JP5610210B2 - 中間転写体と製造方法、及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
中間転写体と製造方法、及びそれを用いた画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5610210B2 JP5610210B2 JP2010201677A JP2010201677A JP5610210B2 JP 5610210 B2 JP5610210 B2 JP 5610210B2 JP 2010201677 A JP2010201677 A JP 2010201677A JP 2010201677 A JP2010201677 A JP 2010201677A JP 5610210 B2 JP5610210 B2 JP 5610210B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- intermediate transfer
- resin
- belt
- transfer member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
- Color Electrophotography (AREA)
Description
しかし、この方式では紙の環境による変動などもあり、各色画像を重ねる位置精度を合わせることが非常に困難であり、色ずれ画像を引き起こしていた。そこで近年では、4連タンデム方式に中間転写方式を採用することが主流になってきている。
このため、中間転写ベルトとしても従来より高速、位置精度などの要求に対応する特性を満足することが必要となってきている。特に、位置精度に対しては、連続使用によるベルト自体の伸び等の変形による変動を抑えることが求められる。また、中間転写ベルトは装置の広い領域に渡ってレイアウトされ、転写のための高電圧を印加されるため、難燃性も求められている。そこで主に、高弾性率で高耐熱樹脂であるポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが用いられている。
ところが、ポリイミド樹脂による中間転写ベルトにおいては、高強度であるためその表面硬度も高いので、トナー像を転写する際にトナー層に高い圧力がかかり、トナーが局部的に凝集し画像の一部が転写されない、いわゆる中抜け画像が発生することがある。
また、感光体や用紙などの転写部での接触部材との接触追従性が劣るため、転写部において部分的な接触不良部(空隙)が発生し、転写むらが発生することがある。
この課題を解決するために比較的柔軟性のある層を基層上に積層した様々な中間転写ベルトが提案されている。
しかしながら、比較的柔軟性のある層を表面層とした場合、転写圧力が低減されたり、用紙凹凸への追従性が向上する反面、表面の離型性が劣るためにトナーがうまく離型できず転写効率が低下し、前者の効果を生かせないという問題が発生する。また、耐摩耗性・耐擦傷性にも劣るという問題もある。
特許文献1では、3μm以下の直径のビーズで被覆することが提案されている。
しかしながら、前記公報の形成では昨今の電子写真装置の要求される耐久性においては、粒子の脱離が発生してしまい充分ではない。
しかしながら、粒子層が厚かったり、粒子の凝集による不均一性部分が存在し、転写性能にもばらつきが発生し、昨今の電子写真装置の要求される高いレベルの画質を満足しうるものが得られない。
また、これらの従来技術では、長期的に見るとどうしても粒子が中間転写体から脱離しやすく、結果として脱離した部分の画像が乱れるという課題があった。
また、特許文献1〜5すべてにおいて、シリカが好ましく用いられているが、シリカ粒子は凝集力が強いため前述したとおり、均一な粒子層を形成できない。さらに、シリカのような無機粒子は、像形成を担う潜像担持体として好適に用いられる有機感光体との転写部での接触によって有機感光体の表面を傷つけ、摩耗させやすく、耐久性を低下させるという不具合を生じさせる。
すなわち、以下の<1>〜<11>に記載する発明によって上記課題が解決される。
<1>像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、該中間転写体は基材層からなる第一の層、弾性体からなる第二の層、マルテンス硬度50N/mm2以上の樹脂層からなる第三の層を順次積層して構成され、前記樹脂層の上には球形樹脂粒子が面方向に配列され、かつ樹脂層に対して厚み方向に単一層で形成された粒子層によって凹凸形状を形成させることを特徴とする中間転写体。
<2>上記マルテンス硬度50N/mm2以上の樹脂層がシリコーン変性樹脂であることを特徴とする上記<1>に記載の中間転写体。
<3>上記球形粒子がシリコーン樹脂粒子であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の中間転写体。
<4>上記球形粒子の平均粒子径が5.0μm以下であることを特徴とする上記<1>乃至<3>のいずれかに記載の中間転写体。
<5>上記弾性体が熱硬化性のエラストマー、もしくはゴム材料であることを特徴とする上記<1>乃至<4>のいずれかに記載の中間転写体。
<6>上記樹脂層の厚みが0.1μm以上10μm以下であることを特徴とする上記<1>乃至<5>のいずれかに記載の中間転写体。
<7>体積抵抗率が1×107〜1×1013Ω・cmの範囲内であることを特徴とする上記<1>乃至<6>のいずれかに記載の中間転写体。
<8>シームレスベルトであることを特徴とする上記<1>乃至<7>のいずれかに記載の中間転写体。
<9>像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体の製造方法において、
基材層からなる第一の層を形成する工程と、
前記第一の層上に、弾性体からなる第二の層を形成する工程と、
前記第二の層上に、マルテンス硬度50N/mm 2 以上の樹脂層からなる第三の層を形成する樹脂成分を含む塗工液を塗布して半焼成させた層を形成する工程と、
前記半焼成させた層上に、球形粒子を均一に乾式塗布し、ならし工程により独立した球形粒子が面方向に配列され、かつ樹脂層に対して厚み方向に単一層で形成された粒子層を形成する工程と、
前記粒子層を形成後に加熱して、前記半焼成させた層を硬化させ前記第三の層を形成する工程と
を有することを特徴とする中間転写体の製造方法により獲得される。
<10>上記<1>から<8>に記載の中間転写体を特徴とする画像形成装置である。
<11>上記<10>に記載の画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなる画像形成装置である。
図1には、本発明に好適に用いられる中間転写ベルトの層構成を示す。ただし、この構成に限定されるものではない。
この例の構成としては、比較的屈曲性が得られる剛性な基材層(11)の上に柔軟な弾性層(12)が積層されており、この弾性層(12)の上には樹脂層(13)が積層され、最表面には球形粒子(14)が形成されている。
この構成材料としては、樹脂中に電気抵抗を調整する充填材(又は、添加材)、いわゆる電気抵抗調整材を含有してなるものが挙げられる。
このような樹脂としては、難燃性の観点から、例えば、PVDF、ETFEなどのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂等が好ましく、機械強度(高弾性)や耐熱性の点から、特にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。
なお、本発明における電気抵抗調整材は、上記例示化合物に限定されるものではない。
また、本発明のシームレスベルトの製造方法における少なくとも樹脂成分を含む塗工液には必要に応じて、さらに分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などの添加材を含有してもよい。
本発明に用いられるポリイミドとしては、限定されるものではないが芳香族系のポリイミドが好ましい例として挙げられる。芳香族系のポリイミドは、一般的に知られている芳香族多価カルボン酸無水物(又はその誘導体)と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。
すなわち、ポリイミド、特に、芳香族系のポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融の性質を有する。そのため、先ず、芳香族多価カルボン酸無水物と芳香族ジアミンとの反応により、有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、又はポリアミド酸)を合成し、このポリアミック酸の段階で様々な方法で成形加工が行なわれ、その後ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)しポリイミドとされる。芳香族系のポリイミドを得る反応を例にその概略を下記式(1)に示す。
これらは単独または2種以上混合して用いられる。
本発明の物性を効果的に発現するために、特に、少なくとも成分の1つとして、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いることが好ましい。
このような例としては、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等が代表的なものとして挙げられる。
なお、ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが好ましい。
このようなイミド化率の測定方法としては、例えば、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法など種々の方法が用いられているが、中でもフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)は最も一般的な方法である。
すなわち、焼成段階(イミド化処理段階)でのイミド基のモル数を(A)とし、100%イミド化された場合(理論的)のイミド基のモル数を(B)とすると、次により表わされる。
イミド化率(%)=[(A)/(B)]×100・・・(a)
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm−1(イミド環C−N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比。
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比。
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1とアミド基の特性吸収1,670cm−1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比。
また、3,000〜3,300cm−1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すればさらにイミド化完結の信頼性は高まる。
次に、ポリアミドイミドについて説明する。
ポリアミドイミドは、分子骨格中に剛直なイミド基と柔軟性を付与するアミド基を有する樹脂であり、本発明に用いられるポリアミドイミドとしては一般的に知られている構造のものを使用することができる。
一般的にポリアミドイミド樹脂を合成する方法としては、酸クロライド法(a):酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド、最も代表的には当該誘導体のクロライド化合物とジアミンとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭42−15637号公報参照。)が知られている。または別な方法として、イソシアネート法(b):酸無水物基とカルボン酸を含む3価の誘導体と芳香族イソシアネートとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭44−19274号公報)等が知られており、いずれも使用することができる。各製造方法について以下に説明する。
酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド化合物としては、例えば、下記式(2)および式(3)に示す化合物を使用することができる。
芳香族ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィドなどが挙げられる。また他に、メチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミン等のジアミンも、これらと一緒にまたは単独でもちいることができる。
特に好ましく用いられる溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンである。
イミド化の方法としては、加熱処理により脱水閉環させる方法、および脱水閉環触媒を用いて化学的に閉環させる方法が挙げられる。加熱処理により脱水閉環させる場合、例えば、反応温度は150〜400℃、好ましくは180〜350℃であり、加熱処理時間は30秒間〜10時間、好ましくは5分間〜5時間である。また、脱水閉環触媒を用いる場合、反応温度は0〜180℃、好ましくは10〜80℃であり、反応時間は数十分間〜数日間、好ましくは2時間〜12時間である。脱水閉環触媒の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等の酸無水物等が挙げられる。
イソシアネート法の場合に用いる酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体としては、例えば、式(4)または式(5)で示す化合物を使用することができる。
これらの芳香族ポリイソシアネートは単独で使用することもできるし、組み合わせて使用することもできる。必要に応じてこの一部としてヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環式イソシアネートおよび3官能以上のポリイソシアネートを使用することもできる。
また、ポリイミド繰返単位とポリアミドイミド繰返単位を有する共重合体であってもよい。
構成する材料としては、汎用の樹脂・エラストマー・ゴムなどの材料を使用することが可能だが、本発明の効果を充分に発現するに充分な柔軟性(弾性)を有する材料を用いることが好ましく、エラストマー材料やゴム材料を用いるのがよい。エラストマー材料としては、熱可塑性エラストマーとして、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリジエン系、シリコーン変性ポリカーボネート系、フッ素系共重合体系等が挙げられる。また、熱硬化性として、ポリウレタン系、シリコーン変性エポキシ系、シリコーン変性アクリル系等が挙げられる。また、ゴム材料としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム等が挙げられる。上記各種エラストマー、ゴムの中から、性能が得られる材料を適宜選択するが、本発明においては、この材料の表面に樹脂層を形成する上で、熱可塑性のものよりも熱硬化性のものの方が好ましい。熱硬化性のものの方が、その硬化反応に寄与する官能基の効果により樹脂層との密着性に優れ確実に固定化することが可能である。加硫ゴムも同様に好ましい。
電気特性を調整するための抵抗調整剤としては、すでに前述した各種材料が適用できるが、カーボンブラックや金属酸化物などは柔軟性を損なうため、使用量を抑えることが好ましく、イオン導電剤や導電性高分子を用いることも有効である。また、これらの併用でも構わない。当樹脂層の抵抗値としては、表面抵抗で1×108〜1×1013Ω/□、体積抵抗で1×107〜1×1013Ω・cmとなるように調整されることが好ましい。樹脂層の膜厚としては、200μm〜2mm程度が好ましい。膜厚が薄いと、転写媒体の表面性状への追従性や転写圧力低減効果が低く好ましくない。厚すぎると、膜の重さが重くなりたわみやすくなり走行性が不安定になったり、ベルトを張架させるためのローラ曲率部での屈曲により亀裂が発生しやすくなるため好ましくない。
構成する樹脂層の材料としてはマルテンス硬度50N/mm2以上であれば特に問わないが、なかでもシリコーン変性樹脂のほうがより好ましい。マルテンス硬度50N/mm2未満では、1次転写、及び2次転写時の感光体、紙への接触時にベルト上にトナーが埋まりこんでしまうために転写不良、クリーニング不良が起こってしまうため好ましくない。
また、繰返し使用により粒子が樹脂層に埋没してしまい転写が悪化してしまい、耐久性の面から好ましくない。一方でマルテンス硬度50N/mm2以上の樹脂層を最表面にした場合(粒子層がない場合)は、長期使用によりクラックや割れを生じて、その隙間にトナーが入り込み転写不良、クリーニング不良となるが、粒子層がある場合はそれらを抑制する、すなわち粒子がバリアー効果を発揮するために割れにくくなる、さらには亀裂が入ってもトナーが入り込む大きなクラックには拡大しない。そのため転写性、クリーニング性を維持したまま長期に渡って使用することができる。そのため、なるべく硬い材料のほうがより好ましい。粒子層については後で詳しく説明する。
シリコーン変性樹脂としてはたとえば、シリコーン変性ポリイミド、シリコーン変性ポリアミドイミド、シリコーン変性ポリカーボネート、アクリルシリコーン、シリコーン変性エポキシ、シリコーン変性ウレタン、シリコーン変性ポリエステルなどが挙げられる。
この中でも耐久性の面からシリコーン変性ポリイミドを使用することが特に好ましい。
また、樹脂層の膜厚としては0.1μm以上10μm以下が好ましい。0.1μmよりも薄いと樹脂層の耐久性の面から好ましくない。逆に10μmよりも厚いと弾性層の柔軟性が損なわれてしまい、用紙への中間転写ベルト追従性、変形性が悪化してしまうため好ましくない。
なお、本樹脂層のマルテンス硬度は、ガラス板上に該樹脂だけを10〜20μmの厚みで積層させたサンプルを、ビッカース圧子で最大荷重5mNで押込んだときの硬度のことをいう。上記マルテンス硬度は、たとえばFisher社製のFisherScope HM2000 LTにより測定することができる。
材料としては特に問わないが、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、などの樹脂を主成分としてなる球形粒子が挙げられる。また、これらの樹脂材料からなる粒子の表面を異種材料で表面処理を施したものでもよい。
また、ここでいう樹脂粒子の中には、ゴム材料も含む。ゴム材料で作製された球状粒子の表面を硬い樹脂をコートしたような構成のものも適用可能である。
また、中空であったり、多孔質であったりしてもよい。これらの樹脂中で、滑性を有し、トナーに対しての離型性、耐磨耗性を付与できる機能の高いものとして、シリコーン樹脂粒子が最も好ましい。これら樹脂を用い、重合法などにより球状の形状に作製された粒子であることが好ましく、本発明においては、真球に近いものほど好ましい。また、その粒径は、好ましくは体積平均粒径が0.5μm〜5.0μmであり、さらに好ましくは2.0〜3.0μmで、かつ分布がシャープな単分散であるほうがよい。粒径が5.0μmより大きいと、粒子による帯電電位の残留により、連続画像出力時にこの電位の蓄積による画像乱れが発生する不具合も生じるため好ましくない。
図2では、ベルトの表面を真上から観察した拡大模式図を示す。このように、均一な粒径の球状粒子が独立して整然と配列する形態を取る。
本発明においては、上記球形樹脂粒子は樹脂へ埋設された形態を取るが、その埋没率は、50%〜90%が好ましい。50%未満では、電子写真装置での長期使用において粒子の脱離が起きやすく、耐久性に劣る。
一方、90%を超えると、粒子による転写性への効果が低減し好ましくない。さらにこの粒子層は、樹脂層に対して、厚み方向に単一層で形成される。図7のように、厚み方向に複数の粒子を含むような構成では、粒子の含有される分布がむらになり、粒子の有する電気抵抗値の影響により、ベルト表面の電気特性が不均一となり画像乱れを生じる。具体的には、粒子が多く存在する部分での電気抵抗値が高くなり、ここに残留電荷による表面電位が発生し、ベルト表面において表面電位のばらつきが発生し、隣接した部分での画像濃度に差が生じる等による画像乱れが顕在化する。粒子の埋没率の調整には、例えば図4に示すような装置の押し当て部材の圧力、押し当て時間を調整することにより達成することができる。
まず、基材層(11)の作製方法について説明する。
本発明の少なくとも樹脂成分を含む塗工液、すなわち前記ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液を用いて基層を製造する方法について説明する。
円筒状の型、例えば、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、少なくとも樹脂成分を含む塗工液(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液)をノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の外面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、充分にポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体のイミド化又はポリアミドイミド化を行なう。充分に冷却後、続いて弾性層(12)を積層する。
少なくともシリコーン変性樹脂もしくはフッ素変性樹脂を含む塗工液を、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、スプレーやノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の外面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、充分にレベリングしたところで、乾燥機にて半焼成させる。ここで完全に加熱硬化させてしまうと、その次の粒子層を形成させるのが難しくなるので、ここでは樹脂層の溶剤を20〜30%程度残すように乾燥温度、時間を調整する。このように半焼成させたら冷却し、続いて粒子層(14)を積層する。
図4に示すように、粉体供給装置(41)と幅広へら状の押し当て部材(43)を設置し、回転させながら粉体供給装置(41)から球状粒子を表面に均一にまぶし、表面にまぶされた球状粒子を押し当て部材(43)により一定圧力にて押し当てる。この押し当て部材(43)により、樹脂層へ粒子を埋設させつつ、余剰な粒子を取り除く。
本発明では、特に単分散の球形粒子を用いるために、このような押し当て部材でのならし工程のみの簡単な工程で、均一な単一粒子層を形成することが可能である。均一な粒子層を形成後、回転させながら所定温度、所定時間で加熱することにより、硬化させ樹脂層を形成する。充分冷却後、金型から基層ごと脱離させ、本発明の中間転写ベルトを得る。
前述の方法により製造されたシームレスベルトは、例えば、像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行ない、その一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する、いわゆる中間転写方式の電子写真装置の中間転写ベルトとして好適に用いられ、高画質画像形成な電子写真画像形成装置を構成することができる。本発明における画像形成装置に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であって本発明はこれに限定されるものではない。
図5は、本発明に係る製造方法により得られるシームレスベルトをベルト部材として装備する画像形成装置を説明するための要部模式図である。
図5に示すベルト部材を含む中間転写ユニット(500)は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト(501)などにより構成されている。この中間転写ベルト(501)の周りには、2次転写ユニット(600)の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ(605)、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード(504)、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ(505)などが対向するように配設されている。
図5において、帯電チャージャ(203)は、コロナ放電によって感光体ドラム(200)の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行なう。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム(200)の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器(231K)の現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム(200)の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷のない部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
そして、2次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)と2次転写バイアスローラ(605)によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト(501)上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙(P)の先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ(610)が駆動されて、転写紙ガイド板(601)に沿って転写紙(P)が搬送され、転写紙(P)とトナー像とのレジスト合わせが行なわれる。
ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ(505)及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
図6は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム(21BK)、(21Y)、(21M)、(21C)を備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)の周囲には、帯電装置、上記書込部(12)からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置(20BK)、(20M)、(20Y)、(20C)、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ(23BK)、(23M)、(23Y)、(23C)、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置(20BK)、(20M)、(20Y)、(20C)には、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト(22)は、各感光体(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)と、各1次転写バイアスローラ(23BK)、(23M)、(23Y)、(23C)との間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
これにより、転写紙(P)上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙(P)は、転写搬送ベルト(50)により定着装置(15)に搬送され、この定着装置(15)により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
このベルトクリーニング部材(25)の下流側には、潤滑剤塗布装置(27)が配設されている。この潤滑剤塗布装置(27)は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト(22)に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。前記導電性ブラシは、中間転写ベルト(22)に常時接触して、中間転写ベルト(22)に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト(22)のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
「基層用塗工液Aの調製」
先ず、ポリイミド樹脂前駆体を主成分とするポリイミドワニス(U−ワニスA;宇部興産社製)に、予めビーズミルにてN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(SpecialBlack4;エボニックデグサ社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の17重量%になるように調合し、よく攪拌混合して基層用塗工液Aを調製した。
次に、外径100mm、長さ300mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記基層用塗工液を円筒外面に均一に流延するようにディスペンサーにて塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を100rpmに上げ、熱風循環乾燥機に導入して、110℃まで徐々に昇温して60分加熱した。さらに昇温して200℃で20分加熱し、回転を停止、徐冷して成形膜が形成された円筒型を取り出し、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に320℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。
「弾性層用塗工液の調製」
まず、下記に示す各構成材料を混合し、2軸混練機を用いて、充分に混練し、マスターバッチを作製した。
「弾性層用カーボンマスターバッチ構成材料」
・エポキシ−シリコーン共重合体 ALBIFLEX348(Nanoresins社製)
20重量部
・カーボンブラック R400R(キャボットジャパン社製) 100重量部
上記カーボンマスターバッチAを用いて、下記の構成材料を混合し弾性層用塗工液Aを得た。
「弾性層用塗工液構成材料」
・上記カーボンマスターバッチA 10重量部
・エポキシ−シリコーン共重合体 ALBIFLEX348(Nanoresins社製)
77重量部
・メチルテトラヒドロ無水フタル酸 HN−2000(日立化成工業社製) 13重量部
先に作製したポリイミド基層上に、上記樹脂層用塗布液を同様に外面に均一にディスペンサーを用いて金型を回転させながら流延して塗布した。塗布量としては最終的な膜厚が300μmになるような液量の条件とした。その後、金型をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で120℃まで昇温して30分加熱した。引き続き、昇温速度4℃/分で220℃まで昇温して90分加熱処理した。
「樹脂層用塗工液Aの調製」
まず、下記に示す各構成材料を混合し、φ1mmのジルコニアビーズを用いて、ビーズミル分散機にて3時間分散し、樹脂層用塗工液Aを調製した。
「樹脂層用塗工液A構成」
・カーボンブラック SpecialBlack4(エボニックデグサ社製)10重量部
・シリコーン変性ポリイミド SMP−2003(信越化学社製) 8重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(三協化学社製) 82重量部
上記シリコーン変性ポリイミド樹脂のマルテンス硬度は93N/mm2であった。
先に作製したエポキシ−シリコーン共重合体弾性層上に上記樹脂層用塗工液Aをスプレー塗工により金型を回転させながら均一に塗布した。塗布量としては、最終的な膜厚が5μmとなるような条件とした。その後、金型をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して90℃で30分加熱し、半焼成させた樹脂層を作製した。
続いて、上記樹脂層の上に図4の方法を用いて、球状樹脂粒子として、シリコーン樹脂球形粒子トスパール120(体積平均粒子径2.0μm品);モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)をまんべんなく表面にまぶし、ポリウレタンゴムブレードの押し付け部材を押し当てて樹脂層に固定化した。
次に、上記ベルト表面全面の処理を終えた後、そのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、160℃で60分加熱処理をした。加熱を停止した後、常温まで徐冷した。充分冷却後、金型から取り外し、中間転写ベルトAを得た。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子の樹脂層への埋没率は54%、樹脂層の厚みは5.5μmであった。
「樹脂層用カーボンマスターバッチB構成」
・カーボンブラック MA77(三菱化学社製) 10重量部
・アクリルシリコーン サイマックUS−352(東亜合成社製) 2重量部
・メチルエチルケトン(関東化学社製) 50重量部
・シクロヘキサノン(関東化学社製) 38重量部
上記構成材料を混合し、φ1mmのジルコニアビーズを用いて、ビーズミル分散機にて3時間分散し、樹脂層用塗工液Bを調製した。
「樹脂層用塗工液B構成」
・上記カーボンマスターバッチB 13重量部
・アクリルシリコーン サイマックUS−352(東亞合成社製) 9重量部
・メチルエチルケトン(関東化学社製) 48重量部
・シクロヘキサノン(関東化学社製) 40重量部
上記サイマックUS−352のマルテンス硬度は53N/mm2であった。
その後は実施例1と同様にして、中間転写ベルトBを得た。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、このときの樹脂層への粒子の埋没率は58%、樹脂層の厚みは2.7μmであった。
基層、弾性層は実施例1と同様の手順で行ない、粒子層形成方法を以下のように変更した。
・シリコーン粒子トスパール120(体積平均粒子系2.0μm品);モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 20部
・テトラヒドロフラン(関東化学社製) 100重量部
上記塗工液を実施例1の弾性層上に塗布し、120℃で60分加熱処理し、中間転写ベルトCを得た。当ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したものを図8に示す。表面は粒子の凹凸形状となっているが、厚み方向に粒子が複数含有されている構成となっていた。
実施例1の樹脂層用塗工液Aの構成を以下のように変えて、樹脂層用塗工液Dを作製した。
「樹脂層用塗工液D構成」
・イソシアネート コロネートL(日本ポリウレタン工業社製) 10重量部
・ポリエステル樹脂 バイロン300(東洋紡績社製) 10重量部
上記樹脂層のマルテンス硬度は25N/mm2であった。
その後は実施例1と同様にして、中間転写ベルトDを得た。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、このときの樹脂層への粒子の埋没率は55%、樹脂層の厚みは1.3μmであった。
実施例1の樹脂用塗工液Aの構成を以下のように変えて、樹脂層用塗工液Eを作製した。
「樹脂層用カーボンマスターバッチE構成」
・カーボンブラック BlackPearlL(キャボットジャパン社製) 10重量部
・フッ素樹脂 ルミフロンLF200(旭硝子社製) 2重量部
・酢酸ブチル(関東化学社製) 88重量部
上記構成材料を混合し、φ1mmのジルコニアビーズを用いて、ビーズミル分散機にて3時間分散し、樹脂層用塗工液Eを調製した。
「樹脂層用塗工液E構成」
・上記マスターバッチE 8重量部
・フッ素樹脂 ルミフロンLF200(旭硝子社製) 9重量部
・イソシアネート硬化剤 TSE−100(旭化成社製) 1重量部
・酢酸ブチル(関東化学社製) 82重量部
上記フッ素樹脂のマルテンス硬度は42N/mm2であった。
その後は実施例1と同様にして、中間転写ベルトEを得た。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、このときの樹脂層への粒子の埋没率は68%、樹脂層の厚みは4.2μmであった。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子の樹脂層への埋没率は、53%であった。
実施例1における球状樹脂粒子を、シリコーン樹脂不定形粒子(トスパール240(体積平均粒径4.0μm)モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)に代える他は同じとして中間転写ベルトIを作製した。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子の樹脂層への埋没率は59%であった。
実施例1における球状樹脂粒子を、球状シリカ粒子(シーホスターKE−P250(体積平均粒径2.5μm)日本触媒社製)に代える他は同じとして中間転写ベルトJを作製した。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子の樹脂層への埋没率は67%であった。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子の樹脂層への埋没率は51%であった。
「樹脂層用カーボンマスターバッチL構成」
・カーボンブラック MA77(三菱化学社製) 10重量部
・シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂 バイロマックスHR13NX(東洋紡績社製)
7重量部
・N―メチル―2―ピロリドン(三菱化学社製) 83重量部
「樹脂層用塗工液L構成」
・上記マスターバッチ 11重量部
・シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂 バイロマックスHR13NX(東洋紡績社製)
12重量部
・N―メチル―2―ピロリドン(三菱化学社製) 87重量部
上記シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂の膜厚は2.1μm、マルテンス硬度は218N/mm2であった。
その後は実施例1と同様にして基層、弾性層を作製した上に、上記塗工液Lをスプレー塗布し、110℃で60分加熱、徐冷をし、その後実施例1と同様にして粒子層を形成させた。続いて220℃で60分加熱処理した。加熱後は徐冷し、金型から取り外して中間転写ベルトLを得た。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子の樹脂層への埋没率は76%であった。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子の樹脂層への埋没率は53%であった。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子の樹脂層への埋没率は57%であった。
実施例1において、粒子層を形成しない他は同じとし、中間転写ベルトOを作製した。
実施例1において、樹脂層を形成しない他は同じとし、中間転写ベルトPを作製した。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、弾性層上に均一な単一粒子層を形成しており、このときの弾性層への埋没率は51%であった。
これらの結果は、表1にまとめて示される。(なお、表1の体積抵抗率は100Vで10秒印加後の値を採用した。)
<(1)2次転写率の測定>
転写紙として、表面に和紙様模様の凹凸を施してある紙(レザック66 175Kg紙)を用い、これに青色のベタ画像を出力する操作を実施し、紙に転写する前の中間転写ベルト上の画像トナー量と紙に転写した後に中間転写ベルト上に残ったトナー量を計測し、転写率を算出した。
2次転写率(%)={[転写後の中間転写ベルト上のトナー量(g)]/[転写前の中間転写ベルト上のトナー量(g)]}×100
<(2)10万枚連続画像出力時点における転写率の測定>
テストチャートを連続10万枚連続画像出力した後、停止し、上記(1)の方法に従い、転写率を測定した。
<(3)10万枚連続画像出力時点における画像評価>
テストチャートを連続10万枚連続画像出力した後、全面シアン単色のハーフトーン画像を出力し、異常画像を観察した。
結果を表2に示す。
11 基材層
12 弾性層
13 樹脂層
14 粒子
(図2の符号)
21 樹脂層
22 粒子
(図3の符号)
31 樹脂層
32 粒子
(図4の符号)
41 金型ドラム
42 基層、弾性層、樹脂層を積層したベルト
43 押し当て部材
44 粒子
45 粉体塗布装置
(図5の符号)
P 転写紙
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
502 トナーシール部材
503 帯電チャージャ
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図6の符号)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング部材
27 潤滑剤塗布装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
(図7の符号)
71 樹脂層
72 粒子
(図8の符号)
81 基層
82 弾性層
83 樹脂層
84 粒子
Claims (11)
- 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、該中間転写体は基材層からなる第一の層、弾性体からなる第二の層、マルテンス硬度50N/mm2以上の樹脂層からなる第三の層を順次積層して構成され、前記樹脂層の上には球形樹脂粒子が面方向に配列され、かつ樹脂層に対して厚み方向に単一層で形成された粒子層によって凹凸形状を形成させることを特徴とする中間転写体。
- 上記マルテンス硬度50N/mm2以上の樹脂層がシリコーン変性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
- 上記球形粒子がシリコーン樹脂粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の中間転写体。
- 上記球形粒子の平均粒子径が5.0μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の中間転写体。
- 上記弾性体が熱硬化性のエラストマー、もしくはゴム材料であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の中間転写体。
- 上記樹脂層の厚みが0.1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の中間転写体。
- 体積抵抗率が1×107〜1×1013Ω・cmの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の中間転写体。
- シームレスベルトであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の中間転写体。
- 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体の製造方法において、
基材層からなる第一の層を形成する工程と、
前記第一の層上に、弾性体からなる第二の層を形成する工程と、
前記第二の層上に、マルテンス硬度50N/mm 2 以上の樹脂層からなる第三の層を形成する樹脂成分を含む塗工液を塗布して半焼成させた層を形成する工程と、
前記半焼成させた層上に、球形粒子を均一に乾式塗布し、ならし工程により独立した球形粒子が面方向に配列され、かつ樹脂層に対して厚み方向に単一層で形成された粒子層を形成する工程と、
前記粒子層を形成後に加熱して、前記半焼成させた層を硬化させ前記第三の層を形成する工程と
を有することを特徴とする中間転写体の製造方法。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載の中間転写体を特徴とする画像形成装置。
- 上記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010201677A JP5610210B2 (ja) | 2010-09-09 | 2010-09-09 | 中間転写体と製造方法、及びそれを用いた画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010201677A JP5610210B2 (ja) | 2010-09-09 | 2010-09-09 | 中間転写体と製造方法、及びそれを用いた画像形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012058497A JP2012058497A (ja) | 2012-03-22 |
JP5610210B2 true JP5610210B2 (ja) | 2014-10-22 |
Family
ID=46055655
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010201677A Expired - Fee Related JP5610210B2 (ja) | 2010-09-09 | 2010-09-09 | 中間転写体と製造方法、及びそれを用いた画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5610210B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5609505B2 (ja) * | 2010-10-01 | 2014-10-22 | 株式会社リコー | 中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置 |
JP5609506B2 (ja) * | 2010-10-01 | 2014-10-22 | 株式会社リコー | 中間転写体、及び該中間転写体を用いた画像形成装置 |
JP6264651B2 (ja) * | 2014-02-25 | 2018-01-24 | 株式会社リコー | 中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置 |
JP6611540B2 (ja) * | 2015-09-30 | 2019-11-27 | キヤノン株式会社 | 電子写真用部材、定着装置および画像形成装置 |
Family Cites Families (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5666193A (en) * | 1996-02-09 | 1997-09-09 | Eastman Kodak Company | Intermediate transfer of small toner particles |
JP3327111B2 (ja) * | 1996-04-10 | 2002-09-24 | 株式会社日立製作所 | 画像形成装置 |
JPH1039647A (ja) * | 1996-07-19 | 1998-02-13 | Canon Inc | 画像形成装置 |
JP2002023514A (ja) * | 2000-07-04 | 2002-01-23 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
JP4430892B2 (ja) * | 2003-05-29 | 2010-03-10 | 株式会社リコー | カラー画像形成装置 |
JP2007011117A (ja) * | 2005-07-01 | 2007-01-18 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 中間転写ベルト |
JP4810673B2 (ja) * | 2006-02-13 | 2011-11-09 | コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 | 中間転写体、中間転写体の製造方法、画像形成方法、画像形成装置 |
JP2007328165A (ja) * | 2006-06-08 | 2007-12-20 | Bridgestone Corp | 導電性エンドレスベルト |
JP2009075154A (ja) * | 2007-09-18 | 2009-04-09 | Bridgestone Corp | 導電性エンドレスベルト |
JP5486217B2 (ja) * | 2008-06-02 | 2014-05-07 | セイコーエプソン株式会社 | 多層ベルト |
JP5279366B2 (ja) * | 2008-06-26 | 2013-09-04 | 東海ゴム工業株式会社 | 現像ロールおよびその製法 |
JP5445908B2 (ja) * | 2008-08-29 | 2014-03-19 | 株式会社リコー | 電子写真用中間転写ベルト及び電子写真装置 |
JP2010066307A (ja) * | 2008-09-08 | 2010-03-25 | Tokai Rubber Ind Ltd | 電子写真機器用無端ベルト |
JP5383140B2 (ja) * | 2008-10-03 | 2014-01-08 | グンゼ株式会社 | 電子写真装置用多層弾性ベルトの製造方法 |
JP5434790B2 (ja) * | 2010-05-21 | 2014-03-05 | 株式会社リコー | 弾性転写ベルト、及びこれを用いた画像形成装置 |
-
2010
- 2010-09-09 JP JP2010201677A patent/JP5610210B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012058497A (ja) | 2012-03-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5610367B2 (ja) | 中間転写ベルト及びそれを用いた電子写真装置 | |
JP5609505B2 (ja) | 中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置 | |
JP5867184B2 (ja) | 中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置 | |
JP6115349B2 (ja) | 中間転写ベルト及びその製造方法、並びに画像形成装置 | |
JP5983004B2 (ja) | 中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置 | |
JP6064680B2 (ja) | 中間転写ベルトおよびその製造方法、ならびに画像形成装置 | |
JP5476853B2 (ja) | シームレスベルトおよびそれを用いた電子写真装置 | |
JP5609506B2 (ja) | 中間転写体、及び該中間転写体を用いた画像形成装置 | |
JP5585284B2 (ja) | 中間転写体、その製造方法、及び該中間転写体を具備する画像形成装置 | |
JP5610210B2 (ja) | 中間転写体と製造方法、及びそれを用いた画像形成装置 | |
JP2012194229A (ja) | 中間転写ベルト、その製造方法、及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置 | |
JP2007164029A (ja) | 中間転写体及びその製造方法、並びに画像形成装置 | |
JP2010066430A (ja) | 中間転写体及び画像形成装置 | |
JP2012177761A (ja) | 中間転写ベルト、その製造方法、及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置 | |
JP2012189916A (ja) | 中間転写ベルト及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置 | |
JP5413725B2 (ja) | 中間転写体の製造方法、及びそれを用いた画像形成装置 | |
JP2006251415A (ja) | 電子写真用シームレスベルトとその製造方法、中間転写ベルト、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP5418026B2 (ja) | 電子写真用シームレスベルト及びそれを用いた電子写真装置 | |
JP5540777B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP5604922B2 (ja) | 中間転写ベルトの製造方法、該製造方法により得られた中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置 | |
JP4863653B2 (ja) | 電子写真用シームレスベルトとその製造方法、中間転写ベルト及び電子写真装置 | |
JP4911987B2 (ja) | シームレスベルト及びそれを用いた画像形成装置 | |
JP5472588B2 (ja) | 電子写真用ベルトとその製造方法及び電子写真装置 | |
JP2006171572A (ja) | 中間転写ベルト及びそれを用いた画像形成装置 | |
JP2006215338A (ja) | シームレスベルト及びそれを用いた画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130718 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140116 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140206 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140407 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140807 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140820 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5610210 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |