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JP5655721B2 - 生体情報処理装置及び生体情報処理方法 - Google Patents

生体情報処理装置及び生体情報処理方法 Download PDF

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JP5655721B2 JP2011147096A JP2011147096A JP5655721B2 JP 5655721 B2 JP5655721 B2 JP 5655721B2 JP 2011147096 A JP2011147096 A JP 2011147096A JP 2011147096 A JP2011147096 A JP 2011147096A JP 5655721 B2 JP5655721 B2 JP 5655721B2
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Description

本発明は、生体情報処理装置及び生体情報処理方法に関する。
従来から、被検者の運動管理や健康管理に供する生体情報処理装置として、被検者の身体の一部に装着し、被検者の脈拍数を測定する脈拍計が知られている。脈拍計は、装置を装着した被検者の血流量の変化を検知して被検者の脈拍数を算出し、算出した脈拍数(以下、「算出脈拍数」と称す。)を測定結果として被検者に報知するものである。脈拍計としては、光を利用するものや、超音波を利用するもの、心電を利用するものなどが知られている。
脈拍数を正しく算出することができるかどうかは、被検者の血流量の変化を検知する精度に依るところが大きい。しかし、外気温の変化といった外乱による影響や、脈拍計の装着位置及び当該装着位置のズレといった物理的な影響等に起因して、血流量の変化を検知する精度が低下する場合がある。そこで、算出脈拍数に対する変動許容範囲を設定して、算出脈拍数の適否を判定する手法が考案されている(例えば、特許文献1や特許文献2)。
特開平9−113309号公報 特開平9−154825号公報
しかしながら、変動許容範囲をどのように設定するかには種々の問題がある。例えば、変動許容範囲の設定そのものが誤っている場合には、算出脈拍数が正常値であっても不適と判定されてしまう。そのため、特許文献1には、算出脈拍数が変動許容範囲から同じ方向(上限を上回る方向か、下限を下回る方向の意。)に所定の閾値回数(例えば3回)連続して外れた場合には、算出脈拍数を適切と判定する手法が記載されている。ところが、この手法では、算出脈拍数が明らかに異常値であるような場合であっても、適切と誤判定してしまうおそれがある。
だからといって、誤判定を回避するために、上記の閾値回数をむやみやたらに増やしてしまうと、正常値である算出脈拍数を適切と判定するまでに長い時間を要することになり、応答性(リアルタイム性)が低下するという問題がある。
本発明は上述した課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、算出脈拍数の適否を判定するための新しい手法を提案することにある。
以上の課題を解決するための第1の形態は、被検者の脈拍数を算出する脈拍数算出部と、前記脈拍数算出部によって算出された算出脈拍数が所与の変動許容範囲に含まれるか否かに基づいて前記算出脈拍数の適否を判定する脈拍数適否判定部と、前記脈拍数適否判定部による否定判定の連続回数、継続時間及び頻度の何れかの値に基づいて前記変動許容範囲の幅でなる変動許容幅を設定する変動許容幅設定部と、を備えた生体情報処理装置である。
また、他の形態として、被検者の脈拍数を算出することと、前記算出された算出脈拍数が所与の変動許容範囲に含まれるか否かに基づいて前記算出脈拍数の適否を判定することと、前記適否判定による否定判定の連続回数、継続時間及び頻度の何れかの値に基づいて前記変動許容範囲の幅でなる変動許容幅を設定することと、を含む生体情報処理方法を構成することとしてもよい。
この第1の形態等によれば、被検者の脈拍数が脈拍数算出部によって算出される。そして、脈拍数算出部によって算出された算出脈拍数が所与の変動許容範囲に含まれるか否かに基づいて算出脈拍数の適否が脈拍数適否判定部によって判定される。算出脈拍数が変動許容範囲に含まれない場合は、算出脈拍数を不適と判定する。そして、脈拍数適否判定部による否定判定の連続回数、継続時間及び頻度の何れかの値に基づいて変動許容範囲の幅でなる変動許容幅が変動許容幅設定部によって設定される。
変動許容幅を固定的にするのではなく、算出脈拍数の適否判定による否定判定の連続回数、継続時間及び頻度の何れかの値に基づいて可変に設定することで、変動許容幅を適正化することができる。そして、設定した変動許容幅を有する変動許容範囲を利用することで、算出脈拍数の適否を正しく判定することが可能となる。
また、第2の形態として、第1の形態の生体情報処理装置において、前記変動許容幅設定部は、前記値が大きくなるほど前記変動許容幅を増大させるように前記変動許容幅を設定する、生体情報処理装置を構成することとしてもよい。
この第2の形態によれば、算出脈拍数の適否判定による否定判定の連続回数、継続時間及び頻度の何れかの値が大きくなるほど変動許容幅を増大させることで、被検者の脈拍数の変化に変動許容範囲を追従させることが可能となる。
この場合、例えば第3の形態として、第2の形態の生体情報処理装置における前記変動許容幅設定部が、前記値に対して前記変動許容幅を線形的に増大させる、生体情報処理装置を構成することとしてもよい。
この第3の形態によれば、否定判定の連続回数、継続時間及び頻度の何れかの値に対して変動許容幅を線形的に増大させることで、被検者の脈拍数が急激に変化した場合であっても算出脈拍数を適切と判定でき、変化する脈拍数を的確に捕捉することが可能となる。
また、例えば第4の形態として、第2の形態の生体情報処理装置における前記変動許容幅設定部が、前記変動許容幅の増大度合を前記値が大きくなるほど低減させる、生体情報処理装置を構成することとしてもよい。
この第4の形態によれば、変動許容幅の増大度合を否定判定の連続回数、継続時間及び頻度の何れかの値が大きくなるほど低減させることで、変動許容範囲が過度に広くなることを防止し、異常値を捕捉する可能性を低下させることができる。また、被検者の脈拍数が急激に変化した場合であっても、その後は、脈拍数の変化は緩やかになる傾向がある。従って、人間の実際の脈拍数の変化傾向に見合った変動許容範囲を設定して算出脈拍数の適否判定を行うことが可能となる。
また、第5の形態として、第1〜第4の何れかの形態の生体情報処理装置において、前記脈拍数算出部の算出結果の信頼性を判定する信頼性判定部を更に備え、前記脈拍数適否判定部は、前記変動許容範囲と前記信頼性とを用いて前記算出脈拍数の適否を判定する、生体情報処理装置を構成することとしてもよい。
この第5の形態によれば、脈拍数算出部の算出結果の信頼性が信頼性判定部によって判定される。変動許容範囲に加えて脈拍数の算出結果の信頼性を用いることで、算出脈拍数の適否判定の確度を向上させることができる。
また、第6の形態として、第5の形態の生体情報処理装置において、前記信頼性判定部は、前記被検者の脈波を検出した信号の信号対雑音比に基づき前記信頼性を判定し、前記脈拍数適否判定部は、前記信号対雑音比が所定の閾値条件を満たし、且つ、前記算出脈拍数が前記変動許容範囲に含まれる場合に、前記算出脈拍数を適切と判定する、生体情報処理装置を構成することとしてもよい。
被検者の脈波を検出した信号の信号対雑音比が良好であるほど、脈拍数の算出結果の信頼性は高いと推定される。そこで、第6の形態によれば、被検者の脈波を検出した信号の信号対雑音比が所定の閾値条件を満たし、且つ、算出脈拍数が変動許容範囲に含まれる場合に、算出脈拍数を適切と判定する。
また、第7の形態として、第1〜第6の何れかの形態の生体情報処理装置において、前記変動許容範囲は、所与の基準脈拍数を基準として定められる範囲であり、前記脈拍数適否判定部によって前記算出脈拍数が適切と判定された場合に、当該算出脈拍数で前記基準脈拍数を更新する基準脈拍数更新部を更に備えた、生体情報処理装置を構成することとしてもよい。
この第7の形態によれば、脈拍数適否判定部によって算出脈拍数が適切と判定された場合に、当該算出脈拍数で変動許容範囲の基準とする基準脈拍数が基準脈拍数更新部によって更新される。これにより、変動許容範囲の基準を適正化し、その都度適切な変動許容範囲を設定して算出脈拍数の適否判定を行うことが可能となる。
脈拍計の正面図。 (A)脈拍計の背面図。(B)脈拍計の使用状態図。 脈波センサーの動作の説明図。 算出脈拍数の適否判定方法の説明図。 ウィンドウ幅の第1の設定方法の説明図。 ウィンドウ幅の第2の設定方法の説明図。 脈拍計の機能構成を示すブロック図。 脈拍数測定処理の流れを示すフローチャート。 第2の脈拍数測定処理の流れを示すフローチャート。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。本実施形態は、本発明の生体情報処理装置を腕時計型の脈拍計に適用した実施形態である。なお、本発明を適用可能な形態が以下説明する実施形態に限定されるわけでないことは勿論である。
1.外観構成
図1は、本実施形態における脈拍計1の正面図である。脈拍計1は、リストバンド2を備え、ケース3には、時刻や脈拍計1の動作状態、各種生体情報(脈拍数、運動強度、カロリー消費量等)を文字や数字、アイコン等によって表示するための液晶表示器4が配置されている。
また、ケース3の周部(側面)には脈拍計1を操作するための操作ボタン5が配設されている。脈拍計1は、例えば内蔵する二次電池を電源として動作する。ケース3の側面には、外部の充電器と接続されて、内蔵二次電池を充電するための充電端子6が配設されている。
図2(A)は脈拍計1の背面図であり、ケース3の背面から脈拍計1を見たときの外観図を示している。また、図2(B)は脈拍計1の使用状態図であり、被検者の手首WRに装着された状態の脈拍計1の側面図を示している。
ケース3の背面には、被検者の脈波を検出して脈波信号を出力する脈波センサー10が配設されている。脈波センサー10は、ケース3の背面に接触している被検者の手首WRにおいて脈波を検出する。本実施形態において、脈波センサー10は光電脈波センサーであり、脈波を光学的に検出するための機構を備えている。
図3は、脈波センサー10の内部構造をケース3の側面から見たときの拡大図である。脈波センサー10は、ケース3の背面側に形成された円形底面を有する半球状の収納空間内に設置されている。そして、この収納空間内に、LED(Light Emitting Diode)などの光源12と、フォトトランジスターなどの受光素子13とが内蔵されている。半球の内面は鏡面とした反射面11であり、半球の底面側を下方とすると、受光素子13及び光源12は、それぞれ基板14の上面及び下面に実装されている。
光源12によって利用者の手首WRの皮膚SKに向けて光Leが照射されると、その照射光Leが皮下の血管BVに反射して半球内に反射光Lrとして戻ってくる。その反射光Lrは、半球状の反射面11においてさらに反射して、受光素子13に上方から入射する。
この血管BVからの反射光Lrは、血液中のヘモグロビンの吸光作用により、血流の変動を反映してその強度が変動する。脈波センサー10は、拍動よりも早い周期で光源12を所定の周期で点滅させる。そして、受光素子13は、光源12の点灯機会毎に受光強度に応じた脈波信号を光電変換によって出力する。脈波センサー10は、例えば128Hzの周波数で光源12を点滅させる。
また、図2(A)に示すように、脈拍計1は、被検者の体動を検出するための体動センサー20を内蔵している。本実施形態では、体動センサー20は、加速度センサーを有して構成される。加速度センサーは、図1に示すように、例えば、ケース3のカバーガラス面の法線方向であって表示面側を正とするZ軸、時計の12時方向を正とする上下方向をY軸、時計の3時方向を正とする左右方向をX軸とする3軸の加速度センサーである。
脈拍計1を装着した状態において、X軸は、被検者の肘から手首に向かう方向と一致する。体動センサー20は、X軸,Y軸及びZ軸の3軸の加速度を検出し、その結果を体動信号として出力する。脈拍計1は、体動センサー20によって検出された体動信号に基づいて、歩行やジョギングなどに伴う被検者の周期的な体動(例えば、腕の動きや体の上下動)を検出する。
2.原理
脈拍計1は、脈波センサー10によって検出された脈波信号を利用して被検者の脈拍数を算出する。具体的には、脈波信号に対して所定の周波数分解処理を行い、周波数帯毎の信号強度値(スペクトル値)を抽出する。周波数分解処理は、例えば高速フーリエ変換FFT(Fast Fourier Transform)を適用した処理とすることができる。そして、抽出した信号強度値から被検者の脈波に相当する周波数スペクトルを特定し、その周波数(或いは周期)に基づいて脈拍数を算出する。脈拍計1は、所定時間間隔(例えば1〜5秒間隔)で脈拍数を算出する。本実施形態では、上記のようにして算出した被検者の脈拍数のことを「算出脈拍数」と呼称する。
脈拍計1は、算出脈拍数を測定結果の脈拍数(測定脈拍数)として液晶表示器4に表示させるなどして、被検者に報知する。しかし、例えば、外気温の変化といった外乱による影響や、脈拍計1の装着位置及び当該装着位置のズレといった物理的な影響等に起因して、被検者の実際の脈拍数から大きく乖離した算出脈拍数が測定結果として得られてしまう場合がある。この場合に得られる算出脈拍数は異常値であり、その値を被検者に報知することは適切ではない。そこで、本実施形態では、以下説明する手順に従って算出脈拍数の適否を判定する。
本実施形態では、所与の基準脈拍数を基準として高低の方向に同一の幅を有する範囲をウィンドウと定義する。基準脈拍数は、脈拍数の算出時刻(算出タイミング)における脈拍数の基準値である。本実施形態では、適否判定によって適切と判定された最新の算出脈拍数を基準脈拍数として設定する。具体的には、算出脈拍数が適切と判定された場合に、当該算出脈拍数で基準脈拍数を更新する処理を算出時刻毎に繰り返す。
各々の算出時刻について、算出脈拍数がウィンドウに含まれるか否かを判定する。そして、算出脈拍数がウィンドウに含まれる場合は、算出脈拍数を適切と判定する。一方、算出脈拍数がウィンドウに含まれない場合は、算出脈拍数を不適と判定する。ウィンドウは、所与の基準脈拍数を基準として算出された算出脈拍数の変動を許容する範囲(以下、「変動許容範囲」と称す。)である。
本実施形態では、上記の脈拍数の適否判定によって算出脈拍数が不適と判定された連続回数(以下、「不適判定連続回数」と称す。)をカウントしていき、その値が大きくなるほど、基準脈拍数に対するウィンドウ幅を増大させる。
以下の説明では、ウィンドウ幅を“W”と表記する。また、不適判定連続回数を“N”と表記し、“N=0”の場合におけるウィンドウ幅“W=W”のことを「初期ウィンドウ幅」と称する。また、脈拍数の算出時刻を“t”と表記する。
図4は、本実施形態における算出脈拍数の適否判定方法の説明図である。図4において、横軸は時間軸であり、離散的な算出時刻“t”を時間軸の下に示している。縦軸は脈拍数である。また、算出脈拍数を三角形のプロットで示し、基準脈拍数を矩形のプロットで示している。
算出時刻“t1”における基準脈拍数が“HR”であり、そのウィンドウ幅が初期ウィンドウ幅“W”である状態からスタートする。つまり、算出時刻“t1”におけるウィンドウは、中心が基準脈拍数“HR”であり、幅が初期ウィンドウ幅“W”でなる変動許容範囲として設定される。図4において、算出時刻“t1”における算出脈拍数は“HR(<HR)”であり、その値がウィンドウに含まれている。このため、算出脈拍数“HR”を適切と判定する。不適判定連続回数“N”は「0回」のまま更新しない。また、算出脈拍数“HR”で基準脈拍数を更新する。
算出時刻“t2”では、算出脈拍数“HR”を基準とするウィンドウを設定する。“N=0”であるため、中心を基準脈拍数“HR”とし、幅を初期ウィンドウ幅“W”とするウィンドウを設定する。図4において、算出時刻“t2”における算出脈拍数は“HR(<HR)”であり、ウィンドウに含まれている。このため、算出脈拍数“HR”を適切と判定する。不適判定連続回数“N”は「0回」のまま更新しない。また、算出脈拍数“HR”で基準脈拍数を更新する。
算出時刻“t3”では、算出脈拍数“HR”を基準とするウィンドウを設定する。“N=0”であるため、中心を基準脈拍数“HR”とし、幅を初期ウィンドウ幅“W”とするウィンドウを設定する。図4において、算出時刻“t3”における算出脈拍数として、被検者の実際の脈拍数から大きく乖離した“HR(<HR)”が得られている。この場合、算出脈拍数“HR”はウィンドウに含まれないため、不適と判定する。また、不適と判定したため、不適判定連続回数“N”を「1回」に更新する。基準脈拍数は“HR”のまま更新しない。
算出時刻“t4”では、算出脈拍数“HR”を基準とするウィンドウを設定する。“N=1”であるため、初期ウィンドウ幅“W”ではなく、これよりも広いウィンドウ幅“W(>W)”を設定する。図4においては、算出時刻“t4”における算出脈拍数“HR(>HR)”がウィンドウに含まれるため、算出脈拍数“HR”を適切と判定する。また、適切と判定したため、不適判定連続回数“N”を「0回」にリセットする。また、算出脈拍数“HR”で基準脈拍数を更新する。
以下、同様の手順で算出脈拍数の適否を判定していく。図4では、算出時刻“t7”において被検者の脈拍数が“HR”から“HR”まで急激に上昇した場合を示している。この場合、算出時刻“t7”では、脈拍数の急激な上昇にウィンドウが追従することができず、算出脈拍数“HR”はウィンドウから外れている。このため、算出脈拍数“HR”を不適と判定し、不適判定連続回数“N”を「1回」に更新する。
“N=1”であるため、次の算出時刻“t8”では、中心を基準脈拍数“HR”とし、幅をウィンドウ幅“W(>W)”とするウィンドウを設定する。このとき、算出時刻“t8”における算出脈拍数として“HR(>HR)”が得られている。しかし、ウィンドウを広げたにも関わらず、算出脈拍数“HR”を捕捉できなかった場合を示している。この場合は、算出脈拍数“HR”を不適と判定し、不適判定連続回数“N”を「2回」に更新する。
“N=2”であるため、次の算出時刻“t9”では、中心を基準脈拍数“HR”とし、幅をウィンドウ幅“W(>W)”とするウィンドウを設定する。つまり、算出時刻“t8”で設定したウィンドウよりも更に広いウィンドウを設定する。図4において、算出時刻“t9”では、算出脈拍数として“HR(>HR)”が得られている。ウィンドウを広げた結果、算出脈拍数“HR”は適切と判定される。従って、不適判定連続回数“N”を「0回」にリセットする。
このように、本実施形態では、不適判定連続回数の値が大きくなるにつれて、ウィンドウ幅を増大させていくことを特徴の1つとする。算出時刻“t3”のように、算出脈拍数として真の脈拍数から大きく乖離した値が得られた場合であっても、当初はウィンドウを狭く設定しておくため、異常値を誤って適切と判定することが防止される。また、被検者の脈拍数が急激に変化した場合であっても、算出脈拍数が不適と判定される度にウィンドウを広げていくため、早い段階で算出脈拍数を適切と判定することが可能となる。換言すると、適切な算出脈拍数を早い段階で捕捉できるようになる、とも言える。
図5は、ウィンドウ幅の第1の設定方法の説明図である。図5において、横軸は脈拍数の軸であり、中心が基準脈拍数である。ある算出時刻に着目した場合に、基準脈拍数を中心として算出脈拍数が取り得る範囲を横軸に図示したものである。
第1の設定方法では、不適判定連続回数“N”の値に対してウィンドウ幅“W”を線形的に増大させる。具体的には、例えば次式(1)に従ってウィンドウ幅“W(N)”を設定する。
Figure 0005655721
式(1)によれば、N=0の場合は、ウィンドウ幅を初期ウィンドウ幅“W”に設定する(W(0)=W)。N=1の場合は、ウィンドウ幅を初期ウィンドウ幅“W”よりも広い“2W”に設定する(W(1)=2W)。また、N=2の場合は、ウィンドウ幅を“2W”よりも広い“3W”に設定する(W(2)=3W)。
図6は、ウィンドウ幅の第2の設定方法の説明図である。図5に示した第1の設定方法では、不適判定連続回数“N”の値が大きくなるにつれてウィンドウ幅“W”を線形的に増大させるため、継続的に不適と判定される状況では、ウィンドウ幅が過度に増大してしまう。
通常、被検者の脈拍数が急激に変化する場面では、脈拍数が一旦急激に変化した後は、脈拍数の変化は緩やかになる傾向がある。ウィンドウは、脈拍数が変動し得る範囲を想定して設定するものであるが、被検者の脈拍数が連続してウィンドウの最大幅ずつ変化する状況は稀である。そこで、ウィンドウ幅の増大度合を不適判定連続回数“N”の値が大きくなるほど低減させると効果的である。具体的には、例えば次式(2)に従ってウィンドウ幅“W(N)”を設定する。
Figure 0005655721
式(2)によれば、N=0の場合は、ウィンドウ幅を初期ウィンドウ幅“W”に設定する(W(0)=W)。N=1の場合は、ウィンドウ幅の変化分を“ΔW(1)=W/2”として、ウィンドウ幅を“W(1+1/2)”に設定する(W(1)=W(1+1/2))。N=2の場合は、ウィンドウ幅の変化分を“ΔW(2)=W/3”として、ウィンドウ幅を“W(1+1/2+1/3)”に設定する(W(2)=W(1+1/2+1/3))。つまり、式(2)によれば、ウィンドウ幅の増大度合を“1/(N+1)”ずつ低減させていくことになる。
3.機能構成
図7は、各実施例に共通する脈拍計1の機能構成の一例を示すブロック図である。脈拍計1は、脈波センサー10と、体動センサー20と、脈波信号増幅回路部30と、脈波形整形回路部40と、体動信号増幅回路部50と、体動波形整形回路部60と、A/D(Analog/Digital)変換部70と、処理部100と、操作部200と、表示部300と、報知部400と、通信部500と、時計部600と、記憶部700とを備えて構成される。
脈波センサー10は、脈拍計1が装着された被検者の脈波を計測するセンサーであり、例えば光電脈波センサーを有して構成される。脈波センサー10は、身体組織への血流の流入によって生じる容積変化を脈波信号として検出し、脈波信号増幅回路部30に出力する。
脈波信号増幅回路部30は、脈波センサー10から入力した脈波信号を所定のゲインで増幅する増幅回路である。脈波信号増幅回路部30は、増幅した脈波信号を脈波形整形回路部40及びA/D変換部70に出力する。
脈波形整形回路部40は、脈波信号増幅回路部30によって増幅された脈波信号を整形する回路部であり、高周波のノイズ成分を除去する回路やクリッピング回路等を有して構成される。処理部100は、脈波形整形回路部40によって整形された脈波形に基づいて、脈波の検出有無を判定する。
体動センサー20は、脈拍計1が装着された被検者の動きを捉えるためのセンサーであり、加速度センサー等を有して構成される。体動センサー20は、被検者の体動を検出する体動検出部に相当する。
体動信号増幅回路部50は、体動センサー20から入力した体動信号を所定のゲインで増幅する増幅回路を有して構成される。体動信号増幅回路部50は、増幅した体動信号を体動波形整形回路部60及びA/D変換部70に出力する。
体動波形整形回路部60は、体動信号増幅回路部50によって増幅された体動信号を整形する回路部であり、高周波のノイズ成分を除去する回路や、重力加速度成分とそれ以外の成分とを判定する回路、クリッピング回路等を有して構成される。処理部100は、体動波形整形回路部60によって整形された体動波形に基づいて、体動の検出有無を判定する。
A/D変換部70は、脈波信号増幅回路部30によって増幅されたアナログ形式の脈波信号と、体動信号増幅回路部50によって増幅されたアナログ形式の体動信号とを、それぞれ所定のサンプリング時間間隔でサンプリング及び数値化して、デジタル信号に変換する。そして、変換したデジタル信号を処理部100に出力する。
処理部100は、記憶部700に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って脈拍計1の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサーを有して構成される。処理部100は、記憶部700に記憶された脈拍数測定プログラム710に従って脈拍数測定処理を行い、脈拍計1が装着された被検者の脈拍数を算出・測定して表示部300に表示させる制御を行う。
処理部100は、例えば、脈拍数算出部120と、ウィンドウ設定部130と、不適判定連続回数計測部150と、脈拍数適否判定部160と、表示制御部170と、基準脈拍数更新部180とを機能部として有する。但し、これらの機能部はあくまでも一例であり、必ずしも全ての機能部を必須構成要件としなければならないわけではない。
脈拍数算出部120は、A/D変換部70から入力した体動信号(体動データ)を用いて、脈波信号(脈波データ)から体動ノイズ成分を除去する処理を行う。そして、抽出した拍動成分(拍動データ)を利用して被検者の脈拍数を算出する。
ウィンドウ設定部130は、脈拍数適否判定部160が算出脈拍数790の適否判定に利用するウィンドウを設定する。ウィンドウ設定部130は、ウィンドウ幅設定部140を有する。そして、ウィンドウ幅設定部140によって設定されたウィンドウ幅750と、最新の基準脈拍数780とに基づいて、ウィンドウ下限値760及びウィンドウ上限値770を算出する。
ウィンドウ幅設定部140は、記憶部700に記憶されたウィンドウ幅設定用データ720を利用して、上記の原理に従ってウィンドウ幅を設定する。ウィンドウ幅設定部140は変動許容幅設定部に相当する。
不適判定連続回数計測部150は、脈拍数適否判定部160によって算出脈拍数790が不適と判定された連続回数(不適判定連続回数)をカウントする。
脈拍数適否判定部160は、ウィンドウ設定部130によって設定されたウィンドウを用いて、脈拍数算出部120によって算出された算出脈拍数790の適否を判定する。
表示制御部170は、脈拍数適否判定部160の判定結果に基づいて脈拍数を表示部300に表示制御する。具体的には、脈拍数適否判定部160によって算出脈拍数790が適切と判定された場合は、当該算出脈拍数790を測定脈拍数(測定結果)として表示部300に表示制御する。他方、脈拍数適否判定部160によって算出脈拍数790が不適と判定された場合は、最新の基準脈拍数780を測定脈拍数(測定結果)として表示部300に表示制御する。
基準脈拍数更新部180は、脈拍数適否判定部160によって算出脈拍数790が適切と判定された場合に、当該算出脈拍数790で基準脈拍数780を更新する。
操作部200は、ボタンスイッチ等を有して構成される入力装置であり、押下されたボタンの信号を処理部100に出力する。この操作部200の操作により、脈拍数の測定指示等の各種指示入力がなされる。操作部200は、図1の操作ボタン5に相当する。
表示部300は、LCD(Liquid Crystal Display)等を有して構成され、処理部100から入力される表示信号に基づく各種表示を行う表示装置である。表示部300には、各種の生体情報(脈拍数、運動強度、カロリー消費量等)が表示される。表示部300は、図1の液晶表示器4に相当する。
報知部400は、スピーカーや圧電振動子等を有して構成され、処理部100から入力される報知信号に基づく各種報知を行う報知装置である。例えば、アラーム音をスピーカーから出力させたり、圧電振動子を振動させることで、被検者への各種報知を行う。
通信部500は、処理部100の制御に従って、装置内部で利用される情報をパソコン(PC(Personal Computer))等の外部の情報処理装置との間で送受するための通信装置である。この通信部500の通信方式としては、所定の通信規格に準拠したケーブルを介して有線接続する形式や、クレイドルと呼ばれる充電器と兼用の中間装置を介して接続する形式、近距離無線通信を利用して無線接続する形式等、種々の方式を適用可能である。
時計部600は、水晶振動子及び発振回路でなる水晶発振器等を有して構成され、時刻を計時する計時装置である。時計部600の計時時刻は、処理部100に随時出力される。
記憶部700は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置によって構成され、脈拍計1のシステムプログラムや、脈拍数測定機能、運動強度測定機能、カロリー測定機能といった各種機能を実現するための各種プログラム、データ等を記憶している。また、各種処理の処理中データ、処理結果などを一時的に記憶するワークエリアを有する。
3−1.第1実施例
第1実施例において、脈拍計1の記憶部700には、プログラムとして、脈拍数測定処理(図8参照)として実行される脈拍数測定プログラム710が記憶されている。また、データとして、ウィンドウ幅設定用データ720と、初期ウィンドウ幅730と、不適判定連続回数740と、ウィンドウ幅750と、ウィンドウ下限値760と、ウィンドウ上限値770と、基準脈拍数780と、算出脈拍数790とが記憶される。
ウィンドウ幅設定用データ720は、ウィンドウ幅設定部140がウィンドウ幅を設定するために用いるデータである。例えば、上記の原理で説明した式(1)や式(2)といったウィンドウ幅のモデル関数や、不適判定連続回数とウィンドウ幅とを対応付けたテーブルといったデータがこれに含まれる。
3−2.処理の流れ
図8は、記憶部700に記憶されている脈拍数測定プログラム710が処理部100によって読み出されることで、脈拍計1において実行される脈拍数測定処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、処理部100は、初期設定を行う(ステップA1)。具体的には、不適判定連続回数740の初期値として「0回」を設定する。また、基準脈拍数780の初期値として所定値(例えば安静時脈拍数)を設定する。
次いで、処理部100は、脈波センサー10及び体動センサー20の検出結果を取得する(ステップA3)。そして、脈拍数算出部120は、脈波センサー10の脈波信号の検出結果及び体動センサー20の検出結果を用いて被検者の脈拍数を算出し、その算出結果で記憶部700の算出脈拍数790を更新する(ステップA5)。
その後、ウィンドウ幅設定部140は、記憶部700に記憶された初期ウィンドウ幅730と不適判定連続回数740とに基づいて、ウィンドウ幅設定用データ720を用いてウィンドウ幅750を設定し、記憶部700に記憶させる(ステップA7)。
次いで、ウィンドウ設定部130は、記憶部700に記憶されたウィンドウ幅750と基準脈拍数780とを用いて、ウィンドウ下限値760及びウィンドウ上限値770を算出し、記憶部700に記憶させる(ステップA9)。
その後、脈拍数適否判定部160は、算出脈拍数790がウィンドウ下限値760以上であるか否かを判定し(ステップA11)、この条件を満たす場合は(ステップA11;Yes)、算出脈拍数790がウィンドウ上限値770以下であるか否かを判定する(ステップA13)。そして、この条件を満たす場合は(ステップA13;Yes)、算出脈拍数790を適切と判定する(ステップA15)。
この場合、表示制御部170は、算出脈拍数790を測定脈拍数として表示部300に表示制御する(ステップA17)。また、基準脈拍数更新部180は、算出脈拍数790で基準脈拍数780を更新する(ステップA19)。さらに、不適判定連続回数計測部150は、記憶部700の不適判定連続回数740をリセットする(ステップA21)。
一方で、ステップA11又はステップA13において条件を満たさないと判定した場合は(ステップA11;No、又は、ステップA13;No)、脈拍数適否判定部160は、算出脈拍数790を不適と判定する(ステップA23)。
この場合、表示制御部170は、基準脈拍数780を測定脈拍数として表示部300に表示制御する(ステップA25)。また、不適判定連続回数計測部150は、記憶部700の不適判定連続回数740を“1”だけインクリメントする(ステップA27)。
ステップA21又はA27の後、処理部100は、脈拍数の測定を終了するか否かを判定する(ステップA29)。例えば、操作部200を介して被検者によって脈拍数の測定終了の指示操作がなされたか否かを判定する。測定を終了しないと判定した場合は(ステップA29;No)、ステップA3に戻る。また、測定を終了すると判定した場合は(ステップA29;Yes)、脈拍数測定処理を終了する。
3−3.作用効果
脈拍計1において、被検者の脈拍数が脈拍数算出部120によって算出される。また、脈拍数算出部120によって算出された算出脈拍数が所与のウィンドウに含まれるか否かに基づいて算出脈拍数の適否が脈拍数適否判定部160によって判定される。そして、脈拍数適否判定部160による否定判定(不適判定)の連続回数の値に基づいてウィンドウの幅でなるウィンドウ幅がウィンドウ幅設定部140によって設定される。
ウィンドウ幅を固定的に設定するのではなく、不適判定連続回数の値に基づいて可変に設定することで、脈拍数の変化に対応することが可能となる。より具体的には、不適判定連続回数の値が大きくなるほどウィンドウ幅を増大させることで、脈拍数の変化にウィンドウを追従させることが可能となる。
この場合、例えば、不適判定連続回数の値に対してウィンドウ幅を線形的に増大させることで、運動開始時や運動停止時等において脈拍数の急激な変化が生じた場合であっても、算出脈拍数をウィンドウで確実に捕捉することができる。
また、ウィンドウ幅の増大度合を不適判定連続回数の値が大きくなるほど低減させることで、ウィンドウが過度に広くなることを防止し、異常値をウィンドウで捉えてしまう可能性を低下させることができる。被検者の脈拍数が急激に変化したとしても、その後は、脈拍数の変化は緩やかになる傾向がある。このため、人間の実際の脈拍数の変化傾向に見合ったウィンドウを設定して適否判定を行うことができる。
また、初期設定ではウィンドウを狭くしておくことで、突発的に算出脈拍数の異常値が得られた場合であっても、この異常値を排斥することができる。また、不適判定連続回数の増加に伴いウィンドウ幅を増大させていくことで、脈拍数が急激に変化した場合であっても比較的早い段階で算出脈拍数を捕捉することが可能となり、応答性(リアルタイム性)を向上させることができる。
4.第2実施例
第2実施例は、脈拍数算出部120による脈拍数の算出結果の信頼性を判定し、第1実施例で説明したウィンドウと、脈拍数の算出結果の信頼性とを用いて、算出脈拍数の適否を判定する実施例である。
4−1.構成
第2実施例では、図7の処理部100が、脈拍数算出部120の算出結果の信頼性を判定する信頼性判定部(不図示)を有する。信頼性判定部は、例えば脈波センサー10によって検出された脈波信号の信号対雑音比(以下、「SN比(Signal to Noise ratio)」と称す。)に基づき算出結果の信頼性を判定する。
この場合、脈拍数適否判定部160は、信頼性判定部によって算出されたSN比が所定の閾値条件を満たし、且つ、算出脈拍数790がウィンドウに含まれる場合に、算出脈拍数790を適切と判定する。それ以外の場合には、算出脈拍数790を不適と判定する。
4−2.処理の流れ
図9は、第2実施例において、処理部100が図8の脈拍数測定処理に代えて実行する第2の脈拍数測定処理の流れを示すフローチャートである。なお、脈拍数測定処理と同一のステップについては同一の符号を付して説明を省略する。
ステップA5において脈拍数を算出した後、処理部100は、脈波センサー10によって検出された脈波信号のSN比を算出する(ステップB6)。SN比の算出は、例えば次のようにして行う。
デジタル化された脈波信号(脈波データ)に対する周波数分解処理を行う。そして、スペクトル値が最大となった基線を選択し、その基線を被検者の脈を示す脈基線とする。また、脈基線の近傍所定範囲に含まれる基線を除外した基線のうち、例えばスペクトル値が2番目に大きい基線をノイズ基線として選択する。そして、脈基線のスペクトル値“P”とノイズ基線のスペクトル値“P”とを用いて“SN比=P/P”を算出する。
スペクトル値が大きい基線が混在しており、信号成分とノイズ成分との区別がつきにくい状況では、周波数分解処理の結果に基づいて算出される脈拍数の信頼性は低下する。かかる状況では、脈波信号のSN比は小さくなる傾向がある。そこで、SN比に対する閾値を定めておき、SN比が閾値を超えている場合は、脈拍数の算出結果の信頼性は高いと判定する。
この場合、脈拍数適否判定部160は、ステップA9の後、ステップB6で算出したSN比が所定の高信頼性閾値以上であるか否かを判定する(ステップB10)。そして、この条件を満たす場合は(ステップB10;Yes)、脈拍数の算出結果の信頼性は高いであろうと推定し、ウィンドウを利用した判定へと移行する(ステップA11,A13)。
その一方で、ステップB10においてSN比が高信頼性閾値に達していないと判定した場合は(ステップB10;No)、処理部100は、脈拍数の算出結果の信頼性は低いであろうと推定し、算出脈拍数を不適と判定する(ステップA23)。
4−3.作用効果
第2実施例では、脈波信号の信号対雑音比が所定の閾値条件を満たし、且つ、算出脈拍数がウィンドウに含まれる場合に、算出脈拍数を適切と判定する。ウィンドウばかりでなく、脈拍数の算出結果の信頼性も判断基準に加えることで、算出脈拍数の適否判定の確度を一層向上させることができる。
5.変形例
本発明を適用可能な実施例は、上記の実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。以下、変形例について説明する。
5−1.生体情報処理装置
上記の実施形態では、生体情報処理装置として腕時計型の脈拍計を例に挙げて説明したが、本発明を適用可能な生体情報処理装置はこれに限られない。例えば、指先に装着して脈拍を測定する指装着形の脈拍計に適用することも可能である。また、脈波信号の検出方法も光を用いた検出方法に限られず、超音波を用いた検出方法や、心電を用いた検出方法であってもよい。
5−2.体動検出部
上記の実施形態では、体動検出部である体動センサーが加速度センサーを有して構成されるものとして説明したが、加速度センサーではなく他のセンサーを有して構成されることとしてもよい。例えば、体動センサーがジャイロセンサーを有して構成されることとし、ジャイロセンサーによって検出された角速度に基づいて被検者の体動を検出することとしてもよい。勿論、加速度センサー及びジャイロセンサーの両方を有して構成されることとし、これらのセンサーの検出結果を併用して被検者の体動を検出してもよい。
5−3.ウィンドウ幅の設定基準
上記の実施形態では、ウィンドウ幅の設定基準を脈拍数の適否判定による否定判定の連続回数(不適判定連続回数)とした。しかし、ウィンドウ幅の設定基準は何もこれに限られるわけではない。
例えば、適否判定において算出脈拍数が不適と判定された継続時間(以下、「不適判定継続時間」と称す。)を計測し、その不適判定継続時間の値に基づいてウィンドウ幅を設定してもよい。つまり、脈拍数適否判定部160によって不適判定がどのくらいの時間に亘って継続してなされているかを設定基準として、ウィンドウ幅を設定することとしてもよい。
また、過去所定期間に適否判定において算出脈拍数が不適と判定された頻度(以下、「不適判定頻度」と称す。)を計測し、その不適判定頻度の値に基づいてウィンドウ幅を設定してもよい。過去所定期間は適宜設定可能であるが、例えば現在から遡って10回分の測定期間とし、その測定期間における不適判定頻度を計測する。
上記の実施形態と同様に考えて、これらの設定基準を用いる場合は、不適判定継続時間の値が大きくなるほど、又は、不適判定頻度の値が大きくなるほど、ウィンドウ幅を増大させることとすればよい。この場合も、不適判定継続時間又は不適判定頻度の値に対してウィンドウ幅を線形的に増大させたり(例えば式(1))、ウィンドウ幅の増大度合を不適判定継続時間又は不適判定頻度の値が大きくなるほど低減させる(例えば式(2)や式(3))といった手法を同様に適用可能である。
5−4.ウィンドウ幅の設定方法
上記の実施形態で説明したウィンドウ幅の設定方法はあくまでも一例であり、適宜設定可能であることは勿論である。例えば、式(2)の代わりに、次式(3)に従ってウィンドウ幅を設定することも可能である。
Figure 0005655721
式(3)によれば、ウィンドウ幅の増大度合を不適判定連続回数等の値に応じて“1/2”ずつ低減させながらウィンドウ幅を増大させる。他には、例えば、不適判定連続回数等の値に対してウィンドウ幅を対数関数的に増大させることとしてもよい。
5−5.ウィンドウ
上記の実施形態では、基準脈拍数を基準として高低の方向に同一の幅を有する範囲をウィンドウと定義した。しかし、基準脈拍数を基準として高低の方向に異なる幅を有する範囲をウィンドウと定義してもよい。つまり、基準脈拍数よりも高い脈拍数を捕捉するための上側方向のウィンドウ幅と、基準脈拍数よりも低い脈拍数を捕捉するための下側方向のウィンドウ幅とを異なる幅としてもよい。但し、この場合も、不適判定連続回数、不適判定継続時間及び不適判定頻度の何れかの値に基づいて、高低方向それぞれに対するウィンドウ幅を設定することに変わりはない。
5−6.脈拍数の算出結果の信頼性判定
第2実施例では、脈波センサー10によって検出された脈波信号の信号対雑音比(SN比)に基づき脈拍数の算出結果の信頼性を判定するものとして説明した。しかし、SN比は信頼性を判定するための指標の1つに過ぎず、他の指標に基づいて信頼性を判定することも可能である。
例えば、脈波信号の強さ(信号強度)に基づいて算出結果の信頼性を判定してもよい。具体的には、脈波信号の振幅が極端に小さい場合は、被検者の脈波をうまく捉えることができていない可能性が高いため、算出された脈拍数の信頼性は低いと判定することができる。また、脈波信号が急に振り切れるような場合は、ノイズが混入している可能性が高いため、この場合も算出結果の信頼性は低いと判定することができる。勿論、脈波信号の信号対雑音比と信号強度とを併用して算出結果の信頼性を判定することも可能である。
5−7.基準脈拍数
上記の実施形態では、適否判定によって適切と判定された最新の算出脈拍数を基準脈拍数として設定することとして説明した。つまり、算出脈拍数が適切と判定された場合に、当該算出脈拍数で基準脈拍数を更新する処理を脈拍数の算出時刻毎に繰り返すものとして説明した。
しかし、基準脈拍数として設定可能な脈拍数は何もこれに限られるわけではない。例えば、現在の算出時刻から過去所定期間(例えば過去5算出時刻分の期間)において適切と判定された算出脈拍数の平均値や中央値を求めて基準脈拍数として設定してもよい。
1 脈拍計、 10 脈波センサー、 20 体動センサー、 30 脈波信号増幅回路部、 40 脈波形整形回路部、 50 体動信号増幅回路部、 60 体動波形整形回路部、 70 A/D変換部、 100 処理部、 200 操作部、 300 表示部、 400 報知部、 500 通信部、 600 時計部、 700 記憶部

Claims (8)

  1. 被検者の脈拍数を算出する脈拍数算出部と、
    前記脈拍数算出部によって算出された算出脈拍数が所与の変動許容範囲に含まれるか否かに基づいて前記算出脈拍数の適否を判定する脈拍数適否判定部と、
    前記脈拍数適否判定部による否定判定の連続回数、継続時間及び頻度の何れかの値に基づいて前記変動許容範囲の幅でなる変動許容幅を設定する変動許容幅設定部と、
    を備えた生体情報処理装置。
  2. 前記変動許容幅設定部は、前記値が大きくなるほど前記変動許容幅を増大させるように前記変動許容幅を設定する、
    請求項1に記載の生体情報処理装置。
  3. 前記変動許容幅設定部は、前記値に対して前記変動許容幅を線形的に増大させる、
    請求項2に記載の生体情報処理装置。
  4. 前記変動許容幅設定部は、前記変動許容幅の増大度合を前記値が大きくなるほど低減させる、
    請求項2に記載の生体情報処理装置。
  5. 前記脈拍数算出部の算出結果の信頼性を判定する信頼性判定部を更に備え、
    前記脈拍数適否判定部は、前記変動許容範囲と前記信頼性とを用いて前記算出脈拍数の適否を判定する、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の生体情報処理装置。
  6. 前記信頼性判定部は、前記被検者の脈波を検出した信号の信号対雑音比に基づき前記信頼性を判定し、
    前記脈拍数適否判定部は、前記信号対雑音比が所定の閾値条件を満たし、且つ、前記算出脈拍数が前記変動許容範囲に含まれる場合に、前記算出脈拍数を適切と判定する、
    請求項5に記載の生体情報処理装置。
  7. 前記変動許容範囲は、所与の基準脈拍数を基準として定められる範囲であり、
    前記脈拍数適否判定部によって前記算出脈拍数が適切と判定された場合に、当該算出脈拍数で前記基準脈拍数を更新する基準脈拍数更新部を更に備えた、
    請求項1〜6の何れか一項に記載の生体情報処理装置。
  8. 被検者の脈拍数を算出することと、
    前記算出された算出脈拍数が所与の変動許容範囲に含まれるか否かに基づいて前記算出脈拍数の適否を判定することと、
    前記適否判定による否定判定の連続回数、継続時間及び頻度の何れかの値に基づいて前記変動許容範囲の幅でなる変動許容幅を設定することと、
    を含む生体情報処理方法。
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