以下、図面を参照しつつ、衣類処理装置の一実施形態が説明される。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、衣類処理装置の原理を何ら限定するものではない。
(衣類処理装置の全体構成)
図1は、乾燥機能に加えて、洗濯機能を有する乾燥機の概略的な斜視図である。図2は、図1に示される乾燥機の正面図である。図3は、図1に示される乾燥機の平面図である。
本実施形態において、図1乃至図3に示される乾燥機100は、衣類に対して乾燥処理や洗濯処理といった様々な処理を行う衣類処理装置として例示される。
乾燥機100は、乾燥処理及び洗濯処理を行うための様々な要素(例えば、後述される処理槽や処理槽を駆動するための駆動モータ)を収容する略矩形箱状の主筐体110を備える。主筐体110は、正面壁111、正面壁111とは反対側の背面壁112、正面壁111と背面壁112との間で直立した左側壁113及び右側壁114を含む。主筐体110は、正面壁111、背面壁112、左側壁113及び右側壁114の上縁に囲まれた天壁115と、正面壁111、背面壁112、左側壁113及び右側壁114の下縁に囲まれた底壁116と、を更に含む。
乾燥機100は、正面壁111の上部に取り付けられた操作パネル120を更に備える。使用者は、操作パネル120を通じて、乾燥機100の動作に関連する情報(例えば、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥のための期間に関する情報や使用される洗剤に関する情報)を入力することができる。
乾燥機100は、正面壁111に回動可能に取り付けられた扉体130を更に備える。使用者は、扉体130を開き、衣類を主筐体110内に投入する、或いは、主筐体110内の衣類を取り出すことができる。
図4は、主筐体110内に配設される様々な要素を示す乾燥機100の斜視図である。図4に示される乾燥機100からは、正面壁111、背面壁112、左側壁113、右側壁114及び天壁115が除去されている。図5は、主筐体110内に配設される様々な要素を示す乾燥機100の概略的な断面図である。図1、図4及び図5を用いて、乾燥機100が更に説明される。
図4に示される如く、乾燥機100は、衣類が収容される処理槽200を備える。処理槽200には、正面壁111に向けて開口する投入口201が形成される。図1に関連して説明された如く、使用者は、扉体130を開け、衣類を、投入口201を介して、処理槽200内に投入することができる。或いは、使用者は、扉体130を開け、衣類を、投入口201を介して、処理槽200から取り出すことができる。
図5に示される如く、処理槽200は、衣類を洗濯するために用いられる洗濯水を貯留する水槽210と、水槽210内に配設される回転ドラム220と、を含む。回転ドラム220は、略円筒状の周壁221と、投入口201に対向する底壁222と、を含む。水槽210は、回転ドラム220の周壁221を取り囲む略円筒状の周壁211と、回転ドラム220の底壁222に沿う底壁212と、を含む。回転ドラム220は、水槽210に対して、略同心に配設される。
乾燥機100は、回転ドラム220の底壁222から、水槽210の底壁212を貫き、底壁212から突出する回転シャフト231と、水槽210の下方に配設された駆動モータ230と、駆動モータ230の駆動力を回転シャフト231に伝達するための駆動ベルト232と、を更に備える。駆動モータ230が作動すると、駆動ベルト232及び回転シャフト231を通じて、回転ドラム220に駆動力が伝達され、回転ドラム220は、水槽210内で回転する。本実施形態において、駆動モータ230は、駆動源として例示される。
図4に示される如く、乾燥機100は、主筐体110の底壁116と処理槽200とを接続するダンパ要素240と、主筐体110の天壁115と処理槽200とを接続するサスペンション要素245と、を更に備える。主筐体110内で、処理槽200を支持するダンパ要素240及びサスペンション要素245は、回転ドラム220の回転に伴う処理槽200の振動を減衰させる。したがって、主筐体110には、処理槽200からの振動はほとんど伝達されない。本実施形態において、ダンパ要素240及びサスペンション要素245は、支持要素として例示される。
図4に示される如く、乾燥機100は、制御装置250を更に備える。制御装置250は、乾燥機100の様々な動作を制御する。例えば、使用者が操作パネル120を操作し、乾燥機100の乾燥動作を指示すると、制御信号を出力し、駆動モータ230を作動させる。
図1に示される如く、乾燥機100は、主筐体110内に水を供給するための給水口301を更に備える。本実施形態において、給水口301は、天壁115の背面縁117と天壁115の左縁118とで形成される角隅部に現れる。
図4に示される如く、乾燥機100は、天壁115の下方に配設された給水ユニット300を更に備える。給水ユニット300は、給水口301に接続される制御弁310と、制御弁310が固定される外面を含む筐体320と、を含む。筐体320内には、処理槽200へ水を供給するための流路(図示せず)が形成される。
乾燥機100は、乾燥空気と熱交換し、乾燥空気を除湿する熱交換器400を更に備える。給水ユニット300の筐体320内には、処理槽200へ水を供給するための流路に加えて、乾燥空気を除湿するために用いられる除湿水を供給するための流路が形成される。制御弁310は、制御装置250の制御下で、給水口301から筐体320内への給水或いは給水の停止を切り替える。また、制御弁310は、処理槽200へ水を供給するための流路及び除湿水を供給するための流路を開閉する。例えば、使用者が、操作パネル120を操作し、洗濯工程の開始を指示すると、制御弁310は、制御装置250の制御下で、筐体320内への水の流入を許容する。また、制御弁310は、処理槽200へ水を供給するための流路を開く。この結果、処理槽200内に水が供給される。或いは、使用者が、操作パネル120を操作し、乾燥工程の開始を指示すると、制御弁310は、制御装置250の制御下で、筐体320内への水の流入を許容する。また、制御弁310は、熱交換器400へ除湿水を供給するための流路を開く。この結果、熱交換器400内に除湿水が供給され、乾燥空気が除湿される。
筐体320は、右方に突出する排水筒321を含む。制御弁310が、熱交換器400へ除湿水を供給するための流路を開くと、排水筒321と熱交換器400とを接続する接続チューブ(図示せず)を通じて、除湿水が熱交換器400へ流入する。
給水ユニット300は、筐体320内に配設された収容ケース330を更に備える。収容ケース330内には、洗濯工程で用いられる洗剤やすすぎ工程で用いられる柔軟剤が収容される。
図1に示される如く、収容ケース330は、使用者が指を挿入できるように形成された取手部331を含む。使用者は、取手部331を用いて、収容ケース330を筐体320から引き出すことができる。この結果、収容ケース330の内部は、主筐体110外に露出する。その後、使用者は、洗剤や柔軟剤を収容ケース330内に投入し、収容ケース330を筐体320内に押し込むことができる。
図4に関連して説明された制御弁310が処理槽200へ水を供給するための流路を開くと、筐体320内へ流入した水は、収容ケース330内の洗剤或いは柔軟剤と混合される。この結果、洗濯工程において、収容ケース330内の洗剤と給水口301から供給された水とが混合された洗濯水が処理槽200に供給される。また、すすぎ工程において、収容ケース330内の柔軟剤と給水口301から供給された水とが混合された混合液が処理槽200に供給される。
図5に示される如く、乾燥機100は、給水ユニット300と水槽210の底壁212の上部とを接続する給水管350を更に備える。制御弁310が処理槽200へ水を供給するための流路を開くと、給水口301から供給された水は、給水管350を通じて、処理槽200内に供給される。
乾燥機100は、水槽210の周壁211の下部に接続された排水管360と、排水管360を制御装置250の制御下で開閉する排水弁361と、を更に備える。
図4に示される如く、主筐体110の底壁116の側面には、排水口362が形成される。排水管360は、排水口362に連通する。排水弁361が排水管360を開くと、排水口362を介して、処理槽200内の水は、主筐体110外へ排出される。本実施形態において、排水管360、排水弁361や排水口362は、排水システムとして例示される。
図5に示される如く、熱交換器400は、水槽210の底壁212の下部に接続される。したがって、給水ユニット300から熱交換器400に供給された除湿水は、最終的に、処理槽200内に流入する。排水弁361が排水管360を開くと、乾燥空気の除湿に用いられた除湿水も排水口362を介して、主筐体110外へ排出される。
排水管360は、フィルタユニット500を含む。排水管360は、フィルタユニット500を介して、排水口362に接続される。フィルタユニット500は、排水管360中を流れる水からリントや他の異物を除去するためのフィルタ部材510を備える。したがって、排水口362からは、フィルタ部材510によってリントといった異物が除去された水が排出される。
フィルタユニット500は、正面壁111に固定される。図4に関連して説明された如く、ダンパ要素240及びサスペンション要素245は、処理槽200からの振動を減衰させるので、フィルタユニット500は、正面壁111に安定的に保持される。本実施形態において、フィルタユニット500は、固定要素として例示される。
図5に示される如く、フィルタ部材510は、正面壁111に向けて突出する取手部511を含む。図1に示される如く、正面壁111は、制御装置250を覆う保護カバー251と、保護カバー251に回動可能に取り付けられた扉部252と、を含む。フィルタユニット500は、保護カバー251に固定される。使用者が扉部252を開くと、取手部511が露出する。使用者は、取手部511を摘み、フィルタ部材510を取り出すことができる。
乾燥機100は、処理槽200中の衣類を乾燥するための乾燥空気を循環させる循環システム600を更に備える。循環システム600は、上述の熱交換器400に加えて、乾燥空気を処理槽200に流入させる送風機610と、送風機610から処理槽200までの乾燥空気の流路を規定する管路615と、送風機610から処理槽200に向かう乾燥空気を加熱するヒータ620と、を備える。
図4及び図5に示される如く、管路615は、投入口201の近傍で、水槽210の周壁211に接続される。送風機610が作動すると、管路615を通じて、処理槽200内に乾燥空気が流入する。ヒータ620は、送風機610から処理槽200に向けて流れる乾燥空気を加熱するので、比較的高温の乾燥空気が、処理槽200内の衣類に吹き付けられる。この結果、衣類から水分が蒸発する。
蒸発した水分を含む乾燥空気は、その後、水槽210の底壁212に接続された熱交換器400に流入する。上述の如く、熱交換器400内には、給水ユニット300から供給された除湿水が流下するので、熱交換器400に流入した乾燥空気は、除湿される。本実施形態において、熱交換器400は、除湿要素として例示される。
循環システム600は、送風機610と熱交換器400との間に配設されたフィルタ装置700を更に備える。熱交換器400は、フィルタ装置700と連結されるベローズ管414を含む。乾燥空気が吹き付けられた衣類からリントが分離する。分離したリントは、その後、熱交換器400及びベローズ管414を通じて、フィルタ装置700に向かう。フィルタ装置700は、乾燥空気からリントを除去する。
図5に示される如く、循環システム600は、フィルタ装置700から送風機610へ流れる乾燥空気を案内するダクトユニット660を更に備える。送風機610は、ダクトユニット660内を負圧にするので、フィルタ装置700によってリントが除去された乾燥空気は、ダクトユニット660を通じて、送風機610に向かう。かくして、循環システム600は、主筐体110内で、乾燥空気の循環経路を形成する。
(フィルタ装置と熱交換器との接続構造)
図6は、乾燥機100の内部構造を示す平面図である。図1及び図6を用いて、乾燥機100の主筐体110の分解方法が説明される。
主筐体110の上面を形成する天壁115は、正面壁111、背面壁112、左側壁113及び右側壁114といった周壁に、ネジといった固定具を用いて固定される。乾燥機100を修繕或いは点検する作業者は、固定具を取り外し、天壁115を主筐体110の周壁から除去することができる。かくして、作業者は、乾燥機100の内部を観察することができる。
図7は、熱交換器400の側面図である。図5及び図7を用いて、熱交換器400からフィルタ装置700へ向かう乾燥空気の流れが説明される。
熱交換器400は、乾燥空気と熱交換を行う熱交換管410を備える。熱交換管410は、乾燥空気が流動する流路を規定する内面411を含む。熱交換器400は、熱交換管410が規定する流路に乾燥空気を除湿するための除湿水を供給するための略円筒状の給水口420を更に備える。給水口420は、最も下方の第1給水口421と、第1給水口421の上方に形成された第2給水口422と、第2給水口422より上方に形成された第3給水口423と、を含む。本実施形態において、熱交換管410は、案内管として例示される。
熱交換管410は、流入口412と、流入口412の上方に形成された排気口413と、を含む。熱交換管410は、流入口412と排気口413との間で、天壁115に向けて延出する。図5に示される如く、熱交換器400の下端に形成された流入口412は、水槽210の底壁212に接続される。乾燥工程において、処理槽200へ送られた乾燥空気は、流入口412を通じて、熱交換管410に流入する。尚、洗濯工程やすすぎ工程の間、処理槽200内に供給された水(洗濯水や柔軟剤を含む水溶液)も、流入口412を通じて、熱交換管410内に流入する。
熱交換管410内に流入した乾燥空気は、熱交換管410の上端に形成された排気口413から排出される。その後、乾燥空気は、フィルタ装置700、送風機610及びヒータ620を通過し、処理槽200に戻される。
図8は、フィルタ装置700、ダクトユニット660、送風機610、ヒータ620及び管路615の概略的な配置図である。図1、図4乃至図8を用いて、熱交換器400への除湿水の供給が説明される。
処理槽200中での衣類の乾燥処理及び熱交換器400中の熱交換によって、乾燥空気の温度は、ヒータ620の直後の乾燥空気の温度よりも低くなる。したがって、フィルタ装置700から送風機610までの経路において、結露が生じやすい。
ダクトユニット660は、フィルタ装置700に向けて下方に傾斜する底壁661と、底壁661の下端と熱交換器400の第3給水口423とに接続される接続管662と、を備える。ダクトユニット660中で結露し、ダクトユニット660の内面に付着した結露水は、重力作用によって、底壁661に沿って流下する。その後、結露水は、接続管662及び第3給水口423を通じて、除湿水として熱交換器400に供給される。
フィルタ装置700中で結露した結露水は、重力作用及び乾燥空気によってダクトユニット660に滴下する。その後、結露水は、ダクトユニット660の底壁661に沿って流下し、最終的に、接続管662及び第3給水口423を通じて、除湿水として熱交換器400に供給される。
送風機610は、乾燥空気の流路内に配設されたファン611と、ファン611を回転させる駆動モータ612とを備える。ファン611に付着した結露水は、重力作用及びファン611の回転によって、ダクトユニット660に滴下する。その後、結露水は、ダクトユニット660の底壁661に沿って流下し、最終的に、接続管662及び第3給水口423を通じて、除湿水として熱交換器400に供給される。
ダクトユニット660は、底壁661の下端部に配設された逆止弁663を更に備える。逆止弁663は、乾燥空気が、熱交換器400からダクトユニット660に直接的に流入することを抑制する。
図4に関連して説明された如く、給水ユニット300の筐体320から突出する排水筒321からは、給水口301から供給された水が、除湿水として排出される。排水筒321に接続された接続チューブは、熱交換器400の第1給水口421及び第2給水口422にそれぞれ接続される。
熱交換器400内に供給された除湿水は、熱交換管410の内面411に案内され、乾燥空気と熱交換する。この結果、乾燥空気は除湿される。熱交換管410の内面411に沿って流下した除湿水は、最終的に、熱交換器400の下端の流入口412を介して、熱交換器400から排出される。
図6に示される如く、熱交換器400は、第1外殻体430と、第1外殻体430と主筐体110の背面壁112との間に配設される第2外殻体440と、を備える。第2外殻体440は、背面壁112に沿って配設される。図7に示される如く、第2外殻体440は、第1外殻体430に重ね合わされ、熱交換管410を形成する。流入口412及び排気口413は、第1外殻体430に形成される。給水口420は、第2外殻体440に形成される。
第1外殻体430及び第2外殻体440は、略C状に湾曲した流路を形成する。熱交換器400の下端に形成された流入口412から流入した乾燥空気は、湾曲した流路を通過し、熱交換器400の上端に形成された排気口413から排出される。
図7には、水平線HLと、略円筒状に形成された排気口413の中心線L1が示されている。熱交換器400は、好ましくは、排気口413の中心線L1が水平線に対して略直交するように主筐体110内に配設される。したがって、排気口413の中心線L1に略平行な第2外殻体440の上側部分は、主筐体110の背面壁112に沿う。
図9は、熱交換器400とフィルタ装置700との間の接続構造を示す背面図である。図1、図6、図7及び図9を用いて、熱交換器400とフィルタ装置700との間の接続構造が説明される。
図9に示されるように、排気口413とフィルタ装置700とを接続するベローズ管414の下端は、固定バンド416を用いて、排気口413に固定される。同様に、ベローズ管414の上端も、固定バンド417を用いて、フィルタ装置700に固定される。
図6及び図9に示される如く、フィルタ装置700は、排気口413の中心線L1に対して水平方向(右側壁114から離間する方向)にずらされて配置される。図6に関連して説明された如く、作業者は、天壁115を取り外すことができる。その後、作業者は、ベローズ管414の固定に用いられた固定バンド416,417を取り外し、ベローズ管414を除去することができる。
図9に示される如く、乾燥機100は、洗濯水の物性を測定するための導電センサ450と、アース電極460と、を更に備える。導電センサ450及びアース電極460は、熱交換管410の内部に突出する。上述の如く、熱交換管410内には、リントを含む乾燥空気やリントを含む洗濯水が流入する。乾燥空気又は洗濯水中のリントは、熱交換管410の内部に突出した導電センサ450及びアース電極460に堆積しやすい。
排気口413は、上方に開口する(即ち、天壁115に向けて開口する)。フィルタ装置700は、排気口413の開口する方向に対して略直交する方向(即ち、背面壁112に沿う方向)にずらされているので、作業者の視線は、排気口413を通じて、熱交換管410の内面411に到達する。したがって、ベローズ管414を除去した作業者は、排気口413を介して、熱交換管410の内部を観察することができ、導電センサ450及び/又はアース電極460にリントが堆積しているか否かを容易に確認することができる。
(フィルタ装置)
図10は、ベローズ管414に接続されたフィルタ装置700の断面図である。図1、図8及び図10を用いて、フィルタ装置700が説明される。
フィルタ装置700は、下側ユニット710と、下側ユニット710の上方に配設される上側ユニット720と、を備える。下側ユニット710は、主筐体110の内部で固定されるのに対し、上側ユニット720は、主筐体110から容易に取り外される。図8に関連して説明されたダクトユニット660は、下側ユニット710に取り付けられる。
図11は、下側ユニット710の断面図である。図10及び図11を用いて、下側ユニット710が説明される。
下側ユニット710は、上側ユニット720を収容するための筐体730を備える。筐体730は、ベローズ管414に向けて突出する略円筒状の流入口731が形成された右側壁732と、右側壁732に対向する左側壁733と、を含む。乾燥空気は、ベローズ管414及び流入口731を通じて、フィルタ装置700内に流入する。
下側ユニット710は、右側壁732と左側壁733とに接続された下側フィルタ部735を更に備える。下側フィルタ部735は、筐体730が形成する内部空間を、流入口731に連通する上側空間USと上側空間USに隣接する下側空間LSとに分割する。流入口731から流入した乾燥空気は、上側空間USに流入した後、上側空間USの下方に形成された下側空間LSに至る。
図10に示される如く、上側空間US内に上側ユニット720が収容される。上側ユニット720は、上側フィルタ部725を備える。上側フィルタ部725は、下側フィルタ部735に隣接する。また、上側フィルタ部725は、下側フィルタ部735に対して略平行である。
流入口731から流入した乾燥空気は、上側空間US内に配設された上側ユニット720内に流入する。上側ユニット720内に流入した乾燥空気は、左側壁733に向かう第1方向FD(即ち、背面壁112に沿う方向)に流れる。
下側フィルタ部735と左側壁733との接続部分は、下側フィルタ部735と右側壁732との接続部分よりも上方に形成される。したがって、下側フィルタ部735及び下側フィルタ部735に平行な上側フィルタ部725は、第1方向FDの乾燥空気の流れに対して傾斜する(図10において、0°<θ<90°(θは、第1方向FDに対する上側フィルタ部725の傾斜角度))。
下側フィルタ部735及び上側フィルタ部725は、上側空間USから下側空間LSに向けて流れる乾燥空気からリントを除去する。上述の如く、下側フィルタ部735及び上側フィルタ部725は、第1方向FDの乾燥空気の流れに対して傾斜するので、リントを除去するための比較的広い面積が確保される。
図12は、上側ユニット720が除去された乾燥機100の平面図である。図3、図10乃至図12を用いて、下側フィルタ部735の清掃方法が説明される。
図12に示される如く、主筐体110の天壁115には、上方に開口した取出口701が形成される。上側ユニット720は、取出口701を通じて、上側空間USに挿入され、主筐体110に取り付けられる。上側ユニット720が取出口701を通じて主筐体110から取り出されると、下側フィルタ部735が露出する。
上述の如く、下側フィルタ部735は、フィルタ装置700の右側壁732と左側壁733とに接続されるので、使用者は、取出口701を通じて、下側フィルタ部735を容易に観察することができる。したがって、使用者は、下側フィルタ部735上で堆積したリントを容易に発見並びに除去することができる。
図5、図6、図10及び図11を用いて、フィルタ装置700内の乾燥空気の流動が説明される。
図10に示される如く、流入口731から上側空間USに流入した乾燥空気は、第1方向FD(右側壁732から左側壁733へ向かう方向)に流れる。その後、乾燥空気は、下方向DDに流れる。
図5に示される如く、ダクトユニット660は、フィルタ装置700から正面方向に延びる。したがって、下側空間LSに流入した乾燥空気は、正面方向(即ち、左側壁733に沿う方向)に向けて流れ、送風機610に到達する。以下の説明において、フィルタ装置700から送風機610へ向かう乾燥空気の流れ方向は、第2方向SDと称される。
図6は、第1方向FD及び第2方向SDの乾燥空気の流れを概略的に示す。上述の如く、乾燥空気は、第1方向FDに流れ、その後、下方向DDに流れる。更にその後、乾燥空気は、下側ユニット710の筐体730及びダクトユニット660によって、第1方向FDと略直交する第2方向SDに案内される。このような乾燥空気の流れの捻れは、上側フィルタ部725及び下側フィルタ部735の周囲で生ずる。この結果、上側フィルタ部725及び下側フィルタ部735の周囲での乾燥空気の流れは、複雑になり、上側フィルタ部725及び下側フィルタ部735上でのリントの堆積位置は、変動しやすくなる。上側フィルタ部725及び下側フィルタ部735上でリントは好適に分散されるので、上側フィルタ部725及び下側フィルタ部735の目詰まりの頻度は低減される。
図10及び図11に示される如く、下側空間LSは、下側ユニット710の筐体730の右側壁732から左側壁733に向けて徐々に広くなる。上述の如く、捻れた流動をする乾燥空気の流れにおいて、遠心方向に位置する左側壁733の近傍での下側空間LSの拡張は、乾燥空気の圧力損失の低減に貢献する。
(上側ユニット)
図13は、上側ユニット720の斜視図である。図14は、上側ユニット720の断面図である。図3、図10、図12乃至図14を用いて、上側ユニット720が説明される。
上側ユニット720は、上述の上側フィルタ部725に加えて、主筐体110から取り外し可能に形成された筐体740と、筐体740に取り付けられる略矩形状の蓋体750と、を備える。筐体740は、上側フィルタ部725を支持する第1筐体760と、第1筐体760を回転可能に支持する第2筐体770と、を含む。蓋体750は、第2筐体770に取り付けられる。
図12に関連して説明された如く、主筐体110の天壁115には取出口701が形成される。図3に示される如く、蓋体750は、取出口701を覆う。
図13に示される如く、略三角箱状に形成された第1筐体760は、傾斜面761を含む。傾斜面761は、格子状に形成される。上側フィルタ部725として用いられるフィルタメッシュは、格子状の傾斜面761に取り付けられる。図10に関連して説明された如く、傾斜面761は、下側フィルタ部735に対して略平行である。
図15は、上側ユニット720の正面図である。図13及び図15を用いて、上側ユニット720が更に説明される。
第1筐体760は、回転突起762を備える。回転突起762は、第1筐体760の右上端に形成される。第2筐体770は、回転突起762に対して略相補的な支持筒771を備える。第1筐体760の右上端に形成された回転突起762は、支持筒771に挿通される。この結果、第1筐体760は、第2筐体770に回転可能に支持並びに連結される。本実施形態において、第1筐体760に回転突起762が形成され、第2筐体770に支持筒771が形成される。代替的に、第1筐体に支持筒が形成され、第2筐体に回転シャフトが形成されてもよい。
図16は、第1筐体760の右側面図である。図10、図13及び図16を用いて、第1筐体760が説明される。
図10に示される如く、第1筐体760は、上側空間US内に完全に収容される。図16に示される如く、第1筐体760は、開口部763が形成された右側壁764を含む。流入口731を通過した乾燥空気は、開口部763を通じて、第1筐体760内に流入する。格子状の傾斜面761に取り付けられた上側フィルタ部725は、乾燥空気中のリントを捕捉する。
図13に示される如く、第1筐体760の左端が、第2筐体770に接続される第1位置に第1筐体760に存するとき、第1筐体760及び第2筐体770は、協働して、上側フィルタ部725に捕捉されたリントを収容するための収容空間を形成する。
図17は、右方に回動された第1筐体760を有する上側ユニット720の概略的な断面図である。図13、図16及び図17を用いて、上側ユニット720からのリントの除去方法が説明される。
第1筐体760の左端が第2筐体770から離間する離間方向(図17中、右方向)に第1筐体760が回動すると、上側フィルタ部725に捕捉されたリントが除去可能となる。
図18は、更に離間方向に回動された第1筐体760を有する上側ユニット720が概略的な正面図である。図15乃至図18を用いて、第1筐体760の回動が説明される。
第1筐体760は、回転突起762周りに更に離間方向に回動可能である。図15に示される如く、右方に大きく突出する蓋体750は、右縁751を含む。図18に示される如く、右縁751は、離間方向に回動する第1筐体760の右側壁764に接触し、第1筐体760の回動を制限する。以下の説明において、蓋体750によって回動を制限される第1筐体760の位置は、第2位置と称される。
図18には、蓋体750が第2筐体770から除去されたときに、第2筐体770から、最大限、離間方向に回動された第1筐体760が点線で示されている。図18に示される如く、蓋体750が第2筐体770から除去されると、第1筐体760は、第2位置から更に離間方向に回動可能である。第2筐体770は、蓋体750との接続に用いられる接続部772を含む。接続部772は、外方に突出する。蓋体750が第2筐体770から除去された後、第1筐体760が、最大限、離間方向に回動すると、第1筐体760の右側壁764は、第2筐体770の接続部772に接触する。
(第1筐体と第2筐体との接続構造)
図19は、第1筐体760の回転突起762を示す。図19(a)は、第1筐体760の右側面図である。図19(b)は、正面方向に突出する回転突起762の部分正面図であり、回転突起762の端面形状を表す。図19(c)は、背面方向に突出する回転突起762の端面形状を表す部分背面図である。図19を用いて、回転突起762が説明される。
回転突起762は、正面方向に突出する第1回転突起765と、第1回転突起765とは反対側に形成された第2回転突起766と、を含む。第1回転突起765とは反対方向に突出する第2回転突起766は、第1回転突起765と略同軸に形成される。略円柱形状の第2回転突起766は、略円形の断面を有する。一方、Dカット処理された第1回転突起765は、非円形断面を有する。
Dカット処理された第1回転突起765の周面は、平坦面767を含む。平坦面767は、第1平坦面768と、第1平坦面768と反対側に形成された第2平坦面769と、を含む。第2平坦面769は、第1平坦面768に対して略平行である。第1回転突起765の周面は、第1平坦面768と第2平坦面769との間の弧状面781を更に含む。
図20は、第2筐体770の支持筒771を示す。図20(a)は、第2筐体770の右側面図である。図20(b)は、図20(a)に示される矢印Aの方向から見た第2筐体770の部分断面図であり、第1回転突起765が挿入される支持筒771を示す。図20(c)は、図20(a)に示される矢印Bの方向から見た第2筐体770の部分断面図であり、第2回転突起766が挿入される支持筒771を示す。図19及び図20を用いて、支持筒771が説明される。
支持筒771は、第1回転突起765を支持する第1支持筒773と、第2回転突起766を支持する第2支持筒774と、を含む。支持筒771は、回転突起762と接触する内面775を含む。第1筐体760が回動するとき、第1回転突起765の弧状面781は、第1支持筒773の内面775に摺接される。一方で、第1回転突起765の平坦面767は、第1支持筒773の内面775から離間している。第2回転突起766の周面は、第2支持筒774の内面775に全体的に接触する。
第2支持筒774は、第1支持筒773に対向する対向面776を含む。第1支持筒773は、対向面776から第1距離D1だけ離間した第1部分777と、対向面776から第2距離D2だけ離間した第2部分778と、を含む。尚、第2距離D2は、第1距離D1よりも長い。
第1部分777は、第1部分777と第2部分778との境界において形成された空隙部Gを規定する縁部779を含む。空隙部Gは、回転突起762の回転軸RXに対して半径方向に開口する。
図21は、第2筐体770に取り付けられる第1筐体760を示す。図22は、図21に示される第2筐体770の第1支持筒773と、図21に示される第1筐体760の第1回転突起765と、を示す。図18、図20乃至図22を用いて、第1筐体760と第2筐体770との接続が説明される。
図21に示される第1筐体760の回転位置は、図18において点線で示される第1筐体760の位置に対応する。図21に示される第1筐体760の回転位置において、第1筐体760は、第2筐体770に接続される。第1筐体760が第2筐体770に接続された後、蓋体750が第2筐体770に取り付けられる。以下の説明において、図21に示される第1筐体760の回転位置は、取付位置と称される。
図18に関連して説明された如く、蓋体750は、第1筐体760の取付位置への回動を妨げる。したがって、蓋体750が第2筐体770から除去されない限り、第1筐体760と第2筐体770との接続は維持される。
図22に示される如く、空隙部Gを規定する縁部779は、空隙部Gの上側境界を定める上側縁部782と空隙部Gの下側境界を定める下側縁部783とを含む。上側縁部782と下側縁部783との間の距離は、第1回転突起765の第1平坦面768と第2平坦面769との距離に略等しく定められる。第1筐体760が取付位置に到達すると、上側縁部782と下側縁部783とを通過する面として規定される境界面Bに対して、平坦面767は略直交する。
第1平坦面768と第2平坦面769との距離は、第1回転突起765の断面寸法の中で最も短い。したがって、第1筐体760が取付位置以外の他の位置に存するとき、縁部779は、第1支持筒773への第1回転突起765の挿入或いは第1支持筒773からの第1回転突起765の取り外しを妨げる。一方、第1筐体760が取付位置に到達すると、第1回転突起765は空隙部Gを通じて、第1支持筒773に挿入され、或いは、第1回転突起765は空隙部Gを通過し、第1支持筒773から分離される。
本実施形態において、第2回転突起766は、第1回転突起765と異なる断面形状を有する。代替的に、第2回転突起は、第1回転突起と同形の断面を有してもよい。また、第2支持筒774は、第1支持筒773と異なる形状を有する。代替的に、第2支持筒は、第1支持筒に対して鏡像形状をなしてもよい。
(フィルタ装置からの放熱)
図23は、第2筐体770の概略的な断面図である。図23を用いて、第2筐体770が説明される。
第2筐体770は、水平に横たわる底壁791と、底壁791から上方に立設された周壁792と、底壁791の上面に形成されたリブ793と、を含む。第2筐体770は全体的に皿形状に形成され、底壁791及び周壁792は、蓋体750に対して窪んだ凹領域を形成する。底壁791の上面に形成されたリブ793は、周壁792の上面に沿って延びる。
図24は、上側ユニット720の斜視図である。図1、図12、図23及び図24を用いて、上側ユニット720が説明される。
図24に示される如く、第1筐体760、第2筐体770及び蓋体750は、連結され、上側ユニット720として一体化される。図12に関連して説明された如く、蓋体750は、主筐体110の天壁115に形成された取出口701を部分的に覆う。
第2筐体770に取り付けられた蓋体750は、第2筐体770の底壁791と周壁792とによって規定された凹領域も部分的に閉塞する。蓋体750には、開口部754が形成される。蓋体750は、主筐体110から露出する外面(上面)を有する主板752と、第2筐体770の底壁791と周壁792とによって規定された凹領域内に突出する取手壁753と、を含む。取手壁753は、開口部754の縁部から主筐体110に対して凹設された凹領域に突出する。
図25は、上側ユニット720を示す。図25(a)は、上側ユニット720の平面図である。図25(b)は、図25(a)に示されるC−C線に沿う断面図である。図5及び図25を用いて、上側ユニット720からの放熱が説明される。
図5に関連して説明された如く、乾燥空気は、ヒータ620によって加熱される。図25(b)に示される如く、第2筐体770の底壁791及び周壁792は、第1筐体760と蓋体750との間を仕切る。また、底壁791及び周壁792は、第1筐体760と協働して、リントを収容するための収容空間を形成する。ヒータ620によって加熱された乾燥空気は、図25(b)の矢印で示されるように、収容空間に流入する。
乾燥空気からの熱伝達によって、底壁791及び周壁792は加熱される。蓋体750の開口部754及び蓋体750に対向する底壁791及び周壁792の上面に形成されたリブ793は、底壁791及び周壁792からの放熱を促す。したがって、底壁791及び周壁792の過度の昇温が抑制される。
使用者は、蓋体750の開口部754に指を挿入し、上側ユニット720を主筐体110から除去することができる。上述の如く、底壁791及び周壁792の過度の昇温が抑制されるので、使用者の指が底壁791又は周壁792に接触しても、使用者は過度の熱を感じない。したがって、高い安全性を有する乾燥機100が提供される。
(熱交換器)
図5及び図9を再度用いて、熱交換器400が説明される。
図5に示される如く、熱交換器400は、水槽210に連結される。したがって、例えば、洗濯工程において、洗濯水は、流入口412を通じて、熱交換管410内に流入する。
図9に示される如く、熱交換器400の第2外殻体440には、導電センサ450が取り付けられる。導電センサ450は、熱交換管410内に流入した洗濯水の泡立ちの程度を検出するために用いられる。導電センサ450を用いた泡立ちの程度の検出方法に対して、既知の手法が適用されてもよい。尚、導電センサ450を用いて、洗濯水の他の物性が測定されてもよい。
本実施形態において、導電センサ450は、熱交換管410の略中間位置に取り付けられた第1電極451と、第1電極451より上方に取り付けられた第2電極452と、を含む。導電センサ450は、例えば、第1電極451と第2電極452との間で洗濯水のインピーダンスを測定する。第1電極451及び第2電極452は、洗濯水の物性を測定するため、熱交換管410の内面411から突出する。したがって、第1電極451及び第2電極452には、リントがひっかかりやすい。後述される除湿水を供給並びに案内する技術は、第1電極451及び第2電極452によって捕捉されたリントの除去を促す。
図26は、熱交換器400の概略図である。図26の中央図は、熱交換器400の概略的に示す側面図である。図26の左図は、図26中のA−A方向から見た熱交換器400の内面構造(即ち、第1外殻体430の内面構造)の概略図である。図26の右図は、図26中のB−B方向から見た熱交換器400の内面構造(即ち、第2外殻体440の内面構造)の概略図である。図27は、第2外殻体440の概略的な斜視図である。図4、図8、図26及び図27を用いて、熱交換器400が更に説明される。
第1外殻体430は、第2外殻体440に、例えば、超音波を用いて接続される縁面431を含む。同様に、第2外殻体440は、第1外殻体430の縁面431に接続される縁面441を備える。縁面431及び縁面441が重ね合わせられ、その後、溶着される結果、熱交換管410が形成される。
図4に関連して説明されたように、除湿水は、給水ユニット300の排水筒321から第1給水口421及び第2給水口422へ供給される。また、図8に関連して説明されたように、結露水は、ダクトユニット660から延びる接続管662を通じて、第3給水口423へ除湿水として供給される。
第2外殻体440は、第1給水口421から流入した除湿水を一時的に貯留するように第1給水口421を取り囲む貯留壁442を備える。第1外殻体430は、第2外殻体440の貯留壁442に、例えば、超音波を用いて溶着される貯留壁432を備える。貯留壁442及び貯留壁432が溶着される結果、第1給水口421から流入した除湿水が貯留されるための貯留室が形成される。
図27に示される如く、第2外殻体440の貯留壁442には切欠部443が形成される。貯留壁442,432によって形成された貯留室に蓄えられた除湿水は、切欠部443を通じて、第2外殻体440の内面411に沿って流下する。第1外殻体430の貯留壁432にも、同様の切欠部(図示せず)が形成される。貯留壁442,432によって形成された貯留室に蓄えられた除湿水は、貯留壁432に形成された切欠部を通じて、第1外殻体430の内面411に沿って流下する。
第2給水口422及び第3給水口423は、排気口413の基端部近くに取り付けられた第2電極452よりも上方から除湿水を熱交換管410内に流入させる。したがって、熱交換管410の内面411の略全体を用いて、乾燥空気が除湿される。
第1外殻体430及び第2外殻体440は、熱交換管410によって規定される乾燥空気の流路を部分的に仕切る仕切板444を更に備える。第1外殻体430及び第2外殻体440の仕切板444は、例えば、超音波を用いて溶着される。溶着の結果、第2給水口422及び第3給水口423から流入した除湿水が貯留されるための貯留室が形成される。第2給水口422(及び、第3給水口423)と第2電極452との間で略水平に延びる仕切板444は、第2電極452の上方で一時的に除湿水を貯留する。
図27に示される如く、仕切板444には、開口部445が形成される。仕切板444によって形成された貯留室に蓄えられた除湿水は、開口部445を通じて、第2外殻体440の内面411に沿って流下する。第1外殻体430の仕切板444にも、同様の開口部(図示せず)が形成される。仕切板444によって形成された貯留室に蓄えられた除湿水は、仕切板444に形成された開口部445を通じて、第1外殻体430の内面411に沿って流下する。
熱交換器400は、内面411に沿って流下する除湿水を略水平に拡散させる拡散リブ470を備える。拡散リブ470は、第1給水口421より下方で、内面411から突出する。したがって、拡散リブ470は、第1給水口421、第2給水口422及び第3給水口423から供給された除湿水を全体的に拡散させることができる。本実施形態において、拡散リブ470は、除湿水を略水平に拡散させる。代替的に、拡散リブは、乾燥空気の流動方向に交差する任意の方向に除湿水を拡散させてもよい。
熱交換管410は、第1給水口421及び第2給水口422が形成された第1側壁425と、第1側壁425に対向する第2側壁426と、第1側壁425と第2側壁426との間の主壁427と、を含む。拡散リブ470は、第1側壁425から主壁427に沿って第2側壁426に向けて延びる第1リブ471と、第2側壁426から主壁427に沿って第1側壁425に向けて延びる第2リブ472と、を含む。第1リブ471及び第2リブ472は、熱交換管410の長手方向に略交互に整列される。
貯留壁442,432は、第1側壁425とともに除湿水を蓄える貯留室を形成する。第1リブ471は、貯留壁442,432並びに第1側壁425によって形成された貯留室からの除湿水を受け止める基端部473と、基端部473とは反対側の先端部474と、を含む。先端部474は、基端部473よりも下方に形成される。したがって、第1リブ471に到達した除湿水は、基端部473から先端部474に向けて流れる。かくして、除湿水は、水平方向に拡散される。尚、貯留壁442,432並びに第1側壁425によって形成された貯留室の直下に形成された第1リブ471の基端部473は、比較的多い量の除湿水を受け止める。したがって、第1リブ471の基端部473は、第1側壁425の内面411に沿って略水平に延びる側リブ475を含むことが好ましい。
第2リブ472は、第2側壁426に隣接する基端部476と、基端部476とは反対側の先端部477と、を含む。先端部477は、基端部476よりも下方に形成される。したがって、第2リブ472に到達した除湿水は、基端部476から先端部477に向けて流れる。かくして、除湿水は、水平方向に拡散される。
本実施形態において、第2リブ472は、最も上方の第1リブ471から流下した除湿水を受け止める。また、最も下方の第1リブ471は、第2リブ472から流下した除湿水を受け止める。
図28Aは、最も上方の第1リブ471の拡大図である。図28Bは、第2外殻体440の概略的な断面図である。図26乃至図28Bを用いて、拡散リブ470が説明される。
図27に示される如く、基端部473,476と先端部474,477との間において、拡散リブ470には、溝部478が形成される。
図26及び図28Aには、内面411を流下する除湿水の流れが概略的に示されている。上述の如く、拡散リブ470に到達した除湿水は、先端部474,477に向けて流れる。溝部478は、先端部474,477に向けて流れる除湿水の一部の流下を許容する。かくして、除湿水は、主壁427の内面411全体に亘って拡散される。
図27及び図28Bに示される如く、拡散リブ470は、テーパ状に形成されるので、主壁427の内面411からの基端部473,476の突出量は、先端部474,477の突出量よりも大きい。上述の如く、先端部474,477に向けて流れる除湿水の一部は、溝部478を通じて流下するので、拡散リブ470が水平に案内する除湿水の量は、先端部474,477に向けて徐々に低下する。したがって、テーパ状の拡散リブ470であっても、除湿水に対する水平拡散機能を十分に発揮することができる。更に、先端部474,477に向けての突出量の低減は、乾燥空気の流れに対して不必要に抵抗を与えない。したがって、乾燥空気の循環効率は低下しにくくなる。
図26に示される如く、乾燥空気は、流入口412から流入し、上方の排気口413から排気される。図27に示される如く、拡散リブ470は、上方に向かうにつれて突出量が徐々に大きくなるように傾斜した略平坦な傾斜面479を含む。したがって、拡散リブ470は、乾燥空気に対して、不必要に大きな抵抗を与えない。したがって、乾燥空気の循環効率は低下しにくくなる。
図26に示される如く、熱交換管410は、流入口412から排気口413に向けて弧状に湾曲した流路を形成する。第1外殻体430に形成された拡散リブ470は、湾曲した流路において、求心側に位置する。また、第2外殻体440に形成された拡散リブ470は、遠心側に位置する。したがって、以下の説明において、第1外殻体430に形成された拡散リブ470は、必要に応じて、求心リブ481と称される。また、第2外殻体440に形成された拡散リブ470は、必要に応じて、遠心リブ482と称される。
図26には、水平線HL、水平線HLに対する求心リブ481の傾斜角度θ1及び水平線HLに対する遠心リブ482の傾斜角度θ2が示されている。図26に示される如く、遠心リブ482の傾斜角度θ2は、求心リブ481の傾斜角度θ1よりも大きい。したがって、第2外殻体440の内面411を流下する除湿水の流速は、第1外殻体430の内面411を流下する除湿水の流速よりも小さくなる。
遠心側の第2外殻体440の内面411に沿う乾燥空気の流速は、求心側の第1外殻体430の内面411に沿う乾燥空気の流速よりも大きい。上述の如く、第2外殻体440の内面411を流下する除湿水の流速は、比較的遅いので、速い流速の乾燥空気と適切に熱交換することができる。加えて、第2外殻体440の内面411を流下する除湿水と第2外殻体440の内面411に沿う乾燥空気との間の相対速度が低減されるので、除湿水は、巻き上げられにくくなる。
図29は、第2外殻体440の概略的な平面図である。図7、図26、図27及び図29を用いて、導電センサ450の洗浄が説明される。
図27に示される如く、第2外殻体440の主壁427には、導電センサ450が挿入される開口部453が形成される。図7及び図27に示される如く、第2外殻体440は、導電センサ450を第2外殻体440に固定するためのビスといった固定具454(図7参照)と螺合するように内方に突出した固定筒455を備える。本実施形態において、一対の固定筒455の間に開口部453が形成される。
図29に示される如く、第2リブ472の先端部477は、第1電極451の直上(鉛直線上)に形成される。したがって、第2リブ472に案内されて先端部477に到達した除湿水は、第1電極451上に流下する。かくして、第1電極451に付着したリントは適切に除去される。代替的に、拡散リブの溝部が導電センサの直上に形成されてもよい。溝部を通じて流下した除湿水は、直接的に導電センサに接触するので、リントは好適に除去される。
第2リブ472の上方に、2本の第1リブ471が形成されている。最も上方の第1リブ471に形成された溝部478は、2番目に上方の第1リブ471の先端部474の直上に位置する。したがって、2番目に上方の第1リブ471を介して流下する除湿水の流速が増すので、当該除湿水も第1電極451に衝突しやすくなる。
図30は、熱交換器400の概略的な縦断面図である。図30を用いて、仕切板444から流下する除湿水の流れが説明される。
上述の如く、仕切板444は、第2給水口422(及び第3給水口423)に供給された除湿水を一時的に貯留するための貯留室を形成する。仕切板444によって形成された貯留室は、乾燥空気の流れを横切る方向に拡がるので、除湿水は、熱交換器400の内面411の広い範囲に供給される。
図31は、熱交換器400の上部の概略的な拡大縦断面図である。図32は、熱交換器400の上部の概略的な横断面図である。図4、図5、図29乃至図32を用いて、仕切板444が説明される。
上述の如く、熱交換器400は、上述の如く、第1外殻体430と第1外殻体430に重ね合わせられる第2外殻体440とを含む。仕切板444は、第1外殻体430に一体的に形成された第1仕切板446と、第2外殻体440に一体的に形成された第2仕切板447と、を含む。
図32に示される如く、第1仕切板446は、第2仕切板447に対向する第1縁部448を含む。第2仕切板447は、第1縁部448に接続される第2縁部449を含む。本実施形態において、第1縁部448及び第2縁部449は、超音波を用いて接着される。かくして、仕切板444は、第1外殻体430と第2外殻体440とに跨る貯留室を形成する。
図30及び図31に示される如く、仕切板444には、複数の開口部445が形成される。除湿水は、開口部445を通じて、仕切板444が形成する貯留室から排出される。
図32は、仕切板444に形成された開口部445の配置を概略的に示す。図32は、排気口413の断面も示している。排気口413の一部は、仕切板444として用いられる。排気口413の管壁には、一対の開口部445が形成されている。図30に示される如く、これらの開口部445から流出した除湿水は、主に、第1外殻体430の主壁427の内面411に向けて流れる。
図32に示される如く、第2仕切板447には、第2外殻体440の主壁427の内面411に沿って整列する4つの開口部445が形成される。図30に示される如く、これらの開口部445から流出した除湿水は、主に、第2外殻体440の主壁427の内面411に沿って流れる。
図32に示される如く、第1仕切板446の第1縁部448の両端には切欠部が形成される。第1縁部448及び第2縁部449が接続されると、熱交換器400の第1側壁425及び第2側壁426にそれぞれ隣接する開口部445が形成される。第1縁部448と第2縁部449との境界に形成されたこれらの開口部445は、熱交換器400の側壁(第1側壁425及び第2側壁426)に沿う除湿水の流下を許容する。
図29に示される如く、第2電極452は、最も上方の第1リブ471と仕切板444との間で第2外殻体440の主壁427の内面411から突出する。第2外殻体440の主壁427の内面411に沿って整列する開口部445のうち1つは、第2電極452の鉛直線VL上に形成される。したがって、直上の開口部445から流下した除湿水は、第2電極452を直接的に洗浄し、リントを好適に除去する。
上述の如く、制御装置250は、給水ユニット300を制御し、熱交換管410を乾燥空気が流動している間、第1給水口421及び第2給水口422を通じて、熱交換器400に除湿水を供給する。必要に応じて、給水ユニット300は、制御装置250の制御下で、処理槽200へ洗濯水を供給する洗濯工程においても、熱交換器400に除湿水を供給してもよい。
導電センサ450は、制御装置250に洗濯水の物性に関するデータを出力するので、制御装置250は、洗濯水の物性データに基づいて、給水ユニット300を制御してもよい。例えば、洗濯水の物性データが、第1電極451及び/又は第2電極452に対するリントの付着を表しているならば、制御装置250は、排水弁361を開き、熱交換器400中の液位を下げた後、除湿水を熱交換器400に供給してもよい。
(接地構造)
図5及び図29を用いて、乾燥機100の接地構造が説明される。
乾燥機100は、電力を用いて作動する。したがって、乾燥機100は、安全性の観点から、アース線101を備える。本実施形態において、アース線101は、駆動モータ230から延び、適切に接地処理されている。
図29に示される如く、アース電極460は、給水口420の下方に配設され、熱交換管410が形成する流路内に突出する。アース電極460は、熱交換管410が形成する流路の下端近傍に配設されるので、給水口420から流下した除湿水及び流入口412から流入した洗濯水の両方に接触する。アース電極460は、アース線101に電気的に接続される。
電力を用いて作動する導電センサ450が、熱交換管410が形成する流路内に突出し、洗濯水又は除湿水に接触した後、アース電極460は、熱交換管410内の水に直接的に接触するので、熱交換管410内の水に対して直接的な接地処理を行うことができる。
したがって、乾燥機100の安全性が向上する。
図33は、第2外殻体440の下部の概略的な拡大図である。図5、図29及び図33を用いて、接地構造が更に説明される。
第2外殻体440の内面411には、アース電極460を取り囲む貯水領域461が形成される。貯水領域461は、第2外殻体440の内面411に対して凹設される。したがって、給水口420から流下する除湿水及び流入口412から流入した洗濯水は、貯水領域461に貯留される。アース電極460は、貯水領域461内で突出するので、除湿水及び洗濯水と適切に接触する。
第2外殻体440は、給水口420から流下する除湿水を貯水領域461へ案内するように、第2外殻体440の内面411から突出する案内リブ462を備える。案内リブ462は、最も下方の第1リブ471から流下した除湿水を直接的に受け止める第1案内リブ463と、第1案内リブ463を乗り越えて流下する第2案内リブ464と、を含む。かくして、除湿水は、アース電極460に適切に接触する。
図34は、水槽210と熱交換器400との間の接続構造の概略的な拡大断面図である。図5、図7、図26、図29及び図34を用いて、接地構造が更に説明される。
図7に関連して説明された如く、第2外殻体440の上部の背面は、主筐体110の背面壁112に沿う。図7及び図34に示される如く、熱交換器400の下部は、正面方向に湾曲する。この結果、流入口412は、水槽210に接続する。
貯水領域461が形成された第2外殻体440の内面411は、若干下方に湾曲する。更に、貯水領域461は、内面411に対して凹設される。したがって、除湿水及び洗濯水は、貯水領域461に貯留されやすくなる。図34には、貯水領域461に貯留された水が示されている。
図34に示されるように、アース電極460は、貯水領域461内で突出する。したがって、アース電極460は、貯水領域461中に貯留された水に適切に接触する。
図34に示されるように、貯水領域461は、流入口412に対向する。したがって、排水口362を通じて、除湿水又は洗濯水が排水されるとき、熱交換器400内の導電センサ450に接触した水は、アース電極460に接触した後、流入口412を介して熱交換器400から排出される。したがって、適切に接地処理された水が乾燥機100から排出されることとなる。かくして、乾燥機100の安全性が向上する。
(排水システム)
図4、図5及び図34を用いて、洗濯のために用いられた洗濯水及び乾燥空気との熱交換のために用いられた除湿水を主筐体110外へ排出するための排水システムが説明される。
上述の如く、アース電極460によって接地処理された水は、排水弁361が開かれると、流入口412から流出し、その後、排水管360と熱交換器400とを接続する水槽210を通じて、排水管360に至る。本実施形態において、水槽210は、接続要素として例示される。
図5に示される如く、乾燥機100は、処理槽200中の衣類の乾燥度を測定するためのセンサ素子800を含む。センサ素子800は、ヒータ620の直後に配設された第1温度センサ805と、フィルタユニット500に取り付けられた第2温度センサ810と、を含む。第1温度センサ805は、衣類の乾燥を行う前の乾燥空気の温度を測定する。第2温度センサ810は、水槽210を通じて、フィルタユニット500に流入した除湿水の温度を測定する。センサ素子800によって測定された温度の差によって、衣類の乾燥の程度が見積もられる。温度差に基づく乾燥度の検出に対して、既知の手法が好適に適用される。本実施形態において、第2温度センサ810は、温度センサとして例示される。
図4及び図5に関連して説明された如く、処理槽200に起因する振動は、ダンパ要素240及びサスペンション要素245によって適切に減衰される。したがって、フィルタユニット500が固定される正面壁111は、ほとんど振動しない。したがって、第2温度センサ810を固定するための構造は、簡素化される。
図35は、フィルタユニット500の概略的な右側面図である。図36は、図35に示されるA−A線に沿うフィルタユニット500の概略的な断面図である。図4、図5、図35及び図36を用いて、フィルタユニット500に対する第2温度センサ810の取付構造が説明される。
図4及び図5に示される如く、排水管360は、フィルタユニット500と水槽210とを接続する接続管363を含む。図5に示される如く、排水弁361は、接続管363に取り付けられる。
図35及び図36に示される如く、フィルタユニット500は、接続管363と嵌合する接続筒520を含む。図36に示される如く、接続管363は、除湿水が流動する排水路を規定する内壁面521と、内壁面521とは反対側の外壁面522と、を含む管壁525を含む。接続筒520に流入した除湿水の熱は、外壁面522へ熱伝達される。
第2温度センサ810は、外壁面522に伝達された熱に応じた電圧信号(以下、温度信号と称される)を発生させる測定素子811と、測定素子811からの温度信号を制御装置250へ伝達する信号線812と、を含む。測定素子811は、外壁面522に押しつけられ、除湿水の温度を適切に測定する。測定素子811に接続された信号線812が制御装置250へ温度信号を伝達する結果、制御装置250は、処理槽200内の衣類の乾燥度を判定することができる。制御装置250は、衣類の乾燥度に応じて、例えば、ファン611の回転数を調整する。代替的に及び/又は追加的に、制御装置250は、熱交換器400への除湿水の供給量を調整する。
フィルタユニット500は、フィルタ部材510を収容する収容筒512を更に備える。熱交換器400を洗浄した除湿水(及び衣類の洗濯に用いられた洗濯水)に含まれるリントや他の異物は、収容筒512内のフィルタ部材510によって、適切に除去される。本実施形態において、フィルタ部材510は、フィルタ要素として例示される。
接続筒520は、収容筒512に接続される基端部513と、基端部513の外壁面522から突出する保持筒514と、を含む。保持筒514は、測定素子811を取り囲むとともに保持する。
接続筒520は、外壁面522から直立した取付リブ515を更に含む。信号線812は、適切な固定具516を用いて、取付リブ515に固定される。固定具516から測定素子811までの区間において、信号線812は、測定素子811を外壁面522に押しつけるように弾性変形する。保持筒514には、信号線812の弾性変形を適切に保持するように形成されたスリット517が形成される。信号線812は、スリット517に挿入される。
フィルタユニット500は、安定的な正面壁111に固定されるので、第2温度センサ810とフィルタユニット500との間の接続構造は、簡素化される。また、図4に示される如く、フィルタユニット500は、制御装置250に隣接するので、測定素子811と制御装置250とを接続する信号線812は短くてもよい。したがって、温度信号を伝達するための中継点は、必要とされない。かくして、衣類の乾燥度を測定するための設備は、廉価に構築される。加えて、乾燥機100への第2温度センサ810の設置作業並びに第2温度センサ810に関連するメンテナンス作業は、効率化されることとなる。
図37は、温度センサの取付位置と検出感度との関係を概略的に示すグラフである。図5、図35乃至図37を用いて、温度センサの取付位置と検出感度との関係が説明される。
図35及び図36に関連して説明された如く、本実施形態の第2温度センサ810は、熱交換器400から離れたフィルタユニット500に取り付けられる。この結果、第2温度センサ810は、簡素な取付構造を以て、主筐体110内に設置される。その一方で、熱交換器400からの第2温度センサ810の離間は、温度の検出感度を低下させる可能性があるので、本発明者は、熱交換器400からの第2温度センサ810の離間の影響を調査した。
本発明者は、2つの測定を行った。第1の測定において、本発明者は、図35及び図36に関連して説明された如く、温度センサをフィルタユニットに取りつけ、除湿水の温度を測定した。第2の測定において、熱交換器から排出された直後の除湿水の温度を測定するために、温度センサを水槽の近傍(即ち、接続管363と水槽210との接続部)に配設した。
図37に示される「予熱期」は、乾燥工程が開始された直後に現れる期間であり、この期間において、除湿水の温度は、増加する傾向にある。予熱期における除湿水の温度上昇は、衣類の乾燥が急速に進んでいることを表す。
図37に示される「恒率期」は、「予熱期」の後に現れ、この期間において、除湿水の温度は、略一定である。「恒率期」における略一定の温度変化は、衣類の乾燥が進行していることを表す。
図37に示される「減率期」は、「恒率期」の後に現れ、この期間において、除湿水の温度は、減少傾向にある。「減率期」における除湿水の温度減少は、衣類の乾燥が略完了したことを表す。
図37に示される如く、「恒率期」から「減率期」への遷移時における除湿水の温度変化の傾向及びタイミングは、第1の測定及び第2の測定において、略同様である。このことは、フィルタユニット500に取り付けられた第2温度センサ810は、水槽210の近くに取り付けられたセンサと略同等の感度で、除湿水の温度変化を検出することができるということを意味する。したがって、制御装置250は、フィルタユニット500に取り付けられた第2温度センサ810からの温度信号に基づいて、衣類の乾燥度を適切に判定することができる。