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JP5801720B2 - ホイップクリーム用油脂組成物及び該ホイップクリーム用油脂組成物を使用したホイップクリーム - Google Patents

ホイップクリーム用油脂組成物及び該ホイップクリーム用油脂組成物を使用したホイップクリーム Download PDF

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Description

本発明は、主に製菓、製パン領域で使用されるクリーム、特にホイップクリームとして用いられる水中油型乳化物の原料に好適な油脂組成物に関するものである。また本発明は、主に製菓、製パン領域で使用されるクリーム、特にホイップクリームとして用いられる水中油型乳化物において、トランス脂肪酸を実質的に含まず、高油分であっても乳化安定性が高く、ホイップ性が良好な水中油型乳化物に関するものである。本発明においてトランス脂肪酸を実質的に含まないとは、トランス脂肪酸の含有量が5質量%未満のことをいう。
牛乳から生産される乳等省令でいうところのクリームは、クリーム中の油脂は乳脂肪100%であり、風味、口溶けの良さは他に代わるものがない食品である。しかし一方で温度変化によるクリームの物性が変化しやすく、輸送中にクリームが固まってしまう、ホイップする際の終点幅が短くて扱いにくい、さらには高価であるといった欠点も持っている。
現在では、乳脂100%のいわゆる生クリームではなく、風味を活かしつつ、作業性を改良した乳脂肪と植物性脂肪を組み合わせたコンパウンドクリームと呼ばれるタイプや、保存性や保形性、コストを重視した植物性脂肪のみから作られた純植クリームと呼ばれるものなど、様々なホイップクリームが市販されている。安価なクリームの原材料に使用される油脂としては、植物油に水素添加して硬化させた硬化油が主に用いられてきた。
安価で機能的な原料であった硬化油ではあるが、硬化油に含まれるトランス脂肪酸が、近年、心疾患等の疾病と関連あることが分かってきた。欧米ではトランス脂肪酸の食品への表示義務や食品への含有を禁止するなどの対応をしている国々があり、日本においても関心が高まってきている。クリーム、特にホイップクリームに用いられる水中油型乳化物に関しても、トランス脂肪酸を含有する植物油の硬化油を使用しないことが求められるようになってきた。
トランス脂肪酸を低減させるための方策として、水素添加を行わなくとも室温で固体の脂肪、パーム油やパーム中融点分別油(PMF)を使用するなどの工夫がされている。しかしながらパーム油は結晶性が悪く、クリームの安定性が悪くなるなど、硬化油の代替としては使いにくいものであった。
特許文献1には、PMFを用いたホイップクリームが開示されている。しかしながら、特許文献1のホイップクリームは、油分が低い低脂肪タイプのクリームであり、油脂を多く含む高油分の配合において、乳化安定性に問題があり、実用上満足できるものではなかった。また低脂肪であるため、クリームに求められる油脂独特のコクや旨みを感じられるものではなかった。
特許公報第2689816号
本発明の目的は、主に製菓、製パン領域で使用されるクリーム、特にホイップクリームとして用いられる水中油型乳化物において、トランス脂肪酸を実質的に含まず、高油分であっても乳化安定性が高く、ホイップ性が良好な水中油型乳化物を製造するために、好適に用いることができる油脂組成物を提供することである。
また本発明の目的は、主に製菓、製パン領域で使用されるクリーム、特にホイップクリームとして用いられる水中油型乳化物において、トランス脂肪酸を実質的に含まず、高油分であっても乳化安定性が高く、ホイップ性が良好であることを特徴とし、ホイップ後のクリームにおいても温度変化による物性の変化が少ない水中油型乳化物の製品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、トランス脂肪酸の少ない特定の油脂原料を組み合わせた油脂組成物を、水中油型乳化物の製造に使用することで、トランス脂肪酸を実質的に含まず、高油分であっても乳化安定性が高く、ホイップ性が良好な水中油型乳化物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、融点35℃以上のラウリン系油脂及び液性パーム油を含有する油脂組成物である。
本発明の第2の発明は、前記ラウリン系油脂が、ヤシ又はパーム核由来の油脂であることを特徴とする本発明第1に記載の油脂組成物である。
本発明の第3の発明は、前記液性パーム油が、ヨウ素価55〜80のパーム分別軟質部であることを特徴とする本発明第1又は第2に記載の油脂組成物である。
本発明の第4の発明は、前記油脂組成物が、水中油型乳化物に用いられるものである本発明第1〜3のいずれか1つに記載の油脂組成物である。
本発明の第5の発明は、本発明第1〜4のいずれか1つに記載の油脂組成物を含有する水中油型乳化物である。
本発明の第6の発明は、前記水中油型乳化物の油脂含量が40質量%を超える含量である本発明第5に記載の水中油型乳化物である。
本発明の第7の発明は、前記水中油型乳化物が、ホイップクリームである本発明第5又は6に記載の水中油型乳化物である。
本発明の第8の発明は、本発明の第5〜7いずれか1つに記載の水中油型乳化物を用いた食品である。
本発明によれば、クリーム、特にホイップクリームとして用いられる水中油型乳化物において、トランス脂肪酸を実質的に含まず、油脂含量が40質量%を超える高油分であっても乳化安定性が高く、ホイップ性が良好な水中油型乳化物を製造するために、好適に用いることができる油脂組成物を提供することができる。
また本発明によれば、主に製菓、製パン領域で使用されるクリーム、特にホイップクリームとして用いられる水中油型乳化物において、トランス脂肪酸を実質的に含まず、高油分であっても乳化安定性が高く、ホイップ性が良好であることを特徴とし、ホイップ後のクリームにおいても温度変化による物性の変化が少ない水中油型乳化物の製品を提供することができる。
また本発明による水中油型乳化物であるクリームは、輸送中におけるクリームの粘度上昇(いわゆるボテと呼ばれる現象)が抑えられ、クリームをホイップした後のホイップクリームの型崩れや離水が防止され、温度変化による耐性が付与される。
本発明でいう融点35℃以上のラウリン系油脂とは、油脂を構成する脂肪酸として、炭素数12の飽和脂肪酸であるラウリン酸を油脂の全構成脂肪酸中40質量%以上含有し、かつ融点が35℃以上の油脂をいう。
ラウリン系油脂の原料油脂としては、ヤシ油、パーム核油、及びそれらの分別油、極度硬化油、エステル交換油から1種または2種以上を組み合わせて選択することが好ましい。融点を35℃以上とするために、ラウリン酸が油脂の全構成脂肪酸中40質量%以上である範囲で上記のヤシ油、パーム核油由来の油脂以外の油脂を混合してもよい。水素添加を行う場合は、トランス脂肪酸含有量が5質量%未満となるように、水素添加することが好ましい。
融点35℃以上のラウリン系油脂の含有量は、油脂組成物中20〜60質量%であることが好ましい。より好ましくは25〜50質量%、さらに好ましくは30〜50質量%である。
融点35℃以上のラウリン系油脂の含有量が上記範囲であると、油脂組成物にラウリン系油脂特有の冷涼感が付与され、この油脂組成物を配合することによって、本発明の水中油型乳化物を起泡させたホイップクリームは冷涼感のある口溶けのよいものとなる。
本発明でいう液性パーム油とは、パーム油に分別処理(自然分別、溶剤分別、界面活性剤分別等)を施したものであって、25℃で流動性を有するパーム分別油をいう。流動性があれば、液性パーム油の中に油脂の結晶が含まれていてもよい。
本発明でいう液性パーム油は、パーム油を分別したパーム分別軟質部であることが好ましい。液性パーム油は、パーム油を一段分別したパームオレイン、さらにパームオレインを分別したスーパーオレインと呼ばれるものを使用することができる。液性パームのヨウ素価は55〜80が好ましく、より好ましくは55〜75、さらに好ましくは55〜70である。
液性パーム油の含有量は、油脂組成物中20〜60質量%であることが好ましい。より好ましくは20〜50質量%、さらに好ましくは30〜50質量%である。
液性パーム油の含有量が上記範囲内にあると、本発明の油脂組成物を用いて得られる水中油型乳化物であるクリームは、安定性のよいものとなり、輸送中におけるクリームの粘度上昇(いわゆるボテと呼ばれる現象)を抑えることができる。
本発明の油脂組成物には、融点35℃以上のラウリン系油脂と液性パーム油以外にも他の植物油脂を加えることができる。
例えば、大豆油、菜種油、ひまわり油、紅花油、米油、綿実油、コーン油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、シア脂、サル脂、マンゴー核油、イリッペ脂等の各種植物性油脂、これらの各種植物性油脂から選択された1種または2種以上の植物性油脂を必要に応じて水素添加、エステル交換、分別等の加工をして得られる各種加工油脂、これら各種植物性油脂及び各種加工油脂から選択された1種または2種以上の油脂を適宜配合することができる。水素添加を行う場合は、トランス脂肪酸含有量が5質量%未満となるように水素添加することが好ましい。
他の植物油脂の含有量は、油脂組成物中1〜30質量%であることが好ましい。より好ましくは1〜25質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。
本発明の油脂組成物における固体脂含量は、10℃で40〜60%、30℃で5〜20%であることが好ましく、より好ましくは、10℃で45〜55%、30℃で5〜15%である。固体脂含量が上記範囲内にあると、本発明の油脂組成物を用いて得られる水中油型乳化物を起泡させたホイップクリームは保形性が良く、口溶けが良好なものとなり、好ましい。
固体脂含量は、社団法人 日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の2.2.9−2003固体脂含量(NMR法)に従って測定することができる。また、トランス脂肪酸含量は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f−96準拠)により測定することができる。
本発明の油脂組成物は、通常、油脂以外の成分を含まないが、本発明の効果を損なわない限りにおいて、油脂以外の成分を少量加えることができる。これらは、油脂に溶解する油溶性成分であることがのぞましく、例えば、乳化剤、抗酸化剤、香料等が挙げられる。これらの添加量は油脂組成物に対して好ましくは5質量%未満、より好ましくは3質量%未満、さらに好ましくは1質量%未満である。
本発明の油脂組成物は、水中油型乳化物の食品に使用することができる。水中油型乳化物の食品の中でも、例えばクリーム、コーヒーホワイトナー、アイスクリーム等の製造に使用される油脂として好適に用いることができる。本発明の油脂組成物は、クリームの中でも特にホイップクリーム(起泡させる前のホイップクリーム用のクリームと起泡させた後のホイップしたクリームの両方を含む)の製造に使用される油脂として、特に好適に用いることができる。
本発明の水中油型乳化物は、本発明の油脂組成物、水、及び乳化剤を含有することを特徴とする。本発明の水中油型乳化物は、本発明の油脂組成物を50〜100質量%含有することが好ましい。本発明の油脂組成物以外の油脂として乳脂肪を含有していてもよい。
本発明の水中油型乳化物に乳脂肪を含有させる場合、該乳脂肪自身を含む水中油型乳化物中の全油脂成分中において、本発明の油脂組成物の含量は、50〜99質量%であることが好ましく、60〜99質量%であることがより好ましい。乳脂肪の含量は、1〜50質量%であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましい。
本発明の水中油型乳化物においては、油脂含量が40質量%を超える高油分の配合とすることも、40質量%以下の低油分の配合とすることも可能である。本発明でいう油分とは、油脂と油脂に溶解する油溶性成分を合わせたものを言う。本発明の水中油型乳化物は、油脂含量が20〜50質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましく、40質量%を超えて50質量%以下であることがさらに好ましい。
すなわち、油脂含量が40質量%を超えて含有される高油分の水中油型乳化物であるクリーム、特にホイップクリームは、コクが増し、食味の良いものとなる。
本発明の水中油型乳化物は、油脂成分以外の成分として、通常水中油型乳化物に配合される成分、例えば水、乳化剤、無脂乳固形分、全脂粉乳、糖類、安定剤、塩類、香料等を適量配合することができる。
乳化剤としては、例えば、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸脂肪酸エステル、ポリソルベート等の従来公知の乳化剤が挙げられる。乳化剤は水中油型乳化物中0.1〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜8質量%、さらに好ましくは0.1〜6質量%である。
無脂乳固形分としては、例えば、脱脂乳、脱脂粉乳、ホエーパウダー、カゼインナトリウム等が挙げられる。無脂乳固形分は、一部を植物性蛋白で置換して利用することもできる。無脂乳固形分は水中油型乳化物中0.1〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜8質量%、さらに好ましくは0.1〜6質量%である。
糖類としては、例えば、グルコース、マルトース、ソルビトール、シュークロース、ラクトース等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、キサンタンガム、グアーガム等が挙げられる。
塩類としては、例えば、メタリン酸ナトリウム、リン酸のアルカリ金属塩、クエン酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。
これらの他の成分は水中油型乳化物の機能を損なわない範囲で含有させることができる。
本発明の水中油型乳化物の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法で製造することができる。例えば、本発明の油脂組成物を含む油相と水相をそれぞれ調製した後、油相と水相を混合し、得られる乳化物を均質化処理することにより製造することができる。また、必要に応じて殺菌処理することもできる。均質化処理は、殺菌処理の前に行う前均質であっても、殺菌処理の後に行う後均質であってもよく、また前均質及び後均質の両者を組み合わせた二段均質を行うこともできる。
本発明の水中油型乳化物に乳脂肪を含有させる場合は、本発明の油脂組成物に乳脂肪を加えて乳脂肪を含む油相を調合し、水相と合わせて乳化することにより製造することができる。また、生クリーム(乳脂肪のみから製造されるクリーム)を水相に配合し、さらにこの水相と本発明の油脂組成物を含む油相とを乳化することでも製造することができる。さらに、本発明の油脂組成物を用いて製造された水中油型乳化物と生クリームを混合することでも製造することができる。
本発明の水中油型乳化物は、例えばクリーム、コーヒーホワイトナー、アイスクリーム等の食品として用いることができる。クリームの中でも特にホイップクリーム(起泡させる前のホイップクリーム用のクリームと起泡させた後のホイップしたクリームの両方を含む)として好適に用いることができる。ホイップクリームは、ケーキ、パン等の製菓、製パン領域の食品にトッピング、ナッペ、フィリング用途等に好適に使用することができる。
また、本発明の水中油型乳化物を使用した食品とは、本発明の水中油型乳化物を使用して製造された食品をいう。例えば水中油型乳化物がクリームの場合は、ホイップさせてケーキ、パン領域の食品や、起泡させずに調理用クリームとして、ホワイトソースや、クリームソース等にも好適に使用することができる。さらに他の植物性脂肪クリーム、生クリーム(乳脂肪のみから製造されるクリーム)と混合して新たな食品を製造することに用いることができる。
次に例を挙げ、本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの例になんら制限されるものではない。
油脂組成物A〜Iの配合と分析結果を表1〜3に示した。油脂組成物A〜Iは、実施例1〜3と比較例1〜6である。
また油脂組成物A〜Iを用いて、表4に示した配合の油脂含量が44.5%である高油分の水中油型乳化物(クリーム)を得た。油脂組成物A〜Iを用いたそれぞれのクリームは、実施例4〜6と比較例7〜12である。水中油型乳化物(クリーム)の評価結果を表5〜7に記載した。
(油脂組成物の調製)
原料油脂を溶解し、必要量を計量してブレンドした後、60℃に保った状態で30分間プロペラ攪拌を行い、均一な状態の油脂組成物を製造した。
表1〜3に示した原料油脂は、以下のものを使用した。融点35℃以上のラウリン系油脂に該当するものは(a)、液性パーム油に該当するものは(b)と参考までに表示した。
ラウリン系油脂(a):パーム核油98質量%とパーム油2質量%を混合後、極度硬化した油脂(日清オイリオグループ株式会社製造品、ラウリン酸43.8質量%、融点42℃、トランス脂肪酸0.0質量%)

ヤシ極度硬化油(商品名:ヤシ硬34、日清オイリオグループ株式会社製、ラウリン酸45.6質量%、融点31℃、トランス脂肪酸0.0質量%)

ヤシ油(商品名:精製やし油、日清オイリオグループ株式会社製、脂肪酸組成:ラウリン酸含量45.4質量%、融点25℃、トランス脂肪酸0.4質量%)

パーム系調合硬化油:パーム核オレイン油50質量%とパームステアリン50質量%を混合し、エステル交換後、極度硬化した油脂(日清オイリオグループ株式会社製造品、ラウリン酸22.7質量%、融点48℃、トランス脂肪酸0.0質量%)

パーム油(商品名:精製パーム油、日清オイリオグループ株式会社製、ヨウ素価53、25℃で流動性なく固体、トランス脂肪酸0.6質量%)

パームオレイン65(b):パーム分別軟質部(マレーシアISF社製造品、ヨウ素価65、25℃で流動性を有する状態、トランス脂肪酸0.8質量%)

パームオレイン56(b):パーム分別軟質部(マレーシアISF社製造品、ヨウ素価56、25℃で流動性を有する状態、トランス脂肪酸0.9質量%)

パームオレインIE:パームオレイン56(b)のエステル交換油(日清オイリオグループ株式会社製造品、ヨウ素価56、25℃で流動性なく固体、トランス脂肪酸1.4質量%)

大豆油(商品名:大豆白絞油(S)、日清オイリオグループ株式会社製、トランス脂肪酸1.6質量%)
(エステル交換油の製造方法)
原料油脂を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.2質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、エステル交換油を得た。
なお、油脂組成物の原料油脂中の脂肪酸組成は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f−96準拠)により測定した。
Figure 0005801720
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(水中油型乳化物(クリーム)の調製)
油脂組成物に乳化剤(大豆レシチン0.25質量%、グリセリン脂肪酸エステル0.0625質量%、ソルビタン脂肪酸エステル0.0625質量%)、香料を溶解し、分散させて油相を調製した。同時に、水に脱脂粉乳、メタリン酸ナトリウム、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル0.125%)を溶解し、分散させて水相を調製した。次に、水相に油相を加え、60℃〜70℃に調温しながら、ホモミキサーにて予備乳化した。予備乳化後、6.0MPaの圧力下で均質化し、85℃、15分のバッチ殺菌を行い、約10℃まで冷却した後、5℃の冷蔵庫にて約18時間エージングした。
(水中油型乳化物(クリーム)の評価方法)
実施例4〜6と比較例7〜12の水中油型乳化物(クリーム)は乳化安定性、粘度、ヒートショック、ホイップ時間について次のように評価を行った。
<乳化安定性>
各クリームを100mlビーカーに60g計量し、品温を20℃に調整し、スリーワンモーター(四枚羽根のプロペラ)にて160rpmで回転させ、クリームが凝固・増粘する(いわゆるボテる)までの時間を測定した。クリームが凝固・増粘するまでの時間が長いほど、乳化安定性が高いことを示す。凝固・増粘するまでの時間は、通常10分以上であることが好ましい。
<粘度>
各クリームを200mlビーカーに200g計量し、10℃に調温する。B型粘度計(ローターNO.2、60rpm)で測定する。150mPa・s以下であることが好ましい。
<ヒートショック>
各クリームを200mlビーカーに200g計量し、20℃、25℃の恒温槽にそれぞれ4時間静置する。その後冷蔵庫(庫内温度5℃〜10℃)へ移動し、1晩静置した後、10℃に調温してB型粘度計(ローターNO.2、60rpm)で粘度を測定する。粘度の上昇が少ないほど、熱安定性が高いことを示す。粘度は200mPa・s以下であることが好ましい。
<ホイップ時間>
各クリーム500gに砂糖35gを加え、ホバートミキサー(ホバートジャパン社製)を用い、中速2(約120rpm)で十分立て(絞り出しに適した硬さ)になるまでにかかる時間を計測した。ホイップ時間は3分〜10分が使用しやすい範囲であり、好ましい。
Figure 0005801720
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実施例4〜6の水中油型乳化物(クリーム)は、乳化安定性、温度耐性に優れていた。また起泡させた後のホイップクリームは、絞り出し後型崩れ、離水も少なく良好な状態で、ナッペ、トッピングに用途に適した状態であった。油脂含量が44.5%の高油分のホイップクリームであるため油脂独特のコク味が感じられ、風味も良好であった。一方比較例7〜12は乳化安定性、温度耐性が劣っていた。
さらに、実施例4、5の水中油型乳化物(クリーム)をホイップして、スポンジケーキにナッぺした。ホイップクリームは状態の変化が少なく作業性が良好であった。クリームナッペ後のスポンジケーキを5℃で保管したところ、ひび割れ、乾燥が見られず、良好な状態であった。

Claims (8)

  1. 融点35℃以上のラウリン系油脂及び液性パーム油を含有するホイップクリーム用油脂組成物。
  2. 前記ラウリン系油脂が、ヤシ又はパーム核由来の油脂であることを特徴とする請求項1に記載のホイップクリーム用油脂組成物。
  3. 前記液性パーム油が、ヨウ素価55〜80のパーム分別軟質部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホイップクリーム用油脂組成物。
  4. 前記ラウリン系油脂の含有量が、前記ホイップクリーム用油脂組成物中20〜60質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のホイップクリーム用油脂組成物。
  5. 前記液性パーム油の含有量が、前記ホイップクリーム用油脂組成物中20〜60質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のホイップクリーム用油脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のホイップクリーム用油脂組成物、水、及び乳化剤を含有するホイップクリーム
  7. 前記ホイップクリーム中の油脂含量が40質量%を超える請求項に記載のホイップクリーム
  8. 請求項〜7のいずれか1項に記載のホイップクリームを用いた食品。
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