JP5866806B2 - エポキシ樹脂組成物、このエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、支持体付き樹脂フィルム、金属箔張り積層板及び多層プリント配線板 - Google Patents
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Description
ハロゲン化合物を添加せずに、難燃性を確保する方法としては、窒素、珪素、水酸化アルミニウム等のフィラーを配合する方法が挙げられる。その中でもリン化合物を配合する方法が広く用いられている。例えば、リン酸エステル系の化合物であるトリフェニルホスフェート(TPP)やトリクレジルホスフェート(TCP)が用いられる(例えば、特許文献1参照)。しかし、これらのリン化合物は、エポキシ樹脂中に添加されても、エポキシ樹脂と反応することがないため、得られた成形物の、吸湿後の耐熱性や耐薬品性等が低下するという問題が生じた。
しかし、これらの硬化剤は、溶媒への溶解性が低いため、プレ反応を必要とし、製造工程が煩雑になる等、取り扱い性が低下する問題があった。
[1](A)リン含有硬化剤と、(B)エポキシ樹脂とを含有し、
該(A)リン含有硬化剤は、下記化学式(1)で示されるリン化合物であり、
化学式(1)におけるRで示される有機基が、下記化学式(2)、(3)、(4)、(5)、及び(6)から選択される構造の1種又は2種以上を有し、フェノール性水酸基を2個以上有する、エポキシ樹脂組成物。
(式(2)〜(6)における*は、化学式(1)のリン原子に直接結合する部位であることを示す。)
(式(7)〜(9)における*は、化学式(1)のリン原子に直接結合する部位であることを示す。)
[4]上記[1]又は[2]のエポキシ樹脂組成物を支持体に積層してなる支持体付き樹脂フィルム。
[5]上記[3]のプリプレグ又は上記[4]の支持体付き樹脂フィルムを用いてなる金属箔張り積層板。
[6]上記[3]のプリプレグよりなる層、上記[4]の支持体付き樹脂フィルムよりなる層、又は上記[5]の金属箔張り積層板よりなる層を1層又は2層以上含む多層プリント配線板。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、(A)リン含有硬化剤と、(B)エポキシ樹脂とを含有し、該(A)リン含有硬化剤は、下記化学式(1)で示されるリン化合物であり、化学式(1)におけるRで示される有機基が、下記化学式(2)、(3)、(4)、(5)、及び(6)から選択される構造の1種又は2種以上を有し、フェノール性水酸基を2個以上有する。式(2)〜(6)における*は、化学式(1)のリン原子に直接結合する部位であることを示す。
(リン含有硬化剤の構造)
(A)リン含有硬化剤は、下記化学式(1)で示されるリン化合物であり、上記化学式(1)中のRで示される有機基の分子量は、190以上であることが好ましい。分子量が190以上であると、溶媒に対するリン含有硬化剤の溶解性が向上し、取り扱い性が向上する。
(A)リン含有硬化剤は、上記化学式(1)中のRで示される有機基に、上記化学式(2)の構造を有するリン化合物とすることができる。上記化学式(2)で示される構造を有する場合、該リン含有硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物の耐熱性が向上する。また、反応系である溶媒へのリン含有硬化剤の溶解性が向上するため取り扱い性が向上する。特に、上記化学式(2)で示される構造を有する該リン含有硬化剤は、低粘度であるため、取り扱い性に優れ、生産性を向上することができる。
(A)リン含有硬化剤は、上記化学式(1)中のRで示される有機基に、上記化学式(3)の構造を有するリン化合物とすることができる。上記化学式(3)で示される構造を有する場合、(B)エポキシ樹脂との反応性が向上する。
(A)リン含有硬化剤は、上記化学式(1)中のRで示される有機基に、上記化学式(4)の構造を有するリン化合物とすることができる。上記化学式(4)で示される構造を有する場合、該リン含有硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物の耐熱性が向上する。
(A)リン含有硬化剤は、下記化学式(10)で表される構造単位Aと化学式(11)で表される構造単位Bとを有する樹脂とすることができる。
上述した構造単位を有するフェノール樹脂をリン含有硬化剤として用いた場合に、該リン含有硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物は、取り扱い性に優れ、高い反応性が得られる。また、難燃性に優れ、高耐熱性を有する。
(A)リン含有硬化剤は、下記化学式(12)で表される構造単位Cと化学式(13)で表される構造単位Dとを有する樹脂とすることができる。
上述した構造単位を有するフェノール樹脂をリン含有硬化剤として用いた場合に、該リン含有硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物は、取り扱い性に優れ、高い反応性が得られる。また、難燃性に優れ、高耐熱性を有する。
(A)リン含有硬化剤は、下記化学式(14)で表される構造単位Eと化学式(15)で表される構造単位Fとを有する樹脂とすることができる。
上述した構造単位を有するフェノール樹脂をリン含有硬化剤として用いた場合に、該リン含有硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物は、取り扱い性に優れ、高い反応性が得られる。また、難燃性に優れ、高耐熱性を有する。
化学式(1)で表される(A)リン含有硬化剤は、下記化学式(16)で表されるリン化合物に、フェノール性水酸基を有する化合物を反応して得られる。また、場合により、p−アニスアルデヒドを添加してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる(B)エポキシ樹脂としては、分子内に平均1.8個以上のエポキシ基を有するものが好ましい。中でも、分子内に平均して1.8〜2.5個(約2個)のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(2官能のエポキシ樹脂)を用いた場合、樹脂の可塑化効果が大きい。この分子内に平均して1.8〜2.5個(約2個)のエポキシ基を有するエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた場合、接着力等の良好な硬化物となり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いた場合、難燃性が得られ易くなり、ビフェニル型エポキシ樹脂を用いた場合、吸水率が低く、高Tg(ガラス転移温度)の硬化物となる。また、ナフタレン型エポキシ樹脂を用いることにより、Tgが高い硬化物が得られる。
難燃性の観点からは、エポキシ樹脂組成物中のリン含有量が、樹脂組成物固形分全体の0.8〜5.0質量%であることが好ましく、1.0〜2.5質量%であることがより好ましい。リン含有量が、樹脂組成物固形分全体の0.8質量%未満の場合は、安定した難燃性が得られ難く、5.0質量%を超える場合は、硬化物の特性が悪化する。
ここで、リン含有量とは、エポキシ樹脂中のリン原子の含有量であり、例えば、分子量620の物質にリン原子が1個あり、この物質を50質量%含む配合であれば、2.5質量%のリン含有量になる(リン原子の原子量が約31であるから、31/620×0.5=0.025)。
本発明のエポキシ樹脂組成物中に、添加剤として無機充填剤やシランカップリング剤を添加してもよい。無機充填剤を添加することによって、低熱膨張率化や難燃性向上に優れる材料を得ることができる。また、シランカップリング剤を添加することによって、無機充填剤の分散性を向上させ、耐薬品性やピール強度に優れる材料を得ることができる。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物を得る際、溶媒を用いてもよいし、無溶媒で行ってもよい。また、これらのエポキシ樹脂組成物を得る際、硬化促進剤、その他特性付与剤を必要に応じて添加してもよい。
溶媒を用いたエポキシ樹脂組成物の製造方法の一例を説明する。メチルエチルケトン等の溶媒に、(A)リン含有硬化剤、(B)エポキシ樹脂、その他の硬化剤成分、リン化合物等を配合し、系が均一になるように撹拌する。この後、例えば、水酸化アルミニウムを上記溶媒によりスラリー状にしたものをフィラーとして加え、更に撹拌する。これにより、エポキシ樹脂組成物のワニスを作製することができる。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物のワニスを、コンマコータ、転写コータ、カーテンコータ、ダイコータ等を使用して銅箔、アルミ箔等の支持体に塗布し、連続、又は非連続的に加熱乾燥してBステージ化(半硬化)し、絶縁層を形成して支持体付き樹脂フィルムを得る。前記支持体付き樹脂フィルムの金属箔厚、絶縁層樹脂厚は任意であるが、金属箔としては、8〜80μm、絶縁層樹脂厚としては20〜200μmが一般的である。
[評価方法]
<難燃性>
両面銅張り積層板の試験片を作製し、両面銅張り積層板の銅箔をエッチングにより取り除き、UL−94規格に基づく垂直燃焼試験(V法)に準じて、難燃性を評価した。V−0であれば難燃性が良好とし、V−1であれば難燃性が不良とした。
両面銅張り積層板を50mm角の試験片を作製し、この試験片を288℃に温めたはんだ耐熱試験機に浮かべ、膨れ等の異常が確認されるまでの時間を測定した。評価は、「○分OK」は、○分まで膨れ等の異常がないことを示し、「○分NG」は、○分で膨れ等の異常が発生したことを示す。
ガラス転移点(Tg)は、TMA(熱機械分析装置)(マックサイエンス株式会社製TMA−4000)を用いて昇温速度5℃/minの条件で測定を行った。昇温、降温を2回繰り返し、2回目の昇温の熱膨張曲線の屈曲点の温度をTgと定義した。
<製造例1>
エポキシ樹脂として、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名:エピクロン N−673−70M)を143g(樹脂固形分:70質量%(100g))、硬化剤として、クレゾールノボラック型フェノール樹脂(DIC株式会社製、商品名:フェノライト KA−1163)を35g、2−フェニルイミダゾールを0.2g、リン含有硬化剤として、下記化学式(1)と(4)とで示されるリン含有フェノール樹脂(ダウケミカルカンパニー製、商品名:XZ−92741)を30g、リン化合物として、1,3−フェニレン−ビス−(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)(大八化学工業株式会社製、商品名:PX200)を5g、メチルエチルケトン(MEK)を100g配合し、樹脂が均一になるまで約1時間撹拌した。この後、フィラーとして水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、商品名:CL−303)40gをメチルエチルケトンのスラリーとして加え、更に1時間撹拌した。これにより、リン含有量を1.6質量%としたエポキシ樹脂組成物ワニスが得られた。
1,3−フェニレン−ビス−(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)(大八化学工業株式会社製、商品名:PX200)を使用せず、フィラーを添加しないこと以外は、製造例1と同様の手順でエポキシ樹脂組成物ワニスを作製した。
フィラーとして、CL303の代わりに水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、商品名:HP−360)を添加したこと以外は製造例1と同様の手順でエポキシ樹脂組成物ワニスを作製した。
フィラーとして、CL303の代わりにベーマイト(河合石灰工業株式会社製、商品名:BMT)を添加したこと以外は製造例1と同様の手順でエポキシ樹脂組成物ワニスを作製した。
フィラーとして、CL303の代わりに破砕シリカ(福島窯業株式会社製、商品名:F05−30)を添加したこと以外は製造例1と同様の手順でエポキシ樹脂組成物ワニスを作製した。
参考製造例6〜8では、リン含有硬化剤を合成し、合成したリン含有硬化剤を用いてエポキシ樹脂組成物ワニスを作製した。なお、リン含有硬化剤の180℃における溶融粘度及び軟化点は、以下の条件にて測定した。
180℃における溶融粘度:測定温度180℃において、ASTM D4287に準拠して、ICI/コーンプレート粘度計を用いて測定される粘度
軟化点:JIS K7234に準拠して、B&R法により測定される温度
(リン含有硬化剤の合成)
温度計、冷却管、分留管、窒素ガス導入管、撹拌機を取り付けたフラスコにフェノールノボラック樹脂192.4g(1.85モル)と、p−アニスアルデヒド68.0g(0.50モル)と、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(以下 HCAと略)108.0g(0.50モル)とを仕込み、180℃まで昇温し、180℃で8時間反応させた。
次いで、加熱減圧下で水を除去し、下記化学式(10)で表される構造単位Aと化学式(11)で表される構造単位Bとを有するフェノール樹脂(リン含有硬化剤Xという)355gを得た。リン含有硬化剤Xの軟化点を上述の方法で測定したところ、125℃であった。また、180℃における溶融粘度は、13dPa・sであった。また、水酸基当量は、190g/eq、リン含有量4.2質量%であった。
続いて、リン含有硬化剤Xをリン含有硬化剤として用いて、エポキシ樹脂組成物ワニスを作製した。
エポキシ樹脂として、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社、商品名:N−673−70M)を100g、硬化剤として、クレゾールノボラック型フェノール樹脂(DIC株式会社製、商品名:フェライト KA−1163)を20g、2−フェニルイミダゾールを0.2g、リン含有硬化剤として、リン含有硬化剤Xを60g、リン化合物として、1,3−フェニレン−ビス−(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)(大八化学工業株式会社製、商品名:PX200)を20g、メチルエチルケトン(MEK)を80g配合し、樹脂が均一になるまで約1時間撹拌した。この後、フィラーとして、水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、商品名:CL303)30gをメチルエチルケトンのスラリーとして加え、更に1時間撹拌した。これにより、リン含有量を1.4質量%としたエポキシ樹脂組成物ワニスが得られた。
(リン含有硬化剤の合成)
参考製造例6において使用したフェノールノボラック樹脂の代わりに、ビスフェノールAノボラック樹脂330.4g(2.80モル)を使用した以外は、参考製造例6と同様にして反応を行った。下記化学式(12)で表される構造単位Cと化学式(13)で表される構造単位Dとを有するフェノール樹脂(リン含有硬化剤Yという)490gを得た。リン含有硬化剤Yの軟化点は、139℃(B&R法)であった。また、リン含有硬化剤Yの溶融粘度は、65dPa・sであった。また、水酸基当量は、232g/eq、リン含有量3.1質量%であった。
続いて、リン含有硬化剤Yをリン含有硬化剤として用いて、エポキシ樹脂組成物ワニスを作製した。
エポキシ樹脂として、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社、商品名:N−673−70M)を100g、硬化剤として、クレゾールノボラック型フェノール樹脂(DIC株式会社製、商品名:フェライト KA−1163)を25g、2−フェニルイミダゾールを0.2g、リン含有硬化剤として、リン含有硬化剤Yを60g、リン化合物として、1,3−フェニレン−ビス−(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)(大八化学工業株式会社製、商品名:PX200)を20g、メチルエチルケトン(MEK)を80g配合し、樹脂が均一になるまで約1時間撹拌した。この後、フィラーとして、水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、商品名:CL303)30gをメチルエチルケトンのスラリーとして加え、更に1時間撹拌した。これにより、リン含有量を1.3質量%としたエポキシ樹脂組成物ワニスが得られた。
(リン含有硬化剤の合成)
参考製造例6において使用したフェノールノボラック樹脂の代わりに、フェノールアラルキル樹脂392.9g(2.35モル)を使用した以外は、参考製造例6と同様にして反応を行った。下記化学式(14)で表される構造単位Eと化学式(15)で表される構造単位Fとを有するフェノール樹脂(リン含有硬化剤Zという)550gを得た。リン含有硬化剤Zの軟化点は、102℃(B&R法)であった。また、リン含有硬化剤Zの溶融粘度は、2.5dPa・sであった。また、水酸基当量は、232g/eq、リン含有量2.7質量%であった。
続いて、リン含有硬化剤Zをリン含有硬化剤として用いて、エポキシ樹脂組成物ワニスを作製した。
エポキシ樹脂として、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社、商品名:N−673−70M)を100g、硬化剤として、クレゾールノボラック型フェノール樹脂(DIC株式会社製、商品名:フェライト KA−1163)を25g、2−フェニルイミダゾールを0.2g、リン含有硬化剤として、リン含有硬化剤Zを60g、リン化合物として、1,3−フェニレン−ビス−(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)(大八化学工業株式会社製、商品名:PX200)を20g、メチルエチルケトン(MEK)を80g配合し、樹脂が均一になるまで約1時間撹拌した。この後、フィラーとして、水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、商品名:CL303)30gをメチルエチルケトンのスラリーとして加え、更に1時間撹拌した。これにより、リン含有量を1.3質量%としたエポキシ樹脂組成物ワニスが得られた。
(比較製造例1)
エポキシ樹脂として、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名:エピクロン N−673−70M)を143g(樹脂固形分:70質量%(100g))、硬化剤として、クレゾールノボラック型フェノール樹脂(DIC株式会社製、商品名:フェノライト KA−1163)を35g、2−フェニルイミダゾールを0.2g、リン化合物として、1,3−フェニレン−ビス−(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)(大八化学工業株式会社製、商品名:PX200)を40g、メチルエチルケトンを100g配合し、樹脂が均一になるまで約1時間撹拌した。この後、フィラーとして、水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、商品名:CL−303)40gをメチルエチルケトンのスラリーとして加え、更に1時間撹拌した。これにより、リン含有量を1.4質量%としたエポキシ樹脂組成物ワニスが得られた。
エポキシ樹脂として、リン含有エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:FX−298)を100g、硬化剤として、クレゾールノボラック型フェノール樹脂(DIC株式会社製、商品名:フェノライト KA−1163)を35g、2−フェニルイミダゾールを0.2g、リン化合物として、1,3−フェニレン−ビス−(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)(大八化学工業株式会社製、商品名:PX200)を5g、メチルエチルケトンを100g配合し、樹脂が均一になるまで約1時間撹拌した。この後、フィラーとして、水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、商品名:CL−303)40gをメチルエチルケトンのスラリーとして加え、更に1時間撹拌した。これにより、リン含有量を1.5質量%としたエポキシ樹脂組成物ワニスが得られた。
エポキシ樹脂として、リン含有エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:FX−298)を100g、硬化剤として、クレゾールノボラック型フェノール樹脂(DIC株式会社製、商品名:フェノライト KA−1163)を20g、及びジシアンジアミド(DICY)を5g、2−フェニルイミダゾールを0.2g、リン化合物として、1,3−フェニレン−ビス−(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)(大八化学工業株式会社製、商品名:PX200)を5g、メチルエチルケトンを70g、ジメチルホルムアミド(DMF)を30g配合し、樹脂が均一になるまで約1時間撹拌した。この後、フィラーとして、水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、商品名:CL−303)40gをメチルエチルケトンのスラリーとして加え、更に1時間撹拌した。これにより、リン含有量を1.5質量%としたエポキシ樹脂組成物ワニスが得られた。
<実施例1〜5>
製造例1〜5で作製したエポキシ樹脂組成物ワニスを厚さ:0.2mmのガラス布(旭シュエーベル株式会社製、商品名:7629)に含浸後、120℃、20分間加熱、乾燥しプリプレグを得た。
プリプレグの両側に、厚さ:18μmの電解銅箔:F2−WS−18(古河電気工業株式会社製、商品名)を接着面がプリプレグと合わさるように重ね、180℃、30分間、4MPaの真空プレス条件で両面銅張り積層板を作製した。
<参考例6〜8>
参考製造例6〜8で作成したエポキシ樹脂組成物ワニスを用いて、上述と同様の方法によりプリプレグを得た。また、両面銅張り積層板を作成した。
<比較例1〜3>
比較製造例1〜3で作成したエポキシ樹脂組成物ワニスを用いて、上述と同様の方法によりプリプレグを得た。また、両面銅張り積層板を作成した。
上記方法にて得られた結果を表3に示した。
また、実施例1〜5では、従来の硬化剤であるジシアンジアミド(DICY)を用いた場合と比べて、ジシアンジアミド(DICY)を溶解させるために、沸点が高く吸湿性のあるジメチルホルムアミド(DMF)を用いなくても、リン含有硬化剤を汎用溶媒であるメチルエチルケトン(MEK)に溶解させることができる。一方、上記化学式(1)で示されるリン含有硬化剤を用いない、比較例1〜3は、はんだ耐熱性に劣り、また、Tgが低く耐熱性に劣る。
Claims (5)
- (A)リン含有硬化剤と、(B)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とを含有し、
該(A)リン含有硬化剤は、下記化学式(1)で示されるリン化合物をノボラック樹脂と反応したリン含有硬化剤であり、
化学式(1)におけるRで示される有機基が、下記化学式(2)、(3)及び(4)から選択される構造の1種又は2種以上を有し、フェノール性水酸基を2個以上有する、エポキシ樹脂組成物。
(式(2)〜(4)における*は、化学式(1)のリン原子に直接結合する部位であることを示す。)
- 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸させてなるプリプレグ。
- 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物を支持体に積層してなる支持体付き樹脂フィルム。
- 請求項2に記載のプリプレグの一方もしくは両方の面、又は請求項3に記載の支持体付き樹脂フィルムの一方もしくは両方の面に金属箔を配してなる金属箔張り積層板。
- 請求項2に記載のプリプレグよりなる層、請求項3に記載の支持体付き樹脂フィルムよりなる層、及び請求項4に記載の金属箔張り積層板よりなる層を1層又は2層以上含む多層プリント配線板。
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