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JP5861379B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車に搭載される自動変速機、特にその変速機構の構成要素のレイアウトの改良に関し、自動車用変速機の技術分野に属する。
一般に、自動車に搭載される自動変速機は、トルクコンバータと変速機構とを備え、エンジンの出力回転が前記トルクコンバータを介して前記変速機構に入力される。前記変速機構は、動力伝達経路を構成するプラネタリギヤセットと、クラッチやブレーキ等の摩擦締結要素とを有し、これらのクラッチやブレーキ等の締結状態が切り換わることにより減速比の異なる複数の変速段が達成される。その結果、変速機構に入力されたエンジンの出力回転は、複数の摩擦締結要素の選択的締結によって動力伝達経路が切り換わることにより所望の変速比に変速された後、差動装置側に出力される。
前記クラッチやブレーキ等を摩擦締結要素と称するのと同様、前記プラネタリギヤセットのサンギヤやピニオンキャリヤやインターナルギヤ等を回転要素と称する。また、これらの摩擦締結要素とプラネタリギヤセットの回転要素とをまとめて変速機構の構成要素と総称する。これらの変速機構の構成要素同士の連結関係、あるいは変速機構の構成要素と入力軸又は出力ギヤとの連結関係は、様々な要因に基いて決定される。そのため、変速機構の構成要素のレイアウトは前記連結関係に応じて様々に変化し、そのレイアウトの変化は変速機構ひいては自動変速機のコンパクト化に影響を及ぼす。
例えば、特許文献1には、複数のプラネタリギヤセットが同軸上に並んで配置された変速機構を有する自動変速機において、相互に隣接するプラネタリギヤセットのインターナルギヤ同士を連結する構成が記載されている。
特許4017819号公報(段落0065、段落0068、図4)
前記特許文献1に記載されている構成を図9を参照して説明する。図9は前記特許文献1の図4の一部を抜粋し簡略化して描いたものである。図9において符号oは変速機構の軸芯である。この軸芯o上に、サンギヤe、ピニオンc,d及びインターナルギヤbを備える第1のプラネタリギヤセットaと、サンギヤi、ピニオンh及びインターナルギヤgを備える第2のプラネタリギヤセットfとが相互に隣接して配置されている。そして、第1のプラネタリギヤセットaのインターナルギヤbと第2のプラネタリギヤセットfのインターナルギヤgとがスプラインにより一体に結合されている。ただし、第2のプラネタリギヤセットfは第1のプラネタリギヤセットaよりも小径のため、第2のプラネタリギヤセットfのインターナルギヤgの端部(第1のプラネタリギヤセットa側の端部)は外径方向に延びる鍔部とされ、この鍔部の外周部が第1のプラネタリギヤセットaのインターナルギヤbの内周面にスプライン係合されている。
一般に、相互に隣接するプラネタリギヤセットのインターナルギヤ同士を連結する場合、次のような問題が生じる。例えば、相互に隣接するプラネタリギヤセットのサンギヤとインターナルギヤとを連結する場合や、ピニオンキャリヤとインターナルギヤとを連結する場合は、もともとサンギヤやピニオンキャリヤの軸方向の位置が規制されることが通例であるから、これらと連結されるインターナルギヤの軸方向の位置もまた規制されることが多い。しかし、インターナルギヤ自体は軸方向の位置が規制されないことが通例であるから、相互に隣接するプラネタリギヤセットのインターナルギヤ同士を連結する場合は、連結されたインターナルギヤの軸方向の位置を規制するための対策が必要となる。
この点、前記特許文献1には、図9に符号mで示すように、前記軸芯oと同心の円盤状のプレート部材が用いられている。このプレート部材mは、その外周部が第1のプラネタリギヤセットaのインターナルギヤbの内周面にスプライン係合され、前記第2のプラネタリギヤセットfのインターナルギヤgの鍔部の外周部と共にスナップリングkにより固定され抜け止めされている。一方、プレート部材mの内周部は、第1のプラネタリギヤセットaのサンギヤeと第2のプラネタリギヤセットfのピニオンキャリヤ(図示せず)とにより挟持され、これにより、連結されたインターナルギヤb,gの軸方向の位置がプレート部材mを介して規制されている。
ところが、前記特許文献1に記載されている構成では、図9に示したように、インターナルギヤb,gの連結部jとプレート部材mの外周部とがスプライン上で軸方向に並んで配置されているので、第1のプラネタリギヤセットaと第2のプラネタリギヤセットfとの軸方向の間隔が、プレート部材mを備えない場合と比べて、プレート部材mの厚みの分だけ増大し、そのため、変速機構ひいては自動変速機の軸方向の寸法が増大するという問題がある。自動変速機の軸方向の寸法が増大すると、エンジン及び自動変速機が横置きされる場合はエンジンルームの車幅方向の寸法が増大し、エンジン及び自動変速機が縦置きされる場合はエンジンルームの車体前後方向の寸法が増大する。このような問題は、例えば、インターナルギヤb,g同士の確実な連結を確保するために前記連結部jを軸方向に長く設定した場合や、前記プレート部材mの十分な剛性を確保するために前記プレート部材mの厚みを大きく設定した場合等に特に顕著となる。
そこで、本発明の目的は、相互に軸方向に隣接するプラネタリギヤセットのインターナルギヤ同士が連結された構成の自動変速機において、連結されたインターナルギヤの軸方向の位置を規制するためのプレート部材を備えつつ、自動変速機の軸方向のコンパクト化を達成することである。
前記課題を解決するために、本発明は、相互に軸方向に隣接する第1のプラネタリギヤセットと第2のプラネタリギヤセットとが備えられ、前記第1のプラネタリギヤセットの第1のインターナルギヤと前記第2のプラネタリギヤセットの第2のインターナルギヤとが連結された自動変速機であって、前記第1のインターナルギヤのギヤ部よりも前記第2のインターナルギヤ側に向かって軸方向に延びる第1延設部が前記第1のインターナルギヤに設けられ、前記第1延設部は、前記第2のインターナルギヤ側に突出する周方向に所定間隔で形成された複数の突起であり、前記第2のインターナルギヤのギヤ部よりも前記第1のインターナルギヤ側に向かって軸方向に延びる第2延設部が前記第2のインターナルギヤに設けられ、前記第2延設部は、前記第1のインターナルギヤ側に突出する周方向に所定間隔で形成された複数の突起であり、前記第1延設部と前記第2延設部とが周方向に互い違いに配置されて相互に嵌合し合うことにより、前記第1延設部と前記第2延設部とを介して前記第1のインターナルギヤと前記第2のインターナルギヤとが連結された連結部が設けられ、連結された前記第1のインターナルギヤ及び前記第2のインターナルギヤの軸方向の位置を規制するための円盤状のプレート部材が設けられ、前記プレート部材の内周部は、前記第1のプラネタリギヤセットと前記第2のプラネタリギヤセットとにより挟持され、前記プレート部材は、前記連結部と軸方向にオーバーラップする位置において、前記連結部の内周側に組み付けられていることを特徴とする自動変速機である(請求項1)。
本発明によれば、第1のプラネタリギヤセットと第2のプラネタリギヤセットとが相互に軸方向に隣接している。第1のプラネタリギヤセットの第1のインターナルギヤに、第2のインターナルギヤ側に向かって軸方向に延びる第1延設部が設けられている。第2のプラネタリギヤセットの第2のインターナルギヤに、第1のインターナルギヤ側に向かって軸方向に延びる第2延設部が設けられている。そして、これらの第1延設部と第2延設部とを介して第1のインターナルギヤと第2のインターナルギヤとが連結される。連結された第1のインターナルギヤ及び第2のインターナルギヤの軸方向の位置を規制するためのプレート部材が、第1のインターナルギヤと第2のインターナルギヤとの連結部に対して軸方向にオーバーラップする位置において前記連結部の内周側に組み付けられている。すなわち、相互に軸方向に隣接する第1、第2のプラネタリギヤセットの第1、第2のインターナルギヤ同士が連結された構成の自動変速機において、第1、第2のインターナルギヤの連結部とプレート部材とは軸方向に並んで配置されず、径方向に並んで配置される。このようなレイアウトの結果、プレート部材を用いたために変速機構ひいては自動変速機の軸方向の寸法が増大するという問題が回避され、相互に軸方向に隣接するプラネタリギヤセットのインターナルギヤ同士が連結された構成の自動変速機において、プレート部材を用いながらも、自動変速機の軸方向のコンパクト化が達成される。
本発明において、前記第1のインターナルギヤと前記第2のインターナルギヤとを連結状態で固定する固定部材が前記連結部に設けられ、前記プレート部材の外周部が前記固定部材と前記第1のインターナルギヤの段部又は前記第2のインターナルギヤの段部とにより挟持されることにより、前記プレート部材が前記連結部の内周側に組み付けられていることが好ましい(請求項2)。
この構成によれば、第1のインターナルギヤと第2のインターナルギヤとを連結状態で固定する固定部材が前記連結部に設けられている。そして、前記プレート部材は、その外周部が前記固定部材と第1のインターナルギヤ又は第2のインターナルギヤの段部とにより挟持されることによって、前記連結部の内周側に組み付けられている。このようなレイアウトの結果、インターナルギヤ同士の固定とプレート部材の連結部への固定とが共通する単一の部材で達成され、自動変速機の部品点数の削減ひいてはコストダウンや自動変速機の構成の簡素化等が図られる。
本発明において、連結された前記第1のインターナルギヤ及び前記第2のインターナルギヤのための摩擦締結要素が、前記連結部と軸方向にオーバーラップする位置において、前記連結部の径方向外側に配設され、前記第1のインターナルギヤ又は前記第2のインターナルギヤの外周側に前記連結部側に向かって軸方向に延びる外周側延設部が設けられ、前記外周側延設部が前記摩擦締結要素のハブ部を構成していることが好ましい(請求項3)。
この構成によれば、連結されたインターナルギヤを他の回転要素や入力軸又は出力ギヤ等と連結するクラッチや、変速機ケースに固定するブレーキ等の摩擦締結要素が、前記連結部に対して軸方向にオーバーラップする位置において前記連結部の径方向外側に配設されている。したがって、連結されたインターナルギヤのための摩擦締結要素がこのようにレイアウトされている場合であっても、連結されたインターナルギヤと前記摩擦締結要素のハブ部との接続構造が良好に構築される。
本発明によれば、相互に軸方向に隣接するプラネタリギヤセットのインターナルギヤ同士が連結された構成の自動変速機において、連結されたインターナルギヤの軸方向の位置を規制することができ、かつ、その位置規制のためのプレート部材を備えながらも、自動変速機の軸方向のコンパクト化を達成することができる。
本発明の実施形態に係る自動変速機の骨子図である。 図1の自動変速機の締結表である。 第1の実施形態に係る自動変速機の要部拡大断面図である。 図3の自動変速機の相互に軸方向に隣接するプラネタリギヤセットのインターナルギヤ、プレート部材及びスナップリングの分解斜視図である。 (a)、(b)、(c)、(d)の順に、図4のインターナルギヤ、プレート部材及びスナップリングを組み付ける作業を示す作業工程図である。 第2の実施形態に係る自動変速機の要部拡大断面図である。 図6の自動変速機の相互に軸方向に隣接するプラネタリギヤセットのインターナルギヤ、プレート部材及びスナップリングの分解斜視図である。 (a)、(b)、(c)、(d)の順に、図7のインターナルギヤ、プレート部材及びスナップリングを組み付ける作業を示す作業工程図である。 従来技術の説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。まず、図1〜図5に基き、第1の実施形態を説明する。本実施形態においては、本発明は、図1に示す自動変速機1に適用されている。
この自動変速機1は、例えばフロントエンジンフロントドライブ車等のエンジン横置き式自動車に搭載されている。この自動変速機1は、図外のエンジン出力軸に取り付けられたトルクコンバータと、このトルクコンバータを介してエンジンの出力回転が入力される変速機構30とを備える。
エンジンの出力回転が変速機構30に入力される経路として、後に詳しく述べるように、入力軸4から第3プラネタリギヤセット(以下、プラネタリギヤセットを「PGS」と記す)60のサンギヤ61に直接入力される経路と、入力軸4から第1クラッチ10及び出力部材11を経由して第1PGS40のサンギヤ41及び第2PGS50のサンギヤ51に入力される経路と、入力軸4から第2クラッチ20及び出力部材21を経由して第2PGS50のピニオンキャリヤ53に入力される経路とが設けられている。
変速機構30の出力回転は、出力ギヤ7から取り出される。出力ギヤ7は、第1PGS40のピニオンキャリヤ43に連結されている。出力ギヤ7から取り出された回転は、図外のカウンタドライブ機構を介して差動装置に伝達され、左右の車軸を駆動する。
これらの第1クラッチ10、第2クラッチ20、第1PGS40、第2PGS50、第3PGS60及び出力ギヤ7は、入力軸4の軸芯上に同軸に並んで配置されている。そして、その状態で、変速機ケースに収納されている。変速機ケースは、図3に一部を示すように、外周囲を構成する本体部5aと、本体部5aの端部(反エンジン側の端部)の開口を閉塞するエンドカバー5cとを含んでいる。
変速機構30は、動力伝達経路を構成する、第1、第2、第3PGS40、50、60を有している。第1、第2、第3PGS40、50、60は、エンジン側からこの順に相互に軸方向に隣接して配置されている。
変速機構30は、摩擦締結要素として、第1、第2クラッチ10、20及び第1、第2、第3ブレーキ70、80、90を有している。第1、第2クラッチ10、20は、軸方向にオーバーラップして、すなわち径方向に並んで配置されている。これらの第1、第2クラッチ10、20及び第1、第2、第3ブレーキ70、80、90は、エンジン側からこの順に軸方向に配置されている。第1、第2ブレーキ70、80の間にワンウエイクラッチ9が配置されている。
第1、第2PGS40、50はシングルピニオン型PGS、第3PGS60はダブルピニオン型PGSである。各PGS40、50、60は、サンギヤ41、51、61と、このサンギヤ41、51、61に噛み合うピニオン42、52、62と、このピニオン42、52、62を支持するピニオンキャリヤ43、53、63と、前記ピニオン42、52、62に噛み合うインターナルギヤ44、54、64とを備えている。
次に、これらの変速機構30の構成要素同士の連結関係、及び変速機構30の構成要素と入力軸4や出力ギヤ7との連結関係を説明する。
第1PGS40のサンギヤ41と第2PGS50のサンギヤ51とが連結され、第1PGS40のインターナルギヤ44と第2PGS50のピニオンキャリヤ53とが連結され、第2PGS50のインターナルギヤ54と第3PGS60のインターナルギヤ64とが連結されている。
連結されたサンギヤ41、51は、第1クラッチ10の出力部材11に連結され、第1クラッチ10を介して入力軸4に断接可能に連結されている。連結されたインターナルギヤ44及びピニオンキャリヤ53は、第2クラッチ20の出力部材21に連結され、第2クラッチ20を介して入力軸4に断接可能に連結されている。
連結されたインターナルギヤ44及びピニオンキャリヤ53は、第1ブレーキ70及びワンウエイクラッチ9を介して変速機ケースの本体部5aに断接可能に連結されている。連結されたインターナルギヤ54、64は、第2ブレーキ80を介して変速機ケースのエンドカバー5cに断接可能に連結されている。第3PGS60のピニオンキャリヤ63は、第3ブレーキ90を介して変速機ケースのエンドカバー5cに断接可能に連結されている。
第3PGS60のサンギヤ61は、入力軸4に直接連結されている。第1PGS40のピニオンキャリヤ43は、出力ギヤ7に直接連結されている。
以上の連結関係により、本実施形態に係る自動変速機1においては、図2の締結表に示すように、第1、第2クラッチ10、20及び第1、第2、第3ブレーキ70、80、90の締結状態が切り換わることにより、前進6速と後退速とが達成される。図2の締結表において、「○」は締結されることを示す。
1速では第1クラッチ(ロークラッチ)10と第1ブレーキ(ローリバースブレーキ)70とが締結される。入力軸4の回転は、第1PGS40のサンギヤ41に入力される。入力された回転は、第1PGS40によって大きな減速比で減速された後、第1PGS40のピニオンキャリヤ43から出力ギヤ7に取り出される。
なお、第1ブレーキ70は、エンジンブレーキを作動させる1速でのみ締結される。エンジンブレーキを作動させない1速では、第1ブレーキ70は締結されず、代わりに、ワンウェイクラッチ9がロックすることによって1速が達成される。図2の締結表において、1速の第1ブレーキ70が「(○)」で表されているのは、こういう意味である。
2速では第1クラッチ(ロークラッチ)10と第2ブレーキ(2−6ブレーキ)80とが締結される。入力軸4の回転は、第1PGS40のサンギヤ41と、第2PGS50のピニオンキャリヤ53を介して第1PGS40のインターナルギヤ44とに入力される。入力された回転は、1速よりも小さな減速比で減速された後、第1PGS40のピニオンキャリヤ43から出力ギヤ7に取り出される。
3速では第1クラッチ(ロークラッチ)10と第3ブレーキ(R−3−5ブレーキ)90とが締結される。入力軸4の回転は、第1PGS40のサンギヤ41と、第3PGS60のインターナルギヤ64及び第2PGS50のピニオンキャリヤ53を介して第1PGS40のインターナルギヤ44とに入力される。入力された回転は、2速よりもさらに小さな減速比で減速された後、第1PGS40のピニオンキャリヤ43から出力ギヤ7に取り出される。
4速では第1クラッチ(ロークラッチ)10と第2クラッチ(ハイクラッチ)20とが締結される。入力軸4の回転は、第1PGS40のサンギヤ41と、第2PGS50のピニオンキャリヤ53を介して第1PGS40のインターナルギヤ44とに入力される(減速なし)。入力された回転は、第1PGS40全体を入力軸4と一体に回転させるので、減速比1の回転が第1PGS40のピニオンキャリヤ43から出力ギヤ7に取り出される。
5速では第2クラッチ(ハイクラッチ)20と第3ブレーキ(R−3−5ブレーキ)90とが締結される。入力軸4の回転は、第3PGS60のインターナルギヤ64及び第2PGS50のサンギヤ51を介して第1PGS40のサンギヤ41と、第2PGS50のピニオンキャリヤ53を介して第1PGS40のインターナルギヤ44とに入力される(減速なし)。入力された回転は、増速された後、第1PGS40のピニオンキャリヤ43から出力ギヤ7に取り出される。
6速では第2クラッチ(ハイクラッチ)20と第2ブレーキ(2−6ブレーキ)80とが締結される。入力軸4の回転は、第2PGS50のサンギヤ51を介して第1PGS40のサンギヤ41と、第2PGS50のピニオンキャリヤ53を介して第1PGS40のインターナルギヤ44とに入力される(減速なし)。入力された回転は、5速よりも大きな増速比で増速された後、第1PGS40のピニオンキャリヤ43から出力ギヤ7に取り出される。
後退速では第1ブレーキ(ローリバースブレーキ)70と第3ブレーキ(R−3−5ブレーキ)90とが締結される。入力軸4の回転は、第3PGS60のインターナルギヤ64及び第2PGS50のサンギヤ51を介して第1PGS40のサンギヤ41に入力される。入力された回転は、第2PGS50により回転方向が逆転されており、第1PGS40によって大きな減速比で減速された後、第1PGS40のピニオンキャリヤ43から入力軸4の回転方向と反対方向の回転として出力ギヤ7に取り出される。
以上のように、本実施形態に係る自動変速機1においては、変速機構30は、3つのPGS40、50、60と、2つのクラッチ10、20と、3つのブレーキ70、80、90とを有し、これらのクラッチ10、20及びブレーキ70、80、90が選択的に締結されることにより、PGS40、50、60の動力伝達経路が切り換わり、前進6速と後退速とが達成される。
次に、本実施形態の特徴部分を説明する。
図3は、前記第2PGS50(第1のプラネタリギヤセット)、第3PGS60(第2のプラネタリギヤセット)及び第2ブレーキ80の周辺の部分断面図、図4は、前記第2PGS50のインターナルギヤ54、第3PGS60のインターナルギヤ64、プレート部材100及びスナップリング110の分解斜視図、図5は、(a)、(b)、(c)、(d)の順に、前記第2PGS50のインターナルギヤ54、第3PGS60のインターナルギヤ64、プレート部材100及びスナップリング110を組み付ける作業を示す作業工程図である。
本明細書において、「スプライン係合」とは、一方の部材の内周部に形成されたスプライン歯と、他方の部材の外周部に形成されたスプライン歯とが噛み合うことをいう。
前述したように、本実施形態では、第2PGS50のインターナルギヤ54と第3PGS60のインターナルギヤ64とが連結されている。図3を参照すると、例えば、第2PGS50のサンギヤ51は、第1クラッチ10の出力部材11とのスプライン係合により、第3PGS60のサンギヤ61は、入力軸4とのスプライン係合により、第2PGS50のピニオンキャリア53は、第2クラッチ20の出力部材21とのスプライン係合により、第3PGS60のピニオンキャリア63は、変速機ケースのエンドカバー5cにより、それぞれ軸方向の位置が規制されている。しかし、インターナルギヤ54、64は、軸方向の位置が規制されていない。そこで、本実施形態では、連結されたインターナルギヤ54、64の軸方向の位置を規制するためのプレート部材100が用いられている。
図4に示すように、前記プレート部材100は、円盤状であり、中央部に入力軸4を挿通させるための円孔が形成されている。
図4、図5に示すように、第2PGS50のインターナルギヤ54は、ギヤ部54aを有し、このギヤ部54aよりも第3PGS60のインターナルギヤ64側に向かって軸方向に延びる延設部54bが設けられている。本実施形態では、前記延設部54bは、第3PGS60のインターナルギヤ64側に突出する突起として形成されている。突起は等間隔に12個形成されている。この突起(すなわち延設部54b)の内周面には、ギヤ部54a側から順に、凹溝54dと傾斜面54eとが形成されている。凹溝54dには、スナップリング110が嵌入される。
図4、図5に示すように、第3PGS60のインターナルギヤ64は、ギヤ部64aを有し、このギヤ部64aよりも第2PGS50のインターナルギヤ54側に向かって軸方向に延びる延設部64bが設けられている。本実施形態では、前記延設部64bは、第2PGS50のインターナルギヤ54側に突出する突起として形成されている。突起は等間隔に12個形成されている。この突起(すなわち延設部64b)の内周面には、ギヤ部64a側から順に、段部64cと凹溝64dとが形成されている。段部64cには、プレート部材100の外周部が当接し、凹溝64dには、スナップリング110が嵌入される。
次に説明するように、前記第2PGS50のインターナルギヤ54の延設部54bと、前記第3PGS60のインターナルギヤ64の延設部64bとを介して、前記第2PGS50のインターナルギヤ54と前記第3PGS60のインターナルギヤ64とが連結される。そのとき、第2PGS50の延設部54bと第3PGS60の延設部64bとは、周方向に互い違いに配置され、一方の延設部が他方の相互に周方向に隣接する延設部間に形成された空間に突入することにより、第2PGS50の延設部54bと第3PGS60の延設部64bとが相互に嵌合し合うことになる。
なお、第2PGS50のインターナルギヤ54の外周側には、第3PGS60のインターナルギヤ64側に向かって軸方向に延びる外周側延設部が第2ブレーキ80のハブ部81として設けられているが、これについては後述する。
図5を参照して、前記第2PGS50のインターナルギヤ54、第3PGS60のインターナルギヤ64、プレート部材100及びスナップリング110を組み付ける作業を説明する。
まず、図5(a)に示すように、第3PGS60のインターナルギヤ64の延接部64bの内周面に形成された段部64cにプレート部材100の外周部を当接させ、この状態で、凹溝64dにスナップリング110を嵌入する。ここで、段部64cの軸方向の長さはプレート部材100の厚みに略同じであり、凹溝64dは段部64cに隣接している。これにより、プレート部材100は、スナップリング110によって、第3PGS60の延接部64bの内周面に固定される。
次いで、図5(b)に示すように、第2PGS50のインターナルギヤ54と第3PGS60のインターナルギヤ64とを延接部54b、64b同士が向き合うように配置し、この状態で、インターナルギヤ54、64を相互に近接する側に軸方向に移動させる。ここで、前述したように、第2PGS50の延設部54bと第3PGS60の延設部64bとは、周方向に互い違いに配置され、一方の延設部が他方の相互に周方向に隣接する延設部間に形成された空間に突入していき、第2PGS50の延設部54bと第3PGS60の延設部64bとが相互に嵌合し合っていく。
インターナルギヤ54、64の移動の途中で、図5(c)に示すように、第2PGS50のインターナルギヤ54の延接部54bの内周面に形成された傾斜面54eが、第3PGS60のインターナルギヤ64の延接部64bの凹溝64dに嵌入されたスナップリング110に接触する。さらに、そのままインターナルギヤ54、64を移動させていくことにより、スナップリング110は傾斜面54eに乗り上げて縮径していく。
そして、図5(d)に示すように、第2PGS50の凹溝54dと第3PGS60の凹溝64dとが軸方向に一致したときに、縮径していたスナップリング110は弾性復元力によって拡径し、第2PGS50の凹溝54dに自ずと嵌入される。すなわち、スナップリング110は、第2PGS50の凹溝54dと第3PGS60の凹溝64dとの両方に嵌入された状態となる。これにより、第2PGS50の延設部54bと第3PGS60の延設部64bとがスナップリング110によって連結され、第2PGS50のインターナルギヤ54と第3PGS60のインターナルギヤ64とがスナップリング110によって連結された状態で固定される。そして、プレート部材100は、その外周部がスナップリング110と第3PGS60の段部64cとにより挟持されることによって、第2PGS50の延設部54bの内周面及び第3PGS60の延接部64bの内周面に固定される。
なお、図3及び図5(d)において、第2PGS50の延設部54bと第3PGS60の延設部64bとの嵌合部(第2PGS50の延設部54bと第3PGS60の延設部64bとが周方向に互い違いに配置されて相互に嵌合し合っている部分)、つまり、第2PGS50のインターナルギヤ54と第3PGS60のインターナルギヤ64との連結部に符号Aを付す。
図3に示すように、プレート部材100は、第2PGS50のインターナルギヤ54と第3PGS60のインターナルギヤ64との連結部Aの内周側に入力軸4の軸芯と同心に組み付けられている。このプレート部材100は、その外周部が、スナップリング110により第2PGS50の延設部54bの内周面及び第3PGS60の延接部64bの内周面に固定され、その内周部が、スラストベアリング101を介して、第2PGS50のピニオンキャリア53と第3PGS60のサンギヤ61とにより挟持されている。これにより、連結されたインターナルギヤ54、64の軸方向の位置がプレート部材110を介して規制されている。
なお、第3PGS60のサンギヤ61は、スラストニードルベアリング102を介して、変速機ケースのエンドカバー5cにより支持されている。すなわち、プレート部材100の内周部は、スラストベアリング101、第3PGS60のサンギヤ61、スラストニードルベアリング102を介して、変速機ケースのエンドカバー5cにより支持されている。また、プレート部材100は、その外周部よりも径方向にやや内側の部分が、スラストベアリング101、第3PGS60のピニオンキャリア63、スラストニードルベアリング102を介して、変速機ケースのエンドカバー5cにより支持されている。また、プレート部材100は、第2PGS50及び第3PGS60の回転要素との干渉回避や、剛性向上のために、段付き形状を呈している。
そして、本実施形態では、第2PGS50のインターナルギヤ54と第3PGS60のインターナルギヤ64との連結部Aと、プレート部材100とは、軸方向に並んで配置されているのではなく、軸方向にオーバーラップして、すなわち径方向に並んで配置されている。
図3に示したように、連結されたインターナルギヤ54、64を変速機ケースのエンドカバー5cに固定する第2ブレーキ80は、前記連結部Aと軸方向にオーバーラップして、すなわち径方向に並んで、前記連結部Aの径方向外側に配設されている。また、第3PGS60のピニオンキャリヤ63を変速機ケースのエンドカバー5cに固定する第3ブレーキ90は、第3PGS60のインターナルギヤ64のギヤ部64aと軸方向にオーバーラップして、すなわち径方向に並んで、前記インターナルギヤ64のギヤ部64aの径方向外側に配設されている。
第2ブレーキ80は、ハブ部81を有し、このハブ部81と変速機ケースのエンドカバー5cとに複数の摩擦板82…82が互い違いにスプライン係合されている。第3ブレーキ90は、ハブ部91を有し、このハブ部91と変速機ケースのエンドカバー5cとに複数の摩擦板92…92が互い違いにスプライン係合されている。
なお、符号5xは、第2ブレーキ80のピストンを格納するための変速機ケースの壁部である。また、第2ブレーキ80のピストン及び第3ブレーキ80のピストンを反締結側に付勢するリターンスプリングが備えられているが、図示は省略してある。
そして、本実施形態では、第2PGS50のインターナルギヤ54の外周側に、第3PGS60のインターナルギヤ64側に向かって、つまり連結部A側に向かって軸方向に延びる外周側延設部が設けられ、この外周側延設部が第2ブレーキ80のハブ部81を構成している。具体的には、ハブ部81は、外周面にスプライン歯が形成された環状部材であり、この環状部材が、第2PGS50のインターナルギヤ54の外周面に形成された隆起部に接合されている。
本実施形態の特徴を以下にまとめる。
本実施形態に係る自動変速機1は、相互に軸方向に隣接する第2PGS50と第3PGS60とが備えられ、第2PGS50のインターナルギヤ54と第3PGS60のインターナルギヤ64とが連結されている。第2PGS50のインターナルギヤ54のギヤ部54aよりも第3PGS60のインターナルギヤ64側に向かって軸方向に延びる延設部54bが第2PGS50のインターナルギヤ54に設けられ、第3PGS60のインターナルギヤ64のギヤ部64aよりも第2PGS50のインターナルギヤ54側に向かって軸方向に延びる延設部64bが第3PGS60のインターナルギヤ64に設けられ、これらの延設部54b、64b同士が相互に嵌合し合うことにより、インターナルギヤ54、64同士が連結されている。連結されたインターナルギヤ54、64の軸方向の位置を規制するためのプレート部材100が、延設部54b、64b同士の嵌合部、つまりインターナルギヤ54、64同士の連結部Aと軸方向にオーバーラップする位置において、前記連結部Aの内周側に組み付けられている。
このような構成により、インターナルギヤ54、64同士の連結部Aとプレート部材100とは軸方向に並んで配置されず、径方向に並んで配置される。このようなレイアウトの結果、プレート部材100を用いたために変速機構30ひいては自動変速機1の軸方向の寸法が増大するという問題が回避される。そのため、相互に軸方向に隣接するPGS50、60のインターナルギヤ54、64同士が連結された構成の自動変速機1において、プレート部材100を用いながらも、自動変速機1の軸方向のコンパクト化が達成される。
本実施形態では、前記延設部54b、64b同士、つまりインターナルギヤ54、64同士を連結状態で固定するスナップリング110が前記連結部Aに設けられている。より具体的には、前記スナップリング110は、第2PGS50のインターナルギヤ54の延接部54bの内周面に形成された凹溝54dと、第3PGS60のインターナルギヤ64の延接部64bの内周面に形成された凹溝64dとに嵌入されている。そして、前記プレート部材100の外周部が、前記スナップリング110と、第3PGS60のインターナルギヤ64の延接部64bの内周面に形成された段部64cとにより挟持されることによって、前記プレート部材100が前記連結部Aの内周側に組み付けられている。
このようなレイアウトの結果、インターナルギヤ54、64同士の固定と、プレート部材100の連結部Aへの固定とが、共通する単一の部材(スナップリング110)で達成され、自動変速機1の部品点数の削減ひいてはコストダウンや自動変速機1の構成の簡素化等が図られる。
本実施形態では、連結されたインターナルギヤ54、64を変速機ケースのエンドカバー5cに固定する第2ブレーキ80が、前記連結部Aと軸方向にオーバーラップする位置において、前記連結部Aの径方向外側に配設されている。そして、第2PGS50のインターナルギヤ54の外周側に、前記連結部A側に向かって軸方向に延びる外周側延設部が設けられ、この外周側延設部が前記第2ブレーキ80のハブ部81を構成している。
このような構成により、第2ブレーキ80が前記連結部Aに対して軸方向にオーバーラップする位置において前記連結部Aの径方向外側に配設されたレイアウトであっても、連結されたインターナルギヤ54、64と第2ブレーキ80のハブ部81との接続構造が良好に構築される。
次に、図6〜図8に基き、第2の実施形態を説明する。図6〜図8は、図3〜図5に対応し、相当又は類似する構成要素には同じ符号が用いられている。第1の実施形態と同じ構成は説明を省略し、第2の実施形態の特徴部分のみ説明する。
第2の実施形態では、第1の実施形態と比べて、第2PGS50のインターナルギヤ54の延設部54bの構成及び第3PGS60のインターナルギヤ64の延設部64bの構成が異なっている。また、第2ブレーキ80のハブ部81が第3PGS60のインターナルギヤ64の外周側に設けられている。
図7、図8に示すように、第2PGS50のインターナルギヤ54の延設部54bは、第3PGS60のインターナルギヤ64側に突出する突起として形成されている。突起は等間隔に12個形成されている。この突起(すなわち延設部54b)の内周面には、凹溝54dが形成されている。凹溝54dには、スナップリング110が嵌入される。
図7、図8に示すように、第3PGS60のインターナルギヤ64の延設部64bは、第2PGS50のインターナルギヤ54側に突出する突起として形成されている。突起は等間隔に12個形成されている。この突起(すなわち延設部64b)の内周面には、ギヤ部64a側から順に、段部64cと凹溝64dと傾斜面64eとが形成されている。段部64cには、プレート部材100の外周部が当接し、凹溝64dには、スナップリング110が嵌入される。
図8を参照して、前記第2PGS50のインターナルギヤ54、第3PGS60のインターナルギヤ64、プレート部材100及びスナップリング110を組み付ける作業を説明する。
まず、図8(a)に示すように、第3PGS60のインターナルギヤ64の延接部64bの内周面に形成された段部64cにプレート部材100の外周部を当接させ、第2PGS50のインターナルギヤ54の延接部54bの内周面に形成された凹溝54dにスナップリング110を嵌入する。
次いで、図8(b)に示すように、第2PGS50のインターナルギヤ54と第3PGS60のインターナルギヤ64とを延接部54b、64b同士が向き合うように配置し、この状態で、インターナルギヤ54、64を相互に近接する側に軸方向に移動させる。第2PGS50の延設部54bと第3PGS60の延設部64bとは、周方向に互い違いに配置され、一方の延設部が他方の相互に周方向に隣接する延設部間に形成された空間に突入していき、第2PGS50の延設部54bと第3PGS60の延設部64bとが相互に嵌合し合っていく。
インターナルギヤ54、64の移動の途中で、図8(c)に示すように、第3PGS60のインターナルギヤ64の延接部64bの内周面に形成された傾斜面64eが、第2PGS50のインターナルギヤ54の延接部54bの凹溝54dに嵌入されたスナップリング110に接触する。さらに、そのままインターナルギヤ54、64を移動させていくことにより、スナップリング110は傾斜面64eに乗り上げて縮径していく。
そして、図8(d)に示すように、第2PGS50の凹溝54dと第3PGS60の凹溝64dとが軸方向に一致したときに、縮径していたスナップリング110は弾性復元力によって拡径し、第3PGS60の凹溝64dに自ずと嵌入される。すなわち、スナップリング110は、第2PGS50の凹溝54dと第3PGS60の凹溝64dとの両方に嵌入された状態となる。これにより、第2PGS50の延設部54bと第3PGS60の延設部64bとがスナップリング110によって連結され、第2PGS50のインターナルギヤ54と第3PGS60のインターナルギヤ64とがスナップリング110によって連結された状態で固定される。そして、プレート部材100は、その外周部がスナップリング110と第3PGS60の段部64cとにより挟持されることによって、第2PGS50の延設部54bの内周面及び第3PGS60の延接部64bの内周面に固定される。
なお、図6及び図8(d)において、第2PGS50の延設部54bと第3PGS60の延設部64bとの嵌合部(第2PGS50の延設部54bと第3PGS60の延設部64bとが周方向に互い違いに配置されて相互に嵌合し合っている部分)、つまり、第2PGS50のインターナルギヤ54と第3PGS60のインターナルギヤ64との連結部に符号Aを付す。
図6に示すように、プレート部材100は、第2PGS50のインターナルギヤ54と第3PGS60のインターナルギヤ64との連結部Aの内周側に入力軸4の軸芯と同心に組み付けられている。このプレート部材100は、その外周部が、スナップリング110により第2PGS50の延設部54bの内周面及び第3PGS60の延接部64bの内周面に固定され、その内周部が、スラストベアリング101を介して、第2PGS50のピニオンキャリア53と第3PGS60のサンギヤ61とにより挟持されている。これにより、連結されたインターナルギヤ54、64の軸方向の位置がプレート部材110を介して規制されている。
なお、第3PGS60のサンギヤ61は、スラストニードルベアリング102を介して、変速機ケースのエンドカバー5cにより支持されている。すなわち、プレート部材100の内周部は、スラストベアリング101、第3PGS60のサンギヤ61、スラストニードルベアリング102を介して、変速機ケースのエンドカバー5cにより支持されている。また、プレート部材100は、その外周部よりも径方向にやや内側の部分が、スラストベアリング101、第3PGS60のピニオンキャリア63、スラストニードルベアリング102を介して、変速機ケースのエンドカバー5cにより支持されている。また、プレート部材100は、第2PGS50及び第3PGS60の回転要素との干渉回避や、剛性向上のために、段付き形状を呈している。
そして、本実施形態では、第2PGS50のインターナルギヤ54と第3PGS60のインターナルギヤ64との連結部Aと、プレート部材100とは、軸方向に並んで配置されているのではなく、軸方向にオーバーラップして、すなわち径方向に並んで配置されている。
図6に示したように、連結されたインターナルギヤ54、64を変速機ケースのエンドカバー5cに固定する第2ブレーキ80は、前記連結部Aと軸方向にオーバーラップして、すなわち径方向に並んで、前記連結部Aの径方向外側に配設されている。
そして、本実施形態では、第3PGS60のインターナルギヤ64の外周側に、第2PGS50のインターナルギヤ54側に向かって、つまり連結部A側に向かって軸方向に延びる外周側延設部が設けられ、この外周側延設部が第2ブレーキ80のハブ部81を構成している。具体的には、ハブ部81は、外周面にスプライン歯が形成された断面L字状の環状部材であり、この環状部材が、第3PGS60のインターナルギヤ64の外周面に形成された隆起部に接合されている。
この第2の実施形態の特徴は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。ただし、図5と図8とを比べたときに、第1の実施形態では、スナップリング110によるプレート部材100の固定が先に行われ(図5(a))、スナップリング110によるインターナルギヤ54、64同士の固定が後で行われる(図5(d))のに対し、第2の実施形態では、スナップリング110によるプレート部材100の固定と、スナップリング110によるインターナルギヤ54、64同士の固定とが同時に行われる(図8(d))点で作用が異なる。
次に、本実施形態の変形例を説明する。
前記実施形態では、第2PGS50を第1のプラネタリギヤセットとし、第3PGS60を第2のプラネタリギヤセットとしたが、第3PGS60を第1のプラネタリギヤセットとし、第2PGS50を第2のプラネタリギヤセットとしてもよい。
第1の実施形態において、第2ブレーキ80のハブ部81を第3PGS60のインターナルギヤ64の外周側に設けてもよく、第2の実施形態において、第2ブレーキ80のハブ部81を第2PGS50のインターナルギヤ54の外周側に設けてもよい。
プレート部材100がインターナルギヤ54、64同士の連結部Aと軸方向にオーバーラップする位置において連結部Aの内周側に組み付けられる限り、延接部54b、64bの突起の形状、数、配置等は、特に限定されない。また、延接部を突起以外の形状とすることもできる。例えば、延設部を、他方のインターナルギヤ側に向かって軸方向に延びる円筒状部とし、一方の円筒状部の径と他方の円筒状部の径とを相互に異ならせ、これらの円筒状部同士を相互に軸方向に挿通させ合う、あるいはスプライン係合させることにより、インターナルギヤ54、64同士を連結することもできる。
プレート部材100の内周部は、変速機構30の他の構成要素により挟持されても構わない。
1 自動変速機
4 入力軸
5a 変速機ケースの本体部
5c 変速機ケースのエンドカバー
7 出力ギヤ
9 ワンウエイクラッチ
10 第1クラッチ(ロークラッチ)
20 第2クラッチ(ハイクラッチ)
30 変速機構
40 第1プラネタリギヤセット
50 第2プラネタリギヤセット(第1のプラネタリギヤセット)
54 インターナルギヤ(第1のインターナルギヤ)
54a ギヤ部
54b 延設部(第1延設部)
60 第3プラネタリギヤセット(第2のプラネタリギヤセット)
64 インターナルギヤ(第2のインターナルギヤ)
64a ギヤ部
64b 延設部(第2延設部)
64c 段部
70 第1ブレーキ(ローリバースブレーキ)
80 第2ブレーキ(2−6ブレーキ)
81 ハブ部(外周側延設部)
90 第3ブレーキ(R−3−5ブレーキ)
100 プレート部材
101 スラストベアリング
102 スラストニードルベアリング
110 スナップリング(固定部材)
A 連結部

Claims (3)

  1. 相互に軸方向に隣接する第1のプラネタリギヤセットと第2のプラネタリギヤセットとが備えられ、前記第1のプラネタリギヤセットの第1のインターナルギヤと前記第2のプラネタリギヤセットの第2のインターナルギヤとが連結された自動変速機であって、
    前記第1のインターナルギヤのギヤ部よりも前記第2のインターナルギヤ側に向かって軸方向に延びる第1延設部が前記第1のインターナルギヤに設けられ、前記第1延設部は、前記第2のインターナルギヤ側に突出する周方向に所定間隔で形成された複数の突起であり、
    前記第2のインターナルギヤのギヤ部よりも前記第1のインターナルギヤ側に向かって軸方向に延びる第2延設部が前記第2のインターナルギヤに設けられ、前記第2延設部は、前記第1のインターナルギヤ側に突出する周方向に所定間隔で形成された複数の突起であり、
    前記第1延設部と前記第2延設部とが周方向に互い違いに配置されて相互に嵌合し合うことにより、前記第1延設部と前記第2延設部とを介して前記第1のインターナルギヤと前記第2のインターナルギヤとが連結された連結部が設けられ
    連結された前記第1のインターナルギヤ及び前記第2のインターナルギヤの軸方向の位置を規制するための円盤状のプレート部材が設けられ、前記プレート部材の内周部は、前記第1のプラネタリギヤセットと前記第2のプラネタリギヤセットとにより挟持され、前記プレート部材は、前記連結部と軸方向にオーバーラップする位置において、前記連結部の内周側に組み付けられていることを特徴とする自動変速機。
  2. 請求項1に記載の自動変速機において、
    前記第1のインターナルギヤと前記第2のインターナルギヤとを連結状態で固定する固定部材が前記連結部に設けられ、
    前記プレート部材の外周部が前記固定部材と前記第1のインターナルギヤの段部又は前記第2のインターナルギヤの段部とにより挟持されることにより、前記プレート部材が前記連結部の内周側に組み付けられていることを特徴とする自動変速機。
  3. 請求項1又は2に記載の自動変速機において、
    連結された前記第1のインターナルギヤ及び前記第2のインターナルギヤのための摩擦締結要素が、前記連結部と軸方向にオーバーラップする位置において、前記連結部の径方向外側に配設され、
    前記第1のインターナルギヤ又は前記第2のインターナルギヤの外周側に前記連結部側に向かって軸方向に延びる外周側延設部が設けられ、
    前記外周側延設部が前記摩擦締結要素のハブ部を構成していることを特徴とする自動変速機。
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