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JP2012063474A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2012063474A
JP2012063474A JP2010206304A JP2010206304A JP2012063474A JP 2012063474 A JP2012063474 A JP 2012063474A JP 2010206304 A JP2010206304 A JP 2010206304A JP 2010206304 A JP2010206304 A JP 2010206304A JP 2012063474 A JP2012063474 A JP 2012063474A
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Japan
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toner
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fixing
roller
image forming
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JP2010206304A
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English (en)
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Tomoko Takahashi
朋子 高橋
Takashi Yoshida
隆司 吉田
Noriyuki Koinuma
宣之 鯉沼
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】低温での定着を実現して省エネルギー化を図るとともに、画像の乱れが生じる恐れがなく、トナー像の記録媒体への定着を確実に行えるようにする。
【解決手段】中間転写ベルト4上に形成されたトナー像が二次転写ローラ7によって記録媒体9上に転写される前に、定着液塗布ユニット18によって記録媒体9のトナー像が転写される側の面に定着液を塗付し、その記録媒体上から過剰に塗付された定着液の一部を余剰定着液除去ユニット30によって除去し、その定着液が塗布された記録媒体9上に二次転写ローラ7によってトナー像を転写し、定着ユニット8でその記録媒体9上のトナー像と定着液に熱と圧力を加えてトナー像を記録媒体に定着させる。定着液塗布ユニット18は、トナーを軟化・膨潤させる機能をもつ可塑剤を含む定着液を記録媒体9に塗付する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、記録媒体上にトナー像を形成又は転写した後その記録媒体上に定着して画像を得る画像形成装置、すなわち複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、デジタル複合機等の画像形成装置に関する。
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、デジタル複合機等の画像形成装置において、転写紙や記録紙等の記録媒体上に形成又は転写したトナー像を、定着装置によって加熱溶融することによって記録媒体上に定着する熱定着方式を用いたものが広く知られている。
熱定着方式では、記録媒体上のトナー像を熱により軟化させるとともに圧力を作用させることによって、記録媒体に密着させて記録媒体上に固定化する。その際、確実な定着性を得るためには、記録媒体に接触する部分のトナーの軟化が十分であることが必要であり、記録媒体の表面も軟化したトナーを硬化させない程度に加熱されている必要があった。
しかし、十分な加熱のためには多くの電力を必要とするが、画像形成装置全体の省電力化のために、定着部の加熱温度の低温化が望まれている。
そこで、特許文献1には、熱を使用しない定着方式として、記録媒体上のトナー像上に、トナーを軟化および/または膨潤させる定着液を塗布するケミカル定着方式を採用した画像形成装置が開示されている。
この方式は熱を用いないため、従来の熱定着方式と比較し大幅な省電力化を図れる。しかし、この方式の場合には、トナー像の上から定着液を塗布するので、確実な定着のためにトナーと記録媒体との接触部分に定着液を到達させるには、多くの定着液を塗布する必要があり、画像の乱れが生じる恐れがある。また、乾燥のために加熱が必要になるなどの問題が生じる。
また、特許文献2には、中間転写体上のトナー像に定着液を付与し、トナーを粘着性をもったフィルム状に変化させ、このフィルム化したトナーを自身の粘着性により記録媒体上に転写及び定着させる方式が示されている。
この方式も、熱によりトナーを軟化させる必要がないため、省エネルギー化が可能になっている。しかし、この方式でも中間転写体上のトナーに定着液を付与しているため、トナー像の乱れが生じる恐れがある。
また、トナー像が定着液によりフィルム化して粘着性をもつことによって記録媒体に転写されるため、画像形成が成り立つためには、使用環境において必ず、トナーのフィルム化が行われなければならない。
しかし、中間転写体上に定着液を付与する際に、中間転写体と接する画像形成部等へ定着液が飛び散る恐れがあり、その定着液の機能によって機内の部材に対して悪影響を及ぼすことも考えられる。
さらに、特許文献3には、トナージェット、ダイレクトトーニング、トナープロジェクションなどと称され、トナーを記録媒体に対して飛翔させて付着させることによって、記録媒体上にトナー像を直接記録する方式の画像形成装置が開示されている。そして、トナーを付着させる前の記録媒体に、トナーに含まれる樹脂を溶解または膨潤させる軟化剤を含む塗布液を塗布することによって、直接記録方式での画像形成時におけるトナーの飛び散りを低減し、さらに定着を促進することが記載されている。
このように、予め記録媒体である記録紙の表面に軟化剤を含む塗布液を塗布することによって、トナーが衝突した時のトナーと印写面との付着力が大きくなり、トナーの飛び散りが抑制低減され、トナーが衝突したときの反発力が低減して、トナーの飛び散りが改善される。
また、この場合、塗布液に含まれる軟化剤により定着が促進されるため、加熱定着で必要になる加熱エネルギーを大幅に低減でき、充分な塗布液を塗布することによって加熱エネルギーを不要にすることも可能と記載されている。
しかし、トナーを溶解・膨潤させて定着性を与えるには、相当量の塗布液がトナーに接触する必要があるが、飛翔してきたトナーが記録媒体(記録紙)上に直接付着するため、その表面にある極微量の塗布液がトナーに接触するのみである。
したがって、トナーを溶解・膨潤させ定着性を与えるためには、塗布液とトナーをより多く接触させる工夫が必須である。
このような従来例においては、トナーを溶解・膨潤させる定着液を用いることによって、定着温度の低温化あるいは定着のための加熱を不要化しようとしている。しかし、これらで用いられる定着液は、装置内でトナーのみならず装置本体にも付着し、装置に使用されている樹脂を溶解・膨潤させてしまう懸念がある。
また、トナー像の上から定着液を塗布した場合は画像の乱れが生じる恐れがあり、記録媒体にトナー像が担持される前に定着液を塗布する場合は、定着液をトナー像に有効に作用させられないことがあるという問題がある。さらに、転写紙等の記録媒体に塗布された定着液が余剰な場合、画像形成の後工程における接触部材への定着液の回り込み付着量が多くなり、システムへの負荷が増大する可能性がある。
この発明は、このような従来の画像形成装置における問題を解決して、低温での定着を実現して省エネルギー化を図るとともに、画像の乱れが生じる恐れがなく、トナー像の記録媒体への定着を確実に行えるようにし、定着液がトナー以外の画像形成装置内の樹脂などに悪影響を及ぼしたり、システムへの負荷が増大する可能性もなくすことを目的とする。
この発明は、記録媒体上にトナー像を転写した後該記録媒体上に定着して画像を得る画像形成装置において、上記の目的を達成するため、トナー像が転写される前の記録媒体上に定着液を塗布する定着液塗布手段と、その記録媒体上から定着液塗布手段によって塗付された定着液の一部を除去する余剰定着液除去手段と、その定着液が塗布された記録媒体上にトナー像を転写する転写手段と、その記録媒体上のトナー像と定着液に熱と圧力を加えて該トナー像を該記録媒体に定着させる定着手段とを備え、
上記定着液塗布手段は、トナーを軟化・膨潤させる機能をもつ可塑剤を含む定着液を記録媒体に塗付する手段であることを特徴とする。
上記可塑剤が、常温ではトナーを定着に充分な軟化・膨潤させる機能もたず、熱を与えられたときにトナーを定着に充分な軟化・膨潤させる機能をもつ可塑剤であるのが望ましく、常温では固体で、融点が40℃以上の可塑剤であるとなおよい。
さらに、上記可塑剤が、エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基を含む化合物であるのが望ましい。
その化合物が、ポリオキシエチレングリコール類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、およびポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル類のうちのいずれかであるとなおよい。
また、上記定着液が、トナー層への定着液の浸透性をよくするための界面活性材を含んでいるのが望ましい。その界面活性材がノニオン系界面活性剤であるとよい。
そして、上記定着液における溶媒がイオン交換水であるのが望ましい。
上記余剰定着液除去手段は、上記転写手段より記録媒体搬送方向の上流側に配置されており、記録媒体のトナー像が転写される側の表面に接触する除去部材を有するのがよい
これらの画像形成装置において、感光体の表面にトナー像を形成する作像手段と、その作像手段によって感光体の表面に形成されたトナー像が転写される中間転写体とを備え、上記転写手段が、上記中間転写体上に転写されたトナー像を記録媒体上に転写する手段であるとよい。
上記転写手段が、感光体の表面に形成したトナー像を記録媒体上に直接転写する手段であってもよい。
あるいは、中間転写体上にトナー像を直接形成するトナー噴射手段を備え、上記転写手段が、上記中間転写体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する手段であってもよい。
上記定着手段は、定着ローラと加圧ローラとを備えたローラ定着手段であるとよい。
この発明による画像形成装置は、低温での定着を実現して省エネルギー化を図ることができるとともに、画像の乱れが生じる恐れがなく、トナー像の記録媒体への定着を確実に行えるので、高品質の画像を得ることができる。また、定着液がトナー以外の画像形成装置内の樹脂などに悪影響を及ぼしたり、システムへの負荷が増大する可能性も大幅に抑制することができる。
この発明による画像形成装置の第1実施例の全体構成を示す模式図である。 図1における画像形成ユニットの構成例を示す模式図である。 図1における定着液塗布ユニットの構成例を示す模式図である。 図1における余剰定着液除去ユニットの構成例を示す模式図である。 記録媒体へ非接触で作像した場合と接触転写した場合のトナーへの定着液の染み込み状態の相違を説明するための図である。 トナーに染み込んだ定着液が熱を受けることによって、定着液中の可塑剤がトナー樹脂を軟化させることを説明するための図である。 定着液に液体可塑剤を含む場合と固体可塑剤を含む場合と可塑剤を含まない場合の温度と貯蔵弾性率との関係を示す概念図である。 各種の定着における定着ローラの温度とスミアIDとの関係を示す線図である。 この発明による画像形成装置の第2実施例の要部の構成を示す模式図である。 この発明による画像形成装置の第3実施例の要部の構成を示す模式図である。
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔第1実施例〕
図1はこの発明実施した画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
この画像形成装置100は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kを備えている。なお、Y、C、M、Kの色順は、この並び順に限るものでなく、Y、M、C、Kなどの他の並び順であってもよい。
これらの画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ、像担持体として感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kを備え、その各感光体ドラムの周囲に帯電手段、現像手段、クリーニング手段(図2によって後述する)を備えている。また、各画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの配置は、各感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kの回転軸が平行になるように、且つ記録媒体(転写紙)の移動方向に所定のピッチで配列するように設定されている。
画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの下方には、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kの表面にレーザー光を走査しながら照射する光書込ユニット3が設けられ、上方には、各画像形成ユニットで形成した色毎のトナー像を重ね合わせて転写するように回動する中間転写体である中間転写ベルト4と、一次転写ローラ5Y、5C、5M、5Kが配置されている。
一次転写ローラ5Y、5C、5M、5Kは、中間転写ベルト4を挟んで各感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kと対向している。
中間転写ベルト4の外周面には、ブラシローラとクリーニングブレードから構成されたクリーニング装置6が接触するように配置されている。このクリーニング装置6により中間転写ベルト4上に付着した転写残トナー等の異物が除去される。
中間転写ベルト4の図1で右端側には、記録媒体に中間転写ベルト4上のトナー像を転写する二次転写ローラ7が配置されている。
この第1実施例では、各画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kが感光体の表面にトナー像を形成する作像手段で、中間転写ベルト4が感光体の表面に形成されたトナー像が転写される中間転写体であり、その中間転写ベルト4と二次転写ローラ7と二次転写対向ローラを兼ねた中間転写ベルト4の駆動ローラ4aとが、定着液が塗布された記録媒体上にトナー像を転写する転写手段を構成している。
二次転写ローラ7の上方には定着手段であるベルト定着方式の定着ユニット8を、下方には定着液塗布手段である定着液塗布ユニット18を備えている。
その定着液塗布ユニット18には、トナーを軟化・膨潤させる機能をもつ可塑剤を含む定着液が収容されている。
二次転写ローラ7と定着液塗布ユニット18の間には、余剰定着液を除去する余剰定着液除去手段である余剰定着液除去ユニット30が配置されており、定着液塗布ユニット18において記録媒体上に塗布された定着液のうち、過剰に塗布された分を除去する。その余剰定着液除去ユニット30は、除去部材である除去ローラ31と加圧ローラ32を備えている。
この画像形成装置内の下部には、それぞれ転写紙である記録媒体9が収納された2段の給紙カセット10a、10bを備えている。また、画像形成装置の側面には、手差しで給紙を行うための手差しトレイ10cを備えている。
この他、それぞれ各色のトナーを収納したトナー補給容器11Y、11C、11M、11Kを備え、図示していない廃トナーボトル、電源ユニットなども備えている。
画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kは、いずれも同じ構成であり、図2に示すように感光体ユニット12と現像手段である現像ユニット13からなり、その間に光書込ユニット3からのレーザ光Lが入射する隙間14を形成している。
図2に示すように、その感光体ユニット12には、感光体ドラム2(2Y、2C、2M、2Kに共通)と帯電手段である帯電ローラ15、およびクリーニング手段であるクリーニング部材17等を備えており、現像ユニット13は、現像剤が収容される現像容器131に、現像ローラ132と現像剤を搬送・撹拌するスクリュー133、および図示していないトナー濃度センサ等が設けられている。
各色用の画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの各現像ユニット13の現像容器131には、Y、C、M、Kの各色現像用のトナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤が収容される。現像ローラ132は、外側の回転自在なスリーブとその内側に固定された磁石から構成されている。そして、トナー濃度センサの出力に応じて、各色ごとのトナー補給器11Y、11C、11M、11Kのいずれかからトナーが補給される。
図2における5は、中間転写ベルト4を挟んで感光体ドラム2と対向する一次転写ローラである(5Y、5C、5M、5Kに共通)。
次に、この画像形成装置の動作について説明する。
先ず、図2に示した帯電ローラ15に図示しない電源より所定の電圧が印加されて、対向する感光体ドラム2の表面を帯電する。所定の電位に帯電した感光体ドラム2の表面には、引き続いて光書込ユニット3により画像データに基づくレーザー光Lが走査され、感光体ドラム2の表面に静電潜像が形成される。静電潜像を担持した感光体ドラム2の表面が現像ユニット13に到達すると、感光体ドラム2と対向配置された現像ローラ132により、感光体ドラム2上の静電潜像にトナーが供給されて、トナー像が形成される。
このような動作が図1に示した画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの全てにおいて、同様に所定のタイミングで行われ、感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kの表面にはそれぞれ所定の色のトナー像が形成される。
そして、画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの画像形成動作タイミングで、矢示方向に回動する中間転写ベルト4上に、各感光体ドラム2Y、2C、2M、2K上のトナー像を順次重ねて転写していく。このトナー像の転写は、中間転写ベルト4を挟んで各感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kと対向配置されている各一次転写ローラ5Y、5C、5M、5Kに、図示しない電源より感光体ドラム2Y、2C、2M、2K上のトナーと逆極性の電圧が印加されることで行われる。
記録媒体9は、図1に示す給紙カセット10a、10b、もしくは手差しトレイ10cのいずれかから、図示を省略した給紙ローラによって給紙された後、搬送ローラによって搬送され、レジストローラ16に到達したところで一端停止する。前述の画像形成動作タイミングに合せて、記録媒体9がレジストローラ16から定着液塗布ユニット18へ搬送される。図1において一点鎖線Pa、Pbで示しているのは記録媒体9の搬送経路であり、Pbは両面印刷する場合に使用する反転搬送経路を示している。
定着液塗布ユニット18の例を図3に示す。この定着液塗布ユニットには、塗布ローラ19と対向ローラ20を備えてる。レジストローラ16から送られた記録媒体9は、塗布ローラ19と対向ローラ20のニップを通して二次転写ローラ7へ搬送される。それと並行して塗布ローラ19には、液室23内の定着液22に漬けられた供給ローラ21から定着液22が供給される。これにより記録媒体には、塗布ローラ19と対向ローラ20のニップを通過する際に定着液が塗布される。
なお、塗布ローラ19は二次転写の際にトナー像が転写される側に配置されていて、定着液はトナー像が転写される画像面側に予め塗布される。この定着液塗布ユニット18によれば、簡易な構成で記録媒体への定着液の均一な塗布を実現することができる。
余剰定着液除去ユニット30には、図4に示すように除去ローラ31と加圧ローラ32を備えている。除去ローラ31は、記録媒体の定着液が塗布された面に接触し、余剰な定着液を除去ローラ31の表面に付着させる。除去ローラ31の表面と記録媒体の表面との接触を良好にするために、加圧ローラ32が配置され、除去ローラ31を加圧ローラ32と対向して記録媒体に加圧接触させる構成になっている。加圧ローラ32の機能は、加圧対向することであり、ローラ形状に限らず平板状でもよい。
記録媒体の表面には紙繊維等による凹凸がある場合があり、定着液塗布ユニット18の塗布ローラ19からの一回の塗布で凹部にも必要量の定着液を塗布することは難しい。凹部に十分に塗布しようとする場合、凸部にはより多くの定着液が付着してしまう。そのため、この例のように、余剰定着液除去ユニット30を設け、塗布ローラ19によってやや過剰に塗布しておき、除去ローラ31により余剰分の定着液を除去することにより、必要量の定着液を容易に塗布することが可能になる。
さらに、定着液を塗布された記録媒体の表面は、二次転写ローラ7による二次転写部において中間転写ベルト4に接触する。このとき、余剰な定着液が接触により中間転写ベルト4に転移して装置内を汚染する可能性がある。そこで、記録媒体が二次転写部において中間転写ベルト4に接触する前に、記録媒体の表面に接触する除去部材として除去ローラ31を設けることによって、定着液が除去ローラ31に転移し、定着液22による装置内の汚染を軽減することができる。
二次転写ローラ7は、中間転写ベルト4に接触してその駆動ローラ(二次転写対向ローラを兼ねる)と対向して配置されている。中間転写ベルト4上に重ね合わさせて転写されたフルカラーのトナー像は、二次転写ローラ7と中間転写ベルト4とのニップ部で記録媒体に転写される。このトナー像の転写は、二次転写ローラ7に図示しない電源より中間転写ベルト4上のトナーと逆極性の電圧が印加されることによって行われる。
トナー像が記録媒体に接触転写される際、そのニップ部において、図5に示すように記録媒体に予め塗布された定着液22が記録媒体9からトナーTに染み込まされる。これにより定着液22(黒く示す)が及んだトナーT′が、トナー層の記録媒体9側に生じる。その後トナー像が記録媒体9に接触しながら加圧転写されることによって、同図(a)に示す非接触での作像に比べて毛細管現象が強まり、同図(b)に示すように定着液の染み込みが促される。
定着ニット8には、定着ローラ81と加圧ローラ82が備わっている。トナー像が転写された記録媒体は、定着ローラ81と加圧ローラ82とのニップで熱と圧力を受けて画像を定着される。その際、ニップの中では、図6に示すようにトナーT′に染み込んだ定着液22(黒く示す)が熱を受けることによって、定着液22中の可塑剤がトナー樹脂を軟化させる機能をもつ。可塑剤は、記録媒体9との界面付近のトナー層に染み込んでいて、熱の付与をきっかけにトナー樹脂に浸透して軟化させる。
つまり、定着ローラ81と加圧ローラ82とのニップでトナー像は、熱だけでなく軟化機能を発現した定着液中の可塑剤によって記録媒体9に固定される。可塑剤が、熱が伝わりにくい記録媒体9との界面付近のトナーを軟化させるため、熱定着のみの定着に比べて、定着ローラ81の制御温度は低い温度に設定されている。具体的な制御温度については後述する。
画像が形成された記録媒体9は、多数の搬送ローラによって一点鎖線で示す経路のいずれかを通って機外に搬出される。
ここで、この発明による画像形成装置における特徴的な部分の構成と効果について説明する。
図1及び図3に示した定着液塗布ユニット18に収容された定着液22の組成について説明する。定着液22には可塑剤と界面活性剤が溶けている。
その可塑剤には、常温ではトナーを定着に充分な軟化・膨潤させる機能をもたず、熱を与えられたときにトナーを定着に充分な軟化・膨潤させる機能をもつ可塑剤を採用するのが望ましい。その可塑剤として、常温では固体で、融点が40℃以上の固体可塑剤を使用した場合、図7の概念図に示すように、固体可塑剤が含まれた定着液をトナーに付与すると、トナーを記録媒体9に固定するのに必要な貯蔵弾性率となる温度が小さくなる。
常温とは、日本工業規格では20℃±15℃(5〜35℃)であり、この画像形成装置の通常の使用環境温度である。
図7における曲線aは常温で軟化能力をもつ液体可塑剤が含まれた定着液をトナーに付与した場合、曲線bは常温では軟化能力をほとんど持たない固体可塑剤が含まれた定着液をトナーに付与した場合、曲線cは可塑剤なしの場合を示す。
この実施例では、定着液に含める可塑剤として、常温では軟化能力をほとんど持たず熱を与えられたとき軟化機能を示す固体可塑剤を使用したことによって、機内汚染を防止する効果を高めている。特に樹脂製の部材が固体可塑剤の軟化機能によって悪影響を受けないようにすることができる。
固体可塑剤は、分子鎖中に、エチレンオキサイド基−(CHCHO)−やプロピレンオキサイド基−(CH(CH)CHO)−を含む化合物で、一般にグリコールエーテル類やグリコール脂肪酸エステル類と呼ばれているもののうち、常温では固体で、融点が40℃以上、望ましくは50℃以上である材料である。
具体的には、化合物(1)であらわされるポリオキシエチレングリコール類が望ましい。
HO−(CHCHO)n−OH (1)
nは10以上で100以下が望ましい。nが10未満では、室温で固体にならず、nが100より大きい場合、分子が大きくなりすぎて、熱を加えたときの可塑能力が低く、トナーが軟化しにくくなる。具体的材料としては、ポリエチレングリコール#1000、ポリエチレングリコール#1540、ポリエチレングリコール#2000、ポリエチレングリコール#4000、ポリエチレングリコール#6000、ポリエチレングリコール#8000などが適する。
または、化合物(2)であらわされるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール類も望ましい。
HO−(CHCHO)n(CH(CH)CHO)m−OH (2)
nは10以上で200以下が望ましい。mは5以上で50以下が望ましい。nが10未満では、室温で固体にならず、nが200より大きい場合、分子が大きくなりすぎて、熱を加えたときの可塑能力が低く、トナーが軟化しにくくなる。mが5未満では、室温で固体にならず、mが50より大きい場合、分子が大きくなりすぎて、熱を加えたときの可塑能力が低く、トナーが軟化しにくくなる。具体的材料としては、花王(株)のエマルゲン290や第一工業製薬のエパン450、エパン750、エパン785などが適する。
あるいは、化合物(3)であらわされるポリオキシエチレンアルキルエーテル類も望ましい。
R−O−(CHCHO)n−OH (3)
nは10以上で100以下が望ましい。nが10未満では、室温で固体にならず、nが100より大きい場合、分子が大きくなりすぎて、熱を加えたときの可塑能力が低く、トナーが軟化しにくくなる。
Rは直鎖のアルキル基又は分岐型のアルキル基で、炭素数は、10以上で22以下が望ましい。炭素数10未満だと固体として柔らかく、また、皮膚刺激や眼刺激など安全性の問題がある。炭素数22より大きいと、熱を加えたときの可塑能力が低く、トナーが軟化しにくくなる。具体的材料としては、花王(株)のエマルゲン350、エマルゲン420、エマルゲン4085、日本エマルジョン(株)のEMALEX611、EMALEX620、EMALEX710、EMALEX720などが適する。
さらに、化合物(4)や化合物(5)であらわされるポリオキシエチレン脂肪酸エステル類やポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル類も望ましい。
R−COO−(CHCHO)n−OH (4)
R−COO−(CHCHO)n−COO−R′ (5)
nは10以上で100以下が望ましい。nが10未満では、室温で固体にならず、nが100より大きい場合、分子が大きくなりすぎて、熱を加えたときの可塑能力が低く、トナーが軟化しにくくなる。R及びR′はノルマル型のアルキル基又は分岐型のアルキル基で、炭素数は10以上で22以下が望ましい。炭素数10未満だと固体として柔らかく、また、皮膚刺激や眼刺激など安全性の問題がある。炭素数22より大きいと、熱を加えたときの可塑能力が低く、トナーが軟化しにくくなる。具体的材料としては、花王(株)のエマノーン3199V、エマノーン3299RV、日本エマルジョン(株)のEMALEX820、EMALEX830などが適する。
定着液にこのような可塑剤を含むことにより、定着ユニットにおいて熱が付与されると、トナーを軟化・膨潤させる作用を発揮するが、画像形成装置の使用環境温度(常温)ではトナーを軟化・膨潤させる機能を持たず、可塑剤は固体になっているので、画像形成装置内に可塑剤が付着した場合に悪影響を及ぼすことが抑制される。
界面活性剤は、トナー層への定着液の浸透性をよくするために使用する。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が適する。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類やアセチレン系界面活性剤が望ましい。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル(12−14)エーテル(12E.O.)やポリオキシエチレンアルキル(12−14)エーテルで日光ケミカルズ社のBT−12など、アセチレン系界面活性剤としては、アセチレングリコールが優れ、日信化学工業(株)のオルフィン1010やオルフィン4051Fなどが適する。
これらの材料の溶媒(希釈液)には、水が適する。市水はカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの不純物が多く含まれるため、これらの金属イオンをある程度除去した水が望ましい。ただし、水としては、蒸留水である必要はなく、イオン交換膜にて不純物イオンを除去した水、所謂イオン交換水が適する。
この発明による画像形成装置は、熱定着のみの定着構成をもつ画像形成装置と比較してスミア性(擦った際のトナー汚れ)が向上する。一般に、定着下限温度は、所定のスミア性を確保する温度に設定される。
図8には、作像前に記録媒体に予め定着液を塗布した画像形成装置(本実施例)と、熱定着のみの画像形成装置(従来例)のスミア試験結果(摩擦試験結果)であるスミアIDを示す。この定着液は、固体可塑剤としてポリエチレングリコール#2000、界面活性剤としてオルフィン4051Fをイオン交換水で希釈し、それぞれ25wt%、0.5wt%とした液である。
このスミア試験は、スミア試験器(摩擦試験機I型、JISL0823、摩擦子径:15φ)を用いて行った。摩擦子に、25×25mm程度の白綿布(JIS L0803 綿3号)を繊維方向が摩擦子の可動方向と水平になるように両面テープで貼り付けた。そして、記録媒体として紙種:T6200に形成した評価画像を5往復、連続動作で擦った。
評価画像は、画像面積率55%のハーフトーン画像と100%の全ベタ画像である。白綿布をはがし、画像が付着している摩擦子跡における任意の3箇所の画像濃度を、分光計(X−Rite社製、938スペクトロデンシトメータ)を用いて測定し、その平均値をスミアIDとした。このスミアIDが低いほど定着画像を擦ったときのトナーによる汚れが少なく、0.40以下であれば実使用上許容できる。
図8から、この実施例の場合、ハーフトーン画像でも全ベタ画像でも、定着ローラの設定温度が121℃でスミア性を確保できる。一方、熱定着のみの画像形成装置の場合、全ベタ画像でも設定温度が129℃にならないとスミア性を確保できず、ハーフトーン画像では設定温度が139℃にならないとスミア性を確保できない。これにより、この実施例では定着温度の設定を、熱定着のみの場合に比べて18℃低い121℃の温度にしている。
このように、この発明によれば、定着ローラの制御温度を低く設定できるため省電力となり、低環境負荷の画像形成装置となる。なお、本実施例では、固体可塑剤としてポリエチレングリコール#2000、界面活性剤としてオルフィン4051Fを、それぞれ25wt%、0.5wt%含んだ定着液を採用しているが、可塑剤の濃度を調整することによって、スミア性を確保する温度は変更できるため、定着設定温度はこの限りではない。
ここで、定着液塗布ユニット18の詳細について以下に説明する。定着液塗布ユニットは、図3に示したように、塗布ローラ19と対向ローラ20、供給ローラ21の3本のローラと、定着液22と定着液を収容する液室23から成る。
塗布ローラ19と供給ローラ21は共に直径25mmで、ステンレスの芯金にクロロプレンが巻きついたローラを採用している。ローラの硬度はJIS−Aで35度である。塗布ローラ19と供給ローラ21は、長手方向の両端部にてその軸間に片側20Nずつ加圧されている。
対向ローラ20にはガラスビーズローラを採用している。直径25mmのステンレスの芯金にクロロプレンが巻きついたローラで、直径100μmのガラスビーズがその表面にエポキシ系接着剤で固定されている。この対向ローラ20も、長手方向の両端部にてその軸間に片側20Nずつ加圧されている。
塗布ローラ19と対向ローラ20は、その中心が同じ高さに配置されている。一方、供給ローラ21は塗布ローラ19の中心より10mm程度低い位置にその中心をもつ。供給ローラ21は、液室23に溜められた定着液22に静止状態で約5mm漬けられている。供給ローラ21の中心がこのようにオフセットしていることによって、記録媒体が塗布ローラ19と対向ローラ2とのニップに入った際に、塗布ローラ19と供給ローラ21の間の加圧力への影響を小さくすることができる。
これらの構成において、作像動作が開始されるとA4サイズの普通紙の記録媒体(リコー社製 RICOPY PPC用紙 TYPE6200)1枚あたりに、定着液が170mg塗布される。
次に、余剰定着液除去ユニット30について、詳細に説明する。余剰定着液除去ユニット30は、図1に示したように、定着液塗布ユニット18によって定着液を塗布された記録媒体8の搬送経路に配置されている。そして、図4に示すように、除去ローラ31と加圧ローラ32、およびブレード33と容器34を備えている。
除去ローラ31は、シリコーン発泡ゴム表面をPFAチューブで被覆した構成となっており、直径が12mm〜20mm程度である。加圧ローラ32は、同様の直径であり、SUS製である。除去ローラ31と加圧ローラ32との間は加圧されるように構成されているが、除去ローラ31の表面を記録媒体8の表面にできるだけ均一に接触させることが目的であるから、大きな圧力は必要としない。
同様に接触性を良くするために、除去ローラ31は発泡ゴム等を用いてゴム硬度を低くしている。具体的には、表面硬度がアスカーC30度〜65度程度である。この実施例では、表面硬度がアスカーC50度の除去ローラ31に対し、片側20Nの圧力を掛けている。しかし、除去ローラ31を金属ローラのような固い材料で構成することもできる。その場合、加圧ローラ32を柔らかい材料で構成し、除去ローラ31と加圧ローラ32との間の接触性を確保する必要がある。
除去ローラ31の表面が、定着液が塗布された記録媒体8に接触することによって、余剰な定着液をその表面に付着させる。余剰定着液除去ユニット30には、除去ローラ31の表面に付着した定着液を除去するブレード33が設けられている。このブレード33による定着液の除去を実施するには、除去ローラ31の表面が平滑であることが望ましく、前述のPFA層のように表面エネルギーが低い材料が望ましい。除去ローラ31を金属で構成した場合には、表面加工にて鏡面仕上げ等の表面を平滑化する処理を施すことが望ましい。
ブレード33は、ウレタンゴム、シリコーンゴム等で作られている。図4では、記録媒体8の搬送方向が下から上に向かう方向であり、除去ローラ31と加圧ローラ32がそれぞれ図4に中の矢印A,Bで示す方向に回転するので、ブレードの当て方は、除去ローラ31の回転方向に対して逆らう方向となっているが、逆らわない方向でもよい。
このブレードによって除去ローラ31の表面から除去された定着液は、受容器34内に落下してた後、定着液塗布ユニット18の液室23に戻される。
除去ローラ31からの定着液の除去をブレード以外の方法で行うことも可能である。ロール状に構成したブラシにより除去することもできる。その場合、除去ローラ31からの定着液の除去をブレードで行う場合と異なり、除去ローラ31表面が平滑である必要はない。また、ウェブ等を擦りつけることによって、除去ローラ表面から定着液を除去することも可能である。加圧ローラ32は、必ずしもローラである必要はなく、除去ローラ31の表面が記録媒体9の表面と良好に接触すしながら上方へスムーズに搬送されるようにすればよい。従って、加圧ローラ32に代えて、表面が平滑な固定部材を配設することも可能である。その場合、可動ローラとする場合と比較して、位置決めが容易であるとともに、低コストである等のメリットがある。
前述の定着液塗布ユニット18を用いて、A4サイズの記録媒体1枚あたり約170mgの定着液を塗布した後、余剰定着液除去ユニット30を通したところ、定着液22の塗布量は40〜50mg程度減少していた。また、定着液塗布ユニット18を用いて、A4サイズの記録媒体1枚あたり約220mgの定着液を塗布した後、余剰定着液除去ユニット30を通した場合、約70〜80mg程度の重量の減少があり、過剰な定着液が除去されていることが分かる。
余剰定着液塗布ユニット30を通した場合も、通さない場合と変わらず定着性は良好であった。また、定着液付着状態の均一性に着目すると、定着液塗布ユニット18でA4サイズの記録媒体1枚あたり170mgの定着液を付着させた後、余剰定着液除去ユニット30によって過剰な定着液を除去し、結果的にA4サイズの記録媒体1枚あたり120mg定着液が付着している場合と、定着液塗布量の調整により、定着液塗布ユニット18のみで120mgの定着液を塗布した場合とを比較すると、定着液塗布ユニットのみで塗布した場合には、記録媒体の表面の凹部に定着不良の部分が見られたのに対し、余剰定着液除去ユニット30を使用した場合には、定着不良は見られなかった。
したがって、定着液をやや過剰に塗布した後、過剰な定着液を除去する方法は、定着液塗布の均一性を向上させる点において、優れていることが分かった。
この第1実施例によれば、電子写真方式により高解像の画像を形成することができ、二次転写時の圧力で定着液をトナー層に染み込ませることが可能である。また、中間転写体を有しているため、感光体周りへの定着液の回り込みを抑制することができる。
また、定着液除去手段である余剰定着液除去ユニット30を、二次転写ローラ7による二次転写部より記録媒体9の搬送方向上流側に配置していることによって、余剰な定着液を保持した転写媒体が二次転写部への進入するのを回避し、二次転写部への定着液の付着を抑制することができる。
さらに、余剰定着液除去ユニット30は、記録媒体9のトナーが転写される側の表面に接触する除去部材として除去ローラ31をもつことにより、効率的に余剰な定着液を除去することができる。
上記定着手段である定着ユニット8は、定着ローラ81と加圧ローラ82とを備えたローラ定着手段であるので、簡易な構成で均一な加熱を実現することができる。
〔第2実施例〕
次に、この発明による画像形成装置の第2実施例について図9によって説明する。
図9は、その画像形成装置の要部のみを模式的に示す構成図であり、作像部と定着液塗布ユニットおよび余剰定着液除去ユニットと、定着ニットを示している。この図9において図1から図4と対応する部分には便宜上同じ符号を付している。
前述した第1実施例は、作像部が4連タンデム中間転写方式であったが、この第2実施例の作像部は4連タンデム直接転写方式である。この作像部にも、各色の画像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kを備えている。これらの画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの構成は、図1および図2によって説明した第1実施例のものと同じであり、各色ごとに感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kを備え、その各感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kの周囲に帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段を備えている。
この画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの下側には、図示を省略しているが、第1実施例と同様に光書込みユニット3が配置されている。
しかし、第1実施例における中間転写ベルト4と同じ位置に、それに代えて記録媒体(この場合は記録紙)を吸引して搬送する転写搬送ベルト40が設けられ、その転写搬送ベルト40を挟んで各感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kと対向する位置に、それぞれ転写ローラ50Y、50C、50M、50Kが配置されている。
この作像部では、図9の左方から所定のタイミングで矢示F1方向に搬送される記録媒体9が転写搬送ベルト40に吸引されて同じ方向に搬送されながら、各画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kによって形成された各色のトナー像を順次重ねて転写して、記録媒体9上に直接フルカラーのトナー像を形成する。そのフルカラーのトナー像が形成された記録媒体9は、定着ローラ81と加圧ローラ82を備えた定着装置8を通して画像が定着された後、さらに搬送されて機外に排出される。
この第2実施例においては、画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kと、転写搬送ベルト40と、転写ローラ50Y、50C、50M、50Kとによって、定着液が塗布された記録媒体上にトナー像を直接転写する転写手段を構成している。
この第2実施例においても、記録媒体9が作像部に入る前の図9において左側の記録媒体搬送路に沿って、定着液塗布手段である定着液塗布ユニット18と、過剰定着液の除去手段である過剰定着液の除去ユニットとしての除去ローラ31が配置されている。
定着液塗布ユニット18は、第1実施例のものと同様に供給ローラ21と塗布ローラ19と対向ローラ20の3本のローラと、定着液22を収容する液室23から構成されている。
図9に示すように、塗布ローラ19と対向ローラ20は互いに垂直に配置されている。供給ローラ21は、塗布ローラ19の中心より10mm下流の位置にその中心をもつ。供給ローラ21は、液室23に溜められた定着液22に5mm漬けられている。このように塗布ローラ19と供給ローラ21の中心がオフセットしていることによって、記録媒体9が塗布ローラ19と対向ローラ20のニップに入った際に、供給ローラ21と塗布ローラ19の加圧力への影響を小さくすることができる。その他の各ローラの構成や材質、ローラ間の加圧力等は第1実施例と同じである。
定着液塗布ユニット18より記録媒体搬送方向の下流側に近接して、余剰定着液除去ユニットを構成する除去ローラ31を、転写搬送ベルト40を挟んでその支持ローラ42と対向させるよう配設している。その除去ローラ31には、除去ローラ31から定着液をとる図示しないブレード等の部材が設けられている。転写搬送ベルト40は駆動ローラ41と支持ローラ(従動ローラ)42との間に張架され、駆動ローラ41によって矢示方向に回動される。
第1実施例の場合と同様に記録媒体9が給紙され、図示しないレジストローラに到達したところで一端停止される。そして、画像形成動作タイミングに合せて、定着液塗布ユニット18へ搬送される。その記録媒体9は、塗布ローラ19と対向ローラ20のニップを通して、除去ローラ31が転写搬送ベルト40に対向する部分に進み、その後転写搬送ベルト40に吸引されて各画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kに順次搬送され、その記録媒体9の下面に各画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kによって形成された各色のトナー像が順次重ねて直接転写され、合成カラー画像が形成される。
その際、定着液塗布ユニット18の塗布ローラ19には、定着液22に漬けられた供給ローラ21から定着液22が供給されている。それにより、記録媒体9が塗布ローラ19と対向ローラ20のニップを通過する際に、その下面に定着液22が塗布され、その後、除去ローラ31によって過剰な定着液が除去される。なお、塗布ローラ19は、記録媒体9に対して転写の際にトナー像が転写される側に配置されていて、定着液は記録媒体9のトナー像が転写される画像面側(図9では下面側)に予め塗布される。
この第2実施例によっても、電子写真方式により高解像の画像を形成することができ、転写時の圧力で定着液をトナー層に染み込ませることが可能である。また、中間転写体を持たなので、省スペース化を図ることができる。
〔第3実施例〕
次に、この発明による画像形成装置の第3実施例について図10によって説明する。
図10は、その画像形成装置の要部のみを模式的に示す構成図であり、作像部と定着液塗布ユニットおよび余剰定着液除去ユニットと定着ニットを示している。この図10においても図1から図4と対応する部分には便宜上同じ符号を付している。
この画像形成装置の主な構成は、作像部以外の定着液塗布ユニットや定着装置、記録媒体の搬送手段等は第1実施例と略同じであるため、作像部について主に説明する。
前述した第1実施例は、作像部が電子写真方式の4連タンデム中間転写方式であったが、この第3実施例は、作像部がトナー噴射式の4連タンデム中間転写方式である。
この画像形成装置の作像部には、画像形成手段として各色用のトナー噴射ユニット50Y、50C、50M、50Kが、中間転写ベルト4の下面に沿って並んで配置されている。
これらの各トナー噴射ユニットは使用するトナーの色が異なるだけで、同じ構造であるから、代表してトナー噴射ユニット50Yの構造を簡単に説明する。
トナー噴射ユニット50Yは、トナーT(イエローのトナー)を貯留するハウジング51内に、トナーTを担持して所定方向に回転するトナー担持体52と、そのトナー担持体にトナーTを供給する供給ローラ53と、トナー担持体52の表面に当接するトナー規制ブレード54と、帯電トナーが通過する複数のトナー通過孔55aを列設したフレキシブルプリント回路基板等からなるトナー制御部材55等を備えている。また、中間転写ベルト4を挟んでトナー制御部材55と対向する位置に、背面電極56が配設されている。
このトナー噴射ユニット50Y等の構成は、例えば前述した特許文献3に記載されている画像形成部と同様である。
このトナー噴射ユニット50Y等では、トナー担持体52上のトナーが、トナー規制ブレード54によって摩擦帯電されるとともに所定の厚みに規制されて、背面電極56と対向する飛翔開始位置まで搬送される。そのトナー担持体52と背面電極56との間に、電位差が印加され、帯電トナーをトナー担持体52から背面電極56に向けて飛翔させる移送電界が形成されている。また、トナー制御部材55は、各トナー通過孔55の周囲に設けた制御電極に画像信号に応じた電圧を印加して、各トナー通過孔55を静電的に開閉制御する。それによって、画像信号に対応して帯電トナーをトナー通過孔55を通して背面電極56に向けて飛翔(噴射)させ、その間に介在する中間転写ベルト4の下面に付着させて、トナー画像を形成する。
この第3実施例においても、この作像部の各トナー噴射ユニット24Y、24C、24M、24Kによって、矢示方向に回動する中間転写ベルト4の下面に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのにトナー像が順次重ねて形成され、フルカラーのトナー像となる。
一方、図10の右方の下側から所定のタイミングで矢示F2方向に搬送される記録媒体(転写紙)9が、二次転写部に達する前に定着液塗布ユニット18の塗布ローラ19と対向ローラ20のニップを通過する。その際に、その記録媒体9の図10において左側の面に定着液22が塗布され、その後、余剰定着液除去ユニット30′の除去ローラ31によって過剰な定着液が除去される。
この実施例の余剰定着液除去ユニット31′は第1実施例の余剰定着液除去ユニット30における加圧ローラ32に代えて、表面が平滑な固定の加圧板35を配設している。その加圧板35は、加圧ローラ32よりも位置決めが容易で低コストである。
このようにして、画像が転写される側の面に適量の定着液が塗布された記録媒体9が、中間転写べルト4の駆動ローラ(転写対向ローラを兼ねる)4aと転写ローラ7′とが中間転写ベルト4を挟んで対向する転写部を通過する際に、中間転写ベルト4上に形成されたフルカラーのトナー像が記録媒体9に転写される。このトナー像の転写は、転写ローラ7′に図示しない電源より中間転写ベルト4上のトナーと逆極性の電圧が印加されることによって行われる。
なお、中間転写ベルト4は、駆動ローラ4aと支持ローラ(従動ローラ)4bとの間に張架され、駆動ローラ4a によって、矢示方向に回動される。
上述のようにして、フルカラーのトナー画像が転写された記録媒体9は、定着ローラ81と加圧ローラ82を備えた定着ユニット8を通して画像が定着された後、さらに搬送されて機外に排出される。
この第3実施例においては、各トナー噴射ユニット50Y、50C、50M、50Kと、中間転写ベルト4及び転写ローラ7′によって、中間転写体上にトナー像を直接形成する手段を構成し、中間転写ベルト4と転写対向ローラを兼ねる駆動ローラ4a及び転写ローラ7′によって、定着液が塗布された記録媒体上にトナー像を転写する転写手段を構成している。
この実施例によれば、中間転写体である中間転写ベルト4上に直接トナー像を形成する簡易な構成でこの発明を実施することができ、小型で低価格な画像形成装置を提供することが可能になる。
〔その他の実施例〕
上述した各実施例では、定着液塗布手段が、定着液塗布ユニット18の塗布ローラ19によって記録媒体9に定着液を塗付する構成であった。これに代えて、定着液を記録媒体の幅方向(搬送方向に直交する方向)に列設した多数のノズル又はヘッドから吐出(あるいは噴射)させて、記録媒体のトナー像が転写される面に塗付するようにしてもよい。そのようにすれば、記録媒体の面上のトナー像が転写される部分だけに定着液を塗付することもできる。
それによって、定着液の使用量を少なくし、機内の他の部分に定着液が付着して汚染するのを一層抑制でき、定着ユニット8における加熱量をさらに低減することが可能になる。
この発明は、上述した各実施例に述べたものに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
この発明は、記録媒体上にトナー像を形成又は転写した後その記録媒体上に定着して画像を得る画像形成装置、すなわち複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、デジタル複合機等の各種の画像形成装置に適用できる。
1Y、1C、1M、1K:画像形成ユニット
2Y、2C、2M、2K:感光体ドラム(像担持体)
3:光書込ユニット 4:中間転写ベルト 4a:駆動ローラ
5Y、5C、5M、5K:一次転写ローラ 6:クリーニング装置
7:二次転写ローラ 7′:転写ローラ 8:定着ユニット
9:記録媒体(転写紙、記録紙等) 10a、10b:給紙カセット
10c:手差しトレイ 11Y、11C、11M、11K:トナー補給容器
12:感光体ユニット 13:現像ユニット 14:隙間
15:帯電ローラ 16:レジストローラ 17:クリーニング部材
18:定着液塗布ユニット 19:塗布ローラ 20:対向ローラ
21:供給ローラ 22:定着液 23:液室
30、30′:余剰定着液除去ユニット 31:除去ローラ
32:加圧ローラ 33:ブレード 34:受容器 35:加圧板
40:転写搬送ベルト 50Y、50C、50M、50K:トナー噴射ユニット
81:定着ローラ 82:加圧ローラ 100:画像形成装置
T:トナー
特許第4224076号公報 特許第4354164号公報 特開2009−39977号公報
上記可塑剤が、常温ではトナーを定着に充分な軟化・膨潤させる機能をもたず、熱を与えられたときにトナーを定着に充分な軟化・膨潤させる機能をもつ可塑剤であるのが望ましく、常温では固体で、融点が40℃以上の可塑剤であるとなおよい。
さらに、上記可塑剤が、エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基を含む化合物であるのが望ましい。
また、上記定着液が、トナー層への定着液の浸透性をよくするための界面活性材を含んでいるのが望ましい。その界面活性材がノニオン系界面活性剤であるとよい。
そして、上記定着液における溶媒がイオン交換水であるのが望ましい。
上記余剰定着液除去手段は、上記転写手段より記録媒体搬送方向の上流側に配置されており、記録媒体のトナー像が転写される側の表面に接触する除去部材を有するのがよい。
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔第1実施例〕
図1はこの発明を実施した画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
この画像形成装置100は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kを備えている。なお、Y、C、M、Kの色順は、この並び順に限るものでなく、Y、M、C、Kなどの他の並び順であってもよい。
各色用の画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの各現像ユニット13の現像容器131には、Y、C、M、Kの各色現像用のトナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤が収容される。現像ローラ132は、外側の回転自在なスリーブとその内側に固定された磁石から構成されている。そして、トナー濃度センサの出力に応じて、各色ごとのトナー補給容器11Y、11C、11M、11Kのいずれかからトナーが補給される。
図2における5は、中間転写ベルト4を挟んで感光体ドラム2と対向する一次転写ローラである(5Y、5C、5M、5Kに共通)。
なお、塗布ローラ19は二次転写の際にトナー像が転写される側に配置されていて、定着液22はトナー像が転写される画像面側に予め塗布される。この定着液塗布ユニット18によれば、簡易な構成で記録媒体への定着液22の均一な塗布を実現することができる。
二次転写ローラ7は、中間転写ベルト4に接触してその駆動ローラ(二次転写対向ローラを兼ねる)4aと対向して配置されている。中間転写ベルト4上に重ね合わさせて転写されたフルカラーのトナー像は、二次転写ローラ7と中間転写ベルト4とのニップ部で記録媒体に転写される。このトナー像の転写は、二次転写ローラ7に図示しない電源より中間転写ベルト4上のトナーと逆極性の電圧が印加されることによって行われる。
定着ユニット8には、定着ローラ81と加圧ローラ82が備わっている。トナー像が転写された記録媒体は、定着ローラ81と加圧ローラ82とのニップで熱と圧力を受けて画像を定着される。その際、ニップの中では、図6に示すようにトナーT′に染み込んだ定着液22(黒く示す)が熱を受けることによって、定着液22中の可塑剤がトナー樹脂を軟化させる機能をもつ。可塑剤は、記録媒体9との界面付近のトナー層に染み込んでいて、熱の付与をきっかけにトナー樹脂に浸透して軟化させる。
このスミア試験は、スミア試験器(摩擦試験機I型、JIS L0823、摩擦子径:15φ)を用いて行った。摩擦子に、25×25mm程度の白綿布(JIS
L0803 綿3号)を繊維方向が摩擦子の可動方向と水平になるように両面テープで貼り付けた。そして、記録媒体として紙種:T6200に形成した評価画像を5往復、連続動作で擦った。
評価画像は、画像面積率55%のハーフトーン画像と100%の全ベタ画像である。白綿布をはがし、画像が付着している摩擦子跡における任意の3箇所の画像濃度を、分光計(X−Rite社製、938スペクトロデンシトメータ)を用いて測定し、その平均値をスミアIDとした。このスミアIDが低いほど定着画像を擦ったときのトナーによる汚れが少なく、0.40以下であれば実使用上許容できる。
ここで、定着液塗布ユニット18の詳細について以下に説明する。定着液塗布ユニット18は、図3に示したように、塗布ローラ19と対向ローラ20、供給ローラ21の3本のローラと、定着液22と定着液を収容する液室23から成る。
塗布ローラ19と供給ローラ21は共に直径25mmで、ステンレスの芯金にクロロプレンが巻きついたローラを採用している。ローラの硬度はJIS−Aで35度である。塗布ローラ19と供給ローラ21は、長手方向の両端部にてその軸間に片側20Nずつ加圧されている。
塗布ローラ19と対向ローラ20は、その中心が同じ高さに配置されている。一方、供給ローラ21は塗布ローラ19の中心より10mm程度低い位置にその中心をもつ。供給ローラ21は、液室23に溜められた定着液22に静止状態で約5mm漬けられている。供給ローラ21の中心がこのようにオフセットしていることによって、記録媒体が塗布ローラ19と対向ローラ20とのニップに入った際に、塗布ローラ19と供給ローラ21の間の加圧力への影響を小さくすることができる。
これらの構成において、作像動作が開始されるとA4サイズの普通紙の記録媒体(リコー社製 RICOPY PPC用紙 TYPE6200)1枚あたりに、定着液が170mg塗布される。
次に、余剰定着液除去ユニット30について、詳細に説明する。余剰定着液除去ユニット30は、図1に示したように、定着液塗布ユニット18によって定着液22を塗布された記録媒体9の搬送経路に配置されている。そして、図4に示すように、除去ローラ31と加圧ローラ32、およびブレード33と受容器34を備えている。
除去ローラ31は、シリコーン発泡ゴム表面をPFAチューブで被覆した構成となっており、直径が12mm〜20mm程度である。加圧ローラ32は、同様の直径であり、SUS製である。除去ローラ31と加圧ローラ32との間は加圧されるように構成されているが、除去ローラ31の表面を記録媒体9の表面にできるだけ均一に接触させることが目的であるから、大きな圧力は必要としない。
除去ローラ31の表面が、定着液が塗布された記録媒体9に接触することによって、余剰な定着液をその表面に付着させる。余剰定着液除去ユニット30には、除去ローラ31の表面に付着した定着液を除去するブレード33が設けられている。このブレード33による定着液の除去を実施するには、除去ローラ31の表面が平滑であることが望ましく、前述のPFA層のように表面エネルギーが低い材料が望ましい。除去ローラ31を金属で構成した場合には、表面加工にて鏡面仕上げ等の表面を平滑化する処理を施すことが望ましい。
ブレード33は、ウレタンゴム、シリコーンゴム等で作られている。図4では、記録媒体9の搬送方向が下から上に向かう方向であり、除去ローラ31と加圧ローラ32がそれぞれ図4中の矢印A,Bで示す方向に回転するので、ブレードの当て方は、除去ローラ31の回転方向に対して逆らう方向となっているが、逆らわない方向でもよい。
このブレードによって除去ローラ31の表面から除去された定着液は、受容器34内に落下してた後、定着液塗布ユニット18の液室23に戻される。
除去ローラ31からの定着液の除去をブレード以外の方法で行うことも可能である。ロール状に構成したブラシにより除去することもできる。その場合、除去ローラ31からの定着液の除去をブレードで行う場合と異なり、除去ローラ31表面が平滑である必要はない。また、ウェブ等を擦りつけることによって、除去ローラ31の表面から定着液を除去することも可能である。加圧ローラ32は、必ずしもローラである必要はなく、除去ローラ31の表面が記録媒体9の表面と良好に接触しながら上方へスムーズに搬送されるようにすればよい。従って、加圧ローラ32に代えて、表面が平滑な固定部材を配設することも可能である。その場合、可動ローラとする場合と比較して、位置決めが容易であるとともに、低コストである等のメリットがある。
余剰定着液除去ユニット30を通した場合も、通さない場合と変わらず定着性は良好であった。また、定着液付着状態の均一性に着目すると、定着液塗布ユニット18でA4サイズの記録媒体1枚あたり170mgの定着液を付着させた後、余剰定着液除去ユニット30によって過剰な定着液を除去し、結果的にA4サイズの記録媒体1枚あたり120mg定着液が付着している場合と、定着液塗布量の調整により、定着液塗布ユニット18のみで120mgの定着液を塗布した場合とを比較すると、定着液塗布ユニットのみで塗布した場合には、記録媒体の表面の凹部に定着不良の部分が見られたのに対し、余剰定着液除去ユニット30を使用した場合には、定着不良は見られなかった。
また、定着液除去手段である余剰定着液除去ユニット30を、二次転写ローラ7による二次転写部より記録媒体9の搬送方向上流側に配置していることによって、余剰な定着液を保持した転写媒体が二次転写部へ進入するのを回避し、二次転写部への定着液の付着を抑制することができる。
〔第2実施例〕
次に、この発明による画像形成装置の第2実施例について図9によって説明する。
図9は、その画像形成装置の要部のみを模式的に示す構成図であり、作像部と定着液塗布ユニットおよび余剰定着液除去ユニットと、定着ユニットを示している。この図9において図1から図4と対応する部分には便宜上同じ符号を付している。
この画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの下側には、図示を省略しているが、第1実施例と同様に光書込みユニット3が配置されている。
しかし、第1実施例における中間転写ベルト4と同じ位置に、それに代えて記録媒体(この場合は記録紙)を吸引して搬送する転写搬送ベルト40が設けられ、その転写搬送ベルト40を挟んで各感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kと対向する位置に、それぞれ転写ローラ5Y′、5C′、5M′、5K′が配置されている。
この作像部では、図9の左方から所定のタイミングで矢示F1方向に搬送される記録媒体9が転写搬送ベルト40に吸引されて同じ方向に搬送されながら、各画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kによって形成された各色のトナー像を順次重ねて転写して、記録媒体9上に直接フルカラーのトナー像を形成する。そのフルカラーのトナー像が形成された記録媒体9は、定着ローラ81と加圧ローラ82を備えた定着ユニット8を通して画像が定着された後、さらに搬送されて機外に排出される。
この第2実施例においては、画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kと、転写搬送ベルト40と、転写ローラ5Y′、5C′、5M′、5K′とによって、定着液が塗布された記録媒体上にトナー像を直接転写する転写手段を構成している。
この第2実施例によっても、電子写真方式により高解像の画像を形成することができ、転写時の圧力で定着液をトナー層に染み込ませることが可能である。また、中間転写体を持たないので、省スペース化を図ることができる。
〔第3実施例〕
次に、この発明による画像形成装置の第3実施例について図10によって説明する。
図10は、その画像形成装置の要部のみを模式的に示す構成図であり、作像部と定着液塗布ユニットおよび余剰定着液除去ユニットと定着ユニットを示している。この図10においても図1から図4と対応する部分には便宜上同じ符号を付している。
この画像形成装置の主な構成は、作像部以外の定着液塗布ユニットや定着装置、記録媒体の搬送手段等は第1実施例と略同じであるため、作像部について主に説明する。
前述した第1実施例は、作像部が電子写真方式の4連タンデム中間転写方式であったが、この第3実施例は、作像部がトナー噴射式の4連タンデム中間転写方式である。
この画像形成装置の作像部には、画像形成手段として各色用のトナー噴射ユニット50Y、50C、50M、50Kが、中間転写ベルト4の下面に沿って並んで配置されている。これらの各トナー噴射ユニットは使用するトナーの色が異なるだけで、同じ構造であるから、代表してトナー噴射ユニット50Yの構造を簡単に説明する。
トナー噴射ユニット50Yは、トナーT(イエローのトナー)を貯留するハウジング51内に、トナーTを担持して所定方向に回転するトナー担持体52と、そのトナー担持体52にトナーTを供給する供給ローラ53と、トナー担持体52の表面に当接するトナー規制ブレード54と、帯電トナーが通過する複数のトナー通過孔55aを列設したフレキシブルプリント回路基板等からなるトナー制御部材55等を備えている。また、中間転写ベルト4を挟んでトナー制御部材55と対向する位置に、背面電極56が配設されている。
このトナー噴射ユニット50Y等の構成は、例えば前述した特許文献3に記載されている画像形成部と同様である。
このトナー噴射ユニット50Y等では、トナー担持体52上のトナーが、トナー規制ブレード54によって摩擦帯電されるとともに所定の厚みに規制されて、背面電極56と対向する飛翔開始位置まで搬送される。そのトナー担持体52と背面電極56との間に、電位差が印加され、帯電トナーをトナー担持体52から背面電極56に向けて飛翔させる移送電界が形成されている。また、トナー制御部材55は、各トナー通過孔55aの周囲に設けた制御電極に画像信号に応じた電圧を印加して、各トナー通過孔55aを静電的に開閉制御する。それによって、画像信号に対応して帯電トナーをトナー通過孔55aを通して背面電極56に向けて飛翔(噴射)させ、その間に介在する中間転写ベルト4の下面に付着させて、トナー画像を形成する。
この第3実施例においても、この作像部の各トナー噴射ユニット50Y、50C、50M、50Kによって、矢示方向に回動する中間転写ベルト4の下面に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像が順次重ねて形成され、フルカラーのトナー像となる。
一方、図10の右方の下側から所定のタイミングで矢示F2方向に搬送される記録媒体(転写紙)9が、二次転写部に達する前に定着液塗布ユニット18の塗布ローラ19と対向ローラ20のニップを通過する。その際に、その記録媒体9の図10において左側の面に定着液22が塗布され、その後、余剰定着液除去ユニット30′の除去ローラ31によって過剰な定着液が除去される。
この実施例の余剰定着液除去ユニット30′は第1実施例の余剰定着液除去ユニット30における加圧ローラ32に代えて、表面が平滑な固定の加圧板35を配設している。その加圧板35は、加圧ローラ32よりも位置決めが容易で低コストである。
なお、中間転写ベルト4は、駆動ローラ4aと支持ローラ(従動ローラ)4bとの間に張架され、駆動ローラ4aによって、矢示方向に回動される。
上述のようにして、フルカラーのトナー画像が転写された記録媒体9は、定着ローラ81と加圧ローラ82を備えた定着ユニット8を通して画像が定着された後、さらに搬送されて機外に排出される。

Claims (13)

  1. 記録媒体上にトナー像を転写した後該記録媒体上に定着して画像を得る画像形成装置において、
    前記トナー像が転写される前の記録媒体上に定着液を塗布する定着液塗布手段と、該記録媒体上から前記定着液塗布手段によって塗付された定着液の一部を除去する余剰定着液除去手段と、該定着液が塗布された記録媒体上にトナー像を転写する転写手段と、その記録媒体上のトナー像と定着液に熱と圧力を加えて該トナー像を該記録媒体に定着させる定着手段とを備え、
    前記定着液塗布手段は、トナーを軟化・膨潤させる機能をもつ可塑剤を含む定着液を前記記録媒体に塗付する手段であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記可塑剤が、常温ではトナーを定着に充分な軟化・膨潤させる機能もたず、熱を与えられたときにトナーを定着に充分な軟化・膨潤させる機能をもつ可塑剤であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記可塑剤が、常温では固体で、融点が40℃以上の可塑剤であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記可塑剤が、エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基を含む化合物であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記化合物が、ポリオキシエチレングリコール類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、およびポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル類のうちのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記定着液が、トナー層への前記定着液の浸透性をよくするための界面活性材を含んでいることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記界面活性材がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記定着液における溶媒がイオン交換水であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記余剰定着液除去手段は、前記転写手段より、記録媒体搬送方向の上流側に配置されており、記録媒体のトナー像が転写される側の表面に接触する除去部材を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
    感光体の表面にトナー像を形成する作像手段と、該作像手段によって感光体の表面に形成されたトナー像が転写される中間転写体とを備え、
    前記転写手段が、前記中間転写体上に転写されたトナー像を記録媒体上に転写する手段であることを特徴とする画像形成装置。
  11. 前記転写手段が、感光体の表面に形成したトナー像を記録媒体上に直接転写する手段であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  12. 請求項1から9のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
    中間転写体上にトナー像を直接形成するトナー噴射手段を備え、
    前記転写手段が、前記中間転写体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する手段であることを特徴とする画像形成装置。
  13. 前記定着手段は、定着ローラと加圧ローラとを備えたローラ定着手段であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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