JP5630285B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
熱定着方式では、記録媒体上のトナー像を熱により軟化させ、圧力を作用させることで、記録媒体に密着させ記録媒体上に固定化するものである。この際、確実な定着性を得るためには、記録媒体に接触する部分のトナーの軟化が十分であることが必要であり、記録媒体表面の温度も軟化したトナーを硬化させない程度に加熱されている必要があった。
十分な加熱のためには、多くの電力を必要とし、画像形成装置全体の省電力化のために、定着部の加熱温度の低温化が望まれている。
しかしながら、この方式のように、トナー像の上から定着液を塗布する場合、確実な定着のためにトナーと記録媒体との接触部分にケミカル液を到達させるには、多くの液を塗布する必要が生じ、画像の乱れ等の課題や、乾燥のための加熱の必要性が生じる。
画像の乱れの課題に対して、トナー像上からの定着液の塗布方法を非接触のインクジェット方式のような手段とし、塗布量を記録紙移動方向に徐々に増すようにしている。粉体であるトナー像に対してインクジェット方式のヘッドで定着液を噴射する場合、定着液の量を減らした場合でも、着弾時に乱したトナーが飛び散り、インクジェットヘッドの吐出口に付着してしまうという不具合がある。
トナーが膨潤、溶解する液の吐出口にトナーが付着すると、吐出口の詰まりの原因となる。
熱により、トナーを軟化させる必要がないため、省エネ化が可能となっている。この方式では、トナーの上から定着液を付与しているために、トナー像の乱れが生じ、また、トナー像が定着液によりフィルム化し粘着性をもつことにより記録媒体に転写しているため、画像形成が成り立つためには、使用環境において必ず、トナーのフィルム化が行われなければならず、加熱される以前にトナーをフィルム化する必要がある。
転写後の記録媒体及びトナーを加熱する構成が示されているが、これは反応を促進するもので、加熱を必須とはしていない。
また、中間転写体上に定着液を付与するため、中間転写体と接する画像形成部への定着液の混入が課題となり、この定着液は使用環境においてトナーを軟化させるものなので、機内の他の部材に対して悪影響を及ぼしやすい。
記録媒体にトナーを転写する二次転写ニップの上流側に、記録媒体に定着液を付与する定着装置を設けた実施例も示されており、トナー像の乱れが防止できる等の利点が示されている。
しかしながら、二次転写ニップ上流で記録媒体に定着液を付与した場合は二次転写ニップの下流側で記録媒体に定着液を付与した場合と比較して定着時間が長くなるとしており、この発明においては、軟化剤を含んだ定着液と液体現像剤との親和性があることが、溶解・膨潤において重要であるとしている。
従って、同文献に記述された内容に従えば、液体現像でない現像手段により形成されたトナー像に対しての適用はできない。さらに、樹脂は定着液によってフィルム状に変化することのみで定着されており、熱による作用は含まれていない。
着弾前の記録媒体に、トナーに含まれる樹脂を溶解または膨潤させる軟化剤を含む塗布液を塗布することで、直接記録方式での着弾時のトナーの飛び散りを低減し、さらに定着を促進することを目的としている。
予め記録紙の表面に軟化剤を含む塗布液を塗布することで、トナーが衝突した時のトナーと印写面との付着力が大きくなり、トナーが衝突したときの反発力が低減して、トナーの飛び散りが改善されると記されている。さらに、定着が促進され、加熱エネルギーの低減または不要化が可能と記されている。
トナーが付着する以前に記録媒体に塗布された塗布液は、記録紙の表面の繊維に吸収された状態となる。水分の吸収により繊維はやわらかくなるので、トナーの着弾時のチリは低減される。しかしながら、トナーを溶解、膨潤させ定着性に影響を与えるには、相当量の塗布液がトナーに接触する必要がある。飛翔してきたトナーが記録紙上に付着するこの発明では、記録紙表面にある極微量の塗布液がトナーに接触するのみであるため、実現できない。
トナーを溶解、膨潤させ定着性に影響を与えるためには、繊維内に含まれる塗布液とトナーをより多く接触させる工夫(圧の作用等)が必須である。
また、トナー像の上から塗布した場合は、画像の乱れが生じ、トナー像の担持に先んじて転写材(記録媒体)に塗布する場合、定着液をトナー像に有効に作用させるに至っていない。
この発明によると、最適な一定の可塑剤濃度を保った定着液を記録媒体のトナー像が転写される面側に予め塗布した状態で、感光体または中間転写体上のトナー像が記録媒体に接触転写される際、そのニップにおいて、記録媒体に予め塗布された定着液が記録媒体から毛細管現象も加わってトナー像に染み込まれる。
これにより記録媒体側のトナー層に定着液が及んだ状態のトナー像ができる。このようなトナー像が転写された記録媒体が熱と圧力を受けて定着される際、定着ニップの中では、定着液が熱を受けることで、定着液中の可塑剤がトナー樹脂を軟化させる機能を初めて持ち、これをきっかけにトナー樹脂に浸透しトナー層を軟化させる。
つまり、熱・圧力定着ニップでトナー像は、熱だけでなく軟化機能を発現した可塑剤によって記録媒体に固定される。可塑剤が、熱の伝わりにくい記録媒体との界面付近のトナーを軟化させる構成であるため、熱・圧力の定着のみの定着構成に比べて、定着ローラの制御温度は低い温度で設定可能となっている。
塗布した可塑剤量が狙いよりも少なくなってしまった場合、可塑剤をトナー像に有効に作用させられず、熱・圧力定着後の画像のトナー定着性が甘くなってしまう不具合が生ずる可能性がある。
すなわち、最適な一定の可塑剤濃度を保った定着液を常に均一な量だけ記録媒体上に塗布できる構成を有していなかった。
さらに、トナーを溶解、膨潤させる可塑剤を含んだ定着液を、使用環境温度以上で機能が発現するようにして、トナー以外の画像形成装置内の樹脂に対する汚染を防止できるとともに、記録媒体とトナーとの界面に可塑剤を均一量配置でき、トナーの接触圧力によりトナーに有効に可塑剤を付着させることにより、より有効なアンカー効果を得ることができる画像形成装置の提供を、その目的とする。
ここでは、画像形成装置内への定着液の汚染を抑制しつつ、経時的に常に可塑剤濃度が均一な定着液を記録媒体上に塗布することで記録媒体上に可塑剤を均一量配置できて、安定した低温での定着を実現することを目的とする。
また、画像形成装置内に可塑剤が付着した場合に、悪影響を及ぼすことを抑制することを目的とする。
ここでは、画像形成装置内に可塑剤が付着した場合に、悪影響を及ぼすことを抑制すること目的とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記像担持体が感光体であり、前記トナー像形成手段は電子写真プロセス方式の構成を有していることを特徴とする。
ここでは、電子写真方式により高解像の画像を作成し、転写時の圧力で定着液をトナー層に染み込ませることを可能とするとともに、中間転写を持たないことで省スペース化を図ること目的とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記像担持体上に形成されたトナー像を転写される中間転写体を有し、前記中間転写体上のトナー像を記録媒体上に転写することを特徴とする。
ここでは、電子写真方式により高解像の画像を形成し、転写時の圧力で定着液をトナー層に染み込ませることを可能とするとともに、中間転写体を持つことで、感光体周りへの定着液の回り込みを抑制することを目的とする。
ここでは、簡易な構成で機能を実現することを目的とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記塗布手段は、表面に前記定着液を担持したローラを記録媒体に接触させることで該定着液を記録媒体に塗布する構成を有していることを特徴とする。
ここでは、定着液を記録媒体に塗布することで、簡易な構成で均一な塗布を実現することを目的とする。
請求項7に記載の発明は、トナー像を記録媒体上に形成し、記録媒体上に定着することで画像を得る装置であって、像担持体と、記録媒体上にトナーを軟化・膨潤させる機能を有する可塑剤を含む定着液を塗布する塗布手段と、前記像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記定着液を塗布された記録媒体上に、前記像担持体上に形成されたトナー像を転写する転写手段と、記録媒体上のトナー像と前記定着液とを加熱する定着手段と、を有し、前記塗布手段は、少なくとも一方に前記可塑剤を含んだ異なる二つ以上の物質を混合して前記定着液を作成する手段を備え、前記塗布手段は、記録媒体に対し選択的に前記定着液を吐出することで該定着液を記録媒体に塗布する構成を有していることを特徴とする。
ここでは、必要な場所だけに定着液を塗布でき、定着液の少量化(ランニングコストの低減化)を実現することを目的とする。
ここでは、簡易な構成で均一な加熱を実現することを目的とする。
これにより、省エネルギーに寄与できるとともに、均一な定着性を得ることができる。
図1乃至図8に基づいて第1の実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係る画像読取装置の概要構成図である。
画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の画像を形成するためのトナー像形成手段としての4つの画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kを備えている。なお、Y、C、M、Kの色順は、図1に限るものでなく、他の並び順であっても構わない。
画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kと、帯電手段、現像手段、クリーニング手段とを備えている。また、各画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの配置は、各感光体ドラムの回転軸が平行になるように且つ転写紙移動方向に所定のピッチで配列するように設定されている。
中間転写ベルト4の外周面には、ブラシローラとクリーニングブレードから構成されたクリーニング装置6が接触するように配置されている。このクリーニング装置6により中間転写ベルト4上に付着したトナー等の異物が除去される。
一次転写ユニット5の右側には、記録媒体としての転写紙にトナー像を転写する二次転写ユニット7が配置されている。その上方には定着手段としてのベルト定着方式の定着ユニット8が、下方には塗布手段としての定着液塗布ユニット18が備えられている。
定着ユニット8は、定着ローラ8aと加熱ローラ8bとの間に掛け渡された定着ベルト8cと、該ベルトを挟んで定着ローラ8aに対向する加圧ローラ8dとを有している。
画像形成装置下部には、転写媒体である記録媒体9が載置された給紙カセット10a、10bを備えている。また、画像形成装置側面から手差しで給紙を行う手差しトレイ10cが備えられている。
この他、トナー補給容器11Y、11C、11M、11Kが備えられ、図示していない廃トナーボトル、電源ユニットなども備えられている。
画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kには、現像手段としての現像装置12Y、12C、12M、12Kが備えられている。いずれも同様の構成からなり、使用するトナーの色のみが異なる二成分現像方式の現像装置である。現像装置12Y、12C、12M、12K内には、トナーと磁性キャリアからなる現像剤が収容されている。
ここでは二成分現像方式を一例としたが、一成分現像方式や他の考え得る現像方式でも構わない。
先ず、帯電ローラ13に図示しない電源より所定の電圧が印加されて、対向する感光体ドラム2表面を帯電する。所定の電位に帯電した感光体ドラム2表面には、引き続いて光書込ユニット3により画像データに基づくレーザー光が走査され、静電潜像が書き込まれる。
静電潜像を担持した感光体ドラム2表面が現像装置12に到達すると、感光体ドラム2と対向配置される現像ローラ14により、感光体ドラム2表面の静電潜像にトナーが供給されて、トナー像が形成される。
上記の動作が画像形成ユニット1Y、1C、1M、1K全てに同様にして所定のタイミングで行われ、感光体ドラム2Y、2C、2M、2K表面にはそれぞれ所定の色のトナー像が形成される。
画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの画像形成動作タイミングで中間転写ベルト4上に、各感光体ドラム2上のトナー像を順次転写していく。このトナー像の転写は、中間転写ベルト4を挟んで各感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kと対向配置されている一次転写ローラ17Y、17C、17M、17Kに、図示しない電源より感光体ドラム2上のトナーと逆極性の電圧が印加されることで行われる。
前述の画像形成動作タイミングに合わせて、記録媒体9はレジストローラ対16より定着液塗布ユニット18へ搬送される。
定着液塗布ユニット18には、図2に示すように、塗布ローラ19と対向ローラ20、そして実使用環境ではトナー樹脂への溶解・膨潤の機能をもたず、熱が加わるとその機能をもつ可塑剤を含む定着液が収容された定着液収容部23が備わっている。
なお、塗布ローラ19は2次転写の際にトナー像が転写される側に配置されていて、定着液は記録媒体9のトナー像が転写される画像面側に予め塗布される。
定着液22が収容された定着液塗布ユニット18の定着液収容部23は、定着液混合ユニット25と繋がっている。
定着液22の使用頻度と連携して、可塑剤や界面活性剤(可塑剤や界面活性剤については後で説明)が入った溶質タンク28と、溶媒(水)が入った溶媒タンク26それぞれから、溶質、溶媒が外気から閉ざされた密閉状態の定着液混合ユニット25に送られて、ここで攪拌等で混合され均一な所定の可塑剤濃度の定着液が逐次作られる。
所定濃度の定着液は定着液搬送経路27を通って定着液収容部23へ逐次運ばれる。これにより均一な所定濃度の定着液22を提供できる。
図3に示すように、定着液塗布ユニット18の定着液収容部23が定着液混合ユニットを兼ねる構成としてもよい。このようにすれば装置全体を小型化できる。
どちらの場合も期待できる効果の一つ目は、定着液収容部23の定着液22を経時で均一な所定の可塑剤濃度や粘度に保てることである。すなわち、可塑剤が一部析出したり、不均一な混合状態になったり、また定着液の溶媒に使用される水(定着液の実施例については後で記載する)が経時で少しずつ蒸発して定着液の可塑剤濃度が変化したり、定着液粘度が変化してしまう場合がある。
この場合、記録媒体に定着液を塗布する際に紙上の可塑剤量が部分的に多くなったり少なくなったりしてしまう。可塑剤量が少ない部分は定着不良の画像となってしまうし、可塑剤量が多いと定着液そのものを無駄にすることになり省エネ化をはかる本来の目的から外れる。
二つ目は、定着液を構成する、溶媒(水)、可塑剤、界面活性剤のうち、使用量として圧倒的に少ない(使用量の一例は後で述べる)可塑剤、界面活性剤を予め溶質タンク28に収めておき、それらと比べて使用量が多い溶媒(水)を別個の溶媒タンク26に収めることによって、ユーザは自分で準備可能な水を溶媒タンク26へ補給するだけの取り扱いで済むため労力・管理面上非常に容易かつ安全なことである。
このトナー像の転写は、二次転写ローラ7aと二次転写ローラに対向するローラ間で、中間転写ベルト4上のトナーを記録媒体9に移動させるような電界が形成されるような電圧を二次転写ローラまたはその対向ローラに印加されることで行われる。
これにより定着液の及んだトナーが、トナー層の記録媒体9側に生じる。トナー像が記録媒体9に接触しながら転写されることで、図5(b)に示すように、非接触転写に比べて毛細管現象が強まり、定着液の染み込みが促される。
図1に示すように、定着ユニット8には、定着ローラと加圧ローラが備わっている。トナー像が転写された記録媒体9は、定着ローラと加圧ローラとのニップで熱と圧力を受けて画像を定着される。この際、ニップの中では、染み込んだ定着液が熱を受けることで、定着液中の可塑剤がトナー樹脂を軟化させる機能を発現させる。
可塑剤が、熱の伝わりにくい記録媒体9との界面付近のトナーを軟化させる構成であるため、熱定着のみの定着構成に比べて、定着ローラの制御温度は低い温度に設定されている。具体的な制御温度については後述する。
画像が形成された記録媒体9は、各搬送ローラによって機外に搬送される。
定着液塗布ユニット18に収容された定着液の組成について説明する。定着液には、可塑剤と界面活性剤が溶けている。可塑剤は、熱を与えられたとき軟化機能を示す固体可塑剤を採用している。
図7の概念図に示すように、固体可塑剤が含まれた定着液をトナーに付与すると、トナーを記録媒体に固定するのに必要な貯蔵弾性率となる温度が小さくなる。ただし同図にある、常温では軟化能力をもつ液体可塑剤が含まれた定着液をトナーに付与した場合と異なり、ここで採用している固体可塑剤は常温では軟化能力をほとんど持たない。
これにより機内汚染を防止している。
具体的には、化合物(1)であらわされるポリオキシエチレングリコール類が望ましい。
HO−(CH2CH2O)n−OH (1)
nは10以上で100以下が望ましい。nが10未満では、室温で固体にならず、nが100より大きい場合、分子が大きくなりすぎて、熱を加えたときの可塑能力が低く、トナーが軟化しにくくなる。具体的材料としては、ポリエチレングリコール#1000、ポリエチレングリコール#1540、ポリエチレングリコール#2000、ポリエチレングリコール#4000、ポリエチレングリコール#6000、ポリエチレングリコール#8000などが適する。
HO−(CH2CH2O)n(CH(CH3)CH2O)m−OH (2)
nは10以上で200以下が望ましい。mは5以上で50以下が望ましい。nが10未満では、室温で固体にならず、nが200より大きい場合、分子が大きくなりすぎて、熱を加えたときの可塑能力が低く、トナーが軟化しにくくなる。mが5未満では、室温で固体にならず、mが50より大きい場合、分子が大きくなりすぎて、熱を加えたときの可塑能力が低く、トナーが軟化しにくくなる。具体的材料としては、花王(株)のエマルゲン290や第一工業製薬のエパン450、エパン750、エパン785などが適する。
R−O−(CH2CH2O)n−OH (3)
nは10以上で100以下が望ましい。nが10未満では、室温で固体にならず、nが100より大きい場合、分子が大きくなりすぎて、熱を加えたときの可塑能力が低く、トナーが軟化しにくくなる。
Rは直鎖のアルキル基又は分岐型のアルキル基で、炭素数は、10以上で22以下が望ましい。炭素数10未満だと固体として柔らかく、また、皮膚刺激や眼刺激など安全性の問題がある。炭素数22より大きいと、熱を加えたときの可塑能力が低く、トナーが軟化しにくくなる。具体的材料としては、花王(株)のエマルゲン350、エマルゲン420、エマルゲン4085、日本エマルジョン(株)のEMALEX611、EMALEX620、EMALEX710、EMALEX720などが適する。
R−COO−(CH2CH2O)n−OH (4)
R−COO−(CH2CH2O)n−COO−R’ (5)
nは10以上で100以下が望ましい。nが10未満では、室温で固体にならず、nが100より大きい場合、分子が大きくなりすぎて、熱を加えたときの可塑能力が低く、トナーが軟化しにくくなる。
R及びR’はノルマル型のアルキル基又は分岐型のアルキル基で、炭素数は、10以上で22以下が望ましい。炭素数10未満だと固体として柔らかく、また、皮膚刺激や眼刺激など安全性の問題がある。炭素数22より大きいと、熱を加えたときの可塑能力が低く、トナーが軟化しにくくなる。具体的材料としては、花王(株)のエマノーン3199V、エマノーン3299RV、日本エマルジョン(株)のEMALEX820、EMALEX830などが適する。
これらの材料の溶媒(希釈液)には、水が適する。取り扱いの点で市水のままでも良いが市水はカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの不純物が多く含まれるため、これらの金属イオンをある程度除去した水が望ましい。ただし、水としては、蒸留水である必要はなく、イオン交換膜にて不純物イオンを除去した水(所謂、イオン交換水)が適する。
図8に、作像前に定着液を記録媒体に予め塗布した画像形成装置(本実施例)と、熱定着のみの画像形成装置のスミア試験結果(摩擦試験結果)を示す。
この定着液は、固体可塑剤としてポリエチレングリコール#2000、界面活性剤としてオルフィン4051Fをイオン交換水で希釈し、それぞれ25wt%、0.5wt%とした液である。
このスミア試験は、スミア試験器(摩擦試験機I型、JIS L0823、摩擦子径:15φ)を用いて行った。摩擦子に、25×25mm程度の白綿布(JIS L0803 綿3号)を繊維方向が摩擦子の可動方向と水平になるように両面テープで貼り付けた。そして、評価画像を5往復、連続動作にて擦った。評価画像は画像面積率55%のハーフトーン画像と100%の全ベタ画像である。白綿布をはがし、画像が付着している摩擦子跡における任意の3箇所の画像濃度を、分光計(X−Rite社製、938スペクトロデンシトメータ)を用いて測定し、その平均値をスミアIDとした。このスミアIDが低いほど定着画像を擦ったときのトナーによる汚れが少なく、0.40以下であれば実使用上許容できる。
このように定着ローラの制御温度が低く設定できるため、本構成は省電力となり、低環境負荷の画像形成装置となる。ただし、本実施例では、固体可塑剤としてポリエチレングリコール#2000、界面活性剤としてオルフィン4051Fをそれぞれ25wt%、0.5wt%含んだ定着液を採用している。可塑剤の濃度を調整することで、スミア性を確保する温度は変更できるため、定着設定温度はこの限りではない。
定着液塗布ユニット18は、上記のように塗布ローラ19と対向ローラ20、供給ローラ21の3本のローラと、定着液22と定着液を収容する液室23とを有している。
塗布ローラ19と供給ローラ21は共に直径25mmで、ステンレスの芯金にクロロプレンが巻きついたローラを採用している。ローラの硬度はJIS-Aで35度である。
塗布ローラ19と供給ローラ21は、長手方向両端部にてその軸間に片側20Nずつ加圧している。対向ローラ20にはガラスビーズローラを採用している。直径25mm、ステンレスの芯金にクロロプレンが巻きついたローラで、直径100μmのガラスビーズがその表面にエポキシ系接着剤で固定されている。塗布ローラ19と対向ローラ20は、長手方向両端部にてその軸間に片側20Nずつ加圧している。
これらの構成において、作像動作が開始されるとA4サイズの普通紙(リコー社製 RICOPY PPC用紙 TYPE6200)1枚あたりに定着液が170mg塗布される。
上記実施形態と定着手段は同じなため、作像部と定着液塗布ユニット、記録媒体の搬送について説明する。
第1の実施形態では、作像部(トナー像形成手段)が4連タンデム中間転写方式であるが、本実施形態では4連タンデム直接転写方式である。
第1の実施形態と同様に、記録媒体9に予め定着液を塗布し、その上から各色のトナー像を接触転写する構成となっている。
定着液塗布ユニット18は、供給ローラ21と塗布ローラ19’、対向ローラ20’の3本のローラと、定着液と定着液収容部23とから成る。
記録媒体9は、図示しないレジストローラ対に到達したところで一旦停止し、第1の実施形態と同様に、画像形成動作タイミングに合わせて、定着液塗布ユニット18へ搬送される。
記録媒体9は、塗布ローラ19’と対向ローラ20’のニップを通じて画像形成ユニット1Y’、1C’、1M’、1K’に順次搬送される。これと並行して塗布ローラ19’には、定着液22に漬けられた供給ローラ21から定着液が供給される。これにより記録媒体9には、塗布ローラ19’と対向ローラ20’のニップを通過する際に定着液が塗布される。
なお、塗布ローラ19’は2次転写の際にトナー像が転写される側に配置されていて、定着液はトナー像が転写する画像面側に予め塗布される。
定着液22の使用頻度と連携して、可塑剤や界面活性剤が入った溶質タンク28と、溶媒(水)が入った溶媒タンク26それぞれから、溶質、溶媒が外気から閉ざされた密閉状態の定着液混合ユニット25に送られて、ここで攪拌等で混合され均一な所定の可塑剤濃度の定着液が逐次作られる。
所定濃度は溶質タンク28と溶媒タンク26から送る溶質量と溶媒量で管理されても良いが、定着液混合ユニット内に定着液の濃度を管理する濃度計、または濃度を代用できる粘度計等を備えておいても良い。
所定濃度の定着液は定着液搬送経路27を通って定着液収容部23へ逐次運ばれる。これにより均一な所定濃度の定着液22を提供できる。
図9において、符号30は転写搬送ベルトユニットを、32は、加熱ローラ32aと対向ローラとしての加圧ローラ32bとからなる熱ローラ方式の定着手段を示している。
その他の構成として、既に図3で説明したような、定着液塗布ユニット18の定着液収容部23が定着液混合ユニットを兼ねる構成を図9の構成に適用することで装置全体を小型化できる。
第1の実施形態と作像部以外の定着液塗布ユニットや定着手段、記録媒体の搬送は同じなため、作像部について説明する。
第1の実施形態では、作像部が4連タンデム中間転写方式であるが、本実施形態では、トナー通過穴を有するトナー制御手段によりトナーを飛翔させて中間転写ベルトに作像する、トナー噴射手段24Y、24C、24M、24Kを並べた4連タンデム中間転写方式となっている。
第1の実施形態と同様に、記録媒体9に予め定着液を塗布し、中間転写ベルト34上の4色のトナー像を二次転写ローラ7aにより接触転写する画像形成装置である。
このように選択的に塗布する構成とすれば、定着液の使用量を必要最小限とすることができ、定着液消費に係るランニングコストの低減を図ることができる。
2 像担持体としての感光体ドラム
4 中間転写体としての中間転写ベルト
7 転写手段としての二次転写ユニット
8、32 定着手段
9 記録媒体
18 塗布手段としての定着液塗布ユニット
32a 加熱ローラ
32b 対向ローラとしての加圧ローラ
Claims (8)
- トナー像を記録媒体上に形成し、記録媒体上に定着することで画像を得る装置であって、
像担持体と、
記録媒体上にトナーを軟化・膨潤させる機能を有する可塑剤を含む定着液を塗布する塗布手段と、
前記像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記定着液を塗布された記録媒体上に、前記像担持体上に形成されたトナー像を転写する転写手段と、
記録媒体上のトナー像と前記定着液とを加熱する定着手段と、
を有し、
前記塗布手段は、少なくとも一方に前記可塑剤を含んだ異なる二つ以上の物質を混合して前記定着液を作成する手段を備え、
前記可塑剤は、使用環境温度においてトナーを軟化・膨潤させる機能を持たず、加熱時に軟化・膨潤機能を発現することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記可塑剤は、使用環境温度で固体であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記像担持体が感光体であり、前記トナー像形成手段は電子写真プロセス方式の構成を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3に記載の画像形成装置において、
前記像担持体上に形成されたトナー像を転写される中間転写体を有し、前記中間転写体上のトナー像を記録媒体上に転写することを特徴とする画像形成装置。 - トナー像を記録媒体上に形成し、記録媒体上に定着することで画像を得る装置であって、
像担持体と、
記録媒体上にトナーを軟化・膨潤させる機能を有する可塑剤を含む定着液を塗布する塗布手段と、
前記像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記定着液を塗布された記録媒体上に、前記像担持体上に形成されたトナー像を転写する転写手段と、
記録媒体上のトナー像と前記定着液とを加熱する定着手段と、
を有し、
前記塗布手段は、少なくとも一方に前記可塑剤を含んだ異なる二つ以上の物質を混合して前記定着液を作成する手段を備え、
前記像担持体としての中間転写体を有し、前記トナー像形成手段は前記中間転写体上にトナーを噴射してトナー像を直接形成する構成を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記塗布手段は、表面に前記定着液を担持したローラを記録媒体に接触させることで該定着液を記録媒体に塗布する構成を有していることを特徴とする画像形成装置。 - トナー像を記録媒体上に形成し、記録媒体上に定着することで画像を得る装置であって、
像担持体と、
記録媒体上にトナーを軟化・膨潤させる機能を有する可塑剤を含む定着液を塗布する塗布手段と、
前記像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記定着液を塗布された記録媒体上に、前記像担持体上に形成されたトナー像を転写する転写手段と、
記録媒体上のトナー像と前記定着液とを加熱する定着手段と、
を有し、
前記塗布手段は、少なくとも一方に前記可塑剤を含んだ異なる二つ以上の物質を混合して前記定着液を作成する手段を備え、
前記塗布手段は、記録媒体に対し選択的に前記定着液を吐出することで該定着液を記録媒体に塗布する構成を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜7のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記定着手段は、加熱ローラと、該加熱ローラとの間にニップを形成する対向ローラとを有していることを特徴とする画像形成装置。
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