JP5684924B2 - 1,3−ブタジエンの精製方法 - Google Patents
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Description
前記共役ジエンとしては1,3−ブタジエンが汎用されているが、この1,3−ブタジエンに関しては、石油化学製品として、ナフサクラッキングで得られるC4留分から、GPB法、BASF法等の特定の極性溶媒を用いる抽出蒸留法により精製された高濃度の1,3−ブタジエンが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
さらに、1,3−ブタジエンとの共重合に用いる他の単量体にも所定の重合禁止剤が加えられる。
これらの1,3−ブタジエン及び他の単量体を共重合に供する場合に、上述した重合禁止剤を除去する工程が必要であり、従来より当該重合禁止剤を除去する工程に関する技術が開示されている(例えば、非特許文献2参照。)。
図2は、従来における、1,3−ブタジエンから重合禁止剤及び不純物を除去して、アニオン重合に用いる1,3−ブタジエンを得る工程のフロー図である。
1,3−ブタジエンのアニオン重合においては不純物による重合工程への影響が大きいため、図2に示すように、先ず重合禁止剤を除去しておき、その後、減圧脱気槽を介して脱気処理を施した純水を用いて水洗工程を実施し、蒸留、及び吸着等の方法で、微量の不純物を除き、その後さらに脱水塔工程、すなわち脱水処理を行い、1,3−ブタジエンを回収し、当該1,3−ブタジエン及び所定の溶剤を用いてアニオン重合を行う。
前記不純物としては、例えば、アニオン重合に悪影響を与えるおそれが高い活性水素を有する有機化合物が挙げられる。
前記活性水素を有する有機化合物の1,3−ブタジエンへの混入経緯としては、例えば、1,3−ブタジエンの抽出蒸留で用いられる極性溶媒が、加水分解等の副反応のため、アニオン重合に悪影響を与える活性水素を有する有機化合物となって1,3−ブタジエン中に混入する経緯が挙げられる。
活性水素を有する有機化合物となり得る主な原因物質としては、ジメチルアミン、N−メチル−γ−アミノ酪酸等が挙げられる。
また、上述した混入経緯の他、種々の原因によってアニオン重合に悪影響を与えるおそれが高いアルコール類等が混入する場合もあり、水溶性のその他の化合物が混入する場合もある。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1,3−ブタジエンの精製方法であって、
重合禁止剤を含有する1,3−ブタジエンを、酸素濃度が2mg/L未満である低酸素水を洗浄水として用いて水洗する水洗工程と、
その後、1,3−ブタジエン中の重合禁止剤を除去する、重合禁止剤除去工程と、
を、有する1,3−ブタジエンの精製方法。
〔2〕
前記水洗工程において、水相の不純物の濃度の監視を行う、前記〔1〕に記載の1,3−ブタジエンの精製方法。
〔3〕
前記低酸素水が、酸素除去膜を用いて脱酸素処理を施した水である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の1,3−ブタジエンの精製方法。
〔4〕
前記水洗工程で使用した洗浄水を60℃以上に加熱して、1,3−ブタジエンを洗浄水から除去する工程をさらに有する、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の1,3−ブタジエンの精製方法。
〔5〕
1,3−ブタジエンを脱酸素剤で処理する工程をさらに有し、
当該脱酸素剤で処理する工程及び前記重合禁止剤除去工程は、前記水洗工程の後に行う、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の1,3−ブタジエンの精製方法。
〔6〕
1,3−ブタジエンを有機溶剤で希釈して、脱水塔に供給し、脱水処理を行い、前記脱水塔の塔底又は塔中間部から、脱水された1,3−ブタジエンの有機溶剤混合液を抜き出す、脱水塔工程をさらに有する、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の1,3−ブタジエンの精製方法。
本実施形態の1,3−ブタジエンの精製方法は、重合禁止剤を含有する1,3−ブタジエンを、酸素濃度が2mg/L未満である低酸素水を用いて水洗する水洗工程と、その後の工程として、1,3−ブタジエン中の重合禁止剤を除去する、重合禁止剤除去工程とを有する。
なお、図1のフロー図は、本実施形態の1,3−ブタジエンの精製工程の一例であり、本発明は、このフロー図で示される工程に限定されるものではない。
本実施形態の精製方法に用いる1,3−ブタジエンは、アニオン重合に用いる1,3−ブタジエンであり、予め重合禁止剤が含有されている(以下、粗1,3−ブタジエンと記載する場合がある。)。
なお、抽出蒸留の他、種々の方法で得られる、1,3−ブタジエンが95%以上の純ブタジエンであっても、1,3−ブタジエンとC4留分との混合物であるクルードブタジエンであっても、それらを混合したものでもよい。
図1に示すように、前記1,3−ブタジエンに対し、先ず水洗工程を行う。
水洗工程とは、酸素濃度を2mg/L未満に低減化させた純水である、いわゆる低酸素水を洗浄水として用いて1,3−ブタジエンの水洗処理を行う工程である。
当該水洗工程においては、前記低酸素水を1,3−ブタジエンと接触させてアニオン重合に有害な有機化合物を水相側に抽出移行させ、その後、デカンター等の分離手段で1,3−ブタジエン相と水相とに分離する。
具体的には、図3中、処理前の粗1,3−ブタジエン1を、粗1,3−ブタジエン貯槽2へ移し、当該粗1,3−ブタジエンと、純水14を酸素除去膜装置15により低酸素化した低酸素水、及びデカンター4の下層に存する低酸素水とを、それぞれ所定のポンプ31、32を用いて液液接触塔3へ導入する。その後、デカンター4に導入し、デカンター4中で水相と1,3−ブタジエン相とに分離する。その際、不純物は水相に抽出される。
なお洗浄水としては、純水14を脱酸素用の気体として例えば窒素16が供給されている酸素除去膜装置15で所望の酸素濃度の低酸素水とした後、ポンプ33を用い、所定の配管を介してデカンター4の下層に存する低酸素水と合わせたものを用いる
本実施形態においては、前記水洗工程は、後述する重合禁止剤を除去する前段階の工程として行う。
水洗工程を、後述する重合禁止剤除去工程の後に行うと、水中に存在する微量な溶存酸素の影響により、1,3−ブタジエンにおいてポプコーンが生成しやすくなり、本実施形態の1,3−ブタジエンの精製工程における配管等の閉塞トラブルの原因となる。このため、本実施形態においては、水洗工程を、後述する重合禁止剤除去工程よりも前に行う。
水洗工程においては、前記低酸素水と粗1,3−ブタジエンとを、液液接触塔3で、好ましくはスタティックミキサー、ポールリング等の不規則充填物入り充填塔及び回転式攪拌機付きミキサー等を用いて、通常の液液抽出の方法で接触処理し、その後、1,3−ブタジエン相と水相とを、比重差を利用することによりデカンター4等の所定の分離手段で分離する。デカンター4は、ブタジエン相と水相とが実質的に分離するのに十分な容積を有していることが必要である。
また、1,3−ブタジエン相のデカンター4での滞留時間は10〜100分間であることが好ましく、より好ましくは15〜60分間である。
水洗工程は好ましくは常温かつ0.5〜2MPaGの高圧下で行うことが好ましい。
水洗工程において、洗浄水として用いる低酸素水は、循環して使用することが好ましく、その場合、循環水の一部を更新、すなわち循環水の一部を排出して、その分、新たな低酸素水を補給することが好ましい。これにより使用する水の量が節約することができる。更新する水の流量は、循環水流量の1〜50質量%とすることが好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
上述のように、洗浄水を一定流量比率で循環利用して、かつ適当な流量で一部更新しながら水洗工程を行うことにより、粗1,3−ブタジエンからアニオン重合に有害な有機化合物を効果的に水相に抽出移行させることができる。なお、更新する水流と同量の排水が生じる。
前記アニオン重合に有害な活性水素を有する有機化合物として、水洗工程において除去の必要があるものとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、アミン類、アンモニア、カルボン酸類、アルコール類、チオール類が挙げられ、具体的には、ジメチルアミン、ジエチルアミン等の第2級アミン;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、3−エトキシプロピルアミン等の第1級アミン;アンモニア、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、マレイン酸、N−メチル−γ−アミノ酪酸等のカルボン酸類;メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;メチルメルカプタン等のチオール類が挙げられる。
さらに、アニオン重合に悪影響を与える水溶性の他の化合物として、水洗工程において除去の必要があるものとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類;炭酸ジメチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド類が挙げられる。
上述したアニオン重合に有害な有機化合物は、アニオン重合触媒を不活性化し、場合によっては、重合反応を停止させるため、水洗工程により十分に除去することが必要である。
前記水洗工程においては、水相の不純物を分析する所定の分析手段を設けて不純物の監視を行うこと、すなわち、水相側に除去した不純物の濃度を常時又は定期的にモニタリングする操作を行うことが好ましい。
具体的には、上述した水洗工程後の洗浄水中の水素イオン濃度測定、カスクロマトグラフィーによる組成分析等(後述する)が挙げられる。
分析手段を設ける場所は、水相の監視が可能な場所であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、水洗工程を実施する装置、好ましくは図3中のデカンター4の水相に接続する、排水用配管に設けることができる。当該配管を介して洗浄水を取り出し、さらには、当該洗浄水から1,3−ブタジエンを除去した後、分析手段を用い、常時又は定期的に監視することにより、原料の1,3−ブタジエン中の不純物の濃度の変動状態を検知することができる。なお、1,3−ブタジエンを除去する方法については、後述する<排水処理>において説明する。
水相の不純物を分析する所定の分析手段としては、オンライン自動測定器を用いることがより好ましい。オンライン自動測定器としては、配管に設置し常時又は定期的に自動的に濃度測定を行える装置であればよく、例えば、水素イオン濃度測定器、ガスクロマトグラフィー用分析装置等が挙げられる。
分析手段は、監視対象の不純物によって各種の測定形態を選択できる。
例えば、不純物がジメチルアミンの場合は、洗浄水の水素イオン濃度の測定を行うことが好ましい。1,3−ブタジエン中のジメチルアミンが増えると、水洗工程を経た後、水相のpHが高くなることから、これを常時監視し、水洗工程を実施することにより、1,3−ブタジエン中のジメチルアミンを効果的に除去することができる。
また、水洗工程を、後述する脱酸素剤による酸素除去工程の後に実施すると、脱酸素剤のイオンの影響で微妙なpHの測定が困難になり、同様に、主な不純物であるジメチルアミン等の含有量の十分な監視が困難になる場合がある。
よって、本実施形態においては、後述する重合禁止剤の除去工程は、水洗工程よりも後に行うこととし、脱酸素剤による酸素除去工程も、水洗工程よりも後に行うことが好ましい。
不純物の監視を行い、1,3−ブタジエン中の不純物が増加したことを発見したときに、水洗工程で用いる洗浄水である低酸素水の更新量を増加させることにより、不純物の除去効率を向上させることができる。これにより、高品質の1,3−ブタジエンが得られるようになり、より安定した重合工程によってブタジエン系重合体の製造が可能となる。
上述したように、水洗工程は、純水から溶存酸素を除去処理した低酸素水を洗浄水として用いて行う。
純水から溶存酸素を除く方法は、種々の公知方法で実施可能である。
例えば、エジェクター、真空ポンプ等の減圧手段による方法、脱酸素剤による方法、酸素除去膜による方法等が挙げられるが、安定した除去効果、運転コストの観点から、酸素除去膜による方法が好ましい。
酸素除去膜による方法は、水を通さず酸素を通す半透膜を用い、片側を水流とし、他の側に酸素が実質的に含まれない気体、例えば窒素等を流すことにより、酸素を除去する手段である。前記半透膜としては、中空糸状半透膜が好適に用いられる。
酸素を除去した後の水中の酸素濃度は2mg/L未満とし、好ましくは1.0mg/L以下、より好ましくは0.5mg/L以下とする。溶存酸素を2mg/L未満にすることにより、ポプコーンの生成を効果的に抑制できる。
水洗工程を行った後、洗浄に用いた低酸素水、すなわち洗浄水を排出する。
低酸素水(洗浄水)の排出を行う際、当該低酸素水中に溶存する1,3−ブタジエンを除去する工程を設けることが好ましい。
すなわち、図3に示すブタジエン除去工程において、水洗工程後、デカンター4中に水相として分離している洗浄水をデカンター4から抜き出し、矢印17に示すように、所定の配管を介してスチームを加えて加熱し、脱1,3−ブタジエン槽18へ導入する。続いて、矢印19に示すように所定の配管を介して1,3−ブタジエンをオフガスとして除去する。1,3−ブタジエンをオフガスとして除去した後、当該洗浄水に対して所定の分析手段20により不純物の分析を行い、その後、矢印21に示すように所定の配管を介して排水する。分析手段としては、上述した<不純物の監視>に記載したものを用いることができる。
なお、脱1,3−ブタジエン槽18から1,3−ブタジエンをオフガスとして除去した後、洗浄水は、上述したように所定の分析手段20により分析を行った後、排水してもよいが、所定の熱交換器により冷却処理を施した後に排水するようにしてもよい。
図4は、熱交換器を用いて冷却処理を施した後に洗浄水を排水する場合の、洗浄水中の1,3−ブタジエン除去工程を説明するための装置の要部の概略図である。
図4に示すように、矢印19のように、脱1,3−ブタジエン槽18から1,3−ブタジエンをオフガスとして除去した後、水相である洗浄水を所定の配管を介して熱交換器30に送り込み、冷却処理を施し、その後、所定のポンプ38及び配管を介して、所定の分析手段20により不純物の分析を行い、その後、矢印21に示すように所定の配管から排水してもよい。
脱ブタジエン槽18中で、洗浄水中に溶存する1,3−ブタジエンをオフガスとして除去する方法としては、温度を60℃以上に加熱する方法が好ましい。より好ましくは80℃以上に加熱する方法である。加熱手段としては、熱交換器による方法、スチームを吹き込む方法等、任意の方法が選択可能である。
また、洗浄水中に溶存する1,3−ブタジエンをオフガスとして除去するその他の方法としては、水洗工程を経た洗浄水の全圧を可能な限り下げ、大気圧程度又は大気圧以下の圧力にする方法が挙げられる。これにより、1,3−ブタジエンを効果的に除去することができる。
さらに、上述した加熱する方法に、全圧を下げる方法を組み合わせて実施してもよい。
これらの方法によると、排出水中の1,3−ブタジエン量を0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下とすることができる。
また、上述した排水工程においては、水洗工程で用いるために新たに供給される低酸素水(洗浄水)と、排水される洗浄水との間で熱交換を行い、排水される洗浄水を新たに供給される洗浄水によって冷却することもできる。
本実施形態においては、上述した水洗工程の後工程として、重合禁止剤除去工程を行う。
当該重合禁止剤除去工程とは、1,3−ブタジエンに含有されている重合禁止剤の除去を行う工程である。
なお、重合禁止剤除去工程は、後述する「脱酸素剤で処理する工程(図3中、脱酸素剤処理工程と示す。)」と順番を前後して行ってもよい。図3においては、重合禁止剤工程を脱酸素剤処理工程よりも後工程として記載しているが、脱酸素剤処理工程よりも前に行ってもよい。
重合禁止剤除去工程においては、具体的に、図3に示すように、水洗工程を経た1,3−ブタジエンを、所定のアルカリ水溶液とともに液液接触塔7へと導入する。ここで重合禁止剤を1,3−ブタジエンから除去し、水相へと移行させる。続いて所定の配管を介してデカンター8に導入し、デカンター8にて水相と分離処理する。アルカリ水溶液は所定のポンプ35により循環されているものとする。
1,3−ブタジエンに含まれている重合禁止剤としては、例えば、フェノール類、キノン類が挙げられ、そのうち、例えば4−ターシャリーブチルカテコール(TBC)、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール(BHT)等のフェノール類が一般的に用いられている。これらのうち、TBCがより一般的である。
前記重合禁止剤を1,3−ブタジエンから除去する方法としては、前記アルカリ水溶液による中和除去、活性アルミナ等による吸着除去、蒸留等の方法が挙げられる。このうち、アルカリ水溶液で中和除去する方法が一般的である。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が使用可能であるが、市販の水酸化ナトリウム水溶液を適度に希釈して用いる方法が好ましい。アルカリ水溶液の濃度は5〜20質量%が好ましい。
前記アルカリ水溶液を用いた中和除去により重合禁止剤の除去を行う方法としては、例えば、1,3−ブタジエンとアルカリ水溶液とを、好ましくはスタティックミキサー、ポールリング等の不規則充填物入り充填塔、回転式攪拌機付きミキサー等に入れ、通常の液液抽出の方法で接触処理して中和し、重合禁止剤をアルカリ水溶液相へ移行させ、その後、1,3−ブタジエン相とアルカリ水溶液相とを、比重差により分離する方法が挙げられる。
アルカリ水溶液の流量と1,3−ブタジエンの流量との比は、アルカリ水溶液の流量対1,3−ブタジエンの流量で、除去効果の観点から、1質量部対10質量部〜10質量部対1質量部が好ましく、1質量部対5質量部〜5質量部対1質量部がより好ましく、1質量部対3質量部〜3質量部対1質量部がさらに好ましい。
重合禁止剤除去工程において、アルカリ水溶液は、循環して使用するのが好ましく、定期的に一部又は全部を入れ替えて更新するのが好ましい。
前記1,3−ブタジエン相とアルカリ水溶液相との分離は十分に行われることが好ましく、デカンターを用いる場合は、滞留時間を特に十分に確保するか、必要に応じ2基又はそれ以上の複数のデカンターによる分離を行うことが好ましい。複数のデカンターを用いる場合、下流のデカンターにおいては、下部に溜まるアルカリ水溶液をドレン抜きすることにより分離を十分に行うことができる。
1,3−ブタジエン相のデカンターでの滞留時間は、1,3−ブタジエン相とアルカリ水溶液相との分離を十分に行う観点から、好ましくは30〜300分間であり、より好ましくは45分間〜100分間である。重合禁止剤除去工程は、液温度を常温とし、0.9〜1.1MPaGの圧力下で行うことが好ましい。
本実施形態においては、上述した水洗工程の後工程として、脱酸素剤で処理する工程(図3中においては、「脱酸素剤処理工程」と記載する。)を行うことが好ましい。
脱酸素剤で処理する工程とは、1,3−ブタジエンに溶存している酸素の除去を行う工程である。
なお、上述したように、「脱酸素剤で処理する工程」は、上述した「重合禁止剤除去工程」と順番を前後して行ってもよい。あるいは、重合禁止剤除去工程に脱酸素剤を加えて、脱酸素剤で処理する工程と重合禁止剤除去工程とを同時に行うこともできる。
好ましくは、図3のように、脱酸素剤で処理する工程を重合禁止剤除去工程の前で行う。この場合、より効果的に溶存酸素の除去が行われ、下流でのポプコーン生成を抑制できるという効果が得られる。
具体的には、図3に示す脱酸素剤で処理する工程においては、水洗工程を経た後の1,3−ブタジエンを、所定の脱酸素剤水溶液と共に所定の配管を介して液液接触塔5に導入し、当該液液接触塔5で1,3−ブタジエン中の溶存酸素を脱酸素剤水溶液に移行させ、その後、デカンター6に導入し、当該デカンター6にて1,3−ブタジエン相と水相とを分離する。脱酸素剤水溶液は所定のポンプ34により循環する。
脱酸素剤としては、1,3−ブタジエン中の溶存酸素と反応して除去することができる公知のものを用いることができ、特に限定されるものではない。例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硝酸ナトリウムあるいはこれらを主成分とする混合物等が挙げられ、溶存酸素除去効果の観点から、亜硫酸ナトリウムが好ましい。前記脱酸素剤を主成分とする混合物としては市販の栗田工業製ダイクリーンFシリーズ、オキシノンHシリーズ等が挙げられる。
上記液液接触塔5としては、スタティックミキサー、ポールリング等の不規則充填物入り充填塔、回転式攪拌機付きミキサー等を好ましく用いることができ、通常の液液接触の方法で反応処理し、その後、1,3−ブタジエン相と脱酸素剤水溶液相とを比重差によりデカンター等の分離手段で分離する。
デカンター6は、1,3−ブタジエン相と脱酸素剤水溶液相とを実質的に分離させるために十分な容積を有していることが必要である。
デカンター6における1,3−ブタジエン相の滞留時間は、十分に分離を行う観点から、10〜100分間であることが好ましく、より好ましくは15〜60分間である。
脱酸素剤水溶液の流量と1,3−ブタジエンの流量との比は、溶存酸素除去効果の観点から、脱酸素剤水溶液の流量対1,3−ブタジエンの流量で、1質量部対10質量部〜10質量部対1質量部が好ましく、1質量部対5質量部〜5質量部対1質量部がより好ましく、1質量部対3質量部〜3質量部対1質量部がさらに好ましい。脱酸素剤水溶液は、循環して使用するのが好ましく、定期的に一部又は全部を入れ替えて更新するのが好ましい。
本実施形態の1,3−ブタジエンの精製方法においては、上述した水洗工程、重合禁止剤除去工程、さらには必要に応じて脱酸素剤処理工程を行った後、脱水塔工程を行うことが好ましい。
脱水塔工程とは、水洗工程及び重合禁止剤除去工程、さらには必要に応じて脱酸素剤処理工程を経た後の1,3−ブタジエンに溶存している水分の除去を行う工程である。
具体的には、図3に示す脱水塔工程において、1,3−ブタジエンを、溶剤タンク9内の溶剤とともに脱水塔10へ供給し、当該脱水塔10の塔頂から水とともに留出させ、熱交換器39で冷却して、デカンター11に移送した後、当該デカンター11にて1,3−ブタジエンを水相と分離する。
上記のように1,3−ブタジエンをデカンター11で水相と分離した後、脱水塔10に所定の配管を介して導入し、脱水塔10の塔底から脱水後の1,3−ブタジエンと溶剤との混合液を留出させ、ポンプ37により、一部を熱交換器40で加熱して脱水塔10に戻し、塔底からポンプ37により最終的に、1,3−ブタジエンと溶剤の混液を、留出させる。
1,3−ブタジエンから水分を除去するためには、1,3−ブタジエンと水とが共沸する性質を利用し、脱水塔10で脱水処理を行うことが好ましい。その際に、1,3−ブタジエンは、脱水塔10に入る前に所定の有機溶剤と混合し、当該混合物の状態で、脱水塔10に導入することが好ましい。有機溶剤としては、後述する1,3−ブタジエンを用いた重合体の重合工程で用いられる不活性有機溶剤を用いることができる。前記有機溶剤と1,3−ブタジエンとの混合液における、1,3−ブタジエン濃度は20〜70質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましい。この範囲とすることにより、効率的に脱水処理の運転が行われ、かつ、ポプコーンの生成が抑えられる。
なお、脱水塔処理においては、脱水塔10のトップ(塔頂)から留出する留分を冷却、凝縮させた後、デカンター11で水相と1,3−ブタジエンを分離し、水分は除去し、1,3−ブタジエン相は所定の配管を介して脱水塔10の入り口に戻す方法が好ましく用いられる。
また、脱水塔10のボトム(塔底)又はミドル(塔中間部)から、脱水された1,3−ブタジエン混合液(水分除去した1,3−ブタジエンと有機溶剤との混合溶液)を取り出す方法がより好ましい。
なお、上述した重合禁止剤除去工程において、十分に重合禁止剤の除去が行われている場合は、脱水塔10のボトムから脱水された1,3−ブタジエン混合液を取り出す方法が好ましい。その場合は、よりエネルギーコストが小さくすることができ、1,3−ブタジエンの収率も良い。
なお、1,3−ブタジエン中に重合禁止剤が残存している場合には、重合禁止剤が高沸点であり塔底に濃縮されるという特性を利用し、ミドル(塔中間部)から、脱水された1,3−ブタジエン混合液を抜き出す方法により、重合禁止剤の同伴を回避でき、1,3−ブタジエンの純度を高くすることができる。
本実施形態の1,3−ブタジエンの精製方法においては、必要に応じ、更に、吸着法による精製を行うことが好ましい。
吸着法による精製は、所定の吸着剤を用いて不純物の除去を行う。
図3の吸着工程において、脱水塔10の塔底から排出した脱水後の1,3−ブタジエン混合液は、吸着塔12に導入され、微量の不純物が吸着除去される。
吸着剤としては、例えば、活性アルミナ、モレキュラーシーブ等が利用できる。吸着剤としては、微量の極性物質、水分、重合禁止剤等の不純物を除去する目的として、活性アルミナを用いることが好ましい。
吸着工程における吸着剤の容積は、好ましくは3〜30m3、より好ましくは4〜20m3である。
吸着工程は、不意の不純物量の上昇に対し、重合系の安定化のために用いるのが好ましい。
吸着工程を経た後、精製1,3−ブタジエン混合液13が得られる。
本実施形態の1,3−ブタジエンの精製方法により、最終的に得られる1,3−ブタジエン単量体の不純物量としては、後述する重合反応に供する単量体合計の質量当たり、ジメチルアミンは5ppm以下、N−メチル−γ−アミノ酪酸は1ppm以下が好ましく、水分は20ppm以下が好ましく、より好ましくは10ppm以下、アルコール類は20ppm以下が好ましく、より好ましくは10ppm以下である。
また、重合中におけるゲル生成を防止するための若干量の連鎖移動剤、例えばアレン類及びアセチレン類、具体的には、1,2−ブタジエン、プロパジエン、また、ブチン、プロピンを存在させてもよい。アレン類及びアセチレン類は1,3−ブタジエンに対し、好ましくは500ppm以下、より好ましくは200ppm以下、更に好ましくは100ppm以下、存在させてもよい。
本実施形態の1,3−ブタジエンの精製方法により精製した1,3−ブタジエンは、所定の不活性有機溶剤、共重合のための単量体又は単量体溶液、重合開始剤、重合添加剤を用い、重合に供することができる。
重合体の製造は、所定の重合器を用いて行うことができ、当該重合器としては、攪拌機を有する槽型反応器が好ましい。
重合は、バッチ方式でも連続方式でもよい。
重合体を製造した後、カップリング反応や、末端変性反応を行ってもよい。
以下、重合工程において使用する材料について説明する。
<単量体>
重合工程においては、上述のようにして精製した1,3−ブタジエン単独、及び1,3−ブタジエンと共重合可能な他の単量体を用いることができる。
前記1,3−ブタジエンと共重合可能な他の単量体としては、ジエン系化合物、芳香族ビニル化合物が挙げられる。
前記ジエン系化合物としては、以下に限定されないが、例えば、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。特に、共重合しやすさの観点から、イソプレンが好ましい。
これらのジエン系化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
前記1,3−ブタジエンと共重合可能な芳香族ビニル化合物としては、以下に限定されないが、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン等が挙げられる。特に、スチレンが好ましい。
これらの芳香族ビニル化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
不活性有機溶剤としては、好ましくは炭化水素が用いられ、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等が用いられ、以下に限定されるものではないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。
さらに好ましくは、シクロヘキサンに10〜20質量%のヘキサンを混合した溶剤、または、石油精製に際しヘキサン留分として得られる混合ヘキサンを用いることができる。
なお、混合ヘキサンとしては、ノルマルヘキサンを主成分とし、枝分かれ炭化水素、脂環式炭化水素との混合物が挙げられ、原油の産地等により成分割合は異なる。
重合開始剤としては、アルカリ金属系開始剤を用いることができる。
アルカリ金属系開始剤としては、重合開始機能を有するアルカリ金属化合物がいずれも使用可能である。特に、有機リチウム化合物が好適である。
有機リチウム化合物としては、低分子量のもの、可溶化したオリゴマーの有機リチウム化合物、1分子中に単独のリチウムを有するもの、1分子中に複数のリチウムを有するもの、有機基とリチウムの結合様式において炭素−リチウム結合からなるもの、窒素−リチウム結合からなるもの、錫−リチウム結合からなるもの等のいずれであってもよい。
前記アルカリ金属系開始剤である有機リチウム化合物としては、モノ有機リチウム化合物、多官能有機リチウム化合物、窒素−リチウム結合からなる化合物を使用できる。
前記モノ有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等が挙げられる。
前記多官能有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、1,4−ジリチオブタン、sec−ブチルリチウムとジイソプロペニルベンゼンの反応物、1,3,5−トリリチオベンゼン、n−ブチルリチウムと1,3−ブタジエン及びジビニルベンゼンの反応物、n−ブチルリチウムとポリアセチレン化合物の反応物等が挙げられる。
また、前記窒素−リチウム結合からなる化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、ジメチルアミノリチウム、ジヘキシルアミノリチウム、ジイソプロピルアミノリチウム、ヘキサメチレンイミノリチウム等が挙げられる。
さらには、米国特許第5,708,092号明細書、英国特許第2,241,239号明細書、米国特許第5,527,753号明細書等に開示されている有機アルカリ金属化合物も使用できる。
有機リチウム化合物としては、重合開始速度及び取扱い易さの観点から、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムがより好ましい。
これらの有機リチウム化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機リチウム化合物以外の有機アルカリ金属化合物としては、有機ナトリウム化合物、有機カリウム化合物、有機ルビジウム化合物、有機セシウム化合物等が挙げられる。
有機リチウム化合物以外の有機アルカリ金属化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレンがあり、その他にリチウム、ナトリウム、カリウムのアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミド等が用いられる。
アルカリ金属系開始剤は、他の有機金属化合物と併用してもよい。
他の有機金属化合物としては、例えば、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物等があり、具体的には、ジブチルマグネシウム、トリエチルアルミニウム等が挙げられる。
重合工程においては、上述した重合開始剤とともに、重合添加剤を用いることが好ましい。
上述したアルカリ金属系開始剤とともに重合添加剤を用いることにより、重合開始速度を高めたり、重合体中の共役ジエン単位のミクロ構造を制御したり、共重合におけるモノマー反応性比を制御できる。
重合添加剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、エーテル化合物、第三級アミン化合物、金属アルコキシド化合物、ホスフィン化合物、有機スルホン酸金属化合物等が用いられる。これらの化合物はアルカリ金属系開始剤を不活性化させる活性水素等の官能基を有しないものである。
重合添加剤は、後述する共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において、有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量の調整剤として使用できる。
重合添加剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のようなエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等のような第三級アミン化合物;カリウム−t−アミラート、カリウム−t−ブチラート、ナトリウム−t−ブチラート、ナトリウム−t−アミラート等のようなアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のようなホスフィン化合物;ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキル又はアリールスルホン酸化合物等が挙げられる。
これらの重合添加剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
重合添加剤の使用量は、目的と効果の程度に応じて適宜選択できるが、通常、上述した重合開始剤であるアルカリ金属系開始剤1モルに対して好ましくは100モル以下であり、より好ましくは0.01〜10モルである。
所定の重合器により、前記アルカリ金属系開始剤を用い、前記不活性有機溶剤中で、1,3−ブタジエン単独、及び1,3−ブタジエンと共重合可能な他単量体とを、溶液重合により重合又は共重合し、リビング重合体又は共重合体を得る。
重合溶液中の単量体濃度は、5〜30質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
重合工程は、重合器の内温を30℃〜150℃として行うことが好ましい。
前記重合溶液が、不純物としてジメチルアミンを含有する場合、当該ジメチルアミンの濃度を1,3−ブタジエンに対し、5ppm以下とすると、重合転化率、リビング率を高くすることができる。
上記重合工程により得られた重合体又は共重合体は、リビング重合体の活性末端を利用してカップリング反応、末端変性反応等の後反応を行ってもよい。
その際、前記重合溶液が、不純物としてジメチルアミンを含有する場合、当該ジメチルアミンの濃度を1,3−ブタジエンに対し、5ppm以下とすると、後反応が効率良く行われる。
前記カップリング反応を行う場合は、前記重合工程において得られた前記リビング重合体又はリビング共重合体に多官能性化合物を反応させる。
多官能性化合物は、1分子中に2官能以上の同じ又は異なる官能基を有し、カップリング反応により少なくとも2分子が結合を形成するものであり、3分岐〜8分岐となる多官能性化合物を用いることができる。
また、結合反応の結果、重合体又は共重合体の末端に、異種の官能基を導入するものであってもよい。
多官能性化合物の使用量は、上述したアルカリ金属系開始剤1モルに対して多官能性化合物の官能基として0.05〜5当量が好ましく、より好ましくは0.1〜3当量である。
前記リビング重合体又はリビング共重合体と反応して結合を形成する官能基としては、例えば、ハロゲン基、カルボニル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、カルボン酸ハロゲニド基、チオカルボニル基、チオカルボン酸エステル基、チオカルボン酸アミド基、チオカルボン酸ハロゲニド基、イソシアナート基、チオイソシアナート基、エポキシ基、チオエポキシ基、アルコキシシリル基、官能性2重結合としてビニル基、イミノ基等が挙げられる。
また、前記多官能性化合物の分子中にリビング末端と結合はしないがフィラーとの相容性を有するか、又は結合反応性を有する官能基を有するものを用いることが好ましい。
このような官能基としては、第3級アミノ基、珪素化合物で保護された第1級又は第2級アミノ基等がある。
前記多官能性化合物の好ましい例としては、4ハロゲン化珪素、ビス(トリハロゲン化シリル)アルカン、4ハロゲン化錫、テトラアルコキシ珪素、トリアルコキシアルキル珪素、ヘキサアルコキシジシラン、ビス(トリアルコキシシリル)アルカン、ビス(トリアルコキシシリルアルキル)アルキルアミン、ビス(トリアルコキシシリルアルキル)トリアルキルシリルアミン、トリス(トリアルコキシシリルアルキル)アミン、1,4−ビス(トリアルコキシシリルアルキル)ピペラジン、1,3−ビス(トリアルコキシシリルアルキル)イミダゾリジン、1,3−ビス(トリアルコキシシリルアルキル)ヘキサヒドロピリミジン、1,1−ジアルコキシ−2(トリアルコキシシリルアルキル)−1−シラ−2−アザシクロペンタン、1,1−ジアルコキシ−2(トリアルコキシシリルアルキル)−1−シラ−2−アザシクロヘキサン、1,1−ジアルコキシ−2(トリアルコキシシリルアルキル)−1−シラ−2−アザシクロヘプタン、ジカルボン酸ジエステル、トリカルボン酸トリエステル、炭酸ジエステル、グリシジルエーテル基を3個以上有する化合物、グリシジルアミノ基を3個以上有する化合物、ジグリシジルアミノ基を2個以上有する化合物等が挙げられる。
多官能性化合物の、より好ましい例としては、分子内に3級アミノ基を有するポリエポキシ化合物が挙げられる。エポキシ基が3個以上であると分岐重合体が得られる。
この場合、副生成物が発生せず、得られる分岐重合体は、ゴムとしての性能が優れたものとなる。
具体的には、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジル−4−(4−グリシジル−1−ピペラジニル)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリンが挙げられる。
重合体(共重合体)溶液、又は必要に応じて油展した重合体(共重合体)溶液を、所定のポンプ等により、所定の仕上げ機に送り、脱溶媒を行う。
これにより、目的とする重合体(共重合体)が得られる。
重合体(共重合体)を脱溶媒して取得する方法としては、従来公知の方法を適用できる。
例えば、スチームストリッピング等で溶媒を分離した後、濾別し、さらにそれを脱水及び乾燥処理を施して取得する方法、フラッシングタンクで濃縮し、さらにベント押し出し機等で脱揮する方法、ドラムドライヤー等で直接脱揮する方法等が適用できる。
(水洗工程)
GPB法(ゼオンプロセスオブブタジエン法)で得られた、TBC(t−ブチルカテコール)50ppmを含む、純度99.0%以上の1,3−ブタジエンを用い、流量:10t/hrで水洗工程を行った。
水洗工程用の洗浄水としては、下記の酸素除去膜装置で処理した低酸素水を用いた。
<酸素除去膜装置、当該装置の処理条件、及び低酸素水の溶存酸素量>
酸素除去膜装置:Liqui-Cel Membrance Contactor WS-2エレメント size 4X28inch membrane:X40 Polypropylene Microporous,25%porosity, 300μmOD/200μmID
水流:1m3/hr
窒素流量:2.5m3/hr
処理後の水中溶存酸素量:0.3mg/Lとした。
当該(水洗工程)においては、循環水量18m3/hr、更新(メイクアップ)水量1m3/hrの条件で運転した。
1,3−ブタジエンと洗浄水とは、スタティックミキサー((株)ノリタケ カンパニーリミテッド社製のスタティックミキサーN60シリーズ)を使用して混合し、その後、デカンターに移送し、当該デカンターで1,3−ブタジエン相と水相とを分離した。
なお、液温度30℃、デカンター圧力1.0MPaGの条件で運転した。
デカンターでの1,3−ブタジエン相の滞留時間は30分間であった。
前記デカンターで分離した水相を、脱1,3−ブタジエン槽へ導入し、スチームと混合して89℃に加熱し、同時に、全圧を0.1気圧Gとして、1,3−ブタジエンをオフガスとして除去した。
1,3−ブタジエンを除去した後の排水中の1,3−ブタジエン残量は0.01質量%以下であった。
脱1,3−ブタジエン槽から水相を取り出す出口に、所定の分析手段として水素イオン濃度計を設置し、pHを測定することにより不純物の濃度の監視を行った。
粗1,3−ブタジエン中のジメチルアミンが0ppmである場合、排水のpHは9であったが、pHが10にあがった時は、1,3−ブタジエン中のジメチルアミンは30ppmまで上がっていたことが分かった。
pHが10に上昇した場合、直ちに更新(メイクアップ)水量を1m3/hrから3m3/hrへ増やし、水洗工程のジメチルアミン除去能力を向上させた。なお、粗1,3−ブタジエン中のジメチルアミンの定量分析は、オフライン分析により、ガスクロマトグラフィーの方法で行った。
続いて、脱酸素剤として、亜硫酸ナトリウムを主成分とするダイクリーンF−504(栗田工業製)の10%水溶液を使用し、循環流速:18m3/hrで、1,3−ブタジエンと前記脱酸素剤水溶液とをスタティックミキサーを使用して混合し、液液抽出を行った。その後、デカンターに移動し、当該デカンターで、1,3−ブタジエン相と水相とを分離した。
デカンターでの1,3−ブタジエン相の滞留時間は30分間であった。なお、液温度30℃、デカンター圧力1.0MPaGの条件で運転した。
さらに続いて、10%苛性ソーダ水溶液を、循環流速:18m3/hrで、ポールリング入り充填塔を使用して、1,3−ブタジエンと混合し、液液抽出を行い、さらに他のデカンターに移送し、当該他のデカンターで、1,3−ブタジエン相と水相とを分離した。
当該他のデカンターでの1,3−ブタジエン相の滞留時間は80分間であった。なお、重合禁止剤除去工程においては、液温度30℃、デカンター圧力1.0MPaGの条件で運転した。
前記他のデカンターで分離した1,3−ブタジエン相に、混合ヘキサンを加えて、1,3−ブタジエン濃度:50質量%として、脱水塔へ供給した。
脱水塔においてトップ(塔頂)から、留出した1,3−ブタジエンと水の共沸混合物を冷却、凝縮させた後、デカンターに移送し、当該デカンターで1,3−ブタジエン相と水相とを分離した。
水相は除去し、1,3−ブタジエン相は、脱水塔の塔入り口に戻し、連続的に脱水塔工程を行った。
脱水塔のボトム(塔底)から脱水された1,3−ブタジエンとへキサンとの混合液を取り出した。
前記1,3−ブタジエンとヘキサンとの混合液を、活性アルミナ入り9m3のデシカントドライヤー( (株)日立製作所製 竪型円筒槽)を通過させ、1,3−ブタジエン中の微量の残余不純物を吸着除去した。
上記の方法で精製して得られた1,3−ブタジエンのヘキサン混合液、ヘキサン、スチレンを用い、n−ブチルリチウムを重合開始剤とし、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを重合添加剤としてバッチ重合を行った。
重合温度が頂上となった時点で4官能カップリング変性剤であるテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを加えて反応させた。
実施例1の1,3−ブタジエンの精製方法によれば、1,3−ブタジエン中の、アニオン重合に悪影響を与えるおそれが高い活性水素を有する有機化合物であるジメチルアミン量の増加を正確に監視することができ、ジメチルアミン量が増加しても、水洗工程で洗浄水である低酸素水の更新量を増加させる等、適宜条件の設定を容易に制御できるため、高い品質の1,3−ブタジエンが得られ、これを用いた重合体も、構造が所定の品質基準値内であった。
また、精製工程での1,3−ブタジエンのポプコーンは、1年の運転後もほとんど生成していなかった。
(重合禁止剤除去工程)
GPB法で得られた、TBC(t−ブチルカテコール)50ppmを含む、純度99.0%の1,3−ブタジエンを用い、流量:10t/hrで、重合禁止剤除去工程を行った。
10%苛性ソーダ水溶液を、循環流速:18m3/hrで、ポールリング入り充填塔を使用して、前記1,3−ブタジエンと混合し、液液抽出を行い、その後、デカンターに移送し、当該デカンターで1,3−ブタジエン相と水相とに分離した。
デカンターでの1,3−ブタジエン相の滞留時間は30分間であった。なお液温度30℃、デカンター圧力1.0MPaGの条件で運転した。
続いて、前記デカンターで分離した1,3−ブタジエンの水洗工程を行った。
減圧脱気装置としてスチームエジェクターを用いて50mmHg(abs)の減圧下で処理した低酸素水を洗浄水として用いた。処理後の水中溶存酸素量:0.7mg/Lであった。
循環水量18m3/hr、更新(メイクアップ)水量1m3/hrの条件で水洗工程を行った。
1,3−ブタジエンと、洗浄水とを、スタティックミキサー((株)ノリタケ カンパニーリミテッド社製のスタティックミキサーN60シリーズ)を使用して混合し、その後、デカンターに移送し、デカンターで1,3−ブタジエン相と水相とに分離した。なお、液温度30℃、デカンター圧力1.0MPaGの条件で運転した。デカンターでの1,3−ブタジエン相の滞留時間は30分間であった。
次に、上述した実施例1と同様に、前記デカンターで分離した水相を脱1,3−ブタジエン槽へ導入し、スチームと混合して89℃に加熱し、同時に、全圧を0.1気圧Gとして、1,3−ブタジエンを除去した。
前記脱1,3−ブタジエン槽の排水出口配管に所定の分析手段として水素イオン濃度計を設置し、1,3−ブタジエンを除去した後の水相のpHを測定することにより不純物の濃度の監視を行った。
粗1,3−ブタジエン中のジメチルアミンが0ppmである場合、排水のpHは10であったが、1,3−ブタジエン中のジメチルアミンは30ppmまで上がっても、pHは10のままであった。これは、重合禁止剤除去工程で使用した苛性ソーダが水洗工程排水に混入した影響で、排水pH計の指示が精度を欠いたことが原因と推定される。
なお、脱1,3−ブタジエン槽を通さずに、前記デカンターで分離した水相に対して直接水素イオン濃度計を設置したところ、ブタジエンの気泡が付着して正常な測定ができなかった。
上述のようにして水洗工程を行った後、デカンターで水相と分離した1,3−ブタジエンを溶剤で希釈することなく当該1,3−ブタジエンを脱水塔へ供給した。
脱水塔においてトップ(塔頂)から、留出した1,3−ブタジエンと水の共沸混合物を冷却、凝縮させた後、デカンターに移送した。当該デカンターで1,3−ブタジエン相と水相とを分離し、水相は除去し、1,3−ブタジエン相は脱水塔の塔入り口に戻し、連続的に脱水塔工程を行った。
脱水塔のボトム(塔底)から脱水された1,3−ブタジエンを取り出した。
上記の方法で精製して得られた1,3−ブタジエンを用い、実施例1と同様にバッチ重合を行った。
重合温度が頂上となった時点で4官能カップリング変性剤であるテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを加えて反応させた。
比較例1の1,3−ブタジエンの精製方法によれば、原料ブタジエン中のジメチルアミン量の増加を監視することができなかったので、水洗の更新水量を一定で運転せざるを得なかった。
従って、比較例1においては、1,3−ブタジエン中の不純物であるジメチルアミン量が増加した場合においても十分な除去ができず、実用上十分な品質を有する1,3−ブタジエンが得られなかった。また、これを用いて重合工程を行った場合には、分子量の低下、カップリング率の低下が起こって、重合が正確に制御できず、得られた重合体の構造が所定の品質基準値外のものとなった。
また、水洗工程の配管にブタジエンのポプコーンが詰まり、4ヵ月後に、一時停止して除去作業を行う必要があった。
実施例1では、重合禁止剤除去工程の前工程として水洗工程を行ったことにより、1,3−ブタジエン中の不純物であるジメチルアミンが増加した際に、それを監視することが可能で、かつ、適切に除去ができ、品質の高い1,3−ブタジエンが得られた。しかも、ポプコーンが発生せず、重合工程においては、長期間安定に運転が可能であった。
一方、比較例1では、水洗工程を重合禁止剤除去工程の後に行ったため、水素イオン濃度の測定がアルカリイオンの影響で阻害され、pH測定によるジメチルアミンの分析及び監視ができず、適切な除去を行うことができなかった。これにより、品質の高い1,3−ブタジエンが得られず、これを用いたアニオン重合に重大な影響を与えた。さらに、生成工程でポプコーンが発生し、臨時に運転を停止せざるを得なかった。
2 粗1,3−ブタジエン貯槽
3 液液接触塔
4 デカンター
5 液液接触塔
6 デカンター
7 液液接触塔
8 デカンター
9 溶剤貯槽
10 脱水塔
11 デカンター
12 吸着塔
13 精製1,3−ブタジエン混合液
14 純水
15 酸素除去膜装置
16 窒素
17 スチーム
18 脱1,3−ブタジエン槽
19 オフガス
20 所定の分析手段
21 排水
30、39、40 熱交換器
31〜38 ポンプ
Claims (6)
- 1,3−ブタジエンの精製方法であって、
重合禁止剤を含有する1,3−ブタジエンを、酸素濃度が2mg/L未満である低酸素水を洗浄水として用いて水洗する水洗工程と、
その後、1,3−ブタジエン中の重合禁止剤を除去する、重合禁止剤除去工程と、
を、有する1,3−ブタジエンの精製方法。 - 前記水洗工程において、水相の不純物の濃度の監視を行う、請求項1に記載の1,3−ブタジエンの精製方法。
- 前記低酸素水が、酸素除去膜を用いて脱酸素処理を施した水である、請求項1又は2に記載の1,3−ブタジエンの精製方法。
- 前記水洗工程で使用した洗浄水を60℃以上に加熱して、1,3−ブタジエンを洗浄水から除去する工程をさらに有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の1,3−ブタジエンの精製方法。
- 1,3−ブタジエンを脱酸素剤で処理する工程をさらに有し、
当該脱酸素剤で処理する工程及び前記重合禁止剤除去工程は、前記水洗工程の後に行う、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の1,3−ブタジエンの精製方法。 - 1,3−ブタジエンを有機溶剤で希釈して、脱水塔に供給し、脱水処理を行い、前記脱水塔の塔底又は塔中間部から、脱水された1,3−ブタジエンの有機溶剤混合液を抜き出す、脱水塔工程をさらに有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の1,3−ブタジエンの精製方法。
Priority Applications (1)
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