以下に、本発明にかかるレーザ加工機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
実施の形態1にかかるレーザ加工機1の構成について図1を用いて説明する。図1は、レーザ加工機1の構成を示す図である。
レーザ加工機1は、パルス発振してパルスレーザを出力し、ステージ上に載置された被加工物(図示せず)にパルスレーザを照射することにより、被加工物の加工を行う。レーザ加工機1は、例えば、ガスレーザを用いたレーザ加工機であるが、他の方式のレーザを用いたレーザ加工機であってもよい。レーザ加工機1は、制御部10、電源ユニット(電源部)20、及びレーザ共振器(レーザ発振器)30を備える。
制御部10には、予め、制御パラメータ、又は制御パラメータを含む制御プログラムが入力される。制御パラメータは、例えば、パルスレーザの周波数、パルスレーザのパルスの幅、パルスレーザのパルスのピーク値を含む。制御部10は、制御パラメータ、又は制御パラメータを含む制御プログラムに従い、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)を生成して電源ユニット20へ出力する。制御部10内の具体的な構成については後述する。
電源ユニット20は、制御部10から電源ユニットON/OFF信号を受ける。電源ユニット20は、電源ユニットON/OFF信号に従って、電力パルスを生成して出力する。レーザ共振器30は、電力パルスに応じて、パルス発振してパルスレーザを出力する。
具体的には、レーザ共振器30は、例えば、ガスレーザ発振器であり、レーザ媒質(混合ガス)が充填される筐体内に、電極34と光共振器を構成する全反射鏡31及び部分反射鏡32とが配置される。電極34は、筐体の長手方向に対向して配置されている。全反射鏡31は電極34の長手方向の一端側(昇圧トランス24側)に配置され、部分反射鏡32は電極34の長手方向の他端側(出力端側)に配置されている。光共振器内における対向電極34間の空間が放電空間33である。
また、電源ユニット20は、交流電源21、整流回路22、インバータ回路23、及び昇圧トランス24を有する。整流回路22が交流電源21からの交流電力を全波整流して直流電力に変換し、インバータ回路23の直流電源を形成する。インバータ回路23は、複数のスイッチング素子を有し、制御部10からからの電源ユニットON/OFF信号に基づきオンオフ動作を行って、整流回路22が提示する直流電源から電力パルスを生成する。昇圧トランス24は、インバータ回路23が生成する電力パルスをレーザ共振器30における放電空間33にて放電が可能になるレベルまで昇圧してレーザ共振器30の電極34に印加する。これによって、レーザ共振器30では、放電空間33でパルス放電が発生し、それに基づくレーザ発振(パルス発振)によるパルスレーザ光が光共振器にて増幅され、部分反射鏡32から外部へパルスレーザ光が出力される。
次に、制御部10内の具体的な構成について説明する。
制御部10は、機能的な側面から見た場合、指令生成部44、決定部41、及び生成部60を有する。生成部60は、パルス生成部42及び切り換え部50を有する。なお、ハードウェア的な側面から見た場合、制御部10は、制御装置40及び切り換え部50を有する。制御装置40と切り換え部50とは、例えば、信号ラインL1、L2を介して接続されている。切り換え部50と電源ユニット20とは、例えば、信号ラインL3を介して接続されている。機能的な構成における指令生成部44、決定部41、パルス生成部42は、ハードウェア的な構成における制御装置40に含まれる。以下では、機能的な側面から見た場合の構成を中心に説明する。
指令生成部44は、上記の制御パラメータに含まれるパルスレーザの周波数から、パルスレーザの周波数を指令する周波数指令fを生成する。指令生成部44は、制御パラメータに含まれるパルスレーザのパルスの幅から、パルスレーザのパルスの幅を指令するパルス幅指令dを生成する。指令生成部44は、制御パラメータに含まれるパルスレーザのパルスのピーク値から、パルスレーザのパルスのピーク値を指令するピーク値指令pを生成する。指令生成部44は、例えば、周波数指令fを決定部41へ出力し、周波数指令f、パルス幅指令d、及びピーク値指令pをパルス生成部42へ出力する。
決定部41は、指令生成部44から周波数指令fを受ける。決定部41は、周波数指令fに応じて、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数RCを決定する。すなわち、決定部41は、周波数指令fに応じて、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくように、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCを決定する。具体的には、決定部41は、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくように予め実験的に取得された決定テーブル43を有する。決定部41は、決定テーブル43を参照して、周波数指令fに対応する、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCを決定する。そして、決定部41は、決定した応答時定数RCに従って、時定数切り換え信号を生成して信号ラインL1経由で生成部60の切り換え部50へ出力する。時定数切り換え信号の詳細は後述する。
決定テーブル43は、例えば、図2に示すように、周波数欄431及び時定数欄432を有する。周波数欄431には、周波数指令の候補となる複数の周波数f1、f2、・・・が記録されている。時定数欄432には、応答時定数の候補となる複数の時定数RC1、RC2、・・・が記録されている。このとき、例えば、次の数式1の関係が成り立つ。
f1<f2、RC1>RC2・・・数式1
例えば、周波数指令fにより指令される周波数がf1である場合、決定部41は、決定テーブル43を参照することにより、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくように予め取得された値として、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCの値を時定数RC1に決定する。
例えば、周波数指令fにより指令される周波数がf2(>f1)である場合、決定部41は、決定テーブル43を参照することにより、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくように予め取得された値として、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCの値を時定数RC2(<RC1)に決定する。
このように、決定部41は、周波数指令fが第1の周波数を指令している場合、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数RCを第1の時定数に決定し、周波数指令fが第1の周波数より高い第2の周波数を指令している場合、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数RCを第1の時定数より小さい第2の時定数に決定する。
生成部60は、決定部41により決定された応答時定数RCに従って、電源ユニットON/OFF信号を生成して出力する。具体的には、生成部60のパルス生成部42は、周波数指令f、パルス幅指令d、及びピーク値指令pを指令生成部44から受ける。パルス生成部42は、周波数指令f、パルス幅指令d、及びピーク値指令pに従って、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)となるべきパルス出力指令(原パルス)を生成する。パルス出力指令は、電源ユニットON/OFF信号に対応した波形を有するパルスであり、アナログ的に電源ユニットON/OFF信号の出力を指令するものである。パルス生成部42は、生成したパルス出力指令を生成部60の切り換え部50へ出力する。
切り換え部50は、入力ノードIN1、IN2、及び出力ノードOUTを有する。切り換え部50は、決定部41から入力ノードIN1を介して時定数切り換え信号を受け、パルス生成部42から入力ノードIN2を介してパルス出力指令を受ける。
また、切り換え部50は、切り換え可能な複数の回路時定数RC−A、RC−Bを有し、決定部41により決定された応答時定数RCに従って、複数の回路時定数RC−A、RC−Bの間で回路時定数を切り換える。すなわち、切り換え部50は、決定部41により決定された応答時定数RCに従った時定数切り換え信号に従って、複数の回路時定数RC−A、RC−Bの間で回路時定数を切り換える。切り換え部50は、切り換えた回路時定数を用いて、パルス生成部42により生成されたパルス出力指令(原パルス)の応答時定数RCを調整し、調整されたパルスを電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)として出力ノードOUT及び信号ラインL3経由で電源ユニット20へ出力する。
より具体的には、切り換え部50は、複数の時定数回路A、B、及び複数のスイッチSW1、SW2を有する。複数の時定数回路A、Bは、互いに異なる回路時定数を有する。複数の時定数回路A、Bは、互いに異なる回路時定数を有する。例えば、時定数回路Aの有する回路時定数をRC−A、時定数回路Bの有する回路時定数をRC−Bとするとき、次の数式2が成り立つ。
(RC−A)>(RC−B)・・・数式2
複数の時定数回路A、Bは、例えば、入力ノードIN2と出力ノードOUTとの間のラインに対して直列に接続されている。
複数のスイッチSW1、SW2は、決定部41により決定された応答時定数RCに従って、複数の時定数回路A、Bから、用いるべき時定数回路を選択する。すなわち、決定部41により決定された応答時定数RCに従った時定数切り換え信号に従って、複数の時定数回路A、Bから、用いるべき時定数回路を選択する。複数のスイッチSW1、SW2は、例えば、複数の時定数回路A、Bに対応して設けられる。スイッチSW1は、例えば、入力ノードIN2と出力ノードOUTとの間のラインに対して時定数回路Aに並列に接続されている。スイッチSW2は、例えば、入力ノードIN2と出力ノードOUTとの間のラインに対して時定数回路Bに並列に接続されている。
例えば、決定部41は、応答時定数RCの値を数式1に示すRC1に決定した場合、複数の時定数回路A、Bのうち時定数回路Aが選択されるような時定数切り換え信号を生成して信号ラインL1経由で複数のスイッチSW1、SW2へ供給する。これに応じて、スイッチSW1がオフするとともにスイッチSW2がオンして(図1に示す状態になって)、切り換え部50の回路時定数を数式2に示すRC−Aに切り換える。これにより、パルス出力指令が入力ノードIN2から時定数回路Aを通るとともに時定数回路BをバイパスしてスイッチSW2を通り、パルス出力指令が回路時定数RC−Aで調整された電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)を出力ノードOUTから出力する。
例えば、決定部41は、応答時定数RCの値を数式1に示すRC2に決定した場合、複数の時定数回路A、Bのうち時定数回路Bが選択されるような時定数切り換え信号を生成して信号ラインL1経由で複数のスイッチSW1、SW2へ供給する。これに応じて、スイッチSW1がオンするとともにスイッチSW2がオフして、切り換え部50の回路時定数を数式2に示すRC−Bに切り換える。これにより、パルス出力指令が入力ノードIN2から時定数回路AをバイパスしてスイッチSW1を通るとともに時定数回路Bを通り、パルス出力指令が回路時定数RC−Bで調整された電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)を出力ノードOUTから出力する。
ここで、仮に、レーザパルスの立ち上がり時の応答時定数を比較的大きな値(遅くなるような値)に維持する場合について考える。近年の加工条件の多様化に伴い、レーザパルスの周波数を高くしたり、低くしたりすることを要求されることがある。この場合、レーザパルスの立ち上がり時の応答時定数を比較的大きな値(遅くなるような値)に維持した状態で、レーザパルスの周波数が高くなると、図10(a)に示すように、パルスレーザのピーク値が下がる可能性がある。パルスレーザのピーク値が下がると、パルスレーザの出力パワーが低下して、レーザ加工機による加工効率が低下する可能性がある。
そこで、仮に、レーザ加工機による加工効率が低下することを抑制するために、レーザパルスの立ち上がり時の応答時定数を比較的小さな値(速くなるような値)に維持する場合について考える。近年の加工条件の多様化に伴い、レーザパルスの周波数を高くしたり、低くしたりすることを要求されることがある。この場合、レーザパルスの立ち上がり時の応答時定数を比較的小さな値(速くなるような値)に維持した状態で、レーザパルスの周波数が低くなると、図10(b)に示すように、パルスレーザのピーク部でオーバーシュートやハンチング(振動)が発生しパルスレーザのピーク値が不安定になる可能性がある。パルスレーザのピーク値が不安定になると、パルスレーザの出力パワーも不安定になり、レーザ加工機による加工精度が低下する可能性がある。
それに対して、実施の形態1では、決定部41が、周波数指令fに応じて、電源制御パルスの応答時定数RCを決定し、生成部60が、決定部41により決定された応答時定数RCに従って、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)を生成して出力する。これにより、レーザパルスの繰返し周波数が低いときはパルスの応答時定数を緩やかに、また、レーザパルスの繰返し周波数が高いときはパルスの応答時定数を急峻にすることができ、より幅の広いレーザパルスの繰返し周波数領域で、パルスレーザのピーク値を安定させることができ、高いピークのレーザ出力を得ることができる。
また、実施の形態1では、決定部41が、周波数指令fに応じて、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくように、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数RCを決定する。これにより、より幅の広いレーザパルスの繰返し周波数領域で、安定して高いピークのパルスレーザを得ることができる。
また、実施の形態1では、決定部41が、周波数指令fが第1の周波数を指令している場合、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数RCを第1の時定数に決定し、周波数指令fが第1の周波数より高い第2の周波数を指令している場合、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数RCを第1の時定数より小さい第2の時定数に決定する。これにより、周波数指令fに応じて、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくように電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を決定することができる。
また、実施の形態1では、パルス生成部42が、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)となるべきパルス出力指令(原パルス)を生成し、切り換え部50が、決定部41により決定された応答時定数に従って、複数の回路時定数RC−A、RC−Bの間で回路時定数を切り換え、切り換えた回路時定数を用いて、パルス生成部42により生成されたパルス出力指令(原パルス)の応答時定数を調整し、調整されたパルスを電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)として出力する。これにより、簡易な構成で、周波数指令fに応じた応答時定数の調整を行うことができる。
また、実施の形態1では、複数の時定数回路A、Bが、互いに異なる回路時定数RC−A、RC−Bを有し、複数のスイッチSW1、SW2が、決定部41により決定された応答時定数に従った時定数切り替え信号に従って、複数の時定数回路A、Bから、用いるべき時定数回路を選択する。これにより、簡易な構成で、周波数指令fに応じた応答時定数の調整を行うことができる。
なお、実施の形態1では、切り換え部50が複数の時定数回路A、Bから用いるべき時定数回路を択一的に選択する場合について例示的に説明したが、切り換え部50は、用いるべき時定数回路を複数選択しても良いし、いずれの時定数回路も選択しない状態に切り換えられてもよい。
例えば、切り換え部50は、複数のスイッチSW1、SW2がいずれもオフして複数の時定数回路A、Bを全てを選択することにより、切り換え部50の回路時定数を回路時定数RC−A、RC−Bの合成されたRC−ABに切り換えてもよい。また、切り換え部50は、複数のスイッチSW1、SW2がいずれもオンして複数の時定数回路A、Bを全てを選択しないことにより、切り換え部50の回路時定数を回路時定数RC−0に切り換えてもよい。これにより、切り換え部50は、時定数回路A、Bの数より多い段階数で回路時定数を切り替えることができる。
あるいは、切り換え部50による回路時定数の切り換えは、図1に示すような複数のスイッチSW1、SW2による切り替えに限定されない。例えば、可変容量や可変抵抗を用いて回路時定数を連続的に切り換えてもよい。
また、図1中の時定数切り替え信号は、必ずしも制御装置40から出力される必要はなく、例えば、決定部41が制御装置40と切り換え部50との間に設けられていても良い。
あるいは、決定部41は、決定テーブル43に代えて、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくように予め実験的に取得された関数を有していてもよい。この場合、決定部41は、関数を用いて、周波数指令fに対応する、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCを計算して決定する。
あるいは、決定部41は、周波数指令fとパルス幅指令dとに応じて、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数RCを決定してもよい。例えば、決定部41は、決定テーブル43を参照して、周波数指令fとパルス幅指令dとに対応する、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCを決定する。
このとき、決定テーブル43は、例えば、図3に示すように、周波数欄431、パルス幅欄433、及び時定数欄432を有する。パルス幅欄433には、パルス幅指令dの候補となる複数のパルス幅d1、d2、・・・d1、d2、・・・が記録されている。このとき、例えば、次の数式1の関係が成り立つ。
f1<f2、d1>d2、RC11>RC12>RC21>RC22・・・数式3
例えば、周波数指令fにより指令される周波数がf1であり、パルス幅指令dにより指令されるパルス幅がd1である場合、決定部41は、決定テーブル43を参照することにより、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくように予め取得された値として、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCの値を時定数RC11に決定する。
例えば、周波数指令fにより指令される周波数がf2(>f1)であり、パルス幅指令dにより指令されるパルス幅がd2(<d1)である場合、決定部41は、決定テーブル43を参照することにより、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくように予め取得された値として、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCの値を時定数RC22(<RC11)に決定する。
あるいは、決定部41は、周波数指令fとピーク値指令pとに応じて、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数RCを決定してもよい。例えば、決定部41は、決定テーブル43を参照して、周波数指令fとピーク値指令pとに対応する、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCを決定する。
このとき、決定テーブル43は、例えば、図4に示すように、周波数欄431、ピーク値欄434、及び時定数欄432を有する。ピーク値欄434には、ピーク値指令pの候補となる複数のピーク値p1、p2、・・・p1、p2、・・・が記録されている。このとき、例えば、次の数式1の関係が成り立つ。
f1<f2、p1<p2、
RC111>RC112>RC121>RC122・・・数式4
例えば、周波数指令fにより指令される周波数がf1であり、ピーク値指令pにより指令されるピーク値がp1である場合、決定部41は、決定テーブル43を参照することにより、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくように予め取得された値として、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCの値を時定数RC111に決定する。
例えば、周波数指令fにより指令される周波数がf2(>f1)であり、ピーク値指令pにより指令されるピーク値がp2(>p1)である場合、決定部41は、決定テーブル43を参照することにより、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくように予め取得された値として、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCの値を時定数RC122(<RC111)に決定する。
このように、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数を調整することで、パルスレーザのピーク値を自由にコントロールすることができる。例えば、レーザ加工機1がパルスレーザにより切断加工する場合に比べて、レーザ加工機1がパルスレーザにより接合加工する場合、パルスレーザのピーク値を小さくする必要がある。このような場合でも、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数を調整することで、パルスレーザのピーク値を目標値に合わせこむことが可能である。
実施の形態2.
次に、実施の形態2にかかるレーザ加工機100について図5を用いて説明する。図5は、レーザ加工機100の構成を示す図である。以下では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、周波数指令f、パルス幅指令d、及びピーク値指令pに従ったパルス出力指令(原パルス)を生成した上で、回路時定数を切り換えた切り換え部50にパルス出力指令を通すことで、応答時定数が調整された電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)を生成している。
一方、実施の形態2では、周波数指令f、パルス幅指令d、及びピーク値指令pに基づき、自動的に、応答時定数が調整された電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)を生成する。
具体的には、レーザ加工機100の制御部110は、機能的な側面から見た場合、指令生成部144、決定部171、及び生成部172を有する。なお、ハードウェア的な側面から見た場合、制御部110は、制御装置140及びパルス出力回路170を有する。制御装置140とパルス出力回路170とは、例えば、信号ラインL12を介して接続されている。パルス出力回路170と電源ユニット20とは、例えば、信号ラインL13を介して接続されている。機能的な構成における指令生成部144は、ハードウェア的な構成における制御装置140に含まれる。機能的な構成における決定部171、及び生成部172は、ハードウェア的な構成におけるパルス出力回路170に含まれる。パルス出力回路170は、例えば、マイコンなどを用いる。以下では、機能的な側面から見た場合の構成を中心に説明する。
指令生成部144は、周波数指令f、パルス幅指令d、及びピーク値指令pを含むパルス出力指令を生成する。パルス出力指令は、電源ユニットON/OFF信号に対応した複数のパラメータを含むものであり、デジタル的に電源ユニットON/OFF信号の出力を指令するものである。指令生成部144は、生成したパルス出力指令を信号ラインL12経由で決定部171、及び生成部172へ出力する。
決定部171は、指令生成部144により生成された周波数指令f、パルス幅指令d、及びピーク値指令pを用いて、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を計算する。そして、決定部171は、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数に応じた、波形の立ち上がり時間又は波形の立ち上がり時の傾きを計算する。
具体的には、決定部171は、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくように予め実験的に取得された関数を有する。決定部171は、関数を用いて、周波数指令fに対応する、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCを計算し、さらにその応答時定数RCに対応する、波形の立ち上がり時間を計算する。決定部171は、計算結果を生成部172へ出力する。
例えば、周波数指令fにより指令される周波数がf1である場合、決定部171は、関数を用いて計算することにより、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくように予め取得された値として、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCの値を時定数RC1に決定する。さらに、決定部171は、例えば、時定数RC1に対応する波形の立ち上がり時間の値を時間Δt1に決定する(図6(a)参照)。
例えば、周波数指令fにより指令される周波数がf2(>f1)である場合、決定部171は、関数を用いて計算することにより、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくように予め取得された値として、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCの値を時定数RC2(<RC1)に決定する。さらに、決定部171は、例えば、時定数RC1に対応する波形の立ち上がり時間の値を時間Δt2(<Δt1)に決定する(図6(b)参照)。
生成部172は、周波数指令f、パルス幅指令d、及びピーク値指令pを指令生成部144から受け、計算結果を決定部171から受ける。生成部172は、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数RCが決定部171により計算された応答時定数になるように、周波数指令f、パルス幅指令d、及びピーク値指令pに従った電源ユニットON/OFF信号を生成して出力する。すなわち、生成部172は、決定部171により計算された応答時定数に応じた、波形の立ち上がり時間又は波形の立ち上がり時の傾きが得られるように、周波数指令f、パルス幅指令d、及びピーク値指令pに従った電源ユニットON/OFF信号を生成して出力する。
例えば、決定部171により計算された応答時定数RC1であり、時定数RC1に対応する波形の立ち上がり時間の値が時間Δt1である場合、生成部172は、図6(a)に示すように、周波数指令f、パルス幅指令d、及びピーク値指令pを満たしながら、波形の立ち上がり時間がΔt1になるように、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)を生成する。
例えば、決定部171により計算された応答時定数RC2であり、時定数RC2に対応する波形の立ち上がり時間の値が時間Δt2である場合、生成部172は、図6(b)に示すように、周波数指令f、パルス幅指令d、及びピーク値指令pを満たしながら、波形の立ち上がり時間がΔt2になるように、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)を生成する。
以上のように、実施の形態2では、決定部171が、周波数指令fを用いて、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を計算し、生成部172が、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数が決定部171により計算された応答時定数になるように、周波数指令f、パルス幅指令d、及びピーク値指令pに従った電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)を生成して出力する。これにより、指令の生成から電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の生成までの時間を短縮することができるので、加工条件の切り換え時等におけるレーザ加工機100の応答性を向上することができる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3にかかるレーザ加工機200について図7を用いて説明する。図7は、レーザ加工機200の構成を示す図である。以下では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、周波数指令fが指令する周波数に応じて、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくような電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を推定し、その推定した応答時定数になるように電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を調整している。
一方、実施の形態3では、さらに、パルスレーザのパルスのピーク値をモニタして、モニタしたパルスのピーク値が指令されたピーク値に近づくように応答時定数をフィードバック制御する。
具体的には、レーザ加工機200は、部分反射鏡270及びセンサ280をさらに備える。部分反射鏡270は、レーザ共振器30から出力されるパルスレーザの一部を透過して被加工物へ向けて出力するとともに他の一部を反射してセンサ280へ導く。センサ280は、部分反射鏡270から導かれたパルスレーザの光強度を検知することで、レーザ共振器30により出力されるパルスレーザの光強度を検知する。センサ280は、その検知結果をフィードバック信号として制御部210へフィードバックする。
制御部210の制御装置240における決定部241は、センサ280からフィードバック信号を受ける。フィードバック信号は、レーザ共振器30により出力されるパルスレーザの光強度を示す信号である。決定部241は、周波数指令fとフィードバック信号とに応じて、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を決定する。
具体的には、決定部241は、第1の期間において、周波数指令fに応じて電源ユニットON/OFF信号の応答時定数を決定し、第1の期間に続く第2の期間において、フィードバック信号に対応したパルスのピーク値が、ピーク値指令pにより指令されるパルスのピーク値に近づくように、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数を決定する。すなわち、決定部241は、第1の期間において、実施の形態1と同様の動作を行い、第1の期間に続く第2の期間において、実施の形態1と異なる動作(フィードバック制御)を行う。すなわち、決定部241は、第2の期間において、センサ280による検知結果(フィードバック信号)に対応したパルスのピーク値がピーク値指令pより指令されるパルスのピーク値より低い場合、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を現在の値より小さい値に決定し、センサ280による検知結果(フィードバック信号)に対応したパルスのピーク値がピーク値指令により指令されるパルスのピーク値より高い場合、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を現在の値より大きい値に決定する。
より具体的には、決定部241は、決定テーブル43(図2参照)に加えて、図8に示すように、抽出部2411、比較部2412、及び時定数決定部2413を有する。
抽出部2411は、センサ280からフィードバック信号を受ける。抽出部2411は、第2の期間において、センサ280による検知結果(フィードバック信号)からパルスレーザのパルスのピーク値を抽出する。例えば、抽出部2411は、所定の演算を行って、フィードバック信号からパルスレーザのもとの波形を推定し、推定した波形からパルスレーザのパルスのピーク値を推定することで、パルスレーザのパルスのピーク値を抽出する。
比較部2412は、抽出されたパルスレーザのパルスのピーク値を抽出部2411から受けるとともに、ピーク値指令pを指令生成部44(図7参照)から受ける。比較部2412は、第2の期間において、抽出されたパルスのピーク値と、ピーク値指令pにより指令されるパルスのピーク値とを比較し、比較結果を時定数決定部2413へ出力する。
時定数決定部2413は、比較結果を比較部2412から受けるとともに、周波数指令fを指令生成部44(図7参照)から受ける。
時定数決定部2413は、第1の期間において、周波数指令fに応じて、実施の形態1と同様に、例えば決定テーブル43を参照して電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を決定し、決定した応答時定数RCに従って、時定数切り換え信号を生成して信号ラインL1経由で生成部60の切り換え部50へ出力する。
時定数決定部2413は、第2の期間において、比較部2412による比較結果に応じて、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を決定する。すなわち、時定数決定部2413は、抽出されたパルスレーザのパルスのピーク値がピーク値指令pにより指令されるパルスのピーク値より低いことが比較結果により示されている場合、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数RCを現在の値より小さな値に決定する。あるいは、時定数決定部2413は、抽出されたパルスレーザのパルスのピーク値がピーク値指令pにより指令されるパルスのピーク値より高いことが比較結果により示されている場合、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数RCを現在の値より大きな値に決定する。そして、時定数決定部2413は、決定した応答時定数RCに従って、時定数切り換え信号を生成して信号ラインL1経由で生成部60の切り換え部50へ出力する。
以上のように、実施の形態3では、センサ280が、レーザ共振器30により出力されるパルスレーザの光強度を検知し、決定部241が、周波数指令fと、センサ280による検知結果(フィードバック信号)とに応じて、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を決定する。これにより、パルスレーザのピーク値をさらに容易に安定させることができる。
また、実施の形態3では、決定部241が、第1の期間において、周波数指令fに応じて電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を決定し、第1の期間に続く第2の期間において、センサ280による検知結果(フィードバック信号)に対応したパルスのピーク値が、ピーク値指令により指令されるパルスのピーク値に近づくように、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を決定する。これにより、第1の期間において、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を大まかに調整でき、第1の期間に続く第2の期間において、フィードバック制御を行うことにより電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を微調整できる。これにより、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくような応答時定数の調整の精度をさらに向上できる。
また、実施の形態3では、抽出部2411が、センサ280による検知結果からパルスレーザのパルスのピーク値を抽出し、比較部2412が、抽出されたパルスのピーク値と、ピーク値指令pにより指令されるパルスのピーク値とを比較し、時定数決定部2413が、周波数指令fと、比較部2412による比較結果とに応じて、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を決定する。これにより、第1の期間に応答時定数を大まかに調整でき第1の期間に続く第2の期間に応答時定数を微調整できるような構成を簡易に実現できる。
実施の形態4.
次に、実施の形態4にかかるレーザ加工機300について図9を用いて説明する。図9は、レーザ加工機300の構成を示す図である。以下では、実施の形態2と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態2では、周波数指令fが指令する周波数に応じて、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくような電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を推定し、その推定した応答時定数になるように電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)を自動的に生成している。
一方、実施の形態4では、さらに、パルスレーザのパルスのピーク値をモニタして、モニタしたパルスのピーク値が指令されたピーク値に近づくように応答時定数をフィードバック制御する。
具体的には、レーザ加工機300は、部分反射鏡270及びセンサ280をさらに備える。部分反射鏡270は、レーザ共振器30から出力されるパルスレーザの一部を透過して被加工物へ向けて出力するとともに他の一部を反射してセンサ280へ導く。センサ280は、部分反射鏡270から導かれたパルスレーザの光強度を検知することで、レーザ共振器30により出力されるパルスレーザの光強度を検知する。センサ280は、その検知結果をフィードバック信号として制御部310へフィードバックする。
制御部310のパルス出力回路370における決定部371は、センサ280からフィードバック信号を受ける。フィードバック信号は、レーザ共振器30により出力されるパルスレーザの光強度を示す信号である。決定部371は、周波数指令fとフィードバック信号とに応じて、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を決定する。
具体的には、決定部371は、第1の期間において、周波数指令fに応じて電源ユニットON/OFF信号の応答時定数を決定し、第1の期間に続く第2の期間において、フィードバック信号に対応したパルスのピーク値が、ピーク値指令pにより指令されるパルスのピーク値に近づくように、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数を決定する。すなわち、決定部371は、第1の期間において、実施の形態2と同様の動作を行い、第1の期間に続く第2の期間において、実施の形態2と異なる動作(フィードバック制御)を行う。すなわち、決定部371は、第2の期間において、センサ280による検知結果(フィードバック信号)に対応したパルスのピーク値がピーク値指令pより指令されるパルスのピーク値より低い場合、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を現在の値より小さい値に決定し、センサ280による検知結果(フィードバック信号)に対応したパルスのピーク値がピーク値指令により指令されるパルスのピーク値より高い場合、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を現在の値より大きい値に決定する。
より具体的には、決定部371は、図9に示すように、抽出部3711、比較部3712、及び時定数決定部3713を有する。
抽出部3711は、センサ280からフィードバック信号を受ける。抽出部3711は、第2の期間において、センサ280による検知結果(フィードバック信号)からパルスレーザのパルスのピーク値を抽出する。例えば、抽出部3711は、所定の演算を行って、フィードバック信号からパルスレーザのもとの波形を推定し、推定した波形からパルスレーザのパルスのピーク値を推定することで、パルスレーザのパルスのピーク値を抽出する。
比較部3712は、抽出されたパルスレーザのパルスのピーク値を抽出部3711から受けるとともに、ピーク値指令pを指令生成部144から受ける。比較部3712は、第2の期間において、抽出されたパルスのピーク値と、ピーク値指令pにより指令されるパルスのピーク値とを比較し、比較結果を時定数決定部3713へ出力する。
時定数決定部3713は、比較結果を比較部3712から受けるとともに、周波数指令fを指令生成部144から受ける。
時定数決定部3713は、第1の期間において、例えば関数を用いて、周波数指令fに対応する、電源ユニットON/OFF信号の応答時定数RCを計算し、さらにその応答時定数RCに対応する、例えば波形の立ち上がり時間を計算する。時定数決定部3713は、計算結果を生成部172へ出力する。
時定数決定部3713は、第2の期間において、比較部3712による比較結果に応じて、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を決定する。すなわち、時定数決定部3713は、抽出されたパルスレーザのパルスのピーク値がピーク値指令pにより指令されるパルスのピーク値より低いことが比較結果により示されている場合、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数RCを現在の値より小さな値に決定する。あるいは、時定数決定部3713は、抽出されたパルスレーザのパルスのピーク値がピーク値指令pにより指令されるパルスのピーク値より高いことが比較結果により示されている場合、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数RCを現在の値より大きな値に決定する。そして、時定数決定部3713は、決定した応答時定数RCに対応する、例えば波形の立ち上がり時間を計算する。時定数決定部3713は、計算結果を生成部172へ出力する。
以上のように、実施の形態4では、センサ280が、レーザ共振器30により出力されるパルスレーザの光強度を検知し、決定部371が、周波数指令fと、センサ280による検知結果(フィードバック信号)とに応じて、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を決定する。これにより、パルスレーザのピーク値をさらに容易に安定させることができる。
また、実施の形態4では、決定部371が、第1の期間において、周波数指令fに応じて電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を決定し、第1の期間に続く第2の期間において、センサ280による検知結果(フィードバック信号)に対応したパルスのピーク値が、ピーク値指令により指令されるパルスのピーク値に近づくように、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を決定する。これにより、第1の期間において、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を大まかに調整でき、第1の期間に続く第2の期間において、フィードバック制御を行うことにより電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を微調整できる。これにより、パルスレーザのパルスのピーク値が目標値に近づくような応答時定数の調整の精度をさらに向上できる。
また、実施の形態4では、抽出部3711が、センサ280による検知結果からパルスレーザのパルスのピーク値を抽出し、比較部3712が、抽出されたパルスのピーク値と、ピーク値指令pにより指令されるパルスのピーク値とを比較し、時定数決定部3713が、周波数指令fと、比較部3712による比較結果とに応じて、電源ユニットON/OFF信号(電源制御パルス)の応答時定数を決定する。これにより、第1の期間に応答時定数を大まかに調整でき第1の期間に続く第2の期間に応答時定数を微調整できるような構成を簡易に実現できる。