JP5936504B2 - ポリカルボン酸系共重合体及びその用途 - Google Patents
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Description
−(C3H6O2)r− (5)
rは、(C3H6O2)で表されるグリセリル基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。(C3H6O2)で表されるグリセリル基は、同一又は異なって、下記式:
本発明はそして、上記セメント混和剤、セメント及び水を含むセメント組成物でもある。
以下に本発明を詳述する。以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も本発明の好ましい形態である。
なお、本明細書中、(ポリ)グリシドールとは、ポリグリシドール又はグリシドールを意味し、また、(ポリ)アルキレングリコールとは、ポリアルキレングリコール又はアルキレングリコールを意味する。
本発明のポリカルボン酸系共重合体は、上記一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体と上記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸系単量体とを含む単量体成分を重合して得られるポリカルボン酸系共重合体(ポリカルボン酸系共重合体(1)とも称す);上記一般式(2)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体と上記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸系単量体とを含む単量体成分を重合して得られるポリカルボン酸系共重合体(ポリカルボン酸系共重合体(2)とも称す);上記一般式(3)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体と上記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸系単量体とを含む単量体成分を重合して得られるポリカルボン酸系共重合体(ポリカルボン酸系共重合体(3)とも称す);のいずれかである。
上記単量体成分はそれぞれ、必要に応じて更にその他の単量体を含んでもよい。各単量体は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
また上記不飽和カルボン酸系単量体は、重合に供されてポリカルボン酸系共重合体中に当該単量体由来の構成単位を与えるものであり、この構成単位とは、上記一般式(4)中の不飽和二重結合部分(C=C)が、単結合(−C−C−)となった構造を意味する。
なお、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、光散乱検出器を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって、後述するGPC測定条件にて測定することができる。
本発明のポリカルボン酸系共重合体(1)を得るための単量体成分において、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(1)とは、下記一般式(1):
また上記一般式(1)(並びに上記一般式(2)及び(3))において、qは、0又は1を表すが、q=0の場合、当該一般式(1)で表される単量体はエーテル構造を有する単量体(エーテル系単量体)となり、q=1の場合はエステル構造を有する単量体(エステル系単量体)となる。中でも、q=0である、すなわち上記不飽和ポリアルキレングリコール系単量体は、エーテル系単量体であることが好ましい。
なお、活性基を有する化合物残基の形態としては、鎖状、分岐状、三次元状に架橋された構造のいずれであってもよいが、分岐状であることが好適である。
なお、エポキシアルコールとは、エポキシ基を有するアルコールを意味し、エポキシ基には、グリシジル基(グリシジルエーテル基及びグリシジルエステル基を含む)を含むものとする。
上記エポキシアルコール及び/又は多価アルコールにより、上記不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(1)の多価アルコール残基が形成されることになる。
上記多価アミンにより、上記不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(1)の多価アミン残基が形成されることになる。
上記多価イミンにより、上記不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(1)の多価イミン残基が形成されることになる。
なお、ポリイミンは重合により三次元に架橋され、通常、構造中に第3級アミノ基の他、活性水素原子を持つ第1級アミノ基や第2級アミノ基(イミノ基)を有することになる。
この場合の「主体」とは、ポリアルキレンイミンが2種以上のアルキレンイミンにより形成されるときに、全アルキレンイミンの存在数において、大半を占めるものであることを意味する。本発明においては、ポリアルキレンイミン鎖を形成するアルキレンイミンにおいて、大半を占めるものがエチレンイミンであることにより、上記ポリアルキレングリコール鎖含有チオール化合物の親水性が向上し、多くの用途に好適なものとなるという作用効果が充分に発揮されることから、上記作用効果が充分に発揮される程度に、ポリアルキレンイミン鎖(ポリアルキレンイミン残基)を形成するアルキレンイミンとしてエチレンイミンを用いることをもって、上記にいう「大半を占める」こととなる。「大半を占める」ことを全アルキレンイミン100モル%中のエチレンイミンのモル%で表すと、50〜100モル%であることが好ましい。50モル%未満であると、ポリアルキレンイミン鎖の親水性が充分とはならないおそれがある。より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは70モル%以上、特に好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上である。
なお、ジエチレントリアミンの平均重合数は2、トリエチレンテトラミンの平均重合数は3となる。
−(C3H6O2)r− (5)
(式中、rは、(C3H6O2)で表されるグリセリル基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。(C3H6O2)で表されるグリセリル基は、同一又は異なって、下記式:
上記不飽和ポリアルキレングリコール系単量体が、Y1として上記一般式(5)で表される構造を有することで、本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。
ここでいう「主体」とは、ポリアルキレングリコール鎖−(A2O)n−が2種以上のアルキレンオキシドにより構成されるときに、全アルキレンオキシドの存在数において、大半を占めるものであることを意味する。「大半を占める」ことを全アルキレンオキシド100モル%中のエチレンオキシドのモル%で表すと、50〜100モル%が好ましい。これにより、上記不飽和ポリアルキレングリコール系単量体がより高い親水性を有することとなる。より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは70モル%、特に好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上である。
この場合、炭素数3以上のオキシアルキレン基の含有割合は、ポリアルキレングリコール鎖を構成する全オキシアルキレン基(アルキレングリコール単位)100モル%に対し、1モル%以上であることが好ましく、より好ましくは3モル%以上、更に好ましくは5モル%以上、特に好ましくは7モル%以上である。また、炭素数3以上のオキシアルキレン基を導入しすぎると、得られる単量体やそれを用いてなる重合体の疎水性が高くなりすぎ、例えば、セメント粒子の分散性能をより充分に高めることができないおそれがあるため、50モル%以下であることが好ましく、より好ましくは30モル%以下、更に好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下である。
なお、上記オキシアルキレン基の平均付加モル数とは、上記不飽和ポリアルキレングリコール系単量体が有する分岐ポリアルキレングリコール鎖1モル中において付加しているアルキレンオキシドのモル数の平均値を意味する。
なお、上記R4が炭化水素基を表す場合、飽和アルキル基又は不飽和アルキル基であることが好ましく、また、直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよい。
不飽和ポリアルキレングリコール系単量体の重量平均分子量及び数平均分子量は、例えば、下記の条件の下、光散乱検出器付きのゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による絶対分子量として求めることができる。
使用カラム:東ソー社製、TSKguardcolumn α+TSKgel α−5000+TSKgel α−4000+TSKgel α−3000各1本づつ連結。
使用溶離液:リン酸二水素ナトリウム・2H2O:124.8g、リン酸水素二ナトリウム・12H2O:286.5gをイオン交換水:15588.7gに溶解させた溶液に、アセトニトリル:4000gを混合した溶液を用いる。
検出器:Viscotek社製トリプル検出器Model302
光散乱検出器:
直角光散乱:90°散乱角度、低角度光散乱:7°散乱角度、セル容量:18μL、波長:670nm
標準試料:東ソー社製ポリエチレングリコールSE−8(Mwl07000)を用い、そのdn/dCを0.135ml/g、使用溶離液の屈折率を1.333として装置定数を決定する。
打込み量:
標準試料:測定対象物の濃度が0.2vol%(体積%)になるように上記溶離液で溶解させた溶液を250μL注入、サンプル:測定対象物の濃度が1.0vol%になるように上記溶離液で溶解させた溶液を250μL注入
流速:0.8ml/min
カラム温度:40℃
上記製造方法は、更に必要に応じて、他の工程を1又は2以上含んでもよい。
なお、上記工程1に使用される原料(不飽和ポリアルキレングリコール化合物及び多価アルコール)は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
このような不飽和ポリアルキレングリコール化合物としては、例えば、ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
上記工程2に使用される原料(多価アルコール誘導体及びアルキレンオキシド)は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
工程1’:炭素数1〜30のアルコールのアルキレンオキシド付加物にエポキシアルコール及び/又は多価アルコールを反応させる工程。
工程2’:工程1’により得られる化合物にアルキレンオキシドを反応させる工程。
工程3’:工程2’により得られる化合物に下記一般式(7):
なお、各工程に使用される原料は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
なお、上記アルコール及びアルキレンオキシドの反応比は、アルキレンオキシドの平均付加モル数が1〜300となるように設定することが好適である。ここでいうアルキレンオキシドの平均付加モル数とは、炭素数1〜30のアルコールのアルキレンオキシド付加物中のポリアルキレングリコール鎖1モル中において付加しているアルキレンオキシドのモル数の平均値を意味する。上記アルキレンオキシドの平均付加モル数の下限値として好ましくは2以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは8以上、特に好ましくは10以上、最も好ましくは20以上である。また、上限値として好ましくは200以下、より好ましくは150以下、更に好ましくは100以下である。
なお、上記アルキレンオキシドとしては、上記工程2において使用されるものと同様の形態が好適である。
また上記エポキシアルコール及び/又は多価アルコールとしては、上記工程1において使用されるものと同様のものが好適である。
本発明のポリカルボン酸系共重合体(2)を得るための単量体成分において、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(2)とは、下記一般式(2):
なお、uは、0又は1であり、u=0の場合、上記一般式(2)中のX、すなわち−(A1O)t−で表されるポリアルキレングリコール鎖は存在しないことになるが、このような形態であっても、−Y2−(Z)m2で表される分岐ポリアルキレングリコール鎖含有基の数(分岐数:m2)が3以上であることで、早期強度発現性及び分散性を充分に発揮することができる。だが、これらの性能をより充分なものとするため、上記一般式(2)はXを有することが好適である。すなわちu=1であることが好適である。
なお、このような活性基を3個以上有する化合物の残基は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
なお、活性基を有する化合物残基の形態としては、鎖状、分岐状、三次元状に架橋された構造のいずれであってもよいが、分岐状であることが好適である。
上記多価アルコールにより、上記不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(2)の多価アルコール残基が形成されることになる。
上記多価アミンにより、上記不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(2)の多価アミン残基が形成されることになる。
上記多価イミンにより、上記不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(2)の多価イミン残基が形成されることになる。
なお、Y2が上記一般式(5)を表す場合、rは2以上であることが適当である。好ましい範囲は上述したとおりである。
本発明のポリカルボン酸系共重合体(3)を得るための単量体成分において、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(3)とは、下記一般式(3):
−(C3H6O2)r− (5)
rは、(C3H6O2)で表されるグリセリル基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。(C3H6O2)で表されるグリセリル基は、同一又は異なって、下記式:
また上記一般式(3)中のY3は、−(C3H6O2)r−を表し、(C3H6O2)で表されるグリセリル基は、上述した式で表される構造からなる。rの好ましい範囲は上述したとおりである。
本発明のポリカルボン酸系共重合体((1)〜(3)の各々)を得るための単量体成分において、不飽和カルボン酸系単量体とは、下記一般式(4):
本発明のポリカルボン酸系共重合体((1)〜(3)の各々)を得るための単量体成分はまた、必要に応じて更にその他の単量体を含んでいてもよい。その他の単量体は、上記不飽和ポリアルキレングリコール系単量体及び不飽和カルボン酸系単量体以外の単量体であって、かつ上記不飽和ポリアルキレングリコール系単量体及び/又は不飽和カルボン酸系単量体と共重合可能な単量体であれば特に限定されないが、例えば、下記の単量体等の1種又は2種以上を使用することができる。
次に、本発明のポリカルボン酸系共重合体((1)〜(3)の各々)を得る方法について、説明する。
上記ポリカルボン酸系共重合体を得る方法としては、重合開始剤を用いて、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体及び不飽和カルボン酸系単量体、並びに、必要に応じてその他の単量体を含む単量体成分を共重合させればよいが、ポリカルボン酸系共重合体を構成する各構成単位が上述した範囲内となるように、単量体成分に含まれる単量体の種類や使用量を適宜設定することが好ましい。すなわち、上記ポリカルボン酸系共重合体を構成する構成単位の割合が上述した好適な範囲となるように、単量体成分に含まれる単量体の種類や使用量を適宜設定することが好ましい。
また上記単量体成分は、更にその他の単量体を含んでもよいが、その割合は、全単量体成分100質量%中、50質量%以下であることが好適である。より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。すなわち、上記単量体成分において、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体と不飽和カルボン酸系単量体とが占める割合は、全単量体成分100質量%中、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。
なお、単量体成分の一部又は全部を反応器へ滴下する場合、反応途中で単量体の反応容器への投入速度を連続的又は段階的に変えて、各単量体の単位時間あたりの投入重量比を連続的又は段階的に変化させることにより、単量体比が異なる2種以上の共重合体を、重合反応中に同時に合成するようにしてもよい。
更に水−低級アルコール混合溶媒を用いる場合には、上述した種々のラジカル重合開始剤、又は、ラジカル重合開始剤と促進剤との組み合わせの中から適宜選択して用いることができる。
また重合時間は特に限定されないが、例えば、0.5〜10時間の範囲とすることが好ましい。重合時間がこの範囲より長すぎたり短すぎたりすると、重合率が充分とならなかったり、生産性を高めることができなかったりするおそれがある。より好ましくは0.5〜8時間、更に好ましくは1〜6時間の範囲である。
(2)溶媒を入れた容器内の気相部分を窒素等の不活性ガスで置換したまま、液相部分を長時間激しく攪拌する。
(3)容器内に入れた溶媒に、窒素等の不活性ガスを長時間バブリングする。
(4)溶媒を一旦沸騰させた後、窒素等の不活性ガス雰囲気下で冷却する。
(5)配管の途中に静止型混合機(スタティックミキサー)を設置し、溶媒を重合反応槽に移送する配管内で窒素等の不活性ガスを混合する。
本発明のポリカルボン酸系共重合体は、例えば、水に難溶性の無機物又は有機物の分散剤として良好な性能を発揮できるものである。具体的には、紙コーティングに用いられる重質又は軽質炭酸カルシウム、クレイ等の無機顔料の分散剤;セメント、石炭等の水スラリー用分散剤;等として良好な性能を発揮できる。その他にも、例えば、セメント混和剤;冷却水系、ボイラー水系、海水淡水化装置、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜でのスケール防止の水処理剤;スケール防止剤;染色助剤や繊維の帯電防止助剤等の繊維処理剤;接着剤;シーリング剤;各種重合体への柔軟性付与成分;洗剤ビルダー等にも好適に使用することができる。更に、シャンプー、リンス、ボディーソープ等の身体用洗剤、繊維加工、建材加工、塗料、窯業等の分野において幅広く応用することが可能である。中でも、セメント混和剤用途に用いることが好適であり、この場合、より低コストで、従来品と同等又はそれ以上のセメント分散性能を発揮しながら、早期強度発現性に特に優れるセメント混和剤を提供できる。なお、コンクリート2次製品(プレキャスト)用のセメント混和剤として特に有用である。このように、上記ポリカルボン酸系共重合体が分散剤用共重合体又はセメント混和剤用ポリカルボン酸系共重合体である形態は、本発明の好適な形態であり、また、上記ポリカルボン酸系共重合体を含む分散剤、及び、上記ポリカルボン酸系共重合体を含むセメント混和剤もまた、本発明に含まれる。
以下、代表的な分散剤として、セメント混和剤について説明する。
本発明のセメント混和剤は、上記ポリカルボン酸系共重合体を含むが、この場合、上記ポリカルボン酸系共重合体中の不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位及び不飽和ポリアルキレングリコール系単量体由来の構成単位による相互作用に起因して、高いセメント分散性能(減水性能)に加えて、早期強度発現性能、特に硬化初期(例えば、12〜24時間後)の強度発現性能にも優れるものとなる。
なお、上記セメント混和剤は、上記ポリカルボン酸系共重合体を2種以上含んでいてもよいし、上記ポリカルボン酸系共重合体と異なる他のポリカルボン酸系共重合体を1種以上含んでいてもよい。
なお、本明細書中、「セメント混和剤」とは、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物へ添加されるセメント添加剤のことをいい、上記ポリカルボン酸系共重合体のみからなる剤であってもよいし、また、上記ポリカルボン酸系共重合体だけでなく、必要に応じて更に他の成分や添加剤等を含む剤であってもよい。
上記他のセメント分散剤としては特に限定されず、例えば、分子中にスルホン酸基を有する各種スルホン酸系分散剤や、分子中にポリオキシアルキレン鎖とカルボキシル基とを有する各種ポリカルボン酸系分散剤等が挙げられる。
上記セメント添加剤(材)としては、例えば、水溶性高分子物質、高分子エマルジョン、遅延剤、早強剤・促進剤、消泡剤、AE(空気連行)剤、減水剤、AE減水剤、流動化剤、界面活性剤、防水剤、防錆剤、ひび割れ低減剤、膨張材、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、急結剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石膏等が挙げられる。
これらセメント分散剤やセメント添加剤(材)の配合割合は特に限定されないが、例えば、その合計量が、上記ポリカルボン酸系共重合体の固形分100質量%に対し、10質量%以下となるように設定することが好適である。
本発明のセメント組成物は、上記セメント混和剤、セメント及び水を含むが、セメントとしては、例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形);各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント);白色ポルトランドセメント;アルミナセメント;超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント);グラウト用セメント;油井セメント;低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント);超高強度セメント;セメント系固化材;エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等の他、これらに高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加したもの等が挙げられる。
上記セメント組成物はまた、必要に応じて骨材を含んでもよい。骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等の他、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材等が挙げられる。
(固形分測定方法)
1、アルミ皿を精秤する。
2、1で精秤したアルミ皿に固形分測定物を精秤する。
3、窒素雰囲気下130℃に調温した乾燥機に、2で精秤した固形分測定物を1時間入れる。
4、1時間後、乾燥機から取り出し、室温のデシケーター内で15分間放冷する。
5、15分後、デシケーターから取り出し、アルミ皿+測定物を精秤する。
6、5で得られた質量から1で得られたアルミ皿の質量を差し引き、2で得られた固定分の質量を除することで固形分を測定する。
なお、下記の製造例において、重量平均分子量の測定条件(GPC測定法)は、上述したとおりとした。
製造例1
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、メタリルアルコールのエチレンオキシド8モル付加物を145.2g、付加反応触媒として水酸化カリウム6.6gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で3時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして常圧下で95℃を保持したままグリシドール76.2gを反応器内に2時間かけて導入した。更に95℃で2時間保持し反応を完結させた。
得られた反応生成物(A−1)の重量平均分子量は860、数平均分子量710であった。
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、製造例1で得られた反応生成物(A−1)154.3g(水酸化カリウム4.5gを含む)を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして安全圧下で95℃を保持したままエチレンオキシド845.7gを反応器内に導入(滴下時間は362分)し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反応を終了した(熟成時間は60分)。
得られた反応生成物(A−2)の重量平均分子量は7400、数平均分子量4500であった。
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、製造例2で得られた反応生成物(A−2)475g(水酸化カリウム2.1gを含む)を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして安全圧下で95℃を保持したままエチレンオキシド402.1gを反応器内に導入(滴下時間は157分)し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反応を終了した(熟成時間は60分)。
得られた反応生成物(A−3)の重量平均分子量は13600、数平均分子量7700であった。
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、メタリルアルコールのエチレンオキシド20モル付加物を243.2g、付加反応触媒として水酸化カリウム8.9gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で3時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして常圧下で95℃を保持したままグリシドール56.8gを反応器内に2時間かけて導入した。更に95℃で2時間保持し反応を完結させた。
得られた反応生成物(A−4)の重量平均分子量は1500、数平均分子量1200であった。
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、製造例4で得られた反応生成物(A−4)174.6g(水酸化カリウム5.0gを含む)を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして安全圧下で95℃を保持したままエチレンオキシド525.4gを反応器内に導入(滴下時間は238分)し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反応を終了した(熟成時間は60分)。
得られた反応生成物(A−5)の重量平均分子量は9100、数平均分子量4800であった。
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、製造例5で得られた反応生成物(A−5)523.2g(水酸化カリウム3.8gを含む)を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして安全圧下で95℃を保持したままエチレンオキシド376.8gを反応器内に導入(滴下時間は192分)し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反応を終了した(熟成時間は60分)。
得られた反応生成物(A−6)の重量平均分子量は16300、数平均分子量8100であった。
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、メタリルアルコールのエチレンオキシド50モル付加物を371.8g、付加反応触媒として水酸化カリウム8.0gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で3時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして常圧下で95℃を保持したままグリシドール36.4gを反応器内に2時間かけて導入した。更に95℃で2時間保持し反応を完結させた。
得られた反応生成物(A−7)の重量平均分子量は3200、数平均分子量2900であった。
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、製造例7で得られた反応生成物(A−7)209.0g(水酸化カリウム4.0gを含む)を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして安全圧下で95℃を保持したままエチレンオキシド591.0gを反応器内に導入(滴下時間は191分)し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反応を終了した(熟成時間は60分)。
得られた反応生成物(A−8)の重量平均分子量は16400、数平均分子量9800であった。
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、メタリルアルコールのエチレンオキシド50モル付加物を261.7g、付加反応触媒として水酸化カリウム5.0gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で3時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして常圧下で95℃を保持したままグリシドール59.7gを反応器内に4時間かけて導入した。更に95℃で2時間保持し反応を完結させた。
得られた反応生成物(A−9)の重量平均分子量は3500、数平均分子量3200であった。
温度計、攪拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、製造例9で得られた反応生成物(A−9)140.2g(水酸化カリウム2.2gを含む)を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換した後105℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を10Torrに減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間脱水を行った。脱水終了後、窒素雰囲気下で95℃まで降温した。そして安全圧下で95℃を保持したままエチレンオキシド709.8gを反応器内に導入(滴下時間は344分)し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反応を終了した(熟成時間は60分)。
得られた反応生成物(A−10)の重量平均分子量は31700、数平均分子量13700であった。
製造例11
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水285.3g、製造例3で得られた反応生成物(A−3)280.7g、アクリル酸3.9g、酢酸0.72gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水116.0gにアクリル酸14.7gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水149.5gに3−メルカプトプロピオン酸0.48gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水145.3gに過硫酸アンモニウム3.5gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が110000、Mw/Mnが3.65の共重合体(1)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水286.2g、製造例6で得られた反応生成物(A−6)281.9g、アクリル酸3.6g、酢酸0.75gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水124.0gにアクリル酸13.7gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水149.1gに3−メルカプトプロピオン酸0.91gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水136.5gに過硫酸アンモニウム3.3gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が90000、Mw/Mnが3.19の共重合体(2)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水288.8g、製造例8で得られた反応生成物(A−8)284.3g、アクリル酸3.1g、酢酸1.42gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水119.5gにアクリル酸11.2gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水149.4gに3−メルカプトプロピオン酸0.61gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水138.8gに過硫酸アンモニウム2.8gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が125000、Mw/Mnが3.87の共重合体(3)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水284.4g、製造例8で得られた反応生成物(A−8)278.7g、アクリル酸4.3g、酢酸1.40gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水117.5gにアクリル酸15.6gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水149.1gに3−メルカプトプロピオン酸0.86gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水144.4gに過硫酸アンモニウム3.7gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が174000、Mw/Mnが4.76の共重合体(4)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水166.2g、製造例10で得られた反応生成物(A−10)383.5g、アクリル酸3.3g、酢酸1.09gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水134.9gにアクリル酸12.1gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水149.3gに3−メルカプトプロピオン酸0.67gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水146.0gに過硫酸アンモニウム2.9gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が105000、Mw/Mnが3.32の共重合体(5)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水166.2g、製造例10で得られた反応生成物(A−10)383.5g、アクリル酸3.3g、酢酸1.09gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水134.6gにアクリル酸12.1gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水148.7gに3−メルカプトプロピオン酸1.34gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水146.0gに過硫酸アンモニウム2.9gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が82000、Mw/Mnが2.97の共重合体(6)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水163.3g、製造例10で得られた反応生成物(A−10)374.9g、アクリル酸5.0g、酢酸1.07gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水137.6gにアクリル酸19.0gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水148.0gに3−メルカプトプロピオン酸1.97gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水144.9gに過硫酸アンモニウム4.2gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が90000、Mw/Mnが3.37の共重合体(7)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水167.7g、製造例10で得られた反応生成物(A−10)387.9g、アクリル酸2.4g、酢酸1.10gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水136.5gにアクリル酸8.6gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水149.8gに3−メルカプトプロピオン酸0.20gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水143.6gに過硫酸アンモニウム2.2gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が100000、Mw/Mnが3.17の共重合体(8)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水286.8g、メタリルアルコールのエチレンオキシド200モル付加物(MAL200とも称す)283.1g、アクリル酸3.4g、酢酸0.21gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水123.3gにアクリル酸13.3gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水148.4gに3−メルカプトプロピオン酸1.55gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水137.0gに過硫酸アンモニウム3.0gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が82000、Mw/Mnが2.18の共重合体(9)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水282.6g、メタリルアルコールのエチレンオキシド150モル付加物(MAL150とも称す)278.0g、アクリル酸4.4g、酢酸0.21gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水119.0gにアクリル酸17.4gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水148.2gに3−メルカプトプロピオン酸1.84gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水144.5gに過硫酸アンモニウム4.0gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が87000、Mw/Mnが2.47の共重合体(10)の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水278.4g、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド50モル付加物(IPN50とも称す)272.8g、アクリル酸5.4g、酢酸0.21gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持した状態で、イオン交換水129.8gにアクリル酸21.6gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水148.7gに3−メルカプトプロピオン酸1.27gを溶解させた水溶液を3時間で、イオン交換水136.1gに過硫酸アンモニウム5.7gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で、水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を用いてpH6.0になるよう調整し、重量平均分子量が103000、Mw/Mnが4.69の共重合体(11)の水溶液を得た。
製造例及び比較製造例で得た共重合体(1)〜(11)の各々を下記に示す配合で混合し、セメント分散剤としてモルタルフロー値及びモルタル圧縮強度を評価した。結果を表3に示す。
<モルタル評価方法>
モルタル試験は、温度が20℃±1℃、相対湿度が60%±10%の環境下で行った。
モルタル配合は、C/S/W=600/1350/210(g)とした。ただし、
C:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
S:セメント強さ試験用標準砂(セメント協会製)
W:重合体(共重合体)、及び、消泡剤のイオン交換水溶液
Wとして、表3に示した添加量の重合体水溶液を量り採り、消泡剤MA−404(ポゾリス物産製)を有姿で重合体固形分に対して15質量%加え、更にイオン交換水を加えて所定量とし、充分に均一溶解させた。表3において重合体の添加量は、セメント質量に対する重合体固形分の質量%で表されている。
ホバート型モルタルミキサー(型番N−50;ホバート社製)にステンレス製ビーター(撹拌羽根)を取り付け、C、Wを投入し、1速で30秒間混練した。更に1速で混練しながら、Sを30秒かけて投入した。S投入終了後、2連で30秒間混練した後、ミキサーを停止し、15秒間モルタルの掻き落としを行い、その後、75秒間静置した。75秒間静置後、更に60秒間2速で混練を行い、モルタルを調製した。
上記方法により調製したモルタルを、水平なテーブルに置いた円筒形型枠(直径5cm、高さ10cm)に型枠容量の3分の1まで詰め、突き棒を使って20回突いた後、型枠容器に振動を加え、粗い気泡を抜いた。更に型枠のすりきりいっぱいまでモルタルを詰め、突き棒を使って20回突いた後、型枠容器に振動を加えた。乾燥を防ぐため、上面をPETフィルムで覆い、室温20℃の環境にて12時間及び24時間養生を行ったもの、恒温恒湿器に60℃の環境にて3時間及び4時間養生を行ったものを供試体とした。
上記方法により作製した供試体を用いて、コンクリート試験の圧縮強度測定方法(JIS A1108;2006年)に準じて圧縮強度を測定した。供試体の圧縮強度の測定結果を表3に示す。
Claims (7)
- 下記一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体と、下記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸系単量体とを含む単量体成分を重合して得られることを特徴とするポリカルボン酸系共重合体。
- 下記一般式(2)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体と、下記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸系単量体とを含む単量体成分を重合して得られることを特徴とするポリカルボン酸系共重合体。
- 下記一般式(3)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体と、下記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸系単量体とを含む単量体成分を重合して得られることを特徴とするポリカルボン酸系共重合体。
−(C3H6O2)r− (5)
rは、(C3H6O2)で表されるグリセリル基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。(C3H6O2)で表されるグリセリル基は、同一又は異なって、下記式:
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリカルボン酸系共重合体を含むことを特徴とする分散剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリカルボン酸系共重合体を含むことを特徴とするセメント混和剤。
- 請求項6に記載のセメント混和剤、セメント及び水を含むことを特徴とするセメント組成物。
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