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JP5705454B2 - エレクトレット材および静電型音響変換器 - Google Patents

エレクトレット材および静電型音響変換器 Download PDF

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Description

本発明は、エレクトレット材およびこれを備えた静電型音響変換器に関する。
従来から、イヤホン、ヘッドホン、マイクロホンなどの静電型音響変換器には、電極板上にエレクトレット層が形成されたエレクトレット材が用いられている。例えば、IC素子を内蔵するエレクトレットコンデンサマイクロホン(ECM)では、エレクトレット材が振動板の表側あるいは裏側に対向して配置される。
このようなエレクトレット材を製造する方法としては、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、金属シートにエレクトレット層を構成し得る熱可塑性樹脂フィルムをラミネートし、このフィルムをエレクトレット化する方法が記載されている。また、特許文献2および特許文献3には、FEP(具体的にはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)微粒子を分散媒に分散させた分散液を背極板に塗布して加熱することにより薄膜を形成し、この薄膜をエレクトレット化する方法が記載されている。
特開昭64−44010号公報 特開平11−150795号公報 特開2000−115895号公報
ところで、静電型音響変換器は、例えば制御基板等に、フロー装置やリフロー装置を使用した半田付けによって実装されることがある。しかしながら、従来のエレクトレット材を用いた場合には、静電型音響変換器を実装する際に、エレクトレット材の保持する電荷が低下するという問題があった。これは、半田付け時にエレクトレット層が高温に加熱されることで、エレクトレット層の表面電位が低下することに起因すると考えられる。特に最近では鉛フリー半田が多用されるに伴い、半田付け時の温度がさらに高温となり、エレクトレット材の保持する電荷が極端に低下するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑み、熱に対する電荷保持性に優れたエレクトレット材およびこのエレクトレット材を備えた静電型音響変換器を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、カーボンを含有するフッ素樹脂により電極板とエレクトレット層との間に半導電層を形成することで、その理由は明らかでないが、高温に加熱されたときのエレクトレット層の表面電位の低下を抑制できることを見出した。本発明は、このような観点からなされたものである。
すなわち、本発明は、電極板と、前記電極板上に形成された、カーボンとフッ素樹脂を含む半導電層と、前記半導電層上に形成されたエレクトレット層と、を備える、エレクトレット材を提供する。
また、本発明は、上記のエレクトレット材と、このエレクトレット材と対向する振動板と、を備える、静電型音響変換器を提供する。
本発明によれば、熱に対する電荷保持性に優れたエレクトレット材を得ることができる。
本発明の一実施形態に係るエレクトレット材の断面図である。 図1に示すエレクトレット材を用いた静電型音響変換器の断面図である。
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係るエレクトレット材10を示す。このエレクトレット材10は、電極板1と、電極板1上に形成された半導電層2と、半導電層2上に形成されたエレクトレット層3とを備えている。
電極板1としては、ステンレス、アルミニウム、鋼、銅、チタン、およびこれらの合金などからなる金属板を用いることができる。あるいは、電極板1は、例えば基板に支持された金属箔であってもよい。すなわち、本発明の電極板とは、厚さの薄い金属製のものであればよく、その厚さは特に制限されない。ただし、エレクトレット材10の小型化の要請からは、電極板の厚さは100〜300μmであることが好ましい。
電極板1は油脂等の付着のないものが好ましい。さらに半導電層2との接着性を良くするためには、電極板表面に下地処理を行なうことが好ましい。下地処理は、特に限定されるものではないが、半導電層2の膜厚の均一性および表面の平滑性を出すためには、電極板表面の面粗度を大きくすることのない処理、例えば陽極酸化、化学的処理による皮膜の形成等が好ましい。
半導電層2は、カーボンを含有するフッ素樹脂で構成されている。半導電層2の表面抵抗は、1.0×108〜1.0×1015Ω/□の範囲内にあることが好ましい。半導電層2の表面抵抗が1.0×108Ω/□未満であるまたは1.0×1015Ω/□を超えると、高温に加熱されたときのエレクトレット層3の表面電位が大きく低下するからである。より好ましい半導電層2の表面抵抗は、1.0×108〜1.0×1012Ω/□の範囲内である。
半導電層2の膜厚は、特に限定されないが、最近の静電型音響変換器(例えば、マイク)の小型化の要請から1〜25μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。
半導電層2を構成するフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
エレクトレット層3は、PTFEで構成されており、その表面には電荷が保持されている。エレクトレット層3をPTFEで構成すれば、他のフッ素樹脂を採用した場合よりも高温となったときの表面電位の低下が抑えられる。エレクトレット層3の膜厚は、10〜50μmであることが好ましい。この範囲内であれば、エレクトレット材10の特性を維持しつつ、エレクトレット材10の薄型化および小型化が図れるからである。
図1に示すようなエレクトレット材10は、静電型音響変換器に好適に用いられる。その一例として、図2に、エレクトレット材10を用いたECM20を示す。図2に示すECM20は、バックエレクトレット方式のものであり、エレクトレット材10が振動板4の裏面に対向して配置されている。具体的に、ECM20は、シールドケース9内に、下から上に積層された、IC素子75が実装された回路基板7、IC素子75を覆い、エレクトレット材10を支持する背面電極基板6、スペーサ5、振動板4、および支持枠8を有している。
次に、本発明のエレクトレット材を製造する方法の一例を説明する。この方法は、半導電層形成工程と、PTFE層形成工程と、帯電工程とを含む。
(半導電層形成工程)
半導電層形成工程では、まず、フッ素樹脂微粒子を分散媒に分散させた第1分散液とカーボン微粒子を溶媒に分散させた第2分散液とを混合して混合液を生成する。第1分散液と第2分散液との混合は、第1分散液中の固形分100重量部に対して第2分散液の固形分が例えば4〜10重量部となるように行う。
第1分散液としては、例えば市販のFEPディスパージョンやPFAディスパージョンを利用することができる。例えば、FEPディスパージョンとしてはダイキン工業社製のネオフロンND−4等が挙げられ、PFAディスパージョンとしてはダイキン工業社製のネオフロンAD−2CRE等が挙げられる。
第2分散液としては、例えば市販のカーボンペースト(導電性カーボン水分散液)を利用することができる。例えば、ライオン社製のライオンペーストW−310Aを用いればよい。
その後、混合液に蒸留水を加えることにより混合液の比重を例えば1.2〜1.4に調整する。
比重を調整した後は、混合液を電極板上に塗布する。電極板上への混合液の塗布は、公知の方法を使用可能である。例えば、ディスペンサーを用いて行ってもよいし、スピンコート法や印刷法によって行ってもよい。あるいは、電極板の片面をマスキングし、その電極板を混合液中に浸す(ディッピング)ことにより、電極板上へ混合液を塗布してもよい。
混合液を電極板上に塗布した後は、混合液から分散媒を除去して混合液を乾燥させる。乾燥は、例えば、混合液が塗布された電極板をフッ素樹脂の融点未満の温度(例えば、180℃)環境下に所定時間(例えば、10分間)おくことによって行う。
その後、フッ素樹脂微粒子を焼成する。焼成は、例えば、乾燥した混合液(フッ素樹脂微粒子およびカーボン微粒子)を担持する電極板をフッ素樹脂の融点以上の温度(例えば、360℃)環境下に所定時間(例えば、10分間)おくことによって行う。これにより、電極板上にカーボンを含有するフッ素樹脂からなる半導電層が形成される。焼成後は、全体を常温まで冷却する。
(PTFE層形成工程)
PTFE層形成工程では、まず、PTFE微粒子を分散媒に分散させた第3分散液を用意し、この第3分散液の比重を蒸留水により例えば1.4〜1.5に調整する。第3分散液としては、乳化重合法により作製された種々の市販品が出回っており、これらを利用することができる。例えば、ダイキン工業社製のポリフロンD−1、旭硝子社製のフルオンAD911L等を使用すればよい。
比重を調整した後は、第3分散液を、半導電層および電極板からなる積層体の半導電層側の面、すなわち半導電層上に塗布する。半導電層上への第3分散液の塗布は、上述した混合液と同様の方法で行うことができる。
第3分散液を半導電層上に塗布した後は、第3分散液から分散媒を除去して第3分散液を乾燥させる。乾燥は、例えば、第3分散液が塗布された積層体をPTFEの融点未満の温度(例えば、180℃)環境下に所定時間(例えば、10分間)おくことによって行う。
その後、PTFE微粒子を焼成する。焼成は、例えば、乾燥した第3分散液(PTFE微粒子)を担持する積層体をPTFEの融点以上の温度(例えば、360℃)環境下に所定時間(例えば、10分間)おくことによって行う。これにより、半導電層上にPTFE層が形成される。焼成後は、全体を常温まで冷却する。
なお、半導電層上にPTFE層を形成するには、積層体の半導電層側の面に、PTFEフィルムを熱プレスを用いて熱圧着してもよい。
(帯電工程)
帯電工程では、PTFE層の表面に帯電処理を施して、PTFE層をエレクトレット層とする。帯電処理は、PTFE層の表面を例えばコロナ放電等により分極帯電させることによって行う。
なお、大量生産する場合には、複数のエレクトレット材の製造を、上記のPTFE形成工程までまとめて行い、帯電工程の前に、個々の大きさに切断してもよい。また、帯電工程後には、エージング処理が行われてもよい。
以上の工程により、熱に対する電荷保持性に優れたエレクトレット材を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に何ら制限されるものではない。
(実施例1)
市販のFEPディスパージョン(ダイキン工業社製ネオフロンND−4(固形分濃度40wt%))と市販のカーボンペースト(ライオン社製ライオンペーストW−310A(固形分濃度17.5wt%))とを、FEPディスパージョン中の固形分100重量部に対しカーボンペースト中の固形分が8重量部となるように混合した後に攪拌して、混合液を生成した。ついで、混合液の比重を蒸留水により1.30に調整した。
電極板として市販の厚さ200μmアルミニウム箔(東洋アルミニウム社製、粗面軟質箔)を用い、この電極板の片面をマスキング粘着テープでマスキングした。この電極板を生成した混合液中にディッピング速度200mm/分で通過させ、電極板の片面に混合液を塗布した。ついで、電極板を180℃の環境下に10分間おいて混合液を乾燥させた後、マスキング粘着テープを剥がした。その後、電極板を360℃の環境下に10分間おいてFEP微粒子を焼成した。これにより、厚さ200μmの電極板上に、カーボンを含有するFEPからなる膜厚15μmの半導電層を形成した。焼成後は、全体を常温まで冷却した。
次に、市販のPTFEディスパージョン(旭硝子社製フルオンAD911L(固形分濃度60wt%))に蒸留水を加えて比重を1.50に調整した。ついで、半導電層および電極板からなる積層体の電極板側の面をマスキング粘着テープでマスキングし、この積層体をPTFEディスパージョン中にディッピング速度100mm/分で通過させ、半導電層上にPTFEディスパージョンを塗布した。ついで、積層体を180℃の環境下に10分間おいてPTFEディスパージョンを乾燥させた後、マスキング粘着テープを剥がした。その後、積層体を360℃の環境下に10分間おいてPTFE微粒子を焼成した。これにより、半導電層上に膜厚25μmのPTFE層を形成した。焼成後は、全体を常温まで冷却した。
最後に、25℃でマイナスのコロナ放電によりPTFE層の表面を分極帯電させることによりPTFE層をエレクトレット層として、エレクトレット材を得た。
(実施例2)
半導電層上に塗布するPTFEディスパージョンの比重を1.40に調整し、厚さ15μmのPTFE層を形成した以外は実施例1と同様にしてエレクトレット材を得た。
(実施例3)
FEPディスパージョン中の固形分100重量部に対しカーボンペースト中の固形分が6重量部となるようにFEPディスパージョンとカーボンペーストとを混合した以外は実施例1と同様にしてエレクトレット材を得た。
(実施例4)
市販のPFAディスパージョン(ダイキン工業社製ネオフロンAD−2CRE(固形分濃度40wt%))と市販のカーボンペースト(ライオン社製ライオンペーストW−310A(固形分濃度17.5wt%))とを、PFAディスパージョン中の固形分100重量部に対しカーボンペースト中の固形分が8重量部となるように混合した後に攪拌して、混合液を生成した。ついで、混合液の比重を蒸留水により1.30に調整した。
電極板として市販の厚さ200μmアルミニウム箔(東洋アルミニウム社製、粗面軟質箔)を用い、この電極板の片面をマスキング粘着テープでマスキングした。この電極板を生成した混合液中にディッピング速度200mm/分で通過させ、電極板の片面に混合液を塗布した。ついで、電極板を180℃の環境下に10分間おいて混合液を乾燥させた後、マスキング粘着テープを剥がした。その後、電極板を360℃の環境下に10分間おいてPFA微粒子を焼成した。これにより、厚さ200μmの電極板上に、カーボンを含有するPFAからなる膜厚15μmの半導電層を形成した。焼成後は、全体を常温まで冷却した。
次に、半導電層および電極板からなる積層体の半導電層側の面に、市販の厚さ25μmのPTFEフィルム(日東電工社製No.900−UL)を熱プレスを用いて熱圧着(温度360℃、圧力490kPa)し、半導電層上に膜厚25μmのPTFE層を形成した。
最後に、25℃でマイナスのコロナ放電によりPTFE層の表面を分極帯電させることによりPTFE層をエレクトレット層として、エレクトレット材を得た。
(実施例5)
実施例1と同様にして半導電層および電極板からなる積層体を作製した後、この積層体の半導電層側の面に、市販の厚さ50μmのPTFEフィルム(日東電工社製No.900−UL)を熱プレスを用いて熱圧着(温度360℃、圧力490kPa)し、半導電層上に膜厚50μmのPTFE層を形成した。
最後に、25℃でマイナスのコロナ放電によりPTFE層の表面を分極帯電させることによりPTFE層をエレクトレット層として、エレクトレット材を得た。
(実施例6)
FEPディスパージョン中の固形分100重量部に対しカーボンペースト中の固形分が10重量部となるようにFEPディスパージョンとカーボンペーストとを混合した以外は実施例1と同様にしてエレクトレット材を得た。
(実施例7)
FEPディスパージョン中の固形分100重量部に対しカーボンペースト中の固形分が4重量部となるようにFEPディスパージョンとカーボンペーストとを混合した以外は実施例1と同様にしてエレクトレット材を得た。
(比較例1)
市販のPTFEディスパージョン(旭硝子社製フルオンAD911L(固形分濃度60wt%))に蒸留水を加えて比重を1.50に調整した。電極板として市販の厚さ200μmアルミニウム箔(東洋アルミニウム社製、粗面軟質箔)を用い、この電極板の片面をマスキング粘着テープでマスキングした。この電極板をPTFEディスパージョン中にディッピング速度100mm/分で通過させ、電極板の片面にPTFEディスパージョンを塗布した。ついで、電極板を180℃の環境下に10分間おいてPTFEディスパージョンを乾燥させた後、マスキング粘着テープを剥がした。その後、電極板を360℃の環境下に10分間おいてPTFE微粒子を焼成した。焼成後は、全体を常温まで冷却した。これにより、厚さ200μmの電極板上に膜厚25μmのPTFE層を形成した。
最後に、25℃でマイナスのコロナ放電によりPTFE層の表面を分極帯電させることにより、エレクトレット材を得た。
(比較例2)
市販の厚さ200μmアルミニウム箔(東洋アルミニウム社製、粗面軟質箔)に、市販の厚さ25μmPTFEフィルム(日東電工社製No.900−UL)を熱プレスを用いて熱圧着(温度360℃、圧力490kPa)した後に、25℃でマイナスのコロナ放電によりPTFEフィルムの表面を分極帯電させることにより、エレクトレット材を得た。
(比較例3)
市販のFEPディスパージョン(ダイキン工業社製ネオフロンND−4(固形分濃度40wt%))に蒸留水を加えて比重を1.30に調整した。電極板として市販の厚さ200μmアルミニウム箔(東洋アルミニウム社製、粗面軟質箔)を用い、この電極板の片面をマスキング粘着テープでマスキングした。この電極板をFEPディスパージョン中にディッピング速度200mm/分で通過させ、電極板の片面にFEPディスパージョンを塗布した。ついで、電極板を180℃の環境下に10分間おいてFEPディスパージョンを乾燥させた後、マスキング粘着テープを剥がした。その後、電極板を360℃の環境下に10分間おいてFEP微粒子を焼成した。これにより、厚さ200μmの電極板上に膜厚15μmのFEP層を形成した。焼成後は、全体を常温まで冷却した。
次に、市販のPTFEディスパージョン(旭硝子社製フルオンAD911L(固形分濃度60wt%))に蒸留水を加えて比重を1.50に調整した。ついで、FEP層および電極板からなる積層体の電極板側の面をマスキング粘着テープでマスキングし、この積層体をPTFEディスパージョン中にディッピング速度100mm/分で通過させ、FEP層上にPTFEディスパージョンを塗布した。ついで、積層体を180℃の環境下に10分間おいてPTFEディスパージョンを乾燥させた後、マスキング粘着テープを剥がした。その後、積層体を360℃の環境下に10分間おいてPTFE微粒子を焼成した。これにより、FEP層上に膜厚25μmのPTFE層を形成した。焼成後は、全体を常温まで冷却した。
最後に、25℃でマイナスのコロナ放電によりPTFE層の表面を分極帯電させることにより、エレクトレット材を得た。
(試験)
実施例1〜7のエレクトレット材を製造する途中で、半導電層を形成した後に、半導電層の表面抵抗を、三菱化学社製ハイレスタ(MCP−HT450型)を用いて測定した。
さらに、実施例および比較例の全てのエレクトレット材について、エレクトレット層の表面電位残存率を次のようにして測定した。
まず、帯電処理直後のエレクトレット層の表面電位を表面電位計(MONROE ELECTRONICS社製Model244)で測定した。ついで、エレクトレット材を210℃の環境下に30分間おき(負荷試験)、その後のエレクトレット材の表面電位を同様にして測定した。この操作を3回繰り返した。そして、帯電処理直後のエレクトレット材の表面電位を基準(100%)としたときの1〜3回目の負荷試験後の表面電位の割合を表面電位残存率(%)として算出した。
上記の試験の結果を表1に示す。
Figure 0005705454
表1からも明らかなように、エレクトレット層と電極板との間に半導電層を有しない比較例1〜3のエレクトレット材では、1回目の負荷試験後でも表面電位残存率が30%を下回るまで低下している。これに対し、エレクトレット層と電極板との間にカーボンを含む半導電層を有する実施例1〜7のエレクトレット材では、1回目の負荷試験後の表面電位残存率が30%を超えており、高温に加熱されたときのエレクトレット層の表面電位の低下が抑制されていることが分かる。
なお、半導電層の表面抵抗が1.0×108Ω/□を下回る実施例6のエレクトレット材および1.0×1015Ω/□を上回る実施例7のエレクトレット材では、1回目の負荷試験後で表面電位残存率が40%を下回ってしまう。これに対し、半導電層の表面抵抗が1.0×108〜1.0×1015Ω/□の範囲内である実施例1〜5のエレクトレット材では、3回目の負荷試験後でも表面電位残存率が極めて高く保たれている。
本発明のエレクトレット材は、静電型音響変換器に好適に用いられる。なお、静電型音響変換器には、マイクロホン、イヤホン、ヘッドホンの他にも、補聴器、超音波センサ、加速度センサなどが含まれる。
1 電極板
2 半導電層
3 エレクトレット層
4 振動板
10 エレクトレット材
20 ECM(静電型音響変換器)

Claims (6)

  1. 電極板と、
    前記電極板上に形成された、カーボンとフッ素樹脂を含む半導電層と、
    前記半導電層上に形成されたエレクトレット層と、
    を備え、
    前記エレクトレット層は、ポリテトラフルオロエチレンで構成されている、エレクトレット材。
  2. 前記半導電層の表面抵抗が1.0×108〜1.0×1015Ω/□の範囲内である、請求項1に記載のエレクトレット材。
  3. 前記半導電層の膜厚は1〜25μmである、請求項1または2に記載のエレクトレット材。
  4. 前記フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、およびポリテトラフルオロエチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエレクトレット材。
  5. 前記エレクトレット層の膜厚は10〜50μmである、請求項1〜のいずれか一項に記載のエレクトレット材。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載のエレクトレット材と、このエレクトレット材と対向する振動板と、を備える、静電型音響変換器。
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