アルコール(A)としては、炭素数12〜30の天然アルコール及び/又は合成アルコールが含まれる。
天然アルコールとしては、飽和アルコール(ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール及びミリシルアルコール等)及び不飽和アルコール(オレイルアルコール等)が挙げられる。
合成アルコールとしては、チーグラー法で合成された直鎖で非分岐状の飽和アルコール、オキソ法で合成された直鎖第1級アルコールあるいは分岐第1級アルコール及びこれらの炭素数の異なるアルコール混合物、並びにパラフィンを空気酸化してつくられる直鎖第2級アルコール等が挙げられる。
アルコール(A)の含有量(重量%)は、アルコール(A)及び疎水性成分(B)の重量に基づいて、10〜90が好ましく、さらに好ましくは11〜89、特に好ましくは12〜88、最も好ましくは13〜87である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
疎水性成分(B)としては、鉱物油、動・植物油、脂肪酸エステル、ポリオルガノシロキサン及びポリエーテル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であって、アルコール(A)の融点よりも低い融点又は流動点をもつものであれば制限なく使用できる。
鉱物油としては、25℃で液状の鉱物油が含まれ、減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製及び水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものを用いることができ、商品名として、コスモピュアスピンG、コスモピュアスピンE、コスモSP−10、コスモSP−32及びコスモSC22(以上、コスモ石油株式会社、「コスモ」及び「ピュアスピン」は同社の登録商標である。)、MCオイル P−22、S−10S(以上、出光興産株式会社)、並びにスタノール40(エクソンモービルコーポレーション)等が挙げられる。
動・植物油のうち、動物油としては、牛脂、硬化牛脂、豚脂、馬脂、羊脂及び魚油が含まれ、商品名として、牛脂45°硬化油HO(硬化牛脂、日油株式会社製)及びITR(精製牛脂、ミヨシ油脂製)等が挙げられる。
動・植物油のうち、植物油としては、パーム油、菜種油、ヤシ油、コーン油、ごま油、ひまし油、ヒマワリ油、紅花油、オリーブ油、アマニ油、綿実油、大豆油及び落花生油が含まれる。
脂肪酸エステルとしては、炭素数1〜30の1〜8価アルコールと炭素数12〜30のカルボン酸から誘導される脂肪酸エステルが含まれる。
炭素数12〜30のカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノレイン酸、アラキン酸及びベヘニン酸等が挙げられる。
炭素数1〜30の1〜8価アルコールのうち、1価アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール及びデカノール等が挙げられる。
同じく2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチレングリコール、カテコール、レゾルシン及びハイドロキノン等が挙げられる。
同じく3価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ブタントリオール及びペンタントリオール等が挙げられる。
同じく4価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン及びマンニタン等が挙げられる。
同じく5価アルコールとしてはアラビット等が挙げられ、同じく6価アルコールとしてはテトラグリセリン、ソルビット及びマンニット等が挙げられ、同じく8価アルコールとしては蔗糖等が挙げられる。
これらの1〜8価のアルコールとして、ポリグリセリン等を部分的にエステル化した部分エステル等も含まれる。
ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン及び変性ポリオルガノシロキサンが含まれる。
ポリジメチルシロキサンとしては、動粘度5〜10000(mm2/s、25℃)のポリジメチルシロキサン等が挙げられ、シクロオクタメチルテトラシロキサン等も含まれる。
変性ポリオルガノシロキサンとしては、上記のポリオルガノシロキサンのメチル基の一部を炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルコキシル基、フェニル基、水素原子、ハロゲン(塩素及び臭素等)原子、アルコキシポリオキシアルキレンオキシプロピル基(アルコキシの炭素数1〜6、アルキレンの炭素数2〜3)、アルコキシポリオキシアルキレン基(アルコキシの炭素数1〜6、アルキレンの炭素数2〜3)及び/又は炭素数2〜6のアミノアルキル基等に置き換えたものが含まれる。
ポリエーテル化合物としては、HLB0〜3.4で炭素数2〜4のオキシアルキレン基を単位とする重合体が含まれ、一般式(1)で表されるポリエーテル化合物、一般式(2)で表されるポリエーテル化合物、一般式(3)で表されるポリエーテル化合物、一般式(4)で表されるポリエーテル化合物及び一般式(5)で表されるポリエーテル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく例示できる。
なお、HLBは、「新・界面活性剤入門」(藤本武彦著、三洋化成工業株式会社発行)の128〜131頁に記載されている手法で求められ、0〜2.9が好ましく、さらに好ましくは0〜2.4、特に好ましくは0〜1.9である。
R1は炭素数1〜25の活性水素化合物の反応残基、R2及びR3は炭素数1〜24の1価の有機基、R4は炭素数1〜24の2価の有機基、R5は水酸基又は炭素数1〜24の1価の有機基、AO及びOAは炭素数2〜18のオキシアルキレン基又は、グリシドール、炭素数4〜18のアルキルグリシジルエーテル若しくはアルケニルグリシジルエーテルの反応残基を表し、(OA)n又は(AO)nのうち、オキシエチレン基の占める割合は0〜20重量%であり、nは1〜100の整数で一分子中に複数のnが存在する場合、それぞれ同じでも異なっていてもよく、sは1〜10の整数、pは0〜10の整数、qは0〜9の整数、rは0〜9の整数、mは0〜9の整数、p+rは1〜10の整数、p+q+rは1〜10の整数、p+q+r+mは2〜10である。
炭素数1〜25の活性水素化合物の反応残基(R1)は、炭素数1〜25の活性水素化合物から活性水素を除いた反応残基を意味する。
炭素数1〜25の活性水素含有化合物としては、水酸基(−OH)、イミノ基(−NH−)、アミノ基(−NH2)及び/又はカルボキシル基(−COOH)を少なくとも1個含む化合物が含まれ、アルコール、アミド、アミン、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸及びアミノカルボン酸が含まれる。
アルコールとしては、モノオール(メタノール、ブタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール及びイソステアリルアルコール等)及びポリオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、テトラグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジヒドロキシアセトン、フルクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、スクロース、ラクトース及びトレハロース等)等が挙げられる。
アミドとしては、モノアミド(ギ酸アミド、プロピオン酸アミド及びステアリルアミド等)及びポリアミド(マロン酸ジアミド及びエチレンビスオクチルアミド等)等が挙げられる。
アミンとしては、モノアミン(ジメチルアミン、エチルアミン、アニリン及びステアリルアミン等)及びポリアミン(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン等)等が挙げられる。
カルボン酸としては、モノカルボン酸(酢酸、ステアリン酸、オレイン酸及び安息香酸等)及びポリカルボン酸(マレイン酸及びヘキサン二酸等)等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、ヒドロキシ酢酸、酒石酸、リンゴ酸及び12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、グリシン、4−アミノ酪酸、6−アミノヘキサン酸及び12−アミノラウリン酸等が挙げられる。
炭素数1〜24の1価の有機基(R2、R3)としては、アルキル基(R)、アルケニル基(R’)、アシル基(−COR)、アロイル基(−COR’)、N−アルキルカルバモイル基(−CONHR)、N−アルケニルカルバモイル基(−CONHR’)、アルキルカルボニルアミノ基(−NHCOR)、アルケニルカルボニルアミノ基(−NHCOR’)、アルキルカルボキシアミノ基(アルキルカーバメート基、−NHCOOR)及びアルケニルカルボキシアミノ基(アルケニルカーバメート基、−NHCOOR’)が含まれる。
アルキル基(R)としては、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル及びオクタデシル等が挙げられる。
アルケニル基(R’)としては、ビニル、プロペニル、ヘキセニル、イソオクテニル、ドデセニル及びオクタデセニル等が挙げられる。
水酸基又は炭素数1〜24の1価の有機基(R5)のうち、炭素数1〜24の1価の有機基は、上記と同様の有機基が含まれる。
炭素数1〜24の2価の有機基(R4)としては、アルキレン基(T)、アルケニレン基(T’)、1−オキサアルキレン基(−OT−)、1−オキサアルケニレン基(−OT’−)、1−オキソアルキレン基(−COT−)、1−オキソアルケニレン基(−COT’−)、1−アザ−2−オキソアルキレン基(−NHCOT−)、1−アザ−2−オキソアルケニレン基(−NHCOT’−)、1−オキソ−2−アザアルキレン基(−CONHT−)、1−オキソ−2−アザアルケニレン基(−CONHT’−)、1−アザ−2−オキソ−3−オキサアルキレン基(−NHCOOT−)及び1−アザ−2−オキソ−3−オキサアルケニレン基(−NHCOOT’−)が含まれる。
アルキレン基(T)としては、メチレン、エチレン、イソブチレン、1,10−デシレン、1,2−デシレン、1,12−ドデシレン、1,2−ドデシレン及び1,2−オクタデシレン等が挙げられる。
アルケニレン基(T’)としては、エチニレン、イソブチニレン、1,10−デシニレン、1−オクチルエチニレン、1−オクテニルエチレン、1,12−ドデシニレン及び1−オクタデセニルエチレン等が挙げられる。
炭素数2〜18のオキシアルキレン基又は、グリシドール、炭素数4〜18のアルキルグリシジルエーテル若しくはアルケニルグリシジルエーテルの反応残基(AO、OA)のうち、炭素数2〜18のオキシアルキレン基としては上記のオキシアルキレン基のうち、炭素数2〜18のもの(オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、オキシイソブチレン、オキシ−1,2−デシレン、オキシ−1,12−ドデシレン、オキシ−1,2−ドデシレン及びオキシ−1,2−オクタデシレン)と同様である。
また、(AO、OA)のうち、炭素数4〜18のアルキルグリシジルエーテルとしては、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル及びオクタデシルグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、(AO、OA)のうち、炭素数5〜18のアルケニルグリシジルエーテルとしては、ビニルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキセニルグリシジルエーテル、ドデセニルグリシジルエーテル及びオクタデセニルグリシジルエーテル等が挙げられる。
nは、1〜100の整数であり、好ましくは2〜75の整数、さらに好ましくは3〜50の整数である。
一般式(1)で表されるポリエーテル化合物としては、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、テトラデシルアルコールのプロピレンオキシドエチレンオキシドブロック付加体、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシドエチレンオキシドブロック付加体、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ブロック付加)、グリセリンのプロピレンオキシドオキシド付加体、グリセリンのエチレンオキシドプロピレンオキシドブロック付加体、モノドデシルアミンのプロピレンオキシド付加体、ポリオキシプロピレンモノオレート、グリセリンのプロピレンオキシド2−エチルヘキシルグリシジルブロック付加体、蔗糖のプロピレンオキシドブチレンオキシドブロック付加体及びペンタエリスリトールのエチレンオキシドプロピレンオキシドオキシドブロック付加体等が挙げられる。
一般式(2)で表されるポリエーテル化合物としては、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテルモノオレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ブロック付加)のジステアレート、グリセリンのプロピレンオキシド付加体のモノステアレート、マレイン酸のエチレンオキシドプロピレンオキシドブロック付加体のモノメチルエーテル及び蔗糖のプロピレンオキシド付加体のモノN−ヘキシルカルバミン酸エステル等が挙げられる。
一般式(3)で表されるポリエーテル化合物としては、エチレンビスステアリルアミドのプロピレンオキシド付加体、グリセリンモノステアリルエステルのプロピレンオキシド付加体及び蔗糖モノ(2−エチルヘキシルグリシジル)エーテルのプロピレンオキシド付加体のモノN−デシルカルバミン酸エステル等が挙げられる。
一般式(4)で表されるポリエーテル化合物としては、ひまし油のプロピレンオキシド付加体のモノオレート及びグリセリンビス(12−ヒドロキシステアレート)のプロピレンオキシド付加体等が挙げられる。
一般式(5)で表されるポリエーテル化合物としては、ポリオキシプロピレンモノラウリルエーテルとポリオキシプロピレングリコールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応体及びポリオキシプロピレンモノステアリルエーテルとポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ブロック付加)とキシレンジイソシアネートとの反応体等が挙げられる。
疎水性成分(B)の含有量(重量%)は、アルコール(A)及び疎水性成分(B)の重量に基づいて、10〜90が好ましく、さらに好ましくは11〜89、特に好ましくは12〜88、最も好ましくは13〜87である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
疎水性成分(B)は、アルコール(A)の融点よりも低い融点又は流動点をもち、アルコール(A)の融点よりも3〜120℃低い融点又は流動点が好ましく、さらに好ましくは5〜105℃低い融点又は流動点、特に好ましくは10〜90℃低い融点又は流動点である。そして、疎水性成分(B)の融点又は流動点(℃)は、−75〜55が好ましく、さらに好ましくは−70〜50、特に好ましくは−65〜45である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
粒子(X)は、アルコール(A)と疎水性成分(B)とから構成されるが、これら以外に他の構成成分として、疎水性金属酸化物、脂肪酸アミド及びワックス等を含んでもよい。
疎水性金属酸化物としては、金属酸化物粉末を疎水化剤で疎水化処理した疎水性金属酸化物が含まれ、疎水性シリカ、疎水性アルミナ、疎水性チタニア及び疎水性酸化亜鉛等が挙げられる。
市場から入手できる疎水性金属酸化物としては、商品名として、Nipsil SS−10、SS−40、SS−50及びSS−100(疎水性シリカ、東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社 の登録商標である。)、AEROSIL R972、RX200及びRY200(疎水性シリカ、日本アエロジル株式会社、「AEROSIL」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、SIPERNAT D10、D13及びD17(疎水性シリカ、デグサジャパン株式会社、「SIPERNAT」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、TS−530、TS−610、TS−720(疎水性シリカ、キャボット コーポレーション)、AEROSIL R202,R805及びR812(疎水性シリカ、デグサジャパン株式会社)、REOLOSIL MT−10、DM−10及びDM−20S (疎水性シリカ、株式会社トクヤマ、「REOLOSIL」は同社の登録商標である。)、SYLOPHOBIC100、702、505及び603(疎水性シリカ、富士シリシア化学株式会社、「SYLOPHOBIC」は同社の登録商標である。)、MT−100Z(疎水性チタニア、テイカ株式会社)、MTY−700BS(疎水性チタニア、テイカ株式会社)、MZY−303S(疎水性酸化亜鉛、テイカ株式会社)並びにSpectrAl TA−78(疎水性アルミナ、キャボット コーポレーション、「SpectrAl」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
脂肪酸アミドとしては、炭素数1〜6のアルキレンジアミン若しくはアルケニレンジアミンと炭素数10〜22の脂肪酸との反応物(脂肪酸ジアミド)及び/又は炭素数1〜22のアルキルアミン、アルケニルアミン若しくはアンモニアと炭素数10〜22の脂肪酸との反応物(脂肪酸モノアミド)が含まれる。
脂肪酸ジアミドとしては、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスミリスチルアミド、エチレンビスラウリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、プロピレンビスステアリルアミド、プロピレンビスパルミチルアミド、プロピレンビスミリスチルアミド、プロピレンビスラウリルアミド、プロピレンビスオレイルアミド、ブチレンビスステアリルアミド、ブチレンビスパルミチルアミド、ブチレンビスミリスチルアミド、ブチレンビスラウリルアミド、ブチレンビスオレイルアミド、メチレンビスラウリルアミド、メチレンビスステアリルアミド及びヘキサメチレンビスステアリルアミド等が挙げられる。
脂肪酸モノアミドとしては、N−ステアリルステアリルアミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド及びステアリルアミド等が挙げられる。
これらのうち、消泡性等の観点から、脂肪酸ジアミドが好ましく、さらに好ましくはエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスラウリルアミド、メチレンビスステアリルアミド及びヘキサメチレンビスステアリルアミド、特に好ましくはエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド及びエチレンビスミリスチルアミドである。これらのアミドは、2種以上の混合物であってもよく、混合物の場合、上記の好ましいものが主成分として含まれていることが好ましい。
なお、主成分とは、脂肪酸アミドの重量に基づいて、少なくとも40重量%を含まれる成分を意味し、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、最も好ましくは80重量%以上含まれることである。
脂肪酸アミド中の副成分(主成分以外に含まれる成分)としては、上記の好ましい範囲以外のアミドの他に、未反応アミン及び未反応カルボン酸等が含まれる。副成分の含有量(重量%)は、脂肪酸アミドの重量に基づいて、60未満が好ましく、さらに好ましくは50未満、特に好ましくは40未満、次に好ましくは30未満、最も好ましくは20未満である。
ワックスとしては、酸化ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、水酸基含有ワックス、パラフィンワックス及び天然ワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、酸化ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、アルコール変性ワックス、マレイン酸変性ワックス、エチレン−酢酸ビニルコポリマーワックス、エチレン−アクリル酸コポリマーワックス、フィッシャートロプシュワックス、木蝋、蜜蝋、パーム蝋、カルナウバワックス及びモンタンワックス等が挙げられる。
粒子(X)の体積平均粒子径(μm)は、1〜50μmが好ましく、さらに好ましくは1.3〜40、特に好ましくは1.5〜35、最も好ましくは2〜30である。この範囲内であると、消泡性がさらに良好である。
粒子(X)の体積平均粒子径(μm)は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置{たとえば、Partica LA−950V2(フローセル式、分散質の屈折率=1.45、分散媒の屈折率=1.33、反復回数15)、堀場製作所株式会社}を使用して次のように測定される。
<測定法>
イオン交換水をフローセルに入れて循環(循環強度5)しながら、ブランク測定を行う。100mLガラスビーカーにイオン交換水を約10mL入れ、測定試料(分散体(Z))を数滴加えて均一になるまで混合して分散液を作成する。この分散液をフローセルに少しずつ加えて、適切な透過光強度(青色LEDの透過光強度が80〜90%又は赤色LEDの透過光強度が70〜90%)に調整して測定を行う。
なお、測定値はブランク測定の値が差し引かれて算出される。
粒子(X)の体積平均粒子径は、後述する分散体(Z)を得る工程(分散工程)、必要に応じて使用できる界面活性剤(Fz)の含有量等によって調節することができる。分散工程でより強いせん断をかけて分散を行うと、エマルション粒子の体積平均粒子径は小さくなる傾向がある。また、界面活性剤(Fz)の含有量が多いほど、エマルション粒子の体積平均粒子径は小さくなる傾向がある。
粒子(X)の含有量(重量%)は、分散体(Z)の重量に基づいて、10〜60が好ましく、さらに好ましくは11〜58、特に好ましくは12〜56、最も好ましくは13〜54である。
分散体(Z)は、粒子(X)を水に分散した分散体である。したがって、分散体(Z)には、粒子(X)の他に水(E)を含有する。
水(E)としては、水道水、工業用水、脱イオン水及び蒸留水等が挙げられる。
水(E)の含有量(重量%)は、分散体(Z)の重量に基づいて40〜90が好ましく、さらに好ましくは42〜89、特に好ましくは44〜88、最も好ましくは46〜87である。
分散体(Z)には、粒子(X)及び水(E)以外に、界面活性剤(Fz)、増粘剤、防腐剤(防菌・防黴剤辞典、日本防菌防黴学会昭和61年第1版発行、1−32頁等)及び/又は凍結防止剤等を含有できる。
界面活性剤(Fz)としては、非イオン型界面活性剤、アニオン型界面活性剤及びこれらの混合が含まれる。
非イオン型界面活性剤としては、HLB3.5〜20のものが使用でき、好ましくはHLB3.6〜19.5のもの、さらに好ましくはHLB3.7〜19のもの、最も好ましくはHLB4〜18.5のものである。
非イオン型界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、植物油のエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物及び変性シリコーン等が含まれる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ソルビタンと炭素数12〜22の脂肪酸とのエステルが含まれ、ソルビタンモノラウレート(HLB8.6、たとえば、ノニオンLP−20R;日油株式会社)、ソルビタンモノパルミテート(HLB6.7、たとえば、ノニオンPP−40Rペレット;日油株式会社)、ソルビタンモノステアレート(HLB4.7、たとえば、ノニオンSP−60Rペレット;日油株式会社)、ソルビタンモノオレエート(HLB4.3、たとえば、ノニオンOP−80R;日油株式会社)、ソルビタントリオレエート(HLB1.8、たとえば、ノニオンOP−85R;日油株式会社)、ソルビタンモノオレエート(HLB4.3、たとえば、イオネットS−80;三洋化成業株式会社、「イオネット」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物としては、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド1〜40モル付加物が含まれ、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(HLB16.7、たとえば、ノニオンLT−221;日油株式会社)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(HLB15.7、たとえば、ノニオンST−221;日油株式会社)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(HLB15.7、たとえば、ノニオンOT−221;日油株式会社)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーとしては、エチレンオキシド5〜200モルとプロピレンオキシド5〜200モルとの共重合体が含まれ、ポリオキシエチレン(25モル)ポリオキシプロピレン(30モル)ブロックポリマー(たとえば、ニューポールPE−64;三洋化成工業株式会社、「ニューポール」は同社の登録商標である。)及びポリオキシエチレン(48モル)ポリオキシプロピレン(35モル)ブロックポリマー(たとえば、ニューポールPE−75;三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルとしては、炭素数6〜18のアルキル基を有するアルキルアリールのポリオキシエチレンエーテルが含まれ、ポリオキシエチレン(4モル)ノニルフェノールエーテル(たとえば、ノニポール40;三洋化成工業株式会社、「ノニポール」は同社の登録商標である。)、ポリオキシエチレン(10モル)ノニルフェノールエーテル(たとえば、ノニポール100;三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
植物油のエチレンオキシド付加物としては、植物油のエチレンオキシド1〜200モル付加物が含まれ、ひまし油のエチレンオキシド付加物(たとえば、ユニオックスHC−40;日油株式会社、「ユニオックス」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンの脂肪酸エステルとしては、数平均分子量200〜4000のポリオキシエチレンと炭素数6〜22の脂肪酸とのモノエステル及びジエステルが含まれ、数平均分子量600のポリオキシエチレングリコールとオレイン酸とのジエステル(たとえば、イオネットDO−600;三洋化成工業株式会社)及び数平均分子量600のポリオキシエチレングリコールとオレイン酸とのモノエステル(たとえば、イオネットMO−600;三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、炭素数6〜22のアルカノールのオキシエチレン1〜100モル付加物が含まれ、ナロアクティーCL−40(HLB8.9、三洋化成工業株式会社、「ナローアクティー」は同社の登録商標である。)、ナロアクティーCL−100(HLB13.3、三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、炭素数6〜22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステルが含まれ、グリセロールモノステアレート(たとえば、モノグリMD、HLB5.5、日油株式会社)等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物としては、グリセリン脂肪酸エステルのエチレンオキシド1〜100モル付加物が含まれ、グリセリンヤシ油脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物(たとえば、ユニグリMK−207、HLB13.0、日油株式会社、「ユニグリ」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサンのメチル基の一部をアルコキシポリオキシアルキレンオキシプロピル基(アルコキシの炭素数1〜6、アルキレンの炭素数2〜3、重合度2〜50)、アルコキシポリオキシアルキレン基(アルコキシの炭素数1〜6、アルキレンの炭素数2〜3、重合度2〜50)等に置き換えたもの等が含まれる。
これらのうち、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンと脂肪酸とのモノエステル及びジエステル、グリセリン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、石油スルホネート塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホン酸エステル塩及びポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩が含まれる。
アルキルアリールスルホン酸塩としては、炭素数7〜24のアルキルアリールスルホン酸塩が含まれ、p−トルエンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
塩としては特に制限されないが、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)塩、アンモニウム塩及び炭素数1〜18のアミン塩(トリエタノールアミン、トリメチルアミン、プロピルアミン等)等が含まれる(以下同じ)。
アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩としては、アルキル基が炭素数6〜18であるアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩が含まれ、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸塩等が挙げられる。
石油スルホネート塩としては、石油系潤滑油留分をスルホン化したものが含まれる。
ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩としては、炭素数6〜22のポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩が含まれ、ポリオキシエチレンラウリル硫酸エステル塩等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩としては、炭素数6〜22のポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルが含まれ、ポリオキシエチレンステアリルリン酸エステル塩等が挙げられる。
これらのうち、アルキルアリールスルホン酸塩、石油スルホネート塩及びアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩が好ましく、さらに好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸塩及び、石油スルホネート塩、特に好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩及び石油スルホネートカルシウム塩である。
界面活性剤(Fz)を含有する場合、界面活性剤(Fz)の含有量(重量%)は、分散体(Z)の重量に基づいて、0.01〜10が好ましく、さらに好ましくは0.1〜8、特に好ましくは0.2〜7、最も好ましくは0.3〜5である。
増粘剤としては、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、カラギーナン、アルギン酸及びこの塩、トラガントガム、マグネシウムアルミニウムシリケート、ベントナイト、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、寒天並びにカルボキシル基を含む合成高分子型増粘剤(商品名として、たとえば、SNシックナー636、SNシックナー641、SNシックナー617等;サンノプコ株式会社)、ポリオキシエチレン鎖を含む会合型増粘剤(商品名として、たとえば、SNシックナー625N、SNシックナー665T等)等が挙げられる。
凍結防止剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等が挙げられる。
防腐剤としては、ホルマリン及び5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。
分散体(Z)の含有量(重量%)は、分散体(Z)及び核剤入りポリエーテル(Y)の重量に基づいて、65〜95が好ましく、さらに好ましくは67〜93、特に好ましくは69〜91、最も好ましくは70〜90である。
核剤(C)としては、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、ワックス、疎水性金属化合物及び合成樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であれば制限なく使用できる。
脂肪酸金属塩としては、炭素数12〜22の脂肪酸と金属(アルカリ土類金属、アルミニウム、マンガン、コバルト、銅、鉄、亜鉛及びニッケル等)との塩を含み、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マンガン、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛及びベヘニン酸マグネシウム等が挙げられる。
脂肪酸金属塩について、金属と脂肪酸との量関係は、金属1モルに対して脂肪酸が1〜3モル(モノ体、ジ体、トリ体)のいすれでもよく、モノ体、ジ体、トリ体の混合物でもよい。消泡性等の観点から、金属がアルミニウム及び鉄の場合、ジ体及びトリ体が好ましく、アルカリ土類金属(カルシウム等)、亜鉛、コバルト、マンガン、ニッケル及び銅の場合、ジ体が好ましい。
脂肪酸アミドとしては、粒子(X)を構成する他の構成成分(脂肪酸アミド)と同じものが含まれ、好ましいものも同じである。
ワックスとしては、粒子(X)を構成する他の構成成分(ワックス)と同じものが含まれ、好ましいものも同じである。
疎水性金属酸化物としては、粒子(X)を構成する他の構成成分(疎水性金属酸化物)と同じものが含まれ、好ましいものも同じである。
合成樹脂としては、エチレン性不飽和モノマー(m1)を構成単位とする合成樹脂及び重縮合・重付加モノマー(m2)を構成単位とする合成樹脂が含まれる。
エチレン性不飽和モノマー(m1)としては、公知のモノマー等が含まれ、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸の炭素数1〜22のアルキルエステル{(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸(2−エチルヘキシル)、(メタ)アクリル酸ステアリル及び(メタ)アクリル酸ベヘニル等};炭素数1〜18のアルコールのアルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加体の(メタ)アクリレート{メタノールのプロピレンオキシド30モル付加体の(メタ)アクリル酸エステル、2−エチルヘキサノールのプロピレンオキシド30モル付加体の(メタ)アクリル酸エステル及びステアリルアルコールのエチレンオキシド30付加体の(メタ)アクリル酸エステル等};(メタ)アクリロニトリル;スチレン{スチレン、メチルスチレン及びヒドロキシスチレン};(メタ)アクリル酸ジアミノエチル;多官能ビニルモノマー{ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコール(重合度14)ジ(メタ)アクリレート};アリルアルコール;アリルアルコールのアルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加体{アリルアルコールのプロピレンオキシド2モル付加物等};2−ブテンー1−オール;(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル);(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)のアルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加体{(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)のプロピレンオキシド4モル付加体等};及び酢酸ビニル等が使用できる。
これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、少なくとも1種類のポリオキシアルキレン基を含有するモノマー{炭素数1〜18のアルコールのアルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加体の(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(重合度14)ジ(メタ)アクリレート;アリルアルコールのアルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加体;及び(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)のアルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加体等}を用いることが好ましい。
なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を示し、(メタ)アクリロニトリルとは、アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルを示し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタクリレートを示す。
エチレン性不飽和モノマー(m1)を構成単位とする合成樹脂は、公知の方法で重合して得ることができる。
重縮合・重付加モノマー(m2)としては、公知のモノマーが含まれ、ポリイソシアネート(m21)、ポリアミン(m22)、ポリオール(m23)及びポリカルボン酸(m24)が含まれる。
ポリイソシアネート(m21)としては、炭素数8〜16のジイソシアネート{ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及び4−4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等}及びこれらの変性体{ジイソシアネートのトリメチロールプロパンの付加体、ビウレット縮合物及びイソシアヌレート縮合物等}等が挙げられる。
ポリアミン(m22)としては、炭素数2〜6のポリアミンが含まれ、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びトリエチレンテトラミン等が挙げられる。
ポリオール(m23)としては、炭素数2〜6の多価アルコール{エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、ジグリセリン及びペンタエリスリトール等};及びこれらの多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを水酸基1つ当たり1〜50モル付加した付加体{多価アルコールのエチレンオキシド付加体、プロピレンオキシド付加体、ブチレンオキシド付加体、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック付加体及びプロピレンオキシド/ブチレンオキシドブロック付加体等}等が挙げられる。
ポリカルボン酸(m24)としては、炭素数4〜14のポリカルボン酸が含まれ、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸及びダイマー酸等が挙げられる。
重縮合・重付加モノマー(m2)を構成単位とする合成樹脂(A2)には、上記のモノマーを構成単位とするポリウレア、ポリウレタン及びポリエステル等が含まれ、公知の方法で重合して得ることができる。
合成樹脂は、上記のモノマーをポリエーテル化合物(D)中で乳化重合又は懸濁重合等によって得られた微粒子を用いてもよいし、溶液重合等によって得た粒子をスプレードライ等の方法で乾燥・微粒化させたものを(必要があればさらに粉砕して)用いてもよいし、バルク重合によって得たバルク樹脂を粉砕して得られた粉砕微粒子を用いてもよい。
また、これらの粒子の粒径を均一化するために分級を行い、得られた分級粒子を用いてもよい。
粉砕する場合、粉砕には、ジェットミル、ビーズミル等を用いて粉砕してもよい。
合成樹脂は、市場からも入手可能であり、たとえば、以下の商品等が使用できる。
アルティフロー FS−7301(三洋化成工業(株)製、エチレン性不飽和モノマー共重合物のポリエーテル分散体、「アルティーフロー」は同社の登録商標である)、ダイミックビーズ UCN−8070CMクリヤー(大日精化工業(株)製、ポリウレタンビーズ、「ダイミックビーズ」は同社の登録商標である)、タフチック F−120、F−167(東洋紡(株)製、エチレン性不飽和モノマー共重合物の水分散体;「タフチック」は同社の登録商標である)
核剤(C)の含有量(重量%)は、核剤(C)及びポリエーテル化合物(D)の重量に基づいて、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.2〜9.5、特に好ましくは0.3〜9、最も好ましくは0.5〜8である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
核剤(C)の融点(℃)は、少なくとも60℃が好ましく、さらに好ましくは60〜2000、特に好ましくは70〜1850、最も好ましくは75〜1650である。
ポリエーテル化合物(D)としては、HLB0〜3.4で炭素数2〜4のオキシアルキレン基を単位とする重合体が含まれ、一般式(1)で表されるポリエーテル化合物(D1)、一般式(2)で表されるポリエーテル化合物(D2)、一般式(3)で表されるポリエーテル化合物(D3)、一般式(4)で表されるポリエーテル化合物(D4)及び一般式(5)で表されるポリエーテル化合物(D5)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく例示できる。これらのポリエーテル化合物(D)は、上記の一般式(1)〜(5)で表されるポリエーテル化合物と同様である。
ポリエーテル化合物(D)の含有量(重量%)は、核剤(C)及びポリエーテル化合物(D)の重量に基づいて、90〜99.9が好ましく、さらに好ましくは90.5〜99.8、特に好ましくは91〜99.7、最も好ましくは92〜99.5である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
核剤入りポリエーテル(Y)中の核剤(C)の個数平均粒子径(μm)は、0.05〜20が好ましく、さらに好ましくは0.07〜18、特に好ましくは0.08〜16、最も好ましくは0.1〜14である。
なお、核剤入りポリエーテル(Y)中の核剤(C)の個数平均粒子径は、測定試料を適当な分散媒{分散質(核剤)を溶解及び凝集させず、ポリエーテル化合物(D)を均一に溶解するもの。たとえば、メタノール、ポリオキシプロピレングリコール、アセトン、グリセリンのプロピレンオキシド付加体又はヘキサン等が挙げられ、分散質及びポリエーテル化合物(D)にあわせて適当なものを選択する。}に分散させ、JIS Z8825−1−2001「粒子径解析−レーザー回折法−第1部:測定原理」に記載された測定原理を有するレーザー回折式粒度分布測定装置(たとえば、株式会社島津製作所製SALD−1100、株式会社堀場製作所製LA−950、株式会社堀場製作所製LA−950V2、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分布測定装置UPA−ST150等、「マイクロトラック」はリーズ、アンド、ノースラップ、カンパニーの登録商標である。)等により測定される。
核剤入りポリエーテル(Y)は、核剤(C)及びポリエーテル化合物(D)とから構成されるが、これら以外に他の構成成分として、鉱物油、動・植物油、シリコーンオイル及び/又は変性シリコーンオイルを含んでもよい。
鉱物油、動・植物油としては、疎水性成分(C)に用いられるものと同じものが含まれ、好ましいものも同じである。
シリコーンオイルとしては、動粘度5〜10000(mm2/s、25℃)のポリジメチルシロキサン等が挙げられ、シクロオクタメチルテトラシロキサン等も含まれる。
変性シリコーンオイルとしては、上記のジメチルシロキサンのメチル基の一部を炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルコキシル基、フェニル基、水素原子、ハロゲン(塩素及び臭素等)原子、炭素数2〜6のアミノアルキル基及び/又はアルコキシポリオキシアルキレンオキシプロピル基(アルコキシの炭素数1〜6、アルキレンの炭素数2〜3、重合度2〜50)、アルコキシポリオキシアルキレン基(アルコキシの炭素数1〜6、アルキレンの炭素数2〜3、重合度2〜50)等に置き換えたもの等が含まれる。
核剤入りポリエーテル(Y)の含有量(重量%)は、分散体(Z)及び核剤入りポリエーテル(Y)の重量に基づいて、5〜35が好ましく、さらに好ましくは7〜33、特に好ましくは9〜31、最も好ましくは10〜30である。
本発明の消泡剤は、粒子(X)を水に分散した分散体(Z)と、核剤入りポリエーテル(Y)とを攪拌混合し、均一化する方法により製造できる。
分散体(Z)は、アルコール(A)及び疎水性成分(B)を均一混合して混合物を調製した後、公知の方法等で混合物を水に乳化・分散することにより、容易に得られる。
核剤入りポリエーテル(Y)は、公知の方法等で核剤(C)をポリエーテル化合物(D)に乳化・分散することにより、容易に得られるが、以下の方法(P1)〜(P3)により製造することが好ましい。
<方法(P1);核剤(C)として、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド及び/又はワックスを含む場合>
脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド及び/又はワックスと、ポリエーテル化合物(D)の一部とを加熱攪拌しながら、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド及び/又はワックスを溶解させて溶解液を得る溶解工程(p11)、
ポリエーテル化合物(D)の残部を攪拌しながら、この残部に溶解液を投入して混合物を得る混合工程(p12)、並びに
混合物を均質化処理して、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド及び/又はワックスの分散液を得る分散工程(p13)を含む方法。
加熱攪拌温度(℃)としては、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド及び/又はワックスが溶解できれば制限がないが、100〜180が好ましく、さらに好ましくは103〜170、特に好ましくは105〜160、最も好ましくは110〜150である。
加熱攪拌時間としては、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド及び/又はワックスが溶解できれば制限がないが、ポリエーテル化合物(D)の分解や蒸発等を防ぐため、できるだけ短時間とすることが好ましい。
加熱攪拌は、密閉下で行ってもよいし(加圧下でもよい)、開放下で行ってもよい。
混合工程(p12)において、溶解液を投入している間も溶解液を加熱攪拌し、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド及び/又はワックスを溶解させた状態を保つことが好ましい。
また、ポリエーテル化合物(D)の残部の温度は、消泡性の観点等から、0〜60℃に保つことが好ましく、さらに好ましくは0〜50℃、特に好ましくは0〜45℃、最も好ましくは0〜40℃である。すなわち、0〜60℃に冷却したポリエーテル化合物(D)の残部を攪拌しながら、この残部の温度を0〜60℃を保ちながら溶解液を少量ずつ投入して混合物を得ることが好ましい。
均質化処理は、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド及び/又はワックスを含む混合液を均質化できれば制限はないが、乳化分散機(ビーズミル、ディスパーミル、ホモジナイザー又はゴーリンホモジナイザー、超音波乳化機等)を用いて均質化処理することが好ましい。
核剤(C)として、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド及びワックスのうち、複数種類を含む場合(複数種類の脂肪酸金属塩等を含む場合も該当する。)、複数種類の核剤を溶解して溶解液を得てから{溶解工程(p11)}、核剤の分散液{核剤入りポリエーテル(Y)}を得てもよいし、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド又はワックスそれぞれの分散液を得てから、これらの分散液を均一混合して、核剤の分散液{核剤入りポリエーテル(Y)}を得てもよい。
<方法(P2);核剤(C)として脂肪酸金属塩を含む場合>
脂肪酸金属塩と、ポリエーテル化合物(D)とを加熱攪拌しながら、脂肪酸金属塩を溶解させて溶解液を得る溶解工程(p21)、
溶解液を冷却した後、攪拌混合して脂肪酸金属塩の分散液を得る分散工程(p22)を含む方法。
加熱攪拌温度(℃)としては、脂肪酸金属塩が溶解できれば制限がないが、100〜180が好ましく、さらに好ましくは103〜170、特に好ましくは105〜160、最も好ましくは110〜150である。
加熱攪拌時間としては、脂肪酸金属塩が溶解できれば制限がないが、ポリエーテル化合物(D)の分解や蒸発等を防ぐため、できるだけ短時間とすることが好ましい。
加熱攪拌は、密閉下で行ってもよいし(加圧下でもよい)、開放下で行ってもよい。
分散工程(p22)の攪拌混合は、混合液中に粗大粒子(粒子長径50μm以上)が無くなるまで攪拌混合できれば制限はないが、ディスパーミル、ホモジナイザー、ホモミキサー等を用いて、5〜40℃で行うことが好ましい。粗大粒子の有無は、光学顕微鏡(例えば、オリンパス株式会社製BX−60、Cytoviva社製HRAナノイメージングアダプター使用、対物レンズ:UPlanAPO 100x/1.35 oil Iris、接眼レンズ:WH10x/22)にて確認することができる。
核剤(C)として、複数種類の脂肪酸金属塩を含む場合、複数種類の脂肪酸金属塩を溶解して溶解液を得てから{溶解工程(p21)}、核剤の分散液{核剤入りポリエーテル(Y)}を得てもよいし、脂肪酸金属塩の種類ごとにそれぞれの分散液を得てから、これらの分散液を均一混合して、核剤の分散液{核剤入りポリエーテル(Y)}を得てもよい。
<方法(P3);核剤(C)として、疎水性金属酸化物及び/又は合成樹脂を含む場合>
疎水性金属酸化物及び/又は合成樹脂とポリエーテル化合物(D)と攪拌混合して分散液を得る分散工程(p31)を含む方法、又は
疎水性金属酸化物及び/又は合成樹脂とポリエーテル化合物(D)と攪拌混合して混合液を得る混合工程(p32)、並びに
混合物を均質化処理して、疎水性金属酸化物及び/又は合成樹脂の分散液を得る分散工程(p33)を含む方法。
混合工程(p31)は、疎水性金属酸化物及び/又は合成樹脂とポリエーテル化合物(D)とを均一混合できれば、攪拌混合の温度や時間等に制限はなく、通常の条件等で攪拌混合できる。
混合工程(p32)は、疎水性金属酸化物及び/又は合成樹脂とポリエーテル化合物(D)とを均一混合できれば、攪拌混合の温度や時間等に制限はなく、通常の条件等で攪拌混合できる。
分散工程(p33)は、疎水性金属酸化物及び/又は合成樹脂とポリエーテル化合物(D)とを含む混合液を均質化できれば制限はないが、乳化分散機(ビーズミル、ディスパーミル、ホモジナイザー又はゴーリンホモジナイザー、超音波乳化機等)を用いて均質化処理することが好ましい。
核剤(C)として、疎水性金属酸化物及び合成樹脂のうち、複数種類を含む場合(複数種類の疎水性金属酸化物等を含む場合も該当する。)、複数種類の核剤を攪拌混合して分散液又は混合液を得てから{分散工程(p31)又は混合工程(p32)}、核剤の分散液{核剤入りポリエーテル(Y)}を得てもよいし、疎水性金属酸化物又は合成樹脂それぞれの分散液を得てから、これらの分散液を均一混合して、核剤の分散液{核剤入りポリエーテル(Y)}を得てもよい。
核剤(C)として、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、ワックス、疎水性金属化合物及び合成樹脂のうち、複数種類の核剤を含む場合(複数種類の脂肪酸金属塩等を含む場合も該当する。)、核剤入りポリエーテル(Y)は、上記の方法(P1)〜(P3)を適宜組み合わせて製造してもよいし、方法(P1)〜(P3)のいずれかの一つの方法のみで製造してもよい。
本発明の消泡剤は、水性発泡液に対して効果的であり、例えば、塗料(水性塗料等)用消泡剤及び各種製造工程(抄紙工程、発酵工程、培養工程、排水処理工程、モノマーストリッピング工程及びポリマー重合工程等)用消泡剤等として使用することができる。
これらのうち、各種製造工程用消泡剤、排水処理用消泡剤として適しており、抄紙工程用消泡剤として最適である。
本発明の消泡剤の添加方法は、各種製造工程に適用する場合、(1)原料の供給と共に、(2)加熱及び/若しくは減圧処理前に、並びに/又は(3)最終仕上げ工程等に添加する方法のいずれでもよい。たとえば、排水処理工程に適用する場合、排水の流入(曝気槽前)、分離前(沈殿槽前)、最終仕上げ(放流)等に添加できる。
各種製造工程に適用する場合、本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、水性発泡液の重量に基づいて、0.0001〜3が好ましく、さらに好ましくは0.001〜2.7、特に好ましくは0.005〜2.3、最も好ましくは0.01〜2である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。また、特記しない限り、25〜30℃で行ったものである。
<製造例1;分散体(z1)の作成例1>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、アルコール(a1){炭素数16〜26のアルコール混合物、NAFOL20+A、SASOL社製、融点58℃}250部及び疎水性成分(b1){牛脂脂肪酸メチルエステル、新日本理化株式会社製、融点15℃}50部を70℃に加熱し、攪拌混合して溶解液(ab1)を得た。
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、水(e1){上水}694部を攪拌しながら、界面活性剤(fz1){ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ナロアクティーCL−400、三洋化成工業株式会社製}3部、界面活性剤(fz2){ポリオキシエチレンジオレート、イオネット DO−600、三洋化成工業株式会社製}0.7部、界面活性剤(fz3){ポリオキシエチレンモノオレート、イオネット MO−400、三洋化成工業株式会社製}0.7部、増粘剤(1){キサンタンガム、ケルザン、三晶株式会社製}1.5部及び防腐剤(1){バイオキラーLS、ケイ・アイ化成株式会社製}0.1部を加え、4時間攪拌を続けて均一にして水相(1)を調製した。
水相(1)を加熱攪拌しながら70℃まで昇温し、攪拌を続けながら70℃の溶解液(ab1)を加え、同温度でホモミキサーで3000rpmで3分間処理した後、攪拌しながら25℃まで冷却して、粒子(x1)の分散した分散体(z1)を得た。
粒子(x1)の体積平均粒子径{レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(Partica LA−950V2、フローセル式、分散質の屈折率=1.45、分散媒の屈折率=1.33、反復回数15、株式会社堀場製作所)を使用して、分散媒に水を用い、水をフローセルに入れて循環強度5で循環しながらブランク測定を行い、引き続き、このフローセルに測定試料を適量加えて測定を行い、この測定値からブランク測定の値を差し引いて算出した。以下同様}は、7μmであった。
<製造例2〜7;分散体(z2)〜(z7)の作成例>
溶解液(ab1)の組成を表1に記載した組成に変更したこと、及び水相(1)の組成を表2に記載した組成に変更したこと以外、製造例1{分散体(z1)の作成例}と同様にして、分散体(z2)〜(z7)を作成した。
アルコール(a2):セタノール、コノール1670、新日本理化株式会社製、融点50℃
疎水性成分(b2):パーム脂肪酸メチルエステル、カロテック社製、融点15℃
疎水性成分(b3):ポリオキシプロピレン(40モル)グリコールモノブチルエーテルのオレイン酸エステル、流動点−30℃
疎水性成分(b4):ジメチルシリコーンオイル(動粘度10(mm2/s、25℃))、KF−96−10CS、信越化学工業株式会社製、流動点−65℃
疎水性成分(b5):グリセリンのプロピレンオキシド(43モル)付加体、サンニックスGP−3000、三洋化成工業株式会社製、流動点−35℃;「サンニックス」は同社の登録商標である。
疎水性成分(b6):食用菜種油、ニッコー製油株式会社製、流動点−5℃
疎水性成分(b7):精製牛脂、ITR、ミヨシ油脂製、融点45℃
疎水性成分(b8):鉱物油、コスモSP−10、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製、流動点−12℃
界面活性剤(fz4):ポリオキシエチレン(2モル)アルキルエーテルスルホコハク酸半エステルナトリウム塩40%水溶液、ビューライトESS
疎水性シリカ(1):疎水性シリカ、SIPERNAT D10、デグサジャパン株式会社製
<製造例8;分散体(z8)の作成例>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、アルコール(a1)235部、疎水性成分(b1)50部及びをワックス(1){アルコール変性ワックス、OX−3405、日本精鑞(株)製}10部を110℃に加熱し、攪拌混合して溶解液(ab8)を得た。
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、水(e1)696部を攪拌しながら、界面活性剤(d1)6部、界面活性剤(d2)0.7部、界面活性剤(d3)0.7部、増粘剤(1)1.5部及び防腐剤(1)0.1部を加え、4時間攪拌を続けて均一にして受け液(8)を調製した。
受け液(8)を加熱攪拌しながら70℃まで昇温し、攪拌を続けながら70℃の溶解液(ab8)を加え、同温度でホモミキサーで3000rpmで3分間処理した後、攪拌しながら25℃まで冷却して、粒子(x8)の分散した分散体(z8)を得た。
<製造例9;分散体(z9)の作成例>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、アルコール(a3){ベヘニルアルコール、コノール2265、新日本理化株式会社製、融点73℃}39部、疎水性成分(b1)61部、疎水性成分(b7)200部及びをワックス(2){酸化ポリエチレンワックス、エポレンE−10、イーストマンケミカル社製}20部を110℃に加熱し、攪拌混合して溶解液(ab9)を得た。
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、水(e1)674部を攪拌しながら、界面活性剤(d1)3部、界面活性剤(d2)0.7部、界面活性剤(d3)0.7部、増粘剤(1)1.5部及び防腐剤(1)0.1部を加え、4時間攪拌を続けて均一にして受け液(9)を調製した。
受け液(9)を加熱攪拌しながら70℃まで昇温し、攪拌を続けながら70℃の溶解液(ab9)を加え、同温度でホモミキサーで3000rpmで3分間処理した後、攪拌しながら25℃まで冷却して、粒子(x9)の分散した分散体(z9)を得た。
<製造例10;分散体(z10)の作成例>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、アルコール(a3)94部、疎水性成分(b1)15部及び疎水性成分(b7)15部を90℃に加熱し、攪拌混合して溶解液(ab10)を得た。
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、水(e1)870部を攪拌しながら、界面活性剤(d1)3部、界面活性剤(d2)0.7部、界面活性剤(d3)0.7部、増粘剤(1)1.5部及び防腐剤(1)0.1部を加え、4時間攪拌を続けて均一にして受け液(10)を調製した。
受け液(10)を加熱攪拌しながら70℃まで昇温し、攪拌を続けながら70℃の溶解液(ab10)を加え、同温度でホモミキサーで3000rpmで3分間処理した後、攪拌しながら25℃まで冷却して、粒子(x10)の分散した分散体(z10)を得た。
分散体(z2)〜(z10)中の粒子(x2)〜(x10)の体積平均粒子径(μm)は、それぞれ、表3の通りだった。
<製造例11;核剤入りポリエーテル(y1)の作成例>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、核剤(c1){エチレンビスステアリルアミド、アルフローH−50S、日油株式会社製}30部、ポリエーテル化合物(d1){ブタノールポリオキシプロピレン(40モル)付加体、ニューポールLB−1715、三洋化成工業株式会社製}200部及びポリエーテル化合物(d2){ポリオキシエチレン(5モル)ポリオキシプロピレン(30モル)、ニューポールPE−61、三洋化成工業株式会社製)}100部を加熱攪拌しながら150℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(cd1)を得た。
次いで、10℃に調節したポリエーテル化合物(d1)600部及びポリエーテル化合物(d3){トリメチロールプロパンのエチレンオキシド(10モル)/プロピレンオキシド(68モル)ブロック付加体、ニューポールTL−4500N、三洋化成工業株式会社製}70部を攪拌混合して受け液(1)を得た後、この受け液(1)を冷却攪拌して40℃以上に上がらないように調節しながら、均一混合液(cd1)を投入して、核剤分散体(cd1)を得た。
核剤分散体(cd1)を攪拌しながら25℃まで冷却した後、ゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して、核剤入りポリエーテル(y1)を得た。核剤入りポリエーテル(y1)中の核剤の個数平均粒子径(μm)は0.1であった。
なお、個数平均粒子径(μm)は、堀場製作所(株)製レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置Partica LA−950V2(バッチセル式、分散質の屈折率=1.45、分散媒の屈折率=1.36、反復回数15)を使用し、溶媒にアセトンを用いて測定した(以降も同様)。なお、測定試料(核剤入りポリエーテル)を加える量は、青色LED光の透過率が89〜91%になるように調整し、測定試料の量が多いほど透過率が低くなるので、この範囲から外れている場合、測定試料又はアセトンを添加して測定試料の濃度を調整した。
<製造例12〜17;核剤入りポリエーテル(y2)〜(y7)の作成例>
混合液(cd1)の組成及び加熱温度を表4に記載した組成及び加熱温度に変更したこと、並びに受け液(1)の組成及び冷却温度(混合液投入中の受け液の最高温度)を表5に記載した組成及び冷却温度に変更したこと以外、製造例11{核剤入りポリエーテル(y1)の作成例}と同様にして、核剤入りポリエーテル(y2)〜(y7)を作成した。
核剤(c2):エチレンビスオレイルアミド、アルフロー AD−281F、日油株式会社製
核剤(c3):酸化ポリエチレンワックス、エポレンE−10、イーストマンケミカル社製
核剤(c4):アルコール変性ワックス、OX−3405、日本精鑞(株)製
核剤(c5):ステアリン酸アルミニウム、SA−1500、堺化学工業(株)製
核剤(c6):カルナウバワックス、カルナウバワックス1号、株式会社加藤洋行製
核剤(c7):マレイン酸変性酸化ポリエチレンワックス、PED−136、日本精鑞(株)製
ポリエーテル化合物(d4):グリセリンのプロピレンオキシド(43モル)付加体、サンニックスGP−3000、三洋化成工業株式会社製
ポリエーテル化合物(d5):ポリオキシプロピレン(40モル)グリコールモノブチルエーテルのオレイン酸エステル
ポリエーテル化合物(d6):ポリプロピレングリコール(34モル)、ニューポールPP−2000、三洋化成工業株式会社製
ポリエーテル化合物(d7):ポリオキシエチレン(5モル)ポリオキシプロピレン(30モル)のステアリン酸ジエステル
ポリエーテル化合物(d8):グリセリンのエチレンオキシド(3モル)/2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(6モル)ブロック付加体
ポリエーテル化合物(d9):ポリオキシプロピレン(34モル)グリコール200部と、ポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシプロピレン(14モル)ミリスチルエーテル231部と、ヘキサメチレンジイソシアネート16.8部とを反応させて得たポリエーテル化合物
ポリエーテル化合物(d10):グリセリンのプロピレンオキシド(9モル)付加体、ニューポールGP−600、三洋化成工業株式会社製
ポリエーテル化合物(d11):蔗糖ポリオキシプロピレン80モル付加物
<製造例18;核剤入りポリエーテル(y8)の作成例>
攪拌の可能な容器内で、核剤(c8){疎水性シリカ、SIPERNAT D10、デグサジャパン株式会社製}30部、ポリエーテル化合物(d5)900部及びポリエーテル化合物(d10)70部を15分間攪拌し、核剤分散体(cd8)を得た。
核剤分散体(cd8)を、ゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して、核剤入りポリエーテル(y8)を得た。
<製造例19;核剤入りポリエーテル(y9)の作成例>
攪拌の可能な容器内で、特開2009−7506号公報の実施例1に準じて作成したポリマーポリオール[核剤(c9){(スチレン)/(アクリロニトリル)/(ジビニルベンゼン)/(グリセリンのプロピレンオキシド付加物と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとをトリレンジイソシアネート(TDI)でジョイントして得られる反応性分散剤)/(アリルアルコールにプロピレンオキシド(PO)を付加させたポリオキシアルキレンエーテル)を構成単位とする共重合物(粒子径0.7μm)}52%、ポリエーテル化合物(d11){ペンタエリスリトールにプロピレンオキシド−エチレンオキシド(エチレンオキシドの割合12重量%)の順にアルキレンオキシドをブロック付加させたポリオール、HLB=2.5}45%及びポリエーテル化合物(d12){特開2000−344881号公報に準じて作成したグリセリンプロピレンオキシド付加体、HLB=0.3}3%の混合液]153部、ポリエーテル化合物(d1)300部、ポリエーテル化合物(d3)300部及びポリエーテル化合物(d7)247を15分間攪拌し、核剤入りポリエーテル(y9)を得た。
核剤入りポリエーテル(y2)〜(y9)中の核剤の個数平均粒子径(μm)は、それぞれ、表6の通りであった。
<実施例1>
攪拌の可能な容器内で、分散体(z1)800部及び核剤入りポリエーテル(y1)200部を15分間攪拌混合し、本発明の消泡剤(1)を得た。
<実施例2〜24>
分散体(z1)及び核剤入りポリエーテル(y1)を、表7に記載した種類及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の消泡剤(2)〜(24)を得た。
<比較例1〜10>
分散体(z1)〜(z10)を比較用の消泡剤(H1)〜(H10)として用いた。
<比較例11〜13>
分散体(z1)の使用量を表8に記載した量に変更したこと、核剤入りポリエーテル(y1)を、表8に記載した核剤又はポリエーテル化合物に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の消泡剤(H11)〜(H13)を得た。
実施例1〜24及び比較例1〜13で得た消泡剤(1)〜(24)及び(H1)〜(H13)を用いて、以下のようにして消泡性を評価し、評価結果を表9に示した。
<評価液の作成>
エレミノールMON−2(ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム50.3重量%水溶液;三洋化成工業株式会社、「エレミノール」は同社の登録商標である。)0.172gを500mlのメスシリンダーに加え、上水60mLを加えて均一に混合した後、消泡剤を有効成分(水以外の成分)が0.006gになるように添加して試験液を作成した。
なお、消泡剤を添加しないこと以外、上記と同様にして、ブランク用の試験液を調製した。
<25℃での消泡性の評価>
試験液60mlの入った500mLのメスシリンダーの底部に木下式ガラスボールフィルターを沈め、試験液及び試験装置(メスシリンダー、木下式ガラスボールフィルター等)を25℃に調節した。続いて木下式ガラスボールフィルターを用いてシリンダーの底部から窒素ガスを20m3/分で1分間通気した後の液容積(mL)を読み取り、25℃での消泡性の値とした。液容積が小さいほど泡が破壊されており消泡性に優れているといえる。
<60℃での消泡性の評価>
試験液60mlの入った500mLのメスシリンダーの底部に木下式ガラスボールフィルターを沈め、試験液及び試験装置(メスシリンダー、木下式ガラスボールフィルター等)を60℃に調節した。続いて木下式ガラスボールフィルターを用いてシリンダーの底部から窒素ガスを20m3/分で1分間通気した後の液容積(mL)を読み取り、60℃での消泡性の値とした。液容積が小さいほど泡が破壊されており消泡性に優れているといえる。
本発明の消泡剤は、比較用の消泡剤比べて、消泡性(25℃及び60℃での消泡性)が極めて良好であった。すなわち、分散体(Z)と核剤入りポリエーテル(Y)を併用することで、優れた消泡性を発揮し、分散体(Z)を単独で用いた場合や、核剤(C)と分散体(Z)とを併用した場合及びポリエーテル化合物(D)と分散体(Z)とを併用した場合は、消泡性が劣っていた。