図1は、プレプロガストリン、プロガストリン、及びプロガストリンプロセシングの産物(G34、G34−Gly、G17、G17−Gly、及びC末端隣接ペプチドCTFPを含む)のアミノ酸配列を提供する。
図2は、ポリペプチド、及び相当するポリヌクレオチド、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖及びVL鎖の配列:抗hPG MAb3(それぞれ配列番号16、12、17、及び13、出現の順番で)(図2A、2B)、抗hPG MAb4(それぞれ配列番号18、14、19、及び15、出現の順番で)(図2C、2D)、抗hPG MAb8(それぞれ配列番号67、59、71、及び63、出現の順番で)(図2E、2F)、抗hPG Mab13(それぞれ配列番号68、60、72、及び64、出現の順番で)(図2G、2H)、抗hPG MAb16(それぞれ配列番号69、61、73、及び65、出現の順番で)(図2I、2J)、及び抗hPG MAb19(それぞれ配列番号70、62、74、及び66、出現の順番で)(図2K、2L)を提供し、それにおいて、各鎖の3つのCDRに下線を引いている。
図2は、ポリペプチド、及び相当するポリヌクレオチド、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖及びVL鎖の配列:抗hPG MAb3(それぞれ配列番号16、12、17、及び13、出現の順番で)(図2A、2B)、抗hPG MAb4(それぞれ配列番号18、14、19、及び15、出現の順番で)(図2C、2D)、抗hPG MAb8(それぞれ配列番号67、59、71、及び63、出現の順番で)(図2E、2F)、抗hPG Mab13(それぞれ配列番号68、60、72、及び64、出現の順番で)(図2G、2H)、抗hPG MAb16(それぞれ配列番号69、61、73、及び65、出現の順番で)(図2I、2J)、及び抗hPG MAb19(それぞれ配列番号70、62、74、及び66、出現の順番で)(図2K、2L)を提供し、それにおいて、各鎖の3つのCDRに下線を引いている。
図2は、ポリペプチド、及び相当するポリヌクレオチド、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖及びVL鎖の配列:抗hPG MAb3(それぞれ配列番号16、12、17、及び13、出現の順番で)(図2A、2B)、抗hPG MAb4(それぞれ配列番号18、14、19、及び15、出現の順番で)(図2C、2D)、抗hPG MAb8(それぞれ配列番号67、59、71、及び63、出現の順番で)(図2E、2F)、抗hPG Mab13(それぞれ配列番号68、60、72、及び64、出現の順番で)(図2G、2H)、抗hPG MAb16(それぞれ配列番号69、61、73、及び65、出現の順番で)(図2I、2J)、及び抗hPG MAb19(それぞれ配列番号70、62、74、及び66、出現の順番で)(図2K、2L)を提供し、それにおいて、各鎖の3つのCDRに下線を引いている。
図2は、ポリペプチド、及び相当するポリヌクレオチド、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖及びVL鎖の配列:抗hPG MAb3(それぞれ配列番号16、12、17、及び13、出現の順番で)(図2A、2B)、抗hPG MAb4(それぞれ配列番号18、14、19、及び15、出現の順番で)(図2C、2D)、抗hPG MAb8(それぞれ配列番号67、59、71、及び63、出現の順番で)(図2E、2F)、抗hPG Mab13(それぞれ配列番号68、60、72、及び64、出現の順番で)(図2G、2H)、抗hPG MAb16(それぞれ配列番号69、61、73、及び65、出現の順番で)(図2I、2J)、及び抗hPG MAb19(それぞれ配列番号70、62、74、及び66、出現の順番で)(図2K、2L)を提供し、それにおいて、各鎖の3つのCDRに下線を引いている。
図2は、ポリペプチド、及び相当するポリヌクレオチド、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖及びVL鎖の配列:抗hPG MAb3(それぞれ配列番号16、12、17、及び13、出現の順番で)(図2A、2B)、抗hPG MAb4(それぞれ配列番号18、14、19、及び15、出現の順番で)(図2C、2D)、抗hPG MAb8(それぞれ配列番号67、59、71、及び63、出現の順番で)(図2E、2F)、抗hPG Mab13(それぞれ配列番号68、60、72、及び64、出現の順番で)(図2G、2H)、抗hPG MAb16(それぞれ配列番号69、61、73、及び65、出現の順番で)(図2I、2J)、及び抗hPG MAb19(それぞれ配列番号70、62、74、及び66、出現の順番で)(図2K、2L)を提供し、それにおいて、各鎖の3つのCDRに下線を引いている。
図2は、ポリペプチド、及び相当するポリヌクレオチド、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖及びVL鎖の配列:抗hPG MAb3(それぞれ配列番号16、12、17、及び13、出現の順番で)(図2A、2B)、抗hPG MAb4(それぞれ配列番号18、14、19、及び15、出現の順番で)(図2C、2D)、抗hPG MAb8(それぞれ配列番号67、59、71、及び63、出現の順番で)(図2E、2F)、抗hPG Mab13(それぞれ配列番号68、60、72、及び64、出現の順番で)(図2G、2H)、抗hPG MAb16(それぞれ配列番号69、61、73、及び65、出現の順番で)(図2I、2J)、及び抗hPG MAb19(それぞれ配列番号70、62、74、及び66、出現の順番で)(図2K、2L)を提供し、それにおいて、各鎖の3つのCDRに下線を引いている。
図2は、ポリペプチド、及び相当するポリヌクレオチド、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖及びVL鎖の配列:抗hPG MAb3(それぞれ配列番号16、12、17、及び13、出現の順番で)(図2A、2B)、抗hPG MAb4(それぞれ配列番号18、14、19、及び15、出現の順番で)(図2C、2D)、抗hPG MAb8(それぞれ配列番号67、59、71、及び63、出現の順番で)(図2E、2F)、抗hPG Mab13(それぞれ配列番号68、60、72、及び64、出現の順番で)(図2G、2H)、抗hPG MAb16(それぞれ配列番号69、61、73、及び65、出現の順番で)(図2I、2J)、及び抗hPG MAb19(それぞれ配列番号70、62、74、及び66、出現の順番で)(図2K、2L)を提供し、それにおいて、各鎖の3つのCDRに下線を引いている。
図2は、ポリペプチド、及び相当するポリヌクレオチド、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖及びVL鎖の配列:抗hPG MAb3(それぞれ配列番号16、12、17、及び13、出現の順番で)(図2A、2B)、抗hPG MAb4(それぞれ配列番号18、14、19、及び15、出現の順番で)(図2C、2D)、抗hPG MAb8(それぞれ配列番号67、59、71、及び63、出現の順番で)(図2E、2F)、抗hPG Mab13(それぞれ配列番号68、60、72、及び64、出現の順番で)(図2G、2H)、抗hPG MAb16(それぞれ配列番号69、61、73、及び65、出現の順番で)(図2I、2J)、及び抗hPG MAb19(それぞれ配列番号70、62、74、及び66、出現の順番で)(図2K、2L)を提供し、それにおいて、各鎖の3つのCDRに下線を引いている。
図2は、ポリペプチド、及び相当するポリヌクレオチド、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖及びVL鎖の配列:抗hPG MAb3(それぞれ配列番号16、12、17、及び13、出現の順番で)(図2A、2B)、抗hPG MAb4(それぞれ配列番号18、14、19、及び15、出現の順番で)(図2C、2D)、抗hPG MAb8(それぞれ配列番号67、59、71、及び63、出現の順番で)(図2E、2F)、抗hPG Mab13(それぞれ配列番号68、60、72、及び64、出現の順番で)(図2G、2H)、抗hPG MAb16(それぞれ配列番号69、61、73、及び65、出現の順番で)(図2I、2J)、及び抗hPG MAb19(それぞれ配列番号70、62、74、及び66、出現の順番で)(図2K、2L)を提供し、それにおいて、各鎖の3つのCDRに下線を引いている。
図2は、ポリペプチド、及び相当するポリヌクレオチド、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖及びVL鎖の配列:抗hPG MAb3(それぞれ配列番号16、12、17、及び13、出現の順番で)(図2A、2B)、抗hPG MAb4(それぞれ配列番号18、14、19、及び15、出現の順番で)(図2C、2D)、抗hPG MAb8(それぞれ配列番号67、59、71、及び63、出現の順番で)(図2E、2F)、抗hPG Mab13(それぞれ配列番号68、60、72、及び64、出現の順番で)(図2G、2H)、抗hPG MAb16(それぞれ配列番号69、61、73、及び65、出現の順番で)(図2I、2J)、及び抗hPG MAb19(それぞれ配列番号70、62、74、及び66、出現の順番で)(図2K、2L)を提供し、それにおいて、各鎖の3つのCDRに下線を引いている。
図2は、ポリペプチド、及び相当するポリヌクレオチド、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖及びVL鎖の配列:抗hPG MAb3(それぞれ配列番号16、12、17、及び13、出現の順番で)(図2A、2B)、抗hPG MAb4(それぞれ配列番号18、14、19、及び15、出現の順番で)(図2C、2D)、抗hPG MAb8(それぞれ配列番号67、59、71、及び63、出現の順番で)(図2E、2F)、抗hPG Mab13(それぞれ配列番号68、60、72、及び64、出現の順番で)(図2G、2H)、抗hPG MAb16(それぞれ配列番号69、61、73、及び65、出現の順番で)(図2I、2J)、及び抗hPG MAb19(それぞれ配列番号70、62、74、及び66、出現の順番で)(図2K、2L)を提供し、それにおいて、各鎖の3つのCDRに下線を引いている。
図2は、ポリペプチド、及び相当するポリヌクレオチド、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖及びVL鎖の配列:抗hPG MAb3(それぞれ配列番号16、12、17、及び13、出現の順番で)(図2A、2B)、抗hPG MAb4(それぞれ配列番号18、14、19、及び15、出現の順番で)(図2C、2D)、抗hPG MAb8(それぞれ配列番号67、59、71、及び63、出現の順番で)(図2E、2F)、抗hPG Mab13(それぞれ配列番号68、60、72、及び64、出現の順番で)(図2G、2H)、抗hPG MAb16(それぞれ配列番号69、61、73、及び65、出現の順番で)(図2I、2J)、及び抗hPG MAb19(それぞれ配列番号70、62、74、及び66、出現の順番で)(図2K、2L)を提供し、それにおいて、各鎖の3つのCDRに下線を引いている。
図3A〜Cは、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体、MAb1〜4(図3A);MAb 5〜14及び20〜23(図3B);ならびにMAb 3及び15〜19(図3C)の増加する抗体濃度(μg/ml)での相対的な結合親和性(492nmでの吸光度として測定)を例証するグラフを提供する。
図3A〜Cは、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体、MAb1〜4(図3A);MAb 5〜14及び20〜23(図3B);ならびにMAb 3及び15〜19(図3C)の増加する抗体濃度(μg/ml)での相対的な結合親和性(492nmでの吸光度として測定)を例証するグラフを提供する。
図3A〜Cは、例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体、MAb1〜4(図3A);MAb 5〜14及び20〜23(図3B);ならびにMAb 3及び15〜19(図3C)の増加する抗体濃度(μg/ml)での相対的な結合親和性(492nmでの吸光度として測定)を例証するグラフを提供する。
図4は、ウシ血清アルブミン(任意単位)の対照試料と比較し、4つの異なる例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体についての280nM及び330nMでの吸光度(光学密度)の比率を例証するグラフを提供する。
図5A〜Cは、以下と比較し、25又は50ngのhPGに対する23の異なる例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体の結合を例証するグラフ:緩衝剤のみ(陰性対照)、250ngのKLH(陰性対照)、及びガストリン遺伝子に由来するペプチド(50及び250ngのCTFP、G17、又はG17−Gly(「G−Gly」として図中に言及される))(示す通り)を提供する。図5Aは抗hPG MAb 1〜4の結合を示し、図5Bは抗hPG MAb 5〜14及び21〜23の結合を示し、ならびに、図5Cは抗hPG MAb 3及び15〜20の結合を示す。
図5A〜Cは、以下と比較し、25又は50ngのhPGに対する23の異なる例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体の結合を例証するグラフ:緩衝剤のみ(陰性対照)、250ngのKLH(陰性対照)、及びガストリン遺伝子に由来するペプチド(50及び250ngのCTFP、G17、又はG17−Gly(「G−Gly」として図中に言及される))(示す通り)を提供する。図5Aは抗hPG MAb 1〜4の結合を示し、図5Bは抗hPG MAb 5〜14及び21〜23の結合を示し、ならびに、図5Cは抗hPG MAb 3及び15〜20の結合を示す。
図5A〜Cは、以下と比較し、25又は50ngのhPGに対する23の異なる例示的なマウス抗hPGモノクローナル抗体の結合を例証するグラフ:緩衝剤のみ(陰性対照)、250ngのKLH(陰性対照)、及びガストリン遺伝子に由来するペプチド(50及び250ngのCTFP、G17、又はG17−Gly(「G−Gly」として図中に言及される))(示す通り)を提供する。図5Aは抗hPG MAb 1〜4の結合を示し、図5Bは抗hPG MAb 5〜14及び21〜23の結合を示し、ならびに、図5Cは抗hPG MAb 3及び15〜20の結合を示す。
図6は、抗hPG MAb3の増加濃度でのhPGに対するポリクローナルN末端抗hPG抗体の結合を例証するグラフを提供する。
図7は、以下の通りに、抗hPGモノクローナル抗体を用いて処理された代表的なCRC細胞株の増殖を例証するグラフ:例示的な抗hPGモノクローナル抗体MAb 3及びMAb 4(図7A、7B、7Cは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)、又は抗hPGポリクローナル抗体(図7D、7E、7Fは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)を用いて処理されたSW480、HCT−116、LS174T(示す通り);抗hPG MAb 5〜MAb 23を用いて処理されたCRC細胞株SW620の増殖(図7Gは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);抗hPG MAb8、13、14、16、及び19を用いて処理されたLS174T細胞の増殖(図7Hは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);及び、抗hPGモノクローナル抗体MAb8、13、14、16、19を用いて処理されたHCT−116細胞の増殖(図7Iは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す)を提供する。
図7は、以下の通りに、抗hPGモノクローナル抗体を用いて処理された代表的なCRC細胞株の増殖を例証するグラフ:例示的な抗hPGモノクローナル抗体MAb 3及びMAb 4(図7A、7B、7Cは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)、又は抗hPGポリクローナル抗体(図7D、7E、7Fは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)を用いて処理されたSW480、HCT−116、LS174T(示す通り);抗hPG MAb 5〜MAb 23を用いて処理されたCRC細胞株SW620の増殖(図7Gは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);抗hPG MAb8、13、14、16、及び19を用いて処理されたLS174T細胞の増殖(図7Hは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);及び、抗hPGモノクローナル抗体MAb8、13、14、16、19を用いて処理されたHCT−116細胞の増殖(図7Iは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す)を提供する。
図7は、以下の通りに、抗hPGモノクローナル抗体を用いて処理された代表的なCRC細胞株の増殖を例証するグラフ:例示的な抗hPGモノクローナル抗体MAb 3及びMAb 4(図7A、7B、7Cは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)、又は抗hPGポリクローナル抗体(図7D、7E、7Fは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)を用いて処理されたSW480、HCT−116、LS174T(示す通り);抗hPG MAb 5〜MAb 23を用いて処理されたCRC細胞株SW620の増殖(図7Gは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);抗hPG MAb8、13、14、16、及び19を用いて処理されたLS174T細胞の増殖(図7Hは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);及び、抗hPGモノクローナル抗体MAb8、13、14、16、19を用いて処理されたHCT−116細胞の増殖(図7Iは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す)を提供する。
図7は、以下の通りに、抗hPGモノクローナル抗体を用いて処理された代表的なCRC細胞株の増殖を例証するグラフ:例示的な抗hPGモノクローナル抗体MAb 3及びMAb 4(図7A、7B、7Cは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)、又は抗hPGポリクローナル抗体(図7D、7E、7Fは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)を用いて処理されたSW480、HCT−116、LS174T(示す通り);抗hPG MAb 5〜MAb 23を用いて処理されたCRC細胞株SW620の増殖(図7Gは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);抗hPG MAb8、13、14、16、及び19を用いて処理されたLS174T細胞の増殖(図7Hは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);及び、抗hPGモノクローナル抗体MAb8、13、14、16、19を用いて処理されたHCT−116細胞の増殖(図7Iは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す)を提供する。
図7は、以下の通りに、抗hPGモノクローナル抗体を用いて処理された代表的なCRC細胞株の増殖を例証するグラフ:例示的な抗hPGモノクローナル抗体MAb 3及びMAb 4(図7A、7B、7Cは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)、又は抗hPGポリクローナル抗体(図7D、7E、7Fは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)を用いて処理されたSW480、HCT−116、LS174T(示す通り);抗hPG MAb 5〜MAb 23を用いて処理されたCRC細胞株SW620の増殖(図7Gは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);抗hPG MAb8、13、14、16、及び19を用いて処理されたLS174T細胞の増殖(図7Hは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);及び、抗hPGモノクローナル抗体MAb8、13、14、16、19を用いて処理されたHCT−116細胞の増殖(図7Iは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す)を提供する。
図7は、以下の通りに、抗hPGモノクローナル抗体を用いて処理された代表的なCRC細胞株の増殖を例証するグラフ:例示的な抗hPGモノクローナル抗体MAb 3及びMAb 4(図7A、7B、7Cは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)、又は抗hPGポリクローナル抗体(図7D、7E、7Fは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)を用いて処理されたSW480、HCT−116、LS174T(示す通り);抗hPG MAb 5〜MAb 23を用いて処理されたCRC細胞株SW620の増殖(図7Gは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);抗hPG MAb8、13、14、16、及び19を用いて処理されたLS174T細胞の増殖(図7Hは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);及び、抗hPGモノクローナル抗体MAb8、13、14、16、19を用いて処理されたHCT−116細胞の増殖(図7Iは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す)を提供する。
図7は、以下の通りに、抗hPGモノクローナル抗体を用いて処理された代表的なCRC細胞株の増殖を例証するグラフ:例示的な抗hPGモノクローナル抗体MAb 3及びMAb 4(図7A、7B、7Cは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)、又は抗hPGポリクローナル抗体(図7D、7E、7Fは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)を用いて処理されたSW480、HCT−116、LS174T(示す通り);抗hPG MAb 5〜MAb 23を用いて処理されたCRC細胞株SW620の増殖(図7Gは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);抗hPG MAb8、13、14、16、及び19を用いて処理されたLS174T細胞の増殖(図7Hは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);及び、抗hPGモノクローナル抗体MAb8、13、14、16、19を用いて処理されたHCT−116細胞の増殖(図7Iは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す)を提供する。
図7は、以下の通りに、抗hPGモノクローナル抗体を用いて処理された代表的なCRC細胞株の増殖を例証するグラフ:例示的な抗hPGモノクローナル抗体MAb 3及びMAb 4(図7A、7B、7Cは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)、又は抗hPGポリクローナル抗体(図7D、7E、7Fは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)を用いて処理されたSW480、HCT−116、LS174T(示す通り);抗hPG MAb 5〜MAb 23を用いて処理されたCRC細胞株SW620の増殖(図7Gは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);抗hPG MAb8、13、14、16、及び19を用いて処理されたLS174T細胞の増殖(図7Hは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);及び、抗hPGモノクローナル抗体MAb8、13、14、16、19を用いて処理されたHCT−116細胞の増殖(図7Iは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す)を提供する。
図7は、以下の通りに、抗hPGモノクローナル抗体を用いて処理された代表的なCRC細胞株の増殖を例証するグラフ:例示的な抗hPGモノクローナル抗体MAb 3及びMAb 4(図7A、7B、7Cは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)、又は抗hPGポリクローナル抗体(図7D、7E、7Fは、それぞれ、抗体を用いた処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での生細胞数における変化を示す)を用いて処理されたSW480、HCT−116、LS174T(示す通り);抗hPG MAb 5〜MAb 23を用いて処理されたCRC細胞株SW620の増殖(図7Gは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);抗hPG MAb8、13、14、16、及び19を用いて処理されたLS174T細胞の増殖(図7Hは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す);及び、抗hPGモノクローナル抗体MAb8、13、14、16、19を用いて処理されたHCT−116細胞の増殖(図7Iは、処理の開始(T0)と比べた、処理の終了時での対照抗体で処理された細胞数のパーセンテージとしての生きた抗hPG処理細胞を示す)を提供する。
図8は、対照モノクローナル抗体、抗hPG MAb 8(5μg/ml)、hPGを用いてプレインキュベートされた抗hPG MAb 8、hPGを用いてプレインキュベートされた対照抗体、又はhPG単独を用いた4回の処理から48時間後での生きたLS174T細胞数を例証するグラフを提供する。
図9は、対照ポリクローナル抗体と比較した、抗hPG抗体を用いて処置されたマウスにおけるマウス1匹当たりの腫瘍数(図9A)ならびに平均的な腫瘍の長さ及び高さ(図9B)を例証するグラフを提供する。
図9は、対照ポリクローナル抗体と比較した、抗hPG抗体を用いて処置されたマウスにおけるマウス1匹当たりの腫瘍数(図9A)ならびに平均的な腫瘍の長さ及び高さ(図9B)を例証するグラフを提供する。
9.例示的な実施態様の詳細な説明
9.1.詳細な説明
プロガストリン(PG)はガストリン(胃酸分泌を刺激する腸ペプチドホルモン)の前駆体として最初に同定された。ガストリンは、プロガストリンに由来する多くの異なる分子形態(G17、G34、グリシン伸長G17、グリシン伸長G34)で存在する。図1を参照のこと。ガストリン遺伝子は101アミノ酸産物プレプロガストリンをコードする。最初の切断は、21アミノ酸残基のシグナルペプチド(図1の下線部)を除去し、PG(80個のアミノ酸ペプチド)をもたらす。理解され、公知であるヒトPG(hPG)のポリペプチド配列を、配列番号20に提供する。図1に例証する通り、hPGのアミノ酸残基に1〜80まで番号を付け、アミノ末端残基が位置1である。プロガストリンの最初の40アミノ酸内の配列は「N末端」として言及され、残基41〜80内の該当する配列は「C末端」として言及される。
最近の試験では、プロガストリンレベルがCRCを伴う患者において上昇していることが示されている。正常な生理学的条件下では、プロガストリンがヒトにおける総分泌ペプチドの10%未満を占める。結腸直腸癌において、プロガストリンレベルは、恐らくは遺伝子産物の不完全なプロセシングと共役したガストリン遺伝子の増加発現の結果として、血漿及び腫瘍組織の両方において有意に上昇している。1つの試験では、対照患者と比較して、CRC患者における有意に高い血清プロガストリンレベルが示されたが、しかし、ガストリンのよりプロセシングされた形態についてそのような差は示されなかった(Siddheshwar et al., 2001, Gut 48: 47-52)。テストされたCRC腫瘍サンプルにおいて、サンプルの80〜100%が増加したPGレベルを示した。例えば、Ciccotosto et al., 1995, Gastroenterology 109: 1142-1153;Baldwin et al., 1998, Gut 42:581-584;Van Solinge, 1993, Gastroenterology 104: 1099-1107を参照のこと。CRCにおけるPGの役割は、野生型マウス又はアミド化ガストリンを発現するマウスと比較して、発癌物質アゾキシメタンを用いて処置された組換えヒトPGを発現するマウスが、結腸において有意に多い数の異常腺窩巣、腺腫、及び腺癌を有することを示す実験によりさらに実証されている(Singh et al.2000, Gastroenterology 119: 162-171)。
最近、Hollandeらは、プロガストリンが、ICAT(ベータ−カテニン/Tcf4シグナル伝達の負の調節因子)を抑制することによりベータ−カテニン/Tcf4経路を刺激すること、及び、プロガストリンを遮断することによりICATのデノボ発現に導くことを実証した。WO 2007/135542を参照のこと。操作の任意の理論により拘束されることを意図しないが、プロガストリンシグナル伝達を遮断することによって、増加したICAT発現の結果として、ベータ−カテニン/TCF4誘導性増殖の抑制に導くと考えられる。継続的なPG依存性シグナル伝達の非存在において、細胞増殖が阻害され、細胞分化及び/又は細胞死(アポトーシスを含む)が引き起こされる。
CRCの処置及び診断への新たな臨床的アプローチについての緊急の必要性、PGがCRC腫瘍細胞の増殖を刺激するという証拠にもかかわらず、及び、癌の処置におけるモノクローナル抗体治療についての増加した焦点にもかかわらず、今日まで、PG依存性腫瘍細胞増殖を遮断すること、又は、さらに、PGに結合することが可能な任意のモノクローナル抗体を実証する報告はない。そのような抗体は、本明細書に初めて提示され、開発が困難であることが証明された。最初の課題として、出願人は、組換えヒトプロガストリンが、ポリクローナル抗hPG抗体を生成するために使用することができ、テストマウスにおいてモノクローナル免疫原性応答を誘導しないことを見出した。従って、PGのペプチドフラグメントだけを使用して免疫原を設計し、プロガストリンに特異的であり、及び、他のガストリン遺伝子産物に特異的ではない抗体を生成することが必要であった。一旦、ハイブリドーマクローンが抗原ペプチドに結合する抗体をもたらしても、ペプチドへの結合が、PGに結合する能力を特異的に又は全く予測することができないことが見出された。以下の実施例においてより詳細に示す通り、多くのハイブリドーマは、免疫原において使用されるPG抗原ペプチドに結合するが、しかし、PGに結合しない抗体をもたらした。本開示は、それらが産生されたペプチド抗原に結合するだけでなく、しかし、また、hPGに特異的に結合する抗hPGモノクローナル抗体を提供する。非常に驚くべきことに、そのプロセシング産物(例、G34、G34−Gly、G17、G17−Gly、CTFP)と比べて、hPGに高度に特異的なモノクローナル抗体が、一部の場合においてhPGに固有ではないが、しかし、プロガストリンプロセシング産物の1つ又は複数に共通のアミノ酸配列の領域を含む抗原を用いて得られた。さらに、また、驚くべきことに、hPGの比較的小さなサイズ(80アミノ酸)にもかかわらず、全ての抗hPGモノクローナル抗体が、hPGについて高い程度の親和性及び特異性を示すものでさえ、その生物学的活性を中和することが発見された。
抗hPGモノクローナル抗体
出願人は、抗hPGモノクローナル抗体を産生するために有用なペプチド抗原を発見している。本開示の抗hPG抗体を産生するために有用なペプチドは、ポリペプチドのより多くのプロセシング形態(例えばグリシン伸長もしくはアミド化ガストリン又はCTFPなど)において見出されないプロガストリン特異的な配列を含むが、しかし、また、hPGのプロセシング形態において見出される配列を含むことができる。一部の実施態様において、抗hPGモノクローナル抗体は、hPGのN末端領域に相当するアミノ酸配列を有するペプチド抗原に対して産生され、N末端抗hPGモノクローナル抗体として指定される。N末端抗PGモノクローナル抗体を得るために有用な免疫原を構築するために使用することができる特定の例示的な抗原性領域は、リンカー配列に共役されたhPGの残基1〜14(SWKPRSQQPDAPLG(配列番号25))に相当する。他の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体は、hPGのC末端領域に相当するアミノ酸配列を有するペプチド抗原に対して産生され、C末端抗hPGモノクローナル抗体として指定される。C末端抗PGモノクローナル抗体を得るために有用な免疫原を構築するために使用することができる特定の例示的な抗原性領域は、リンカー配列に共役されたhPGの残基55〜80(配列番号27)に相当する。表1を参照のこと。
本開示の抗PGモノクローナル抗体はPGに結合し、複雑な混合物からPGを検出及び単離するために有用である。加えて、開示の抗PGモノクローナル抗体は、結腸直腸癌のための治療的及び/又は診断的適用に固有に適する。種々の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体は、(1)他のガストリン遺伝子産物と対比して、PGに特異的に結合し、(2)hPGに高い親和性を有し、(3)結腸直腸癌細胞の増殖をインビトロ及びインビボで阻害し、(4)腫瘍のサイズ及び数をインビボで低下させ、(5)他のガストリン遺伝子由来ペプチドを含む複雑な混合物中でPGを検出する。
ガストリン遺伝子が発現され、広範にプロセシングされ、正常なホメオスタシスにおいて役割を有するいくつかのタンパク質産物をもたらす。プロガストリンは、他方で、典型的には、健常な被験体の循環において検出可能ではない。本開示のモノクローナル抗体は、プロガストリンを標的とするが、しかし、ガストリン遺伝に由来する他のペプチドは標的としないことを意図する。したがって、抗hPGモノクローナル抗体は、ヒト及び他の動物からのプロガストリンに特異的に結合するが、しかし、他のガストリン遺伝子産物(例えば、限定しないが、グリシン伸長もしくはアミド化ガストリン、又はC末端隣接ペプチド(CTFP)など)には結合しない。
抗hPGモノクローナル抗体の特異性は、以下の通りにELISAを使用して決定することができる:96ウェルプレートは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の適切な濃度のテストポリペプチド(例、25及び50ngの組換えヒトPG、ならびに50及び250ngのCTFP又は他のガストリン由来の遺伝子産物)を用いて4℃で一晩インキュベートし、その後、ウェルを、洗浄溶液(PBS及び0.1%Tween-20)を用いて3回洗浄し、次に、1ウェル当たり100μLのブロッキング溶液(PBS、0.1%Tween-20、0.1%ウシ血清アルブミン又はカゼイン加水分解物)を用いて22℃で2時間にわたりインキュベートする。ブロッキング後、ウェルを3回洗浄し、アッセイする抗体(テスト抗体)を加える。PBS及び0.1%Tween-20中の100μLのテスト抗体(0.3〜1ng/mL)を各ウェルに加える。プレートを、次に、22℃で2時間にわたりインキュベートし、その後、テスト抗体溶液を捨て、洗浄段階(3×100μL洗浄溶液、上に記述する通り)後、二次抗体(ホースラディッシュペルオキシダーゼに共役させたヤギ抗マウスIgG(Fc)抗体)を含むブロッキング溶液を用いて交換する。二次抗体を用いた1時間のインキュベーション後、100μLの基質溶液(例、Fast OPD、又はO−フェニレンジアミン二塩酸塩、Sigma-Aldrich Co.から入手可能、製造業者の指示に従って調製する)を各ウェルに加え、暗所で20分間にわたり22℃でインキュベートする。反応を、50μLの4N硫酸を加えることにより停止させ、触媒された基質の量を492nmでの光学密度(OD)を測定することにより決定する。基質変換は、抗原に結合した一次(テスト)抗体の量に比例する。実験を二通りに実行し、OD測定値を抗原濃度の関数としてプロットする。テスト抗体は、測定されたODがhPGについて0.2〜1.5の間であり、CTFP又は他のガストリン遺伝子由来ペプチドのいずれかを用いたバックグラウンドを上回る統計的に有意なシグナルがなく、そこで、バックグラウンドが、PBSだけを含む対照ウェルからの平均シグナルである場合、PGについて特異的としてスコアされる。
本開示のいくつかの抗hPGモノクローナル抗体は、高度に特異的であることが見出された。一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体は、他のガストリン遺伝子産物と比較して、プロガストリンについて100倍大きい特異性を示す。そのような実施形態において、100倍多い抗原(例、グリシン伸長又はアミド化ガストリン)は、抗原がプロガストリンである場合に観察されるのと同じ結合をもたらすために要求される。
結合を決定するための他の方法は、しかし、限定しないが、免疫蛍光方法、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、放射性物質標識イムノアッセイ(RIA)、サンドイッチELISA(モノクローナル抗体実験マニュアル(講談社サイエンティフィックにより出版、1987)、第二シリーズ生化学実験講座、第5巻、免疫生化学研究方法、東京化学同人により出版(1986))を含む。
PGについての高い親和性を伴う抗hPGモノクローナル抗体は、治療的使用及び診断的使用の両方のために望ましい。特定の使用、例えば治療的使用などのために、少なくとも約100nMの親和性が望ましいが、より大きな親和性、例えば、少なくとも約90nM、80nM、70nM、60nM、50nM、40nM、30nM、25nM、20nM、15nM、10nM、7nM、6nM、5nM、4nM、3nM、2nM、1nM、0.1nM、0.01nM、10pM、1pM又はそれよりさらに大きな親和性を有する抗体が望まれうる。一部の実施形態において、モノクローナル抗体は、約1pM〜約100nMの範囲の親和性、又は前述の値のいずれかの間の範囲の親和性を用いてhPGに特異的に結合する。
hPGについての抗hPGモノクローナル抗体の親和性は、当技術分野において周知の又は本明細書に記載する技術、例えば、しかし、限定しないが、ELISA、等温滴定熱量測定(ITC)、BIAcore、Proteon、又は蛍光偏光アッセイなどを使用して決定することができる。
hPGのN又はC末端領域からの抗原を使用して、hPGの異なるエピトープを認識する抗体を生成することができる。モノクローナル抗体により認識されるエピトープは、抗体を産生するために使用される特定の抗原に依存しうるが、当業者に公知の技術、例えばアラニンスキャニング及びSPOT分析(以下の実施例セクションを参照のこと)などを使用してマッピングすることができる。例えば、エピトープマッピングによって、抗hPG MAb 2及びMAb 4が同じエピトープに結合することが明らかになる。抗hPG MAb 1及びMAb3は、およそ同じエピトープに結合する;MAb 17、MAb 18、MAb19、及びMAb 20は、およそ同じエピトープに結合する;MAb 15及びMAb16は、およそ同じエピトープに結合する;抗hPG MAb 5、MAb 6、MAb 7、MAb 9、及びMAb12は、同じエピトープに結合し、抗hPG MAb 10とおよそ同じエピトープに結合する;ならびに、抗hPG MAb11及びMAb 14は、およそ同じエピトープに結合する。
抗hPGモノクローナル抗体が特定のエピトープを認識するか否かは、本明細書に記載する競合アッセイを使用して決定することができ、それにおいて、参照抗体により結合されるエピトープは公知である。一部の実施態様において、抗hPGモノクローナル抗体は、hPGのN末端領域に相当するアミノ酸配列を有するエピトープに結合する参照抗体と競合する。特定の実施態様において、抗hPGモノクローナル抗体は、hPGの残基10〜14(配列番号28)、hPGの残基9〜14(配列番号29)、hPGの残基4〜10(配列番号30)、hPGの残基2〜10(配列番号31)、又はhPGの残基2〜14(配列番号32)を含むエピトープに結合する参照抗体と競合する。一部の実施態様において、抗hPGモノクローナル抗体は、hPGのC末端領域に相当するアミノ酸配列を有するエピトープに結合する参照抗体と競合する。特定の実施態様において、抗hPGモノクローナル抗体は、hPGの残基71〜74(配列番号33)、hPGの残基69〜73(配列番号34)、hPGの残基76〜80(配列番号35)、又はhPGの残基67〜74(配列番号36)を含むエピトープに結合する参照抗体と競合する。
抗PGモノクローナル抗体は、中和することができる。操作の任意の理論により拘束されることを意図しないが、PGの結合を通じて、中和抗hPGモノクローナル抗体は、そのシグナル伝達パートナーと相互作用するその能力を遮断又は阻害すると考えられる。これは、順に、本来なら増殖、低下した細胞分化、及び細胞死に導く結腸直腸腫瘍細胞におけるシグナル伝達経路を阻害する。一部の実施形態において、中和抗PGモノクローナル抗体は、hPGのN末端領域に結合する。特定の実施形態において、中和抗PGモノクローナル抗体は、PGと、抗hPG MAb1、MAb2、MAb3、MAb4、MAb15、MAb 16、MAb 17、MAb 18、MAb19、又はMAb 20の結合について競合する。他の実施形態において、中和抗PGモノクローナル抗体は、hPGのC末端領域に結合する。特定の実施形態において、中和抗PGモノクローナル抗体は、PGと、抗hPG MAb 5、MAb 6、MAb 7、MAb8、MAb9、MAb10、MAb11、MAb12、MAb13、MAb21、MAb 22、又はMAb23の結合について競合する。
抗PGモノクローナル抗体が中和するか否かについての特定のテストは、以下の通りに実施することができる。CRC LS174T細胞を、以下の実施例7に記載する通り、1ウェル当たりおよそ50,000個の細胞で6ウェルプレート中に播種する。細胞を、次に、約5μg/mlの抗体濃度で、実施例7に記述する通りに、テスト抗PGモノクローナル抗体又は対照モノクローナル抗体を用いて、48時間にわたり12時間間隔で処理する。テスト抗体は、テスト抗体を用いて処理したCRC癌細胞の数が、両側マンホイットニー検定(p<0.05の場合、差が有意であると考えられる)を使用し、対照の非特異的抗体を用いて処理した細胞の数と比較して、生存細胞数の少なくとも10%の統計的に有意な低下を示す場合、アッセイにおいて中和しているとして定義される。総細胞数を、処置期間の開始時での細胞数(T0として言及する)について補正する。
本明細書において使用する通り、抗体(Ab)は、特定の抗原に特異的に結合する、又は、それと免疫学的に反応性である免疫グロブリン分子を指し、ポリクローナル、モノクローナル、遺伝子組換え、及び他の方法での改変形態の抗体(しかし、限定しないが、キメラ抗体、ヒト化抗体、及び抗体の抗原結合フラグメント(例、Fab’、F(ab’)2、Fab、Fv、rIgG、及びscFvフラグメントを含む))を含む。種々の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体は、抗体の定常領域の全部又は部分を含む。一部の実施態様において、定常領域は、以下:IgA(例、IgA1又はIgA2)、IgD、IgE、IgG(例、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)、及びIgMより選択されるアイソタイプである。
用語「モノクローナル抗体」は、本明細書において使用する通り、ハイブリドーマ技術を通じて産生された抗体に限定しない。モノクローナル抗体は、利用可能な又は当技術分野において公知の任意の手段により、単一クローン(任意の真核生物、原核生物、又はファージクローンを含む)に由来する。本開示を用いて有用なモノクローナル抗体は、当技術分野において公知の多種多様の技術(ハイブリドーマ、組換え、及びファージディスプレイ技術、又はそれらの組み合わせの使用を含む)を使用して調製することができる。本開示の多くの使用(ヒトにおける及びインビトロ検出アッセイにおける抗hPGモノクローナル抗体のインビボ使用を含む)において、キメラ、霊長類化、ヒト化、又はヒト抗体を適切に使用することができる。
用語「scFv」は、伝統的な抗体からの重鎖及び軽鎖の可変ドメインが、結合されて、1つの鎖を形成している一本鎖Fv抗体を指す。
「VH」への参照は、抗体の免疫グロブリン重鎖(Fv、scFv、又はFabの重鎖を含む)の可変領域を指す。「VL」への参照は、免疫グロブリン軽鎖(Fv、scFv、dsFv、又はFabの軽鎖を含む)の可変領域を指す。抗体(Ab)及び免疫グロブリン(Ig)は、同じ構造特徴を有する糖タンパク質である。抗体は特定のターゲットへの結合特異性を示し、免疫グロブリンは、抗体及び標的特異性を欠く他の抗体様分子の両方を含む。天然抗体及び免疫グロブリンは、普通は、2つの同一の軽(L)鎖及び2つの同一の重(H)鎖で構成される、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各々の重鎖は、一端に、可変ドメイン(VH)を有し、多数の定常ドメインが続く。各々の軽鎖は、一端に可変ドメイン(VL)及びその他端に定常ドメインを有する。
開示の抗hPGモノクローナル抗体は、相補性決定領域(CDR)を含む。CDRは、また、軽鎖及び重鎖可変ドメインの両方における超可変領域として公知である。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク(FR)と呼ばれる。当技術分野において公知の通り、抗体の超可変領域を描写するアミノ酸位置/境界は、文脈及び当技術分野において公知の種々の定義に依存して変動しうる。可変ドメイン内の一部の位置は、これらの位置が1組の基準下で超可変領域内にあると見なすことができ、異なる組の基準下で超可変領域の外側にあるとみなされる点でハイブリッド超可変位置として見てもよい。これらの位置の1つ又は複数は、また、伸長された超可変領域において見出すことができる。開示は、これらのハイブリッド超可変位置において改変を含む抗体を提供する。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、各々が、3つのCDRにより接続されたβシート配置を主に採用することにより、4つのFR領域を含み、βシート構造を接続する、及び、一部の場合において、その一部を形成するループを形成する。各々の鎖中のCDRは、FR領域により、他の鎖からのCDRと近接して一緒に保持され、抗体の標的結合部位の形成に寄与する(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institute of Health, Bethesda, Md.1987)を参照のこと)。
hPGについて高い特異性及び親和性ならびに良好な抗腫瘍活性を有するいくつかの抗hPGモノクローナル抗体が同定されており、それらのCDRならびに可変重鎖及び軽鎖が配列決定されている。マウスの重鎖及び軽鎖可変ドメインは本明細書においてmVH及びmVLと言及され、相当するモノクローナル抗体の番号が続く(例えば、抗hPG MAb3についてはmVH.3及びmVL.3)。抗hPGモノクローナル抗体は、3つの可変軽鎖CDR及び3つの可変重鎖CDR(それぞれVH CDR1、2、又は3及びVL CDR1、2、又は3として言及する)を有し、例示的な抗hPGモノクローナル抗体の番号が続く。例えば、MAb 3のVL CDR1はVL CDR1.3と表示され、及び、MAb 3のVH CDR1はVH CDR1.3と表記される。同様に、ヒト重鎖及び軽鎖可変ドメインは本明細書においてhVHとhVLとして言及され、相当するモノクローナル抗体の数が続く。
一部の実施態様において、hPGのN末端部分に対して産生された抗hPG抗体は、3つの可変軽鎖CDR及び3つの可変重鎖CDRを有し、それにおいて、VL CDR1は、QSIVHSNGNTY(「VL CDR 1.3」;配列番号4)、QSLVHSSGVTY(「VL CDR 1.4」;配列番号10)、QSLLDSDGKTY(「VL CDR 1.16」;配列番号50)、及にSQHRTYT(「VL CDR 1.19」;配列番号51)より選択される;VL CDR2は、KVS(「VL CDR 2.3」及び(「VL CDR 2.4」;配列番号5)、LVS(「VL CDR 2.16」;配列番号53)、及びVKKDGSH(「VL CDR 2.19」;配列番号54)より選択される;VL CDR3は、FQGSHVPFT(「VL CDR 3.3」;配列番号6)、SQSTHVPPT(「VL CDR 3.4」;配列番号11)、WQGTHSPYT(「VL CDR 3.16」;配列番号57)、及びGVGDAIKGQSVFV(「VL CDR 3.19」;配列番号58)より選択される;VH CDR1は、GYIFTSYW(「VH CDR 1.3」;配列番号1)、GYTFSSSW(「VH CDR 1.4」;配列番号7)、GYTFTSYY(「VH CDR 1.16」;配列番号39)、及びGYSITSDYA(「VH CDR 1.19」;配列番号40)より選択される;VH CDR2は、FYPGNSDS(「VH CDR 2.3」;配列番号2)、FLPGSGST(「VH CDR 2.4」;配列番号8)、INPSNGGT(「VH CDR 2.16」;配列番号43)、及びISFSGYT(「VH CDR 2.19」;配列番号44)より選択される;ならびに、VH CDR3は、TRRDSPQY(「VH CDR 3.3」;配列番号3)、ATDGNYDWFAY(「VH CDR 3.4」;配列番号9)、TRGGYYPFDY(「VH CDR 3.16」;配列番号47)、及びAREVNYGDSYHFDY(「VH CDR 3.19」;配列番号48)より選択される。表1Aを参照のこと。
一部の実施態様において、PGのC末端部分に対して産生された抗hPG抗体は、3つの可変軽鎖CDR及び3つの可変重鎖CDRを有し、それにおいて、VL CDR1は、KSLRHTKGITF(「VL CDR 1.8」;配列番号49)及びQSLLDSDGKTY(「VL CDR 1.13」;配列番号50)より選択される;VL CDR2は、QMS(「VL CDR 2.8」;配列番号52)及びLVS(「VL CDR 2.13」;配列番号53)より選択される;VL CDR3は、AQNLELPLT(「VL CDR 3.8」;配列番号55)及びWQGTHFPQT(「VL CDR 3.13」;配列番号56)より選択される;VH CDR1は、GFTFTTYA(「VH CDR 1.8」;配列番号37)及びGFIFSSYG(「VH CDR 1.13」;配列番号38)より選択される;VH CDR2は、ISSGGTYT(「VH CDR 2.8」;配列番号41)及びINTFGDRT(「VH CDR 2.13」;配列番号42)より選択される;ならびに、VH CDR3は、ATQGNYSLDF(「VH CDR 3.8」;配列番号45)及びARGTGTY(「VH CDR 3.13」;配列番号46)より選択される。表1Bを参照のこと。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖のCDRは、VH CDR1.3、VH CDR2.3、及びVH CDR3.3である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖は、mVH.3(配列番号12)に相当するアミノ酸配列を有する。図2Aを参照のこと。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVL鎖のCDRは、VL CDR1.3、VL CDR2.3、及びVL CDR3.3である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVL鎖は、mVL.3(配列番号13)に相当するアミノ酸配列を有する。図2Bを参照のこと。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖のCDRは、VH CDR1.4、VH CDR2.4、及びVH CDR3.4である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖は、mVH.4(配列番号14)に相当する配列を有する。図2Cを参照のこと。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVL鎖のCDRは、VL CDR1.4、VL CDR2.4、及びVL CDR3.4である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVL鎖は、mVL.4(配列番号15)に相当するアミノ酸配列を有する。図2Dを参照のこと。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖のCDRは、VH CDR1.8、VH CDR2.8、及びVH CDR3.8である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖は、mVH.8(配列番号59)に相当する配列を有する。図2Eを参照のこと。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVL鎖のCDRは、VL CDR1.8、VL CDR2.8、及びVL CDR3.8である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVL鎖は、mVL0.8(配列番号63)に相当するアミノ酸配列を有する。図2Fを参照のこと。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖のCDRは、VH CDR1.13、VH CDR2.13、及びVH CDR3.13である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖は、mVH.13(配列番号60)に相当する配列を有する。図2Gを参照のこと。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVL鎖のCDRは、VL CDR1.13、VL CDR2.13、及びVL CDR3.13である。特定の実施形態におい、抗hPGモノクローナル抗体のVL鎖は、mVL.13(配列番号64)に相当するアミノ酸配列を有する。図2Hを参照のこと。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖のCDRは、VH CDR1.16、VH CDR2.16、及びVH CDR3.16である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖は、mVH.16(配列番号61)に相当する配列を有する。図2Iを参照のこと。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVL鎖のCDRは、VL CDR1.16、VL CDR2.16、及びVL CDR3.16である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVL鎖は、mVL.16(配列番号65)に相当するアミノ酸配列を有する。図2Jを参照のこと。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖のCDRは、VH CDR1.19、VH CDR2.19、及びVH CDR3.19である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖は、mVH.19(配列番号62)に相当する配列を有する。図2Kを参照のこと。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVL鎖のCDRは、VL CDR1.19、VL CDR2.19、及びVL CDR3.19である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVL鎖は、mVL.19(配列番号66)に相当するアミノ酸配列を有する。図2Lを参照のこと。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖のCDRは、VH CDR1.3、VH CDR2.3、及びVH CDR3.3であり、VL鎖のCDRは、VL CDR1.3、VL CDR2.3、及びVL CDR3.3である。特定の実施形態において、抗PGモノクローナル抗体のVH鎖は、mVH.3(配列番号12)に相当するアミノ酸配列を有し、VL鎖は、mVL.3(配列番号13)に相当する配列を有する。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖のCDRは、VH CDR1.4、VH CDR2.4、及びVH CDR3.4であり、、VL鎖のCDRは、VL CDR1.4、VL CDR2.4、及びVL CDR3.4である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖は、mVH.4(配列番号14)に相当するアミノ酸配列を有し、VL鎖は、mVL.4(配列番号15)に相当するアミノ酸配列を有する。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖のCDRは、VH CDR1.8、VH CDR2.8、及びVH CDR3.8であり、VL鎖のCDRは、VL CDR1.8、VL CDR2.8、及びVL CDR3.8である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体は、本明細書に記載する抗hPG MAb8であり、mVH.8(配列番号59)に相当するアミノ酸配列及びmVL.8(配列番号63)に相当するアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖のCDRは、VH CDR1.3、VH CDR2.13、及びVH CDR3.13であり、VL鎖のCDRは、VL CDR1.13、VL CDR2.13、及びVL CDR3.13である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体は、本明細書に記載する抗hPG MAb13であり、mVH.13(配列番号60)に相当するアミノ酸配列及びmVL.13(配列番号64)に相当するアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖のCDRは、VH CDR1.16、VH CDR2.16、及びVH CDR3.16であり、VL鎖のCDRは、VL CDR1.16、VL CDR2.16、及びVL CDR3.16である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体は、本明細書に記載する抗hPG MAb16であり、mVH.16(配列番号61)に相当するアミノ酸配列及びmVL.16(配列番号65)に相当するアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体のVH鎖のCDRは、VH CDR1.19、VH CDR2.19、及びVH CDR3.19であり、VL鎖のCDRは、VL CDR1.19、VL CDR2.19、及びVL CDR3.19である。特定の実施形態において、抗hPGモノクローナル抗体は、本明細書に記載する抗hPG MAb19であり、mVH.19(配列番号62)に相当するアミノ酸配列及びmVL.19(配列番号66)に相当するアミノ酸配列を含む。
開示の抗hPGモノクローナル抗体は、hPGに特異的に結合することが可能であるインタクトな分子、及び抗体フラグメント(例えば、Fab及びF(ab’)2フラグメントなど)の両方を含む。Fab及びF(ab’)2フラグメントは、インタクトな抗体のFcフラグメントを欠き、インタクトな抗体よりも、動物及び植物の循環からより迅速に消え、より低い非特異的な組織結合を有しうる(Wahl et al., 1983, J. Nucl. Med. 24: 316)。抗体フラグメントは、従って、他の適用の間で、治療用適用において有用である。
用語「抗体フラグメント」は、全長抗体の部分、一般的には、標的結合領域又は可変領域を指す。抗体フラグメントの例は、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFvフラグメントを含む。「Fv」フラグメントは、完全な標的認識及び結合部位を含む最小限の抗体フラグメントである。この領域は、堅固な非共有結合における1つの重鎖及び1つの軽鎖可変ドメインの二量体(VH−VL二量体)からなる。この配置において、各々の可変ドメインの3つのCDRが相互作用し、VH−VL二量体の表面上の標的結合部位を定義する。しばしば、6つのCDRが、抗体に標的結合特異性を与える。しかし、一部の例において、単一の可変ドメイン(標的について特異的な3つのCDRだけを含むFvの半分)でさえ、標的を認識し、それに結合する能力を有することができるが、結合部位全体よりも親和性は低い。「一本鎖Fv」又は「scFv」抗体フラグメントは、抗体のVH及びVLドメインを含み、それにおいて、これらのドメインは単一ポリペプチド鎖中に存在する。一般的には、Fvポリペプチドは、さらに、scFvが標的結合のための所望の構造を形成することを可能にする、VH及びVLドメインの間にポリペプチドリンカーを含む。「単一ドメイン抗体」は、hPGに十分な親和性を示す、単一のVH又はVLドメインで構成される。特定の実施形態において、単一ドメイン抗体はラクダ化抗体である(例、Riechmann, 1999, Journal of Immunological Methods 231: 25-38を参照のこと)。
Fabフラグメントは、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1定常ドメイン(CH1)を含む。Fab’フラグメントは、抗体ヒンジ領域からの1つ又は複数のシステインを含む、重鎖CHlドメインのカルボキシル末端での数個の残基の付加により、Fabフラグメントとは異なる。F(ab’)フラグメントは、F(ab’)2ペプシン消化産物のヒンジシステインでのジスルフィド結合の開裂により産生される。抗体フラグメントの追加の化学共役は、当業者に公知である。
開示の抗hPGモノクローナル抗体は、キメラ抗体でありうる。用語「キメラ」抗体は、本明細書において使用する通り、非ヒト免疫グロブリン(例えばラット又はマウス抗体など)及びヒト免疫グロブリン定常領域(典型的には、ヒト免疫グロブリン鋳型から選ばれる)に由来する可変配列を有する抗体を指す。キメラ抗体を産生するための方法は、当技術分野において公知である。例えば、Morrison, 1985, Science 229 (4719): 1202-7;Oi et al., 1986, BioTechniques 4: 214-221;Gillies et al., 1985, J. Immunol.Methods 125: 191-202;米国特許第5,807,715号;第4,816,567号;及び第4,816397号を参照のこと。それらは、参照により、その全体において本明細書に組み入れられる。
開示の抗hPGモノクローナル抗体は、ヒト化することができる。非ヒト(例、マウス)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含む、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖又はそのフラグメント(例えばFv、Fab、Fab’、F(ab’)2又は抗体の他の標的結合部分配列など)である。一般的に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、及び、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、それにおいて、CDR領域の全て又は実質的に全てが、非ヒト免疫グロブリンのものに相当し、FR領域の全て又は実質的に全てが、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものであり、「CDR移植」として言及することができる。ヒト化抗体は、また、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも部分、典型的にはヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものを含むことができる。抗体ヒト化の方法(ヒト化抗体を設計する方法を含む)は、当技術分野において公知である。例えば、Lefranc et al., 2003, Dev. Comp. Immunol. 27: 55-77;Lefranc et al., 2009, Nucl. Acids Res. 37: D1006-1012;Lefranc, 2008, Mol. Biotechnol. 40: 101-111;Riechmann et al., 1988, Nature 332: 323-7;米国特許第5,530,101号;第5,585,089号;第5,693,761号;5,693,762;及び第6,180,370号、Queen et al.;EP239400;PCT公開WO 91/09967;米国特許第5,225,539号;EP592106;EP519596;Padlan, 1991, Mol. Immunol., 28: 489-498;Studnicka et al., 1994, Prot. Eng. 7: 805-814;Roguska et al., 1994, Proc. Natl. Acad. Sci. 91: 969-973;及び米国特許第5,565,332号を参照のこと。その全てが、参照により、その全体において本明細書により組み入れられる。
ヒト化抗hPGモノクローナル抗体についての配列は、以下の実施例に記載する通り、本開示のマウス抗hPGモノクローナル抗体から設計された。ヒト化抗体の特定の実施態様は、以下:(1)本明細書に開示する任意の3つのVL CDR及び任意の3つのVH CDR;(2)配列番号21に相当するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号22に相当するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(3)配列番号23に相当するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号24に相当するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(4)配列番号75、77、及び79からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域ならびに配列番号76及び78からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(5)配列番号80及び82からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域ならびに配列番号81及び83からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(6)配列番号84、86、及び88からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域ならびに配列番号85、87、及び89からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(7)配列番号90、92、及び94からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域ならびに配列番号91、93、及び95からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;を含む抗体を含む。
開示の抗hPGモノクローナル抗体は、霊長類化することができる。用語「霊長類化抗体」は、サル可変領域及びヒト定常領域を含む抗体を指す。霊長類化抗体を産生するための方法は、当技術分野において公知である。例、米国特許第5,658,570号;第5,681,722号;及び第5,693,780号を参照のこと。それらは、参照により、その全体において本明細書に組み入れられる。
抗hPGモノクローナル抗体内には、参照抗体と競合する抗体(例えば、ポリクローナル抗hPG抗体など)、又は本明細書に開示する抗hPGモノクローナル抗体のいずれかが含まれる。開示の抗hPGモノクローナル抗体と競合する抗体は、診断及び治療の種々のアプリケーションのために有用である。適した参照抗hPGモノクローナル抗体の特定の実施態様は、例えば、限定はしないが、本明細書に記載する抗体:本明細書に開示する任意の3つのVL CDR及び任意の3つのVH CDRを含む抗体;VH鎖が配列番号12に相当するアミノ酸配列(mVH.3)を有し、VL鎖が配列番号13に相当するアミノ酸配列(mVL.3)を有する抗体;VH鎖が配列番号14に相当するアミノ酸配列(mVH.4)を有し、VL鎖が配列番号15に相当するアミノ酸配列(mVL.4)を有する抗体、VH鎖が配列番号59に相当するアミノ酸配列(mVH.8)を有し、VL鎖が配列番号63に相当するアミノ酸配列(mVL.8)を有する抗体;VH鎖が配列番号60に相当するアミノ酸配列(mVH.13)を有し、VL鎖が配列番号64に相当するアミノ酸配列(mVL.13)を有する抗体;VH鎖が配列番号61に相当するアミノ酸配列(mVH.16)を有し、VL鎖が配列番号65に相当するアミノ酸配列(mVL.16)を有する抗体;VH鎖が配列番号62に相当するアミノ酸配列(mVH.19)を有し、VL鎖が配列番号66に相当するアミノ酸配列(mVL.19)又は本明細書に開示するVH及びVL鎖の任意の組み合わせを有する抗体を含む。
適した参照抗体は、また、以下よりなる群より選択されるハイブリドーマにより産生される抗体:43B9G11、WE5H2G7、6B5B11C10、20D2C3G2、1B4A11D11、1B6A11F2、1B11E4B11、1C10D3B9、1D8F5B3、1E1C7B4、2B4C8C8、2B11E6G4、2C6C3C7、2H9F4B7、1E9A4A4、1E9D9B6、1C8D10F5、1A7C3F11、1B3B4F11、1C11F5E8、1F11F5E10、1F11F5G9、及び1A11F2C9;hPGの残基10〜14(配列番号28)、hPGの残基9〜14(配列番号29)、hPGの残基4〜10(配列番号30)、hPGの残基2〜10(配列番号31)、又はhPGの残基2〜14(配列番号32)を含むエピトープに結合する抗体;及び、hPGの残基71〜74(配列番号33)、hPGの残基69〜73(配列番号34)、hPGの残基76〜80(配列番号35)、又はhPGの残基67〜74(配列番号36)を含むエピトープに結合する抗体を含む。
PG、例えば、hPGへの結合について本開示のモノクローナル抗体と競合する能力は、以下の通りに、競合アッセイを使用してテストすることができる。96ウェルプレートを、捕捉抗体(参照モノクローナル抗体により認識されるエピトープとは異なる、プロガストリンのN又はC末端領域を認識するポリクローナル又はモノクローナル抗体)を用いて、1〜10μg/mlの範囲内で選ばれる濃度で、一晩4℃でコーティングする(0.1〜1μg/ウェル)。PBS中の0.1% Tween-20/0.1% BSA(ブロッキング緩衝剤)を用いて22℃で2時間にわたりブロッキングした後、組換えヒトプロガストリンを、10pM〜1nM(10〜1000pg/ウェル)で加え、22℃で2時間にわたりインキュベートする。その後、ビオチン化した参照抗hPGモノクローナル抗体又は参照モノクローナル抗体を含む混合物を、増加濃度の非標識テスト抗体と共に加え、22℃で1時間にわたりインキュベートする。洗浄後、検出は、22℃で1時間にわたりホースラディッシュペルオキシダーゼ用の蛍光発生基質を用いてインキュベートすることにより実施し、ルミノメーターにおける相対光単位(RLU)の定量化が続く。アッセイは二通り実施する。本開示の参照抗hPGモノクローナル抗体と競合する抗体は、hPGに対する参照抗体の結合を阻害する。対照抗体と同じエピトープに結合する抗体は、結合について効果的に競合することができ、このように、結合標識における低下により証明される通り、参照抗体結合を有意に低下させうる(例えば、少なくとも50%だけ)。完全に無関係の抗体の非存在における(標識された)参照抗体の反応性は、対照の高値になりうる。対照の低値は、非標識テスト抗体を、プロガストリンを発現する細胞とインキュベートすることにより得られ、競合が生じ、標識抗体の結合を低下させる場合、細胞/抗体混合物を、正確に同じ型の標識対照抗体とインキュベートする。テストアッセイにおいて、テスト抗体の存在における標識抗体の反応性の有意な低下は、実質的に同じエピトープを認識するテスト抗体の指標である。
結合阻害は、以下の式:
Ki = IC50/(1+ [参照Ab濃度] / Kd)
に従って計算される、阻害定数、又はKiとして表現することができる。
ここで、テスト抗体のIC50は、参照抗体の結合における50%低下をもたらすテスト抗体の濃度であり、Kdは、参照抗体の解離定数(プロガストリンについてのその親和性の測定値)である。本明細書に開示する抗hPGモノクローナル抗体と競合する抗体は、本明細書に記載するアッセイ条件下で、10pM〜10nMのKiを有しうる。
種々の実施態様において、開示の非標識抗hPGモノクローナル抗体は、標識した参照抗体の結合を、少なくとも40%だけ、少なくとも50%だけ、少なくとも60%だけ、少なくとも70%だけ、少なくとも80%だけ、少なくとも90%だけ、100%だけ、あるいは、抗hPGモノクローナル抗体が濃度0.01μg/ml、0.08μg/ml、0.4μg/ml、2μg/ml、10μg/ml、50μg/ml、100μg/ml又は前述の値のいずれかの間の範囲の濃度で(例、2μg/ml〜10μg/mlの範囲の濃度で)使用される場合、前述の値(例、開示の抗hPGモノクローナル抗体が、標識された参照抗体の結合を50%〜70%だけ低下させる)のいずれかの間の範囲のパーセンテージだけ低下させる。
参照抗体と任意のテスト抗体(種又はアイソタイプに無関係)の間での抗体競争試験を行う際、人は、最初に、標識可能な標識、例えばビオチン又は酵素(又はさらには放射性)標識を用いて標識し、その後の同定を可能にしうる。この場合において、標識した参照抗体(固定又は増加濃度)を、既知量のプロガストリンとインキュベートする。非標識テスト抗体を、プロガストリンと標識抗体の事前に結合させた複合体に加える。結合標識の強度を測定する。テスト抗体が、重複するエピトープに結合することにより、標識抗体と競合する場合、強度は、テスト抗体の非存在において、対照標識抗体の結合と比べて減少する。
競合についてのアッセイは公知であり、適応させて、上に記載するアッセイと同程度の結果をもたらすことができる。アッセイは、抗体競合に基づく免疫学的アッセイの範囲のいずれか1つでありうる。参照抗体は、それらの標識を検出する手段により、例えば、ビオチン化抗体の場合にはストレプトアビジンを使用することにより、又は、酵素標識(例えば、ペルオキシダーゼ酵素を伴う3,3’5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)基質など)に関連する発色基質を使用することにより、又は、単に放射性標識もしくは蛍光標識を検出することにより、検出されうる。
また、診断的及び治療的適用における使用のために、誘導体化された、共有結合的に修飾された、又は他の分子に結合された抗hPGモノクローナル抗体が本明細書に含まれる。例えば、しかし、限定しないが、誘導体化された抗体は、例えば、細胞リガンド又は他のタンパク質などへの公知の保護/遮断基、タンパク質分解的切断、連結によるグリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、誘導体化により修飾されている抗体を含む。多数の化学修飾のいずれかを、公知の技術(しかし、限定しないが、特定の化学切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成など)により行うことができる。加えて、誘導体は、1つ又は複数の非古典的アミノ酸を含むことができる。
別の例において、本開示の抗体は、ポリ(エチレングリコール)(PEG)部分に付着させることができる。特定の実施態様において、抗体は抗体フラグメントであり、PEG部分は、抗体フラグメント中に位置付けられる利用可能な任意のアミノ酸側鎖又は末端アミノ酸官能基、例えば、任意の遊離アミノ基、イミノ基、チオール基、ヒドロキシル基、又はカルボキシル基を通じて付着される。そのようなアミノ酸は、抗体フラグメント中で自然に生じうる、又は、組換えDNA方法を使用してフラグメントに操作することができる。例えば、米国特許第5,219,996号を参照のこと。複数の部位を使用して、2つ又はそれ以上のPEG分子を結合することができる。PEG部分は、抗体フラグメント中に位置付けられる少なくとも1つのシステイン残基のチオール基を通じて共有結合的に連結することができる。チオール基を付着点として使用する場合、適切に活性化されたエフェクター部分、例えば、チオール選択的誘導体(例えばマレイミド及びシステイン誘導体など)を使用することができる。
具体的な例において、抗hPGモノクローナル抗体コンジュゲートは、PEG化された、即ち、EP0948544に開示される方法に従って、それに共有結合的に付着されたPEG(ポリ(エチレングリコール))を有する修飾Fab’フラグメントである。また、Poly(ethyleneglycol) Chemistry, Biotechnical and Biomedical Applications, (J. Milton Harris (ed.), Plenum Press, New York, 1992);Poly(ethyleneglycol) Chemistry and Biological Applications, (J. Milton Harris and S. Zalipsky, eds., American Chemical Society, Washington D.C., 1997);及びBioconjugation Protein Coupling Techniques for the Biomedical Sciences, (M. Aslam and A. Dent, eds., Grove Publishers, New York, 1998);及びChapman, 2002, Advanced Drug Delivery Reviews 54: 531-545を参照のこと。PEGを、ヒンジ領域のシステインに付着させることができる。1つの例において、PEG修飾Fab’フラグメントは、修飾されたヒンジ領域内の単一のチオール基に共有結合的に連結されたマレイミド基を有する。リジン残基をマレイミド基に共有結合的に連結することができ、リジン残基上のアミン基の各々に、およそ20,000Daの分子量を有するメトキシポリ(エチレングリコール)ポリマーを付着することができる。Fab’フラグメントに付着されているPEGの総分子量は、従って、およそ40,000Daでありうる。
抗hPGモノクローナル抗体は、診断的適用において有用な標識抗体を含む。抗体を診断的に使用することができ、例えば、特定の細胞、組織、又は血清における目的の標的の発現を検出する;又は、臨床テスト手順の一部として、免疫学的応答の発生又は進行をモニターし、例えば、所与の処置計画の効力を決定する。検出は、検出可能な物質又は「標識」へ抗体を共役させることにより促進することができる。標識は、開示の抗hPGモノクローナル抗体に直接的又は間接的に結合させることができる。標識はそれ自体が検出可能であり(例、放射性同位体標識、同位体標識、又は蛍光標識)、あるいは、酵素標識の場合において、基質化合物又は検出可能な組成物の化学変化を触媒することができる。検出可能な物質の例は、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、放射性物質、種々のポジトロン放出断層撮影を使用した陽電子放出金属、及び非放射性常磁性金属イオンを含む。検出可能な物質は、中間体(例えば、当技術分野において公知のリンカーなど)を通じて、当技術分野において公知の技術を使用して、抗体(又はそのフラグメント)に直接的に又は間接的に共役又は結合させることができる。酵素標識の例としては、ルシフェラーゼ(例、ホタルルシフェラーゼ及び細菌ルシフェラーゼ;米国特許第4737456号)、ルシフェリン、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ウレアーゼ、ペルオキシダーゼ、例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRPO)など、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、サッカリドオキシダーゼ(例、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、及びグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ)、複素環オキシダーゼ(例えばウリカーゼ及びキサンチンオキシダーゼなど)、ラクトペルオキシダーゼ、ミクロペルオキシダーゼなどを含む。適した補欠分子族複合体の例は、ストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンを含む;適した蛍光物質の例は、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミン フルオレセイン、ダンシルクロリド、ジメチルアミン−1−ナフタレンスルホニルクロリド、フィコエリスリンなどを含む;発光物質の例は、ルミノールを含む;生物発光物質の例は、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、及びエクオリンを含む;適した同位体物質の例は、13C、15N、及び重水素を含む;及び、適した放射性物質の例は、125I、131I、111In、又は99Tcを含む。
全ての種に由来する抗hPGモノクローナル抗体が本発明に含まれる。非限定的な例示的な自然抗体は、ヒト、サル、ニワトリ、ヤギ、ウサギ、及び齧歯類(例、ラット、マウス、及びハムスター)に由来する抗体を含む(例、Lonberg et al., WO93/12227;米国特許第5,545,806号;及び、Kucherlapati, et al., WO91/10741;米国特許第6,150,584号、それらは、参照により、その全体において本明細書に組み入れられる)。自然抗体は、抗原(例えばポリペプチドなど)を用いて免疫化された後に宿主動物により産生される抗体である。
核酸及び発現系
本開示は、抗hPGモノクローナル抗体についての免疫グロブリン軽鎖及び重鎖遺伝子をコードする核酸分子、そのような核酸を含むベクター、及び開示の抗hPGモノクローナル抗体を産生することが可能である宿主細胞を包含する。
開示の抗hPGモノクローナル抗体は、宿主細胞における免疫グロブリン軽鎖及び重鎖遺伝子の組換え発現により調製することができる。抗体を組換え的に発現させるために、宿主細胞を、抗体の免疫グロブリン軽鎖及び重鎖をコードするDNAフラグメントを保有する1つ又は複数の組換え発現ベクターを用いてトランスフェクトし、軽鎖及び重鎖が宿主細胞において発現され、場合により、宿主細胞が培養される培地中に分泌され、その培地から抗体を回収することができる。標準的な組換えDNA方法論を使用して、抗体重鎖及び軽鎖遺伝子を得て、組換え発現ベクター中にこれらの遺伝子を組み込み、宿主細胞中にベクターを導入する。例えば、Molecular Cloning; A Laboratory Manual, Second Edition (Sambrook, Fritsch and Maniatis (eds), Cold Spring Harbor, N. Y., 1989), Current Protocols in Molecular Biology (Ausubel, F. M. et al., eds., Greene Publishing Associates, 1989)及び米国特許第4,816,397号に記載されるものなどである。
そのような抗hPGモノクローナル抗体をコードする核酸を生成するために、軽鎖及び重鎖可変領域をコードするDNAフラグメントを最初に得る。これらのDNAは、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、軽鎖及び重鎖可変配列をコードする生殖系列DNA又はcDNAの増幅及び改変により得ることができる。ヒト重鎖及び軽鎖可変領域遺伝子の生殖系列DNA配列は、当技術分野において公知である(例、Lefranc et al., 2003, Dev. Comp. Immunol. 27: 55-77;Lefranc et al., 2009, Nucl. Acids Res. 37: D1006-1012;Lefranc, 2008, Mol. Biotechnol. 40: 101-111; the “VBASE” human germline sequence databaseを参照のこと;また、Kabat, E. A. et al., 1991, Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242;Tomlinson et al., 1992, J. Mol. Biol. 22T: 116-198;及びCox et al., 1994, Eur. J. Immunol. 24: 827-836を参照のこと。それらの各々の内容は、参照により本明細書に組み入れられる)。
一旦、抗hPGモノクローナル抗体関連VH及びVLセグメントをコードするDNAフラグメントが得られれば、これらのDNAフラグメントは、例えば、可変領域遺伝子を全長抗体鎖遺伝子に、Fabフラグメント遺伝子に、又はscFv遺伝子に変換するために、標準的な組換えDNA技術によりさらに操作することができる。これらの操作において、VL又はVHをコードするDNAフラグメントを、別のタンパク質をコードする別のDNAフラグメント(例えば抗体定常領域又はフレキシブルリンカーなど)に作動可能的に連結する。用語「作動可能に連結する」は、本文脈で使用する通り、2つのDNAフラグメントが、2つのDNAフラグメントによりコードされるアミノ酸配列がインフレームのままであるように結合されていることを意味することを意図する。
VH領域をコードする単離DNAを、VHをコードするDNAを、重鎖定常領域(CH1、CH2、CH3、及び、場合により、CH4)をコードする別のDNA分子に作動可能に連結することにより全長重鎖遺伝子に変換することができる。ヒト重鎖定常領域遺伝子の配列は、当技術分野において公知である(例、Kabat, E.A., et al., 1991, Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242を参照のこと)。これらの領域を包含するDNAフラグメントは、標準的なPCR増幅により得ることができる。重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgM、又はIgD定常領域でありうるが、しかし、特定の実施形態において、IgG1又はIgG4定常領域である。Fabフラグメント重鎖遺伝子について、VHをコードするDNAを、重鎖CH1定常領域だけをコードする別のDNA分子に作動可能に連結することができる。
VL領域をコードする単離DNAを、VLをコードするDNAを、軽鎖定常領域CLをコードする別のDNA分子に作動可能に連結することにより、全長軽鎖遺伝子(ならびにFab軽鎖遺伝子)に変換することができる。ヒト軽鎖定常領域遺伝子の配列は、当技術分野において公知である(例、Kabat, E. A., et al., 1991, Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition (U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242)を参照のこと)。これらの領域を包含するDNAフラグメントは、標準的なPCR増幅により得ることができる。軽鎖定常領域は、カッパ又はラムダ定常領域でありうるが、しかし、特定の実施形態において、カッパ定常領域である。scFv遺伝子を作製するために、VH及びVLをコードするDNAフラグメントを、フレキシブルリンカーをコードする、例えば、アミノ酸配列(Gly4〜Ser)3(配列番号99)をコードする別のフラグメントに作動可能に連結し、VH及びVL配列を近接する単鎖タンパク質として発現させることができ、VL及びVH領域がフレキシブルリンカーにより結合されるようにする(例、Bird et al., 1988, Science 242: 423-426;Huston et al., 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 5879-5883;McCafferty et al., 1990, Nature 348: 552-554を参照のこと)。
開示の抗hPGモノクローナル抗体を発現させるために、上に記載する通りに得られた、部分的な又は全長の軽鎖及び重鎖をコードするDNAを、遺伝子が転写及び翻訳制御配列に作動可能に連結されるように、発現ベクター中に挿入する。本文脈において、用語「作動可能に連結された」は、ベクター内の転写及び翻訳制御配列が、抗体遺伝子の転写及び翻訳を制御するそれらの意図した機能を果たすように、抗体遺伝子がベクター中に連結されていることを意味することを意図する。発現ベクター配列及び発現制御配列は、使用される発現宿主細胞と適合するように選ばれる。抗体軽鎖遺伝子及び抗体重鎖遺伝子は、別々のベクター中に挿入することができる、又は、より典型的には、両方の遺伝子が同じ発現ベクター中に挿入される。
抗体遺伝子は、標準的な方法により発現ベクター中に挿入される(例、抗体遺伝子フラグメント及びベクター上の相補的制限部位のライゲーション、又は、制限部位が存在しない場合には平滑末端のライゲーション)。抗hPGモノクローナル抗体関連の軽鎖又は重鎖配列の挿入に先立ち、発現ベクターは、既に抗体定常領域配列を保有しうる。例えば、抗hPGモノクローナル抗体に関連するVH及びVL配列を、全長抗体遺伝子に変換するための1つのアプローチは、重鎖定常領域及び軽鎖定常領域を既にコードする発現ベクター中にそれらを挿入することであり、VHセグメントがベクター内のCHセグメントに作動可能に連結され、VLセグメントがベクター内のCLセグメントに作動可能に連結される。加えて又は代わりに、組換え発現ベクターは、宿主細胞からの抗体鎖の分泌を促進するシグナルペプチドをコードすることができる。抗体鎖遺伝子は、シグナルペプチドが抗体鎖遺伝子のアミノ末端にインフレームで連結されるように、ベクター中にクローニングすることができる。シグナルペプチドは、免疫グロブリンシグナルペプチド又は異種シグナルペプチド(即ち、非免疫グロブリンタンパク質からのシグナルペプチド)でありうる。
抗体鎖遺伝子に加えて、開示の組換え発現ベクターは、宿主細胞において抗体鎖遺伝子の発現を制御する調節配列を保有する。用語「調節配列」は、プロモーター、エンハンサー、及び抗体鎖遺伝子の転写又は翻訳を制御する他の発現制御エレメント(例、ポリアデニル化シグナル)を含むことを意図する。そのような調節配列は、例えば、Goeddel, Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185 (Academic Press, San Diego, CA, 1990)に記載されている。発現ベクターの設計(調節配列の選択を含む)が、形質転換する宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現レベルなどの要因に依存しうることが、当業者により理解されるであろう。哺乳動物宿主細胞での発現のための適した調節配列は、哺乳動物細胞における高レベルのタンパク質発現に向けるウイルスエレメント、例えばサイトメガロウイルス(CMV)(例えばCMVプロモーター/エンハンサーなど)、シミアンウイルス40(SV40)(例えばSV40プロモーター/エンハンサー)、アデノウイルス(例、アデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP))、及びポリオーマに由来するプロモーター及び/又はエンハンサーなどを含む。ウイルス調節エレメント及びそれらの配列のさらなる記載については、例えば、米国特許第5,168,062号(Stinskiによる)、米国特許第4,510,245号(Bell et al.による)、及び米国特許第4,968,615号(Schaffner et al.による)を参照のこと。
抗体鎖遺伝子及び調節配列に加えて、開示の組換え発現ベクターは、追加配列、例えば宿主細胞においてベクターの複製を調節する配列(例、複製起点)及び選択可能なマーカー遺伝子などを保有することができる。選択可能なマーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞の選択を促進させる(例、米国特許第4,399,216号、第4,634,665号、及び第5,179,017号(Axel et al.))。例えば、典型的には、選択可能なマーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞に、薬物(例えばG418、ハイグロマイシン、又はメトトレキサートなど)への耐性を与える。適した選択可能なマーカー遺伝子は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子(メソトレキセート選択/増幅を伴うDHFR−宿主細胞内での使用のため)及びネオ遺伝子(G418選択のため)を含む。軽鎖及び重鎖の発現のために、重鎖及び軽鎖をコードする発現ベクターを、標準的な技術により宿主細胞中にトランスフェクトする。用語「トランスフェクション」の種々の形態は、原核生物又は真核生物の宿主細胞中への外来DNAの導入のために一般的に使用される多種多様の技術(例、エレクトロポレーション、リポフェクション、リン酸カルシウム沈殿、DEAE−デキストラントランスフェクションなど)を包含することを意図する。
原核生物又は真核生物のいずれかの宿主細胞において開示の抗体を発現させることが可能である。特定の実施態様において、抗体の発現は、適当に折り畳まれ、免疫学的に活性な抗体の最適な分泌が、真核細胞(例、哺乳動物宿主細胞)において実施される。開示の組換え抗体を発現させるための例示的な哺乳動物宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(DHFR−CHO細胞を含む。Urlaub and Chasin, 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77: 4216-4220に記載され、DHFR選択可能マーカーと使用される。例、Kaufman and Sharp, 1982, Mol. Biol. 159: 601-621に記載される)、NSOミエローマ細胞、COS細胞、及びSP2細胞を含む。抗体遺伝子をコードする組換え発現ベクターを哺乳動物宿主細胞中に導入する場合、抗体は、宿主細胞における抗体の発現又は宿主細胞を成長させる培養培地中への抗体の分泌を許すために十分な時間にわたり宿主細胞を培養することにより産生される。抗体は、標準的なタンパク質精製法を使用して培養培地から回収することができる。宿主細胞を使用して、インタクトな抗体の部分(例えばFabフラグメント又はscFv分子など)を産生することもできる。上の手順に関するバリエーションは、本開示の範囲内であることが理解される。例えば、宿主細胞を、本開示の抗hPGモノクローナル抗体の軽鎖又は重鎖のいずれか(しかし両方ではない)をコードするDNAを用いてトランスフェクションすることが望ましい。
組換えDNA技術を使用して、hPGへの結合のために必要とされない軽鎖及び重鎖のいずれか又は両方をコードするDNAの一部又は全てを除去することもできる。そのような切断DNA分子から発現される分子も、開示の抗体に包含される。
開示の抗hPGモノクローナル抗体の組換え発現のために、宿主細胞を、開示の2つの発現ベクターを用いて同時トランスフェクトすることができ、第1ベクターは重鎖由来ポリペプチドをコードし、第2ベクターは軽鎖由来ポリペプチドをコードする。2つのベクターは同一の選択可能なマーカーを含むことができ、又は、それらは、各々、別々の選択可能なマーカーを含むことができる。あるいは、重鎖及び軽鎖の両方のポリペプチドをコードする単一ベクターを使用することができる。
一旦、抗hPGモノクローナル抗体の1つ又は複数の部分をコードする核酸が、さらなる変化又は変異をコード配列中に導入して、例えば、異なるCDR配列を伴う抗体、Fc受容体に対する低下した親和性を伴う抗体、又は異なるサブクラスの抗体をコードする核酸を生成することができる。
開示の抗hPGモノクローナル抗体は、また、化学合成により(例、Solid Phase Peptide Synthesis, 2nd ed., 1984 The Pierce Chemical Co., Rockford, Illに記載されている方法により)産生することができる。異型抗体は、また、無細胞プラットフォーム(例、Chu et al., Biochemia No. 2, 2001 (Roche Molecular Biologicals)を参照のこと)を使用して生成することができる。
一旦、開示の抗hPGモノクローナル抗体が組換え発現により産生されれば、それは、例えば、免疫グロブリン分子の精製のための当技術分野において公知の任意の方法、例えば、クロマトグラフィー(例、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、及びサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差により、又は、タンパク質の精製のための他の標準的な技術により精製することができる。さらに、本開示の抗hPGモノクローナル抗体又はそのフラグメントを、本明細書に記載する、又は、そうでなければ、当技術分野において公知の異種ポリペプチド配列に融合して、精製を促進することができる。
一旦、単離されれば、抗hPGモノクローナル抗体を、所望の場合、例えば、高速液体クロマトグラフィー(例、Fisher, Laboratory Techniques In Biochemistry And Molecular Biology (Work and Burdon, eds., Elsevier, 1980)を参照のこと)により、又は、Superdex(商標)75カラム(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)上でのゲル濾過クロマトグラフィーによりさらに精製することができる。
本発明は、抗hPGモノクローナル抗体を産生することが可能である宿主細胞を提供する。宿主細胞は、重鎖及び軽鎖遺伝子をコードする遺伝子を発現するように組換えDNA技術を使用して操作された細胞又は適した生物に由来し、所望の抗体を産生する能力について選択されたハイブリドーマでありうる。
抗PGモノクローナル抗体を産生することが可能な宿主細胞は、ハイブリドーマでありうる。ハイブリドーマを生成するための方法は、当技術分野において公知であり(例、Kohler and Milstein, 1975, Nature 256: 495を参照のこと)、例を以下に提供する。一般的には、宿主動物(例えばマウスなど)を、免疫原(例えば目的のペプチドなど)を用いて免疫化し、免疫原に特異的に結合することが可能な抗体を産生する、リンパ球、例えば、脾臓細胞の発生を誘発する。あるいは、単離リンパ球(脾臓細胞、リンパ節細胞、又は末梢血リンパ球を含む)は、インビトロで免疫化することができる。リンパ球を、次に、適した融合薬剤(例、ポリエチレングリコール)を使用して、不死化細胞株(例えばミエローマ細胞株など)と融合させて、ハイブリドーマ細胞株を形成する。適した不死化細胞株は、哺乳動物(例えばマウス、ウシ、又はヒトなど)に由来しうる。ハイブリドーマ細胞を、次に、非融合、不死化細胞の成長又は生存を阻害する1つ又は複数の物質を含む任意の適した培地中で培養する。例えば、酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠く親細胞が使用される場合、融合体を、親の非融合細胞の成長を阻害するヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジン(「HAT」培地)を含む培地中で増殖させることができる。
一部の実施形態において、N末端抗hPGモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ43B9G11(抗hPG MAb 1を産生する)、WE5H2G7(抗hPG MAb 2を産生する)、6B5B11C10(抗hPG MAb 3を産生する)、20D2C3G2(抗hPG MAb 4を産生する)、1E9A4A4(抗hPG MAb 15を産生する)、1E9D9B6(抗hPG MAb 16を産生する)、1C8D10F5(抗hPG MAb 17を産生する)、1A7C3F11(抗hPG MAb 18を産生する)、1B3B4F11(抗hPG MAb 19を産生する)、及び1C11F5E8(抗hPG MAb 20を産生する)から入手可能なモノクローナル抗体のVLに相当する可変軽鎖(VL)CDRを有する。
一部の実施形態において、N末端抗hPGモノクローナル抗体は、上のハイブリドーマから入手可能なモノクローナル抗体のVL及びVH CDRに相当するVL及びVH CDRを有する。
一部の実施形態において、C末端抗hPGモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ1B4A11D11(抗hPG MAb 5を産生する)、1B6A11F2(抗hPG MAb 6を産生する)、1B11E4B11(抗hPG MAb 7を産生する)、1C10D3B9(抗hPG MAb 8を産生する)、1D8F5B3(抗hPG MAb 9を産生する)、1E1C7B4(抗hPG MAb 10を産生する)、2B4C8C8(抗hPG MAb 11を産生する)、2B11E6G4(抗hPG MAb 12を産生する)、2C6C3C7(抗hPG MAb 13を産生する)、2H9F4B7(抗hPG MAb 14を産生する)、1F11F5E10(抗hPG MAb 21を産生する)、1F11F5G9(抗hPG MAb 22を産生する)、及び1A11F2C9(抗hPG MAb 23を産生する)から入手可能なモノクローナル抗体のVLに相当するVL CDRを有する。
一部の実施形態において、C末端抗hPGモノクローナル抗体は、上のハイブリドーマから入手可能なモノクローナル抗体のVL及びVH CDRに相当するVL及びVH CDRを有する。
実施態様において、配列番号12を含む重鎖可変領域及び配列番号13を含む軽鎖可変領域を含む抗hPG抗体を産生することが可能な宿主細胞を提供する。実施態様において、配列番号14を含む重鎖可変領域及び配列番号15を含む軽鎖可変領域を含む抗hPG抗体を産生することが可能な宿主細胞を提供する。実施態様において、配列番号59を含む重鎖可変領域及び配列番号63を含む軽鎖可変領域を含む抗hPG抗体を産生することが可能な宿主細胞を提供する。実施態様において、配列番号60を含む重鎖可変領域及び配列番号64を含む軽鎖可変領域を含む抗hPG抗体を産生することが可能な宿主細胞を提供する。実施態様において、配列番号61を含む重鎖可変領域及び配列番号65を含む軽鎖可変領域を含む抗hPG抗体を産生することが可能な宿主細胞を提供する。実施態様において、配列番号62を含む重鎖可変領域及び配列番号66を含む軽鎖可変領域を含む抗hPG抗体を産生することが可能な宿主細胞を提供する。
一部の実施態様において、開示の宿主細胞は、以下:配列番号12、14、59、60、61、及び62の重鎖可変領域ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびに、配列番号13、15、63、64、65、及び66の軽鎖可変領域ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列より選択される核酸より選択される核酸を含む。一部の実施態様において、重鎖可変領域は、配列番号16、18、67、68、69、及び70より選択される核酸配列によりコードされる。一部の実施態様において、軽鎖可変領域は、配列番号17、19、71、72、73、及び74より選択される核酸配列によりコードされる。
一部の実施形態において、ヒト化抗hPGモノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチド配列を提供する。特定の実施態様は、配列番号21、23、75、77、79、80、82、84、86、88、90、92、及び94からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。一部の実施形態において、ヒト化抗hPGモノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチド配列を提供する。特定の実施態様は、配列番号22、24、76、78、81、83、85、87、89、91、93、及び95からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。
抗hPGモノクローナル抗体の生物学的活性
PGは、CRC腫瘍細胞の生存及び/又は増殖に関与している。操作の任意の理論により拘束されることを意図しないが、PGの結合を通じて、中和抗hPGモノクローナル抗体は、そのシグナル伝達パートナーと相互作用するPGの能力を遮断又は阻害すると考えられる。これは、順に、プロガストリンへの細胞応答、例えば細胞増殖、低下した細胞分化及び/又は低下した細胞死、及び/又は腫瘍成長などを遮断又は阻害する。これらの活性の結果として、開示の中和抗hPGモノクローナル抗体を、種々のインビトロ、インビボ、及びエクスビボの文脈において使用して、PGに結合し、PG依存性シグナル伝達を遮断することができる。
したがって、本開示は、CRC細胞におけるPG依存性応答を阻害する方法を提供する。一般的に、この方法は、CRC細胞の1つ又は複数のPG誘導性応答(例、CRC細胞の増殖及び/又は生存)を阻害するために効果的な量で、中和抗PGモノクローナル抗体に、CRC細胞を接触させる、又は細胞集団を曝露させることを含む。インビトロ及びインビボでのその増殖又は阻害は、細胞数、腫瘍数、又は腫瘍サイズにおける増加を経時的に測定するためのアッセイに従って決定することができる。細胞及び腫瘍の増殖の阻害のためのアッセイは、当技術分野において周知である。
PG依存性シグナル伝達の遮断は、細胞死を増加させることによりCRC細胞の生存を阻害することができる。インビトロ又はインビボでのCRC細胞生存の阻害は、経時的(例、24又は48時間)に生癌細胞数の低下を測定することにより決定することができる。細胞死のためのアッセイは当技術分野において周知である。加えて、細胞生存アッセイの例を本明細書に提供する。
試験は、さらに、CRC腫瘍細胞におけるPG依存性の阻害が、シグナル伝達プログラム細胞死又はアポトーシスを引き起こすことによりCRC細胞の生存を阻害することができることを示唆する。アポトーシスの誘導は、しかし、限定しないが、プロ又は抗アポトーシス活性を有する遺伝子の発現における変化を測定する、当技術分野において公知の任意の手段により決定することができる。例えば、プロアポトーシス遺伝子(例えばBaxなど)の経時的な(例、48時間)発現増加は、アポトーシスにおける増加を示唆している。同様に、抗アポトーシス遺伝子(例えば、しかし、限定しないが、Bcl−2など)の経時的な(例、72又は96時間)発現減少は、アポトーシスにおける増加を示唆している。遺伝子発現における変化を測定するための技術(例えばリアルタイム定量PCRなど)は、当技術分野において周知である。例えば、Hollande et al., WO 2007/135542を参照のこと。
プロガストリン依存性シグナル伝達の阻害は、また、細胞分化を刺激する。したがって、CRC細胞の増殖及び/又は生存を阻害する方法は、インビトロ又はインビボでCRC細胞の分化を誘導するために効果的な中和抗PGモノクローナル抗体の量を投与することを含む。CRC細胞の分化は、細胞分化についての遺伝子マーカー、例えば、しかし、限定しないが、Muc−2又は分化した腸細胞(例、杯細胞)についての他のマーカーなどの発現における経時的(例、24又は48時間)増加を測定することにより決定することができる。遺伝子発現における変化は、当技術分野において公知の任意の手段により測定することができる。例えば、Hollande et al., WO 2007/135542を参照のこと。発現又は抑制がPG(例えばICATなど)に依存している他の遺伝子も標準的な方法を使用してアッセイすることができる。同上を参照のこと。
医薬組成物
抗PGモノクローナル抗体を、組成物中で製剤化することができる。場合により、組成物は、1つ又は複数の追加の治療用薬剤、例えば、以下に記載する第2の治療用薬剤などを含むことができ、本明細書において提供する。組成物は、普通は、医薬的に許容され得る担体を通常含む、無菌の医薬組成物の一部として提供する。この組成物は、任意の適切な形態にすることができる(患者へのその投与の所望の方法に依存して)。
開示の抗hPGモノクローナル抗体は、種々の経路により、例えば経口、経皮、皮下、鼻腔内、静脈内、筋肉内、眼内、局所、髄腔内、及び脳室内などに患者に投与することができる。任意の所与の場合における最も適した投与のための経路は、特定の抗体、被験体、ならびに疾患の性質及び重症度ならびに被験体の身体的状態に依存しうる。抗体は、水溶液として製剤化し、皮下注射により投与することができる。
医薬組成物は、1用量当たりに、開示の抗hPGモノクローナル抗体の所定量を含む単位用量形態で便利に提示することができる。そのようなユニットは、例えば、限定はしないが、5mg〜5g、10mg〜1g、又は20〜50mgを含むことができる。開示における使用のための医薬的に許容可能な担体は、多種多様の形態を、例えば、処置すべき状態又は投与経路に依存して取りうる。
開示の医薬組成物は、所望の純度を有する抗体を、当技術分野において典型的に利用される任意の医薬的に許容可能な担体、賦形剤、又は安定剤(その全てが本明細書において「担体」と言及される)、即ち、緩衝化薬剤、安定化薬剤、保存剤、等張剤、非イオン性界面活性剤、酸化防止剤、及び他の種々の添加剤と混合することにより、凍結乾燥製剤又は水溶液として保存のために調製することができる。Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th edition (Osol, ed.1980)を参照のこと。そのような添加剤は、利用する投与量及び濃度でレシピエントに非毒性でなければならない。
緩衝化薬剤は、生理学的条件に近似する範囲内のpHに維持するために役立つ。それらは約2mM〜約50mMの範囲の濃度で存在しうる。本開示を用いた使用のための適した緩衝剤は、有機酸及び無機酸の両方ならびにその塩、例えばクエン酸緩衝剤(例、クエン酸一ナトリウム−クエン酸二ナトリウム混合物、クエン酸−クエン酸三ナトリウム混合物、クエン酸−クエン酸一ナトリウム混合物など)、コハク酸緩衝剤(例、コハク酸−コハク酸一ナトリウム混合物、コハク酸−水酸化ナトリウム混合物、コハク酸−コハク酸二ナトリウム混合物など)、酒石酸緩衝剤(例、酒石酸−酒石酸ナトリウム混合物、酒石酸−酒石酸カリウム混合物、酒石酸−水酸化ナトリウム混合物など)、フマル酸緩衝剤(例、フマル酸−フマル酸一ナトリウム混合物、フマル酸−フマル酸二ナトリウム混合物、フマル酸一ナトリウム−フマル酸二ナトリウム混合物など)、グルコン酸緩衝剤(例、グルコン酸−グルコン酸ナトリウム混合物、グルコン酸−水酸化ナトリウム混合物、グルコン酸−グルコン酸カリウム混合物など)、シュウ酸緩衝剤(例、シュウ酸−シュウ酸ナトリウム混合物、シュウ酸−水酸化ナトリウム混合物、シュウ酸−シュウ酸カリウム混合物など)、乳酸緩衝剤(例、乳酸−乳酸ナトリウム混合物、乳酸−水酸化ナトリウム混合物、乳酸−乳酸カリウム混合物など)、及び酢酸緩衝剤(例、酢酸−酢酸ナトリウム混合物、酢酸−水酸化ナトリウム混合物など)などを含む。加えて、リン酸緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤、及びトリメチルアミン塩(例えばトリスなど)を使用することができる。
保存剤を加えて、微生物の成長を遅らせることができ、0.2%〜1%(w/v)の範囲の量で加えることができる。本開示を用いた使用のために適する保存剤は、フェノール、ベンジルアルコール、メタ−クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンザルコニウムハロゲン化物(例、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、ヘキサメトニウムクロライド、及びアルキルパラベン(例えばメチル又はプロピルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、及び3−ペンタノールなど)を含む。「安定剤」として時折公知である等張剤を加えて、本開示の液体組成物の等張性を確実にすることができ、多価糖アルコール、例えば、三価又はそれより高い糖アルコール、例えばグリセリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、及びマンニトールなどを含む。安定剤は、増量剤から、治療用薬剤を可溶化する、あるいは、変性又は容器壁への付着を予防するために有用な添加物までの機能の範囲に及びうる賦形剤の広範なカテゴリーを指す。典型的な安定剤は、多価糖アルコール(上に列挙する);アミノ酸(例えばアルギニン、リジン、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、L−ロイシン、2−フェニルアラニン、グルタミン酸、スレオニンなど)、有機糖又は糖アルコール(例えばラクトース、トレハロース、スタキオース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、ミオイニシトール、ガラクチトール、グリセロールなど)、(シクリトール、例えばイノシトールなどを含む);ポリエチレングリコール;アミノ酸ポリマー;硫黄を含有する還元剤、例えば尿素、グルタチオン、チオクト酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリセロール、α−モノチオグリセロール、及びナトリウムチオ硫酸塩など;低分子量ポリペプチド(例、10残基又はそれより少ないペプチド);タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリンなど;親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン単糖類など、例えばキシロース、マンノース、フルクトース、グルコースなど;二糖類、例えばラクトース、マルトース、スクロースなど、及び、三糖類、例えばラフィノースなど;及び、多糖類、例えばデキストランなどでありうる。安定剤は、活性タンパク質重量の0.1〜10,000重量部の範囲で存在しうる。
非イオン性サーファクタント又は界面活性剤(「湿潤剤」としても公知である)を加えて、治療用薬剤を可溶化させ、ならびに、撹拌誘導性凝集に対して治療用タンパク質を保護するために役立ちうるが、また、製剤が、タンパク質の変性を起こすことなく圧力が加えられたせん断面に曝露されることを許す。適した非イオン性サーファクタントは、ポリソルベート(20、80など)、ポリオキサマー(184、188など)、プルロニックポリオール、ポリオキシエチレンソルビタンモノエーテル(TWEEN(登録商標)-20、TWEEN(登録商標)-80など)を含む。非イオン性サーファクタントは、約0.05mg/ml〜約1.0mg/ml、例えば、約0.07mg/ml〜約0.2mg/mlの範囲で存在しうる。
追加の種々の賦形剤は、増量剤(例、デンプン)、キレート剤(例、EDTA)、酸化防止剤(例、アスコルビン酸、メチオニン、ビタミンE)、及び共溶媒を含む。
抗PGモノクローナル抗体は、単独で、1つ又は複数の抗PGモノクローナル抗体の混合物として、CRCを処置するために有用な他の薬剤との混合物又は組み合わせで、あるいは、CRCのための他の治療への補助として投与することができる。適した組み合わせ及び補助療法の例を、以下に提供する。
開示の中和抗hPGモノクローナル抗体(抗体コンジュゲートを含む)を含む医薬的キットが、本開示により包含される。医薬的キットは、中和抗hPGモノクローナル抗体(例、凍結乾燥形態又は水溶液のいずれか)及び以下:
・第2の治療用薬剤(例えば、以下に記載する);
・抗hPGモノクローナル抗体を投与するためのデバイス(例えば、ペン、ニードル、及び/又はシリンジ);及び
・抗体が凍結乾燥形態である場合、抗体を再懸濁するための医薬品グレードの水又は緩衝剤
のいずれか1つ又は複数を含むパッケージである。
抗hPGモノクローナル抗体の各々の単位用量を、別々にパッケージ化することができる。キットは1つ又は複数の単位用量(例、2単位用量、3単位用量、4単位用量、5単位用量、8単位用量、10単位又はそれ以上)を含むことができる。特定の実施形態において、1つ又は複数の単位用量を、各々、シリンジ又はペンに収容する。
効果的な投与量
中和抗PGモノクローナル抗体、又はその組成物は、一般的に、意図した結果を達成するために効果的な量で、例えば、それを必要とする被験体においてCRCを処置するために効果的な量で使用される。中和抗PGモノクローナル抗体を含む医薬的組成物は、治療的に効果的な投与量で患者(例、ヒト被験体)に投与することができる。本明細書において使用する通り、「治療的に効果的な」投与量は、治療的利益を与える量である。CRC治療の文脈において、治療的利益は、CRCの任意の寛解を意味し、以下:CRCの進行(例、結腸直腸癌の1段階から次の段階への)を止める又は遅くすること、CRCの症状又は徴候の憎悪又は悪化を止める又は遅くすること、CRCの重症度を低下させること、CRCの緩和を誘導すること、CRC腫瘍増殖、CRC腫瘍サイズ、もしくはCRC腫瘍数を阻害すること、又はPG血清レベルを低下させることの任意の1つ又は組み合わせを含む。
投与される中和抗PGモノクローナル抗体の量は、種々の因子(処置されているCRCの性質及び段階、投与の形態、経路、及び部位、治療計画(例、第2の治療用薬剤が使用されているか否か)、処置されている特定の被験体の年齢及び状態、処置されている患者の抗PGモノクローナル抗体への感受性を含む)に依存しうる。適切な投与量は、当業者により容易に決定されることができる。最終的には、医師が使用する適切な投与量を決定する。この投与量は、しばしば、適切な場合、反復することができる。副作用が発生した場合、投与の量及び/又は頻度は、通常の臨床診療に従って変更又は低下させることができる。適当な投与量及び治療計画は、当業者に公知の従来技術を使用して、治療の進行をモニターすることにより確立することができる。
効果的な投与量は、インビトロアッセイから最初に推定することができる。例えば、動物における使用のための初期用量を製剤化し、インビトロで測定されたプロガストリンについての抗体の結合親和性である又はそれを上回る、抗PGモノクローナル抗体の循環血液中又は血清中濃度を達成してもよい。特定の抗体のバイオアベイラビリティーを考慮に入れて、そのような循環血液中又は血清中濃度を達成するための投与量を算出することは、当業者の能力の範囲内である。ガイダンスについては、読者は、Fingl & Woodbury, "eneral Principles"in Goodman and Gilman's The Pharmaceutical Basis of Therapeutics, Chapter 1, latest edition, Pagamonon Press及びそれに引用される参考文献を参照する。
初期投与量は、インビボデータ(例えば動物モデルなど)から推定することができる。CRCを処置するための化合物の効力をテストするために有用な動物モデルが、当技術分野において周知である。加えて、CRCの動物モデルが、以下の実施例に記載される。当業者は、そのような情報を日常的に適応させ、ヒトへの投与のために適した投与量を決定することができる。
開示の中和抗hPGモノクローナル抗体の効果的な用量は、1回(例、ボーラス)投与、複数回投与、又は連続投与当たり約0.001〜約75mg/kgの範囲でありうる、あるいは、1回(例、ボーラス)投与、複数回投与、又は連続投与当たり0.01〜5000μg/ml血清濃度の血清濃度を達成するためであり、あるいは、処置されている状態、投与経路、ならびに被験体の年齢、体重、及び状態に依存した本明細書における任意の効果的な範囲又は値である。特定の実施形態において、各用量は、体重1kg当たり約0.5μg〜約50μg、例えば、体重1kg当たり約3μg〜約30μgの範囲でありうる。
投与の量、頻度、及び持続時間は、種々の因子、例えば患者の年齢、体重、疾患状態などに依存しうる。投与のための治療計画は、2週間〜無期限にわたり、2週間〜6ヶ月間にわたり、3ヶ月間〜5年間、6ヶ月間〜1又は2年間、8ヶ月間〜18ヶ月間などで継続しうる。場合により、治療計画は、反復投与(例、週1回、週2回、2日、3日、5日、1週間、2週間、又は1ヶ月に1回)を提供する。反復投与は同じ用量又は異なる用量でありうる。投与は、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回又はそれ以上反復することができる。抗hPGモノクローナル抗体の治療的に効果的な量を、単一用量として、又は、治療計画の経過にわたり、例えば、2週間、3週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年又はそれより長い経過にわたり投与することができる。
治療方法
PG依存性応答(細胞増殖を含む)を遮断する本発明の中和抗hPGモノクローナル抗体の能力によって、それらが結腸直腸癌を処置するために有用になる。したがって、別の局面において、本開示は、それを必要とする患者においてCRCを処置する方法を提供する。一般的に、方法は、治療的に効果的な量の開示の中和抗hPGモノクローナル抗体を患者に投与することを含む。
開示の抗hPGモノクローナル抗体が投与される「被験体」又は「患者」は、好ましくは、哺乳動物、例えば非霊長類(例、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットなど)又は霊長類(例、サル又はヒト)である。被験体又は患者は、ヒト、例えば成人患者又は小児患者などでありうる。
抗hPGモノクローナル抗体治療に適した患者は、CRCと診断された患者である。CRCは、任意の型及び任意の臨床段階又は顕在化でありうる。適した被験体は、CRC腫瘍(手術可能又は手術不可能)を伴う患者、腫瘍が外科的に除去又は切除されている患者、癌遺伝子(例えばRAS又はAPCなど)における変異を保有する細胞を含むCRC腫瘍を伴う患者、抗hPGモノクローナル抗体治療と組み合わせた又はそれに補助的なCRCのための他の治療を受けてきた又は受ける患者を含む。CRCのための他の治療は、しかし、限定しないが、化学療法的処置、放射線治療、外科的切除、及び1つ又は複数の他の治療用抗体を用いた処置(以下に詳述する)を含む。
抗hPG抗体治療は、1つ又は複数の他の治療と組み合わせる、又は補助となることができる。他の処置は、限定しないが、化学療法的処置、放射線治療、外科的切除、及び抗体治療を含む(本明細書に記載する通り)。
抗hPGモノクローナル抗体治療は、他の処置(外科的切除を含む)の補助になりうる。
組み合わせ治療は、本明細書に提供する通り、患者への少なくとも2つの薬剤の投与を含み、その第1は開示の中和抗hPGモノクローナル抗体であり、その第2は第2の治療用薬剤である。中和抗hPGモノクローナル抗体及び第2の治療用薬剤は、同時に、連続的に、又は別々に投与することができる。
本明細書において使用する通り、中和抗hPGモノクローナル抗体及び第2の治療用薬剤は、それらが同じ日に、例えば、同じ患者来診の間に患者に投与される場合、連続的に投与されると言う。連続的投与は、1、2、3、4、5、6、7、又は8時間離して生じうる。対照的に、開示の抗hPGモノクローナル抗体及び第2の治療用薬剤は、それらが異なる日に患者に投与される場合、例えば、開示の抗hPGモノクローナル抗体及び第2の治療用薬剤が、1日、2日、又は3日、1週間、2週間、又は1ヶ月間隔で投与することができる場合、別々に投与すると言う。本開示の方法において、開示の抗hPGモノクローナル抗体の投与は、第2の治療用薬剤に先行しうる又は続きうる。
非限定的な例として、中和抗hPGモノクローナル抗体及び第2の治療用薬剤を一時期にわたり同時に投与することができ、開示の抗hPGモノクローナル抗体及び第2の治療用薬剤の投与が代替される第2の時期が続く。
本開示の組み合わせ治療は、相加又は相乗効果よりも大きな効果をもたらし、治療的利益を提供し、そこでは中和抗hPGモノクローナル抗体及び第2の治療用薬剤のいずれも、単独で治療的に効果的である量で投与されない。このように、そのような薬剤はより低用量で投与することができ、有害作用の可能性及び/又は重症度を低下させる。
第2の治療用薬剤は、化学療法剤でありうる。化学療法剤は、しかし、限定しないが、放射性分子、毒素(細胞の生存に有害であり、任意の薬剤を含む細胞毒素又は細胞毒性薬剤とも言及される)、薬剤、及び化学療法用化合物を含むリポソーム又は他の小胞を含む。適した化学療法剤の例は、しかし、限定しないが、1−デヒドロテストステロン、5−フルオロウラシルデカルバジン(decarbazine)、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、アクチノマイシンD、アドリアマイシン、アルデスロイキン、アルキル化剤、アロプリノールナトリウム、アルトレタミン、アミフォスチン、アナストロゾール、アントラマイシン(AMC))、有糸分裂阻害剤、シス−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、ジアミノジクロロ白金、アントラサイクリン、抗生物質、代謝拮抗剤、アスパラギナーゼ、生BCG(膀胱内)、リン酸ベタメタゾンナトリウム及び酢酸ベタメタゾン、ビカルタミド、硫酸ブレオマイシン、ブスルファン、ロイコウオリン(leucouorin)カルシウム、カリケアマイシン、カペシタビン、カルボプラチン、ロムスチン(CCNU)、カルムスチン(BSNU)、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、コルヒチン、抱合型エストロゲン、シクロホスファミド、シクロトスファミド(cyclothosphamide)、シタラビン、シタラビン、サイトカラシンB、サイトキサン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダクチノマイシン(以前のアクチノマイシン)、ダウニルビシンHCL(daunirubicin)、クエン酸ダウノルビシン、デニロイキンジフチトックス、デキストラゾキサン(dextrazoxane)、ジブロモマンニトール、ジヒドロキシアントラシンジオン、ドセタキセル、メシル酸ドラセトロン、ドキソルビシンHCL、ドロナビノール、E.coli L−アスパラギナーゼ、エメチン、エポエチンα、エルウィニアL−アスパラギナーゼ、エステル型エストロゲン、エストラジオール、リン酸エストラムスチンナトリウム、エチジウムブロマイド、エチニルエストラジオール、エチドロネート、エトポシドシトロロラムファクター(citrororum factor)、リン酸エトポシド、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルコナゾール、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォリン酸、ゲムシタビンHCL、グルココルチコイド、酢酸ゴセレリン、グラミシジンD、グラニセトロンHCL、ヒドロキシ尿素、イダルビシンHCL、イホスファミド、インターフェロンα−2b、イリノテカンHCL、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、酢酸ロイプロリド、レバミソールHCL、リドカイン、ロムスチン、メイタンシノイド、メクロレタミンHCL、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファランHCL、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキセート、メチルテストステロン、ミトラマイシン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、ニルタミド、酢酸オクトレオチド、オンダンセトロンHCL、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート二ナトリウム、ペントスタチン、ピロカルピンHCL、プリマイシン(plimycin)、カルムスチンインプラントを伴うポリフェプロザン20、ポルフィマーナトリウム、プロカイン、プロカルバジンHCL、プロプラノロール、リツキシマブ、サルグラモスチン、ストレプトゾトシン、タモキシフェン、タキソール、テガフール、テニポシド、テノポシド、テストラクトン、テトラカイン、チオテパ(thioepa)クロラムブシル、チオグアニン、チオテパ、トポテカンHCL、クエン酸トレミフェン、トラスツズマブ、トレチノイン、バルルビシン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、及び酒石酸ビノレルビンを含む。
本明細書に開示する中和抗モノクローナル抗体を、結腸直腸癌のための処置を必要とする、化学療法剤の組み合わせを受けている患者に投与することができる。化学療法剤の例示的な組み合わせは、ロイコボリン(フォリン酸又はLV)と組み合わせた5−フルオロウラシル(5FU);ウラシル(UFT)及びロイコボリンと組み合わせたカペシタビン;ウラシル(UFT)及びロイコボリンと組み合わせたテガフール;5FUと組み合わせた又はカペシタビンと組み合わせたオキサリプラチン;カペシタビンと組み合わせたイリノテカン、5FU、イリノテカン、又はカペシタビンと組み合わせたマイトマイシンCを含む。本明細書に開示する化学療法剤の他の組み合わせの使用も可能である。
関連する技術分野において公知の通り、異なる化学療法剤の組み合わせを使用した結腸直腸癌の化学療法計画が、臨床試験において標準化されている。そのような計画はしばしば略語により公知であり、5FU Mayo、5FU Roswell Park、LVFU2、FOLFOX、FOLFOX4、FOLFOX6、bFOL、FUFOX、FOLFIRI、IFL、XELOX、CAPOX、XELIRI、CAPIRI、FOLFOXIRIを含む。例えば、Chau, I., et al., 2009, Br. J. Cancer 100: 1704-19及びField, K., et al., 2007, World J. Gastroenterol. 13: 3806-15を参照のこと。その両方が、参照により組み入れられる。
中和抗hPGモノクローナル抗体は、また、他の治療用抗体と組み合わせることができる。したがって、抗hPGモノクローナル抗体治療は、異なるモノクローナル抗体、例えば、しかし、限定しないが、抗EGFR(EGF受容体)モノクローナル抗体又は抗VEGFモノクローナル抗体などと組み合わせる又は補助的に投与することができる。抗EGFR抗体の具体的な例は、セツキシマブ及びパニツムマブを含む。抗VEGF抗体の具体的な例は、ベバシズマブである。
抗hPG抗体を使用したプロガストリンの検出
抗PGモノクローナル抗体は、中和又は非中和を問わず、PG検出、例えばCRCを診断すること又は被験体のCRCの処置の効果をモニターすることなどに依存する適用のためにも有用である。したがって、局面において、本開示は、本開示の抗hPGモノクローナル抗体を使用して患者からのサンプル中のプロガストリンの量を決定することを含む、患者において結腸直腸癌を診断する方法を提供する。一般的には、患者において結腸直腸癌を診断する方法は、開示の抗hPGモノクローナル抗体を使用して患者から得られたサンプル中のプロガストリンを測定することを含み、それにおいてサンプル中の20pM〜400pMプロガストリンの測定値は結腸直腸癌を示す。プロガストリンは、サンプル、例えば、血液、血清、血漿、組織、及び/又は細胞中で測定することができる。hPG検出は、当技術分野において公知の及び/又は本明細書に記載するアッセイ、例えばELISA、サンドイッチELISA、イムノブロッティング(ウエスタンブロッティング)、免疫沈降、BIACORE技術などを使用して行うことができる。
本明細書に記述する通り、プロガストリンは、ガストリン遺伝子産物の翻訳後プロセシングに起因する多くの異なるポリペプチドの1つに過ぎない。本明細書に記載する診断、モニタリング、及び他の方法は、他のガストリン遺伝子産物(分解産物を含む)とは対照的に、hPGを特異的に検出する。したがって、特定の実施形態において、hPGは、本明細書に開示する通り、ELISAを使用して検出され、それにおいてhPGに対する2つの抗体(hPGのN及びC末端をそれぞれ標的とする)を使用する。一部の実施形態において、検出のために使用される2つの抗体の1つは、本明細書中に記載する抗hPGモノクローナル抗体である。20pM〜400pMの範囲のhPGレベルは、結腸直腸癌を示す。
一般的に、抗hPGモノクローナル抗体を使用してhPGレベルを決定するための手順は、以下の通りである。表面(例えば96ウェルプレート中のウェルなど)を調製し、それに、公知の量のhPGに対する第1の「捕捉」抗体を結合させる。捕捉抗体は、例えば、hPGのC又はN末端と結合する抗hPG抗体でありうる。ブロッキング後、テストサンプルを表面に適用し、インキュベーション期間が続く。表面を次に洗浄し、非結合抗原を除去し、hPGに対する第2の「検出」抗体を含む溶液を適用する。検出抗体は、本明細書に記載する抗hPGモノクローナル抗体のいずれかでありうる(検出抗体が、捕捉抗体と異なるエピトープに結合するという条件で)。例えば、捕捉抗体がhPGのC末端ペプチド領域に結合する場合、次に、適した検出抗体はhPGのN末端ペプチド領域を結合するものである。プロガストリンレベルを、次に、直接的(例えば、検出抗体が検出可能な標識に結合されている場合)又は間接的(検出抗hPG抗体に結合する標識二次抗体を通じて)のいずれかで検出することができる。
特定の実施態様において、hPGレベルを、以下の通りに、テストサンプルから測定する。96ウェルマイクロタイタープレートを、0.5〜10μg/mLのウサギC末端抗hPGモノクローナル抗体を用いてコーティングし、一晩インキュベートする。プレートを、次に、PBS−Tween(0.05%)中で3回洗浄し、PBS−Tween(0.05%)中の2%(w/v)脱脂粉乳を用いてブロッキングする。別々に、テストサンプル、対照サンプル(ブランク又はPG陰性血漿又は血清サンプル)、及び、約5pM(0.5×10−11M)〜約0.1nM(1×10−10M)のhPG参照基準(PG陰性血漿又は血清中に希釈した凍結乾燥hPG)を、適切な希釈剤(例、PBS−Tween 0.05%)中に調製する。サンプルを、コーティングしたプレート上で、37℃で2〜4時間、又は、代わりに、21℃で12〜16時間インキュベートする。インキュベーション後、プレートを、PBS−Tween(0.05%)を用いて3回洗浄し、0.001〜0.1μg/mLの本明細書に記載するN末端抗hPGモノクローナル抗体(ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)に共役している)(Nakane et al., 1974, J. Histochem. Cytochem. 22(12): 1084-1091)と21℃で30分間にわたりインキュベートする。プレートを、次に、PBS−Tween(0.05%)中で3回洗浄し、HRP基質を21℃で15分間にわたり加える。反応を、100μLの0.5M硫酸を加えることにより停止させ、光学密度測定値を405nmで取得する。テストサンプルのhPGレベルを、hPG参照基準に由来する測定値から構築された標準曲線との比較により決定する。
典型的には、患者は、侵襲的手順(例えば生検組織の組織学的評価など)ならびに他の侵襲的手順(例えば結腸内視鏡検査など)に基づいて診断される。CRCは、ステージ0(結腸又は直腸の最内膜に限定される癌)、ステージ1(結腸又は直腸の内壁中の癌)、ステージ2(結腸の壁に広がっているが、しかし、隣接するリンパ節では見出されない癌)、ステージ3(リンパ節及び結腸又は直腸周辺の組織で見出される癌)、及びステージ4(体の他の部位に広がっている癌)の範囲の5ステージに分けられる。組織学的観点から、直腸結腸腫瘍は、広範囲の新生物(良性の成長から浸潤癌まで及ぶ)を提示し、主に上皮由来腫瘍(即ち、腺腫又は腺癌)である。病変は3群:非新生物ポリープ、新生物ポリープ(腺腫性ポリープ、腺腫)、及び癌に分類することができる。腺腫性ポリープは、悪性形質転換を受けうる良性腫瘍であり、3つの組織型:管状、腺管絨毛、及び絨毛に分類され、悪性度が増加する。腺癌は、また、それらの組織像に従って、粘液性(コロイド)腺癌;印環腺癌;スキルス腫瘍;及び神経内分泌に分類されている。
CRCを診断するための現行の手段とは対照的に、本開示は、血液サンプルから決定することができるhPGレベルの測定に基づく、任意の組織学的分析又は病期分類の非存在においてCRCを伴う被験体を診断するための方法を提供する。さらに、本開示の方法は、患者がどのように診断されたのかに関わらず、抗hPGモノクローナル治療に適したCRC患者を選択するのに有用である。
血清PGレベルは、また、CRC処置の効力を評価するのに有用である。したがって、本開示は、CRCについて処置されている患者においてPGレベルを決定することを含む、結腸直腸癌治療の有効性をモニタリングするための方法を提供する。結腸直腸癌治療の有効性をモニタリングするための方法は、結腸直腸癌について処置を受けている結腸直腸癌患者において本開示の抗PGモノクローナル抗体を使用してhPGレベルを反復的に決定することを含み、それにおいて処置の間隔にわたる患者の循環hPGレベルにおける減少は処置効力を示す。例えば、患者の循環hPGレベルの第1の測定値を取得することができ、患者が結腸直腸癌についての処置を受けている間又はその後での第2の測定値が続く。2つの測定値を次に比較し、hPGレベルにおける減少は治療的利益を示す。
局面において、本開示は、抗hPGモノクローナル抗体(抗体コンジュゲートを含む)を含む診断キットを提供する。診断キットは、開示の少なくとも1つの抗hPGモノクローナル抗体(例、凍結乾燥形態又は水溶液のいずれか)及び診断アッセイを実施するために有用な1つ又は複数の試薬(例、希釈剤、抗hPGモノクローナル抗体に結合する標識抗体、標識抗体のための適切な基質、陽性対照及び参照標準、陰性対照としての使用のために適切な形態のhPG)を含むパッケージである。特定の実施態様において、キットは2つの抗hPG抗体を含み、それにおいて抗体の少なくとも1つが抗hPGモノクローナル抗体である。場合により、二次抗体はポリクローナル抗hPG抗体である。一部の実施形態において、本開示のキットは、本明細書に記載するN末端抗hPGモノクローナル抗体を含む。
抗hPG抗体を、上に記載する通りに標識することができる。あるいは、キットは、抗hPGモノクローナル抗体に結合し、酵素に結合されている標識抗体を含むことができる。抗hPGモノクローナル抗体又は他の抗体が検出用酵素に結合されている場合、このキットは基質及び酵素により要求される補因子(例、検出可能な発色団又はフルオロフォアを提供する基質前駆体)を含むことができる。また、他の添加剤は、例えば安定剤、緩衝剤(例、ブロッキング緩衝剤又は溶解緩衝剤)などを含むことができる。診断キットに含まれる抗hPGモノクローナル抗体は、固体表面上に固定化することができ、又は、代わりに、抗体を固定化することができる固体表面(例、スライド)がキットに含まれる。種々の試薬の相対量を広く変動させて、アッセイの感度を実質的に最適化する試薬の溶液中での濃度を提供することができる。抗体及び他の試薬は、通常凍結乾燥された乾燥粉末として、(個別に又は組み合わで)提供することができ、溶解時に適切な濃度を有する試薬溶液を提供する賦形剤を含む。
キットは、診断方法の実践のための指示(例、プロトコール)を含む指示資料を含みうる。指示資料は、典型的には、書面による又は印刷された資料を含むが、それらに限定しない。そのような指示を記憶し、それらをエンドユーザーに伝えることが可能である媒体が、本発明により熟慮される。そのような媒体は、しかし、限定しないが、電子記憶媒体(例、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学媒体(例、CD ROM)などを含む。そのような媒体は、そのような指示資料を提供するインターネットサイトへのアドレスを含みうる。
10.実施例
以下の実施例は、例示的であり、限定することを意図しない。
実施例1:プロガストリンに対するモノクローナル抗体の生成
ヒトプロガストリンについての免疫原
いくつかの免疫原を生成して、ヒトプロガストリンに対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを開発した。ポリクローナル抗体を生成するために以前に使用された抗原、例えば全長ヒトプロガストリン及びhPGの残基70〜80に基づく免疫原などは、モノクローナルな免疫応答に導かず、又は、PG特異的モノクローナル抗体を生じなかった。以下により詳細に記載する通り、抗原(14アミノ酸及びそれより長い)は、タンパク質のN末端及びC末端のいずれかにhPGに固有の配列を含み、動物において適切な免疫応答を誘導することが可能であり、hPGに対する20を超える異なるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを生成するために使用された。驚くべきことに、hPGの残基55〜80を含むいくつかの免疫原は、それらの一部が他のガストリン遺伝子由来ペプチドにおいても見出されており、hPGに特異的であるモノクローナル抗体を生成するために成功裏に使用された。以下の表に、テストした免疫原をまとめる。
表2に列挙する免疫原は、ペプチド配列及びリンカーの化学合成を使用して、当技術分野において公知の技術に従って作製され、適切な架橋剤(例、MBS(m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロスクシンイミドエステル)、グルタルアルデヒド又はスルホ−SMCC(スルホスクシンイミジル4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレート)を使用したウシ血清アルブミン(BSA)、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、又はジフテリア毒素(DT)担体への架橋が続いた。(Coligan JE et al., Current protocols in Immunology, Vol. 2, New York: John Wiley and Sons; 1996, p 9.0.1-9.0.15; Harlow DL. Antibodies: A Laboratory Manual.New York: Cold Spring Harbor Laboratory; 1998, p72-87)使用されたリンカーは、システイン残基に共役された1つ又は2つのアミノヘキサン酸(Ahx)残基であった。
3つの実験の各々において、Balb/cマウスに、N末端免疫原については4〜5回、及びC末端免疫原については2〜4回注射した。各々の注射では、Ribi、Alun、又はフロイントアジュバントを伴う10μgの免疫原を投与した。
細胞融合及びハイブリドーマスクリーニング
各々のマウスからの血清を、免疫原及び最も強い免疫応答を伴うマウスから収集された脾細胞に対するELISAによりテストした。脾細胞を、ポリエチレングリコールを使用してSP2ミエローマ細胞と融合させ、15,000〜35,000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレート中に播種した。融合細胞は、ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを含む培地(HAT培地)を使用して選択した。
ハイブリドーマの上清を、免疫原及び全長プロガストリンに結合する能力についてELISAによりスクリーニングした。3ラウンドのスクリーニングを実施して、全長hPG及び免疫原を認識する抗体を安定的に産生するハイブリドーマだけが選択されることを確実にした。
異なるPGペプチドへの結合を決定するためのハイブリドーマ及びモノクローナル抗体のスクリーニングは、以下に記載する通り、ELISA技術を使用して実施した。このプロトコールを使用して、他のガストリン遺伝子由来ペプチドと比較し、融合脾細胞(第1及び第2ラウンドのサブクローン)のPG結合について、ならびに、PGへの抗体の特異性を検証するためにスクリーニングした。
簡単には、96ウェルプレートを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の適切な濃度のテストペプチドを用いて4℃で一晩インキュベートし、その後、ウェルを、洗浄溶液(PBS及び0.1%Tween-20)を用いて3回洗浄し、1ウェル当たり100μLのブロッキング溶液(PBS、0.1%Tween-20、0.1%ウシ血清アルブミン又はカゼイン加水分解物)を用いて22℃で2時間にわたりインキュベートした。ブロッキング後、ウェルを3回洗浄し、一次抗体(アッセイする抗体)を加えた。融合脾細胞の初期スクリーニングのために、アッセイする各々の培養からの50μLの培養上清を、プレート中の各ウェルに加えた。モノクローナル抗体で実施されたアッセイにおいて、PBS及び0.1% Tween-20中の100μLのテスト抗体を各ウェルに加えた。プレートを、次に、22℃で2時間にわたりインキュベートし、その後、一次抗体溶液を捨て、洗浄段階(3×100μL洗浄溶液、上に記述する通り)後、二次抗体(一次抗体に結合し、酵素に共役されている)を含むブロッキング溶液を用いて交換した。二次抗体は、ホースラディッシュペルオキシダーゼに共役したヤギ抗マウスIgG(Fc)抗体であった。二次抗体を用いた1時間のインキュベーション後、100μLの基質溶液(例、Fast OPD、又はO−フェニレンジアミン二塩酸塩、Sigma-Aldrich Co.から入手可能、製造業者の指示に従って調製する)を各ウェルに加え、暗所で20分間にわたり22℃でインキュベートした。反応を、次に、50μLの4N硫酸を加えることにより停止させ、触媒された基質の量を492nmでの光学密度(OD)を測定することにより決定した。基質変換は、抗原に結合した一次(テスト)抗体の量に比例する。実験を二通りに実行し、OD測定値を、実験の目的に依存して、抗原又は抗体濃度の関数としてプロットした。サンプルを、測定されたODが0.2〜1.5の間であった場合、抗PG抗体について陽性としてスコア化した。同じODブラケットを使用して、テスト動物に接種するために使用された免疫原ペプチドに結合する抗体を同定した。
アッセイにおいて使用する例示的な材料及び試薬は、以下の通りである:
ハイブリドーマ及びモノクローナル抗体のスクリーニングにおいて使用する例示的なペプチドは、以下の通りである:
組換えヒトプロガストリンを、McQueen et al, 2002, J. Protein Chem. 21: 465-471)に記載される通りに(わずかな改変を伴う)産生した。簡単には、BL21 DE3 Star細菌細胞(InVitrogen)を、PGEX−GST−TEV骨格(GE Healthcare)中に全長ヒトプロガストリン配列を含むベクターを用いて形質転換した。細菌を、0.5mM IPTGを含むLB培地中で3時間にわたり37℃で成長させた。細菌ペレットを、フレンチプレスを使用して破壊し、可溶性ならびに非可溶性画分を遠心分離により分けた。その後、GSTタグ付きhPGを、グルタチオン親和性カラムを使用して単離し、PGを、タバコエッチ病ウイルスNIa(TEV)プロテアーゼを用いてGSTから切断した。最後に、PGを、最終緩衝剤(10mM Hepes、0.5% BSA、pH 7.4)に対して透析した。
ハイブリドーマを最初にクローン化し、次に、サブクローン化し、増殖させた。陽性ハイブリドーマを以下:(1)PG及び免疫原特異性、(2)抗体の相対的親和性、(3)ハイブリドーマ細胞の成長、(4)抗体分泌、及び(5)ハイブリドーマのモノクローナル性の基準に基づいて選択した。アッセイ及び選択基準は以下の通りであった。
特異性について、テストハイブリドーマの上清を、上に記載する通りにELISAによりアッセイした(アッセイ培地PBS中への上清の2希釈中1の50μL)。ハイブリドーマを、OD測定値が、hPG又はテストマウスに接種するために使用された免疫原を用いたアッセイにおいて0.2〜1.5の間である場合、陽性としてスコア化した。特異性についてのさらなる基準として、クローンを、他のガストリン遺伝子由来ペプチドへの結合性の欠如に基づいて選択した。結合の欠如は、テストウェルにからのシグナルとPBSだけを含む対照ウェルからの平均シグナルの間に統計的な有意差がないとして測定した。
親和性の特徴付けについては、抗体の希釈系列は、上に記載する通り、hPGへの結合についてのELISAによりアッセイした。N末端抗体のアッセイにおいて使用される標準的な希釈は、0、0.1、0.3、1、3、10、30、100ng/mLであった。C末端抗体のアッセイにおいて使用される標準的な希釈は、0、0.03、0.1、0.3、1、3、10、30ng/mLであった。
複数ラウンドの連続培養を通じたハイブリドーマ細胞の成長を、播種から2日後に顕微鏡観察により評価した。細胞が増殖し、播種後48時間までにウェルを満たすと予測される。連続希釈(典型的には、1:5での最初の希釈、少なくとも2回の1:10でのさらなる希釈が続く)を実施し、48時間目での顕微鏡観察が続き、適切な成長を確認した。この基準を満たすハイブリドーマからの細胞を希釈し、再び播種し、48時間後に顕微鏡下で観察した。そのようなラウンドの「希釈−播種−観察」を、ハイブリドーマが「成長」基準を満たすとしてスコア化される前に3回反復した。
抗体分泌を、無細胞上清の希釈系列(1/2、1/20、1/200、1/500、1/1000、1/2000)で、上に記載する通りに、hPGを使用したELISAを実施することによりテストした。
モノクローン性を、0.6細胞/ウェルの密度で96ウェルプレート中にクローン又はハイブリドーマを播種し、2週間にわたりインキュベートすることにより決定した。2週間目に、上清を、hPG結合について、ELISAによりアッセイし、集団のクローン性質を、生細胞を含むウェルの少なくとも90%にわたり一貫したOD値を有することに基づいて決定した。
全長プロガストリンに対するモノクローナル抗体
3匹のマウスの各々に、組換えヒトプロガストリン(上に記載する)を用いて接種した。免疫原は、マウスにおいて任意の検出可能な免疫応答を誘発しなかった:PGへの結合は、上に記載する通り、ELISAを使用して検出することができなかった。融合は実施しなかった。
プロガストリンに対するN末端モノクローナル抗体
上に記述する通り、N末端モノクローナル抗体を、14残基抗原のC末端上のAhx−Cysリンカー(SWKPRSQQPDAPLG−Ahx−Cys(配列番号26))によって、ウシ血清アルブミン(BSA)又はキーホールリンペットヘモシアニン(KHL)のいずれかに連結された、hPGの残基1〜14を含む抗原に対して生成した。
第1の実験において、3匹のマウスに、BSA連結N末端ペプチドを用いて接種した。3匹のマウスの2匹からの脾細胞を用いて実施した3つの融合から、1つの融合は、PGまたは免疫原への結合を示すクローンはもたらされなかった。96ウェルプレート中に播種された2つの他の融合体の内、1つが4つのPG結合及びPG特異的ハイブリドーマを生成し、そこから単一の安定なIgG産生サブクローンが回収された。第2の融合体は、また、単一の安定なIgG1産生、PG結合及びPG特異的ハイブリドーマサブクローンをもたらした。全体として、3匹のマウスから、17の第1ラウンドのハイブリドーマ、又はスクリーニングされたハイブリドーマの0.74%が、PG及び免疫原結合について陽性であり、そこから9つの陽性細胞株がサブクローン化され、その内の2つが陽性のIgG産生細胞株であった。このように、第1の実験では、2〜3ラウンドのサブクローニング後、免疫原及びhPGに対して強い陽性シグナルを保持し(「PG結合」について陽性)、他のガストリン遺伝子由来ペプチドには結合しない(「PG特異性」について陽性)2つのクローン:抗hPG MAb1及び抗hPG MAb 2をそれぞれ産生するハイブリドーマ43B9G11及びWE5H2G7を生成した。
第2の実験において、マウスに、KLH連結N末端ペプチドを用いて接種する。2つの融合を、Sp2ミエローマ細胞を用いて実施した。これらの内、1つの融合体だけが、PG及び免疫原陽性クローンを生成し、それらはPG特異的でもあった。これから、1920のハイブリドーマを播種した。多くのハイブリドーマが、免疫化ペプチドを用いて陽性とテストされたが、プロガストリンではされず、又は、PG特異的ではなかった。具体的には、297のハイブリドーマが、免疫化ペプチドについて強い陽性を示し(1920のおよそ15.5%)、その内の124がプロガストリン結合についても陽性であった(6.5%)。プロガストリンについて陽性であるが、しかし、使用した免疫原については陽性ではない36のハイブリドーマ(又は1.8%)があった。播種した1920の内の12のハイブリドーマだけが、プロガストリンに特異的に結合するが、しかし、他のガストリン遺伝子産物にはしない抗体をもたらした(全ハイブリドーマの0.6%、第1スクリーニングでペプチド及び/又はプロガストリンについて陽性であったクローンの3.6%)。12の選択したクローンの内、2つだけが、永久クローンとして樹立し、長期保存のために凍結させるために十分に安定であった。このように、この第2の実験において、播種したほぼ2000のハイブリドーマの内、hPG及び免疫化ペプチドに結合することが可能であるモノクローナル抗体を発現する2クローン6B5B11C10(抗hPG MAb 3を産生する)及び20D2C3G2(抗hPG MAb4を産生する)(抗hPG MAb3及びMAb4をそれぞれ産生し、及び、他のガストリン遺伝子産物を上回るプロガストリンへの特異性及びhPGへの高い親和性を有する)だけが回収された。両方の例示的な抗体は、IgG1アイソタイプである。
第3の実験において、マウスを、第2の実験と同じ免疫原を用いて接種した。Sp2ミエローマ細胞への融合を、最も強い免疫応答を伴う2匹のマウスからの脾細胞を用いて実施した。融合からのハイブリドーマを播種し(マウス1匹当たり、1つの融合の各々からの3840のハイブリドーマ)、上清を、PG及び免疫原結合、ならびにPG特異性についてテストした。各々の融合から、6つのハイブリドーマがPG特異性を示し、そこから、成長、モノクローン性、抗体分泌、相対的親和性についてのさらなる選択を満たす3つのサブクローンが選択された。このように、全体で、播種後にテストされたハイブリドーマの2.9%(220/7680)が、PG及び免疫原陽性であり、その内の0.15%が陽性クローンであり(12/7680)、回収された最終的なサブクローンは、播種された最初のハイブリドーマの0.15%を構成した(6/7680)。この実験では、ハイブリドーマ1E9A4A4(抗hPG MAb 15を産生する)、1E9D9B6(抗hPG MAb 16を産生する)、1C8D10F5(抗hPG MAb 17を産生する)、1A7C3F11(抗hPG MAb 18を産生する)、1B3B4F11(抗hPG MAb 19を産生する)、及び1C11F5E8(抗hPG MAb 20を産生する)が生成された。
以下の表は、各々の実験のために播種したクローンの数、使用した免疫原、及び免疫原及び全長プロガストリンの両方を認識するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの数及びパーセンテージを示す。
プロガストリンに対するC末端モノクローナル抗体
C末端モノクローナル抗体を、26残基抗原のN末端上のCys−Ahx−Ahxリンカー(Cys−Ahx−Ahx−QGPWLEEEEEAYGWMDFGRRSAEDEN(配列番号96))によりKLH又はDTのいずれかに連結されたhPGの残基55〜80を含む抗原に対して生成した。hPGの残基70〜80だけを含むより小さな抗原を用いてハイブリドーマを生成する試みで、BSA又はKLHのいずれかに結合したCys−Ahx−Ahx−FGRRSAEDEN(配列番号97)は、任意のクローンを生成しなかった。
3つの実験を実施した。最初の2つの実験において、それにおいてより短いペプチドを使用し、ゼロのサブクローンを回収した。具体的には、第1の実験において、4匹のマウスに、BSAに連結された、配列番号97に相当するC末端ペプチドを用いて注射した。融合のいずれも、任意のIgG産生ハイブリドーマを生成しなかった。第2の実験において、6匹のマウスに注射し、3匹の各々に、そのN末端でKLHに連結された、配列番号97に相当するペプチド、又は、そのC末端でKLHに連結された、配列番号97に相当するペプチドを用いた。第1の免疫原について、融合を実施し、ハイブリドーマを回収したが、しかし、PG結合及びPG特異性について陽性であるサブクローンは単離されなかった。第2の免疫原について、マウスのいずれも免疫応答を発生せず、融合は実施しなかった。
第3の実験において、hPGに固有ではないC末端配列を含む26アミノ酸ペプチドを使用した。免疫原(KLH又はDTのいずれかに連結された、配列番号96に相当するペプチドを含む)をマウスに注射した。Sp2ミエローマ細胞への融合を、最も強い応答を有する2匹のマウスからの脾細胞を用いて実施した。3840のハイブリドーマを、マウス1匹あたり1つの融合から播種した。全体では、スクリーニングした7680のハイブリドーマから、その内の382(5%)がPG陽性及びPG特異的であり、13(0.17%)の安定な陽性サブクローン:1B4A11D11(抗hPG MAb 5を産生する)、1B6A11F2(抗hPG MAb 6を産生する)、1B11E4B11(抗hPG MAb 7を産生する)、1C10D3B9(抗hPG MAb 8を産生する)、D8F5B3(抗hPG MAb 9を産生する)、1E1C7B4(抗hPG MAb 10を産生する)、2B4C8C8(抗hPG MAb 11を産生する)、2B11E6G4(抗hPG MAb 12を産生する)、2C6C3C7(抗hPG MAb 13を産生する)、2H9F4B7(抗hPG MAb 14を産生する)、1F11F5E10(抗hPG MAb 21を産生する)、1F11F5G9(抗hPG MAb 22を産生する)、及び1A11F2C9(抗hPG MAb 23を産生する)が回収された。
以下の表は、各々の実験のために播種したクローンの数、使用した免疫原、スクリーニングしたハイブリドーマの数、PG及び免疫原結合モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ(PG特異的であり、3ラウンドのサブクローン化後に選択基準(成長、モノクローン性、相対的親和性など)を満たしている)の数及びパーセンテージを示す。
モノクローナル抗体、及びそれらを産生する安定なハイブリドーマを、以下の表に詳述する:
ハイブリドーマ細胞株1B4A11D11(MAb 5、登録番号CNCM I−4371)、1B6A11F2(MAb 6、登録番号CNCM I−4372)、1B11E4B11(MAb 7、登録番号CNCM I−4373)、2B4C8C8(MAb 11、登録番号CNCM I−4374)、2B11E6G4(MAb 12、登録番号CNCM I−4375)、及び1E9A4A4(MAb 15、登録番号及びCNCM I−4376)を、Treaty of Budapestに従って寄託し、Collection Nationale de Cultures de Microorganisms (CNCM), Institut Pasteur, Paris, Franceにより2010年10月6日に受理された。
抗hPGモノクローナル抗体のクローニング及び配列決定
ハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体は、当業者に公知の技術を使用して、クローン化及び配列決定することができる。上の表5に列挙するハイブリドーマからのモノクローナル抗体を、下に記載する通りに配列決定した。
ハイブリドーマ6B5B11C10及び20D2C3G2により産生されるモノクローナル抗体をコードする配列を、標準的な技術を使用して、クローン化及び配列決定した。簡単には、全RNAを、製造業者の指示に従って使用したRNABee試薬、AMSBioカタログno.CS−104Bを使用して、凍結細胞ペレットから単離した。V領域についてのcDNAを、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を使用してmRNAから調製し、cDNA末端の5’迅速増幅(RACE)が続いた。cDNA合成を、定常領域特異的プライマーを使用して行い、その後、第1鎖産物を精製し、末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼを使用し、cDNAの3’末端にホモポリマーテールを加えた。「テール付き」cDNA配列を、次に、プライマー対(ホモポリマーテール及びVH又はVL領域のいずれかのそれぞれについて各々1つのプライマー)を使用したPCRにより増幅させた。重鎖及び軽鎖可変領域のPCR産物を、次に、標準的な手順を使用して、「TA」クローニングベクター(p-GEM-T easy, Promega cat. no A 1360)中にクローン化し、配列決定した。図2A−B(MAb 3)、図2C−D(MAb 4)を参照のこと。
ハイブリドーマ1C10D3B9、2C6C3C7、1B3B4F1、及び1E9D9B61により産生されるモノクローナル抗体をコードする配列を、以下の通りに決定した。全RNAを、製造業者の指示に従って使用したRNAqueous(登録商標)−4PCRキット(Ambion cat. No. AM1914)を使用して、凍結細胞ペレットから単離した。重鎖V領域のmRNAを、6つの縮重プライマープールのセット(HAからHF)を使用して増幅し、軽鎖V領域のmRNAを、8つの縮重プライマープールのセット(κクラスター用の7つ(KAからKG)及びλクラスター用の1つ(LA))を使用して増幅した。可変領域についてのcDNAを、RT−PCRを使用してmRNAから調製した。cDNA合成を、定常領域特異的プライマーを使用して行い、IgGVH、IgκVL、及びIgλVLの各々についての5’マウスシグナル配列についての縮重プライマー及び3’定常領域へのプライマーのプールを使用したPCRが続いた(Jones et al., 1991, Rapid PCR cloning of full-length mouse immunoglobulin variable regions, Bio/Technology 9: 88-89)。重鎖及び軽鎖可変領域のPCR産物を、次に、標準的な手順を使用して、「TA」クローニングベクター(p-GEM-T easy, Promega cat. no A 1360)中にクローン化し、配列決定した。図2E−F(MAb 8)、2G−H(MAb 13)、2I−J(Mab 16)、及び2K−L(Mab 19)を参照のこと。
実施例2:抗hPG抗体の結合親和性
A.相対的親和性
例示的なモノクローナル抗体の相対的親和性を、上に記載するELISA方法を使用して測定し、それにおいて、ウェルを、50ngのプロガストリンを含むペプチド溶液を用いてコーティングし、次に、増加濃度の各モノクローナル抗体の存在においてインキュベートした(以下の通り):
図3Aは、1ng/mLから1μg/mlの濃度でテストした、4つの抗hPGモノクローナル抗体MAb 1〜4の相対的親和性を示す。図3Bは、0.1〜100ng/mLの抗体濃度でテストした、N末端抗hPGモノクローナル抗体MAb 3及び15〜20の相対的親和性を示す。図3Cは、0.03〜30ng/mLの抗体濃度でテストした、C末端抗hPGモノクローナル抗体MAb 5〜14及び21〜23の相対的親和性を示す。
B.親和性定数の測定
モノクローナル抗体についての親和性のより絶対的な定量化を提供するために、親和性定数を、Proteon Technique(BioRad)を使用し、Nahshol et al., 2008, Analytical Biochemistry 383: 52-60(その全体において本明細書により組み入れられる)に従い測定した。簡単には、抗マウスIgG抗体(50μg/ml)を最初にセンサーチップ上にコーティングし、抗体の注射後にチップにより検出されるシグナルが10,000〜11,500RU(応答単位)の間にあることを確実にした。テストするマウスモノクローナル抗体を次に注射した(典型的な濃度:30μg/ml)。テストする抗体の十分な結合を、センサーチップ上の少なくとも500RUのさらなるシグナルに基づいて決定した。モノクローナル抗プロガストリン抗体とプロガストリンの間での相互作用の時間経過を、次に、例えば、200、100、50、25、及び12.5nMの変動濃度のプロガストリンを注射することにより測定し、会合のレベルを検出した。典型的には、いくつかのチャンネルが、単一の実験において並行して複数の抗体をテストするために利用可能であり、PGの変動濃度で並行してテスト抗体の結合をアッセイすることが可能になる。典型的には、1つのチャネルが、PGに特異的ではないマウスモノクローナル抗体について、非特異的結合についての対照として確保され、別のチャネルには、バックグラウンドシグナルについてのベースラインとしての希釈緩衝剤単独を用いて注射する。一般的には、結合は、非特異的マウス抗体を用いて注射したチャンネルにおいて検出可能ではない。この設定において高レベルの会合を示す抗体は、プロガストリンにより捕捉モノクローナル抗体の飽和をもたらしうるが、より低いプロガストリン濃度(50、25、12.5、6.25、及び3.125nM)に対してテストすることができ、より緻密な測定を可能にする。
親和性定数(KD)を、解離定数(kd)と会合定数(ka)の間の比率として算出した。実験値を、結合測定値に基づく実験曲線と理論上のプロファイルの間での統計的に関連する類似性を分析することにより確証した。実験曲線が理論モデルに適合するか否かを選択するためにProteon実験において使用される数学的モデルは、プロガストリン分子と抗プロガストリンモノクローナル抗体の間での1:1の相互作用に基づくラングミュアモデルであった。
実施例3:抗hPG抗体の凝集
抗体の凝集は、標的タンパク質に結合するために利用可能な抗体の量を低下させることにより治療効力を低下させることができる。非常に低レベルの凝集を伴う抗体は、治療適用のために好ましい。抗体の各バッチは、同じモノクローナル抗体の他のバッチと比較して変動しうる。一般的に、低凝集を伴うバッチを使用することが望ましい。抗体凝集を定量化するために、抗体溶液を分光蛍光光度計(Photon Technology International)中に置き、280nMで照射した。拡散を280nMで測定し、芳香族アミノ酸(大部分がトリプトファン)に起因する発光を330nMで測定した。凝集のレベルを、次に、280nM対330nMでのOD測定値間の比率を算出することにより定量化した(Nomine et al., 2003, Biochemistry 42: 4909-4917に記載する通り)。より高い280/330nM比率は、より高い量の凝集を示す。使用した抗体の濃度は、15μg/ml(インビトロでの処置のために使用される5〜15倍を上回る)であった。
結果を以下の表及び図4に示す。
実施例4:抗hPGモノクローナル抗体の結合特異性
PGは、ガストリン遺伝子のペプチド産物の一つに過ぎない。他のガストリン遺伝子産物は、通常のホメオスタシスにおいて役割を有するが、しかし、それは、それを治療及び診断目的のために有用な標的とする、CRCにおけるPGの役割である。本明細書に記載するモノクローナル抗体は、ガストリン遺伝子の発現及びプロセシングに起因する全ての他のペプチド、例えばグリシン伸長(G17−gly)、アミド化(ガストリン17)ガストリンなど、及びC末端隣接ペプチド(CTFP)を上回り、全長プロガストリンに特異的である。これらのペプチドは、循環中に存在する。抗hPGモノクローナル抗体の結合特異性は、実施例1において上に記載するELISAアッセイを使用して、ヒトプロガストリン及び他のガストリン遺伝子由来ペプチドに対する抗体をアッセイすることにより決定した。
具体的には、ウェルを、以下:プロガストリン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、アミド化ガストリン17(G17)、グリシン伸長ガストリン17(Ggly)、又はC末端隣接ペプチド(CTFP)のペプチドの1つを示した量で含む溶液を用いてコーティングした:
第1の実験において、3ng/mL(0.3ng)の抗hPG MAb 3及び1μg/ml(0.1μg)の各々の抗hPG MAb 1、2、及び4を使用した。図5Aを参照のこと。第2の実験において、抗hPG MAb 5〜14及び21〜23の結合特異性を0.3ng/mLでテストし(図5Bを参照のこと)、抗hPG MAb 3、15〜20の結合特異性を1ng/mLでテストした(図5Cを参照のこと)。
抗体は、上の実施例1においてマウスを免疫化するために免疫原の一部において使用した抗原ペプチドに共役させた高い量のKLHに弱い反応を示した。任意の抗体(担体としてBSAを含む免疫原に対して産生されたものを含む)のPG結合に対するBSAの検出可能な効果はなかった。
全ての抗体は、他のガストリン遺伝子由来ペプチド(例えばアミド化ガストリン17、グリシン伸長ガストリン17、C末端隣接ペプチド、ガストリンを形成するポリペプチドの通常のプロセシングの間にプロガストリンから切断される5アミノ酸ペプチドなど)と比較し、全長hPG(25ng、次に50ngでテストした)への結合についての高い特異性を示した。例示的な抗体は、hPG以外の任意のガストリン遺伝子由来ペプチドへの検出可能な結合(「PBS単独」バックグラウンドを上回るシグナル)を示さなかった。
実施例5:競合アッセイ
プロガストリンへの結合について抗hPGポリクローナル抗体と競合する抗hPGモノクローナル抗体の能力を、「捕捉」抗hPG抗体及び「検出」抗hPG抗体を用いたELISAを使用して決定した。抗hPG MAb 3を以下の通りにアッセイした:96ウェルプレートを、hPGの残基71から80からなるペプチドに対して産生されたC末端プロガストリンポリクローナル抗体を用いてプレコーティングした。プレートを、次に、100pMプロガストリンを用いてインキュベートし、10μg/mlのビオチン化N末端抗hPGポリクローナル抗体(配列番号25のアミノ酸配列からなるペプチドに対して産生された)、及び増加濃度の抗hPG MAb3モノクローナル抗体の添加が続いた。ビオチン化N末端抗hPGポリクローナル抗体の結合を、標準的なプロトコールに従って、ストレプトアビジン−HRP、それに続くOPDを用いてプレートをインキュベートすることにより検出した。結合を、発光を定量化することにより測定した。
結果は、増加濃度(μg/ml)の抗hPG MAb 3が、プロガストリンに結合するポリクローナル抗hPG抗体の能力を減少させることを示し、モノクローナル抗体がポリクローナル抗体と競合することを示している。図6を参照のこと。
実施例6:エピトープマッピング
例示的なモノクローナル抗体により結合された特定のエピトープを、SPOT技術及びアラニンスキャニング(それぞれLaune, D., et al., 2002, J. Immunol. Methods 267: 53-70及びLaune, D., 1997, J. Biol. Chem. 272: 30937-30944を参照のこと)を使用してマッピングした。SPOT技術において、推定エピトープにわたる15アミノ酸ペプチド配列が生成され、ニトロセルロース膜上にスポットし、それを、次に、抗体により認識される最小エピトープ配列を決定するためのテスト抗体を用いてプローブする。アラニンスキャンを使用して、抗体結合のために重要であるエピトープ内の残基を決定する:推定エピトープ内の各残基を、1つずつアラニンに変異させ、アラニン含有ペプチドを、次に、テスト抗体を用いてプローブする。
エピトープのファミリーを、本開示の例示的な抗体について同定した。hPG MAb 1〜4及び15〜20へのN末端モノクローナル抗体については、エピトープは、少なくとも以下の配列:DAPLG(配列番号28)、PDAPLG(配列番号29)、PRSQQPD(配列番号30)、WKPRSQQPD(配列番号31)、又はWKPRSQQPDAPLG(配列番号32)(以下の表8に示す通り)を含む。
hPG MAb 5〜7、9〜12、14、及び21〜23へのC末端モノクローナル抗体について、エピトープは少なくとも以下の配列:FGRR(配列番号33)、MDFGR(配列番号34)、AEDEN(配列番号35)、及びGWMDFGRR(配列番号36)(以下の表9に示す通り)を含む。
実施例7:癌細胞株に対する抗hPG抗体の中和活性
(A)抗hPGモノクローナル抗体の中和活性
抗hPGモノクローナル抗体は、代表的な結腸直腸癌細胞株において細胞生存率を減少させる。適した結腸直腸癌細胞株は、当技術分野において公知である。例えば、HCT116、LS174T、SW480、及びSW620は、結腸癌を試験するために一般的に使用される細胞株であり、プロガストリンを産生及び分泌する。PGに対するモノクローナル抗体を、これらの異なる細胞株において増殖を阻害するそれらの能力についてテストした。各HCT116、LST174T、SW480、及びSW620からの細胞の生存率を、異なる抗hPGモノクローナル抗体を使用してテストした。
各々の実験について、50,000個の細胞を、6ウェルプレート中にウシ胎児血清を含む培地中に播種し、8時間インキュベートした。細胞を一晩血清飢餓状態にし、播種後24時間目(時間「T0」)に開始し、細胞を、48時間にわたり12時間毎に、ウシ胎児血清の非存在において、1μg/mlのモノクローナル対照抗体(マウス抗ヒトIgG1、Calbiochem、Ref #411451)(CT mAb)を用いて、又は、1μg/mlの抗hPG MAb1−4を用いて二通りに処理した。モノクローナル抗体のさらなる定量化時に、抗体が、およそ3〜5μg/mlの濃度で使用されたと決定した。T0での細胞の数を、各実験について、対照ウェル中でカウントした。HCT116細胞について、実験を、0.5%ウシ胎児血清の存在において行った。処置の開始から48時間後、各ウェル中の生存細胞の数を、盲検実験において3回カウントした。CRC細胞の増殖又は生存率における低下は、対照MAbで処理した細胞のパーセンテージとして、生存している抗hPG MAB処理した細胞を算出することにより決定した。処理の開始時(T0)での細胞数を、48時間目に測定したテスト細胞数及び対照細胞数から減算した。具体的には、対照ウェル及び抗hPG MAb処理ウェルの両方における生細胞の数を、48時間目にカウントし、次に、各々の細胞数とT0に決定された細胞数の間の差を算出した。結果として得られた抗hPG MAB処理細胞の数を、次に、対照MAb処理細胞の数のパーセンテージとして表した。
図7A〜Cは、代表的な実験からのSW480細胞、LS174T細胞、及びHCT116細胞の生存に対する抗hPG MAb 3及び抗hPG MAb4の効果を示す。結果は、2つの独立した実験から得られた4ウェルからの平均±S.E.である。抗hPGモノクローナル抗体を用いた処理は、対照抗体を用いた処理と比較して、細胞数を有意に低下させた。統計的有意性を、スチューデントのt検定を使用して決定した:*=p<0.05、**=p<0.01、及び***=p<0.001。各細胞株において、抗hPG抗体は細胞の生存率を低下させた。1つの細胞株(LST174T)において、抗hPG抗体を用いた48時間の処理の終了時での細胞数は、実験の開始時での細胞数よりも低く、抗体が、細胞増殖の阻害に加えて、細胞死の原因となったことを示唆する。
表10は、対照モノクローナル抗体(マウス抗ヒトIgG1、Calbiochem、Ref #411451)(CT mAb)と比較した、4つのモノクローナル抗hPG抗体の各々を用いて処理されたSW480結腸直腸癌細胞の生存率を示す。
対照と比較して、抗hPGモノクローナル抗体を用いた処置は、83.2%(抗hPG MAb3)、51.3%(抗hPG MAb4)、19.8%(抗hPG MAb2)、及び15.6%(抗hPG MAb1)だけ癌細胞の生存率を低下させた。
以下の表は、対照モノクローナル抗体に比較した、抗hPG MAb 3及び4を用いて処理したLS174T及びHCT−116細胞の生存率を示す。データを、図7の相当パネル中にグラフィカルに示す。
インビトロアッセイ条件下で、細胞成長の完全な阻害は予測されない。細胞培養において、プロガストリンは、癌細胞により継続的に分泌され、細胞培養培地中に蓄積する。プロガストリンレベルは、体内の循環において生じうるより多く経時的に増加すると予想され、抗体に対する標的タンパク質の比率を増加させ、抗体の中和効果を希釈する。このように、インビトロで抗体を用いて観察された中和効果は、インビボで強くなると予測され、そこで、腫瘍細胞により分泌されるプロガストリンが血流中で運び去られ、インサイツでのその蓄積を少なくする。
抗hPG MAb 5〜23による細胞増殖の阻害を、CRC細胞株SW620、HCT116、及びLS47Tの1つ又は複数において決定した。アッセイを、6ウェルプレート中で、上に記載する通り、5μg/mlの対照及びテスト(抗hPG)モノクローナル抗体を使用して実施した。50,000個の細胞を、HCT116及びLS174Tについて1ウェル当たりに、SW620細胞については100,000個播種した。以下の表は、代表的な実験からの対照処理と比べた、処理細胞の生存率を提供する。平均的な結果を、細胞株SW620、LS174T、及びHCT−116について、それぞれ図7G〜Iにグラフ化する。
(B)抗hPGポリクローナル抗体の中和活性
アッセイを、以下の改変を伴い、上に記載する通りに行った。N末端抗hPGポリクローナル抗体(実施例5に記載する通り)を使用した。対照として、3μg/mlのポリクローナル(ポリクローナルウサギ抗ヒトIgG、Affinity BioReagents、Ref #SA1-600)(CT pAB)を使用した。抗PG処理のために、3μg/mlの抗hPGポリクローナル抗体を、全ての細胞株について使用した。SW480及びLS174Tを、対照又はN末端抗hPGポリクローナル抗体を用いて、24〜48時間にわたり、FCSを伴わないDMEM中で処理し、HCT116を、抗hPGポリクローナル抗体を用いて、48時間にわたり、0.5%FCSを伴うDMEM中で処理した。生存細胞を、次に、トリプシン処理及びカウントし、等しい濃度の対照(抗ヒトIgG)ポリクローナル抗体を用いて処理した細胞と比較した。
代表的な実験の結果を、以下の表及び図7D〜Fに示す。抗hPGポリクローナル抗体を用いた処理は、対照抗体を用いた処理と比較して、細胞数を有意に低下させた。統計的有意性をスチューデントのt検定を使用して決定した:*=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001。細胞数を、実験の開始時(T0)に、培養中の細胞数と比べて表現する。各実験について、4ウェルの各々の細胞を3回カウントした。抗hPGモノクローナル抗体と同様に、結腸直腸癌細胞の増殖は抗hPGポリクローナル抗体により阻害され、プロガストリンに対するポリクローナル抗体を用いて見られた抗腫瘍効果が、癌細胞に対するプロガストリンの遮断効果においてモノクローナル抗体活性を合理的に予測することを実証している。
実施例8:抗hPGモノクローナル抗体の中和効果は、抗体を、精製hPGを用いてプレインキュベートした場合に除去される。
抗hPGモノクローナル抗体の中和効果がhPGへの結合により媒介されることを実証するために、LS174T細胞を、hPGを伴わずにプレインキュベートした例示的な抗体(抗hPG MAb 8)の存在において培養した。陽性対照及び陰性対照として、細胞を、hPG単独、対照抗体単独、及びhPGを用いてプレインキュベートした対照抗体を用いて培養した。
具体的には、33.3nM(5μg/ml)抗hPG MAb 8を、20倍モル過剰の組換えhPG、又は667nM(6.67μg/ml)を用いて室温で1時間にわたりプレインキュベートした。組換えヒトガストを、実施例1に記載する通りに調製し、使用した。並行して、33.3nM(5μg/ml)のマウス抗ヒトIgG1(General BioScience、reference no.AB23420)を、同様に、hPGの有無でプレインキュベートした。
5000個のLS174T細胞を、96ウェルプレート中の各ウェル中に、10%ウシ胎児血清を含む培地中に播種し、8時間にわたりインキュベートし、その後、細胞を無血清培地に切り替え、さらに12時間にわたり培養した。無血清培地中での12時間にわたる成長後、細胞を、以下:対照抗体、hPGを用いてプレインキュベートした対照抗体、抗hPG MAb 8単独、hPGを用いてプレインキュベートした抗hPG MAb 8、及びhPG単独の1つを用いて、12時間毎に処理した。最初の処理から48時間後、残りの生細胞を、Promega CellTiter 96 Aqueous One Solutionを用いてプレートをインキュベートし、490nMで吸光度を記録することにより定量化した。対照モノクローナル抗体(「対照mAb」)を用いて処理した細胞について測定した吸光度を100%に設定し、全ての他の実験条件を、対照mAbを用いて処理した細胞の吸光度に対して測定した。結果を以下の表及び図8に示す。
hPGの添加、又はhPGを用いた抗体のインキュベーションは、培養中の生細胞数を増加させる。対照的に、抗hPG MAb 8単独を用いた細胞の処理は、生存細胞数の有意な低下を起こす。このように、PG活性を中和する抗hPGモノクローナル抗体の能力は、抗体に結合し、それを飽和すると考えられるhPGの添加により無効になる。この結果によって、抗hPGモノクローナル抗体の中和活性の特異性が確認される。
実施例9:抗hPG抗体のインビボでの抗腫瘍活性
多くの実験的インビボモデルが、結腸直腸癌の試験のために開発されてきた。マウス異種移植片試験(それにおいて腫瘍組織又はヒト癌細胞株からの細胞を免疫不全(いわゆる「ヌード」)マウス中に移植する)が開発されてきた。Pocard M., et al., In vivo (1996) 10(5): 463-469.いくつかのトランスジェニックマウスモデルも開発されてきた。マウスモデルは、大腸腺腫性ポリポーシス(APC)遺伝子におけるヘテロ接合変異(例えばApcMin、Apc1638N、Apc716、又はApcΔ14など)を含む。APC腫瘍抑制遺伝子は、細胞質タンパク質APCをコードし、それは、インタクトである場合、分解のためにプロテアソームにβカテニンを標的化する多タンパク質複合体内のサイトゾルにおいてβカテニンに結合及び捕捉し、それにより、核においてβカテニンが核内転写因子Tcf−4を活性化することを妨げる。Heyer et al., Oncogene 18:5325-5333 (1999).APCΔ14マウスは、大腸腺腫性ポリポーシス(APC)遺伝子内のエクソン14のヘテロ接合欠失を保有する。散発性結腸直腸癌を伴う患者の70%超において生じるものと同様に、第2のAPC対立遺伝子における体細胞性のヘテロ接合性の消失(LOH)が腸細胞において生じ、βカテニン/Tcf−4転写複合体の構成的活性化、及びこれらの動物における腸腫瘍の自然発生に導く。これらの腺腫及び癌腫の分子起源、ならびに腫瘍の形態(血管新生、炎症応答、及び免疫細胞の存在を含む)は、マウス異種移植モデルと比較して、ヒト腫瘍のものとずっと大きな類似性を伴い、APCΔ14を、ヒト結腸直腸癌治療試験のための高度に関連するモデルにする。Colnot et al., 2004, Lab. Invest. 84: 1619-1630.他のトランスジェニックマウスモデルは、遺伝子(例えばMSH2、MSH6、CDX2、K−RASなど)における変異、ならびにAPCにおける変異と他の癌遺伝子における変異との組み合わせた系統に基づく。Heyer et al., 1999, Oncogene 18:5325-5333, Janssen KP et al., 2002, Gastroenterology 123: 492-504.これらのモデルを広く使用して、結腸直腸癌を試験し、結腸直腸癌の処置に関する仮説をテストする。
大腸腺腫性ポリポーシス遺伝子を伴うエクソン14のヘテロ接合欠失を保有するトランスジェニックマウス(APCΔ14)は、結腸直腸癌についてのモデルとしての役割を果たし、ヒト結腸癌において見出されるものと類似の腫瘍を発生する。第1の実験において、APCΔ14マウスを、(1)配列番号25に相当するペプチド及び(2)Hollande et al., WO 07/135542に記載されるC末端ペプチドに対して産生された等量の抗hPGポリクローナル抗体を含む調製物を用いて処置した。3.5ヶ月齢のマウスを、対照ポリクローナル抗体又は抗hPGポリクローナル抗体のいずれかを用いて5週間にわたり処置した(1処置当たり2匹のマウス)。抗体を、10mg/kg(150μL注射容積)の用量で週2回腹腔内注射により投与した。処置の終了時に、マウスを屠殺し、腸を、PBSを用いて洗浄し、デジタル画像のために切開し、免疫組織化学的分析のために4%パラホルムアルデヒド中で固定した。腫瘍数及び結腸直腸組織の画像を記録した。
腸組織の形態学的評価は、抗hPG抗体が健常マウスの腸管上皮の再生に影響を与えないことを示した。腫瘍を、処置群及び対照群においてカウントした。対照抗体を用いて処置したマウスについての腫瘍の総数は、抗hPG抗体を用いて処置したマウスにおける4個と比較して、27個であった。このように、抗hPG抗体は、対照抗体と比較して、6.5倍超だけ腫瘍数を低下させ、マウス腸における健常上皮の再生に影響を与えない。
第2の実験において、APCΔ14マウス及び正常(対照)マウス(C57BL6J)における抗hPG抗体の効果を検討した。4ヶ月齢のマウスを、6週間にわたり週2回、対照ポリクローナル抗体(ウサギ抗ヒトIgG抗血清(Jackson Immuno Research(reference no. 309-005-0089))又は抗hPGポリクローナル抗体のいずれかを用いて、9mg/kg(150μL注射容積)の用量で週2回の腹腔内注射により処置した。処置の6週間後、屠殺の2時間前に、マウスに、ブロモデオキシウリジン(BrdU)を用いて注射した(マウス1匹当たり2mg、腹腔内注射)。6匹のAPCΔ14マウスを、抗hPGポリクローナル抗体を用いて処置し、4匹を、対照ポリクローナル抗体を用いて処置した。対照抗体及び抗hPG抗体を、6匹の正常(C57BL6J)マウスの各々に投与した。腸の異常はどちらの群からのマウスのいずれでも検出されず、正常腸組織に対する抗hPG抗体の安全性及び有害作用の欠如をさらに実証した。
腫瘍の数及びサイズ(高さ及び長さ)を、APCΔ14マウスの処置群対対照群において検討した。腫瘍のサイズは、以下の通りに調製した各動物の腸から撮った画像の測定により決定した。腸を、上に記載する通りにリンスし、縦方向に切開し、パラフィン中に包埋し、「スイスロール」技術を使用して免疫組織化学のために処理した。腫瘍の長さと高さの測定は、Image Jソフトウェアを使用して実施した。
結果を表18ならびに図8A及びBに示す。腫瘍サイズについての結果は、対照処置群と抗hPG投与群の間での統計的有意差を示す。統計的有意性を、マンホイットニー検定を使用して決定した:*=p<0.05、**=p<0.01、及び***=p<0.001。対照抗体を用いて処置したマウスは、合計125個の腫瘍を示し、マウス1匹当たりの平均で31.25個の腫瘍を伴った。抗hPG処置マウスは46個の腫瘍を示し、又はマウス1匹当たり平均7.6個の腫瘍であった。この差は統計的に有意であり(マンホイットニー検定、P=0.0095)、抗hPG抗体がインビボでの結腸直腸癌腫瘍の数を有意に低下させることを示す。
抗hPG抗体は、結腸直腸癌のマウスモデルにおける腫瘍数及び腫瘍サイズの両方における低下により測定される通り、インビボでの結腸直腸癌腫瘍を、正常結腸直腸上皮に対する任意の明かな有害作用を伴わず、有意に低下させる。このように、抗hPGを用いた結腸直腸癌腫瘍の処置は、インビボで治療効果を提供する。
実施例10:ヒト化抗hPG抗体の設計
ヒト化抗体を、マウス抗hPGモノクローナル抗体MAb 3、4、8、13、16、及び19から「インシリコ」で設計した。ヒト化抗体の設計は、Lefranc et al., 2003, Dev. Comp. Immunol. 27: 55-77;Lefranc et al., 2009, Nucl. Acids Res. 37: D1006-1012;Lefranc, 2008, Mol. Biotechnol. 40: 101-111に記載される方法論に従って行った。マウスモノクローナル抗体の各々について、相当するヒト化VH及びVLペプチド配列を以下:IMGT-ONTOLOGYデータベース(Duroux et al., 2008, Biochimie, 90: 570-583;Giudicelli and Lefranc, 1999, Bioinformatics, 15: 1047-1054)ならびにIMGT(登録商標)データベース及びツール(Ehrenmann et al., 2010, Nucl. Acids. Res., 38: D301-307;Brochet et al., 2008, Nucl. Acids. Res., 36: W503-508)を使用してマウス配列におけるCDR及びフレームワーク領域を同定すること、それに続くIMGT/GENE−DB(Giudicelli et al., 2005, Nucl. Acids. Res., 33: D256-261)における最も近いヒトフレームワーク領域配列のアミノ酸配列の同定、及びヒトフレームワーク領域上へのマウスCDR配列の移植により決定した。特に、マウスVH及びVLドメインのヌクレオチド及びアミノ酸配列を、IMGT/V−QUEST及びIMGT/DomainGapAlignを使用して分析し、マウスCDR及びフレームワーク領域を区切り、CDRの長さを定め、アンカーアミノ酸を同定した。アンカーアミノ酸はCDR1−IMGT、CDR2−IMGT、CDR3−IMGTを支持するIMGT「Collier de Perles」の位置26、39、55、66、104、及び118の残基である(Kaas and Lefranc, 2007, Current Bioinformatics, 2: 21-30;Kaas et al., Brief. Funct. Genomic Proteomic, 2007, 6: 253-264)。マウス配列に最も近いヒトV(可変)及びJ(連結)遺伝子が同定され、最も適した遺伝子が選ばれた。マウスフレームワーク領域中の個々のアミノ酸は、2層に対してIMGT Collier de Perlesを使用し、それらが、公知の3次元構造(Kaas et al., 2004, Nucl. Acids. Res. 32: 208-210)と比較して、抗体の特異性に恐らくは寄与すると考えられる場合、維持された。
MAb 3についてのVH CDRを、CDR1、2、及び3についてそれぞれ8、8、及び8アミノ酸長であると決定した。マウスMAb3 VH、IGHV1−5*01の配列に最も近い生殖系列マウス遺伝子は、10残基で異なり、その内の3つがCDRにマッピングされ、ヒト化抗hPGモノクローナル抗体の設計において保存された(CDR1中のI29、CDR2中のF56及びS65)。また、V39、G55、及びR66が、特異性を保存するために潜在的に重要と考えられ、設計において保持された。最も近いヒト生殖系列遺伝子はIGHV1−3*01であった(IGMT/DomainGapAlignに基づいて、アミノ酸レベルで63.3%同一である)。フレームワーク領域1〜3における27の配列差が、マウスとヒトの生殖系列遺伝子の間で見出された。フレームワーク領域4において、スレオニン123及びロイシン124をロイシン123及びバリン124に変えて、ヒトIGHJ1*01遺伝子と一致させた。全体的に、MAb 3についてのヒト化VHは、IGHV1−46*03についての可変領域と87.8%同一であり、4つのフレームワーク領域における91アミノ酸中88が同一である。
MAb 3についてのVL CDRを、CDR1、2、及び3についてそれぞれ11、3、及び9アミノ酸長であると決定した。マウスMAb 3 VL、IGKV1−117*01の配列に最も近い生殖系列マウス遺伝子は、フレームワーク領域にマッピングされる単一残基で異なった。最も近いヒト生殖系列遺伝子はIGKV2−30*02であった(IGMT/DomainGapAlignに基づいて、アミノ酸レベルで81%同一である)。フレームワーク領域1〜3における14の配列差が、マウスとヒトの生殖系列遺伝子の間で見出された。残基E40及びF68は、投影ヒト化配列中で維持される。フレームワーク領域4において、ロイシン124をバリン124に変えて、ヒトIGKJ4*01遺伝子と一致させた。全体的に、MAb 3についてのヒト化Vκ配列は、IGKV2D−29*02と93%同一であり、4つのフレームワーク領域における89アミノ酸中87が同一である。
予測されるVH及びVκ配列を以下の表に提供する。
MAb 4についてのVH CDRを、CDR1、2、及び3についてそれぞれ8、8、及び11アミノ酸長であると決定した。マウスMAb 4 VH、IGHV1−9*01の配列に最も近い生殖系列マウス遺伝子は、11残基で異なり、その内の4つがCDRにマッピングされ、ヒト化抗hPGモノクローナル抗体の設計において保存された(CDR1中のS35、S36、及びS37、CDR2中のF56)。また、D66が、特異性を保存するために潜在的に重要と考えられ、設計において保持された。最も近いヒト生殖系列遺伝子はIGHV1−46*03であった(IGMT/DomainGapAlignに基づいて、アミノ酸レベルで64.9%同一である)。フレームワーク領域1〜3における27の配列差が、マウスとヒトの生殖系列遺伝子の間で見出された。フレームワーク領域4において、アラニン128をセリン128に変えて、ヒトIGHJ5*01遺伝子と一致させた。全体的に、MAb 4についてのヒト化VHは、IGHV1−46*03についての可変領域と91.8%同一であり、4つのフレームワーク領域における91アミノ酸中90が同一である。
MAb 4についてのVL CDRを、CDR1、2、及び3についてそれぞれ11、3、及び9アミノ酸長であると決定した。マウスMAb 4 VL、IGKV1−110*01の配列に最も近い生殖系列マウス遺伝子は、3残基で異なり、その内の2つがCDR1にマッピングされ(セリン34及びバリン36)、ヒト化抗hPGモノクローナル抗体の設計において保存された。最も近いヒト生殖系列遺伝子はIGKV2D−29*02であった(IGMT/DomainGapAlignに基づいて、アミノ酸レベルで81%同一である)。フレームワーク領域1〜3における11の配列差が、マウスとヒトの生殖系列遺伝子の間で見出された。フレームワーク領域4において、セリン120をグルタミン120に変えて、ヒトIGKJ2*01遺伝子と一致させた。全体的に、MAb 4についてのヒト化Vκ配列は、IGKV2D−29*02と92%、4つのフレームワーク領域について100%同一である。
予測されるVH及びVκ配列を以下の表に提供する。
MAb 8についてのVH CDRを、CDR1、2、及び3についてそれぞれ8、8、及び10アミノ酸長であると決定した。マウスMAb8 VH、IGHV5−9−3*01の配列に最も近い生殖系列マウス遺伝子は、5残基で異なり、その内の4つがCDRにマッピングされ、ヒト化抗hPGモノクローナル抗体の設計において保存された。最も近いヒト生殖系列遺伝子はIGHV3−21*01及び*02であった(IGMT/DomainGapAlignに基づいて、アミノ酸レベルで80.4%同一である)。フレームワーク領域1〜3における12の配列差が、マウスとヒトの生殖系列遺伝子の間で見出された。フレームワーク領域4において、セリン123及びロイシン124を、それぞれ、スレオニン123及びバリン124に変えて、ヒトIGHJ6*01遺伝子と一致させた。全体的に、MAb 8についてのヒト化VHは、IGHV3−21*01及び*02についての可変領域と92.8%、4つのフレームワーク領域について100%同一である。MAb8についてのマウスVH CDR3中に潜在的なNグリコシル化部位がある。
MAb 8についてのVL CDRを、CDR1、2、及び3についてそれぞれ11、3、及び9アミノ酸長であると決定した。マウスMAb 8 VL、IGKV2−109*01の配列に最も近い生殖系列マウス遺伝子は、6残基で異なり、その内の4つがCDR1にマッピングされ、ヒト化抗hPGモノクローナル抗体の設計において保存された。最も近いヒト生殖系列遺伝子はIGKV2−28*01及びIGKV2D−28*01であった(IGMT/DomainGapAlignに基づいて、アミノ酸レベルで75%同一である)。フレームワーク領域1〜3における12の配列差が、マウスとヒトの生殖系列遺伝子の間で見出された。フレームワーク領域4において、アラニン120、ロイシン124、及びロイシン126を、それぞれ、グリシン120、バリン124、及びイソロイシン126に変えて、ヒトIGKJ4*01遺伝子と一致させた。全体的に、MAb 8についてのヒト化Vκ配列は、IGKV2−28*01及びIGKV2D−28*01と87%、4つのフレームワーク領域について100%同一である。
予測されるVH及びVκ配列を以下の表に提供する。
MAb 13についてのVH CDRを、CDR1、2、及び3についてそれぞれ8、8、及び7アミノ酸長であると決定した。マウスMAb 13 VH、IGHV5−6−3*01の配列に最も近い生殖系列マウス遺伝子は、10残基で異なり、その内の5つがCDRにマッピングされ、ヒト化抗hPGモノクローナル抗体の設計において保存された。最も近いヒト生殖系列遺伝子はIGHV3−7*01及び*02であった(IGMT/DomainGapAlignに基づいて、アミノ酸レベルで78.6%同一である)。フレームワーク領域1〜3における13の配列差が、マウスとヒトの生殖系列遺伝子の間で見出された。フレームワーク領域4において、スレオニン123及びロイシン124を、それぞれ、ロイシン123及びバリン124に変えて、ヒトIGHJ4*01遺伝子と一致させた。全体的に、MAb 13についてのヒト化VHは、IGHV3−7*01及び*02についての可変領域と91.8%、4つのフレームワーク領域について100%同一である。
MAb 13についてのVL CDRを、CDR1、2、及び3についてそれぞれ11、3、及び9アミノ酸長であると決定した。マウスMAb 13 VL、IGKV1−135*01の配列に最も近い生殖系列マウス遺伝子は、フレームワーク領域中に位置づけられる単一残基で異なった。最も近いヒト生殖系列遺伝子はIGKV2−30*01及び*02であった(IGMT/DomainGapAlignに基づいて、アミノ酸レベルで81%同一である)。フレームワーク領域1〜3における13の配列差が、マウスとヒトの生殖系列遺伝子の間で見出された。フレームワーク領域4において、ロイシン124をバリン124に変えて、ヒトIGKJ4*01遺伝子と一致させた。全体的に、MAb 13についてのヒト化Vκ配列は、IGKV2−30*01及び*02と94%、4つのフレームワーク領域について100%同一である。
予測されるVH及びVκ配列を以下の表に提供する。
MAb 16についてのVH CDRを、CDR1、2、及び3についてそれぞれ8、8、及び10アミノ酸長であると決定した。マウスMAb 16、VH、IGHV1−53*01の配列に最も近い生殖系列マウス遺伝子は、7残基で異なり、その内の2つがCDRにマッピングされ、ヒト化抗hPGモノクローナル抗体の設計において保存された。最も近いヒト生殖系列遺伝子はIGHV1−46*01及び*03であった(IGMT/DomainGapAlignに基づいて、アミノ酸レベルで71.4%同一である)。フレームワーク領域1〜3における25の配列差が、マウスとヒトの生殖系列遺伝子の間で見出された。フレームワーク領域4において、ロイシン124をバリン124に変えて、ヒトIGHJ6*01遺伝子と一致させた。全体的に、MAb 16についてのヒト化VHは、IGHV1−46*01及び*03についての可変領域と96.9%、4つのフレームワーク領域について100%同一である。
MAb 16についてのVL CDRを、CDR1、2、及び3についてそれぞれ11、3、及び9アミノ酸長であると決定した。マウスMAb 16、VL、IGKV1−135*01の配列に最も近い生殖系列マウス遺伝子は、フレームワーク領域中に位置づけられる4残基で異なった。最も近いヒト生殖系列遺伝子はIGKV2−30*01及び*02であり(IGMT/DomainGapAlignに基づいて、アミノ酸レベルで79%同一である)、それらはCDR1中の1アミノ酸だけ異なった。フレームワーク領域1〜3における15の配列差が、マウスとヒトの生殖系列遺伝子の間で見出された。フレームワーク領域4において、グリシン120をグルタミン120に変えて、ヒトIGKJ2*01遺伝子と一致させた。全体的に、MAb 16についてのヒト化Vκ配列は、IGKV2−30*01及び*02と94%、4つのフレームワーク領域について100%同一である。
予測されるVH及びVκ配列を以下の表に提供する。
MAb 19についてのVH CDRを、CDR1、2、及び3についてそれぞれ9、7、及び14アミノ酸長であると決定した。マウスMAb 19 VH、IGHV3−2*01の配列に最も近い生殖系列マウス遺伝子は、5残基で異なり、その内の2つがCDRにマッピングされ、ヒト化抗hPGモノクローナル抗体の設計において保存された。最も近いヒト生殖系列遺伝子はIGHV4−30−4*01であった(IGMT/DomainGapAlignに基づいて、アミノ酸レベルで72.4%同一である)。しかし、この遺伝子は多型性であるため、IGHV4−31*02及び*03(IGMT/DomainGapAlignに基づいて、アミノ酸レベルで71.4%同一である)を選択した。フレームワーク領域1〜3における21の配列差が、マウスとヒトの生殖系列遺伝子の間で見出された。フレームワーク領域4において、イソロイシン123をロイシン123に変えて、ヒトIGHJ4*01遺伝子と一致させた。全体的に、MAb 19についてのヒト化VHは、IGHV4−31*02及び*03についての可変領域と91.9%、4つのフレームワーク領域について100%同一である。
MAb 19についてのVL CDRを、CDR1、2、及び3についてそれぞれ7、7、及び13アミノ酸長であると決定した。マウスMAb 19 VL、IGLV3*01の配列に最も近い生殖系列マウス遺伝子は、8残基で異なり、その内の5つがCDR中に位置づけられた。最も近いヒト生殖系列遺伝子はIGLV4−69*01及び*02であった(IGMT/DomainGapAlignに基づいて、アミノ酸レベルで69.9%同一である)。フレームワーク領域1〜3における23の配列差が、マウスとヒトの生殖系列遺伝子の間で見出された。フレームワーク領域4において、バリン124をロイシン124に変えて、ヒトIGLJ3*01遺伝子と一致させた。あるいは、IGJK4*01遺伝子をフレームワーク4領域について使用することができる。全体的に、MAb 19についてのヒト化Vκ配列は、IGLV4−69*01及び*02と92.4%、4つのフレームワーク領域について100%同一である。
予測されるVH及びVκ配列を以下の表に提供する。
本願において引用される全ての刊行物、特許、特許出願が、各々の個々の刊行物、特許、特許出願、又は他の文書が、全ての目的のために参照により組み入れられることが個々に示される場合と同じ範囲で、全ての目的のために、それらの全体において参照により本明細書により組み入れられる。種々の特定の実施態様が例証及び記載されており、種々の変化を、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく作製することができることが理解されるであろう。