JP5678698B2 - 触媒微粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
また、高電位環境下においては、白金イオンが溶出する一方、低電位環境下においては、白金イオンが析出する。したがって、高電位放電と低電位放電が交互に繰り返されると、白金粒子の凝集が起こる。このような白金粒子の凝集は、有効電極面積の低下を招き電池性能の低下の一因となる。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、中心粒子に最外層が被覆された構造を有する触媒微粒子について、高い被覆率の触媒微粒子を効率よく得る製造方法、当該方法により得られる触媒微粒子、当該触媒微粒子を含む燃料電池用電極触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような問題の原因が、中心粒子に銅を被覆する工程において、Cu−UPDによる銅被覆率を100%に近づけようとすると、Cu−UPDが生じる電位の範囲の一部が、銅のバルク析出が生じる電位の範囲の一部と重なることを発見した。ここで、銅のバルク析出とは、各中心粒子への銅析出量が単原子層よりも多く且つ不均一となる析出を意味する。このため、銅のバルク析出を防ごうとすると、Cu−UPD被覆率が100%になる前に中心粒子に対する電位の印加を止める必要があり、その結果、Cu−UPD被覆率が低下するという課題があった。
図1(a)は、中心粒子に銅単原子層を被覆する際の、理想的なCVの還元波を示した模式図である。曲線1は、Cu−UPDに由来するCVの還元波を示す。斜線で示した銅吸着ピーク面積は、中心粒子に対する銅吸着量に対応する。理論上は、当該銅吸着量の全てが銅単原子層の形成に用いられ、中心粒子に均一に銅単原子層を析出させることができる。
図1(b)は、図1(a)で示した曲線1に曲線3aを重ねて示した模式図である。曲線3aは、常温の銅イオン溶液を用いて中心粒子に銅単原子層を被覆する際に生じる銅のバルク析出に由来するCVの還元波を示す。なお、常温とは、20〜25℃のことをいう。
図1(b)に示すように、Cu−UPDによる銅単原子層の析出と、銅のバルク析出とが同時に生じる電位の範囲4が存在する。したがって、実際のCVの還元波は、曲線1と曲線3aとを足し合わせた曲線となる。そのため、従来の銅析出法においては、Cu−UPDに由来する銅に加えて、バルク析出に由来する銅も析出し、中心粒子に均一に銅単原子層を析出させることができなかった。また、後述するように、触媒層内の銅析出量の粒子間ばらつきが大きくなるという問題もあった。
図1(c)は、図1(b)に、さらに曲線3bを重ねて示した模式図である。曲線3bは、低温の銅イオン溶液を用いて中心粒子に銅単原子層を被覆する際に生じる銅のバルク析出に由来するCVの還元波を示す。なお、ここでいう低温とは、常温未満の温度のことをいう。
図1(c)に示すように、銅イオン溶液の温度を従来よりも低くすることで、銅のバルク析出が始まる電位を従来よりも低くすることが可能であり、その結果、Cu−UPDによる銅単原子層の析出と、銅のバルク析出とが同時に生じる電位の範囲4は、低温下では格段に狭まる。これにより、Cu−UPDにより析出する銅の割合を増やすことができ、続く最外層の均一な被覆が可能となる。
図2は、作用極上の触媒層中の触媒微粒子の断面構造を示した模式図である。図2中には、それぞれ異なる条件下において形成された触媒微粒子10を、3行3列に並べて示す。触媒微粒子10は、それぞれ、中心粒子11と最外層12からなるものとする。図2中の縦軸は触媒層の厚み方向を示し、上の行の触媒微粒子ほど触媒層の表面側で形成され、下の行の触媒微粒子ほど触媒層の内部で形成されたことを示す。また、図2中の横軸は銅イオン溶液の温度を示し、右の列の触媒微粒子はより高温の銅イオン溶液を使用して形成され、左の列の触媒微粒子はより低温の銅イオン溶液を使用して形成されたことを示す。
図2中の右の列の断面模式図により顕著に示されているように、銅のバルク析出は、触媒層の表面と銅イオン溶液との界面から優先的に生じる。一方、銅のバルク析出は、触媒層の内部では起こりにくい。これは、銅のバルク析出が、銅イオン濃度が高いところから順に生じるためである。その結果、触媒微粒子間の構造のバラツキが起こると共に、続く最外層の形成において使用される電極触媒金属の量が増加することから、電極触媒金属の利用率、及び触媒微粒子の質量当たりの活性の低下が生じる。
しかし、上述したように、従来よりも低温の銅イオン溶液を用いることにより、バルク析出に費やされる銅の割合を抑えることができる。したがって、図2中の左の列の断面模式図に示すように、触媒微粒子間の構造のバラツキを抑えることができる。
しかし、本発明者らが検討した結果、後述する実施例において示すように、銅イオン溶液を常温未満に制御してCu−UPDを行うことにより、当初の予想をはるかに超え、銅吸着量が従来と比較して増加し、中心粒子の全表面積に対する銅単原子層の面積の割合が顕著に向上することが見出された。
以下、上記工程(1)〜(3)及びその他の工程について、順に説明する。
本発明に使用される中心粒子を構成する材料は、後述する最外層に用いられる材料と格子不整合を生じない金属材料であることが好ましい。また、コストを抑える観点からは、本発明に使用される中心粒子を構成する材料は、後述する最外層に用いられる材料よりも安価な金属材料であることが好ましい。さらに、本発明に使用される中心粒子を構成する材料は、電気的導通がとれ、銅が定着できる金属材料であることが好ましい。
この様な観点から、本発明に使用される中心粒子に含まれる材料は、パラジウム、イリジウム、ロジウム若しくは金等の金属、又は2種以上の当該金属からなる合金を含むことが好ましい。これらの金属材料のうち、パラジウム、又は上記金属材料を含むパラジウム合金を中心粒子に使用することがより好ましい。
なお、本発明に使用される粒子の平均粒径は、常法により算出される。粒子の平均粒径の算出方法の例は以下の通りである。まず、400,000倍又は1,000,000倍のTEM(透過型電子顕微鏡)画像において、ある1つの粒子について、当該粒子を球状と見なした際の粒径を算出する。このようなTEM観察による平均粒径の算出を、同じ種類の200〜300個の粒子について行い、これらの粒子の平均を平均粒径とする。
担体として使用できる導電性材料の具体例としては、ケッチェンブラック(商品名:ケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社製)、バルカン(商品名:Cabot社製)、ノーリット(商品名:Norit社製)、ブラックパール(商品名:Cabot社製)、アセチレンブラック(商品名:Chevron社製)等の炭素粒子や、炭素繊維等の導電性炭素材料;金属粒子や金属繊維等の金属材料;が挙げられる。
本工程は、常温未満の銅イオン溶液中、中心粒子に電位を印加することにより、中心粒子の表面に銅原子層を被覆する工程である。
銅イオン溶液に用いられる溶媒としては、水、有機溶媒が挙げられるが、Cu−UPDの進行を妨げないという観点から、水が好ましい。
銅イオン溶液に用いられる銅塩としては、具体的には、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅、亜塩素酸銅、過塩素酸銅、シュウ酸銅等が挙げられる。
銅イオン溶液には、上記溶媒及び銅塩の他にも、例えば、酸等を含んでいてもよい。銅イオン溶液に添加できる酸としては、具体的には、硫酸、硝酸、塩酸、亜塩素酸、過塩素酸、シュウ酸等が挙げられる。
開始電位E0は、Cu−UPDに由来する銅の析出が始まる電位であるのが好ましい。開始電位E0は、例えば、以下の様に決定できる。CVの還元波においては、掃引初期、すなわち、比較的高い電位の部分に、還元波の接線の傾きが1.0×10−5〜0(A/V)、すなわちほぼ0(A/V)と見なせる電位の範囲が存在する。この電位の範囲は、触媒金属表面における電気化学反応は未だ生じず、カーボン等の担体において充放電が起きる領域であると考えられる。この掃引初期の部分の直後に、還元波の接線の傾きがある所定の傾きとなる電位を、電位E0と決定することができる。ここで、所定の傾きとは、例えば、5.0×10−4〜1.0×10−4(A/V)の範囲の傾きである。
本工程においては、開始電位E0を0.6〜0.7V(vsRHE)の範囲内の電位としてもよい。
停止電位E1は、例えば、以下の様に決定できる。銅析出の際のCVの還元波においては、掃引後期、すなわち、比較的低い電位の部分に、還元波の接線の傾きが−1.0×10−3(A/V)を超える電位の範囲が存在する。この電位の範囲は、銅のバルク析出に由来する銅吸着電荷量が、Cu−UPDによる銅吸着電荷量よりも大きい範囲である。この掃引後期の電位の範囲の直前、すなわち、銅のバルク析出が優位となる直前に還元波の接線の傾きがある所定の傾きとなる電位を、電位E1と決定することができる。ここで、所定の傾きとは、例えば、−1.0×10−3〜0(A/V)の範囲の傾きである。
後述する実施例において示すように、銅イオン溶液の温度が低いほど、停止電位E1は低くなる。これは、銅イオン溶液の温度が低いほど、銅のバルク析出が始まる電位が低くなることによるものである。
電位掃引速度が遅い場合には、銅のバルク析出が優位となる直前に、還元波中に極大点又は変曲点が現れることがある。この極大点又は変曲点に対応する電位を停止電位E1としてもよい。
本工程においては、停止電位E1を0.34〜0.4V(vsRHE)の範囲内の電位としてもよい。なお、本工程においては、停止電位E1において電位の掃引を停止し、電位を所定の時間、好ましくは30〜60分間固定することが好ましい。
また、電位の掃引速度が速すぎると、Cu−UPDに由来するCV波形と銅のバルク析出に由来するCV波形とを十分に分離することができず、停止電位E1の決定が困難となるおそれがある。
まず、導電性炭素材料に担持されたパラジウム合金(以下、Pd/Cと総称する)粉末を水に分散させ、ろ過して得たPd/Cペーストを電気化学セルの作用極に塗工する。なお、Pd/Cペーストは、ナフィオン(商品名)等の電解質をバインダーにして、作用極上に接着してもよい。Pd/Cペーストには、適宜、水やアルコール等の溶媒を加えてもよい。作用極としては、白金メッシュや、グラッシーカーボンを用いることができる。
次に、電気化学セルに銅イオン溶液を加え、当該銅イオン溶液中に上記作用極、参照極及び対極を浸し、Cu−UPD法により、パラジウム合金微粒子の表面に銅の単原子層を析出させる。Cu−UPD法の具体的な条件の一例を下記に示す。
・銅イオン溶液:0.05mol/L CuSO4と0.05mol/L H2SO4の混合溶液(窒素をバブリングさせる)
・銅イオン溶液の温度:0〜18℃
・雰囲気:窒素雰囲気下
・掃引速度:0.2〜0.01mV/秒
・電位:開始電位E0=0.64V(vsRHE)から停止電位E1=0.35V(vsRHE)まで掃引した後、E1=0.35V(vsRHE)で電位を固定する。
・電位固定時間:30〜60分間
本工程において形成される最外層を構成する材料は、触媒活性が高いことが好ましい。ここでいう触媒活性とは、特に燃料電池触媒として使用した際の活性のことを指す。
この様な観点から、最外層に含まれる材料は、白金、イリジウム、ルテニウム、ロジウム及び金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属材料であることが好ましい。
これらの金属材料の中でも、最外層は白金を含むことが特に好ましい。白金は、触媒活性、特に酸素還元反応(ORR:Oxygen Reduction Reaction)活性に優れている。また、白金の格子定数は3.92Åであるのに対し、パラジウムの格子定数は3.89Åであり、パラジウムの格子定数は白金の格子定数の±5%の範囲内の値である。したがって、中心粒子にパラジウム又はパラジウム合金を、最外層に白金をそれぞれ用いることにより、中心粒子と最外層の間で格子不整合が生じず、白金による中心粒子の被覆が十分に行われる。
仮に、中心粒子に対する最外層の被覆率が、0.8未満であるとすると、電気化学反応において中心粒子が溶出し、その結果、触媒微粒子が劣化するおそれがある。
なお、本工程により得られる触媒微粒子の平均粒径は、4〜40nm、好ましくは5〜10nmである。
Cu−UPDによる銅被覆が終了した後、速やかに作用極を白金溶液に浸漬させ、イオン化傾向の違いを利用して銅と白金とを置換メッキする。置換メッキは、窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましく、不活性ガス雰囲気に置換したグローブボックス等を用いることがより好ましい。なお、銅イオン溶液から白金溶液へ、不活性ガス雰囲気下で作用極を速やかに移動することにより、被覆後の銅の酸化を防ぐことができる。
白金溶液は特に限定されないが、例えば、0.005M K2PtCl4溶液が使用できる。白金溶液は十分に攪拌し、当該溶液中には予め窒素をバブリングさせることが好ましい。置換メッキ時間は、90分以上確保することが好ましい。
上記置換メッキによって、パラジウム合金微粒子表面に白金の単原子層が析出した触媒微粒子が得られる。
銅原子層を最外層に置換する工程の後には、触媒微粒子のろ過・洗浄、及び乾燥が行われてもよい。
触媒微粒子のろ過・洗浄は、製造された触媒微粒子の被覆構造を損なうことなく、不純物を除去できる方法であれば特に限定されない。当該ろ過・洗浄の例としては、水、過塩素酸、希硫酸、希硝酸等を用いて吸引ろ過をする方法が挙げられる。
触媒微粒子の乾燥は、溶媒等を除去できる方法であれば特に限定されない。当該乾燥の例としては、室温下の真空乾燥を0.5〜2時間行った後、不活性ガス雰囲気下、60〜80℃の温度条件で1〜4時間乾燥させるという方法が挙げられる。
以上より、本発明によれば、触媒反応に用いられない電極触媒金属の量を従来よりも減らせると共に、中心粒子の溶出が抑制できるため、高い耐久性及び活性を実現できる。さらに、本発明によれば、触媒微粒子間のバラツキを抑制でき、均一な触媒微粒子を合成できる。
本実施例においては、異なる温度の銅イオン溶液を用いてCu−UPDを行い、CVから算出された銅吸着量を評価した。
[実施例1]
まず、カーボン担持パラジウム粒子粉末(Basf社製、20%Pd/C)を準備した。
次に、カーボン担持パラジウム粒子粉末0.5g、及びナフィオン(商品名)0.2gを水に分散させ、ろ過して得た合剤ペーストを、グラッシーカーボン電極に塗工した。
さらに、温度調節に水を用いた恒温槽30にセル全体を入れ、銅イオン溶液22の温度が6℃に保たれるように恒温槽30を制御した。
装置の詳細は下記の通りである。
・銅イオン溶液:0.05mol/L CuSO4と0.05mol/L H2SO4の混合溶液
・電極:グラッシーカーボンを備えた電極
・対極:白金電極(北斗電工製)
・参照極:銀−塩化銀電極(サイプレス社製)
・デュアル電気化学アナライザー:BAS社製、ALS700C
5mV/秒の掃引速度によりサイクリックボルタンメトリーを行い、CVを得た。
銅イオン溶液22の温度を13℃とした以外は、実施例1と同様にCu−UPDを行い、CVを得た。
銅イオン溶液22の温度を18℃とした以外は、実施例1と同様にCu−UPDを行い、CVを得た。
銅イオン溶液22の温度を常温(20〜25℃)とした以外は、実施例1と同様にCu−UPDを行い、CVを得た。
銅イオン溶液22の温度を40℃とした以外は、実施例1と同様にCu−UPDを行い、CVを得た。
銅イオン溶液22の温度を50℃とした以外は、実施例1と同様にCu−UPDを行い、CVを得た。
銅イオン溶液22の温度を60℃とした以外は、実施例1と同様にCu−UPDを行い、CVを得た。
図3(a)は、実施例1(銅イオン溶液の温度:6℃)、実施例2(銅イオン溶液の温度:13℃)、及び比較例1(銅イオン溶液の温度:20〜25℃)のCVを重ねて示した図である。図3(b)は、図3(a)の還元波中、0.3〜0.4V(vsRHE)の部分を拡大した図である。なお、図3(b)中の黒丸は、停止電位E1に対応する還元波中の極大点を示す。
図4は、実施例1のCV中の銅吸着ピーク面積を示したグラフである。図4中の白丸は開始電位E0に対応する点を、黒丸は停止電位E1に対応する点を、それぞれ示す。実施例1の銅吸着量は、図4中に斜線で示した銅吸着ピーク面積を基に算出される。実施例2〜実施例3及び比較例1〜比較例4のCVについても同様に銅吸着量を算出した。
下記表1は、実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例4の銅吸着量をまとめた表である。なお、下記表1には、比較例1における銅吸着量を100とした場合の、各銅吸着量の比を記載した。
図5は、表1の結果をまとめたグラフである。なお、図5は、縦軸に銅吸着量比を、横軸に銅イオン溶液の温度(℃)をとったグラフである。図5中の比較例1のデータは、銅イオン溶液の温度を25℃としてプロットした。
また、図5から分かるように、銅イオン溶液が低温である程、銅吸着量が大幅に増加することが分かる。
以上の結果から、パラジウム微粒子の表面に銅原子層を被覆する際に、常温未満の銅イオン溶液を用いることによって、パラジウム微粒子に対する銅吸着量を従来よりも増やすことができ、その結果、高い被覆率の触媒微粒子が効率よく得られることが分かる。
2 電位を掃引する方向を示す矢印
3a 常温の銅イオン溶液を用いた銅のバルク析出に由来するCVの還元波を示す曲線
3b 低温の銅イオン溶液を用いた銅のバルク析出に由来するCVの還元波を示す曲線
4 Cu−UPDによる銅の析出と銅のバルク析出とが同時に生じる電位の範囲
10 触媒微粒子
11 中心粒子
12 最外層
21 ガラスセル
22 銅イオン溶液
23 カーボン担持触媒微粒子の合剤ペースト
24 電極
26 対極
27 参照極
28 窒素導入管
29 窒素の気泡
30 恒温槽
Claims (5)
- 中心粒子と、当該中心粒子を被覆する最外層を備える触媒微粒子の製造方法であって、
前記中心粒子を準備する工程、
温度が0〜18℃の銅イオン溶液中、前記中心粒子に電位を印加することにより、前記中心粒子の表面に銅原子層を被覆する工程、及び、
前記銅原子層を、前記最外層に置換する工程を有することを特徴とする、触媒微粒子の
製造方法。 - 前記中心粒子が、パラジウム、イリジウム、ロジウム及び金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む、請求項1に記載の触媒微粒子の製造方法。
- 前記最外層が、白金、イリジウム、ルテニウム、ロジウム及び金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む、請求項1又は2に記載の触媒微粒子の製造方法。
- 前記銅原子層被覆工程において、温度が20〜25℃の前記銅イオン溶液中における前記中心粒子に被覆した銅の量を100と仮定したときの、温度が0〜18℃の前記銅イオン溶液中における前記中心粒子に被覆した銅の量の割合が103〜120である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の触媒微粒子の製造方法。
- 前記中心粒子に被覆した銅の量は、前記中心粒子に対する銅の吸着電荷量に基づき算出される量である、請求項4に記載の触媒微粒子の製造方法。
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