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JP5963009B2 - デジタル標本作製装置、デジタル標本作製方法およびデジタル標本作製サーバ - Google Patents

デジタル標本作製装置、デジタル標本作製方法およびデジタル標本作製サーバ Download PDF

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Description

本発明は、医療診断や治療に用いられるデジタル標本を作製するデジタル標本作製装置、デジタル標本作製方法およびデジタル標本作製サーバに関する。
従来、医療診断や治療に用いられるデジタル標本を作製するために、標本を撮影する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。
特開2009−223164号公報
一般社団法人 保険医療福祉情報システム工業会、病理・臨床細胞部門システムの標準化活動、pp.20−21、2011年
しかしながら、上記従来の技術では、撮影時に用いた倍率以外の画像を縮小処理、あるいは拡大処理してデジタル標本を作製する際、画質を一定基準に保つことができないという課題がある。
本発明は、撮影画像から縮小などの画像処理で作成する画像の画質を一定基準に保って、ズームやパンを自由に変更できるデジタル標本作製装置、デジタル標本作製サーバおよびデジタル標本作製方法を提供する。
本発明の一態様に係るデジタル標本作製装置は、撮影部によって撮影された解像度が異なる標本の撮影画像である低解像度画像と高解像度画像とを用いて、病名または病状の診断に使用されるデジタル標本を作製するデジタル標本作製装置であって、第一倍率で撮影された前記高解像度画像を、前記低解像度画像の撮影倍率である第二倍率の画像になるように縮小させて、前記高解像度画像の縮小画像を生成する縮小処理部と、前記縮小画像と前記低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを示す情報を取得し、前記情報が許容誤差に収まらないことを示す場合に、前記第二倍率を前記第二倍率よりも大きく前記第一倍率よりも小さい値に更新して前記低解像度画像の再撮影を前記撮影部へ指示する動作指示部と、更新後の前記第二倍率よりも大きく前記第一倍率よりも小さい撮影倍率であって前記デジタル標本の撮影倍率である第三倍率を取得し、前記高解像度画像が前記第三倍率の画像になるように縮小処理を行うことで前記デジタル標本の画像を出力する画像処理部とを備える。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、サーバ、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROM等の非一時的な記録媒体で実現されてもよく、装置、サーバ、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本発明に係るデジタル標本作製装置によれば、撮影画像から縮小などの画像処理で作成する画像の画質を一定基準に保って、ズームやパンを自由に変更することができる。
図1は、実施の形態1に係るデジタル標本作製装置の機能構成を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1に係る撮影部の構成を示す図である。 図3は、実施の形態1に係る画質判定部が実行する画質判定方法を説明する図である。 図4は、実施の形態1に係る許容誤差判定部が判定閾値を取得する処理を説明する図である。 図5は、実施の形態1に係るデジタル標本作製装置を医師が操作する際に使用する操作画面の一例である。 図6は、実施の形態1に係るデジタル標本作製装置が行う、画像の参照領域が変更された場合の処理を説明する図である。 図7は、実施の形態1に係るデジタル標本作製装置が行う、画像の倍率が変更された場合の処理を説明する図である。 図8は、実施の形態1に係るデジタル標本作製装置が行う、画像の参照位置と倍率とが変更された場合の処理を説明する図である。 図9は、実施の形態1に係る許容誤差判定部が判定閾値を取得するための入力画面の一例を示す図である。 図10は、実施の形態1に係るデジタル標本作製装置の動作フローを示すフローチャートである。 図11は、実施の形態1に係る動作指示部の指示により撮影部が低解像度画像の再撮影を2回行った例を示す図である。 図12は、実施の形態2に係るデジタル標本作製装置の機能構成を示すブロック図である。 図13は、実施の形態3に係るデジタル標本作製サーバの機能構成を示すブロック図である。 図14は、実施の形態1〜3に係るデジタル標本作製装置を実現するコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
(本発明の基礎となった知見)
医療業務は、診断業務と治療業務の2つに大きく分かれる。
診断業務は、病名と病状の把握が目的であり、病名または病状に応じて治療方針が決定される。診断業務は、問診や触診から始まって、病気の疑いがあれば画像診断でより詳細な検査を行う。画像診断は、放射線や超音波などを用いた非破壊検査で体内の状態を診る。また、診断業務では、内視鏡などによって臓器表面を観察する。病名や病状を確定するには、病変部から検体を摘出して細胞レベルで状態観察を行う病理診断が行われる。摘出した検体を顕微鏡で観察できる厚みにスライスして、標本を作製する。
電子カルテの普及や遠隔診断への対応のため、標本は、スキャナやデジタルカメラで撮影されて、デジタル画像情報として電子的に記録される。デジタル化された標本であるデジタル標本は、診療記録となるだけでなく、医療技術の向上のために、過去症例として様々な観点から考察が行われる。特に、放射線や超音波などを利用する非破壊検査の画像診断にとって、デジタル標本は正解画像となるため、画像診断技術の向上に欠かせない医療情報である。以上のように、デジタル標本の作製は、診療の効率化、質的向上につながり、医療ワークフローにおいて欠かせない業務となっている。
標本を撮影する具体的な方法は、たとえば上記の特許文献1が開示しているように、顕微鏡とカメラから構成される。検体から切り出された標本は、ガラススライドに格納され、顕微鏡下で観察される。カメラは、顕微鏡を通して標本をカラー画像として撮影する。
病気の種類や病状によって、標本を観察するポイントが変わるため、病理診断医は、顕微鏡の光学倍率を変えながら標本を観察する。低倍率では標本の全体的なパターンを観察し、高倍率では細胞核1つ1つの形状などを観察する。また、倍率が高くなるほど標本の一部を観察することになるため、ガラススライドを動かして標本全体を確認する。そこで、標本の撮影には、カメラワークとしてズームとパンが必要になる。特許文献1は、対物レンズを切り替えてズームを変更し、スライドガラスの搬送ユニットを制御してパンを行っている。
ズームとパンとを切り替えて複数回撮影を行うため、撮影画像は複数枚取得される。複数枚の撮影画像は1つの標本として一体であるため、一元管理すべきである。そこで、たとえば上記の非特許文献1が開示しているように、低倍率の撮影で得られる低解像度画像と高倍率の撮影で得られる高解像度画像とをピラミッド型のデータ構造で管理すれば、倍率と画像位置とを一元的に管理できる。標本全体を1枚の画像に記録できる解像度が最低解像度となり、最低解像度で撮影された最低解像度画像がピラミッド構造の頂点に位置する。倍率の高い撮影になるほど撮影される画像は高解像度の画像となり、ピラミッドの下部へ位置することになる。最も高い倍率で撮影された最高解像度画像がピラミッドの底辺に配置される。
以上により、デジタル標本によって、標本をデジタル画像として電子化でき、電子カルテに病理診断の情報を保存できる。また、デジタル標本をネットワークで遠隔地へ送ることにより、遠隔病理診断を実現できる。さらに、過去症例としてデジタル標本を参照でき、病理診断や画像診断の技術改善に活用できる。
しかしながら、本発明者は、上記従来の技術に関し、以下の課題が生じることを見出した。つまり、上記従来の技術では、撮影時に用いた倍率以外の画像を縮小処理、あるいは拡大処理してデジタル標本を作製する際、画質を一定基準に保つことができないという課題がある。
たとえば、ピラミッド構造の底辺に位置する最高解像度画像が、ピラミッドの頂点に位置する最低解像度画像の32倍の倍率で撮影された場合、最高解像度画像に1/32の縮小処理を施せば最低解像度画像と同じ解像度となる。しかし、縮小処理から得られた最低解像度画像が実際に撮影された最低解像度画像に一致する保障はない。縮小処理で得られた画像が実際に撮影された画像と異なるようであれば、縮小という画像処理で作られた画像を用いることはできない。
このような課題を解決するために、本発明の一実施態様に係るデジタル標本作製装置は、撮影部によって撮影された解像度が異なる標本の撮影画像である低解像度画像と高解像度画像とを用いて、病名または病状の診断に使用されるデジタル標本を作製するデジタル標本作製装置であって、第一倍率で撮影された前記高解像度画像を、前記低解像度画像の撮影倍率である第二倍率の画像になるように縮小させて、前記高解像度画像の縮小画像を生成する縮小処理部と、前記縮小画像と前記低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを示す情報を取得し、前記情報が許容誤差に収まらないことを示す場合に、前記第二倍率を前記第二倍率よりも大きく前記第一倍率よりも小さい値に更新して前記低解像度画像の再撮影を前記撮影部へ指示する動作指示部と、更新後の前記第二倍率よりも大きく前記第一倍率よりも小さい撮影倍率であって前記デジタル標本の撮影倍率である第三倍率を取得し、前記高解像度画像が前記第三倍率の画像になるように縮小処理を行うことで前記デジタル標本の画像を出力する画像処理部とを備える。
この構成によると、デジタル標本作製装置は、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いが許容誤差に収まらない場合に、低解像度画像の撮影倍率を大きくして再撮影し、再撮影した低解像度画像と高解像度画像の縮小画像との違いが許容誤差に収まるまで再撮影を行って、再撮影した低解像度画像の撮影倍率よりも大きい倍率のデジタル標本の画像を出力する。これにより、デジタル標本作製装置は、デジタル標本を作製する際に、高解像度画像の縮小画像の画質を一定基準に保つことができる。このため、デジタル標本作製装置によれば、撮影画像から縮小などの画像処理で作成する画像の画質を一定基準に保って、ズームやパンを自由に変更することができる。
また、たとえば、さらに、前記縮小画像と前記低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを判定する許容誤差判定部を備え、前記動作指示部は、前記許容誤差判定部による判定結果に応じて、前記許容誤差に収まるか否かを示す情報を取得し、前記許容誤差に収まることを示す情報を取得するまで、前記第二倍率を前記第二倍率よりも大きく前記第一倍率よりも小さい値に更新して前記低解像度画像の再撮影を前記撮影部へ指示し、前記縮小処理部は、前記動作指示部が前記第二倍率を更新するたびに、前記高解像度画像を更新後の前記第二倍率の画像になるように縮小させて、前記高解像度画像の縮小画像を生成し、前記許容誤差判定部は、前記動作指示部が前記第二倍率を更新して前記低解像度画像の再撮影を前記撮影部へ指示するたびに、前記撮影部によって更新後の前記第二倍率で撮影された前記低解像度画像と、前記縮小処理部が生成した前記縮小画像との違いが許容誤差に収まるか否かを判定することにしてもよい。
この構成によると、デジタル標本作製装置は、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを判定し、当該許容誤差に収まるまで、低解像度画像の撮影倍率を大きくして再撮影する。これにより、デジタル標本作製装置は、デジタル標本を作製する際に、医師からの判断を得ることなく当該許容誤差に収まるか否かを判定することができ、高解像度画像の縮小画像の画質を一定基準に保つことができる。このため、デジタル標本作製装置によれば、撮影画像から縮小などの画像処理で作成する画像の画質を一定基準に保って、ズームやパンを自由に変更することができる。
また、たとえば、前記許容誤差判定部は、前記縮小画像と前記低解像度画像との違いと判定閾値とを比較することで、前記許容誤差に収まるか否かを判定し、前記動作指示部は、前記許容誤差に収まるか否かを示す情報を、外部からの入力により取得し、前記許容誤差判定部は、前記動作指示部が取得した前記情報が前記許容誤差に収まることを示す場合の前記縮小画像と前記低解像度画像との違いを前記判定閾値として取得することにしてもよい。
この構成によると、デジタル標本作製装置は、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを示す情報を、外部からの入力により取得し、当該情報が当該許容誤差に収まることを示す場合の縮小画像と低解像度画像との違いを判定閾値として取得する。そして、デジタル標本作製装置は、当該判定閾値を用いて、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを判定する。これにより、医師が、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを判断して、デジタル標本作製装置に指示を与えることで、デジタル標本作製装置は、判定閾値を取得し、判定を行うことができる。
また、たとえば、前記許容誤差判定部は、前記縮小画像と前記低解像度画像との違いとしてPSNR(Peak Signal to Noise Ratio)を算出し、算出したPSNRと判定閾値とを比較することで、当該違いが許容誤差に収まるか否かを判定することにしてもよい。
この構成によると、デジタル標本作製装置は、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いとしてPSNRを算出して、当該違いが許容誤差に収まるか否かを判定する。つまり、デジタル標本作製装置は、画質を数値化することによって、当該違いが許容誤差に収まるか否かを判定することができる。
また、たとえば、前記縮小処理部は、帯域制限フィルタを用いて、前記高解像度画像を前記第二倍率の画像になるように縮小させて、前記縮小画像を生成し、前記デジタル標本作製装置は、さらに、前記動作指示部が前記許容誤差に収まることを示す情報を取得した場合に、前記縮小処理部が用いた前記帯域制限フィルタを前記画像処理部に提供する画像フィルタ提供部を備え、前記画像処理部は、提供された前記帯域制限フィルタを用いて、前記高解像度画像の縮小処理を行うことで、前記デジタル標本の画像を出力することにしてもよい。
この構成によると、デジタル標本作製装置は、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いが許容誤差に収まる場合に、当該縮小画像の作成に用いられた帯域制限フィルタを使用して、高解像度画像の縮小処理を行うことで、デジタル標本の画像を出力する。これにより、デジタル標本作製装置は、実際に撮影した画像の画質と同等の画質の縮小画像を作成して、デジタル標本の画像を出力することができる。
また、たとえば、さらに、前記縮小画像と前記低解像度画像とのカラー特性の違いを補正する色補正部を備えることにしてもよい。
この構成によると、デジタル標本作製装置は、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像とのカラー特性の違いを補正する。これにより、デジタル標本作製装置は、低解像度画像の撮影時と高解像度画像の撮影時におけるカラー特性の違いを修正して、画像処理によって作成した画像の画質を、実際に撮影した画像の画質と同等にすることができる。
また、たとえば、前記色補正部は、前記低解像度画像の撮影時の前記撮影部のカラー特性と前記高解像度画像の撮影時の前記撮影部のカラー特性とから、カラー特性の違いを補正する色補正情報を生成することにしてもよい。
この構成によると、デジタル標本作製装置は、低解像度画像と高解像度画像との撮影時のカラー特性の違いを補正する色補正情報を生成する。これにより、デジタル標本作製装置は、低解像度画像の撮影時と高解像度画像の撮影時におけるカラー特性の違いを修正し、画像処理によって作成した画像の画質を、実際に撮影した画像の画質と同等にすることができる。
以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
本実施の形態では、撮影画像に縮小処理を行って画像処理でズームやパンを自由に変更でき、かつ画質を一定基準に保つことができるデジタル標本作製装置について説明する。
図1は、実施の形態1に係るデジタル標本作製装置100の機能構成を示すブロック図である。
同図に示すように、デジタル標本作製装置100は、撮影部101によって撮影された解像度が異なる標本の撮影画像である低解像度画像と高解像度画像とを用いて、病名または病状の診断に使用されるデジタル標本を作製する。
具体的には、デジタル標本作製装置100は、撮影部101、画質判定部102、画像フィルタ提供部103、動作指示部104、画像表示指示部105、画像読み出し制御部106、画像メモリ部107、および画像処理部108を有し、標本を撮影してデジタル画像を作製し、デジタル標本の参照方法に応じて該当するデジタル画像を表示部114へ提供する。
まず、図2を用いて、撮影部101について説明する。図2は、実施の形態1に係る撮影部101の構成を示す図である。
図2(a)に示すように、撮影部101は、被写体である標本2001を、対物レンズ2002を通してカメラ2003で撮影する。光学倍率の異なる対物レンズが装着されたレボルバ2004を回転して解像度の異なるデジタル画像を撮影できる。また、ステージ2005の位置を制御することで、標本2001とカメラ2003との位置関係を変え、パンを制御することができる。
また、図2(b)に示すように、焦点距離を連続的に変更できる多焦点レンズ2006をカメラ2003の前に設定すれば、対物レンズの光学倍率以外にも設定でき、倍率を連続的に変更できる。撮影に使用されている対物レンズの倍率や、ステージ2005の位置、カメラ2003の撮像素子のサイズ、照明など、撮影に関係するパラメータ(以降、撮影パラメータ)は撮影部101で自動的に記録され、画像データとともに管理する。撮影パラメータは、後述する画像処理などで用いられる。
なお、本発明は撮影方法に限定を与えるものではなく、図2(a)と図2(b)に示した構成は一例である。たとえば、対物レンズ2002の交換にレボルバ2004を利用する方式は一例であり、多焦点レンズ2006のみで光学倍率の変更を行っても構わない。また、照明など、撮影に関わる諸条件に対しても本発明は制限を与えない。
図1に戻り、画質判定部102は、切替部115、高解像度画像メモリ部109、低解像度画像メモリ部110、縮小処理部111、および許容誤差判定部112を備えており、画像処理によって生成されたデジタル標本の画質判定を行う。
図3は、実施の形態1に係る画質判定部102が実行する画質判定方法を説明する図である。また、図4は、実施の形態1に係る許容誤差判定部112が判定閾値を取得する処理を説明する図である。
まず、図3に示すように、撮影部101は、最高解像度画像3001と最低解像度画像3002とを撮影し、切替部115に送る。そして、切替部115は、最高解像度画像3001を高解像度画像メモリ部109へ送り、最低解像度画像3002を低解像度画像メモリ部110へ送る。これにより、最高解像度画像3001は高解像度画像メモリ部109に記憶され、最低解像度画像3002は低解像度画像メモリ部110に記憶される。
また、中間解像度画像3003と中間解像度画像3004とは、画像処理による縮小処理で作製される。最低解像度画像3002を倍率1倍とすると、中間解像度画像3003は拡大率2倍、中間解像度画像3004は拡大率4倍、最高解像度画像3001は拡大率8倍に相当する。
そこで、デジタル標本作製装置100は、最高解像度画像3001を画像処理で1/2に縮小し、これを中間解像度画像3004とする。同様に、デジタル標本作製装置100は、最高解像度画像3001を画像処理で1/4に縮小し、これを中間解像度画像3003とする。
また、最低解像度画像3002は、最高解像度画像3001を1/8に縮小した画像に相当する。そこで、最高解像度画像3001から画像処理で1/8に縮小した画像を作る際、最低解像度画像3002は1/8縮小画像の正解画像に位置付けられる。そこで最低解像度画像3002と同じ画像が作れるように、最高解像度画像3001を縮小する画像処理を設計すればよい。
2つの画像の一致度を示す指標の1つに、たとえばPeak Signal to Noise Ratio(以降、PSNRと呼ぶ)がある。
Figure 0005963009
ここで、I(i,j)とK(i,j)が2つの画像の画素値、MAXは全画素における最大画素値、mとnが画像のサイズを表わす。PSNRが高いほど2つの画像は類似していると言える。そこで、最高解像度画像3001に1/8縮小の画像処理を行った縮小画像をI(i,j)とし、倍率1倍で撮影した最低解像度画像3002をK(i,j)とすれば、上記の式1によって、縮小処理画像の画質を定量的に評価できる。
デジタル標本作製装置100を使う医師に1/8縮小画像と最低解像度画像3002とを同時に見せ、見た目に同一であると判断するPSNRを評価してみる。その結果、仮に、PSNRが38dBを越えれば2つの画像対は見分けがつかなかったとなった場合、PSNRが38dBを越えるような縮小処理を使えば、撮影画像と等価な画像を得たことになる。
ここで、縮小処理には、たとえば、バイリニア補間やバイキュービック補間などがあるが、間引きによる折り返しが発生しないように、通常、帯域制限フィルタを併用する。そこで、PSNRのコントロールにおいては、補間処理方式の選択の他、空間的な帯域制限フィルタの設計も考慮されるべきである。
今、仮に、図4(a)に示すように、最低解像度画像4001に対して16倍の倍率で撮影した最高解像度画像4002に1/16縮小処理を掛けた場合を考える。そして、最高解像度画像4002の1/16縮小画像と最低解像度画像4001とのPSNRが36dBとなったとする。
上述と同様に、デジタル標本作製装置100を使う医師が画質劣化を感じないレベルをPSNR=38dBとした場合、医師は当該1/16縮小画像と実際に撮影した最低解像度画像4001との違いがわかる。従って、最高解像度画像4002の1/16縮小による画質確認では、縮小処理の画質保障ができないと言える。
そこで、図4(b)に示すように、画質確認を行う画像を最低解像度画像4001から中間解像度画像4003に切り替える。中間解像度画像4003は、この例では倍率2倍で撮影されていて、最高解像度画像4002を1/8縮小処理した画像となる。縮小率が低くなれば一般に画質は上がり、PSNRが高くなる。この例では、最高解像度画像4002の1/8縮小画像と中間解像度画像4003とのPSNRが39dBになり、画質劣化を感じない38dBを上回る。
このため、最高解像度画像4002の1/8縮小画像を用いる場合には、撮影画像を用いることなく、縮小処理による画像処理でデジタル標本を作成しても構わない。
以上の確認より、最高解像度画像4002の縮小率が1/8よりも大きい画像は画像処理で作成しても画質的問題はなく、たとえば最高解像度画像4002の1/4縮小画像が画像処理で作成できる。当該1/4縮小画像は撮影倍率で言えば4倍にあたり、図3の中間解像度画像3004に示すように16枚の画像を撮影することなく画像処理のみで作成できる。同様に、撮影倍率8倍にあたる1/2縮小画像も画質的に問題なく、画像処理のみで作成でき、64枚分の撮影を行うことなしに画像処理のみで画像を作成できる。
図4(b)の場合、撮影する画像は合計261枚で、その内訳は最低解像度画像4001を1枚、中間解像度画像4003を4枚(=2×2)、最高解像度画像4002を256枚(=16×16)となる。倍率4倍の中間解像度画像4004と、倍率8倍の中間解像度画像4005とを撮影する場合は、さらに80枚(=4×4+8×8)撮影する必要があり、画像処理による画像作成で撮影時間を23%(=80/(261+80))短縮できる。
図4(b)で説明した動作を行うために、画質判定部102は、縮小処理を施す高解像度画像を保持するための高解像度画像メモリ部109を有する。また、画質判定部102は、画質評価のPSNRを算出するために、実際に撮影した低解像度画像を保持するための低解像度画像メモリ部110を有する。
縮小処理部111は、高解像度画像メモリ部109の画像に縮小処理を施す。具体的には、縮小処理部111は、第一倍率で撮影された高解像度画像を、低解像度画像の撮影倍率である第二倍率の画像になるように縮小させて、高解像度画像の縮小画像を生成する。
動作指示部104は、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを示す情報を取得し、当該情報が許容誤差に収まらないことを示す場合に、第二倍率を第二倍率よりも大きく第一倍率よりも小さい値に更新して低解像度画像の再撮影を撮影部101へ指示する。具体的には、動作指示部104は、当該許容誤差に収まるか否かを示す情報を、外部からの入力(医師による入力)により取得する。
許容誤差判定部112は、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを判定する。具体的には、許容誤差判定部112は、動作指示部104が取得した当該情報が当該許容誤差に収まることを示す場合の当該縮小画像と低解像度画像との違いを判定閾値として取得する。そして、許容誤差判定部112は、当該縮小画像と低解像度画像との違いと判定閾値とを比較することで、当該許容誤差に収まるか否かを判定する。
そして、動作指示部104は、許容誤差判定部112による判定結果に応じて、当該許容誤差に収まるか否かを示す情報を取得し、当該許容誤差に収まることを示す情報を取得するまで、第二倍率を第二倍率よりも大きく第一倍率よりも小さい値に更新して低解像度画像の再撮影を撮影部101へ指示する。
そして、縮小処理部111は、動作指示部104が第二倍率を更新するたびに、高解像度画像を更新後の第二倍率の画像になるように縮小させて、高解像度画像の縮小画像を生成する。
そして、許容誤差判定部112は、動作指示部104が第二倍率を更新して低解像度画像の再撮影を撮影部101へ指示するたびに、撮影部101によって更新後の第二倍率で撮影された低解像度画像と、縮小処理部111が生成した縮小画像との違いが許容誤差に収まるか否かを判定する。
具体的には、許容誤差判定部112は、画質劣化を感じないPSNRを判定閾値として閾値データベース116から受け取る。そして、許容誤差判定部112は、低解像度画像メモリ部110からの画像と縮小処理部111からの画像とのPSNRを計算し、判定閾値を下回った場合は、動作指示部104を介して、撮影部101に低解像度画像の取り直しの指示をする。
取り直し指示を受けた撮影部101は、図4(b)で説明したように撮影倍率を上げて再撮影を行い、これを低解像度画像メモリ部110に収める。この再撮影は、PSNRが判定閾値を上回るまで繰り返される。
一方、低解像度画像メモリ部110からの画像と縮小処理部111からの画像とのPSNRが判定閾値を上回った場合には、動作指示部104は、画像フィルタ提供部103に縮小処理用の帯域制限フィルタの画像処理部108への提供を指示する。また、動作指示部104は、画像表示指示部105に画像表示に関する動作を開始する指示を出す。
つまり、縮小処理部111は、帯域制限フィルタを用いて、高解像度画像を第二倍率の画像になるように縮小させて、縮小画像を生成しており、画像フィルタ提供部103は、縮小処理部111が縮小処理に用いた帯域制限フィルタを縮小処理部111から受け取り、画像処理部108へ提供する。
そして、画像処理部108は、画像フィルタ提供部103から提供された帯域制限フィルタを用いて、高解像度画像の縮小処理を行うことで、デジタル標本の画像を表示部114に出力する。
具体的には、画像処理部108は、更新後の第二倍率よりも大きく第一倍率よりも小さい撮影倍率であってデジタル標本の撮影倍率である第三倍率を取得し、高解像度画像が第三倍率の画像になるように縮小処理を行うことでデジタル標本の画像を出力する。
ここで、縮小処理部111による縮小処理は、一般に以下の手順で行われる。
(1)ローパスフィルタリング
(2)座標変換
(3)補間処理
座標変換は、縮小後の画素が縮小前のどの位置に対応するかを求める処理である。座標変換で求められた対応位置で画素値がいくつになるかを算出するのが補間処理である。補間処理には、ニアレストネーバーやバイリニア、バイキュービックなど、様々な方式があるが、本発明はこれらの適用に制限を与えるものではなく、任意の補間法を利用できる。
ただし、画像サイズを小さくすると、縮小後のサンプリング周波数では表現できない高周波成分が折り返しノイズとして現れる。そこで、低域成分を残し、高域成分をカットするローパスフィルタで折り返しノイズを抑える。
縮小処理部111は、ローパスフィルタを画像フィルタ提供部103へ出力し、画像フィルタ提供部103は、動作指示部104から動作指示を受けると、ローパスフィルタを画像処理部108へ提供する。
画像表示指示部105は、動作指示部104から画像表示の動作開始の指示を受けると、表示画像を作成するために、画像読み出し制御部106と画像処理部108へ指示を出す。まず、画像読み出し制御部106への指示は、撮影画像内の一部の領域を読み出す指示であり、デジタル標本作製装置100を利用する医師が指示する画像の参照位置と倍率から決まってくる。
医師からの指示は画像参照方法入力部113が受け付け、画像の参照位置と倍率とが画像表示指示部105へ伝えられる。図5は、実施の形態1に係るデジタル標本作製装置100を医師が操作する際に使用する操作画面の一例である。
医師は、マウス1201を使って画面上のカーソル1202を移動させ、画像の参照位置の中心点に当たる視点を入力する。また、マウス1201に付属するホイール1203を回転させて、画像の拡大または縮小をコントロールする。
ある時点で医師は、図6に示す参照領域5001をディスプレイ上で見ているとする。次に医師は、マウス1201でカーソル1202を移動させて画像の参照位置を変更し、参照領域5002をディスプレイに表示するよう、画像参照方法入力部113にパンの指示を入力する。画像参照方法入力部113は、参照領域5002の画像座標を画像表示指示部105へ渡す。図6は、実施の形態1に係るデジタル標本作製装置100が行う、画像の参照領域が変更された場合の処理を説明する図である。
画像表示指示部105は、受け取った参照領域5002の画像座標を、まず、画像読み出し制御部106へ渡す。画像読み出し制御部106は、参照領域5002を含む最高解像度画像3001を読み出すよう、画像メモリ部107へ指示を与える。
画像メモリ部107は、最高解像度画像3001を読み出し、画像処理部108へ出力する。さらに、画像表示指示部105は、受け取った参照領域5002の画像座標を画像処理部108へ渡す。
画像処理部108は、画像メモリ部107から受け取った最高解像度画像3001から参照領域5002を切り出し、表示部114へ出力する。表示部114は、参照領域5002をディスプレイに表示する。これにより、デジタル標本作製装置100を利用する医師は、新しい参照領域である参照領域5002を観察できる。
図7は、実施の形態1に係るデジタル標本作製装置100が行う、画像の倍率が変更された場合の処理を説明する図である。
デジタル標本作製装置100を利用する医師は、ある時点で図7に示す参照領域6001をディスプレイ上で見ているとする。次に、当該医師は、画像の倍率を1/2縮小して参照領域6002をディスプレイに表示するよう、画像参照方法入力部113にズームの指示を入力する。
ここで、当該医師は、拡大率の選択に、図5に示した拡大率選択ボタン1204を利用し、今、16倍の画像を見ていたとすると、拡大率8倍のボタンを押すことで、画像が1/2に縮小される。画像参照方法入力部113は、参照領域6001の画像座標と倍率(1/2縮小)とを画像表示指示部105へ渡す。
画像表示指示部105は、受け取った参照領域6001の画像座標を、まず、画像読み出し制御部106へ渡す。画像読み出し制御部106は、参照領域6001を含む最高解像度画像3001を読み出すよう、画像メモリ部107へ指示を与える。
画像メモリ部107は、撮影部101から受け取った最高解像度画像3001を読み出し、画像処理部108へ出力する。さらに、画像表示指示部105は、受け取った参照領域6001の画像座標を画像処理部108へ渡す。
画像処理部108は、画像メモリ部107から受け取った最高解像度画像3001から参照領域6001を切り出し、画像表示指示部105から受け取った倍率(1/2縮小)に従って1/2縮小の画像処理を施し、表示部114へ出力する。表示部114は、参照領域6002をディスプレイに表示し、デジタル標本作製装置100を利用する医師は、新しい参照領域である参照領域6002を観察できる。
図8は、実施の形態1に係るデジタル標本作製装置100が行う、画像の参照位置と倍率とが変更された場合の処理を説明する図である。
デジタル標本作製装置100を利用する医師は、ある時点で図8に示す参照領域7001をディスプレイ上で見ているとする。次に、当該医師は、画像の参照位置と倍率とを変えて、参照領域7002をディスプレイに表示するよう、画像参照方法入力部113にズームの指示を入力する。
そして、画像参照方法入力部113は、参照領域7002の倍率2倍に相当する中間参照領域7003の画像座標と倍率(1/2縮小)とを画像表示指示部105へ渡す。
画像表示指示部105は、受け取った中間参照領域7003の画像座標を、まず、画像読み出し制御部106へ渡す。画像読み出し制御部106は、中間参照領域7003を含む最高解像度画像3001を読み出すよう、画像メモリ部107へ指示を与える。
画像メモリ部107は、最高解像度画像3001を読み出し、画像処理部108へ出力する。さらに、画像表示指示部105は、受け取った中間参照領域7003の画像座標を画像処理部108へ渡す。
画像処理部108は、画像メモリ部107から受け取った最高解像度画像3001から中間参照領域7003を切り出し、画像表示指示部105から受け取った倍率(1/2縮小)に従って1/2縮小の画像処理を施し、表示部114へ出力する。表示部114は、参照領域7002をディスプレイに表示し、デジタル標本作製装置100を利用する医師は、新しい参照領域である参照領域7002を観察できる。
図9は、実施の形態1に係る許容誤差判定部112が判定閾値を取得するための入力画面の一例を示す図である。
デジタル標本作製装置100は、図9に示すように、テスト画像801と参照画像802とを医師に提示する。医師は、テスト画像801と参照画像802との違いを観察し、画像に違いがある場合は、ボタン803を押し、画像に違いがない場合は、ボタン804を押す。
許容誤差判定部112は、図3に示したピラミッドの頂点に位置する最低解像度画像3002を、参照画像802としてディスプレイに表示させる。一方、許容誤差判定部112は、テスト画像801には、最高解像度画像3001に1/8縮小処理を施した1/8縮小画像を、ディスプレイに表示させる。
医師がボタン804を押してテスト画像801と参照画像802との違いがないと判断した場合は、許容誤差判定部112は、上記の式1でPSNRを算出し、これが判定閾値となる。なお、過去に多数の症例が蓄積され、判定閾値がほぼ自明となるケースでは、数値入力部805に判定閾値が直接入力されることで、許容誤差判定部112は判定閾値を取得できる。
一方、医師がボタン803を押して、テスト画像801と参照画像802との違いがあると判断した場合は、テスト画像801を切り替える。テスト画像801を切り替える方法は、図4で説明した例と同様である。すなわち、図4(a)の状態では、参照画像802に実際に撮影された最低解像度画像4001が表示される。テスト画像801には、最高解像度画像4002に1/16の縮小処理を掛けた1/16縮小画像が表示される。
医師は、テスト画像801と参照画像802との違いを観察し、ボタン803を押して、画像に違いがあることを許容誤差判定部112に通知する。
そして、テスト画像801の画質を高めるために、最高解像度画像4002の縮小率を1/16から1/8に変更する。そのために、ディスプレイには、現在の参照画像の倍率表示806と、選択できる拡大率とが表示されている。利用者がこの拡大率を選択すると、撮影部101は、対応する拡大率の対物レンズを選んで自動的にセットする。
これにより、中間解像度画像4003が撮影され、参照画像802には、中間解像度画像4003が表示される。テスト画像801には、最高解像度画像4002に1/8縮小処理を施した1/8縮小画像が表示される。
図4の例では、医師は、テスト画像801と参照画像802とに違いがないと判断し、ボタン804を押して、テスト画像801と参照画像802との違いは許容されることが許容誤差判定部112へ伝わる。これにより、許容誤差判定部112は、テスト画像801と参照画像802とのPSNRを算出し、図4(b)の例では39dBが判定閾値と決定される。
なお、テスト画像801の画質改善として、撮影倍率を低下させた画像を新たに取得する方法を説明したが、撮影倍率1/8は一例であり、1/10など他の倍率でも構わない。また、撮影倍率は1/16縮小のままで、画像処理方法や帯域制限フィルタを見直して画質改善を行っても構わない。
画質劣化の原因として、たとえばカメラ特性の違いがある。高解像度画像と低解像度画像の2枚の画像が必要になるため、カメラ撮影は2回行われる。高解像度画像の場合、図3の最高解像度画像3001に示すように、カメラの撮影範囲は狭くなり、被写体上のある一部を撮影する。一方、低解像度画像の場合、図3の最低解像度画像3002に示すように、カメラの撮影範囲は広くなり、被写体全体を撮影する。
一般的に、被写体を照らす照明にはむらがあり、被写体の一部と全体では照明分布が異なる。照明分布が異なればカメラ感度に影響が出て、照明が暗いと一般にノイズが増える。逆に、照明が明る過ぎる場合は白飛びが発生する。
このような原因で、テスト画像801と参照画像802との画質の違いがノイズである場合は、参照画像802にノイズ除去の処理を施すべきである。ノイズ除去は、たとえば対象の画素値を複数画素の画素値の平均値で置き換えるスムージング処理や、帯域制限フィルタで高域をカットするなど任意の方法を適用できる。本発明は、テスト画像の画質改善の方法に関して一切制限は与えない。
また、判定閾値の設定は、デジタル標本作製装置100を初めて稼動する場合や、判定閾値の見直しをする際に実施する。標本は摘出された検体をスライスし、染色して作られる。そこで、スライスや染色の状態に応じて、様々なテクスチャや色合いを呈する可能性がある。
デジタル標本作製装置100を初めて稼動する際には、複数の標本で図9の画質比較を行い、判定閾値を決定する。デジタル標本作製装置100を稼動した後、様々なスライス状態や染色状態の標本が追加されるため、判定閾値が変わる可能性がある。そこで、標本作製の管理プロセスなどと連携し、適宜、判定閾値の確認を実施する。
また、判定閾値の再確認の結果、判定閾値の更新がほとんどない染色方法や、更新が頻繁に行われた染色方法など、様々な傾向が出現する。そこで、継時的傾向を参照して判定閾値の更新のタイミングを管理することも有効である。
また、病気の種類や病状に応じて、画質が安定する標本と画質が変わりやすい標本が存在する場合も考えられる。そこで、病気や病状ごとに標本を分類して、判定閾値の更新傾向を確認することも有効である。
上述したように、カメラ特性が変わった場合は画質変化が発生する可能性が高いため、デジタル標本作製装置100が撮影部101からカメラ特性のパラメータを随時受け取って変化を監視するのも有効である。
なお、再撮影の指示は、動作指示部104が自動的に動作しても、デジタル標本作製装置100の利用者が動作指示部104に指示を与えても、どちらでも構わない。
動作指示部104が自動的に動作する状況は、たとえば、撮影倍率の変更であり、あらかじめ倍率の変更は2倍と定めておいて、上記のように、1/16縮小を1/8縮小に変更するよう、動作指示部104が自ら撮影部101に指示をする。
一方、利用者が動作指示部104に指示を与える場合は、たとえば、標本のスライスの状態が大きく変化し、撮影倍率の調整を利用者がテストしながら進める場合、利用者は、画像参照方法入力部113から動作指示部104を介して撮影部101を制御する。
上述したように、動作指示部104には、以下の5つの役割がある。第一の役割は、最高解像度画像4002と最低解像度画像4001とを撮影することである。第二の役割は、許容誤差判定部112が判定閾値を上回ったという情報が来るまで中間解像度画像を撮影することである。第三の役割は、利用者の画質評価の結果を受け付け、テスト画像801と参照画像802に違いがある場合は中間解像度画像の生成を撮影部101へ指示すること、違いがない場合は閾値データベース116に判定閾値を保存する指示を行うことである。第四の役割は、画像フィルタを画像処理部108へ提供する指示を出すことである。第五の役割は、画像表示指示部105と画像処理部108へ動作開始の指示を行うことである。
図10は、実施の形態1に係るデジタル標本作製装置100の動作フローを示すフローチャートである。
ステップS901からステップS908までは、許容誤差判定部112が取得する判定閾値を決定するために動作する。
まず、撮影部101は、倍率1倍(第二倍率)で低解像度画像(最低解像度画像)を撮影する(S901)。
また、撮影部101は、倍率n倍(第一倍率)で高解像度画像(最高解像度画像)を撮影する(S902)。
そして、縮小処理部111は、高解像度画像を1/nに縮小し、1/n縮小画像を算出する(S903)。
そして、画像処理部108は、テスト画像に高解像度画像の1/n縮小画像を、参照画像に低解像度画像をそれぞれ適用し、デジタル標本作製装置100の利用者である医師にこれらを提示する(S904)。
そして、動作指示部104は、テスト画像と参照画像の比較結果を医師からの入力により取得する(S905)。動作指示部104が当該2つの画像に見た目の違いがあるとの結果を受けた場合(S905でYES)には、ステップS906へ進む。また、動作指示部104が当該2つの画像に違いがないとの結果を受けた場合(S905でNO)には、ステップS909へ進む。
そして、ステップS906においては、撮影部101は、動作指示部104からの指示に基づいて、高解像度画像の1/n縮小画像の画質を高めるために、撮影倍率をm倍にして低解像度画像を再撮影する(S906)。
ただし、mは、第二倍率よりも大きく第一倍率よりも小さい値(n>m>1)である。つまり、撮影部101は、倍率1倍で撮影する最低解像度画像をより高解像度で取得するために、1倍より大きな倍率で中間解像度画像を撮影する。図4(b)の場合、撮影部101は、m=2として中間解像度画像4003を撮影している。
次に、縮小処理部111は、高解像度画像を1/mに縮小し、1/m縮小画像を算出する(S907)。
そして、画像処理部108は、テスト画像に高解像度画像の1/m縮小画像を、参照画像に倍率m倍の低解像度画像をそれぞれ適用し、デジタル標本作製装置100の利用者である医師にこれらを提示する(S908)。ステップS908終了後、ステップS905へ戻る。
また、再びステップS906へ進む場合は、撮影部101は、倍率m倍をより高い倍率に変更して高解像度画像の1/m縮小画像の画質が上がるように、低解像度画像の再撮影を行う。
そして、テスト画像と参照画像とに違いがなければ、ステップS909へ進む。
ステップS909においては、許容誤差判定部112は、上記の式1によりテスト画像と参照画像とのPSNRを算出し、これを判定閾値と決定する(S909)。
そして、画像表示指示部105は、デジタル標本作製装置100を利用する医師が、検体画像のどこを、どのような倍率で見るのか、参照領域の情報を取得する(S910)。
そして、画像処理部108は、参照領域を含む高解像度画像を画像メモリ部107から読み出す(S911)。たとえば図7の場合は、参照領域6001は最高解像度画像3001に含まれるため、最高解像度画像3001が画像メモリ部107から読み出される。
そして、画像処理部108は、最高解像度画像3001から参照領域6001を抜き出し、画素ごとに1/kの縮小処理を施す(S912)。
次に、許容誤差判定部112は、高解像度画像に対する1/l縮小画像のPSNRを算出し、判定閾値と比較する(S913)。許容誤差判定部112が当該縮小画像のPSNRが判定閾値より低いと判定した場合(S913でYES)は、ステップS914へ進む。
ステップS914においては、撮影部101は、動作指示部104からの指示に基づいて、当該縮小画像のPSNRが判定閾値を上回るように、撮影倍率をd倍に変更して低解像度画像を再撮影する(S914)。ここで、当該撮影倍率のd倍は、最新の低解像度画像の撮影倍率よりも大きく高解像度画像の撮影倍率よりも小さい倍率である。
ただし、倍率dの決め方は任意であり、本発明は制限を与えない。たとえば、図4に示したように、倍率を2倍ずつ大きくしていく方法や、顕微鏡に装着されている対物レンズの倍率に従って順次倍率を上げるなどの方法を取る。
そして、縮小処理部111は、高解像度画像を1/dに縮小し、1/d縮小画像を算出する(S915)。
そして、許容誤差判定部112は、テスト画像に高解像度画像の1/d縮小画像を、参照画像に倍率d倍の低解像度画像をそれぞれ適用して、当該縮小画像と低解像度画像とを比較し(S916)、ステップS913へ戻る。
また、許容誤差判定部112が当該縮小画像のPSNRが判定閾値以上であると判定した場合(S913でNO)は、画像処理部108の出力を表示部114へ送り、縮小画像を表示する(S917)。
図11は、実施の形態1に係る動作指示部104の指示により撮影部101が低解像度画像の再撮影を2回行った例を示す図である。
撮影部101は、最高解像度画像13001を撮影後、最高解像度画像13001の1/16縮小画像に相当する最低解像度画像13002を撮影する。そして、縮小処理部111は、最高解像度画像13001に1/16の縮小処理を行い、1/16縮小画像の最低解像度画像13002に対するPSNRが36dBとなったとする。
この場合、縮小画像と最低解像度画像との違いが確認できない判定閾値を38dBとすると、1/16縮小画像は最低解像度画像との違いが大きすぎると判定される。このため、撮影部101は、動作指示部104からの指示により、撮影倍率を1/8倍に変更して中間解像度画像13003を再撮影する。これにより、最高解像度画像13001に1/8縮小処理を施して得られた1/8縮小画像の中間解像度画像13003に対するPSNRは37dBとなり、再び、画質判定の閾値38dBを下回る。
撮影部101は、2度目の再撮影を、1/4倍に相当するズーミングで撮影し、中間解像度画像13004を得たとする。この場合、最高解像度画像13001の1/4縮小画像の中間解像度画像13004に対するPSNRは39dBとなり、画質判断の閾値を上回る。
以上の状況において、画像メモリ部107に保存される撮影画像は、最高解像度画像13001、最低解像度画像13002、中間解像度画像13003と13004になる。これら実際に撮影された画像は、画像処理による画質劣化の心配がなく、データアクセスは読み込み時間のみであり、縮小画像処理に時間を取られることはない。
そこで、図11の場合であれば、1倍、2倍、4倍の場合は、それぞれ最低解像度画像13002、中間解像度画像13003、中間解像度画像13004をそのまま表示すればよい。
また、表示画像の拡大率が1倍から4倍の間であれば、2倍の中間解像度画像13003、あるいは4倍の中間解像度画像13004から画像処理で縮小画像を生成すればよい。たとえば表示画像の倍率が1.5倍の場合は、2倍の中間解像度画像13003に0.75倍の縮小処理を施せばよい。
一方、最高解像度画像13001と中間解像度画像13004との間に位置する倍率であれば、縮小画像のPSNRは判定閾値を下回ることはないため、縮小画像を表示画像に適応できる。図11に示すように、たとえば、6倍相当の表示画像が必要な場合は、最高解像度画像13001に3/8倍の縮小処理を施せばよい。
以上により、デジタル標本作製装置100は、実際に撮影する画像の枚数を抑えてデジタル化の手間を抑え、画像の参照位置や倍率を変更して病理診断用の検体を自由に観察できる。つまり、デジタル標本作製装置100は、ズームやパンを自由に変更して様々な倍率、視点で標本を観察できるため、医療情報の電子化を効率的に実施でき、病名または病状確定の医療ワークフローの改善に貢献できる。また、過去症例の参照において標本を電子的に取り出せ、画像処理によって病名または病状判断の一部を支援できる。
以上のように、本実施の形態1に係るデジタル標本作製装置100によれば、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いが許容誤差に収まらない場合に、低解像度画像の撮影倍率を大きくして再撮影し、再撮影した低解像度画像と高解像度画像の縮小画像との違いが許容誤差に収まるまで再撮影を行って、再撮影した低解像度画像の撮影倍率よりも大きい倍率のデジタル標本の画像を出力する。これにより、デジタル標本作製装置100は、デジタル標本を作製する際に、高解像度画像の縮小画像の画質を一定基準に保つことができる。このため、デジタル標本作製装置100によれば、撮影画像から縮小などの画像処理で作成する画像の画質を一定基準に保って、ズームやパンを自由に変更することができる。
また、デジタル標本作製装置100は、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを判定し、当該許容誤差に収まるまで、低解像度画像の撮影倍率を大きくして再撮影する。これにより、デジタル標本作製装置100は、デジタル標本を作製する際に、医師からの判断を得ることなく当該許容誤差に収まるか否かを判定することができ、高解像度画像の縮小画像の画質を一定基準に保つことができる。このため、デジタル標本作製装置100によれば、撮影画像から縮小などの画像処理で作成する画像の画質を一定基準に保って、ズームやパンを自由に変更することができる。
また、デジタル標本作製装置100は、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを示す情報を、外部からの入力により取得し、当該情報が当該許容誤差に収まることを示す場合の縮小画像と低解像度画像との違いを判定閾値として取得する。そして、デジタル標本作製装置100は、当該判定閾値を用いて、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを判定する。これにより、医師が、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを判断して、デジタル標本作製装置100に指示を与えることで、デジタル標本作製装置100は、判定閾値を取得し、判定を行うことができる。
また、デジタル標本作製装置100は、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いとしてPSNRを算出して、当該違いが許容誤差に収まるか否かを判定する。つまり、デジタル標本作製装置100は、画質を数値化することによって、当該違いが許容誤差に収まるか否かを判定することができる。
また、デジタル標本作製装置100は、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像との違いが許容誤差に収まる場合に、当該縮小画像の作成に用いられた帯域制限フィルタを使用して、高解像度画像の縮小処理を行うことで、デジタル標本の画像を出力する。これにより、デジタル標本作製装置100は、実際に撮影した画像の画質と同等の画質の縮小画像を作成して、デジタル標本の画像を出力することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、撮影画像に縮小処理を行って画像処理でズームやパンを自由に変更でき、かつ画質を一定基準に保つことができるデジタル標本作製装置について説明する。特に、本実施の形態に係るデジタル標本作製装置によれば、低解像度画像の撮影時と高解像度画像の撮影時におけるカラー特性の違いを修正し、画像処理によって作成した画像の画質が実際に撮影した画像の画質と同等になる。
図12は、実施の形態2に係るデジタル標本作製装置1000の機能構成を示すブロック図である。なお、図1に示した実施の形態1のデジタル標本作製装置100と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
同図に示すように、デジタル標本作製装置1000は、実施の形態1のデジタル標本作製装置100が備える画質判定部102、画像フィルタ提供部103および画像処理部108に代えて、画質判定部1001、画像フィルタ色補正情報提供部1003および画像処理部1004を有しており、撮影画像のカラー特性の違いを補正しながら、中間画像を生成する。また、画質判定部1001は、実施の形態1のデジタル標本作製装置100の画質判定部102が備える構成要素に色補正部1002を加えた構成である。
画質判定部1001は、縮小処理部111が出力した縮小画像のカラー特性を低解像度画像メモリ部110に格納される画像と一致させる機能を有し、色補正部1002がこの機能を受け持つ。
つまり、色補正部1002は、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像とのカラー特性の違いを補正する。具体的には、色補正部1002は、低解像度画像の撮影時の撮影部101のカラー特性と高解像度画像の撮影時の撮影部101のカラー特性とから、カラー特性の違いを補正する色補正情報を生成する。
一般に、撮影タイミングが異なる画像はカラー特性が異なり、たとえば、画像全体に渡るホワイトバランスが違ったり、ある一部の色味が異なったりする場合がある。昨今、ほとんどのデジタルスチルカメラ、ビデオカメラにホワイトバランスの自動調整機能が搭載されている。照明は明るいため、照明の色は概ね「白」という印象を持つが、室内等のように「赤みがかった白」や屋外のように、「青みがかった白」など、照明はある程度の色味を持っている。そこで、屋内で撮影する場合と屋外で撮影する場合で、カメラのRGBのバランスを調節して「白の色味」を調節するのがホワイトバランス調整である。
一般に、図3の最高解像度画像3001のように、被写体の一部にズームインした狭角撮影では、画面全体がある有彩色に支配され、ホワイトバランスの自動調整は難しい。一方、図3の最低解像度画像3002のように広角撮影の場合は、画面に様々な被写体が存在し、画面全体がある有彩色に支配される状況は少なくなる。そこで、高解像度画像と低解像度画像の2枚の画像を撮影した結果、ホワイトバランスが一致しない状況は十分に考えられる。
このような場合、縮小処理に関係する帯域制限フィルタを調整しても縮小画像の画質を実際に撮影した画像に近づけることはできない。
そこで、色補正部1002は、以下の式2に従って、縮小処理部111が出力した縮小画像Itの画素値(R,G,B)tを補正縮小画像Icの画素値(R,G,B)cへ変換して、カラー特性の違いを補正し、縮小画像のカラー特性を実際に撮影した画像のカラー特性に一致させる。
Figure 0005963009
ここで、行列Mは、行列Cと行列Tのペアを多数取得し、解析分析で予め設定しておく。たとえば図3の場合、最高解像度画像3001の1/8縮小画像の正解画像は最低解像度画像3002である。そこで、行列Cには最低解像度画像3002が対応する。一方、行列Tは、最高解像度画像3001に1/8縮小処理を施した1/8縮小画像が対応する。同一被写体を倍率1倍と倍率8倍とで撮影し、それぞれ最低解像度画像3002と最高解像度画像3001とする。カラー特性を取得するには色相、彩度、明度が異なる様々な色を含む被写体を撮影するのが適当であり、通常、カラー特性を取得する目的で構成されたカラーチャートを用いる。
色補正部1002は、縮小処理部111の出力である縮小画像Itに色補正を掛けて補正縮小画像Icを算出し、これを許容誤差判定部112へ出力する。また、色補正部1002は、色補正情報である行列Mを、画像フィルタ色補正情報提供部1003へ渡す。
画像フィルタ色補正情報提供部1003は、画像フィルタ提供部103が有する機能と同じく帯域制限フィルタを画像処理部1004へ提供するとともに、色補正情報として行列Mを画像処理部1004へ提供する。
画像処理部1004は、画像処理部108が有する機能と同じく縮小処理を実行するとともに、色補正部1002と同じ色補正処理を実施する。
なお、上記の式2は色補正方法の一例であって、本発明は色補正方法に制限を与えず、任意の色補正方法を適応できる。たとえば、上記の式2のような演算を行う形式のみでなく、テーブル参照形式で予め設定した色補正情報を参照する方法なども利用できる。
以上のように、本実施の形態2に係るデジタル標本作製装置1000によれば、色補正情報を生成し、高解像度画像の縮小画像と低解像度画像とのカラー特性の違いを補正する。これにより、デジタル標本作製装置1000は、低解像度画像の撮影時と高解像度画像の撮影時におけるカラー特性の違いを修正して、画像処理によって作成した画像の画質を、実際に撮影した画像の画質と同等にすることができる。つまり、デジタル標本作製装置1000は、撮影画像のカラー特性の違いを補正しながら画像の参照位置や倍率を変更した中間画像を生成する。このため、デジタル標本作製装置1000は、縮小の画像処理だけではなく、カラー特性の一致もカバーできるため、撮影画像の枚数を抑えることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、撮影画像に縮小処理を行って画像処理でズームやパンを自由に変更でき、かつ画質を一定基準に保つことができるデジタル標本作製装置を備えるデジタル標本作製サーバについて説明する。特に、当該デジタル標本作製サーバは、撮影装置、表示装置および画像サーバと同一箇所に設置しなくてもよい。
図13は、実施の形態3に係るデジタル標本作製サーバ1100の機能構成を示すブロック図である。なお、図12に示した実施の形態2のデジタル標本作製装置1000と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
デジタル標本作製サーバ1100は、実施の形態3のデジタル標本作製装置1000が備える画質判定部1001、画像フィルタ色補正情報提供部1003、画像処理部1004、動作指示部104、画像表示指示部105および画像読み出し制御部106を備えている。
そして、デジタル標本作製サーバ1100は、撮影装置1101からネットワークを介して低解像度画像と高解像度画像などの撮影画像を取得するとともに、ネットワークを介して撮影装置1101に低解像度画像の再撮影を指示する。また、デジタル標本作製サーバ1100は、画像サーバ1103とネットワークを介して接続されており、参照領域の画像座標を画像サーバへ伝える。また、画像処理部108の出力は、ネットワークを介して表示装置1102へ送られる。
撮影装置1101は、動作指示部104からネットワークを介して動作指示を受ける。ただし、デジタル標本作製サーバ1100は、ネットワークを介して様々な撮影装置とつながるため、どのような制御項目を有する撮影装置であるか、どのような入出力特性であるかなどを個々に把握する必要がある。そこで、撮影動作が始まる前に、デジタル標本作製サーバ1100と撮影装置1101はそれぞれに必要な情報を交換してネゴシエーションを行う。
その後、撮影装置1101は、図2で説明したパンやズームの機構は電子制御で駆動でき、動作指示部104からの指示を受けて自動制御される。そこで、標本2001を撮影装置1101が有するステージ2005にセットできれば、撮影装置1101のパンやズーム、撮影等は、デジタル標本作製サーバ1100がネットワーク越しに遠隔から制御できる。
表示装置1102は、画像参照方法入力部113で得た画像参照位置と倍率とを、ネットワークを介して画像表示指示部105へ送る。表示装置1102についても撮影装置1101と同様に、様々なタイプの表示装置がデジタル標本作製サーバ1100にネットワークを介して接続されるため、それぞれに必要な情報を交換してネゴシエーションを行う。表示装置1102がデジタル標本作製サーバ1100へ送るべき情報は、たとえば画像サイズ、階調数、入出力特性などである。
デジタル標本作製サーバ1100は、ネットワークを介して電子カルテサーバ1104とつながっていて、患者の個人情報を参照することができる。たとえば、ある患者の検査画像を学会等で用いるために院外へ出す際、患者の承諾が完了しているかをタグで確認できるようにしておく。
デジタル標本作製サーバ1100は、院外の表示装置1102に画像を送る際、電子カルテサーバ1104の患者承諾のタグを参照し、患者承諾が得られていない場合は、強制的に画像送信を中止する。同様に、デジタル標本作製サーバ1100は、新たに検査画像を撮影する際に、患者への説明が完了していない際には、撮影装置1101が動作しないように、強制的に撮影を中止する。
以上により、標本をデジタル化するにあたり、撮影装置1101、表示装置1102、画像サーバ1103、デジタル標本作製サーバ1100を同一箇所に設置する必要はない。
そこで、たとえば、病理技師が標本2001を作製してステージ2005にセットし、遠隔地にいる病理診断医が表示装置1102を使いながら、倍率1倍の最低解像度画像と倍率n倍の最高解像度画像とを遠隔から撮影する。許容誤差判定部112の判定閾値の設定に必要な情報も表示装置1102から病理診断医が入力する。図9の判定閾値がPSNRの数値として病理診断医と病理技師との間で共有できていれば、病理技師が判定閾値を入力して、病理診断医が判定閾値の設定をスキップできる。
また、デジタル標本作製サーバ1100が電子カルテサーバ1104と連携することで、個人情報などのセキュリティ管理と関連付けてデジタル標本を作製できる。
以上、実施の形態に係るデジタル標本作製装置100、1000およびデジタル標本作製サーバ1100について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
たとえば、上記実施の形態1および2では、デジタル標本作製装置100および1000は、必須の構成要素として、縮小処理部111、動作指示部104および画像処理部108を備えていればよく、その他の構成要素は備えられていなくともよい。また、上記実施の形態3では、デジタル標本作製サーバ1100は、必須の構成要素として、縮小処理部111、動作指示部104および画像処理部1004を備えていればよく、その他の構成要素は備えられていなくともよい。
また、上述の実施の形態に係るデジタル標本作製装置は、コンピュータにより実現することも可能である。
図14は、デジタル標本作製装置を実現するコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
デジタル標本作製装置は、コンピュータ34と、コンピュータ34に指示を与えるためのキーボード36およびマウス38と、コンピュータ34の演算結果等の情報を提示するためのディスプレイ32と、コンピュータ34で実行されるプログラムを読み取るためのCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)装置40および通信モデム(図示せず)とを含む。
デジタル標本作製装置が行う処理であるプログラムは、コンピュータで読取可能な記録媒体であるCD−ROM42に記憶され、CD−ROM装置40で読み取られる。または、コンピュータネットワークを通じて通信モデム52で読み取られる。
コンピュータ34は、CPU(Central Processing Unit)44と、ROM(Read Only Memory)46と、RAM(Random Access Memory)48と、ハードディスク50と、通信モデム52と、バス54とを含む。
CPU44は、CD−ROM装置40または通信モデム52を介して読み取られたプログラムを実行する。ROM46は、コンピュータ34の動作に必要なプログラムやデータを記憶する。RAM48は、プログラム実行時のパラメータなどのデータを記憶する。ハードディスク50は、プログラムやデータなどを記憶する。通信モデム52は、コンピュータネットワークを介して他のコンピュータとの通信を行う。バス54は、CPU44、ROM46、RAM48、ハードディスク50、通信モデム52、ディスプレイ32、キーボード36、マウス38およびCD−ROM装置40を相互に接続する。
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしても良い。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
さらにまた、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしても良い。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしても良い。
また、本発明は、上記に示す方法であるとしても良い。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、上記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc(登録商標))、半導体メモリなどに記録したものとしても良い。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしても良い。
また、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしても良い。
また、上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記非一時的な記録媒体に記録して移送することにより、または上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。
つまり、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されてもよいし、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
つまり、図1または図12に示したデジタル標本作製装置または図13に示したデジタル標本作製サーバの各構成要素は、ソフトウェアによって実現されてもよい。そして、上記実施の形態のデジタル標本作製装置またはデジタル標本作製サーバを実現するソフトウェアは、次のようなデジタル標本作製方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラムである。すなわち、このデジタル標本作製方法は、撮影部によって撮影された解像度が異なる標本の撮影画像である低解像度画像と高解像度画像とを用いて、病名または病状の診断に使用されるデジタル標本を作製するデジタル標本作製方法であって、第一倍率で撮影された前記高解像度画像を、前記低解像度画像の撮影倍率である第二倍率の画像になるように縮小させて、前記高解像度画像の縮小画像を生成する縮小処理ステップと、前記縮小画像と前記低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを示す情報を取得し、前記情報が許容誤差に収まらないことを示す場合に、前記第二倍率を前記第二倍率よりも大きく前記第一倍率よりも小さい値に更新して前記低解像度画像の再撮影を前記撮影部へ指示する動作指示ステップと、更新後の前記第二倍率よりも大きく前記第一倍率よりも小さい撮影倍率であって前記デジタル標本の撮影倍率である第三倍率を取得し、前記高解像度画像が前記第三倍率の画像になるように縮小処理を行うことで前記デジタル標本の画像を出力する画像処理ステップとを含む。
さらに、上記実施の形態1〜3をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、多くの作業時間を取られる標本の撮影を必要最小限に抑え、かつ、いつでもどこでも標本を自由な視点から観察できる。このため、病名または病状を確定し、治療方針の決定に大きな影響を与える病理診断の効率化、質的向上に貢献できる。
100、1000 デジタル標本作製装置
101 撮影部
102、1001 画質判定部
103 画像フィルタ提供部
104 動作指示部
105 画像表示指示部
106 画像読み出し制御部
107 画像メモリ部
108、1004 画像処理部
109 高解像度画像メモリ部
110 低解像度画像メモリ部
111 縮小処理部
112 許容誤差判定部
113 画像参照方法入力部
114 表示部
115 切替部
116 閾値データベース
801 テスト画像
802 参照画像
803、804 ボタン
805 数値入力部
1002 色補正部
1003 画像フィルタ色補正情報提供部
1100 デジタル標本作製サーバ
1101 撮影装置
1102 表示装置
1103 画像サーバ
1104 電子カルテサーバ
1201 マウス
1202 カーソル
1203 ホイール
1204 拡大率選択ボタン
2001 標本
2002 対物レンズ
2003 カメラ
2004 レボルバ
2005 ステージ
2006 多焦点レンズ
3001、4002、13001 最高解像度画像
3002、4001、13002 最低解像度画像
3003、3004、4003、4004、4005、13003、13004 中間解像度画像
5001、5002、6001、6002、7001、7002 参照領域
7003 中間参照領域

Claims (10)

  1. 撮影部によって撮影された解像度が異なる標本の撮影画像である低解像度画像と高解像度画像とを用いて、病名または病状の診断に使用されるデジタル標本を作製するデジタル標本作製装置であって、
    第一倍率で撮影された前記高解像度画像を、前記低解像度画像の撮影倍率である第二倍率の画像になるように縮小させて、前記高解像度画像の縮小画像を生成する縮小処理部と、
    前記縮小画像と前記低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを示す情報を取得し、前記情報が許容誤差に収まらないことを示す場合に、前記第二倍率を前記第二倍率よりも大きく前記第一倍率よりも小さい値に更新して前記低解像度画像の再撮影を前記撮影部へ指示する動作指示部と、
    更新後の前記第二倍率よりも大きく前記第一倍率よりも小さい撮影倍率であって前記デジタル標本の撮影倍率である第三倍率を取得し、前記高解像度画像が前記第三倍率の画像になるように縮小処理を行うことで前記デジタル標本の画像を出力する画像処理部と
    を備えるデジタル標本作製装置。
  2. さらに、
    前記縮小画像と前記低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを判定する許容誤差判定部を備え、
    前記動作指示部は、前記許容誤差判定部による判定結果に応じて、前記許容誤差に収まるか否かを示す情報を取得し、前記許容誤差に収まることを示す情報を取得するまで、前記第二倍率を前記第二倍率よりも大きく前記第一倍率よりも小さい値に更新して前記低解像度画像の再撮影を前記撮影部へ指示し、
    前記縮小処理部は、前記動作指示部が前記第二倍率を更新するたびに、前記高解像度画像を更新後の前記第二倍率の画像になるように縮小させて、前記高解像度画像の縮小画像を生成し、
    前記許容誤差判定部は、前記動作指示部が前記第二倍率を更新して前記低解像度画像の再撮影を前記撮影部へ指示するたびに、前記撮影部によって更新後の前記第二倍率で撮影された前記低解像度画像と、前記縮小処理部が生成した前記縮小画像との違いが許容誤差に収まるか否かを判定する
    請求項1に記載のデジタル標本作製装置。
  3. 前記許容誤差判定部は、前記縮小画像と前記低解像度画像との違いと判定閾値とを比較することで、前記許容誤差に収まるか否かを判定し、
    前記動作指示部は、前記許容誤差に収まるか否かを示す情報を、外部からの入力により取得し、
    前記許容誤差判定部は、前記動作指示部が取得した前記情報が前記許容誤差に収まることを示す場合の前記縮小画像と前記低解像度画像との違いを前記判定閾値として取得する
    請求項2に記載のデジタル標本作製装置。
  4. 前記許容誤差判定部は、前記縮小画像と前記低解像度画像との違いとしてPSNR(Peak Signal to Noise Ratio)を算出し、算出したPSNRと判定閾値とを比較することで、当該違いが許容誤差に収まるか否かを判定する
    請求項2または3に記載のデジタル標本作製装置。
  5. 前記縮小処理部は、帯域制限フィルタを用いて、前記高解像度画像を前記第二倍率の画像になるように縮小させて、前記縮小画像を生成し、
    前記デジタル標本作製装置は、さらに、
    前記動作指示部が前記許容誤差に収まることを示す情報を取得した場合に、前記縮小処理部が用いた前記帯域制限フィルタを前記画像処理部に提供する画像フィルタ提供部を備え、
    前記画像処理部は、提供された前記帯域制限フィルタを用いて、前記高解像度画像の縮小処理を行うことで、前記デジタル標本の画像を出力する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のデジタル標本作製装置。
  6. さらに、
    前記縮小画像と前記低解像度画像とのカラー特性の違いを補正する色補正部を備える
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のデジタル標本作製装置。
  7. 前記色補正部は、前記低解像度画像の撮影時の前記撮影部のカラー特性と前記高解像度画像の撮影時の前記撮影部のカラー特性とから、カラー特性の違いを補正する色補正情報を生成する
    請求項6に記載のデジタル標本作製装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のデジタル標本作製装置を備え、
    前記デジタル標本作製装置は、撮影装置によって撮影された低解像度画像と高解像度画像とをネットワークを介して取得するとともに、ネットワークを介して前記撮影装置に低解像度画像の再撮影を指示し、ネットワークを介してデジタル標本の画像を出力する
    デジタル標本作製サーバ。
  9. 撮影部によって撮影された解像度が異なる標本の撮影画像である低解像度画像と高解像度画像とを用いて、病名または病状の診断に使用されるデジタル標本を作製するデジタル標本作製方法であって、
    第一倍率で撮影された前記高解像度画像を、前記低解像度画像の撮影倍率である第二倍率の画像になるように縮小させて、前記高解像度画像の縮小画像を生成する縮小処理ステップと、
    前記縮小画像と前記低解像度画像との違いが許容誤差に収まるか否かを示す情報を取得し、前記情報が許容誤差に収まらないことを示す場合に、前記第二倍率を前記第二倍率よりも大きく前記第一倍率よりも小さい値に更新して前記低解像度画像の再撮影を前記撮影部へ指示する動作指示ステップと、
    更新後の前記第二倍率よりも大きく前記第一倍率よりも小さい撮影倍率であって前記デジタル標本の撮影倍率である第三倍率を取得し、前記高解像度画像が前記第三倍率の画像になるように縮小処理を行うことで前記デジタル標本の画像を出力する画像処理ステップと
    を含むデジタル標本作製方法。
  10. 請求項9に記載のデジタル標本作製方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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