JP5866098B2 - カルボキシル基含有共重合体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
そこで従来より、ポリアクリル酸ナトリウム等を用いたスケール防止剤が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1には、上記スケール防止剤のスケール生成に対する抑制効果は、主として分散作用に起因するものと推測されることが開示されている。
(式(R−1)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、Xは水素原子、金属原子、アンモニウム基、有機アンモニウム基、または有機アミノ基を表す。)
(式(R−2)中、R2、R3、R4は、同一または異なって、水素原子またはメチル基を表し、pは0または1を表し、R5は、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH2−O−CH2−、−CO−O−CH2−CH2−、または−CO−NH−C(CH3)2−を表し、Yは−SO3Xまたは−CHR6−CH2R7を表し、R6、R7は、同一または異なって、−OHまたは−SO3Xを表し、R6とR7の少なくとも一方は−SO3Xであり、Xは水素原子、金属原子、アンモニウム基、有機アンモニウム基、または有機アミノ基を表す。)
(式(R−3)中、R8は水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはヒドロキシエチル基を表し、R9は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基を表し、R8が水素原子またはメチル基の場合にはR9は水素原子ではない。)
引用文献1には、上記スケール防止剤が優れたリン酸カルシウムに対するスケール防止能を有すること、上記(メタ)アクリル酸系重合体がそのようなスケール防止剤に有用であることが開示されている。
そこで、本発明は、水処理に用いられた場合に従来より一層、シリカスケールの分散性が良好であることにより、シリカスケールのスケール防止剤として好ましく使用することができる重合体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、1質量%以上、49質量%以下の下記一般式(1)で表されるエーテル結合含有単量体(A)に由来する構造単位(a)、51質量%以上、99質量%以下のカルボキシル基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)必須構成単位として有するカルボキシル基含有共重合体である。
一般式(1)中、R0は、水素原子またはCH3基を表し、R1は、CH2基、CH2CH2基または単結合を表わし、R2は、同一若しくは異なって、炭素数3〜6のアルキレン基を表し、nは、オキシアルキレン基(−R2−O−)の平均付加モル数であって、1〜5の数を表し、R3は、水素原子または炭素数1〜7の有機基を表す。
<単量体(A)としてのエーテル結合含有単量体>
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、下記一般式(1)で表されるエーテル結合含有単量体(A)に由来する構造単位(a)を特定の割合で有することを必須としている。
一般式(1)中、R0は、水素原子またはCH3基を表し、R1は、CH2基、CH2CH2基または単結合を表わし、R2は、同一若しくは異なって、炭素数3〜6のアルキレン基を表し、nは、オキシアルキレン基(−R2−O−)の平均付加モル数であって、1〜5の数を表し、R3は、水素原子または炭素数1〜7の有機基を表す。
得られる共重合体のシリカスケールの分散能の向上効果がより高いことから、R1はCH2基、CH2CH2基であることが好ましい。
一般式(1)において、得られる共重合体のシリカスケールの分散能の向上効果が高くなる傾向にあることから、R0はCH3基であることが好ましい。
R2は、同一若しくは異なって、炭素数4〜6のアルキレン基を表わすものであることが好ましい。
R3は好ましくは水素原子または炭素数1〜4の有機基であることが好ましく、水素原子または炭素数1〜2の有機基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
上記炭素数3〜6のアルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンテンオキシド、ヘキセンオキシド、シクロヘキセンオキシド等が例示される。2種以上のアルキレンオキシドを付加する場合には、ブロックに付加しても、ランダムに付加しても良い。
不飽和アルコールにアルキレンオキシドを付加する方法としては、特に制限はなく、(i)アルカリ金属の水酸化物、アルコラート等の強アルカリや、アルキルアミン等を塩基触媒として用いるアニオン重合、(ii)金属および半金属のハロゲン化物、鉱酸、酢酸等を触媒として用いるカチオン重合、(iii)アルミニウム、鉄、亜鉛等の金属のアルコキシド、アルカリ土類化合物、ルイス酸等を組み合わせたものを用いる配位重合等を用いることができる。
不飽和アルコールにアルキレンオキシドを付加した後に、末端水酸基にハロゲン化アルキル等を反応させることにより、末端にアルキル基を導入しても良い。
一般式(2)中、R0は、水素原子またはCH3基を表し、R1は、CH2基、CH2CH2基または単結合を表わし、R2は、同一若しくは異なって、炭素数3〜6のアルキレン基を表し、nは、オキシアルキレン基(−R2−O−)の平均付加モル数であって、1〜5の数を表し、R3は、水素原子または炭素数1〜7の有機基を表す。
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、構造単位(a)を1種のみ含んでいても良いが、2種類以上含んでいても良い。
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、カルボキシル基含有単量体(B)由来の構造単位(b)を特定の割合で有することを必須としている。
本発明において、カルボキシル基含有単量体(B)とは、1)炭素炭素不飽和二重結合と2)カルボキシル基および/またはその塩を必須として含有する単量体である(但し単量体(A)に属する単量体は、単量体(B)から除くものとする)。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、αーヒドロキシアクリル酸、α−ヒドロキシメチルアクリル酸及びその誘導体等の、不飽和モノカルボン酸及びこれらの塩等;イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、2−メチレングルタル酸等の不飽和ジカルボン酸及びこれらの塩等が挙げられる。
本発明の共重合体は、構造単位(b)を1種のみで含んでいても良いが、2種類以上含んでいても良い。
上記構成単位(b)は、単量体(B)の炭素炭素不飽和二重結合が単結合になった構造である。例えば、単量体(B)がCH2=C(COOH)−で表わされる場合、構成単位(b)は、−CH2−C(COOH)−で表わされる。
更に、カルボキシル基含有単量体(B)以外の酸基含有単量体由来の構造単位(例えばスルホン酸基含有単量体)の全単量体に由来する構造単位に対する質量割合(質量%)を計算する場合においても、対応する酸換算として計算するものとし、カルボキシル基含有単量体(B)以外の酸基含有単量体の全単量体に対する質量割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸換算として計算するものとする。また、アミノ基含有単量体由来の構造単位、アミノ基含有単量体は対応する未中和アミン由来の構造単位、未中和アミンとして質量計算するものとする。例えば、ビニルアミン塩酸塩の場合、対応する未中和アミンであるビニルアミンとして質量割合(質量%)を計算する。
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、その他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していても構わない。
本発明のカルボキシル基含有共重合体が他の単量体(E)を含む際の他の単量体(E)としては、上記単量体(A)、(B)のいずれか1種以上と共重合可能なものであれば特に限定されるものではなく、所望の効果によって適宜選択される。具体的には、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びこれらの塩等のスルホン酸基含有単量体;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド系単量体;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル系単量体;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環式芳香族炭化水素基と重合性基を有するビニル芳香族系アミノ基含有単量体およびこれらの4級化物や塩;ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミン等のアリルアミン類およびこれらの4級化物や塩;(i)(メタ)アリルグリシジルエーテル、イソプレニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルのエポキシ環に、(ii)ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン等のアルキルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン、モルホリン、ピロール等の環状アミン類等のアミンを反応させることにより得られる単量体およびこれらの4級化物や塩等;スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体、イソブチレン、酢酸ビニル;等が挙げられる。
また、上記他の単量体(E)は、1種を単独で使用してもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、上記構成単位(a)、(b)ならびに必要であれば構造単位(e)が、上記したような特定の割合で導入されていればよく、各構成単位は、ブロック状あるいはランダム状のいずれで存在していてもよい。また、本発明のカルボキシル基含有共重合体の重量平均分子量は、適宜設定できるものであり、特に限定されない。具体的には、カルボキシル基含有共重合体の重量平均分子量は、2,000〜200,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜60,000、最も好ましくは4,000〜30,000である。重量平均分子量が上記範囲内であれば、シリカスケールの分散能が向上する傾向にある。なお、本明細書において、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定値であり、実施例に記載される方法に従って測定されたものである。
本発明のカルボキシル基含有共重合体組成物は、本発明のカルボキシル基含有共重合体を必須として含有し、カルボキシル基含有共重合体以外の成分は任意であるが、通常はその他に、重合開始剤残渣、残存モノマー、重合時の副生成物、水分から選ばれる1以上を含有する。好ましいカルボキシル基含有共重合体組成物の形態は、カルボキシル基含有共重合体を20〜80質量%含有し、水を20〜80質量%含有する形態である。
本発明の重合体組成物は、残存単量体の合計が重合体組成物の固形分換算で、0〜15000ppmであることが好ましく、0〜10000ppmであることがより好ましい。
本発明のカルボキシル基含有共重合体の製造方法は、特に断りの無い限りは、公知の重合方法を同様にしてあるいは修飾した方法が使用できる。本発明のカルボキシル基含有共重合体を製造する方法としては、エーテル結合含有単量体(A)、カルボキシル基含有単量体(B)を必須として含む単量体(単量体成分)を共重合する工程(重合工程)を必須に含むことにより製造することができる。また、単量体成分を共重合する際には、必要に応じ、上記その他の単量体(E)を更に共重合させてもよい。
これらのうち、本発明に係る共重合反応においては、重亜硫酸(塩)(メタ重亜硫酸塩のように加水分解により亜流酸塩を生成する化合物を含む)を用いることが好適である。これにより、得られるカルボキシル基含有共重合体の主鎖末端にスルホン酸基を導入することができるととなり、耐ゲル性を向上することが可能となる。また、得られる共重合体が必要以上に高分子量化することが抑制されることとなる。
上記重亜硫酸(塩)における塩とは、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩である。重亜硫酸(塩)のなかでも、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウムが好ましい。重亜硫酸(塩)は、1種類のみを使用しても良く、2種以上を使用しても良い。
なお、溶媒は、重合初期に一部又は全量を反応容器内に仕込んでおけばよいが、溶媒の一部を重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよいし、単量体成分や開始剤等を予め溶媒に溶解させた形で、これらの成分と共に重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよい。
上記重合工程は、回分式でも連続式でも行うことができる。
上記重合工程において、重合温度としては、通常、0℃以上であることが好ましく、また、150℃以下であることが好ましい。より好ましくは、40℃以上であり、更に好ましくは、60℃以上であり、特に好ましくは、80℃以上である。また、より好ましくは、120℃以下であり、更に好ましくは、110℃以下である。特に、重亜硫酸(塩)を用いる場合には、共重合温度は、通常、60℃〜95℃、好ましくは70℃〜95℃、さらに好ましくは、80℃〜95℃である。この際、60℃以下では、重亜硫酸(塩)由来の不純物が多量に生成するおそれがある。逆に、95℃を越えると、有毒な亜硫酸ガスが放出されるおそれがある。
上記重合工程において、重合温度は常にほぼ一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間又は昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応中に経時的に温度変動(昇温又は降温)させてもよい。
なお、本発明において「重合時間」とは、回分式(バッチ式)重合方法において、単量体の一部または全部を反応器(反応釜)に添加しながら重合する場合には、最初に重合開始剤の一部または全部と、単量体の一部または全部が反応器に添加された時点(重合開始時点という)から、単量体の全量が反応器に添加された時点(重合終了時点という)までをいう。また、回分式(バッチ式)重合方法において、単量体の全量を予め反応器に添加して(初期仕込みという)、重合開始剤の一部または全部を反応器(反応釜)に添加しながら重合する場合には、最初に重合開始剤の一部または全部と、単量体の全部が反応器に添加された時点から、重合開始剤の全量が反応器に添加された時点までである。また、回分式(バッチ式)重合方法において、単量体の全量と、重合開始剤の全量とを予め反応器に添加して、加熱等の手段により重合を行なう場合には、発熱(重合熱の発生)が見られる時間をいう。また、連続式で重合する場合には、反応器に滞留している時間をいう。
本発明のカルボキシル基含有共重合体(または重合体組成物)は、単独またはその他の配合剤と共にスケール防止剤等の水処理剤に用いることができる。該水処理剤には、必要に応じて、他の配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤を用いても良い。上記水処理剤における本発明のカルボキシル基含有共重合体の含有量は、水処理剤全体に対して、好ましくは1〜100重量%であり、より好ましくは5〜100重量%である。
本発明のカルボキシル基含有共重合体(または重合体組成物)は、脱墨剤として使用できる。本発明にかかる脱墨剤は、必要に応じて、一般的に用いられている各種薬剤、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤;過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、ハイドロサルファイト等の漂白剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等のキレート剤;過酸化水素安定剤、発泡剤、ピッチコントロール剤、解離促進剤、或いは、公知の脱墨剤と併用することができるが、特に限定されるものではない。尚、本発明にかかる脱墨剤と併用することができる公知の脱墨剤としては、例えば、高級脂肪酸石鹸系や陰イオン性界面活性剤系、各種非イオン性界面活性剤系の脱墨剤が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、非イオン性界面活性剤とカチオン性化合物等とを併用する公知の脱墨処理工程においても、該脱墨処理工程を行うのに特に支障が無ければ、本発明にかかる脱墨剤を併用することができる。
本発明のカルボキシル基含有共重合体(または重合体組成物)は、繊維処理剤に用いることができる。該繊維処理剤は、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つと、本発明のカルボキシル基含有共重合体を含む。
上記繊維処理剤における本発明のカルボキシル基含有共重合体の含有量は、繊維処理剤全体に対して、好ましくは1〜100重量%であり、より好ましくは5〜100重量%である。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
<無機顔料分散剤>
本発明のカルボキシル基含有共重合体(または重合体組成物)は、無機顔料分散剤に用いることができる。該無機顔料分散剤には、必要に応じて、他の配合剤として、縮合リン酸およびその塩、ホスホン酸およびその塩、ポリビニルアルコールを用いても良い。
また、本発明のカルボキシル基含有共重合体の重量平均分子量、シリカスケールの分散能等は、下記方法に従って測定した。
装置:日立社製L−7000シリーズ
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ, GF−710−HQ, GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min.
検量線:創和科学株式会社製 POLYACRYLIC ACID STANDARD
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)
<シリカスケール分散能>
グリシン67.56g、塩化ナトリウム52.6g、NaOH2.4gに純水を加え、600gとした(これをバッファー(1)とする)。バッファー(1)60gに塩化カルシウム二水和物0.3268gを加え、さらに純水を加え、1000gとした(これをバッファー(2)とする)。測定対象の共重合体の0.1質量%水溶液4gに、バッファー(2)を36g加え、攪拌し分散液とした。試験管(IWAKI GLASS製、直径18mm、高さ180mm)にシリカスケールとしてタルク(和光純薬製)0.9gを入れた後、上記の分散液を30g加え、密封する。
試験管を振り、タルクを均一に分散させた。その後、試験管を暗所に3時間静置した。1時間後、分散液の上澄みを5cc取り、UV分光器(島津製作所、UV−1200;内寸が、底面積1cm2×高さ4.5cmのセル、波長380nm)で吸光度を測定した。この値が大きいほどシリカスケール分散能が高いことを示す。
窒素雰囲気下、130℃に加熱したオーブンで重合体組成物(重合体組成物1.0g+水3.0g)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
攪拌機(パドル翼)、還流冷却器を備えた容量200mLのガラス製4つ口フラスコに、イソプレノール43.0gと、水酸化カリウム(以下、「KOH」とも称する。)0.93gを仕込み、窒素導入、攪拌しながら、60℃まで昇温し、この状態を30分間維持することにより、KOHを溶解させた。次に、へキセンオキシド(以下、「HxO」とも称する。)50.0gを30分かけて添加し、その後、72時間、60℃を維持して反応させた。室温まで冷却後、この溶液を500mlの分液ロートへ移し、20%塩化ナトリウム水溶液(以下、「20%NaCl」とも称する。)100.0gを加え、よく攪拌し、分層するまで静置し、下層を取り除いた。この操作を3回繰り返し、残った上層を300mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。析出してきた塩を濾過により取り除き、単量体(1)を得た。
攪拌機(パドル翼)、還流冷却器を備えた容量200mLのガラス製4つ口フラスコに、アリルアルコール29.0gと、KOH0.79gを仕込み、窒素導入、攪拌しながら、60℃まで昇温し、この状態を30分間維持することにより、KOHを溶解させた。次に、HxO50.0gを30分かけて添加し、その後、5時間、60℃を維持して反応させた。室温まで冷却後、この溶液を500mlの分液ロートへ移し、20%NaCl100.0gを加え、よく攪拌し、分層するまで静置し、下層を取り除いた。この操作を3回繰り返し、残った上層を300mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。析出してきた塩を濾過により取り除き、単量体(2)を得た。
合成例1において、還流冷却器を備えた容量200mLのガラス製4つ口フラスコにかえてSUS製のオートクレーブを使用し、へキセンオキシド50.0gにかえて、プロピレンオキシド87.0gを使用し、KOH0.93gにかえて、KOH0.65gを使用するほかは、合成例1と同様にしてイソプレノールへのプロピレンオキシド3モル付加物(単量体(3))を得た。
合成例2において、還流冷却器を備えた容量200mLのガラス製4つ口フラスコにかえてSUS製のオートクレーブを使用し、へキセンオキシド50.0gにかえて、プロピレンオキシド87.0gを使用し、KOH0.79gにかえて、KOH0.58gを使用するほかは、合成例2と同様にしてアリルアルコールへのプロピレンオキシド3モル付加物(単量体(4))を得た。
合成例1において、還流冷却器を備えた容量200mLのガラス製4つ口フラスコにかえてSUS製のオートクレーブを使用し、へキセンオキシド50.0gにかえて、ブチレンオキシド72.0gを使用し、KOH0.93gにかえて、KOH0.58gを使用するほかは、合成例1と同様にしてイソプレノールへのブチレンオキシド2モル付加物(単量体(5))を得た。
合成例2において、還流冷却器を備えた容量200mLのガラス製4つ口フラスコにかえてSUS製のオートクレーブを使用し、へキセンオキシド50.0gにかえて、ブチレンオキシド72.0gを使用し、KOH0.79gにかえて、KOH0.51gを使用するほかは、合成例2と同様にしてアリルアルコールへのブチレンオキシド2モル付加物(単量体(6))を得た。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水99.7g、およびモール塩0.0110gを仕込み、攪拌しながら、85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」とも称する。)180.0g、単量体(1)25.4g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「15%NaPS」とも称する。)42.7g、および、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、「35%SBS」とも称する。)30.5gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については90分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」とも称する。)141.7gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、固形分濃度45%の重合体水溶液(重合体水溶液(1))を得た。重合体水溶液(1)に含まれる残存単量体の合計は1000ppm未満であり、重合体水溶液(1)に含まれる重合体(重合体(1))の重量平均分子量は12,500であった。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水113.1g、およびモール塩0.0129gを仕込み、攪拌しながら、85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA225.0g、単量体(1)20.0g、15%NaPS52.2g、および、35%SBS22.4gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH177.1gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、固形分濃度45%の重合体水溶液(重合体水溶液(2))を得た。重合体水溶液(2)に含まれる残存単量体の合計は1000ppm未満であり、重合体水溶液(2)に含まれる重合体(重合体(2))の重量平均分子量は20,700であった。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水120.5g、およびモール塩0.0148gを仕込み、攪拌しながら、85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA270.0g、単量体(2)11.4g、15%NaPS61.4g、および、35%SBS26.3gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(2)については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH212.5gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、固形分濃度45%の重合体水溶液(重合体水溶液(3))を得た。重合体水溶液(3)に含まれる残存単量体の合計は1000ppm未満であり、重合体水溶液(3)に含まれる重合体(重合体(3))の重量平均分子量は18,700であった。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水106.4g、およびモール塩0.0142gを仕込み、攪拌しながら、85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA270.0g、15%NaPS60.0g、および、35%SBS25.7gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を90℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH212.5gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、固形分濃度45%の比較重合体水溶液(比較重合体水溶液(1))を得た。比較重合体水溶液(1)に含まれる比較重合体(比較重合体(1))の重量平均分子量は14,600であった。
実施例1〜3で得られた重合体について、上記方法に従ってシリカスケールの分散能を評価した。比較例として上記比較例1で得られた重合体、および重量平均分子量5,500のポリアクリル酸ナトリウム(日本触媒製「アクアリックYS100」、比較重合体(1)と言う。)について、シリカスケールの分散能を評価した。結果を表1にまとめた。
Claims (4)
- 前記一般式(1)中のR 0 が、CH 3 基であり、R 1 が、CH 2 CH 2 基である
請求項1に記載のカルボキシル基含有共重合体。 - 重量平均分子量が2,000〜200,000である
請求項1又は請求項2に記載のカルボキシル基含有共重合体。
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