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JP5383140B2 - 電子写真装置用多層弾性ベルトの製造方法 - Google Patents

電子写真装置用多層弾性ベルトの製造方法 Download PDF

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JP5383140B2
JP5383140B2 JP2008259015A JP2008259015A JP5383140B2 JP 5383140 B2 JP5383140 B2 JP 5383140B2 JP 2008259015 A JP2008259015 A JP 2008259015A JP 2008259015 A JP2008259015 A JP 2008259015A JP 5383140 B2 JP5383140 B2 JP 5383140B2
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Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に使用される多層弾性ベルトの製造方法及び該ベルトの評価方法に関する。具体的には、感光体上に形成された静電潜像上のトナー像を紙等の記録材へ転写するために使用する中間転写ベルト、転写搬送ベルト等の電子写真用ベルトの製造方法及び該ベルトの評価方法に関するものである。
中間転写ベルトの高画質化へ対応するために、特許文献1に記載されるように、弾性材料層を有する2層あるいは3層構成の中間転写ベルトが提案されている。
また、特許文献2などには弾性層にウレタンゴムを使用したものが、考案されている。これらのベルトは通常、基材層であるポリイミドなどの樹脂ベルト表面に弾性層及び表面層を順次コーティングする方法、金型内面に弾性層及び基材層を順次成型する方法、キャレンダーロールなどでシーティングしたシートをラミネートする方法などで製造される。
このようなゴム弾性体により構成された又はゴム弾性体層を設けた中間転写ベルトは柔軟性に優れるため、一次転写時に中間転写ベルトと接する感光体等との転写領域を容易に安定して形成できると同時に、感光体等との間でトナーに加えられる圧縮応力が軽減され、画像の中抜け不具合の対策や細線印字の鮮明度向上に役立つと考えられている。
また、特許文献3には表面の凹凸の大きい記録媒体を使用した場合に、弾性を持たない中間転写ベルトにおいては二次転写時に凹部での画像抜け発生する問題を取り上げ、それに対する改善にも大きな効果を発揮すると述べられている。
更に特許文献4には、硬い表面層と弾性層の構成の中間転写ベルトを湾曲して使う際にそれらの伸縮対応性の違いによって生じる表面層のクラックの問題を取り上げ、解決方法を述べている。
すなわち、特許文献3にはIRHDマイクロ硬度が60度以下、特許文献4にはダイナミック超微小硬度が0.25以下の中間転写ベルトが提案されている。
しかしながら、本来IRHDマイクロ硬度計は針を深く入れる構造のため、総厚0.5mm以下の薄いものを測定する方法としては不向きである。よって通常0.3mm程度の多層中間転写ベルトの硬度測定方法としては信頼性に欠けると言わざるを得ない。
また、IRHDマイクロ硬度を60度以下とするには、表面層自体にフッ素ゴム等のゴム材料を用いることが不可欠である。しかしながら、中間転写ベルト表面層をフッ素ゴムから形成されるゴム弾性体で形成する場合、フッ素ゴムが有する粘着性(タック性)によりトナーの離型性は必ずしも充分でなく、中間転写ベルト表面に形成されたトナー画像の最下層部のトナーが紙等の媒体へ転写せず中間転写ベルト表面に残留するという不具合を生じる。すなわち、二次転写の効率が低下してしまう。
加えて、中間転写ベルト表面に残留したトナーを除去するクリーニング工程で、シリコーンゴムやウレタンゴム等で形成されたクリーニングブレードを使用した場合、中間転写ベルト表面に粘着性があることで、ブレード鳴きの不具合が生じ最悪の場合にはブレードが破損してしまう。
このようなケースにおいてトナーとの離型性を得ようとすれば、元のフッ素ゴム材料にフッ素樹脂を多量に添加するか、フッ素ゴムではなくウレタン樹脂やアクリル樹脂をベースにフッ素樹脂を添加したもの、あるいはフッ素樹脂材料を表面層の材料として使用することになるが、これらの場合中間転写ベルトのIRHDマイクロ硬度は60度をはるかに越える。
次に、ダイナミック超微小硬度の付加荷重一定での測定においては、表面からある程度深く測定圧子が押し込まれるため、表面層の硬さの影響よりも中間層のゴムの硬さの影響を強く受ける傾向にある。例えば、特許文献4の例では、計算上押し込み深さは2.7μm以上となってしまう。しかるに表面層の厚さを5μm以下にしたい場合、この方法では厚さの半分以上まで圧子を押し込んでいるため、表面層の硬度よりも中間層の硬度の影響がほとんど支配的である。よって、表面層が硬くても中間層を構成するゴムの硬度を軟らかくすれば、ダイナミック超微小硬度を数値上低くできてしまう。
一方、中間転写ベルトにおいて、先に述べた画像の中抜け不具合の対策や細線印字の鮮明度向上には表面層の硬度が重要な役割を果たす。すなわち、一次転写においては、中間層を軟らかくしても、硬い表面層ではトナーに対して過度な圧力を与え易く、充分な圧縮応力緩和効果は得られない。
以上のことから、多層中間転写ベルトの表面層に求められるのは、表面に粘着性がないこと、比較的軟らかい材料であること、薄い膜厚であることなどが挙げられる。また、これらのことと関連付けられる多層中間転写ベルトの硬度の測定方法、すなわち、軟らかいゴム材料からなる中間層を用いた場合においても表面層の硬さの差が数値化できる測定方法が必要になる。
しかし、これまでのところ、一次転写における中抜け低減や二次転写における凹凸紙への追従性向上といった多層中間転写ベルトの転写特性をより適切に管理・評価できる、該ベルトの表面層の硬度の測定方法について報告例はなかった。そのため、より実使用に即した該ベルトの硬度に関する画期的な管理方法の開発が待たれていた。
特許第3248455号明細書 特開2001-282009号公報 特開2006-178232号公報 特開2006-276302号公報
上記したように、画像形成装置に使用される多層構造を持った中間転写ベルトでは、画像中抜けがなく細線印字が鮮明な一次転写特性、並びに離型性やクリーニング性、紙の凹凸追従性などが良好な二次転写特性が求められる。しかし、従来技術においては、該一次及び二次転写特性の評価を、ベルトの物理的数値と関係付けて捉えることは困難であった。
そこで、本発明は、前記一次及び二次転写特性を再現性よく評価できる、多層中間転写ベルトの物理的数値の測定方法を提供することを目的とする。
また、該ベルトの物理的数値を測定することにより、多層中間転写ベルトの一次及び二次転写特性を、間接的にかつ再現性よく評価する方法を提供することを目的とする。
さらに、該ベルトの物理的数値を測定する工程を組み込んだ、優れた一次及び二次転写特性を備えた多層中間転写ベルトの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ダイナミック超微小硬度計を使用し、かつ押し込み深さを一定にした場合に限り、表面層の厚さが5μm以下の極薄い多層ベルトであっても、表面層を構成する材料の硬さの違いを数値化できることを見出した。
また、中間転写ベルトに要求される、画像中抜けがなく細線印字が鮮明な一次転写特性、媒体表面の凹凸への追従性及び、離型性やクリーニング性などが良好な二次転写特性の最適なバランスを実現させるには、中間転写ベルトの表面から測定したマルテンス硬さを適切に制御することが肝要であることを見出した。
かかる知見に基づき、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。即ち、本発明は下記の弾性ベルトを提供する。
項1 表面側から順に、離型性材料を含む表面層、弾性ゴム材料を含む弾性層、及び高強度樹脂材料を含む基材層の少なくとも三層から成る電子写真装置用多層弾性ベルトの製造方法であって、
(1)離型性材料を含む表面層及び弾性ゴム材料を含む弾性層の少なくとも二層から成る第1ベルトと、高強度樹脂材料を含む基材層から成る第2ベルトをそれぞれ別体で製造する工程、
(2)該第1ベルトの弾性層側と第2ベルトとを貼り合わせて電子写真装置用多層弾性ベルトを製造する工程、及び
(3)ダイナミック超微小硬度計を用いて、該電子写真装置用多層弾性ベルトの表面層から押し込み深さを固定して測定したマルテンス硬さ(HMT115)の値が5N/mm以下であることを確認する工程、
を含むことを特徴とする製造方法。
項2 前記(3)において、前記表面層から押し込み深さが0.2〜2μmの範囲で固定して測定する項1に記載の製造方法。
項3 前記表面層の厚みが4μm以下である項1に記載の製造方法。
項4 前記表面層がフッ素樹脂を含む層である項1に記載の製造方法。
項5 前記弾性層がポリウレタンエラストマーを含む層である項1に記載の製造方法。
項6 前記基材層の材料がポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、PVDF、ポリアミド、及びエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である項1に記載の製造方法。
項7 前記ベルトの形状が無端管状である項1に記載の製造方法。
項8 表面側から順に、離型性材料を含む表面層、弾性ゴム材料を含む弾性層、及び高強度樹脂材料を含む基材層の少なくとも三層から成る電子写真装置用多層弾性ベルトの一次転写性及び二次転写性を評価する方法であって、
(1)ダイナミック超微小硬度計を用いて、該電子写真装置用多層弾性ベルトの表面層からの押し込み深さを固定してマルテンス硬さ(HMT115)の値を測定する工程、及び
(2)該マルテンス硬さの値が5N/mm以下であるか否かを確認する工程、
を含む評価方法。
項9 表面側から順に、離型性材料を含む表面層、弾性ゴム材料を含む弾性層、及び高強度樹脂材料を含む基材層の少なくとも三層から成る電子写真装置用多層弾性ベルトの表面層側からの厚み方向の硬さ測定方法であって、ダイナミック超微小硬度計を用いて、該電子写真装置用多層弾性ベルトの表面層からの押し込み深さを固定してマルテンス硬さ(HMT115)の値を測定することを特徴とする測定方法。
項10 表面側から順に、離型性材料を含む表面層、弾性ゴム材料を含む弾性層、及び高強度樹脂材料を含む基材層の少なくとも三層から成る電子写真装置用多層弾性ベルトであって、ダイナミック超微小硬度計を用いて、該電子写真装置用多層弾性ベルトの表面層から押し込み深さを0.2〜2μmの範囲で固定して測定したマルテンス硬さ(HMT115)の値が5N/mm以下であることを特徴とする電子写真装置用多層弾性ベルト。
本発明の多層中間転写ベルトの硬度測定方法は、ダイナミック超微小硬度計を用いて、該電子写真装置用多層弾性ベルトの表面層から押し込み深さを固定して、マルテンス硬さ(HMT115)を測定する。これにより、多層中間転写ベルトの一次及び二次転写特性を間接的に評価することができる。マルテンス硬さの測定値を所定の範囲に制御することにより、一次転写特性及び二次転写特性に優れる多層中間転写ベルトを得ることができる。
具体例として、ダイナミック超微小硬度計によって表面層上から押し込み深さ1μmにて測定したマルテンス硬さ(HMT115)の値を5N/mm以下に制御することによって、画像中抜けがなく細線印字が鮮明な一次転写特性、媒体表面の凹凸への追従性及び、離型性やクリーニング性などが良好な二次転写特性を備えた多層中間転写ベルトを製造することができる。
また、本発明では、ダイナミック超微小硬度計によって該表面層上からの押し込み深さを固定してマルテンス硬さ(HMT115)の値を測定することによって、軟らかいゴム材料からなる中間層を用いた場合においても表面層の硬さの差を完成体ベルトにした後からでも数値差異化できるようになった。これにより、多層中間転写ベルトの開発や生産課程において信頼性の高い管理手法が得られることとなった。
本発明は、表面側から順に、離型性材料を含む表面層、弾性ゴム材料を含む弾性層、及び高強度樹脂材料を含む基材層の少なくとも三層から成る電子写真装置用多層弾性ベルトの製造方法であって、
(1)離型性材料を含む表面層及び弾性ゴム材料を含む弾性層の少なくとも二層から成る第1ベルトと、高強度樹脂材料を含む基材層から成る第2ベルトをそれぞれ別体で製造する工程、
(2)該第1ベルトの弾性層側と第2ベルトとを貼り合わせて電子写真装置用多層弾性ベルトを製造する工程、及び
(3)ダイナミック超微小硬度計を用いて、該電子写真装置用多層弾性ベルトの表面層から押し込み深さを固定して測定したマルテンス硬さ(HMT115)の値が、5N/mm以下であることを確認する工程、
を含むことを特徴とする製造方法に関する。
以下、各工程について説明する。
工程(1)
工程(1)では、離型性材料を含む表面層及び弾性ゴム材料を含む弾性層の少なくとも二層から成る第1ベルトと、高強度樹脂材料を含む基材層から成る第2ベルトをそれぞれ別体で製造する。
表面層の形成
多層弾性ベルトにおける表面層は、直接トナーを乗せ、重ね合わせた4色のトナーを紙へ転写、離型するための層である。
表面層の材料は、トナーを離型しやすくする観点から通常、離型性材料が用いられる。該材料としてはフッ素樹脂が好適である。かかるフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフロライドの共重合体(THV)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ビニリデンフロライド(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体(VDF-HFP共重合体)、又はそれらの混合物が挙げられる。なお、VDFとHFPの共重合体は、HFPの割合が1〜15モル%程度が好ましい。このうち、PVDF、VDF-HFP共重合体が好適である。
フッ素樹脂材料は単独では弾性層を構成するゴムとの接着が困難なものが多い。この場合、バインダーとしてウレタン樹脂やアクリル樹脂を用いてもよい。具体的にはこれらのバインダーにPTFEを分散した塗料が使用に供される。
また、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとビニリデンフロライドの共重合体(THV)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ビニリデンフロライド(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体(VDF-HFP共重合体)、又はそれらの混合物を選択する場合、固有の表面エネルギーが比較的大きいことから、プライマー等用いることによってゴムとの接着は比較的容易でバインダーなしで使用可能である。
更にこれらの材料に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の微粒粉体を添加しても良い。この場合粉体は後述する原料溶液に直接分散しても良いし、あらかじめ溶剤等で希釈した分散液を使用しても良く、原料溶液中のフッ素樹脂原料重量に対しポリテトラフルオロエチレン微粒粉体を20重量%以下、好ましくは10重量%以下程度添加することができる。
表面層の体積抵抗率は、通常1013Ω・cm以上であり、さらに1013〜1015Ω・cmが好ましい。また、カーボンブラック等の導電剤を添加することで半導電性の制御は可能であるが、その効果は限定的で均一分散が難しい等のデメリットもあるため、表面層には導電剤を含まなくても良い。かかる表面層は、環境(温度、湿度等)の変化により導電性が左右されないため、安定したトナーの一次及び二次転写が可能となり、高画質化が実現できる。
表面層の厚みは、通常4μm以下であり、好ましくは0.5〜3.5μm、より好ましくは1〜3μmである。厚みが厚すぎると弾性層のゴム弾性を損なうことになるため好ましくなく、また、厚みが薄すぎると表面層に穴があきやすい等の耐久性に問題が生じる。
表面層の静摩擦係数は、二次転写性を考える上で低いほうが良いが、クリーニング性確保やブレード鳴きを防ぐ観点から下限値も設けることが好ましい。このことから静摩擦係数は0.1〜0.8、さらに0.15〜0.35、特に0.2〜0.3であることが好ましい。
また、表面層は柔軟性を有していたほうがトナーを包み込む効果が期待できるため、中抜け防止など一次転写画像の転写効率を向上させる上で好ましい。具体的にはJIS K 7202準拠Rスケールにおけるロックウェル硬度で100度以下更に好ましくは80度以下、特に40〜80度が適当である。40度未満であると、静摩擦係数が下地である弾性層の影響を受けて上昇してしまうため、二次転写性が低下してしまう場合がある。具体的にはフッ素ゴムによって構成される表面層がその例であり、二次転写性を向上させるためにフッ素樹脂を添加してトナーの離反性を改善する手法を取るとよい。
表面層を構成する材料の硬さと表面層の厚さの狙いは、その組み合わせによって一つではなく、最終的に出来上がった多層弾性ベルトをダイナミック超微小硬度計によって該表面層上から押し込み深さを一定(例えば、0.2〜2μm、特に1μm)にして測定したマルテンス硬さ(HMT115)の値が、5N/mm以下となるように調製することが肝要である。この値が5N/mmを越えると、表面層の硬さ・厚さのいずれかが、下地の弾性層の柔軟性を阻害していることを意味し、細線の中抜け防止などの効果がなくなってしまう。逆に弾性層の柔軟効果を最大限利用するには、この値は低いほうが良く、好ましくは3 N/mm以下、より好ましくは2.7 N/mm以下、特に0.5〜2.7 N/mmである。
表面層の製膜について、フッ素樹脂を遠心成型する場合を例とし、以下説明する。
まず、出来上がりの表面層の厚みが1〜4μmの間で目的の厚みとなるように材料の重量を調整することが好ましい。秤量された表面層材料を溶媒に溶解して液状原料とし、円筒状金型の内面にキャストし遠心成型して行う。用いる溶媒としては、水;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;或いはこれらの混合溶媒などが用いられる。該液状原料は、固形分濃度が2〜30重量%程度であればよい。
表面層の遠心成型は、例えば、円筒状金型等を用いて次のようにして実施できる。停止している円筒状金型に、最終厚さを得るに相当する量の液状原料を注入した後、遠心力が働く速度にまで徐々に回転速度を上げて遠心力で内面全体に均一に流延する。
円筒状金型はその内面が鏡面、具体的には表面粗さ(JIS B0601-1994十点平均粗さ)が1μmRz以下であり、この金型の内面状態が無端多層弾性ベルトの表面層外面に転写される。また、ベルト表面層に所望の凹凸を持たせるよう調節する目的で、金型内面にブラスト処理を施すこともできる。
更に円筒状金型内面には離型剤を塗布し、原料硬化後の膜がきれいに金型内面から離型できるようにされている。離型剤はフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤が用いられる。
円筒状金型は回転ローラー上に載置し、該ローラーの回転により間接的に回転が行われる。また金型の大きさは、所望する表面層の大きさすなわち多層弾性ベルトの外径に応じて適宜選択できる。
加熱は、該金型の周囲に、例えば遠赤外線ヒータ等の熱源が配置され外側からの間接加熱が行われる。通常、室温から120〜200℃程度まで徐々に昇温し、昇温後の温度で0.5〜2時間程度加熱すればよい。これにより、円筒状金型内面に注入された液状原料は硬化し、円筒状金型内面に継目のない(シームレス)管状の表面層が製膜できる。
第1ベルトの製造(弾性層の形成)
多層弾性ベルトにおける弾性層は、弾性ゴム材料、具体的には液状ウレタンゴムの硬化物からなる。例えば、液状ウレタンゴム、及び必要に応じ該液状ウレタンゴム中に導電剤(電子導電剤、イオン導電剤等)を含む弾性層材料を、上記で得られた表面層の内面に塗布及び硬化させて製造される。
液状ウレタンゴムとしてはポリウレタンエラストマーが挙げられ、特にその硬化物であるウレタンゴムのタイプ A硬さ(JIS K6253)が25〜70度、さらに35〜55度のものが好ましい。具体的には、DIC(株)製のパンデックスやウレハイパー、三井化学ポリウレタン(株)製のタケネート等が例示される。
通常これらのウレタンゴムの種類の中には、抵抗調整をせずとも体積固有抵抗率が10Ω・cmから1011Ω・cm程度の極性を持ったものがあるが、ゴム本来のイオン導電性は温湿度環境を振ったときの環境変動が大きい場合が多い。したがって、元来抵抗調整をしていない体積固有抵抗率が1013Ω・cm以上のウレタンゴムを選択するのが望ましい。このウレタンゴムは、電気的特性が環境依存性の少ない導電剤、すなわちカーボンブラックあるいはリチウム塩にて抵抗調整される。
電子導電剤としては、例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラックの如きカーボンブラックが挙げられる。電子導電剤(特に、カーボンブラック)の配合量は、液状ウレタンゴム100重量部に対し、5〜40重量部、好ましくは10〜30重量部、より好ましくは10〜25重量部である。
この様に電子導電剤(特に、カーボンブラック)を絶縁性ウレタンゴムに添加することで、弾性層に体積抵抗率10〜1013Ω・cm程度(好ましくは10〜1012Ω・cm程度)の半導電性が付与され、多種多様な抵抗値要求に対し目的に合った的確な半導電性が得られる。また、得られるベルトはカーボンブラックによる電子伝導性であるため、温度、湿度等の外部環境にほとんど影響を受けない安定した半導電性を示すことになる。
また、イオン導電剤としては、特に限定はないが、例えば、リチウムビスイミド(CFSONLi、リチウムトリスメチド(CFSOCLi等のリチウム塩が挙げられる。具体例として、例えば三光化学工業株式会社製サンコノール等が挙げられる。このリチウム塩は、環境依存性のある吸湿により導電性が発現するのではなく、リチウムイオンが酸素の分子運動によって移動することで導電性が発現すると考えられている。そのため、環境依存性が小さくなり、転写ベルトの弾性層構成ゴムに対しても好適に用いられる。イオン導電剤を添加する場合、その添加量は液状ウレタンゴム100重量部に対し、0.1〜3.0重量部程度である。
こうしていずれかの方法によって抵抗調整させた液状ウレタン材料は、金型の内側に製膜された表面層の内面に投入され、遠心成型される。液状ウレタン材料の粘度が遠心成型をする際に高すぎた場合、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤やトルエン、キシレン等の溶剤で適宜希釈しても良い。遠心成型の方法は、例えば前記の表面層の成型設備と同じものが用いられる。成型温度は室温から徐々に加熱し、ウレタンゴムの耐熱限界以下の温度である110〜160℃程度にまで上げられ、その状態で0.5〜2時間程度保持されて硬化を完了する。
表面層と弾性層の間に接着性を向上させる目的で、表面層側にプライマーをスプレー等で塗っておく方法や液状ウレタン材料中にシランカップリング剤を添加する方法、その両方を行う方法などを取っても良い。
弾性層の体積抵抗率は、ベルトとしてトナーを電気的な制御によって受け渡しを行なう点から、通常10〜1013Ω・cm程度、好ましくは10〜1012Ω・cm程度である。
弾性層の厚さは、ベルト表面の柔軟性と、使用時の画像ズレ防止を考慮して、通常、50〜400μm、好ましくは120〜300μmである。
第2ベルトの製造(基材層の形成)
多層弾性ベルトにおける基材層は、駆動時にベルトにかかる応力で変形しないようにするための層である。そのため機械物性強度が要求される。
基材層の樹脂材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、PVDF、ポリアミド、及びエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等の高強度樹脂材料が例示され、特にポリイミド、ポリアミドイミドが好適である。
典型例であるポリイミドは、通常、モノマー成分としてテトラカルボン酸二無水物とジアミン又はジイソシアネートとを、公知の方法により縮重合して製造される。
ポリイミドのテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、2,3,5,6−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、アゾベンゼン−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、β,β−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、β,β−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の二無水物が挙げられる。
ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4′−ジアミノビフェニル、ベンジジン、3,3′−ジメチルベンジジン、3,3′−ジメトキシベンジジン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノアゾベンゼン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、β,β−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等が挙げられる。
前記ジイソシアネートとしては、上記したジアミン成分におけるアミノ基がイソシアネート基に置換した化合物等が挙げられる。
他の典型例であるポリアミドイミドは、トリメリット酸とジアミン又はジイソシアネートとを、公知の方法により縮重合して製造される。この場合、ジアミン又はジイソシアネートは、上記のポリイミドの原料と同じものを用いることができる。
基材層の厚さは、駆動時にベルトにかかる応力と柔軟性を考慮して、通常、30〜120μm、好ましくは50〜100μmである。
基材層には、必要に応じて導電剤を含んでいても良い。導電剤としては、上記弾性層で挙げたカーボンブラック等を用いることができる。導電剤を含む場合、その使用量は通常、基材層樹脂100重量部に対して5〜25重量部程度であればよい。これにより基材層に、中間転写ベルトに適した抵抗率を持たせることができる。
基材層の樹脂としてポリイミドを用いる場合、例えば、次のようにして基材層を製膜することができる。上記したポリイミドの原料であるテトラカルボン酸二無水物とジアミン又はジイソシアネートとを溶媒中で反応させて、一旦ポリアミック酸溶液とする。このポリアミック酸溶液は、固形分濃度で10〜40重量%程度であればよい。
溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」と呼ぶ。)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン系有機極性溶媒が使用される。これらのうちの1種又は2種以上の混合溶媒であってもよい。特に、NMPが好ましい。
基材層に所望の半導電性を付与するために、前述の通り必要に応じ基材層樹脂100重量部に対して5〜25重量部程度、カーボンブラック等の導電剤をポリアミック酸溶液に添加しても良い。この場合、ボールミルにてカーボンブラックの均一分散を行ってもよい。これにより、ポリアミック酸及び必要に応じ導電剤を含む基材層用材料を得る。
得られた基材層用材料を、表面層・弾性層と同じように円筒状金型等を用いた遠心成型を行う。但し、この場合の金型内面は鏡面仕上げでも良いが、ゴム材料から成る弾性層との接着面積を上げる手法としてブラスト等による凹凸を有していてもよい。加熱は、金型内面を徐々に昇温し100〜190℃程度、好ましくは110℃〜130℃程度に到達せしめる(第1段階加熱)。昇温速度は、例えば、1〜2℃/min程度であればよい。上記の温度で20分〜3時間維持し、およそ半分以上の溶剤を揮発させて自己支持性のあるベルトを成型する。
次に第2段階加熱として、温度280〜400℃程度(好ましくは300〜380℃程度)で処理してイミド化を完結させる。この場合も、第1段階加熱温度から一挙にこの温度に到達するのではなく、徐々に昇温して、その温度に達するようにするのが良い。なお、第2段階加熱は、無端ベルトを円筒状金型の内面に付着したまま行っても良いし、第1段階加熱を終わったら、金型から無端ベルトを剥離し、取り出して別途イミド化のための加熱手段に供して、280〜400℃に加熱してもよい。このイミド化の所要時間は、通常約20分〜3時間程度である。
基材層の樹脂としてポリアミドイミドを用いる場合も同様にして、ジアミン或いはジアミンから誘導されたジイソシアネートと、トリメリット酸とを溶媒中で反応させて直接ポリアミドイミドとし、これを遠心成型して、継目のない(シームレス)ポリアミドイミドの基材層を製膜できる。また、基材層に所望の半導電性を付与するために、必要に応じ、基材層樹脂100重量部に対して5〜25重量部程度になるように、上記したカーボンブラック等の導電剤を添加しても良い。
これら遠心成型を用いて製膜する基材層は、原料の縮み率や耐熱温度といった観点から前述の表面層、弾性層の製膜に用いた円筒状金型とは内径寸法が異なる基材層製膜専用金型を用いることが好ましい。
遠心成型によりこうして得られるポリイミドやポリアミドイミドのヤング率は、通常2500MPa以上である。
また、基材層の材料としてポリカーボネート、PVDF、ポリアミド、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を用いる場合は、これらの樹脂を溶融して押出成型することによりシームレスの基材層を製膜できる。基材層樹脂100重量部に対して5〜25重量部程度になるように、上記したカーボンブラック等の導電剤を添加しても良い。
押出成型が可能な樹脂は上記のようなものがあるが、このとき基材としての性能を保持するため、ヤング率1000MPa以上、好ましくは1500MPa以上の材料を選択することができる。
基材層の体積抵抗率は、ベルト基材としてトナーを電気的な制御によって受け渡しを行なう点から、通常10〜1012.5Ω・cm程度、好ましくは10〜1012.5Ω・cm程度である。
上記のようにして、継目のない高い強度を有する基材層を得ることができる。
工程(2)
工程(2)では、前記第1ベルトの弾性層側と前記第2ベルトとを貼り合わせて電子写真装置用多層弾性ベルトを製造する。
一体化されている表面層及び弾性層の二層から成る第1のベルトと、高強度樹脂材料から成る基材層である第2のベルトとを、該第1のベルトの内面(弾性層側の面)と該第2のベルトの外面とが接触するように重ね合わせる。両者の間には、必要に応じて接着剤やプライマーを塗布してもよい。両者の重ね合わせ後は、両者の間が密閉状態となるようにすることが好ましい。その後、積層体を加熱処理することにより、弾性層の内面と基材層の外面とが接着された無端の3層の弾性ベルトを得る。
上記3層化工程の具体的例を挙げる。上記の円筒金型内面で規制された状態で製膜された表面層及び弾性層からなる二層膜の内面(弾性層側の面)に、ラミネート接着剤を均一塗布して風乾する。別の専用円筒金型で製膜した基材層の外面にもプライマーを塗布して風乾した後、これを該弾性層内面に重ね合わせ、位置がずれないよう基材層内面に密着する内金型を挿入する。
ラミネート接着剤としては、三井化学ポリウレタン(株)製タケラックA-969やDIC(株)製タイフォースNT-810が例示される。なお、上記のプライマーの使用は任意であるが、接着強度向上の点から使用するのが好ましい。プライマーとしては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製のDY39-067等が例示される。
その後100℃程度で20〜60分程度加熱処理し、接着剤の硬化と同時に層間接着が完了する。必要に応じ、脱型後の3層ベルトをさらに120℃程度で3〜5時間程度加熱処理することにより、アニール処理を施しても良い。こうして、多層(3層)弾性ベルトを得る(例えば、図2を参照)。得られたベルトは、継ぎ目のない無端管状となる。
工程(3)
工程(3)では、ダイナミック超微小硬度計(例えば、株式会社島津製作所製DUH−211S)を用いて、該電子写真装置用多層弾性ベルトの表面層から押し込み深さを固定してマルテンス硬さ(HMT115)を測定し、その値が5N/mm以下であることを確認する。
ダイナミック超微小硬度計は、負荷と押しこみ深さの関係を計測し表面物性を評価することができる。具体的には、電磁力により圧子(標準は三角錐圧子115°)を電子写真装置用多層弾性ベルトの表面層に押し付ける。表面層に圧子を押し込む過程で、圧子の押し込み深さが自動計測される。本発明ではこの装置を用いて、表面層からの押し込み深さが所定の深さになったときのマルテンス硬さ(HMT115)を測定する。
なお、マルテンス硬さはISO規格に規定しているものと同意とする。ISO規格では、ISO14577-1「計装化押し込み硬さ」として、試験力と圧子の試料への押し込み量の関係から材料パラメータを求める方法(Annex A)を規定している。すなわち、マルテンス硬さ(HM)とは、試験力が負荷された状態で測定される硬さであり、負荷増加時の試験力−押し込み深さ曲線の関係から、「試験力Fを表面から圧子の侵入した表面積Asで除した値」と定義されており、単位をN/mmで表す。
マルテンス硬さ(HM)の演算式:
HM=F/As=1000f/26.43h
f:試験力(mN) h:押し込み深さ(μm)
但し標準の場合、稜間角115°の三角錐圧子を使用するので、本発明においては上記演算式のHMをHMT115と表記した。
本発明におけるマルテンス硬さは、圧子の押し込み深さを固定して測定する。通常0.2〜2μm、好ましくは0.5〜1.5μmの範囲で固定して行う(試験例2及び図1を参照)。特に圧子の押し込み深さを1μmに固定したとき、ベルト実使用時のトナーによるベルト変形量に近くなるために最も好ましい。この範囲未満では、マルテンス硬さは表面層の材料硬さに強く依存しすぎており且つ測定の誤差が大きい。またこの範囲を超えるとマルテンス硬さは弾性層の材料硬さに強く影響を受けてしまう。押し込み深さがこの範囲の場合には、多層弾性ベルトの表面層及び弾性層(中間層)のどちらか一方の材料硬さの影響を受けすぎることなく、トナーの転写に必要なベルトとしての機能をマルテンス硬さの値に置き換えて正確に評価できる。
また、表面層を構成する材料の硬さ(JIS K 7202準拠Rスケールにおけるロックウェル硬度)と表面層の厚さの狙いは、その組み合わせによって一つに限られるものではない。該硬さと厚さは、最終的に出来上がった多層弾性ベルトを、該表面層上からダイナミック超微小硬度計の押し込み深さが上記所定の範囲(0.2〜2μm、特に1μm程度)で固定して、マルテンス硬さ(HMT115)を測定した時、その値が5N/mm以下、好ましくは3N/mm以下、より好ましくは2.7 N/mm以下であり、特に0.5〜2.7 N/mmとなるように調製することが肝要である。
表面層を構成する材料の硬さは、JIS K 7202準拠Rスケールにおけるロックウェル硬度で100度以下、更に好ましくは80度以下、特に40〜80度が好適である。また、表面層の厚みは4μm以下であり、好ましくは0.5〜3.5μm、特に1〜3μmが好適である。
表面層の硬さと厚みは、上記の範囲から選択することができる。厚みは電子顕微鏡など非接触測定機を用いて測定することができる。なお、ロックウェル硬度が上がるほど、あるいは厚みが上がるほど、マルテンス硬さは硬くなる傾向にある。
このようにして測定される表面層のマルテンス硬度の変化は、中間転写ベルトの一次転写特性(画像中抜けの有無、細線印字の鮮明さ)、及び二次転写特性(離型性やクリーニング性、紙の凹凸追従性)の良否と高い相関性を有している。具体的には、表面層のマルテンス硬さが所定の範囲(5N/mm以下)であれば、優れた一次及び二次転写特性が発揮される。このように、本発明では、一次及び二次転写特性の評価を、ベルトの物理的数値(マルテンス硬度)と関係付けて捉えることが可能となった。
例えば、多層弾性ベルトの表面層のマルテンス硬度を所定の範囲(5N/mm以下)に保持することにより、一次及び二次転写特性に優れた高品位の中間転写ベルトを製造できる。或いは、一次及び二次転写特性が未知の中間転写ベルトを、上記の測定方法を用いて表面層のマルテンス硬度を測定することにより、一次及び二次転写特性を適切に見積もることができる。
以上のように、本発明の多層弾性ベルトは、例えば、画像形成装置に使用される中間転写ベルト、転写搬送ベルト、紙搬送ベルト、転写定着ベルト等の電子写真用ベルトとして好適に用いられる。
以下、比較例と共に実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本明細書に記載の評価は、次のようにして行った。
<基材層の固形分濃度>
試料(ポリアミック酸のマスターバッチ溶液)を金属カップ等の耐熱性容器で精秤し、この時の試料の重量をAgとする。試料を入れた耐熱性容器を電気オーブンに入れて、120℃×12分、180℃×12分、260℃×30分、及び300℃×30分で順次昇温しながら加熱、乾燥し、得られる固形分の重量(固形分重量)をBgとする。同一試料について5個のサンプルのA及びBの値を測定し(n=5)、次式(I)にあてはめて固形分濃度を求めた。その5個のサンプルの平均値を、固形分濃度として採用した。
基材層固形分濃度=B/A×100(%) (I)
<表面層及び弾性層の固形分濃度>
表面層あるいは弾性層の原料を精秤し、この時の固形あるいは液状原料の重量をCgとする。電子天秤上で原料を溶剤に溶かすために、攪拌しながら溶剤を徐々に加え、最終的な溶液重量をDgとする。固形分濃度は、次式(II)となる。
固形分濃度=C/D×100(%) (II)
<厚み>
厚みは、接触式膜厚測定器のフラット型プローブを用いて幅方向3点、周方向8点の合計24点測定し、その平均値として示した。
<表面抵抗率、体積抵抗率>
表面抵抗率(Ω/□)及び体積抵抗率(Ω・cm)は、三菱化学(株)製の抵抗測定器“ハイレスタUP・URブロ−ブ”を用いて23℃、55%RH環境下で測定した。幅方向に長さ360mmにカットしたベルトをサンプルとし、該サンプルの幅方向に等ピッチで3ヶ所、縦(周)方向に4カ所の合計12ヶ所について、印加電圧100V、10秒後に表面抵抗率及び体積抵抗率をそれぞれ測定し、その平均値の常用対数値で示した。なお該測定サンプルは23℃、55%RH環境下で12時間放置してから測定した。
<ゴム材料硬度>
JIS K6253に従い、デュロメーターAを用いて、弾性層を構成する材料で厚み6mmのバルク(塊)を作成して評価した。
<表面層のフッ素樹脂材料硬度>
JIS K7202に従い、Rスケールを使ってロックウェル試験機にて測定した。
実施例1
(1)基材層の製膜
窒素流通下、N−メチル−2−ピロリドン488gに、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)47.6gを加え、50℃に保温、撹拌して完全に溶解させた。この溶液に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)70gを除々に添加し、ポリアミック酸溶液605.6gを得た。このポリアミック酸溶液の数平均分子量は17000、粘度は35ポイズ、固形分濃度は18.0重量%であった。
次に、このポリアミック酸溶液450gに、酸性カーボン(pH3.0)21gとN-メチル-2-ピロリドン80gを加えて、ボールミルにてカーボンブラック(CB)の均一分散を行った。このマスターバッチ溶液は、固形分濃度18.5重量%、該固形分中のCB濃度は20.6重量%であった。
そして該溶液から276gを採取し、基材成型用円筒状金型を用意し、次の条件で成形した。
基材成型用金型・・・内径301.5mm、幅540mmの内面鏡面仕上げの円筒状金型であり、該金型が2本の回転ローラー上に載置され、該ローラーの回転とともに回転する状態に配置した。例えば、図3を参照。
加熱装置・・・該金型の外側面に遠赤外線ヒータを配置し、該金型の内面温度が120℃に制御されるように設計した装置である。
まず、円筒状金型を回転した状態で276gの該溶液を金型内面に均一に塗布し、加熱を開始した。加熱は1℃/minで120℃まで昇温して、その温度で60分間その回転を維持しつつ加熱した。
回転、加熱が終了した後、冷却せずそのまま金型を離脱して熱風滞留式オーブン中に静置してイミド化のための加熱を開始した。この加熱も徐々に昇温しつつ320℃に達した。そして、この温度で30分間加熱した後常温に冷却して、該金型内面に形成された半導電性管状ポリイミドベルトを剥離し取り出した。なお、該ベルトは厚さ82μm、外周長944.3mm、表面抵抗率12.72(logΩ/□)、体積抵抗率10.61(LogΩ・cm)であった。
(2)表面層の製膜
PVDF樹脂(カイナー#301F、アルケマ社製、ロックウェル硬度R105)30gをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)270gとメチルエチルケトン(MEK)300gの混合溶媒に溶解させ固形分濃度5w%の溶液を作製した。
そして該溶液から20gを採取し、表面層及びゴム成型用金型によって、次の条件で成形した。
成型装置・・・表面層及びゴム成型用金型は内径301.0mm、幅540mmの内面鏡面仕上げの円筒状金型であり、該金型が2本の回転ローラー上に載置され、該ローラーの回転とともに回転する状態に配置した。例えば、図3を参照。
金型を回転した状態で金型内面に均一に塗布し加熱を開始した。加熱は2℃/minで140℃まで昇温して、その温度で60分間その回転を維持しつつ加熱し、金型内面に表面層を形成した後金型を常温まで冷却した。金型内面に形成された表面層の厚みを渦電流式厚み計にて測定したところ1μmであった。
(3)弾性層の製膜
キシレン1250gにポリウレタンエラストマー(ウレハイパーRUP、DIC(株)製)を1000g溶解させた溶液に酸性カーボン(pH3.5)250gを加え、ボールミルにて均一分散を行い、固形分濃度50重量%、該固形分中のカーボンブラック(CB)濃度は20重量%のマスターバッチ溶液を作成した。このマスターバッチ209gに硬化剤CLH-5(DIC(株)製)を9.0g添加し撹拌を行った。
この溶液を先に製膜した表面層内面に金型を回転した状態で均一に塗布し、加熱を開始した。加熱は2℃/minで130℃まで昇温して、その温度で60分間その回転を維持しつつ加熱し、金型内面に弾性層を形成した。
予備試験としてこのウレタンゴムマスターバッチ溶液にて作成したウレタンゴム単膜のゴム硬度を測定したところタイプA(JIS K6253)にて44°であった。
(4)弾性層内面と基材層外面の貼り合わせ
上記(4)で製膜した弾性層内面にプライマーDY39−067(東レ・ダウコーニング(株)製)を塗布、風乾した後に、ドライラミ接着剤(三井化学ポリウレタン(株)製タケラックA-969)を薄く外面に塗布した(1)のポリイミドベルト(基材層)を挿入し重ね合わせた。次に基材内面から圧着した状態で加熱(80〜100℃)を行い、貼り合わせを完了させた。貼り合わせた多層ベルトを金型から剥離し両端部をカットし幅360mmの多層ベルトを採取した。
該多層ベルトは厚さ280μm、外周長945.0 mm、表面抵抗率12.22(logΩ/□)、体積抵抗率11.52(LogΩ・cm)であった。
実施例2
実施例1において(2)のPVDF樹脂(カイナー#301F)の代わりに、ビニリデンフロライド(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体であるVDF-HFP共重合樹脂(カイナー#2821、アルケマ製:HFP 5モル%、ロックウェル硬度R75)を選択した以外は、実施例1と同様に多層ベルトを作製した。
実施例3
実施例1において(2)のPVDF樹脂の金型への投入重量のみ変更した。すなわち、固形分濃度5w%の溶液を20g投入から40g投入に変更し同様の方法で製膜した。出来上がった金型内面の表面層厚みは、2μmであった。なお、それ以外は実施例1と同様に多層ベルトを作製した。
実施例4
実施例2において(2)のVDF-HFP共重合樹脂の金型への投入重量のみ変更した。すなわち、固形分濃度5w%の溶液を20g投入から40g投入に変更し同様の方法で製膜した。出来上がった金型内面の表面層厚みは、2μmであった。なお、それ以外は実施例2と同様に多層ベルトを作製した。
実施例5
実施例2において(2)のVDF-HFP共重合樹脂の金型への投入重量のみ変更した。すなわち、固形分濃度5w%の溶液を20g投入から14g投入に変更し同様の方法で製膜した。出来上がった金型内面の表面層厚みは、0.7μmであった。なお、それ以外は実施例2と同様に多層ベルトを作製した。
実施例6
実施例2で使用したVDF-HFP共重合樹脂のHFP比率を増やした材料(カイナー#2750、アルケマ製、ロックウェル硬度R40)に変え、そのVDF-HFP共重合樹脂の金型への投入重量を、固形分濃度5w%の溶液にて80g投入し同様の方法で製膜した。出来上がった金型内面の表面層厚みは、4μmであった。なお、それ以外は実施例2と同様に多層ベルトを作製した。
比較例1
実施例1において(2)のPVDF樹脂の金型への投入重量のみ変更した。すなわち、固形分濃度5w%の溶液を20g投入から80g投入に変更し同様の方法で製膜した。出来上がった金型内面の表面層厚みは、4μmであった。なお、それ以外は実施例1と同様に多層ベルトを作製した。
比較例2
実施例2において(2)のVDF-HFP共重合樹脂の金型への投入重量のみ変更した。すなわち、固形分濃度5w%の溶液を20g投入から80g投入に変更し同様の方法で製膜した。出来上がった金型内面の表面層厚みは、4μmであった。なお、それ以外は実施例2と同様に多層ベルトを作製した。
試験例1
上記実施例1〜4、比較例1〜2の各試料多層ベルトを転写ユニットに組み込んで画像評価した結果と、ダイナミック超微小硬度計(株式会社島津製作所製DUH−211S)によって表面層上から押し込み深さ1μmにて測定したマルテンス硬さ(HMT115)の値を表1に示す。マルテンス硬さは、ISO規格の計装化押し込み硬さ(ISO 14577-1)に準じている。
<一次及び二次転写効率>
一次転写効率は、転写前及び転写後の感光体上のトナー重量を測定し下記式から求めた。また、二次転写効率は、転写前及び転写後の転写ベルト上のトナー重量を測定し下記式から求めた。
転写効率(%)=100×[(転写前トナー重量)−(転写後トナー重量)]/(転写前トナー重量)
各転写効率は次の基準で評価した。
一次転写効率:97%より高い「○」: 95〜97%「△」; 95%未満「×」
二次転写効率:95%より高い「○」: 90〜95%「△」; 90%未満「×」
<細線中抜け>
細線画像の中抜けを二次転写前の転写ベルト上にて観察し評価した。細線は約0.05mmの転写ベルト進行方向と平行なY、Mの二色によるベタ画像細線をレーザ顕微鏡にて300倍の倍率で観察し、細線長さ1mm内にいくつの中抜けが発生しているかを次の基準で評価した。
○:中抜けが全くない。
△:中抜けが1〜4箇所。
×:中抜けが5箇所以上存在する
<紙の凹凸追従性(ラフ紙転写性)>
凹凸の大きな紙として富士ゼロックスオフィスサプライ社の「レザック66」(表面凹凸差80μm、151g/m)を用い、シアンでベタ印刷を行って、最深部(凹部)のトナーの乗りを目視で判断した。トナーの乗りがなく白抜けしているものを×、僅かに白抜けしているものを△、ムラなく転写できているものを○として評価した。
Figure 0005383140
実施例においては、ダイナミック超微小硬度計によるマルテンス硬さが5N/mm以下であることから、一次転写での細線中抜け不具合がなく、二次転写における紙の凹凸への追従性も良好であった。
比較例1ではダイナミック超微小硬度計によるマルテンス硬さが5N/mmを越えており細線中抜けが発生したが、これは表面層の材料自体が硬いためである。
比較例2では表面層の材料は軟らかいが、厚さが厚いためやはりダイナミック超微小硬度計によるマルテンス硬さが5N/mmを越えており、二次転写性が悪化した。これは柔軟で厚い表面層のために表面にタック性が生まれ、トナー画像を離型することが出来ず、紙への転写がうまく行えなかったためである。この場合、摩擦係数が上がるので表面に残ったトナーのクリーニング性も悪かった。
このように、本発明の多層中間転写ベルトは、ダイナミック超微小硬度計によって表面層上から押し込み深さ1μmにて測定したマルテンス硬さ(HMT115)の値が、5N/mm以下としたことによって、画像中抜けがなく細線印字が鮮明な一次転写特性、媒体表面の凹凸への追従性及び、離型性やクリーニング性などが良好な二次転写特性の最適なバランスを実現させることができた。
また、ダイナミック超微小硬度計によって該表面層上からの押し込み深さを固定してマルテンス硬さ(HMT115)の値を測定することによって、軟らかいゴム材料からなる中間層を用いた場合においても表面層の硬さの差を完成体ベルトにした後からでも数値差異化できることがわかった。このことによって開発や生産課程において信頼性の高い管理手法を得られたことになる。
試験例2
上記実施例4及び比較例1のサンプルを使用し、押し込み深さを変化させた時のマルテンス硬さ(HMT115)の値を図1に示す。図1からは、押し込み深さが深いところではマルテンス硬さは収束しており、弾性層の材料硬さに強く依存しているのがわかる。よって表1に示したような転写の機能を、マルテンス硬さ数値に置き換えて制御しようとする場合、押し込み深さは0.2から2μm程度に限定されることがわかった。
実施例4及び比較例1のサンプルにおける押し込み深さを変化させた時のマルテンス硬さ(HMT115)の関係を示すグラフである。 3層の弾性ベルトの断面模式図である。 実施例における各層の製膜に用いた装置の模式図である。

Claims (9)

  1. 表面側から順に、離型性材料を含む表面層、弾性ゴム材料を含む弾性層、及び高強度樹脂材料を含む基材層の少なくとも三層から成る電子写真装置用多層弾性ベルトの製造方法であって、
    (1)離型性材料を含む表面層及び弾性ゴム材料を含む弾性層の少なくとも二層から成る第1ベルトと、高強度樹脂材料を含む基材層から成る第2ベルトをそれぞれ別体で製造する工程、
    (2)該第1ベルトの弾性層側と第2ベルトとを貼り合わせて電子写真装置用多層弾性ベルトを製造する工程、及び
    (3)ダイナミック超微小硬度計を用いて、該電子写真装置用多層弾性ベルトの表面層から押し込み深さを固定して測定したマルテンス硬さ(HMT115)の値が5N/mm以下であることを確認する工程、
    を含むことを特徴とする製造方法。
  2. 前記(3)において、前記表面層から押し込み深さが0.2〜2μmの範囲で固定して測定する請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記表面層の厚みが4μm以下である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記表面層がフッ素樹脂を含む層である請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記弾性層がポリウレタンエラストマーを含む層である請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記基材層の材料がポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、PVDF、ポリアミド、及びエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記ベルトの形状が無端管状である請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 表面側から順に、離型性材料を含む表面層、弾性ゴム材料を含む弾性層、及び高強度樹脂材料を含む基材層の少なくとも三層から成る電子写真装置用多層弾性ベルトの一次転写性及び二次転写性を評価する方法であって、
    (1)ダイナミック超微小硬度計を用いて、該電子写真装置用多層弾性ベルトの表面層からの押し込み深さを固定してマルテンス硬さ(HMT115)の値を測定する工程、及び
    (2)該マルテンス硬さの値が5N/mm以下であるか否かを確認する工程、
    を含む評価方法。
  9. 表面側から順に、離型性材料を含む表面層、弾性ゴム材料を含む弾性層、及び高強度樹脂材料を含む基材層の少なくとも三層から成る電子写真装置用多層弾性ベルトの表面層側からの厚み方向の硬さ測定方法であって、ダイナミック超微小硬度計を用いて、該電子写真装置用多層弾性ベルトの表面層からの押し込み深さを固定してマルテンス硬さ(HMT115)の値を測定することを特徴とする測定方法。
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