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JP5929244B2 - 厚みすべり振動型水晶片、電極付きの厚みすべり振動型水晶片、水晶振動板、水晶振動子および水晶発振器 - Google Patents

厚みすべり振動型水晶片、電極付きの厚みすべり振動型水晶片、水晶振動板、水晶振動子および水晶発振器 Download PDF

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Description

本発明は、厚みすべり振動型水晶片に関わり、より詳細には、水晶基板にエッチングで矩形状に形成された水晶片部を有し、その水晶片部の圧電作用による振動モードが厚みすべり振動モードである厚みすべり振動型水晶片に関するものである。
本発明はまた、厚みすべり振動型水晶片の関連技術として、その水晶片を用いた電極付きの厚みすべり振動型水晶片、水晶振動板、水晶振動子および水晶発振器に関するものである。
本発明では、特に、エッチングの過剰浸食の防止と水晶基板からの水晶片部の分離容易性確保との両立を図り、もって分離で得られる矩形の水晶振動板の形状精度を良好化して振動特性を向上させるための技術に関するものである。
厚みすべり振動モードとは、水晶振動板の厚み方向での表裏両面が互いに逆方向にすべるように振動するモードのことであり、高周波振動子に利用される。このモードの水晶振動板では、その振動周波数は水晶振動板の厚みに逆比例する。厚みすべり振動モードはATカット水晶振動板で代表されるが、SCカット水晶振動板も該当する。
厚みすべり振動モードの水晶振動板の代表例であるATカット水晶振動板を説明する。水晶にはX軸(電気軸)、Y軸(機械軸)、Z軸(光学軸)の結晶軸がある。主面がY軸と直交するようにカットするのがYカットである。そのYカットのカット面を基準にしてX軸まわりに一定角度回転したカット面でカットするのがATカットである。その一定角度の回転の回転方向はY軸をZ軸に近づける方向であり、回転角度θは一般に35°15′とされている。なお、これは右水晶の場合であって、左水晶の場合はZ軸をY軸に近づける方向に回転させる。ATカットの様子を図15を用いて説明する。
図15(a)において、細い線で描いたのがYカットである。このYカットの水晶振動板は直方体(3組ある平行2面が互いに垂直をなす)であり、その主面は長方形となっている。このYカットの水晶振動板の結晶軸がX軸、Y軸、Z軸であり、主面はY軸に直交している。このYカットの水晶振動板は温度変化に対する周波数変化が比較的大きい。そこで、常温付近での温度変化に対する周波数変化を少なくするためにATカットの水晶振動板が採用されるに至った。
図15(a)において太い線で描いたのがATカットである。このATカットは、Yカットのカット面を基準にしてX軸まわりにZ軸をY軸に近づける方向で一定角度θ(=35°15′)だけ回転したカット面でカットするものである。
このATカットの3次元の軸は、元のX軸と回転後のY′軸および回転後のZ′軸となる。このATカットの水晶振動板も直方体であり、その主面はY′軸に直交している。「矩形」は、長方形と正方形を包括する直角四辺形を意味するが、長方形のATカット水晶振動板の場合、通常、X軸方向が長辺方向、Z′軸方向が短辺方向となる。ATカット水晶振動板は、振動周波数の温度特性が非常に安定しており、広く使用されている。
ところで、ATカット水晶振動板は近年超小型化が進むとともに大量生産のため、旧来のダイシング方式に代えてフォトリソグラフィ技術とウェットエッチングとを用いて生産されるようになってきている。フォトリソグラフィ技術とウェットエッチングで生産する場合に課題となるのが、エッチングの過剰浸食(オーバーエッチング)である。
ATカット水晶振動板やSCカット水晶振動板にあっては、エッチングの異方性があるために、エッチング速度がX軸方向、Y′軸方向、Z′軸方向で相違する。
Z′軸方向のエッチング速度が最も大きく、次いで+X軸方向のエッチング速度、−X軸方向のエッチング速度、Y軸方向のエッチング速度の順となる。ここで+X軸方向のエッチング速度とは、+Xの方から−Xの方へ向かう方向でのエッチング速度である。
エッチングの過剰浸食の結果、ATカット水晶振動板の外形は図15(b)のようになる。X軸のプラス側かつY′軸のマイナス側かつZ′軸のプラス側の頂点HおよびX軸のプラス側かつY′軸のプラス側かつZ′軸のマイナス側の頂点Jで大きなテーパー状のエッチングの過剰浸食S1,S2が発生する。第1の主面でのエッチングの過剰浸食S1は稜線HNに沿って細長い三角形状を呈し、第2の主面でのエッチングの過剰浸食S2は稜線JUに沿って細長い三角形状を呈している。また、小さいが、X軸のマイナス側かつY′軸のマイナス側かつZ′軸のプラス側の頂点NおよびX軸のマイナス側かつY′軸のプラス側かつZ′軸のマイナス側の頂点Uでもエッチングの過剰浸食S3,S4が発生する。
これらのエッチングの過剰浸食が生じると、水晶振動板の外形形状が悪化し、振動領域が小さくなって振動特性の劣化を招来する。
厚みすべり振動モードの水晶振動板は、その周波数が厚さによって決定される(厚さと周波数は反比例する)が、表裏主面において過剰浸食が占める割合が相対的に大きくなると、厚さが不足して振動特性に悪影響を与える。小型化が進むほど影響は大きい。また、高周波になるに従い、単位厚さあたりの周波数偏差が大きくなる。よって、矩形の水晶片部の角部におけるエッチングの過剰浸食は、その発生をできるだけ抑制することが重要となる。
特開2010−4484号公報 特開2007−142526号公報 特開2008−92505号公報 特開2010−178320号公報 特開2011−19213号公報 特開2011−139532号公報
厚みすべり水晶振動板(特にATカットの水晶振動板)をフォトリソグラフィ技術とウェットエッチングを用いて作製するに際して避けがたいのが、上記したエッチングの過剰浸食に起因する振動特性の劣化の問題である。
ウェットエッチングで作製されるATカット水晶振動板では、特に、X軸プラス側に大きく発現するテーパー状のエッチングの過剰浸食のために振動特性が設計値から大きくずれてしまう。
また、超小型化に際してはチップ体積の大幅な欠如が伴い、ハンドリング上の困難性を招来する。
これまで、このような問題の解決のために様々な提案がなされ続けているが、本発明もその一環としての位置づけにある。
図16(a),(b)はウェハ本体の支持枠部に対する水晶片部の片持ち状の支持のさせ方の2方式を示す。
図16(a)では+X方向が下向きとなっており、図16(b)では+X方向が上向きとなっている。図16(a)は水晶片部1のX軸マイナス側の短辺部1aの中央部をウェハ本体の支持枠部2に対して分離用連結部3を介して片持ち状に支持させた方式を示し、図16(b)は水晶片部1のX軸プラス側の短辺部1bの中央部をウェハ本体の支持枠部2に対して分離用連結部3を介して片持ち状に支持させた方式を示す。
図16(a)では水晶片部1の長辺方向での両端部のうち分離用連結部3から遠い方の自由端側(X軸プラス側)において大きなエッチングの過剰浸食S1,S2が生じている。
一方、図16(b)では水晶片部1の長辺方向での両端部のうち分離用連結部3に近い方の固定端側(X軸プラス側)において大きなエッチングの過剰浸食S1,S2が生じている。
特許文献1(特開2010−4484号公報)によれば、図16(a)は旧方式で、図16(b)は新方式とされている。厚みすべり水晶振動板の技術分野における一般常識として、X軸プラス側に励振電極を形成して(X軸マイナス側に引出電極が形成される)、水晶片部のX軸プラス側を振動領域として利用すれば、水晶振動板の特性を最も良好に発揮させることができるとされている。
図16(a)の水晶片部1では、X軸プラス側に励振電極を形成し、X軸マイナス側に引出電極を形成することを予定している。ところが、ウェットエッチングでは水晶に対するエッチングの異方性があり、X軸マイナス側からX軸プラス側に向かうエッチング速度よりもX軸プラス側からX軸マイナス側に向かうエッチング速度の方が大きい。そのため、X軸プラス側の角部にエッチングが速く進行するいわゆるエッチングの過剰浸食が起こり、浸食部が形成される。水晶片部の外形形状の変化は周波数の温度特性に影響を与えるが、励振電極側の水晶片部の角部に浸食部が形成されると、予定している周波数の温度特性が得られなくなる。
水晶片部が小さくなればなるほど、浸食部が水晶片部上で占める割合は相対的に大きくなり、浸食部による影響も大きくなる。さらに水晶片部が歪な形状になっていると、水晶振動板をハンドリングしてパッケージのベースに搭載するまでに傷等が発生しやすく、そのために不良品となるおそれが大きい。
そこで、特許文献1に開示の技術においては、図16(b)に示す対策を採っている。すなわち、X軸プラス側の短辺部1bが分離用連結部3によって支持枠部2に支持される形態とする。ここでは、水晶片部の中央部分に励振電極を形成し、X軸プラス側に引出電極を形成することを予定している。支持枠部2、分離用連結部3に近い側に引出電極を形成し、支持枠部2、分離用連結部3から遠い自由端側に励振電極を形成するのは、図16(a)と(b)とで共通ではある。
図16(b)の場合、エッチングの過剰浸食が生じるのはX軸プラス側で、それは支持枠部2、分離用連結部3に近い側である。その過剰浸食が生じる領域は引出電極を形成する領域である。一方、支持枠部2、分離用連結部3から遠い自由端側では浸食は少なく、その領域に励振電極が形成される。すなわち、水晶片部の振動領域は浸食の少ない領域であり、結果的に周波数の温度特性に与える悪影響は充分に抑制されることになる。このことから、特許文献1の技術では、ウェットエッチングにより水晶片部の外形形成を行う場合に水晶振動板の良好な特性を得ることができるとしている。
特許文献2(特開2007−142526号公報)に開示の技術においては、水晶片部のX軸プラス側の端部両端が水晶基板(ウェハ本体)に分離用連結部(支持部)を介して片持ち状態に一体に連結されている。その分離用連結部は、その外側面が水晶基板の外側面と面一に連続する状態に形成されている。この両外側面の面一連続形態があるためにエッチングの過剰浸食が生じる切っ掛け(トリガー)がなく、エッチング異方性があるにもかかわらず、エッチングの過剰浸食は生じないとされている。また、分離用連結部にZ′軸方向で外向きに溝が形成され、ウェハ本体からの水晶片部の分離が容易であるとされている。特許文献6(特開2011−139532)でも同様である。
特許文献3(特開2008−92505号公報)では、水晶片部のZ′軸方向両端にある一対の分離用連結部の外側面がそれぞれ水晶片部の側面に沿って連続して形成されている。
特許文献4(特開2010−178320号公報)では、水晶振動板のX軸プラス側の基端部でZ′軸方向の両端において枠部との連結のために一体的に形成された一対の分離用連結部において分離の切っ掛けとする溝が形成されている。一方の分離用連結部での溝と他方の分離用連結部での溝とは表裏方向(Y′方向)で互いに逆の面に配されている。つまり、一方はY′軸のプラス側の主面のZ′軸のプラス側であり、他方はY′軸のマイナス側の主面のZ′軸のマイナス側である。
特許文献5(特開2011−19213号公報)では、分離用連結部とは別に、X軸プラス側の基端部でZ′軸方向の両端部に+X方向に延出する突出部を水晶片部と枠部との間に架渡すようなマスクを用いてエッチングするようにしている。突出部はエッチング後には枠部から離れている。
以上のように、上記の問題の解決のために、これまで様々な提案がなされ続けているが、エッチングの過剰浸食の防止と水晶基板からの水晶片部の分離容易性確保との両立に関し、充分に満足できるものはいまだ開発がなされていないのが実情である。
本発明はこのような事情に鑑みて創作したものであり、冒頭で述べた通り、エッチングの過剰浸食の防止と水晶基板からの水晶片部の分離容易性確保との両立を図り、もって分離で得られる水晶振動板の形状精度を良好化して振動特性を向上させることを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明は次の手段を講じる。
(1)本発明は、水晶基板に対するウェットエッチングによって矩形状の水晶片部が支持枠部に一体に連なった形態となる厚みすべり振動型水晶片を対象とする。ここで「矩形」は、長方形と正方形を包括する直角四辺形を意味する。
厚みすべり振動型水晶片における振動モードは、水晶片部の厚み方向での表裏両主面が面方向に沿って互いに逆方向にすべるように振動する振動モードとなる。厚みすべり振動型水晶片は、その水晶結晶に対するカット型として、ATカットとSCカットとを含んでいる。ATカットは、主面がY軸と直交するようにカットするYカットのカット面を基準にして、X軸まわりに一定角度回転したカット面でカットするものである。SCカットは、水晶のY軸に直交する面をX軸まわりに一定角度回転し、さらにZ軸を中心にして一定角度回転したカット面でカットするものである。
本発明の特徴は、上記水晶片を前提にして、前記分離用連結部を次のように構成した点にある。
ここで、矩形状の水晶片部の仮想角部を定義する。
ウェットエッチングの際には、その仮想角部は実際には角部としては現れてはおらず、水晶片部と分離用連結部との連なり領域に埋没している。
分離用連結部において、水晶片部を支持枠部から分離して(より詳しくは分離用連結部から分離して)矩形の水晶片部を取り出すと、その矩形の水晶片部において角部が生じることとなる。この分離で生じることとなる角部に対応する部位のことを、ウェットエッチングの完了前の段階で仮想角部と称している。
本発明にあっては、分離用連結部の配置箇所について、水晶片部のX軸プラス側の基端部でのZ′軸方向(横方向)の少なくとも1つの仮想角部およびその近傍を当てている。ここでZ′軸方向は、前述のカットの際に主面のZ軸から傾斜した軸のことである。
さらに、少なくとも1つの分離用連結部では、実質的に直角をなして水晶片部の仮想角部を2方向から覆うような形態を採っている。水晶基板に対するウェットエッチングを行って複数の矩形状の水晶片部、支持枠部および分離用連結部の外形を形成する際に、上記の条件を満たすようなマスクパターンを形成するのである。
より詳しくは、次のようである。
水晶片部のZ′軸方向端部の外側面を仮想角部に延長した面を仮想側面とし、水晶片部のX軸プラス側の基端面を仮想角部に延長した面を仮想基端面とする。仮想側面と仮想基端面とは仮想角部において直角に交わる。矩形状の水晶片部を分離用連結部において支持枠部から分離して矩形の水晶片部を作成する際に、仮想側面とこれに直角をなして連なる仮想基端面とを境界面として分離することを予定している。そして、少なくとも1つの分離用連結部は、仮想側面とこれに直角をなして連なる仮想基端面とを外方から覆いつつ、水晶片部に対し一体に連結される形態を採っている。
図1を用いて説明する。図1は本発明の水晶片の基本的構成の理解に役立てるための概念図である。矩形状の水晶片部1の外側面AをX軸プラス側(分離用連結部3の側)に延長した面が仮想側面K1(薄い色のハッチング領域参照)である。
また、水晶片部1の基端面EをZ軸方向に沿って分離用連結部3側へ延長した面が仮想基端面K2(薄い色のハッチング領域参照)である。
これら仮想側面K1と仮想基端面K2とが交わる交線が水晶片部1の表裏の主面と交差する点が仮想角部Q1,Q2である。
矩形状の水晶片部1を分離用連結部3において支持枠部2から分離して矩形の水晶片部を作成する際に、仮想側面K1と仮想基端面K2とを境界面として分離することが予定されている。
分離用連結部3は、水晶片部1における仮想側面K1とこれに直角をなして連なる仮想基端面K2とを外方から覆いつつ、水晶片部1および支持枠部2に対し一体に連結される形態となっている。
図示の通り、仮想側面K1およびこれに直角をなして連なる仮想基端面K2は、水晶片部1と分離用連結部3との連なり領域に埋没しており、外部には露出していない。
なお、図1の構成は本発明の技術的特徴を概念的に理解する上で役立てるものであって、もちろん本発明の要旨そのものは、この図示構成によって格別の制約を受けるものではない。
上記構成の水晶片にあって、ウェットエッチングの際のエッチングマスクについて、水晶片部、支持枠部および分離用連結部が本発明の上記のような形態でエッチングされるようにマスキングし、その上でウェットエッチングを行う。水晶片部のX軸プラス側の基端部の仮想角部は分離用連結部が直角をなして2方向から覆うような状態になっていて、仮想角部自体にはエッチング液は作用しない。
図1を参照して説明すると、水晶片部1と分離用連結部3との連なり領域に内在している仮想角部Q1,Q2の近傍では、水晶片部1の外側面Aとこれに直角をなして連なる分離用連結部3の縦方向側面Bとの境界に着目すると、この境界は凹の稜線R1となっており、この凹の稜線R1は仮想側面K1に臨んでいる。
この凹の稜線R1に臨む水晶片部1と分離用連結部3とを含む水晶基板の実体部では、尖った角部(3次元方向で互いに直角をなす頂点)が存在しない。その実体部の主面上での展開範囲は3直角(270°)相当で大きいものとなっており、エッチングの過剰浸食のトリガーが形成されない。
ところで、凹の稜線R1から離れた分離用連結部3の部分には凸の角部P3,P4があり、ここではエッチングの過剰浸食のトリガーが形成される可能性がある。しかし、その場所は仮想側面K1や仮想基端面K2から離れていて、これらの面には臨んでいない。そのため、凸の角部P3,P4でエッチングの過剰浸食が生じても問題とはならない。
分離用連結部3の内側方では、基端面Eとこれに直角をなして連なる横方向側面Fとの境界が凹の稜線R2であり、この凹の稜線R2は仮想基端面K2に臨んでいる。この凹の稜線R2に臨む水晶片部1と分離用連結部3とを含む水晶基板の実体部でも、尖った角部(3次元方向で互いに直角をなす頂点)が存在しない。その実体部の主面上での展開範囲は3直角(270°)相当で大きく、エッチングの過剰浸食のトリガーが形成されない。
以上をまとめると、本発明による厚みすべり振動型水晶片の構成は、水晶基板にエッチングで形成された矩形状の水晶片部と、前記水晶片部を支持する支持枠部と、前記水晶片部を前記支持枠部に連結する分離用連結部とを有し、前記水晶片部は、厚みすべり振動モードで駆動されるものであり、前記分離用連結部は、水晶結晶軸のX軸(電気軸)プラス側の前記水晶片部の基端部であって前記水晶結晶軸のZ軸(光学軸)から傾斜した軸であるZ′軸方向の少なくとも1つの角部において配置され、かつ、当該分離用連結部では、前記水晶片部のZ′軸方向端部の外側面をX軸方向に仮想的に延長した仮想側面および前記水晶片部のX軸プラス側の基端面をZ′軸方向に仮想的に延長した仮想基端面を連続して外方から覆う形態に構成されていることを特徴としている。
本発明の上記構成による作用は次のとおりである。
矩形状の水晶片部の仮想角部およびその近傍を直角をなす2方向から覆うような形態の分離用連結部をもって水晶片部を支持枠部に対し一体に連結してある本発明の厚みすべり振動型水晶片にあっては、分離用連結部において水晶片部を支持枠部から分離して作製することとなる矩形の水晶片部において、そのX軸プラス側の角部にエッチングの過剰浸食による形状欠損がなく、形状精度に優れた矩形の水晶片部を得ることができる。
加えて、水晶片部の外側面と分離用連結部の縦方向側面とが凹の稜線(R1)をなすように直角に交わり、かつ、水晶片部の基端面と分離用連結部の横方向側面とが凹の稜線(R2)をなすように直角に交わっている。この構成は、矩形の水晶片部の作製のために、分離用連結部において水晶片部を支持枠部から分離する際に、水晶片部の仮想角部を予定通りに高精度に直角に分離する機縁となる。すなわち、高い形状精度をもてる状態での水晶片部の支持枠部からの分離を容易化し、形状精度が良い矩形の水晶片部が得られることになる。
すなわち、本発明によれば、X軸プラス側でのエッチングの過剰浸食の防止と水晶片部の分離容易性の確保とが相まって、分離で得られることとなる矩形の水晶片部の形状精度を良好化し、その振動特性を向上させることが可能となる。
上記の発明を次のように展開することが可能である。
上記のとおり、本発明が特徴とする分離用連結部は水晶片部の仮想側面および仮想基端面を連続して外方から覆うものであるが、このような分離用連結部を矩形状の水晶片部の1つの仮想角部にのみ配置するのみならず、Z′軸方向での両端の角部にそれぞれに配置する態様があり、この両端配置の分離用連結部を有する水晶片が典型的なものとされる。水晶片部の仮想側面および仮想基端面を連続して外方から覆う形態の分離用連結部をZ′軸方向両端角部に一対設ける場合は、一端のみに設ける場合に比べて、分離の形状精度が格段によくなる。また、支持枠部に対する水晶片部の支持の安定性を確保し、水晶片をハンドリングする際の振動や衝撃による水晶片部の不測の脱落を防止する上で有効である。
前記の分離用連結部の水晶片部に対する連結の長さについては、次のような態様がある。図1を参照して説明すると、前述の仮想的に延長した仮想側面K1での連結長さL1(P1−Q1長さ)が仮想的に延長した仮想基端面K2での連結長さL2(Q1−P5長さ)よりも短く構成されている(L1<L2)という態様がある。
この態様は、分離用連結部における支持枠部からの水晶片部の分離について、その分離容易性を重要視する場合に有効に作用する。この場合、仮想側面K1での連結長さL1が仮想基端面K2での連結長さL2と同じ(L1=L2)か、それよりもよりも長く構成されている(L1>L2)場合に比べて、分離で得られる矩形の水晶片部の形状精度や分離面の平坦性精度がより高精度なものとなる。
あるいは、上記とは逆に、仮想的に延長した仮想側面K1での連結長さL1が仮想的に延長した仮想基端面K2での連結長さL2と同じかそれよりも長く構成されているという態様がある。
この態様は、分離用連結部を介しての支持枠部による水晶片部の支持の強度を重要視する場合に有効に作用する。特に、水晶片をハンドリングする際の振動や衝撃による矩形状の水晶片部の不測の脱落を防止する上で有効である。なお、このことは、水晶片部のX軸方向長さがZ′軸方向長さよりも長い長方形状の水晶片部の場合に特に有効となる。なぜなら、より長い方の辺部を連結長さがより長い部分の方で支持するのが合理的であるからである。
また、分離用連結部の厚みについて、水晶片部および支持枠部の厚みよりも薄く構成された態様がある。これには、分離用連結部の裏面側を凹所とし、表面側は水晶片部の表面側主面と面一にする形態、あるいは、逆に、分離用連結部の表面側を凹所とし、裏面側は水晶片部の裏面側主面と面一にする形態、さらには、分離用連結部の表裏両面をともに凹所する形態がある。
分離用連結部の厚みを水晶片部および支持枠部の厚みより薄くすることにより、分離用連結部での水晶片部の支持枠部からの分離をより容易化し、矩形の水晶片部の形状精度をより高精度化する上で有利に作用する。
また、分離用連結部において支持枠部から水晶片部を分離する際に角部の直角精度を確保すべく、水晶片部と分離用連結部との一体の連結領域において、分離をしやすくするための分離支援部を形成する態様がある。
この分離支援部は、分離の際の印加力に対する抗力(抵抗性)を減じる作用を有するものである。前記の連結領域は、図1を参照して説明すると、仮想側面K1から仮想基端面K2へかけて連なる直角状の分離予定面の近傍領域である。
この分離支援部には種々の形態がある。
前記の水晶片部と分離用連結部との一体の連結領域に沿って直角状に連続する状態で形成された凹溝としてもよいし、あるいはその連結領域において間隔を開けて形成された複数の凹所としてもよい。開ける間隔は等間隔でもよいし不等間隔でもよい。水晶片部の主面に対する分離支援部の配置位置については、分離用連結部の表裏両面に形成するのでもよいし、表面側のみに形成するのでもよいし、あるいは裏面側にのみ形成する形態もある。さらには、前記の連結領域において間隔を開けて形成された複数の貫通孔をもって分離支援部を構成する形態もある。
さらに、分離支援部に関しての強度分布について、前記の連結領域でX軸方向からZ′軸方向に向きを変える水晶片部の仮想角部において強度を最も高くし、仮想角部から離れるに従って強度を次第に低くする態様がある。このように構成すれば、分離用連結部での水晶片部の支持枠部からの分離をより容易化し、矩形の水晶片部の形状精度をより高精度化する上で有利に作用する。
さらには、水晶片部のX軸マイナス側の端部においても別の分離用連結部を介して水晶片部を支持枠部に一体に連結するという態様もあり得る。これは、ハンドリング時の脱落防止の強化に好適である。
(2)本発明はまた、前記の厚みすべり振動型水晶片をさらに技術的に展開した態様の電極付きの厚みすべり振動型水晶片も技術対象とする。その本発明による電極付きの厚みすべり振動型水晶片は、上述したいずれかの構成の厚みすべり振動型水晶片において、水晶片部の表裏両面の中央部分に対向して形成された励振電極と、表裏の励振電極に電気的に接続される状態で水晶片部の表裏両面でX軸プラス側端縁部に形成された引出電極とを備えた構成となっている。
この電極付きの厚みすべり振動型水晶片にあっては、X軸プラス側でのエッチングの過剰浸食の防止と水晶片部の分離容易性の確保とが相まって、分離で得られることとなる水晶振動板の形状精度を良好化し、その振動特性を向上させるという特質をもつ。したがって、本発明による電極付きの厚みすべり振動型水晶片は形状精度に優れ、高品位な振動特性を発揮する。
また、電極付きの厚みすべり振動型水晶片の別の態様として、水晶片部の表裏両面の中央部分に対向して形成された励振電極と、表裏の励振電極に電気的に接続される状態で水晶片部の表裏両面でZ′軸方向端部の外側面端縁部に形成された引出電極とを備えているという態様もある。この態様の場合、一対の引出電極の間隔をより広くとることが可能となる。水晶片部の形状である矩形は、その長辺がX軸方向に沿う長方形であることが多い。この長方形の水晶片部の外側面は基端面(短辺沿い)よりも長く、引出電極の配置に関してより大きいゆとりがある。したがって、上記のとおり、水晶片部の外側面に一対の引出電極を配置する構成は、両引出電極の間隔を広くとることを可能となし、その結果として、各引出電極に塗布する導電接合材の干渉(短絡など)を抑制することができる。
なお、本発明は、水晶片部の矩形につき、長辺がX軸方向に沿う長方形の場合のほか、長辺がZ′軸方向に沿う長方形の場合や、さらには直角2辺が等長の正方形の場合も含むものである。
(3)本発明はまた、水晶振動板も技術対象とする。本発明による水晶振動板は、上記した構成の電極付きの厚みすべり振動型水晶片における水晶片部が分離用連結部の箇所で支持枠部から分離されたものである。本発明による水晶振動板は、形状精度に優れ、高品位な振動特性を発揮する。
(4)本発明はまた、水晶振動子も技術対象とする。本発明による水晶振動子は、上記した構成の水晶振動板と、その水晶振動板を収容するパッケージと、水晶振動板における引出電極とパッケージにおけるパッド電極とを機械的電気的に接合する導電接合材とを備え、パッケージは気密封止されているものである。本発明による水晶振動子は、形状精度に優れ、高品位な振動特性を発揮する。ここで導電接合材は、ペースト状の導電性接着剤を硬化させたものや、鉛フリー半田等の金属ろう材や、金属バンプ等を含む。なお、金属バンプは、例えば金(Au)のスタッドバンプや金の厚膜(メッキ膜等)であり、超音波により接合を行うものである。
(5)本発明はまた、水晶発振器も技術対象とする。その水晶発振器は、前記の水晶振動板と、その水晶振動板を励振駆動するための発振回路を含む集積回路と、前記の水晶振動板および集積回路を収納するパッケージとを備えたものである。この水晶発振器にあっては、その水晶振動板が形状精度に優れ、高品位な振動特性を発揮する。なお、水晶振動板と集積回路とは、1つのパッケージにおいて同一の空間に収納するのでもよいし、あるいは別の空間に収納するのでもよい。
以上のように本発明によれば、X軸プラス側でのエッチングの過剰浸食の防止と水晶片部の分離容易性の確保とを両立させ、分離で得られることとなる矩形の水晶片部あるいは水晶振動板の形状精度を良好化し、その振動特性の向上を図ることができる。
本発明の厚みすべり振動型水晶片の基本的構成の理解に役立てるための概念図(斜視図) 本発明の実施例1における水晶基板と厚みすべり振動型水晶片の平面図 本発明の実施例1における1つの区画部分の拡大平面図 本発明の実施例1における水晶片部の厚み調整の工程断面図 本発明の実施例1における水晶片部の外形形成の工程断面図 本発明の実施例1における電極形成の工程断面図 本発明の実施例1における電極付きの厚みすべり振動型水晶片の平面図 本発明の実施例2における水晶片の基本的構成の理解に役立てるための概念図(斜視図) 本発明の実施例2における1つの区画部分の拡大平面図とさらにその一部の拡大平面図 本発明の他の実施例における分離支援部の説明図(平面図) 本発明の他の実施例における電極付きの厚みすべり振動型水晶片の平面図 本発明の他の実施例における1つの区画部分の拡大平面図(その1) 本発明の他の実施例における矩形の水晶片部の平面図と側面図 本発明の他の実施例における1つの区画部分の拡大平面図(その2) 従来の技術におけるATカットの説明図 従来の技術におけるウェハ本体の支持枠部に対する水晶片部の片持ち状の支持のさせ方を示す平面図
以下、本発明の実施の形態にかかわる厚みすべり振動型の水晶片およびその関連技術を、図面を用いて詳細に説明する。
(実施例1)
図2において、11はATカットの水晶基板(水晶ウェハ)、11aは水晶基板11の周縁部の一部に形成された結晶方向を特定するためのオリエンテーションフラット、12は水晶基板11において複数の矩形状の水晶片部を形成するために設定した区画である。図2(b)は発明対象である厚みすべり振動型水晶片M1を示す平面図である。
ATカットは、主面が水晶結晶軸のY軸(機械軸)と直交するようにカットするYカットのカット面を基準にして、水晶結晶軸のX軸(電気軸)まわりに一定角度(35°15′)回転したカット面でカットするものである。結果として、ATカットの水晶基板11は、その主面がX軸に平行でかつZ軸(光学軸)に対して傾斜したものとなっている。
なお、本実施例では水晶基板11としてATカットのものを用いるが、本発明は必ずしもこれのみに限定されるものではなく、他のカット形態であってもよい。例えばSCカットなど他の厚みすべり振動モード(水晶振動板の厚み方向での表裏両主面が面方向に沿って互いに逆方向にすべるように振動する振動モード)で駆動されるものであれば、他のカット形態の水晶基板に適用してもよい。
なお、SCカットは、水晶のY軸に直交する面をX軸まわりに一定角度(約35°)回転し、さらにZ軸を中心にして一定角度(約22°)回転したカット面でカットするものである。
図において、黒色で塗りつぶした部位は、水晶基板11に対するウェットエッチングにより水晶基板11の表裏に貫通状態に形成した貫通領域4である。厚みすべり振動型水晶片M1は、複数(図示例では4×3の12個)の矩形状の水晶片部1と、その複数の水晶片部1に共通の支持枠部2と、複数の水晶片部1の各々を支持枠部2に連結するとともにそこで分離を予定している複数の分離用連結部3とを有している。
図3は1つの区画12における部分を拡大して示す。水晶片部1のX軸プラス側の基端面Eで、そのZ′方向の両端部にそれぞれ分離用連結部3,3が配置され、これら2つの分離用連結部3,3を介して水晶片部1が支持枠部2に一体に連結されている。
図において、水晶片部1と分離用連結部3,3との境界として直角Lの字形の破線h1が引かれ、また支持枠部2と分離用連結部3,3との境界として直線状の破線h2が引かれているが、これらの破線は仮想のものである。特に、直角Lの字形の破線h1は、図1における仮想側面K1および仮想基端面K2に対応している。
一対の分離用連結部3,3の間で水晶片部1の基端面Eと支持枠部2との間にも貫通領域4がある。したがって、水晶片部1は、そのX軸プラス側の基端面Eの部位で横方向の両端部が一対の分離用連結部3,3を介して片持ち状態で支持枠部2に連結されている。水晶片部1のX軸プラス側の端部は固定端であるのに対して、X軸マイナス側の端部は自由端となっている。
仮想角部Q1および仮想側面K1、仮想基端面K2は、図示の通り、水晶片部1と分離用連結部3との連なり領域に埋没しており、実際には外部には露出していない。これらの部位は分離用連結部3によって覆われている。
そのような形態となるように、水晶基板11に対するウェットエッチングの際に、図2(b)および図3で白く表した領域に対してマスクパターンを形成し、ウェットエッチングでは黒色の塗りつぶしの領域を貫通状態に除去するようにしている。ウェットエッチングの際に、仮想側面K1および仮想基端面K2とりわけ仮想角部Q1をエッチング液に触れさせないよう分離用連結部3で覆うのは、水晶片部1のX軸プラス側端縁角部Q1でのエッチングの過剰浸食を防止するためである。
水晶片部1は、後述するように、その主面において後工程で励振電極および引出電極を形成し、その後、電極形成済みの水晶片部1を分離用連結部3,3において支持枠部2から分離して水晶振動板を得ることになる。
水晶振動板を分離する際に、仮想側面K1および仮想基端面K2において水晶片部1を分離用連結部3,3から分離することを予定している。それは、水晶片部1の分離用連結部3からの分離容易性を確保するためである。
以上のX軸プラス側でのエッチングの過剰浸食の防止と水晶片部の分離容易性の確保との相乗をもって、分離で得られることとなる水晶振動板の形状精度を良好化し、その振動特性を向上させるのである。
尚、本発明は、厚みすべり振動型水晶片を作製する方法も技術対象とすることができる。その製造方法は、矩形状の水晶片部と、その水晶片部の支持枠部と、水晶片部を支持枠部に連結するとともにそこで分離を予定している分離用連結部とを有する水晶片を水晶基板から作製する方法である。
この製造方法においては、上記の水晶片におけるのと同様に、その水晶基板は、水晶片部の主面が水晶結晶軸のX軸(電気軸)に平行でかつZ軸(光学軸)に対して傾斜していて厚みすべり振動モードで駆動されるような形態で用いるものとする。
この製造方法は、水晶基板に対するフォトリソグラフィ技術とウェットエッチングとにより矩形状の水晶片部および分離用連結部を構成要素とする水晶片部の外形を形成する工程を有する。そして、この水晶片部の外形を形成する工程において、用いるマスクパターンにつき、前記の分離用連結部に対するマスクパターン部として、X軸プラス側の水晶片部の基端部であって主面のZ軸から傾斜した軸であるZ′軸方向での両端の角部においてマスクパターン部を形成する。さらに、少なくとも一方の分離用連結部に対するマスクパターン部として、水晶片部のZ′軸方向端部の外側面をX軸方向に仮想的に延長した仮想側面および水晶片部のX軸プラス側の基端面をZ′軸方向に仮想的に延長した仮想基端面を連続して外方から覆う形態にマスクパターン部を形成する。
この厚みすべり振動型水晶片の製造方法によれば、上述したところの、X軸プラス側でのエッチングの過剰浸食の防止と水晶片部の分離容易性の確保とが相まって、分離で得られることとなる水晶振動板の形状精度を良好化し、その振動特性を向上させることが可能となる、との有用性を発揮する本発明による厚みすべり振動型水晶片が得られる。
次に、具体的な水晶発振器の製造方法について説明する。
製造工程は、大きく分けて、〔1〕水晶片部の厚み調整の工程、〔2〕水晶片部の外形形成の工程、〔3〕電極形成の工程、〔4〕分離による水晶振動板採取の工程、〔5〕水晶発振器の組み立ての工程となる。なお、上記の〔1〕,〔2〕に関して、水晶片部の厚み調整の工程に先立って水晶片部の外形形成の工程を実施する方式もある。
以下、順に説明する。
〔1〕水晶片部の厚み調整の工程
水晶片部1の固有振動数を所望の周波数とすべく、図4に示すように、水晶基板11の各区画12に対するエッチングにより水晶片部1相当領域の厚さを調整する。
具体的には次の通りである。図4(a),(b)に示すように、洗浄した水晶基板11の表裏両面に真空蒸着法またはスパッタリング法によりCr(クロム)およびAu(金)からなる金属膜21を成膜する。この金属膜21の成膜においては、Au層は水晶基板11上に直接形成することが困難であることから、まずCr層を形成し、次いでCr層上にAu層を形成する。次いで、金属膜21の上にレジスト膜22を成膜する。
そして、レジスト膜22に対してフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングをする。次いで、レジスト膜のパターンを用いてヨウ化カリウム(KI)溶液により金属膜21をエッチングして各区画12に対応する積層マスク23を形成する。
次いで、図4(c)に示すように、水晶基板11をフッ酸溶液に浸漬してエッチングを行い、各区画12の水晶片部1相当領域の厚さを減じる。プローブ(探針:図示せず)等による周波数の確認が終わると、水晶基板11の表面のレジスト膜22と水晶基板11の裏面の金属膜21およびレジスト膜22を剥離する。これにより、図2(a)、図4(c)に示すように、水晶基板11において厚み調整済みの複数の区画12が形成される。
〔2〕水晶片部の外形形成の工程
次に、水晶片部の外形形成の工程に移る。図5(a)に示すように、厚み調整後の水晶基板11の表裏両面に真空蒸着法またはスパッタリング法によりCr(クロム)およびAu(金)からなる金属膜24を成膜する。次いで、金属膜24(Au層)の上にレジスト膜25を成膜する。
次いで、図5(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術(露光・現像・ポストベーク)によりレジスト膜25をパターニングする。このときのマスクパターンは、前述の通り、図2(b)および図3で白く表した領域に対応した形状とする。そして、そのマスクパターンを用いて金属膜24に対しヨウ化カリウム溶液によるエッチング(メタルエッチング)を行い、水晶片部1の外形形成用の外形マスクパターン26を水晶基板11の表裏両面に形成する。
この外形マスクパターン26は、図2(b)および図3で白く表した領域に対応した形状となっている。すなわち、左右一対の分離用連結部3,3相当領域のそれぞれが水晶片部1相当領域における仮想側面K1とこれに直角をなして連なる仮想基端面K2とを外方から覆いつつ、水晶片部1相当領域および支持枠部2相当領域に対し一体に連なる形状となっている。
外形マスクパターン26の形成後、図5(c)に示すように、外形マスクパターン26に沿って水晶基板11をエッチングして(水晶エッチング)、水晶基板11の上面側の溝部27と下面側の溝部28とを形成していく。エッチングが進行すると、上下両溝部27,28の底面が薄くなり底面が消失して上下に貫通し、図5(d)に示すように貫通領域4が形成されるようになり、この貫通領域4によって水晶片部1の外形が形成されるに至る。
次いで、水晶基板11の表面および裏面に残存しているレジスト膜25と金属膜24とを剥離し、水晶片部1の洗浄処理を行う。その結果、図5(e)および図3に示すように、各区画12において、水晶片部1のX軸プラス側の基端部において、そのZ′軸方向での両端の角部それぞれで一対の分離用連結部3,3が支持枠部2に対し一体に連結された状態が現出される。一対の分離用連結部3,3はそれぞれ水晶片部1のZ′軸方向端部の外側面AをX軸方向に仮想的に延長した仮想側面K1および水晶片部1のX軸プラス側の基端面EをZ′軸方向に仮想的に延長した仮想基端面K2を連続して外方から覆う形態に構成されることになる。
以上のような形態で水晶片部1の外形形成工程が実施され、厚みすべり振動型水晶片M1が得られる。この厚みすべり振動型水晶片M1は、上記の〔発明の効果〕の項で述べた利点を有するものとなっている。
〔3〕電極形成の工程
次に、励振電極と引出電極の形成工程に移る。図6を参照しながら説明する。水晶片部1の外形形成後、図6(a)に示すように、水晶片部1の表裏両面に前記同様に金属膜29およびレジスト膜30を成膜する。次いで、図6(b),(c)に示すように、前記同様にフォトリソグラフィ技術とヨウ化カリウム溶液によるエッチングによって、励振電極31,31および引出電極32,32の形状に対応するマスクパターンを水晶片部1の表裏両面に対して形成する。
そして、図6(c)に示すように、金属膜29をエッチングして励振電極31,31をX軸マイナス側に形成するとともに、引出電極32,32をX軸プラス側に形成する。次いで、図6(d)に示すように、表裏のレジスト膜30を除去して矩形の水晶片部40を形成する。
これにより、図7に示すように、水晶基板11上の区画12のそれぞれにおいて、励振電極31,31と引出電極32,32が表裏に形成された矩形の水晶片部40の複数がそれぞれ一対の分離用連結部3,3を介して支持枠部2に一体に連結された形態の電極付きの厚みすべり振動型水晶片M2が作製される。この電極付きの厚みすべり振動型水晶片M2にあっても、上記の〔発明の効果〕の項で述べた利点を有するものとなっている。
〔4〕分離による矩形の水晶片部採取の工程
次いで、図6(e)に示すように、例えばレーザーダイシングにより分離用連結部3,3において矩形の水晶片部40を分離し、矩形の水晶振動板41として個片化する。この個片化された水晶振動板41にあっても、上記の〔発明の効果〕の項で述べた利点を有するものとなっている。なお、水晶振動板41の個片化については、一般的な折り取りの方式もある。
〔5〕水晶発振器の組み立ての工程
次に、図示は省略するが、電極付きの厚みすべり振動型水晶片M2から個片化して得られた水晶振動板41をセラミック製のパッケージに収容し、水晶振動板41における引出電極32とパッケージにおけるパッド電極とを導電接合材を介して機械的電気的に接合し、水晶振動板41を励振駆動するための発振回路を含む集積回路をパッケージに収納する。
最後に、パッケージに対してセラミック製または金属製のリッド(蓋体)をかぶせて気密封止する。この水晶発振器は、その水晶振動板41が形状精度に優れ、高品位な振動特性を発揮する。
(実施例2)
次に、実施例1との比較において水晶片部分離容易性を強化した実施例2について説明する。
図8および図9に示すように、水晶片部1と分離用連結部3との一体の連結領域において、分離をしやすくするための分離支援部50として、仮想側面K1およびこれに直角をなして連なる仮想基端面K2に隣接する状態で主面にLの字形の凹溝51を形成してある。このLの字形の凹溝51は、水晶片部1あるいは矩形の水晶片部40を分離する際の印加力に対する抗力(抵抗性)を減じる作用を有する。
Lの字形の凹溝51の寸法につき実験を行った。40μm厚の水晶ウェハ(水晶基板)を用いた実験で、溝幅を色々に変化させるとともに溝深さを色々に変化させ、分離用連結部3による水晶片部1の支持性能や安定性の状況、折りピンを下動させての水晶片部1の折り取りの容易さの状況、エッチングの過剰浸食の有無や程度の確認などを行った。溝幅の変化範囲は5〜50μm、溝深さの変化範囲は4〜61μmとした。
溝幅5μmで溝深さ4μmのものでは折り取りが少ししにくい傾向があった。また、溝幅25μmで溝深さ27μmのものでは水晶片部が少し揺れ、ハンドリングしにくい傾向があった。実験結果を表1にまとめる。
以上のような条件を守ることで、ウェットエッチングの際にLの字形の凹溝51の溝内でのエッチングストップを実現し、過剰浸食を防止することができる。
実験の結果およびその結果を受けての様々な考察から、溝幅は6〜22μmが適切で、溝深さは4〜23μmが適切であることを確認した。溝幅について好ましくは8〜18μmであり、溝深さについて好ましくは6〜20μmである。さらに好ましくは、溝幅は10〜15μm、溝深さは8〜14μmである。
上記の寸法例は厚さ40μmの水晶ウェハについてのものであるが、厚さ40μmの水晶ウェハでは、溝幅25μm程度まで、溝深さ27μm程度まで許容範囲としてよいことも確認した。
このようにLの字形の凹溝51の溝幅、溝深さを適正化すると、ハンドリングの作業性が向上する。
なお、Lの字形の凹溝51は、分離用連結部3の表面側のみに形成するのでもよいし、あるいは裏面側にのみ形成するのでもよいし、あるいは表裏両面に形成するのでもよい。
(その他の実施例)
分離支援部50について、Lの字形の凹溝51以外の形態を説明する。図10(a)では、仮想側面K1およびこれに直角をなして連なる仮想基端面K2に沿った連結領域において、複数の凹所52を間隔を開けて形成し、これら複数の凹所52をもって分離支援部50としている。この場合、開ける間隔は等間隔でもよいし不等間隔でもよい。
また、仮想側面K1および仮想基端面K2に沿って複数の凹所を形成する場合に、角部近傍においては単位面積当たりの形成数を少なくした粗領域とし、角部から離れるに従って単位面積当たりの形成数を多くした密領域とする態様もある。
このような凹所52群は、分離用連結部3の表面側のみに形成するのでもよいし、あるいは裏面側にのみ形成するのでもよいし、あるいは表裏両面に形成するのでもよい。表裏両面に形成するときは、平面視で表裏で同じ位置に配置してもよいし、あるいは表裏で位置をずらせてもよい。
あるいは、凹所に代えて、間隔を開けて形成された複数の貫通孔をもって分離支援部を構成するのでもよい(図示省略)。あるいは、凹所のすべてを貫通孔に代えるのではなく、一部のみ貫通孔に代えるのでもよい。
図10(b)のものは、複数の凹所52につき、その大きさ(直径)に変化を持たせたものである。連結領域でX軸方向からZ′軸方向に向きを変える水晶片部1の仮想角部Q1において、凹所52の大きさを最も小さくし、仮想角部Q1から離れるに従って大きさを順次に大きくしてある。
図10(c)のものは、Lの字形の凹溝51の変形で、仮想角部Q1の直近で凹溝53の幅を最も小さくし、仮想角部Q1から離れるに従って幅を順次に大きくしてある。
図10(b),(c)の場合、分離支援部50の強度分布として、仮想角部Q1で最も強度が高く、仮想角部Q1から離れるに従って強度を次第に低くしている。その結果、分離用連結部3での水晶片部1の分離がより容易なものとなり、水晶振動板の形状精度をより高精度化する。加えて、水晶片をハンドリングする際に、振動や衝撃のために水晶片部1が不測に脱落することを確実に防止できる。
図11および図12(a)は電極付きの厚みすべり振動型水晶片の他の実施例を示す。これまで説明してきた実施例にあっては、引出電極32,32を水晶片部1のX軸プラス側の端縁部に配置しているが(例えば図7参照)、図11、図12(a)に示す実施例では、引出電極32,32を水晶片部1のZ′軸方向端部の外側面端縁部に配置している。詳しくは、水晶片部1の表裏両面において、その中央部分に励振電極31,31が互いに対向する状態で形成されているとともに、水晶片部1の表裏両面において、Z′軸方向端部の外側面端縁部に、引出電極32,32が励振電極31,31に電気的に接続される状態で形成されている。
また、図12(b)の実施例は、水晶片部1を横長に形成したものである。すなわち、水晶片部1のX軸方向に沿った辺が短辺であり、Z′軸方向に沿った辺が長辺となっている。このような横長の水晶片部1に対して、図12(a)と同様に励振電極31,31および引出電極32,32を形成している。
なお、図11、図12において、その他の構成については上記の実施例と同様であるので、同一部分に同一符号を付すにとどめ、説明を省略する。
なお、図13に示すようなメサ型の水晶振動板60に対して本発明を適用してもよい。メサ型というのは、平行平板とは異なり、中央部が厚く、外側部または周囲が薄い形状であり、この中央部に振動エネルギーを閉じ込めることができる。このように振動エネルギーを閉じ込めることでCI(クリスタルインピーダンス)を向上させ、かつ安定させることができる。
メサ型の水晶振動板60では、その水晶片部1が中央肉厚部1Aと周囲肉薄部1Bとを有しているが、周囲肉薄部1Bの上下方向での位置については、図示のように中央肉厚部1Aの厚み方向の丁度中央に位置する形態のほか、中央肉厚部1Aの表面と面一であっても、また中央肉厚部1Aの裏面と面一であってもよい。
さらに、本発明を中央部が薄く、両外側部が厚い形状の逆メサ型の水晶振動板に適用してもよい。逆メサ型は高周波数化に有利である。
また、図14に示すように、仮想側面K1およびこれに直角をなして連なる仮想基端面K2を覆うLの字形の分離用連結部3,3については、そのX軸方向の寸法をZ′軸方向の寸法より長くするのでもよい。
なお、図3や図9において仮想線W1で示すように、水晶片部1の支持枠部2に対する支持のための別の分離用連結部3′を水晶片部1のX軸マイナス側の端部において支持枠部2に一体に形成してもよい。なお、図示はしていないが、図14においても同様である。
この別の分離用連結部3′の態様としては、上記実施例の分離用連結部3のように水晶片部1の角部を2方向から覆うような形態のものでなくてもよい。
この別の分離用連結部3′は、水晶片部1を安定的に支持枠部2に支持させるもので、エッチングの過剰浸食を防止するものでなくてよい。もっとも、水晶片部1のX軸マイナス側の端部で左右方向の一端または両端の角部に対して、2方向から覆うような形態のものとして構成することを妨げない。その場合は、仮想線W2の位置に別の分離用連結部3′を配置する。
以上説明したように本実施形態の厚みすべり振動型水晶片によれば、X軸プラス側でのエッチングの過剰浸食の防止と水晶片部の分離容易性の確保とを両立させ、分離で得られることとなる水晶振動板の形状精度を良好化し、その振動特性の向上を図ることができる。
本発明の技術は、厚みすべり振動モードである水晶片に関して、X軸プラス側でのエッチングの過剰浸食の防止と水晶片部の分離容易性の確保とを両立させ、分離で得られることとなる水晶振動板の形状精度を良好化し、その振動特性の向上を図る技術として有用である。
1 水晶片部
2 支持枠部
3 分離用連結部
4 貫通領域
11 水晶基板
31 励振電極
32 引出電極
40 矩形の水晶片部
41 水晶振動板
50 分離支援部
K1 仮想側面
K2 仮想基端面
Q1 仮想角部
M1 厚みすべり振動型水晶片
M2 電極付きの厚みすべり振動型水晶片

Claims (12)

  1. 矩形状の水晶片部と、前記水晶片部を支持する支持枠部と、前記水晶片部を前記支持枠部に連結する分離用連結部とを有し、前記水晶片部が前記支持枠部に分離用連結部によって連結されていると共に当該分離用連結部で前記水晶片部が前記支持枠部から分離が可能である厚みすべり振動型水晶片において、
    前記分離用連結部は、水晶結晶軸のX軸(電気軸)プラス側の前記水晶片部の基端部であって前記水晶結晶軸のZ軸(光学軸)から傾斜した軸であるZ′軸方向の少なくとも一つの角部において配置され、かつ、当該分離用連結部によって、前記水晶片部のZ′軸方向端部の外側面をX軸方向に仮想的に延長した仮想側面および前記水晶片部のX軸プラス側の基端面をZ′軸方向に仮想的に延長した仮想基端面が連続して外方から覆われており、
    前記分離用連結部には、前記仮想側面および前記仮想基端面に沿う領域に、前記分離をし易くする分離支援部が設けられていることを特徴とする厚みすべり振動型水晶片。
  2. 前記水晶片部は、その主面が水晶結晶軸のX軸(電気軸)に平行でかつZ軸(光学軸)に対して傾斜するATカット型に構成されている請求項1に記載の厚みすべり振動型水晶片。
  3. 前記分離用連結部は、前記水晶片部のZ′軸方向での両端部にそれぞれ配置されている請求項1または請求項2に記載の厚みすべり振動型水晶片。
  4. 前記分離用連結部は、前記水晶片部との連結の長さについて、前記仮想的に延長した仮想側面での連結長さが前記仮想的に延長した仮想基端面での連結長さよりも短く構成されている請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の厚みすべり振動型水晶片。
  5. 前記分離用連結部は、前記水晶片部との連結の長さについて、前記仮想的に延長した仮想側面での連結長さが前記仮想的に延長した仮想基端面での連結長さと同じかそれよりも長く構成されている請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の厚みすべり振動型水晶片。
  6. 前記分離用連結部は、その厚みについて、前記水晶片部および前記支持枠部の厚みよりも薄く構成されている請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の厚みすべり振動型水晶片。
  7. 前記分離支援部は、凹溝、または、複数の凹所、または、複数の貫通孔で構成されている請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の厚みすべり振動型水晶片。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の厚みすべり振動型水晶片において、前記水晶片部の表裏両面の中央部分に対向して形成された励振電極と、前記表裏の励振電極に電気的に接続される状態で前記水晶片部の表裏両面で前記X軸プラス側端縁部に形成された引出電極とを備えた電極付きの厚みすべり振動型水晶片。
  9. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の厚みすべり振動型水晶片において、前記水晶片部の表裏両面の中央部分に対向して形成された励振電極と、前記表裏の励振電極に電気的に接続される状態で前記水晶片部の表裏両面で前記Z′軸方向端部の外側面端縁部に形成された引出電極とを備えた電極付きの厚みすべり振動型水晶片。
  10. 表裏両面に対向して一対の励振電極とこれらの引出電極とが設けられている矩形状の水晶片部と、前記水晶片部を支持する支持枠部とを有し、前記水晶片部が分離用連結部を介して前記支持枠部に連結されている厚みすべり振動型水晶片から水晶振動板を製造する方法において、
    水晶基板からエッチングにより、前記水晶片部を、水晶結晶軸のX軸(電気軸)プラス側の前記水晶片部の基端部であって前記水晶結晶軸のZ軸(光学軸)から傾斜した軸であるZ′軸方向の両端の角部それぞれにおいて、前記水晶片部のZ′軸方向端部の外側面をX軸方向に仮想的に延長した仮想側面および前記水晶片部のX軸プラス側の基端面をZ′軸方向に仮想的に延長した仮想基端面が連続して前記分離用連結部によって外方から覆われる外形形状に、形成する工程と、
    前記水晶片部の表裏両面に前記励振電極と前記引出電極とを形成する工程と、
    前記水晶片部を前記分離用連結部で前記支持枠部から分離する工程と、
    を含むことを特徴とする水晶振動板の製造方法。
  11. 請求項10に記載の製造方法により得られた水晶振動板をパッケージに収容する工程と、
    前記水晶振動板における前記引出電極と前記パッケージにおけるパッド電極とを機械的電気的に導電接合材により接合する工程と、
    前記パッケージを気密封止する工程と、
    を含むことを特徴とする水晶振動子の製造方法
  12. 請求項10に記載の製造方法により得られた水晶振動板と、前記水晶振動板を励振駆動するための発振回路を含む集積回路とを、パッケージに収納する工程を含むことを特徴とする水晶発振器の製造方法
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