JP5955177B2 - ポリビニルアルコール系樹脂が付与された多孔シートの製造方法 - Google Patents
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Description
そして、前記多孔シートが高極性液体に対する親和性に優れている場合(例えば親水性に優れている場合など)には、例えば、電気化学素子用セパレータなどの保液性や吸液性が求められるような産業資材用途に有用である。
なお、特許文献1には、ポリビニルアルコール樹脂により不織布の開孔が閉塞されるのを防いで、セパレータの多孔性を保持して通気性を優れたものとするために、ポリビニルアルコール樹脂の希釈溶液を不織布へ付与する、あるいは、ポリビニルアルコール樹脂溶液を付与した不織布から余分な前記溶液を除く必要があることが開示されている。
また、特許文献1には、不織布に付与するポリビニルアルコール樹脂の添加量が3%以上であると、アルカリ電池用セパレータのガス透過性に障害が生じるとの知見が開示されている。
そして、親和性多孔シートの表面に皮膜状のポリビニルアルコール系樹脂が、部分的に存在している場合には、親和性多孔シートの表面上の構造が不均一化するという問題が生じるものであった。そして、表面上の構造が不均一化した親和性多孔シートを、例えば、電気化学素子用セパレータとして使用した場合、前記電気化学素子用セパレータを用いてなる電気化学素は微小短絡を発生し易いものであった。
また、親和性多孔シートの表面に皮膜状のポリビニルアルコール系樹脂が、全体的に存在している場合には、親和性多孔シートの通気性が低下するという問題が生じるものであった。そして、通気性が低下した親和性多孔シートを、例えば、電気化学素子用セパレータとして使用した場合、前記電気化学素子用セパレータを用いてなる電気化学素は充放電容量が低下し易いものであった。
「(1)ケン化度が82モル%よりも大きいポリビニルアルコール系樹脂を良溶媒に溶解させて、ポリビニルアルコール系樹脂溶液を調製する工程、
(2)多孔シートに、ポリビニルアルコール系樹脂量が3%以上であるように、前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液を付与する工程、
(3)前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液を付与した多孔シート中の前記良溶媒の一部又は全部を、前記ポリビニルアルコール系樹脂の貧溶媒に置換する工程、
(4)前記置換工程に供した後の多孔シートから、前記良溶媒及び前記貧溶媒、または、前記貧溶媒を除去する工程、
を含むことを特徴とする、ポリビニルアルコール系樹脂が付与された多孔シートの製造方法。」
である。
そのため、高極性液体に対する親和性に優れる親和性多孔シートを製造するために、多孔シートに付与するポリビニルアルコール系樹脂を多くした場合であっても、多孔シートの表面にポリビニルアルコール系樹脂が皮膜状に存在するのを防ぐことができるため、多孔シートが通気性の低下および表面上の構造が不均一化するのを防いで、親和性多孔シートを製造できると考えられる。
そのため、本発明によれば、高極性液体に対する親和性に優れ、多孔シートが通気性の低下および表面上の構造が不均一化するのを防いで、親和性多孔シートを製造する方法を提供できる。
そのため、使用するポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は82モル%よりも大きい必要があり、85モル%以上100モル%以下であるのが好ましく、90モル%以上100モル%以下であるのがより好ましく、95モル%以上100モル%以下であるのが最も好ましい。
そのため、ポリビニルアルコール系樹脂が良溶媒へ完全に溶解してなるポリビニルアルコール系樹脂溶液を用いるのが好ましい。なお、本発明に係るポリビニルアルコール系樹脂を溶解させる際の、良溶媒の温度は適宜調整するものであるが、例えば、60℃〜100℃の範囲とすることができる。
なお、これらの有機ポリマーは、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、また有機ポリマーがブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、また有機ポリマーの立体構造や結晶性の有無がいかなるものでも、特に限定されるものではない。
更には、有機ポリマーを混ぜ合わせたものでも良く、特に限定されるものではない。
また、直接紡糸法を用いて紡糸された繊維を捕集することで、不織布を調製してもよい。
多孔シートの厚さは、0.5μm〜9.9cmであることができ、電気化学素子用セパレータを調製可能な多孔シートの場合、その厚さは1〜200μmであるのが好ましく、10〜40μmであるのがより好ましく、15〜30μmであるのがより好ましく、20〜25μmであるのが最も好ましい。
なお、本発明では、目付とは面積1m2あたりの質量をいい、厚さとは厚さ測定器(デジマチック標準外側マイクロメータ(MCC−MJ/PJ)1/1000mm(株)ミツトヨ)により計測した、500g荷重時測定値の5点の厚さの算術平均値をいう。
なお、加熱温度は適宜調整するが、多孔シートを構成している有機ポリマーが溶融して親和性多孔シートの表面が不均一化するのを防止できるように、前記加熱温度は良溶媒及び/又は貧溶媒が揮発可能な温度以上、多孔シートを構成している有機ポリマーの融点よりも低い温度であるのが好ましい。
そのため、本発明の親和性多孔シートの製造方法によって、例えば、アルカリ電池やリチウム電池およびキャパシター等の電気化学素子用セパレータ、気体や液体の濾過材料、貼付剤用基材やプラスター剤用基材などの医療用材料、芯地などの衣料材料、化粧水等を保持したスキンケアシートやタオルあるいはオムツなどの衛生材料、バイオリアクターや細胞培養基材などバイオサイエンス材料など、様々な産業資材用途に有用な親和性多孔シートを製造することができる。
実施例1で製造した親和性多孔シートの表面の電子顕微鏡写真を撮影し、図1に図示した。
また、比較例1で製造した不織布の表面の電子顕微鏡写真を撮影し、図2に図示した。
そして、比較例2で製造した親和性多孔シートの表面の電子顕微鏡写真を撮影し、図3に図示した。
最後に、比較例3で製造した親和性多孔シートの表面の電子顕微鏡写真を撮影し、図4に図示した。
実施例1の親和性多孔シートから採取した試験片、および、比較例1の不織布から採取した試験片を、動的接触角の測定装置(Fibro system ab社製、型番:DAT1100)に供することで動的接触角を測定した。
つまり、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを等体積混合してなる高極性液体の混合溶液を、各試験片の表面上に滴下することで乗せてから0.3秒後に、前記混合溶液の液滴が前記表面に対して成す角度を測定した。
なお、動的接触角が低い値を示すほど、試験片は高極性液体に対する親和性に優れていることを意味する。
実施例1−8および比較例2−3のポリビニルアルコール樹脂が付与された不織布から採取した各試験片、および、比較例1の不織布から採取した試験片を、JIS P 8117:2009(紙及び板紙−透気度試験方法−ガーレー試験機法)に規定されている方法に供することで、ガーレ値を測定した。
なお、ガーレ値が100秒以上の試験片は通気性に劣ることを意味しており、ガーレ値が低いほど試験片は通気性に優れていることを意味する。
芯成分がポリプロピレン(融点:170℃)、鞘部がポリエチレン(融点:135℃)の芯鞘型複合繊維(繊度:0.8dtex、繊維長:5mm)67質量%と、ポリプロピレン極細繊維(融点:160℃、繊維径:0.02dtex、繊維長:2mm)33質量%とを混合し、湿式抄造法により繊維ウェブを調製した。そして、前記繊維ウェブを表面温度が130℃に調整されたホットロールプレス装置へ供した後、カレンダー装置へ供して厚さを調整することで、不織布(厚さ:25μm、目付:10g/m2)を調製した。
次いで、ポリビニルアルコール樹脂(ケン化度:96モル%以上、平均重合度:900−1100、和光純薬工業株式会社製)を純水に溶解させて、ポリビニルアルコール樹脂水溶液(ポリビニルアルコール樹脂質量:純水質量=5:95)を調製した。
ドクターブレード(隙間:60μm)法を用いて、上述のようにして調製した不織布へポリビニルアルコール樹脂水溶液を付与した。
そして、前記ポリビニルアルコール樹脂水溶液を付与した不織布を、前記ポリビニルアルコール樹脂の貧溶媒であるエタノールを満たした浴槽中に浸漬した。なお、純水とエタノールとは互いに混和するものであった。
最後に、前記浴槽中から不織布を引き上げた後に40℃の雰囲気下に静置することで、前記不織布中から純水及びエタノールを除去して、不織布とポリビニルアルコール樹脂を含んでいる親和性多孔シート(厚さ:30μm、目付:12.7g/m2、ポリビニルアルコール樹脂の付与質量:2.7g/m2、動的接触角:22.9度、ガーレ値:3.8秒)を製造した。
また、図1の電子顕微鏡写真から、実施例1の親和性多孔シートの表面には、ポリビニルアルコール樹脂が多孔状に分散して存在しており、表面にポリビニルアルコール系樹脂が皮膜状に形成されていないことが判明した。
芯成分がポリプロピレン(融点:170℃)、鞘部がポリエチレン(融点:135℃)の芯鞘型複合繊維(繊度:0.8dtex、繊維長:5mm)67質量%と、ポリプロピレン極細繊維(融点:160℃、繊維径:0.02dtex、繊維長:2mm)33質量%とを混合し、湿式抄造法により繊維ウェブを調製した。そして、前記繊維ウェブを表面温度が130℃に調整されたホットロールプレス装置へ供した後、ロールカレンダーによって厚さを調整することで、不織布(厚さ:25μm、目付:10g/m2、動的接触角:37.1度、ガーレ値:1秒未満)を調製した。
実施例1で調製したポリビニルアルコール樹脂水溶液を付与した不織布を、エタノールを満たした浴槽中に浸漬することなく40℃の雰囲気下に静置することで、前記不織布中から純水を除去したこと以外は、実施例1と同様にして、親和性多孔シート(厚さ:26μm、目付:12.5g/m2、ポリビニルアルコール樹脂の付与質量:2.5g/m2、ガーレ値:1秒)を製造した。
また、図3の電子顕微鏡写真から、比較例2の親和性多孔シートの表面には、皮膜状のポリビニルアルコール系樹脂が部分的に存在していることが判明した。
実施例1で使用したポリビニルアルコール樹脂の代わりに、ポリビニルアルコール樹脂(ケン化度:78モル%−82モル%、平均重合度:900−1100、和光純薬工業株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、親和性多孔シート(厚さ:28μm、目付:13.2g/m2、ポリビニルアルコール樹脂の付与質量:3.2g/m2、ガーレ値:890秒)を製造した。
なお、エタノールは前記ポリビニルアルコール樹脂の貧溶媒であった。
また、図4の電子顕微鏡写真から、比較例3の親和性多孔シートの表面には、皮膜状のポリビニルアルコール系樹脂が全体的に存在していることが判明した。
ポリビニルアルコール樹脂(ケン化度:96モル%以上、平均重合度:900−1100、和光純薬工業株式会社製)を純水に溶解させて調製した、ポリビニルアルコール樹脂水溶液(ポリビニルアルコール樹脂質量:純水質量=2.5:97.5)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、親和性多孔シート(厚さ:27μm、目付:11.4g/m2、ポリビニルアルコール樹脂の付与質量:1.4g/m2、ガーレ値:1.2秒)を製造した。
ポリビニルアルコール樹脂(ケン化度:96モル%以上、平均重合度:900−1100、和光純薬工業株式会社製)を純水に溶解させて、ポリビニルアルコール樹脂水溶液(ポリビニルアルコール樹脂質量:純水質量=7.5:92.5)を調製した。
ドクターブレード(隙間:120μm)法を用いて、実施例1で調製した不織布へポリビニルアルコール樹脂水溶液を付与した。
そして、前記ポリビニルアルコール樹脂水溶液を付与した不織布を、エタノールを満たした浴槽中に浸漬した。
最後に、前記浴槽中から不織布を引き上げた後に40℃の雰囲気下に静置することで、前記不織布中から純水及びエタノールを除去した後、表面温度が70℃に調整されたカレンダー装置へ供して厚さを調整することで、親和性多孔シート(厚さ:45μm、目付:22.6g/m2、ポリビニルアルコール樹脂の付与質量:12.6g/m2、ガーレ値:46.2秒)を調製した。
実施例1で使用したポリビニルアルコール樹脂の代わりに、ポリビニルアルコール樹脂(ケン化度:86モル%−90モル%、平均重合度:900−1100、和光純薬工業株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、親和性多孔シート(厚さ:29μm、目付:12.9g/m2、ポリビニルアルコール樹脂の付与質量:2.9g/m2、ガーレ値:3.2秒)を製造した。
なお、エタノールは前記ポリビニルアルコール樹脂の貧溶媒であった。
実施例1で使用したポリビニルアルコール樹脂の代わりに、ポリビニルアルコール樹脂(ケン化度:86モル%−90モル%、平均重合度:500、和光純薬工業株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、親和性多孔シート(厚さ:31μm、目付:12.6g/m2、ポリビニルアルコール樹脂の付与質量:2.6g/m2、ガーレ値:2.8秒)を製造した。
なお、エタノールは前記ポリビニルアルコール樹脂の貧溶媒であった。
実施例1で使用したポリビニルアルコール樹脂の代わりに、ポリビニルアルコール樹脂(ケン化度:86モル%−90モル%、平均重合度:3100−3900、和光純薬工業株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、親和性多孔シート(厚さ:29μm、目付:13.1g/m2、ポリビニルアルコール樹脂の付与質量:3.1g/m2、ガーレ値:10.2秒)を製造した。
なお、エタノールは前記ポリビニルアルコール樹脂の貧溶媒であった。
ポリビニルアルコール樹脂(ケン化度:86モル%−90モル%、平均重合度:3100−3900、和光純薬工業株式会社製)を純水に溶解させて、ポリビニルアルコール樹脂水溶液(ポリビニルアルコール樹脂質量:純水質量=7.5:92.5)を調製した。
ドクターブレード(隙間:100μm)法を用いて、実施例1で調製した不織布へポリビニルアルコール樹脂水溶液を付与した。
そして、前記ポリビニルアルコール樹脂水溶液を付与した不織布を、前記ポリビニルアルコール樹脂の貧溶媒であるエタノールを満たした浴槽中に浸漬した。
最後に、前記浴槽中から不織布を引き上げた後に40℃の雰囲気下に静置することで、前記不織布中から純水及びエタノールを除去した後、表面温度が70℃に調整されたカレンダー装置へ供して厚さを調整することで、親和性多孔シート(厚さ:38μm、目付:18.1g/m2、ポリビニルアルコール樹脂の付与質量:8.1g/m2、ガーレ値:97秒)を製造した。
湿式法を用いて調製した、ポリエチレンテレフタレート繊維の不織布(融点:260℃、厚さ:21μm、目付:10g/m2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、親和性多孔シート(厚さ:25μm、目付:12.4g/m2、ポリビニルアルコール樹脂の付与質量:2.4g/m2、ガーレ値:4.5秒)を製造した。
(1)正極の作製
正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末90質量%と、アセチレンブラック5質量%と、ポリフッカビニリデン(PVdF)5質量%をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させ、スラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ20μmのアルミ箔上に塗工し、温度140℃で30分間乾燥した後にプレスして、正極を得た。
(2)負極の作製
負極活物質として天然黒鉛粉末90質量%と、PVdF10質量%をNMP中に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ15μmの銅箔上に塗工し、温度140℃で30分間減圧乾燥した後にプレスして、負極を得た。
(3)非水電解液
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を等体積混合してなる混合溶液に、LiPF6を1.0mol/Lとなるように溶解させた非水電解液[1mol/L、LiPF6−EC/DEC(体積比1:1);キシダ化学(株)製]を用意した。
(4)電池の作製
上記正極、負極、非水電解液を用いて、採取した試験片を正極と負極の間にセパレータとして配置し、リチウムイオン二次電池(2032型コインセル)を作製した。
作製した各リチウムイオン二次電池を以下の充放電条件1で充放電した。
・充放電条件1
充電条件:0.2Cで定電流定電圧(3−4.2Vの電圧範囲)充電
放電条件:0.2Cで定電流放電
なお各グラフにおいて、右肩上がりのグラフ線は充電時における電圧(V)の挙動と充電容量(mAh/g)を示すものであり、右肩下がりのグラフ線は放電時における電圧(V)の挙動と放電容量(mAh/g)を示すものである。
一方、比較例1−2に係る試験片を電気化学素子用セパレータとして使用してなるリチウムイオン二次電池は、充電中に電極間で微小短絡が発生したことに起因してリチウムイオン二次電池の電圧が連続的に上昇及び下降を繰り返す現象が発生した。そのため、比較例1−2に係る試験片を電気化学素子用セパレータとして使用してなるリチウムイオン二次電池は、充電時に微小短絡を生じるものであり、充放電を安定して行えるものではなかった。
また、比較例3に係る試験片を電気化学素子用セパレータとして使用してなるリチウムイオン二次電池は、充放電容量が低いものであった。そのため、比較例3に係る試験片を電気化学素子用セパレータとして使用してなるリチウムイオン二次電池は、充放電容量が低くて実用性に乏しいものであった。
実施例1−8で作製した各リチウムイオン二次電池を、以下の充放電条件2−4で充放電して、充放電条件2−4における各リチウムイオン二次電池の放電容量を測定した。
・充放電条件2
充電条件:0.2Cで定電流充電
放電条件:0.2Cで定電流放電
・充放電条件3
充電条件:0.2Cで定電流充電
放電条件:1Cで定電流放電
・充放電条件4
充電条件:0.2Cで定電流充電
放電条件:4Cで定電流放電
なお、容量維持率(%)は、充放電条件2におけるリチウムイオン二次電池の放電容量に占める、充放電条件3と充放電条件4におけるリチウムイオン二次電池の放電容量の割合を、百分率に換算することで求めた。
また、以上の結果から、本発明の製造方法によって、充電時に微小短絡を生じることなく充放電を安定して行えると共に、放電容量が高くて実用性に富み、更に、高率放電を行った際でも放電容量が大きく容量維持率に優れる電気化学素子用セパレータを製造できることが判明した。
Claims (1)
- (1)ケン化度が82モル%よりも大きいポリビニルアルコール系樹脂を良溶媒に溶解させて、ポリビニルアルコール系樹脂溶液を調製する工程、
(2)多孔シートに、ポリビニルアルコール系樹脂量が3%以上であるように、前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液を付与する工程、
(3)前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液を付与した多孔シート中の前記良溶媒の一部又は全部を、前記ポリビニルアルコール系樹脂の貧溶媒に置換する工程、
(4)前記置換工程に供した後の多孔シートから、前記良溶媒及び前記貧溶媒、または、前記貧溶媒を除去する工程、
を含むことを特徴とする、ポリビニルアルコール系樹脂が付与された多孔シートの製造方法。
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