以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
また、以下の実施の形態においては、電界効果トランジスタを代表するMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)をMISと略し、nチャネル型のMISFETをnMISと略す。また、以下の実施の形態で記載するMONOS型メモリセルについても、上記MISの下位概念に含まれることは勿論である。また、以下の実施の形態において、窒化シリコン、窒化ケイ素またはシリコンナイトライドというときは、Si3N4は勿論であるが、それのみではなく、シリコンの窒化物で類似組成の絶縁膜を含むものとする。また、以下の実施の形態において、ウエハと言うときは、Si(Silicon)単結晶ウエハを主とするが、それのみではなく、SOI(Silicon On Insulator)ウエハ、集積回路をその上に形成するための絶縁膜基板等を指すものとする。その形も円形またはほぼ円形のみでなく、正方形、長方形等も含むものとする。
また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明者らによって検討された不揮発性メモリについて説明する。
電気的に書き換え可能な不揮発性メモリとしては、多結晶シリコンをフローティング電極としたEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)が主に使用されている。しかし、この構造のEEPROMでは、フローティングゲート電極を取り囲む酸化膜のどこか一部にでも欠陥があると、電荷蓄積層が導体であるため、異常リークにより蓄積ノードに貯えられた電荷がすべて抜けてしまう場合がある。特に今後、微細化が進み集積度が向上すると、この問題がより顕著になってくると考えられる。
そこで、近年は、窒化膜などのトラップ準位を有する絶縁膜を電荷蓄積層とするMONOS型不揮発性メモリセルが注目されている。この場合、データ記憶に寄与する電荷は、絶縁体である窒化膜の離散トラップに蓄積されるため、蓄積ノードを取り巻く酸化膜のどこか一部に欠陥が生じて異常リークがおきても、電荷蓄積層の電荷が全て抜けてしまうことがないため、データ保持の信頼度を向上させることが可能である。
MONOS型不揮発性メモリセルとしては、単一トランジスタ構造のメモリセルが提案されている。この構造のメモリセルの場合は、EEPROMのメモリセルと比べてディスターブの影響を受け易いので、さらに、選択ゲート電極を設けた2トランジスタ構成のスプリットゲート構造のメモリセルが提案されている。
しかしながら、スプリットゲート構造のMONOS型不揮発性メモリセルについては、以下に説明する種々の技術的課題が存在する。なお、以下に示す技術的課題は、上記特許文献1〜6のような背景技術には開示されておらず、本発明者が初めて見出したものである。
スプリットゲート構造のMONOS型不揮発性メモリセルには、選択ゲート電極の側面に絶縁膜を介して、サイドウォール状のメモリゲート電極が自己整合により設けられたメモリセルがある。この場合、フォトリソグラフィの位置合わせマージンが不要であること、自己整合で形成するメモリゲート電極のゲート長をフォトリソグラフィの最小解像寸法以下にできることから、フォトレジストパターンを用いてメモリゲート電極を形成するメモリセルに比べて、より微細なメモリセルを実現することができる。
サイドウォール状のメモリゲート電極を採用した場合は、その外部への電気的な取り出しは、例えば図127(a)および(b)に示すように、メモリゲート電極MGと同一層の導電膜からなるパッド電極51を用いる。すなわち、選択ゲート電極CGの側壁に自己整合によりサイドウォール状のメモリゲート電極MGを形成すると同時に、メモリゲート電極MGの給電領域にフォトレジストパターンを用いてパッド電極51を形成する。パッド電極51は、メモリゲート電極MGとパッド電極51との位置合わせマージンや寸法ばらつきマージンなどを考慮して、選択ゲート電極CGの一部領域に乗り上げた形状となっている。
メモリセル、周辺回路領域のMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)、容量素子を形成した後、半導体基板1の主面上に層間絶縁膜9を形成するが、この層間絶縁膜9の厚さは、半導体基板1の主面からの高さが最も高い素子によって決められる。一般的には、メモリセルの選択ゲート電極CGまたは周辺回路領域のMISFETのゲート電極が半導体基板1の主面上で最も高くなる。しかし、上記パッド電極51を選択ゲート電極CGの一部領域に乗り上げて形成する場合は、図128に示すように、給電境域のパッド電極51が半導体基板1の主面からの高さが最も高い部分になる。
そのため、パッド電極51の高さに合わせて、層間絶縁膜9をより厚く形成する必要があり、それに伴い、その後に形成するコンタクトホールを深く形成する必要がある。特に、半導体基板1の主面にまで達するコンタクトホールを形成する場合(図128参照)は、コンタクトホールの底付近の開口径が小さくなってしまい、その後、プラグを形成したときに、プラグの接続部分が高抵抗になる、または非導通になる恐れがある。また、層間絶縁膜9が厚いと、コンタクトホールのエッチングにおいて形成されるフォトレジストパターンの厚さ不足により、素子の上部においてコンタクトホールの形状不良が発生するという問題も想定され、その形状異常は、例えば隣接するMISFETのゲート電極同士のショート不良を引き起こす恐れがある。このような不良により、半導体装置の製造歩留まりが低下する。
以下、本発明の実施の形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施の形態1による不揮発性メモリセルの構造の一例を図1によって説明し、不揮発性メモリセルを構成するメモリゲート電極および選択ゲート電極の給電領域の構造の一例を図2および図3によって説明する。図1はチャネルをメモリゲート電極に対して交差する方向に沿って切断した不揮発性メモリセルの要部断面図、図2はメモリゲート電極および選択ゲート電極の給電領域の要部平面図、図3は図2のA−A′線に沿った要部断面図である。ここでは、サイドウォール状のメモリゲート電極を採用したスプリットゲート構造のMONOS型不揮発性メモリセルを例示している。
まず、複数のメモリセルが形成される領域(メモリセル形成領域、メモリ領域)に形成された不揮発性メモリセルの構造について図1を用いて説明する。
図1に示すように、半導体基板1は、例えばp型の単結晶シリコンからなり、その主面(デバイス形成面)の活性領域にはメモリセルMCの選択用nMIS(Qnc)とメモリ用nMIS(Qnm)とが配置されている。このメモリセルMCのドレイン領域Drmは、例えば相対的に低濃度のn−型の半導体領域2adと、そのn−型の半導体領域2adよりも不純物濃度の高い相対的に高濃度のn+型の半導体領域2bとを有している(LDD(Lightly Doped Drain)構造)。また、このメモリセルMCのソース領域Srmは、例えば相対的に低濃度のn−型の半導体領域2asと、そのn−型の半導体領域2asよりも不純物濃度の高い相対的に高濃度のn+型の半導体領域2bとを有している(LDD構造)。n−型の半導体領域2ad,2asは、メモリセルMCのチャネル領域側に配置され、n+型の半導体領域2bは、メモリセルMCのチャネル領域側からn−型の半導体領域2ad,2as分だけ離れた位置に配置されている。
このドレイン領域Drmとソース領域Srmとの間の半導体基板1の主面上には、上記選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGと、上記メモリ用nMIS(Qnm)のメモリゲート電極MGとが隣接して延在しており、その延在方向において複数のメモリセルMCは半導体基板1に形成された素子分離部STI(Shallow Trench Isolation)を介して隣接している(図2および図3参照)。メモリゲート電極MGは、選択ゲート電極CGの片側面にサイドウォール状に形成されている。選択ゲート電極CGは第1導電膜、例えばn型の低抵抗多結晶シリコンからなり、選択ゲート電極CGのゲート長は、例えば80〜120nm程度である。また、メモリゲート電極MGは第2導電膜、例えばn型の低抵抗多結晶シリコンからなり、メモリゲート電極MGのゲート長は、例えば50〜100nm程度である。また、選択ゲート電極CGの半導体基板1の主面からの高さは、例えば150〜250nm程度である。
さらに、選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの上面には、例えばニッケルシリサイド(NiSi)、コバルトシリサイド(CoSi2)等のようなシリサイド層3が形成されている。シリサイド層3の厚さは、例えば20nm程度である。スプリットゲート構造の不揮発性メモリセルでは、選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの双方に電位を供給する必要があり、その動作速度は選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの抵抗値に大きく依存する。従ってシリサイド層3を形成することにより選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの低抵抗化を図ることが望ましい。上記シリサイド層3は、ソース領域Srmまたはドレイン領域Drmを構成するn+型の半導体領域2bの上面にも形成されている。
選択ゲート電極CGと半導体基板1(pウェルHPW)の主面との間には、ゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)4が設けられている。ゲート絶縁膜4は第1絶縁膜、例えば酸化シリコンまたは酸化ハフニウム(HfSiON)などの高誘電率膜からなり、その厚さは、例えば1〜5nm程度である。
このゲート絶縁膜4下の半導体基板1(pウェルHPW)の主面には、例えばボロンが導入されてp型の半導体領域5が形成されている。p型の半導体領域5は、選択用nMIS(Qnc)のチャネル形成用の半導体領域であり、このp型の半導体領域5により選択用nMIS(Qnc)のしきい値電圧が所定の値に設定されている。
メモリゲート電極MGは、ゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)を介して選択ゲート電極CGの側面に設けられている。選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとを絶縁するこのゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)は、絶縁膜(第4絶縁膜)6b、電荷蓄積層CSL、および絶縁膜(第5絶縁膜)6tからなる積層膜(以下、絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLと記す)により構成される。また、絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを介した半導体基板1の第2領域上にメモリゲート電極MGが配置されている。なお、図1では絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLの表記を6b/CSL/6tとして表現している。
電荷蓄積層CSLは、トラップ準位を有する絶縁膜として例えば窒化シリコンからなり、その厚さは、例えば5〜20nm程度である。トラップ準位を有する絶縁膜は、窒化シリコン膜に限らず、例えば、酸化アルミニウム膜(アルミナ)、酸化ハフニウム膜または酸化タンタル膜など、窒化シリコン膜よりも高い誘電率を有する高誘電率膜を使用してもよい。電荷蓄積膜CSLとしてトラップ準位を有する絶縁膜を使用する場合、電荷は絶縁膜に形成されているトラップ準位に捕獲されることにより、絶縁膜中に電荷が蓄積される。絶縁膜6b,6tは、例えば酸化シリコンからなり、絶縁膜6bの厚さは、例えば1〜10nm程度、絶縁膜6tの厚さは、例えば4〜15nm程度である。絶縁膜6b,6tは窒素を含んだ酸化シリコンで形成することもできる。
選択ゲート電極CGの片側面(メモリゲート電極MGと反対側の側面、ドレイン領域Drm側の側面)およびメモリゲート電極MGの片側面(選択ゲート電極CGと反対側の側面、ソース領域Srm側の側面)にはそれぞれサイドウォールSWが形成されている。サイドウォールSWは、絶縁膜として例えば酸化シリコン膜7b、窒化シリコン膜7m、および酸化シリコン膜7tからなる積層膜により構成される。酸化シリコン膜7bの厚さは、例えば20nm程度、窒化シリコン膜7mの厚さは、例えば25nm程度、酸化シリコン膜7tの厚さは、例えば50nm程度である。
上記絶縁膜6b下、p型の半導体領域5とソース領域Srmとの間の半導体基板1(pウェルHPW)には、例えばヒ素またはリンが導入されてn型の半導体領域8が形成されている。n型の半導体領域8は、メモリ用nMIS(Qnm)のチャネル形成用の半導体領域であり、このn型の半導体領域8によりメモリ用nMIS(Qnm)のしきい値電圧が所定の値に設定されている。
メモリセルMCは層間絶縁膜9により覆われており、層間絶縁膜9にはドレイン領域Drmに達するコンタクトホール(第3コンタクトホール)CNTが形成されている。層間絶縁膜9は第3絶縁膜からなり、絶縁膜として例えば窒化シリコン膜9aおよび酸化シリコン膜9bからなる積層膜によって構成される。ドレイン領域Drmには、コンタクトホールCNT内に埋め込まれたプラグ(第3プラグ)PLGを介してメモリゲート電極MG(または選択ゲート電極CG)に対して交差する方向に延在する第1層配線M1が接続されている。プラグPLGは第3導電膜からなり、例えばチタンと窒化チタンとの積層膜からなる相対的に薄いバリア膜、およびそのバリア膜に包まれるように形成されたタングステンまたはアルミニウム等からなる相対的に厚い導電膜からなる積層膜によって構成される。
次に、給電領域に形成されたメモリゲート電極MGおよび選択ゲート電極CGのシャント部の構造について図2および図3を用いて説明する。
図2および図3に示すように、メモリセル形成領域に隣接して給電領域が配置されており、給電領域は素子分離部STI上に形成されている。メモリセル形成領域は、メモリセルがアレイ状に形成されている領域であり、給電領域は、メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGに電圧を供給する領域である。メモリセル形成領域に形成された選択ゲート電極CGは給電領域で終端しており、その側壁には絶縁膜6b、6tおよび電荷蓄積層CSLを介してサイドウォール状のメモリゲート電極MGが形成されている。
給電領域に形成されたメモリゲート電極MGのシャント部(以下、MGシャント部と記す)では、メモリゲート電極MGと同一層の第2導電膜からなるパッド電極PADが形成されており、給電領域に形成された選択ゲート電極CGのシャント部(以下、CGシャント部と記す)の一部領域に乗り上げた形状となっている。このパッド電極PADは、選択ゲート電極CGの側壁に自己整合によりメモリゲート電極MGを形成する工程と同じ工程で形成されており、サイドウォール状のメモリゲート電極MGとパッド電極PADとは繋がっている。
半導体基板1の主面上に形成された層間絶縁膜9には、パッド電極PADの上面に形成されたシリサイド層3に達するコンタクトホール(第1コンタクトホール)CMが形成されており、このコンタクトホールCM内に埋め込まれた第3導電膜からなるプラグ(第1プラグ)PMを介してパッド電極PADは第1層配線と電気的に接続している。
メモリセル形成領域に形成されている選択ゲート電極CGの半導体基板1の主面から選択ゲート電極CG上面までの高さを第1高さd1とする。CGシャント部は、第1高さd1を有する選択ゲート電極CG、および半導体基板1の主面から選択ゲート電極CG上面までの高さが第1高さよりも低い第2高さd2を有する選択ゲート電極CGから形成される。第1高さd1を有する選択ゲート電極CGは、メモリセル形成領域の第1高さd1を有する選択ゲート電極CGと繋がった状態で形成される。第2高さd2を有する選択ゲート電極CGは、CGシャント部の終端部に、第1高さd1を有する選択ゲート電極CGに繋がった状態で形成される。第2高さd2を有するCGシャント部の選択ゲート電極CGの一部領域に上記パッド電極PADが乗り上がっている。
給電領域は、素子分離部STI上に形成されている。これは、パッド電極PAD上にプラグPMを形成する前にコンタクトホールCMを形成する際、パッド電極PADならびに絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを突き抜けて、半導体基板1の主面に達する程のオーバーエッチングが起こったとしても、その後に形成されるプラグPMが半導体基板1と電気的に接続しないようにするためである。活性領域ACTとCGシャント部との合わせ余裕を考慮する必要があるため、メモリセル形成領域と給電領域のCGシャント部との境界部分では、終端部側の第2高さd2を有する選択ゲート電極CGに加えて、メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGと繋がる第1高さd1を有する選択ゲート電極CGも形成されている。
このように、本実施の形態1によれば、給電領域において、パッド電極PADは第1高さd1より低い第2高さd2を有する選択ゲート電極CGの一部領域に乗り上げて形成されるため、半導体基板1の主面からCGシャント部の選択ゲート電極CGの一部領域に乗り上げたパッド電極PAD上面までの高さである第3高さd3は、第1高さd1を有する選択ゲート電極CG上にパッド電極PADを乗り上げて形成する場合(図127参照)に比べて小さくなる。これにより、以下に説明する効果を得ることができる。
メモリセルおよび容量素子を形成し、その後に周辺回路領域のMISFETを形成した後、半導体基板1の主面上に層間絶縁膜9を形成するが、この層間絶縁膜9の厚さは、半導体基板1の主面からの高さが最も高い素子によって決められる。これは、層間絶縁膜9を形成する第3絶縁膜を堆積した後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて第3絶縁膜を研磨し平坦化する際の研磨量のばらつきに対するマージンを確保するためである。半導体基板1の主面からの高さが最も高い素子の上に形成される層間絶縁膜9の厚みを確保することで、CMP法を用いて研磨するときの研磨量のばらつきにより素子表面も研磨されてしまうという問題を回避しているのである。一般的には、半導体基板1の主面からの高さが最も高い素子は、メモリセルの選択ゲート電極CGまたは周辺回路領域のMISFETのゲート電極となるが、パッド電極PADを選択ゲート電極CGの一部領域に乗り上げて形成する場合は、乗り上げたパッド電極PAD部分が半導体基板1の主面からの高さが最も高い素子になる。
しかし、本実施の形態1では、前述したように、メモリセル形成領域に形成された第1高さd1を有する選択ゲート電極CGに対し、給電領域に形成された選択ゲート電極CGの一部を第1高さd1より低い第2高さd2になるように形成し、第2高さd2を有する選択ゲート電極CGの一部領域に乗り上げてパッド電極PADを形成しているため、第3高さd3を小さくすることができる。それゆえ、その後に形成する層間絶縁膜9の厚みを厚く形成しなくても、上記マージンを確保できる。従って、その後に形成するコンタクトホールの深さが深くならず、コンタクトホールの底付近の開口径を確保することができる。コンタクトホールの底付近の開口径を確保することにより、コンタクトホールに導電膜を埋め込んで形成されるプラグが接続部分と高抵抗になる、または非導通になることを防止することができる。また、層間絶縁膜9を厚く形成しなくてもよいので、コンタクトホールを形成するためのエッチングを行う際に、フォトレジストパターンの厚さ不足によってパッド電極PADに形状不良が発生することを防止することができる。
ここで上記効果を有するための第1高さd1、第2高さd2、および第3高さd3の条件を考える。給電領域において選択ゲート電極CGに乗り上げるようにパッド電極PADを形成した場合、パッド電極PADの上面に形成されたシリサイド層3の表面部分が半導体基板1の主面からの高さが最も高くなる部分になる。前述したように、半導体基板1の主面からの高さが最も高くなる素子の高さを低減することができればよいので、d1>d2であれば、上記効果を有することになる。また、d1>d2の関係を満たしている中で、さらに、d1≧d3の関係を満たしていれば、パッド電極PADを形成しても、形成する前と比較して、半導体基板1の主面からの高さを増加させることにならないため、さらに望ましいと言える。
図2および図3に示されるように、本実施の形態1におけるパッド電極PADは、選択ゲートCGが延在する方向と同じ方向にメモリゲート電極MGと同一層の第2導電膜を引き伸ばした状態で形成している。しかし、本実施の形態1におけるパッド電極PADの形状は、選択ゲート電極CGが延在する方向と同じ方向にパッド電極PADを引き伸ばす場合のみに限定されるものではなく、例えば選択ゲート電極CGが延在する方向に対して交差する方向にパッド電極PADを引き伸ばして形成することも可能である。
次に、本実施の形態1による給電領域の第1変形例を図4に示す給電領域の要部断面図を用いて説明する。
前述の図2および図3を用いて説明した給電領域のCGシャント部では、メモリセル形成領域とCGシャント部分との境界部分を除いて、CGシャント部のほぼ全領域において、選択ゲート電極CGの厚さを第2高さd2とし、この第2高さd2を有するCGシャント部の選択ゲート電極CGの上面に形成されたシリサイド層3に達するコンタクトホールCCが形成されている。一方、図4に示した給電領域の第1変形例では、CGシャント部に第2高さd2の選択ゲート電極CGと第1高さd1を有する選択ゲート電極CGとを形成し、第2高さd2を有するCGシャント部の選択ゲート電極CGの一部領域に乗り上げてパッド電極PADを形成し、第1高さd1を有するCGシャント部の選択ゲート電極CGの上面に形成されたシリサイド層3に達するコンタクトホールCCを形成している。
第2高さd2を有するCGシャント部の選択ゲート電極CGに達するコンタクトホールCCを形成する場合は(図2および図3参照)、コンタクトホールCCの深さが他のコンタクトホールの深さと近くなり、寸法シフト量を小さく抑えることができるので、ほぼ設定したサイズに近い径を有するコンタクトホールCCを形成することができる。
これに対して、第1高さd1を有するCGシャント部の選択ゲート電極CGに達するコンタクトホールCCを形成する第1変形例の場合は、コンタクトホールCCの径が他のコンタクトホールの径よりも大きくなる傾向がある。そのため、コンタクトホールCCとCGシャント部の選択ゲート電極CGとの合わせ余裕を考慮して、CGシャント部の選択ゲート電極CGのレイアウトを大きくする必要がある。しかし、コンタクトホールCCの径が大きくなることにより、コンタクトホールCC内に埋め込まれるプラグPCと選択ゲート電極CGの上面に形成されるシリサイド層3との接続抵抗を小さくすることができる。
本実施の形態1による給電領域の第2変形例を図5および図6を用いて説明する。図5は、給電領域の第2変形例を説明する要部平面図、図6は、図5のB−B′線に沿った要部断面図(メモリゲート電極MGおよび選択ゲート電極CGのシャント部の要部断面図)である。給電領域の第2変形例では、2つのメモリセル形成領域に共有する1つの給電領域に、本願発明を適用した場合について説明する。
例えば第1メモリセル形成領域と第2メモリセル形成領域とが並んで配置されており、第1メモリセル形成領域と第2メモリセル形成領域との間に挟まれるように給電領域が配置されている。なお、図5および図6には、第1、第2メモリセル形成領域の一方のみを示している。給電領域は素子分離部STI上に形成されている。第1および第2メモリセル形成領域は、それぞれメモリセルがアレイ状に形成されている領域であり、給電領域は、第1メモリセル形成領域および第2メモリセル形成領域に電圧を供給する領域である。第1メモリセル形成領域に形成された選択ゲート電極CGと第2メモリセル形成領域に形成された選択ゲート電極CGとは給電領域で終端しており、第1メモリセル形成領域に形成された選択ゲート電極CGの終端部と第2メモリセル形成領域に形成された選択ゲート電極CGの終端部とは、一直線上に配置されている。選択ゲート電極CGの側壁には絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを介してサイドウォール状のメモリゲート電極MGが形成されている。
給電領域に形成されたMGシャント部では、メモリゲート電極MGと同一層の第2導電膜からなるパッド電極PADが形成されており、給電領域に形成された第2高さd2を有する第1CGシャント部(第1メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの終端部)の一部領域および第2高さd2を有する第2CGシャント部(第2メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの終端部)の一部領域の両者に乗り上げた形状となっている。このパッド電極PADは、選択ゲート電極CGの側壁に自己整合によりメモリゲート電極MGを形成する工程と同じ工程で形成されており、サイドウォール状のメモリゲート電極MGとパッド電極PADとは繋がっている。従って、パッド電極PADを介して、第1CGシャント部の選択ゲート電極CGの側壁に形成されたメモリゲート電極MGと第2CGシャント部の選択ゲート電極CGの側壁に形成されたメモリゲート電極MGとは電気的に接続されている。
半導体基板1の主面上に形成された層間絶縁膜9にはパッド電極PADの上面に形成されたシリサイド層3に達するコンタクトホールCMが形成されており、このコンタクトホールCM内に埋め込まれた第3導電膜からなるプラグPMを介してパッド電極PADは第1層配線と電気的に接続している。このとき、図6に示すように、パッド電極PADの側壁には、サイドウォールSWが形成される。そのため、第1CGシャント部と第2CGシャント部との距離が近過ぎると、サイドウォールSWにより、コンタクトホールCMを形成する領域が埋まってしまう。その場合、コンタクトホールCMを形成する際のエッチングストッパ膜として機能する絶縁膜(図6では省略)がサイドウォールSW上にさらに形成され、所望のコンタクトホールCMを形成することが困難になる。従って、サイドウォールSWが形成されても、コンタクトホールCMが形成される領域は確保されるように、第1CGシャント部と第2CGシャント部との距離を設定する必要がある。
さらに、前述の図2および図3を用いて説明した給電領域と同様に、パッド電極PADが乗り上げた第1および第2CGシャント部の選択ゲート電極CGの半導体基板1の主面から選択ゲート電極CG上面までの第2高さd2が、メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの半導体基板1の主面から選択ゲート電極CG上面までの第1高さd1よりも低くなるように形成されている。
このように、2つのメモリセル形成領域を共有する給電領域においても、d1>d2の関係を満たしているので、第3高さd3を小さくすることができて、層間絶縁膜9の厚みを厚く形成する必要がなくなる。これにより、前述の図2および図3を用いて説明したように、プラグの底面における高抵抗化および非導通、またはパッド電極PADの形状不良を防ぐことができる。
さらに、第2変形例のようなパッド電極PADを形成するには、パッド電極PADを形成する第2導電膜を加工する際のフォトレジストパターンを形成するために、フォトリソグラフィのフォーカスを第1CGシャント部および第2CGシャント部に乗り上げた第2導電膜で合わせることができる。従って、フォトリソグラフィのフォーカスを合わせる際の段差がないため、フォトリソグラフィにおけるフォーカスの精度が向上し、第2導電膜を加工して形成されるパッド電極PADの形状不良を防ぐことができる。
本実施の形態1による給電領域の第3変形例を図7に示す給電領域の要部断面図を用いて説明する。給電領域の第3変形例は、給電領域の第2変形例と同様に、2つのメモリセル形成領域に共有する給電領域である。しかし、この給電領域において、第1CGシャント部(第1メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの終端部)と第2CGシャント部(第2メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの終端部)との間にダミー部DMYが形成されている。そして、第1メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの終端部と、ダミー部DMYと、第2メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの終端部とは、一直線上に配置されている。
このダミー部DMYは、選択ゲート電極CGと同一層の第2導電膜により形成されているが、第1CGシャント部の選択ゲート電極CGまたは第2CGシャント部の選択ゲート電極CGとは電気的に接続せず、離間して形成されている。半導体基板1の主面からダミー部DMYの上面までの高さは、第1および第2CGシャント部の選択ゲート電極CGの半導体基板1の主面から選択ゲート電極CG上面までの第2高さd2とほぼ同じである。
また、前述の図5および図6を用いて説明した給電領域と同様に、パッド電極PADが乗り上げた第1および第2CGシャント部の半導体基板1の主面から選択ゲート電極CG上面までの第2高さd2が、メモリセル形成領域の半導体基板1の主面から選択ゲート電極CG上面までの第1高さd1よりも低くなるように形成されている。
給電領域に形成されたMGシャント部では、メモリゲート電極MGと同一層の第2導電膜からなるパッド電極PADが、第1CGシャント部の選択ゲート電極CG、ダミー部DMY、および第2CGシャント部の選択ゲート電極CGに乗り上げた形状となる。また、半導体基板1の主面上に形成された層間絶縁膜9にはパッド電極PADの上面に形成されたシリサイド層3に達するコンタクトホールCMが形成されている。このコンタクトホールCMは、ダミー部DMY上のパッド電極PADの上面に形成されたシリサイド層3に達するように形成されている。
このように、第1CGシャント部と第2CGシャント部との間にダミー部DMYを配置した場合においても、2つのメモリセル形成領域に共有する給電領域においてd1>d2の関係を満たし、かつ、半導体基板1の主面からダミー部DMYの上面までの高さも第2高さd2とほぼ同じで、第1高さd1より小さいので、第3高さd3を小さくすることができて、層間絶縁膜9の厚みを厚く形成する必要がなくなる。これにより、プラグの底面における高抵抗化および非導通、またはパッド電極PADの形状不良を防ぐことができる。また、それに加えて、本第3変形例の場合は、ダミー部DMY上のパッド電極PADの上面に形成されたシリサイド層3に達するコンタクトホールCMを形成することにより、コンタクトホールCMの径を大きく形成することができるので、コンタクトホールCM内に埋め込まれるプラグPMとパッド電極PADの上面に形成されたシリサイド層3との接続抵抗を小さくすることができる。
さらに、第2変形例と同様に、第3変形例のようなパッド電極PADを形成するには、パッド電極PADを形成する第2導電膜を加工する際のフォトレジストパターンを形成するために、フォトリソグラフィのフォーカスを第1CGシャント部および第2CGシャント部に乗り上げた第2導電膜で合わせることができる。従って、フォトリソグラフィのフォーカスを合わせる際の段差がないため、フォトリソグラフィにおけるフォーカスの精度が向上し、第2導電膜を加工して形成されるパッド電極PADの形状不良を防ぐことができる。
次に、本実施の形態1による不揮発性メモリセルを有する半導体装置の製造方法の一例を図8〜図26を用いて工程順に説明する。図8〜図26は半導体装置の製造工程中におけるメモリ領域、給電領域(MGシャント部およびCGシャント部)、容量素子領域および周辺回路領域(低圧系nMIS領域、低圧系pMIS領域、高圧系nMIS領域、および高圧系pMIS領域)の要部断面図である。メモリ領域および周辺回路領域においては、ゲート長方向の断面図を示し、給電領域においては、図2および図3と同様に、ゲート長方向に垂直な方向の断面図を示している。周辺回路領域に形成されるMISFETは、CPU等のプロセッサ、論理回路、入出力回路、デコーダおよびセンスアンプ等のメモリの周辺回路、昇圧回路等を構成する。
まず、図8に示すように、半導体基板(この段階では半導体ウエハと称する平面略円形状の半導体の薄板)1の主面に、例えば溝型の素子分離部STIおよびこれに取り囲まれるように配置された活性領域ACT等を形成する。すなわち半導体基板1の所定箇所に分離溝を形成した後、半導体基板1の主面上に、例えば酸化シリコン等の絶縁膜を堆積し、さらにその絶縁膜が分離溝内のみに残されるように、絶縁膜をCMP法等によって研磨することで、分離溝内に絶縁膜を埋め込む。このようにして素子分離部STIを形成する。この素子分離部STIは、給電領域および容量素子領域の半導体基板1にも形成される。
次に、図9に示すように、周辺回路領域の半導体基板1にn型不純物を選択的にイオン注入することにより、埋め込みnウェルNISOを形成する。続いてメモリ領域および高圧系nMIS領域の半導体基板1にp型不純物を選択的にイオン注入することによりpウェルHPWを形成し、高圧系pMIS領域の半導体基板1にn型不純物を選択的にイオン注入することによりnウェルHNWを形成する。同様に、低圧系nMIS領域の半導体基板1にp型不純物を選択的にイオン注入することによりpウェルPWを形成し、低圧系pMIS領域の半導体基板1にn型不純物を選択的にイオン注入することによりnウェルNWを形成する。
次に、メモリ領域の半導体基板1にp型不純物、例えばボロンを選択的にイオン注入する。これによりメモリ領域の半導体基板1に、選択用nMIS(Qnc)のチャネル形成用のp型の半導体領域5を形成する。同様に、周辺回路領域の低圧系nMIS領域、低圧系pMIS領域、高圧系nMIS領域および高圧系pMIS領域のそれぞれの半導体基板1に所定の不純物をイオン注入する。これにより、周辺回路領域の低圧系nMIS領域、低圧系pMIS領域、高圧系nMIS領域および高圧系pMIS領域のそれぞれの半導体基板1にチャネル形成用の半導体領域Dcを形成する。
次に、半導体基板1に対して酸化処理を施すことにより、半導体基板1の主面に、例えば酸化シリコンからなる厚さ20nm程度のゲート絶縁膜4Aを形成する。続いてメモリ領域、低圧系nMIS領域および低圧系pMIS領域のゲート絶縁膜4Aを除去した後、半導体基板1に対して酸化処理を施す。これにより、メモリ領域の半導体基板1の主面に、絶縁膜として例えば酸化シリコンからなる厚さ1〜5nm程度のゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)4を形成し、同時に、低圧系nMIS領域および低圧系pMIS領域の半導体基板1の主面に、絶縁膜として例えば酸化シリコンからなる厚さ1〜5nm程度のゲート絶縁膜(第3ゲート絶縁膜)4を形成する。ゲート絶縁膜4は、酸化シリコンに限らず、酸化ハフニウム(HfSiON)などの高誘電率膜で形成してもよい。
次に、図10に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば非晶質シリコンからなる導電膜10をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により堆積した後、メモリ領域、給電領域および容量素子領域の導電膜10にn型不純物をイオン注入法等によって導入することにより、n型の導電膜(第1導電膜)10nを形成する。導電膜10,10nの厚さは、例えば140nm程度である。
次に、図11に示すように、メモリ領域、給電領域、および容量素子領域のn型の導電膜10nをリソグラフィ技術およびドライエッチング技術によりパターニングする。これにより、メモリ領域および給電領域に、n型の導電膜10nからなる選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGを形成する。メモリ領域の選択ゲート電極CGのゲート長は、例えば100nm程度である。同時に、容量素子領域にn型の導電膜10nからなる下部電極10Eを形成する。
次に、図12に示すように、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを用いて、給電領域のCGシャント部および容量素子領域のn型の導電膜10n、ならびに周辺回路領域の導電膜10を所定の厚さ(第2高さd2)まで薄くする。
次に、選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CG、ならびにフォトレジストパターンをマスクとして、メモリ領域の半導体基板1の主面にn型不純物、例えばヒ素またはリンをイオン注入することにより、メモリ用nMIS(Qnm)のチャネル形成用のn型の半導体領域8を形成する。
次に、図13に示すように、半導体基板1の主面上に、絶縁膜として例えば酸化シリコンからなる絶縁膜6b、トラップ準位を有する絶縁膜として例えば窒化シリコンからなる電荷蓄積層CSL、および絶縁膜として例えば酸化シリコンからなる絶縁膜6tを順次形成する。絶縁膜6bは、例えば熱酸化法またはISSG酸化法により形成され、電荷蓄積層CSLはCVD法により形成され、絶縁膜6tは、例えばCVD法またはISSG酸化法により形成される。絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLの合計の厚さは、例えば20nm程度を例示することができる。また、絶縁膜6b,6tは窒素を含んだ酸化シリコンで形成してもよく、電荷蓄積層CSLは、例えば酸化アルミニウム膜(アルミナ)、酸化ハフニウム膜または酸化タンタル膜など、窒化シリコン膜よりも高い誘電率を有する高誘電率膜を使用してもよい。
次に、半導体基板1の主面上に低抵抗多結晶シリコンからなる第2導電膜を堆積する。この第2導電膜はCVD法により形成され、その厚さは、例えば50nm程度である。
次に、フォトリソグラフィおよび異方性のドライエッチングを用いて、この第2導電膜を加工する。これにより、メモリ領域および給電領域のCGシャント部では、選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGの両側面に絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを介してサイドウォール11を形成する。同時に、給電領域のMGシャント部では、給電領域のCGシャント部において前述の図12に示されるエッチングにより低く形成された一部領域をフォトレジストパターンRPで覆うことにより、絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを介してパッド電極PADを形成する。さらに、容量素子領域では、下部電極10EをフォトレジストパターンRPで覆うことにより、絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを介して上部電極11Eを形成する。
前述の図12で示される工程によって、CGシャント部の導電膜10が第2高さd2となるように薄く形成されているので、その部分に形成された第2導電膜は、前述の図12で示される工程でエッチングされなかった領域上に形成された第2導電膜よりも半導体基板1の主面からの高さが低い位置に形成されている。従って、CGシャント部の導電膜10を薄くしないで、その上に第2導電膜を形成する場合と比較して、CGシャント部でフォトレジストパターンRPを形成する領域の段差が小さくなるため、段差によるフォトリソグラフィにおけるフォーカスずれが低減し、フォトレジストパターンRPの加工精度が向上して、第2導電膜を加工して形成されるパッド電極PADの形状不良を防ぐことができる。
次に、図14に示すように、フォトレジストパターンをマスクとして、そこから露出するサイドウォール11をエッチングする。これにより、メモリ領域では、選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGの片側面のみにメモリ用nMIS(Qnm)のメモリゲート電極MG(サイドウォール11)を形成する。メモリゲート電極MGのゲート長は、例えば65nm程度である。
次に、メモリ領域では、選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間および半導体基板1とメモリゲート電極MGとの間、給電領域のMGシャント部では、選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間および素子分離部STIとメモリゲート電極MGとの間、容量素子領域では、下部電極10Eと上部電極11Eとの間のそれぞれの絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを残して、その他の領域の絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを選択的にエッチングする。
容量素子領域では、絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを容量絶縁膜(誘電体膜)として、選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGと同一層の第1導電膜からなる下部電極10Eと、メモリ用nMIS(Qnm)のメモリゲート電極MGと同一層の第2導電膜からなる上部電極11Eとからなる容量素子が形成される。容量素子は、例えば入力電圧よりも高い電圧を出力する電源回路に使用されるチャージポンプ回路を構成する。チャージポンプ回路は、複数の容量素子の接続状態をスイッチなどを用いて切り替えることによって電圧を上昇させることができる。また、容量素子は、半導体基板1に形成された素子分離部STI上に形成されており、基板部分と下部電極10Eとからなる寄生容量は無視できる程小さいことから、安定して上記の動作を行うことができる。さらに、後の工程で形成される上部電極11Eに達するコンタクトホールの位置および下部電極10Eに達するコンタクトホールの位置が、フォトレジストパターンのずれ等によりずれたとしても、素子分離部STI上にずれるので、コンタクトホールを介して配線と半導体基板1とが短絡することもない。
次に、図15に示すように、周辺回路領域の低圧系nMIS領域および高圧系nMIS領域の導電膜10にn型不純物をイオン注入法等によって導入することにより、n型の導電膜10naを形成する。また、周辺回路領域の低圧系pMIS領域および高圧系pMIS領域の導電膜10にp型不純物をイオン注入法等によって導入することにより、p型の導電膜10pを形成する。
次に、図16に示すように、周辺回路領域の導電膜10na,10pをフォトリソグラフィおよびドライエッチングを用いてパターニングすることにより、導電膜10naからなる低圧系nMISのゲート電極GLn、導電膜10pからなる低圧系pMISのゲート電極GLp、導電膜10naからなる高圧系nMISのゲート電極GHnおよび導電膜10pからなる高圧系pMISのゲート電極GHpを形成する。活性領域における低圧系nMISのゲート電極GLnおよび低圧系pMISのゲート電極GLpのゲート長は、例えば100nm程度であり、高圧系nMISのゲート電極GHnおよび高圧系pMISのゲート電極GHpのゲート長は、例えば400nm程度である。
微細化によりMISのゲート長が短くなっていることから、この工程で周辺回路領域の導電膜10na,10pをエッチングする際のレジストパターンは非常に薄く形成される。パッド電極PADは半導体基板1の主面上の他の素子に比べて、選択ゲート電極CGに乗り上げて形成される分、高い位置に形成され、その段差の影響により、パッド電極PAD上のレジストパターンが所望の厚さに形成されず、薄くなる場合がある。その場合、ゲート電極GLn,GLp,GHn,GHpをエッチングするときに、レジストパターンがエッチングによりなくなる恐れがある。パッド電極PADは導電膜10na,10pと同じ低抵抗多結晶シリコンから形成されているので、パッド電極PAD上のレジストパターンがなくなった場合、パッド電極PADが削れて、パッド電極PADの形状不良が発生するという問題が起こりうる。
しかし、本実施の形態1においては、パッド電極PADを、エッチングにより薄く形成した選択ゲート電極CG上に乗り上げて形成しているので、パッド電極PADを形成したときのパッド電極PADの半導体基板1の主面からパッド電極PADの上面までの第3高さd3が低く形成される。従って、段差が低減され、レジストパターンを所望の厚さに形成し易く、パッド電極PADの形状不良が発生するという問題を回避することができる。また、前述の図12に示される工程によって、導電膜10はエッチングされ、薄く形成されている。そのため、この工程において、ゲート電極GLn,GLp,GHn,GHpを形成するときに、導電膜10na,10pのエッチング量が少なくなるので、レジストパターンがなくなりにくく、パッド電極PAD上のレジストパターンがなくなってしまうという問題を回避することができる。
次に、周辺回路領域の高圧系nMIS領域の半導体基板1の主面に、フォトレジストパターンをマスクとしてn型不純物、例えばヒ素を半導体基板1の主面にイオン注入することにより、周辺回路領域の高圧系nMIS領域の半導体基板1の主面にn−型の半導体領域13をゲート電極GHnに対して自己整合的に形成する。同様に、周辺回路領域の高圧系pMIS領域の半導体基板1の主面に、フォトレジストパターンをマスクとしてp型不純物、例えばフッ化ボロンを半導体基板1の主面にイオン注入することにより、周辺回路領域の高圧系pMIS領域の半導体基板1の主面にp−型の半導体領域14をゲート電極GHpに対して自己整合的に形成する。
次に、図17に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば酸化シリコンからなる厚さ10nm程度の絶縁膜をCVD法により堆積した後、この絶縁膜を異方性のドライエッチングで加工する。これにより、メモリ領域では、選択ゲート電極CGのメモリゲート電極MGと反対側の側面ならびにメモリゲート電極MGの側面に、給電領域のMGシャント部では、パッド電極PADの側面に、容量素子領域では、上部電極11Eの側面に、周辺回路領域では、低圧系nMISのゲート電極GLn、低圧系pMISのゲート電極GLp、高圧系nMISのゲート電極GHnおよび高圧系pMISのゲート電極GHpの両側面にそれぞれサイドウォール15を形成する。サイドウォール15のスペーサ長は、例えば6nm程度である。これにより、選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGと半導体基板1との間のゲート絶縁膜4の露出していた側面、ならびにメモリ用nMIS(Qnm)のメモリゲート電極MGと半導体基板1との間の絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLの露出していた側面をサイドウォール15によって覆うことができる。このサイドウォール15が形成されることによって、後述の周辺回路領域の低圧系nMIS領域にn−型の半導体領域を形成する工程および低圧系pMIS領域にp−型の半導体領域を形成する工程において、n−型の半導体領域およびp−型の半導体領域の実効チャネル長を大きくでき、低圧系nMISおよび低圧系pMISの短チャネル効果を抑制することができる。
次に、その端部がメモリ領域の選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGの上面に位置してメモリ用nMIS(Qnm)のメモリゲート電極MG側の選択ゲート電極CGの一部およびメモリゲート電極MGを覆うフォトレジストパターン16を形成した後、選択ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびフォトレジストパターン16をマスクとしてn型不純物、例えばヒ素を半導体基板1の主面にイオン注入することにより、半導体基板1の主面にn−型の半導体領域2adを選択ゲート電極CGに対して自己整合的に形成する。
次に、図18に示すように、フォトレジストパターン16を除去した後、その端部がメモリ領域の選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGの上面に位置してメモリ用nMIS(Qnm)のメモリゲート電極MGと反対側の選択ゲート電極CGの一部を覆うフォトレジストパターン17を形成した後、選択ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびフォトレジストパターン17をマスクとしてn型不純物、例えばヒ素を半導体基板1の主面にイオン注入することにより、半導体基板1の主面にn−型の半導体領域2asをメモリゲート電極MGに対して自己整合的に形成する。
ここでは、先にn−型の半導体領域2adを形成し、その後n−型の半導体領域2asを形成したが、先にn−型の半導体領域2asを形成し、その後n−型の半導体領域2adを形成してもよい。また、n−型の半導体領域2adを形成するn型不純物のイオン注入に続いて、p型不純物、例えばボロンを半導体基板1の主面にイオン注入し、n−型の半導体領域2adの下部を囲むようにp型の半導体領域を形成してもよい。
次に、図19に示すように、周辺回路領域の低圧系nMIS領域の半導体基板1の主面に、フォトレジストパターンをマスクとしてn型不純物、例えばヒ素を半導体基板1の主面にイオン注入することにより、周辺回路領域の低圧系nMIS領域の半導体基板1の主面にn−型の半導体領域18をゲート電極GLnに対して自己整合的に形成する。同様に、周辺回路領域の低圧系pMIS領域の半導体基板1の主面に、フォトレジストパターンをマスクとしてp型不純物、例えばフッ化ボロンを半導体基板1の主面にイオン注入することにより、周辺回路領域の低圧系pMIS領域の半導体基板1の主面にp−型の半導体領域19をゲート電極GLpに対して自己整合的に形成する。
次に、図20に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば酸化シリコン膜7b、窒化シリコン膜7mおよび酸化シリコン膜7tをCVD法により順次堆積し、これらを異方性のドライエッチングでエッチバックする。これにより、メモリ領域では、選択ゲート電極CGのメモリゲート電極MGと反対側の側面ならびにメモリゲート電極MGの側面に、給電領域のMGシャント部では、パッド電極PADの側面に、容量素子領域では、上部電極11Eの側面に、周辺回路領域では、低圧系nMISのゲート電極GLn、低圧系pMISのゲート電極GLp、高圧系nMISのゲート電極GHnおよび高圧系pMISのゲート電極GHpの両側面にそれぞれサイドウォールSWを形成する。酸化シリコン膜7bの厚さは、例えば20nm程度、窒化シリコン膜7mの厚さは、例えば25nm程度および酸化シリコン膜7tの厚さは、例えば50nm程度である。
次に、図21に示すように、周辺回路領域の低圧系pMIS領域および高圧系pMIS領域の半導体基板1の主面に、フォトレジストパターン20をマスクとしてp型不純物、例えばボロンまたはフッ化ボロンを半導体基板1の主面にイオン注入することにより、低圧系pMISのゲート電極GLpおよび高圧系pMISのゲート電極GHpに対してp+型の半導体領域21を自己整合的に形成する。これにより、p−型の半導体領域14とp+型の半導体領域21とからなる高圧系pMISのソース・ドレイン領域SDが形成され、p−型の半導体領域19とp+型の半導体領域21とからなる低圧系pMISのソース・ドレイン領域SDが形成される。
次に、図22に示すように、メモリ領域、ならびに周辺回路領域の低圧系nMIS領域および高圧系nMIS領域の半導体基板1の主面に、フォトレジストパターン22をマスクとしてn型不純物、例えばヒ素およびリンを半導体基板1の主面にイオン注入することにより、メモリ領域では、n+型の半導体領域2bを選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGおよびメモリ用nMIS(Qnm)のメモリゲート電極MGに対して自己整合的に形成し、周辺回路領域では、低圧系nMISのゲート電極GLnおよび高圧系nMISのゲート電極GHnに対してn+型の半導体領域23を自己整合的に形成する。これにより、メモリ領域では、n−型の半導体領域2adおよびn+型の半導体領域2bからなるドレイン領域Drm、n−型の半導体領域2asおよびn+型の半導体領域2bからなるソース領域Srmが形成される。また、周辺回路領域では、n−型の半導体領域13とn+型の半導体領域23とからなる高圧系nMISのソース・ドレイン領域SDが形成され、n−型の半導体領域18とn+型の半導体領域23とからなる低圧系nMISのソース・ドレイン領域SDが形成される。
次に、図23に示すように、メモリ領域では、メモリ用nMIS(Qnm)のメモリゲート電極MGの上面、選択ゲート電極CGの上面、およびn+型の半導体領域2bの上面に、給電領域では、MGシャント部のパッド電極PADの上面、ならびにCGシャント部の選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGの上面に、周辺回路領域では、低圧系nMISのゲート電極GLnの上面およびn+型の半導体領域23の上面、低圧系pMISのゲート電極GLpの上面およびp+型の半導体領域21の上面、高圧系nMISのゲート電極GHnの上面およびn+型の半導体領域23の上面、ならびに高圧系pMISのゲート電極GHpの上面およびp+型の半導体領域21の上面に、容量素子領域では、上部電極11Eの選択ゲート電極CGおよびサイドウォールSWとは平面的に重ならない部分の上面にシリサイド層3がサリサイド(Salicide:Self Align silicide)プロセスにより形成される。シリサイド層3としては、例えばニッケルシリサイドまたはコバルトシリサイド等が使用される。
シリサイド層3を形成することにより、シリサイド層3と、その上部に形成されるプラグ等との接続抵抗を低減することができる。また、メモリ領域では、メモリ用nMIS(Qnm)のメモリゲート電極MG、ソース領域Srmおよびドレイン領域Drm自身の抵抗を低減することができる。さらに、周辺回路領域では、低圧系nMISのゲート電極GLn、低圧系pMISのゲート電極GLp、高圧系nMISのゲート電極GHnおよび高圧系pMISのゲート電極GHp自身の抵抗やソース・ドレイン領域SD自身の抵抗を低減することができる。
ここまでの工程により、本実施の形態1によるメモリセル、容量素子、ならびに周辺回路領域に形成される低圧系nMIS、低圧系pMIS、高圧系nMIS、および高圧系pMISが略完成する。
前述の図3で説明したように、メモリセルの半導体基板1の主面から選択ゲート電極CG上面までの高さは第1高さd1である。給電領域のCGシャント部は、第1高さd1を有する選択ゲート電極CG、および半導体基板1の主面から選択ゲート電極CG上面までの高さが第1高さd1よりも低い第2高さd2を有する選択ゲート電極CGから形成される。メモリゲート電極MGと接続しているパッド電極PADは、第2高さd2を有する選択ゲート電極CGに乗り上げて形成されている。第2高さd2は第1高さd1よりも低いため、パッド電極PADは、第1高さd1を有する選択ゲート電極CGに乗り上げて形成する場合よりも低く形成することができる。容量素子領域においては、第2高さd2を有し、導電膜10からなる下部電極10E上に絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLからなる容量絶縁膜が形成され、その上に第2導電膜からなる上部電極11Eが形成されている。下部電極10Eの高さは、前述の図12に示される工程において、第1高さd1から第2高さd2となるようにエッチングで低く形成され、その後に容量絶縁膜および上部電極11Eを形成するため、容量素子全体の半導体基板1の主面からの高さを低く形成することができる。
これらにより、半導体基板1の主面上に形成されている素子の最大高さが低くなり、この後の工程で形成する層間絶縁膜9の厚みを厚く形成しなくても、層間絶縁膜9を形成する第3絶縁膜をCMP法により研磨するときのマージンを確保することが可能になる。従って、層間絶縁膜9に深いコンタクトホールを形成する場合でも、コンタクトホールの底付近の開口径を確保することができ、コンタクトホールに導電膜を埋め込んで形成されるプラグが接続部分と高抵抗になる、または非導通になることを防止することができる。また、コンタクトホールを形成するためのエッチングを行う際に、フォトレジストパターンの厚さ不足によってパッド電極PADに形状不良が発生することを防止することができる。
この効果を有するには、前述の図12に示される工程において、導電膜10をエッチングすることにより、選択ゲート電極CGの高さに関してd1>d2という条件が成り立てばよい。一方、上記条件に加えて、半導体基板1の主面からCGシャント部の選択ゲート電極CGの一部領域に乗り上げたパッド電極PAD上面までの高さであり、かつ、半導体基板1の主面から容量素子の上部電極11Eの上面までの高さである第3高さd3と第1高さd1との関係において、d1≧d3という条件が成り立つことがより望ましい。これは、d1≧d3という条件が成り立てば、パッド電極PADまたは上部電極11Eを形成した場合においても、これらを形成する前と比較して、半導体基板1の主面からの高さを増加させることにならないため、層間絶縁膜9の厚みを厚く形成することによる上記不都合を回避できるためである。一方、周辺回路領域のMISFET(低圧系nMIS、低圧系pMIS、高圧系nMIS、および高圧系pMIS)のゲート電極GLn,GLp,GHn,GHpの高さも、前述の図12に示される工程によって、第2高さd2になるようにエッチングされ、薄く形成されている。そのため、前述の図16に示す工程において、ゲート電極GLn,GLp,GHn,GHpをエッチングするときに、エッチング量が少なくなるので、レジストパターンがなくなりにくく、例えば他の素子に比べて高く形成されるパッド電極PAD上のレジストパターンがエッチング中になくなってしまうという問題を回避することができる。
次に、図24に示すように、半導体基板1の主面上に、絶縁膜として窒化シリコン膜9aをCVD法により堆積する。この窒化シリコン膜9aは、後述のコンタクトホールを形成する際に、エッチングストッパとして機能する。
続いて図25に示すように、絶縁膜として酸化シリコン膜9bをCVD法により堆積して、酸化シリコン膜9bをCMP法により研磨することによって、窒化シリコン膜9aおよび酸化シリコン膜9bからなる層間絶縁膜9を形成する。前述したように、パッド電極PADの高さが前述の図127(b)の場合と比較して、低く形成されているため、半導体基板1の主面上の素子全体の高さが低くなり、酸化シリコン膜9bを厚く堆積しなくても、その後のCMP法による研磨のマージンを確保することができる。同様のことが、容量素子の上部電極11Eに関しても言える。
次に、図26に示すように、メモリ領域では、ドレイン領域Drm上のシリサイド層3に達するコンタクトホールCNTを層間絶縁膜9に形成する。同時に、給電領域では、CGシャント部の選択ゲート電極CG上のシリサイド層3に達するコンタクトホールCCを形成し、MGシャント部のパッド電極PAD上のシリサイド層3に達するコンタクトホールCMを層間絶縁膜9に形成する。
さらに、周辺回路領域では、高圧系nMIS、高圧系pMIS、低圧系nMIS、および低圧系pMISにおいて、それぞれのゲート電極(GHn、GHp、GLn、GLp)上およびソース・ドレイン領域SD上のシリサイド層3に達するコンタクトホールCAを形成する。図26では、説明簡略化のため、低圧系nMISおよび低圧系pMISのソース・ドレイン領域SDに達するコンタクトホールCAを例示している。
また、容量素子領域では、上部電極11Eと下部電極10Eとが平面的に重ならない部分において、上部電極11Eおよび下部電極10Eのそれぞれの上面のシリサイド層3に達するコンタクトホールCBを形成する。図26では、説明簡略化のため、上部電極11Eに達するコンタクトホールCBを例示している。
このとき、前述の図24および図25で形成した層間絶縁膜9が前述の図127(b)の場合と比較して低く形成されているため、例えばコンタクトホールCNTなどの深いコンタクトホールを層間絶縁膜9に形成する場合でも、コンタクトホールの底付近の開口径を確保することができる。また、コンタクトホールを形成するためのエッチングを行う際に、フォトレジストパターンの厚さ不足によってパッド電極PADに形状不良が発生することを防止することができる。
次に、コンタクトホールCNT内にプラグPLG、コンタクトホールCC内にプラグPC、コンタクトホールCM内にプラグPM、コンタクトホールCA内にプラグPA、コンタクトホールCB内にプラグPBを形成する。プラグPLG,PC,PM,PA,PBは、例えばチタンと窒化チタンとの積層膜からなる相対的に薄いバリア膜、およびそのバリア膜に包まれるように形成されたタングステンまたはアルミニウム等からなる相対的に厚い導電膜からなる積層膜によって構成される。このとき、コンタクトホールの底付近の開口径が確保されているので、例えばプラグPLGとドレイン領域Drm上のシリサイド層3との接続部分が高抵抗になる、または非導通になることを防止することができる。その後、層間絶縁膜9上に、例えば銅またはアルミニウムを主成分とする第1層配線(図示は省略)を形成する。
これ以降は、通常の半導体装置の製造工程を経て、不揮発性メモリを有する半導体装置を製造する。
なお、本実施の形態1では、周辺回路領域に形成される低圧系nMIS、低圧系pMIS、高圧系nMIS、および高圧系nMISのゲート電極GLn,GLp,GHn,GHpの半導体基板1の主面からゲート電極GLn,GLp,GHn,GHpの上面までの高さは、第2高さd2としたが、前述の図12に示される工程で、周辺回路領域全体にレジストパターンを形成することにより、導電膜10をエッチングされないようにしてもよい。その場合、半導体基板1の主面からゲート電極GLn,GLp,GHn,GHpの上面までの高さは、第1高さd1として形成され、前述の図12で示されるエッチング工程が入らないので、高さのばらつきを発生させることなく、ゲート電極GLn,GLp,GHn,GHpを形成することができる。
(実施の形態2)
前述した実施の形態1と相違する点は、メモリセル形成領域の選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGを構成する第1導電膜の上面に絶縁膜を介してキャップ絶縁膜CAPが形成されていることである。
すなわち、前述した実施の形態1では、メモリセル形成領域の選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGおよび給電領域のCGシャント部の選択ゲート電極CGを第1導電膜により構成し、給電領域のCGシャント部の選択ゲート電極CGの厚さをメモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの厚さよりも薄く加工して、第2高さd2となるように形成した。そして、薄く加工された選択ゲート電極CGに乗り上げるようにパッド電極PADを形成した。これにより、半導体基板1の主面からCGシャント部の選択ゲート電極CGの一部領域に乗り上げたパッド電極PAD上面までの高さである第3高さd3を、第1高さd1を有する選択ゲート電極CG上にパッド電極PADを形成する場合よりも低くした。
しかしながら、本実施の形態2では、メモリセル形成領域の選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CG上に絶縁膜を介してキャップ絶縁膜CAPを形成し、給電領域のCGシャント部の選択ゲート電極CG上にはキャップ絶縁膜CAPを形成しないことにより、キャップ絶縁膜CAPが形成されていない選択ゲート電極CG上にパッド電極PADを形成することで、キャップ絶縁膜CAP上にパッド電極PADを形成する場合よりも上記第3高さd3を低くしている。
本実施の形態2による不揮発性メモリセルを構成するメモリゲート電極MGおよび選択ゲート電極CGの給電領域の構造の一例を図27を用いて説明する。図27はメモリゲート電極MGおよび選択ゲート電極CGの給電領域の要部断面図である。
図27に示すように、前述した実施の形態1と同様に、MGシャント部では、メモリゲート電極MG(図示せず)と同一層の第2導電膜からなるパッド電極PADが形成されており、CGシャント部の選択ゲート電極CGの一部領域に乗り上げた形状となっている。このパッド電極PADは、選択ゲート電極CGの側壁に自己整合によりメモリゲート電極MGを形成する工程と同じ工程で形成されており、サイドウォール状のメモリゲート電極MGとパッド電極PADとは繋がっている。
また、メモリセル形成領域には、選択用nMIS(Qnc)が形成され、選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGの上面に第6絶縁膜からなる酸化膜25を介して第2絶縁膜からなるキャップ絶縁膜CAPが形成されている。半導体基板1の主面から選択ゲート電極CG、酸化膜25、およびキャップ絶縁膜CAPからなる積層膜の上面までの高さを第1高さd1とする。一方、給電領域には、選択ゲート電極CGの上面に酸化膜25およびキャップ絶縁膜CAPが形成されていない領域、すなわち、選択ゲート電極CGのみが形成されている領域がある。その領域における半導体基板1の主面から選択ゲート電極CGの上面までの高さを第2高さd2とする。パッド電極PADは酸化膜25およびキャップ絶縁膜CAPを除去した第2高さd2を有する選択ゲート電極CG上に形成されているため、キャップ絶縁膜CAP上にパッド電極PADを形成する場合よりも上記第3高さd3が低くなる。
給電領域の層間絶縁膜9には、酸化膜25およびキャップ絶縁膜CAPを除去した選択ゲート電極CGの上面に形成されたシリサイド層3に達するコンタクトホールCCが形成されている。給電領域の選択ゲート電極CGは、コンタクトホールCC内に埋め込まれた第3導電膜からなるプラグPCを介して第1層配線と電気的に接続されている。また、給電領域の層間絶縁膜9には、パッド電極PADの上面に形成されたシリサイド層3に達するコンタクトホールCMが形成されている。パッド電極PADは、コンタクトホールCM内に埋め込まれた第3導電膜からなるプラグPMを介して第1層配線と電気的に接続している。
このように、本実施の形態2によれば、メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの上面に酸化膜25を介してキャップ絶縁膜CAPを形成し、CGシャント部の選択ゲート電極CGの上面には酸化膜25およびキャップ絶縁膜CAPを形成していない。これにより、CGシャント部の選択ゲート電極CGの一部領域に乗り上げたパッド電極PADの上面の半導体基板1の主面からの第3高さd3が、キャップ絶縁膜CAP上にパッド電極PADを形成した場合よりも低くなる。従って、前述した実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
特に、絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLとパッド電極PADとの積層膜の厚さが酸化膜25とキャップ絶縁膜CAPとの積層膜の厚さと同じか、またはそれよりも薄くなるように形成された場合、d1≧d3という関係が成り立ち、パッド電極PADを形成することにより、半導体基板1の主面からの最大高さが高くなることはないので、さらに望ましい。
次に、本実施の形態2による給電領域に形成されたメモリゲート電極MGおよび選択ゲート電極CGのシャント部の構造の第1および第2変形例について説明する。
本実施の形態2による給電領域の第1変形例を図28に示す給電領域の要部断面図(メモリゲート電極MGおよび選択ゲート電極CGのシャント部の要部断面図)を用いて説明する。本実施の形態2による給電領域の第1変形例は、前述した実施の形態1による給電領域の第2変形例と同様であり、本願発明を2つのメモリセル形成領域に共有する1つの給電領域に適用している。
すなわち、給電領域に形成されたMGシャント部では、メモリゲート電極MGと同一層の第2導電膜からなるパッド電極PADが形成されており、給電領域に形成された第1CGシャント部(第1メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの終端部)の一部領域および第2CGシャント部(第2メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの終端部)の一部領域の両者に乗り上げた形状となっている。このパッド電極PADは、選択ゲート電極CGの側壁に自己整合によりメモリゲート電極MGを形成する工程と同じ工程で形成されており、サイドウォール状のメモリゲート電極MGとパッド電極PADとは繋がっている。従って、パッド電極PADを介して、第1CGシャント部の選択ゲート電極CGの側壁に形成されたメモリゲート電極MGと第2CGシャント部の選択ゲート電極CGの側壁に形成されたメモリゲート電極MGとは電気的に接続されている。
前述の図27を用いて説明した給電領域と同様に、メモリセル形成領域に形成された選択用nMIS(Qnc)では、その選択ゲート電極CGの上面に酸化膜25を介してキャップ絶縁膜CAPが形成されているが、給電領域のCGシャント部に形成された選択ゲート電極CGの上面には酸化膜25およびキャップ絶縁膜CAPは形成されていない。従って、第1および第2CGシャント部の選択ゲート電極CGの半導体基板1の主面から選択ゲート電極CGの上面までの第2高さd2が、メモリセル形成領域の半導体基板1の主面から選択ゲート電極CG、酸化膜25、およびキャップ絶縁膜CAPからなる積層膜の上面までの第1高さd1よりも低くなる。これにより、前述した実施の形態1による給電領域の第2変形例と同様の効果を得ることができる。
前述したように、特に、d1≧d3という関係が成り立つ場合は、パッド電極PADを形成することにより、半導体基板1の主面からの最大高さがパッド電極PADを形成する前から高くならないので、さらに望ましい。
本実施の形態2による給電領域の第2変形例を図29に示す給電領域の要部断面図(メモリゲート電極MGおよび選択ゲート電極CGのシャント部の要部断面図)を用いて説明する。
本実施の形態2による給電領域の第2変形例は、前述した実施の形態1による給電領域の第3変形例と同様であり、本願発明を、第1CGシャント部(第1メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの終端部)と第2CGシャント部(第2メモリセル形成領域の選択ゲート電極CGの終端部)との間にダミー部DMYが配置され、2つのメモリセル形成領域が共有する1つの給電領域に適用している。
このダミー部DMYは、選択ゲート電極CGと同一層の第1導電膜により形成されているが、その上面には酸化膜25およびキャップ絶縁膜CAPは形成されていない。第1CGシャント部の選択ゲート電極CGまたは第2CGシャント部の選択ゲート電極CGとは電気的に接続せず、離間して形成されている。ダミー部DMYの半導体基板1の主面からの高さは、第1および第2CGシャント部の選択ゲート電極CGの半導体基板1の主面から選択ゲート電極CGの上面までの第2高さd2とほぼ同じである。
前述の図27を用いて説明した給電領域と同様に、メモリセル形成領域に形成された選択用nMIS(Qnc)では、その選択ゲート電極CGの上面に酸化膜25を介してキャップ絶縁膜CAPが形成されているが、給電領域のCGシャント部に形成された選択ゲート電極CGの上面には酸化膜25およびキャップ絶縁膜CAPは形成されていない。従って、第1および第2CGシャント部の選択ゲート電極CGの半導体基板1の主面から選択ゲート電極CG上面までの第2高さd2が、メモリセル形成領域における半導体基板1の主面から選択ゲート電極CG、酸化膜25、およびキャップ絶縁膜CAPからなる積層膜の上面までの第1高さd1よりも低くなる。
これにより、前述した実施の形態1による給電領域の第3変形例と同様の効果を得ることができる。
前述したように、特に、d1≧d3という関係が成り立つ場合は、パッド電極PADを形成することにより、半導体基板1の表面からの最大高さがパッド電極PADを形成する前から高くならないので、さらに望ましい。
次に、本実施の形態2による不揮発性メモリセルを有する半導体装置の製造方法の一例を図30〜図36を用いて工程順に説明する。図30〜図36は半導体装置の製造工程中におけるメモリ領域、給電領域(MGシャント部およびCGシャント部)、容量素子領域、および周辺回路領域(低圧系nMIS領域、低圧系pMIS領域、高圧系nMIS領域、および高圧系pMIS領域)の要部断面図である。メモリ領域および周辺回路領域においては、ゲート長方向の断面図を示し、給電領域においては、前述の図27と同様に、ゲート長方向に垂直な方向の断面図を示している。なお、半導体基板1の主面にゲート絶縁膜4,4Aを形成するまでの製造過程は、前述した実施の形態1と同様であるためその説明を省略する。
図30に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば非晶質シリコンからなる導電膜10をCVD法により堆積した後、メモリ領域、給電領域、および容量素子領域の導電膜10にn型不純物をイオン注入法等によって導入することにより、n型の導電膜(第1導電膜)10nを形成する。導電膜10,10nの厚さは、例えば140nm程度である。続いて、半導体基板1に対して熱酸化処理を施すことにより、導電膜10,10nの表面に酸化膜(第6絶縁膜)25を形成する。酸化膜25は、例えば酸化シリコンであり、その厚さは、例えば5〜10nmである。続いて、酸化膜25上にキャップ絶縁膜CAP(第2絶縁膜)をCVD法により堆積する。キャップ絶縁膜CAPは、例えば窒化シリコン、酸化シリコン、窒素を含んだ酸化シリコン、炭化シリコンであり、その厚さは、例えば50nmである。
次に、図31に示すように、メモリ領域、給電領域、および容量素子領域のキャップ絶縁膜CAP、酸化膜25、およびn型の導電膜10nをフォトリソグラフィおよびドライエッチングを用いて順次パターニングする。これにより、メモリ領域および給電領域に、n型の導電膜10nからなる選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGを形成する。メモリ領域の選択ゲート電極CGのゲート長は、例えば100nm程度である。同時に、容量素子領域にn型の導電膜10nからなる下部電極10Eを形成する。
次に、図32に示すように、給電領域のCGシャント部、容量素子領域、および周辺回路領域のキャップ絶縁膜CAPを除去する。ここで、周辺回路領域では、後の工程で形成される低圧系nMIS、低圧系pMIS、高圧系nMIS、および高圧系pMISのそれぞれのゲート電極上にシリサイド層3を形成する必要がある。従って、この工程で周辺回路領域のキャップ絶縁膜CAPを除去しておく必要がある。また、容量素子領域では、キャップ絶縁膜CAPを残しておくと、下部電極10Eと後の工程で形成される上部電極との間の誘電膜が厚くなりすぎて、容量値が減少してしまう。従って、この工程で容量素子領域のキャップ絶縁膜CAPを除去しておく必要がある。
また、この工程においてキャップ絶縁膜CAPを除去する際に、酸化膜25がエッチングストッパとしての役割を果たす。
次に、キャップ絶縁膜CAPおよび選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CG、ならびにフォトレジストパターンをマスクとして、メモリ領域の半導体基板1の主面にn型不純物、例えばヒ素またはリンをイオン注入することにより、メモリ用nMIS(Qnm)のチャネル形成用のn型の半導体領域8を形成する。
次に、図33に示すように、給電領域のCGシャント部、容量素子領域、および周辺回路領域に残存している酸化膜25を完全に除去した後、半導体基板1の主面上に、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜6b、窒化シリコンからなる電荷蓄積層CSLおよび酸化シリコンからなる絶縁膜6tを順次形成する。絶縁膜6bは、例えば熱酸化法またはISSG酸化法により形成され、電荷蓄積層CSLはCVD法により形成され、絶縁膜6tは、例えばCVD法またはISSG酸化法により形成される。また、絶縁膜6b,6tは窒素を含んだ酸化シリコンで形成してもよい。絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLの合計の厚さは、例えば20nm程度を例示することができる。
次に、半導体基板1の主面上に低抵抗多結晶シリコンからなる第2導電膜を堆積する。この第2導電膜はCVD法により形成され、その厚さは、例えば50nm程度である。
第2導電膜を堆積する前に、給電領域では、前述の図32で示す工程において予めCGシャント部の選択ゲート電極CGの上面に形成された酸化膜25およびキャップ絶縁膜CAPが除去されているので、CGシャント部の選択ゲート電極CG上に絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを介して堆積された第2導電膜の半導体基板1の主面からパッド電極PADの上面までの高さ(第3高さd3)は、メモリ領域における半導体基板1の主面から選択ゲート電極CG、酸化膜25、およびキャップ絶縁膜CAPからなる積層膜の上面までの高さ(第1高さd1)と同じか、またはそれよりも低くなる。
次に、フォトリソグラフィおよび異方性のドライエッチングを用いて、この第2導電膜を加工する。これにより、メモリ領域では、選択ゲート電極CG、酸化膜25、およびキャップ絶縁膜CAPからなる積層膜の両側面に絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを介してサイドウォール11を形成する。同時に、給電領域のCGシャント部では、選択ゲート電極CGの両側面に絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを介してサイドウォール11を形成する。さらに、給電領域のMGシャント部では、給電領域のCGシャント部の一部領域をフォトレジストパターンRPで覆うことにより、絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを介してパッド電極PADを形成する。さらに、容量素子領域では、下部電極10EをフォトレジストパターンRPで覆うことにより、絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを介して上部電極11Eを形成する。
CGシャント部には、前述の図32に示す工程でキャップ絶縁膜CAPが除去されているので、CGシャント部の選択ゲート電極CGに乗り上げたパッド電極PADの半導体基板1の主面からパッド電極PADの上面までの高さ(第3高さd3)は、メモリ領域の選択ゲート電極CG、酸化膜25、およびキャップ絶縁膜CAPからなる積層膜の上面までの高さ(第1高さd1)と同じか、またはそれよりも低くなる。メモリ領域の選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGの厚さは、例えば150nm程度、酸化膜25の厚さは、例えば10nm程度、キャップ絶縁膜CAPの厚さは、例えば50nm程度であるので、メモリ領域における半導体基板1の主面からキャップ絶縁膜CAPの上面までの高さ(ゲート絶縁膜4の厚さは含まない)は、例えば210nm程度となる。一方、給電領域のMGシャント部のパッド電極PADの厚さは、例えば40nm程度、絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLの厚さは、例えば20nm程度であるので、給電領域における半導体基板1の主面からパッド電極PADの上面までの高さは、例えば210nm程度となる。
従って、CGシャント部に選択ゲート電極CG、酸化膜25、およびキャップ絶縁膜CAPからなる積層膜が形成された部分に第2導電膜を形成する場合と比較して、CGシャント部でフォトレジストパターンRPを形成する領域の段差が小さくなるため、段差によるフォトリソグラフィにおけるフォーカスずれが低減し、フォトレジストパターンRPの加工精度が向上して、第2導電膜を加工して形成されるパッド電極PADの形状不良を防ぐことができる。
次に、図34に示すように、フォトレジストパターンをマスクとして、そこから露出するサイドウォール11をエッチングする。これにより、メモリ領域では、選択ゲート電極CG、酸化膜25、およびキャップ絶縁膜CAPからなる積層膜の片側面のみにメモリ用nMIS(Qnm)のメモリゲート電極MG(サイドウォール11)を形成する。メモリゲート電極MGのゲート長は、例えば65nm程度である。
次に、メモリ領域では、選択ゲート電極CG、酸化膜25、およびキャップ絶縁膜CAPからなる積層膜とメモリゲート電極MGとの間、ならびに半導体基板1とメモリゲート電極MGとの間の絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを残して、給電領域のMGシャント部では、選択ゲート電極CGとパッド電極PADとの間、ならびに素子分離部STIとパッド電極PADとの間の絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを残して、容量素子領域では、下部電極10Eと上部電極11Eとの間の絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを残して、その他の領域の絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを選択的にエッチングする。
容量素子領域では、絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSLを容量絶縁膜(誘電体膜)として、選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGと同一層の第1導電膜からなる下部電極10Eと、メモリ用nMIS(Qmc)のメモリゲート電極MGと同一層の第2導電膜からなる上部電極11Eとからなる容量素子が形成される。
次に、前述した実施の形態1と同様の製造工程(図15、図16参照)に従って、周辺回路領域の低圧系nMIS領域および高圧系nMIS領域の導電膜10をn型の導電膜10naとし、周辺回路領域の低圧系pMIS領域および高圧系pMIS領域の導電膜10をp型の導電膜10pとした後、周辺回路領域の導電膜10na,10pをリソグラフィ技術およびドライエッチング技術によりパターニングすることにより、導電膜10naからなる低圧系nMISのゲート電極GLn、導電膜10pからなる低圧系pMISのゲート電極GLp、導電膜10naからなる高圧系nMISのゲート電極GHnおよび導電膜10pからなる高圧系pMISのゲート電極GHpを形成する。
微細化によりゲート長が短くなっているため、この工程で周辺回路領域の導電膜10na,10pをエッチングする際のレジストパターンは非常に薄く形成される。パッド電極PADが形成されている領域では、段差の影響により、パッド電極PAD上のレジストパターンが所望の膜厚に形成されず、薄くなる場合がある。その場合、ゲート電極GLn、GLp、GHn、GHpをエッチングするときに、レジストパターンがエッチングによりなくなる恐れがある。パッド電極PADは導電膜10na,10pと同じ低抵抗多結晶シリコンから形成されているので、パッド電極PAD上のレジストパターンがなくなった場合、パッド電極PADが削れて、パッド電極PADの形状不良が発生するという問題が起こりうる。
しかし、本実施の形態2においては、パッド電極PADを、酸化膜25およびキャップ絶縁膜CAPを除去した選択ゲート電極CG上に乗り上げて形成しているので、パッド電極PADを形成したときのパッド電極PADの半導体基板1の主面からパッド電極PADの上面までの第3高さd3が低く形成される。従って、段差が低減され、レジストパターンを所望の厚さに形成し易く、パッド電極PADの形状不良が発生するという問題を回避することができる。
次に、前述した実施の形態1と同様の製造工程(図17〜図23参照)に従って、メモリ領域では、n−型の半導体領域2adおよびn+型の半導体領域2bからなるドレイン領域Drm、n−型の半導体領域2asおよびn+型の半導体領域2bからなるソース領域Srmが形成し、周辺回路領域では、n−型の半導体領域13とn+型の半導体領域23とからなる高圧系nMISのソース・ドレイン領域SDを形成し、n−型の半導体領域18とn+型の半導体領域23とからなる低圧系nMISのソース・ドレイン領域SDを形成する。
次に、図35に示すように、メモリ領域では、メモリ用nMIS(Qnm)のメモリゲート電極MGの上面およびn+型の半導体領域2bの上面に、給電領域では、MGシャント部のパッド電極PADの上面、ならびにCGシャント部の選択用nMIS(Qnc)のキャップ絶縁膜CAPが形成されていない選択ゲート電極CGの上面に、周辺回路領域では、低圧系nMISのゲート電極GLnの上面およびn+型の半導体領域23の上面、低圧系pMISのゲート電極GLpの上面およびp+型の半導体領域21の上面、高圧系nMISのゲート電極GHnの上面およびn+型の半導体領域23の上面、ならびに高圧系pMISのゲート電極GHpの上面およびp+型の半導体領域21の上面に、容量素子領域では、上部電極11Eの選択ゲート電極CGおよびサイドウォールSWとは平面的に重ならない部分の上面にシリサイド層3を形成する。
ここまでの工程により、本実施の形態2によるメモリセル、容量素子、ならびに周辺回路領域に形成される低圧系nMIS、低圧系pMIS、高圧系nMIS、および高圧系pMISが略完成する。
図35に示すように、パッド電極PADは、酸化膜25、およびキャップ絶縁膜CAPが除去された選択ゲート電極CG上に形成される。また、容量素子の容量絶縁膜(絶縁膜6b,6tおよび電荷蓄積層CSL)および上部電極11Eも、酸化膜25およびキャップ絶縁膜CAPが除去された下部電極10E上に形成される。これにより、パッド電極PADおよび上部電極11Eをキャップ絶縁膜CAP上に形成した場合よりも、パッド電極PADおよび上部電極11Eを形成した後における半導体基板1の主面上の素子の最大高さを低くすることができる。その結果、この後の工程で形成する層間絶縁膜9の厚みを厚く形成しなくても、層間絶縁膜9を形成する第3絶縁膜をCMP法により研磨するときのマージンを確保することが可能になる。従って、層間絶縁膜9に深いコンタクトホールを形成する場合でも、コンタクトホールの底付近の開口径を確保することができ、コンタクトホールに導電膜を埋め込んで形成されるプラグが接続部分と高抵抗になる、または非導通になることを防止することができる。また、コンタクトホールを形成するためのエッチングを行う際に、フォトレジストパターンの厚さ不足によってパッド電極PADに形状不良が発生することを防止することができる。
前述したように、特に、d1≧d3という関係が成り立つ場合は、パッド電極PADを形成することにより、半導体基板1の主面からの最大高さがパッド電極PADを形成する前から高くならないので、さらに望ましい。
次に、前述した実施の形態1と同様の製造工程(図24、図25参照)に従って、半導体基板1の主面上に、絶縁膜として窒化シリコン膜9aをCVD法により堆積する。この窒化シリコン膜9aは、後述のコンタクトホールを形成する際に、エッチングストッパとして機能する。続いて、絶縁膜として酸化シリコン膜9bをCVD法により堆積して、酸化シリコン膜9bをCMP法により研磨することによって、窒化シリコン膜9aおよび酸化シリコン膜9bからなる層間絶縁膜9を形成する。前述したように、パッド電極PADの半導体基板1の主面からの高さが低く形成されているため、半導体基板1の主面上の素子全体の高さが低くなり、酸化シリコン膜9bを厚く堆積しなくても、その後のCMP法による研磨のマージンを確保することができる。同様のことが、容量素子の上部電極11Eに関しても言える。
次に、図36に示すように、メモリ領域では、ドレイン領域Drm上のシリサイド層3に達するコンタクトホールCNTを層間絶縁膜9に形成する。同時に、給電領域では、CGシャント部の選択ゲート電極CG上のシリサイド層3に達するコンタクトホールCCを形成し、MGシャント部のパッド電極PAD上のシリサイド層3に達するコンタクトホールCMを形成する。
さらに、周辺回路領域では、高圧系nMIS、高圧系pMIS、低圧系nMIS、および低圧系pMISにおいて、それぞれのゲート電極(GHn、GHp、GLn、GLp)上およびソース・ドレイン領域SD上のシリサイド層3に達するコンタクトホールCAを形成する。容量素子領域では、上部電極11Eと下部電極10Eとが平面的に重ならない部分において、上部電極11Eおよび下部電極10Eのそれぞれの上面のシリサイド層3に達するコンタクトホールCBを形成する。
このとき、層間絶縁膜9が低く形成されているため、例えばコンタクトホールCNTなどの深いコンタクトホールを層間絶縁膜9に形成する場合でも、コンタクトホールの底付近の開口径を確保することができる。また、コンタクトホールを形成するためのエッチングを行う際に、フォトレジストパターンの厚さ不足によってパッド電極PADに形状不良が発生することを防止することができる。
次に、コンタクトホールCNT内にプラグPLG、コンタクトホールCC内にプラグPC、コンタクトホールCM内にプラグPM、コンタクトホールCA内にプラグPA、コンタクトホールCB内にプラグPBを形成する。その後、第1層配線を形成することによって、メモリセル、容量素子、ならびに周辺回路領域に形成される低圧系nMIS、低圧系pMIS、高圧系nMISおよび高圧系pMISが略完成する。
これ以降は、通常の半導体装置の製造工程を経て、不揮発性メモリを有する半導体装置を製造する。
なお、本実施の形態2では、選択用nMIS(Qnc)の選択ゲート電極CGとキャップ絶縁膜CAPとの間に酸化膜25を形成したが、酸化膜25を形成しない不揮発性メモリにも本願発明を適用することができる。しかし、この場合は、パッド電極PADを除去するエッチングにおいて、選択ゲート電極CGの上面もエッチングされてしまう恐れがある。
上記実施の形態1および本実施の形態2は、絶縁膜を介して隣接して形成される第1ゲート電極と第2ゲート電極とを備える半導体素子を有し、第1ゲート電極に電圧を供給し、第2ゲート電極に電圧を供給する給電領域を有する半導体装置に利用することができる。特に2トランジスタ構成のスプリットゲート構造のメモリセルを有する半導体装置に利用することができる。これは、以下の実施の形態3〜5も同様である。
(実施の形態3)
本発明は、不揮発性メモリ(不揮発性記憶素子、フラッシュメモリ、不揮発性半導体記憶装置)を備えた半導体装置であり、不揮発性メモリは、主として電荷蓄積部にトラップ性絶縁膜(電荷を蓄積可能な絶縁膜)を用いたものである。以下の実施の形態では、不揮発性メモリは、nチャネル型MISFET(MISFET:Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を基本としトラップ性絶縁膜を用いたメモリセルをもとに説明を行う。また、以下の実施の形態での極性(書込・消去・読出時の印加電圧の極性やキャリアの極性)は、nチャネル型MISFETを基本としたメモリセルの場合の動作を説明するためのものであり、pチャネル型MISFETを基本とする場合は、印加電位やキャリアの導電型等の全ての極性を反転させることで、原理的には同じ動作を得ることができる。
本実施の形態の半導体装置の構造を図面を参照して説明する。図37および図38は、本実施の形態の半導体装置の要部平面図であり、図39〜図43は本実施の形態の半導体装置の要部断面図である。図37のA1−A1線の断面が図39に対応し、図37のB1−B1線の断面が図40に対応し、図37のC1−C1線の断面が図41に対応し、図37のD1−D1線の断面が図42に対応し、図37のE1−E1線の断面が図43に対応する。図44は、本実施の形態の半導体装置におけるメモリセルMC1の模式的な断面構造を示す要部断面図である。
理解を簡単にするために、図37の平面図には、選択ゲート電極SG、メモリゲート電極MG1、選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1間の絶縁膜65、ソース用の半導体領域MS、ドレイン用の半導体領域MD、素子分離領域62およびコンタクトホールCTなどの平面レイアウトを図示し、他の構成要素については図示を省略している。また、図38は、図37と同じ平面領域が示されているが、素子分離領域62にハッチングを付してあり、選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1を点線で示し、図38において、ハッチングが付されていない領域が活性領域(素子分離領域62で規定された活性領域)に対応する。また、図38では、コンタクトホールCTの図示は省略してある。また、図44には、図39の右半分に相当する断面領域(メモリセル1つ分の断面領域)が示され、半導体基板61、p型ウエルPW1、絶縁膜63,65、選択ゲート電極SG、メモリゲート電極MG1および半導体領域MS,MDが図示されているが、側壁絶縁膜68、金属シリサイド層71、絶縁膜72、コンタクトホールCT、プラグPGおよび配線MM1は図示を省略してある。
図37〜図44に示される本実施の形態の半導体装置は、不揮発性メモリを備えた半導体装置である。
例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)61のメモリセル領域(メモリセル形成領域、メモリセルアレイ形成領域)61Aに、不揮発性メモリのメモリセルとなるMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor;MISトランジスタ、MIS型電界効果トランジスタ)が形成されている。
半導体基板61には、素子を分離するための素子分離領域62が形成されており、この素子分離領域62で分離(規定)された活性領域に、p型ウエルPW1が形成されている。
メモリセル領域61Aのp型ウエルPW1には、メモリトランジスタおよび選択トランジスタ(制御トランジスタ)からなる不揮発性メモリのメモリセルMC1が形成されている。メモリセル領域61Aには複数のメモリセルMC1がアレイ状に形成されており、メモリセル領域61Aは、素子分離領域62によって他の領域から電気的に分離されている。すなわち、メモリセル領域61Aは、半導体基板61の主面において、複数のメモリセルMC1がアレイ状に形成(配置、配列)された領域に対応する。
メモリセル領域61Aに形成される不揮発性メモリのメモリセルMC1は、MONOS膜を用いたスプリットゲート型のメモリセルであり、選択ゲート電極(制御ゲート電極)SGを有する選択トランジスタ(制御トランジスタ)とメモリゲート電極(メモリ用ゲート電極)MG1を有するメモリトランジスタとの2つのMISFETを接続したものである。
ここで、電荷蓄積部を含むゲート絶縁膜およびメモリゲート電極MG1を備えるMISFETをメモリトランジスタ(記憶用トランジスタ)といい、また、ゲート絶縁膜および選択ゲート電極SGを備えるMISFETを選択トランジスタ(メモリセル選択用トランジスタ、制御トランジスタ)という。従って、メモリゲート電極MG1は、メモリトランジスタのゲート電極であり、選択ゲート電極SGは、選択トランジスタのゲート電極であり、選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1は、不揮発性メモリ(のメモリセル)を構成するゲート電極である。
以下に、メモリセルMC1の構成を具体的に説明する。
図38および図44に示されるように、不揮発性メモリのメモリセルMC1は、半導体基板61のp型ウエルPW1中に形成されたソースおよびドレイン用のn型の半導体領域MS,MDと、半導体基板61(p型ウエルPW1)の上部に形成された選択ゲート電極SGと、半導体基板61(p型ウエルPW1)の上部に形成されて選択ゲート電極SGと隣り合うメモリゲート電極MG1とを有している。そして、不揮発性メモリのメモリセルMC1は、更に、選択ゲート電極SGおよび半導体基板61(p型ウエルPW1)間に形成された絶縁膜(ゲート絶縁膜)63と、メモリゲート電極MG1および半導体基板61(p型ウエルPW1)間とメモリゲート電極MG1および選択ゲート電極SG間とに形成された絶縁膜65とを有している。各メモリセルMC1のメモリゲート電極MG1は各メモリセルMC1のワード線を構成する。
選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1は、それらの対向側面(側壁)の間に絶縁膜65を介した状態で、半導体基板61の主面に沿って延在し、並んで配置されている。選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1は、半導体領域MDおよび半導体領域MS間上の半導体基板61(p型ウエルPW1)の上部に絶縁膜63,65を介して(但し、選択ゲート電極SGは絶縁膜63を介し、メモリゲート電極MG1は絶縁膜65を介して)形成されており、半導体領域MS側にメモリゲート電極MG1が位置し、半導体領域MD側に選択ゲート電極SGが位置している。
選択ゲート電極SGとメモリゲート電極MG1とは、間に絶縁膜65を介在して互いに隣り合っており、メモリゲート電極MG1は、選択ゲート電極SGの一方の側壁(側面)上に絶縁膜65を介してサイドウォールスペーサ状に形成されている。以下では「サイドウォールスペーサ状」を「サイドウォール状」と称する場合もある。絶縁膜65は、メモリゲート電極MG1と半導体基板61(p型ウエルPW1)の間の領域と、メモリゲート電極MG1と選択ゲート電極SGの間の領域の、両領域にわたって延在している。
選択ゲート電極SGと半導体基板61(p型ウエルPW1)の間に形成された絶縁膜63(すなわち選択ゲート電極SGの下の絶縁膜63)が、選択トランジスタのゲート絶縁膜として機能する。また、メモリゲート電極MG1と半導体基板61(p型ウエルPW1)の間の絶縁膜65(すなわちメモリゲート電極MG1の下の絶縁膜65)が、メモリトランジスタのゲート絶縁膜(内部に電荷蓄積部を有するゲート絶縁膜)として機能する。
絶縁膜65は、電荷を蓄積するための絶縁膜(すなわち電荷蓄積部)として、例えば窒化シリコン膜65bと、その上下に位置する絶縁膜として、例えば酸化シリコン膜65cおよび酸化シリコン膜65aとが積層された積層構造のゲート絶縁膜である。すなわち、絶縁膜65は、酸化シリコン膜(酸化膜)65aと、酸化シリコン膜65a上の窒化シリコン膜(窒化膜)65bと、窒化シリコン膜65b上の酸化シリコン膜(酸化膜)65cとを有する積層膜からなる。換言すれば、メモリゲート電極MG1から遠い側から順に、酸化シリコン膜65a、窒化シリコン膜65bおよび酸化シリコン膜65cが積層されたONO(oxide-nitride-oxide)膜により、絶縁膜65が構成されている。窒化シリコン膜65bは、絶縁膜65中に形成されたトラップ性絶縁膜であり、電荷を蓄積するための電荷蓄積膜(電荷蓄積部)として機能するので、絶縁膜65は、その内部に電荷蓄積部(ここでは窒化シリコン膜65b)を有する絶縁膜とみなすことができる。
なお、図44では、酸化シリコン膜65a、窒化シリコン膜65bおよび酸化シリコン膜65cの積層膜として絶縁膜65が図示されているが、図39〜図43の断面図では、図面の簡略化のために、絶縁膜65を単なる絶縁膜と図示している。しかしながら、実際には、図39〜図43の断面図においても、絶縁膜65は、酸化シリコン膜65a、窒化シリコン膜65bおよび酸化シリコン膜65cの積層膜で構成されている。
絶縁膜63は、例えば酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜などからなる。また、絶縁膜63は、上述の酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜など以外にも、酸化ハフニウム膜、酸化アルミニウム膜(アルミナ)または酸化タンタル膜など、窒化シリコン膜よりも高い誘電率を有する金属酸化膜を使用してもよい。
半導体領域MSは、ソース領域またはドレイン領域の一方として機能する半導体領域であり、半導体領域MDは、ソース領域またはドレイン領域の他方として機能する半導体領域である。ここでは、半導体領域MSはソース領域として機能する半導体領域、半導体領域MDはドレイン領域として機能する半導体領域である。半導体領域MS,MDは、n型の不純物が導入された半導体領域(n型不純物拡散層)よりなり、それぞれLDD(lightly doped drain)構造を備えている。すなわち、ソース用の半導体領域MSは、n−型半導体領域67aと、n−型半導体領域67aよりも高い不純物濃度を有するn+型半導体領域69aとを有し、ドレイン用の半導体領域MDは、n−型半導体領域67bと、n−型半導体領域67bよりも高い不純物濃度を有するn+型半導体領域69bとを有している。n+型半導体領域69aは、n−型半導体領域67aよりも接合深さが深くかつ不純物濃度が高く、また、n+型半導体領域69bは、n−型半導体領域67bよりも接合深さが深くかつ不純物濃度が高い。
図37にも示されるように、不揮発性メモリのメモリセルMC1は半導体基板61の主面に(より特定的にはメモリセル領域61Aに)複数アレイ状に配置されている。図37のX方向およびY方向にアレイ状(行列状)に配置された複数のメモリセルMC1のうち、図37のX方向に並ぶメモリセルMC1の選択ゲート電極SG同士は、X方向に繋がって一体的に形成されている。すなわち、図37のX方向に延在する1本の選択ゲート電極SGが、図37のX方向に並ぶ複数のメモリセルMC1の選択ゲート電極を形成しており、このX方向に延在する選択ゲート電極SGが図37のY方向に複数本並んで配置されている。従って、各選択ゲート電極SGは、図37のX方向に延在しており、図37のX方向に並ぶ複数のメモリセルMC1の選択ゲート電極と、図37のX方向に並ぶ複数のメモリセルMC1の選択ゲート電極同士を電気的に接続する選択ゲート線とを兼ねている。
また、図37のX方向およびY方向にアレイ状(行列状)に配置された複数のメモリセルMC1のうち、図37のX方向に並ぶメモリセルMC1のメモリゲート電極MG1同士は、X方向に繋がって一体的に形成されている。すなわち、図37のX方向に延在する1本のメモリゲート電極MG1が、図37のX方向に並ぶ複数のメモリセルMC1のメモリゲート電極を形成しており、このX方向に延在するメモリゲート電極MG1が図37のY方向に複数本並んで配置されている。従って、各メモリゲート電極MG1は、図37のX方向に延在しており、図37のX方向に並ぶ複数のメモリセルMC1のメモリゲート電極と、図37のX方向に並ぶ複数のメモリセルMC1のメモリゲート電極同士を電気的に接続するメモリゲート線とを兼ねている。メモリゲート電極MG1は絶縁膜65を介して選択ゲート電極SGに隣接している。なお、図37のX方向およびY方向は、半導体基板61の主面に平行な方向であり、Y方向はX方向に交差する方向であり、好ましくはY方向はX方向に直交する方向である。
図37のX方向およびY方向にアレイ状に配置された複数のメモリセルMC1のうち、ドレイン領域である半導体領域MDを介して図37のY方向に隣り合う(隣接する)メモリセルMC1同士は、図37および図39からも分かるように、ドレイン領域である半導体領域MDを共有しており、また、ソース領域である半導体領域MSを介して図37のY方向に隣り合う(隣接する)メモリセルMC1同士は、ソース領域である半導体領域MSを共有している。
メモリゲート電極MG1および選択ゲート電極SGの側壁(互いに隣接していない側の側壁)上には、酸化シリコンなどの絶縁体(絶縁膜)からなる側壁絶縁膜(サイドウォール、サイドウォールスペーサ)68が形成されている。すなわち、絶縁膜65を介して選択ゲート電極SGに隣接する側とは逆側のメモリゲート電極MG1の側壁(側面)上と、絶縁膜65を介してメモリゲート電極MG1に隣接する側とは逆側の選択ゲート電極SGの側壁(側面)上とに、側壁絶縁膜68が形成されている。
ソース用の半導体領域MSを形成するn−型半導体領域67aは、メモリゲート電極MG1の側壁に対して自己整合的に形成され、n+型半導体領域69aは、メモリゲート電極MG1の側壁上の側壁絶縁膜68の側面(メモリゲート電極MG1に接する側とは逆側の側面)に対して自己整合的に形成されている。このため、低濃度のn−型半導体領域67aはメモリゲート電極MG1の側壁上の側壁絶縁膜68の下に形成され、高濃度のn+型半導体領域69aは低濃度のn−型半導体領域67aの外側に形成されている。従って、低濃度のn−型半導体領域67aはメモリトランジスタのチャネル領域に隣接するように形成され、高濃度のn+型半導体領域69aは低濃度のn−型半導体領域67aに接し、メモリトランジスタのチャネル領域からn−型半導体領域67aの分だけ離間するように形成されている。
ドレイン用の半導体領域MDを形成するn−型半導体領域67bは、選択ゲート電極SGの側壁に対して自己整合的に形成され、n+型半導体領域69bは、選択ゲート電極SGの側壁上の側壁絶縁膜68の側面(選択ゲート電極SGと接する側とは逆側の側面)に対して自己整合的に形成されている。このため、低濃度のn−型半導体領域67bは選択ゲート電極SGの側壁上の側壁絶縁膜68の下に形成され、高濃度のn+型半導体領域69bは低濃度のn−型半導体領域67bの外側に形成されている。従って、低濃度のn−型半導体領域67bは選択トランジスタのチャネル領域に隣接するように形成され、高濃度のn+型半導体領域69bは低濃度のn−型半導体領域67bに接し、選択トランジスタのチャネル領域からn−型半導体領域67bの分だけ離間するように形成されている。
メモリゲート電極MG1の下の絶縁膜65の下の半導体基板領域(p型ウエルPW1)にメモリトランジスタのチャネル領域が形成され、選択ゲート電極SG下の絶縁膜63の下の半導体基板領域(p型ウエルPW1)に選択トランジスタのチャネル領域が形成される。選択ゲート電極SG下の絶縁膜63の下の選択トランジスタのチャネル形成領域には、選択トランジスタのしきい値調整用の半導体領域(p型半導体領域またはn型半導体領域)が必要に応じて形成され、メモリゲート電極MG1下の絶縁膜65の下のメモリトランジスタのチャネル形成領域には、メモリトランジスタのしきい値調整用の半導体領域(p型半導体領域またはn型半導体領域)が必要に応じて形成されている。
選択ゲート電極SGは、導電体からなり、半導体基板61上に形成したシリコン膜64(例えばn型不純物を導入した多結晶シリコン膜)をパターニングすることにより形成されている。一方、メモリゲート電極MG1は、導電体からなり、半導体基板61上に選択ゲート電極SGを覆うように形成したシリコン膜66(例えばn型不純物を導入した多結晶シリコン膜)を異方性エッチング(エッチバック)し、選択ゲート電極SGの側壁上に絶縁膜65を介してシリコン膜66を残存させることにより形成されている。シリコン膜66で形成されたメモリゲート電極MG1は、パターニングされたシリコン膜64で形成された選択ゲート電極SGの一方の側壁上に絶縁膜65を介して形成されている。
絶縁膜65を介して隣接する選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1は、メモリセル領域61Aに延在するだけでなく、更にワードシャント領域61Cにまで延在している。ワードシャント領域61Cは、選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1を配線MM1に引き上げるために用いる領域であり、図37と図38とを比べると分かるように、ワードシャント領域61C全体に素子分離領域62が形成されている。従って、ワードシャント領域61Cにおいては、絶縁膜65を介して隣接する選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1が、素子分離領域62上に延在した状態となっている。
メモリセル領域61Aの各メモリセルMC1において、選択ゲート電極SGの下(すなわち選択ゲート電極SGと半導体基板61(p型ウエルPW1)との間)には、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜63が形成されており、これは、絶縁膜63の成膜法によらない。
しかしながら、絶縁膜63を一般的な熱酸化法で形成した場合には、絶縁膜63の成膜時に素子分離領域62上には絶縁膜63は形成されないため、選択ゲート電極SGのうち、素子分離領域62上に延在している部分(例えばワードシャント領域61Cにおける選択ゲート電極SG)の下には、絶縁膜63は形成されておらず、素子分離領域62上に直接的に選択ゲート電極SGが配置された状態となっている。すなわち、選択ゲート電極SGと素子分離領域62との間に絶縁膜63が形成されていない状態となっている。
一方、CVD法またはスパッタリング法などで絶縁膜63を堆積して形成した場合には、絶縁膜63の成膜時に素子分離領域62上にも絶縁膜63が形成されるため、選択ゲート電極SGのうち、素子分離領域62上に延在している部分(例えばワードシャント領域61Cにおける選択ゲート電極SG)の下にも、絶縁膜63が形成された状態となっている。すなわち選択ゲート電極SGと素子分離領域62との間に絶縁膜63が形成された状態となっている。なお、図40〜図43では、絶縁膜63を熱酸化法で形成した場合、すなわち、素子分離領域62と選択ゲート電極SGとの間に絶縁膜63が介在していない場合が例示されている。
また、メモリセル領域61Aの各メモリセルMC1において、メモリゲート電極MG1および半導体基板61(p型ウエルPW1)間とメモリゲート電極MG1および選択ゲート電極SG間とには、絶縁膜65が形成されている。この絶縁膜65は、成膜時に素子分離領域62上にも形成され得るため、メモリゲート電極MG1のうち、素子分離領域62上に延在している部分(例えばワードシャント領域61Cにおけるメモリゲート電極MG1)の下にも絶縁膜65が形成されている。このため、メモリゲート電極MG1が素子分離領域62上に延在している領域(例えばワードシャント領域61C)においては、メモリゲート電極MG1および素子分離領域62間とメモリゲート電極MG1および選択ゲート電極SG間とに絶縁膜65が形成された状態となっている。すなわち、メモリゲート電極MG1が素子分離領域62上に延在している領域(例えばワードシャント領域61C)においては、絶縁膜65は、メモリゲート電極MG1と素子分離領域62の間の領域と、メモリゲート電極MG1と選択ゲート電極SGの間の領域の、両領域にわたって延在している。
但し、メモリゲート電極MG1と素子分離領域62との間に絶縁膜65が形成されていなくとも、不揮発性メモリの動作には悪影響がないため、本願は、メモリゲート電極MG1と素子分離領域62との間に絶縁膜65が形成されていない場合を排除するものではない。すなわち、メモリゲート電極MG1が半導体基板61の活性領域(ここではp型ウエルPW1)上に延在している領域では、メモリゲート電極MG1と半導体基板61の活性領域(ここではp型ウエルPW1)との間に絶縁膜65が形成されていることが必要である。一方、メモリゲート電極MG1が素子分離領域62上に延在している領域(例えばワードシャント領域61C)では、メモリゲート電極MG1と素子分離領域62との間に絶縁膜65が形成されている場合だけでなく、メモリゲート電極MG1と素子分離領域62との間に絶縁膜65が形成されていない場合も許容される。
選択ゲート電極SG、メモリゲート電極MG1、n+型半導体領域69a,69bの上面(表面)には、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)技術などにより、金属シリサイド層71が形成されており、この金属シリサイド層71により、拡散抵抗やコンタクト抵抗を低抵抗化することができる。金属シリサイド層71は、例えばコバルトシリサイド層またはニッケルシリサイド層などからなる。
半導体基板61上には、選択ゲート電極SG、メモリゲート電極MG1および側壁絶縁膜68を覆うように、層間絶縁膜として絶縁膜(層間絶縁膜)72が形成されている。絶縁膜72は、酸化シリコン膜の単体膜、あるいは、窒化シリコン膜と該窒化シリコン膜上に該窒化シリコン膜よりも厚く形成された酸化シリコン膜との積層膜などからなる。
絶縁膜72にはコンタクトホール(開口部、貫通孔)CTが形成されている。コンタクトホールCTは、絶縁膜72を貫通している。コンタクトホールCT内には、導電体からなるプラグ(導電体部、接続用導電体部)PGが形成されている(埋め込まれている)。プラグPGは、コンタクトホールCTに埋め込まれた導電体部(接続用導電体部)とみなすことができる。
プラグPGは、コンタクトホールCTの底部および側壁上に形成されたバリア導体膜73aと、このバリア導体膜73a上にコンタクトホールCTを埋めるように形成された主導体膜73bとにより形成されており、バリア導体膜73aは、例えば、チタン膜、窒化チタン膜、あるいはそれらの積層膜などからなり、主導体膜73bは、例えばタングステン膜などからなる。
プラグPGが埋め込まれた絶縁膜72上には、配線(第1配線層)MM1が形成されている。配線MM1は、埋込配線(例えば埋込銅配線)とすることができ、絶縁膜72上に形成された絶縁膜74の配線溝にダマシン法で埋め込まれている。配線MM1は埋込配線に限定されず種々変更可能であり、例えば、絶縁膜72上に形成した導体膜をパターニングすることで形成された配線(例えばアルミニウム配線またはタングステン配線)とすることもできる。
コンタクトホールCTおよびそれを埋めるプラグPGのうち、ソース用の半導体領域MSに接続するためのコンタクトホールCT1(図37に示されている)およびそれを埋めるプラグPG(コンタクトホールCT1を埋めるプラグPGは断面図では図示されていない)は、メモリセル領域61Aの端部(外周部)のソースダミー領域61Bの半導体領域MSの上部に形成されている。ソース用の半導体領域MSに接続するためのコンタクトホールCT1およびそれを埋めるプラグPGは、メモリセル領域61Aの端部(外周部)のソースダミー領域61Bに配置しているので、このソースダミー領域61Bがメモリセルダミー領域となり、結晶欠陥対策となる。このため、ソースダミー領域61Bには、メモリセルMC1を配置しない(メモリセルMC1として用いない)ことが好ましい。
また、コンタクトホールCTおよびそれを埋めるプラグPGのうち、ドレイン用の半導体領域MDに接続するためのコンタクトホールCT2(図37および図39に示されている)およびそれを埋めるPG2は、メモリセル領域61Aの各メモリセルMC1のドレイン用の半導体領域MD(のn+型半導体領域69b)の上部に形成されている。
また、コンタクトホールCTおよびそれを埋めるプラグPGのうち、選択ゲート電極SGに接続するためのコンタクトホールCT3(図37および図40に示されている)およびそれを埋めるプラグPG3は、ワードシャント領域61Cにおいて、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaの上部に形成されている。また、コンタクトホールCTおよびそれを埋めるプラグPGのうち、メモリゲート電極MG1に接続するためのコンタクトホールCT4(図37および図41に示されている)およびそれを埋めるプラグPG4は、ワードシャント領域61Cにおいて、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aの上部に形成されている。
次に、ワードシャント領域61Cにおける選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1についてより詳細に説明する。
メモリセル領域61Aにおける選択ゲート電極SGは、メモリセルMC1を構成する選択トランジスタのゲート電極として機能するが、ワードシャント領域61Cにおける選択ゲート電極SGは、素子分離領域62上に位置しており、メモリセルMC1の選択トランジスタのゲート電極として機能するのではなく、図37のX方向に並ぶ複数のメモリセルMC1の選択ゲート電極同士を電気的に接続する選択ゲート線として機能する。また、メモリセル領域61Aにおけるメモリゲート電極MG1は、メモリセルMC1を構成するメモリトランジスタのゲート電極として機能するが、ワードシャント領域61Cにおけるメモリゲート電極MG1は、素子分離領域62上に位置しており、メモリセルMC1のメモリトランジスタのゲート電極として機能するのではなく、図37のX方向に並ぶ複数のメモリセルMC1のメモリゲート電極同士を電気的に接続するメモリゲート線として機能する。
ワードシャント領域61Cにおいて、選択ゲート電極SGは、コンタクトホールCT3およびそれを埋めるプラグPG3を接続するためのコンタクト部SGaを有している。平面的に(すなわち半導体基板61の主面に平行な平面で)見ると、コンタクト部SGaは、選択ゲート電極SGの延在方向(ここでは図37のX方向)に対して交差する方向、より好ましくは選択ゲート電極SGの延在方向(ここでは図37のX方向)に対して垂直な方向に延在している。このため、選択ゲート電極SGにおいて、コンタクト部SGaは、コンタクト部SGa以外の領域に比べて、幅(選択ゲート電極SGの延在方向に直交する方向の幅)が広くなっている。このため、コンタクト部SGaは、選択ゲート電極SGにおいて、選択ゲート電極SGの幅が広くなった部分(幅広部)とみなすこともできる。ここで、選択ゲート電極SGの幅は、選択ゲート電極SGの延在方向(ここでは図37のX方向)に直交する方向(ここでは図37のY方向)の幅に対応する。
コンタクト部SGaは、選択ゲート電極SGと一体的に形成されている。すなわち、半導体基板61の主面上に形成したシリコン膜64をパターニングすることで、選択ゲート電極SGとともにコンタクト部SGaも一体的に形成されている。このため、コンタクト部SGaは、選択ゲート電極SGの一部とみなすことができるが、不揮発性メモリのメモリセルMC1の選択トランジスタのゲート電極としては機能しない部分である。このため、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaは、複数のメモリセルMC1がアレイ状に配列したメモリセル領域61A以外の領域(ここではワードシャント領域61C)に設けることが好ましく、素子分離領域62上に配置することが好ましい。
選択ゲート電極SGにおいて相対的に幅が広くなっているコンタクト部SGa上の絶縁膜(層間絶縁膜)72にコンタクトホールCT3が形成され、このコンタクトホールCT3に埋め込まれたプラグPG3が、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaと電気的に接続されている。プラグPG3は、コンタクトホールCT3の底部で選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaに接して電気的に接続される。選択ゲート電極SGの上部に金属シリサイド層71を形成した場合には、図40に示されるように、コンタクトホールCT3に埋め込まれたプラグPG3は、コンタクトホールCT3の底部で、コンタクト部SGa上の金属シリサイド層71に接して電気的に接続され、それによって選択ゲート電極SG(のコンタクト部SGa)に電気的に接続されることになる。
プラグPG3は、配線MM1のうちの選択ゲート用配線(選択ゲート電極SGに接続されるべき配線)MM1bと電気的に接続されているため、この選択ゲート用配線MM1bは、コンタクトホールCT3に埋め込まれたプラグPG3を介して、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaに電気的に接続された状態となっている。
コンタクトホールCT3およびそれを埋めるプラグPG3を、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGa上に形成したことで、コンタクトホールCT3の底部で選択ゲート電極SGの一部(ここではコンタクト部SGa)を確実に露出させることができ、プラグPG3を選択ゲート電極SGに確実に接続(電気的に接続)することができる。また、コンタクトホールCT3の底部でメモリゲート電極MG1が露出してしまうのを的確に防止することができ、選択ゲート電極SGとメモリゲート電極MG1とがプラグPG3によってショートするのを防止することができる。
なお、上述のように、コンタクト部SGaを含む選択ゲート電極SGは、パターニングされたシリコン膜64からなる。すなわち、詳細は後述するが、コンタクト部SGaを含む選択ゲート電極SGは、半導体基板61の主面上に形成したシリコン膜64を、そのシリコン膜64上のレジストパターン(後述のフォトレジストパターンRP1に対応)をエッチングマスクとして用いてエッチングすることでパターニングして、形成されている。この際に使用されるレジストパターン(後述のフォトレジストパターンRP1に対応)は、コンタクト部SGaを含む選択ゲート電極SGと同じ平面形状(同じパターン形状)を有している。
一方、メモリゲート電極MG1は、選択ゲート電極SGの一方の側壁上に絶縁膜65を介して形成され、選択ゲート電極SGとともに半導体基板61上に延在しているが、ワードシャント領域61Cにおいて、コンタクトホールCT4およびそれを埋めるプラグPG4を接続するためのコンタクト部MG1aを有している。メモリゲート電極MG1のうち、コンタクト部MG1a以外の部分は、選択ゲート電極SGの一方の側壁上に絶縁膜65を介してサイドウォール状(サイドウォールスペーサ状)に形成されており、このサイドウォール状に形成されている部分とコンタクト部MG1aとは一体的に形成されている。このため、コンタクト部MG1aは、メモリゲート電極MG1の一部とみなすことができるが、不揮発性メモリのメモリセルMC1のメモリトランジスタのゲート電極としては機能しない部分である。このため、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aは、複数のメモリセルMC1がアレイ状に配列したメモリセル領域61A以外の領域(ここではワードシャント領域61C)に設けることが好ましく、素子分離領域62上に配置することが好ましい。
メモリゲート電極MG1において、コンタクト部MG1aは、コンタクト部MG1aに隣接(図37のX方向に隣接)しかつサイドウォール状に形成されている部分(すなわちメモリゲート電極MG1のうちのコンタクト部MG1a以外の部分)と一体的に形成されている。そして、このコンタクト部MG1aは、絶縁膜65を介して選択ゲート電極SGの一方の側壁(メモリゲート電極MG1が形成されている側の側壁)に隣接する位置から、その隣接する選択ゲート電極SGから離れる方向(ここでは図37のY方向に平行な方向でかつ隣接する選択ゲート電極SGから離れる方向)に延在している。平面的に(すなわち半導体基板61の主面に平行な平面で)見ると、コンタクト部MG1aは、メモリゲート電極MG1の延在方向(ここでは図37のX方向)に対して交差する方向、より好ましくはメモリゲート電極MG1の延在方向(ここでは図37のX方向)に対して垂直な方向に延在している。
本実施の形態の主要な特徴の一つとして、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aは、選択ゲート電極SG上には乗り上げていない。すなわち、コンタクト部MG1aは、選択ゲート電極SG上に位置する部分を有していない。上述のようにワードシャント領域61C全体に素子分離領域62が形成され、ワードシャント領域61Cでは素子分離領域62上に選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1が延在しているので、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aは、選択ゲート電極SG上に乗り上げることなく、選択ゲート電極SGの一方の側壁上から素子分離領域62上にかけて延在している。但し、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aと選択ゲート電極SGの側壁との間には絶縁膜65が介在している。
メモリゲート電極MG1は、半導体基板61上に選択ゲート電極SGを覆うように形成したシリコン膜66をエッチバック(異方性エッチング)し、選択ゲート電極SGの側壁上に絶縁膜65を介してシリコン膜66をサイドウォール状に残存させることにより、形成されている。詳細は後述するが、このシリコン膜66のエッチバック工程において、シリコン膜66上にレジストパターン(後述のフォトレジストパターンRP2に対応)を形成しておき、このレジストパターンの下にシリコン膜66を残存させることで、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aを形成している。しかしながら、この際に使用されるレジストパターン(後述のフォトレジストパターンRP2に対応)の平面形状(パターン形状)は、コンタクト部MG1aの平面パターン形状を平面的に内包している(含んでいる)が、コンタクト部MG1aの平面形状(平面パターン形状)と完全には一致していない。これは、このレジストパターン(後述のフォトレジストパターンRP2に対応)の下に残存したシリコン膜66の一部を、その後の等方性エッチング工程(後述のステップS10に対応)で除去したためである。なお、本実施の形態および以下の実施の形態において、「平面的に」と言うときは、半導体基板61の主面に平行な平面を言うものとする。
メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1a上の絶縁膜(層間絶縁膜)72にコンタクトホールCT4が形成され、このコンタクトホールCT4に埋め込まれたプラグ(導電体部)PG4が、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aと電気的に接続されている。プラグPG4は、コンタクトホールCT4の底部でメモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aに接して電気的に接続される。メモリゲート電極MG1の上部に金属シリサイド層71を形成した場合には、図41に示されるように、コンタクトホールCT4に埋め込まれたプラグPG4は、コンタクトホールCT4の底部で、コンタクト部MG1a上の金属シリサイド層71に接して電気的に接続され、それによってメモリゲート電極MG1(のコンタクト部MG1a)に電気的に接続されることになる。
プラグPG4は、配線MM1のうちのメモリゲート用配線(メモリゲート電極MG1に接続されるべき配線)MM1aと電気的に接続されているため、このメモリゲート用配線MM1aは、コンタクトホールCT4に埋め込まれたプラグPG4を介して、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aに電気的に接続された状態となっている。
メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aは、コンタクト部MG1aの厚み(シリコン膜66の堆積膜厚、メモリゲート電極MG1のゲート長にも対応する)に相当する距離以上、選択ゲート電極SG(の側壁上の絶縁膜65)から離れた領域においては、素子分離領域62上に平坦に延在してほぼ平坦な上面を有している。この平坦な部分のコンタクト部MG1a上にコンタクトホールCT4およびそれを埋めるプラグPG4が形成されている。
本実施の形態とは異なり、コンタクト部MG1aが無く、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1上にコンタクトホールCT4およびそれを埋めるプラグPG4を形成した場合には、選択ゲート電極SGに重なることなく、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1上に確実にコンタクトホールCT4を形成するのは容易ではない。例えば、コンタクトホールの位置ずれに対するマージンが少ないため、コンタクトホールCT4を埋めるプラグPG4とメモリゲート電極MG1との電気的接続の信頼性が低下し、半導体装置の製造歩留まりの低下を招く可能性がある。
本実施の形態では、コンタクトホールCT4およびそれを埋めるプラグPG4を、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1a上に形成したことで、コンタクトホールCT4の底部でメモリゲート電極MG1の一部であるコンタクト部MG1aを確実に露出させることができ、プラグPG4をメモリゲート電極MG1に確実に接続(電気的に接続)することができる。また、コンタクトホールCT4の底部で選択ゲート電極SGが露出してしまうのを的確に防止することができ、選択ゲート電極SGとメモリゲート電極MG1とがプラグPG4によってショートするのを防止することができる。
また、メモリゲート電極MG1において、コンタクト部MG1aの平面形状(パターン形状)は、コンタクトホールCT4の開口時のずれを考慮して、目外れ(コンタクト部MG1aとコンタクトホールCT4との平面的な重なりが無く、コンタクトホールCT4からコンタクト部MG1aが露出されない現象)が生じないような所定の大きさに形成する。すなわち、工程変動などに起因してコンタクトホールCT4の開口位置が多少変動したとしても、コンタクトホールCT4の少なくとも一部がコンタクト部MG1aと平面的に重なるように、コンタクト部MG1aの平面形状(平面寸法)を設計すればよい。これにより、コンタクトホールCT4の底部でメモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aを、より確実に露出させ、プラグPG4をメモリゲート電極MG1に、より確実に接続(電気的に接続)することができる。
また、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aは、絶縁膜65を介して選択ゲート電極SGの側壁に隣接する位置から、その選択ゲート電極SGから離れる方向に向かって、素子分離領域62上を延在しており、素子分離領域62上に位置するコンタクト部MG1a上にコンタクトホールCT4が形成されている。このため、コンタクトホールCT4がメモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aに平面的に内包されている場合だけでなく、コンタクトホールCT4の一部だけがメモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aと平面的に重なり、コンタクトホールCT4の他の一部がメモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aと平面的に重ならない場合も許容できる。従って、半導体装置の設計段階で、コンタクトホールCT4が部分的にメモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aと平面的に重なるように、コンタクトホールCT4およびコンタクト部MG1aのレイアウトを設計することもでき、図37にはこの場合が示されている。
コンタクトホールCT4がメモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aに平面的に内包されている場合は、コンタクトホールCT4の底部では、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aの一部が露出されるが、素子分離領域62は露出されない。コンタクトホールCT4の全部ではなく一部だけがメモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aと平面的に重なる場合には、コンタクトホールCT4の底部では、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aの一部だけでなく、素子分離領域62も露出する場合もある(図41はこの場合が示されている)。コンタクトホールCT4の底部で、コンタクト部MG1aだけでなく素子分離領域62が露出しても、素子分離領域62は絶縁体であるため、コンタクトホールCT4に埋め込んだプラグPG4が、本来接続されるべきではない導電性部材とショートするのを防止することができ、また、プラグPG4の下部側面がコンタクト部MG1aと接触することにより、プラグPG4とコンタクト部MG1aとの電気的接続を確保することができる。
図45は、メモリセルMC1の等価回路図である。図46は、本実施の形態の「書込」、「消去」および「読出」時における選択メモリセルの各部位への電圧の印加条件の一例を示す表(説明図)である。図46の表には、「書込」、「消去」および「読出」時のそれぞれにおいて、図44および図45に示されるメモリセル(選択メモリセル)のドレイン領域(半導体領域MD)に印加する電圧Vd、選択ゲート電極SGに印加する電圧Vsg、メモリゲート電極MG1に印加する電圧Vmg、ソース領域(半導体領域MS)に印加する電圧Vs、およびp型ウエルPW1に印加されるベース電圧Vbが記載されている。なお、図46の表に示したものは電圧の印加条件の一例であり、これに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更可能である。また、本実施の形態では、メモリトランジスタの絶縁膜65中の電荷蓄積部である窒化シリコン膜65bへの電子の注入を「書込」、ホール(hole:正孔)の注入を「消去」と定義する。
書込み方式は、いわゆるSSI(Source Side Injection:ソースサイド注入)方式と呼ばれるホットエレクトロン書込みを用いることができる。例えば図46の「書込」の欄に示されるような電圧を、書込みを行う選択メモリセルの各部位に印加し、選択メモリセルの絶縁膜65中の窒化シリコン膜65b中に電子(エレクトロン)を注入する。ホットエレクトロンは、2つのゲート電極(メモリゲート電極MG1および選択ゲート電極SG)間の下のチャネル領域(ソース、ドレイン間)で発生し、メモリゲート電極MG1の下の絶縁膜65中の電荷蓄積部である窒化シリコン膜65bにホットエレクトロンが注入される。注入されたホットエレクトロン(電子)は、絶縁膜65中の窒化シリコン膜65b中のトラップ準位に捕獲され、その結果、メモリトランジスタのしきい値電圧が上昇する。
消去方法は、BTBT(Band-To-Band Tunneling:バンド間トンネル現象)ホットホール注入消去方式を用いることができる。すなわち、BTBT(バンド間トンネル現象)により発生したホール(正孔)を電荷蓄積部(絶縁膜65中の窒化シリコン膜65b)に注入することにより消去を行う。例えば図46の「消去」の欄に示されるような電圧を、消去を行う選択メモリセルの各部位に印加し、BTBT(Band-To-Band Tunneling)現象によりホール(正孔)を発生させ電界加速することで選択メモリセルの絶縁膜65中の窒化シリコン膜65b中にホールを注入し、それによってメモリトランジスタのしきい値電圧を低下させる。
読出し時には、例えば図46の「読出」の欄に示されるような電圧を、読出しを行う選択メモリセルの各部位に印加する。読出し時のメモリゲート電極MG1に印加する電圧Vmgを、書込み状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧と消去状態におけるしきい値電圧との間の値にすることで、書込み状態と消去状態とを判別することができる。
次に、本実施の形態の半導体装置の製造工程を図面を参照して説明する。
図47は、本実施の形態の半導体装置の製造工程の一部を示すプロセスフロー図である。図48〜図87は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部平面図または要部断面図である。図48〜図87のうち、図48、図53、図58、図61、図64および図73は要部平面図であり、図49〜図52、図54〜図57、図59、図60、図62、図63、図65〜図72および図74〜図87は要部断面図である。
また、本実施の形態においては、メモリセル領域61Aにnチャネル型のMISFET(選択トランジスタおよびメモリトランジスタ)を形成する場合について説明するが、導電型を逆にしてpチャネル型のMISFET(選択トランジスタおよびメモリトランジスタ)をメモリセル領域61Aに形成することもできる。
まず、図48(要部平面図)、図49(A1−A1線での断面図)および図50(C1−C1線での断面図)に示されるように、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)61を用意(準備)する(図47のステップS1)。それから、半導体基板61の主面に、活性領域を規定(画定)する素子分離領域(素子間分離絶縁領域)62を形成する(図47のステップS2)。素子分離領域62は、酸化シリコンなどの絶縁体からなり、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法などにより形成することができる。例えば、半導体基板61の主面に素子分離用の溝を形成した後、この素子分離用の溝内に、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜を埋め込むことで、素子分離領域62を形成することができる。図48に示されるように、メモリセル領域61Aにおいては、各メモリセルMC1が形成される領域間に素子分離領域62が形成され、ワードシャント領域61Cにおいては、半導体基板61の主面全体にわたって素子分離領域62が形成されている。
次に、例えばホウ素(B)などのp型不純物をイオン注入することなどにより、p型ウエルPW1を形成する(図47のステップS3)。p型ウエルPW1は、半導体基板61の主面から所定の深さにわたって形成される。p型ウエルPW1は主としてメモリセル領域61Aに形成され、メモリセル領域61Aは素子分離領域62によって他の領域と電気的に分離される。
次に、メモリセル領域61Aに後で形成される選択トランジスタのしきい電圧を調整するために、必要に応じて、メモリセル領域61Aのp型ウエルPW1の表面部(表層部)に対してチャネルドープイオン注入を行う。
なお、図48は、平面図であるが、図面を見やすくするために、素子分離領域62とp型ウエルPW1とに、それぞれ異なるハッチングを付してある。
次に、希釈フッ酸洗浄などによって半導体基板61(p型ウエルPW1)の表面を清浄化処理した後、図51(A1−A1線での断面図)および図52(C1−C1線での断面図)に示されるように、半導体基板61の主面(p型ウエルPW1の表面)に、ゲート絶縁膜用の絶縁膜63を形成する(図47のステップS4)。絶縁膜63は、後で形成される選択トランジスタのゲート絶縁膜となる絶縁膜である。絶縁膜63は、例えば薄い酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜などからなり、例えば熱酸化法などにより形成することができる。絶縁膜63として酸窒化シリコン膜を用いる場合には、熱酸化法などにより形成した酸化シリコン膜を窒化処理することなどにより、酸窒化シリコン膜を形成することができる。絶縁膜63の膜厚は、例えば2〜3nm程度とすることができる。絶縁膜63を熱酸化法で形成した場合には、素子分離領域62上には絶縁膜63が形成されないが(図52にはこの場合が図示されている)、絶縁膜63をCVD法またはスパッタリング法で形成した場合には、素子分離領域62上にも絶縁膜63が形成される。
次に、図51および図52に示されるように、メモリセル領域61Aの絶縁膜63上およびワードシャント領域61Cの素子分離領域62上を含む半導体基板61の主面上に、選択ゲート電極SG形成用の導電体膜(導体膜、導電膜)として、シリコン膜(第1導電体膜)64を形成(堆積)する(図47のステップS5)。シリコン膜64は、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法などを用いて形成することができる。シリコン膜64の膜厚(堆積膜厚)は、例えば100〜200nm程度とすることができる。シリコン膜64を形成した後、シリコン膜64上にフォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストパターン(ここでは図示しないが、後述する周辺回路形成領域全体にこのフォトレジストパターンが形成される)を形成し、このフォトレジストパターンをマスクとして用いて、メモリセル領域61A(ソースダミー領域61Bを含む)およびワードシャント領域61Cのシリコン膜64にn型不純物をイオン注入法などによって導入する。これにより、メモリセル領域61A(ソースダミー領域61Bを含む)およびワードシャント領域61Cのシリコン膜64をn型のシリコン膜64とする。
次に、シリコン膜64上にフォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジストパターン(レジストパターン)RP1を形成してから、このフォトレジストパターンRP1をエッチングマスクとして用いて、図53(要部平面図)、図54(A1−A1線での断面図)および図55(C1−C1線での断面図)に示されるように、シリコン膜64をエッチング(ドライエッチング)してパターニングする(図47のステップS6)。パターニングされたシリコン膜64により、選択ゲート電極SGが形成される。形成された選択ゲート電極SGのパターンは、フォトレジストパターンRP1と同様のパターン形状を有しており、選択ゲート電極SGは、ワードシャント領域61Cに配置されたコンタクト部SGaを一体的に有している。また、メモリセル領域61Aにおいて、選択ゲート電極SGの下に残存する絶縁膜63が選択トランジスタのゲート絶縁膜となる。その後、フォトレジストパターンRP1は除去する。図53〜図55は、フォトレジストパターンRP1が除去された段階に対応する。なお、図53は、平面図であるが、図面を見やすくするために、選択ゲート電極SGにハッチングを付してある。なお、フォトレジストパターンRP1および後述のフォトレジストパターンRP1a,RP2,RP3,RP4は、エッチングで使用するレジストパターンとみなすことができる。
メモリセル領域61Aにおいて、選択ゲート電極SGで覆われた部分以外の絶縁膜63(すなわちゲート絶縁膜となる部分以外の絶縁膜63)は、ステップS6のパターニング工程で行うドライエッチングや、あるいはそのドライエッチング後にウェットエッチングを行うことによって除去され得る。
次に、メモリセル領域61Aに後で形成されるメモリトランジスタのしきい電圧を調整するために、必要に応じて、メモリセル領域61Aのp型ウエルPW1の表面部(表層部)に対してチャネルドープイオン注入を行う。
次に、洗浄処理を行って、半導体基板61の主面を清浄化処理した後、図56(A1−A1線での断面図)および図57(C1−C1線での断面図)に示されるように、半導体基板61の主面および選択ゲート電極SGの表面上に、メモリトランジスタのゲート絶縁膜用の絶縁膜65を形成する(図47のステップS7)。
絶縁膜65は、上記のように、内部に電荷蓄積部を有する絶縁膜であり、絶縁膜として、下から順に形成された上記酸化シリコン膜65a、上記窒化シリコン膜65bおよび上記酸化シリコン膜65cの積層膜(ONO膜)からなるが、図面を見やすくするために、図56および図57では、酸化シリコン膜65a、窒化シリコン膜65bおよび酸化シリコン膜65cの積層膜を、単に絶縁膜65として図示している。従って、実際には、絶縁膜65は、酸化シリコン膜(酸化膜)65aと、酸化シリコン膜65a上の窒化シリコン膜(窒化膜)65bと、窒化シリコン膜65b上の酸化シリコン膜(酸化膜)65cとの積層膜からなる。ステップS7において、図56および図57に示されるように、絶縁膜65は、半導体基板61(p型ウエルPW1および素子分離領域62を含む)の主面(表面)と選択ゲート電極SGの表面(側面および上面)とに形成される(但し選択ゲート電極SGの下部には絶縁膜65は形成されない)。また、成膜工程上、素子分離領域62上にも絶縁膜65が形成されることが一般的であるが、素子分離領域62上には絶縁膜65が形成されなくともよい。
また、本実施の形態においては、トラップ準位を有する絶縁膜として、窒化シリコン膜65bを形成しているが、窒化シリコン膜に限定されものではなく、例えば酸化アルミニウム膜(アルミナ)、酸化ハフニウム膜または酸化タンタル膜など、窒化シリコン膜よりも高い誘電率を有する高誘電率膜を使用してもよい。また、シリコンナノドットで形成してもよい。
絶縁膜65のうち、酸化シリコン膜は、例えば酸化処理(熱酸化処理)またはCVD法あるいはその組み合わせにより形成することができ、窒化シリコン膜は、例えばCVD法により形成することができる。例えば、絶縁膜65のうちの下部酸化シリコン膜(上記酸化シリコン膜65aに対応)を熱酸化により形成した後、絶縁膜65のうちの窒化シリコン膜をCVD法で堆積し、さらに、絶縁膜65のうちの上部酸化シリコン膜(上記酸化シリコン膜65cに対応)をCVD法と熱酸化で形成することができる。絶縁膜65のうちの上記酸化シリコン膜65aの厚みは、例えば3〜6nm程度とすることができ、上記窒化シリコン膜65bの厚みは、例えば5〜10nm程度とすることができ、上記酸化シリコン膜65cの厚みは、例えば4〜7nm程度とすることができる。
絶縁膜65は、後で形成されるメモリトランジスタのゲート絶縁膜として機能し、電荷保持機能を有する。従って、絶縁膜65は少なくとも3層の積層構造を有し、外側の層(酸化シリコン膜65a,65c)のポテンシャル障壁高さに比べ、内側の層(窒化シリコン膜65b)のポテンシャル障壁高さが低くなる。これは、本実施の形態のように、絶縁膜65を、酸化シリコン膜65aと、酸化シリコン膜65a上の窒化シリコン膜65bと、窒化シリコン膜65b上の酸化シリコン膜65cとを有する積層膜とすることで達成できる。
次に、図58(要部平面図)、図59(A1−A1線での断面図)および図60(C1−C1線での断面図)に示されるように、半導体基板61の主面全面上に、すなわち絶縁膜65上に、選択ゲート電極SGを覆うように、メモリゲート電極MG1形成用の導電体膜(導体膜、導電膜)として、シリコン膜(第2導電体膜)66を形成(堆積)する(図47のステップS8)。なお、図58では、理解を簡単にするために、シリコン膜66および絶縁膜65を透視し、平面図であるが、後述のフォトレジストパターンRP2にハッチングを付してある。
シリコン膜66は、n型不純物(例えばリン(P)など)を導入した多結晶シリコン膜(ドープトポリシリコン膜)などのシリコン膜からなり、CVD法などを用いて形成することができる。シリコン膜66の膜厚(堆積膜厚)は、例えば50〜100nm程度とすることができる。
次に、シリコン膜66上に、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジストパターン(レジストパターン)RP2を形成する。それから、このフォトレジストパターンRP2をエッチングマスクとして、フォトレジストパターンRP2から露出するシリコン膜66を異方性ドライエッチングによりエッチバックする(図47のステップS9)。
ステップS9のエッチバック工程では、シリコン膜66の堆積膜厚の分だけシリコン膜66を異方性エッチング(エッチバック)することにより、選択ゲート電極SGの両方の側壁上に(絶縁膜65を介して)シリコン膜66をサイドウォール(サイドウォールスペーサ)状に残し、フォトレジストパターンRP2の下にシリコン膜66を残し、他の領域のシリコン膜66を除去する。これにより、図61(要部平面図)、図62(A1−A1線での断面図)および図63(C1−C1線での断面図)に示されるように、選択ゲート電極SGの両方の側壁のうち、一方の側壁上に絶縁膜65を介してサイドウォール状に残存したシリコン膜66により、メモリゲート電極MG1が形成され、また、他方の側壁上に絶縁膜65を介してサイドウォール状に残存したシリコン膜66により、シリコンスペーサ(導電体スペーサ)SP1が形成される。このシリコンスペーサSP1は、導電体からなるサイドウォールスペーサ、すなわち導電体スペーサとみなすこともできる。また、エッチングマスクとして機能するフォトレジストパターンRP2の下に、エッチングされずに残存したシリコン膜66により、コンタクト部MG1bが形成される。このコンタクト部MG1bは、その一部が後で上記コンタクト部MG1aとなる。ステップS9のエッチバック工程は異方性エッチングであるため、形成されたコンタクト部MG1bは、フォトレジストパターンRP2と同様のパターン形状(平面形状)を有している。
図58および図60にも示されるように、ワードシャント領域61Cにおいて、フォトレジストパターンRP2は、選択ゲート電極SGと交差するように、より好ましくは選択ゲート電極SGと直交するように形成される。すなわち、選択ゲート電極SGと交差(好ましくは直交)するように延在するフォトレジストパターンRP2が、シリコン膜66上に形成される。このため、コンタクト部MG1bは、選択ゲート電極SGと交差(好ましくは直交)するように形成されるので、コンタクト部MG1bは、選択ゲート電極SG上に乗り上げた部分(すなわち選択ゲート電極SG上に位置する部分)を有している。その後、フォトレジストパターンRP2は除去する。図61〜図63は、フォトレジストパターンRP2が除去された段階に対応する。なお、図61では、理解を簡単にするために、絶縁膜65を透視し、平面図であるが、残存するシリコン膜66(すなわちシリコンスペーサSP1、メモリゲート電極MG1およびコンタクト部MG1b)にハッチングを付してある。
このように、ステップS9のエッチバック工程を行った段階で、シリコン膜66は、フォトレジストパターンRP2で覆われていた部分以外は、サイドウォール(サイドウォールスペーサ)状となってメモリゲート電極MG1およびシリコンスペーサSP1となり、フォトレジストパターンRP2で覆われていた部分は、シリコン膜66の堆積膜厚の全厚み分が残存してコンタクト部MG1bとなる。そして、メモリゲート電極MG1とシリコンスペーサSP1とは、選択ゲート電極SGの互いの反対側の側壁に形成されており、選択ゲート電極SGのパターンを挟んでほぼ対称な構造を有している。また、ステップS9のエッチバック工程を行った段階で、メモリゲート電極MG1とシリコンスペーサSP1とコンタクト部MG1bとで覆われていない領域の絶縁膜65が露出される。メモリセル領域61Aにおけるメモリゲート電極MG1の下の絶縁膜65がメモリトランジスタのゲート絶縁膜となる。シリコン膜66の堆積膜厚によってメモリゲート長(メモリゲート電極MG1のゲート長)が決まるので、上記ステップS8で堆積するシリコン膜66の堆積膜厚を調整することで、メモリゲート長を調整することができる。
次に、図64(要部平面図)、図65(A1−A1線での断面図)、図66(C1−C1線での断面図)、図67(D1−D1線での断面図)および図68(E1−E1線での断面図)に示されるように、メモリゲート電極MG1が覆われかつシリコンスペーサSP1が露出されるようなフォトレジストパターン(レジストパターン)RP3を、フォトリソグラフィ技術を用いて半導体基板61上に形成する。このフォトレジストパターンRP3は、コンタクト部MG1b以外のメモリゲート電極MG1を覆い、コンタクト部MG1bの一部を覆い、コンタクト部MG1bの他の一部を露出し、シリコンスペーサSP1を露出するように形成される。なお、図64では、理解を簡単にするために、絶縁膜65を透視し、平面図であるが、フォトレジストパターンRP3と、フォトレジストパターンRP3で覆われずに露出するシリコンスペーサSP1およびコンタクト部MG1bとにハッチングを付してある。
次に、図69(A1−A1線での断面図)、図70(C1−C1線での断面図)、図71(D1−D1線での断面図)および図72(E1−E1線での断面図)に示されるように、フォトレジストパターンRP3をエッチングマスクとして等方性のエッチングを行うことによって、シリコンスペーサSP1を除去する(図47のステップS10)。その後、図73(要部平面図)、図74(A1−A1線での断面図)および図75(C1−C1線での断面図)に示されるように、フォトレジストパターンRP3を除去する。ステップS10のエッチング工程では、等方性のエッチングを行うことが重要である。なお、図73では、理解を簡単にするために、絶縁膜65を透視し、平面図であるが、残存するシリコン膜66(すなわちメモリゲート電極MG1およびコンタクト部MG1a)にハッチングを付してある。
図64〜図68にも示されるように、フォトレジストパターンRP3は、シリコンスペーサSP1に平面的に重ならないように形成される。すなわち、シリコンスペーサSP1はフォトレジストパターンRP3で覆われず、シリコンスペーサSP1が露出した状態でステップS10のエッチングが行われる。このため、ステップS10のエッチングによってシリコンスペーサSP1の全部が除去される。
また、図64および図66にも示されるように、フォトレジストパターンRP3は、コンタクト部MG1bの一部に平面的に重なり、コンタクト部MG1bの他の一部に平面的に重ならないように形成される。すなわち、コンタクト部MG1bには、フォトレジストパターンRP3で覆われた部分と覆われていない部分とがある。このため、コンタクト部MG1bは、フォトレジストパターンRP3で覆われずに上方に向かって露出した部分を有しており、この部分(コンタクト部MG1bのうちのフォトレジストパターンRP3で覆われていない部分)は、ステップS10のエッチングによって除去される。
本実施の形態とは異なり、ステップS10で行うエッチングが異方性のエッチングであれば、コンタクト部MG1bのうち、フォトレジストパターンRP3で覆われている部分はエッチングされずに残存する。しかしながら、本実施の形態では、ステップS10のエッチング工程は、等方性のエッチングを行うことを特徴の一つとしている。
ステップS10で行うエッチングが等方性のエッチングであるため、ステップS10において、コンタクト部MG1bは、フォトレジストパターンRP3で覆われていない部分が縦方向(コンタクト部MG1bの厚み方向、すなわち半導体基板61の主面に略垂直な方向)にエッチングされると、コンタクト部MG1b部においてフォトレジストパターンRP3で上部が覆われているが側面が露出する部分が生じ、その部分からサイドエッチングされるようになる。
このため、ステップS10の等方性エッチング工程において、コンタクト部MG1bは、フォトレジストパターンRP3で覆われていない部分が除去されるだけでなく、更に、フォトレジストパターンRP3で覆われている部分の一部がサイドエッチングされて除去され、コンタクト部MG1bのうち、ステップS10の等方性エッチング工程で除去されずに残存した部分が、コンタクト部MG1aとなる。従って、コンタクト部MG1aは、コンタクト部MG1bの一部で形成され、コンタクト部MG1aになる部分以外のコンタクト部MG1bは、ステップS10のエッチングで除去される。コンタクト部MG1a(すなわちコンタクト部MG1bのうちのステップS10の等方性エッチング工程で除去されずに残存した部分)は、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1(すなわちコンタクト部MG1a以外のメモリゲート電極MG1)と一体的に形成されている。
また、図64〜図68にも示されるように、フォトレジストパターンRP3は、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1に平面的に重なるように形成される。すなわち、フォトレジストパターンRP3は、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1を平面的に内包するように形成される。なお、「サイドウォール状のメモリゲート電極MG1」は、ステップS10の等方性エッチング工程の前は、「コンタクト部MG1b以外のメモリゲート電極MG1」に対応し、ステップS10の等方性エッチング工程の後は、「コンタクト部MG1a以外のメモリゲート電極MG1」に対応する。
このため、フォトレジストパターンRP3を形成すると、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1(すなわちコンタクト部MG1b以外のメモリゲート電極MG1)は、フォトレジストパターンRP3で覆われ、横方向には選択ゲート電極SGがあるため、縦方向(上下方向)にも横方向(水平方向)にも露出されていない状態となる。この状態(縦方向にも横方向にもサイドウォール状のメモリゲート電極MG1が露出されていない状態)でステップS10のエッチングが行われるため、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1は、ステップS10のエッチングによってエッチングされずに、残存することになる。
また、ステップS10のエッチング工程で行うエッチングは、等方性のエッチングであることが必要であるが、ドライエッチングまたはウェットエッチングのいずれを用いることも可能である。但し、ウェットエッチングよりもドライエッチングの方が、より好ましく、ステップS10のエッチング工程で行うエッチングを等方性のドライエッチングとすることで、エッチング量の制御性が良い、および、ばらつきが小さいという利点を得られる。ドライエッチングの場合には、エッチングガスとしては、例えばO2/CF4などを使用することができる。
このようなステップS10により、シリコンスペーサSP1が除去され、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1は残存し、コンタクト部MG1bはコンタクト部MG1aとなる。
次に、図76(A1−A1線での断面図)および図77(C1−C1線での断面図)に示されるように、絶縁膜65のうち、メモリゲート電極MG1(コンタクト部MG1aを含む)で覆われずに露出する部分をエッチング(例えばウェットエッチング)によって除去する(図47のステップS11)。この際、メモリゲート電極MG1の下に位置する絶縁膜65と、メモリゲート電極MG1および選択ゲート電極SG間に位置する絶縁膜65とは、除去されずに残存する。このため、コンタクト部MG1aの下に位置する絶縁膜65と、コンタクト部MG1aおよび選択ゲート電極SG間に位置する絶縁膜65とも、除去されずに残存する。
次に、イオン注入法などを用いて例えばヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物を、選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1をイオン注入阻止マスクとして用いて半導体基板61(p型ウエルPW1)に導入(ドーピング)することで、n−型半導体領域(不純物拡散層)67a,67bを形成する(図47のステップS12)。
この際、n−型半導体領域67aは、メモリセル領域61Aにおいて、メモリゲート電極MG1の側壁(絶縁膜65を介して選択ゲート電極SGと隣合う側とは反対側の側壁)に自己整合して形成され、n−型半導体領域67bは、メモリセル領域61Aにおいて、選択ゲート電極SGの側壁(絶縁膜65を介してメモリゲート電極MG1と隣合う側とは反対側の側壁)に自己整合して形成される。n−型半導体領域67aおよびn−型半導体領域67bは、メモリセル領域61Aに形成されるメモリセルのソース・ドレイン領域の一部として機能することができる。
次に、図78(A1−A1線での断面図)および図79(C1−C1線での断面図)に示されるように、選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1の側壁(絶縁膜65を介して互いに隣合う側とは反対側の側壁)上に、例えば酸化シリコンなどの絶縁体からなる側壁絶縁膜(サイドウォール、サイドウォールスペーサ)68を形成する(図47のステップS13)。例えば、半導体基板61の主面全面上に酸化シリコン膜などの絶縁膜を堆積し、この絶縁膜を異方性エッチング(エッチバック)することによって、選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1の側壁上にのみ選択的にこの絶縁膜を残して、側壁絶縁膜68を形成することができる。図79に示されるように、側壁絶縁膜68は、コンタクト部MG1aの側壁(側面)上にも形成され得る。本実施の形態においては、側壁絶縁膜を酸化シリコン膜として形成したが、酸化シリコン膜に限定されるものではなく、窒化シリコン膜および酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層膜で形成してもよい。
次に、イオン注入法などを用いて例えばヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物を、選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1とそれらの側壁上の側壁絶縁膜68とをイオン注入阻止マスクとして用いて半導体基板61(p型ウエルPW1)に導入(ドーピング)することで、高不純物濃度のn+型半導体領域(不純物拡散層)69a,69bを形成する(図47のステップS14)。
この際、n+型半導体領域69aは、メモリセル領域61Aにおいて、メモリゲート電極MG1の側壁上の側壁絶縁膜68に自己整合して形成され、n+型半導体領域69bは、メモリセル領域61Aにおいて、選択ゲート電極SGの側壁上の側壁絶縁膜68に自己整合して形成される。これにより、LDD(lightly doped drain)構造が形成される。
n−型半導体領域67aとそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域69aとにより、メモリトランジスタのソース領域として機能するn型の半導体領域MSが形成され、n−型半導体領域67bとそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域69bとにより、選択トランジスタのドレイン領域として機能するn型の半導体領域MDが形成される。
このようにして、上記メモリセル領域61Aに不揮発性メモリのメモリセルMC1が形成される。
次に、必要に応じてエッチング(例えば希フッ酸などを用いたウェットエッチング)を行って、選択ゲート電極SG、メモリゲート電極MG1およびn+型半導体領域69a,69bの上面(表面)を清浄化(露出)させる。このときのエッチングは、自然酸化膜を除去する程度の軽いエッチングとすることができる。
次に、サリサイド技術を用いて、図80(A1−A1線での断面図)および図81(C1−C1線での断面図)に示されるように、選択ゲート電極SG、メモリゲート電極MG1およびn+型半導体領域69a,69bの上部(上面、表面、上層部)に、それぞれ金属シリサイド層(金属シリサイド膜)11を形成する。金属シリサイド層71を形成したことにより、拡散抵抗やコンタクト抵抗などを低抵抗化することができる。この金属シリサイド層71は、次のようにして形成することができる。
まず、選択ゲート電極SG、メモリゲート電極MG1およびn+型半導体領域69a,69bの上面(表面)上を含む半導体基板61の主面全面上に、選択ゲート電極SG、メモリゲート電極MG1および側壁絶縁膜68を覆うように、金属膜(図示せず)を形成(堆積)する。この金属膜は、例えばコバルト(Co)膜またはニッケル(Ni)膜などからなり、スパッタリング法などを用いて形成することができる。それから、半導体基板61に対して熱処理を施すことによって、選択ゲート電極SG、メモリゲート電極MG1およびn+型半導体領域69a,69bの上層部分(表層部分)を上記金属膜と反応させる。これにより、選択ゲート電極SG、メモリゲート電極MG1およびn+型半導体領域69a,69bの上部(上面、表面、上層部)に、それぞれ金属シリサイド層71が形成される。金属シリサイド層71は、例えばコバルトシリサイド層(上記金属膜がコバルト膜の場合)またはニッケルシリサイド層(上記金属膜がニッケル膜の場合)とすることができる。その後、未反応の上記金属膜を除去する。図80および図81にはこの段階の断面図が示されている。
また、図81にも示されるように、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aの上面のうち、側壁絶縁膜68で覆われていない部分に金属シリサイド層71が形成される。また、上記図40にも示されるように、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaの上面にも金属シリサイド層71が形成される。
次に、図82(A1−A1線での断面図)および図83(C1−C1線での断面図)に示されるように、半導体基板61の主面全面上に、選択ゲート電極SG、メモリゲート電極MG1および側壁絶縁膜68を覆うように、層間絶縁膜として絶縁膜(層間絶縁膜)72を形成(堆積)する。絶縁膜72は酸化シリコン膜の単体膜、あるいは、窒化シリコン膜とその上の酸化シリコン膜との積層膜などからなり、例えばCVD法などを用いて形成することができる。絶縁膜72を、窒化シリコン膜とその上の酸化シリコン膜との積層膜とした場合には、上層側の酸化シリコン膜の厚みは、下層側の窒化シリコン膜の厚みよりも厚く、下層側の窒化シリコン膜は、絶縁膜72にコンタクトホールCTを形成する際のエッチングストッパ膜としてとして機能する。絶縁膜72の形成後、必要に応じてCMP(Chemical Mechanical Polishing)法などを用いて絶縁膜72の上面を平坦化する。
次に、フォトリソグラフィ法を用いて絶縁膜72上に形成したフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして、絶縁膜72をドライエッチングすることにより、図84(A1−A1線での断面図)および図85(C1−C1線での断面図)に示されるように、絶縁膜72にコンタクトホール(開口部、貫通孔)CTを形成する。
コンタクトホールCTは、n+型半導体領域69a,69b、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGa、およびメモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aの上部などに形成される。コンタクトホールCTには、上記コンタクトホールCT1,CT2,CT3,CT4などがある。このうち、コンタクトホールCT4は、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aの上部の絶縁膜(層間絶縁膜)72に形成され、その底部では、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1a(の表面上の金属シリサイド層71)の一部が露出される。また、コンタクトホールCT2は、n+型半導体領域69bの上部の絶縁膜(層間絶縁膜)72に形成され、その底部では、n+型半導体領域69b(の表面上の金属シリサイド層71)の一部が露出される。また、上記図40からも分かるように、コンタクトホールCT3は、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaの上部の絶縁膜(層間絶縁膜)72に形成され、その底部では、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGa(の表面上の金属シリサイド層71)の一部が露出される。
次に、図86(A1−A1線での断面図)および図87(C1−C1線での断面図)に示されるように、コンタクトホールCT内に、導電体部(接続用導体部)として、タングステン(W)などからなる導電性のプラグPGを形成する。
プラグPGを形成するには、例えば、コンタクトホールCTの内部(底部および側壁上)を含む絶縁膜72上に、バリア導体膜73aを形成する。このバリア導体膜73aは、例えば、チタン膜、窒化チタン膜、あるいはそれらの積層膜とすることができる。それから、このバリア導体膜73a上にタングステン膜などからなる主導体膜73bをコンタクトホールCTを埋めるように形成し、絶縁膜72上の不要な主導体膜73bおよびバリア導体膜73aをCMP法またはエッチバック法などによって除去することにより、プラグPGを形成することができる。
プラグPGのうち、コンタクトホールCT2に埋め込まれたプラグPG2は、n+型半導体領域69b(の表面上の金属シリサイド層71)に接して電気的に接続される。プラグPGのうち、コンタクトホールCT4に埋め込まれたプラグPG4は、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1a(の表面上の金属シリサイド層71)に接して電気的に接続される。また、上記図40からも分かるように、コンタクトホールCT3に埋め込まれたプラグPG3は、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGa(の表面上の金属シリサイド層71)に接して電気的に接続される。
次に、上記図39〜図43に示されるように、プラグPGが埋め込まれた絶縁膜72上に配線(配線層)MM1を形成する。この配線MM1を、ダマシン技術(ここではシングルダマシン技術)を用いて形成する場合について説明する。
まず、上記図39〜図43に示されるように、プラグPGが埋め込まれた絶縁膜72上に絶縁膜(層間絶縁膜)74を形成してから、この絶縁膜74に、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いて配線溝(絶縁膜74において配線MM1が埋め込まれる溝)を形成する。それから、半導体基板61の主面上(すなわち配線溝の底部および側壁上を含む絶縁膜74上)にバリア導体膜(例えば窒化チタン膜、タンタル膜または窒化タンタル膜など)を形成し、続いて、CVD法またはスパッタリング法などによりバリア導体膜上に銅のシード層を形成し、さらに電解めっき法などを用いてシード層上に銅めっき膜を形成し、銅めっき膜により配線溝の内部を埋め込む。その後、配線溝内以外の領域の銅めっき膜、シード層およびバリアメタル膜をCMP法により除去して、銅を主導電材料とする第1層目の配線MM1を形成する。配線MM1は、絶縁膜74の配線溝に埋め込まれた状態となっている。なお、図面の簡略化のために、上記図39〜図43では、配線MM1を構成する銅めっき膜、シード層およびバリア導体膜を一体化して示してある。
配線MM1は、コンタクトホールCTに埋め込まれたプラグPGを介して、メモリトランジスタのソース領域(半導体領域MS)、選択トランジスタのドレイン領域(半導体領域MD)、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGa、あるいはメモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aなどと電気的に接続される。例えば、上記図41に示されるように、配線MM1のうちのメモリゲート用配線(メモリゲート電極MG1に接続されるべき配線)MM1aは、コンタクトホールCT4に埋め込まれたプラグPG4を介して、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aに電気的に接続される。また、上記図40に示されるように、配線MM1のうちの選択ゲート用配線(選択ゲート電極SGに接続されるべき配線)MM1bは、コンタクトホールCT3に埋め込まれたプラグPG3を介して、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaに電気的に接続される。
その後、デュアルダマシン法などにより2層目以降の配線を形成するが、ここでは図示およびその説明は省略する。また、配線MM1およびそれよりも上層の配線は、ダマシン配線(埋込配線)に限定されず、配線用の導電体膜をパターニングして形成することもでき、例えばタングステン配線またはアルミニウム配線などとすることもできる。
次に、比較例の半導体装置と対比しながら、本実施の形態の主要な効果について説明する。
図88および図89は、比較例の半導体装置の要部断面図であり、本実施の形態の上記図39および図41にそれぞれ対応するものである。なお、図88および図89に示される比較例の半導体装置において、メモリゲート電極MG101、選択ゲート電極SG101、側壁絶縁膜168、金属シリサイド層171、絶縁膜172、コンタクトホールCT101、プラグPG101、絶縁膜174および配線MM101は、本実施の形態の上記メモリゲート電極MG1、選択ゲート電極SG、側壁絶縁膜68、金属シリサイド層71、絶縁膜72、コンタクトホールCT、プラグPG、絶縁膜74および配線MM1にそれぞれ相当するものである。また、図88および図89に示される比較例の半導体装置において、コンタクト部MG101aは、本実施の形態の上記コンタクト部MG1aに相当するものである。
図88および図89に示される比較例の半導体装置では、メモリゲート電極MG101のコンタクト部MG101aが、選択ゲート電極SG101上に乗り上げている。すなわち、メモリゲート電極MG101のコンタクト部MG101aのうちの一部が選択ゲート電極SG101上に位置しており、選択ゲート電極SG101上から素子分離領域62上にかけてコンタクト部MG101aが延在している。コンタクト部MG101aは、半導体基板61の主面上に形成したシリコン膜(上記シリコン膜66に相当)をエッチバックしてサイドウォール状のメモリゲート電極MG101を形成する際に、そのシリコン膜の上部にフォトレジストパターン(上記フォトレジストパターンRP2に相当)を形成しておき、このフォトレジストパターンの下にシリコン膜を残してコンタクト部MG101aとしたものである。選択ゲート電極SG101の一方の側壁上のシリコンスペーサ(上記シリコンスペーサSP1に相当)を除去し、選択ゲート電極SG101の他方の側壁上にメモリゲート電極MG101を残す際に、コンタクト部MG101aは選択ゲート電極SG101上に乗り上げている部分がエッチングされずに残存し、選択ゲート電極SG101上にコンタクト部MG101aが乗り上げた構造が、製造後の比較例の半導体装置でも維持されている。
図88および図89に示される比較例の半導体装置では、次のような課題が生じることが、本発明者の検討により分かった。
メモリゲート電極MG101のコンタクト部MG101aの一部が、選択ゲート電極SG101上に乗り上げている比較例の場合には、選択ゲート電極SG101上に乗り上げているコンタクト部MG101aも絶縁膜172で十分に覆われるようにするために、絶縁膜172の厚み(半導体基板61の主面から絶縁膜172の上面までの距離)を厚くする必要がある。
しかしながら、絶縁膜172に形成するコンタクトホールCT101は、絶縁膜172を確実に貫通するように形成する必要がある。このため、絶縁膜172が厚いと、その分、絶縁膜172にコンタクトホールCT101を形成する際のドライエッチングのエッチング量が多くなり、形成しているフォトレジストパターン(図示せず)の削れ量が増えてコンタクトホールの形状異常を発生させ歩留が低下する虞がある。また、オーバーエッチング量を多く設定する必要が生じ、これは、コンタクトホールCT101の底部で露出する部分に対して、オーバーエッチングに起因したダメージを生じさせる虞がある。
また、絶縁膜172の厚みが厚いと、絶縁膜172に形成するコンタクトホールCT101の深さが深くなる。しかしながら、コンタクトホールは、アスペクト比(縦横比)が大きくなりすぎると、形成が困難になる。このため、絶縁膜172の厚みが厚くなると、コンタクトホールCT101のアスペクト比の増加を抑制するために、コンタクトホールCT101の平面寸法(開口面積)を大きくする必要が生じるが、これは、半導体装置の小型化に不利となる。
また、不揮発性メモリを形成したのと同一の半導体基板61の他の領域に不揮発性メモリ以外の周辺回路を形成する場合には、不揮発性メモリ形成領域(メモリセル領域61A、ソースダミー領域61B及びワードシャント領域61Cに相当する領域を含んでいる)をフォトレジストパターンで覆った状態で、周辺回路を形成する領域(周辺回路形成領域)において、ゲート加工(周辺回路のゲート電極を形成するためのパターニング工程)を行う。この際、比較例の場合には、選択ゲート電極SG101上に乗り上げているコンタクト部MG101aの上面が半導体基板61上に形成されている素子で最も高い位置にあり、その部分が周辺回路のゲート電極のパターニングにおいて十分保護される厚さのフォトレジストパターンで覆われる必要がある。したがって、フォトレジストパターンを本実施の形態よりも厚くする必要があるため、ゲート加工用のフォトレジストパターン(周辺回路形成領域においてゲート電極形成予定領域を覆うフォトレジストパターン)の厚みも厚くなる。ゲート加工用のフォトレジストパターンの厚みが厚くなると、微細なゲート電極を形成することが難しくなるため、比較例の場合には、周辺回路形成領域においてゲート電極の微細化を図る上で不利となる。
また、比較例のように、コンタクト部MG101aの一部が選択ゲート電極SG101上に乗り上げている構造だと、コンタクト部MG101aの位置や寸法のばらつきが大きくなりやすいため、プロセスマージンを確保するために、コンタクト部MG101aの寸法を大きくしなければならず、半導体装置の小型化に不利となる。
それに対して、本実施の形態では、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aは、選択ゲート電極SG上に乗り上げていない。すなわち、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aは、選択ゲート電極SG上に位置する部分を有していない。コンタクト部MG1a以外の領域のメモリゲート電極MG1は、選択ゲート電極SGの一方の側壁上にサイドウォール(サイドウォールスペーサ)状に形成されており、選択ゲート電極SG上には乗り上げていない。従って、コンタクト部MG1aを含むメモリゲート電極MG1は、選択ゲート電極SG上に位置する部分を有していない。
また、本実施の形態では、絶縁膜65を介して隣接する選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1が半導体基板61の主面上に複数延在している場合には、複数本のメモリゲート電極MG1にコンタクト部MG1aを設けることになるが、いずれのメモリゲート電極MG1においても、コンタクト部MG1aは選択ゲート電極SG上に乗り上げていない(選択ゲート電極SG上に位置する部分を有していない)。すなわち、絶縁膜65を介して隣接する選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1が半導体基板61の主面上に複数延在している場合には、いずれのメモリゲート電極MG1(コンタクト部MG1aを含むメモリゲート電極MG1)も、選択ゲート電極SG上に位置する部分を有していない。
すなわち、本実施の形態では、シリコン膜66の成膜段階では、シリコン膜66はシリコン膜64のパターン(選択ゲート電極SG)を覆うように形成されるが、シリコン膜66の成膜後、シリコン膜66のうち、シリコン膜64上に位置する部分は、その後に(具体的には上記ステップS9およびステップS10で)全て除去される。このため、上記ステップS10の等方性エッチング工程の後には、シリコン膜64(選択ゲート電極SG)上にシリコン膜66が配置されている部分がない状態となり、この状態が、製造された半導体装置においても維持されている。
このため、本実施の形態では、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aが選択ゲート電極SGに乗り上げていない状態(すなわちシリコン膜64上にシリコン膜66が配置されている部分がない状態)で絶縁膜72を形成するため、コンタクト部MG101aの一部が、選択ゲート電極SG101上に乗り上げている上記比較例に比べて、絶縁膜72の厚みを薄くすることができる。絶縁膜72を薄くすることができるため、コンタクトホールCTを形成する際のドライエッチングのエッチング量及びオーバーエッチング量を少なく設定することができ、エッチング量が多いことに起因したコンタクトホールCTの形状異常の発生や、オーバーエッチングに起因したダメージの発生を、抑制または防止することができる。従って、半導体装置の信頼性を向上させることができ、また、半導体装置の性能を向上させることができる。
また、上記比較例に比べて、本実施の形態では、絶縁膜72を薄くすることができるため、コンタクトホールCTの平面寸法(開口面積)が同じであれば、コンタクトホールCTのアスペクト比(縦横比)を小さくすることができ、また、コンタクトホールCTのアスペクト比が同じであれば、コンタクトホールCTの平面寸法(開口面積)を小さくすることができる。このため、コンタクトホールCTを形成しやすくなり、また、コンタクトホールの平面寸法(開口面積)の縮小も可能になる。従って、半導体装置の製造歩留まりを向上でき、また、半導体装置の小型化(小面積化)を図ることができる。また、半導体装置の小型化(小面積化)を促進することができる。
また、本実施の形態では、不揮発性メモリを形成したのと同一の半導体基板61の他の領域に不揮発性メモリ以外の周辺回路を形成することもできる。ここで、周辺回路とは、例えばCPUなどのプロセッサ、制御回路、センスアンプ、カラムデコーダ、ロウデコーダ、入出力回路などである。半導体基板61の主面における、周辺回路を形成する領域を、周辺回路形成領域と称することとする。半導体基板61の主面の周辺回路形成領域には、周辺回路を構成するMISFETなどが形成されるが、この周辺回路形成領域のMISFETのゲート電極は、上記シリコン膜64(すなわち選択ゲート電極SGの形成に用いたシリコン膜64と同層のシリコン膜)を用いて形成することができる。すなわち、上記ステップS5でシリコン膜64を形成した後、上記ステップS11で不要な絶縁膜65を除去した段階まで、周辺回路形成領域にシリコン膜64を残存させておく。そして、上記ステップS12でLDD形成用(ここではn−型半導体領域67a,67b形成用)のイオン注入を行なう前に、周辺回路形成領域において、残存するシリコン膜64をフォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いてパターニングすることで、パターニングされたシリコン膜64からなるゲート電極(周辺回路を構成するMISFEのゲート電極)を形成することができる。
しかしながら、周辺回路形成領域において、残存するシリコン膜64をパターニングしてゲート電極を形成する際には、不揮発性メモリ形成領域(上記メモリセル領域61A、ソースダミー領域61Bおよびワードシャント領域61Cに相当する領域を含んでいる)をフォトレジストパターンで覆った状態で、周辺回路形成領域のシリコン膜64をパターニングする必要がある。これは、周辺回路形成領域のシリコン膜64をパターニングして周辺回路のゲート電極を形成する際に、不揮発性メモリ形成領域の選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1などがエッチングされるのを防ぐためである。
本実施の形態では、上述のように、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aは、選択ゲート電極SG上に乗り上げていない。すなわち、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aは、選択ゲート電極SG上に位置する部分を有していないため、コンタクト部MG1aを含むメモリゲート電極MG1は、選択ゲート電極SG上に位置する部分を有さない。このため、上記比較例の場合に比べて、本実施の形態では、周辺回路形成領域のシリコン膜64をパターニングしてゲート電極(周辺回路を構成するMISFEのゲート電極)を形成する際に使用するフォトレジストパターン(すなわち不揮発性メモリ形成領域全体と周辺回路形成領域のゲート電極形成予定領域を覆うフォトレジストパターン)の厚みを薄くすることができる。このため、薄いフォトレジストパターンを用いて周辺回路形成領域のシリコン膜64をパターニングしてゲート電極(周辺回路を構成するMISFEのゲート電極)を形成することができるため、周辺回路形成領域のゲート電極(周辺回路を構成するMISFEのゲート電極)の微細化を図ることができる。従って、半導体装置の小型化(小面積化)を図ることができ、また、半導体装置の小型化(小面積化)を促進することができる。
また、本実施の形態では、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aが選択ゲート電極SGに乗り上げていない構造のため、上記比較例のようにコンタクト部MG101aの一部が選択ゲート電極SG101上に乗り上げている構造に比べて、プロセスマージンを確保しやすく、半導体装置の小型化に有利となる。
また、コンタクト部MG1aは、選択ゲート電極SGの上面の高さよりも高い位置にある部分を有さず、コンタクト部MG1aの高さ(すなわちコンタクト部MG1の最頂部の高さ)が、選択ゲート電極SGの高さ(すなわち選択ゲート電極SGの上面の高さ)以下であることが好ましく、これにより、上述の効果を最も享受できるようになる。これについては、後で説明する。
このように、本実施の形態の構造上の特徴により、上述の種々の効果を得ることができるが、本実施の形態では、本実施の形態の構造を得るための製造工程も工夫されている。これについて、以下に説明する。
本実施の形態とは異なり、上記ステップS9でシリコン膜66をエッチバックしてメモリゲート電極MG1およびシリコンスペーサSP1を形成した段階で、コンタクト部MG1bが選択ゲート電極SG上に乗り上げていない(すなわち、コンタクト部MG1bが選択ゲート電極SG上に位置する部分を有していない)ようにするのは、フォトマスクの合わせずれ(フォトレジストパターンのずれ)などを考慮すると、製造技術上難しい。無理に実現させようとしても、半導体装置の製造歩留まりを低下させる虞がある。
そこで、本実施の形態では、上記ステップS9でシリコン膜66をエッチバックしてメモリゲート電極MG1およびシリコンスペーサSP1を形成した段階では、形成されたコンタクト部MG1bは、選択ゲート電極SG上に乗り上げた部分を有している。すなわち、コンタクト部MG1bは、選択ゲート電極SG上に位置する部分を有している。このような構造は、選択ゲート電極SGと交差(より好ましくは直交)するように延在するフォトレジストパターンRP2をシリコン膜66上に形成することで容易かつ的確に実現でき、フォトマスクの合わせずれ(上記フォトレジストパターンRP2の位置のずれ)が多少生じたとしても、問題なく形成することができる。マージンも確保できるため、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。
しかしながら、コンタクト部MG1bは、選択ゲート電極SG上に位置する部分を有しているため、上記図88および図89に示される比較例の半導体装置に関連して説明した課題を解決するためには、絶縁膜72形成工程の前までに、コンタクト部MG1bのうち、選択ゲート電極SG上に位置している部分を除去する必要がある。このため、上記ステップS10のエッチング工程を工夫している。
上記フォトレジストパターンRP3は、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1(すなわちコンタクト部MG1b以外のメモリゲート電極MG1)がフォトレジストパターンRP3で覆われ、かつシリコンスペーサSP1がフォトレジストパターンRP3で覆われない(すなわち露出される)ように、形成する。これは、上記図64〜図68に示されるように、フォトレジストパターンRP3の端部を、選択ゲート電極SG上に位置させることで、容易に実現することができる。このフォトレジストパターンRP3をエッチングマスクとして用いてエッチングを行えば、このエッチングが異方性エッチングと等方性エッチングのいずれであっても、シリコンスペーサSP1を除去し、かつサイドウォール状のメモリゲート電極MG1(すなわちコンタクト部MG1b以外のメモリゲート電極MG1)を残存させることができる。しかしながら、このエッチングが異方性エッチングであれば、選択ゲート電極SG上にコンタクト部MG1bの一部が残存するため、上記図88および図89に示される比較例の半導体装置に関連して説明した課題が発生してしまう。
また、フォトレジストパターンを用いた異方性エッチングでは、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1(すなわちコンタクト部MG1b以外のメモリゲート電極MG1)のエッチングを防止しながら、コンタクト部MG1bのうち、選択ゲート電極SG上に位置する部分を除去することは、フォトマスクの合わせずれ(フォトレジストパターンの位置のずれ)を考慮すると、製造技術上難しい。無理に実現させようとしても、半導体装置の製造歩留まりを低下させる虞がある。
そこで、本実施の形態では、コンタクト部MG1bのうち、選択ゲート電極SG上に位置している部分を、ステップS10で等方性エッチングによって除去している。
すなわち、本実施の形態では、コンタクト部MG1bには、フォトレジストパターンRP3で覆われた部分と覆われていない部分とがあり、これは、上記図64〜図68に示されるように、フォトレジストパターンRP3の端部を、選択ゲート電極SG上に位置させることで、容易に実現することができる。このフォトレジストパターンRP3をエッチングマスクとして用いてエッチングを行えば、コンタクト部MG1bは、フォトレジストパターンRP3で覆われていない部分が除去され、コンタクト部MG1bにおいてフォトレジストパターンRP3で上方が覆われているが側面が露出する部分が生じ、本実施の形態のように等方性エッチングを用いることにより、コンタクト部MG1bがフォトレジストパターンRP3から露出している側面から、上部をフォトレジストパターンRP3で覆われている部分の一部がサイドエッチングされて除去される。この等方性エッチングによるサイドエッチングによって、コンタクト部MG1bのうち、フォトレジストパターンRP3で覆われかつ選択ゲート電極SG上に位置する部分を除去することができる。ステップS10の等方性エッチング工程を行うことで、コンタクト部MG1bは、選択ゲート電極SG上に乗り上げた部分(すなわち選択ゲート電極SG上に位置する部分)を有さなくなって、コンタクト部MG1aとなる。従って、ステップS10においては、コンタクト部MG1bのうち、フォトレジストパターンRP3で覆われない部分と、フォトレジストパターンRP3で覆われかつ選択ゲート電極SG上に位置する部分とを等方性エッチングによって除去することが必要である。
フォトマスクの合わせずれ(フォトレジストパターンRP3の位置のずれ)が多少生じても、フォトレジストパターンRP3の端部が選択ゲート電極SG上に位置していれば、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1(すなわちコンタクト部MG1b以外のメモリゲート電極MG1)のエッチングを防止しながら、コンタクト部MG1bのうち、選択ゲート電極SG上に位置する部分を等方性エッチングによって除去することができる。このため、フォトマスクの合わせずれ(上記フォトレジストパターンRP2の位置のずれ)のマージンを確保できるため、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。
また、本実施の形態では、シリコンスペーサSP1を除去する工程と同工程で、コンタクト部MG1bのうちの不要な部分(選択ゲート電極SG上に位置する部分)を除去しており、これは、上記ステップS10で行うエッチングを等方性エッチングとすることで実現できる。これにより、半導体装置の製造工程数を低減できる。また、半導体装置のスループットを向上でき、半導体装置の製造コストも低減できる。
また、図75に示すように、上記ステップS10において、コンタクト部MG1bのうち、選択ゲート電極SG上に位置する部分を等方性エッチングによって除去するが、コンタクト部MG1bが、選択ゲート電極SGの上面の高さH1よりも高い位置にある部分を有さないようになるまで、等方性エッチングを行う(継続する)ことが好ましい。すなわち、上記ステップS10において、コンタクト部MG1bの最頂部(最上部)の高さが、選択ゲート電極SGの上面の高さH1以下になるまで、等方性エッチングを行う(継続する)ことが好ましい。換言すれば、残存するコンタクト部MG1bによって形成されるコンタクト部MG1aの最頂部(最上部)77の高さH2が、選択ゲート電極SGの上面の高さH1以下となる(すなわちH2≦H1)まで、ステップS10の等方性エッチングを行うことが好ましい。これにより、コンタクト部MG1aが、選択ゲート電極SGの高さ以下となり、選択ゲート電極SGの上面の高さH1よりも高い位置にある部分を有さなくなる。なお、ステップS10で形成されたコンタクト部MG1aの高さ(すなわち最頂部77の高さH2)を、選択ゲート電極SGの高さ(すなわち選択ゲート電極SGの上面の高さH1)以下とした場合、この関係は、製造された半導体装置においても維持され得る。
ここで、コンタクト部MG1b,MG1aの最頂部(最上部)とは、コンタクト部MG1b,MG1aのうち、半導体基板61の主面(素子分離領域62が形成されている場合は素子分離領域62の上面)からの高さが最も高い部分に対応する。また、コンタクト部MG1aの最頂部77の高さH2は、半導体基板61の主面(素子分離領域62が形成されている場合は素子分離領域62の上面)からコンタクト部MG1aの最頂部77までの高さに対応する。また、選択ゲート電極SGの上面の高さH1は、半導体基板61の主面(素子分離領域62が形成されている場合は素子分離領域62の上面)から選択ゲート電極SGの上面までの高さに対応する。選択ゲート電極SGの上面の高さH1は、選択ゲート電極SGの高さとみなすこともできる。なお、半導体基板61の主面からの高さは、半導体基板61の主面に垂直な方向の高さに対応する。最頂部77および高さH1,H2は、図75に示してある。
すなわち、コンタクト部MG1aは、選択ゲート電極SG上に乗り上げていない(すなわち選択ゲート電極SG上に位置する部分を有していない)ことが必須であるが、更に、コンタクト部MG1aの最頂部(最上部)77の高さH2が、選択ゲート電極SGの上面の高さH1以下(すなわちH2≦H1)であることが好ましい。その理由は、以下の通りである。
サイドウォール状のメモリゲート電極MG1(すなわちコンタクト部MG1a以外のメモリゲート電極MG1)の高さH3(図74に示してある)は、選択ゲート電極SGの上面の高さH1と同程度かそれ以下である。ここで、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1の高さH3は、半導体基板61の主面(素子分離領域62が形成されている場合は素子分離領域62の上面)からサイドウォール状のメモリゲート電極MG1の最頂部(最上部)までの高さに対応する。サイドウォール状のメモリゲート電極MG1の最頂部(最上部)は、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1において、絶縁膜65を介して選択ゲート電極SGの側壁に対向する側の側面の最上部に対応する。
このため、上記図88および図89に示される比較例の半導体装置に関連して説明した課題は、コンタクト部MG1aの最頂部77の高さH2が、選択ゲート電極SGの上面の高さH1よりも高く(すなわちH2>H1)、かつ両者(高さH2と高さH1)の差が大きいほど、発生しやすくなる。そして、コンタクト部MG1aが選択ゲート電極SG上に乗り上げると、高さH2と高さH1の差が最大となり、上記図88および図89に示される比較例の半導体装置に関連して説明した課題が最も発生しやすくなる。
それに対して、本実施の形態では、コンタクト部MG1aが選択ゲート電極SG上に乗り上げないようにするだけでなく、更に、コンタクト部MG1aの最頂部77の高さH2が、選択ゲート電極SGの上面の高さH1以下(すなわちH2≦H1)とすることで、コンタクト部MG1aが、選択ゲート電極SGの上面の高さよりも高い部分を有さなくなる。これにより、上記図88および図89に示される比較例の半導体装置に関連して説明した課題を、より的確に解決できる。
すなわち、選択ゲート電極SGの高さH1を一定にした場合、上記絶縁膜72を薄くできる効果は、コンタクト部MG1aの最頂部77の高さH2が、選択ゲート電極SGの上面の高さH1以下(すなわちH2≦H1)となったときに最大となり、上記絶縁膜72を薄くできることによる上述の効果を、最も享受することができる。また、上述した、周辺回路形成領域のゲート電極を形成する際に使用するフォトレジストパターンの厚みを薄くできる効果も、コンタクト部MG1aの最頂部77の高さH2が、選択ゲート電極SGの上面の高さH1以下(すなわちH2≦H1)になったときに最大となり、周辺回路形成領域のゲート電極を微細化できる効果を、最も享受することができる。
また、ステップS10の等方性エッチングで形成されたコンタクト部MG1aは、このコンタクト部MG1aにX方向に隣接するサイドウォール状のメモリゲート電極MG1と電気的に接続されている必要があるため、コンタクト部MG1aとサイドウォール状のメモリゲート電極MG1(すなわちコンタクト部MG1a以外のメモリゲート電極MG1)とは一体的に形成されていることが必要である。一方、ステップS10の等方性エッチング工程前のコンタクト部MG1bは、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1(すなわちコンタクト部MG1b以外のメモリゲート電極MG1)およびシリコンスペーサSP1と一体的に形成されている。
また、コンタクト部MG1aは、絶縁膜65を介して選択ゲート電極SGと隣接する部分を有していることが好ましい。すなわち、上記ステップS10において、コンタクト部MG1bが、絶縁膜65を介して選択ゲート電極SGと隣接する部分を有さなくなる前に(すなわち後述の図94のコンタクト部MG1dの状態になる前に)、等方性エッチングを終了(停止)することが好ましい。コンタクト部MG1aが、絶縁膜65を介して選択ゲート電極SGと隣接する部分を有していないと、コンタクト部MG1aとこのコンタクト部MG1aに隣接するサイドウォール状のメモリゲート電極MG1との間で断線が発生してしまう虞がある。それに対して、コンタクト部MG1aが、絶縁膜65を介して選択ゲート電極SGと隣接する部分を有していれば、コンタクト部MG1aと、それに隣接するサイドウォール状のメモリゲート電極MG1との間の断線を、より的確に防止できる。
また、フォトレジストパターンRP3は、次の要件を満たすように形成することが要求される。
まず、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1(すなわちコンタクト部MG1b以外のメモリゲート電極MG1)がフォトレジストパターンRP3で覆われるようにする。これは、ステップS10の等方性エッチングで、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1がエッチングされて断線するのを防止するためである。
次に、シリコンスペーサSP1がフォトレジストパターンRP3で覆われないようにすることが望ましいが、ステップS10のエッチングは等方性エッチングであるため、シリコンスペーサSP1のサイドエッチングも可能であることから、シリコンスペーサSP1の一部がフォトレジストパターンRP3で覆われることも許容できる。但し、シリコンスペーサSP1の一部がフォトレジストパターンRP3で覆われた場合には、シリコンスペーサSP1のうち、フォトレジストパターンRP3で覆われない部分だけでなく、フォトレジストパターンRP3で覆われた部分も、ステップS10の等方性エッチングで除去する必要がある。シリコンスペーサSP1の残存部分の発生を確実に防止する観点からは、シリコンスペーサSP1がフォトレジストパターンRP3で覆われないようにすることが、より好ましい。
次に、コンタクト部MG1bは、一部がフォトレジストパターンRP3で覆われ、他の一部がフォトレジストパターンRP3で覆われないようにする。これは、上述のように、コンタクト部MG1bにおいて、フォトレジストパターンRP3で覆われていない部分だけでなく、フォトレジストパターンRP3で覆われている部分の一部をサイドエッチングして、上記コンタクト部MG1aを形成するためである。
このような要件を満たすためには、上記図64〜図68に示されるように、フォトレジストパターンRP3の端部を、選択ゲート電極SG上に位置させることが好ましい。また、フォトマスクの合わせずれなどに起因して、フォトレジストパターンRP3の位置が設計値から若干ずれる可能性があるが、フォトレジストパターンRP3の端部を、上記図64〜図68に示されるように、選択ゲート電極SGの中央(Y方向の中央)付近に設計しておけば、フォトレジストパターンRP3の位置が設計値から若干ずれたとしても、フォトレジストパターンRP3は上記要件を満たすことができる。
図90〜図94は、フォトマスクの合わせずれなどに起因してフォトレジストパターンRP3の位置がずれた場合の説明図であり、図90(A1−A1線での断面図)は上記図65に対応し、図91(C1−C1線での断面図)は上記図66に対応し、図92(A1−A1線での断面図)は上記図69に対応し、図93(C1−C1線での断面図)および図94(C1−C1線での断面図)は上記図70に対応している。
図90および図91では、フォトマスクの合わせずれなどに起因して、フォトレジストパターンRP3の位置が、上記図65および図66の場合に比べて、左側にずれている。この図90および図91の場合でも、フォトレジストパターンRP3は上記要件を満たしている。この状態で、ステップS10の等方性エッチングを行った場合が、図92および図93に示されている。図92に示されるように、ステップS10の等方性エッチングにより、シリコンスペーサSP1が除去されるとともに、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1(すなわちコンタクト部MG1b以外のメモリゲート電極MG1)が残存している。また、図93に示されるように、コンタクト部MG1bは、ステップS10の等方性エッチングにより一部が除去されてコンタクト部MG1aとなる。ステップS10の等方性エッチングのエッチング条件(エッチング時間など)は、次のように設定することが好ましい。
図94のコンタクト部MG1dは、図93のコンタクト部MG1aに相当するものであるが、コンタクト部MG1bが過剰に等方性エッチングされて形成されたものであり、絶縁膜65を介して選択ゲート電極SGと隣接する部分を有していない。図94のコンタクト部MG1dの場合、コンタクト部MG1dとそれに隣接するサイドウォール状のメモリゲート電極MG1との間で断線してしまう可能性がある。このため、たとえフォトレジストパターンRP3の位置のずれた場合でも、図94のコンタクト部MG1dの状態とはならず、図93に示されるように、コンタクト部MG1aが、絶縁膜65を介して選択ゲート電極SGと隣接する部分を有するように、ステップS10の等方性エッチングのエッチング条件(エッチング時間など)を設定する。
また、図94のコンタクト部MG1eは、図93のコンタクト部MG1aに相当するものであるが、コンタクト部MG1bが過少に等方性エッチングされて形成されたものであり、コンタクト部MG1eの一部が選択ゲート電極SG上に乗り上げた状態となっている。図94のコンタクト部MG1eの場合、上記図88および図89に示される比較例の半導体装置に関連して説明した課題が発生してしまう。このため、たとえフォトレジストパターンRP3の位置のずれた場合でも、図94のコンタクト部MG1eの状態とはならず、図93のように、コンタクト部MG1aが選択ゲート電極SG上に乗り上げていないように、より好ましくは、コンタクト部MG1aの最頂部77の高さH2が、選択ゲート電極SGの高さH1以下(すなわちH2≦H1)となるように、ステップS10の等方性エッチングの条件(エッチング時間など)を設定する。
このようにステップS10の等方性エッチングのエッチング条件を設定することで、フォトマスクの合わせずれなどに起因して、フォトレジストパターンRP3の位置がずれたとしても、本実施の形態の効果を的確に得ることができる。
(実施の形態4)
図95〜図97は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部平面図である。図95は、上記実施の形態3の図58に対応し、図96は、上記実施の形態3の図61に対応し、図97は、上記実施の形態3の図73に対応する。
本実施の形態は、コンタクト部MG1bの平面形状(パターン形状)が、上記実施の形態3と異なっている。上述したように、コンタクト部MG1bは、上記ステップS9のエッチバック(異方性エッチング)工程において、フォトレジストパターンRP2の下にシリコン膜66を、その全厚み分残存させて形成されたものである。このため、上記図58と上記図61とを比べ、また、図95と図96とを比べると分かるように、コンタクト部MG1bの平面形状(パターン形状)は、上記ステップS9のエッチバック(異方性エッチング)工程で使用したフォトレジストパターンRP2の平面形状(パターン形状)と同じである。従って、本実施の形態は、フォトレジストパターンRP2の平面形状(パターン形状)も、上記実施の形態3と異なっている。
上記実施の形態3および本実施の形態において、コンタクト部MG1bは、選択ゲート電極SGと交差するように形成されており、選択ゲート電極SGの延在方向(ここではX方向)に交差する方向(好ましくは直交する方向、ここではY方向)に延在している。しかしながら、上記実施の形態3では、上記図61に示されるように、コンタクト部MG1bは、同じ幅W1で、選択ゲート電極SGの延在方向に交差する方向に延在していた。このため、図73に示されるように、上記実施の形態3では、ステップS10後に残存するコンタクト部MG1aの幅は、幅W1と同じになる。
それに対して、本実施の形態では、図96に示されるように、コンタクト部MG1bは、ステップS10後にコンタクト部MG1aとして残る部分の幅W2(すなわちコンタクト部MG1aの幅W2)に比べて、上記フォトレジストパターンRP3で覆われない部分と、上記フォトレジストパターンRP3で覆われかつ選択ゲート電極SG上に位置する部分とは、幅W3が小さく(狭く)なっている(すなわちW2>W3)。コンタクト部MG1bのうち、上記フォトレジストパターンRP3で覆われない部分(この部分の幅W3はコンタクト部MG1aの幅W2より小さい)は、ステップS10で除去され、コンタクト部MG1bのうち、上記フォトレジストパターンRP3で覆われかつ選択ゲート電極SG上に位置する部分(この部分の幅W3はコンタクト部MG1aの幅W2より小さい)は、ステップS10で等方性エッチングによるサイドエッチングで除去される。このため、本実施の形態では、ステップS10後に残存するコンタクト部MG1aの幅は、幅W2と同じになる。ここで、幅W1,W2,W3は、選択ゲート電極SGの延在方向(ここではX方向)に平行な方向の寸法(幅)に対応する。
上記実施の形態3のように、コンタクト部MG1b(ひいてはコンタクト部MG1bを形成するためのフォトレジストパターンRP2)が、同じ幅W1で、選択ゲート電極SGの延在方向(ここではX方向)に交差する方向(ここではY方向)に延在している場合には、フォトレジストパターンRP2の位置ずれに対する許容量(マージン)が向上し、コンタクト部MG1bの加工精度を向上することができる。
一方、本実施の形態では、コンタクト部MG1bのうち、ステップS10後にコンタクト部MG1aとして残る部分の幅W2を広くして、幅W2のコンタクト部MG1a上にコンタクトホールCT4を形成しやすくしている。そして、コンタクト部MG1bのうち、上記フォトレジストパターンRP3で覆われない部分と、上記フォトレジストパターンRP3で覆われかつ選択ゲート電極SG上に位置する部分との各幅W3を幅W2よりも小さく(狭く)することで、上記フォトレジストパターンRP3の位置ずれが生じたときの、コンタクト部MG1aとそれに隣接するサイドウォール状のメモリゲート電極MG1との間の断線の発生を、より的確に防止することができる。その理由を、図98および図99を参照して説明する。
図98および図99は、ステップS10の等方性エッチングによりサイドエッチングされる領域の説明図である。図98は、コンタクト部MG1bの平面形状(パターン形状)が上記実施の形態3の図61で示したコンタクト部MG1bの平面形状(パターン形状)であった場合に対応し、図99は、コンタクト部MG1bの平面形状(パターン形状)が本実施の形態の図96で示したコンタクト部MG1bの平面形状(パターン形状)であった場合に対応する。図98および図99には、コンタクト部MG1a近傍領域が示され、選択ゲート電極SG、メモリゲート電極MG1(コンタクト部MG1aを含む)、選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1間の絶縁膜65、およびコンタクトホールCT4が示され、他の構成要素は図示を省略している。また、図98および図99は、平面図であるが、メモリゲート電極MG1(コンタクト部MG1aを含む)において、ステップS10の等方性エッチングによるサイドエッチングが進行した領域にハッチングを付して示してある。なお、図98のC1−C1線の断面図および図99のC1−C1線の断面図は、いずれも上記図41とほぼ同様になる。
本実施の形態では、コンタクト部MG1bのうち、ステップS10後にコンタクト部MG1aとして残る部分の幅W2(すなわちコンタクト部MG1aの幅W2)に比べて、選択ゲート電極SG上に位置する部分の幅W3を小さく(狭く)している(すなわちW2>W3)。コンタクト部MG1bのうち、選択ゲート電極SG上に位置する部分の幅W3が小さいほど、メモリゲート電極MG1(コンタクト部MG1aを含む)において、ステップS10の等方性エッチングによるサイドエッチングが進行した領域(図98および図99でハッチングを付した領域)のX方向(メモリゲート電極MG1の延在方向)の寸法L1,L2が小さくなる。このため、本実施の形態では、ステップS10の等方性エッチングによるサイドエッチングが進行した領域(図99でハッチングを付した領域)のX方向(メモリゲート電極MG1の延在方向)の寸法L2を、コンタクト部MG1aの幅W2よりも小さく(すなわちW2>L2)することができる。このため、たとえ、図99におけるコンタクト部MG1aのC1−C1線の断面が、上記図94のコンタクト部MG1d(このコンタクト部MG1dは絶縁膜65を介して選択ゲート電極SGと隣接する部分を有していない)のようになったとしても、図99の矢印79で示される経路で、コンタクト部MG1aとそれに隣接するサイドウォール状のメモリゲート電極MG1との間が一体的に接続され、それによって電気的に接続された状態となる。従って、本実施の形態では、上記フォトレジストパターンRP3の位置ずれが生じたときの、コンタクト部MG1aとそれに隣接するサイドウォール状のメモリゲート電極MG1との間の断線の発生を、より的確に防止することができる。
一方、上記実施の形態3では、図99におけるコンタクト部MG1aのC1−C1線の断面が、上記図94のコンタクト部MG1dのようにならないように、すなわち、上記図70または図93のコンタクト部MG1a(このコンタクト部MG1aは絶縁膜65を介して選択ゲート電極SGと隣接する部分を有する)のようになるように、ステップS10の等方性エッチングのエッチング条件を設定する。これにより、コンタクト部MG1aとそれに隣接するサイドウォール状のメモリゲート電極MG1との間の断線の発生を、より的確に防止することができる。
(実施の形態5)
図100は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図であり、上記実施の形態3の図39に対応するものである。図100には、上記実施の形態3の図39と同様に、メモリセル領域61Aの断面(上記A1−A1線に相当する位置での断面)が示されている。
上記実施の形態3では、選択ゲート電極SGの上部とメモリゲート電極MG1の上部とに、金属シリサイド層71が形成されていた。それに対して本実施の形態では、図100に示されるように、メモリゲート電極MG1の上部には金属シリサイド層71が形成されているが、コンタクト部SGa以外の選択ゲート電極SGの上部には、金属シリサイド層71は形成されていない。
すなわち、本実施の形態では、図100に示されるように、選択ゲート電極SG上には、選択ゲート電極SGとほぼ同じ平面形状(パターン形状)の絶縁膜81および絶縁膜82が形成されている。すなわち、選択ゲート電極SGは、選択ゲート電極SGと選択ゲート電極SG上の絶縁膜81および絶縁膜82との積層膜パターンとして形成されて、半導体基板61上に延在している。絶縁膜82は、絶縁膜として例えば窒化シリコン膜により形成されており、絶縁膜81は、絶縁膜として例えば酸化シリコン膜により形成されている。絶縁膜82は、絶縁膜81上に形成されており、絶縁膜81よりも厚く形成されている。従って、絶縁膜81および絶縁膜82は、下層側の薄い絶縁膜81とそれよりも厚い上層側の絶縁膜82との積層構造(積層膜、積層絶縁膜)となっている。選択ゲート電極SG上に絶縁膜81,82が形成されているため、サリサイドプロセス(金属シリサイド層71形成工程)において、選択ゲート電極SG上に金属シリサイド層71は形成されない。
また、上記実施の形態3では、選択ゲート電極SGの一方の側壁上に絶縁膜65を介してメモリゲート電極MG1が形成され、他方の側壁上に側壁絶縁膜68が形成されていた。それに対して、本実施の形態では、選択ゲート電極SG上に絶縁膜81および絶縁膜82が形成されているため、選択ゲート電極SGと絶縁膜81と絶縁膜82とからなる積層パターン(積層膜パターン)の一方の側壁上に絶縁膜65を介してメモリゲート電極MG1が形成され、他方の側壁上に側壁絶縁膜68が形成されている。すなわち、上記実施の形態3では、選択ゲート電極SGとメモリゲート電極MG1とが絶縁膜65を介して互いに隣り合うように形成されているのに対して、本実施の形態では、選択ゲート電極SGと絶縁膜81と絶縁膜82とからなる積層パターン(積層膜パターン)とメモリゲート電極MG1とが絶縁膜65を介して互いに隣り合うように形成されている。
本実施の形態におけるメモリセルMC1の他の構成は、上記実施の形態3とほぼ同様であるので、ここではその説明は省略する。
本実施の形態では、選択ゲート電極SG上には絶縁膜81および絶縁膜82があるため、金属シリサイド層71は、メモリゲート電極MG1の上部には形成されるが、選択ゲート電極SGの上部には形成されない。このため、メモリゲート電極MG1上の金属シリサイド層71が選択ゲート電極SGに薄い絶縁膜65を挟んで近接することがないため、選択ゲート電極SGとメモリゲート電極MG1間のショート不良の発生を、より的確に防止することができる。一方、上記実施の形態3では、メモリゲート電極MG1の上部と選択ゲート電極SGの上部とに、それぞれ金属シリサイド層71を形成したことで、選択ゲート電極SGの抵抗を小さくすることができ、不揮発性メモリの動作速度を、より向上させることができる。
図101および図102は、本実施の形態の半導体装置の要部平面図であり、ワードシャント領域61Cが示されている。図102は、図101において、コンタクトホールCTの図示を省略し、選択ゲート電極SGの上面のうち、金属シリサイド層71が形成されている領域をドットのハッチングを付して示したものである。なお、メモリゲート電極MG1上にも金属シリサイド層71が形成されているが、図102においては、メモリゲート電極MG1上の金属シリサイド層71については、ドットのハッチングを付していない。図103および図104は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図であり、図101および図102のF1−F1線の断面が図103に対応し、図101および図102のG1−G1線の断面が図104に対応する。なお、上記図100は、メモリセル領域61Aの断面であり、図101および図102の平面図には、メモリセル領域61Aおよびソースダミー領域61Bは示されていない。
本実施の形態においても、ワードシャント領域61Cのレイアウトを上記実施の形態3(上記図37)と同様にすることも可能である。しかしながら、選択ゲート電極SGの上部に絶縁膜81および絶縁膜82を形成して、金属シリサイド層71の形成を防止した本実施の形態においては、ワードシャント領域61Cのレイアウトを図101および図102のようなレイアウトとすれば、より好ましい。以下では、主として、本実施の形態におけるワードシャント領域61Cのレイアウト(すなわち図101のレイアウト)と、上記実施の形態3におけるワードシャント領域61Cのレイアウト(すなわち上記図37のレイアウト)との相違点について説明する。
ワードシャント領域61Cにおいて、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaは、選択ゲート電極SGの延在方向(ここではX方向)に交差する方向(好ましくは直交する方向、ここではY方向)に延在している。コンタクト部SGaが選択ゲート電極SGの延在方向に交差する方向(好ましくは直交する方向)に延在することで、コンタクト部SGaが配置されていない領域に比べて、コンタクト部SGaが配置されている領域では、選択ゲート電極SGの幅(選択ゲート電極SGの延在方向に直交する方向の幅)が広くなる。これにより、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGa上にコンタクトホールCT3およびそれを埋めるプラグPG3を的確に形成することができる。この点については、上記実施の形態3と本実施の形態とで共通である。
しなしながら、上記図37と図101とを比べると分かるように、選択ゲート電極SGにおいて、コンタクト部SGaを延在させる向きが、上記実施の形態3と本実施の形態とでは反対(逆向き)である。
すなわち、上記実施の形態3では、上記図37に示されるように、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aは、絶縁膜65を介して隣接する選択ゲート電極SGから離れる方向に向かって延在し、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaは、絶縁膜65を介して隣接するメモリゲート電極MG1に向かって延在している。このため、上記実施の形態3では、絶縁膜65を介して互いに隣接するメモリゲート電極MG1および選択ゲート電極SGにおいて、選択ゲート電極SGからコンタクト部SGaが延在する向きは、メモリゲート電極MG1からコンタクト部MG1aが延在する向きと同じである。つまり、平面的に(すなわち半導体基板61の主面に平行な平面で)見ると、上記実施の形態3では、上記図37に示されるように、絶縁膜65を介して互いに隣接するメモリゲート電極MG1および選択ゲート電極SGにおいて、選択ゲート電極SGからコンタクト部SGaが突出して(出っ張って)いる向きは、メモリゲート電極MG1からコンタクト部MG1aが突出して(出っ張って)いる向きと同じである。
それに対して、本実施の形態では、図101に示されるように、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aは、絶縁膜65を介して隣接する選択ゲート電極SGから離れる方向に向かって延在し、一方、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaは、絶縁膜65を介して隣接するメモリゲート電極MG1から離れる方向に向かって延在している。別の見方をすると、本実施の形態では、図101に示されるように、選択ゲート電極SG(例えば図101の選択ゲート電極SG1,SG2の一方)のコンタクト部SGaは、ドレイン領域(上記ドレイン用の半導体領域MDに対応)を介して隣り合う他の選択ゲート電極SG(例えば図101の選択ゲート電極SG1,SG2の他方)に近づく方向に向かって延在している。このため、本実施の形態では、絶縁膜65を介して互いに隣接するメモリゲート電極MG1および選択ゲート電極SGにおいて、選択ゲート電極SGからコンタクト部SGaが延在する向きは、メモリゲート電極MG1からコンタクト部MG1aが延在する向きと反対(逆向き)である。つまり、平面的に(すなわち半導体基板61の主面に平行な平面で)見ると、本実施の形態3では、図101に示されるように、絶縁膜65を介して互いに隣接するメモリゲート電極MG1および選択ゲート電極SGにおいて、選択ゲート電極SGからコンタクト部SGaが突出して(出っ張って)いる向きは、メモリゲート電極MG1からコンタクト部MG1aが突出して(出っ張って)いる向きと反対(逆向き)である。
また、半導体基板61の主面において、X方向に延在する選択ゲート電極SGがY方向に複数並んで配置されているが、ドレイン領域(上記ドレイン用の半導体領域MDに対応)を介して隣り合う選択ゲート電極SG同士(図101の場合は選択ゲート電極SG1と選択ゲート電極SG2)は、コンタクト部SGaが、選択ゲート電極SGの延在方向(ここではX方向)にずれて配置されている。すなわち、図101に示されるように、選択ゲート電極SG1におけるコンタクト部SGaの配置位置と、その選択ゲート電極SG1にドレイン領域(上記ドレイン用の半導体領域MDに対応)を介して隣り合う他の選択ゲート電極SG2におけるコンタクト部SGaの配置位置とは、選択ゲート電極SG1,SG2の延在方向(ここではX方向)にずれて配置されている。換言すれば、選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1は、半導体基板61上に複数延在しており、メモリゲート電極MG1を挟まずに選択ゲート電極SGの延在方向(ここではX方向)に交差する方向(ここではY方向)に隣り合う選択ゲート電極SG同士(図101の場合は選択ゲート電極SG1と選択ゲート電極SG2)は、コンタクト部SGaの形成位置が、選択ゲート電極SGの延在方向(ここではX方向)にずれている。なお、半導体基板61上に選択ゲート電極SGおよびメモリゲート電極MG1が複数延在している場合には、ドレイン領域(上記ドレイン用の半導体領域MDに対応)を介して隣り合う選択ゲート電極SG同士と、メモリゲート電極MG1を挟まずに選択ゲート電極SGの延在方向(ここではX方向)に交差する方向(ここではY方向)に隣り合う選択ゲート電極SG同士とは、同じになる。
選択ゲート電極SG1のコンタクト部SGaは、選択ゲート電極SG1から選択ゲート電極SG2に近づく方向に延在し、一方、選択ゲート電極SG2のコンタクト部MG1aは、選択ゲート電極SG2から選択ゲート電極SG1に近づく方向に延在している。このため、図101に示されるように、選択ゲート電極SG1におけるコンタクト部SGaの配置位置と、選択ゲート電極SG2におけるコンタクト部SGaの配置位置とを、選択ゲート電極SG1,SG2の延在方向(ここではX方向)にずらすことで、選択ゲート電極SG1のコンタクト部SGaと選択ゲート電極SG2のコンタクト部SGaとが近接してショートするのを的確に防止できる。
また、本実施の形態では、図102〜図104に示されるように、ワードシャント領域61Cにおいても(すなわち素子分離領域62上においても)、選択ゲート電極SG上に絶縁膜81,82が形成されており、選択ゲート電極SGの上部には金属シリサイド層71は形成されていないが、これは、コンタクト部SGa以外の選択ゲート電極SGについてであり、コンタクト部SGaの上部には金属シリサイド層71が部分的に形成されている。以下では、金属シリサイド層71のうち、コンタクト部SGaの上部に形成された金属シリサイド層71を、金属シリサイド層71aと称するものとする。
本実施の形態においては、選択ゲート電極SGのうち、コンタクト部SGa以外の領域は、絶縁膜81,82で覆われることで選択ゲート電極SG上に金属シリサイド層71が形成されていない状態となっているが、選択ゲート電極SGのうちのコンタクト部SGaは、少なくとも一部が絶縁膜81,82で覆われておらず、コンタクト部SGaの上面における絶縁膜81,82で覆われていない領域に、金属シリサイド層71aが形成されている。すなわち、コンタクト部SGaの上面の少なくとも一部は、絶縁膜81,82で覆われておらず、金属シリサイド層71aが形成されており、選択ゲート電極SGの上面のうち絶縁膜81,82で覆われた部分には、金属シリサイド層71が形成されていない。
そして、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGa上の絶縁膜(層間絶縁膜)72にコンタクトホールCT3が形成され、コンタクトホールCT3に埋め込まれたプラグ(導電体部)PG3と選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaとが電気的に接続されている。このため、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaの上部に形成された金属シリサイド層71aが、コンタクトホールCT3から露出されて、プラグPG3に接した状態となっている。本実施の形態では、選択ゲート電極SGにおいて、コンタクト部SGa以外に金属シリサイド層71を形成しないことで、選択ゲート電極SGとメモリゲート電極MG1間のショート不良の発生を的確に防止できるとともに、コンタクト部SGaの上部に金属シリサイド層71(すなわち金属シリサイド層71a)を局所的に形成することで、プラグPG3と選択ゲート電極SGとのコンタクト抵抗を低減することができる。
また、図102および図104に示されるように、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaの上部に形成した金属シリサイド層71aは、メモリゲート電極MG1には隣接(絶縁膜65を介して隣接)せず、メモリゲート電極MG1から、絶縁膜65の厚みよりも更に長い距離、離間している。すなわち、コンタクト部SGaが配置された領域において、絶縁膜65を介してメモリゲート電極MG1に隣接する側の端部近傍では選択ゲート電極SGの上面が絶縁膜81,82で覆われている(すなわち金属シリサイド層71が形成されていない)。このため、平面的に見ると、図102に示されるように、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaの上面における金属シリサイド層71aが形成された領域が、選択ゲート電極SGの上面における絶縁膜81,82で覆われた領域(金属シリサイド層71が形成されていない領域)を間に挟んで、メモリゲート電極MG1から離間した状態となっている。従って、選択ゲート電極SGの上面のうち、絶縁膜65を介してメモリゲート電極MG1に隣接する側の端部近傍領域は、コンタクト部SGaが配置された領域か否かにかかわらず、絶縁膜81,82で覆われた状態となっている。そして、選択ゲート電極SGの上面のうち、金属シリサイド層71(ここでは金属シリサイド層71a)が形成された領域と、メモリゲート電極MG1に隣接する側の端部との間には、絶縁膜81,82で覆われた領域が介在した状態となっている。これにより、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaの上部に形成された金属シリサイド層71aは、薄い絶縁膜65を挟んでメモリゲート電極MG1(上の金属シリサイド層71)に近接することがないため、選択ゲート電極SGとメモリゲート電極MG1間のショート不良の発生を、更に的確に防止することができる。
本実施の形態の半導体装置の他の構成については、上記実施の形態3とほぼ同様であるので、ここではその説明は省略する。
次に、本実施の形態の半導体装置の製造工程について説明する。図105〜図126は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図または要部平面図である。図105〜図126のうち、図105、図107〜図109、図112、図113、図115、図116、図118〜図121および図123〜図126は要部断面図であり、図106、図110、図111、図114、図117および図122は要部平面図である。
本実施の形態の半導体装置の製造工程は、基本的には上記実施の形態3と同様であるため、主として上記実施の形態3との相違点について説明する。特に言及していない部分については、上記実施の形態3の製造工程と同様に行うことができる。
本実施の形態においては、上記実施の形態3と同様にして上記ステップS5のシリコン膜64形成工程まで行ってから、上記ステップS6のパターニング工程を行う前に、図105(F1−F1線での断面図)に示されるように、シリコン膜64上に絶縁膜81および絶縁膜82を順に形成する。絶縁膜81は、例えば酸化シリコン膜などからなり、絶縁膜82は、例えば窒化シリコン膜などからなり、それぞれシリコン膜64の上面全体に形成することができる。この際、絶縁膜81はシリコン膜64上に形成され、絶縁膜82は絶縁膜81上に形成される。絶縁膜81および絶縁膜82は、例えばCVD法などにより形成することができる。絶縁膜82は絶縁膜81よりも厚く形成される。
次に、絶縁膜82上にフォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジストパターン(レジストパターン)RP1aを形成する。フォトレジストパターンRP1aは上記実施の形態3のフォトレジストパターンRP1に対応するものであり、形成すべき選択ゲート電極SGに相当するパターンを有している。
次に、このフォトレジストパターンRP1aをエッチングマスクとして用いて、図106(要部平面図)、図107(F1−F1線での断面図)および図108(G1−G1線での断面図)に示されるように、絶縁膜82、絶縁膜81、およびシリコン膜64をエッチング(ドライエッチング)してパターニングする。上記ステップS6のパターニング工程は、上記実施の形態3では、シリコン膜64をパターニングしたのに対して、本実施の形態では、シリコン膜64、絶縁膜81、および絶縁膜82の積層膜をパターニングする点が相違している。パターニングされたシリコン膜64により、選択ゲート電極SGが形成されるが、本実施の形態では、この段階では、選択ゲート電極SG上には、選択ゲート電極SGと同じ平面形状(パターン形状)の絶縁膜81および絶縁膜82が形成された状態となっている。従って、選択ゲート電極SGは、選択ゲート電極SGと選択ゲート電極SG上の絶縁膜81,82との積層膜パターンとして形成されて、半導体基板61上に延在している。その後、フォトレジストパターンRP1aは除去する。図107および図108は、フォトレジストパターンRP1aが除去された段階に対応する。なお、図106は、上記図101と同じ領域の平面図であるが、理解を簡単にするために、選択ゲート電極SGおよび絶縁膜81,82の積層パターンのみを図示している。
また、他の形態として、フォトレジストパターンRP1aをエッチングマスクとして絶縁膜82をエッチング(ドライエッチング)してパターニングした後、フォトレジストパターンRP1aを除去してから、絶縁膜82をエッチングマスク(ハードマスク)として用いて絶縁膜81およびシリコン膜64をエッチング(ドライエッチング)してパターニングすることもできる。
選択ゲート電極SGは、ワードシャント領域61Cに配置されたコンタクト部SGaを一体的に有している。また、図107はワードシャント領域61Cであるため、図示されていないが、上記図100からも分かるように、上記メモリセル領域61Aにおいて、選択ゲート電極SGの下に絶縁膜63が残存して選択トランジスタのゲート絶縁膜となる。
次に、本実施の形態では、上記ステップS7の絶縁膜65形成工程を行う前に、フォトレジストパターンRP4形成工程と、このフォトレジストパターンRP4をエッチングマスクとした絶縁膜82および絶縁膜81のエッチング工程とを行う。この工程について、具体的に説明する。
まず、図109(G1−G1線での断面図)に示されるように、フォトリソグラフィ技術を用いて、半導体基板61の主面上にフォトレジストパターン(レジストパターン)RP4を形成する。このフォトレジストパターンRP4は、上記メモリセル領域61A全体と上記ソースダミー領域61B全体とを覆うように形成され、かつ、ワードシャント領域61Cにおいて、コンタクト部SGa以外の選択ゲート電極SGを覆い、コンタクト部SGaの少なくとも一部を覆わない(露出する)ように形成される。すなわち、フォトレジストパターンRP4は、ワードシャント領域61Cに開口部OP1を有しており、コンタクト部SGaの少なくとも一部が、開口部OP1に平面的に重なっており、コンタクト部SGa以外の選択ゲート電極SGは、開口部OP1に平面的に重なっていない。
次に、このフォトレジストパターンRP4をエッチングマスクとして用いて、フォトレジストパターンRP4の開口部OP1から露出する絶縁膜82をエッチング(ドライエッチング)して除去する。この際、絶縁膜81が絶縁膜82をエッチングする際のエッチングストッパとして機能する。その後、更に絶縁膜81もエッチング(ドライエッチング)で除去する。その後、フォトレジストパターンRP4を除去する。これにより、図109および図110に示されるように、コンタクト部SGa以外の選択ゲート電極SG上は絶縁膜81,82で覆われ、コンタクト部SGaの少なくとも一部が絶縁膜81,82で覆われずに露出した状態となる。なお、図110は、上記図101などと同じ領域の平面図であるが、選択ゲート電極SGのパターンを実線で示し、フォトレジストパターンRP4の開口部OP1の位置を点線で示し、絶縁膜82および絶縁膜81が除去されて選択ゲート電極SGの上面が露出される領域をハッチングを付して示したものである。
本実施の形態では、上述のように、選択ゲート電極SG(例えば図110の選択ゲート電極SG1,SG2の一方)のコンタクト部SGaは、ドレイン領域(上記ドレイン用の半導体領域MDに対応)を介して隣り合う他の選択ゲート電極SG(例えば図110の選択ゲート電極SG1,SG2の他方)に近づく方向に向かって延在している。このため、ドレイン領域(上記ドレイン用の半導体領域MDに対応)を介して隣り合う選択ゲート電極SG同士(例えば図110の選択ゲート電極SG1,SG2)は、互いに相手に近づく方向にコンタクト部SGaが延在しており、平面的に見ると互いに相手に近づく方向に突出している。
従って、ドレイン領域(上記ドレイン用の半導体領域MDに対応)を介して隣り合う選択ゲート電極SGの間(例えば図110の選択ゲート電極SG1,SG2間)にフォトレジストパターンRP4の開口部OP1を配置することで、コンタクト部SGaの少なくとも一部が開口部OP1に平面的に重なりかつコンタクト部SGa以外の選択ゲート電極SGが開口部OP1に平面的に重ならないようにすることが、容易かつ的確に実現できる。これにより、コンタクト部SGa以外の選択ゲート電極SG上の絶縁膜81,82を除去することなく、コンタクト部SGaの少なくとも一部上の絶縁膜81,82を的確に除去することができる。
選択ゲート電極SGの上面のうち、絶縁膜81,82が除去されて選択ゲート電極SGの上面が露出された領域(すなわち図110においてハッチングを付した領域)には、後で金属シリサイド層71が形成され、それ以外の領域の選択ゲート電極SGの上面(すなわち図110の選択ゲート電極SGのうちのハッチングが付されていない領域)は、絶縁膜81,82で覆われたままであるため、後で金属シリサイド層71は形成されない。従って、選択ゲート電極SGの上面のうち、その上の絶縁膜81,82を除去した領域と、後で金属シリサイド層71が形成される領域とは一致している。
また、図110からも分かるように、コンタクト部SGaの上面のうち、後でメモリゲート電極MG1に隣接する側の端部から所定の距離L3以上離れた領域は絶縁膜81,82を除去して、後で金属シリサイド層71を形成するが、コンタクト部SGaのうち、後でメモリゲート電極MG1に隣接する側の端部から所定の距離L3以内の領域には、絶縁膜81,82を残して後で金属シリサイド層71が形成されないようにすることが好ましい。すなわち、コンタクト部SGa以外の選択ゲート電極SGの上面上に絶縁膜81,82を残すだけでなく、コンタクト部SGaにおいて、後でメモリゲート電極MG1に隣接する側の端部近傍にも絶縁膜81,82を残すことが好ましい。これにより、上記図102および図104に示されるように、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaの上面における金属シリサイド層71が形成された領域が、選択ゲート電極SGの上面における絶縁膜81,82で覆われた領域(金属シリサイド層71が形成されていない領域)を間に挟んで、メモリゲート電極MG1から離間した状態となる。
また、フォトレジストパターンRP4を形成する際に、上述した周辺回路形成領域は、フォトレジストパターンRP4で覆われずに露出するようにしておくことで、ワードシャント領域61Cにおけるコンタクト部SGa上の絶縁膜82および絶縁膜81を除去するエッチング工程と同工程で、周辺回路形成領域におけるシリコン膜64上の絶縁膜82および絶縁膜81を除去することもできる。これにより、周辺回路形成領域に残存するシリコン膜64を用いて、周辺回路を構成するMISFETのゲート電極を後で形成することが容易になる。
次に、上記実施の形態3と同様にして、図111、図112(F1−F1線での断面図)および図113(G1−G1線での断面図)に示されるように、上記ステップS7で絶縁膜65を形成し、上記ステップS8でシリコン膜66を形成する。それから、上記ステップS9で、シリコン膜66上にフォトレジストパターンRP2を形成してから、フォトレジストパターンRP2から露出するシリコン膜66を異方性ドライエッチングによりエッチバックする。なお、図111は、上記図101などと同じ領域の平面図であるが、選択ゲート電極SGのパターンとフォトレジストパターンRP2とを示し、かつフォトレジストパターンRP2にハッチングを付したものであり、シリコン膜66および絶縁膜65,81,82は透視してある。
これにより、図114、図115(F1−F1線での断面図)および図116(G1−G1線での断面図)に示されるように、選択ゲート電極SGおよび絶縁膜81,82の積層パターンの両方の側壁のうち、一方の側壁上に絶縁膜65を介してシリコン膜66がサイドウォール状に残存することでメモリゲート電極MG1が形成され、また、他方の側壁上に絶縁膜65を介してシリコン膜66がサイドウォール状に残存することでシリコンスペーサSP1が形成される。また、エッチングマスクとして機能するフォトレジストパターンRP2の下にシリコン膜66がエッチングされずに残存することでコンタクト部MG1bが形成される。その後、フォトレジストパターンRP2は除去する。図114〜図116は、フォトレジストパターンRP2が除去された段階に対応する。なお、図114は、上記図101などと同じ領域の平面図であるが、選択ゲート電極SGと残存するシリコン膜66(すなわちシリコンスペーサSP1、メモリゲート電極MG1およびコンタクト部MG1b)とのパターンを示し、かつ残存するシリコン膜66(すなわちシリコンスペーサSP1、メモリゲート電極MG1およびコンタクト部MG1b)にハッチングを付したものであり、絶縁膜65,81,82は透視してある。
ステップS9のエッチバック工程は異方性エッチングであるため、形成されたコンタクト部MG1bは、フォトレジストパターンRP2と同様のパターン形状(平面形状)を有している。ワードシャント領域61Cにおいて、フォトレジストパターンRP2は、選択ゲート電極SGと交差(好ましくは直交)するように形成されていたため、コンタクト部MG1bは、選択ゲート電極SGと交差(好ましくは直交)するように形成される。
本実施の形態においても、フォトレジストパターンRP2のレイアウト(平面形状)を上記実施の形態3(上記図58)と同様にし、それによって形成されるコンタクト部MG1bのレイアウト(平面形状)を上記実施の形態3(上記図58)と同様にすることもできる。すなわち、上記実施の形態3では、上記図58および図60に示されるように、フォトレジストパターンRP2は、ドレイン領域(上記ドレイン用の半導体領域MDに対応)を介して互いに隣り合う2本の選択ゲート電極SGに交差する(すなわちこの2本の選択ゲート電極SGを跨ぐ)ように形成されている。このため、コンタクト部MG1bは、ドレイン領域(上記ドレイン用の半導体領域MDに対応)を介して互いに隣り合う2本の選択ゲート電極SGに交差する(すなわちこの2本の選択ゲート電極SGを跨ぐ)ように形成される。この上記実施の形態3におけるフォトレジストパターンRP2およびコンタクト部MG1bのレイアウト(平面形状)を本実施の形態に適用することもできる。
しかしながら、フォトレジストパターンRP2およびコンタクト部MG1bのレイアウト(平面形状)は、図111および図114のようにすることでもきる。すなわち、図111および図112に示されるように、フォトレジストパターンRP2は、1本の選択ゲート電極SGに交差する(すなわち1本の選択ゲート電極SGを跨ぐ)ように形成し、それによって、図114および図115に示されるように、各コンタクト部MG1bが、1本の選択ゲート電極SGに交差する(すなわち1本の選択ゲート電極SGを跨ぐ)ように形成することもできる。
上記図58および図60のレイアウトと、図111および図114のレイアウトのいずれにおいても、重要なのは、ワードシャント領域61Cにおいて、各選択ゲート電極SGと交差(好ましくは直交)するようにフォトレジストパターンRP2を形成し、それによって、各選択ゲート電極SGと交差(好ましくは直交)するようにコンタクト部MG1bを形成することである。各コンタクト部MG1bが跨ぐ(交差する)選択ゲート電極SGの本数は、3本以上も可能であるが、フォトレジストパターンRP2のレイアウトを考慮すると、上記図58および図60のように2本か、あるいは図111および図114のように1本が好ましい。ただし、図114においては、S−S線に対して対称なレイアウトが図114に示されているレイアウトの左側にも形成されているので、左側に形成されている各コンタクト部SGaの左側にはコンタクト部MG1bが形成されることになり、最終的に形成されるコンタクト部SGaおよびMG1aの個数はどちらのレイアウトで形成した場合も同じとなる。
次に、上記実施の形態3と同様にして、上記ステップS10を行う。すなわち、上記実施の形態3と同様に、図117、図118(F1−F1線での断面図)および図119(G1−G1線での断面図)に示されるように、メモリゲート電極MG1が覆われかつシリコンスペーサSP1が露出されるようなフォトレジストパターンRP3を半導体基板61上に形成する。それから、図120(F1−F1線での断面図)、図121(G1−G1線での断面図)および図122に示されるように、フォトレジストパターンRP3をエッチングマスクとして等方性のエッチングを行うことによって、シリコンスペーサSP1を除去する。その後、フォトレジストパターンRP3を除去する。
フォトレジストパターンRP3のレイアウトの要件や、ステップS10の等方性エッチングの条件などについては、上記実施の形態3と同様に規定することができるので、ここではその説明は省略する。また、ステップS10の等方性エッチングにより、シリコンスペーサSP1が除去され、サイドウォール状のメモリゲート電極MG1は残存し、コンタクト部MG1bはコンタクト部MG1aとなるが、この点についても、上記実施の形態3と同様であるので、ここではその説明は省略する。なお、図117は、上記図101などと同じ領域の平面図であるが、絶縁膜65,81,82を透視し、フォトレジストパターンRP3と、フォトレジストパターンRP3で覆われずに露出するシリコンスペーサSP1およびコンタクト部MG1b)とにハッチングを付してある。また、図122は、上記図101などと同じ領域の平面図であるが、フォトレジストパターンRP3を除去した段階が示され、絶縁膜65,81,82を透視し、残存するシリコン膜66(すなわちメモリゲート電極MG1およびコンタクト部MG1a)にハッチングを付してある。
次に、上記実施の形態3と同様に、上記ステップS11で、図123(F1−F1線での断面図)および図124(G1−G1線での断面図)に示されるように、絶縁膜65のうち、メモリゲート電極MG1(コンタクト部MG1aを含む)で覆われずに露出する部分を除去する。それから、ここでは図示しないが、上記実施の形態3と同様に、上記ステップS12で、メモリセル領域61A(上記図100に対応する領域)において、上記n−型半導体領域67a,67bを形成する。次に、上記実施の形態3と同様に、上記ステップS13で、側壁絶縁膜68を形成する。それから、ここでは図示しないが、上記実施の形態3と同様に、上記ステップS14で、メモリセル領域61A(上記図100に対応する領域)において、n+型半導体領域69a,69bを形成する。
次に、必要に応じてエッチング(例えば希フッ酸などを用いたウェットエッチング)を行って、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGa(絶縁膜81,82で覆われていない領域)、メモリゲート電極MG1および上記n+型半導体領域69a,69bの上面(表面)を清浄化(露出)させる。このときのエッチングは、自然酸化膜を除去する程度の軽いエッチングとすることができる。
次に、上記実施の形態3と同様に、サリサイド技術を用いて、図125(F1−F1線での断面図)および図126(G1−G1線での断面図)や上記図100に示されるように、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGa(絶縁膜81,82で覆われていない領域)、メモリゲート電極MG1およびn+型半導体領域69a,69bの上部(上面、表面、上層部)に、それぞれ金属シリサイド層71を形成する。選択ゲート電極SGの上面のうち、絶縁膜81,82で覆われている部分には金属シリサイド層71が形成されないこと以外は、金属シリサイド層71の形成工程は、上記実施の形態3と基本的には同じである。
すなわち、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGa(絶縁膜81,82で覆われていない領域)、メモリゲート電極MG1および上記n+型半導体領域69a,69bの上面(表面)上を含む半導体基板61の主面全面上に、選択ゲート電極SG、メモリゲート電極MG1および側壁絶縁膜68を覆うように、金属膜(図示せず)を形成(堆積)する。それから、半導体基板61に対して熱処理を施すことにより、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGa(絶縁膜81,82で覆われていない領域)、メモリゲート電極MG1および上記n+型半導体領域69a,69bの上層部分(表層部分)を上記金属膜と反応させて金属シリサイド層71を形成する。その後、未反応の上記金属膜を除去する。図125および図126にはこの段階の断面図が示されている。
このように、いわゆるサリサイドプロセスを行うことによって、金属シリサイド層71を形成しているが、上記実施の形態3では、選択ゲート電極SG全体の上面が露出した状態で上記金属膜を形成してその金属膜と反応させるため、選択ゲート電極SG全体の上面に金属シリサイド層71が形成される。一方、本実施の形態では、コンタクト部SGa以外の選択ゲート電極SGは絶縁膜81,82で覆われた状態で上記金属膜を形成するため、コンタクト部SGa以外の選択ゲート電極SGの上部には金属シリサイド層71は形成されない。そして、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaの少なくとも一部が絶縁膜81,82で覆われずに露出した状態で上記金属膜を形成するため、図126に示されるように、選択ゲート電極SGのコンタクト部SGaの少なくとも一部の上部には、金属シリサイド層71が形成される。また、上記実施の形態3と同様、本実施の形態においても、図125にも示されるように、メモリゲート電極MG1のコンタクト部MG1aの上面のうち、側壁絶縁膜68で覆われていない部分に金属シリサイド層71が形成される。
以降の工程は、上記実施の形態3と同様である。すなわち、上記図100、図103および図104に示されるように、上記実施の形態3と同様にして、絶縁膜(層間絶縁膜)12を形成し、絶縁膜72にコンタクトホールCTを形成し、コンタクトホールCT内にプラグPGを形成し、プラグPGが埋め込まれた絶縁膜72上に絶縁膜(層間絶縁膜)74を形成し、絶縁膜74に配線MM1を形成する。
本実施の形態においても、上述した本実施の形態固有の効果以外については、上記実施の形態3で説明した効果を得ることができる。また、本実施の形態においても、上記実施の形態4の技術を適用することができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。