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JP5859838B2 - 無電解めっき前処理方法 - Google Patents

無電解めっき前処理方法 Download PDF

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JP5859838B2 JP2011277782A JP2011277782A JP5859838B2 JP 5859838 B2 JP5859838 B2 JP 5859838B2 JP 2011277782 A JP2011277782 A JP 2011277782A JP 2011277782 A JP2011277782 A JP 2011277782A JP 5859838 B2 JP5859838 B2 JP 5859838B2
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Description

本発明は、無電解めっき前処理剤及び該前処理剤を用いた無電解めっき前処理方法に関する。
無電解めっきは、ニッケル、ニッケル合金、銅、銀等の被膜を得る方法として工業的に用いられており、ニッケル合金およびコバルトの無電解めっきは、磁気記録材料等として、銅の無電解めっきは、プリント回路の導電膜等として、また、銀の無電解めっきは、鏡の反射体等に用いられている。
基板等の被めっき体へ無電解めっきを施す際には、前処理剤が使用されている。前処理剤としては、例えば、特許文献1には、アルカリとノニオン系エーテル型界面活性剤とアミン系錯化剤とを含有する無電解めっき前処理剤が開示されている。
また、特許文献2には、ガラス繊維やシリカ系フィラーを含有する樹脂基材をパラジウム化合物を含む触媒液で触媒化するのに先立ち、当該樹脂基材をフッ素化合物を含有するガラスエッチング液で処理した後、過マンガン酸塩またはクロム酸を含有する酸化剤液に浸漬することを特徴とする触媒化処理の前処理方法が開示されている。
特許文献1は、デスミア処理等によって基板表面に露出した密着性の弱いフィラーを除去するための前処理剤であり、フィラーを除去することで、触媒の付着性を上げることを目的としたものである。
また、特許文献2は無電解めっき用パラジウム触媒を十分な量付着させ、無電解めっき被膜の密着性を高めることを目的としたものである。
特開2010−229536号公報 特開2001−316833号公報
従来の無電解めっき方法によって得られるめっき被膜は、密着性に問題がある。この原因として、例えば、被めっき体がフィラーを含む樹脂基体の場合には、表面に露出したフィラーやガラス繊維の中には樹脂との接合が不十分で密着が弱いものがあり、被めっき体表面の粗化度を上げることや前処理剤を用いてフィラーを取り除くことで無電解めっき被膜の密着性を向上させる検討がされてきた。しかし、被めっき体が薄膜化していくに従い、粗化度を上げることが困難となり、さらにフィラー除去によって被めっき体の強度が下がることが問題となる場合があることから、低粗化表面に対して、フィラーを除去することなく、無電解めっき被膜の密着性を向上させることのできる無電解めっき前処理剤及び無電解めっき前処理方法が望まれている。さらに、ステンレス基体、水晶基体、ソーダ石灰ガラス等のガラス基体やシリコン基体に代表される樹脂基体以外の被めっき体についても、無電解めっき被膜の密着性を向上させるための無電解めっき前処理剤及び無電解めっき前処理方法が望まれている。
従って、本発明の目的は、無電解めっき被膜の密着性を向上させることができる無電解めっき前処理剤及び無電解めっき前処理方法を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、被めっき体に対してカルボジイミド基を有する化合物を含有する水溶液からなる無電解めっき前処理剤を用いること及び、該前処理剤を用いた前処理を行う前に、カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液を用いて被めっき体を処理することで上記課題を解決しうることを知見し、本発明に到達した。
本発明は、被めっき体を、カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液に浸漬した後、水洗することにより1次前処理被めっき体へ施し、さらにカルボジイミド基を有する化合物を含有する水溶液に浸漬した後、水洗することにより2次前処理該被めっき体へ施すことを特徴とする無電解めっき前処理方法を提供するものである。
また、本発明は上記に記載の前処理方法を前記被めっき体に施し、さらに銅、銀、金、亜鉛、ニッケル、スズ、コバルト、クロム、パラジウム、タングステン、白金、ロジウムおよびルテニウムからなる群より選択される1種又は2種以上の成分を無電解めっきすることによって無電解めっき被膜を形成する無電解めっき被膜の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、上記無電解めっき前処理剤及び無電解めっき前処理方法を用いることにより、密着性の高い無電解めっき被膜を得ることができる。
以下、本発明の無電解めっき前処理剤及び無電解めっき前処理方法を説明する。
本発明の無電解めっき前処理剤に使用されるカルボジイミド基を有する化合物は、被めっき体表面に存在するカルボジイミドと反応性を有するか、親和性を有する基と結合・親和して、被めっき体表面を改質することにより、被めっき体と無電解めっき膜との間の密着強度を向上する役割を果たすものである。
カルボジイミドと反応性を有するか、親和性を有する基としては、カルボキシル基が好ましい基として挙げられ、特に好ましい例として、被めっき体としてデスミア処理を施した有機合成樹脂基体を用いた場合が挙げられ、具体的にはデスミア処理によって該基体表面に生じたカルボキシル基と反応し、基体表面をN−アシルウレア化することによって被めっき体表面を改質し、被めっき体とめっき膜との間の密着強度を向上させることができる。
本発明の無電解めっき前処理剤に使用されるカルボジイミド基を有する化合物は、カルボジイミド基を有する化合物であれば特に制限されないが、例えば、有機ジイソシアネートを、ホスホレン化合物、金属カルボニル錯体化合物及びリン酸エステル等のようにカルボジイミド化を促進する触媒の存在下に反応させることにより得られるイソシアネート末端カルボジイミド化合物を用いることができる。カルボジイミド基を有する化合物としては、さらに該イソシアネート末端カルボジイミド化合物に親水性セグメント化合物を反応させた水性カルボジイミド化合物も用いることができる。
上記イソシアネート末端カルボジイミド化合物の具体例としては、イソシアネート末端イソホロンカルボジイミド、イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、イソシアネート末端ヘキサメチレンカルボジイミド、イソシアネート末端ジフェニルメタンカルボジイミド、イソシアネート末端トリレンカルボジイミド、イソシアネート末端テトラメチルキシリレンカルボジイミド等が挙げられ、各々の重合度は、好ましくは1〜30の範囲であるが、該重合度は、使用条件や所望の密着強度等により適宜選択することができる。
また、上記水性カルボジイミド化合物の具体例としては、水性イソホロンカルボジイミド、水性ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、水性ヘキサメチレンカルボジイミド、水性ジフェニルメタンカルボジイミド、水性トリレンカルボジイミド、水性テトラメチルキシリレンカルボジイミド等が挙げられる。また、重合度は、上記イソシアネート末端カルボジイミド化合物と同様に、好ましくは1〜30の範囲から適宜選択される。
上記水性カルボジイミド化合物には、上記親水性セグメント化合物の選択により、カチオン性、アニオン性、ノニオン性の3種のイオン性を有する水性カルボジイミド化合物がある。具体的には、例えば、上記親水性セグメント化合物として、ジアルキルアミノアルコールを使用した場合はカチオン性となり、反応性ヒドロキシル基を少なくとも1つ有するアルキルスルホン酸塩を使用した場合はアニオン性となり、反応性ヒドロキシル基を少なくとも1つ有するアルコキシ基で末端封鎖されたポリ(アルキレンオキサイド)を使用した場合はノニオン性となる。該ポリ(アルキレンオキサイド)のアルキレンオキサイドの種類としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられる。ノニオン性とする場合に使用する上記ポリ(アルキレンオキサイド)としては、重合度が4〜30の範囲のものが好ましく使用される。尚、本発明でいう「水性」という語は、本発明に係るカルボジイミド基を有する化合物が、水溶性或いは自己乳化性、その他の水と均一になじむ性質を有していることを意味するものである。
カルボジイミド基を有する化合物を水に溶解又は分散させる方法は、周知一般の方法を用いることができる。例えば、水性のカルボジイミド化合物は、分子中に親水性基が導入されているので、自己乳化(ソープフリー)法により水に溶解させることができる。非水性のカルボジイミド化合物は、ノニオン性乳化剤を用いて強制乳化法(エマルジョン)により、水に分散させることができる。
カルボジイミド基を有する化合物としては、市販品を用いてもよい。自己乳化(ソープフリー)法により水に溶解している水性のノニオン性カルボジイミド化合物の市販品としては、カルボジライトSV−02(有効成分濃度40%、NCN当量429)、カルボジライトV−02(有効成分濃度40%、NCN当量600)、カルボジライトV−02−L2(有効成分濃度40%、NCN当量385)、カルボジライトV−04(有効成分濃度40%、NCN当量335)、等が挙げられ、ノニオン性乳化剤を用いて強制乳化法(エマルジョン)により水に分散しているエマルジョンタイプのカルボジイミド化合物の市販品としては、カルボジライトE−01(有効成分濃度40%、NCN当量425)、カルボジライトE−02(有効成分濃度40%、NCN当量445)が挙げられる[いずれも日清紡ケミカル(株)製]。
本発明の無電解めっき前処理剤に使用されるカルボジイミド基を有する化合物は、溶解性が高い点、密着性向上の効果が高い点及び取り扱いが容易な点から、ノニオン性ポリカルボジイミド化合物が特に好ましく、中でもカルボジイミド基1モルあたりの化学式量(以下、NCN当量と記載する場合がある。)が100〜650であるものが好ましく、該化学式量が300〜500であるものを用いた場合に、無電解めっき被膜の密着性を向上する効果が高く特に好ましい。
本発明の無電解めっき前処理剤に使用されるカルボジイミド基を有する化合物の濃度は、用いられる被めっき体によって適宜調節すればよいが、0.001〜10%が好ましく、0.005〜5%が特に好ましい。ここで、0.001質量%未満であると、密着性向上効果が発現しないために好ましくなく、また、10質量%を超えても、配合量の増加に伴う配合効果の向上が見られない。
本発明の無電解めっき前処理剤における好ましいpH値は、pH5〜13となるように適宜調節すればよい。本発明の無電解めっき前処理剤のpHはpH6〜12以上が特に好ましい。なお、pHの調節に際しては、pH緩衝液を使用することもできる。
上記pH緩衝液は、特に限定されるものではないが、周知一般のpH緩衝液を用いればよく、例えば、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等が挙げられる。
本発明の無電解めっき前処理剤には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて公知のその他の添加剤と混合することができる。このようなその他の添加剤として、例えば、界面活性剤などが挙げられる。
上記の界面活性剤は、無電解めっき前処理剤の濡れ性を向上させるために用いられる。例えば、カチオン性、ノニオン性、アニオン性、ベタイン性などの界面活性剤が挙げられ、カチオン性、ノニオン性またはアニオン性界面活性剤が好ましく用いられる。界面活性剤を使用する場合の使用量は、0.01〜5質量%が好ましい。
本発明の無電解めっき前処理剤に使用してもよいカチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル(またはアルケニル)トリメチルアンモニウム塩、ジアルキル(またはアルケニル)ジメチルアンモニウム塩、アルキル(またはアルケニル)四級アンモニウム塩、エーテル基或いはエステル基或いはアミド基を含有するモノ或いはジアルキル(またはアルケニル)四級アンモニウム塩、アルキル(またはアルケニル)ピリジニウム塩、アルキル(またはアルケニル)ジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキル(またはアルケニル)イソキノリニウム塩、ジアルキル(またはアルケニル)モルホニウム塩、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)アミン、アルキル(またはアルケニル)アミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられ、これらの構造中にフッ素原子が含まれていてもよい。
本発明の無電解めっき前処理剤に使用してもよいノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加形態は、ランダム状、ブロック状の何れでもよい)、ポリエチレングリコールプロピレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリン脂肪酸エステルまたはそのエチレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸モノエタノールアミドまたはそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸−N−メチルモノエタノールアミドまたはそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸ジエタノールアミドまたはそのエチレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリセリンエーテル、アルキルポリグリセリンエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸メチルエステルエトキシレート、N−長鎖アルキルジメチルアミンオキサイドなどが挙げられ、これらの構造中にフッ素原子が含まれていてもよい。
本発明の無電解めっき前処理剤に使用してもよいアニオン系界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、硫化オレフィン塩、高級アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、硫酸化脂肪酸塩、スルホン化脂肪酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、グリセライド硫酸エステル塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩、スルホコハク酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸塩、N−アシル−N−メチルタウリンの塩、N−アシルグルタミン酸またはその塩、アシルオキシエタンスルホン酸塩、アルコキシエタンスルホン酸塩、N−アシル−β−アラニンまたはその塩、N−アシル−N−カルボキシエチルタウリンまたはその塩、N−アシル−N−カルボキシメチルグリシンまたはその塩、アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、およびアルキルまたはアルケニルアミノカルボキシメチル硫酸塩などを挙げられ、これらの構造中にフッ素原子が含まれていてもよい。
本発明の無電解めっき前処理剤を用いた無電解めっきの前処理方法とは、本発明の無電解めっき前処理剤と被めっき体を接触させることによるものである。
本発明の無電解めっき前処理剤と被めっき体を接触させる方法としては、特に限定されるものではなく、周知一般の前処理方法を用いればよい。例えば、ディップ式、スプレー式、スピン式による前処理方法が挙げられる。
なお、本発明の無電解めっき前処理剤を用いた無電解めっきの前処理方法は、デスミア処理工程内に組み込むことができる。
例えば、エポキシ系樹脂基体に対して、本発明の無電解めっき前処理剤を用いた前処理方法による工程をデスミア処理工程内に組み込んで無電解銅めっきを行う場合は、(1)スミア膨潤工程[以下、(1)工程と略す場合がある。]、(2)マイクロエッチング工程[以下、(2)工程と略す場合がある。]、(3)還元工程[以下、(3)工程と略す場合がある。]、(4)本発明の無電解めっき前処理剤を用いた無電解めっき前処理方法による工程[以下、(4)工程と略す場合がある。]、(5)乾燥工程[以下、(5)工程と略す場合がある。]、(6)触媒付与工程[以下、(6)工程と略す場合がある。]、(7)無電解銅めっき工程[以下、(7)工程と略す場合がある。]という工程を経ることで無電解銅めっき被膜を被めっき体に形成することができる。各工程の間もしくは工程中に水洗工程を加えても良い。
具体的には、エポキシ樹脂基体の表面は(1)〜(3)工程によって該基体表面にカルボキシル基が露出させられた状態となっており、(4)工程で該基体を本発明の無電解めっき前処理剤と適切な条件下で接触させることによって、該基体表面のカルボキシル基はN−アシルウレア化される。さらに、(5)〜(7)工程を経ることで密着性に優れる無電解銅めっき被膜を得ることができる。
(4)本発明の無電解めっき前処理剤を用いた無電解めっき前処理工程における、本発明の無電解めっき前処理剤と被めっき体を接触させる際の条件は特に限定されるものではなく被めっき体の形状や膜厚などに応じて任意に設定することができる。例えば、浸漬することで接触させる場合には、温度は、10℃〜90℃が好ましく、30℃〜80℃が特に好ましい。前処理剤の温度は反応熱により上昇することがあるので、必要なら上記温度範囲内に維持するよう公知の手段によって温度制御してもよい。また、時間は、被めっき体表面が完全に処理されるのに十分必要な時間とすればよいので特に限定されるものではない。例えば、エポキシ樹脂基体を処理する場合、上記温度範囲であれば1〜30分程度接触することで前処理を行えばよい。
また、フィラーを含む有機樹脂基体やステンレス基体等において、上記(1)〜(7)工程だけでは十分な密着性効果が得られない場合がある。これは、フィラーを含む有機樹脂基体やステンレス基体等は上記(1)〜(3)工程だけでは基体表面に十分なカルボジイミドと反応性を有するか、親和性を有する基が露出していないためと考えられる。そこで、フィラーを含む有機樹脂基体やステンレス基体等の表面に十分なカルボジイミドと反応性を有するか、親和性を有する基を露出させるために、上記(1)〜(7)工程中の上記(4)工程よりも前に、カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液で被めっき体を処理する工程を実施することで、フィラーを含む有機樹脂基体やステンレス基体等においても密着性の高い無電解めっき被膜を得ることができる。カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液で被めっき体を処理する工程を実施するタイミングとしては、上記(1)〜(7)工程中の(3)工程と(4)工程との間が好ましい。カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液を用いた前処理を1次前処理として被めっき体へ施し、さらに上記(4)工程を2次前処理として該被めっき体へ施すことによって得られる密着性向上効果は相乗的なものであり、該両工程を単独で実施した場合と比較して、特に大きな密着性向上効果を得ることができる。
前記カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液で被めっき体を処理する方法とは、カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液と被めっき体を接触させることによるものである。
本発明に用いられるカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液と被めっき体を接触させる方法としては、特に限定されるものではなく、周知一般の処理方法を用いればよい。例えば、ディップ式、スプレー式、スピン式による処理方法が挙げられる。
例えば、ディップ式による処理方法で被めっき体とカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液と接触させる際の条件としては、特に限定されるものではなく、無電解めっき対象となる基体の形状や膜厚などに応じて任意に設定することができる。例えば、温度は、10℃〜90℃が好ましく、30℃〜80℃が特に好ましい。カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液の温度は反応熱により上昇することがあるので、必要なら上記温度範囲内に維持するよう公知の手段によって温度制御してもよい。また、時間は、被めっき体表面が完全に処理されるのに十分必要な時間とすればよいので特に限定されるものではない。例えば、ステンレス基体を処理する場合、上記温度範囲であれば1〜30分程度接触することで処理を行えばよい。
本発明に用いられるカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液に用いられるアルコキシシラン化合物としては、特に限定されるものではなく、被めっき体表面に吸着するものであればよい。シラノール基(Si−OH)または加水分解によりシラノール基を与える加水分解性官能基を有する化合物が、吸着性が良く好ましい。
加水分解性官能基としては、例えば、Si原子に直接結合したアルコキシ(−OR)基等を挙げることができる。当該アルコキシ基を構成するRとしては、例えば、炭素数が1〜12である直鎖状、分岐状、環状いずれかのアルキル基が好ましい。より具体的には、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げられるが、中でもメチル基であることが好ましい。
より具体的には、下記一般式(I)で表されるアルコキシシラン化合物と、2価以上のカルボン酸化合物もしくは2価以上のカルボン酸化合物が脱水してなる一無水物又は二無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸化合物もしくはカルボン酸無水物とを反応させて得られたアルコキシシラン化合物を用いることが好ましい。
(RO)Si−Z−R (I)
[上記式(I)中、Rは炭素原子数1〜12の炭化水素基を表し、Rは、−NH、−NCO、イミダゾリル基又はトリアゾリル基を表し、Zは炭化水素数1〜10のアルキレン基を表し、かつ、該アルキレン基は、−NH−、−O−又は−S−で中断されていてもよい。]
上記一般式(I)で表されるアルコキシシラン化合物において、Rに使用できる炭素原子数1〜12の炭化水素基としては、例えば、下記のようなアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基等が使用できる。これらの中でも、水溶性が高いため一般式(I)の中のRは、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましく、メチル基が最も好ましい。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル(ラウリル)基等が挙げられる。
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−メチルエテニル基、2−メチルエテニル基、プロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基等が挙げられる。
上記シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
上記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−ターシャリーブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基等が挙げられる。
また、上記一般式(I)中のZは、炭化水素数1〜10のアルキレン基を表す。Zに使用することができるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等が挙げられ、該アルキレン基は、−NH−、−O−又は−S−で中断されていてもよい。水溶性が良好なことから、炭素原子数2〜5のアルキレン基がより好ましい。該アルキレン基は−NH−、−O−または−S−で中断されていてもよいが、中断されていないことが好ましい。このような一般式(I)で表される化合物の具体例としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。中でも、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランが好ましい。
上記2価以上のカルボン酸化合物もしくは2価以上のカルボン酸化合物が脱水してなる一無水物または二無水物としては、ジカルボン酸化合物、トリカルボン酸化合物、テトラカルボン酸化合物、ジカルボン酸化合物が脱水してなる一無水物、トリカルボン酸化合物が脱水してなる一無水物、テトラカルボン酸化合物が脱水してなる一無水物またはニ無水物が挙げられる。
上記ジカルボン酸化合物またはジカルボン酸一無水物としては、特に限定するものではないが、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられ、さらにこれらが脱水してなる一無水物が挙げられる。
上記トリカルボン酸またはトリカルボン酸一無水物としては特に限定するものではないが、例えば、下記に挙げる(1−1〜1−4)のトリカルボン酸が挙げられ、さらにこれらが脱水してなる一無水物等が挙げられる。
Figure 0005859838
上記テトラカルボン酸、テトラカルボン酸一無水物またはニ無水物としては特に限定するものではないが、例えば、下記に挙げる(2−1〜2−19)のテトラカルボン酸が挙げられ、さらにこれらが脱水してなる一無水物またはニ無水物等が挙げられる。
Figure 0005859838
Figure 0005859838
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次に、本発明に用いられるカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液に用いられるアルコキシシラン化合物の製造方法について説明する。本発明に用いられるカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液に用いられるアルコキシシラン化合物の製造方法は特に限定されず、公知の方法によって製造することができる。例えば、下記の(A)または(B)に挙げるような方法によって反応させることにより、目的物であるカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を得ることができる。
(A)一般式(I)のRが−NH、イミダゾリル基又はトリアゾリル基の場合、一般式(I)の化合物を溶媒に溶解させた溶液を、カルボン酸無水物を溶媒に溶解させた溶液に0〜25℃で滴下し、滴下終了後、5〜60℃で0.1〜5時間撹拌する。
(B)一般式(I)のRが−NCOの場合、一般式(I)の化合物を溶媒に溶解させた溶液を、カルボン酸無水物を溶媒に溶解させた溶液に30〜80℃で滴下し、滴下終了後、30〜80℃で0.5〜6時間撹拌する。
一般式(I)で表される化合物と、2価以上のカルボン酸化合物もしくは2価以上のカルボン酸化合物が脱水してなる一無水物または二無水物との比は、下記のようになるようにすることが好ましい。具体的には、一般式(I)で表される化合物と2価以上のカルボン酸化合物もしくは2価以上のカルボン酸化合物が脱水してなる一無水物または二無水物との比が、モル比で一般式(1)の化合物/2価以上のカルボン酸化合物もしくは2価以上のカルボン酸化合物が脱水してなる一無水物または二無水物=1.5/1〜1/1.5となるように構成することが好ましく、1.2/1〜1/1.2となるように構成することがより好ましく、1.1/1〜1/1.1となるように構成することが更に好ましい。
上記した反応で用いる溶媒としては特に限定されないが、非プロトン性の極性溶媒が好ましい。より具体的には、テトラヒドロフラン、メチルターシャリーブチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトン、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す場合がある。)、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが挙げられる。より好ましいものとしては、アセトン、NMP、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、NMPを使用することがより好ましい。
本発明に用いられるカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液に用いられるアルコキシシラン化合物の濃度は用いられる被めっき体によって適宜調節すればよいが、0.001〜10%が好ましく、0.005〜5%が特に好ましい。ここで、0.001質量%未満であると、密着性向上効果が発現しないために好ましくなく、また、10質量%を超えても、配合量の増加に伴う配合効果の向上が見られない。
本発明に用いられるカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液に使用してもよい溶媒としては、特に制限を受けることはなく周知一般の溶媒を用いることが出来る。該溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等の酢酸エステル類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;1−シアノプロパン、1−シアノブタン、1−シアノヘキサン、シアノシクロヘキサン、シアノベンゼン、1,3−ジシアノプロパン、1,4−ジシアノブタン、1,6−ジシアノヘキサン、1,4−ジシアノシクロヘキサン、1,4−ジシアノベンゼン等のシアノ基を有する炭化水素類;ピリジン、ルチジンが挙げられ、これらは、溶質の溶解性、使用温度と沸点、引火点の関係等により、単独又は二種類以上混合溶媒として用いられる。
本発明に用いられるカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて公知のその他の添加剤と混合することができる。このようなその他の添加剤として、例えば、pH緩衝液、界面活性剤などが挙げられる。
上記pH緩衝液は、特に限定されるものではないが、周知一般のpH緩衝液を用いればよく、例えば、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等が挙げられる。
上記の界面活性剤は、濡れ性を向上させるために用いられる。例えば、カチオン性、ノニオン性、アニオン性、ベタイン性などの界面活性剤が挙げられ、カチオン性、ノニオン性またはアニオン性界面活性剤が好ましく用いられる。界面活性剤を使用する場合の使用量は、0.01〜5質量%が好ましい。
本発明に用いられるカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液に使用してもよいカチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル(アルケニル)トリメチルアンモニウム塩、ジアルキル(アルケニル)ジメチルアンモニウム塩、アルキル(アルケニル)四級アンモニウム塩、エーテル基或いはエステル基或いはアミド基を含有するモノ或いはジアルキル(アルケニル)四級アンモニウム塩、アルキル(アルケニル)ピリジニウム塩、アルキル(アルケニル)ジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキル(アルケニル)イソキノリニウム塩、ジアルキル(アルケニル)モルホニウム塩、ポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)アミン、アルキル(アルケニル)アミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられ、これらの構造中にフッ素原子が含まれていてもよい。
本発明に用いられるカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液に使用してもよいノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加形態は、ランダム状、ブロック状の何れでもよい)、ポリエチレングリコールプロピレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリン脂肪酸エステルまたはそのエチレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸モノエタノールアミドまたはそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸−N−メチルモノエタノールアミドまたはそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸ジエタノールアミドまたはそのエチレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリセリンエーテル、アルキルポリグリセリンエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸メチルエステルエトキシレート、N−長鎖アルキルジメチルアミンオキサイドなどが挙げられ、これらの構造中にフッ素原子が含まれていてもよい。
本発明に用いられるカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液に使用してもよいアニオン系界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、硫化オレフィン塩、高級アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、硫酸化脂肪酸塩、スルホン化脂肪酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、グリセライド硫酸エステル塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩、スルホコハク酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸塩、N−アシル−N−メチルタウリンの塩、N−アシルグルタミン酸またはその塩、アシルオキシエタンスルホン酸塩、アルコキシエタンスルホン酸塩、N−アシル−β−アラニンまたはその塩、N−アシル−N−カルボキシエチルタウリンまたはその塩、N−アシル−N−カルボキシメチルグリシンまたはその塩、アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、およびアルキルまたはアルケニルアミノカルボキシメチル硫酸塩などを挙げられ、これらの構造中にフッ素原子が含まれていてもよい。
本発明の前処理方法に使用可能な被めっき体としては、特に制限はないが、例えば、銅、銀、金、亜鉛、ニッケル、スズ、コバルト、クロム等の金属、又ステンレス等のこれらの金属の合金、ポリシロキサンポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリヘキサメチレンアジパミド、ノルボルネン樹脂、ニトロセルロース、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム等の合成樹脂、ガラス、シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ヒドロキシアパタイト、蛍石、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、フェライト、ムライト、ステアタイト、フォルステライト、コーディエライト、サイアロン、マシナブルセラミックス等のセラミックスが挙げられ、1種又は2種以上が選択される。特に、無電解めっき後の密着性の改善効果が高いため、ステンレス、ガラス、合成樹脂が好ましい。2種以上併用する場合は、合成樹脂を上記の好ましい条件で使用できる被めっき体と少なくとも一つ組み合わせて使用することが好ましい。上記に挙げた被めっき体はフィラーを含有しても良く、含有しなくてもよい。また、被めっき体表面は粗面化処理されていても、されていなくてもよく、粗化度は高くてもよく、低くてもよい。
本発明の無電解めっき被膜の製造方法とは、本発明の無電解めっき前処理剤を用いた無電解めっきの前処理や、カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液を用いた前処理を1次前処理として被めっき体へ施し、さらに本発明の無電解めっき前処理剤を用いた無電解めっきの前処理方法を2次前処理として該被めっき体へ施した被めっき体に無電解めっきを施すことによるものである。
本発明の無電解めっき被膜の製造方法に用いられる無電解めっき液は、公知のものを使用することが可能であり、例えば、銅、銀、金、亜鉛、ニッケル、スズ、コバルト、クロム、パラジウム、タングステン、白金、ロジウム或いはルテニウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上の無電解めっきするための成分であればよく、密着性向上効果が高い点から、特に銅、ニッケル、銀をめっきするための無電解めっき液が好ましい。
本発明の無電解めっき被膜の製造方法に用いられる無電解めっきの製造条件は、特に制限を受けるものではなく、用いられる無電解めっき液に応じて、周知一般の条件、方法を用いることができる。
本発明の無電解めっき被膜の製造方法によって、例えば1μmの無電解銅めっき被膜を製造する場合の無電解銅めっき条件としては、めっき浴温度は10〜60℃が好ましく、20〜40℃が特に好ましい。無電解めっき時間は1〜60分が好ましく、1〜30分が特に好ましい。
本発明の無電解めっきの前処理方法を使用して製造される、めっきが施された製品は特に限定されないが、例えば、自動車工業材料(ヒートシンク、キャブレータ部品、燃料注入器、シリンダー、各種弁、エンジン内部等)、電子工業材料(接点、回路、半導体パッケージ、プリント基板、薄膜抵抗体、コンデンサー、ハードディスク、磁性体、リードフレーム、ナット、マグネット、抵抗体、ステム、コンピューター部品、電子部品、レーザー発振素子、光メモリ素子、光ファイバー、フィルター、サーミスタ、発熱体、高温用発熱体、バリスタ、磁気ヘッド、各種センサー(ガス、温度、湿度、光、速度等)、MEMS等)、精密機器(複写機部品、光学機器部品、時計部品等)、航空・船舶材料(水圧系機器、スクリュー、エンジン、タービン等)、化学工業材料(ボール、ゲート、プラグ、チェック等)、各種金型、工作機械部品、真空機器部品等、広範なものが挙げられる。本発明の無電解めっきの前処理方法は、特に無電解めっきと被めっき体との密着性が求められる電子工業材料に使用することが好ましく、中でも、半導体パッケージ、プリント基板の製造においてめっき処理を施す際に使用することがより好ましく、半導体パッケージが更に好ましい。
以下、実施例等により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
実施例1:前処理剤の調製1
表1に示すカルボジイミド化合物を用い、表2に示す化合物及び配合量によって、実施例組成物No.1〜3を全体質量が500gとなるように調製した。
比較例1:比較組成物1の調製
表2に示す化合物及び配合量によって、比較組成物1を全体質量が500gとなるように調製した。
Figure 0005859838
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表2中、実施例組成物No.1のpHは、9.6であり、実施例組成物No.2のpHは、9.3であり、実施例組成物No.3のpHは、10.0であった。
実施例2:前処理1
被めっき体として、スミア膨潤工程、マイクロエッチング工程、還元工程を施した含フィラー芳香族エポキシ系樹脂組成物(粗度:Ra=1.3μm、形状:50mm×130mm×1mm)を用いた。この被めっき体を実施例1で調製した各組成物に60℃で10分間浸漬した後、室温で1分間水洗し、130℃で15分間乾燥させることで無電解めっきの前処理を行った。
評価例1:密着性評価1
実施例2に記載の方法で前処理した被めっき体にPd触媒を付与した後、32℃に調節した無電解銅めっき浴へ被めっき体を浸漬し、空気攪拌下、20分間無電解銅めっきを行った。無電解銅めっき溶液はアトテック社製、製品名:MSK−DKを使用した。得られためっき厚は1μmである。これを25℃、1分間水洗した後、恒温槽内で、150℃、30分乾燥し、10%硫酸に1分間浸漬した。そして、この無電解銅めっき上に、電解銅めっきを20μm形成し、25℃、1分間水洗した後、恒温槽内で、180℃で30分乾燥して、めっき物を得た。得られためっき物について、島津製作所社製 卓上試験機EZ−Sを用いてピール強度を測定した。測定条件は、ピール速度50mm/分であり、幅5mmである。結果を表3に示す。
Figure 0005859838
表3の結果より、評価例1−1〜1−3は比較例1と比べて大幅にCuピール強度が向上しており、実施例組成物No.1〜3を用いた前処理を行うことにより、密着性の高いめっき膜が得られることがわかった。
カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液の調製
下記製造例1−1〜1−5によって、カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液である製造例組成物No.1〜5を得た。
製造例1−1:製造例組成物No.1の調製
meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸(23.4g)をNMP(158.2g)に溶解し、60℃に加温した。加温後、攪拌しながら3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(20.5g)を10分掛けて滴下した。滴下終了後、80℃まで加温し、1時間攪拌した。ガスクロマトグラフィーにて3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランの消失を確認し終了とした。得られたNMP溶液(25.0g)とイオン交換水(475.0g)を混合することで製造例組成物No.1を得た。
製造例1−2:製造例組成物No.2の調製
meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸(23.4g)をNMP(175.0g)に溶解し、60℃に加温した。加温後、攪拌しながら3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(24.7g)を10分掛けて滴下した。滴下終了後、80℃まで加温し、1時間攪拌した。ガスクロマトグラフィーにて3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランの消失を確認し終了とした。得られたNMP溶液(25.0g)とイオン交換水(475.0g)を混合することで製造例組成物No.2を得た。
製造例1−3:製造例組成物No.3の調製
無水コハク酸(10.0g)をNMP(128.6g)に室温で溶解させた。水浴で冷却しながら、攪拌下、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(22.2g)を10分掛けて滴下した。滴下終了後、50℃まで加温し、1時間攪拌した。ガスクロマトグラフィーにて3−アミノプロピルトリエトキシシランの消失を確認し終了とした。得られたNMP溶液(25.0g)とイオン交換水(475.0g)を混合することで製造例組成物No.3を得た。
製造例1−4:製造例組成物No.4の調製
meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸(23.4g)をNMP(222.7g)に溶解し、60℃に加温した。加温後、攪拌しながら3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(41.1g)を20分掛けて滴下した。滴下終了後、80℃まで加温し、1時間攪拌する。ガスクロマトグラフィーにて3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランの消失を確認し終了とした。得られたNMP溶液(25.0g)とイオン交換水(475.0g)を混合することで製造例組成物No.4を得た。
製造例1−5:製造例組成物No.5の調製
無水トリメリット酸(19.2g)をNMP(165.5g)に室温で溶解させた。水浴で冷却しながら、攪拌下、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(22.2g)を10分掛けて滴下した。滴下終了後、50℃まで加温し、1時間攪拌した。ガスクロマトグラフィーにて3−アミノプロピルトリエトキシシランの消失を確認し終了とした。得られたNMP溶液(25.0g)にトリエタノールアミン(3.6g)を添加し、イオン交換水(471.4g)を混合することで製造例組成物No.5を得た。
比較例2:比較組成物2の調製
3−アミノプロピルトリメトキシシラン(5.0g)とイオン交換水(495.0g)を混合することで、比較組成物2を得た。
実施例3:前処理2
被めっき体として、スミア膨潤工程、マイクロエッチング工程、還元工程を施した含フィラー芳香族エポキシ系樹脂組成物(粗度:Ra=1.3μm、形状:50mm×130mm×1mm)を用いた。この被めっき体を実施例3で調製したカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液にそれぞれ浸漬し、空気雰囲気下、40℃、5分間攪拌した後、25℃、1分間水洗を行い、実施例1で調製したカルボジイミド基を有する化合物を含有する水溶液にそれぞれ浸漬し、25℃、1分間水洗し、130℃、15分間乾燥させることで無電解めっきの前処理を行った。以降、カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液による処理を1次処理と定義し、カルボジイミド基を有する化合物を含有する水溶液による処理を2次処理と定義した。
評価例2:密着性評価2
実施例3に記載の方法で前処理した被めっき体にPd触媒を付与した後、32℃に調節した無電解銅めっき浴へ被めっき体を浸漬し、空気攪拌下、20分間無電解銅めっきを行った。無電解銅めっき溶液はアトテック社製、製品名:MSK−DKを使用した。得られためっき厚は1μmである。これを25℃、1分間水洗した後、恒温槽内で、150℃、30分乾燥し、10%硫酸に1分間浸漬した。そして、この無電解銅めっき上に、電解銅めっきを20μm形成し、25℃、1分間水洗した後、恒温槽内で、180℃で30分乾燥して、めっき物を得た。得られためっき物について、島津製作所社製 卓上試験機EZ−Sを用いてピール強度を測定した。測定条件は、ピール速度50mm/分であり、幅5mmである。結果を表4に示す。
Figure 0005859838
表4より、1次処理のみ行った比較例2−2〜2−4及び2次処理のみ行った評価例2−8〜2−10は、比較例1と比較して密着性の向上が確認できた。また、1次処理及び2次処理を行った評価例2−1〜2−7は比較例2−1〜2−4及び評価例2−8〜2−10と比較して、さらに大幅に密着性が向上していることが確認できた。この中でも、2次処理に実施例組成物No.2を用いた評価例2−2、2−4〜2−7では特に高い密着性が得られていることが確認できた。このことから、本発明の前処理方法の組み合わせによる相乗的な密着性向上効果を確認することができた。一方、評価例2−11のように、1次処理にカルボキシル基を有さないアルコキシシラン化合物を用いた場合には相乗的な密着性向上効果を確認することはできなかった。
評価例3:密着性評価3
実施例3に記載の方法で前処理をした被めっき体にPd触媒を付与した後、60℃に調節した無電解ニッケルめっき浴へ被めっき体を浸漬し、空気攪拌下、15分間無電解ニッケルめっきを行った。無電解ニッケルめっき溶液には、表5に記載の成分が含有されている無電解ニッケルめっき浴を用いた。得られためっき厚は2.0μmである。これを25℃、1分間水洗した後、恒温槽内で、180℃、30分乾燥し、10%硫酸に1分間浸漬した。そして、この無電解ニッケルめっき上に、電解銅めっきを20μm形成し、25℃、1分間水洗後、恒温槽内で、180℃、30分乾燥して、めっき物を得た。得られためっき物について、島津製作所社製 卓上試験機EZ−Sを用いてピール強度を測定した。測定条件は、ピール速度50mm/分であり、幅5mmである。結果を表6に示す。
Figure 0005859838
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表6の結果より、評価例3−1及び評価例3−2は比較例3に比べて、大きくピール強度が向上しており、特に評価例3−2は大幅にピール強度が向上していることが確認できた。このことから、無電解ニッケルめっきの場合にも、本発明は密着性向上効果があることがわかった。
評価例4:密着性評価4
実施例3に記載の方法で前処理をした基板にPd触媒を付与した後、25℃に調節した無電解銀浴へ被めっき体を浸漬し、空気雰囲気下、浴を撹拌しながら10%グルコース水溶液を7分かけて滴下した。滴下終了後、30分間撹拌し、無電解銀めっきを行った。無電解銀めっき溶液には、表7に記載の成分が含有されている無電解銀めっき浴を用いた。得られためっき厚は0.5μmである。これを、25℃、1分間水洗した後、恒温槽内で、180℃、30分乾燥し、10%硫酸に1分間浸漬した。そして、この無電解銀めっき上に、電解銅めっきを20μm形成し、25℃、1分間水洗した後、恒温槽内で、180℃、30分間乾燥して、めっき物を得た。得られためっき物について、島津製作所社製 卓上試験機EZ−Sを用いてピール強度を測定した。測定条件は、ピール速度50mm/分であり、幅5mmである。結果を表8に示す。
Figure 0005859838
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表8の結果より、評価例4−1及び評価例4−2は比較例4に比べて、大きくピール強度が向上しており、特に評価例4−2は大幅にピール強度が向上していることが確認できた。このことから、無電解銀めっきの場合にも、本発明は密着性向上効果があることがわかった。
実施例4:前処理3
被めっき体として、スミア膨潤工程、マイクロエッチング工程、還元工程を施したソーダ石灰ガラス基板(粗度:Ra≒0.6μm、形状:50mm×130mm×1mm)を用いた。この被めっき体を実施例3で調製したカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液にそれぞれ浸漬し、空気雰囲気下、40℃、5分間攪拌した後、25℃、1分間水洗を行い、実施例1で調整したカルボジイミド基を有する化合物を含有する水溶液にそれぞれ浸漬し、25℃、1分間水洗し、130℃、15分間乾燥させることで無電解めっきの前処理を行った。
評価例5:密着性評価5
実施例4に記載の方法で前処理した被めっき体にPd触媒を付与した後、32℃に調節した無電解銅めっき浴へ被めっき体を浸漬し、空気攪拌下、20分間無電解銅めっきを行った。無電解銅めっき溶液はアトテック社製、製品名:MSK−DKを使用した。得られためっき厚は1μmである。これを25℃、1分間水洗した後、恒温槽内で、150℃、30分乾燥し、10%硫酸に1分間浸漬した。そして、この無電解銅めっき上に、電解銅めっきを20μm形成し、25℃、1分間水洗した後、恒温槽内で、180℃で30分乾燥して、めっき物を得た。得られためっき物について、島津製作所社製 卓上試験機EZ−Sを用いてピール強度を測定した。測定条件は、ピール速度50mm/分であり、幅5mmである。結果を表9に示す。
Figure 0005859838
※1 実験を試みたものの、無電解銅めっき被膜が付着しなかった。
表9の結果より、比較例5では無電解銅めっき被膜を付着することができなかったが、評価例5−1ではソーダ石灰ガラス基板に無電解銅めっき被膜を付着させることができ、さらにピール強度を得ることができた。このことから、本発明の前処理方法によって、ソーダ石灰ガラス基板に対しても無電解銅めっき被膜を付着させることができることがわかった。
実施例5:前処理4
被めっき体として、スミア膨潤工程、マイクロエッチング工程、還元工程を施したステンレス基板(SUS−304、粗度:Ra≒0.2μm、形状:50mm×130mm×1mm)を用いた。この被めっき体を実施例1で調製したカルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液にそれぞれ浸漬し、空気雰囲気下、40℃、5分間攪拌した後、25℃、1分間水洗を行い、実施例3で調整したカルボジイミド基を有する化合物を含む水溶液にそれぞれ浸漬し、25℃、1分間水洗し、130℃、15分間乾燥させることで無電解めっきの前処理を行った。
評価例6:密着性評価6
実施例5に記載の方法で前処理した被めっき体にPd触媒を付与した後、32℃に調節した無電解銅めっき浴へ被めっき体を浸漬し、空気攪拌下、20分間無電解銅めっきを行った。無電解銅めっき溶液はアトテック社製、製品名:MSK−DKを使用した。得られためっき厚は1μmである。これを25℃、1分間水洗した後、恒温槽内で、150℃、30分乾燥し、10%硫酸に1分間浸漬した。そして、この無電解銅めっき上に、電解銅めっきを20μm形成し、25℃、1分間水洗した後、恒温槽内で、180℃で30分乾燥して、めっき物を得た。得られためっき物について、島津製作所社製 卓上試験機EZ−Sを用いてピール強度を測定した。測定条件は、ピール速度50mm/分であり、幅5mmである。結果を表10に示す。
Figure 0005859838
※2 実験を試みたものの、無電解銅めっき被膜が付着しなかった。
表10の結果より、比較例6では無電解銅めっき被膜を付着することができなかったが、評価例6−1ではステンレス基板(SUS−304)に無電解銅めっき被膜を付着させることができ、さらにピール強度を得ることができた。このことから、本発明の前処理方法によって、ステンレス基板(SUS−304)に対しても無電解銅めっき被膜を付着させることができることがわかった。

Claims (4)

  1. 被めっき体を、カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する溶液に浸漬した後、水洗することにより1次前処理被めっき体へ施し、さらにカルボジイミド基を有する化合物を含有する水溶液に浸漬した後、水洗することにより2次前処理該被めっき体へ施すことを特徴とする無電解めっき前処理方法。
  2. 前記カルボジイミド基を有する化合物が、カルボジイミド基1モルあたりの化学式量が300〜500であるノニオン性ポリカルボジイミド化合物である、請求項1に記載の無電解めっき前処理方法
  3. 前記被めっき体が、銅、銀、金、亜鉛、ニッケル、スズ、コバルト、クロム、ステンレス、セラミックス、ガラスおよび合成樹脂からなる群より選択される1種又は2種以上である請求項またはに記載の無電解めっき前処理方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の前処理方法を前記被めっき体に施し、さらに銅、銀、金、亜鉛、ニッケル、スズ、コバルト、クロム、パラジウム、タングステン、白金、ロジウムおよびルテニウムからなる群より選択される1種又は2種以上の成分を無電解めっきすることによって無電解めっき被膜を形成する無電解めっき被膜の製造方法。
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