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JP5849464B2 - セルロースから水可溶性成分を抽出する抽出方法 - Google Patents

セルロースから水可溶性成分を抽出する抽出方法 Download PDF

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Description

本発明は、セルロースを含有する原料を触媒の存在しない条件下で水と反応させて、水に可溶な成分に変換するセルロースの可溶化方法に関する。
近年、石油代替燃料としてバイオ燃料が注目され、サトウキビやとうもろこし等のバイオマスを原料としたバイオエタノールの生産が実用化されている。しかし、食料品をバイオエタノールの原料とした場合、食料品との競合によって価格が大きく変動する等の問題が生ずる。このため、木材、草、稲わらなど非食料品であるセルロース系バイオマスを原料としたバイオ燃料の生産が望まれている。
ところが、強固なセルロースを糖に加水分解するのは容易ではない。硫酸等の液体の強酸を用いてセルロースを糖化する手法が古くから知られているが、強酸によって装置が腐食したり、強酸の中和処理した場合、石膏等が廃棄物として大量に発生したりするなどの問題があり、実用化に至っていない。
こうした問題を解決すべく、近年、触媒を用いることなく、加圧熱水によってセルロースを水に可溶な低分子量多糖類とする水熱処理が注目されている(例えば特許文献1、2)。この水熱処理では「加圧熱水」が用いられる。加圧熱水とは、飽和蒸気圧以上に加圧されることにより、液体状態で存在する高温高圧の水のことをいう。加圧熱水はイオン積が増加するため、セルロースの加水分解反応を促進すると考えられている(特許文献1 段落番号[0024]参照)。このため、水熱処理法は、特別な薬品を使うことなく、短時間でセルロース原料を可溶化することができるという長所を有しており、環境に対する負荷も小さいセルロース原料の可溶化法であるということができる。
セルロースを化学的分解する方法が特許文献3に開示されている。
特開2010−166831号公報 特開2010−279255号公報 特開2008−248466号公報
しかし、上記従来の水熱処理によるセルロースの可溶化では、可溶化物がさらに反応して乳酸や酢酸やヒドロキシメチルフルフラール(HMF)等の過分解物を多量に生じるという問題があった。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、触媒等の薬品を使うことなく、過分解物の発生量も少なく、短時間にセルロースを可溶化することができる方法を提供することを解決すべき課題としている。
本発明者らは、上記課題を解決するために、水によるセルロースの加水分解反応の条件について再検討した。従来の水熱処理の原理は、全圧を高めることにより水の沸点を高くし、100℃以上の高温においても液体の状態を保つ加圧熱水を存在させることにある。前述したように、水は高温下においてイオン積が増加し(250〜300℃付近で最大となる)、水素イオンや水酸化イオンの濃度が高まることから、セルロースの加水分解反応が促進されるものと考えられている。このため、100℃以上の高温で、且つ、全圧を高くして水の沸点を高め、液体状態の加圧熱水が存在できる条件下で反応を行うことが当業者の技術的常識であった。
ところが、発明者らは、全圧が飽和蒸気圧未満であって(すなわち、水が沸騰する条件下であって)、加圧熱水が存在し得ない(すなわち、水が液体状態を保ち得ない)ような高温低圧領域内においても、セルロースの加水分解が促進される領域が存在するという、驚くべき事実を発見した。しかも、この新たに発見した高温低圧領域内でのセルロースでの加水分解反応は、乳酸や酢酸やヒドロキシメチルフルフラール(HMF)等の過分解物の生成がきわめて少ないという有利な効果を奏することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のセルロースの可溶化方法の第1の局面では、セルロースを含有する原料を触媒の存在しない条件下で水と反応させて水可溶性成分に変換するセルロースの可溶化方法であって、前記反応は100℃以上300℃未満であって、且つ、全圧が0.05MPa以上10MPa未満の条件下で行うことを特徴とする。
反応が100℃未満ではセルロースの加水分解反応が遅くなるため、可溶化に時間がかかる。また、反応が300℃を超えると過分解物の生成が多くなるおそれがある。さらに好ましいのは150℃以上270℃未満であり、最も好ましいのは170℃以上250℃未満である。
また、全圧が0.05MPa未満では水の沸点が低くなるため温度をあまり高くすることができず、セルロースの加水分解反応が遅くなるため、可溶化に時間がかかる。また、全圧が10MPaを超えると過分解物の生成が多くなるおそれがある。さらに好ましいのは全圧が0.1MPa以上5MPa未満であり、最も好ましいのは全圧が0.15MPa以上3MPa未満である。
本発明のセルロースの可溶化方法の第2の局面では、前記全圧は飽和水蒸気圧よりも低く、前記水は全て気体の状態とされていることとした。
全圧が飽和水蒸気圧よりも低くされていることにより、水は沸騰状態となって迅速に気体(すなわち水蒸気)となり、液体状態の水が安定に存在し得ない。したがって、第2の局面でのセルロースの加水分解反応では、従来の加圧熱水による加水分解反応とは全く異なり、セルロースと気体状態の水との反応になる。発明者らの試験結果によれば、このような反応条件であってもセルロースの加水分解反応は迅速に進行し、しかも乳酸や酢酸やヒドロキシメチルフルフラール(HMF)等の過分解物の生成がきわめて少ないという利点を有する。
また、本発明のセルロースの可溶化方法の第3の局面では、セルロースを含有する原料と水とを所定の量ずつ反応容器に投入し、該反応容器を密閉してから加熱することにより温度と圧力とを調整することとした。
このセルロースの可溶化方法によれば、反応容器を密閉してから加熱することにより水が全て蒸発して水蒸気となった場合の水蒸気圧を、反応容器の容積及び水の量から計算によって容易に求めることができる。このため、加熱温度を規定するだけで、容易に所定の圧力にすることができる。このため、反応装置も簡単となり、ひいては、設備費用を低廉化することができる。
さらに、本発明のセルロースの可溶化方法の第4の局面では、(水の質量/セルロースの質量)の値が0.01以上7未満であることとした。
本発明者らの試験結果によれば、(水の質量/セルロースの質量)が7を超えると、過分解物の発生割合が増加する。また、(水の質量/セルロースの質量)が0.01よりも小さくなると、加水分解反応に必要な水の量が少なくなり水可溶化物の収率が小さくなるおそれがある。さらに好ましいのは(水の質量/セルロースの質量)の値が0.01以上1.2未満であり、最も好ましいのは0.03以上0.3未満である。
また、本発明のセルロースの可溶化方法の第5の局面では、(水の質量)/(セルロースの質量+水の質量)が0.01以上0.87未満であることとした。
本発明者らの試験結果によれば、(水の質量)/(セルロースの質量+水の質量)が0.87を超えると、過分解物の発生割合が増加する。また、(水の質量)/(セルロースの質量+水の質量)が0.01よりも小さくなると、加水分解反応に必要な水の量が少なくなり水可溶化物の収率が小さくなるおそれがある。さらに好ましいのは(水の質量)/(セルロースの質量+水の質量)の値が0.01以上0.55未満であり、最も好ましいのは0.03以上0.23未満である。
また、本発明のセルロースの可溶化方法の第6の局面では、セルロースを含有する原料の結晶化度を低減してから可溶化処理を行うこととした。
ここに結晶化度とは、原料における結晶化した部分の占める割合を指し、X線回折測定によるSegal法等の方法で特定される。
セルロースの結晶化度を低減する方法として、粉砕等の物理的方法(第7の局面参照)やイオン性液体を用いる化学的方法を挙げることができる。
セルロースの可溶化方法を示す工程図である。 水の状態図である。 実施例及び比較例の反応条件及び各種成分の生成率を示すグラフである。 横軸を反応時間、縦軸を水分割合とし、水溶性糖分の収率をプロットしたグラフである。 横軸を反応時間、縦軸を水分割合とした場合の、過分解物の割合を百分率で示したグラフである。 セルロースの結晶化度と粉砕時間との関係を示すグラフである。 表2の生成物の割合を棒グラフ化したものである。 表2において結晶化度と可溶化率との関係をグラフ化したものである。
本発明のセルロースの可溶化方法の実施形態では、図1に示すように、セルロースを含有する原料の結晶化度を低減し、水分調整を行った後、熱処理を行う。そして、熱処理によって加水分解されて水溶性となった原料に水を加えて抽出し、固液分離して固形分と水溶液に分ける。以下、工程ごとに詳述する。
(原 料)
セルロースを含有する原料となるのは、セルロースを含む植物系の原料であり、セルロースの他に、でん粉、ヘミセルロース、ペクチンなど、セルロース以外の多糖を含むものであっても用いることができる。具体的には、稲わら、麦わら、バガス等の草類、竹、笹などの間伐材、おがくず、チップ、端材などの木材加工木屑、街路樹剪定材、木質建築廃材、樹皮、流木等の木質系バイオマス、古紙等のセルロース製品からのバイオマス等が挙げられる。また、セルロースを原料として使用可能な程度含むものであれば、汚泥、畜糞、農業廃棄物、都市ゴミ等も用いることができる。
(結晶化度低減処理)
これらの原料は、セルロースの可溶化を促進させるために、前処理として粉砕等によりセルロースの結晶化度を下げておくことが好ましい。セルロースの結晶化度を低減する方法は特に限定されず、例えば、物理的な方法として粉砕を採用することができる。具体的な粉砕方法は原料の形態に応じて適宜選択すればよいが、まず数〜数十mm程度に粗粉砕してハンドリングし易い状態にしてから、さらに細かく粉砕すると、微粉砕を効率的に行なうことができる。粗粉砕にはハンマーミルやカッターミルなどの汎用粉砕機が使用できる。また、微粉砕には、振動ミル、ボールミル、ロッドミル、ローラーミル、コロイドミル、ディスクミル、ジェットミルなどの汎用粉砕機が使用でき、微粉砕処理は、乾式、湿式いずれの方式も適用できるが、セルロースの結晶性を低下させる面で、乾式粉砕が望ましい。原料の含水量が多い場合には、あらかじめ遠心脱水や熱風乾燥などで含水率を30%以下にしてから乾式粉砕を行うことで、セルロースの結晶性を効率的に低下させることができる。
その他、イオン性液体を利用してセルロースを溶解し、もってその結晶化度を低減することもできる(特許文献3参照)
(水分調整及び熱処理)
本発明のセルロースの可溶化方法では、従来行われていた温度−圧力の領域とは全く異なった温度−圧力の領域を用いる。すなわち、従来の加圧熱水法では、図2に示した亜臨界領域や超臨界領域で処理を行っている。亜臨界領域では飽和水蒸気圧よりも全圧が高い領域であり、換言すれば水が水蒸気以外に液体の水として安定に共存する領域である。このため、亜臨界領域でのセルロースの加水分解反応は、イオン積が大きくなっている液体の水によって進行するものと推定される。また、超臨界領域でのセルロースの加水分解反応は、気−液の区別ができなくなった超臨界状態という特殊な状態の水による加水分解反応である。
これに対して、本発明のセルロースの可溶化方法では、100℃以上300℃未満であって、且つ、全圧が0.05MPa以上10MPa未満という高温−低圧の領域で加水分解反応を行うことが特徴である。このような領域は、図2における斜線内の部分で示され、全圧が飽和水蒸気圧よりも小さい領域(すなわち、水が安定に存在せず、水蒸気のみが存在する領域)か、液体の水と水蒸気とが共存はするが全圧は10MPa未満と小さい領域であり、亜臨界領域や超臨界領域とは全く異なる状況である。この差異により、本発明のセルロースの可溶化方法では、乳酸や酢酸やヒドロキシメチルフルフラール(HMF)等の過分解物の生成がきわめて少ないというという特徴を有することとなる。
こうした高温−低圧の領域で加水分解反応を行うため、反応容器は蓋付きの密閉容器を用いることができる。このような容器としては、耐食性金属からなるオートクレーブ装置や、PTFE等のフッ素樹脂からなる蓋付き容器を内側に収容する金属性耐圧容器といった、二重構造の容器を用いることもできる。
そして、これらの容器内にセルロースを含有する原料と水とを所定量投入する。そして、蓋を閉めて温度を100℃以上300℃未満の所定の温度に設定する。これにより原料にもともと含まれていた水分及び添加した水は、水蒸気となり体積を増す。このとき、最終的に到達する圧力は、実ガスに対する補正がなされた状態方程式に、温度、水の量及び容器体積を代入することにより、容易に求めることができる。加熱方法は特に制限されず、電気ヒータ、高周波、マイクロ波、スチーム等を用いることができる。
(水可溶化物の抽出)
以上のようにして製造された水可溶化物は、水によって抽出することによって水可溶性物抽出液を得ることができる。こうして得られた水可溶性物抽出液には、オリゴ糖等の低分子量多糖類や、グルコースが主成分として含まれている。このとき、乳酸や酢酸やヒドロキシメチルフルフラール(HMF)等の過分解物も生成するが、その割合は上述した加圧熱水法に比べて極めて少ない。
(固−液分離)
以上のようにして得られた水可溶性物抽出液には、水に溶けない不溶性物質も含まれているため、反応液に対して0.1〜500倍量となるように水を加えて混合し、固液分離装置で固液分離を行う。固液分離装置としては、例えば、重力沈降方式、遠心分離方式、膜分離方式、凝集分離方式、浮上分離方式等を用いた装置が挙げられる。
以下、本発明をさらに具体化した実施例について述べる。
(実施例1〜7)
実施例1〜7では試薬のセルロースを原料として、以下のようにして可溶化反応を行った。
・粉砕工程
セルロースを含有する原料として、試薬のセルロース(MERCK社製 製品名 微結晶セルロース)を用い、これを遊星ボールミル(伊藤製作所製 製品名 遊星回転ボールミル)によって10時間粉砕した。これにより、原料の結晶化度が低減される。
・水分調整工程
こうして得られた粉砕セルロース粉15mgを秤取り、2重構造の蓋付きの耐圧PTFE容器(内側容器は容積28cm3のPTFE容器、外側容器はステンレス製容器)に入れ、水を所定量(実施例1〜3では0mg、実施例4,5では15mg、実施例6,7では100mg)加えて蓋をした。
・熱処理工程及び抽出工程
試料をいれた耐圧PTFE容器を電気加熱炉に入れ、200℃で所定時間の加熱を行った後、内容物を4.75mlの水で抽出し、フィルターでろ過し、水抽出液を得た。
(比較例1〜9)
比較例1〜3では水分調整工程における水添加の量を500mg、比較例4〜7では1500mg、比較例8,9では4750mgとした。その他の条件は実施例1〜7と同様であり、説明を省略する。
<評 価>
以上のようにして得られた実施例1〜7及び比較例1〜9の抽出液の成分及びその量を高速液体クロマトグラフィーによって分析するとともに、可溶化率を全有機炭素計(TOC計)による測定値から求めた。結果を表1及び図3に示す。
Figure 0005849464
表1に示すように、実施例1〜7及び比較例1〜9は全て反応温度が200℃であり、このときの飽和水蒸気圧は1.56MPaとなる。一方、実施例1〜7における全圧は表1及び図3に示すように、0.17〜0.94MPaの範囲内であるのに対し、比較例1〜9における全圧は飽和水蒸気圧の1.56MPaよりも大きい。以上のことから、実施例1〜7では添加された水およびセルロースに含まれていた水分は全て水蒸気となっており、液体状の水は存在していないことが分かる。これに対して、比較例1〜9では添加された水の量が多いため、液体の水と飽和水蒸気とが平衡状態となっており、添加した水の多くは液体状の水として残っていることが分かる。
また、可溶化率、グルコース及び過分解物の生成率についての実施例1〜7及び比較例1〜9の比較から、全圧が飽和水蒸気圧よりも低い実施例1〜7においては、可溶化率に対するグルコース及び過分解物の生成率の割合が著しく低く、オリゴ糖等に代表される水溶性の多糖類の割合が高いことが分かる。特に水蒸気圧の小さい実施例1〜3では、水溶性成分のほとんどが水溶性多糖類であり、グルコースや過分解物は極僅かであった。以上の結果、実施例1〜7の処理方法は、グルコースを採取するための前段階のセルロースの水溶化処理方法として、極めて好ましいことが分かった。
これに対して、全圧が飽和水蒸気圧よりも高い比較例1〜9においては、可溶化率に対するグルコース及び過分解物の生成率の割合が高く、グルコースを採取するための前段階のセルロースの水溶化処理方法として好ましくない。なぜならば、前段階のセルロースの水溶化処理方法としてグルコース及び過分解物が多量に生成した場合、さらにそれを固体酸触媒や硫酸などの存在下で処理すると、グルコースからの過分解物が加わって、過分解物の量がさらに多くなるからである。
また、反応系内における(水の質量/セルロースの質量)の値(すなち表1における水分割合)に注目した場合、水分割合が0.07〜7.2である実施例1〜7においては、可溶化率に対するグルコース及び過分解物の生成率が著しく低く、オリゴ糖等に代表される水溶性の低分子量多糖類の割合が高いことが分かる。このことは、グルコースを採取するための前段階のセルロースの水溶化処理方法として、水溶性の多糖類リッチな均質性の高い原料を得ることができるという、極めて好ましい性質を有している。
これに対して比較例1〜9においては、可溶化率に対するグルコース及び過分解物の生成率が高く、水溶性の多糖類以外にグルコース及び過分解物が多量に生成しており、グルコースを採取するための前段階のセルロースの水溶化処理方法として好ましくない。
また、反応系内における(水の質量)/(セルロースの質量+水の質量)の値を百分率で表した値(すなち表2における含水率)に注目した場合、含水率が6.8〜87.8質量%である実施例1〜7において、可溶化率に対するグルコース及び過分解物の生成率が著しく低く、オリゴ糖等に代表される水溶性の多糖類の割合が高いことが分かる。これに対して含水率が97.3質量%以上である比較例1〜9においては、可溶化率に対するグルコース及び過分解物の生成率が高く、水溶性の多糖類以外にグルコース及び過分解物が多量に生成しており、グルコースを採取するための前段階のセルロースの水溶化処理方法として好ましくないことが分かる。
また、図4は、横軸を反応時間、縦軸を水分割合(すなわち、反応容器内の水分量/セルロースの乾燥質量)とし、水溶性糖分の収率(すなわち、水溶性多糖類とグルコースとの合算の収率)をプロットしたグラフである。また、グラフ中の破線は水分割合(すなわち、水分量/セルロースの乾燥質量の値)が12となるラインを示しており、この値のときに、ちょうど飽和水蒸気圧である1.56MPaとなる。このグラフから、水溶性糖分の収率は、水分割合が0.1付近と、30付近との2箇所に極大があることが分かる。
また、図5は、横軸を反応時間、縦軸を水分割合(すなわち、反応容器内の水分量/セルロースの乾燥質量)とした場合の、過分解物の割合を百分率で示したグラフである。このグラフから、過分解率は、水分割合(すなわち、反応容器内の水分量/セルロースの乾燥質量)が大きいほど大きくなり、水分割合が7以上において急激に大きくなることが分かった。
<原料であるセルロースの結晶化度低減効果の確認>
セルロース原料を粉砕した場合(結晶化度を低減した場合)と、粉砕しなかった場合の、可溶化処理における相違を調べた。
粉砕工程として試薬のセルロース(MERCK社製 製品名 微結晶セルロース)を用い、これを遊星ボールミル(伊藤製作所製 製品名 遊星回転ボールミル、粉砕容器:ジルコニアポット、媒体:φ5ジルコニアボール、回転数:300rpm)によって粉砕した。粉砕時間とセルロースの結晶化度を測定した。その結果を図6に示す。なお、結晶化度はX線回折測定によるSegal法により測定した。
上記のように処理したセルロース原料を、セルロース(含水):300mg、セルロース含水率:5〜7%、水添加なし、加熱条件:200℃、3時間なる条件で可溶化処理を行なった後、内容物を水で抽出し、フィルターでろ過し、水抽出液を得た。そして、高速液体クロマトグラフィー及び全有機炭素計(TOC計)によって分析し、可溶化率、グルコースの割合、過分解物の割合及び低分子量多糖類の割合を求めた。結果を表2に示す。
Figure 0005849464
図7は、表2の生成物の割合を棒グラフ化したものである。表2及び図7に示すように、セルロースを粉砕してから可溶化処理を行った実施例8,8−1,2,3,4は、粉砕しなかった実施例9と比較して、可溶化率及び水溶性多糖類の割合が顕著に高く、セルロースの加水分解反応が迅速に進行することが分かった。
図8は、表2において結晶化度と可溶化率との関係をグラフ化したものである。図8より、セルロースはできる限りその結晶化度を低減させておくことが好ましいことがわかる。
この発明は、上記発明の実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。

Claims (6)

  1. セルロースを含有する原料を、下記条件(1)、(2)下で水蒸気と反応させて水可溶性成分に変換する可溶化ステップと;
    (1)触媒の存在しない条件
    (2)100℃以上300℃未満であって、且つ、全圧が0.05MPa以上10MPa未満の飽和水蒸気圧よりも小さい条件、
    前記可溶化ステップを経た前記原料に水を加えて前記水可溶性成分を抽出するステップと、
    を含むセルロースから水可溶性成分を抽出する抽出方法。
  2. 前記可溶化ステップは、前記セルロースを含有する原料と水とを所定の量ずつ反応容器に投入し、該反応容器を密閉してから加熱することにより温度と圧力とを調整すること特徴とする請求項1に記載の抽出方法
  3. 前記反応容器内における(水の全質量)/(前記セルロースの乾燥質量)が0.01以上7未満であることを特徴とする請求項に記載の抽出方法
  4. 前記反応容器内における(水の全質量)/(前記セルロースの乾燥質量+水の全質量)が0.01以上0.87未満であることを特徴とする請求項に記載の抽出方法
  5. 前記セルロースを含有する原料の結晶化度を低減する結晶化度低減ステップを更に含み、該結晶化度低減ステップの後に前記可溶化ステップを行う、請求項1乃至のいずれか1項記載の抽出方法
  6. 前記結晶化度低減ステップは前記セルロースを含有する原料を粉砕することで、結晶化度を低減する、請求項に記載の抽出方法
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