JP5644354B2 - 内燃機関の燃料供給系異常診断装置 - Google Patents
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Description
〔2〕本発明の一形態に従う内燃機関の燃料供給系異常診断装置によれば、内燃機関の燃料供給系に関する異常を診断する異常診断処理を実行する内燃機関の燃料供給系異常診断装置であって、前記燃料供給系は、燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料タンク内の燃料が供給されるデリバリパイプと、前記燃料タンクと前記デリバリパイプとを互いに接続する供給通路と、前記デリバリパイプに取り付けられて燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記燃料タンク内の燃料を前記デリバリパイプに供給する燃料圧送機構とを有し、前記燃料供給系異常診断装置は、前記燃料噴射弁から噴射される燃料の量である燃料噴射量を補正するためのアルコール濃度学習値を、センサにより検出される空燃比である実空燃比と理論空燃比との乖離傾向に基づいて算出する濃度学習処理を実行する学習手段と、前記実空燃比が前記理論空燃比に収束するように前記アルコール濃度学習値を用いて前記燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御を実行する空燃比フィードバック手段と、前記燃料供給系に関する異常を前記乖離傾向に基づいて診断する異常診断処理を実行する異常診断手段と、前記燃料タンクに燃料が給油されたことを判定する給油判定手段と、前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定された後において前記デリバリパイプに流入した燃料の積算量である流入積算量を算出する算出手段とを有し、前記学習手段は、前記燃料タンクに給油された燃料が前記デリバリパイプに流入しはじめたことが前記流入積算量と第1の判定値との関係により示唆されてから、前記燃料タンクに燃料が給油される前に前記デリバリパイプ内に滞留していた燃料が前記燃料タンクに給油された燃料に置換されたことが前記流入積算量と前記第1の判定値よりも大きい第2の判定値との関係により示唆されるまでの期間である濃度学習期間に限り、前記濃度学習処理を実行し、前記異常診断手段は、前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定されてから前記学習手段により前記濃度学習処理が開始されるまでの期間の少なくとも一部において前記異常診断処理を実行し、前記濃度学習期間において前記異常診断処理を実行せず、前記空燃比フィードバック手段は、前記学習手段により前記濃度学習処理が実行されているときに前記空燃比フィードバック制御を継続して実行する。
〔3〕本発明の一形態に従う内燃機関の燃料供給系異常診断装置によれば、内燃機関の燃料供給系に関する異常を診断する異常診断処理を実行する内燃機関の燃料供給系異常診断装置であって、前記燃料供給系は、燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料タンク内の燃料が供給されるデリバリパイプと、前記燃料タンクと前記デリバリパイプとを互いに接続する供給通路と、前記デリバリパイプに取り付けられて燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記燃料タンク内の燃料を前記デリバリパイプに供給する燃料圧送機構とを有し、前記燃料供給系異常診断装置は、前記燃料噴射弁から噴射される燃料の量である燃料噴射量を補正するためのアルコール濃度学習値を、センサにより検出される空燃比である実空燃比と理論空燃比との乖離傾向に基づいて算出する濃度学習処理を実行する学習手段と、前記実空燃比が前記理論空燃比に収束するように前記アルコール濃度学習値を用いて前記燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御を実行する空燃比フィードバック手段と、前記燃料供給系に関する異常を前記乖離傾向に基づいて診断する異常診断処理を実行する異常診断手段と、前記燃料タンクに燃料が給油されたことを判定する給油判定手段と、前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定された後において前記デリバリパイプに流入した燃料の積算量である流入積算量を算出する算出手段とを有し、前記学習手段は、前記燃料タンクに給油された燃料が前記デリバリパイプに流入しはじめたことが前記流入積算量と第1の判定値との関係により示唆されてから、前記燃料タンクに燃料が給油される前に前記デリバリパイプ内に滞留していた燃料が前記燃料タンクに給油された燃料に置換されたことが前記流入積算量と前記第1の判定値よりも大きい第2の判定値との関係により示唆されるまでの期間である濃度学習期間に限り、前記濃度学習処理を実行し、前記異常診断手段は、前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定されてから前記学習手段により前記濃度学習処理が開始されるまでの期間の少なくとも一部において前記異常診断処理を実行し、前記濃度学習期間において前記異常診断処理を実行せず、前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定されたことに基づいて、前記異常診断処理を開始する。
〔4〕前記内燃機関の燃料供給系異常診断装置の一例によれば、前記第1の判定値が前記供給通路の容積である。
〔5〕前記内燃機関の燃料供給系異常診断装置の一例によれば、前記第2の判定値が前記供給通路の容積および前記デリバリパイプの容積に基づいて設定された容積である。
〔6〕前記内燃機関の燃料供給系異常診断装置の一例によれば、前記第2の判定値が前記供給通路の容積と前記デリバリパイプの容積に1よりも大きい所定の係数を乗算した容積とを合わせた容積であり、前記所定の係数が2.5〜3.5の範囲に含まれる。
〔7〕本発明の一形態に従う内燃機関の燃料供給系異常診断装置によれば、内燃機関の燃料供給系に関する異常を診断する異常診断処理を実行する内燃機関の燃料供給系異常診断装置であって、前記燃料供給系は、燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料タンク内の燃料が供給されるデリバリパイプと、前記燃料タンクと前記デリバリパイプとを互いに接続する供給通路と、前記デリバリパイプに取り付けられて燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記燃料タンク内の燃料を前記デリバリパイプに供給する燃料圧送機構とを有し、前記燃料供給系異常診断装置は、前記燃料噴射弁から噴射される燃料の量である燃料噴射量を補正するためのアルコール濃度学習値を、センサにより検出される空燃比である実空燃比と理論空燃比との乖離傾向に基づいて算出する濃度学習処理を実行する学習手段と、前記実空燃比が前記理論空燃比に収束するように前記アルコール濃度学習値を用いて前記燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御を実行する空燃比フィードバック手段と、前記燃料供給系に関する異常を前記乖離傾向に基づいて診断する異常診断処理を実行する異常診断手段と、前記燃料タンクに燃料が給油されたことを判定する給油判定手段と、前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定された後において前記デリバリパイプに流入した燃料の積算量である流入積算量を算出する算出手段とを有し、前記学習手段は、前記燃料タンクに給油された燃料が前記デリバリパイプに流入しはじめたことが前記流入積算量と第1の判定値との関係により示唆されてから、前記燃料タンクに燃料が給油される前に前記デリバリパイプ内に滞留していた燃料が前記燃料タンクに給油された燃料に置換されたことが前記流入積算量と前記第1の判定値よりも大きい第2の判定値との関係により示唆されるまでの期間である濃度学習期間に限り、前記濃度学習処理を実行し、前記異常診断手段は、前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定されてから前記学習手段により前記濃度学習処理が開始されるまでの期間の少なくとも一部において前記異常診断処理を実行し、前記濃度学習期間において前記異常診断処理を実行せず、前記燃料供給系は、前記デリバリパイプ内の余剰燃料を前記燃料タンクに戻すリターン通路と、前記リターン通路に取り付けられて所定の高圧以上の圧力が燃料から加えられることにより開弁する調圧弁とをさらに有し、前記燃料圧送機構は、前記燃料タンク内の燃料を前記デリバリパイプに供給する燃料ポンプと、前記供給通路のうちの前記燃料ポンプよりも下流側に接続され、前記供給通路を流れる燃料を前記燃料タンクに戻すリリーフ通路と、前記リリーフ通路と前記供給通路との連通状態を切り替える切替弁とを有し、前記燃料供給系異常診断装置は、前記切替弁を開弁または閉弁する開閉制御を実行し、前記供給通路を流れる燃料を前記リリーフ通路を介して前記燃料タンクに戻すことにより、前記デリバリパイプ内の燃料の圧力を前記所定の高圧よりも低い所定の低圧以下の圧力に維持するために、前記切替弁が開弁している状態を維持し、前記デリバリパイプ内の余剰燃料を前記調圧弁および前記リターン通路を介して前記燃料タンクに戻すことにより、前記デリバリパイプ内の燃料の圧力を前記所定の高圧以下の圧力に維持するために、前記切替弁が閉弁している状態を維持する。
〔8〕前記内燃機関の燃料供給系異常診断装置の一例によれば、前記算出手段は、前記切替弁が開弁した状態に維持されているとき、前記燃料噴射量に基づいて前記流入積算量を算出し、前記切替弁が閉弁した状態に維持されているとき、前記燃料ポンプが吐出する燃料の量に基づいて前記流入積算量を算出する。
〔9〕前記内燃機関の燃料供給系異常診断装置の一例によれば、前記燃料供給系異常診断装置は、前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定されたことに基づいて前記切替弁を閉弁し、前記濃度学習期間に到達するまでの期間および前記濃度学習期間において、前記切替弁が閉弁している状態を維持する。
本装置では、給油がなされた後にデリバリパイプに流入する燃料の流入積算量を算出し、その流入積算量によって濃度学習処理の実行期間を設定するようにしている。すなわち、この流入積算量が、給油後の燃料がデリバリパイプに供給され始める量に達したときを濃度学習処理の開始時期とする一方、デリバリパイプの燃料が給油後の燃料に置換される量に達したときを濃度学習処理の終了時期としている。このため、燃料のアルコール濃度変化による空燃比の変化が生じると想定される適切な期間をもって濃度学習処理を実行することができ、燃料供給系の異常に基づき空燃比が変化した場合であってもその影響を最小限に留めることができ、濃度学習処理が不必要に長期化するような事態を回避することができる。その結果、こうした濃度学習処理の長期化に起因してアルコール濃度学習値が本来の値から大きく乖離してしまうことを抑制することができるとともに、燃料供給系の異常診断処理の実行期間が制限されてしまうことを回避することができ、燃料供給系に異常が発生している場合にはこれを早期に診断できるようになる。
ここで、デリバリパイプに流入する燃料の流入積算量については燃料圧送機構の燃料圧送量及び燃料噴射量のいずれか一方を選択的に積算することで算出することができる。すなわち、燃料圧送機構から圧送される燃料がすべてデリバリパイプに流入する場合には、その燃料圧送量を積算することで流入積算量を算出することができる一方、デリバリパイプから排出される燃料が燃料噴射量と同量となる場合には、その燃料噴射量を積算することで流入積算量を算出することができる。さらに、燃料供給系において、燃料圧送機構から圧送される燃料がすべて流入する状態とデリバリパイプから排出される燃料が燃料噴射量と同量となる状態とが適宜切り替えられる場合であれば、その状態に合わせたかたちで逐次積算する対象を燃料圧送量と燃料噴射量との間で切り替えることもできる。
また、給油がなされた場合であっても、濃度学習処理が開始されるまでの期間では、給油前の燃料が燃料噴射弁から内燃機関に供給される。この給油前の燃料については、前回の給油によって変化したアルコール濃度に応じて濃度学習値が既に更新されているため、上述した濃度学習処理が開始されるまでの期間においては、その更新されたアルコール濃度学習値に基づいて適宜補正された燃料噴射量をもって燃料供給が行われる。したがって、給油後であっても濃度学習処理が実行される前の期間であれば異常診断処理は実行可能であり、同期間に異常診断処理を実行することで異常診断処理の実行頻度を高めることができ、燃料供給系の異常を早期に検出できるようになる。
なお、「燃料供給系の異常」には、燃料噴射特性が本来の特性から大きく乖離するなどの燃料噴射弁の異常はもとより、デリバリパイプ等の燃料供給用配管の異常の他、燃料噴射量の設定に際して用いられる吸入空気量センサや実空燃比を検出する空燃比センサの異常も含まれる。
燃料タンクに給油がなされた場合であっても、その給油後の燃料がすぐにデリバリパイプに流入することはなく、まず初めは供給通路に残留している給油前の燃料がデリバリパイプに流入する。そして、この供給通路に残留している給油前の燃料がすべてデリバリパイプに流入した後に、給油後の燃料がデリバリパイプに流入するようになる。したがって、上記構成によるように、流入積算量が供給通路の容積以上となったときを濃度学習処理の開始時期である旨判定して同処理を開始することにより同濃度学習処理を適切な時期に開始することができるようになる。
給油後においてデリバリパイプの燃料が給油後の燃料に置換されるまでに要する流入積算量は、供給通路の容積及びデリバリパイプの容積によって一義的に決定することができる。したがって、上記構成によるように、流入積算量が供給通路の容積及びデリバリパイプの容積により定まる所定量以上になったときを濃度学習処理の終了時期である旨判定して同処理を終了することにより同濃度学習処理を適切な時期に終了することができるようになる。
ここで、本発明者は、デリバリパイプに給油後の燃料が流入され始めると、その後の流入積算量がデリバリパイプの容積の2.5〜3.5倍に達すれば同デリバリパイプの燃料が給油後の燃料に置換されるとの知見を実験により得た。したがって、上記構成によるように、供給通路の容積と、デリバリパイプの容積のα倍(2.5≦α≦3.5)の値とを加えた値まで流入積算量が達したときを濃度学習処理の終了時期である旨判定して同処理を終了することができる。
アルコールの理論空燃比はガソリンの理論空燃比よりも小さいため、燃料のアルコール濃度が高くなるほど、同一の機関出力を確保するために必要な燃料噴射量は増大する。したがって、こうしたアルコールとガソリンとの混合燃料を使用可能な内燃機関の燃料供給系にあっては、ガソリンのみを燃料として使用する内燃機関の燃料供給系と比較して燃料噴射量を広範囲にわたって制御する必要が生じる。特に、アルコール濃度が高い燃料を使用している状況で機関出力の要求値が増大した場合には、それに見合う量の燃料を噴射することができなくなる。一方、燃料噴射圧を高めてこれに対応することもできるが、この場合には燃料噴射量が少ないときの燃料噴射時間が短くなるため、燃料噴射時間の制御精度を高める必要が生じることとなる。上記構成の燃料圧送機構は、デリバリパイプに供給する燃料の圧力を少なくとも低圧状態と高圧状態とに切り替え可能であるため、それに合わせて燃料噴射弁の噴射圧についても2段階に設定することができる。そのため、燃料噴射量を広範囲にわたって適切に制御することができるようになる。
本装置にあっては、切替弁が開弁状態にあってリリーフ通路を通じて燃料が燃料タンクへ戻されるときには、燃料ポンプから圧送される燃料の一部がデリバリパイプに流入するとともに、同デリバリパイプに流入した燃料は全て燃料噴射弁から内燃機関に供給される。一方、切替弁が閉弁状態にあってリターン通路を通じてデリバリパイプの余剰燃料が燃料タンクへ戻されるときには、燃料ポンプから圧送される燃料は全てデリバリパイプに流入するとともに、同デリバリパイプに流入した燃料の一部が燃料噴射弁から内燃機関に供給される。したがって、上記構成のように、切替弁の開弁時には燃料噴射弁の燃料噴射量に基づき流入積算量を算出する一方、切替弁の閉弁時には燃料ポンプの燃料圧送量に基づき流入積算量を算出することにより、デリバリパイプへの流入積算量を適切に算出することができる。これにより、濃度学習処理の実行期間を適切に設定することができるようになる。
本装置では、給油がなされた旨の判定後に、デリバリパイプの燃料圧力を高圧状態に設定しリターン通路を通じてデリバリパイプの余剰燃料を燃料タンクに戻すようにしているため、デリバリパイプの燃料が給油後の燃料に置換されるまでに要する時間、換言すれば濃度学習処理の実行期間を短く設定することができるため、この濃度学習処理の実行期間において、燃料供給系の異常に基づき空燃比センサの出力値が変化する機会をより低減させることができ、これによりアルコール濃度学習値が誤学習されることをより抑制することができるようになる。さらに、異常診断処理の実行期間を長く設定することができるため、燃料供給系の異常をより早期に診断することができるようになる。
以下、図1〜図6を参照して、本発明にかかる内燃機関の燃料供給系異常診断装置(以下、診断装置)を具体化した第1の実施形態について説明する。
QFIN←QBASE・{(1.0+EG/100)・(1.0+(FAF+KG)/100)} …(1)
FAF:フィードバック補正値(%)
KG:空燃比学習値(%)
EG:濃度学習値(%)
ここで、フィードバック補正値FAFは0%をその基準値とし、空燃比フィードバック制御の実行中に空燃比AFと理論空燃比SAFとの乖離度合に応じて適宜設定される。すなわち、フィードバック補正値FAFは、空燃比AFが理論空燃比SAFよりもリッチであれば、そのリッチ度合に応じて小さい値に設定され、空燃比AFが理論空燃比よりもリーンであれば、そのリーン度合に応じて大きい値に設定される。なおここで、理論空燃比SAFとは、燃料が吸入空気に含まれる酸素によって完全燃焼するときの燃料に対する吸入空気の重量比である。
流入積算量ΣQdel←前回の流入積算量ΣQdel+ポンプ吐出量Qp …(2)
なお、上式(2)における前回の流入積算量ΣQdelは、前回の本ステップS105の処理実行時に算出した流入積算量ΣQdelであって、ポンプ吐出量Qpは、前回の処理実行時から今回の処理実行時までに燃料ポンプ2から圧送された燃料量である。本ステップS105の処理が算出手段により実行される処理に相当する。
流入積算量ΣQdel≧供給通路容積Va …(3)
そして、本処理において肯定判定がなされる場合には(ステップS106:YES)、給油後の燃料がデリバリパイプ4に流入していると判断することができる。なお、上記ステップS102の判定処理において給油がなされた旨判定された後(ステップS102:YES)、上記ステップS106の判定処理において初めて肯定判定がなされる場合には(ステップS106:YES)、濃度学習処理の開始時期である旨判定される。このステップS106での判定処理が開始時期判定手段により実行される処理に相当する。
流入積算量ΣQdel≧供給通路容積Va+デリバリパイプ容積Vb×3 …(4)
ここで、発明者の実験により、デリバリパイプ4に給油後の燃料が供給され始めると、その後の流入積算量ΣQdelが同デリバリパイプ4の容積Vbの2.5〜3.5倍に達するまでに、同デリバリパイプ4の燃料がほぼ給油後の燃料に置換されるとの知見が得られており、特にデリバリパイプ4の容積Vbの3倍を指標とすることにより好適に同デリバリパイプ4の燃料の置換が判断できることが判明している。そのため、上記ステップS107の判定処理において否定判定がなされる場合には(ステップS107:NO)、すなわち流入積算量ΣQdelが次式(5)の関係を満たす場合には、デリバリパイプ4において給油後の燃料と給油前の燃料との置換が実行されている期間である旨判断することができる。
流入積算量ΣQdel<供給通路容積Va+デリバリパイプ容積Vb×3 …(5)
そして、こうしたデリバリパイプ4における燃料の置換に伴い、燃料噴射弁5から内燃機関に供給される燃料のアルコール濃度が徐々に変化するため、この燃料のアルコール濃度変化により空燃比AFが変化するようになる。そこで、上記ステップS107の判定処理において否定判定がなされる場合には(ステップS107:NO)、空燃比AFの変化に基づきアルコール濃度学習値EGを更新する濃度学習処理が実行され(ステップS108)、本処理が一旦終了される。この濃度学習処理の詳細については後述する。
流入積算量ΣQdel<供給通路容積Va …(6)
そして、給油前の燃料については、前回の給油によって変化したアルコール濃度に応じて濃度学習値EGが既に更新されているため、この既に更新された濃度学習値EGに基づいて燃料噴射量QFINが算出される。そのため、この状態において空燃比AFの変化が生じた場合には、この空燃比AFの変化は燃料のアルコール濃度変化以外の要因、例えば燃料供給系の異常によるものであると判断することができる。
本処理では、まず、濃度学習値EGの更新条件が成立したか否かが判定される(ステップS201)。具体的には、次式(7)により、フィードバック補正値FAFの絶対値が判定値αを超えているか否かが判定される。
フィードバック補正値FAFの絶対値|FAF|>判定値α …(7)
なお、判定値αは、空燃比AFの変化が燃料のアルコール濃度変化に起因すると判断することのできる適切な値が予め設定されるとともに、電子制御装置20のメモリ20aに記憶されている。
本処理では、まず、空燃比学習値KGの更新条件が成立したか否かが判定される(ステップS301)。具体的には、次式(8)により、フィードバック補正値FAFの絶対値が判定値βを超えているか否かが判定される。
フィードバック補正値FAFの絶対値|FAF|>判定値β …(8)
なお、判定値βは、フィードバック補正値FAFに定常的な偏りが生じている旨判断することのできる適切な値が予め設定されるとともに、電子制御装置20のメモリ20aに記憶されている。
本処理が開始されると、次式(9)により、上述した空燃比学習処理により更新された空燃比学習値KGの絶対値が判定値γを超えているか否かが判定される(ステップS401)。
空燃比学習値KGの絶対値|KG|>判定値γ …(9)
なお、判定値γは、燃料供給系の異常に起因して空燃比学習値KGが過度に大きくなっている、又は小さくなっていると判断することのできる適切な値が予め設定されるとともに、電子制御装置20のメモリ20aに記憶されている。
次に、図6を参照して、給油がなされた後における濃度学習処理、及び異常診断処理の各実行期間の設定態様について説明する。なお、本実施形態では、上述したように、空燃比学習処理と異常診断処理が続いて実行されるためこれらの実行期間は同一である。
(1)給油がなされた後にデリバリパイプ4に流入する燃料の流入積算量ΣQdelが算出され、その流入積算量ΣQdelによって濃度学習処理の実行期間が設定される(ステップS106、ステップS107)。すなわち、この流入積算量ΣQdelが、給油後の燃料がデリバリパイプ4に供給され始める量に達したときが濃度学習処理の開始時期とされる一方(ステップS106:YES)、デリバリパイプ4の燃料が給油後の燃料に置換される量に達したとき(ステップS107:YES)が濃度学習処理の終了時期とされる。このため、燃料のアルコール濃度変化による空燃比AFの変化が生じると想定される適切な期間をもって濃度学習処理を実行することができ、燃料供給系の異常に基づき空燃比AFが変化した場合であってもその影響を最小限に留めることができ、濃度学習処理が不必要に長期化するような事態を回避することができる。その結果、こうした濃度学習処理の長期化に起因してアルコール濃度学習値EGが本来の値から大きく乖離してしまうことを抑制することができるとともに、燃料供給系の異常診断処理の実行期間が制限されてしまうことを回避することができ、燃料供給系に異常が発生している場合にはこれを早期に診断できるようになる。
次に、図7及び図8を参照して、本発明にかかる内燃機関の内燃機関の燃料供給系異常診断装置を具体化した第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すことにより詳細な説明を省略する。
ここで、本実施形態では、デリバリパイプ4から排出される燃料が燃料噴射量と同量である。そこで、給油後におけるデリバリパイプ4への燃料の流入積算量ΣQdelが、燃料噴射弁5の燃料噴射量Qinjを用いて次式(10)により算出される(ステップS504)。
流入積算量ΣQdel←前回の流入積算量ΣQdel+燃料噴射量Qinj…(10)
なお、上式(10)における前回の流入積算量ΣQdelは、前回の本ステップS504の処理実行時に算出した流入積算量ΣQdelであって、燃料噴射量Qinjは、前回の処理実行時から今回の処理実行時までに燃料噴射弁5から噴射された燃料量である。本ステップS504の処理が算出手段により実行される処理に相当する。
(9)燃料ポンプ2の燃料噴射量Qinjに基づき流入積算量ΣQdelが算出されるため(ステップS504)、この流入積算量ΣQdelを適切に算出することができる。これにより、濃度学習処理の実行期間を適切に設定することができる。
次に、図9を参照して、本発明にかかる内燃機関の内燃機関の燃料供給系異常診断装置を具体化した第3の実施形態について説明する。
すなわち、図2のステップS103の処理が終了されると、図8に示すように、切替弁7の閉弁条件が成立したか否かが判定される(ステップS601)。具体的には、内燃機関がアイドル運転時ではない旨判定されるときに、閉弁条件が成立した旨判定される。
流入積算量ΣQdel←前回の流入積算量ΣQdel+ポンプ吐出量Qp …(11)
一方、内燃機関のアイドル運転時であって、切替弁7の閉弁条件が成立していない旨判定される場合には(ステップS601:NO)、切替弁7が開弁される(ステップS604)。そして、切替弁7の開弁時には、燃料ポンプ2から圧送される燃料の一部がデリバリパイプ4に流入するとともに、同デリバリパイプ4に流入した燃料は全て燃料噴射弁5から内燃機関に供給される。したがって、次式(12)により流入積算量ΣQdelが算出される(ステップS605)。なお、同式は、第2の実施形態における上式(10)と同一である。
流入積算量ΣQdel←前回の流入積算量ΣQdel+燃料噴射量Qinj…(12)
こうして、上記ステップS603又はステップS605において流入積算量ΣQdelが算出されると、図2に示すステップS106の処理に移行されるとともに、それ以降の各処理が順に実行される。なお、上記ステップS603及びステップS605の各処理が、算出手段により実行される処理に相当する。
(10)切替弁7の開閉状態に応じて、燃料ポンプ2の燃料圧送量(ポンプ吐出量)Qpに基づく流入積算量ΣQdelの算出と、燃料ポンプ2の燃料噴射量Qinjに基づく流入積算量ΣQdelの算出とが切り替えて実行されるため、流入積算量ΣQdelを適切に算出することができる。これにより、濃度学習処理の実行期間を適切に設定することができる。
なお、この発明にかかる内燃機関の燃料供給系異常診断装置は、上記各実施の形態にて例示した構成に限定されるものでなく、それら各実施の形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
Claims (9)
- 内燃機関の燃料供給系に関する異常を診断する異常診断処理を実行する内燃機関の燃料供給系異常診断装置であって、
前記燃料供給系は、
燃料を貯留する燃料タンクと、
前記燃料タンク内の燃料が供給されるデリバリパイプと、
前記燃料タンクと前記デリバリパイプとを互いに接続する供給通路と、
前記デリバリパイプに取り付けられて燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料タンク内の燃料を前記デリバリパイプに供給する燃料圧送機構と
を有し、
前記燃料供給系異常診断装置は、
前記燃料噴射弁から噴射される燃料の量である燃料噴射量を補正するためのアルコール濃度学習値を、センサにより検出される空燃比である実空燃比と理論空燃比との乖離傾向に基づいて算出する濃度学習処理を実行する学習手段と、
前記実空燃比が前記理論空燃比に収束するように前記アルコール濃度学習値を用いて前記燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御を実行する空燃比フィードバック手段と、
前記燃料供給系に関する異常を前記乖離傾向に基づいて診断する異常診断処理を実行する異常診断手段と、
前記燃料タンクに燃料が給油されたことを判定する給油判定手段と、
前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定された後において前記デリバリパイプに流入した燃料の積算量である流入積算量を算出する算出手段と
を有し、
前記学習手段は、
前記燃料タンクに給油された燃料が前記デリバリパイプに流入しはじめたことが前記流入積算量と第1の判定値との関係により示唆されてから、前記燃料タンクに燃料が給油される前に前記デリバリパイプ内に滞留していた燃料が前記燃料タンクに給油された燃料に置換されたことが前記流入積算量と前記第1の判定値よりも大きい第2の判定値との関係により示唆されるまでの期間である濃度学習期間に限り、前記濃度学習処理を実行し、
前記異常診断手段は、
前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定されてから前記学習手段により前記濃度学習処理が開始されるまでの期間の少なくとも一部において前記異常診断処理を実行し、前記濃度学習期間において前記異常診断処理を実行せず、
前記燃料タンクに燃料が給油される前に前記デリバリパイプ内に滞留していた燃料が前記燃料タンクに給油された燃料に置換されたことが前記流入積算量と前記第2の判定値との関係により示唆されたことに基づいて、前記異常診断処理を再開する
内燃機関の燃料供給系異常診断装置。 - 内燃機関の燃料供給系に関する異常を診断する異常診断処理を実行する内燃機関の燃料供給系異常診断装置であって、
前記燃料供給系は、
燃料を貯留する燃料タンクと、
前記燃料タンク内の燃料が供給されるデリバリパイプと、
前記燃料タンクと前記デリバリパイプとを互いに接続する供給通路と、
前記デリバリパイプに取り付けられて燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料タンク内の燃料を前記デリバリパイプに供給する燃料圧送機構と
を有し、
前記燃料供給系異常診断装置は、
前記燃料噴射弁から噴射される燃料の量である燃料噴射量を補正するためのアルコール濃度学習値を、センサにより検出される空燃比である実空燃比と理論空燃比との乖離傾向に基づいて算出する濃度学習処理を実行する学習手段と、
前記実空燃比が前記理論空燃比に収束するように前記アルコール濃度学習値を用いて前記燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御を実行する空燃比フィードバック手段と、
前記燃料供給系に関する異常を前記乖離傾向に基づいて診断する異常診断処理を実行する異常診断手段と、
前記燃料タンクに燃料が給油されたことを判定する給油判定手段と、
前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定された後において前記デリバリパイプに流入した燃料の積算量である流入積算量を算出する算出手段と
を有し、
前記学習手段は、
前記燃料タンクに給油された燃料が前記デリバリパイプに流入しはじめたことが前記流入積算量と第1の判定値との関係により示唆されてから、前記燃料タンクに燃料が給油される前に前記デリバリパイプ内に滞留していた燃料が前記燃料タンクに給油された燃料に置換されたことが前記流入積算量と前記第1の判定値よりも大きい第2の判定値との関係により示唆されるまでの期間である濃度学習期間に限り、前記濃度学習処理を実行し、
前記異常診断手段は、
前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定されてから前記学習手段により前記濃度学習処理が開始されるまでの期間の少なくとも一部において前記異常診断処理を実行し、前記濃度学習期間において前記異常診断処理を実行せず、
前記空燃比フィードバック手段は、
前記学習手段により前記濃度学習処理が実行されているときに前記空燃比フィードバック制御を継続して実行する
内燃機関の燃料供給系異常診断装置。 - 内燃機関の燃料供給系に関する異常を診断する異常診断処理を実行する内燃機関の燃料供給系異常診断装置であって、
前記燃料供給系は、
燃料を貯留する燃料タンクと、
前記燃料タンク内の燃料が供給されるデリバリパイプと、
前記燃料タンクと前記デリバリパイプとを互いに接続する供給通路と、
前記デリバリパイプに取り付けられて燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料タンク内の燃料を前記デリバリパイプに供給する燃料圧送機構と
を有し、
前記燃料供給系異常診断装置は、
前記燃料噴射弁から噴射される燃料の量である燃料噴射量を補正するためのアルコール濃度学習値を、センサにより検出される空燃比である実空燃比と理論空燃比との乖離傾向に基づいて算出する濃度学習処理を実行する学習手段と、
前記実空燃比が前記理論空燃比に収束するように前記アルコール濃度学習値を用いて前記燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御を実行する空燃比フィードバック手段と、
前記燃料供給系に関する異常を前記乖離傾向に基づいて診断する異常診断処理を実行する異常診断手段と、
前記燃料タンクに燃料が給油されたことを判定する給油判定手段と、
前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定された後において前記デリバリパイプに流入した燃料の積算量である流入積算量を算出する算出手段と
を有し、
前記学習手段は、
前記燃料タンクに給油された燃料が前記デリバリパイプに流入しはじめたことが前記流入積算量と第1の判定値との関係により示唆されてから、前記燃料タンクに燃料が給油される前に前記デリバリパイプ内に滞留していた燃料が前記燃料タンクに給油された燃料に置換されたことが前記流入積算量と前記第1の判定値よりも大きい第2の判定値との関係により示唆されるまでの期間である濃度学習期間に限り、前記濃度学習処理を実行し、
前記異常診断手段は、
前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定されてから前記学習手段により前記濃度学習処理が開始されるまでの期間の少なくとも一部において前記異常診断処理を実行し、前記濃度学習期間において前記異常診断処理を実行せず、前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定されたことに基づいて、前記異常診断処理を開始する
内燃機関の燃料供給系異常診断装置。 - 前記第1の判定値が前記供給通路の容積である
請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料供給系異常診断装置。 - 前記第2の判定値が前記供給通路の容積および前記デリバリパイプの容積に基づいて設定された容積である
請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料供給系異常診断装置。 - 前記第2の判定値が前記供給通路の容積と前記デリバリパイプの容積に1よりも大きい所定の係数を乗算した容積とを合わせた容積であり、前記所定の係数が2.5〜3.5の範囲に含まれる
請求項5に記載の内燃機関の燃料供給系異常診断装置。 - 内燃機関の燃料供給系に関する異常を診断する異常診断処理を実行する内燃機関の燃料供給系異常診断装置であって、
前記燃料供給系は、
燃料を貯留する燃料タンクと、
前記燃料タンク内の燃料が供給されるデリバリパイプと、
前記燃料タンクと前記デリバリパイプとを互いに接続する供給通路と、
前記デリバリパイプに取り付けられて燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料タンク内の燃料を前記デリバリパイプに供給する燃料圧送機構と
を有し、
前記燃料供給系異常診断装置は、
前記燃料噴射弁から噴射される燃料の量である燃料噴射量を補正するためのアルコール濃度学習値を、センサにより検出される空燃比である実空燃比と理論空燃比との乖離傾向に基づいて算出する濃度学習処理を実行する学習手段と、
前記実空燃比が前記理論空燃比に収束するように前記アルコール濃度学習値を用いて前記燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御を実行する空燃比フィードバック手段と、
前記燃料供給系に関する異常を前記乖離傾向に基づいて診断する異常診断処理を実行する異常診断手段と、
前記燃料タンクに燃料が給油されたことを判定する給油判定手段と、
前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定された後において前記デリバリパイプに流入した燃料の積算量である流入積算量を算出する算出手段と
を有し、
前記学習手段は、
前記燃料タンクに給油された燃料が前記デリバリパイプに流入しはじめたことが前記流入積算量と第1の判定値との関係により示唆されてから、前記燃料タンクに燃料が給油される前に前記デリバリパイプ内に滞留していた燃料が前記燃料タンクに給油された燃料に置換されたことが前記流入積算量と前記第1の判定値よりも大きい第2の判定値との関係により示唆されるまでの期間である濃度学習期間に限り、前記濃度学習処理を実行し、
前記異常診断手段は、
前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定されてから前記学習手段により前記濃度学習処理が開始されるまでの期間の少なくとも一部において前記異常診断処理を実行し、前記濃度学習期間において前記異常診断処理を実行せず、
前記燃料供給系は、
前記デリバリパイプ内の余剰燃料を前記燃料タンクに戻すリターン通路と、
前記リターン通路に取り付けられて所定の高圧以上の圧力が燃料から加えられることにより開弁する調圧弁と
をさらに有し、
前記燃料圧送機構は、
前記燃料タンク内の燃料を前記デリバリパイプに供給する燃料ポンプと、
前記供給通路のうちの前記燃料ポンプよりも下流側に接続され、前記供給通路を流れる燃料を前記燃料タンクに戻すリリーフ通路と、
前記リリーフ通路と前記供給通路との連通状態を切り替える切替弁と
を有し、
前記燃料供給系異常診断装置は、
前記切替弁を開弁または閉弁する開閉制御を実行し、
前記供給通路を流れる燃料を前記リリーフ通路を介して前記燃料タンクに戻すことにより、前記デリバリパイプ内の燃料の圧力を前記所定の高圧よりも低い所定の低圧以下の圧力に維持するために、前記切替弁が開弁している状態を維持し、
前記デリバリパイプ内の余剰燃料を前記調圧弁および前記リターン通路を介して前記燃料タンクに戻すことにより、前記デリバリパイプ内の燃料の圧力を前記所定の高圧以下の圧力に維持するために、前記切替弁が閉弁している状態を維持する
内燃機関の燃料供給系異常診断装置。 - 前記算出手段は、前記切替弁が開弁した状態に維持されているとき、前記燃料噴射量に基づいて前記流入積算量を算出し、前記切替弁が閉弁した状態に維持されているとき、前記燃料ポンプが吐出する燃料の量に基づいて前記流入積算量を算出する
請求項7に記載の内燃機関の燃料供給系異常診断装置。 - 前記燃料供給系異常診断装置は、前記燃料タンクに燃料が給油されたことが前記給油判定手段により判定されたことに基づいて前記切替弁を閉弁し、前記濃度学習期間に到達するまでの期間および前記濃度学習期間において、前記切替弁が閉弁している状態を維持する
請求項7または8に記載の内燃機関の燃料供給系異常診断装置。
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