単体b値、全ホウ素元素含有量及びクラック数を測定した。その結果を表1に示す。しかし、貼り合せに使う偏光子を上記した偏光子に変更した以外は、実施例7と同様にして製造した偏光板は、透過率が低く十分な偏光性能を有さなかった。
[比較例3]
湿熱処理において温度を40℃に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造した。得られた偏光子について、上記した方法により単体透過率、偏光度、単体b値、全ホウ素元素含有量及びクラック数を測定した。その結果を表1に示す。しかし、貼り合せに使う偏光子を上記した偏光子に変更した以外は、実施例7と同様にして製造した偏光板は、十分な耐久性を有さなかった。
[比較例4]
湿熱処理において温度を90℃に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造したが、湿熱処理において偏光子が収縮したため、偏光子は採取できなかった。
[比較例5]
湿熱処理において恒温恒湿機内に保持する時間を0.5時間、湿熱処理において温度を60℃、湿度を50%RHに変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造した。得られた偏光子について、上記した方法により単体透過率、偏光度、単体b値、全ホウ素元素含有量及びクラック数を測定した。その結果を表1に示す。しかし、貼り合せに使う偏光子を上記した偏光子に変更した以外は、実施例7と同様にして製造した偏光板は、十分な色相にならなかった。
[比較例6]
延伸処理(4段目延伸)で使用したホウ酸/ヨウ化カリウム水溶液(延伸浴)の液温を50℃に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造したが、偏光子が硬く、湿熱処理において偏光子が割れたため、偏光子は採取できなかった。
[比較例7]
延伸処理(4段目延伸)で使用したホウ酸/ヨウ化カリウム水溶液(延伸浴)の液温を70℃に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造したが、延伸処理(4段目延伸)で偏光子が溶断したため、偏光子は採取できなかった。
[比較例8]
延伸処理(4段目延伸)で使用したホウ酸/ヨウ化カリウム水溶液(延伸浴)のホウ酸濃度を3.5質量%、湿熱処理において恒温恒湿機内に保持する時間を0.5時間に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造した。得られた偏光子について、上記した方法により単体透過率、偏光度、単体b値、全ホウ素元素含有量及びクラック数を測定した。その結果を表1に示す。しかし、貼り合せに使う偏光子を上記した偏光子に変更した以外は、実施例7と同様にして製造した偏光板は、十分な耐久性を有さなかった。
[比較例9]
湿熱処理におけるテンションを300N/mに変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造した。得られた偏光子について、上記した方法により単体透過率、偏光度、単体b値、全ホウ素元素含有量及びクラック数を測定した。その結果を表1に示す。しかし、貼り合せに使う偏光子を上記した偏光子に変更した以外は、実施例7と同様にして製造した偏光板は、十分な耐久性を有さなかった。
[比較例10]
湿熱処理におけるテンションを1200N/mに変更した以外は、実施例1と同様にして偏光子を製造したが、湿熱処理において偏光子が割れたため、偏光子は採取できなかった。

Claims (7)

  1. ポリビニルアルコール及びホウ素化合物を含有する偏光子であって、偏光子中の全ホウ素元素含有量が1.0~3.5質量%であり、偏光子の単体透過率が45%以上であり、偏光子の偏光度が85%以上であり、偏光子の単体b値が-1.0~0.8であり、下記(A)~(D)の手順で実施するヒートサイクル試験の後に生じるクラック数が、幅7.5cm当たり20本以下である、偏光子。
    (A)偏光子を温度23℃、50RH%で18時間調湿後、当該偏光子から長さ方向に10cm×幅方向に7.5cmのフィルム片4枚を採取する。
    (B)30cm×21cmのガラス板に、20cm×30cmに切り出した粘着剤シートを貼り、その右上、左上、右下、左下の4か所に前記4枚のフィルム片を貼合する。
    (C)前記のフィルム片を貼合したガラス板を、-40℃で30分保持した後、温度85℃で30分保持するのを1サイクルとしたヒートサイクルを、200サイクル繰り返す。
    (D)前記ヒートサイクルを200サイクル繰り返した後に4枚のフィルム片に生じた、全長さ方向(10cm)にわたるクラックの本数の総数を数え、幅7.5cm当たりのクラック数とする。
  2. 偏光子の厚みが20μm以下である、請求項1に記載の偏光子。
  3. 請求項1または2に記載の偏光子を積層してなる偏光板。
  4. 請求項3に記載の偏光板を含む有機EL表示装置。
  5. 偏光子の製造方法であって、偏光子がポリビニルアルコールフィルムからなり、前記ポリビニルアルコールフィルムを一軸延伸する延伸処理工程、前記延伸処理されたポリビニルアルコールフィルムを加熱乾燥する乾燥処理工程、前記乾燥処理されたポリビニルアルコールフィルムを前記延伸処理工程と同じ延伸方向に400~1000N/mのテンションをかけた状態で、温度50~80℃、湿度65%RH以上の雰囲気下で0.5~4時間保持する湿熱処理工程を含む、請求項1に記載の偏光子の製造方法。
  6. 前記延伸処理工程における延伸温度が55~65℃である、請求項5に記載の偏光子の製造方法。
  7. 前記ポリビニルアルコールフィルムの厚みが60μm以下であって、得られる偏光子の厚みが20μm以下である、請求項5または6に記載の偏光子の製造方法。
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