JP5811170B2 - 静電気保護部品 - Google Patents
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Description
本発明は、静電気保護部品に関する。
複数の絶縁体層が積層されてなる素体と、素体の内部において互いに離間して配置された対向電極及びグラウンド電極と、対向電極及びグラウンド電極のいずれか毎に対応して設けられた複数の外部電極と、を備える静電気保護部品が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の静電気保護部品では、対向電極及びグラウンド電極が、同一の層内においてそれぞれ素体の外表面に露出しており、当該素体の外表面に配置された各外部電極と接続されている。
上記特許文献1に記載の静電気保護部品では、同一の層内に複数の電極が配置されて、且つ、当該複数の電極が同一の層内において素体の外表面に露出するよう引き出されているので、同一の層内における電極の総面積が多いものとなっている。このため、絶縁体層同士の密着性が悪く、構造上の欠陥が発生する可能性が高くなる。
外部電極は、導電性ペーストを塗布して乾燥させた後に、電気めっきを行うことで形成されるため、静電気保護部品は製造過程において必ずめっき液に曝される。したがって、静電気保護部品に構造上の欠陥が発生し易くなると、絶縁体層に配置された各電極における、素体の外表面へ露出する部分から、素体内にめっき液が侵入し易くなってしまう。その結果、素体内で放電を生じる放電部にまでめっき液が侵入し、当該めっき液によりギャップ部が繋がってショートしてしまうおそれがある。
本発明は、放電部にめっき液が侵入することを抑制することが可能な静電気保護部品を提供することを目的とする。
本発明に係る静電気保護部品は、複数の絶縁体層が積層されてなる素体と、素体の内部に配置されたグラウンド電極と、グラウンド電極と離間して配置され、グラウンド電極とで一の放電部を構成する第1対向電極と、グラウンド電極と離間して配置され、グラウンド電極とで一の放電部を構成する第2対向電極と、グラウンド電極、第1対向電極、及び第2対向電極のいずれか毎に対応して設けられた複数の外部電極と、を備え、グラウンド電極と、第1対向電極と、第2対向電極とは、複数の外部電極のうち対応する外部電極に接続される引出部と、引出部に電気的に接続され且つ対応する放電部を構成する対向部と、をそれぞれ有し、グラウンド電極の対向部、第1対向電極の対向部、及び第2対向電極の対向部が、同一の層に配置され、グラウンド電極、第1対向電極、及び第2対向電極のうち少なくとも1つにおいて、引出部と対向部とが、異なる層に配置されていると共にスルーホール導体を介して電気的に接続されている。
本発明に係る静電気保護部品では、グラウンド電極、第1対向電極、及び第2対向電極のうち少なくとも1つにおいて、引出部と対向部が、異なる層に配置されていると共にスルーホール導体を介して電気的に接続されているので、同一の層内における電極の総面積を少なくすることができる。これにより、絶縁体層同士の密着性が向上するので、構造上の欠陥が生じる可能性を減らすことができ、当該欠陥によるめっき液の侵入を抑制することができる。したがって、グラウンド電極と第1対向電極とで構成される放電部、及び、グラウンド電極と第2対向電極とで構成される放電部にめっき液が侵入することを抑制することができる。
グラウンド電極において、引出部と対向部とが、異なる層に配置されていると共にスルーホール導体を介して電気的に接続されていてもよい。この場合、グラウンド電極、第1対向電極、及び第2対向電極の対向部が配置された層とは別の層にグラウンド電極の引出部が配置されるので、対向部が配置された層においては、グラウンド電極の引出部のパターンによらず、各対向部のパターンを自由に決定することができる。
さらに、第1対向電極及び第2対向電極において、引出部と対向部とが、異なる層に配置されていると共にスルーホール導体を介して電気的に接続されていてもよい。この場合、同一の層内における電極の総面積をより少なくすることができ、絶縁体層同士の密着性が更に向上するので、構造上の欠陥が生じる可能性をより減らすことができ、当該欠陥によるめっき液の侵入を一層抑制することができる。したがって、放電部にめっき液が侵入することをより確実に抑制することができる。
各引出部は、複数の外部電極のうち対応する外部電極に接続される一端において、素体から露出しており、グラウンド電極の対向部は、第1対向電極の対向部よりも、第1対向電極の引出部が露出する側の素体の外表面に近い位置に配置され、且つ、第2対向電極の対向部よりも、第2対向電極の引出部が露出する側の素体の外表面に近い位置に配置されてもよい。この場合、第1対向電極の対向部又は第2対向電極の対向部は、グラウンド電極の対向部に比して、素体の外表面から離れて配置されているので、第1対向電極の引出部又は第2対向電極の引出部における素体の外表面側から対向部側までの長さを長くすることができる。これにより、第1対向電極及び第2対向電極における、素体の外表面へ露出する部分から対向部側までの距離を長くすることができ、当該露出する部分から入り込んだめっき液が対向部まで侵入するのを抑制することができる。したがって、対向部が構成する放電部にめっき液が侵入することを抑制することができる。
本発明によれば、放電部にめっき液が侵入することを抑制することが可能な静電気保護部品を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図5を参照して、第1実施形態に係る静電気保護部品の構成を説明する。図1は、第1〜第5実施形態に係る静電気保護部品を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る素体の構成を示す分解斜視図である。図3は、図2の第1〜第4放電部を含む部分の構成を示す分解斜視図である。図4は、第1実施形態に係る静電気保護部品の、第1放電部及び第3放電部を含む断面構成を示す図である。図5は、第1実施形態に係る静電気保護部品の、第2放電部及び第4放電部を含む断面構成を示す図である。
まず、図1〜図5を参照して、第1実施形態に係る静電気保護部品の構成を説明する。図1は、第1〜第5実施形態に係る静電気保護部品を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る素体の構成を示す分解斜視図である。図3は、図2の第1〜第4放電部を含む部分の構成を示す分解斜視図である。図4は、第1実施形態に係る静電気保護部品の、第1放電部及び第3放電部を含む断面構成を示す図である。図5は、第1実施形態に係る静電気保護部品の、第2放電部及び第4放電部を含む断面構成を示す図である。
本実施形態に係る静電気保護部品1Aは、電子機器の回路基板に実装され、ESD(Electro-Static Discharge:静電気放電)から電子機器を保護する電子部品である。図1〜図5に示されるように、静電気保護部品1Aは、略直方体形状を呈する素体4と、素体4の外表面に配置された外部電極5〜10と、素体4の内部に配置された対向電極12,14,16,18と、素体4の内部に配置されたグラウンド電極20と、素体4の内部に配置された2以上の放電部(第1放電部GP1、第2放電部GP2、第3放電部GP3、及び第4放電部GP4)と、素体4の内部に配置された放電誘発部24,25と、素体4の内部に配置された空洞部26〜29と、素体4の内部に配置されたコイルL1,L2と、を備えている。以下、素体4の積層方向をZ方向(上下方向)、積層方向の端面及び断面における短手方向(以下、単に「素体4の短手方向」という)をX方向、長手方向(以下、単に「素体4の長手方向」という)をY方向とする。
素体4は、複数の絶縁体層11が積層されて構成されている。各絶縁体層11は、略長方形状を有している。各絶縁体層11は、電気絶縁性を有する絶縁体であり、絶縁体グリーンシートの焼結体から構成される。実際の素体4では、各絶縁体層11は、その間の境界が視認できない程度に一体化されている。素体4は、外表面として、互いに対向する一対の端面4a,4bと、端面4a,4bに隣り合う四つの側面を有している。四つの側面のうち一の側面4cは、図示しない他の電子機器(例えば、回路基板又は電子部品など)に対面する面(実装面)として規定されている。
外部電極5は、素体4の側面4eに配置されている。外部電極5は、素体4の長手方向(図のY方向)における、端面4bよりも端面4aに近い位置に配置されている。外部電極5は、その一部が素体4の側面4c及び素体4の側面4dに回り込むようにして形成されている。
外部電極6は、素体4の側面4fに配置されている。外部電極6は、素体4の長手方向における、端面4bよりも端面4aに近い位置に配置されている。外部電極6は、その一部が素体4の側面4c及び素体4の側面4dに回り込むようにして形成されている。
外部電極7は、素体4の側面4eに配置されている。外部電極7は、素体4の長手方向における、端面4aよりも端面4bに近い位置に配置されている。外部電極7は、その一部が素体4の側面4c及び素体4の側面4dに回り込むようにして形成されている。
外部電極8は、素体4の側面4fに配置されている。外部電極8は、素体4の長手方向における、端面4aよりも端面4bに近い位置に配置されている。外部電極8は、その一部が素体4の側面4c及び素体4の側面4dに回り込むようにして形成されている。
外部電極9は、素体4の端面4aに配置されている。外部電極9は、素体4の短手方向(図のX方向)における、略中央の位置に配置されている。外部電極9は、その一部が素体4の側面4c及び素体4の側面4dに回り込むようにして形成されている。
外部電極10は、素体4の端面4bに配置されている。外部電極10は、素体4の短手方向における、略中央の位置に配置されている。外部電極10は、その一部が素体4の側面4c及び素体4の側面4dに回り込むようにして形成されている。
対向電極12は、素体4の長手方向における、端面4bよりも端面4aに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4fよりも側面4eに近い位置で配置されている。対向電極12は、第1引出部12a及び第1対向部12bを有している(図3参照)。第1引出部12aと第1対向部12bとは、互いに異なる絶縁体層11に配置されている。第1引出部12aは、素体4の短手方向に沿って延在するI字形状を有している。第1引出部12aの端部12cは、素体4の側面4e側に引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極5に接続される。第1対向部12bは、素体4の長手方向に沿って延在するI字形状を有している。第1対向部12bは、第1対向部12bと第1引出部12aとの間に位置するスルーホール導体13を介して、第1引出部12aに電気的に接続される。
対向電極14は、素体4の長手方向における、端面4aよりも端面4bに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4fよりも側面4eに近い位置で配置されている。対向電極14は、第1引出部14a及び第1対向部14bを有している。第1引出部14aは、対向電極12の第1対向部12bが配置された層とは別の絶縁体層11に配置され、第1対向部14bは、対向電極12の第1対向部12bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第1引出部14aと第1対向部14bとは、互いに異なる絶縁体層11に配置されている。第1引出部14aは、素体4の短手方向に沿って延在するI字形状を有している。第1引出部14aの端部14cは、素体4の側面4e側に引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極7に接続される。第1対向部14bは、素体4の長手方向に沿って延在するI字形状を有している。第1対向部14bは、第1対向部14bと第1引出部14aとの間に位置するスルーホール導体15を介して、第1引出部14aに電気的に接続される。
対向電極16は、素体4の長手方向における、端面4bよりも端面4aに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4eよりも側面4fに近い位置で配置されている。対向電極16は、第1引出部16a及び第1対向部16bを有している。第1引出部16aは、対向電極12の第1対向部12bが配置された層とは別の絶縁体層11に配置され、第1対向部16bは、対向電極12の第1対向部12bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第1引出部16aと第1対向部16bとは、互いに異なる絶縁体層11に配置されている。第1引出部16aは、素体4の短手方向に沿って延在するI字形状を有している。第1引出部16aの端部16cは、素体4の側面4f側に引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極6に接続される。第1対向部16bは、素体4の長手方向に沿って延在するI字形状を有している。第1対向部16bは、第1対向部16bと第1引出部16aとの間に位置するスルーホール導体17を介して、第1引出部16aに電気的に接続される。
対向電極18は、素体4の長手方向における、端面4aよりも端面4bに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4eよりも側面4fに近い位置で配置されている。対向電極18は、第1引出部18a及び第1対向部18bを有している。第1引出部18aは、対向電極12の第1対向部12bが配置された層とは別の絶縁体層11に配置され、第1対向部18bは、対向電極12の第1対向部12bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第1引出部18aと第1対向部18bとは、互いに異なる絶縁体層11に配置されている。第1引出部18aは、素体4の短手方向に沿って延在するI字形状を有している。第1引出部18aの端部18cは、素体4の側面4f側に引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極8に接続される。第1対向部18bは、素体4の長手方向に沿って延在するI字形状を有している。第1対向部18bは、第1対向部18bと第1引出部18aとの間に位置するスルーホール導体19を介して、第1引出部18aに電気的に接続される。
グラウンド電極20は、素体4の短手方向における、略中央の位置で配置されている。グラウンド電極20は、第2引出部20a、第2引出部20b、第2対向部20c、及び第2対向部20dを有している。第2引出部20a及び第2引出部20bは、対向電極12の第1対向部12bが配置された層とは別の絶縁体層11に配置され、第2対向部20c及び第2対向部20dは、対向電極12の第1対向部12bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第2引出部20a及び第2引出部20bと、第2対向部20c及び第2対向部20dとは、互いに異なる絶縁体層11に配置されている。
第2引出部20aは、素体4の長手方向における、端面4bよりも端面4aに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、略中央の位置で配置されている。第2引出部20aは、素体4の長手方向に沿って延在するI字形状を有している。第2引出部20aの端部20gは、素体4の端面4a側に引き出され、当該端面4aに露出しており、外部電極9に接続される。
第2引出部20bは、素体4の長手方向における、端面4aよりも端面4bに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、略中央の位置で配置されている。第2引出部20bは、素体4の長手方向に沿って延在するI字形状を有している。第2引出部20bの端部20hは、素体4の端面4b側に引き出され、当該端面4bに露出しており、外部電極10に接続される。
第2対向部20c及び第2対向部20dは、それぞれ素体4の長手方向に延在している。第2対向部20cの一端と第2対向部20dの一端とは、互いに接続されることにより、接続部20eを構成している。接続部20eは、スルーホール導体21を介して第2引出部20aに電気的に接続される。これにより、第2対向部20c及び第2対向部20dは、スルーホール導体21を介して第2引出部20aに電気的に接続される。第2対向部20cの他端と第2対向部20dの他端とは、互いに接続されることにより、接続部20fを構成している。接続部20fは、スルーホール導体22を介して第2引出部20bに電気的に接続される。これにより、第2対向部20c及び第2対向部20dは、スルーホール導体22を介して第2引出部20bに電気的に接続される。第2対向部20c、第2対向部20d、接続部20e、及び接続部20fにより、同一の絶縁体層11上にループ状の導体パターンが形成されている。第2対向部20cと第2対向部20dとは、接続部20e及び接続部20fを分岐点として互いに分かれて素体4の長手方向に延在している。
第2対向部20cは、対向電極12の第1対向部12b及び対向電極14の第1対向部14bと離間して対向配置されている。これにより、対向電極12の第1対向部12bとグラウンド電極20の第2対向部20cとの間に第1放電部GP1が形成され(図4参照)、対向電極14の第1対向部14bとグラウンド電極20の第2対向部20cとの間に第2放電部GP2が形成される(図5参照)。このような構成により、外部電極5及び外部電極9の間に所定以上の電圧が印加されると、第1放電部GP1において放電が生じる。同様にして、外部電極7及び外部電極10の間に所定以上の電圧が印加されると、第2放電部GP2において放電が生じる。
第2対向部20dは、対向電極16の第1対向部16b及び対向電極18の第1対向部18bと離間して対向配置されている。これにより、対向電極16の第1対向部16bとグラウンド電極20の第2対向部20dとの間に第3放電部GP3が形成され(図4参照)、対向電極18の第1対向部18bとグラウンド電極20の第2対向部20dとの間に第4放電部GP4が形成される(図5参照)。このような構成により、外部電極6及び外部電極9の間に所定以上の電圧が印加されると、第3放電部GP3において放電が生じる。同様にして、外部電極8及び外部電極10の間に所定以上の電圧が印加されると、第4放電部GP4において放電が生じる。
放電誘発部24は、第1放電部GP1及び第3放電部GP3に位置し、第1放電部GP1及び第3放電部GP3における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部24は、対向電極12の第1対向部12bとグラウンド電極20の第2対向部20cとを接続すると共に、対向電極16の第1対向部16bとグラウンド電極20の第2対向部20dとを接続している。
放電誘発部25は、第2放電部GP2及び第4放電部GP4に位置し、第2放電部GP2及び第4放電部GP4における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部25は、対向電極14の第1対向部14bとグラウンド電極20の第2対向部20cとを接続すると共に、対向電極18の第1対向部18bとグラウンド電極20の第2対向部20dとを接続している。
空洞部26は、第1放電部GP1に形成されている。空洞部26は、第1対向部12b、第2対向部20c、絶縁体層11、及び放電誘発部24の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部27は、第2放電部GP2に形成されている。空洞部27は、第1対向部14b、第2対向部20c、絶縁体層11、及び放電誘発部25の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部28は、第3放電部GP3に形成されている。空洞部28は、第1対向部16b、第2対向部20d、絶縁体層11、及び放電誘発部24の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部29は、第4放電部GP4に形成されている。空洞部29は、第1対向部18b、第2対向部20d、絶縁体層11、及び放電誘発部25の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。
コイルL1とコイルL2とは、絶縁体層11の積層方向において、対向電極12,14,16,18及びグラウンド電極20が配置された層よりも、素体4の側面4cの近くに配置されている。コイルL1とコイルL2とは、素体4の側面4cに近い方からコイルL2及びコイルL1の順に併置されている。コイルL1は、素体4の内部において絶縁体層11の積層方向に併置される複数の内部導体である導体51及び導体52の端部同士が、導体51及び導体52の間に位置するスルーホール導体56で接続されることにより構成されている。導体51は、スパイラル状を呈している。導体51及び導体52は、絶縁体層11の積層方向に、素体4の側面4cに近い方から、導体51及び導体52の順に併置されている。
導体51の端部51aは、素体4の側面4eまで引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極5と接続される。導体52の端部52aは、素体4の側面4fまで引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極6と接続される。よって、コイルL1は、外部電極5及び外部電極6と電気的に接続される。
コイルL2は、素体4の内部において絶縁体層11の積層方向に併置される複数の内部導体である導体53及び導体54の端部同士が、導体53及び導体54の間に位置するスルーホール導体55で接続されることにより構成されている。導体54は、スパイラル状を呈している。導体53及び導体54は、絶縁体層11の積層方向に、素体4の側面4dに近い方から、導体53及び導体54の順に併置されている。
導体53の端部53aは、素体4の側面4eまで引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極7と接続される。導体54の端部54aは、素体4の側面4fまで引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極8と接続される。よって、コイルL2は、外部電極7及び外部電極8と電気的に接続される。
コイルL1とコイルL2とは、スパイラル形状を呈する導体52及び導体54が磁気的に結合することで、いわゆるコモンモードフィルタを構成している。
次に、各構成要素の材料について詳細に説明する。
外部電極5〜10と、対向電極12,14,16,18と、グラウンド電極20とは、それぞれAg、Pd、Au、Pt、Cu、Ni、Al、Mo、又はWを含有する導体材料によって構成される。外部電極5〜10は、合金として、Ag/Pd合金、Ag/Cu合金、Ag/Au合金、又はAg/Pt合金などを用いることができる。
絶縁体層11は、Fe2O3、NiO、CuO、ZnO、MgO、SiO2、TiO2、Mn2O3、SrO、CaO、BaO、SnO2、K2О、Al2O3、ZrO2、又はB2O3などの中の単独材料によって構成される。絶縁体層11は、これらの二種類以上を混合させたセラミック材料によって構成されてもよい。絶縁体層11には、ガラスが含有されていてもよい。絶縁体層11には、低温焼結を可能とするために酸化銅(CuO又はCu2O)が含有されていることが好ましい。
各導体51〜54、各スルーホール導体13,15,17,19,21,22,55,56は、例えばAg又はPdなどの導体材料を含んでいる。各導体51〜54、各スルーホール導体13,15,17,19,21,22,55,56は、上記導体材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
放電誘発部24,25は、Fe2O3、NiO、CuO、ZnO、MgO、SiO2、TiO2、Mn2O3、SrO、CaO、BaO、SnO2、K2О、Al2O3、ZrO2、又はB2O3などの中の単独材料を含んで構成される。放電誘発部24,25は、これらの二種類以上を混合させた材料を含んで構成されてもよい。放電誘発部24,25には、Ag、Pd、Au、Pt、Ag/Pd合金、Ag/Cu合金、Ag/Au合金、又はAg/Pt合金などの金属粒子が含有されている。放電誘発部24,25に金属粒子として含有されている金属材料の融点は、コイルL1を構成する各導体51〜54に含有されている導体材料の融点よりも高くてもよい。放電誘発部24,25には、RuO2などの半導体粒子が含有されていることが好ましい。放電誘発部24,25には、ガラス又は酸化鉛(SnO又はSnO2)が含有されていてもよい。
次に、図6を参照して、本実施形態における静電気保護部品の製造方法について説明する。図6は、本実施形態に係る静電気保護部品の製造方法を示すフロー図である。
まず、絶縁体層11を構成する材料のスラリーを調合し(S1)、絶縁体層11用のグリーンシートを形成する(S2)。具体的には、酸化銅(CuO)を含む所定量の誘電体粉末と、有機溶剤及び有機バインダを含む有機ビヒクルと、を混合し、絶縁体層11用のスラリーを調合する。誘電体粉末には、Mg、Cu、Zn、Si、又はSrの酸化物(他の誘電体材料でもよい)を主成分として含む誘電体材料を用いることができる。その後、ドクターブレード法などによって、PETフィルム上にスラリーを塗布し、厚さ20μm程度のグリーンシートを形成する。なお、各絶縁体層11における各スルーホール導体31〜37の形成予定位置には、レーザ加工によって貫通孔が形成されている。
絶縁体層11用のグリーンシートを形成した後、当該グリーンシートの所定の位置に、放電誘発材料スラリー、導体ペースト、及び溶剤(空洞用ラッカー)をそれぞれ印刷する(S3)。放電誘発材料スラリーの印刷は、絶縁体層11用のシートに、焼成後の放電誘発部24,25を形成するための放電誘発材料スラリーを調合して塗布することにより行う(S3A)。具体的には、所定量に秤量した酸化錫、絶縁体、及び導体の各粉末と、有機溶剤及び有機バインダを含む有機ビヒクルと、を混合し、放電誘発材料スラリーを調合する。例えば、酸化錫として工業用のSnO2を使用でき、絶縁体として誘電体粉末を使用できる。誘電体粉末には、Mg、Cu、Zn、Si、又はSrの酸化物(他の誘電体材料でもよい)を主成分として含む誘電体材料を用いることができる。導体粉末として、Ag/Pd粉を用いることができる(Ag、Pd、Au、Pt、又はその混合物若しくは化合物などでもよい)。酸化錫の粒子とAg/Pd合金の金属粒子が混在する状態となるように、各粉末を十分に混合する。放電誘発材料スラリーは、後述する焼成工程により、放電誘発部24,25となる。
導体ペーストの印刷は、絶縁体層11用のグリーンシートに、導体パターンを形成するための導体ペーストをスクリーン印刷などによって塗布することにより行う(S3B)。導体パターンは、後述する焼成工程により、各導体51〜54、対向電極12,14,16,18、及び、グラウンド電極20となる。各導体パターンは、スクリーン印刷した後、乾燥することによって形成される。貫通孔には、各導体パターンの形成の際に導体ペーストが充填される。貫通孔に充填された導体ペーストは、後述する焼成工程により、各スルーホール導体13,15,17,19,21,22,55,56となる。
空洞用ラッカーの印刷は、絶縁体層11用のグリーンシートに、既に印刷された対向電極12の第1対向部12b及びグラウンド電極20の第2対向部20cを形成するための導体ペーストと、既に印刷された対向電極14の第1対向部14b及びグラウンド電極20の第2対向部20cを形成するための導体ペーストと、既に印刷された対向電極16の第1対向部16b及びグラウンド電極20の第2対向部20dを形成するための導体ペーストと、既に印刷された対向電極18の第1対向部18b及びグラウンド電極20の第2対向部12dを形成するための導体ペーストと、をそれぞれ覆うように、空洞用ラッカーを塗布することにより行う(S3C)。空洞用ラッカーは、空洞部26,27,28,29を形成するための塗料である。
放電誘発材料スラリー、導体ペースト、及び空洞用ラッカーが印刷された絶縁体層11用のグリーンシートを、順次積層させ(S4)、プレスし(S5)、個々の静電気保護部品1の大きさになるように積層体を切断する(S6)。絶縁体層11用のグリーンシートの積層順序は、焼成後に形成される各構成の積層方向における順序が、回路基板に対する実装面である素体4の側面4cに近い方から順に、各導体51〜54、放電誘発部24,25、第1引出部12a,14a,16a,18a及び第2引出部20a,20b、第1対向部12b,14b,16b,18b及び第2対向部20c,20d、空洞部26〜29となるように編集する。
続いて、絶縁体層11用のグリーンシートの積層体が切断されて得られた各グリーンチップのバレル研磨を行う(S7)。これにより、角部や稜線が丸められたグリーンチップが得られる。
次に、バレル研磨工程の後、グリーンチップを所定の条件(例えば、大気中で850〜950℃で2時間)焼成する(S8)。これにより、グリーンチップは、焼成により、素体4となる。これにより、第1対向部12b及び第2対向部20cの間に第1放電部GP1、第1対向部14b及び第2対向部20cの間に第2放電部GP2、第1対向部16b及び第2対向部20dの間に第3放電部GP3、並びに、第1対向部18b及び第2対向部20dの間に第4放電部GP4が形成される。また、焼成工程では、空洞用ラッカーが消失し、第1放電部GP1を覆う空洞部26、第2放電部GP2を覆う空洞部27、第3放電部GP3を覆う空洞部28、及び、第4放電部GP4を覆う空洞部29が形成される。即ち、焼成工程を経ることにより、第1放電部GP1、第2放電部GP2、第3放電部GP3、及び、第4放電部GP4が備えられた中間体が得られる。
続いて、素体4に外部電極5〜10用の導体ペーストを塗布し(S9)、所定条件(例えば、大気中で600〜800℃で2時間)にて熱処理を行い、外部電極5〜10を焼き付けて形成する(S10)。その後、外部電極5〜10の表面にめっきを施す(S12)。めっきは、電解めっきが好ましく、例えば、Ni/Sn、Cu/Ni/Sn、Ni/Pd/Au、Ni/Pd/Ag、Ni/Agなどを用いることができる。
以上の過程を経て、静電気保護部品1Aが得られる。
以上、本実施形態に係る静電気保護部品1Aによれば、対向電極12,14,16,18において、第1引出部12a,14a,16a,18aと第1対向部12b,14b,16b,18bとが、異なる層に配置されていると共にスルーホール導体13,15,17,19を介して電気的に接続されている。グラウンド電極20において、第2引出部20a,20bと第2対向部20c,20dとが、異なる層に配置されていると共にスルーホール導体21,22を介して電気的に接続されている。よって、同一の層内における電極の総面積を少なくすることができる。これにより、絶縁体層11同士の密着性が向上するので、構造上の欠陥が生じる可能性を減らすことができ、当該欠陥によるめっき液の侵入を抑制することができる。したがって、対向電極12の第1対向部12bとグラウンド電極20の第2対向部20cとの間に形成される第1放電部GP1、対向電極14の第1対向部14bとグラウンド電極20の第2対向部20dとの間に形成される第2放電部GP2、対向電極16の第1対向部16bとグラウンド電極20の第2対向部20dとの間に形成される第3放電部GP3、及び、対向電極18の第1対向部18bとグラウンド電極20の第2対向部20dとの間に形成される第4放電部GP4に、めっき液が侵入することを抑制することができる。特に、本実施形態によれば、対向電極12,14,16,18及びグラウンド電極20のいずれにおいても、第1引出部12a,14a,16a,18a及び第2引出部20a,20bが、第1対向部12b,14b,16b,18b及び第2対向部20c,20dが配置された層とは別の層に配置されるので、同一の層内における電極の総面積を極力少なくすることができ、放電を生じる放電部にめっき液が侵入することをより確実に抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、図1,図2及び図7〜図9を参照して、第2実施形態に係る静電気保護部品の構成を説明する。図7は、第2実施形態に係る素体の、第1〜第4放電部を含む部分の構成を示す分解斜視図である。図8は、第2実施形態に係る静電気保護部品の、第1放電部及び第3放電部を含む断面構成を示す図である。図9は、第2実施形態に係る静電気保護部品の、第2放電部及び第4放電部を含む断面構成を示す図である。
次に、図1,図2及び図7〜図9を参照して、第2実施形態に係る静電気保護部品の構成を説明する。図7は、第2実施形態に係る素体の、第1〜第4放電部を含む部分の構成を示す分解斜視図である。図8は、第2実施形態に係る静電気保護部品の、第1放電部及び第3放電部を含む断面構成を示す図である。図9は、第2実施形態に係る静電気保護部品の、第2放電部及び第4放電部を含む断面構成を示す図である。
第2実施形態に係る静電気保護部品1Bは、第1実施形態に係る静電気保護部品1A同様、略直方体形状を呈する素体4と、素体4の外表面に配置された外部電極5〜10と、素体4の内部に配置されたコイルL1,L2と、を備えている。素体4と、外部電極5〜10とコイルL1,L2の構成は、第1実施形態と同様である(図1及び図2参照)。図7〜図9に示されるように、第2実施形態に係る静電気保護部品1Bにおいては、第1〜第4放電部を含む部分の構成が、第1実施形態に係る静電気保護部品1Aとは異なっている。具体的には、対向電極12,14,16,18、グラウンド電極20、第1放電部GP1、第2放電部GP2、第3放電部GP3、第4放電部GP4、放電誘発部24,25、及び、空洞部26〜29の代わりに、静電気保護部品1Bは、対向電極30,31,32,33、グラウンド電極34、第1放電部GP5、第2放電部GP6、第3放電部GP7、第4放電部GP8、放電誘発部36〜39、及び、空洞部40〜43、を備えている。
対向電極30は、素体4の長手方向における、端面4bよりも端面4aに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4fよりも側面4eに近い位置で配置されている。対向電極30は、L字形状を有している。対向電極30は、第1引出部30a及び第1対向部30bを有している。第1引出部30aと第1対向部30bとは、同一の絶縁体層11に配置されている。第1引出部30aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部30aの端部30cは、素体4の側面4e側に引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極5に接続される。第1対向部30bは、素体4の長手方向に沿って延在している。
対向電極31は、素体4の長手方向における、端面4aよりも端面4bに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4fよりも側面4eに近い位置で配置されている。対向電極31は、L字形状を有している。対向電極31は、第1引出部31a及び第1対向部31bを有している。第1引出部31a及び第1対向部31bは、いずれも対向電極30の第1対向部30bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第1引出部31aと第1対向部31bとは、同一の絶縁体層11に配置されている。第1引出部31aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部31aの端部31cは、素体4の側面4e側に引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極7に接続される。第1対向部31bは、素体4の長手方向に沿って延在している。
対向電極32は、素体4の長手方向における、端面4bよりも端面4aに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4eよりも側面4fに近い位置で配置されている。対向電極32は、L字形状を有している。対向電極32は、第1引出部32a及び第1対向部32bを有している。第1引出部32a及び第1対向部32bは、いずれも対向電極30の第1対向部30bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第1引出部32aと第1対向部32bとは、同一の絶縁体層11に配置されている。第1引出部32aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部32aの端部32cは、素体4の側面4f側に引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極6に接続される。第1対向部32bは、素体4の長手方向に沿って延在している。
対向電極33は、素体4の長手方向における、端面4aよりも端面4bに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4eよりも側面4fに近い位置で配置されている。対向電極33は、L字形状を有している。対向電極33は、第1引出部33a及び第1対向部33bを有している。第1引出部33a及び第1対向部33bは、いずれも対向電極30の第1対向部30bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第1引出部33aと第1対向部33bとは、同一の絶縁体層11に配置されている。第1引出部33aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部33aの端部33cは、素体4の側面4f側に引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極8に接続される。第1対向部33bは、素体4の長手方向に沿って延在している。
グラウンド電極34は、第2引出部34a、第2対向部34b、及び、第2対向部34cを有している。第2引出部34aは、対向電極30の第1対向部30bが配置された層とは別の絶縁体層11に配置され、第2対向部34b及び第2対向部34cは、対向電極30の第1対向部30bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第2引出部34aと、第2対向部34b及び第2対向部34cとは、互いに異なる絶縁体層11に配置されている。
第2引出部34aは、素体4の短手方向における、略中央の位置に配置され、素体4の長手方向に延在している。第2引出部34aの端部34eは、素体4の端面4a側に引き出され、当該端面4aに露出しており、外部電極9に接続される。第2引出部34aの端部34fは、素体4の端面4b側に引き出され、当該端面4bに露出しており、外部電極10に接続される。
第2対向部34b及び第2対向部34cは、それぞれ離間して素体4の長手方向に延在している。第2対向部34bの延在方向における略中央部と第2対向部34cの延在方向における略中央部とは、互いに接続されることにより、接続部34dを構成している。接続部34dは、素体4の短手方向に延在している。接続部34dは、スルーホール導体35を介して第2引出部34aに電気的に接続される。これにより、第2対向部34b及び第2対向部34cは、スルーホール導体35を介して第2引出部34aに電気的に接続される。第2対向部34b、第2対向部34c、接続部34dにより、同一の絶縁体層11上にH形状の導体パターンが形成されている。
第2対向部34bは、対向電極30の第1対向部30b及び対向電極31の第1対向部31bよりも、第1引出部30a及び第1引出部31aが露出する側の素体4の外表面である側面4eに近い位置に配置されている。つまり、第1対向部30b,31bは、第2対向部34bに比して、素体4の側面4eから離れて配置されている。第1引出部30aにおける、素体4の側面4e側から第1対向部30b側までの長さは、即ち、対向電極30における、素体4の側面4eへ露出する部分から第1対向部30b側までの距離である。第1引出部31aにおける、素体4の側面4e側から第1対向部31b側までの長さは、即ち、対向電極31における、素体4の側面4eへ露出する部分から第1対向部31b側までの距離である。
第2対向部34bは、対向電極30の第1対向部30b及び対向電極31の第1対向部31bと離間して対向配置されている。これにより、対向電極30の第1対向部30bとグラウンド電極34の第2対向部34bとの間に第1放電部GP5が形成され(図8参照)、対向電極31の第1対向部31bとグラウンド電極34の第2対向部34bとの間に第2放電部GP6が形成される(図9参照)。このような構成により、外部電極5及び外部電極9の間に所定以上の電圧が印加されると、第1放電部GP5において放電が生じる。同様にして、外部電極7及び外部電極10の間に所定以上の電圧が印加されると、第2放電部GP6において放電が生じる。
第2対向部34cは、対向電極32の第1対向部32b及び対向電極33の第1対向部33bよりも、第1引出部32a及び第1引出部33aが露出する側の素体4の外表面である側面4fに近い位置に配置されている。つまり、第1対向部32b,33bは、第2対向部34cに比して、素体4の側面4fから離れて配置されている。第1引出部32aにおける、素体4の側面4f側から第1対向部32b側までの長さは、即ち、対向電極32における、素体4の側面4fへ露出する部分から第1対向部32b側までの距離である。第1引出部33aにおける、素体4の側面4f側から第1対向部33bまでの長さは、即ち、対向電極33における、素体4の側面4fへ露出する部分から第1対向部33b側までの距離である。
第2対向部34cは、対向電極32の第1対向部32b及び対向電極33の第1対向部33bと離間して対向配置されている。これにより、対向電極32の第1対向部32bとグラウンド電極34の第2対向部34cとの間に第3放電部GP7が形成され(図8参照)、対向電極33の第1対向部33bとグラウンド電極34の第2対向部34cとの間に第4放電部GP8が形成される(図9参照)。このような構成により、外部電極6及び外部電極9の間に所定以上の電圧が印加されると、第3放電部GP7において放電が生じる。同様にして、外部電極8及び外部電極10の間に所定以上の電圧が印加されると、第4放電部GP8において放電が生じる。
放電誘発部36は、第1放電部GP5に位置し、第1放電部GP5における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部36は、対向電極30の第1対向部30bとグラウンド電極34の第2対向部34bとを接続している。放電誘発部37は、第2放電部GP6に位置し、第2放電部GP6における放電を発生し易くする機能を有している放電誘発部37は、対向電極31の第1対向部31bとグラウンド電極34の第2対向部34bとを接続している。
放電誘発部38は、第3放電部GP7に位置し、第3放電部GP7における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部38は、対向電極32の第1対向部32bとグラウンド電極34の第2対向部34cとを接続している。放電誘発部39は、第4放電部GP8に位置し、第4放電部GP8における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部37は、対向電極31の第1対向部31bとグラウンド電極34の第2対向部34cとを接続している。
空洞部40は、第1放電部GP5に形成されている。空洞部40は、第1対向部30b、第2対向部34b、絶縁体層11、及び放電誘発部36の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部41は、第2放電部GP6に形成されている。空洞部41は、第1対向部31b、第2対向部34b、絶縁体層11、及び放電誘発部37の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部42は、第3放電部GP7に形成されている。空洞部42は、第1対向部32b、第2対向部34c、絶縁体層11、及び放電誘発部38の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部43は、第4放電部GP8に形成されている。空洞部43は、第1対向部33b、第2対向部34c、絶縁体層11、及び放電誘発部39の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。
以上、本実施形態に係る静電気保護部品1Bにおいても、上記実施形態と同様の効果を奏する。即ち、対向電極30,31,32,33及びグラウンド電極34のうち、グラウンド電極34において、第2引出部34aと第2対向部34b,34cとが、異なる層に配置されていると共にスルーホール導体35を介して電気的に接続されている。よって、同一の層内における電極の総面積を少なくすることができる。これにより、絶縁体層11同士の密着性が向上するので、構造上の欠陥が生じる可能性を減らすことができ、当該欠陥によるめっき液の侵入を抑制することができる。したがって、対向電極30の第1対向部30bとグラウンド電極34の第2対向部34bとの間に形成される第1放電部GP5、対向電極31の第1対向部31bとグラウンド電極34の第2対向部34cとの間に形成される第2放電部GP6、対向電極32の第1対向部32bとグラウンド電極34の第2対向部34cとの間に形成される第3放電部GP7、及び、対向電極33の第1対向部33bとグラウンド電極34の第2対向部34cとの間に形成される第4放電部GP8に、めっき液が侵入することを抑制することができる。
特に、本実施形態によれば、対向電極30,31,32,33の第1対向部30b,31b,32b,33b及びグラウンド電極34の第2対向部が配置された層とは別の層に、グラウンド電極34の第2引出部34aが配置されるので、第1対向部30b,31b,32b,33b及び第2対向部34bが配置された層においては、第2引出部34aの導体パターンによらず、第1対向部30b,31b,32b,33b及び第2対向部34bの導体パターンを自由に決定することができる。
更に、第2対向部34bは、対向電極30の第1対向部30b及び対向電極31の第1対向部31bよりも、第1対向部30bに接続された第1引出部30a及び第1対向部31bに接続された第1引出部31aが露出する側の素体4の外表面である側面4eに近い位置に配置されている。第2対向部34cは、対向電極32の第1対向部32b及び対向電極33の第1対向部33bよりも、第1対向部32bに接続された第1引出部32a及び第1対向部33bに接続された第1引出部33aが露出する側の素体4の外表面である側面4fに近い位置に配置されている。つまり、第1対向部30b,31bは、第2対向部34bに比して、素体4の側面4eから離れて配置されており、第1対向部32b,33bは、第2対向部34cに比して、素体4の側面4fから離れて配置されている。このため、対向電極30〜33における、素体4の側面4e,4fへ露出する部分から第1対向部30b,31b,32b,33b側までの距離を長くすることができ、当該露出する部分から入り込んだめっき液が第1対向部30b,31b,32b,33bまで侵入するのを抑制することができる。したがって、第1放電部GP5、第2放電部GP6、第3放電部GP7、及び第4放電部GP8にめっき液が侵入することを抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、図1,図2及び図10〜図12を参照して、第3実施形態に係る静電気保護部品の構成を説明する。図10は、第3実施形態に係る素体の、第1〜第4放電部を含む部分の構成を示す分解斜視図である。図11は、第3実施形態に係る静電気保護部品の、第1放電部及び第3放電部を含む断面構成を示す図である。図12は、第3実施形態に係る静電気保護部品の、第2放電部及び第4放電部を含む断面構成を示す図である。
次に、図1,図2及び図10〜図12を参照して、第3実施形態に係る静電気保護部品の構成を説明する。図10は、第3実施形態に係る素体の、第1〜第4放電部を含む部分の構成を示す分解斜視図である。図11は、第3実施形態に係る静電気保護部品の、第1放電部及び第3放電部を含む断面構成を示す図である。図12は、第3実施形態に係る静電気保護部品の、第2放電部及び第4放電部を含む断面構成を示す図である。
第3実施形態に係る静電気保護部品1Cは、第1実施形態に係る静電気保護部品1A同様、略直方体形状を呈する素体4と、素体4の外表面に配置された外部電極5〜10と、素体4の内部に配置されたコイルL1,L2と、を備えている。素体4と、外部電極5〜10とコイルL1,L2の構成は、第1実施形態と同様である(図1及び図2参照)。図10〜図12に示されるように、第3実施形態に係る静電気保護部品1Cにおいても、第2実施形態に係る静電気保護部品1Bと同様、第1〜第4放電部を含む部分の構成が、第1実施形態に係る静電気保護部品1Aとは異なっている。具体的には、対向電極12,14,16,18、グラウンド電極20、第1放電部GP1、第2放電部GP2、第3放電部GP3、第4放電部GP4、放電誘発部24,25、及び、空洞部26〜29の代わりに、静電気保護部品1Cは、対向電極60,62,64,66、グラウンド電極68、第1放電部GP9、第2放電部GP10、第3放電部GP11、第4放電部GP12、放電誘発部70〜73、及び、空洞部74〜77を備えている。
対向電極60は、素体4の長手方向における、端面4bよりも端面4aに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4fよりも側面4eに近い位置で配置されている。対向電極60は、第1引出部60a及び第1対向部60bを有している。第1引出部60aと第1対向部60bとは、互いに異なる絶縁体層11に配置されている。第1引出部60aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部60aの端部60cは、素体4の側面4e側に引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極5に接続される。第1対向部60bは、素体4の長手方向に沿って延在すると共に、その一端が素体4の短手方向に沿って延在するように曲げられることにより、接続部60dを構成している。接続部60dは、スルーホール導体61を介して第1引出部60aに電気的に接続される。これにより、第1対向部60bは、スルーホール導体61を介して第1引出部60aに電気的に接続される。
対向電極62は、素体4の長手方向における、端面4aよりも端面4bに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4fよりも側面4eに近い位置で配置されている。対向電極62は、第1引出部62a及び第1対向部62bを有している。第1引出部62aは、対向電極60の第1対向部60bが配置された層とは別の絶縁体層11に配置され、第1対向部62bは、対向電極60の第1対向部60bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第1引出部62aと第1対向部62bとは、互いに異なる絶縁体層11に配置されている。第1引出部62aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部62aの端部62cは、素体4の側面4e側に引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極7に接続される。第1対向部62bは、素体4の長手方向に沿って延在すると共に、その一端が素体4の短手方向に沿って延在するように曲げられることにより、接続部62dを構成している。接続部62dは、スルーホール導体63を介して第1引出部62aに接続される。これにより、第1対向部62bは、スルーホール導体63を介して第1引出部62aに電気的に接続される。
対向電極64は、素体4の長手方向における、端面4bよりも端面4aに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4eよりも側面4fに近い位置で配置されている。対向電極64は、第1引出部64a及び第1対向部64bを有している。第1引出部64aは、対向電極60の第1対向部60bが配置された層とは別の絶縁体層11に配置され、第1対向部64bは、対向電極60の第1対向部60bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第1引出部64aと第1対向部64bとは、互いに異なる絶縁体層11に配置されている。第1引出部64aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部64aの端部64cは、素体4の側面4f側に引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極6に接続される。第1対向部64bは、素体4の長手方向に沿って延在すると共に、その一端が素体4の短手方向に沿って延在するように曲げられることにより、接続部64dを構成している。接続部64dは、スルーホール導体65を介して第1引出部64aに電気的に接続される。これにより、第1対向部64bは、スルーホール導体65を介して第1引出部64aに電気的に接続される。
対向電極66は、素体4の長手方向における、端面4aよりも端面4bに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4eよりも側面4fに近い位置で配置されている。対向電極66は、第1引出部66a及び第1対向部66bを有している。第1引出部66aは、対向電極60の第1対向部60bが配置された層とは別の絶縁体層11に配置され、第1対向部66bは、対向電極60の第1対向部60bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第1引出部66aと第1対向部66bとは、互いに異なる絶縁体層11に配置されている。第1引出部66aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部66aの端部66cは、素体4の側面4f側に引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極8に接続される。第1対向部66bは、素体4の長手方向に沿って延在すると共に、その一端が素体4の短手方向に沿って延在するように曲げられることにより、接続部66dを構成している。接続部66dは、スルーホール導体67を介して第1引出部66aに電気的に接続される。これにより、第1対向部66bは、スルーホール導体67を介して第1引出部66aに電気的に接続される。
グラウンド電極68は、第2引出部68a、第2対向部68b、及び、第2対向部68cを有している。第2引出部68aは、対向電極60の第1対向部60bが配置された層とは別の絶縁体層11に配置され、第2対向部68b及び第2対向部68cは、対向電極60の第1対向部60bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第2引出部68aと、第2対向部68b及び第2対向部68cとは、互いに異なる絶縁体層11に配置されている。
第2引出部68aは、素体4の短手方向における、略中央の位置に配置され、素体4の長手方向に延在している。第2引出部68aの端部68eは、素体4の端面4a側に引き出され、当該端面4aに露出しており、外部電極9に接続される。第2引出部68aの端部68fは、素体4の端面4b側に引き出され、当該端面4bに露出しており、外部電極10に接続される。
第2対向部68b及び第2対向部68cは、それぞれ離間して素体4の長手方向に延在している。第2対向部68bの延在方向における略中央部と第2対向部68cの延在方向における略中央部とは、互いに接続されることにより、接続部68dを構成している。接続部68dは、素体4の短手方向に延在している。接続部68dは、スルーホール導体69を介して第2引出部68aに電気的に接続される。これにより、第2対向部68b及び第2対向部68cは、スルーホール導体69を介して第2引出部68aに電気的に接続される。第2対向部68b、第2対向部68c、接続部68dにより、同一の絶縁体層11上にH形状の導体パターンが形成されている。
第2対向部68bは、対向電極60の第1対向部60b及び対向電極62の第1対向部62bよりも、素体4の外表面側である側面4eに近い位置に配置されている。つまり、第1対向部60b,62bは、第2対向部68bに比して、素体4の側面4eから離れて配置されている。第1引出部60aにおける、素体4の側面4e側から第1対向部60b側までの長さは、即ち、対向電極60における、素体4の側面4eへ露出する部分から第1対向部60b側までの距離である。第1引出部62aにおける、素体4の側面4e側から第1対向部62b側までの長さは、即ち、対向電極62における、素体4の側面4eへ露出する部分から第1対向部62b側までの距離である。
第2対向部68bは、対向電極60の第1対向部60b及び対向電極62の第1対向部62bと離間して対向配置されている。これにより、対向電極60の第1対向部60bとグラウンド電極68の第2対向部68bとの間に第1放電部GP9が形成され(図11参照)、対向電極62の第1対向部62bとグラウンド電極68の第2対向部68bとの間に第2放電部GP10が形成される(図12参照)。このような構成により、外部電極5及び外部電極9の間に所定以上の電圧が印加されると、第1放電部GP9において放電が生じる。同様にして、外部電極7及び外部電極10の間に所定以上の電圧が印加されると、第2放電部GP10において放電が生じる。
第2対向部68cは、対向電極64の第1対向部64b及び対向電極66の第1対向部66bよりも、素体4の外表面側である側面4fに近い位置に配置されている。つまり、第1対向部64b,66bは、第2対向部68cに比して、素体4の側面4fから離れて配置されている。第1引出部64aにおける、素体4の側面4f側から第1対向部64b側までの長さは、即ち、対向電極64における、素体4の側面4fへ露出する部分から第1対向部64b側までの距離である。第1引出部66aにおける、素体4の側面4f側から第1対向部66bまでの長さは、即ち、対向電極66における、素体4の側面4fへ露出する部分から第1対向部66b側までの距離である。
第2対向部68cは、対向電極64の第1対向部64b及び対向電極66の第1対向部66bと離間して対向配置されている。これにより、対向電極64の第1対向部64bとグラウンド電極68の第2対向部68cとの間に第3放電部GP11が形成され(図11参照)、対向電極64の第1対向部64bとグラウンド電極68の第2対向部68cとの間に第4放電部GP12が形成される(図12参照)。このような構成により、外部電極6及び外部電極9の間に所定以上の電圧が印加されると、第3放電部GP11において放電が生じる。同様にして、外部電極8及び外部電極10の間に所定以上の電圧が印加されると、第4放電部GP12において放電が生じる。
放電誘発部70は、第1放電部GP9に位置し、第1放電部GP9における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部70は、対向電極60の第1対向部60bとグラウンド電極68の第2対向部68bとを接続している。放電誘発部71は、第2放電部GP10に位置し、第2放電部GP10における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部71は、対向電極62の第1対向部62bとグラウンド電極68の第2対向部68bとを接続している。
放電誘発部72は、第3放電部GP11に位置し、第3放電部GP11における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部72は、対向電極64の第1対向部64bとグラウンド電極68の第2対向部68cとを接続している。放電誘発部73は、第4放電部GP12に位置し、第4放電部GP12における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部73は、対向電極66の第1対向部66bとグラウンド電極68の第2対向部69cとを接続している。
空洞部74は、第1放電部GP9に形成されている。空洞部74は、第1対向部60b、第2対向部68b、絶縁体層11、及び放電誘発部70の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部75は、第2放電部GP10に形成されている。空洞部75は、第1対向部62b、第2対向部68b、絶縁体層11、及び放電誘発部71の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部76は、第3放電部GP11に形成されている。空洞部76は、第1対向部64b、第2対向部68c、絶縁体層11、及び放電誘発部72の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部77は、第4放電部GP12に形成されている。空洞部77は、第1対向部66b、第2対向部68c、絶縁体層11、及び放電誘発部73の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。
以上、本実施形態に係る静電気保護部品1Cにおいても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第4実施形態)
次に、図1,図2及び図13〜図15を参照して、第4実施形態に係る静電気保護部品の構成を説明する。図13は、第4実施形態に係る素体の、第1〜第4放電部を含む部分の構成を示す分解斜視図である。図14は、第4実施形態に係る静電気保護部品の、第1放電部及び第3放電部を含む断面構成を示す図である。図15は、第4実施形態に係る静電気保護部品の、第2放電部及び第4放電部を含む断面構成を示す図である。
次に、図1,図2及び図13〜図15を参照して、第4実施形態に係る静電気保護部品の構成を説明する。図13は、第4実施形態に係る素体の、第1〜第4放電部を含む部分の構成を示す分解斜視図である。図14は、第4実施形態に係る静電気保護部品の、第1放電部及び第3放電部を含む断面構成を示す図である。図15は、第4実施形態に係る静電気保護部品の、第2放電部及び第4放電部を含む断面構成を示す図である。
第4実施形態に係る静電気保護部品1Dは、第1実施形態に係る静電気保護部品1A同様、略直方体形状を呈する素体4と、素体4の外表面に配置された外部電極5〜10と、素体4の内部に配置されたコイルL1,L2と、を備えている。素体4と、外部電極5〜10とコイルL1,L2の構成は、第1実施形態と同様である(図1及び図2参照)。図13〜図15に示されるように、第4実施形態に係る静電気保護部品1Dにおいても、第2及び第3実施形態に係る静電気保護部品1B,1Cと同様、第1〜第4放電部を含む部分の構成が、第1実施形態に係る静電気保護部品1Aとは異なっている。具体的には、対向電極12,14,16,18、グラウンド電極20、第1放電部GP1、第2放電部GP2、第3放電部GP3、第4放電部GP4、放電誘発部24,25、及び、空洞部26〜29の代わりに、静電気保護部品1Dは、対向電極78,79,80,81、グラウンド電極82、第1放電部GP13、第2放電部GP14、第3放電部GP15、第4放電部GP16、放電誘発部85〜88、及び、空洞部89〜92を備えている。
対向電極78は、素体4の長手方向における、端面4bよりも端面4aに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4eよりも側面4fに近い位置で配置されている。対向電極78は、L字形状を有している。対向電極78は、第1引出部78a及び第1対向部78bを有している。第1引出部78aと第1対向部78bとは、同一の絶縁体層11に配置されている。第1引出部78aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部78aの端部78cは、素体4の側面4f側に引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極6に接続される。第1対向部78bは、素体4の長手方向に沿って延在している。
対向電極79は、素体4の長手方向における、端面4aよりも端面4bに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4fよりも側面4eに近い位置で配置されている。対向電極78は、L字形状を有している。対向電極79は、第1引出部79a及び第1対向部79bを有している。第1引出部79a及び第1対向部79bは、いずれも対向電極78の第1対向部78bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第1引出部79aと第1対向部79bとは、同一の絶縁体層11に配置されている。第1引出部79aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部79aの端部79cは、素体4の側面4e側に引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極7に接続される。第1対向部79bは、素体4の長手方向に沿って延在している。
対向電極80は、素体4の長手方向における、端面4bよりも端面4aに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4fよりも側面4eに近い位置で配置されている。対向電極80は、L字形状を有している。対向電極80は、第1引出部80a及び第1対向部80bを有している。第1引出部80a及び第1対向部80bは、いずれも対向電極78の第1引出部78a及び第1対向部78bが配置された層とは別の絶縁体層11配置されている。第1引出部80aと第1対向部80bとは、同一の絶縁体層11に配置されている。第1引出部80aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部80aの端部80cは、素体4の側面4e側に引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極5に接続される。第1対向部80bは、素体4の長手方向に沿って延在している。
対向電極81は、素体4の長手方向における、端面4aよりも端面4bに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4eよりも側面4fに近い位置で配置されている。対向電極81は、L字形状を有している。対向電極81は、第1引出部81a及び第1対向部81bを有している。第1引出部81a及び第1対向部81bは、いずれも対向電極80の第1対向部80bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第1引出部81aと第1対向部81bとは、同一の絶縁体層11に配置されている。第1引出部81aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部81aの端部81cは、素体4の側面4f側に引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極8に接続される。第1対向部81bは、素体4の長手方向に沿って延在している。
グラウンド電極82は、第2引出部82a、第2対向部82b、及び、第2対向部82cを有している。第2引出部82aは、対向電極78の第1対向部78bが配置された層とは異なり、且つ、対向電極80の第1対向部80bが配置された層とは異なる絶縁体層11に配置されている。第2対向部82bは、対向電極79の第1対向部79bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。第2対向部82cは、対向電極80の第1対向部80bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第2引出部82a、第2対向部82b、及び、第2対向部82cは、それぞれ互いに異なる絶縁体層11に配置されている。
第2引出部82aは、素体4の短手方向における、略中央の位置に配置され、素体4の長手方向に延在している。第2引出部82aの端部82eは、素体4の端面4a側に引き出され、当該端面4aに露出しており、外部電極9に接続される。第2引出部82aの端部82fは、素体4の端面4b側に引き出され、当該端面4bに露出しており、外部電極10に接続される。
第2対向部82bは、素体4の長手方向に延在している。第2対向部82bは、スルーホール導体83を介して第2引出部82aに電気的に接続される。第2対向部82cは、素体4の長手方向に延在している。第2対向部82cは、スルーホール導体84を介して第2引出部82aに電気的に接続される。
第2対向部82bは、対向電極78の第1対向部78bよりも、第1引出部78aが露出する側の素体4の外表面である側面4fに近い位置に配置されている。つまり、第1対向部78bは、第2対向部82bに比して、素体4の外表面である側面4fから離れて配置されている。第1引出部78aにおける、素体4の側面4f側から第1対向部78b側までの長さは、即ち、対向電極78における、素体4の側面4fへ露出する部分から第1対向部78b側までの距離である。
第2対向部82bは、対向電極79の第1対向部79bよりも、第1引出部79aが露出する側の素体4の外表面である側面4eに近い位置に配置されている。つまり、第1対向部79bは、第2対向部82bに比して、素体4の外表面である側面4eから離れて配置されている。第1引出部79aにおける、素体4の側面4e側から第1対向部79b側までの長さは、即ち、対向電極79における、素体4の側面4eへ露出する部分から第1対向部79b側までの距離である。
第2対向部82bは、対向電極78の第1対向部78b及び対向電極79の第1対向部79bと離間して対向配置されている。これにより、対向電極78の第1対向部78bとグラウンド電極82の第2対向部82bとの間に第1放電部GP13が形成され(図14参照)、対向電極79の第1対向部79bとグラウンド電極82の第2対向部82bとの間に第2放電部GP14が形成される(図15参照)。このような構成により、外部電極6及び外部電極9の間に所定以上の電圧が印加されると、第1放電部GP13において放電が生じる。同様にして、外部電極7及び外部電極10の間に所定以上の電圧が印加されると、第2放電部GP14において放電が生じる。
第2対向部82cは、対向電極80の第1対向部80bよりも、第1引出部80aが露出する側の素体4の外表面である側面4eに近い位置に配置されている。つまり、第1対向部80bは、第2対向部82cに比して、素体4の外表面である側面4eから離れて配置されている。第1引出部80aにおける、素体4の側面4e側から第1対向部80b側までの長さは、即ち、対向電極80における、素体4の側面4eへ露出する部分から第1対向部80b側までの距離である。
第2対向部82cは、対向電極81の第1対向部81bよりも、第1引出部81aが露出する側の素体4の外表面である側面4fに近い位置に配置されている。つまり、第1対向部81bは、第2対向部82cに比して、素体4の外表面である側面4fから離れて配置されている。第1引出部81aにおける、素体4の側面4f側から第1対向部81b側までの長さは、即ち、対向電極81における、素体4の側面4fへ露出する部分から第1対向部81b側までの距離である。
第2対向部82cは、対向電極80の第1対向部80b及び対向電極81の第1対向部81bと離間して対向配置されている。これにより、対向電極80の第1対向部80bとグラウンド電極82の第2対向部82cとの間に第3放電部GP15が形成され(図14参照)、対向電極81の第1対向部81bとグラウンド電極82の第2対向部82cとの間に第4放電部GP16が形成される(図15参照)。このような構成により、外部電極5及び外部電極9の間に所定以上の電圧が印加されると、第3放電部GP15において放電が生じる。同様にして、外部電極8及び外部電極10の間に所定以上の電圧が印加されると、第4放電部GP16において放電が生じる。
放電誘発部85は、第1放電部GP13に位置し、第1放電部GP13における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部85は、対向電極78の第1対向部78bとグラウンド電極82の第2対向部82bとを接続している。放電誘発部86は、第2放電部GP14に位置し、第2放電部GP14における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部86は、対向電極79の第1対向部79bとグラウンド電極82の第2対向部82bとを接続している。
放電誘発部87は、第3放電部GP15に位置し、第3放電部GP15における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部87は、対向電極80の第1対向部80bとグラウンド電極82の第2対向部82cとを接続している。放電誘発部88は、第4放電部GP16に位置し、第4放電部GP16における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部88は、対向電極81の第1対向部81bとグラウンド電極82の第2対向部82cとを接続している。
空洞部89は、第1放電部GP13に形成されている。空洞部89は、第1対向部78b、第2対向部82b、絶縁体層11、及び放電誘発部85の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部90は、第2放電部GP14に形成されている。空洞部90は、第1対向部79b、第2対向部82b、絶縁体層11、及び放電誘発部86の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部91は、第3放電部GP11に形成されている。空洞部91は、第1対向部80b、第2対向部82c、絶縁体層11、及び放電誘発部87の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部92は、第4放電部GP12に形成されている。空洞部92は、第1対向部81b、第2対向部82c、絶縁体層11、及び放電誘発部88の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。
以上、本実施形態に係る静電気保護部品1Dにおいても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第5実施形態)
次に、図1及び図16〜図18を参照して、第5実施形態に係る静電気保護部品の構成を説明する。図16は、第4実施形態に係る素体の構成を示す分解斜視図である。図17は、第5実施形態に係る静電気保護部品の、第1放電部及び第3放電部を含む断面構成を示す図である。図18は、第5実施形態に係る静電気保護部品の、第2放電部及び第4放電部を含む断面構成を示す図である。
次に、図1及び図16〜図18を参照して、第5実施形態に係る静電気保護部品の構成を説明する。図16は、第4実施形態に係る素体の構成を示す分解斜視図である。図17は、第5実施形態に係る静電気保護部品の、第1放電部及び第3放電部を含む断面構成を示す図である。図18は、第5実施形態に係る静電気保護部品の、第2放電部及び第4放電部を含む断面構成を示す図である。
第5実施形態に係る静電気保護部品1Eは、第1実施形態に係る静電気保護部品1A同様、略直方体形状を呈する素体4と、素体4の外表面に配置された外部電極5〜10と、素体4の内部に配置されたコイルL1,L2と、を備えている。素体4と、外部電極5〜10とコイルL1,L2の構成は、第1実施形態と同様である(図1及び図2参照)。図16〜図18に示されるように、第5実施形態に係る静電気保護部品1Eでは、第1〜第4放電部を含む部分の構成が、第1実施形態に係る静電気保護部品1Aとは異なっている。具体的には、静電気保護部品1Aでは、第1〜第4放電部の位置が、コイルL1,L2に対して積層方向で片側に配置されているが、本実施形態に係る静電気保護部品1Eは、第1〜第4放電部の位置が、コイルL1,L2に対して積層方向で両側に配置されている。静電気保護部品1Aにおいて備えている対向電極12,14,16,18、グラウンド電極20、第1放電部GP1、第2放電部GP2、第3放電部GP3、第4放電部GP4、放電誘発部24,25、及び、空洞部26〜29の代わりに、静電気保護部品1Eは、対向電極93,94,95,96、グラウンド電極97,99、第1放電部GP17、第2放電部GP18、第3放電部GP19、第4放電部GP20、放電誘発部101〜104と、及び、空洞部105〜108を備えている。
対向電極93及び対向電極94は、積層方向において、コイルL1,L2よりも素体4の側面4dに近い位置に配置されている。対向電極93は、素体4の長手方向における、端面4bよりも端面4aに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4fよりも側面4eに近い位置で配置されている。対向電極93は、L字形状を有している。対向電極93は、第1引出部93a及び第1対向部93bを有している。第1引出部93aと第1対向部93bとは、同一の絶縁体層11に配置されている。第1引出部93aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部93aの端部93cは、素体4の側面4e側に引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極5に接続される。第1対向部93bは、素体4の長手方向に沿って延在している。
対向電極94は、素体4の長手方向における、端面4aよりも端面4bに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4eよりも側面4fに近い位置で配置されている。対向電極94は、L字形状を有している。対向電極94は、第1引出部94a及び第1対向部94bを有している。第1引出部94a及び第1対向部94bは、いずれも対向電極93の第1対向部93bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第1引出部94aと第1対向部94bとは、同一の絶縁体層11に配置されている。第1引出部94aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部94aの端部94cは、素体4の側面4f側に引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極8に接続される。第1対向部94bは、素体4の長手方向に沿って延在している。
対向電極95及び対向電極96は、積層方向において、コイルL1,L2よりも素体4の側面4cに近い位置に配置されている。対向電極95は、素体4の長手方向における、端面4bよりも端面4aに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4eよりも側面4fに近い位置で配置されている。対向電極95は、L字形状を有している。対向電極95は、第1引出部95a及び第1対向部95bを有している。第1引出部95a及び第1対向部95bは、いずれも対向電極93の第1対向部93bが配置された層とは別の絶縁体層11配置されている。第1引出部95aと第1対向部95bとは、同一の絶縁体層11に配置されている。第1引出部95aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部95aの端部95cは、素体4の側面4f側に引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極6に接続される。第1対向部95bは、素体4の長手方向に沿って延在している。
対向電極96は、素体4の長手方向における、端面4aよりも端面4bに近い位置で、且つ、素体4の短手方向における、側面4fよりも側面4eに近い位置で配置されている。対向電極96は、L字形状を有している。対向電極96は、第1引出部96a及び第1対向部96bを有している。第1引出部96a及び第1対向部96bは、いずれも対向電極95の第1対向部95bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第1引出部96aと第1対向部96bとは、同一の絶縁体層11に配置されている。第1引出部96aは、素体4の短手方向に沿って延在している。第1引出部96aの端部96cは、素体4の側面4e側に引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極7に接続される。第1対向部96bは、素体4の長手方向に沿って延在している。
グラウンド電極97は、積層方向において、コイルL1,L2よりも素体4の側面4cに近い位置に配置されている。グラウンド電極97は、第2引出部97a、第2対向部97b、及び第2対向部97cを有している。第2引出部97aは、対向電極93の第1対向部93b及び対向電極94の第1対向部94bが配置された層とコイルL1,L2が配置された層との間の絶縁体層11に配置されている。第2対向部97bは、対向電極93の第1対向部93bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。第2対向部97cは、対向電極94の第1対向部94bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第2引出部97aと、第2対向部97b及び第2対向部97cとは、互いに異なる絶縁体層11に配置されている。
第2引出部97aは、素体4の短手方向における、略中央の位置に配置され、素体4の長手方向に延在している。第2引出部97aの端部97eは、素体4の端面4a側に引き出され、当該端面4aに露出しており、外部電極9に接続される。第2引出部97aの端部97fは、素体4の端面4b側に引き出され、当該端面4bに露出しており、外部電極10に接続される。
第2対向部97b及び第2対向部97cは、それぞれ素体4の長手方向に延在すると共に、それぞれの一端が素体4の短手方向に延在するように曲げられて接続することにより、接続部97dを構成している。接続部97dは、スルーホール導体98を介して第2引出部97aに電気的に接続される。即ち、第2対向部97b及び第2対向部97cは、スルーホール導体98を介して第2引出部97aに電気的に接続される。
第2対向部97bは、対向電極93の第1対向部93bよりも、第1引出部93aが露出する側の素体4の外表面である側面4eに近い位置に配置されている。つまり、第1対向部93bは、第2対向部97bに比して、素体4の外表面である側面4eから離れて配置されている。第1引出部93aにおける、素体4の側面4e側から第1対向部93b側までの長さは、即ち、対向電極93における、素体4の側面4eへ露出する部分から第1対向部93b側までの距離である。
第2対向部97cは、対向電極94の第1対向部94bよりも、第1引出部94aが露出する側の素体4の外表面である側面4fに近い位置に配置されている。つまり、第1対向部94bは、第2対向部97bに比して、素体4の外表面である側面4fから離れて配置されている。第1引出部94aにおける、素体4の側面4f側から第1対向部94b側までの長さは、即ち、対向電極94における、素体4の側面4fへ露出する部分から第1対向部94b側までの距離である。
第2対向部97bは、対向電極93の第1対向部93bと離間して対向配置されている。これにより、対向電極93の第1対向部93bとグラウンド電極97の第2対向部97bとの間に第1放電部GP17が形成される(図17参照)。第2対向部97cは、対向電極94の第1対向部94bと離間して対向配置されている。これにより、対向電極94の第1対向部94bとグラウンド電極97の第2対向部97cとの間に第2放電部GP18が形成される(図18参照)。このような構成により、外部電極5及び外部電極9の間に所定以上の電圧が印加されると、第1放電部GP17において放電が生じる。同様にして、外部電極8及び外部電極10の間に所定以上の電圧が印加されると、第2放電部GP18において放電が生じる。
グラウンド電極99は、第2引出部99a、第2対向部99b、及び第2対向部99cを有している。第2引出部99aは、対向電極93の第1対向部93b及び対向電極94の第1対向部94bが配置された層よりも素体4の側面4cに近い側の絶縁体層11に配置されている。第2対向部99bは、対向電極95の第1対向部95bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。第2対向部99cは、対向電極96の第1対向部96bが配置された層と同一の絶縁体層11に配置されている。即ち、第2引出部99aと、第2対向部99b及び第2対向部99cとは、互いに異なる絶縁体層11に配置されている。
第2引出部99aは、素体4の短手方向における、略中央の位置に配置され、素体4の長手方向に延在している。第2引出部99aの端部99eは、素体4の端面4a側に引き出され、当該端面4aに露出しており、外部電極9に接続される。第2引出部99aの端部99fは、素体4の端面4b側に引き出され、当該端面4bに露出しており、外部電極10に接続される。
第2対向部99b及び第2対向部99cは、それぞれ素体4の長手方向に延在すると共に、それぞれの一端が素体4の短手方向に延在するように曲げられて接続することにより、接続部99dを構成している。接続部99dは、スルーホール導体100を介して第2引出部99aに電気的に接続される。即ち、第2対向部99b及び第2対向部99cは、スルーホール導体100を介して第2引出部99aに電気的に接続される。
第2対向部99bは、対向電極95の第1対向部95bよりも、第1引出部95aが露出する側の素体4の外表面である側面4fに近い位置に配置されている。つまり、第1対向部95bは、第2対向部99bに比して、素体4の外表面である側面4fから離れて配置されている。第1引出部95aにおける、素体4の側面4f側から第1対向部95b側までの長さは、即ち、対向電極95における、素体4の側面4fへ露出する部分から第1対向部95b側までの距離である。
第2対向部99cは、対向電極96の第1対向部96bよりも、第1引出部96aが露出する側の素体4の外表面である側面4eに近い位置に配置されている。つまり、第1対向部96bは、第2対向部99bに比して、素体4の外表面である側面4eから離れて配置されている。第1引出部96aにおける、素体4の側面4e側から第1対向部96b側までの長さは、即ち、対向電極96における、素体4の側面4eへ露出する部分から第1対向部96b側までの距離である。
第2対向部99bは、対向電極95の第1対向部95bと離間して対向配置されている。これにより、対向電極95の第1対向部95bとグラウンド電極99の第2対向部99bとの間に第3放電部GP19が形成される(図17参照)。第2対向部99cは、対向電極96の第1対向部96bと離間して対向配置されている。これにより、対向電極96の第1対向部96bとグラウンド電極99の第2対向部99cとの間に第4放電部GP20が形成される(図18参照)。このような構成により、外部電極6及び外部電極9の間に所定以上の電圧が印加されると、第3放電部GP19において放電が生じる。同様にして、外部電極7及び外部電極10の間に所定以上の電圧が印加されると、第4放電部GP20において放電が生じる。
放電誘発部101は、第1放電部GP17に位置し、第1放電部GP17における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部101は、対向電極93の第1対向部93bとグラウンド電極97の第2対向部97bとを接続している。放電誘発部102は、第2放電部GP18に位置し、第2放電部GP18における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部102は、対向電極94の第1対向部94bとグラウンド電極97の第2対向部97bとを接続している。
放電誘発部103は、第3放電部GP19に位置し、第3放電部GP19における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部103は、対向電極95の第1対向部95bとグラウンド電極99の第2対向部99cとを接続している。放電誘発部104は、第4放電部GP20に位置し、第4放電部GP20における放電を発生し易くする機能を有している。放電誘発部104は、対向電極96の第1対向部96bとグラウンド電極99の第2対向部99cとを接続している。
空洞部105は、第1放電部GP17に形成されている。空洞部105は、第1対向部93b、第2対向部97b、絶縁体層11、及び放電誘発部101の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部106は、第2放電部GP18に形成されている。空洞部106は、第1対向部94b、第2対向部97b、絶縁体層11、及び放電誘発部102の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部107は、第3放電部GP19に形成されている。空洞部107は、第1対向部95b、第2対向部99c、絶縁体層11、及び放電誘発部103の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。空洞部108は、第4放電部GP20に形成されている。空洞部108は、第1対向部96b、第2対向部99c、絶縁体層11、及び放電誘発部104の、放電時における熱膨張を吸収する機能を有する。
以上、本実施形態に係る静電気保護部品1Eにおいても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、静電気保護部品1A〜1Eは、コイルL1,コイルL2を備えていなくてもよい。
1A,1B,1C,1D,1E…静電気保護部品、4…素体、5,6,7,8,9,10…外部電極、11…絶縁体層、12,14,16,18,30,31,32,33,60,62,64,66,78,79,80,81,93,94,95,96…対向電極、12a,14a,16a,18a,30a,31a,32a,33a,60a,62a,64a,66a,78a,79a,80a,81a,93a,94a,95a,96a…第1引出部、12b,14b,16b,18b,30b,31b,32b,33b,60b,62b,64b,66b,78b,79b,80b,81b,93b,94b,95b,96b…第1対向部、13,15,17,19,21,22,35,83,98,100…スルーホール導体、20,34,68,82,97,99…グラウンド電極、20a,20b,34a,68a,82a,97a,99a…第2引出部、20c,20d,34b,34c,68b,68c,82b,82c,97b,97c,99b,99c…第2対向部、GP1,GP5,GP9,GP13,GP17…第1放電部、GP2,GP6,GP10,GP14,GP18…第2放電部、GP3,GP7,GP11,GP15,GP19…第3放電部、GP4,GP8,GP12,GP16,GP20…第4放電部。
Claims (4)
- 複数の絶縁体層が積層されてなる素体と、
前記素体の内部に配置されたグラウンド電極と、
前記グラウンド電極と離間して配置され、前記グラウンド電極とで一の放電部を構成する第1対向電極と、
前記グラウンド電極と離間して配置され、前記グラウンド電極とで一の放電部を構成する第2対向電極と、
前記グラウンド電極、前記第1対向電極、及び前記第2対向電極のいずれか毎に対応して設けられた複数の外部電極と、
を備え、
前記グラウンド電極と、前記第1対向電極と、前記第2対向電極とは、前記複数の外部電極のうち対応する外部電極に接続される引出部と、前記引出部に電気的に接続され且つ対応する前記放電部を構成する対向部と、をそれぞれ有し、
前記グラウンド電極の前記対向部、前記第1対向電極の前記対向部、及び前記第2対向電極の前記対向部が、同一の層に配置され、
前記グラウンド電極、前記第1対向電極、及び前記第2対向電極のうち少なくとも1つにおいて、前記引出部と前記対向部とが、異なる層に配置されていると共にスルーホール導体を介して電気的に接続されている、静電気保護部品。 - 前記グラウンド電極において、前記引出部と前記対向部とが、異なる層に配置されていると共にスルーホール導体を介して電気的に接続されている、
請求項1に記載の静電気保護部品。 - 前記第1対向電極及び前記第2対向電極において、前記引出部と前記対向部とが、異なる層に配置されていると共にスルーホール導体を介して電気的に接続されている、請求項2に記載の静電気保護部品。
- 各前記引出部は、前記複数の外部電極のうち対応する外部電極に接続される一端において、前記素体から露出しており、
前記グラウンド電極の前記対向部は、前記第1対向電極の前記対向部よりも、前記第1対向電極の前記引出部が露出する側の前記素体の外表面に近い位置に配置され、且つ、前記第2対向電極の前記対向部よりも、前記第2対向電極の前記引出部が露出する側の前記素体の外表面に近い位置に配置される、
請求項1〜3の何れか一項に記載の静電気保護部品。
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