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JP5880409B2 - 全固体リチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

全固体リチウム二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、全固体リチウム二次電池の製造方法に関し、より詳しくは、負極活物質としてケイ素を含む負極層を有する、優れた充放電サイクル特性を有する全固体リチウム二次電池の製造方法に関する。
全固体リチウム二次電池は、エネルギー密度が高く、高い起電力を生じることが可能であることから、高性能で、なおかつ小型軽量化を図ることができ、携帯電話等の情報機器や、ハイブリッド自動車等の電力供給源としての需要が高まっている。従来の全固体リチウム二次電池においては、負極活物質として、黒鉛が一般的に使用されているが、可逆的な電気化学反応によりリチウムと合金を形成するアルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、錫(Sn)を含む負極活物質が、黒鉛より高い充放電容量を達成することが期待され検討がなされてきた。
しかし、リチウムと合金化する元素状のAl、Si、Snなどの粒子を負極活物質として使用すると、これらの粒子は、粒子の中心側よりも表面側ほど充放電に伴うリチウムとの合金化反応及び脱離反応が進行しやすい。そのため、充放電に伴う負極活物質の体積膨張及び収縮によって、負極活物質粒子に割れが生じ、負極活物質粒子が微粉化することがある。さらに、充放電に伴う負極活物質の体積膨張及び収縮によって、負極層内で負極活物質粒子と固体電解質材料との間に空隙が生じたり、負極活物質粒子と負極活物質粒子との間及び負極活物質粒子と負極の他の固体材料(例えば、固体電解質、導電助剤(例えばカーボンブラック、カーボンファイバーなど)など)との間に空隙が生じることがあり、負極層内のリチウムイオン伝導経路及び電子伝導経路が損なわれ、充放電サイクルにより次第に容量が低下するという問題がある。負極活物質粒子と負極活物質粒子との間の空隙及び負極活物質粒子と負極の他の固体材料との間の空隙は、顕著な場合、負極層の割れとして観察されることがある。さらに、充放電に伴う負極活物質の体積膨張及び収縮により負極層と固体電解質層及び/又は集電体との界面に応力が発生し、負極層と固体電解質層及び/又は集電体から剥離するという問題がある。黒鉛にリチウムイオンを吸蔵させた場合の体積変化率は約1.1倍であるのに対し、ケイ素にリチウムイオンを吸蔵させた場合の体積変化率は約4.1倍に達することから、ケイ素を負極活物質として使用した場合に、負極層が固体電解質層及び/又は集電体から剥離することが特に懸念される。
そこで、例えば、特許文献1には、導電性金属箔を集電体とし、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む活物質材料と導電性金属粉末の混合物を集電体の表面上で還元性雰囲気下に焼結することにより、活物質材料及び導電性金属粉末の集電体に対する密着性を高めることが開示されている。しかし、特許文献1に記載されているように活物質材料及び導電性金属粉末を集電体表面上で焼結したとしても、特許文献2に記載されているように、負極活物質中にケイ素成分が多いために、放電末期の負極合剤層の収縮時に、負極合剤層内部の集電性が低下し、負極合剤層内部の抵抗成分が増大する。そのため、電池電圧が低下し、充放電サイクルによる容量の低下を十分に抑制できないという問題がある。
充放電サイクル特性の劣化を抑制するために、特許文献3には、Liと合金化可能な元素を含む負極を備えた非水二次電池の製造方法において、初回充電工程において、負極の厚み方向に加圧しながら1.0mA/cm以下の低電流密度で充電を行うことにより負極層の粒子の微粉化を抑制し、かつ、負極の膨張を抑制しながら膨張により形成された負極内の空隙を埋めるべく負極を加圧して、負極内の粒子間の接触を保持することが記載されている。しかし、特許文献1〜3に記載されている方法を使用しても、その後の充放電による固体電解質層からの負極層の剥離及び負極層の割れを防ぐことはできず、充放電サイクル特性の劣化を十分に抑制できない。
特許文献4には、活物質と硫化物系固体電解質材料とを含む電極層を少なくとも有する全固体リチウム二次電池をプレス成形により形成する工程と、全固体リチウム二次電池を少なくとも1回充放電する充放電工程と、充放電工程後に全固体リチウム二次電池を再度プレス成形する工程を有することを特徴とする全固体リチウム二次電池の製造方法が記載されており、全固体リチウム二次電池を再度プレス成形することにより、図1に示されているように、充放電工程で生じた活物質及び硫化物系固体電解質材料の間の空隙を減少させ、充放電時に移動した全固体リチウム二次電池内部の粒子の配置を密にし、全固体リチウム二次電池の粒子の密度分布を均一にすることが記載されている。しかし、充放電サイクル特性の劣化をより一層抑制することが求められている。
特開2002−75332号公報 特開2007−95568号公報 特開2005−32632号公報 特開2010−238484号公報
本発明は、負極活物質としてケイ素を含む負極層の充放電サイクルによる劣化を抑制し、優れた充放電サイクル特性を有する全固体リチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題につき鋭意検討した結果、特許文献1〜3に記載されているように負極内の空隙を埋めるべく負極を加圧して負極内の粒子間の接触を保持したり、特許文献4に記載されているように充放電時に移動した全固体リチウム二次電池内部の粒子の配置を密にして全固体リチウム二次電池の粒子の密度分布を均一にするのではなく、全固体リチウム二次電池を形成し充放電した後のプレス工程において全固体リチウム二次電池を正極層と固体電解質層と負極層の積層方向(各層の厚み方向と一致する方向)にプレスすることにより当該積層方向に負極層を圧縮して負極層の厚み方向に延在する割れを形成すると、その後の充放電サイクルに伴って負極活物質粒子が体積膨張及び収縮することにより負極層と固体電解質層及び/又は集電体との界面に応力が発生したとしても、負極層と固体電解質層及び/又は集電体との界面に発生した応力を、負極層の厚み方向に延在する割れによって緩和することができ、その結果、負極活物質粒子の体積膨張及び収縮による固体電解質層及び/又は集電体からの負極層の剥離を防止することができることを見出した。
すなわち、本発明によれば、少なくとも、正極層、負極層、及び前記正極層と前記負極層の間に配置された固体電解質層を含む全固体リチウム二次電池の製造方法であって、
(a)少なくとも正極層と固体電解質層と負極層を含む全固体リチウム二次電池を形成する工程、
(b)工程(a)で形成された全固体リチウム二次電池を少なくとも1回充放電する充放電工程、及び
(c)充放電工程(b)にかけられた全固体リチウム二次電池を、前記正極層と固体電解質層と負極層の積層方向にプレスして当該積層方向に少なくとも負極層を圧縮する工程、
を含み、前記負極層がケイ素、ケイ素合金又はそれらの組み合わせからなる負極活物質粒子を含む、全固体リチウム二次電池の製造方法が提供される。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法によれば、充放電工程(b)後、プレス工程(c)において負極層がその厚み方向に圧縮されることにより形成された負極層の厚み方向に延在する割れのために、その後の充放電サイクルに伴って負極活物質粒子が体積膨張及び収縮することにより負極層と固体電解質層及び/又は集電体との界面に応力が発生したとしても、負極層と固体電解質層及び/又は集電体との界面に発生した応力を、負極層の厚み方向に延在する割れによって緩和することができ、その結果、固体電解質層及び/又は集電体からの負極層の剥離を防止することができる。そのため、当該方法により製造される全固体リチウム二次電池は優れた充放電サイクル特性を維持することができるという効果を奏する。
図1は、従来技術(特許文献4)の方法により製造される全固体リチウム二次電池における硫化物系固体電解質材料1と活物質2とを含む電極層を示す模式的拡大断面図である。 図2は、本発明の方法により製造される全固体リチウム二次電池における負極層を示す模式的拡大断面図である。 図3は、充放電サイクル試験の結果を表すグラフを示す。 図4は、実施例1と同様に作製した全固体リチウム二次電池について、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で4サイクルの定電流充放電を行い、4ton/cmでプレスした後、負極層と電解質層と正極層の積層方向に対して平行な方向の負極層と電解質層の断面の走査型電子顕微鏡写真を示す。 図5は、比較例1と同様に作製した全固体リチウム二次電池について、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で4サイクルの定電流充放電を行い、電池をプレスせずに、負極層と電解質層と正極層の積層方向に対して平行な方向の負極層と電解質層の断面の走査型電子顕微鏡写真を示す。 図6は、比較例2の全固体リチウム二次電池について、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で4サイクルの定電流充放電を行い、電池をプレスせずに、負極層と電解質層と正極層の積層方向に対して平行な方向の負極層と電解質層の断面の走査型電子顕微鏡写真を示す。 図7は、比較例3の全固体リチウム二次電池について、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で4サイクルの定電流充放電を行い、電池を4ton/cmでプレスした後、負極層と電解質層と正極層の積層方向に対して平行な方向の負極層と電解質層の断面の走査型電子顕微鏡写真を示す。
本発明によれば、工程(a)において、少なくとも正極層と固体電解質層と負極層とを含む全固体リチウム二次電池を形成する。工程(a)により得られる全固体リチウム二次電池における負極層においては、負極層に含まれる負極活物質粒子は負極の他の固体材料(例えば、固体電解質、導電助剤(例えばカーボンブラック、カーボンファイバーなど)、バインダー(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)など)、集電箔(例えば、Cu箔、ステンレス(SUS)箔など)など)と密着した状態で存在する。
工程(a)で得られた全固体リチウム二次電池は、次に、充放電工程(b)(初回充放電)にかけられる。充放電工程(b)において、負極活物質粒子は充電により膨張するとともに再配置する。さらに、負極活物質粒子の膨張及び再配置に伴って、負極活物質粒子の周りに存在する他の固体材料は塑性変形及び/又は再配置する。次に負極活物質粒子が放電により収縮すると、負極活物質粒子とそれらの周りの他の固体材料との間に空隙が生じる。
充放電工程(b)の次に、プレス工程(c)において、全固体リチウム二次電池を正極層と固体電解質層と負極層の積層方向(各層の厚み方向と一致する方向)にプレスすることにより当該積層方向に少なくとも負極層が圧縮される。プレス工程(c)において、負極層が厚み方向に圧縮されるため、充放電工程(b)で発生した負極活物質粒子とそれらの周りの他の固体材料との間の各空隙の間隔は、負極層の厚み方向において減少又は消失する。一方、充放電工程(b)において、負極活物質粒子の膨張に伴って負極活物質粒子が再配置し、さらに、それに伴って負極活物質粒子の周りに存在する他の固体材料が塑性変形及び/又は再配置する。充放電工程(b)により、負極活物質粒子の膨張に伴って負極活物質粒子と他の固体材料との間に空隙が生じ、複数の空隙が互いに連結すると、連結した空隙は負極層内に割れとして観察される。充放電工程(b)において生じた割れについて、プレス工程(c)における負極層の厚み方向における負極層の圧縮により、割れが負極層の面内方向に沿って延びている箇所では、割れの幅(負極層の厚み方向における幅)は減少するが、割れが負極層の厚み方向に沿って延びている箇所では、割れの幅(負極層の面内方向における幅)は、割れの負極層の厚み方向における幅の減少ほど大きく減少しない。そのため、プレス工程(c)後に負極層内に形成されている又は残存している割れは、負極層の一部をその厚み方向で切断した図2の模式的拡大断面図に示されているように、負極層の厚み方向にほぼ沿って延在するものとなる。
図2では、負極層の厚み方向が矢印で示されており、負極活物質が21、固体電解質などの他の固体材料が22、割れが23で示されている。本発明の上記方法によって製造される全固体リチウム二次電池は、その後の充放電サイクルに伴って負極活物質粒子が体積膨張及び収縮することにより負極層と固体電解質層及び/又は集電体との界面に応力が発生したとしても、負極層と固体電解質層及び/又は集電体との界面に発生した応力を、負極層の厚み方向に延在する割れによって緩和することができ、その結果、固体電解質層及び/又は集電体からの負極層の剥離を防止することができる。また、負極層の面内方向に延在する割れは充放電の際のリチウムイオン及び電子の伝導を妨げるのに対し、負極層の厚み方向に延在する割れはリチウムイオン及び電子の伝導を妨げない。なぜなら、負極層の厚み方向に延在する割れは電極間の電界方向に一致するからである。本発明は、充放電サイクル特性の向上に加えて、負極層を、充放電工程による劣化後に、プレスすることによって、容量が元よりも増加するという優れた効果を奏する。これは、充放電の体積変化による応力で負極活物質粒子が割れて負極活物質粒子の比表面積が増大する結果、プレスにより固体電解質や導電助剤との接触面積が向上することや、一度充放電することで負極活物質粒子と固体電解質界面が良好になることで、容量が向上すると考えられる。なお、図2の縮尺は、必ずしも実際の縮尺を正確に反映したものでない。
以下、本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法の各工程について説明する。
(a)全固体リチウム二次電池形成工程
当該工程は、少なくとも正極層と固体電解質層と負極層を含む全固体リチウム二次電池を形成する工程である。工程(a)は、当該技術分野で知られている方法により行うことができる。例えば、工程(a)において、正極層と固体電解質層と負極層の各層を個別に形成した後、各層を積層して積層方向にプレスすることにより一体化させる方法であってもよいし、予め固体電解質層を形成し、固体電解質層の表面に、正極形成用材料及び負極形成用材料および電極集電体を配置して積層方向にプレスする方法であってもよい。例えば、まず、電気絶縁性ケース又は内側が電気絶縁性材料で覆われた金属ケース内において固体電解質材料をプレス成形して固体電解質層を形成し、得られた固体電解質層上に負極活物質粒子と他の固体材料との混合物から成る負極形成用材料を層状に配置し積層方向にプレスすることにより固体電解質層上に負極層を形成し、次に、正極層と固体電解質層と負極層との積層体が形成されるように正極層を固体電解質層上に設け、得られた積層体を最終的にプレスすることにより実施できる。必要に応じて、正極及び負極のそれぞれの外面に集電体が設けられる。工程(a)において使用できるプレス成形装置としては、一般的な全固体リチウム二次電池を製造する際に使用されるものと同様のものであることができる。
工程(a)により形成される全固体リチウム二次電池の負極層は、負極活物質粒子と固体電解質を含む負極形成用材料から形成される。負極形成用材料は、さらに、必要に応じて、他の固体材料(例えば、導電助剤(例えばカーボンブラック(例えばアセチレンブラック、ケチェンブラックなど)、カーボンファイバーなど)、バインダー(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)など)など)を含んでもよい。負極活物質粒子は、ケイ素、ケイ素合金又はそれらの組み合わせからなる。ケイ素合金としては、例えば、ケイ素と他の1種以上の元素(例えば酸素、窒素、ホウ素、硫黄、ゲルマニウムなど)との固溶体、金属間化合物、共晶合金などが挙げられる。負極活物質粒子の平均粒径は、典型的には、10nm〜20μm、好ましくは100nm〜10μmである。上記範囲内であると、粒子内のイオンや電子の伝導経路が長くなく、大きい電流密度でも作動できるとともに、粒子同士の凝集を抑制でき、良好な分散性をもたらすことができる。負極活物質粒子の平均粒径は、電子顕微鏡画像を解析することにより求めることができる。負極層の厚みは、特に限定されないが、通常、5〜100μmである。
負極層に使用される固体電解質は、固体電解質としての機能を有するものであれば特に限定されない。固体電解質としては、全固体リチウム二次電池において一般的に用いられるものと同様のものを用いることができる。固体電解質の例としては、例えば、硫化物系固体電解質(例えばLiS−P系、LiS−SiS系、LiS−GeS系ガラスやガラスセラミックス、さらには、これらの酸化物置換されたもの、ハロゲン化リチウムが添加された材料など)、酸化物系固体電解質(例えばLiPON、Li1+xAlGe2−x(PO、Li−SiO系ガラス、Li−Al−S−O系ガラス、LiLaZr12)等が挙げられる。固体電解質は、典型的には0.1μm〜50μm、好ましくは1μm〜10μmの平均粒径を有する。上記範囲内であると、負極活物質粒子との接触面積が大きく成り、粒子同士の凝集が抑制され、良好な分散性がもたらされる。固体電解質の平均粒径は、電子顕微鏡画像を解析することにより求めることができる。
負極層において、負極活物質粒子と固体電解質は、典型的には50:50〜90〜10、好ましくは60:40〜80:20の質量比で存在する。負極活物質粒子と固体電解質との質量比が上記範囲を超えると、活物質のまわりに電解質がうまく配置できないため、イオンの伝導経路を確保することが困難である。上記範囲未満では、活物質の量が少ないために、得られる電池のエネルギーの電池がもたらされるという問題がある。
一態様において、負極層は、当該負極層の総質量を基準にして、ケイ素から成る負極活物質粒子を60〜90質量%、電解質を5〜30質量%、導電助剤を1〜10質量%、バインダーを1〜10質量%含む。
負極層の集電を行う負極集電体を固体電解質層とは反対側の負極層表面に有してもよい。負極集電体は、全固体リチウム二次電池で一般的に用いられている各種の材料、例えばステンレス(SUS)、銅、ニッケルおよびカーボン等から形成することができ、中でもSUSが好ましい。負極集電体の形状は、得られる全固体リチウム二次電池の用途に応じて適宜選択することができ、例えば箔状およびメッシュ状等の形状であることができる。
工程(a)により形成される全固体リチウム二次電池の固体電解質層は、固体電解質層としての機能を有するものであれば特に限定されない。固体電解質層に用いられる固体電解質としては、全固体リチウム二次電池において一般的に用いられるものと同様のものを用いることができる。固体電解質の例としては、例えば、硫化物系固体電解質(例えばLiS−P系、LiS−SiS系、LiS−GeS系ガラスやガラスセラミックス、さらにはこれらの多成分系や酸化物置換されたもの、ハロゲン化リチウムが添加された材料など)、酸化物系固体電解質(例えば例えばLiPON、Li1+xAlGe2−x(PO、Li−SiO系ガラス、Li−Al−S−O系ガラス、LiLaZr12)等が挙げられる。固体電解質は、典型的には0.1μm〜50μm、好ましくは1μm〜10μmの平均粒径を有する。上記範囲内であると、比較的薄く、均一な厚さの電解質膜を成型することができる。固体電解質の平均粒径は、電子顕微鏡画像を解析することにより求めることができる。固体電解質層の厚みは、特に限定されないが、通常、1μm〜1cmである。
工程(a)により形成される全固体リチウム二次電池の正極層は、正極層としての機能を有するものであれば特に限定されず、全固体リチウム二次電池において一般的に用いられているものと同様のものを用いることができる。正極層は、正極活物質及び固体電解質を含み、さらに必要に応じて、導電助剤(例えばカーボンブラック、カーボンファイバーなど)、バインダーなどを含む正極形成用材料から形成することもできる。
正極活物質は特に限定されず、負極活物質の充放電電位や酸化還元電位と比べて貴な電位を示すものであればよい。正極活物質としては、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiMn、LiVO、LiCrO、LiFePO、LiCoPO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMnO、LiMnO−LiNi1/3Co1/3Mn1/3の固溶体などが挙げられる。正極活物質の形状は、粒子状であることが好ましい。正極活物質粒子の平均粒径は、典型的には100nm〜50μm、好ましくは1μm〜20μmである。正極層における正極活物質の含有量は、典型的には、50〜90質量%である。導電助剤の具体例としては、例えばカーボンブラック(例えばアセチレンブラック、ケチェンブラックなど)、カーボンファイバーなどが挙げられる。バインダーとしては、化学的、電気的に安定なものであることが好ましく、具体例として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダー成分、及び、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)などのゴム系バインダー成分などが挙げられる。正極層におけるバインダーの含有量は、正極活物質等を安定に固定化できる限り、より少ないことが好ましく、正極層の総質量を基準として典型的には1〜10質量%である。正極層の厚みは、特に限定されないが、通常、30μm〜100μmである。正極層は、正極層の集電を行う正極集電体を固体電解質層とは反対側の表面に有してもよい。正極集電体は、全固体リチウム二次電池で一般的に用いられている各種の材料、例えばSUS、アルミニウム、インジウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボンなどから形成することができる。中でも、SUS、アルミニウム及びインジウムが好ましい。正極集電体の形状は、得られる全固体リチウム二次電池の用途に応じて適宜選択することができ、例えば箔状およびメッシュ状等の形状であることができる。
正極層と固体電解質層と負極層の積層体を収容するための電池ケースとしては、一般的な全固体リチウム二次電池と同様のものを用いることができ、例えば、絶縁処理された金属製のケースやアルミラミネート材料などが挙げられる。
工程(a)において、負極層の形成に使用されるプレス圧力は、典型的には1ton/cm〜10ton/cm、好ましくは2ton/cm〜8ton/cmであり、固体電解質層の形成に使用されるプレス圧力は、典型的には1ton/cm〜10ton/cm、好ましくは2ton/cm〜8ton/cmであり、正極層と固体電解質層と負極層の積層体を最終的にプレスする際のプレス圧力は、典型的には1ton/cm〜10ton/cm、好ましくは2ton/cm〜8ton/cmである。プレス圧力が上記範囲に満たない場合には、負極層中の負極活物質粒子と固体電解質とを良好に密着させることが困難であり、プレス圧力が上記範囲を超える場合には、全固体電池に割れが生じたり目的のサイズを保てなくなったりする。プレス成形に要する時間は、典型的には1秒〜600秒の範囲内、中でも30秒〜300秒の範囲内、特に30秒〜180秒の範囲内であることが好ましい。プレス成形時間が上記範囲に満たない場合には、上記負極層中の負極活物質粒子と固体電解質とを良好に密着させることが困難であり、上記範囲を超えるプレス成形時間は、製造効率の点から望ましくない。プレス圧力が上記範囲に満たない場合には、負極層中の負極活物質粒子と固体電解質とを良好に密着させることが困難であり、プレス圧力が上記範囲を超える場合には、固体電解質の変形が大きすぎるため、目的のサイズに成型できなくなる。
(b)充放電工程
工程(b)は、工程(a)で形成された全固体リチウム二次電池を少なくとも1回充放電する工程である。負極層中の空隙は、全固体リチウム二次電池の充放電により発生し、特に、上記全固体リチウム二次電池の初回の充放電時において顕著に発生する。
工程(b)において、工程(a)で形成された全固体リチウム二次電池を少なくとも1回充放電することにより、負極層において、負極活物質粒子と固体電解質などの他の固体材料との間に予め空隙を生じさせ。工程(b)において発生した空隙について、複数の空隙が互いに連結すると、連結した空隙は負極層内に割れとして観察される。後述するように、充放電工程(b)において生じた割れは、プレス工程(c)における負極層の厚み方向における負極層の圧縮により、割れが負極層の面内方向に沿って延びている箇所では、割れの幅(負極層の厚み方向における幅)は減少するが、割れが負極層の厚み方向に沿って延びている箇所では、割れの幅(負極層の面内方向における幅)は、割れの負極層の厚み方向における幅ほど減少しない。
充放電工程(b)における充放電条件は、定電流充放電であり、0.1〜5mA/cmの電流密度であることが望ましい。また、事前に定電圧充電を行うことが好ましい。定電流充電はSiが0.62V(vs Li/Li)以下となるように20時間以上行うことが望ましい。充放電を行う方法は、一般的な全固体リチウム二次電池を充放電する際に用いられる方法と同様であることができる。工程(b)における充放電回数は少なくとも1回であり、典型的には、2回〜5回である。充放電回数が多すぎると、製造効率が低下し、リチウム二次電池に使用される材料によっては、劣化するおそれがある。
(c)プレス工程
プレス工程(c)は、充放電工程(b)にかけられた全固体リチウム二次電池を、正極層と固体電解質層と負極層の積層方向にプレスして当該積層方向に少なくとも負極層を圧縮する工程である。充放電工程(b)において生じた割れについて、プレス工程(c)における負極層の厚み方向における負極層の圧縮により、割れが負極層の面内方向に沿って延びている箇所では、割れの幅(負極層の厚み方向における幅)は減少するが、割れが負極層の厚み方向に沿って延びている箇所では、割れの幅(負極層の面内方向における幅)は、割れの負極層の厚み方向における幅の減少ほど大きく減少しない。そのため、プレス工程(c)後に負極層内に形成されている又は残存している割れは、負極層の一部をその厚み方向で切断した図2の模式的拡大断面図に示されているように、負極層の厚み方向にほぼ沿って延在するものとなる。
工程(c)において使用されるプレス圧力は、典型的には2ton/cm〜8ton/cm、好ましくは3ton/cm〜7ton/cmである。工程(a)と同等以上のプレス圧力が望ましい。プレス圧力が上記範囲に満たない場合には、負極層中の負極活物質粒子と固体電解質とを良好に密着させることが困難であり、プレス圧力が上記範囲を超える場合には、厚み方向の割れがなくなる又は減少する可能性がある。プレス成形に要する時間は、典型的には1秒間〜600秒間の範囲内、好ましくは1秒間〜300秒間の範囲内、より好ましくは30秒間〜300秒間の範囲内、さらに好ましくは30秒間〜180秒間の範囲内である。プレス成形時間が上記範囲に満たない場合には、上記負極層中の負極活物質粒子と固体電解質とを良好に密着させることが困難であり、上記範囲を超えるプレス成形時間は、製造効率の点から望ましくない。工程(c)において使用できるプレス成形装置は、工程(a)で使用したものと同じものであることができる。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法は、プレス工程(c)の後に、さらに、
(d)全固体リチウム二次電池を充放電する充放電工程、及び
(e)充放電工程(d)にかけられた全固体リチウム二次電池を、前記正極層と固体電解質層と負極層の積層方向にプレスする工程、
を1サイクル行うか又は少なくとも2サイクル繰り返すことを含んでもよい。
工程(d)及び(e)を少なくとも1サイクル行うことによって、活物質や電解質などの粒子の再配列が起こるとともに、厚み方向の割れの再配列を促すことができ、よりサイクル特性に優れた構造が得られるという優れた効果を奏することができると考えられる。
充放電工程(d)の充放電条件は、上記充放電工程(b)について記載したとおりであることができる。充放電を行う方法は、一般的な全固体リチウム二次電池を充放電する際に用いられる方法と同様であることができる。工程(d)における充放電回数は少なくとも1回であり、典型的には、2回〜5回である。充放電回数が多すぎると、製造効率が低下し、リチウム二次電池に使用される材料によっては、劣化するおそれがある。
プレス工程(e)のプレス条件は、上記プレス工程(c)について記載したとおりであることができる。工程(e)において使用されるプレス成形装置は、工程(a)及び(c)で使用したものと同じものであることができる。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法は、上記全固体リチウム二次電池形成工程(a)、充放電工程(b)及びプレス工程(c)を含むものであれば特に限定されるものではなく、必要な工程を適宜追加することができる。例えば、本発明においては、例えば、正極集電体、正極層、固体電解質層、負極層及び負極集電体からなる全固体リチウム二次電池素子をコイン型電池ケース等に設置し、密封等して全固体リチウム二次電池を形成しても良い。このような全固体リチウム二次電池素子を電池ケース等に設置し、密封等して全固体リチウム二次電池を形成する電池セル形成工程を含んでもよい。
本発明により得られる全固体リチウム二次電池の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、自動車用の全固体リチウム二次電池等として用いることができる。また、本発明により得られる全固体リチウム二次電池は、用途に応じて、コイン型、ラミネート型、円筒型、角型等の様々な形状を有することができる。
以下に示す実施例及び比較例を参照して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
固体電解質:
調製した固体電解質は30LiI・(0.08LiO・0.67LiS・0.25P)で表される組成を有する粉末状のガラス電解質であった。この粉末状のガラス電解質は、原料として合計1gの化学量論的量比のLiS(日本化学工業から入手)、P(アルドリッチから入手)、LiO(高純度化学研究所から入手)及びLiI(アルドリッチから入手)と直径10mmのZrO製ボール10個を45ccのZrO製容器に入れ、台盤回転数370rpmで40時間メカニカルミリングすることにより調製した。
正極:
作製した正極はLiIn箔であった。このLiIn箔は、In箔(ニラコから入手したものを、直径10mm、厚さ0.1mmに打ち抜いた)にLi箔(本庄ケミカルから入手)を貼り付けることにより作製した。
負極:
負極活物質としてSi粉末(高純度化学研究所から入手可能、平均粒径40μm)と、上記の粉末状のガラス電解質と、導電助剤としてデンカブラック(登録商標)(電気化学工業から入手したアセチレンブラック)を、質量比75.6:19.5:4.9で、フリッチェ製ボールミルP−7を使用して混合し、粉末状の負極形成用材料を得た。ボールミルの容器は45mLの容積を有し、ZrO製であった。直径5mmのZrO製ボール50gを使用した。混合は、台盤回転数200rpmで1時間行った。
電池の作製及び評価:
[実施例1]
マコール(登録商標)製のシリンダ内に上記の粉末状のガラス電解質80mgを入れ、1ton/cmでプレスし、シリンダ内に上記の粉末状の負極形成用材料2mgを入れ、4ton/cmでプレスし、次に、シリンダ内に上記正極(LiIn箔)を入れ、1ton/cmでプレスし、最後に、6Ncmでボルト締めし、全固体リチウム二次電池を作製した。作製した全固体リチウム二次電池について、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で4サイクルの定電流充放電試験を行った。その後、負極層と電解質層と正極層の積層方向に対して平行な方向に電池を4ton/cmでプレスし、再度、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で5サイクルの定電流充放電試験を行った。
[実施例2]
マコール(登録商標)製のシリンダ内に上記の粉末状のガラス電解質80mgを入れ、1ton/cmでプレスし、シリンダ内に上記の粉末状の負極形成用材料2mgを入れ、4ton/cmでプレスし、次に、シリンダ内に上記正極(LiIn箔)を入れ、1ton/cmでプレスし、最後に、6Ncmでボルト締めし、全固体リチウム二次電池を作製した。作製した電池について、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で4サイクルの定電流充放電試験を行った。その後、負極層と電解質層と正極層の積層方向に対して平行な方向に電池を4ton/cmでプレスし、再度、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で5サイクルの定電流充放電試験を行った。さらに、その後、負極層と電解質層と正極層の積層方向に対して平行な方向に電池を4ton/cmでプレスし、再度、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で5サイクルの定電流充放電試験を行った。
[比較例1]
マコール(登録商標)製のシリンダ内に上記の粉末状のガラス電解質80mgを入れ、1ton/cmでプレスし、シリンダ内に上記の粉末状の負極形成用材料2mgを入れ、4ton/cmでプレスし、次に、シリンダ内に上記正極(LiIn箔)を入れ、1ton/cmでプレスし、最後に、6Ncmでボルト締めし、全固体リチウム二次電池を作製した。作製した電池について、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で4サイクルの定電流充放電試験を行った。
[比較例2]
マコール(登録商標)製のシリンダ内に上記の粉末状のガラス電解質80mgを入れ、1ton/cmでプレスし、シリンダ内に、グラファイト(三菱化学(株)から入手した天然黒鉛)と上記の粉末状のガラス電解質とを質量比50:50でメノウ乳鉢を使用して混合して得られた混合物13mgを入れ、4ton/cmでプレスし、次に、シリンダ内に上記正極(LiIn箔)を入れ、1ton/cmでプレスし、最後に、6Ncmでボルト締めし、全固体リチウム二次電池を作製した。作製した全固体リチウム二次電池について、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で4サイクルの定電流充放電を行った。
[比較例3]
マコール(登録商標)製のシリンダ内に上記の粉末状のガラス電解質80mgを入れ、1ton/cmでプレスし、シリンダ内にグラファイト(三菱化学(株)から入手した天然黒鉛)と上記の粉末状のガラス電解質との質量比50:50でメノウ乳鉢を使用して混合して得られた混合物13mgを入れ、4ton/cmでプレスし、次に、シリンダ内に上記正極(LiIn箔)を入れ、1ton/cmでプレスし、最後に、6Ncmでボルト締めし、全固体リチウム二次電池を作製した。作製した全固体リチウム二次電池について、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で4サイクルの定電流充放電を行った。その後、負極層と電解質層と正極層の積層方向に対して平行な方向に電池を4ton/cmでプレスした。
充放電試験結果:
図3に、実施例1及び2並びに比較例1のサイクル特性試験の結果を示す。図3から、充放電サイクル数が増加するにつれて、比較例1の容量は大きく減少することが判る。比較例1の初期容量(サイクル数1における容量)は2238mAh/gであった。全固体リチウム二次電池の作製後、充放電(工程(b)に対応)し、プレス(工程(c)に対応)することにより得られた実施例1の全固体リチウム二次電池の容量は2801mAh/gであった。さらに、全固体リチウム二次電池の作製後、充放電(工程(b))し、プレス(工程(c)に対応)し、充放電(工程(d))し、プレス(工程(e)に対応)することにより得られた実施例2の容量は3135mAh/gであった。実施例1及び2の全固体リチウム二次電池は、比較例1と比べて、容量が向上したことが判る。さらに、比較例1の容量は、4サイクルで22%(すなわち、0.22×2238mAh/g=492.4mAh/g)まで減少したが、実施例1の容量は、4サイクルで67%(すなわち、0.67×2801mAh/g=1876.7mAh/g)維持され、実施例2の容量は、4サイクルで88%(すなわち、0.88×3135mAh/g=2758.8mAh/g)維持された。
走査型電子顕微鏡写真による観察:
実施例1と同様に全固体リチウム二次電池を作製し、作製した電池について、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で4サイクルの定電流充放電を行い、電池を4ton/cmでプレスした後、負極層と電解質層と正極層の積層方向に対して平行な方向に切断し、負極層と電解質層の断面を走査型電子顕微鏡により写真撮影した。その電子顕微鏡写真を図4に示す。図4の電子顕微鏡写真から判るように、積層方向に対して平行な方向に延びる割れが負極層に観察されたが、積層方向に対して垂直な方向に延びる割れはほとんど存在しなかった。
比較例1の全固体リチウム二次電池を−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で4サイクルの定電流充放電を行い、電池をプレスせずに、負極層と電解質層と正極層の積層方向に対して平行な方向に切断し、負極層と電解質層の断面を走査型電子顕微鏡により写真撮影した。その電子顕微鏡写真を図5に示す。図5の電子顕微鏡写真から判るように、積層方向に対して平行な方向に延びる割れを積層方向に対して垂直な方向に延びる割れの両方が負極層と負極層と電解質層の界面に観察され、負極層と電解質層の界面の割れが顕著であった。
比較例2の全固体リチウム二次電池について、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で4サイクルの定電流充放電を行い、電池をプレスせずに、負極層と電解質層と正極層の積層方向に対して平行な方向に切断し、負極層と電解質層の断面を走査型電子顕微鏡により写真撮影した。その電子顕微鏡写真を図6に示す。比較例2の全固体リチウム二次電池の電子顕微鏡写真から、負極層においてグラファイトと電解質との間がランダムに割れている(又は剥離している)ことが確認された。
比較例3の全固体リチウム二次電池について、−0.62〜1V(0.00〜1.62V vs. Li/Li)の範囲で4サイクルの定電流充放電を行い、電池を4ton/cmでプレスした後、負極層と電解質層と正極層の積層方向に対して平行な方向に切断し、負極層と電解質層の断面を走査型電子顕微鏡により写真撮影した。その電子顕微鏡写真を図7に示す。比較例3の全固体リチウム二次電池の電子顕微鏡写真から、負極層においてグラファイトと電解質との間のランダムな割れは若干残っており、負極活物質としてSiを使用した場合(実施例1)のように負極層と電解質層と正極層の積層方向に対して平行な方向に延びる割れのみが残ってはいなかった。
1 硫化物系固体電解質材料
2 活物質
21 負極活物質粒子
22 固体電解質などの他の固体材料
23 割れ

Claims (4)

  1. 少なくとも、正極層、負極層、及び前記正極層と前記負極層の間に配置された固体電解質層を含む全固体リチウム二次電池の製造方法であって、
    (a)少なくとも正極層と固体電解質層と負極層を含む全固体リチウム二次電池を形成する工程、
    (b)工程(a)で形成された全固体リチウム二次電池を少なくとも1回充放電する充放電工程、及び
    (c)充放電工程(b)にかけられた全固体リチウム二次電池を、前記正極層と固体電解質層と負極層の積層方向にプレスして当該積層方向に少なくとも負極層を圧縮する工程、
    を含み、前記負極層が、当該負極層の総質量を基準にして、ケイ素からなる負極活物質粒子を60〜90質量%、電解質を5〜30質量%、導電材を1〜10質量%、バインダーを1〜10質量%含む、全固体リチウム二次電池の製造方法。
  2. プレス工程(c)の後に、さらに、
    (d)全固体リチウム二次電池を充放電する充放電工程、及び
    (e)充放電工程(d)にかけられた全固体リチウム二次電池を、前記正極層と固体電解質層と負極層の積層方向にプレスする工程、
    を1サイクル行うか又は少なくとも2サイクル繰り返すことを含む、請求項1に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
  3. 充放電工程(b)が、定電流充放電で、電流密度0.1〜5mA/cmの条件下で行われる、請求項1又は2に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
  4. プレス工程(c)において、2〜8ton/cmの範囲内の圧力及び1〜300秒間の範囲内の時間でプレスが行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
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