JP5723694B2

JP5723694B2 - 雌端子

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Publication number: JP5723694B2
Application number: JP2011137169A
Authority: JP
Inventors: 修平安藤; 輝満松本; 加藤　元; 元加藤
Original assignee: Yazaki Corp
Current assignee: Yazaki Corp
Priority date: 2011-06-21
Filing date: 2011-06-21
Publication date: 2015-05-27
Anticipated expiration: 2031-06-21
Also published as: EP2724423B1; CN103620874A; US9017116B2; JP2013004452A; US20140170912A1; EP2724423A1; WO2012176394A1

Description

本発明は、雄端子が挿入される電気接続部を有し、この電気接続部に挿入された雄端子と電気的に接続する雌端子に関する。

従来から、雄端子と電気的に接続する雌端子として、例えば、特開２００２−１００４３０号公報（特許文献１）及び特開２０１１−４４２５６号公報（特許文献２）に記載された雌端子が提案されている。

このような雌端子は、雄端子が挿入される電気接続部と、この電気接続部内に組み込まれて雄端子と接触可能な弾性接触部材と、電気接続部に挿入された雄端子と電気的に接続する電線が圧着接続される電線圧着部とから略構成されている。

電気接続部内に弾性接触部材を配置した状態で電気接続部に雄端子を挿入すると、弾性接触部材の弾性変形した弾性接触片が復元力によって雄端子と圧接するため、雌端子は雄端子と電気的に接続する。そして、弾性接触部材と雄端子との接触面積を多くするために、弾性接触部材には複数の弾性接触片が設けられる。

特開２００２−１００４３０号公報特開２０１１−４４２５６号公報

複数の弾性接触片を弾性接触部材に形成する加工として、弾性接触部材の基材に打ち抜き加工で適宜形状のスリットを形成し、スリット間の部分に弾性接触片を形成する加工を用いることがある。

このような打ち抜き加工を行う際には、金型に耐久性を持たせるために、スリットの幅を弾性接触部材の基材の厚さよりも大きい寸法とすることが望ましい。その代わり、スリットの幅を大きくすれば、弾性接触部材の基材に形成できる弾性接触片の数は当然少なくなる。

このように、雄端子との接触面積を増やす上では弾性接触部材により多くの弾性接触片を形成したい一方、加工に用いる金型の耐久性を高める上では、弾性接触部材に形成する弾性接触片の数が減る方向の設計が重要になる。

そこで、本発明は、加工に用いる金型の耐久性を損なわずに、より多くの弾性接触片を弾性接触部材に形成することができる雌端子を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本願請求項１に記載した本発明の雌端子は、雄端子が挿入される電気接続部と、この電気接続部内に挿入された雄端子と電気的に接続する電線が接続される電線接続部とを有する雌端子であって、前記電気接続部は前記電線接続部と一体的に形成されており、前記電気接続部は挿入される雄端子の挿入方向に沿って延在する複数の面に囲まれた箱型に形成され、前記電気接続部には、挿入される雄端子の挿入方向に沿って延在する前記面の少なくとも一面に雄端子と接触可能な弾性接触部材が形成され、前記弾性接触部材は、前記面に対して一体的に形成された第１の弾性接触片と第２の弾性接触片を有し、前記第１の弾性接触片は、前記電気接続部を形成する前記面に設けられ、前記面の前記挿入方向における一端側に片持ち支持されて前記電気接続部に挿入される雄端子の挿入方向に対して直交する幅方向に間隔をおいて複数形成され、前記第２の弾性接触片は、前記面の前記挿入方向における他端側で折り返され、折り返された他端側に片持ち支持されて前記間隔に位置し、前記第１の弾性接触片と第２の弾性接触片とが前記電気接続部に挿入された雄端子と接触する、ことを特徴とする。

請求項２に記載した本発明の雌端子は、請求項１に記載の雌端子において、前記弾性接触部材は、前記電気接続部の対向する２つの面にそれぞれ形成されており、前記２つの面の弾性接触部材同士により雄端子を挟持する、ことを特徴とする。

請求項３に記載した本発明の雌端子は、請求項１又は請求項２に記載の雌端子において、前記第１の弾性接触片及び第２の弾性接触片の、前記電気接続部に挿入された雄端子とそれぞれ接触する各接触部は、前記雄端子の挿入方向に互いに位置をずらして配置されることを特徴とする。

請求項１に記載した本発明の雌端子によれば、弾性接触部材が形成された電気接続部が電線接続部と一体的に形成されている。このため、弾性接触部材と電気接続部間の抵抗値を減少することができ、抵抗値が増加することに伴う発熱を抑制することができる。

また、第１の弾性接触片同士の間に第２の弾性接触片が位置することにより、第１の弾性接触片同士の間隔や第２の弾性接触片同士の間隔を拡げても、弾性接触部材に形成できる弾性接触片の数を増やすことができる。このため、第１の弾性接触片同士の間隔や第２の弾性接触片同士の間隔の部分を弾性接触部材から打ち抜き加工するのに用いる金型の耐久性を損なわずに、より多くの弾性接触片を弾性接触部材に形成することができる。

従って、弾性接触部材に多数の弾性接触片を効率よく形成し、大きい通電断面積を確保し小型で低抵抗値の弾性接触部材を実現することができる。

また、第１の弾性接触片と第２の弾性接触片が電気接続部の同一の面に対して一体的に形成されている。このため、第１の弾性接触片と第２の弾性接触片とを第１の弾性接触片同士の間隔方向にずらして形成することで、第１の弾性接触片や第２の弾性接触片の曲げ加工時に、容易に第２の弾性接触片を第１の弾性接触片同士の間に位置させることができる。

請求項２に記載した本発明の雌端子によれば、電気接続部の２つの面の弾性接触部材同士により雄端子を挟持するため、雄端子との電気的接続の信頼性を向上させることができる。

請求項３に記載した本発明の雌端子によれば、全ての弾性接触片の接触部を雄端子の挿入方向における同一位置に一直線上に配置するよりも、第１の弾性接触片から受ける挿入抵抗と第２の弾性接触片から受ける挿入抵抗とを分散して受けることができる。

従って、電気接続部に対して雄端子を低い挿入力で挿入することができる。これにより、作業の容易性を高め、また、雄端子の挿入不足による雌端子との不完全嵌合の発生を防ぐことができる。

本発明の実施形態に係る雌端子を示す斜視図である。本発明の実施形態に係る雌端子の平面図及び断面図である。本発明の実施形態に係る雌端子の弾性接触部材を示す斜視図である。本発明の実施形態に係る雌端子の抵抗値を説明するための図である。本発明の実施形態に係る雌端子への雄端子の挿入力を説明するための図である。

以下、本発明の実施形態に係る雌端子について図面を参照して説明する。はじめに、図１及び図２を参照して、本発明の実施形態に係る雌端子の構成について詳細に説明する。

図１は、本発明の実施形態に係る雌端子を示す斜視図である。図２（ａ）は、本発明の実施形態に係る雌端子を示す平面図である。図２（ｂ）は、図２（ａ）のＡ−Ａ断面図である。図２（ｃ）は、図２（ａ）のＢ−Ｂ断面図である。

本発明の実施形態に係る雌端子は、車両等の電気系統に用いられる高圧電線を保持して雄端子と電気的に接続する雌端子である。

図１及び図２に示すように、本発明の実施形態に係る雌端子１は、雄端子（図示省略）が挿入される電気接続部１１と、この電気接続部１１に挿入された雄端子と電気的に接続する電線（図示省略）が圧着接続される電線圧着部３１とから略構成されている。電線圧着部３１は、圧着以外の溶着等により電線が接続される電線接続部に代わってもよい。

電気接続部１１は、図２（ａ）に示すように、内部に挿入される雄端子（図示省略）の挿入方向（図１の矢印Ｘ方向）に沿って延在する面（上面１２ａ、下面１２ｂ、側面１２ｃ、１２ｄ）に囲まれた矩形状の箱型に形成されている。

電気接続部１１の上面１２ａと下面１２ｂとには、図２（ａ）及び図２（ｃ）に示すように、電気接続部１１の内部に挿入する雄端子（図示省略）と接触可能で弾性を有する弾性接触部材２１がそれぞれ形成されている。

電気接続部１１の上面１２ａ及び下面１２ｂにそれぞれ形成された弾性接触部材２１には、図２（ｂ）及び図２（ｃ）に示すように、２枚の第１の弾性接触片２２と、３枚の第２の弾性接触片２３とが形成されている。第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３の詳細については後述する。

上面１２ａに形成された弾性接触部材２１（第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３）は、電気接続部１１に雄端子（図示省略）が挿入されると、図１の矢印Ｚ方向に弾性変形して復元力で雄端子に接触する。

一方、下面１２ｂに形成された弾性接触部材２１（第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３）は、電気接続部１１に雄端子（図示省略）が挿入されると、図１の矢印Ｚ´方向に弾性変形して復元力で雄端子に接触する。

上記のように構成された電気接続部１１は、図１及び図２（ｃ）に示すように、弾性接触部材２１が一体的に形成されており、この弾性接触部材２１が一体的に形成された電気接続部１１は、電線圧着部３１と一体的に形成されている。

このように、弾性接触部材２１が一体的に形成された電気接続部１１が電線圧着部３１と一体的に形成されている。このため、弾性接触部材２１と電気接続部１１間の抵抗値を減少することができ、抵抗値が増加することに伴う発熱を抑制することができる。

また、弾性接触部材２１は電気接続部１１及び電線圧着部３１と一体的に形成されているため、雌端子１の部品点数を減らすことができる。このため、製造コストの低減を図ることができる。

また、図１に示すように、電線圧着部３１には、電線（図示省略）の芯線を位置付ける底壁３２と、この底壁３２から曲げ加工することにより立設して電線の導体及び被覆を加締める加締片３３とが形成されている。

そして、この加締片３３を折り曲げて、底壁３２に位置付けた電線（図示省略）を包みこむように加締めて電線を底壁３２に固定する。

上記のように構成された雌端子１は、図２（ａ）及び図２（ｃ）に示すように、電気接続部１１に雄端子（図示省略）を挿入すると、対向する２つの面（上面１２ａ及び下面１２ｂ、図２（ａ）及び図２（ｃ）参照）にそれぞれ形成された弾性接触部材２１により雄端子を挟持する。

このように、２つの面（上面１２ａ及び下面１２ｂ、図２（ａ）及び図２（ｃ）参照）の弾性接触部材２１同士により雄端子を挟持するため、雌端子１（図１参照）は、雄端子（図示省略）との電気的接続の信頼性を向上させることができる。

次に、図３を参照して、本発明の実施形態に係る弾性接触部材２１の構成について詳細に説明する。図３は、本発明の実施形態に係る雌端子の弾性接触部材を示す斜視図である。

上述したように、電気接続部１１の上面１２ａ及び下面１２ｂにそれぞれ形成された弾性接触部材２１には、２枚の第１の弾性接触片２２と、３枚の第２の弾性接触片２３とが形成されている（図２（ｂ）及び図２（ｃ）参照）。

第１の弾性接触片２２は、図３に示すように、電気接続部１１に挿入される雄端子（図示省略）の挿入方向（図３の矢印Ｘ方向）に対して直交する幅方向（図３の矢印Ｙ方向）に間隔Ｓをおいて複数形成されている。

この第１の弾性接触片２２は、電気接続部１１の上面１２ａ及び下面１２ｂ（図２（ｃ）参照）の雄端子（図示省略）の挿入方向（図３の矢印Ｘ方向）における一端２１ａ側に片持ち支持された支持部２２ａと、雄端子と接触する接触部２２ｂと、電気接続部１１に固定されていない自由端２２ｃとを有している。

そして、第１の弾性接触片２２の接触部２２ｂは、後述する第２の弾性接触片２３の接触部２３ｂと同一平面上に位置するように、自由端２２ｃ側が上面１２ａ及び下面１２ｂ（図２（ｃ）参照）から内側に突出している。

第２の弾性接触片２３は、図３に示すように、電気接続部１１に挿入される雄端子（図示省略）の挿入方向（図３の矢印Ｘ方向）に対して直交する幅方向（図３の矢印Ｙ方向）に間隔Ｔをおいて複数形成されている。

この第２の弾性接触片２３は、電気接続部１１の上面１２ａ及び下面１２ｂ（図２（ｃ）参照）の雄端子（図示省略）の挿入方向（図３の矢印Ｘ方向）における他端２１ｂ側に片持ち支持された支持部２３ａと、雄端子と接触する接触部２３ｂと、電気接続部１１に固定されていない自由端２３ｃとを有している。

そして、上記のように構成された第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３とは、図３に示すように、電気接続部１１の上面１２ａ及び下面１２ｂ（図２（ｃ）参照）に対して一体的に形成されている。

また、第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３とは、幅方向（図３の矢印Ｙ方向）において互いに位置をずらして形成されている。

このため、電気接続部１１を上面１２ａ及び下面１２ｂ（図２（ｃ）参照）の他端２１ｂ側から折り返すことにより、容易に第２の弾性接触片２３は間隔Ｓに位置し、第１の弾性接触片２１は間隔Ｔに位置させることができる。

このように、第１の弾性接触片２１は間隔Ｔに位置し、第２の弾性接触片２３は間隔Ｓに位置することにより、第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３とが干渉することがないため、第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３をそれぞれ雄端子（図示省略）の挿入方向（図３の矢印Ｘ方向）の全長に近い長さで形成することができる。よって、第１の弾性接触片２２や第２の弾性接触片２３の弾性力を高め、雄端子（図示省略）の挿入力を低減することができる。

ここで、第１の弾性接触片２２同士の間隔Ｓ及び第２の弾性接触片２３同士の間隔Ｔは、弾性接触部材２１の金型の強度を考慮すると、金型幅がある程度の寸法となるように、相応の長さを有していることが望ましい。しかし、第１の弾性接触片２２同士の間隔Ｓや第２の弾性接触片２３同士の間隔Ｔを広くすると、金型の剛性が増す代わりに、弾性接触部材２１の単位長さ当たりに形成することができる弾性接触片の数が少なくなる。

しかし、本発明の実施形態に係る雌端子１（図１参照）は、図３に示すように、第１の弾性接触片２２同士の間隔Ｓに第２の弾性接触片２３を位置させ、第２の弾性接触片２３同士の間隔Ｔに第１の弾性接触片２２を位置させることにより、別々の部材にそれぞれ形成した第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３とを互い違いに配置している。

このため、肉厚の弾性接触部材２１から第１や第２の弾性接触片２２，２３を金型の打ち抜き加工で形成するために、第１の弾性接触片２２同士の間隔Ｓや第２の弾性接触片２３同士の間隔Ｔを広くする必要があっても、間隔Ｓ及び間隔Ｔを有効に利用して、弾性接触部材２１の単位長さ当たりに配置することができる弾性接触片２２，２３の数を増加させることができる。

さらに、図３に示すように、第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３とを噛み合せることにより、弾性接触片２２、２３の長さを長く設けることができる。このため、弾性接触片２２、２３の弾性力が大きくなり、雄端子（図示省略）を電気接続部１１へ挿入する際の挿入力を低下させることができる。

次に、図４を参照して、本発明の実施形態に係る雌端子の抵抗値について説明する。図４は、本発明の実施形態に係る雌端子の抵抗値を説明するための図である。

図４に示すように、弾性接触片２２、２３（図３参照）の抵抗値をＲ１とすると、この抵抗値Ｒ１は、弾性接触片２２、２３の導体抵抗値Ｒ１１（材料抵抗値×長さ／断面積）に弾性接触片２２、２３と雄端子（図示省略）との接触抵抗値Ｒ２１を加算した値となる（Ｒ１＝Ｒ１１＋Ｒ２１）。

このため、図４に示すように、複数の弾性接触片２２、２３を有する弾性接触部材２１の抵抗値Ｒｃは、並列回路の抵抗値と同様に求めることができる（１／Ｒ１＋１／Ｒ２＋・・・＋１／Ｒｎ＝１／Ｒｃ）。

従って、弾性接触片２２、２３を複数設けることにより（図３参照）、雄端子（図示省略）との接触抵抗値を減少させることができる。

つまり、弾性接触部材２１（図３参照）全体の雄端子（図示省略）との接触抵抗値は、弾性接触片が１枚の場合を１とすると、弾性接触片２２、２３（図３参照）が１０枚の場合は０．１となる。

このため、弾性接触部材２１（図３参照）に弾性接触片２２、２３を複数設けることにより（図３参照）、雄端子（図示省略）に対して多接点にすることで、弾性接触部材２１の抵抗を減少させることができる。

このように、弾性接触片２２、２３を複数設けることにより（図３参照）、弾性接触部材２１の通電断面積と雄端子（図示省略）との接点が増加し、第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３の数により並列回路が増加する。このため、弾性接触部材２１の抵抗値を減少させることができる。

また、弾性接触部材２１の通電断面積を確保しつつ第１の弾性接触片２２（図３参照）と第２の弾性接触片２３（図３参照）の数を増やすことができる。このため、弾性接触部材２１の抵抗値を減少させて雌端子１（図１参照）の小型化を図ることができる。

なお、仮想上の雌端子として、電気接続部１１の上面１２ａや下面１２ｂ（図２（ｃ）参照）の一端２１ａ又は他端２１ｂから折り返した単一の部材に複数の弾性接触片を設ける場合を想定すると、この仮想上の雌端子では、雄端子（図示省略）の挿入方向（図３の矢印Ｘ方向）における同一の位置にそれぞれの接触部を一直線上に配置することになる。

したがって、仮想上の雌端子の電気接続部１１に雄端子（図示省略）を挿入する際には、各弾性接触片の接触部が雄端子に同時に接触し始めて、各弾性接触片からの復元力による挿入抵抗を同時に受けるようになる。

そのため、仮想上の雌端子の電気接続部１１に雄端子（図示省略）を挿入する際には、図５（ｂ）に細線で示すように、各弾性接触片の接触部が雄端子に同時に接触する箇所の付近において、集中して挿入力が必要になってしまう。

しかも、ここで必要とする挿入力は、各弾性接触片からの復元力による挿入抵抗の合計分に相当するため、非常に高い挿入力となってしまう。

これに対し、本発明の実施形態に係る雌端子１は、電気接続部１１の上面１２ａや下面１２ｂ（図２（ｃ）参照）において、雄端子（図示省略）の挿入方向（図３の矢印Ｘ方向）における一端２１ａ及び他端２１ｂからそれぞれ第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３を折り返している。

そして、第１の弾性接触片２２の接触部２２ｂと第２の弾性接触片２３の接触部２３ｂは、図５（ａ）に示すように、雄端子（図示省略）の挿入方向（図３の矢印Ｘ方向）に位置をずらして配置される。

したがって、電気接続部１１に雄端子（図示省略）を挿入する際には、第１の弾性接触片２２の接触部２２ｂが第２の弾性接触片２３の接触部２３ｂよりも先に雄端子に接触し始める。よって、各第１の弾性接触片２２からの復元力による挿入抵抗と各第２の弾性接触片２３からの復元力による挿入抵抗とを、段階的に受けるようになる。

そのため、電気接続部１１に対して雄端子（図示省略）を挿入する際には、図５（ｂ）に太線で示すように、第１の弾性接触片２２の接触部２２ｂが雄端子に接触する箇所の付近と、第２の弾性接触片２３の接触部２３ｂが雄端子に接触する箇所の付近との２箇所で、高い挿入力を必要とする。

但し、それぞれの箇所で必要とする挿入力は、第１の弾性接触片２２からの復元力による挿入抵抗の合計分相当、あるいは、第２の弾性接触片２３からの復元力による挿入抵抗の合計分相当であるので、挿入力のピーク値は仮想上の雌端子に比べて低くて済む。

したがって、本実施形態の雌端子１では、仮想上の雌端子に比べて、電気接続部１１に対して雄端子（図示省略）を低い挿入力で挿入することができる。これにより、作業の容易性を高め、また、雄端子（図示省略）の挿入不足による雌端子１との不完全嵌合の発生を防ぐことができる。

このようにして、本発明の実施形態に係る雌端子１は、雄端子が挿入される電気接続部１１と、この電気接続部１１に挿入された雄端子と電気的に接続する電線が接続される電線接続部（電線圧着部３１）とを有する雌端子１であって、電気接続部１１は電線接続部（電線圧着部３１）と一体的に形成されており、電気接続部１１には、挿入される雄端子の挿入方向（矢印Ｘ方向）に沿って延在する少なくとも一面（上面１２ａ、下面１２ｂ）に雄端子と接触可能な弾性接触部材２１が形成され、弾性接触部材２１は、面（上面１２ａ、下面１２ｂ）の挿入方向（矢印Ｘ方向）における一端２１ａ側に片持ち支持されて電気接続部１１に挿入される雄端子の挿入方向（矢印Ｘ方向）に対して直交する幅方向（矢印Ｙ方向）に間隔Ｓをおいて複数形成された第１の弾性接触片２２と、間隔Ｓに位置する第２の弾性接触片２３とを有し、第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３とが電気接続部１１に挿入された雄端子と接触する。

また、本発明の実施形態に係る雌端子１は、第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３とは面（上面１２ａ、下面１２ｂ）に対して一体的に形成されており、第２の弾性接触片は、面（上面１２ａ、下面１２ｂ）の挿入方向（矢印Ｘ方向）における他端２１ｂ側から折り返すことにより間隔Ｓに位置する。

さらに、本発明の実施形態に係る雌端子１は、弾性接触部材２１は、電気接続部１１の対向する２つの面（上面１２ａ、下面１２ｂ）にそれぞれ形成されており、２つの面（上面１２ａ、下面１２ｂ）の弾性接触部材２１同士により雄端子を挟持する。

そして、本発明の実施形態に係る雌端子１によれば、弾性接触部材２１が一体的に形成された電気接続部１１が電線接続部（電線圧着部３１）と一体的に形成されている。このため、弾性接触部材２１と電気接続部１１間の抵抗値を減少することができ、抵抗値が増加することに伴う発熱を抑制することができる。

また、本発明の実施形態に係る雌端子１によれば、第１の弾性接触片２２同士の間隔Ｓに第２の弾性接触片２３が位置することにより、雄端子（図示省略）の挿入方向（図１の矢印Ｘ方向）において第１の弾性接触片２２及び第２の弾性接触片２３の長さを長く設けることができる。このため、第１の弾性接触片２２及び第２の弾性接触片２３の弾性力が大きくなり、雄端子を電気接続部１１へ挿入する際の挿入力を低下させることができる。

従って、電気接続部１１と弾性接触片２２、２３間の抵抗値を小さくしつつ、さらに、弾性接触片２２、２３の弾性力を高めることができる雌端子１を提供することができる。

また、本発明の実施形態に係る雌端子１によれば、第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３が上面１２ａや下面１２ｂにそれぞれ一体的に形成されている。このため、第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３とを第１の弾性接触片２２同士の間隔Ｓ方向にずらして形成することで、第１の弾性接触片２２や第２の弾性接触片２３の曲げ加工時に、容易に第２の弾性接触片２３を第１の弾性接触片２２同士の間隔Ｓに位置させることができる。

さらに、本発明の実施形態に係る雌端子１によれば、電気接続部１１の２つの面（上面１２ａ、下面１２ｂ）の弾性接触部材２１同士により雄端子を挟持するため、雄端子との電気的接続の信頼性を向上させることができる。

また、本発明の実施形態に係る雌端子１によれば、電気接続部１１への挿入時に雄端子が弾性接触片から受ける挿入抵抗を、雄端子に接触した第１の弾性接触片から受ける挿入抵抗と、雄端子に接触した第２の弾性接触片から受ける挿入抵抗とに、タイミングをずらして分散することができる。

以上、本発明の雌端子を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。

例えば、本発明の実施形態に係る雌端子１は、電気接続部１１の上面１２ａ及び下面１２ｂに弾性接触部材２１が形成されている場合について説明したが、上面１２ａ又は下面１２ｂの少なくとも一面に形成されていても良い。

また、本発明の実施形態に係る雌端子１は、弾性接触部材２１には、２つの第１の弾性接触片２２と、３つの第２の弾性接触片２３とが形成されている場合について説明したが、第１の弾性接触片２２と第２の弾性接触片２３との数は適宜変更が可能である。

本発明は、雄端子が挿入される電気接続部を有し、この電気接続部に挿入された雄端子と電気的に接続する雌端子に適用して極めて有用である。

１雌端子
１１電気接続部
１２ａ上面
１２ｂ下面
１２ｃ、１２ｄ側面
２１弾性接触部材
２１ａ一端
２１ｂ他端
２２第１の弾性接触片
２２ａ支持部
２２ｂ接触部
２２ｃ自由端
２３第２の弾性接触片
２３ａ支持部
２３ｂ接触部
２３ｃ自由端
３１電線圧着部
３２底壁
３３加締片
Ｓ、Ｔ間隔

Claims

雄端子が挿入される電気接続部と、この電気接続部内に挿入された雄端子と電気的に接続する電線が接続される電線接続部とを有する雌端子であって、
前記電気接続部は前記電線接続部と一体的に形成されており、
前記電気接続部は挿入される雄端子の挿入方向に沿って延在する複数の面に囲まれた箱型に形成され、
前記電気接続部には、挿入される雄端子の挿入方向に沿って延在する前記面の少なくとも一面に雄端子と接触可能な弾性接触部材が形成され、
前記弾性接触部材は、前記面に対して一体的に形成された第１の弾性接触片と第２の弾性接触片を有し、
前記第１の弾性接触片は、前記電気接続部を形成する前記面に設けられ、前記面の前記挿入方向における一端側に片持ち支持されて前記電気接続部に挿入される雄端子の挿入方向に対して直交する幅方向に間隔をおいて複数形成され、前記第２の弾性接触片は、前記面の前記挿入方向における他端側で折り返され、折り返された他端側に片持ち支持されて前記間隔に位置し、
前記第１の弾性接触片と第２の弾性接触片とが前記電気接続部に挿入された雄端子と接触する、
ことを特徴とする雌端子。
請求項１に記載の雌端子において、
前記弾性接触部材は、前記電気接続部の対向する２つの面にそれぞれ形成されており、
前記２つの面の弾性接触部材同士により雄端子を挟持する、
ことを特徴とする雌端子。
請求項１又は請求項２に記載の雌端子において、
前記第１の弾性接触片及び第２の弾性接触片の、前記電気接続部に挿入された雄端子とそれぞれ接触する各接触部は、前記雄端子の挿入方向に互いに位置をずらして配置される、
ことを特徴とする雌端子。