以下に、本願の開示する関係者情報表示システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の各実施例では、関係者情報表示システムの一例として、発信者端末が関係者情報として紹介者情報を通知する紹介者情報通知システムについて説明する。なお、これらの実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、発信者端末である第一の端末と着信者端末である第二の端末とを含む紹介者情報通知システムの実施例1の構成例を示す図である。本システムは、携帯電話1,2、携帯電話1を収容する基地局6、携帯電話2を収容する基地局7、所定の通信回線であるネットワーク8を有し、携帯電話1と携帯電話2が、各基地局およびネットワーク8を経由した通信を行う。本システムでは、たとえば、発信者が使用する携帯電話1(第一の端末)が、通常のSETUP信号(発番号,着番号を含む)に、紹介者情報として、紹介者に関する後述する「識別情報(加入者情報)」を含めて、着信者側の携帯電話2(第二の端末)宛てに送信する。そして、「識別情報」が含まれたSETUP信号を受信した携帯電話2が、表示画面に発信者の電話番号および紹介者を識別するための情報としての名前、電話番号、メールアドレス等の識別子を表示する。なお、ここでいう「紹介者」とは、発信者に対し通信相手である着信者の電話番号を紹介(通知)した人、のことである。
また、上記携帯電話1,2は、それぞれ同一の構成を有することとし、プロセッサ11とメモリ12と無線通信部13と表示部14と音声入出力部15と操作部16を有する。プロセッサ11は、実施例1の紹介者情報通知機能を実現するための制御を行う。メモリ12は、ROM,RAM等を有し、後述する各種の電話帳DBや各種の処理を行うためのプログラムが含まれる構成とする。無線通信部13は、アンテナを介して通信相手と無線信号の送受信を行う。表示部14は、たとえば、ディスプレイである。音声入出力部15は、マイクおよびスピーカを用いて音声を入出力する。操作部16は、キー入力機能やタッチパネル機能を有する。
つづいて、紹介者情報通知機能を有する実施例1の携帯電話について説明する。ここでは、一例として、発信者が使用する携帯電話を携帯電話1とし、通信相手である着信者が使用する携帯電話を携帯電話2とする。なお、本実施例では、説明の便宜上、発信者が使用する携帯電話を携帯電話1とし、着信者が使用する携帯電話を携帯電話2としたが、これに限らず、各携帯電話はそれぞれ同様の機能ブロックを有するものとする。
図2は、発信者が使用する携帯電話1の機能ブロックの一例を示す図である。携帯電話1は、表示制御部21とSETUP信号生成部22と送信部23と受信部24と電話帳DB26と紹介者表示発信用電話帳DB27とを有する。携帯電話1は、発信者(たとえばCさん)の入力操作に基づいて通常のSETUP信号を生成し、このSETUP信号に紹介者の「識別情報」を含めて携帯電話2に送信する。プロセッサ11がメモリ12に格納されている各種のプログラムを読み出して実行し、それぞれに対応するプロセスが起動されることにより、上述した各機能ブロックを実現する。
図3は、電話帳の一例を示す図であり、詳細には、図3−1は電話帳DB26に記憶されている通常の電話帳の一例であり、図3−2は紹介者表示発信用電話帳DB27に記憶されている紹介者表示発信用電話帳の一例である。本実施例では、たとえば、携帯電話1を使用するCさんの電話帳として、登録された人の名前(A,D,E),対応する電話番号(電話番号A,D,E),対応するメールアドレス(メールアドレスA,D,E)等が個人毎に関連付けられた状態で、記憶されている。この電話帳は、通常の電話帳であり、携帯電話1の使用者が自由に確認,登録,編集することが可能な一般的は電話帳である。また、紹介者表示発信用電話帳には、一例として、紹介者により紹介された人の名前(B,D)と電話番号(電話番号B,D),紹介者の識別情報(メールアドレスA,E)等が個人毎に関連付けられた状態で、記憶されている。この電話帳は、携帯電話1の使用者からは直接内容を確認することができない電話帳である。なお、ここでは、紹介者の識別情報の一例としてメールアドレスを用いているが、これに限らず、紹介者の名前を導出可能な加入者情報であればよく、たとえば、紹介者の電話番号等であってもよい。また、電話帳DB26と紹介者表示発信用電話帳DB27は必ずしも別々のデータベースである必要はなく、紹介者表示発信用電話帳DB27に格納されるべき連絡先情報を認識可能な状態で格納するようにすることで、一つのデータベースで管理してもよい。たとえば、そのような連絡先情報についてはフラグを立てておき、一般的な連絡先一覧表示等の対象外とすることが考えられる。
また、図4は、着信者が使用する携帯電話2の機能ブロックの一例を示す図である。携帯電話2は、SETUP信号解析部31と表示制御部32と受信部33と送信部34と電話帳DB36とを有する。携帯電話2は、携帯電話1が送信するSETUP信号を受信して解析し、その解析結果として着信通知画面に紹介者の名前等の識別子を表示する。なお、電話帳については、図3−1と同様の形式で電話帳DB36に記憶されている。図5は、電話帳DB36に記憶されている電話帳の一例を示す図である。ここでは、たとえば、携帯電話2を使用するBさんの電話帳として、登録された人の名前(A),対応する電話番号(電話番号A),対応するメールアドレス(メールアドレスA)等が関連付けられた状態で、記憶されている。
つづいて、上記のように構成された紹介者情報通知システムの実施例を図面にしたがって詳細に説明する。ここでは、一例として、携帯電話1を使用するCさん(発信者)が電話番号を知らないBさん(着信者)に電話をかける場合であって、かつ、Bさんの電話番号を知っているAさん(紹介者)がCさんに対してBさんの電話番号を紹介する場合を想定する。図6は、紹介者情報通知機能を有する各携帯電話の実施例1の処理フローを示す図である。また、図7は、携帯電話1の表示画面の遷移の一例を示す図であり、図8は、携帯電話2の表示画面の一例を示す図である。
まず、Cさんによる携帯電話1への入力操作により「電話帳」メニューが選択された場合(ステップS1:図7の(a)参照)、表示制御部21には、操作部16経由で、「電話帳」メニューが選択された旨の情報が通知される。表示制御部21は、メモリ12から「電話帳」メニューに関連付けられた「電話帳グループ」を読み出し、表示する制御を行う(ステップS2)。ここでは、「電話帳グループ」の一例として、通常の「電話帳」と「紹介者表示発信用電話帳」を含むグループ一覧が表示される(図7の(b)参照)。
つぎに、Cさんによる携帯電話1への入力操作により「紹介者表示発信用電話帳」が選択された場合(ステップS3)、表示制御部21には、操作部16経由で、「紹介者表示発信用電話帳」が選択された旨の情報が通知される。表示制御部21は、紹介者表示発信用電話帳DB27に記憶された紹介者表示発信用電話帳(図3−2参照)から登録済みの名前をすべて読み出し、表示する制御を行う(ステップS4)。ここでは、一例として、BさんとDさんが登録されているので、「紹介者表示発信用電話帳」として、「Bさん」と「Dさん」の名前が表示される(図7の(c)参照)。
つぎに、Cさんによる携帯電話1への入力操作により、たとえば、宛先として「Bさん」が選択された場合(ステップS5)、表示制御部21には、操作部16経由で、「Bさん」が選択された旨の情報が通知される。表示制御部21は、紹介者表示発信用電話帳DB27に記憶された紹介者表示発信用電話帳(図3−2参照)から宛先「Bさん」に関連付けられている識別情報(紹介者Aのメールアドレス)を読み出す。さらに、この識別情報(紹介者Aのメールアドレス)をキーとして図3−1に示す電話帳から紹介者Aの名前を読み出す。そして、確認画面として、宛先として「Bさん」、紹介者として紹介者Aの名前「Aさん」、を表示する制御を行う(ステップS6:図7の(d)参照)。この処理により、発信者であるCさんは、発信時の状況(宛先や紹介者の名前)に誤りがないかどうかを確認することができる。
この状態で、Cさんによる携帯電話1への入力操作を待ち(ステップS7 No)、「発信」が指示された場合(ステップS7 Yes)、表示制御部21には、操作部16経由で、「発信」が指示された旨の情報が通知される。表示制御部21は、発信中画面として、宛先「Bさん」およびBさんの電話番号「090−abcdefgh」を表示する制御を行う(ステップS8:図7の(e)参照)。
また、上記のように、Cさんによる携帯電話1への入力操作により「発信」が指示された場合は(ステップS7 Yes)、SETUP信号生成部22に対しても、操作部16経由で「発信」が指示された旨の情報が通知される。SETUP信号生成部22は、発信者の電話番号(Cさんの電話番号),着信者の電話番号(Bさんの電話番号),紹介者の識別情報(Aさんのメールアドレス)等を含むSETUP信号を生成する(ステップS8)。そして、そのSETUP信号を、送信部23経由で携帯電話2に対して送信する(ステップS9)。
一方、携帯電話1からのSETUP信号を受信部33経由で受信した携帯電話2では、SETUP信号解析部31が、SETUP信号を解析して、当該SETUP信号に紹介者の識別情報が含まれているかどうかを検索する(ステップS11、ステップS12)。なお、SETUP信号に紹介者の識別情報が含まれていない場合は(ステップS12 No)、紹介者表示発信ではないものと判断し、通常の着信処理が行われる(ステップS13)。
検索の結果、紹介者の識別情報が含まれている場合には(ステップS12 Yes)、その情報を受け取った表示制御部32が、電話帳DB36に記憶されている電話帳(図5参照)から、紹介者の識別情報(紹介者のメールアドレス)をキーとして、紹介者の名前を読み出す(ステップS14)。ここでは、紹介者の識別情報として紹介者Aのメールアドレスが含まれているので、この紹介者Aのメールアドレス(メールアドレスA)をキーとして、紹介者Aの名前「Aさん」が読み出される。
そして、表示制御部32では、着信中画面として、図8に示すように、上記で読み出した紹介者Aの名前「Aさん」と、SETUP信号に含まれている発信者の電話番号(Cさんの電話番号:090−ijklmnop)とを表示する制御を行う(ステップS15)。
この状態で、携帯電話2を使用する着信者のBさんは、着信中画面の電話番号を見て見知らぬ人(ここではCさんが発信者)からの着信であることを認識するとともに、自分のことを発信者に紹介した人が知り合いの「Aさん」であることを認識することができる。
最後に、携帯電話2を使用するBさんにより応答ボタンが押下されると(ステップS16)、携帯電話2と携帯電話1が通常動作で呼接続信号のやりとりを行い(ステップS17,ステップS10)、その後、携帯電話2と携帯電話1の間で通話が開始される。
上述してきたように、本実施例1では、Cさん(発信者)が電話番号を知らないBさん(着信者)に電話をかける場合に、Cさんが使用する携帯電話からBさんが使用する携帯電話へ紹介者であるAさんの識別情報を通知することとした。そして、着信者であるBさんの携帯電話の画面上に、紹介者であるAさんの名前を表示することとした。これにより、Bさんは、たとえば、知らない電話番号が表示されている場合であっても、知り合いのAさんの名前が紹介者として表示されているので、より安心して電話にでることが可能となる。
なお、本実施例では、識別情報として予め登録された「紹介者のメールアドレス」をキーとして紹介者の名前を導出しているが、「紹介者のメールアドレス」の代わりに、たとえば、「紹介者の電話番号」を用いることとしてもよい。この場合は、識別情報として予め登録された「紹介者の電話番号」をキーとして紹介者の名前を導出する。
また、「紹介者のメールアドレス」の代わりに、たとえば、「紹介者が使用する携帯電話の機体番号」を、紹介者の識別情報として用いることとしてもよい。この場合は、「紹介者が使用する携帯電話の機体番号」をキーとして紹介者の名前を導出することになる。なお、この機体番号は、通常、発信者および着信者が知り得ない情報であるため、紹介者は、予め発信者および着信者に対して自身の機体番号を通知し、この機体番号を発信者および着信者の通常の電話帳に登録させておくことが望ましい。これにより、「紹介者が使用する携帯電話の機体番号」をキーとして紹介者の名前を導出できるので、紹介者の名前を画面上に表示することが可能となる。なお、紹介者の識別情報は、上記機体番号に限らず、携帯電話毎にユニークな情報であればその他の情報であってもよい。
また、上記では、「紹介者が使用する携帯電話の機体番号(携帯電話毎にユニークな情報)」を識別情報としたが、これに限らず、「紹介者が使用する携帯電話が出力するランダムな数値情報」を、紹介者の識別情報として使用することとしてもよい。なお、この数値情報についても、上記同様、発信者および着信者が知り得ない情報であるため、予め発信者および着信者に通知し、発信者および着信者の通常の電話帳に登録させておくことが望ましい。これにより、「紹介者が使用する携帯電話が出力するランダムな数値情報」をキーとして、紹介者の名前を画面に表示することが可能となる。
実施例2では、発信者が電話番号を知らない通信相手(着信者)に電話をかけるケースにおいて、着信者の電話番号を知っている紹介者が、個人情報保護の観点から、着信者の承諾を得た後に、着信者の電話番号を発信者に通知する。
図9は、発信者端末である第一の端末と着信者端末である第二の端末とを含む紹介者情報通知システムの実施例2の構成例を示す図である。本システムは、実施例1の携帯電話1,携帯電話2に代えて携帯電話1a,携帯電話2aを有し、さらに、携帯電話3a、携帯電話3aを収容する基地局9a、を有する構成とした。そして、携帯電話1aと携帯電話2aと携帯電話3aが、各基地局およびネットワーク8を経由した通信を行う。
本システムでは、まず、紹介者が、携帯電話3aを使用して、着信者(発信者が通信を希望する相手)に対して「紹介承諾依頼」を行う。つぎに、紹介者が使用する携帯電話3aでは、着信者が使用する携帯電話2a(第二の端末)から「紹介承諾」の回答が得られた場合に、その「紹介承諾」の内容に従い、発信者が使用する携帯電話1a(第一の端末)に対して着信者の電話番号を通知する。その後、発信者が使用する携帯電話1aが、後述する所定の紹介者表示発信処理で生成したSETUP信号を着信者側の携帯電話2a宛てに送信する。そして、SETUP信号を受信した携帯電話2aが、後述する所定の紹介者表示着信処理により、着信画面に発信者の電話番号と紹介者の名前とを表示する。
また、上記携帯電話1a,2a,3aは、それぞれ同一の構成を有することとし、実施例2の紹介者情報通知機能を実現するための制御を行うプロセッサ11a、ROM,RAM等を含むメモリ12a、を有する。なお、前述した実施例1の紹介者情報通知システムと同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
つづいて、紹介者情報通知機能を有する実施例2の携帯電話について説明する。ここでは、一例として、発信者が使用する携帯電話を携帯電話1aとし、通信相手である着信者が使用する携帯電話を携帯電話2aとし、紹介者が使用する携帯電話を携帯電話3aとする。なお、本実施例では、説明の便宜上、発信者が使用する携帯電話を携帯電話1aとし、着信者が使用する携帯電話を携帯電話2aとし、紹介者が使用する携帯電話を携帯電話3aとしたが、これに限らず、各携帯電話はそれぞれ同様の機能ブロックを有する。
図10は、紹介者が使用する携帯電話3aの機能ブロックの一例を示す図である。携帯電話3aは、メール制御部41aと送信部42aと受信部43aとを有する。携帯電話3aでは、紹介者の入力操作により生成された紹介承諾依頼メールを、着信者(発信者が通信を希望する相手)が使用する携帯電話2aに対して送信する。そして、着信者が使用する携帯電話2aより紹介承諾応答メールを受信した場合に、その紹介承諾応答メールの内容に従い、発信者が使用する携帯電話1aに対して紹介承諾応答メールに記載された承諾情報等を転送する。
図11は、着信者が使用する携帯電話2aの機能ブロックの一例を示す図である。携帯電話2aは、実施例1の携帯電話2の構成に加えて、さらに、メール制御部37aと認証キーDB38aとを有する。携帯電話2aは、携帯電話3aから紹介承諾依頼メールを受信し、たとえば、発信者への電話番号の紹介(通知)を承諾する場合に、携帯電話3aに対して紹介承諾応答メールを返信する。なお、前述した実施例1の携帯電話2と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図12は、上記認証キーDB38aに記憶されている認証キーテーブルの一例を示す図である。本実施例では、たとえば、携帯電話2aを使用するBさんの認証キーテーブルとして、紹介者電話番号(電話番号A),認証キー(紹介者Aの認証キー)が関連付けられた状態で、記憶されている。なお、「認証キー」は、紹介者を特定可能な情報であればよく、たとえば、「紹介者が使用する携帯電話の機体番号」や「紹介者が使用する携帯電話が出力するランダムな数値情報」等が該当する。このような情報は、通常、発信者および着信者が知り得ない情報であるため、個人を容易に特定可能な情報を認証キーとして用いるよりもシステムの安全性を向上させることができる。
図13は、発信者が使用する携帯電話1aの機能ブロックの一例を示す図である。携帯電話1aは、携帯電話1の紹介者表示発信用電話帳DB27に代えて紹介者表示発信用電話帳DB27aを有し、さらに、実施例1の携帯電話1の構成に加えて、メール制御部28aを有する。携帯電話1aは、携帯電話3aから承諾情報等(着信者の電話番号を含む)が含まれた承諾情報転送メールを受信した場合に、実施例2の紹介者表示発信用電話帳を生成し、後述する所定の紹介者表示発信処理を実行する。なお、前述した実施例1の携帯電話1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図14は、紹介者表示発信用電話帳DB27aに記憶されている紹介者表示発信用電話帳の一例を示す図である。本実施例では、たとえば、紹介者表示発信用電話帳として、紹介された人の名前(B,D)とその電話番号(電話番号B,D),紹介者の認証キー(紹介者A,Eの認証キー)と紹介者の電話番号(電話番号A,E)、が関連付けられた状態で、記憶されている。
つづいて、上記のように構成された紹介者情報通知システムの実施例を図面にしたがって詳細に説明する。ここでは、一例として、携帯電話1aを使用するCさん(発信者)が電話番号を知らないBさん(着信者)に電話をかける場合であって、かつ、Bさんの電話番号を知っているAさん(紹介者)がCさんに対してBさんの電話番号を紹介する場合、を想定する。また、本実施例では、紹介者のAさんが着信者のBさんに対し予め「認証キー」を通知済みであること、すなわち、携帯電話2aが紹介者の「認証キー」を受信済みであること、を前提とする。図15は、紹介者情報通知機能を有する各携帯電話の実施例2の処理フローを示す図である。
まず、Aさんによる携帯電話3aへの入力操作により、操作部16経由で指示を受けたメール制御部41aが、発信者(Cさん)に対し着信者(通信を希望する相手:Bさん)の電話番号を教えてもよいかどうかを確認するための紹介承諾依頼メールを作成する。紹介承諾依頼メールは、たとえば、タイトルを「紹介承諾依頼」とし、本文に「発信者(Cさん)のメールアドレス」を設定する。そして、この紹介承諾依頼メールを、着信者であるBさんが使用する携帯電話2a宛に送信部42a経由で送信し(ステップS21)、Bさんからの紹介承諾応答メールの返信を待つ(ステップS26)。
携帯電話2aでは、受信部33経由でメールを受信したメール制御部37aが、受信したメールが紹介承諾依頼メールであるのか、それ以外のメール(通常メール)であるのか、を判断する(ステップS22)。通常メールの場合は、紹介者情報通知機能による処理を終了する(ステップS22 No,ステップS23)。
判断の結果、受信したメールが紹介承諾依頼メールの場合(ステップS22 Yes)、メール制御部37aは、所定の紹介承諾処理を実行する(ステップS24)。
図16は、上記ステップS24の紹介承諾処理の詳細フローを示す図である。まず、メール制御部37aは、受信した紹介承諾依頼メールの送信元アドレス(Aさんのアドレス)に基づき、電話帳DB36に記憶されている電話帳(図5参照)から紹介者の名前を検索する(ステップS51)。そして、表示制御部32が、検出された紹介者の名前を設定した所定の承諾画面を表示する制御を行う(ステップS52)。ここでは、紹介者であるAさんの名前が設定された承諾画面が表示される。
図17は、上記承諾画面の一例を示す図である。承諾画面では、通知許可(許可する/許可しない)、通知レベル(番号隠蔽/番号公開)、接続回数( 回)、接続期間(xx〜yy)、通知委任(委任する/委任しない)等が設定可能となっている。「通知許可」では、電話番号の紹介(通知)を許可するかどうかを選択する。「通知レベル」では、通知許可において「許可する」を選択した場合の通知方法を選択する。たとえば、電話番号を隠して通知する場合は「番号隠蔽」を選択し、電話番号を発信者に見せてもよい場合には「番号公開」を選択する。また、「接続回数」,「接続期間」を設けることで発信を制限することができる。「接続回数」は、通知許可で「許可する」を選択した場合における、発信者による最大接続回数を設定可能とする(任意設定)。「接続期間」は、通知許可で「許可する」を選択した場合における、発信者による最大接続可能期間を設定可能する(任意設定)。また、「通知委任」は、電話番号の通知判断を紹介者に委任するかどうかを選択する(任意設定)。委任された紹介者は、通知の判断を自身で行い、たとえば、電話番号を通知すると判断した場合には、設定された通知方法で電話番号を発信者に通知する。
メール制御部37aでは、上記承諾画面が表示された状態において、着信者による設定を待つ(ステップS53 No)。そして、上記承諾画面に基づく設定処理が完了し、承諾画面の「終了」ボタンが押下された場合に(ステップS53 Yes)、これらの設定内容に基づき承諾情報(XML)を生成する(ステップS54)。図18は、承諾情報(XML)の一例を示す図である。ここでは、承諾情報(XML)の一例として、<通知許可 許可=YES/>,<通知レベル 隠蔽=YES/>,<接続回数 回数=1/>,<接続期間 TO=YYMMDD/>,<通知委任 委任=YES/>、という情報が記載されている。
その後、メール制御部37aは、タイトルを「紹介承諾応答」とし、本文に「発信者(Cさん)のメールアドレス」および「承諾情報(XML)」を設定した、紹介承諾応答メールを生成する。そして、その紹介承諾応答メールを送信部34経由で紹介者であるAさんが使用する携帯電話3a宛に送信する(ステップS25)。
上記ステップS26の処理でBさんからの紹介承諾応答メールを待っている携帯電話3aのメール制御部41aでは、受信部43a経由で当該メールを受信すると(ステップS26 Yes)、所定の紹介承諾応答メール転送処理を実行する(ステップS28)。なお、ステップS26の処理において受信したメールが紹介承諾応答メール以外のメールの場合は、紹介者情報通知機能による処理を終了する(ステップS26 No,ステップS27)。
図19は、上記ステップS28の紹介承諾応答メール転送処理の詳細フローを示す図である。メール制御部41aは、受信した紹介承諾応答メールの本文から、発信者メールアドレス(Cさん)を抽出し、この発信者メールアドレスを承諾情報転送メールの宛先として設定する(ステップS61)。そして、上記転送メールのタイトルを「紹介者承諾転送」とする(ステップS62)。
つぎに、メール制御部41aは、本文に、「着信者の名前」,「着信者の電話番号」,上記「承諾情報(XML)」を設定し、さらに、自身の認証キーを付加情報(たとえばヘッダ等)として設定した、承諾情報転送メールを生成する(ステップS63)。ここでは、「着信者の名前」としてBさんの名前が、「着信者の電話番号」としてBさんの電話番号がそれぞれ設定される。そして、その承諾情報転送メールを、送信部42a経由で発信者であるCさんが使用する携帯電話1a宛に送信する(ステップS64)。なお、メール制御部41aは、上記「承諾情報(XML)」に記載された通知許可の選択結果が「許可しない(No)」の場合には、上記「承諾情報(XML)」のみを設定した承諾情報転送メールを生成する(ステップS63)。そして、その承諾情報転送メールを発信者であるCさんが使用する携帯電話1a宛に送信する。すなわち、「着信者の電話番号(Bさんの電話番号)」や「紹介者の認証キー(Aさんの認証キー)」は、Cさんが使用する携帯電話1aには通知されない。
その後、受信部24経由でメールを受信した携帯電話1aのメール制御部28aが、受信したメールが承諾情報転送メールであるのか、それ以外のメール(通常メール)であるのか、を判断する(ステップS29)。通常メールの場合は、紹介者情報通知機能による処理を終了する(ステップS29 No)。
判断の結果、受信したメールが承諾情報転送メールの場合(ステップS29 Yes)、メール制御部28aは、所定の紹介者表示発信処理を実行する(ステップS30)。
図20は、上記ステップS30の紹介者表示発信処理の詳細フローを示す図である。メール制御部28aは、まず、受信した承諾情報転送メールの本文から「通知許可」に関する情報を抽出する。そして、「通知許可」に関し「許可する」が選択されている場合には(ステップS71 Yes)、つぎに、受信した承諾情報転送メールから「着信者の名前」,「着信者の電話番号」,「紹介者の認証キー」を抽出する(ステップS72)。具体的には、「着信者の名前」としてBさんの名前、「着信者の電話番号」としてBさんの電話番号、「紹介者の認証キー」としてAさんの認証キーが抽出される。なお、上記ステップS71の処理において、「通知許可」に関し「許可しない」が選択されている場合には(ステップS71 No)、メール制御部28aは、紹介者情報通知機能による処理を終了する。
つぎに、メール制御部28aは、上記で抽出した「着信者の名前(Bさん)」,「着信者の電話番号(Bさんの電話番号)」,「紹介者の認証キー(Aさんの認証キー)」と、「Aさんの電話番号」とを関連付けた紹介者表示発信用電話帳を生成する(図14参照)。そして、この電話帳を紹介者表示発信用電話帳DB27aに記憶する(ステップS72)。
つぎに、メール制御部28aは、受信した承諾情報転送メールの本文から「接続回数」,「接続期間」の情報を抽出する(「接続回数」,「接続期間」は任意設定)。そして、「接続回数」が最大接続回数内で、かつ、「接続期間」が最大接続可能期間内である場合には(ステップS73,74 Yes)、さらに、「通知レベル」に関し「番号隠蔽」,「番号公開」のいずれが設定されているかを確認する(ステップS75)。なお、「接続回数」が最大接続回数を超えている場合(ステップS73 No)、または、「接続期間」が最大接続可能期間を超えている場合には(ステップS74 No)、紹介者情報通知機能による処理を終了する。また、任意設定である「接続回数」,「接続期間」のいずれか一方またはその両方が設定されていない場合には、設定状況により、ステップS73,ステップS74の処理を実行しない。
上記ステップS75による確認の結果、「番号隠蔽」が選択されている場合、その旨を通知された表示制御部21は、図21(a)に示す確認画面を表示する制御を行う(ステップS76)。すなわち、着信者であるBさんの電話番号を隠した状態で表示する。この処理により、たとえば、BさんがCさんに電話番号を知られたくない場合において、個人情報の漏洩を回避することが可能となる。一方、「番号公開」が選択されている場合には、その旨を通知された表示制御部21は、図22(a)に示す確認画面を表示する制御を行う(ステップS77)。すなわち、着信者であるBさんの電話番号が見えるように表示する。図21,図22は、携帯電話1aの表示画面の遷移の一例を示す図である。また、本実施例では、表示制御部21は、電話帳DB26に記憶されている電話帳および紹介者表示発信用電話帳DB27aに記憶されている認証キーテーブルから、紹介者の認証キーをキーとして、紹介者の名前を読み出し、表示する。具体的には、「紹介者Aの認証キー」をキーとして、紹介者表示発信用電話帳(図14)から紹介者Aの電話番号が読み出され、さらに、「紹介者Aの電話番号」をキーとして、通常の電話帳(図3−1)から紹介者Aの名前「Aさん」が読み出され、表示される。この処理により、発信者であるCさんは、発信時の状況(宛先や紹介者の名前)に誤りがないかどうかを確認することができる。
この状態で、携帯電話1aは、Cさんによる入力操作を待つ(ステップS78 No)。そして、「発信」が指示された場合(ステップS78 Yes)、操作部16経由で「発信」が指示された旨を通知された表示制御部21が、発信中画面として、宛先「Bさん」およびBさんの電話番号を表示する制御を行う(ステップS79)。この際、「通知レベル」に関し「番号隠蔽」が選択されている場合は、発信者であるCさんに電話番号が見えないように画面上に「XXX−XXXXXXXX」が表示される(図21(b)参照)。一方で、「番号公開」が選択されている場合には、発信者であるCさんに電話番号が見えるように画面上に「090−abcdefgh」が表示される(図22(b)参照)。
また、上記のように、Cさんによる携帯電話1aへの入力操作により「発信」が指示された場合は(ステップS78 Yes)、SETUP信号生成部22に対しても、操作部16経由で「発信」が指示された旨の情報が通知される。SETUP信号生成部22は、発信者の電話番号(Cさんの電話番号)、着信者の電話番号(Bさんの電話番号)、紹介者の認証キー(Aさんの認証キー)等を含むSETUP信号を生成する(ステップS79)。そして、そのSETUP信号を、送信部23経由で携帯電話2aに対して送信する(ステップS80)。
このように、本実施例2では、上記ステップS76およびS79の処理において、表示制御部21が、Bさんの電話番号を隠蔽し、Bさんの電話番号を「XXX−XXXXXXXX」と画面表示することを可能とした。これにより、発信者であるCさんに対して、通信相手であるBさんの電話番号を知られないようにすることが可能となる。この処理は、個人情報保護の観点から非常に有効である。
一方、携帯電話1aからのSETUP信号を受信部33経由で受信した携帯電話2aでは、所定の紹介者表示着信処理を実行する(ステップS31)。
図23は、上記ステップS31の紹介者表示着信処理の詳細フローを示す図である。SETUP信号解析部31は、SETUP信号を受信すると(ステップS11)、SETUP信号を解析して、当該SETUP信号に紹介者の認証キーが含まれているかどうかを検索する(ステップS11、ステップS12)。なお、SETUP信号に紹介者の認証キーが含まれていない場合は(ステップS12 No)、通常の着信処理が行われる(ステップS13)。
検索の結果、紹介者の認証キーが含まれている場合には(ステップS12 Yes)、表示制御部32が、電話帳DB36に記憶されている電話帳(図5参照)および認証キーDB38aに記憶されている認証キーテーブル(図12参照)から、「紹介者の認証キー」をキーとして、紹介者の名前を読み出す(ステップS14a)。ここでは、「紹介者Aの認証キー」をキーとして、紹介者Aの名前「Aさん」が読み出される。
そして、表示制御部32では、着信中画面として、図8に示すように、上記で読み出した紹介者Aの名前「Aさん」と、SETUP信号に含まれている発信者の電話番号(Cさんの電話番号)とを表示する制御を行う(ステップS15)。
この状態で、携帯電話2aを使用するBさんは、着信中画面の電話番号を見て見知らぬ人(ここではCさんが発信者)からの着信であることを認識するとともに、自分のことを発信者に紹介した人が知り合いの「Aさん」であること、を認識することができる。
最後に、携帯電話2aを使用するBさんにより応答ボタンが押下されると(ステップS16)、携帯電話2aと携帯電話1aが通常動作で呼接続信号のやりとりを行う(ステップS17,ステップS10)。そして、このような呼制御処理を経て、携帯電話2aと携帯電話1aの間で通話が開始される。
上述してきたように、本実施例2では、発信者であるCさんが電話番号を知らないBさん(着信者)に電話をかける場合において、紹介者であるAさんがBさんの承諾を得た後に、Bさんの電話番号をCさんに通知することとした。これにより、前述した実施例1と同様の効果が得られるとともに、さらに、個人情報保護の観点から、より精度の高い紹介者情報通知機能を実現することが可能となる。
また、本実施例2では、上記ステップS76およびS79の処理において示したように、Bさんの電話番号を隠蔽し、Bさんの電話番号を「XXX−XXXXXXXX」と画面表示することを可能とした。これにより、発信者であるCさんに、通信相手であるBさんの電話番号を知られることなく、携帯電話1aと携帯電話2aとの間の通信を確立することが可能となる。
なお、本実施例2では、携帯電話のメール機能を利用して、紹介承諾依頼,紹介承諾応答,紹介承諾転送を行うこととしたが、これに限らず、たとえば、赤外線通信機能や、Bluetooth(登録商標)等の無線通信機能を利用することとしてもよい。
また、本実施例2では、着信者であるBさんの携帯電話2aが紹介者の認証キーを受信済みであることを前提としたが、これに限らず、たとえば、紹介者の認証キーの情報を、紹介承諾依頼メールに含めて携帯電話2aに通知することとしてもよい。この場合、携帯電話2aでは、通知された紹介者の認証キーの情報を図12に示す認証キーテーブルに設定する。これにより、たとえばCからBさんへのアクセス回数を削減できる。
また、本実施例2では、上記ステップS28の処理を、紹介承諾応答メールを受信した時点で自動的に実行したが、これに限らない。たとえば、紹介承諾応答メールの受信を携帯電話3aの画面に表示し、紹介者の操作で承諾情報転送メールを発信者の携帯電話1aに送信することとしてもよい。
また、本実施例2では、上記ステップS30内のステップS71〜S77の処理を、承諾情報転送メールを受信した時点から自動的に実行したが、これに限らない。たとえば、承諾情報転送メールの受信を携帯電話1aの画面に表示し、実施例1のステップS1〜S6のようなマニュアル操作でステップS76,S77の確認画面表示を実行することとしてもよい。
たとえば、Cさんの使用する携帯電話1aでは、承諾情報転送メールの受信によりBさんの電話番号(隠蔽/公開)および紹介者であるAさんの認証キーを入手できるので、上記マニュアル操作でステップS76,S77の確認画面表示を実行する。これにより、Cさんは、当該メール本文に記載されている承諾情報(XML)の内容の範囲内で何度も、Bさんの使用する携帯電話2aに紹介者表示発信を行うことが可能となる。