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JP5927100B2 - エレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター - Google Patents

エレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター Download PDF

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Description

本発明はエレベーターかご内の気圧を制御する装置を備えるエレベーターに関する。
高層ビルにおいてエレベーターを利用する場合、かごの昇降に伴ってかご内の気圧が変化して、耳の閉塞感を感じることがある。このような耳の閉塞感は「耳つん」と呼ばれ、自然と耳管が開いたり、嚥下(つばを飲み込むこと)することにより回復する。とくに、気圧が上昇する下降運転においては、耳の構造上、自然に耳管が開くことが期待できないため、痛みを感じる前に意識的に嚥下して耳管を開口させ、耳つんを回復させるのが望ましい。
従来、エレベーターかご内の圧力が大幅に変化する前に乗客に気圧変化を認識させるとともに、嚥下の時間を与えることができるように、かご内の気圧を階段状の気圧変化パターンとすることが特許文献1に開示されている。この気圧変化パターンは、所定の気圧変化率と気圧変化幅でかご内の気圧を上昇させる加圧区間と、気圧変化の無い休息区間を繰り返すものである。そして、加圧区間で乗客に明確な気圧変化を認識させ、休息区間で嚥下のための十分な時間を確保するものである。
また、かご内の気圧をかごの昇降にあわせて段階的に変化させることにより、乗りかご内の乗客に確実に嚥下を誘発させ、耳の閉塞感を回復させ、不快感を改善させる方法が特許文献2に開示されている。特許文献2によれば、乗りかごの内外の気圧差を利用すれば弁の開閉のみによってかご内の空気を外側に抜くことができる。よって、送風機によってかご内の空気を強制的に出し入れしないでも、特許文献1のような階段状の気圧変化パターンを実現できるとしている。
また、送風機と吸排気風量調整手段によって、送風機の風量およびかご内に出入りする空気の量を調節し、かご内と外気の気圧差が小さい場合でもかご内の気圧を設定気圧に調整する気圧制御装置が、特許文献3に開示されている。なお、吸排気風量調整手段とは、送風機の排気口からかご内をバイパスして、敷居板を回転させて送風機の吸気口に流れるかご内の空気の風量を変化させるものである。
特開2009−137737号公報 特開平7−112879号公報 WO2010/055543号公報
上記特許文献1では、目標とする気圧変化パターンの与え方について検討されているが、階段状の気圧変化パターンを実現する気圧制御装置については十分検討されていなかった。
また、上記特許文献2に記載の気圧制御装置は、かごの隙間を考慮していないため、ドア部など、隙間を有する現実のかごには応用できなかった。また、段階的に気圧を変化させるときに、急激に気圧を変化させる方式のため、気圧変化率を適度な大きさに調整することは考えられていなかった。
一方、特許文献3に記載の気圧制御装置は、階段状に気圧を変化させることを想定していないため、短時間に急激に風量を切り替えることができなかった。そのため、階段状の気圧変化パターンを作りたくても、階段状の気圧変化の立ち上がりの部分と角の部分が鈍った波形になってしまい、気圧変化が不明瞭で乗客にとって認識しにくくなり、嚥下のための休息時間も短くなり、効果があまり期待できない。
本発明の目的は、エレベーターかごに隙間があることを想定し、エレベーターかご内の気圧を階段状に変化させる気圧制御装置を備えるエレベーター提供することにある。
本発明を複数の観点から把握することができるが、一つの観点から捉えた本発明のエレベーターかご内の気圧制御装置を備えたエレベーターは、以下の通りである。また、その他の観点から捉えた本発明のエレベーターかご内の気圧制御装置を備えたエレベーターは、以下に述べる発明を実施する形態の説明等でさらに明らかになる。
すなわち、本発明は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一つを挙げると、本発明のエレベーターかご内の気圧制御装置を備えたエレベーターは、送風機と、送風機とかごと外気に流路でつながり、かご内に出入りする空気の風量を、2段階(開と閉)あるいは多段階(全開、全閉、一以上の中間位置開度)に、段階的に切り替える風量切替装置と、送風機とかごと外気に流路でつながり、かご内に出入りする空気の風量を連続的に変化させる風量調整装置と、エレベーターの運転情報に応じて送風機と風量切替装置と風量調整装置を制御する制御装置を有するエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーターである。
本発明のエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーターは、エレベーターかご内に出入りさせる空気の風量を瞬間的に切り替えることができ、またかごの隙間の大きさに応じて風量を調整できるため、階段状の気圧変化パターンを有効に実現できる。
目標とする気圧変化パターンを示すグラフである。 気圧変化パターンの生成方法を示すグラフである。 気密かごの構造を示すかご側面の断面図である。 隙間がゼロの理想条件における必要風量を示すグラフである。 かごに隙間がある場合の必要風量を示すグラフである。 現実的なかごの隙間を考慮した場合の必要風量を示すグラフである。 本発明による気圧制御装置の基本構成を示すシステム構成図である。 本発明の第1の実施例を示す模式図である。 本発明の第1の実施例の、各部の動作を示すグラフである。 本発明の第2の実施例を示す模式図である。 本発明の第2の実施例の弁の動作を示す模式図である。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の実施の形態を示すものであり、本発明がこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、実施の形態および具体的な実施例を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略することがある。
本発明のエレベーターかご内の気圧制御装置を備えるエレベーターは、エレベーターかごの隙間から出入りする空気を考慮して、エレベーターかご内にもしくはかご外に吸排気される必要な風量を確保するための送風機と、送風機とかごと外気に流路でつながり、エレベーターかご内に出入りする空気の風量を、急速に、2段階(開と閉)あるいは多段階(全開、全閉、一以上の中間位置開度)に、段階的に切り替える風量切替装置と、送風機とエレベーターかごと外気に流路でつながり、エレベーターかご内に出入りする空気の風量を連続的に変化させて調整する風量調整装置と、エレベーターの運転情報に応じて送風機と風量切替装置と風量調整装置を制御する、制御装置を備えたエレベーターかご内の気圧制御装置を備えたエレベーターである。
上記エレベーターかご内の気圧制御装置において、風量切替装置は、送風機の吸気側または排気側の流路に複数設けられ、電動で段階的に開閉する電磁弁の動作によって、空気が流れる流路の断面積を瞬時に段階的に変化させる。例えば、全開状態と全閉状態の間を切り替え、急速に風量を切り替える。
具体的には、送風機の吸気口の流路を分岐させ、複数設けられる電磁弁の内、一部の電磁弁はかご内の空気を送風機に吸い込ませるように取り付け、他の電磁弁は外気を送風機に吸い込ませるように取り付けて風量切替装置を構成する。
あるいは、別の構成として、送風機の吸気口と排気口の流路が分岐された流路に対して、複数設けられる電磁弁の内、送風機の吸気口と排気口の流路が分岐された流路のそれぞれに、一部の電磁弁は送風機と外気をつなぐ流路に取り付け、他の電磁弁は送風機とかごをつなぐ流路に取り付けて風量切替装置を構成する。
風量調整装置は、送風機の排気側または吸気側に複数設けられた、電動で開度を連続的に制御する制御弁によって、流路の断面積を変化させ風量を変化させて調整する。
具体的には、送風機の排気口の流路を分岐させ、一部の制御弁は送風機と外気をつなぐ流路に取り付け、他の制御弁は送風機とかごをつなぐ流路に取り付けて風量調整装置を構成する。
あるいは、別の構成として、送風機の吸気口の流路を分岐させ、送風機と外部をつなぐ流路に風量切替装置の電磁弁を取り付け、その先の流路を分岐させ、一部の制御弁はかごにつながる流路に取り付け、他の制御弁を外気につながる流路に取り付ける。同様に、送風機の排気口の流路を分岐させ、送風機と外部をつなぐ流路に風量切替装置の電磁弁を取り付け、その先の流路を分岐させ、一部の制御弁はかごにつながる流路に取り付け、他の制御弁を外気につながる流路に取り付ける。
制御装置は、設定された目標気圧変化パターンとエレベーターの運転情報に基づいて、送風機の回転数、風量切替装置の電磁弁の開閉、風量調整装置の制御弁の開度を制御する。
目標気圧変化パターンは、かごの位置および走行時間に対応するかご内の目標気圧のデータとして設定される。運転情報は、上位のエレベーター制御装置やセンサから取得され、かごの高さ位置または走行時間と運転モード等を指し、かごの高さ位置または走行時間からあらかじめ設定された目標気圧を参照する。運転モードは乗降などで戸開停止しているモード、待機時など戸閉停止しているモード、目的階に向かって下方に移動中のモード、目的階に向かって上方に移動中のモードを識別する情報を指す。
また、かごの隙間面積の計年変化を考慮して、所定の回転数で送風機を回転させたときのかご内外の差圧を測定し、隙間面積を計算して求め、現状の隙間面積が許容範囲かどうか確認する。なお、許容範囲の上限値あるいは下限値を超えているならば、隙間調整用の予備の孔等の大きさを調整して隙間面積の調整を行う。隙間面積の演算と許容範囲の確認は制御装置が行い、エレベーターの点検時に、その結果に基づいて予備に設けた調整用の孔の大きさを調整する。差圧の測定結果による隙間面積の演算と隙間面積の調整は、エレベーターかごが停止して待機モードの時に、制御装置が自動で行うように設定しておくようにすると良い。
以上のように構成することで、かごの昇降に伴いかご内の気圧を階段状に変化させることができる。
《目標気圧変化パターンについて(図1)》
図1を用いて、本発明によって実現する斜行階段式気圧変化パターンを説明する。図1は、かごが下降するときの、かご内の気圧変化P1、即ち目標気圧変化パターンP1と、かご外の気圧変化P2の時間変化を示す。なお、本明細書では、これら気圧変化を単にかご内の気圧P1、かご外の気圧P2と略す。図1において、グラフの原点は、エレベーターかごがスタートするホール位置であり、このスタート階の気圧を、スタート位置気圧START-Pと称する。また、図1において、グラフの終点は、エレベーターかごの終点のホール位置であり、例えば、地上1階のホール位置ならば、ほぼ980hPaである。この終点での気圧を停止位置気圧STOP-Pと称する。したがって、図1において、縦軸は気圧の増加分ΔPU を示すと考えることもできる。
かご外気圧P2は、走行中のかごの高さ変化に応じて変化する。かごの高さをx[m]、地上の気圧をP0[hPa]、気温をT0[℃]とすると、かご外の気圧P2[hPa]は、理化年表18年版(標準大気の高さと気圧、気温の関係)の記載から次式(1)で計算できる。
Figure 0005927100
かごが下降するときは、式(1)において位置xの値が小さくなるため、かご外の気圧P2は大きくなる。エレベーターは、走行を開始するときと停止するときに加減速して徐々に速度が変化するので、かご外気圧P2の波形は最初と最後が曲線的に変化する。そして、かごが一定の速度で走行する区間は、かご外気圧P2は直線的に変化する。かごの気圧制御をしない場合、非気密かごの中の気圧は、かご外気圧P2に一致する。
本発明のエレベーターかご内の気圧制御では、かごを気密化して、または気密に近い状態になるように気密性を高めて気圧制御をする。かご内の目標気圧変化パターンP1は、特許文献1にあるように、強めの気圧変化率で加圧する区間と、弱めの気圧変化率で加圧を休止する区間を交互に繰り返し、所定の幅と高さで加圧する階段状の気圧変化パターンとする。ここで、従来は休止区間の気圧変化は無し(従来の休止区間の波形は水平になる)としていたが、本発明エレベーターかご内の気圧制御では、この点において、改良を加えている。発明者等のモニタ評価試験より、加圧区間から休止区間に切り替わる時の気圧変化率の急激な変化は、不快感が発生する原因になると分かった。そこで、休止区間においても弱めに加圧を続けると、このような不快感が無くなり改善できることが分かった。よって、本発明のエレベーターかご内の気圧制御では、従来の階段式の気圧変化パターンと区別するため、斜行階段式の気圧変化パターンと名付けてこれを目標気圧変化パターンP1に設定する。
なお、かごが上昇する場合は気圧が下がる。耳の構造より、気圧が下がる場合は自然に耳管が開いて耳つんが回復することが知られている。よって、エレベーターのかごが上昇する場合は気圧制御の必要性は低く、本発明では説明を省略する。ただし、昇降速度が速い場合や、昇降行程が長い場合には、耳つんによる不快感が発生する可能性が高まるため、下降する場合と同様の制御をすることが良い。
《斜行階段式気圧変化パターンの生成方法について(図2)》
図2を用いて、本発明のエレベーターかご内の気圧制御における斜行階段式気圧変化パターンP1の基本的な生成方法を説明する。
図2(a)は、前半はかご内の気圧P1をかご外の気圧P2に対して正圧にし、後半はかご内の気圧P1を負圧にして斜行階段式の気圧変化パターンP1を生成する方法を示す。この方法は、かご内の空気を出し入れする量が多いので、気圧制御装置が大型化する。
さらに、昇降行程が長い場合は一定速度で走行する区間が長くなり、図2(c)のようにかご外の気圧P2が直線状に変化する区間が長くなる。その結果、かご外の気圧P2とかご内P1の気圧が接近し、交錯する区間が発生する。この区間では、かご内は正圧と負圧を繰り返し、気圧制御が複雑になる。
これに対して、図2(b)は、全区間でかご内の気圧P1がかご外の気圧P2に対して負圧である。休息区間にかご内の空気を抜いて減圧し、加圧区間はかご内外の気圧差を利用しながら外気をかご内に送り込んで加圧する、単調な制御の繰り返しで実現できる。この方法は、かご内とかご外の気差圧が小さく、かご内の空気を出し入れする量が少ないので、気圧制御装置を小型化できる。
さらに、図2(d)に示すように、昇降行程が長くても、同じように単調な制御を繰り返すことで斜行階段式気圧変化パターンP1を実現できる。
以上のように、全区間でエレベーターかご内の気圧P1をかご外の気圧P2に対して負圧にして斜行階段式気圧変化パターンP1を生成する方法は、後で説明するようにドアの気密性向上にも有利である。気密性が高ければ必要風量を少なくできるため、装置の小型化、省エネのメリットがある。
また、エレベーターかご内の気圧P1をかご外の気圧P2に対して負圧にして斜行階段式気圧変化パターンP1を生成する方法は、外気から入る空気の量が少ないため、空調用のエアコンへの負担が少なく、エアコン側の省エネにも寄与する。
以上のことから、本発明はエレベーターかご内を負圧にして斜行階段式気圧変化パターンP1を実現する。
《かごの隙間面積について(図3)》
図3を用いて、エレベーターかご1の気密性を高めるためのかご1の隙間面積について説明する。かご1は、天板2、側板3、前板4と、床5とドア6、ドアの縦枠7a、ドアの横枠7b、ドアのパッキン(図示せず)、摺動シル8から成る。単に、かご1に穴が空いている場合、かご1内外の気圧差によらず、隙間面積は一定である。しかし、気密性を高めた気密かご1の場合、このような単純な穴による隙間は無い。本発明では、かご1の気密化で塞ぎ切れないドア6の隙間について着目する。ドア6の隙間は、ドアの縦枠7a、ドアの横枠7bに設けられたパッキン(図示せず)により気密性を高める。しかし、パッキンとドア6が完全に密着しなかったり、また摺動するシル8の部分は穴を塞ぎ切れないため、初期の隙間面積A0が存在する。
そして、かご内の気圧P1がかご外の気圧P2より高いとドア6が外側に押されてパッキン7とドア6の間の隙間が広がり、隙間面積はA0より大きくなる。逆に、かご内の気圧P1がかご外の気圧P2より低い場合は、ドア6がかご1側に吸い付いてパッキン7とドア6の密着性が良くなるため、隙間面積はA0より小さくなる。よって、かご内の気圧P1がかご外の気圧P2に対して負圧の場合は、かご1の隙間面積は最小限になる。
以上のように、かご1の内外の気圧差によって、隙間面積は変化する特徴がある。本発明は、このような隙間面積の変化も考慮して、気圧制御を行うことに特徴がある。
《隙間が無い理想条件における必要風量について(図4)》
図4を用いて、かごの隙間の大きさを考慮しない場合の必要風量Q1について説明する。ここで、必要風量Q1とは気圧制御装置によってかご内に入れる必要のある空気の流量と定義し、風量の符号はかごに入る側を正とする。
図4の(a)に示される目標気圧変化パターンP1に対応して、エレベーターかごの隙間がゼロの理想条件における必要風量Q1を図4の(b)に示す。隙間が無い理想条件では、必要風量Q1は風量が2段階の大きさに変化する矩形波状の波形になる。つまり、休息区間はわずかな気圧変化率でかご内の気圧を上昇させるために、わずかな風量が必要になる。また、加圧区間はより大きな気圧変化率でかご内の気圧を上昇させるために、より大きな風量が必要になる。このように、2段階に変化する風量により、2段階の加圧を繰り返すことで、かご内の気圧P1は図4(a)のように段階的に上昇する。
ここで、加圧区間は3〜6秒、休息区間は3〜6秒とするのが良い。人間の耳が圧力の変化に追従できず耳詰まりを引き起こす障害を起こさないようにするには、耳の回復動作遅れを考慮して加圧区間を少なくとも3秒以上にすることが望ましい。また、加圧区間を長時間にすると、耳に負担が長時間かかる問題が発生するので、加圧区間(圧力変化時間)を6秒以下に押えることが望ましい。
休息区間は、短時間(3秒未満)とした場合には、耳詰まりが発生しても続いて変化する加圧区間までに耳詰まりの回復動作ができず、さらに耳詰まりがひどくなる。このために、耳の回復動作遅れを考慮して休息区間を3秒以上にすることが望ましい。一方、休息区間を長時間(6秒超)とすると、加圧区間が短くなって圧力変化率が大きくなりすぎ、
耳詰まりを引き起こすことになるので、休止時間を6秒以下に設定することが望ましい。
《隙間がある場合の必要風量について(図5)》
次に、図5を用いて隙間がある場合の必要風量Q1について説明する。図5(a)は、かご内の気圧P1とかご外の気圧P2を示し、図5(b)はかご内外の気圧差P1- P2を示す。そして、図5(c)に、簡単のため、かごに面積一定の微小な隙間がある場合の必要風量を示す。ベルヌーイの定理より、穴から流出する空気の速度ν[m/s]は次式(2)で計算できる。
Figure 0005927100
ここで、Aは穴の面積[m2]、P2は穴の前後の高い方の圧力[Pa]、P1は穴の前後の低い方の圧力[Pa]、ρは気体の密度[kg/m3]である。ここでは、P1はかご内の気圧、P2はかご外の気圧を指す。
式(2)より、仮にかごの隙間面積が一定であっても、かご内外の差圧が大きければ隙間を流れる空気の速度νが速く、隙間から入り込む空気の流量が大きくなることが分かる。
図5(a)に示すかご内外の気圧P1、P2と、図5(b)に示すかご内外の気圧差P1- P2を見ると、時刻0の最初の状態ではかごの内外の気圧差P1- P2はゼロである。そして、時間の経過とともに気圧差P1- P2が負圧方向に増大し、かご内気圧P1が階段状に立ち上がる時刻t1で気圧差P1- P2が最大となる。その後、気圧差P1- P2が減少し、かご内気圧P1の階段の角の部分で外気圧P2と一致する時刻t2で気圧差P1- P2が再びゼロになる。以後、同様にかご内外の気圧差P1- P2が増減するため、図5(b)に示すように、気圧差P1- P2のグラフはノコギリ波状になる。
以上のことから、式(2)におけるP2- P1はノコギリ波状に変化し、隙間からかご内に入る空気の流量はノコギリ波の平方根に比例して増減する。そのため、図5(c)に示すように、かご内の気圧P1を段階的に変化させるために、かご内に流入する必要のある風量Q1は、図4(b)に示した隙間がゼロの場合の矩形波(破線で示す)に隙間から入る空気の流量(矢印で示す)を差し引いた形に変形される。
ここで、加圧区間は3〜6秒、休息区間は3〜6秒とするが、これに限定されず、エレベーターかごの走行速度や走行距離等をパラメータとして、短くしたり長くしたりして、区間時間を適宜最適化すると良い。
《実際の隙間がある場合の必要風量について(図6)》
実際のかごの隙間を想定した場合の必要風量Q1を、図6(a)に実線で示す。図6(a)において、点線で示したものは、図5(c)で示した必要風量のグラフである。現実的な気密かごを想定して試算すると、隙間から流入する空気は比較的多いので、図5(c)よりも変形量が大きくなる。
ここで、本発明では、必要風量Q1はもともと矩形波の変形であることに着目し、必要風量Q1を矩形波とノコギリ波に分解する方法を考えた。すなわち、図6(a)で示される必要風量Q1を、図6(b)に示す矩形波のベース風量Q1aと、図6(c)に示すノコギリ波の調整風量Q1bに分解する。図6(a)に示す必要風量Q1の屈曲点より、風量が-QBと-2/3 QB の2段階に変化する矩形波をベース風量Q1aにすれば良いことが分かる。なお、2段階の風量の大きさは、かごの隙間の大きさに依存するので、2段階の風量の比が図6の例のように3:2になるとは限らない。そこで、ある程度隙間の大きさを調整して、2段階の風量の比が、2:1、3:2、4:1、5:3等になるようにして、制御しやすくする工夫が必要である。かごの隙間の大きさを変更するための穴をあらかじめかごに設けておけば、気圧制御装置の仕様に合わせて隙間を調整することができる。
また、図6(b)のベース風量Q1aの波形は、最初と最後の部分は矩形波にならない。すなわち、エレベーターかごの走行開始時と走行停止時には、速度の昇降が徐々に行われ、エレベーターかご内の気圧の時間変化もそれほど大きくならないからである。そこで、かごが停止中は送風機を止めるか、かご内の気圧P1が変化しない程度に回転数を下げておく。そして、かごが走行を開始するときに送風機の回転数を上げて風量を増加させる。また、かごが停止するときは、停止前に徐々に送風機の回転を下げて風量を減少させる。
図6(c)は、隙間から流入する空気を考慮して、ベース風量Q1aを変形するための調整風量Q1bである。図6(a)の必要風量Q1からベース風量Q1aを引くと、調整風量Q1bが得られる。例えば、時刻t1において、図6(a)より必要流量Q1は-QB、図6(b)よりベース風量Q1aも-QBのため、差をとると調整風量Q1bは0である。その後、瞬時に必要風量Q1が-2QB/3に切り替わるが、ベース風量Q1aも-2QB/3に切り替わるため、調整流量Q1bは0のままである。また、時刻t2における必要風量Q1はQCで、このときのベース風量Q1aは-2QB/3である。よって、調整風量Q1bはQC+2QB/3である。その後、瞬時に必要風量Q1がQC-QB/3に切り替わるが、ベース風量Q1aも-QBに切り替わるので、調整風量Q1bは、QC-QB/3-(-QB)を計算すると、結局、QC+2QB/3のままである。よって、調整風量Q1bは図6(c)のようなノコギリ波状になる。
ここで、加圧区間は3〜6秒、休息区間は3〜6秒とするが、これに限定されず、エレベーターかごの走行速度や走行距離等をパラメータとして、短くしたり長くしたりして、区間時間を適宜最適化すると良い。
以上のように、本発明は、矩形波状のベース風量Q1aと、ノコギリ波状の調整風量Q1bを組み合わせて必要風量Q1を生成し、斜行階段式気圧変化パターンP1を実現する。
《気圧制御装置の基本構成について(図7)》
本発明による気圧制御装置の基本構成を図7を用いて説明する。気圧制御装置9は、必要風量Q1を確保するための送風機10と、2段階に変化するベース風量Q1aを生成する風量切替装置11と、ノコギリ波状の調整風量Q1bを生成する風量調整装置12と、送風機10の騒音を低減する消音室13と、これらを接続する流路14と制御装置15で構成する。
送風機10の吸気口は流路14aで風量切替装置11につなぐ。風量切替装置11は、大気側と消音室側の2つの流路14b、14cから空気を吸い込むようにする。そして、大気側と消音室側、即ちかご1から吸い込む空気の風量Q1aを切り替える。例えば、送風機10を一定の回転数で回転させ、風量がQBだったとする。風量切替装置11でかご側の流路14cを全開にし、大気側の流路14bを閉じれば、かご1から吸い込む空気の風量Q1aは送風機10の風量の100%、すなわちQBになる。あるいは、かご側の流路14cの面積を2/3に絞り、残りの1/3に相当する面積で大気側の流路14bを開けば、かご1から吸い込む空気の風量Q1aは送風機10の風量の66.7%、すなわち2 QB/3になる。風量切替装置11は、以上のようにして、かご1から吸い込む空気の風量Q1aを2段階に切り替える。なお、送風機10に吸い込まれる空気の量は、大気側とかご側の流路14b、14cから吸い込まれる空気の合計で、送風機の風量の100%、即ちQBになる。
送風機10の排気口は流路14dで風量調整装置12につなぐ。風量調整装置12は大気側と消音室側の2つの流路14e、14fに空気を排出するようにする。そして、大気側の流路14eと消音室側の流路14fの断面積を調整することにより、かご側に入る空気の風量Q1bを調整する。例えば、かご側の流路14fを閉じて、大気側の流路14eを全開にすれば、かご側に入る空気の風量Q1bはゼロである。このとき、送風機10の風量がQBで、風量切替装置11によって送風機10の風量の100%でかご内の空気を吸い込む場合、消音室13とかご1をつなぐ流路14gより、かご1から吸い出される空気の風量Q1はQBである。
一方、風量調整装置12のかご側の流路14fを半分開いて、大気側の流路14eを半分閉じれば、風量調整装置12からかご側に入る空気の風量Q1bは送風機10の風量の50%である。このとき、送風機10の風量がQBで、風量切替装置11によって送風機10の風量の100%でかご内の空気が吸い込まれる場合、風量調整装置12から半分の風量がかご1に戻るので、結局、かご1から吸い出される空気の風量Q1はQB/2になる。以上のようにして、風量調整装置12はかご1から吸い出される空気の風量Q1を調整し、かご内の気圧P1を目標の気圧に調整する。
消音室13の中は、スポンジ等の吸音材で内部の流路を屈曲させ、送風機10の音を吸収する。また、消音室13からかご1に出入りする空気の風速を下げて風切り音の騒音を無くすために、消音室13とかご1をつなぐ流路14gの断面積は十分大きくする。その結果、消音室13とかご1内の気圧P1は同じとみなせるものとする。
かご1のドア6には隙間があり、かご外から入り込む空気の風量Q2を考慮して必要風量Q1を求める。先に述べたように、ベース風量Q1aの2段階の風量の大きさは、かご1の隙間の大きさに依存するので、隙間の大きさを調整できるようにしても良い。
制御装置15には、かご1の位置または時間に対応する目標気圧変化パターンP1を演算装置で演算または記憶部に記憶させる。高所の展望台と地上との間で一気に下降(または上昇)するようなエレベーターでは、制御装置にあらかじめ設定されまたは制御装置があらかじめ演算して、記憶部に記憶されたパターンで、制御装置15はかご内の気圧制御を行う。一方、ビル内の各階に停止するエレベーターでは、特定の階から別の階に下降(または上昇)するときのかご内の気圧制御のため、制御装置15は目標気圧変化パターンP1を演算してかご内の気圧制御を行う。エレベーターは、決まった速度パターンで移動するので、時間からかご1の位置を計算できる。ここで、位置に対応する気圧変化パターンP1を演算または記憶させることと、時間に対応する目標気圧変化パターンP1を演算または記憶させることは、同じことである。
制御装置15は、エレベーターの運転情報16と目標気圧変化パターンP1に基づき、送風機10の回転数、風量切替装置11のベース風量Q1a、風量調整装置12の調整風量Q1bを制御する。運転情報16とは、具体的にはエレベーターのサービスの状態を示す情報と、かご1の位置または時間を示す情報である。エレベーターのサービスの状態は4種類に分けられる。すなわち、エレベーターがドア6を閉じて停止している待機中の状態、ドア6を開いて乗降サービス中の状態、ドア6を閉じて上に移動中の状態、ドア6を閉じて下に移動中の状態、の4種類の状態に分けられる。そして、制御装置15は、エレベーターの上位の制御装置から送られてくる情報16より、かご1がドア6を閉じて下に移動中と判断した場合に、気圧制御を行う。
《第1の実施例の構成について(図8)》
気圧制御装置9の第1の実施例を図8の模式図に示す。先に説明した通り、送風機10の吸気口に風量切替装置11を配置する。風量切替装置11は外気の空気を吸い込む第1の電磁弁17と、消音室13の空気、即ちかご1の空気を吸い込む第2〜第4の電磁弁18〜20で構成する。図8の例では、第1〜第3の電磁弁17〜19は開いており、第4の電磁弁20は閉じている状態を模式的に示す。電磁弁17〜20は、瞬時に流路の開口部面積を変化させることができるので、応答性が良くベース風量Q1aを矩形波状に切り替えるのに適している。電磁弁17〜20としては、電磁石(ソレノイド)の磁力を用いて弁の開閉を行う電磁弁(ソレノイド弁とも言う)等を使用することができる。
風量調整装置12は、送風機10の排気側に配置した。風量調整装置12は、消音室13、即ちかご1に空気を排出する第1の制御弁21と、外気に空気を排出する第2の制御弁22により構成する。第1と第2の制御弁21、22は、それぞれ0〜100%の間で開度を調節できるが、図8の状態の例では、第1と第2の制御弁21、22の開度は50%の状態を模式的に示す。制御弁21、22は、流路の断面積を無段階に変化させることができ、ノコギリ波状に風量を調節するのに適している。なお、制御弁21、22は、ボールタイプやバタフライタイプの弁の開度を電動で変化できるようにしたものを用いれば良く、例えば、電動モーターによって弁の開閉度が制御され、中間位置での開閉ができる電動弁等が使用できる。
かご1の隙間は1箇所以上空いており、隙間から入る空気の合計の風量をQ2とする。図8では簡単のため、2箇所から均等にQ2/2ずつ流入するものとしている。
図8の状態の例では、送風機10の風量をQBとすると、第1の電磁弁17からQB/3の風量で外気を吸い込み、第2〜第3の電磁弁18、19から2 QB/3の風量でかご1の空気を吸い込む。一方、第1の制御弁21からQB/2の風量でかご1に空気を戻し、第2の制御弁22からQB/2の風量で外気に空気を排出する。よって、かご1に入る空気の風量は- QB/6である。すなわち、QB/6の風量でかご1の空気を吸い出し、かご内の気圧P1を減圧している状態である。
なお、隙間から入る空気の風量Q2がQB/6よりも多ければ、かご内の気圧P1は上昇し、かご内を加圧している状態となる。一方、隙間から入る空気の風量Q2がQB/6よりも少なければ、かご内の気圧P1は下降し、かご内を減圧している状態となる。
《各部の風量の計算について(図8)》
図8において、送風機10の風量をQB[m3/s]とし、送風機10の排気側の気圧をPOUT[Pa]、消音室13の気圧をかご内と同じP1 [Pa]、空気の比重をρ[kg/m3]、第1の制御弁21の開口部面積をAPCV1[m2]とすると、かご1に戻る空気の風量QPCV1[m3/s]は次式(3)となる。
Figure 0005927100
ここで、風量Qの単位は[m3/s]としたので、微小時間Δtは、1.0[s]として計算すればよい。式(3)を第1の制御弁21の断面積APCV1について解くと、以下の式(4)となる。
Figure 0005927100
よって、調整風量QPCV1を式(4)に代入して第1の制御弁21の必要断面積を求めることができる。そして、制御装置15により、第1の制御弁21が必要断面積になるように制御すればよい。
ここで、かご1に戻す空気の風量と、外気に排出する空気の風量の合計は送風機の風量QBに等しい。よって、外気に排気する空気の風量QA[m3/s]は次式(5)となる。
Figure 0005927100
よって、第2の制御弁22の必要断面積APCV2は、次式(6)となる。
Figure 0005927100
よって、調整風量QPCV1を式(6)に代入して第2の制御弁22の必要断面積を求めることができる。そして、制御装置15により、第2の制御弁22が必要断面積になるように制御すればよい。
ここで、風量調整装置12によってかご内を加圧するためには、送風機10の排気側の気圧POUTをかご内の気圧P1に対して十分高くする必要がある。そのためには、風量切替装置11で用いる電磁弁17〜20の圧力損失に対応して、送風機10の出力を十分に取れるように静圧をある程度大きくすれば良い。そうすると、電磁弁17〜20の吸気側の気圧P1、P2に対して、送風機10の排気側の気圧POUTは高くなる。空気は気圧の高い方から低い方に流れるので、第1の制御弁21から必要な調整流量Q1bをかご1に送り込み、かご内を加圧することができる。なお、上記の計算は簡略化のため、流路の配管の長さ等による圧力損失は無視した。
また、複数設ける電磁弁17〜20の流路の断面積をそれぞれ変化させても良い。そして、開閉する電磁弁17〜20の組合せを変更することによって、切り替える風量Q1aの大きさを必要風量Q1に合わせて変更することができる。
《第1の実施例の動作について(図9)》
次に、図9のグラフを用いて第1の実施例の動作方法を説明する。図9の(a)は、斜行階段式の目標気圧変化パターンP1を示す。図9の(b)は、送風機10の回転数、図9の(c)は、第1の電磁弁17の開閉状態、図9の(d)は第2、第3の電磁弁18、19の開閉状態、図9の(e)は、第4の電磁弁20の開閉状態、図9の(f)は、第1の制御弁21の開度、図9の(g)は、第2の制御弁22の開度を示す。いずれのグラフも、横軸は時間を示す。
かご1が下に向かって走行を開始する時間0からt1の区間は、第1の電磁弁17を閉じ、第2〜第4の電磁弁18〜20を開いた状態で送風機10を起動する。すると、送風機10の回転数の上昇に伴い風量が増加し、第2〜第4の電磁弁18〜20からかご1の空気が吸い出され、かご内が減圧される。
送風機10の回転数は、所定の時間t1で最大回転数になり、最大風量QBになるように制御する。そして、吸込み風量が最大風量QBになる所定の時間t1で、風量切替装置11は第1の電磁弁17を開き、第4の電磁弁20を閉じる。すると、第2〜第3の電磁弁18〜19よりかご1の空気は2QB/3の風量で吸い出される。
そして、時刻がt2になったときに、再び第1の電磁弁17を閉じ、第4の電磁弁20を開く。すると、第2〜第4の電磁弁18〜20よりかご1の空気はQBの風量で吸い出される。以後、同様にして、風量切替装置11はベース風量Q1aを風量QBと風量2QB/3の2段階に切り替える。
送風機10によりかご1又はかご1と外気の両方から吸い込んだ空気は、そのまま、送風機10の出口から排出される。第1の制御弁21と第2の制御弁22を、図9に示すとおりに制御することにより、送風機10から排出される空気の一部をかご1に戻す。
時刻0〜t1において、第1の制御弁21は完全に閉じ、第2の制御弁22を全開にする。これにより、送風機10から排出された空気は100%外気に廃棄され、かご1に戻る空気の流量はゼロである。よって、かご1から排出される空気の風量Q1はベース風量Q1aそのものである。時間t1に到達する時のベース風量Q1aは、-QBで、その直後に-2QB/3に切り替わる。
時間t1〜t2においては、第1の制御弁21を開いて時刻t2で全開になるようにする。第2の制御弁22は時間t1での全開から時間t2で完全に閉じるようにする。これにより、送風機10から排出された空気は、100%かご1に戻される。時間t2におけるベース風量Q1aは、-2QB/3である。送風機10から排出される空気の風量はQBなので、かご1は、-2QB/3+ QB= QB/3の風量で加圧される。
ここで、時刻t2における最初の加圧では、必要風量Q1はQB/3よりも10%程度多いQCである。よって、かご1の気圧は十分に加圧されないで、目標の約90%までしかかご1の気圧を上げられない。しかしながら、エレベーターの気圧制御は乗客の不快感を軽減するためのものなので、必ずしも目標値に完全に一致する厳密な制御を要求されない。よって、目標とする気圧変化パターンP1から多少ずれても許容できると考える。なお、時刻t4、t6、t8における必要流量Q1は、安定してほぼQB/3なので、目標気圧P1に制御できる。
時間t〜tにおいては、第2の制御弁22を開いて時刻tで90%程度の開放にし、第1の制御弁21を時刻tでの全開から時刻tで90%程度に閉じる。これにより、時刻tに到達する時には、送風機10から排出された空気は、90%程度が外気に排出され、かご1に戻る空気の流量は10%程度である。よって、かご1から排出される空気の風量Q1はベース風量Q1aの90%程度であり、ベース風量Q1aの10%程度の風量でかご内が加圧される。
これにより、加圧休止区間においても弱めの加圧が行われ、斜行階段式の気圧変化パターンによるかご内の気圧制御が行われる。時刻tに到達する時におけるベース風量Q1aは、-QBであるが、その直後に-2QB/3に切り替わる。
なお、斜行階段式の気圧変化パターンによるかご内の気圧制御を行わない場合は、時間t〜tにおいては、第2の制御弁22を開いて時刻tで全開にし、第1の制御弁21を時刻tでの全開から時刻tで完全に閉じる。これにより、時刻tに到達する時には、送風機10から排出された空気は、100%外気に排出され、かご1に戻る空気の流量はゼロである。よって、かご1から排出される空気の風量Q1はベース風量Q1aそのものである。時刻tに到達する時におけるベース風量Q1aは、-QBで、その直後に-2QB/3に切り替わる。なお、図9(f)(g)は、この状態での制御弁(比例制御弁)21,22の開放状態を例示している。
ここで、加圧区間は3〜6秒、休息区間は3〜6秒とするが、これに限定されず、エレベーターかごの走行速度や走行距離等をパラメータとして、短くしたり長くしたりして、区間時間を適宜最適化すると良い。
《第2の実施例の構成について(図10)》
気密性が高い気密かご1の場合、先に示したように、必要風量Q1は図5(c)のように正の風量と負の風量の2段階になる。この場合、風量切替装置11で空気の流れる方向を切り替える必要がある。そこで、隙間が小さい気密かご1の場合について、図10を用いて、本発明による気圧制御装置9の第2の実施例を説明する。
送風機10の吸気側に、第1〜第3の電磁弁23〜25から成る第1の風量切替装置11aと、第1〜第2の制御弁26、27から成る第1の風量調整装置12aを取り付ける。図10に示すように、送風機10の吸気口を二股に分け、第1の電磁弁23はかご1の空気を吸い込む流路14hに取り付け、第2の電磁弁24は、制御弁26、27につながる流路14iに取り付ける。第2の電磁弁24の先は二股に分け、かごの空気を吸い込む流路14jに第1の制御弁26、外気の空気を吸い込む流路14kに第2の制御弁27を取り付ける。第1の制御弁26と消音室13の間の流路14lに、第3の電磁弁25を取り付ける。
送風機10の排気側に、第4〜第6の電磁弁28〜30から成る第2の風量切替装置11bと、第3〜第4の制御弁31、32から成る第2の風量調整装置12bを取り付ける。送風機10の排気口を二股に分け、第4の電磁弁28は、かご1に空気を排出する流路14mに取り付ける。第5の電磁弁29は、制御弁31、32につながる流路14nに取り付ける。第5の電磁弁29の先は二股に分け、かご1に空気を排出する方の流路14oに第3の制御弁31を取り付け、外気に空気を排出する流路14pに第4の制御弁32を取り付ける。第3の制御弁31と消音室13をつなぐ流路14qに第6の電磁弁30を取り付ける。
図10の例では、第1〜第3の電磁弁23〜25を開き、第1と第2の制御弁26、27は半開きの状態である。送風機10の風量をQBとすると、第1の電磁弁23からQB/2の風量でかご1の空気を吸い込み、第1の制御弁26からQB/4の風量でかご1の空気を吸い込み、第2の制御弁27から残りのQB/4の風量で外気の空気を吸い込むようにしている。また、第4の電磁弁28を閉じ、第5〜第6の電磁弁29、30を開くことで、送風機10から排気される空気が制御弁31、32の方に流れるようにしている。ここで、第3の制御弁31を完全に閉じて、第4の制御弁32を全開にすることにより、かご1に戻る空気はゼロにしている。その結果、かご1から吸い出される空気の風量Q1は、QB/4+QB/2=3QB/4である。
エレベーターが待機中の時は図10の状態で送風機10を停止させ、かご1が下降するときに送風機10の回転数を上げていく制御をする。すると、送風機10の回転数に応じて、徐々にかご内の気圧P1を減圧し、最大回転時の送風機10の風量をQBとすると、最大で3QB/4の風量でかご1の空気を吸い込み外気に排出すことができる。
《第2の実施例の動作について(図11)》
図11を用いて、第2の実施例の動作を説明する。図11(a)は、必要風量Q1のグラフと、時刻t1で風量を切り替えるときの弁23〜32の動作を示す。図10で説明したように、時刻0〜t1の区間は、送風機10の回転数を上げて3QB/4の風量でかご1の空気を吸い出す。かごに入る空気の風量の符号を正にするので、この時の風量は、必要風量Q1のグラフでは-3QB/4の風量に対応する。なお、このときの第1の電磁弁23と第2の電磁弁24と第3の電磁弁25と第5の電磁弁29と第6の電磁弁30は開き、第4の電磁弁は28閉じておく。また、第1の制御弁26と第2の制御弁27は半開きの状態で、第3の制御弁31は完全に閉じ、第4の制御弁32は全開の状態である。つまり、後で説明する図11(d)の第1〜第4の制御弁26、27、31、32の状態をそのまま維持している。
時刻t1で風量を切り替えるときは、第1の電磁弁23を閉じる。すると、半開き状態の第1〜第2の制御弁26、27からQB/2ずつかご内およびかご外の空気を吸い込む。同時に、第4の電磁弁28を開き、第5〜第6の電磁弁29、30を閉じる。すると、送風機10から排出される全ての空気がかご1に排出される。その結果、かご1に入る空気の風量Q1は、-QB/2+QB=QB/2になり、必要風量Q1のグラフに矢印で示すように一気に風量が切り替わる。
図11(b)は、必要風量Q1のグラフと、時刻t1〜t2でかご内に入る空気の風量を調整するときの弁23〜32の動作を示す。第1の制御弁26を半開きの状態から完全に閉じるように動かし、第2の制御弁27を半開きの状態から全開の状態に動かし、かご1から吸い込む空気の流量をゼロに変えて行く。こうすると、かご内に入る空気の風量Q1をQB/2からQBに変化させることができる。なお、この間に、第3の制御弁31を全開にし、第4の制御弁32を完全に閉じておく。
図11(c)は、必要風量Q1のグラフと、時刻t2で風量を切り替えるときの弁23〜32の動作を示す。第1の電磁弁23を開くと、第1の電磁弁23と全開状態の第2の制御弁27から、QB/2ずつかご内およびかご外の空気を吸い込む。同時に、第4の電磁弁28を閉じ、第5〜第6の電磁弁29、30を開く。あらかじめ、第3の制御弁31を全開にしてあり、第4の制御弁32は閉じてあるので、送風機10から排出される全ての空気がかご1に排出される。その結果、かご内に入る空気の風量Q1は、-QB/2+QB=QB/2になり、必要風量Q1のグラフに矢印で示すように一気に風量が切り替わる。
図11(d)は、必要風量Q1のグラフと、時刻t2〜t3でかご内に入る空気の風量を調整するときの弁23〜32の動作を示す。第1の制御弁26を閉じた状態から半開きの状態に動かし、第2の制御弁27を全開の状態から半開きの状態に動かす。すると、第1の電磁弁23からQB/2の風量でかご内の空気が吸い込まれ、第1の制御弁26からQB/4の風量でかご内の空気が吸い込まれる。そして、第2の制御弁27から残りのQB/4の風量でかご外の空気が吸い込まれる。一方、第3の制御弁31を全開の状態から閉じた状態に動かし、、第4の制御弁32を閉じた状態から全開の状態に動かす。すると、かご1に排出される空気はゼロになる。その結果、かご内から吸い出される空気の風量Q1は、-QB/4-QB/2=-3QB/4になる。
かご1が停止するときは、かご内から吸い出す空気の風量Q1を徐々にゼロにするが、図11(d)の状態で、送風機10の回転速度を徐々に落として止めれば良い。
ここで、加圧区間は3〜6秒、休息区間は3〜6秒とするが、これに限定されず、エレベーターかごの走行速度や走行距離等をパラメータとして、短くしたり長くしたりして、区間時間を適宜最適化すると良い。
以上のように、かご1の隙間が小さい場合でも、本発明による風量切替装置11と風量調整装置12によって、必要風量Q1に制御でき、斜行階段式の気圧変化パターンP1を実現できる。
なお、かご1が上昇する場合は、送風機10の回転を逆向きにして同様の制御をすれば良いので、説明を省く。
《送風機の回転数と気圧センサで風量を調整する方法について》
かご1の隙間の大きさは経年変化するので、定期的にチェックすることが望ましい。ドア6が閉じており、積載荷重がゼロで基準階(通常1階)に停止中の場合に、エレベーターが待機モードであると判断し、その間に隙間の大きさを制御装置9が自動でチェックしても良い。制御装置15は、風量切替装置11と風量調整装置12を操作し、所定の回転数で送風機10を回転させて全風量をかご内に送り込み、かご内外の気圧差ΔP[Pa]を測定する。送風機10の仕様から、送風機10の回転数に対応する風量QB[m3/s]を知ることができるので、隙間A[m2]の大きさは次式(7)により計算できる。
Figure 0005927100
ここで、ρは空気の密度[kg/m3]である。送風機10の回転数を変更しながら風量QBを変えて気圧差ΔPを何点か測定すると、風量Qと隙間面積Aの関係は次のような一次関数の式(8)で近似できる。
Figure 0005927100
ここで、C1は測定結果より求められる比例定数、A0は初期隙間である。さらに、数式処理すると、かご1の内外気圧差ΔPと隙間面積Aの関係は次式(9)で表現できる。
Figure 0005927100
ここで、C2、C3は測定結果より求められる係数である。
以上より、待機中に送風機10を回転させかご内の差圧を測定することによって、制御装置9は隙間の大きさを確認することができる。気圧制御装置9の設計仕様として、時刻t1でのかご内外の最大気圧差ΔPmax(図6では-QB)に対する許容隙間面積Amaxが与えられるが、式(9)にΔPmaxを代入して使用状態における隙間の大きさを計算すれば、隙間面積が適正かどうかチェックすることができる。
ここで、隙間面積が小さ過ぎる場合は第1の実施例の構成では対応できない。よって、第1の実施例の場合は隙間の大きさに下限値がある。経年変化や製造個体差等で隙間面積が下限値よりも小さい場合、かご1や流路14の配管または消音室13に予備の穴を設けて隙間の面積を拡大し、適正な範囲に調整できるようにしても良い。予備の穴に、開度を調整できる弁を用いれば、制御装置9が隙間面積が適正かどうかチェックして制御装置9の制御により隙間の大きさを微調整できて便利である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部文は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しでもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drvie)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD 等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線およびそれらの結合は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線およびそれらの結合を示しているとは限らない。実際には殆ど全てもしくは多くの構成が相互に関係付けられ接続されていると考えてもよい。
1…かご、6…ドア、9…気圧制御装置、10…送風機、11…風量切替装置、12…風量調整装置、13…消音室、14…流路、15…制御装置、16…エレベーター運転情報、17〜20…電磁弁、21〜22…制御弁、23〜25…電磁弁、26〜27…制御弁、28〜30…電磁弁、31〜32…制御弁。

Claims (12)

  1. 送風機による吸排気によって、エレベーターかご内の気圧を、かごの昇降に合わせて階段状の気圧変化パターンとなるように制御するかご内の気圧制御装置を有するエレベータにおいて、
    前記かご内の気圧制御装置は、前記送風機と前記かごと外気に流路でつながり、かご内に出入りする空気の風量を段階的に切り替える風量切替装置と、前記送風機と前記かごと外気に流路でつながり、かご内に出入りする空気の風量を連続的に変化させる風量調整装置と、エレベーターの運転情報に応じて前記送風機と前記風量切替装置と前記風量調整装置を制御する制御装置と、を備え
    前記送風機の吸気口の流路が分岐され、前記風量切替装置は、段階的に開閉する複数の電磁弁を有し、一部の電磁弁は前記かごと前記送風機とをつなぐ流路に取り付け、他の電磁弁は外気と前記送風機とをつなぐ流路に取り付けて構成し、さらに、前記送風機の排気口の流路が分岐され、前記風量調整装置は、連続的に開閉する複数の制御弁を有し、一部の制御弁は前記送風機と外気とをつなぐ流路に取り付け、他の制御弁は前記送風機と前記かごとをつなぐ流路に取り付けて構成したことを特徴とするエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター。
  2. 送風機による吸排気によって、エレベーターかご内の気圧を、かごの昇降に合わせて階段状の気圧変化パターンとなるように制御するかご内の気圧制御装置を有するエレベーターにおいて、
    前記かご内の気圧制御装置は、前記送風機と前記かごと外気とに流路でつながり、かご内に出入りする空気の風量を段階的に切り替える風量切替装置と、前記送風機と前記かごと外気とに流路でつながり、かご内に出入りする空気の風量を連続的に変化させる風量調整装置と、エレベーターの運転情報に応じて前記送風機と前記風量切替装置と前記風量調整装置とを制御する制御装置と、を備え、
    前記送風機の吸気口の流路と排気口の流路が分岐され、前記風量切替装置は、段階的に開閉す複数の電磁弁を有し、前記吸気口の流路が分岐された流路及び前記排気口の流路が分岐された流路のそれぞれにおいて、一部の電磁弁は前記送風機と外気とをつなぐ流路に取り付け、他の電磁弁は前記送風機と前記かごとをつなぐ流路に取り付けて構成し、前記風量調整装置は、連続的に開閉する複数の制御弁を有し、前記送風機の前記吸気口の流路が分岐された流路であって、前記送風機と外気とをつなぐ流路に取り付けた前記風量切替装置の電磁弁の空気流れ方向上流側の流路を分岐させ、一部の制御弁は前記かごにつながる流路に取り付け、他の制御弁を外気につながる流路に取り付け、さらに、前記送風機の排気口の流路が分岐された流路であって、前記送風機と外気とをつなぐ流路に取り付けた前記風量切替装置の電磁弁の空気流れ方向下流側の流路を分岐させ、一部の制御弁は前記かごにつながる流路に取り付け、他の制御弁を外気につながる流路に取り付けて構成したことを特徴とするエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター。
  3. 請求項1または2に記載のエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーターにおいて、
    前記風量切替装置は、前記送風機の吸気側または排気側に複数設けられ、電動で開閉する前記電磁弁の動作によって、空気が流れる流路の断面積を段階的に変化させ、段階的に風量を切り替え、前記風量調整装置は、前記送風機の排気側または吸気側に複数設けられた、電動で開度を連続的に制御する前記制御弁によって、流路の断面積を連続的に変化させ、連続的に風量を変化させて調整することを特徴とするエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター。
  4. 請求項1または2に記載のエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーターにおいて、
    前記制御装置は、設定された目標気圧変化パターンとエレベーターの運転情報に基づいて、前記送風機の回転数、前記風量切替装置の前記電磁弁の開閉、および前記風量調整装置の前記制御弁の開度を制御することを特徴とするエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター。
  5. 請求項1または2に記載のエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーターにおいて、
    前記エレベーターかごは、かご内外の気圧差を測定する気圧計を有し、前記制御装置は前記送風機の回転数とかご内外の気圧差より、かごの隙間面積の大きさを演算することを特徴とするエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター。
  6. 請求項に記載のエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーターにおいて、
    前記制御装置には、前記かごの隙間面積の下限値が設定されており、予備に設けた隙間の面積を拡大して隙間面積が下限値よりも大きくなるように変更することを特徴とするエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター。
  7. 昇降路内を昇降するエレベーターかご内の気圧を、当該かごに備えられた送風機による吸排気によって、当該かごの昇降に合わせて階段状の気圧変化パターンとなるように制御するかご内の気圧制御装置を備えるエレベーターにおいて、
    前記かご内の気圧制御装置は、かご内に出入りする空気の風量を段階的に切り替える風量切替装置と、かご内に出入りする空気の風量を連続的に変化させる風量調整装置とを備えるとともに、前記エレベータかご内の気圧を階段状の気圧変化パターンで制御する当該気圧変化パターンを記憶する記憶部を有し、
    前記かご内の気圧制御装置は、前記階段状の気圧変化パターンを生成するように、前記風量切替装置と前記風量調整装置とを制御して、前記エレベータかご内の気圧を制御し、
    前記かごは、かご内外の気圧差を測定する気圧計を有し、前記制御装置は前記送風機の回転数とかご内外の気圧差より、前記かごの隙間面積の大きさを演算することを特徴とするエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター。
  8. 昇降路内を昇降するエレベーターかご内の気圧を、当該かごに備えられた送風機による吸排気によって、当該かごの昇降に合わせて階段状の気圧変化パターンとなるように制御するかご内の気圧制御装置を備えるエレベーターにおいて、
    前記かご内の気圧制御装置は、かご内に出入りする空気の風量を段階的に切り替える風量切替装置と、かご内に出入りする空気の風量を連続的に変化させる風量調整装置とを備えるとともに、前記エレベータかご内の気圧を階段状の気圧変化パターンで制御する当該気圧変化パターンを演算して生成する演算部を有し、
    前記かご内の気圧制御装置は、前記階段状の気圧変化パターンを生成するように、前記風量切替装置と前記風量調整装置とを制御して、前記エレベータかご内の気圧を制御し、
    前記かごは、かご内外の気圧差を測定する気圧計を有し、前記制御装置は前記送風機の回転数とかご内外の気圧差より、前記かごの隙間面積の大きさを演算することを特徴とするエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター。
  9. 請求項8または9に記載のエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーターにおいて、
    前記制御装置には、前記かごの隙間面積の下限値が設定されており、予備に設けた隙間の面積を拡大して隙間面積が下限値よりも大きくなるように変更することを特徴とするエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター。
  10. 請求項8または9に記載エレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーターにおいて、
    前記風量切替装置は、前記送風機の吸気側または排気側の流路に複数設けられた電磁弁の動作によって、段階的に流路の風量を切り替え、前記風量調整装置は、前記送風機の排気側または吸気側に複数設けられた弁の開度を連続的に制御する制御弁によって、連続的に流路の風量を変化させて調整することを特徴とするエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター。
  11. 請求項8または9に記載のエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーターにおいて、
    前記制御装置は、設定された目標気圧変化パターンとエレベーターの運転情報に基づいて、前記送風機の回転数、前記風量切替装置に設けられた電磁弁の開閉、前記風量調整装置に設けられた制御弁の開度を制御することを特徴とするエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター。
  12. 請求項8または9に記載のエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーターにおいて、
    前記制御装置は、前記エレベータかご内の気圧を、外気に対して負圧にして、前記階段状の気圧変化パターンで制御することを特徴とするエレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター。
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