[第1実施形態]
以下、図1〜24に基づいて、本発明の第1実施形態に係る容器回転装置100について説明する。図1における符号10は、粉粒体、液体、その他流動性を有する処理対象物Sを収容可能な筒形回転容器である。筒形回転容器10は、円筒形をなすと共に中心軸J1が水平になるように配置されており、その中心軸J1回りに回転駆動される。
筒形回転容器10は軸方向の一端部(図1における左端。以下、「終端部」という)が開放した筒壁11を有して、その筒壁11の他端部(図1における右端。以下、「始端部」という)が第1始端壁12にて閉塞されている。また、筒壁11の内周面における軸方向の中間部から円板形の第1終端壁14が張り出しており、その第1終端壁14によって、筒形回転容器10の内部が軸方向で隣り合った第1回転室15と第2回転室16とに区画されている。即ち、第1終端壁14と第1始端壁12との間に第1回転室15が形成され、第1終端壁14より終端部側に第2回転室16が形成されている。ここで、第1終端壁14の中心部には通気孔14Aが貫通形成されていて、その通気孔14A(図4参照)によって第1回転室15と第2回転室16とが連通している。
筒形回転容器10は、複数の支持ローラー30(転輪)によって回転可能に支持されている。即ち、筒壁11の外周面には軸方向に離して1対の外輪11R,11R(タイヤ)が設けられており、それら各外輪11Rが、それぞれ1対の支持ローラー30,30の上に載置されている(図3参照)。
筒形回転容器10は、スプロケット11S,31S及びチェーン(図示せず)によってモータ31(本発明の「回転方向切替手段」に相当する)に連結されており、予め定められた正回転方向とその逆の逆回転方向とに回転駆動される。本実施形態における「正回転方向」とは、筒形回転容器10を第1始端壁12側(第1回転室15側)から見たときの反時計回り方向(図面中、矢印X1で示す方向)のことであり、「逆回転方向」とは、筒形回転容器10を第1始端壁12側から見たときの時計回り方向(図面中、矢印X2で示す方向)のことである(図3参照)。
筒形回転容器10における筒壁11の終端部には、上下方向が常に一定になるように固定された固定蓋32が設けられている。固定蓋32は、筒壁11に対して回転可能に連結されており、固定蓋32と筒壁11との連結部分は摺動シール32Sによって気密状態にシールされている。固定蓋32は、第2回転室16を挟んで第1終端壁14と対向した第2終端壁32Aを有し、その第2終端壁32Aの一部は開閉可能な扉となっている。また、固定蓋32の下端部には、処理対象物Sを排出するための排出口32Cが設けられ、固定蓋32の上端部には筒形回転容器10内のガスを排気するための排気口32Bが設けられている。
筒形回転容器10の外側には、筒壁11の外面に宛われて放射熱で筒形回転容器10を加熱する加熱源としてのヒーター33が設けられている。このヒーター33によって、第1回転室15に収容された処理対象物Sを加熱処理することができる。
第1回転室15内には、筒壁11の内周面から張り出した第1螺旋ガイド17が設けられている。第1螺旋ガイド17は、筒形回転容器10の中心軸J1回りに螺旋状に延びたリボン形をなしており、筒形回転容器10を正回転させた場合に、第1回転室15内の処理対象物Sを第1終端壁14から離れる側(第1始端壁12に近づく側)に推進させる一方、逆回転させた場合に、処理対象物Sを第1終端壁14に近づく側(第1始端壁12から離れる側)に推進させる。なお、本実施形態の第1螺旋ガイド17は、第1終端壁14と第1始端壁12との間で筒壁11の内周面を約1周旋回している。また、第1回転室15には、筒壁11の周方向で180度位相をずらして2つの第1螺旋ガイド17が備えられている。なお、第1螺旋ガイド17は、例えば、筒壁11の内周面に溶接されていてもよいし、図示しない固定部材(ビス)によって着脱可能に固定されていてもよい。
第2回転室16内には、筒壁11の内周面から張り出した第2螺旋ガイド18が設けられている。第2螺旋ガイド18は、筒形回転容器10の中心軸J1回りに螺旋状に延びたリボン形をなしており、筒形回転容器10を正回転させた場合に、第2回転室16内の処理対象物Sを第1終端壁14に近づく側(第2回転室16の終端口13から離れる側)に推進させる一方、逆回転させた場合に処理対象物Sを第1終端壁14から離れる側(第2回転室16の終端口13に近づく側)に推進させる。なお、本実施形態の第2螺旋ガイド18は、終端口13から第1終端壁14までの間で筒壁11の内周面を約3/4周(270度)旋回している。また、第2回転室16には、筒壁11の周方向で180度位相をずらして2つの第2螺旋ガイド18が備えられている。なお、第2螺旋ガイド18は、例えば、筒壁11の内周面に溶接されていてもよいし、図示しない固定部材(ビス)によって着脱可能に固定されていてもよい。
筒形回転容器10における第1始端壁12の中心には、センター孔12Aが貫通形成され、そのセンター孔12Aには接続管34が回転可能に接続されている。接続管34は、その先端がセンター孔12Aに嵌合しかつ、先端寄り位置から側方に張り出した固定フランジ45と第1始端壁12との間に挟まれた摺動シール12Sによって、接続管34とセンター孔12Aとの嵌合部分が気密状態にシールされている。
接続管34からは処理物供給管35が分岐して延びており、その処理物供給管35に、処理対象物Sを供給するためのフィーダー36が接続されている。
接続管34には、第1回転室15のうち、センター孔12Aの延長線上の筒内中心部に、プラズマ、光エネルギー、過熱水蒸気、ミスト、火炎、イオン、ガス、塗料、その他の処理雰囲気を生成する雰囲気生成装置が接続されている。例えば、図2に示すように、雰囲気生成装置として、過熱水蒸気発生装置40を接続した場合には、筒内中心部に過熱水蒸気による熱処理雰囲気を生成することができる。また、図14に示すように、送風機組込型のバーナー49を接続した場合には、第1回転室15の筒内中心部に、火炎による熱処理雰囲気を生成することができる。また、図15に示すように、プラズマ発生装置42を接続した場合には、第1回転室15の筒内中心部に、プラズマによる処理雰囲気を生成することができる。
ここで、図12には、過熱水蒸気発生装置40の構成の一例が示されている。同図に示すように、過熱水蒸気発生装置40は、霧化器40Aによって霧化された水蒸気を、加熱配管40Bの外側からヒーター33等の熱で加熱して、過熱水蒸気を生成する。また、接続管34に接続された過熱水蒸気トーチ41(本発明の請求項9に係る「噴射ノズル」に相当する)には、送風配管40Dと過熱水蒸気配管40Cとが接続されており、送風配管40Dから供給される風量によって過熱水蒸気の風量及び温度を任意に調節することが可能となっている。なお、図1における符号57は、過熱水蒸気トーチ41を固定支持するための支持ベースである。
図15に示すように、プラズマ発生装置42は、接続管34に接続されたプラズマトーチ42Aと、その外側に配置された誘導コイル42Bとを備えている。誘導コイル42Bに高周波電力が印加されると、プラズマトーチ42A内に供給された作動ガスがプラズマ状態になってプラズマ雰囲気が生成される。
図2に示すように、第1回転室15のうち、センター孔12Aの対向位置には椀形反射部材19が設けられている。椀形反射部材19は、第1始端壁12に向かって開放しかつセンター孔12Aより大きな先端開口を有した椀形(ドーム形)をなしている。また、図13に示すように、椀形反射部材19は、第1終端壁14における通気孔14Aの側方位置から突出した複数の反射部材支持突部19Sによって通気孔14Aから離して支持されている。椀形反射部材19における球状内面19Aの中央部には先端開口に向かって突出した略円錐形のセンター突起19Tが設けられている。そして、椀形反射部材19は、その球状内面19Aとセンター突起19Tとによって、過熱水蒸気トーチ41から第1回転室15内に噴射された過熱水蒸気(本発明の「噴射物質」に相当する)を、第1回転室15の筒内中心部の側方に向けて放射状に反射させるようになっている。なお、第1回転室15内の過熱水蒸気を含むガスは、椀形反射部材19の後側に回り込んで通気孔14Aから第2回転室16へと流れ込み、終端口13及び排気口32Bを通って筒形回転容器10の外部に排気される。
第1回転室15のうちセンター孔12Aの側方位置には、第1回転室15の下部に溜まっている処理対象物Sを、第1回転室15の筒内中心部に供給するためのリフター20が備えられている。図7(B)に示すように、リフター20は、筒形回転容器10における第1始端壁12の内面と筒壁11の内周面とに固定されており、筒形回転容器10と一体に回転する。また、リフター20は、筒内中心部の側方に配置されて、周方向に複数並べて配置されている。各リフター20は、筒壁11側に形成されたポケット部21と、ポケット部21から筒内中心部に向かって延びたシュート部22とから構成されている。より詳細には、図8(A)〜同図(C)に示すようにリフター底壁20Aは、第1始端壁12に対して直角な帯状をなしており、筒内中心部から径方向外側に向かって延びかつ、途中で筒壁11の内周面に近づくに従って正回転方向X1の後側(逆回転方向X2の前側)に向かうように屈曲又は湾曲している。また、リフター側壁20Bは、リフター底壁20Aのうち第1始端壁12から離れた側の縁部から正回転方向X1の前側に突出しており、第1始端壁12との間に処理対象物Sを収納可能となっている。ここで、リフター底壁20A及びリフター側壁20Bを網状にして、その網目を通過しなかった処理対象物Sの粒子だけが、リフター20によって筒内中心部に供給されるようにしてもよい。
筒形回転容器10を正回転させると、図9(A)から同図(B)への変化に示すように第1回転室15の下部に溜まっている処理対象物Sの中をリフター20のポケット部21が次々に通過して、各ポケット部21に処理対象物Sがすくい取られる。また、ポケット部21にすくい取られた処理対象物Sは、図10(A)から同図(B)への変化に示すように、筒形回転容器10の正回転に伴って、徐々にシュート部22側へと移動する。さらに、図11(A)から同図(B)への変化に示すように、リフター20の傾斜が所定の角度を越えると、シュート部22の先端から処理対象物Sが落下し始め、リフター20が筒内中心部の真上位置に到達するまでの間に、リフター20内の全ての処理対象物Sが落下する。そして、リフター20から落下した処理対象物Sは、筒内中心部に生成された処理雰囲気(例えば、過熱水蒸気)の中を通過する。
ところで、本実施形態の容器回転装置100は、筒形回転容器10を停止及び正回転させた場合に、第1回転室15から第2回転室16への処理対象物Sの移動を禁止する一方、筒形回転容器10を逆回転させた場合に、第1回転室15から第2回転室16へと処理対象物Sを移送することが可能な移送ダクト23を備えている。移送ダクト23は、第1終端壁14における第2回転室16側の面の外縁部に設けられて円弧状に延びている。また、図5に示すように、移送ダクト23は、全体が溝形構造で、正回転方向X1の後端部が閉塞された閉塞端をなす一方、正回転方向X1の前端部が開口した開放端をなしており、第1終端壁14との間で、後述する移送路23R及び第2始端開口25を形成している。また、移送ダクト23(移送路23R)は、筒壁11の内周面に沿って180度未満の円弧状になっており、中心軸J1に対する点対称位置(180度回転対称な位置)に対をなして配置されている(図4(B)参照)。
図6に示すように、第1終端壁14のうち、移送ダクト23の閉塞端で覆われた部分には、第1終端壁14を貫通して第1回転室15内に開放した第1終端開口24が備えられている。図示しないが、第1終端開口24における逆回転方向の後側縁部には、第1螺旋ガイド17の端部が接続されている。
移送ダクト23の開放端と第1終端壁14との間には、筒形回転容器10を正回転させたときの進行方向の前方に向かって開口した第2始端開口25が形成されている。また、移送ダクト23と第1終端壁14との間に形成された移送路23Rは、図5に示すように、四方を壁で囲まれた矩形断面を有している。詳細には、移送路23Rは、筒形回転容器10の筒壁11と、第1終端壁14と、第1終端壁14から第2回転室16内に突出しかつ筒壁11の内周面と平行に延びた円弧状の第1ダクト構成壁23Aと、第1ダクト構成壁23Aのうち第1終端壁14から離れた側の縁部から径方向外側に突出して筒壁11の内周面に接合した円弧状の第2ダクト構成壁23Bとで囲まれている。移送ダクト23における第2ダクト構成壁23Bは、移送ダクト23の開放端(第2始端開口25)から閉塞端寄り位置まで第1終端壁14と平行になっており、閉塞端寄り位置から第1終端開口24における正回転方向の後側縁部に向かうに従って徐々に第1終端壁14に接近するように傾斜している(図6参照)。
ここで、本実施形態では、第1終端開口24が第1終端壁14に貫通形成されていて、筒形回転容器10の中心軸J1と平行な方向を向いて開放しているが、移送ダクト23を、第1終端壁14における第1回転室15側の面に設けて、第1終端開口24を、筒形回転容器10を逆回転させたときの進行方向の前方に向かって開口させた構造としてもよい。また、移送ダクト23の両端部を、第1回転室15側の面と第2回転室16側の面とに分けて設けて、第2始端開口25を正回転方向の前方に向かって開口させると共に、第1終端開口24を逆回転方向の前方に向かって開口させた構造としてもよい。
本実施形態の容器回転装置100の構成は以上であって、次に動作について説明する。フィーダー36によって筒形回転容器10の第1回転室15内に処理対象物Sを供給し、筒形回転容器10を正回転させると、第1螺旋ガイド17が、第1回転室15の下部に溜まった処理対象物Sを第1終端壁14から第1始端壁12へと推進させる。
また、第1始端壁12に固定された複数のリフター20が、第1回転室15の下部に溜まった処理対象物Sの中を次々と通り抜けて、各リフター20のポケット部21に処理対象物Sがすくい取られる。処理対象物Sをすくい取ったリフター20は、正回転に伴って上方へ移動すると共に、徐々にシュート部22に向かって下るように傾斜して、処理対象物Sがポケット部21からシュート部22へと徐々に移動する。そして、リフター20が筒内中心部の斜め上方位置から真上位置に至るまでの間に亘って、リフター20内の処理対象物Sが徐々に処理雰囲気(過熱水蒸気、火炎或いはプラズマ)の中に落下する。そして、処理雰囲気を通過する際に、処理対象物Sに対して処理が行われる。処理雰囲気を通過した処理対象物Sは、第1回転室15の下部に落下し、リフター20によって繰り返し処理雰囲気中に投入される。換言すれば、筒形回転容器10を正回転させることで、処理雰囲気に連続的に処理対象物Sが投入される。
ここで、接続管34から第1回転室15内に吹き込んだ過熱水蒸気や火炎の気流によって、処理対象物Sの一部が、第1終端壁14側へと吹き飛ばされることがあるが、その吹き飛ばされた処理対象物Sは、椀形反射部材19にて受け止められるから、処理対象物Sが、第1終端壁14の通気孔14Aを通って第2回転室16に流出することを防ぐことができる。
ところで、筒形回転容器10の回転が停止した状態で、移送ダクト23の第1終端開口24が、第1回転室15の下部に溜まった処理対象物Sの中に埋もれている場合、第2始端開口25は、第1終端開口24より高所に位置している。従って、筒形回転容器10の回転が停止した状態で、第1回転室15内の処理対象物Sが移送ダクト23内(移送路23R)を通って第2回転室16に移動することはない。
また、筒形回転容器10の正回転では、移送ダクト23の第2始端開口25が第1終端開口24に対して先行するように回転するから、処理対象物Sは、移送ダクト23内(移送路23R)を第1終端開口24から第2始端開口25に向かって移動することが不可能である。詳細には、第1終端開口24が、第1回転室15の下部に溜まった処理対象物Sの中に進入すると、その第1終端開口24から移送ダクト23内(移送路23R)に処理対象物Sが一時的に進入するが、正回転に伴って第1終端開口24が上方に向かって移動すると、処理対象物Sは第1終端開口24から吐き出される。しかも、第2ダクト構成壁23Bにおける第1終端開口24との対向部分が傾斜している(図6参照)から、処理対象物Sを残らず全部吐き出すことができる。このように、筒形回転容器10を正回転させている間は、第1回転室15内の処理対象物Sが移送ダクト23(移送路23R)を通って第2回転室16に移送されることはなく、第1回転室15内に処理対象物Sを留めることができる。
さて、第1回転室15内で処理を行った処理対象物Sを、筒形回転容器10から取り出す場合には、筒形回転容器10を逆回転させる。筒形回転容器10を逆回転させると、第1螺旋ガイド17が、第1回転室15の下部に溜まった処理対象物Sを第1始端壁12側から第1終端壁14側へと推進させる。
第1回転室15内に溜まった処理対象物Sの中を第1終端開口24が潜ることで、移送ダクト23内(移送路23R)に処理対象物Sが進入する。詳細には、第1螺旋ガイド17が第1終端開口24における逆回転方向の後側縁部に接続されているから、第1螺旋ガイド17によって推進された処理対象物Sが第1終端開口24から移送ダクト23内(移送路23R)に押し込まれる。移送ダクト23内(移送路23R)に進入した処理対象物Sは、筒形回転容器10の逆回転に伴い、移送ダクト23内(移送路23R)を第2始端開口25に向かって移動してやがて第2回転室16に排出される。つまり、筒形回転容器10を逆回転させると、第1回転室15内の処理対象物Sが第2回転室16に移送される。
さらに、第2回転室16に移送された処理対象物Sは、第2回転室16に備えた第2螺旋ガイド18によって第1終端壁14側から第2回転室16の終端口13へと推進される。そして、処理対象物Sは第2回転室16の終端口13から第2回転室16外に零れ落ちて、固定蓋32の排出口32Cから排出される。
このように、本実施形態によれば、第1回転室15に処理対象物Sを収容した状態で、筒形回転容器10を正方向に回転させた場合、移送路23Rのうち第2始端開口25が第1終端開口24より先行して回転するので、第1終端開口24が第1回転室15の下部に溜まった処理対象物Sの中を通っても、処理対象物Sが移送路23Rを通って第2回転室16に移送されることはない。これに対し、筒形回転容器10を逆方向に回転させると、移送路23Rのうち第1終端開口24が第2始端開口25より先行して回転するので、第1終端開口24が第1回転室15の下部に溜まった処理対象物の中を通過する際に移送路23Rに進入した処理対象物Sが、筒形回転容器10の逆回転に伴って第2始端開口25に向かって移動して、第2回転室16に移送される。
つまり、筒形回転容器10を正回転させている間は、処理対象物Sを第1回転室15内に留めて加熱処理等の処理を行うことができ、筒形回転容器10を逆回転させることで、処理対象物Sを第1回転室15から排出させることができるので、処理対象物Sの取り出しを機械的操作で行うことができ、従来よりも容易に行うことができる。
ここで、本実施形態の容器回転装置10は、処理対象物Sの撹拌、混合以外に、以下のような用途に使用することができる。例えば、過熱水蒸気や火炎による熱処理雰囲気に処理対象物Sとしての粉粒体を通過させれば、粉粒体の乾燥、焼成、炭化、改質、造粒、或いは、粒子表面に付着した微粒子の焼却を行うことができる。また、処理対象物Sとしての液体を熱処理雰囲気に通過させれば、液体の濃縮、油分の焼却、改質、化学反応を行うことができる。また、プラズマ雰囲気に処理対象物Sとしての粉粒体を通過させれば、粒子表面の改質(酸化・還元)、化学反応や、粒子表面に付着した微粒子の除去を行うことができる。なお、過熱水蒸気発生装置40やバーナー49の替わりに、電子線照射装置やレーザー照射装置を使用して微粒子の焼却を行ってもよい。
図16〜図24には、本実施形態の容器回転装置100の構成の一部を変更した変形例が示されている。
処理対象物Sとしての粉粒体を筒内中心部に生成した熱処理雰囲気で加熱して造粒を行う場合に、リフター20の上面を、図16に示すようにメッシュ状のカバー26で覆っておき、所定の粒径まで成長していない粒子だけが、カバー26の網目を通過してリフター20にすくい上げられ、熱処理雰囲気に投入されるような構成としてもよい。このようにすれば、造粒物の過剰な大径化を防止して、粒径を揃えることができる。ここで、カバー26の網目より大きい粒子(造粒物)がカバー26の上に載って持ち上げられることを防止するために、カバー26に下り勾配を設けておくことが好ましい。
図17(A)に示すように、第1回転室15の筒内中心部にミスト雰囲気を生成するスプレーノズル46を設けて、リフター20から落下した処理対象物Sがミスト雰囲気を通過するように構成してもよい。なお、図17(A)における符号46Aはミストとなる液体用の配管であり、符号46Bは液体をミスト化するための噴射ガス用の配管である。バインダー液のミスト雰囲気を生成すれば、処理対象物Sとしての粉粒体の造粒を行うことができる。また、任意の液体によって粉粒体の調質を行うことができる。造粒を行う場合には、リフター20に対して上記したメッシュ状のカバー26(図16参照)を適用してもよい。
図18に示すように、排気口32B、排出口32C、処理物供給管35、接続管34のそれぞれにバルブ37を設けて、筒形回転容器10を密閉することが可能な構成としてもよい。この構成によれば、過熱水蒸気又は火炎によって温度制御を行いながら低酸素雰囲気下で、処理対象物Sとしての木質チップ、プラスチックス等の有機物の炭化・精錬を行うことが可能になる。また、処理ガス雰囲気下で、金属、鉱物等の組成改質ガス処理を行うことが可能になる。
第1回転室15にバーナー49の熱を吹き込んで、その熱で処理対象物Sとしての樹脂粒子の炭化処理ないし、低融点の処理対象物Sの処理を行う場合に、第1回転室15内の樹脂等が溶融し固着しないように、筒壁11を外側から冷却してもよい。例えば、図19に示すように、筒形回転容器10の下方に冷却水貯留容器50を配置すると共に、筒壁11の外周面に複数のバケット51を一体に設けておき、筒形回転容器10の正回転に伴ってバケット51が冷却水貯留容器50内の冷却水を汲み上げて筒壁11の外面に掛けるような構成としてもよい。なお、バケット51を挟んだ両側に水切り円盤52を設けておき、冷却水が掛かる範囲を制限すると共に、掛けられた冷却水が確実に冷却水貯留容器50に戻るようにしておくとよい。
また、上記第1実施形態では、処理対象物Sが第1回転室15に直接供給されていたが、図19に示すように、第2回転室16を経由して第1回転室15に供給するようにしてもよい。具体的には、例えば、フィーダー36が第2終端壁32Aを貫通して延びた供給管(図示せず)を有し、供給管内に配置されたスクリューをモータで回転駆動することで、供給管から第2回転室16内に処理対象物Sを供給する構成(所謂、スクリューフィーダー)とすればよい。第2回転室16に供給された処理対象物Sは、筒形回転容器10を正回転させることで、第2螺旋ガイド18によって第1終端壁14側へと送給され、移送ダクト23の第2始端開口25から移送ダクト23に進入する。移送ダクト23に進入した処理対象物Sは、筒形回転容器10の正回転によって移送ダクト23内を第1終端開口24へと移動して第1回転室15に送給される。
図20及び図21に示すように、筒形回転容器10の筒内中心部の周りに並べられた複数のリフター20を第1始端壁12と第1終端壁14との中間に追加して備えた構成としてもよい。このリフター20は、第1回転室15における筒壁11の内側面から突出して筒内中心部に突き合わされた帯板状のリフター底壁20Aの両側に1対のリフター側壁20Bを対向配置してなり、リフター底壁20Aが筒壁11の内側面に近づくに従って正回転方向の後側に向かうように屈曲又は湾曲する共に、1対のリフター側壁20B,20Bがリフター底壁20Aから正回転方向の前方に突出した構造を有している。
処理対象物Sが液体である場合には、図21に示すように、接続管34とは別に処理物供給管38を設けて、その処理物供給管38から第1回転室15内に液体の処理対象物Sを供給するようにしてもよい。
図22(B)に示すように、接続管34の内部に旋回ガス流を発生させると共に、接続管34と第1始端壁12(センター孔12A)との間を、公知なエアロダイナミックレンズ53(図22(A)参照)によって接続した構成としてもよい。
エアロダイナミックレンズ53は、筒状のハウジングと、ハウジングの内部に設けられた複数のプレートとを有し、各プレートの中心開口に、ガスと処理対象物Sとしての粉粒体との混合流体(エアロゾル)を通過させることにより、混合流体中の粉粒体の粒子をビーム状に絞り込むことができる。エアロダイナミックレンズ53は、タングステン、モリブデン等の金属、黒鉛、高融点カーボン、石英ガラス等の無機材料で構成することが好ましい。
また、図23(A)に示すように、プラズマ発生装置42のプラズマトーチ42Aの内部に作動ガスを旋回流にして供給すると共に、プラズマトーチ42A自体を上記したエアロダイナミックレンズの構造としてもよい。
また、図23(B)に示すように、エアロダイナミックレンズ53に対して外側からエネルギーを付与するエネルギー源54を備えた構成としてもよい。エネルギー源54は、光(UV,EUV、赤外線等)を照射する光源(エキシマランプ、ハロゲンランプ等)、電子線を照射する電子源、熱を付与する熱源(誘導加熱装置)等の中から、必要な処理に応じて任意に選択すればよい。
図24に示すように、複数のリフター20で囲まれた領域に、リフター20から落下した処理対象物Sが通過する管状の処理部55を配置して、その処理部55の内側を通過する処理対象物Sに、熱、プラズマ、紫外線、赤外線、レーザー、その他エネルギーないし、処理ガスを付与して処理を行うようにしてもよい。また、処理対象物Sが通過する管状の処理部55の上部に、処理部55内を通過する処理対象物Sの流量を調整するための、上向きに拡径した円錐台形状筒(ロート)を設け、円錐台形状筒下部の口径を調整可能とし、処理対象物Sの物性に合わせ口径を変更して、処理を行ってもよい。
[第1参考例]
図25及び図26に基づいて本発明の第1参考例を説明する。以下の説明では、上記第1実施形態との相違点のみを説明し、同一部位については同一符号を付すことで重複した説明は省略する。また、以下の説明における処理対象物Sとは、粉粒体のことである。
図25に示すように、第1回転室15の内側には、第1螺旋ガイド17に加えて、第1サブ螺旋ガイド27が設けられている。第1サブ螺旋ガイド27は、第1螺旋ガイド17よりも内側で螺旋状に旋回したリボン形をなしており、例えば、第1始端壁12と第1終端壁14とによって両持ち支持されるか、第1螺旋ガイド17と立体交差した部分で第1螺旋ガイド17に溶接されている。第1サブ螺旋ガイド27は、第1螺旋ガイド17とは逆巻の螺旋になっていて、筒形回転容器10を正回転させると、第1回転室15内の処理対象物Sを第1始端壁12から第1終端壁14側へと推進させる。また、筒形回転容器10を逆回転させると、第1回転室15内の処理対象物Sを第1終端壁14から第1始端壁12側へと推進させる。つまり、図26(B)に示すように、筒形回転容器10を正回転させると、第1回転室15の下部に堆積した処理対象物Sの下層部分が、第1螺旋ガイド17によって第1始端壁12側へと推進されるのに対し、処理対象物Sの中層又は上層部分が、第1サブ螺旋ガイド27によって第1終端壁14側へと推進される。
図25に示すように、第1始端壁12に形成されたセンター孔12Aには、処理物供給管38が回転可能に接続されている。処理物供給管38から側方に張り出した固定フランジ45と第1始端壁12との間には摺動シール12Sが挟まれており、処理物供給管38とセンター孔12Aとの接続部分は気密状態にシールされている。
また、センター孔12Aには、処理物供給管38とは別に液体供給管60が挿通されている。液体供給管60は、第1サブ螺旋ガイド27の回転領域の内側に配置されており、その先端部に吹付ノズル61を備えている。なお、吹付ノズル61を備えた液体供給管60を複数備えていてもよい。
液体供給管60は、第1回転室15内でクランク状に屈曲しており、吹付ノズル61が、第1回転室15内の最下部より正回転方向の前側位置に向けて斜め下方に霧を噴射するように配置されている(図26(A)参照)。即ち、第1回転室15の下部に堆積している処理対象物Sの堆積層の表面に向けて霧又は液を吹き付けるように構成されている。
筒形回転容器10を正回転させると、第1回転室15の下部に堆積している処理対象物Sが筒壁11との摩擦によって正回転方向に引き上げられ、堆積層の頂部で重力が摩擦力を上回って堆積層の表面を流下する。その堆積層の表面に霧を噴射することで、霧の粒子を処理対象物Sの粒子表面に均一に付着させることができる。また、ヒーター33の熱によって、処理対象物Sを乾燥又は焼成することで、処理対象物Sの粒子表面のコーティング或いは調質を行うことができる。なお、吹付ノズル61からガスを吹き付けるようにしてもよい。
図27には、本参考例の変形例が示されている。図27に示す容器回転装置100は、センター孔12Aに挿通されて第1回転室15内で発熱する内部ヒーター62(例えば、遠赤外線セラミックスヒータ)を備えている。この容器回転装置100は、乾燥装置、焼成装置又は焙煎装置として利用することができる。また、内部ヒーター62を紫外線ランプに置き換えれば、紫外線滅菌装置や紫外線硬化処理装置として使用することができ、レーザー又は電子線の照射装置に置き換えれば、レーザー又は電子線照射処理装置として利用することができる。さらに、処理ガス噴射装置に置き換えれば、ガス噴霧滅菌装置として利用することができる。
[第2実施形態]
図28には、第1参考例の変形例である第2実施形態が示されている。図28に示す容器回転装置100では、筒形回転容器10のセンター孔12Aに、流下樋270が挿通されている。流下樋270は、第1回転室15の内側に配置された端部から外側に配置された端部に向かって下り傾斜した排出姿勢と、外側の端部が内側の端部より上方に位置した排出禁止姿勢(図示せず)との間で回動可能となっている。そして、リフター20から落下した処理対象物Sを、流下樋270の内側端部で受けるように構成されている。なお、流下樋270を排出姿勢と排出禁止姿勢との間で回動させる替わりに、流下樋270を排出姿勢としたまま、センター孔12Aに対して進退可能としてもよい。即ち、流下樋270の端部を第1回転室15の内側に配置してリフター20から落下した処理対象物Sを受けることが可能な排出位置と、流下樋270の全体を筒形回転容器10の外側に配置した排出禁止位置との間で往復動可能としてもよい。
この容器回転装置100は、粉粒体又は液体の処理対象物Sを撹拌混合して流下樋270から排出させる撹拌混合装置、粉粒体等の処理対象物Sを加熱溶融してその溶融状態の処理対象物Sを流下樋270から排出させる溶融装置、或いは、粉粒体等の処理対象物Sを溶媒に溶かしてその溶液を流下樋270から排出させる溶解装置、溶解反応装置として利用することができる。
[第3実施形態]
図29〜図31に基づいて本発明の第3実施形態を説明する。以下の説明では、上記第1及び第2実施形態並びに参考例との相違点のみを説明し、同一部位については同一符号を付すことで重複した説明は省略する。また、以下の説明における処理対象物Sとは、粉粒体のことである
図29に示すように、接続管34の内部には、1つ或いは複数のスプレーノズル46が挿通されている。スプレーノズル46は、第1回転室15の筒内中心部にバインダー液のミスト雰囲気を生成する。
第1始端壁12に設けられたリフター20の上面は、例えば、図16に示すように、下り勾配を有したメッシュ状のカバー26で覆われており、成長途中の比較的小さい粒子だけが、カバー26の網目を通過してリフター20にすくい上げられ、ミスト雰囲気に投入される。
図29に示すように、第2回転室16には、第1終端壁14から第2回転室16の終端口13に向かって拡径した円錐台形状のトロンメル65(本発明の請求項25に係る「センターコーン」に相当する)が設けられている。トロンメル65はメッシュ構造になっていて、そのメッシュの篩目より小さい粒子だけを通過させる構成となっている。トロンメル65の小径側端部は第1終端壁14に固定されていて、筒形回転容器10と一体回転する。また、トロンメル65の大径側端部は、筒形回転容器10の終端口13から突出しており、その大径側端部の開口は、篩目を通過しなかった処理対象物Sを第2回転室16外に排出するための排出大開口65Aになっている。ここで、トロンメル65の篩目を軸方向又は周方向に延びたスリット構造とすれば、メッシュ構造にした場合に起こり易い目詰まりを抑制したり、近球状の処理対象物Sを転動移動通過させることができ、分級性能をより向上させることができる。
第1終端壁14には、第1回転室15と第2回転室16との間を連絡した移送ダクト23に加えて、第1回転室15とトロンメル65の内部とを連絡したサブ移送ダクト67が備えられている。図30(A)に示すように、サブ移送ダクト67は、第1終端壁14における第2回転室16側の面に設けられている。図30(B)に示すように、サブ移送ダクト67は、第1終端壁14の中心部から径方向の外側へ向かい、途中で正回転方向X1の前側に屈曲して第1終端壁14の外縁部(筒壁11の内周面)に沿って円弧状に延びたサブ移送路67Rと、サブ移送路67Rのうち円弧状部分の先端に設けられ、第1終端壁14を貫通して第1回転室15内に開口した第1終端サブ開口68と、サブ移送路67Rのうち第1終端サブ開口68の反対側の端部に設けられて、トロンメル65の小径側端部に連通した第2始端サブ開口69とを備えている。
そして、図31(A)から同図(E)への変化に示すように、第1終端サブ開口68が、第1回転室15の下部に堆積した処理対象物Sの中を潜るときに、第1終端サブ開口68からサブ移送路67Rに進入した処理対象物Sは、筒形回転容器10の正回転に伴ってサブ移送路67R内を移動して、第2始端サブ開口69からトロンメル65内に送給される。
本実施形態の構成は以上である。次に本実施形態の動作を説明する。筒形回転容器10を正方向に回転させながら、スプレーノズル46からバインダー液のミストを噴出させると、リフター20によってすくい上げられた処理対象物Sがバインダー液のミスト雰囲気を通過して、処理対象物Sの粒子にバインダー液の微粒子が付着する。また、第1回転室15の下部に堆積している処理対象物Sは、第1螺旋ガイド17と第1サブ螺旋ガイド27によって撹拌される。これらにより、処理対象物Sの粒子同士が付着し合って徐々に成長する。ここで、リフター20は、所定の粒径まで成長していない粒子だけをすくい上げてミスト雰囲気に供給するようになっている。換言すれば、所定の粒径以上に成長した造粒物にバインダー液が掛からないようにすることで、造粒物の過剰な大径化を防止して粒径を揃えることができる。
筒形回転容器10の正回転中に移送ダクト23(移送路23R)を通って第1回転室15から第2回転室16に処理対象物Sが移動することはないが、サブ移送ダクト67(サブ移送路67R)を通って第1回転室15からトロンメル65に処理対象物Sが送給される。トロンメル65に送給された処理対象物Sは、トロンメル65内を小径側端部から大径側端部へと向かって転動する。このとき、所定の粒径に達していない粒子は、トロンメル65の篩目を通過して第2回転室16内に落下する。一方、所定の粒径以上に成長した粒子(造粒物)は、トロンメル65の篩目を通過することなく排出大開口65Aまで到達し、排出大開口65Aからこぼれ落ちて第2回転室16外に排出される。
トロンメル65の篩目を通過して第2回転室16内に落下した処理対象物Sは、第2回転室16の第2螺旋ガイド18によって第1終端壁14側に推進され、第2始端開口25から移送ダクト23内(移送路23R)に進入する。移送ダクト23に進入した処理対象物Sは、筒形回転容器10の正回転に伴って第1終端開口24へと向かい、第1回転室15に戻される。つまり、所定の粒径以上に成長した粒子だけが筒形回転容器10の外部に排出され、所定の粒径に達していない成長途中の粒子は、筒形回転容器10から排出されることなく第1回転室15に戻される。
このように、本実施形態によれば、処理対象物Sの造粒と、粒径による篩い分け(分級)とを同時進行で行うことができ、所定の粒径以上に成長した粒子を、随時、第1回転室15から排除することができるから、粒径の揃った造粒物を製造することができる。
図32及び図33には、本実施形態の変形例が示されている。図32に示す容器回転装置100は、第2終端壁32Aを貫通して延びた供給管36Pを有し、供給管36P内に挿通されたスクリュー36Sをモータ36Mで回転駆動することで、供給管36Pから第2回転室16内に処理対象物Sを供給するフィーダー36を備えている。筒形回転容器10を正回転させた状態で、フィーダー36から第2回転室16に処理対象物Sを供給すると、その処理対象物Sが第2螺旋ガイド18によって第1終端壁14側へと推進されて、第2始端開口25から移送ダクト23に進入する。移送ダクト23内に進入した処理対象物Sは、筒形回転容器10の正回転によって第1終端開口24へと向かって移動し、第1回転室15に供給される。このような構成とすれば、第1回転室15にて造粒を行いながら、その第1回転室15に原料である処理対象物Sを供給することができ、造粒物を連続製造することができる。
ここで、図33に示すように、第2回転室16に備えられた第2螺旋ガイド18の先端部を、移送ダクト23の第2始端開口25の一側部(第2ダクト構成壁23B)に接続すれば、筒形回転容器10を正回転させた場合に、第2螺旋ガイド18によって第2回転室16内の処理対象物Sを第2始端開口25に向けて推進させることができ、移送ダクト23を経由した第1回転室15への処理対象物Sの供給を、よりスムーズに行うことができる。
[第4実施形態]
図34に基づいて本発明の第4実施形態を説明する。以下の説明では、第1〜第3実施形態及び参考例との相違点のみを説明し、同一部位については同一符号を付すことで重複した説明は省略する。
筒形回転容器10の先端に接続された接続管34には、送風機組込型のバーナー49が接続されており、接続管34から分岐した処理物供給管35に、フィーダー36が接続されている。本実施形態の処理対象物Sは、例えば、樹脂の破砕チップであり、その破砕チップは、バーナー49の火炎によって加熱されて溶融し、直後に第1回転室15に貯留された冷却水W中に投入されて冷却固化される。冷却固化した樹脂の粒子は、筒形回転容器10の正回転によってトロンメル65へと送給される。そして、所定の粒径以上のものだけがトロンメル65の排出大開口65Aから第2回転室16外へと排出され、所定の粒径より小さいものは、第2回転室16の第2螺旋ガイド18と移送ダクト23とによって第1回転室15に戻される。本実施形態の容器回転処理装置10は、例えば、医療廃棄物や産業廃棄物の溶融処理装置として利用することができる。
ここで、冷却水供給管70は第2回転室16内に挿入されており、その冷却水供給管70から供給された冷却水Wを、第2回転室16の第2螺旋ガイド18と第1終端壁14との間で貯留することが可能となっている。そして、第2回転室16に供給された冷却水Wは、筒形回転容器10を正回転させることで第2螺旋ガイド18によって第1終端壁14側に送給され、第2始端開口25から移送ダクト23内(移送路23R)に進入する。移送ダクト23内(移送路23R)に進入した冷却水Wは、筒形回転容器10の正回転によって移送ダクト23内(移送路23R)を第1終端開口24へと移動して、第1回転室15に供給される。また、過剰に供給された冷却水Wは、第1終端壁14に形成された通気孔14Aからオーバーフローして第2回転室16に戻される。
ここで、第1回転室15内の冷却水Wは、蒸発したり、樹脂の粒子と共に筒形回転容器10の外部に持ち出されたりして減少する。そこで、図35(A)及び同図(B)に示すように、ボールタップ90等の定水位弁を冷却水供給管70の先端部に設けてもよい。ボールタップ90は、浮球91の位置が基準位置より下方に位置したときに開状態になって冷却水供給管70から冷却水Wが供給される一方、浮球91が基準位置以上に位置したときに閉状態になって冷却水供給管70からの冷却水Wの供給が停止する。ここで、浮球91が第2螺旋ガイド18と接触すると、ボールタップ90が正確に作動しなくなるので、第2螺旋ガイド18のうち、筒形回転容器10が回転した場合に浮球91の下方を通過する部分は、筒壁11の内周面からの張り出し量を小さくしておくことが好ましい(図36参照)。
具体的には、例えば、第2螺旋ガイド18を、筒形回転容器10の終端口13から第1終端壁14までの間で、筒形回転容器10の内周面を2巻以上旋回させると共に、浮球の下方を通過する部分の張り出し量を、少なくとも冷却水Wの供給が開始される下限水位よりも低くして、その低くなった部分に浮球91を配置する。これにより、冷却水Wを第2螺旋ガイド18と第1終端壁14との間で貯留すると共に、浮球91と第2螺旋ガイド18との干渉による水位の誤検出を防止することができる。
図37及び図38には本実施形態の変形例が示されている。図37に示す容器回転装置100は、予め、溶融状態にした樹脂、金属、その他の溶融物の液滴をセンター孔12Aに挿通されたフィーダー36から、第1回転室15の冷却水中に注ぐことで粒状物を生成し、その粒状物をトロンメル65によって分級することが可能な構成となっている。
また、図示しないが、樹脂、金属、その他の溶融物に替えて、ゲル化可能な溶液(高分子化合物の溶液)の液滴をフィーダー36から注出させるようにし、第1回転室15内に貯留された凝固液としてのゲル化剤中に、ゲル化可能な溶液の液滴を滴下することで、その溶液の液滴を凝固(ゲル化)させて、粒状物を生成するようにしてもよい。
また、図38に示す容器回転装置100は、第1回転室15で撹拌混合されている処理対象物Sの懸濁液に、送液管94から凝集剤、増粘剤、ゲル化剤、固化剤、架橋剤、バインダー等の液体を供給して液中造粒を行うと共に、造粒物をトロンメル65によって分級することが可能な構成となっている。
[第5実施形態]
図39〜図40に基づいて本発明の第5実施形態を説明する。以下の説明では、上記第1〜第4実施形態及び参考例との相違点のみを説明し、同一部位については同一符号を付すことで重複した説明は省略する。
図39(A)に示すように、筒形回転容器10の第1始端壁12におけるセンター孔12Aには、モータ220の回転シャフト221が挿通されており、その先端から側方に張り出した粉砕ブレード222(図39(B)及び同図(C)参照)が、複数のリフター20によって囲まれた中心領域で回転可能となっている。
筒形回転容器10の正回転によってリフター20にすくい上げられた処理対象物Sは、粉砕ブレード222に向かって落下し、その粉砕ブレード222によって粉砕される。
筒形回転容器10の第2回転室16内には、筒形回転容器10と一体に回転する分級機構部230が備えられている。図40(A)に示すように、分級機構部230は、アウターコーン231と、その内側に配置されたトロンメル232(本発明の「インナーコーン」に相当する)と、その内側に配置された中心筒部233とから構成されている。
詳細には、アウターコーン231は、第2回転室16の中心軸に沿って延びた円錐台形状をなして、その小径側端部が第1終端壁14に固定されて第1終端壁14と一体に回転すると共に、大径側端部の開口が処理対象物Sを第2回転室16外に排出するための排出大開口231Aになっている。
トロンメル232は、第2回転室16の中心軸に沿って延びた円錐台形状をなして、アウターコーン231と同軸に配置され、大径側端部が第1終端壁14に固定されて筒形回転容器10と一体に回転可能となっている。トロンメル232は両端部が開放しており、その大径側端部が、第1終端壁14に形成された通気孔14Aの開口縁に接続されて、トロンメル232の内部と第1回転室15とが連通している。通気孔14Aは、本発明の請求項26に係る「戻し孔」に相当する。
中心筒部233は、第2回転室16の中心軸に沿って延びた円筒状をなして、アウターコーン231及びトロンメル232と同軸に配置され、一端部がサブ移送ダクト67に連結されて第1終端壁14と一体に回転可能となっている。中心筒部233の内側には中心螺旋ガイド234が設けられている。中心螺旋ガイド234は、中心筒部233の内周面から張り出しており、筒形回転容器10を正回転させた場合に、中心筒部233内の処理対象物Sを第1終端壁14から離れる側(筒形回転容器10の終端口13側)へと送給するように旋回している。また、中心筒部233のうち第1終端壁14側の端部にサブ移送ダクト67が接続されて、第2始端サブ開口69によりサブ移送路67Rと中心筒部233の内部とが連通している。
アウターコーン231とトロンメル232及び、トロンメル232と中心筒部233は、それぞれ連結棒235にて連結されている。また、トロンメル232は中心筒部233よりも終端口13側に突出しており、アウターコーン231はトロンメル232よりも終端口13側に突出している。しかも、アウターコーン231は、筒形回転容器10の終端口13から突出している。
筒形回転容器10を正回転させると、フィーダー36から第2回転室16に供給された処理対象物Sが、第2螺旋ガイド18によって第1終端壁14側へと推進され、第2始端開口25から移送ダクト23内へと進入する。移送ダクト23内に進入した処理対象物Sは、筒形回転容器10の正回転によって移送ダクト23内を第1終端開口24へと向かって移動して、第1終端開口24から第1回転室15内に供給される。
処理対象物Sは、第1螺旋ガイド17と第1サブ螺旋ガイド27とによって第1回転室15内で撹拌される。また、第1回転室15の下部に堆積した処理対象物Sの中を、複数のリフター20が次々に通過して処理対象物Sを上方にすくい上げると共に、粉砕ブレード222の上方から落下させる。そして、高速回転している粉砕ブレード222によって処理対象物Sが粉砕される。
また、筒形回転容器10の正回転中に、第1回転室15の下部に堆積した処理対象物Sの中を、サブ移送ダクト67の第1終端サブ開口68が通過することで、一部の処理対象物Sがサブ移送ダクト67に進入する。この処理対象物Sは、筒形回転容器10の正回転に伴ってサブ移送ダクト67内を移動して中心筒部233内へと送給される。
図40(B)に示すように、中心筒部233内に送給された処理対象物Sは、中心螺旋ガイド234によって筒形回転容器10の終端口13側に送給され、中心筒部233からトロンメル232の小径側端部に落下する。
処理対象物Sは、トロンメル232の内側を第1終端壁14に向かって移動する過程で分級される。即ち、比較的細かく粉砕された処理対象物Sは、トロンメル232の篩目を通過してアウターコーン231内に落下する。一方、粉砕が不十分な処理対象物Sは、トロンメル232の篩目を通過することなく大径側端部に到達して、通気孔14Aから第1回転室15内に戻される。
トロンメル232の篩目を通過してアウターコーン231内に落下した比較的細かい処理対象物Sは、アウターコーン231内を排出大開口231Aに向かって移動して、第2回転室16外に排出される。つまり、処理対象物Sの粉砕を行いながら、同時に分級を行って、細かく粉砕された処理対象物Sだけを、筒形回転容器10から排出させることができる。
なお、粉砕処理を行いながら、ヒーター33によって処理対象物Sを加熱して、乾燥、焼成等を行ってもよい。
図41には、本実施形態の変形例が示されている。この容器回転装置100は、処理対象物Sの粉砕処理を第1回転室15に充填した粒状の粉砕メディア236(粉砕ボール)によって行うように構成されている。
第1回転室15のうち第1始端壁12寄り位置には、粉砕メディア236の通過を禁止するメッシュ板(図示せず)が配置されていて、粉砕メディア236によって所定の粒径以下まで粉砕された処理対象物Sのみがリフター20の回転領域に進入可能となっている。筒形回転容器10を正回転させることでリフター20にすくい上げられた処理対象物Sは、センター孔12Aに挿通された排出シュート237に落とされ、排出シュート237の下端部から排出される。
また、第1回転室15内で粉砕された処理対象物Sは、粉砕メディア236と共にサブ移送ダクト67及び中心筒部233を通ってトロンメル232の小径側端部に排出される。粉砕メディア236及び粉砕が不十分な処理対象物Sは、トロンメル232の篩目を通過することなく、トロンメル232の大径側端部から第1回転室15に戻される。一方、十分に細かく粉砕された処理対象物Sは、トロンメル232の篩目を通ってアウターコーン231内に落下し、その排出大開口231Aから第2回転室16外へと排出される。
なお、粉砕処理によって第1回転室15内に発生した浮遊粉塵を、筒形回転容器10のセンター孔12Aから第1回転室15に挿入した吸引管238によって、篩目分離することなく、浮遊微粒子物質として吸引回収してもよい。
本実施形態によれば、筒形回転容器10を正回転させることで、移送ダクト23を通じて第1回転室15に粉砕メディア236を供給することができ、筒形回転容器10を逆回転させることで、移送ダクト23を通じて第1回転室15から粉砕メディア236を排出させることができるから、粉砕メディア236の出し入れが容易になる。
[第6実施形態]
図42〜図44に基づいて本発明の第6実施形態を説明する。以下の説明では、上記第1〜第5実施形態及び参考例との相違点のみを説明し、同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。また、以下の説明における処理対象物Sとは粉粒体又は液体、気体のことである。
図42(A)及び同図(B)に示すように、本実施形態の容器回転装置100は、筒壁11の軸方向に延びた直線部を有し、その直線部が周方向全体に亘って分散配置された複数のガス通気路301と、筒壁11の内側面に開口し、各ガス通気路301に連通した複数のガス噴出口302と、回転不能に固定された固定リング312と、固定リング312に回転可能に連結されかつ筒形回転容器10と一体に回転する回転リング311とを有すると共に、それら固定リング312と回転リング311との間に、複数のガス通気路301の一端部が共通して連通した環状通気路313を有したロータリージョイント310と、固定リング312に接続され、環状通気路313にガスを送給するガス送給手段としてのガス供給管314とを備えている。
詳細には、図42(A)に示すように、筒壁11の外周面には、複数のガス配管300が互いに平行に配設されている。ガス配管300の内部はガス通気路301となっていて、筒壁11の内側面に開口したスリット状のガス噴出口302によってガス通気路301と第1回転室15内とが連通している(図44(A)及び同図(B)参照)。
筒形回転容器10における第1始端壁12には、ロータリージョイント310が設けられている。ロータリージョイント310は、第1始端壁12に固定されて筒形回転容器10と一体回転する回転リング311と、回転リング311に回転可能に連結された固定リング312とを備え、それら回転リング311と固定リング312との間に環状通気路313が形成されている。
詳細には、回転リング311と固定リング312は、摺動シール315を挟んだ状態で筒形回転容器10の軸方向で合体している。図43(A)に示すように、回転リング311の外縁部寄り位置には、固定リング312との合体面に開放した環状溝311Aが形成され、その環状溝311Aの外周壁には、ガス通気路301の一端開口が形成されている(図43(B)参照)。また、図43(B)に示すように、固定リング312には、1対のガス供給管314が突出して設けられており、そのガス供給管314に接続された図示しないガス供給源から、環状通気路313にエアーが供給される。
ここで、図43(B)に示すように、固定リング312のうち、回転リング311との合体面からは狭窄突壁312Aが突出しており、その狭窄突壁312Aが環状溝311Aの内周壁に宛がわれている。これにより、環状通気路313のうち上側の約半周分の流路断面積が、下側の約半周分の流路断面積よりも小さくなっている。また、固定リング312のうち、回転リング311との合体面の下端部から分断壁312Bが突出しており、その分断壁312Bが環状溝311Aの内側に嵌合している。これにより、環状通気路313は、1対のガス供給管314,314との連通部分の中間位置で分断されている。
ガス供給管314から供給されたエアーは、環状通気路313を経由して複数のガス通気路301へと流入し、ガス噴出口302から第1回転室15内に噴出し、第1回転室15の下部に貯まっている処理対象物Sをエアーレーションすることができる。ここで、環状通気路313のうち、上側の半周分の流路断面積は、下側の半周分の流路断面積より狭くなっているから、第1回転室15のうち、処理対象物Sが貯まっていない部分よりも、貯まっている部分で比較的多くのエアーを噴出させることができる。
また、筒形回転容器10を正回転させた場合、処理対象物Sが筒壁11との摩擦によって正回転方向に偏るから、2つのガス供給管314のうち、分断壁312Bよりも正回転方向の前側に位置するガス供給管314からエアーを供給することで、処理対象物Sにより多くのエアーを供給することができる。
同様に、筒形回転容器10を逆回転させた場合、処理対象物Sが筒壁11との摩擦によって逆回転方向に偏るから、2つのガス供給管314のうち、分断壁312Bよりも逆回転方向の前側に位置するガス供給管314からエアーを供給することで、処理対象物Sにより多くのエアーを供給することができる。
本実施形態の容器回転装置100によれば、処理対象物Sが粉粒体の場合に、エアーレーションによって処理対象物Sの流動性を向上させることができる。また、熱風でエアーレーションを行えば、処理対象物Sの乾燥を行うことができる。また、処理対象物Sが液体の場合に、効率よくエアーを溶け込ませることができる。さらに、エアーの替わりに、例えば、酸化性ガス、還元性ガス、その他反応性ガスを供給すれば、それらガスによる化学的処理を行うことができる。
[第7実施形態]
図45に基づいて本発明の第7実施形態を説明する。以下の説明では、上記第1〜第6実施形態及び参考例との相違点のみを説明し、同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
第1始端壁12におけるセンター孔12Aの開口縁には、プラズマトーチ42Aが一体回転可能に接続されており、プラズマ雰囲気が、センター孔12Aを通して第1回転室15の筒内中心部に生成されるようになっている。プラズマトーチ42Aと第1始端壁12との接続部分はシール部材43Sによって真空シールされている。なお、プラズマ雰囲気以外の処理雰囲気(例えば、光エネルギー、過熱水蒸気、ミスト、火炎、イオン、ガス、塗料等の処理雰囲気)を発生させてもよい。
筒形回転容器10のうち、第1始端壁12とは反対側の終端部には、第1終端壁14との間で第2回転室16を形成した第2終端壁330が設けられ、その第2終端壁330の中心にサブセンター孔331が貫通形成されている。また、第2回転室16内には、その中心軸に沿って延びた円錐台形状のセンター筒部332が配置され、その小径端部が第1終端壁14における通気孔14Aの周縁部に固定されて一体に回転可能となっている。また、センター筒部332は、サブセンター孔331を貫通して第2回転室16の外側に突出している。ここで、センター筒部332とサブセンター孔331との嵌合部分は気密状態にシールされている。
センター筒部332のうち、第2回転室16内に配置された部分の筒壁はメッシュ構造になっていて、処理対象物Sを粒径によって篩い分ける「回転篩(トロンメル)」となっている。
センター筒部332の大径側端部は、固定蓋32内に収納された回収品ホッパ333に接続されている。回収品ホッパ333の側壁には、嵌合孔334(本発明の「嵌合部」に相当する)が貫通形成されており、その嵌合孔334の内側にセンター筒部332の大径側端部が嵌合している。嵌合孔334とセンター筒部332との嵌合部分は、サブ摺動シール334Sによって気密状態にシールされている。また、回収品ホッパ333のシュート335にはバルブ37が備えられている。
第2終端壁330のうち、サブセンター孔331の上方位置には、処理対象物供給口337が設けられている。処理対象物供給口337には、フィーダー36(スクリューフィーダー)の供給管36Pが挿通可能となっており、そのフィーダー36から第2回転室16に、処理対象物Sを供給することができる。なお、フィーダー36の供給管36Pは、処理対象物供給口337に対して進退させることが可能となっており、処理対象物供給口337は開閉蓋338によって閉塞することが可能となっている。
回収品ホッパ333には真空ポンプ336が接続されている。即ち、回収品ホッパ333のバルブ37を閉じかつ処理対象物供給口337を開閉蓋338で閉じた状態で真空ポンプ336を作動させると、筒形回転容器10内の空気が回収品ホッパ333を介して真空ポンプ336に吸引されて、筒形回転容器10内が真空状態になる。その真空状態で第1回転室15内の処理対象物Sを流動させながら、プラズマによる処理を行うことができる。なお、回収品ホッパ333及び真空ポンプ336が、本発明の「吸引手段」に相当する。
[第2参考例]
図46に基づいて本発明の第2参考例を説明する。同図(A)に示すように、本参考例の筒形回転容器10の第1回転室15内には、樹脂製又は金属製の規則充填物(例えば、メッシュデミスター)又は不規則充填物(以下、纏めて「充填部材80」という)が充填されている。以下の説明では、上記第1〜第7実施形態及び参考例との相違点のみを説明し、同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
図46(A)に示すように、リフター20は、第1始端壁12及び第1終端壁14に固定されると共に、それら第1始端壁12と第1終端壁14の中間部で筒壁11にも固定されている。同図(B)に示すように、リフター20の先端部はリフター先端壁20Cによって閉塞されており、リフター20の上面全体が開放している。また、リフター側壁20Bの先端部には流出孔20B1が貫通形成されている。なお、図46(B)に示されているリフター20は、第1始端壁12と第1終端壁14との中間部に配置されたリフター20の1つである。
液状(液体又はスラリー)の処理対象物Sは、接続管34を介して第1回転室15に直接供給される。筒形回転容器10を正回転させると、第1回転室15の下部に溜まった液体又はスラリー状の処理対象物Sがリフター20によって汲み上げられて、リフター20の先端部でリフター側壁20B,20Bを貫通した流出孔20B1,20B1(図46(B)参照)から流出する。処理対象物Sは、充填部材80内に形成された空隙を流下して、再び第1回転室15の下部に溜まる。
ここで、接続管34に送風機81を接続すると共に、固定蓋32の排気口32Bに排風機82を接続して、第1回転室15内をガス(空気、除湿空気又は処理ガス)が通過するようにしてもよい。これにより、液状の処理対象物Sから水分を蒸発させて濃縮を行うことができる。なお、送風機81の替わりに、加圧ガスを供給する加圧給気装置(例えば、圧縮ガスボンベ)を接続してもよい。また、送風機81を設けずに、筒形回転容器10内のガスを排気口32Bから吸引することで、接続管34から第1位回転室15内にガス(空気)を取り込むようにしてもよい。
また、本参考例の容器回転装置100は、充填部材80に細胞、細菌、微生物等の生物触媒を定着させることでバイオリアクター(排水処理装置、放射能除染装置)として利用することができる。また、クロレラ等の緑藻類、細菌、微生物の繁殖装置や、発酵・熟成装置として利用することができる。また、溶媒と処理ガスとを接触させて化学反応を行わせる反応装置として利用することができる。
[第3参考例]
図47及び図48に基づいて本発明の第3参考例を説明する。なお、上記第1〜第7実施形態及び参考例と同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
筒形回転容器10の第1始端壁12には、複数のリフター85が一体に設けられている。リフター85は、第1始端壁12の内面と筒壁11の内周面とに固定されており(図47(B)参照)、筒形回転容器10と一体回転する。リフター85のうち、筒壁11と対向したリフター底壁85A及び、第1始端壁12と対向したリフター側壁85Bは、共に閉塞されており、正回転方向X1の前方を向いた前面開口85Cのみが開放している。第1回転室15には、ロータリージョイント86を介してセンター孔12Aに接続された液体供給管60から処理液が連続的に供給されており、その処理液は、リフター85の前面開口85Cから取り込まれて排出されるようになっている。図47(A)に示すように、第1回転室15内には、粒状の処理対象物Sがほぼ満タンに近い状態まで収容されており、リフター85によってすくい上げられた処理液は、処理対象物Sの粒子間に形成された空隙を通って流下する。リフター85の前面開口85Cは網状部材87によって塞がれており、その網状部材87の目開きは処理対象物Sの粒径よりも小さくなっている。従って、リフター85内に処理対象物Sが進入することはない。
図48に示すように、筒形回転容器10の第2回転室16には、筒形回転容器10の中心軸に対して同心円状に配置されたアウターコーン231,トロンメル232,中心筒部233が備えられている。
筒形回転容器10を正回転させると、第1回転室15内の処理対象物Sは、処理液と共にサブ移送ダクト67及び中心筒部233を通ってトロンメル232の小径側端部に排出される。処理対象物Sは、トロンメル232の篩目を通過せずにトロンメル232の大径側端部に向かって移動し、トロンメル232及びアウターコーン231を貫通した側部開口231Bから下方に排出される。また、処理対象物Sは、第2螺旋ガイド18の案内によって第2回転室16の底部を第1終端壁14側へ移動し、移送ダクト23を通って第1回転室15に戻される。一方、中心筒部233から排出された処理液は、トロンメル232の篩目を通過してアウターコーン231内に流下し、その排出大開口231Aから第2回転室16の外部へと排出される。つまり、トロンメル232によって処理対象物Sと処理液とを分離して、使用済みの処理液は筒形回転容器10外へ排出し、処理対象物Sは第1回転室15に戻すことができる。
筒形回転容器10を逆回転させると、処理対象物Sが移送ダクト23を通って第1回転室15から第2回転室16に移動して、第2螺旋ガイド18の作用によって第2回転室16の終端口13から排出される。なお、固定蓋32の内部には仕切壁32Dが設けられていて、アウターコーン231の排出大開口231Aから排出された処理液と、第2回転室16の終端口13から排出された処理対象物Sとを、固定蓋32に備えた別々の排出口32C,32Cから排出することが可能となっている。
[第4参考例]
図49及び図50に基づいて本発明の第4参考例を説明する。本参考例の容器回転装置100は、筒形回転容器10の内面に付着した付着物(例えば、処理対象物S)を衝撃によって払い落とすための払い落とし機構を備えている。以下の説明では、払い落とし機構に関する説明のみを行うこととし、上記第1〜第7実施形態及び参考例と同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
図49(A)に示すように、筒形回転容器10のうち第1回転室15の内側には直管形のガイドパイプ401が設けられている。ガイドパイプ401は、第1回転室15を直径方向に横切るように配置されており、その両端部が筒壁11の内面に突き当てられている。筒壁11のうちガイドパイプ401の両端部が突き当たった部分は、それぞれ磁気吸着部402,402となっている。
ガイドパイプ401内には、打撃子410が直動可能に収容されている。図49(B)に示すように、打撃子410は、柱状をなしており、軸方向の両端部に金属製の打撃板411を備えると共に、その打撃板411から軸方向に押圧ピン412が突出している。押圧ピン412に対応して、磁気吸着部402にはピン挿通孔403が貫通形成されており、そのピン挿通孔403を押圧ピン412が貫通可能となっている。また、磁気吸着部402には磁石404が固定されており、その磁石404と打撃板411とが磁力によって吸着可能となっている。
筒形回転容器10の上方には、押圧レバー420が配設されている。押圧レバー420は、駆動源422によって略水平な支軸421を中心にして回動し、丸みを帯びた先端部が筒壁11の外周面に対して接離する。
押圧レバー420の先端部が筒壁11から離れた位置に配置された状態で筒形回転容器11が回転した場合に、打撃子410の押圧ピン412と押圧レバー420とが接触することはなく、打撃子410は一方の磁気吸着部402に吸着された状態で筒形回転容器10と一体回転する。処理対象物Sの処理中はこの状態にしておく。
これに対し、押圧レバー420の先端部が筒壁11の外周面に近接配置された状態で筒形回転容器11が回転した場合には、以下のようになる。即ち、打撃子410は、一方の磁気吸着部402に吸着したまま、押圧レバー420が待ち構える上端位置に向かって移動する。そして、打撃子410が押圧レバー420の下方を通過するときに、筒壁11の外周面から突出した押圧ピン412が押圧レバー420の先端部と接触して、打撃子410がガイドパイプ401の内側に押し込まれる。すると、磁石404と打撃板411との吸着が解除されて、打撃子410がガイドパイプ401の中を自重で落下し、略鉛直下方に配置されたもう一方の磁気吸着部402に衝突する。このときの衝撃で、筒壁11の内面に付着している付着物が払い落とされる。
磁気吸着部402と衝突した打撃子410は、その磁気吸着部402と吸着したまま、押圧レバー420が待ち構える上端位置まで移動する。そして、打撃子410が押圧レバー420の下方を通過するときに、再び押圧ピン412が押圧レバー420と接触して押し込まれ、打撃子410がガイドパイプ401の中を自重で落下して、鉛直下方に配置された磁気吸着部402に衝突する。つまり、筒形回転容器10が半回転する毎に、打撃子410がガイドパイプ401内を鉛直下方に落下して磁気吸着部402に衝突し、筒壁11に付着した付着物を払い落とす。本参考例によれば、ガイドパイプ401が鉛直になるまで打撃子410をガイドパイプ401の一端に保持し、ガイドパイプ401の一端が上端位置になったときに、打撃子410を落下させるので、筒壁11に対して比較的大きい衝撃を与えることができ、付着物を効果的に払い落とすことができる。
本参考例の変形例として、例えば、図50に示すように、ガイドパイプ401を、筒形回転容器10の筒壁11と、第1螺旋ガイド17又は第1サブ螺旋ガイド27の内縁部との間に設け、筒形回転容器10が1回転する毎に、打撃子410がガイドパイプ401の中を筒壁11から第1螺旋ガイド17又は第1サブ螺旋ガイド27に向かって落下して、第1螺旋ガイド17又は第1サブ螺旋ガイド27に衝撃を与えるような構成としてもよい。
また、図示しないが、1対のガイドパイプ401,401を十字形に交差させて各ガイドパイプ401,401内に打撃子410,410を収容し、筒形回転容器10が1/4回転する毎に、打撃子410がガイドパイプ401内を落下して筒壁11に衝撃を与えるような構成としてもよい。
また、上記参考例では、磁気吸着部402によって吸着保持された打撃子410を押圧レバー420で押圧して打撃子410をガイドパイプ401内で鉛直落下させるように構成されていたが、磁気吸着部402を設けずにガイドパイプ401内を打撃子410が自由に往復動可能な構成としてもよい。こうすると、ガイドパイプ401が鉛直になる前の斜めの状態で、そのガイドパイプ401内を打撃子410が斜めに落下して筒壁11に衝撃を与える。また、この場合、打撃子410は柱状である必要はなく、例えば、球状でもよい。
[第5参考例]
図51〜図57に基づいて本発明の第5参考例を説明する。本参考例の容器回転装置100は、筒形回転容器10の内面に付着した付着物(例えば、処理対象物S)を衝撃によって払い落とすための払い落とし機構400を備えている。以下の説明では、払い落とし機構400に関する説明のみを行うこととし、上記第1〜第7実施形態及び参考例と同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
図51(A)に示すように、払い落とし機構400は、筒形回転容器10の筒壁11の内周面から突出した杭状の被打撃部430と、その被打撃部430を筒形回転容器10の回転(例えば、逆回転)に伴って打撃することが可能なハンマー431とを備えている。
ハンマー431は、筒壁11の内周面から第1回転室15内に起立した支持ベース432に取り付けられている。図51(B)に示すように、支持ベース432は、筒壁11に対して直角な板状をなしており、その一方の側面から突出した回動軸433にハンマー431が回動自在に軸支されている。ハンマー431は、回動軸433に軸支された腕部431Aの先端に打撃子431Bを備えている。図51(C)に示すように、腕部431Aの基端部の両側面からは台形状をなした1対の突片431C,431Cが張り出している。また、支持ベース432のうち回動軸433が突出した側面からはストッパピン434が突出している。ストッパピン434は、回動軸433よりも支持ベース432の先端側に配置されて回動軸433と平行になっている。なお、支持ベース432の基端部には抜け孔435が貫通形成されており、その抜け孔435を第1螺旋ガイド17が通過している(図51(B)参照)。
図51(A)に示すように、払い落とし機構400が第1回転室15の下端部に位置しているとき、ハンマー431は、打撃子431Bを逆回転方向X2の後側から被打撃部430に当接させた状態となっている。この位置から筒形回転容器10を逆回転方向X2に回転させると、最初は、打撃子431Bが被打撃部430から徐々に離れていく(図52(A)参照)。払い落とし機構400が第1回転室15の斜め上側位置(図52(A)及び同図(B)における概ね10時の位置)になると、一方の突片431Cがストッパピン434と当接してハンマー431の回動が禁止され、打撃子431Bと被打撃部430とが最も離れた状態になる。筒形回転容器10がさらに回転して、払い落とし機構400が斜め下側位置(図52(A)及び同図(B)における概ね4時の位置)になったときに、ハンマー431が倒立した状態から一気に振り下ろされて、打撃子431Bが筒形回転容器10の回転方向(逆回転方向X2)の後側から被打撃部430に衝突する。即ち、筒形回転容器10が1回転する毎に、ハンマー431が被打撃部430を1回打撃する。この衝撃で、筒形回転容器10の筒壁11に付着した付着物を払い落とすことができる。なお、本参考例の筒形回転容器10に備えられている払い落とし機構400は1つだけであるが、払い落とし機構400を筒壁11の周方向にずらして複数備えていてもよい。
図53(A)に示すように、筒形回転容器10を正回転方向X1に回転させた場合は、払い落とし機構400が上端位置に達する辺りでハンマー431が筒形回転容器10の回転方向の前方に一気に回動して突片431Cとストッパピン434とが当接し、打撃子431Bと被打撃部430とが最も離れた状態になる。さらに筒形回転容器10が回転すると、ハンマー431(打撃子431B)と被打撃部430とが徐々に接近し、払い落とし機構400が下端位置に到達する直前にハンマー431と被打撃部430とが当接する。即ち、逆回転方向X2に回転させた場合のように、被打撃部430に向かってハンマー431を一気に振り下ろすような打撃は起きない。
本参考例の変形例として、例えば、図53(B)に示すように、払い落とし機構400を筒形回転容器10の筒壁11の外面に設けるか又は、筒壁11の内面に設けて、ハンマー431の回動範囲が筒壁11によって規制される構成にしてもよい。即ち、筒壁11の外面又は内面を直接ハンマー431によって叩く構成としてもよい。ここで、図53(B)には、ハンマー431の動作説明のために、払い落とし機構400が複数描かれているが、実際の払い落とし機構400は1つである。但し、払い落とし機構400を筒壁11の周方向にずらして複数備えていてもよい。
また、図54に示すように、ハンマー431の基端部に形成された回転軸孔431Dを、腕部431Aの長手方向に延びた長孔形状にしておき、図55に示すように、筒形回転容器10の回転に伴い、ハンマー431が回動軸433回りの回転と、腕部431Aの長手方向への移動とを行うような構成としてもよい。
また、筒壁11の内周面から杭状に突出した被打撃部430ではなく、図56(A)に示すように、第1螺旋ガイド17(又は第1サブ螺旋ガイド27)をハンマー431によって打撃する構成としてもよい。
また、図56(B)に示すように、移送ダクト23、第1終端壁14、リフター20等から中心軸J1と平行に軸状の被打撃部430を突出させて、それら被打撃部430を、移送ダクト23、第1終端壁14、リフター20等に回転可能に軸支された上記ハンマー(図示せず)によって打撃する構成にしてもよい。
また、図57(A)に示すように、筒形回転容器10における第1回転室15の中心部に、例えば、第1始端壁12又は第1終端壁14から突出した軸体440が備えられている場合に、その軸体440をハンマー431によって打撃するようにしてもよい。また、上記第1実施形態等に適用されている椀形反射部材19、上記第3実施形態等に適用されているトロンメル65、上記第4実施形態等に適用されているアウターコーン231を、ハンマー431によって打撃するようにしてもよい。
[第6参考例]
図58〜図63に基づいて本発明の第6参考例を説明する。本参考例の容器回転装置100は、固定蓋32の排気口32Bから排気された排気ガスに含まれる粒子状物質(処理対象物Sとしての粉粒体の粒子や、処理過程で発生した粉塵、煤塵、その他粒子)を回収するための粒子回収装置500を備えている。以下の説明では、粒子回収装置500に関する説明のみを行うこととし、上記第1〜第7実施形態及び参考例と同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
粒子回収装置500は、図59(A)に示す遠心力集塵機501と、図62(A)に示す濾過集塵機502とから構成されている。濾過集塵機502は、1対のフィルターユニット540,540を備え、遠心力集塵機501の排気筒517と1対のフィルターユニット540,540との間が切替バルブ570(図58(A)参照)を介して接続されている。
まずは、図58〜図61に基づいて遠心力集塵機501の説明を行う。図59(A)に示すように、遠心力集塵機501は、漏斗形状をなしたサイクロン容器510の下端寄り部分から筒状の排出シュート520が垂下した構造をなしている。サイクロン容器510の排出口511(以下、「サイクロン排出口511」という)は第1弁体513によって開閉可能とされ、排出シュート520の排出口521(以下、「シュート排出口521」という)は第2弁体523によって開閉可能とされている。第1弁体513及び第2弁体523は、共に下面開放の半球ドーム状をなしている。
第1弁体513は、サイクロン排出口511の上方から宙吊りにされている。詳細には、サイクロン容器510の筒壁を吊り腕514が水平方向に貫通しており、その吊り腕514の先端から下方に垂らされたワイヤー515の下端部に第1弁体513の頂部が連結されている。ワイヤー515の長さは、弛みを無くした状態で第1弁体513とサイクロン排出口511の開口縁との間に若干の隙間が形成されるように、予め調整ねじ516によって調整されている。即ち、通常時は、サイクロン容器510内で遠心分離された粒子状物質がサイクロン排出口511を通って排出シュート520内に流入するようになっている(図59(A)参照)。
第2弁体523も、第1弁体513と同様に、シュート排出口521の上方から宙吊りにされている。詳細には、図59(B)に示すように、排出シュート520の筒壁を回転シャフト526が水平方向に貫通しており、その回転シャフト526のうち排出シュート520内に配置された先端部にリール524が固定されている。そのリール524から垂らされたワイヤー525の下端部に第2弁体523の頂部が連結されている。回転シャフト526の基端部には、バランスウェイト527が一体に設けられており、そのバランスウェイト527の付勢力(バランスウェイト527にかかる重力)によって、常には、シュート排出口521が第2弁体523によって閉塞されている(図59(A)参照)。なお、バランスウェイト527は、ウェイトシャフト527Aの軸方向でウェイト527Bの位置を調節することが可能であり、付勢力(シュート排出口521の開閉し易さ)を任意に調節することが可能となっている(図59(C)参照)。
遠心力集塵機501の作用を説明する。容器回転装置100の排気口32Bから排気された排気ガスは、サイクロン容器510の内周面に沿って旋回しながら下方に向かい、その過程で、排気ガスに含まれる粒子状物質が遠心分離される。排気ガスは、サイクロン容器510の中心部で上昇気流となり、サイクロン容器510の排気筒517から後述する濾過集塵機502へと排出される。
一方、排気ガスから遠心分離された粒子状物質は、サイクロン容器510の斜面を流下し、サイクロン排出口511の開口縁と第1弁体513との間に形成された隙間を通って排出シュート520内に流入する。シュート排出口521は第2弁体523によって閉塞されているから、粒子状物質は排出シュート520内に堆積する。
排出シュート520内に堆積した粒子状物質の重さがバランスウェイト527の付勢力に勝ると、第2弁体523が下方に押し下げられてシュート排出口521が開放し、図60(A)に示すように排出シュート520内の粒子状物質が排出される。また、バランスウェイト527は、排出シュート520の筒壁から突出したストッパ528と当接して倒立姿勢で停止し、シュート排出口521の開口縁と第2弁体523との間の隙間は一定に保たれる。なお、遠心力集塵機501で回収された粒子状物質が、処理対象物Sである場合には、シュート排出口521から排出された粒子状物質を、容器回転装置100(筒形回転容器10)に供給するようにしてもよい(図58(B)参照)。より具体的には、例えば、図1に示すフィーダー36を介して供給してもよいし、遠心力集塵機501から直接供給してもよい。
図60(C)に示すように、排出シュート520内の粒子状物質の残量が少なくなって、シュート排出口521を通過する粒子状物質の量が少なくなると、シュート排出口521の開口縁と第2弁体523との間の空隙から排出シュート520内に空気が逆流する。すると、図60(E)に示すように、シュート排出口521から逆流した空気によって第1弁体513が押し上げられて、サイクロン排出口511が閉塞される。これにより、逆流した空気によってサイクロン容器510内で粒子状物質が舞上がるという事態を回避することができる。
また、弁体513が押し上げられてサイクロン排出口511が閉塞されたことで、排出シュート520内に粒子状物質が流入しなくなり、排出シュート520内の粒子状物質が全量排出されるか極少量になると、図60(D)に示すように、バランスウェイト527が一気に横向きに倒れる。すると、ワイヤー525がリール524に巻き取られ、第2弁体523が引き上げられてシュート排出口521が閉塞される。シュート排出口521が閉塞されると、第1弁体513を押し上げる空気が流れ込まなくなるので、第1弁体513は自重で降下してサイクロン排出口511が開放される。これにより、サイクロン容器510内で遠心分離された粒子状物質が、再び排出シュート520内に堆積し始める。
このように、遠心力集塵機501は、電気的な駆動源を使用せずに第1弁体513及び第2弁体523を間欠的に開閉し、毎回ほぼ一定量の粒子状物質を自動的に排出する。
ここで、本参考例では、第1弁体513をワイヤー515で吊り下げていたが、例えば、図61(A)に示すように、排出シュート520内に固定された支持ベース530からサイクロン排出口511に向かって垂直に立ち上がった支持ピン531と、第1弁体513の内面の頂部から垂下した下端開放のピン受容筒532とを設け、ピン受容筒532の下端から支持ピン531が挿入されて、支持ピン531の先端がピン受容筒532の奥部に設けられた軸受533に突き当てられた構成としてもよい。この構成では、シュート排出口521から逆流した空気によって第1弁体513が支持ピン531から浮き上がってサイクロン排出口511を閉塞する。ここで、支持ピン531は支持ベース530に対して螺合されており、支持ベース530からの突出高さを任意に調節することが可能となっている。これにより、サイクロン排出口511の開口縁と第1弁体513との間に形成される隙間の大きさを任意に調整することができる。
また、上記した第1弁体513は下面開放の半球ドーム状であったが、図61(B)に示す第1弁体535のように平板状をなしていてもよい。詳細には、第1弁体535は、排出シュート520の側壁を貫通した水平な回転軸537に軸支されており、排出シュート520内で上下に回動可能となっている。通常、第1弁体535は、自重によって下端位置(二点鎖線で示した位置)に配置されていて、サイクロン排出口511が開放されており、シュート排出口(図示せず)から空気が逆流すると、その空気に押されて上方に回動し、サイクロン排出口511を閉塞する。第1弁体535にはバランスウェイト536が一体に備えられており、第1弁体535の回動し易さ(サイクロン排出口511の開閉し易さ)は、ウェイトシャフト536Aの軸方向でウェイト536Bの位置を調節することで任意に設定することができる。以上が、遠心力集塵機501の説明である。
次に、図62及び図63に基づいて濾過集塵機502の説明を行う。図62(A)に示すように、濾過集塵機502は、1対のフィルターユニット540,540を備えており、それら各フィルターユニット540は、共通の貯留兼排出機560の上面に固定されている。
図62(B)に示すように、フィルターユニット540は、上下方向に延びた円筒ケース541の内側に円筒状のフィルター553(バグフィルター)を備えている。円筒ケース541の側面には遠心力集塵機501から排出された排気ガスを取り込むための給気口542が設けられている。また、円筒ケース541の上端部には、吸引ファン554(図58(A)参照)に接続されかつ、その吸引力によってフィルター553を通過した排気ガスを排気するための排気口543と、フィルター553に付着した粒子状物質を払い落とすための逆洗手段とが備えられている。逆洗手段は、フィルター553の内側に圧縮エアを供給するためのエアタンク544及び電磁弁545とを有している。
円筒ケース541の下端寄り位置には漏斗部546が設けられており、その漏斗部546の下端開口546Aが開閉弁547によって開閉可能となっている。開閉弁547は、半球状をなしており、ワイヤー548によって円筒ケース541の中心部に吊り下げられている。ワイヤー548の上端部には、開閉弁547を上下動させる(下端開口546Aに対して接離させる)ための弁駆動部が設けられている。弁駆動部は、ワイヤー548の上端部に接続されて上下方向に伸縮可能な蛇腹筒部549と、蛇腹筒部549を円筒ケース541の中心軸上で収容保持した蛇腹収容器550と、蛇腹筒部549に対して給排気を行うための給排気口551とを備えている。給排気口551から蛇腹筒部549に空気が供給されると、蛇腹筒部549が伸長して開閉弁547が降下し、漏斗部546の下端開口546Aが開放する。これに対し、給排気口551から空気が排気されると、蛇腹筒部549は収縮して開閉弁547が引き上げられ、漏斗部546の下端開口546Aが閉塞される。
貯留兼排出機560は、粒子貯留容器561の内側にスクレイパー564を回転可能に備えてなる。粒子貯留容器561は、上下方向に扁平な円筒状をなしており、その上面を覆った蓋体566には、各フィルターユニット540の円筒ケース541と粒子貯留容器561とを連通する連通口(図示せず)が貫通形成されている。粒子貯留容器561の底壁562の中心からずれた位置には、排出孔563が貫通形成されている(図63参照)。スクレイパー564は、底壁562の下面中央に固定されたモータ565(図62(B)参照)によって回転駆動され、底壁562の上面と摺接しながら旋回する。図63に示すように、スクレイパー564は、回転方向の後側に屈曲した平面視「く」の字形をなしており、その「く」の字の屈曲部分が排出孔563の上を通過する。そして、スクレイパー564は、底壁562の上面に落ちた粒子状物質を掻き取って「く」の字の屈曲部分に集め、排出孔563から落下させる。スクレイパー564によって粒子貯留容器561から排出された粒子状物質は、回収容器567(図58(A)参照)に集められる。ここで排出孔563は、粒子状物質を受ける機構に応じて底壁562の任意の位置に設ければよく、スクレイパー564における「く」の字の屈曲部分は、その排出孔563の位置に応じて粒子貯留容器561の半径方向の任意の位置に設ければよい。ここで、排出孔563には図示しない常時開の弁が上段に、常時閉の弁が下段に設けられていて、弁と弁の間はダクトで接続され、外部制御による自動開閉の2段の弁により、濾過集塵機502の気密が保たれている。以上が、濾過集塵機502の説明である。
ところで、本参考例の説明の冒頭でも述べたように、遠心力集塵機501と1対のフィルターユニット540,540との間には切替バルブ570が備えられており、その切替バルブ570によって1対のフィルターユニット540,540のうちの何れか一方と遠心力集塵機501との間を連通させ、他方と遠心力集塵機501との間を遮断することが可能となっている。このような構成にすることで、以下のような効果を奏する。即ち、フィルターユニット540は、濾過性能を維持するために定期的に圧縮エアによる逆洗を行ってフィルター553に付着した粒子状物質を払い落とす必要があるが、フィルターユニット540を1つしか備えていない場合には、逆洗を行っている間、そのフィルターユニット540による集塵が中断されるので、筒形回転容器10による処理も中断する必要がある。また、逆洗を行っている間、フィルターユニット540と遠心力集塵機501とが連通していると、遠心力集塵機501に圧縮エアが流入して悪影響を与える可能性がある。これに対し、本参考例によれば、2つのフィルターユニット540と切替バルブ570とを備え、一方のフィルターユニット540と遠心力集塵機501との間を連通させる一方で、他方のフィルターユニット540と遠心力集塵機504との間を遮断することができるから、他方のフィルターユニット540でフィルター553の逆洗を行いながら、一方のフィルターユニット540と遠心力集塵機501とで粒子状物質の集塵を行うことができる。これにより、筒形回転容器10による処理をフィルターユニット540の逆洗に拘わらず、連続的に行うことができる。
粒子回収装置500の作用を纏める。筒形回転容器10における固定蓋32の排気口32Bから排気された排気ガスは、遠心力集塵機501に取り込まれ、遠心力によって排気ガスに含まれる粒子状物質が分離される。遠心力集塵機501にて分離された粒子状物質は、間欠的にほぼ一定量ずつ排出シュート520から排出される。
遠心力集塵機501の排気筒517から排気された排気ガスは、切替バルブ570を介して連通した一方のフィルターユニット540に取り込まれる。そして、フィルター553によってほぼ完全に粒子状物質が除去された清浄な排気ガスが排気口543から大気放出される。なお、粒子状物質以外に有害物質が含まれている場合には、粒子回収装置500から排気された排気ガスを、排ガス洗浄装置(図示せず)に通して有害物質を除去した後、大気放出するようにしてもよい。
切替バルブ570は定期的に切り替えられて、1対のフィルターユニット540,540は交互に遠心力集塵機501との接続が遮断される。遠心力集塵機501との接続が遮断された方のフィルターユニット540では、圧縮エアによるフィルター553の逆洗が行われ、フィルター553に付着した粒子状物質が払い落とされる。この間、もう一方のフィルターユニット540は遠心力分離機501と連通しており、フィルター553によって粒子状物質が濾過分離される。
フィルター553から払い落とされた粒子状物質は、粒子貯留容器561に貯留される。また、粒子貯留容器561に貯留された粒子状物質は、スクレイパー564によって集められて排出孔563から排出される。詳細には、排出孔563に備えた2段の弁が交互に開閉動作(タイマーにより、常時開の上段弁が閉じ、閉じ終わったら常時閉の下段弁を開いて粒子状物質の排出を行う。その後、下段弁を閉じ、閉じ終わったら、上段弁を開くという動作。レベルセンサを設けて、レベルセンサの感知により動作を制御してもよい。)をして粒子状物質が排出される。さらには、遠心力集塵機501にて分離された粒子状物質を、粒子貯留容器561に貯留し、処理対象物Sの筒形回転容器10内の部外品として収容してもよい。
[第7参考例]
図64に基づいて本発明の第7参考例を説明する。この容器回転装置100は、筒形回転容器10を周囲から加熱する加熱炉602を備えている。なお、上記実施形態及び参考例と同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
図64(A)に示すように、本参考例の容器回転装置100は、モータ31によって回転駆動される駆動シャフト600の先端部に、基端部が閉塞しかつ先端部が開放した円筒形の回転受容部601を一体に備えており、その回転受容部601の先端側から筒形回転容器10が挿入されている。筒形回転容器10は、回転受容部601の内側に遊嵌状態で収容されており、回転受容部601が回転すると、その内側で筒形回転容器10が転がって回転受容部601と同一方向に回転するように構成されている。
回転受容部601は加熱炉602の内側に収納されている。加熱炉602は、両端閉塞の円筒形をなし、その内周面にはヒータ603が固定されている。また、加熱炉602のうち、駆動シャフト600が貫通した端部壁とは反対側の端部が、取り外し可能な蓋体604となっており、加熱炉602の筒壁には、内部のガスを排気するための排気筒605が設けられている。
図64(D)には、同図(A)における点線円で囲まれた部分が拡大して示されている。同図に示すように、筒形回転容器10の第1始端壁12には、センター孔12Aを囲んだ円環状のリップ部12Rが突出形成されている。リップ部12Rは断面半円形をなしており、その丸みを帯びた先端部が回転受容部601の基端壁と摺接可能となっている。このリップ部12Rは、回転受容部601の内側で筒形回転容器10を転動し易くするために設けられている。
図64(C)には、同図(A)における点線四角で囲まれた部分が拡大して示されている。同図に示すように、駆動シャフト600の中心部を貫通した芯孔600Aには、配管607や図示しないセンサ(温度センサ、ガスセンサ等)が挿通されており、それら配管607等が回転受容部601の基端壁及び第1始端壁12のセンター孔12Aを貫通して、第1回転室15内に到達している。これにより、加熱炉602の外側から、筒形回転容器10の第1回転室15に所定の雰囲気ガス又は液体を供給したり、温度計測やガス検知等を行うことができる。
なお、加熱炉602は支持台608によって下方から支持されており、その支持台608のうち駆動シャフト600を回転可能に支持した軸受部609は、ヒンジ608Aを中心にして傾動可能となっている。さらに、駆動シャフト600の基端部にはロータリジョイント606が接続され、これを介して雰囲気ガス又は液体の供給源と配管607とが接続されている。また、加熱炉602における駆動シャフト600の貫通部分は、シール部材610によってシールされている。本参考例によれば、筒形回転容器10の全体を閉塞された加熱炉602内で加熱することができるから、より効果的に処理対象物Sに熱を付与することができる。
[第8参考例]
上記第7参考例では、回転受容部601の回転によって筒形回転容器10が回転受容部601の内側で転がるように構成されていたが、本参考例では、筒形回転容器10と回転受容部601とが同心円状に配置されて、両者が一体回転するように構成されている。なお、以下の説明では、上記第7参考例と同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
図65(A)に示すように、回転受容部601の外面には1対のフランジ611,612が形成されている。フランジ612は、回転受容部601の先端部から外側に張り出しており、フランジ611は、回転受容部601の基端寄り部分から外側に張り出している。両フランジ611,612のうち回転受容部601の先端側を向いたフランジ面611A,612Aには、それぞれ複数ずつ(例えば4つずつ)固定具620が取り付けられており、それら固定具620が協働して筒形回転容器10を回転受容部601の内側に固定している。
固定具620は、フランジ面611A,612Aの外縁寄り位置から回転受容部601の軸方向に突出した突出片621と、突出片621を回転受容部601の径方向に貫通した押しネジ623と、フランジ面611A,612Aに宛がって螺子止めされた位置決めプレート624と、位置決めプレート624から回転受容部601の軸方向に突出して押しネジ623の先端部が突き当てられたネジ当接片625及び、押しネジ623の基端部に螺合された緩止ナット626(図65(C)参照)とを備えている。位置決めプレート624は、扇形の要部分を切除したような円弧板状をなしており、その内側の円弧部が筒形回転容器10の外周面と同一の曲率となっている。
図65(B)に示すように、固定具620は、回転受容部601を周方向に4等配した位置に設けられており、筒形回転容器10を四方から挟んでいる。
図65(A)に示すように、回転受容部601の基端寄り部分には、回転受容部601の周方向に延びた長方形状の開口部601Aが貫通形成されている。開口部601Aは、固定具620の取り付け位置に応じて、回転受容部601を周方向に4等配した位置に形成されている。
固定具620に備えた位置決めプレート624は、それぞれ回転受容部601の内側に張り出しており、内側の円弧部が回転受容部601の内側に挿入された筒形回転容器10の外周面にそれぞれ突き当てられている。
詳細には、位置決めプレート624をフランジ面611A,612Aに宛がって、押しネジ623を回転操作すると、ネジ当接片625が押しネジ623に押されて位置決めプレート624の内側の円弧部が筒形回転容器10の外周面に突き当てられる。そして、全ての位置決めプレート624が筒形回転容器10の外周面に突き当てられた状態で、それら位置決めプレート624をフランジ面611A,612Aに螺子止めすることで、筒形回転容器10を回転受容部601に対して同心円状に配置(芯出し)することができる。
ここで、図65(A)に示すように、回転受容部601の先端側のフランジ612に取り付けられた位置決めプレート624には、係止爪627が一体に設けられている。係止爪627は、位置決めプレート624の内縁部から回転受容部601の軸方向に延びて先端が内側に直角曲げされており、それら係止爪627の先端が、筒形回転容器10の終端部(終端口13の開口縁)に係止されている。これら係止爪627によって、回転受容部601に対する筒形回転容器10の軸方向への移動を禁止することができる。
図66〜図67には、回転受容部601内に挿入された筒形回転容器10の固定構造の変形例が示されている。この固定構造は、複数本のワイヤー631によって筒形回転容器10を固定したものである。図66(A)に示すように、各ワイヤー631は、筒形回転容器10の筒壁11に巻き付けられて両端部が回転受容部601に固定されている。詳細には、フランジ612のフランジ面612Aからは、回転受容部601の軸方向に8つのワイヤー係止片630が突出している。これらワイヤー係止片630は中心軸J1に対して90度回転対称な位置に配置されている。また、図示しないが、フランジ611のフランジ面611Aにも同一複数のワイヤー係止片630が設けられている。
図66(C)に示すように、各ワイヤー係止片630には、ワイヤー631の端部を側方から受容するU字形の係止溝630Mが形成されている。また、ワイヤー631の両端部には、ワッシャ636及び調節ナット635が取り付けられており、ワッシャ636が係止溝630Mの縁部に係止している。ここで、ワッシャ636は、所謂「球面ワッシャ」であり、ワイヤー係止片630のうちワッシャ636が重なる座面630Aは、係止溝630Mに向かってすり鉢状に傾斜した凹面となっている。座面630Aとワッシャ636とが凹凸係合することで、ワッシャ636を貫通したワイヤー631が係止溝630Mの先割れ部分から離脱することを防止している。
以下、図67に示すように、8つのワイヤー係止片630を区別するために、時計回り方向で順にワイヤー係止片630A,630B,630C・・・630Hとし、4本のワイヤー631を区別するためにワイヤー631A,631B,631C,631Dとする。
図67(A)に示すように、ワイヤー631Aは、一端がワイヤー係止片630Aに係止されており、筒形回転容器10の外側に半周巻き付けられて他端がワイヤー係止片630Fに係止されている。図67(B)に示すように、ワイヤー631Bは、一端がワイヤー係止片630Bに係止されており、筒形回転容器10の外側に半周巻き付けられて他端がワイヤー係止片630Eに係止されている。図67(C)に示すように、ワイヤー631Cは、一端がワイヤー係止片630Cに係止されており、筒形回転容器10の外側に半周巻き付けられて他端がワイヤー係止片630Hに係止されている。図67(D)に示すように、ワイヤー631Dは、一端がワイヤー係止片630Dに係止されており、筒形回転容器10の外側に半周巻き付けられて他端がワイヤー係止片630Gに係止されている。そして、各ワイヤー631A〜631Dの両端に螺合された調節ナット635を締め付けることで、各ワイヤー631A〜631Dが筒形回転容器10を四方に引っ張り合った状態になる。即ち、ワイヤー631Aとワイヤー631Bが互いに相反する方向に筒形回転容器10を引っ張り合い、ワイヤー631Cとワイヤー631Dが互いに相反する方向に筒形回転容器10を引っ張り合う。これにより、筒形回転容器10が回転受容部12の中央部で拘束され、回転受容部12と一体回転可能に固定される。
図65〜図67に示した固定構造では、円筒形の回転受容部601の内側に筒形回転容器10を挿入して、固定具620又はワイヤー631によって固定していたが、図68(A)に示すように、駆動シャフト600の先端に固定されたカゴ形の回転受容部650によって筒形回転容器10を保持してもよい。回転受容部650は、駆動シャフト600の先端に固定された平板651と、その平板651の外縁部から駆動シャフト600の軸方向に延びた複数の弾性板部652とから構成されている。平板651は、駆動シャフト600を中心とした円形又は略円形をなしている。また、弾性板部652は、平板651から離れた先端部が自由端となった片持ち梁状をなすと共に、その長手方向の両端寄り部分でクランク状に屈曲して長手方向の中間部が回転受容部650の内側に突出している。回転受容部650の内側に筒形回転容器10を挿入することで各弾性板部652が僅かに弾性変形した状態で筒形回転容器10の外周面に当接し、それら複数の弾性板部652が協働して筒形回転容器10を保持する。
[第9参考例]
以下、本発明の第9参考例を図69〜図72に基づいて説明する。本参考例の容器回転装置100は、筒形回転容器10の第1始端壁12と第1終端壁14とに設けられて、第1回転室15に貯留された電解液に接液可能な1対のリング形電極740を備え、それらリング形電極740の間で通電して電解液に浸漬された処理対象物Sにめっき処理又は電解研磨処理を行うことが可能な構成となっている。なお、既に説明した第1〜第7実施形態及び参考例と同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
図69(C)に示すように、筒形回転容器10は多角形(本参考例では、六角形)の筒形をなしている。筒形回転容器10は、その中心軸回りで可動ベース721に対して回転可能に支持されており、可動ベース721は、固定ベース720に対して筒形回転容器10の中心軸と直交した水平軸回りで回動可能となっている。
図69(A)に示すように、筒形回転容器10の第1始端壁12から軸方向に延びた駆動シャフト723は、可動ベース721に設けられた回転軸受部722によって回転可能に支持されており、その駆動シャフト723の基端部にはロータリージョイント724が接続されている。ロータリージョイント724には、洗浄液配管725が接続されている(図71参照)。洗浄液配管725から供給された洗浄液は、駆動シャフト723の軸芯部を貫通した配管(図示せず)を通って、第1回転室15内に突出した洗浄ノズル726から噴射されるようになっている。また、ロータリージョイント724にはバルブ727を介して排液配管が接続されている。駆動シャフト723の軸心部には、前記洗浄液が通る配管とは別のシャフト貫通路(図示せず)が形成されており、そのシャフト貫通路と、後述する排液ダクト730とによって、第1回転室15内の液体を排出することが可能となっている。さらに、ロータリージョイント724には、バルブ728を介して乾燥機729が接続されており(図71参照)、その乾燥機729からの温風をシャフト貫通路と排液シュート730とによって第1回転室15内に送給することが可能となっている。なお、図示しないが、洗浄液が通る配管はシャフト貫通路の内側に挿通されている。
図71に示すように第1始端壁12の外面には、排液ダクト730が設けられている。図72(A)に示すように、排液ダクト730は、第1始端壁12の中心部から径方向に向かって延び、途中で正回転方向に屈曲して第1始端壁12の外縁部に沿って延びた排液路731と、排液路731の先端に設けられて第1始端壁12を貫通して第1回転室15内に開口した排液ダクト口732とを備えている。また、排液路731のうち、排液ダクト口732とは反対側の端部は、シャフト貫通路に連通している。なお、第1始端壁12における第1回転室15側の面は、六角形板状のフィルタ部材733(穿孔板、網等)によって構成されており(図71参照)、そのフィルタ部材733によって排液シュート口731からの処理対処物Sの流出が防止されている。
図71に示すように、第2回転室16には、本発明に係る移送ダクト23及び第2螺旋ガイド18が設けられている。移送ダクト23は、第1終端壁14における第2回転室16側の面に筒壁11に沿うように設けられており、第1終端開口24と第2始端開口25との間で複数回屈曲した構造をなしている(図72(B)参照)。第2螺旋ガイド18は、第2始端開口25の開口縁と筒形回転容器10の終端口13との間で螺旋状に延びている。
図71に示すように、第2回転室16の中心にはオーバーフロー移送管734が備えられている。オーバーフロー移送管734は第1終端壁14の中心部から筒形回転容器10の終端口13に向かって延びている。オーバーフロー移送管734の基端部は第1終端壁14によって閉塞されているのに対し、先端部は開放している。オーバーフロー移送管734の内側には排気管735が挿通されている。排気管735を通じて第1回転室15内の気体を排気することができる。さらに、オーバーフロー移送管734にはフレキシブル管736が接続されている(図69(C)参照)。フレキシブル管736は、オーバーフロー移送管734とその側方に配置されたオーバーフロー出口管737との間を接続している(図72(B)参照)。フレキシブル管736は、オーバーフロー移送管734の基端部側面から筒形回転容器10の径方向外側に向かって延び、途中で曲がって正回転方向に湾曲して延び、さらに内側に曲がってオーバーフロー出口管737の側面に接続されている。筒形回転容器10が正方向X1に回転した場合に、規定量を超えた分の液体は、第1回転室15からオーバーフロー出口管737に流入し、筒形回転容器10の回転によってフレキシブル管736を通ってオーバーフロー移送管734に案内されて、オーバーフロー移送管734の先端開口から排出される。
図72に示すように、第1始端壁12及び第1終端壁14のうち、第1回転室15側の面には、それぞれリング形電極740が固定されている。リング形電極740は、筒形回転容器10の回転中心と同心の円環状をなしており、筒形回転容器10の外面に固定されたターミナル741と、駆動シャフト723の外面に設けられたスリップリング742とを介して外部のめっき用電源装置743に接続されている(図71参照)。なお、駆動シャフト723の外面には、図示しないヒータとヒータ用電源装置との間を接続するためのスリップリング744が設けられている。
第1回転室15における筒壁11の内面には、複数の電路部材745が固定されている。電路部材745は、筒形回転容器10の軸方向に延びた細軸状をなしており、筒形回転容器10の軸方向の複数箇所で複数の電路構成体746,746に分断されている。
さて、本参考例の容器回転装置100は、処理対象物Sの表面にめっき処理(電気めっき処理又は無電解めっき処理)を行うためのめっき装置或いは、処理対象物Sを電気化学的に溶解させて研磨する電解研磨装置として使用することができる。図70(A)は、電気めっき処理及び電解研磨処理の処理フローの一例であり、同図(B)は無電解めっき処理の処理フローの一例である。ここで、図示しない自動制御盤を設けて、以下に説明する処理を自動制御で行うようにしてもよい。
電気めっき処理及び電解研磨処理では、最初にバルブ727,728を共に閉鎖した状態で、筒形回転容器10を正方向に回転させ、その筒形回転容器10の第2回転室16に処理対象物Sと電解液とを定量供給し、それらを移送ダクト23経由で第1回転室15に供給する。次に、第1回転室15内で処理対象物Sと電解液とを撹拌しながら、1対のリング形電極740,740の間で通電を行って、処理対象物Sに対して電気めっき処理又は電解研磨処理を行う。
電気めっき処理又は電解研磨処理が終了したら、筒形回転容器10の正回転を継続したままバルブ727を開放する。すると、第1回転室15内の電解液が排液ダクト730と駆動シャフト723のシャフト貫通路(図示せず)とを通って外部に排出される。次に、洗浄ノズル726から第1回転室15内に洗浄液を噴射させて処理対象物S及び第1回転室15の洗浄を行う。使用済みの洗浄液は、排液ダクト730及びシャフト貫通路を通って第1回転室15から排出される。なお、洗浄液を第2回転室16に供給し、筒形回転容器10の正回転を利用して移送ダクト23経由で第1回転室15に供給するようにしてもよい。
洗浄処理が終了したら、可動ベース721を固定ベース720に対して回動させて、筒形回転容器10をその終端口13が斜め上方を向いた仰角姿勢(詳細には、仰角約70度)とし、その状態でバルブ728を開放して乾燥機729から温風を送給する。温風は、シャフト貫通路及び排液ダクト730を通じて第1回転室15内に送給される。このとき、筒形回転容器10を正回転させているので、処理対象物Sを効率的に温風乾燥することができる。
乾燥処理が終了したら、可動ベース721を固定ベース720に対して回動させて、筒形回転容器10をその終端口13が斜め下方を向いた俯角姿勢(詳細には、俯角約5度)とし、その状態で、筒形回転容器10を逆回転させる。すると、電気めっき処理又は電解研磨処理が施された処理対象物Sが、移送ダクト23経由で第1回転室15から第2回転室16へと移送され、筒形回転容器10の終端口13から排出される。
図70(B)に示すように無電解めっき処理では、1対のリング形電極740,740間で通電を行わないが、電解液(めっき液)の成分が変化するので、移送ダクト23経由で第1回転室15に電解液を適宜補充して、電解液の成分が一定になるように管理する。このとき、過剰な電解液は、オーバーフロー出口管737、フレキシブル管736、オーバーフロー移送管734を経て筒形回転容器10の外部に排出される。めっき処理以降の処理内容(電解液の排出、処理対象物Sの洗浄、乾燥、排出)は、電気めっき処理及び電解研磨処理と同じである。なお、無電解めっき処理は、本参考例の容器回転装置10からリング形電極740、電路部材745、その他、通電に必要な構成部品を除外した構成でも行うことが可能である。
以上、電気めっき処理又は電解研磨処理の処理手段を述べたが、めっき用電源装置743を、高電圧低電流を印加または、高電圧パルスモード等を印加できる電源装置にし、プラズマを発生できる条件下で、プラズマ電解酸化または、プラズマ電解還元を行なってもよい。なお、上記した容器回転装置100は、めっき処理等以外の電気化学的処理又は物理化学的処理(具体的には、酸素水素共存ガスの生成、排液処理等)に使用してもよい。上述した本参考例の構成(リング形電極740等)を、本参考例以外の他の実施形態及び参考例に適用してもよい。
[第10参考例]
以下、本発明の第10参考例を図73〜図76に基づいて説明する。本参考例は、筒形回転容器10(第1回転室15)の筒壁内面から中心部に向かって略板状に突出しかつ、筒形回転容器10の軸方向で所定の隙間を空けて配置された複数の撹拌板751と、複数の各撹拌板751に設けられて、それら撹拌板851の並び方向で所定のギャップを空けて突き合わされた放電電極対とを備え、撹拌板751によって第1回転室15内に貯留された液体中に気泡を取り込むと共に放電電極対の間で液中プラズマ放電を行うことが可能な構成となっている。以下、上記第9参考例と同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
図74(A)には、本参考例の容器回転装置100が示されている。筒形回転容器10の筒壁外面には、プラズマ用電源装置750が固定されており、筒形回転容器10と一体回転可能となっている。プラズマ用電源装置750は、筒形回転容器10の外面に固定されたターミナル741を介して、1対のリング形電極740,740(放電電極)に接続されており、スリップリング742を介して図示しない外部電源に接続されている。
図75(B)に示すように、第1回転室15内には、第1回転室15内に収容された液体を筒形回転容器10の回転によって撹拌すると共に、その液体中に気泡を含ませるための撹拌板751が備えられている。撹拌板751は、第1回転室15の筒壁内面から回転中心に向かって直角に起立している。撹拌板751は、筒形回転容器10の回転中心と平行な矩形板状をなしており、複数の撹拌板751が筒形回転容器10の回転中心と平行に一列に整列配置されている(図75(A)参照)。同列に配置された撹拌板751は互いに間隔を空けて配置されており、列の両端部に配置された撹拌板751と第1始端壁12及び第1終端壁14との間にも隙間が設けられている(図76(A)及び同図(B)参照)。また、一列に配置された複数の撹拌板751からなる撹拌板列(図75(A)参照)が、筒形回転容器10の回転方向に一定間隔(例えば、回転中心回りに60度ずつ間隔を空けて)で複数列設けられている(図75(B)参照)。
図76(B)に示すように、各撹拌板751には大小複数の矩形孔752が貫通形成されていて、撹拌板751は全体として格子構造になっている。撹拌板751の中央部には比較的大きい矩形孔752が形成されており、その矩形孔752のうち第1始端壁12側の開口縁からは傾斜板753が張り出している。図75(C)に示すように、傾斜板753は、筒形回転容器10の回転中心に対して傾斜しており、その傾斜板753にも比較的小さい矩形孔752が複数形成されている。また、筒形回転容器10が正回転した場合、第1回転室15内の液体は、傾斜板753によって第1終端壁14側に案内される(図76(A)参照)。なお、撹拌板751は板金製であり、傾斜板753は撹拌板751から切り起こされている。
図76(B)に示すように、撹拌板751のうち、筒形回転容器10の筒壁内面から離れた両角部には、それぞれ放電ピース754(放電電極)が設けられている。図75(D)に示すように、放電ピース754は、板金を扁平なコの字形に直角曲げしてなり、撹拌板751の両角部を板厚方向で挟むようにして取り付けられている。また、放電ピース754は先端が尖った放電端755を備えており、その放電端755が隣接した放電ピース754の放電端755又は、リング形電極740に突き合わされている。また、撹拌板751の両角部には、撹拌板751の並び方向に延びた長孔756が貫通形成されており(図75(C)参照)、その長孔756の範囲内で放電ピース754をスライド移動させて任意の位置で固定することが可能となっている。即ち、隣接した放電ピース754(放電電極対)の放電端755同士の間の放電ギャップ及び、リング形電極740と放電ピース754の放電端755との間の放電ギャップの大きさを、任意に調節することが可能となっている。
筒形回転容器10を正回転させると、図75(B)に示すように、撹拌板751の作用によって液体中に気泡が取り込まれる。液体中に十分に気泡が取り込まれた状態で、1対のリング形電極740,740間に電圧を印加すると、リング形電極740と放電ピース754(放電端755)との間及び、隣り合った放電ピース754(放電端755)同士の間の放電ギャップに存在する気泡中にプラズマが発生して(液中プラズマ放電が起きて)、そのプラズマによって液体を処理することができる(図76(C)参照)。具体的には、例えば、液体中の有害物質の無害化処理(分解、滅菌、消毒)や、液体に溶解している金属イオンをプラズマを利用して還元又は酸化してナノ微粒子として析出させることが可能となる。
図73には、本参考例の容器回転装置100を使用した液中プラズマ処理の処理フローが示されている。同図(A)に示すように、液中プラズマ処理によってナノ微粒子を製造する場合には、バルブ727,728を共に閉鎖した状態で、筒形回転容器10を正方向に回転させ、その筒形回転容器10の第2回転室16にナノ微粒子の原料溶液を定量供給し、移送ダクト23経由で第1回転室15に送り込む。次に、第1回転室15内で原料溶液を撹拌しながら、1対のリング形電極740,740の間で通電を行って原料溶液中にプラズマを発生させる。これにより、原料溶液中の金属イオンが還元又は酸化されて、金属のナノ微粒子が製造される。なお、ナノ微粒子の析出によって原料溶液の成分が変化するので、適宜、原料溶液を補充しながら処理を行うことが好ましい。
液中プラズマ処理が終了したら、筒形回転容器10の正回転を継続したままバルブ727を開放する。すると、第1回転室15内の原料溶液が排液ダクト730と駆動シャフト723のシャフト貫通路(図示せず)とを通って排出される。このときナノ微粒子は、フィルタ部材733を通過することなく第1回転室15内に留まる。次に、洗浄ノズル726から第1回転室15内に洗浄液を噴射させて処理対象物S及び第1回転室15の洗浄を行う。使用済みの洗浄液は、排液ダクト730及びシャフト貫通路を通って第1回転室15から排出される。なお、洗浄液を第2回転室16に供給し、筒形回転容器10の正回転を利用して移送ダクト23経由で第1回転室15に供給するようにしてもよい。
洗浄処理が終了したら、可動ベース721を固定ベース720に対して回動させて、筒形回転容器10をその終端口13が斜め上方を向いた仰角姿勢とし、その状態でバルブ728を開放して乾燥機729から温風を送給する。温風は、シャフト貫通路及び排液ダクト730を通じて第1回転室15内に送給される。このとき、筒形回転容器10が正回転しているから、ナノ微粒子を効率的に温風乾燥することができる。
乾燥処理が終了したら、可動ベース721を固定ベース720に対して回動させて、筒形回転容器10をその終端口13が斜め下方を向いた俯角姿勢とし、その状態で、筒形回転容器10を逆回転させる。すると、製造されたナノ微粒子が、移送ダクト23経由で第1回転室15から第2回転室16へと移送され、筒形回転容器10の終端口13から排出される。
ここで、乾燥処理を行う替わりに、洗浄処理後の第1回転室15に所望の溶液を供給してから筒形回転容器10を逆回転させれば、ナノ微粒子を溶液に分散させた状態で取り出すことができる。なお、第1回転室15内の原料溶液が全て排出された後で筒形回転容器10を逆回転させて、ナノ微粒子を無洗浄の状態で取り出してもよい。ここで、図示しない自動制御盤を設けて、上述した処理(ナノ微粒子の製造)を自動制御で行うようにしてもよい。
液中プラズマ処理によって有害物質を含む液体の無害化を行う場合には、図73(B)に示すように、筒形回転容器10を正方向に回転させた状態で、その筒形回転容器10の第2回転室16に処理対象物Sである液体を定量供給し、移送ダクト23経由で第1回転室15に供給する。次に、第1回転室15内で液体を撹拌しながら、1対のリング形電極740,740の間で通電を行う。すると、液体中の有害成分がプラズマによって無害化される。
プラズマによる無害化処理が終了したら、可動ベース721を固定ベース720に対して回動させて、筒形回転容器10をその終端口13が斜め下方を向いた俯角姿勢とし、その状態で、筒形回転容器10を逆回転させる。すると、無害化処理された液体が移送ダクト23経由で第1回転室15から第2回転室16へと移送され、筒形回転容器10の終端口13から排出される。ここで、図示しない自動制御盤を設けて、上述した処理(液体の無害化処理)を自動制御で行うようにしてもよい。なお、上述した本参考例の構成(放電電極、撹拌板等)を、本参考例以外の他の実施形態及び参考例に適用してもよい。
[第11参考例]
以下、本発明の第11参考例を、図77〜図79に基づいて説明する。本参考例の容器回転装置100は、筒形回転容器10における第1回転室15内に陰極電極と陽極電極とが配置され、第1回転室15に貯留された導電性液体中にそれら陰極電極と陽極電極とを浸漬した状態で、陰極電極と陽極電極との間に電圧、電流を印加して陰極電極の近傍にプラズマを発生させ、そのプラズマ熱によって陰極電極を局所的に融解又はイオン化させた後、導電性液体で凝固ないしは析出させることで、陰極電極と同じ材質のナノ微粒子を製造することが可能な構成となっている。以下、本参考例の構成を説明するが、上記第9参考例と同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
図77(A)に示すように、筒形回転容器10の第1回転室15内には液中プラズマ発生部760が設けられている。液中プラズマ発生部760は、中空構造をなした回転ロッド761の先端部に一体に備えられており、回転ロッド761は、駆動シャフト723のシャフト貫通路(図示せず)に挿通されている。回転ロッド761の先端部は、第1始端壁12のセンター孔12Aを貫通して第1回転室15内に突出しており、回転ロッド761の基端部はロータリージョイント724を貫通して突出している。回転ロッド761は、これらロータリージョイント724とセンター孔12Aに嵌合された摺動シール759とによって回転可能に支持されている。回転ロッド761の基端部には側方に向かって突出した操作レバー761Rが一体に設けられており、その操作レバー761Rの操作により、回転ロッド761を回転させることができる。そして、回転ロッド761を回転させることで、液中プラズマ発生部760を、第1回転室15内で180度離れた二位置の間で回転させることができる(図77(B)参照)。
図77(B)に示すように、液中プラズマ発生部760は、回転ロッド761の先端部から側方に向かって張り出している。液中プラズマ発生部760は、回転ロッド761から離れた先端側が三股に割れた先割れ構造をなしており、同一構造をなした3つの電極ホルダ762を有している。
図78(A)及び同図(B)には、電極ホルダ762の断面図が示されている。電極ホルダ762は、例えば円柱状をなしており、中心電極763と対向電極764とを保持している。
中心電極763は、細長棒状をなしており、電極ホルダ762の先端面の中心から突出している。中心電極763は電極ホルダ762の軸心部に挿し込まれており、中心電極763の基端部は、電極ホルダ762の内部でジョイント765を介してワイヤー766と接続されている。図78(C)に示すように、ジョイント765は、螺子孔765Aと、その螺子孔765Aに収納されたスプリング765Bとを有しており、スプリング765Bを押し縮めた状態で、中心電極763の基端部が螺子孔765Aに螺合されている。そして、スプリング765Bの弾発力によって中心電極763と螺子孔765Aとの緩み止めがなされている。
ワイヤー766は、電極ホルダ762及び回転ロッド761の内部に形成された管路762A(図78(A)参照)を通って回転ロッド761の基端部から導出されている。電極ホルダ762の先端中心部には、給電ケーブル767と導通接続された電極コンタクト768と、耐熱性の絶縁部材769とが嵌合されており、それら電極コンタクト768と絶縁部材769の軸心部を中心電極763が貫いている。中心電極763は、陰極電極と陽極電極との間の放電が適正な電流及び電圧で行われるように、ワイヤー766の押し引きによって軸方向に直動させることが可能であると共に、位置決めボルト770によって電極コンタクト768に接触するように押し付けられている(図78(B)参照)。詳細には、電極ホルダ762は、その外面から軸心部まで到達した側部螺子孔762Bを有しており、その側部螺子孔762Bに位置決めボルト770が螺合されている。位置決めボルト770は、側部螺子孔762Aに螺合した押し螺子770Aと、押し螺子770Aの先端にスプリング770Bを介して連結された押しピン770Cとから構成されている。スプリング770Bの弾発力によって中心電極763を側方から押しピン770Cで押すことで、中心電極763をスプリング770Bの弾発力によって電極コンタクト768に押し付けて接触させ導通を図っている。なお、スプリング770Bを設けたことで、中心電極763を軸方向に直動可能としつつ、電極コンタクト768に押し付けて接触させることができ、また、電極コンタクト768への押し付け力は、押し螺子770Aの螺合操作によるスプリング770Bの弾発力調節によって調整することができる。
図78(A)に示すように、対向電極764は、電極ホルダ762の先端部に固定されたL字形の片持アーム771に固定されている。片持アーム771は、電極ホルダ762の内部で給電ケーブル772と導通接続されている。片持アーム771は、電極ホルダ762の先端面の外縁部寄り位置から中心電極763と平行に突出した第1アーム771Aと、第1アーム771Aの先端から直角に折れ曲がって電極ホルダ762の中心軸の延長線上に向かって延びた第2アーム771Bとから構成され、第2アーム771Bの先端部、即ち、中心電極763の延長線上に対向電極764が固定されている。具体的には、対向電極764は雄螺子部764Aを有しており、その雄螺子部764Aが第2アーム771Bの先端部に貫通形成された螺子孔771Cに螺合している。これにより、対向電極764が放電減(放電によって電極が消耗する現象)により消耗したときには、対向電極764のみを交換することができる。また、対向電極764の中心部(中心電極763の延長線上)を貫通孔764Bが貫通しており、例えば、中心電極763を誤って突出させ過ぎた場合には、中心電極763が貫通孔764Bに進入するようになっている。これにより、中心電極763が対向電極764に突き当たって破損することを防止することができる。また、中心電極763が放電滅により消耗した時には、中心電極763を貫通孔764Bに進入させて、消耗した中心電極763をジョイント765より取り去り、新しい中心電極763をジョイント765に取り付ける、中心電極763の交換作業が行える。さらには、放電は尖った先端部に発生しやすいことから、貫通孔764Bのうち中心電極763側の開口エッジの全周と中心電極763との間で安定した放電を行うことができ、対向電極764の放電滅による消耗を均等化できる。
片持アーム771の第1アーム771Aは、電極ホルダ762に対して直動可能となっているが、常には、図78(A)に示すように、複数の止めネジ773によって固定されている。止めネジ773によって片持アーム771と給電ケーブル772との導通が図られており、止めネジ773を緩めることで、対向電極764と中心電極763の先端部との間の放電ギャップを調節することが可能となっている。また、各給電ケーブル767,772は、電極ホルダ762及び回転ロッド761内を通って回転ロッド761の基端部から導出され、プラズマ用電源装置750に接続されている。
さらに、図78(A)に示すように、電極ホルダ762の内部には、管路762Aから分岐して延びたガス放出流路774が形成されている。ガス放出流路774は、電極ホルダ762の先端面に開放しており、回転ロッド761の基端部から管路762A内に供給されたガス(例えば、空気)が、ガス放出流路774を通って電極ホルダ762の先端面から放出される。ここで、ガス放出流路774の下流端には、例えば、ナノサイズの孔を多数有した多孔質部材775が設けられており、この多孔質部材775をガスが通過することで、第1回転室15内の導電性液体中により微細な気泡を発生させることができる。また、筒形回転容器10を正回転(図78(B)の実線矢印方向に回転)させることで、ガス放出流路774から放出された気泡が中心電極763と対向電極764との間に向けて流される(図77(C)参照)。
図73には、本参考例の容器回転装置100を使用してナノ微粒子を製造する場合の処理フローの一例が示されている。ナノ微粒子を製造する場合には、筒形回転容器10を正方向に回転させながら、移送ダクト23経由で規定量の導電性液体を第1回転室15に供給する。また、回転ロッド761を回転させて、電極ホルダ762の先端が導電性液体中に没する位置(図77(B)の実線で示した位置)に、液中プラズマ発生部760を配置する。また、ガス放出流路774にガスを供給して導電性液体中に微細な気泡を放出させる。その状態で、中心電極763を陰極電極とし、対向電極764を陽極電極として(処理内容により陽極と陰極を反転させてもよい)、それらの間に電圧、電流を印加する。すると、中心電極763と対向電極764との間でプラズマが発生し、陰極である中心電極763の表面温度が局所的に融点を超えて、一部が融解する。その融解した中心電極763の一部が、微細な液滴の状態で導電性液体によって冷やされることで、中心電極763と同じ材質のナノ微粒子が生成する。このとき、陰極電極と陽極電極との間の放電が適正な電流及び電圧で行われるよう、電流と電圧の値を計測管理し、中心電極763が放電滅によって消耗した分だけ自動でワイヤー766を繰り出して安定した放電状態を維持する。その後は、導電性液体の排出、ナノ微粒子の洗浄、乾燥、排出など、上記第9参考例で説明した処理フローに従って処理を行う。
ここで、液中プラズマによって製造されたナノ微粒子に対してめっき処理を行うことができる。具体的には、ナノ微粒子の洗浄が済んだ後で、第1回転室15に電解液(めっき液)を供給する。また、操作レバー761Rの操作で回転ロッド761を回転させて、電極ホルダ762の先端部が電解液に浸からない位置(図77(B)の一点鎖線で示した位置)に液中プラズマ発生部760を配置する。その状態で、筒形回転容器10を正方向に回転させながら1対のリング形電極740,740の間に電圧を印加すると、ナノ微粒子の表面に金属被膜(めっき層)が形成される。めっき処理後は、電解液の排出、ナノ微粒子の洗浄、乾燥、排出等、上記第9参考例で説明した処理フローに従って処理を行う。上述した本参考例の構成を、本参考例以外の他の実施形態及び参考例に適用してもよい。
[第12参考例]
以下、本発明の第12参考例を、図80及び図81に基づいて説明する。本参考例は、対向電極780の構造が上記第11参考例とは異なる。詳細には、図80(A)に示すように、電極ホルダ762の外面には、1対の片持アーム781が固定されている。片持アーム781はクランク状に屈曲した導体で構成されかつ先端部以外の全体が絶縁被覆されている。片持アーム781のうち電極ホルダ762に固定された基端部は、電極ホルダ762の内部で給電ケーブル772と導通接続されている。
片持アーム781のうち、絶縁被覆されていない先端部には、それぞれ対向電極780,780が固定されている。対向電極780は長方形の平板状をなしており(図80(B)参照)、ワイヤー状の中心電極763を挟んで対向配置されている(図80(C)参照)。そして、中心電極763と対向電極780,780との間に電圧を印加することで、中心電極763の近傍部分にプラズマを発生させることができる。なお、中心電極763は消耗に応じて電極ホルダ762のボディから繰り出すことができる。その他の構成は上記第11参考例と同一である。
本参考例によれば、中心電極763の近傍部分でプラズマを発生させて、ナノ微粒子を製造したり、液体中の有害物質の無害化(分解、滅菌)を行うことができる。
ここで、対向電極780は、図80(D)に示す長方形板状に限定するものではなく、同図(E)に示すように網目構造(メッシュ構造)をなしたものでもよいし、同図(F)に示すように多数の穿孔を有した板材(例えばパンチングメタル)でもよい。また、図81(A)における上側の対向電極780のように、中心電極763を中心とした円弧形の湾曲形状であってもよいし、同図における下側の対向電極780のように、中心電極763側に開放したドーム形状(椀形状又はパラボラ形状)であってもよい。さらに、図81(B)に示すように、本参考例の片持アーム781及び対向電極780を、上記第11参考例の片持アーム771及び対向電極764と置き換えた構成としてもよい。上述した本参考例の構成を、本参考例以外の他の実施形態及び参考例に適用してもよい。
[第13参考例]
以下、本発明の第13参考例を、図82及び図83に基づいて説明する。本参考例の容器回転装置100は、筒形回転容器10の外側に配置されたマイクロ波照射装置790,791と、第1回転室15内に配置され、マイクロ波を捕捉して第1回転室15内に貯留された液体中に定常波(定在波)を発生させるアンテナ794A,795Aとを備えている点が、上記第11参考例及び第12参考例とは異なる。第11及び第12参考例と同一の構成については同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
図83(A)に示すように、筒形回転容器10の下方には、複数のマイクロ波照射装置790,791が筒形回転容器10の回転方向に沿って並べて配置されている。具体的には、筒形回転容器10の鉛直下方に波長λ1のマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置790が配置され、その両側に波長λ1より短い波長λ2のマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置791,791が配置されている。これはマイクロ波同士の干渉を避けるためである。
図82に示すように、第1回転室15の内側には、液中アンテナユニット792が備えられている。図83(A)に示すように、液中アンテナユニット792は、回転ロッド761の側方に張り出した略扇形のアンテナベース793と、そのアンテナベース793に立設されたアンテナ794,795とを有する。1つのアンテナ794(795)は、針状の導体で構成された複数本(本参考例で5本)のポール794A(795A)で構成され、各ポール794A(795A)の長さは、捕捉すべきマイクロ波の1/2波長分となっている(図83(B)参照)。また、1つのアンテナ794(795)を構成する複数のポール794A(795A)は一直線上に並べて配置されており、隣り合ったポール794A(795A)同士は、捕捉すべきマイクロ波の1/4波長分の間隔で配置されている(図83(C)参照)。
本参考例では、3つのマイクロ波照射装置790,791,791に対応して、3組のアンテナ794,795,795を備えており、それらが共通のアンテナベース793に設けられている。2組のアンテナ795,795の各ポール795Aが、波長λ2に対応した長さと間隔を空けて配置されており、残り1組のアンテナ794の各ポール794Aが波長λ1に対応した長さと間隔を空けて配置されている。
第1回転室15内に貯留された液体中に全てのポール794A,795Aが浸かった状態(図83(A)に示す状態)で、マイクロ波を照射すると、各ポール794A,795Aの先端部でプラズマが発生する。このプラズマによって、液体からナノ微粒子、分解生成物、合成化合物等を析出させたり、液体中の有害物質を無害化することができる。なお、本参考例におけるプラズマの発生原理は、特許第3769625号公報に開示されている原理と同じである。上述した本参考例の構成を、本参考例以外の他の実施形態及び参考例に適用してもよい。
[第14参考例]
以下、本発明の第14参考例を、図84に基づいて説明する。本参考例の容器回転装置100は、筒形回転容器10の第1回転室15内に設けられかつ、第1回転室15に貯留された液体に浸漬されてその液体中に超音波を放射する超音波放射手段と、第1回転室15に貯留された液体に浸漬されてその液体中に光を照射する光照射手段とを備え、それら超音波と光の何れか一方又は両方のエネルギーによって処理対象物Sの処理を行うことが可能となっている。以下、第11参考例と同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
図84(C)に示すように、筒形回転容器10の第1回転室15内にはエネルギー発生部800が設けられている。エネルギー発生部800は、回転ロッド761の先端部から側方に向かって張り出している。エネルギー発生部800は、回転ロッド761から離れた先端側が三股に割れた先割れ構造をなしており、同一構造をなした3つのエネルギー放出部801を有している。
図84(A)には、エネルギー放出部801の断面図が示されている。エネルギー放出部801は、超音波放射手段としての超音波放射体802と、光照射手段としての光ファイバー803とを保持している。
超音波放射体802は、エネルギー放出部801の先端部から突出しかつ先端が尖った棒状をなしている。図84(B)に示すように、超音波発信器804によって駆動された超音波振動子805の振動エネルギーが、超音波放射体802の外面全体から放射可能となっている。
光ファイバー803は、エネルギー放出部801のボディ内に埋め込まれており、光源806から入射した光を、超音波放射体802の側方位置に向けて出射するようになっている。なお、図84(A)における符号807は保護ガラスであり、符号808はレンズである。
さらに、エネルギー放出部801にはガス放出流路774が形成されており、そのガス放出流路774の先端から放出されたガスが微細な気泡となって液体中に供給されるようになっている。
本参考例の容器回転装置100によれば、超音波放射体802から放射された超音波エネルギーによって液体中に超音波反応場が形成され、液体中での化学反応(分解反応、合成反応)を促進させることができる。また、光ファイバー803から出射された光によって、液体中での化学反応を促進させたり、光化学反応物を製造することができる。さらに、液体中に形成された超音波反応場に光が照射されることで、液体中での化学反応をさらに促進させることが可能になる。
なお、図84(D)に示すように光ファイバー803の替わりにランプ809(例えば、紫外線ランプ)を備えていてもよい。上述した本参考例の構成を、本参考例以外の他の実施形態及び参考例に適用してもよい。
[第15参考例]
以下、本発明の第15参考例を図85〜図90に基づいて説明する。本参考例の容器回転装置100は、メディア821を用いた処理対象物Sの研磨(バレル研磨)又は粉砕・分散と、処理対象物Sの分級及び処理対象物Sとメディア821の篩い分けとを1つの装置で行うことが可能な構成となっており、筒形回転容器10以外の構成は、上記第9参考例の構成と同一となっている。
筒形回転容器10の内部には、第2回転室の中心部に沿って延びた円錐台形状をなして、その小径側端部が第1終端壁に固定されて第1終端壁と一体に回転すると共に、大径側端部が閉塞されたメッシュ状のアウター筒体と、第2回転室の中心部に沿って延びた円錐台形状をなしてアウター筒体の内側に配置され、大径側端部が第1回転室と連通しかつ第1終端壁と一体に回転するセンター筒体と、アウター筒体の大径側端部に形成され、アウター筒体の篩目を通過しなかった処理対象物又はメディアを、筒形回転容器の逆回転に伴ってセンター筒体に送り込むための連通路と、アウター筒部の接線方向に延びて移送路の中間部に接続され、筒形回転容器の逆回転に伴って移送路内を移動する処理対象物又はメディアをアウター筒部に送り込むための分岐路と、分岐路と移送路とを連通しかつ第1終端開口と第2始端開口との間で移送路を遮断した第1位置と、分岐路と移送路とを遮断しかつ移送路の第1終端開口と第2始端開口とを連通させた第2位置との間で移動する流路切替部材とが備えられている。以下の説明では、筒形回転容器10のうち、上記第9参考例との相違点を中心に説明することとし、第9参考例と同一の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
図86(A)に示すように、筒形回転容器10のうち、第2回転室16には、上記「アウター筒体」としてのトロンメル810(回転式篩)が設けられている。トロンメル810は、第1終端壁14から筒形回転容器10の終端口13に向かって拡径した円錐筒形をなしており、大径側端部が円板形の端部壁811によって閉塞され、小径側端部が第1終端壁14によって閉塞されている。
トロンメル810の内側には円錐筒形のセンター筒体812が配置されている。センター筒体812は、トロンメル810と同軸に配置されかつ、第1終端壁14を貫通して第1回転室15内に突出している。また、センター筒体812は、第2回転室16から第1回転室15に向かうに従って拡径しており、その小径側端部が、トロンメル810の端部壁811によって閉塞されている。センター筒体812の小径端部とトロンメル810の大径端部との間には、それらを連通させた連通路813が形成されている。連通路813は、センター筒体812の筒壁を貫通した側部開口813Aと、その側部開口813Aのうち逆回転方向の後側の開口縁からセンター筒体812の筒壁の接線方向に延びかつトロンメル810の筒壁に接続された接線ガイド壁813Bとを有している(図89(D)参照)。これにより、筒形回転容器10を逆回転させた場合に、図89(D)〜同図(F)への変化に示すように、トロンメル810を通過せずにその大径側端部に到達したメディア821を、接線ガイド壁813Bによってセンター筒体812へと送給することが可能になる。ここで、センター筒体812の小径端部の内側には、センター筒体812の大径側端部に向かって下り傾斜したガイド板814が設けられている。ガイド板814を設けたことで、メディア821を速やかに連通路813から遠ざけることができ、連通路813におけるメディア821の詰まりを防止することができる。
図87(B)に示すように、第1終端壁14のうち第2回転室16側を向いた面には、移送ダクト23が設けられている。移送ダクト23(移送路23R)は、筒形回転容器10の筒壁に沿って屈曲しながら延びている。移送ダクト23は、筒形回転容器10を停止及び正回転させた場合に、第1回転室15から第2回転室16への処理対象物S及びメディア821の移動を禁止する一方、筒形回転容器10を逆回転させた場合に、第1回転室15から第2回転室16へと処理対象物S及びメディア821を移動させることが可能となっている。
図87(B)及び同図(C)に示すように、移送ダクト23における第1終端開口24と第2始端開口25との中間部と、トロンメル810の小径側端部との間には角筒形の分岐シュート815が設けられている。分岐シュート815は、トロンメル810の筒壁を貫通した側部開口810Aの開口縁から、筒壁の接線方向に突出しており、移送ダクト23の第1ダクト構成壁23Aを貫通したシュート入口815Aの開口縁に接続されている。分岐シュート815の内部が上記した「分岐路」に相当する。
シュート入口815Aは流路切替板816(上記した「流路切替部材」に相当する)によって閉塞可能となっている。流路切替板816は、金属製の薄板又は、樹脂製の薄板の裏面に金属又は磁石を貼り付けた部材で構成されており、シュート入口815Aのうち、正回転方向の前方の開口縁にヒンジ817を介して接続されている(図87(A)参照)。ヒンジ817は、弾性部材(例えばゴム板)で構成されており、流路切替板816は、移送ダクト23内で自重により回動可能となっている。即ち、流路切替板816は、図87(C)に示すように、シュート入口815Aを開放して移送ダクト23と分岐シュート815を連通させると共に移送ダクト23を第1終端開口24と第2始端開口25との間で遮断した第1位置と、図87(B)に示すように、シュート入口815Aを閉塞して移送ダクト23と分岐シュート815との間を遮断すると共に、第1終端開口24と第2始端開口25とを連通させた第2位置との間で回動可能となっている。
図87(A)に示すように、第1ダクト構成壁23Aの近傍位置には、流路切替板816を第2位置に保持するための磁石818が設けられている。磁石818は、流路切替板816におけるヒンジ817とは逆側の回動先端部を吸引して、その回動先端部が第1ダクト構成壁23Aに宛がわれた状態に保持する。また、磁石818は、回動アーム819に固定されており、回動アーム819は、磁石818を第1ダクト構成壁23Aに当接(又は近接)させた保持位置(図87(B)に示す位置)と、磁石818を第1ダクト構成壁23Aから離した保持解除位置(図87(C)に示す位置)との間で回動可能となっている。回動アーム819が保持解除位置に配置されると、流路切替板816に及ぶ磁力が弱まって流路切替板816は自重によって回動自在となる。また、回動アーム819は、筒形回転容器10の外面に取り付けられたロック機能付きの操作レバー820(図87(A)参照)の手動操作によって、保持位置と保持解除位置とに切り替えることが可能となっている。
本参考例の構成は以上である。図85には、本参考例の容器回転装置100を、バレル研磨装置として使用した場合の処理フローの一例が示されている。湿式のバレル研磨処理(同図(A)参照)を行う場合には、流路切替板816を第2位置にして筒形回転容器10を正回転させながら、第2回転室16に処理対象物S、コンパウンド、メディア821及び液体(具体的には、水)を定量供給し、それらを移送ダクト23経由で第1回転室15に供給する。
筒形回転容器10を正方向に回転させることで、メディア821、コンパウンド及び処理対象物Sが撹拌されて処理対象物Sが研磨される。研磨処理が終了したら、排液ダクト730から摩耗粉を含んだ液体を排出し、処理対象物Sの洗浄処理及び乾燥処理を行う。乾燥処理が終了したら、可動ベース721を固定ベース720に対して回動させて、筒形回転容器10を俯角姿勢とし、その状態で、筒形回転容器10を逆回転させる。すると、図88(C)に示すように、処理対象物S及びメディア821が移送ダクト23を通って第1回転室15から第2回転室16へと移動し、筒形回転容器10の終端口13から排出される。
ここで、処理対象物Sの分級を行う場合には、乾燥処理の終了後に操作レバー820を手動操作して流路切替板816を第1位置に切り替えてから、筒形回転容器10を逆回転させる。すると、図89(A)〜同図(C)への変化に示すように、処理対象物S及びメディア821が移送ダクト23及び分岐シュート815を通ってトロンメル810内に送給され、処理対象物Sとメディア821とが篩い分けられる。即ち、図88(A)に示すように、処理対象物Sだけがトロンメル810の篩目を通過して第2回転室16内に落下し、終端口13から排出される。また、メディア821はトロンメル810の篩目を通過することなくその大径側端部に到達し、図88(B)に示すように、連通路813を通ってセンター筒体812に送られ、センター筒体812を通って第1回転室15内に戻される。処理対象物Sとメディア821の篩い分けが終了した後で、メディア821を取り出す場合には、流路切替板816を第2位置に切り替えて筒形回転容器10を逆回転させる。すると、メディア821が移送ダクト23を通って第2回転室16に移動し、終端口13から排出される。
図85(B)には、乾式のバレル研磨処理の処理フローが示されている。同図に示すように、乾式のバレル研磨処理では、湿式のバレル研磨処理(同図(A)参照)の際に行っていた、摩耗粉を含む排液の排出及び処理対象物Sの乾燥処理が不要になる。なお、乾式のバレル研磨処理では、第1回転室15内で発生した摩耗粉の粉塵を除去しながら処理を行ってもよい。具体的には、例えば、オーバーフロー移送管734に吸引ポンプを接続して、第1回転室15内の粉塵をフレキシブル管736を通じて吸引除去すればよい。
図90には、メディア821を用いた処理対象物Sの粉砕・分散処理の処理フローの一例が示されている。この処理でも、流路切替板816を第2位置(図87(B)参照)にして、筒形回転容器10を正方向に回転させた状態で、第2回転室16に処理対象物Sとメディア821(湿式の場合は、さらに液体)を定量供給し、それらを移送ダクト23経由で第1回転室15に供給する。
処理対象物Sは、第1回転室15内でメディア821と共に撹拌されることで、粉砕・分散される。粉砕・分散処理が終了したら、筒形回転容器10の回転を停止し、俯角姿勢にし、流路切替板816を第1位置(図87(C)参照)に切り替えてから、筒形回転容器10を逆回転させる。すると、処理対象物S及びメディア821(湿式の場合は、さらに液体)が、移送ダクト23及び分岐シュート815を通ってトロンメル810に送給され、処理対象物Sの分級並びに、処理対象物Sとメディア821の篩い分けが行われる。即ち、トロンメル810の篩目を通過した処理対象物Sは、終端口13から排出され、篩目を通過しなかった処理対象物S及びメディア821は、センター筒体812を通って第1回転室15に戻される。
引き続き処理対象物Sの粉砕・分散処理を行う場合には、筒形回転容器10の回転を停止して、筒形回転容器10を水平姿勢に戻し、流路切替板816を第2位置に切り替えてから、筒形回転容器10を正回転させる。その状態で処理対象物S(湿式の場合は、さらに液体)を第2回転室16に定量供給して、その処理対象物S(及び液体)を移送ダクト23経由で第1回転室15に供給する。以下、同様にしてメディア821による粉砕・分散処理を行い、その後、分級処理を行う。
分級処理の終了後、メディア821を取り出す場合には、筒形回転容器10を一旦停止して流路切替板816を第1位置に切り替え、筒形回転容器10を逆回転させる。すると、第1回転室15内のメディア821(及び処理対象物Sの残留物)が、移送ダクト23を通って第2回転室16に移動し、終端口13から排出される。さらに、操作レバー820(流路切替板816)の切り替えを、電磁ソレノイド、モータ、エアーシリンダー、その他のアクチュエータによって行うように構成してもよい。また、手動による切り替えと、アクチュエータによる切り替えとを選択できるようにしてもよい。上述した本参考例の構成を、本参考例以外の他の実施形態及び参考例に適用してもよい。
[第16参考例]
以下、本発明の第16参考例を、図91〜図93に基づいて説明する。本参考例は、本発明に係る「雰囲気生成手段」として、液体を気化させた蒸気をアーク放電によって電離させてプラズマを発生させるスチームプラズマ発生装置830を備えている点が、上記実施形態及び参考例とは異なる。
図91には、スチームプラズマ発生装置830の概念図が示されている。同図に示すように、スチームプラズマ発生装置830は、第1実施形態で説明した過熱水蒸気発生装置40から過熱水蒸気を取り込んでプラズマジェットを生成すると共に、そのプラズマジェットに対して直接、過熱水蒸気を供給して、プラズマジェットの熱により過熱水蒸気をプラズマ化することが可能な構成となっている。
図92(A)には、スチームプラズマ発生装置830におけるプラズマトーチ831の断面図が示されている。プラズマトーチ831は、アウター管832の内側にインナー管835を備えた二重管構造をなしている。アウター管832の管壁内部には、冷却水の循環流路832Aが形成されている。また、アウター管832の中心孔832Bのうち先端開口から少し奥まった位置には、プラズマジェットの噴射ノズル833が突出形成されている。アウター管832は導体で構成されており、噴射ノズル833の開口縁には、噴射ノズル823の中心に向かって僅かに突出した環状電極834が一体形成されている。
インナー管835はアウター管832の基端側から中心孔832Aに挿入されており、円錐台形状をなした先端部が噴射ノズル833の円錐内面に突き当てられている。インナー管835の基端部には過熱水蒸気発生装置40が接続され、インナー管835の内側を過熱水蒸気が通過可能となっている。インナー管835は絶縁体で構成され、そのインナー管835の内側には、導体で構成された電極支持管836が嵌合固定されている。図92(C)に示すように、電極支持管836の内側には、その径方向で差し渡された支持板836Aが備えられており、その支持板836Aの中心を貫通した螺子孔に棒状電極839の基端部が螺合している。棒状電極839は、インナー管835の軸心部に配置され、その先端部は噴射ノズル833の中心、より詳細には、環状電極834で囲まれた放電領域の中心に配置されている(図92(A)参照)。
環状電極834はアウター管832を介してプラズマ用電源装置750(図91参照)に接続されており、棒状電極839は電極支持管836を介してプラズマ用電源装置750に接続されている。それら環状電極834と棒状電極839の間に高電圧をかけることによって、環状電極834で囲まれた放電領域でアーク放電が起き、噴射ノズル833を通過する過熱水蒸気がそのアーク放電の熱によってプラズマ化されてプラズマジェットが噴射ノズル833から噴射される(図92(D)参照)。
図92(D)に示すように、アウター管832のうち、噴射ノズル833より先端側の内周面には蒸気噴出口832Cが設けられている。蒸気噴出口832Cは、噴射ノズル833から噴射されたプラズマジェットに対して直接、過熱水蒸気を供給して、プラズマジェットを増幅させるために設けられている。蒸気噴出口832Cは、例えば、アウター管832の軸方向に延びたスリット状をなしている(図92(E)参照)。
インナー管835の先端内部にはフィン形突起837が形成されている。図92(B)に示すように、フィン形突起837は、インナー管835の軸方向と平行な矩形薄板状をなしている。フィン形突起837を設けたことで、噴射ノズル833から噴射されるプラズマジェットの基端寄り部分に、局所的な陥没部が形成される(図92(D)及び同図(E)参照)。蒸気噴出口832Cはその陥没部に対向するように配置されている。これにより、蒸気噴出口832Cから噴出した過熱水蒸気を、確実にプラズマジェット内に取り込むことができ、そのプラズマジェットの熱で過熱水蒸気を確実にプラズマ化することができる(図92(F)参照)。
上記実施形態及び参考例では、プラズマジェットに対して直接、過熱水蒸気を追加するための蒸気噴出口832Cを1つだけ備えていたが、図93(A)に示すように、蒸気噴出口832Cをプラズマトーチ831の軸方向及び周方向にずらして2つ以上備えていてもよい。つまり、過熱水蒸気の追加によって増幅されたプラズマジェットに対して、さらに過熱水蒸気を追加して、プラズマジェットをさらに増幅させることが可能な構成としてもよい。
また、図93(D)に示すように、アウター管832の中心孔832Bの内面から突出した1対のガイド壁部838,838を蒸気噴射口832を挟んで対をなすように配置し、フィン形突起837によって形成されたプラズマジェットの陥没部が、1対のガイド壁部838にそれぞれ形成されたガイド斜面838Aによって閉じられるようにしてもよい。図93(E)に示すように、ガイド斜面838Aは、アウター管832の内周面から離れた先端部に形成されており、噴射ノズル833から離れるに従って互いに接近すると共に、噴射ノズル833から離れるに従って幅狭になっている。これら両ガイド斜面838Aによってプラズマジェットの流れをガイドして、陥没部を蒸気噴射口832の下流側で閉じさせることができる。
さらに、蒸気噴出口832Cから処理対象物Sをプラズマジェットに直接供給するようにしてもよい。ここで、図93(B)に示すように、フィン形突起837を上記した各実施形態の接続管34の内部に設けて過熱水蒸気又はバーナー炎の基端部に陥没部が形成されるようにし、その陥没部に処理物供給管35から処理対象物Sを供給するように構成してもよい。なお、本参考例では、アーク放電によってプラズマを発生させているが、他のプラズマ発生手段(高周波電源、高電圧パルス電源等)を用いてプラズマを発生させてもよい。上述した本参考例のスチームプラズマ発生装置830を本参考例以外の他の実施形態及び参考例の容器回転装置に適用してもよい。
[第17参考例]
以下、本発明の第17参考例を図94〜図99に基づいて説明する。本参考例は、第1の流体(例えば、過熱水蒸気、液体窒素、反応性ガス、水、溶液、溶媒、温風、温水、溶融物等)と、処理対象物Sを含む第2の流体との混相流(具体的には、気液二相流、固気二相流又は固液二相流)を生成することが可能な混相流生成装置840を備えている点が上記各実施形態及び参考例とは異なる。
図94(A)に示すように、混相流生成装置840は、外筒体841とその内側に配置された内筒体845とを有している。外筒体841は両端開放の円筒形をなしており、外筒体841の基端部には、外部の流体供給手段から供給された第1の流体が流入する流入タンク842が設けられている。外筒体841の基端開口には多孔板843(図95(B)参照)が嵌め込まれており、その多孔板843に形成された多数の吐出孔843Aを通じて外筒体841の中心を貫通した混合室844内に第1の流体が供給されるように構成されている。吐出孔843Aは、例えば、外筒体841の軸方向と平行になっている。なお、外筒体841の筒壁の内部には循環流路841Aが形成されており、外部の冷温水供給手段から供給された冷水又は温水を循環させることで、外筒体841の混合室844内で生成される混相流を冷却又は加温することが可能となっている。
内筒体845は、多孔板843及び流入タンク842を貫通して外筒体841と平行に延びており、その先端部が外筒体841の混合室844内に配置されている。内筒体845の先端部には渦発生ノズル846が設けられている。渦発生ノズル846は、内筒体845の先端部から側方に膨出した中空球状をなしており、その渦発生ノズル846のうち外筒体841の先端開口を向いた前面部には、渦発生ノズル846を放射状に貫通した多数のノズル孔846Aが形成されている。内筒体845の基端部は、処理対象物Sを含む第2の流体の供給装置に接続されており、ノズル孔846Aから外筒体841の混合室844内に第2の流体を放出することが可能となっている。
図95(C)に示すように、多孔板843を通過して混合室844内に進入した第1の流体は、図95(C)の矢印で示したように、渦発生ノズル846の側方を迂回して流れる。このとき、第1の流体は、渦発生ノズル846の外表面に沿って流れ、渦発生ノズル846より下流側に渦が発生する。この渦は、第1の流体の流速を速めるに従って、双子渦、カルマン渦、乱流へと変化する。これにより、第1の流体と、渦発生ノズル846から混合室844内に放出された第2の流体とが混ざり合って混相流となり、その混相流の状態で外筒体841の先端開口から放出される。
ここで、図94(B)に示すように、外筒体841の内側(混合室844内)に設けた点火装置848によって、第1の流体としての可燃性ガス(例えば、燃料ガス、水素、アセチレン、酸素、空気、一酸化炭素、プラズマガスなど)と、処理対象物Sを含む第2の流体との混相流に点火して、その燃焼炎によって処理対象物Sを処理するようにしてもよい。また、第1の流体としてのプラズマ生成ガスと処理対象物Sを含む第2の流体との混相流をプラズマ状態とし、そのプラズマによって処理対象物Sの処理を行うようにしてもよい。
また、図94(C)に示すように、誘導結合形のプラズマトーチとしての外筒体841の内側に内筒体845を配置し、処理対象物Sを含む第2の流体と、第1の流体との混相流をプラズマ化することで処理対象物Sを処理するようにしてもよい。
さらに、図95(A)に示すように、第1及び第2の流体とは異なる第3の流体及び第4の流体を混合室844に供給して、これら4つの流体を混合室844内で混相流の状態にするようにしてもよい。
上記実施形態及び参考例では、吐出孔843Aが、外筒体841の軸方向と平行に多孔板843を貫通していたが、図97(A)に示すように、吐出孔843Aから混合室844に流れ込んだ第1の流体が、内筒体845を中心とした旋回流となるように、吐出孔843Aを外筒体841の軸方向に対して傾斜させてもよい。
また、渦発生ノズル846の外表面に、以下に説明するようなタービュレータを設けておき、渦発生ノズル846の外表面近傍を流れる第1の流体を乱流にすることで、第2の流体との混合が促進されるようにしてもよい。例えば、図96(A)〜同図(C)に示す渦発生ノズル846の外表面には、タービュレータとして、複数の三角フィン849が設けられている。これら三角フィン849は、内筒体845の中心軸を中心とした同一円周上に設けられかつ、その円周方向で一定間隔を空けて設けられている。また、三角フィン849は、渦発生ノズル846の外表面に沿って流れる第1の流体の流れ方向と略平行に設けられ、渦発生ノズル846の外表面からの突出高さが、渦発生ノズル846の先端側に向かうに従って低くなっている。そして、図96(C)に示すように、渦発生ノズル846の外表面に沿って流れる第1の流体の層(境界層)は、三角フィン849によって流れが乱されて渦流又は乱流となり、その渦流又は乱流が継続的に発生する。
図96(D)〜同図(F)に示す渦発生ノズル846の外表面には、タービュレータとして、複数の突条850が設けられている。これら突条850は、内筒体845を中心とした円周方向(渦発生ノズル846の外表面に沿って流れる第1の流体の流れ方向と直交した方向)に延びかつ、その円周方向で一定間隔を空けて設けられている。渦発生ノズル846の外表面に沿って流れる第1の流体の層(境界層)は、突条850によって流れが乱されて渦流又は乱流となり、その渦流又は乱流が継続的に発生する。
図96(G)〜同図(I)に示す渦発生ノズル846の外表面には、タービュレータとして、渦発生ノズル846の外表面から起立した門形突部851が設けられている。門形突部851は、内筒体845を中心とした円周方向(渦発生ノズル846の外表面に沿って流れる第1の流体の流れ方向と直交した方向)に延びかつ、その円周方向で一定の間隔を空けて設けられている。渦発生ノズル846の外表面に沿って流れる第1の流体の層(境界層)は、門形突部851によって流れが乱されて渦流又は乱流となり、その渦流又は乱流が継続的に発生する。
さらに、図97(B)に示すように、渦発生ノズル846の外表面を凹ませた多数のディンプル852を形成して、それらディンプル852にノズル孔846Aの先端開口を接続してもよい。ディンプル852の形状は、図97(B)に示すような円錐台形状でもよいし、球面状又は円錐状でもよい。渦発生ノズル846の外表面に沿って流れる第1の流体の一部がディンプル852の内側に流入して局所的な渦流又は乱流が発生するので、その乱流によって、第1の流体と、ノズル孔846Aから吐出された第2の流体との混合をさらに促進することができる。
図97(C)及び同図(D)に示すように、ノズル孔846Aの孔径、数、配置等は、処理対象物Sの性状(流体の種別、粘性度や粉粒体の粒子径等)に応じて適宜変更してもよい。
また、図97(E)に示すように、渦発生ノズル846の先端中央部に比較的大径なノズル孔846Aを設けてここから第2の流体を噴射させると共に、渦発生ノズル846を構成する構成壁を軸方向に貫通した複数の貫通孔846Bを設けて、それら複数の貫通孔846Bを混合室844内に供給された第1の流体が通過するようにしてもよい。
上記実施形態及び参考例では、渦発生ノズル846が球状をなしていたが、図98(A)に示すように、内筒体845の先端部を側方に張り出させた円板状をなしていてもよい。円板状にすることで、渦発生ノズル846の前面に比較的近い位置で渦流を発生させることができる。また、図98(B)に示すように、渦発生ノズル846の前面に多数のディンプル852を形成してそれらディンプル852にノズル孔846Aの先端開口を接続してもよい。また、渦発生ノズル846の外周面寄り位置を混合室844の軸方向に貫通した貫通孔846Bを設けて、混合室844に供給された第1の流体が、その貫通孔846Aを通過するようにしてもよい。また、図98(C)に示すように、渦発生ノズル846の前面を略円錐形の凹面としてもよい。
また、図98(D)及び同図(F)に示すように、混合室844の内周面のうち渦発生ノズル846よりも下流側の位置から段付き状に突出した環状堰部853を設けてもよい。環状堰部853は、断面矩形状でもよいし、渦発生ノズル846側の面が円錐面で構成された断面三角形状でもよい。環状堰部853を設けたことで流路が絞られるので、第1の流体を加速させることができると共に、環状堰部853の下流側に渦流又は乱流を発生させて第1と第2の流体の混合をさらに促進させることができる。
また、図98(E)に示すように、渦発生ノズル846の下流側位置に混合室844の内周面から若干離して配置されたドーナツ形の環状堰部854を設けてもよい。この環状堰部854は断面円形をなしており、混合室844の内周面から突出した複数の支持突起855によって支持されている。環状堰部854を設けたことで混合室844の流路が絞られるので、第1の流体を加速させることができると共に、環状堰部854の下流側に渦流又は乱流を発生させることができる。本参考例の混相流生成装置840を、本参考例以外の他の実施形態及び参考例の容器回転装置100に適用してもよい。
[第18参考例]
以下、本発明の第18参考例を、図100及び図101に基づいて説明する。本参考例の筒形回転容器10は、上記第15参考例で説明したトロンメル810、センター筒体812、移送ダクト23等を一体に備えた機能ユニット865を、汎用品である筒形容器860に組み付けてなる。本参考例では筒形容器861として、例えば、ポットミル粉砕機で使用されるポット(図100(A)及び同図(B)参照)を流用している。筒形容器860は一端有底の円筒状をなし、容器底壁861(本発明の「第1始端壁」に相当する)と反対側の他端部には、容器筒壁862から中心に向かって張り出したネック部863が形成されている。
機能ユニット865は、筒形容器860の開口端に宛がって固定(螺子止め)された円板壁866を有し、その円板壁866の一側面から円筒壁867が突出している。円筒壁867は円板壁866と同心円状に配置されており、その内径は、筒形容器860の開口部864の内径と略同一となっている。そして、図100(C)に示すように、円板壁866によって筒形容器860の内部空間である第1回転室15と、円筒壁866の内部空間である第2回転室16とが仕切られている。なお、円板壁866は、本発明の「第1終端壁」に相当する。
第2回転室16に配置されたトロンメル810は、円板壁866から円筒壁866の開口端に向かって突出しており、円筒壁866と同心円状に配置されている。トロンメル810の内側には、円板壁866の中央部を貫通して筒形容器860(第1回転室15)内に突出したセンター筒体812が配置されている。センター筒体812は円板壁866に固定されている。
移送ダクト23は、第1回転室15内で容器筒壁862の内周面に沿って円弧状に延びた第1ダクト871と、第2回転室16内で円筒壁866の内周面に沿って円弧状に延びた第2ダクト872と、それら第1ダクト871と第2ダクト872とを連通した中間ダクト873とから構成されている。
第2ダクト872は、円板壁866における第2回転室16側の面の外縁部に設けられて円弧状に延びている。図101(A)に示すように、第2ダクト872は、円板壁866から第2回転室16内に突出しかつ円筒壁866の内周面と平行に延びた円弧状のダクト底壁872Aと、ダクト底壁872Aのうち円板壁866から離れた側の縁部から径方向外側に突出して円筒壁866の内周面に接合した円弧状のダクト側壁872Bとを有しており、円弧状に湾曲した角筒状をなしている。第2ダクト872のうち正回転方向の前端部には、移送ダクト23の第2始端開口25が形成されている。第2始端開口25は、正回転させた場合の進行方向の前方に向かって開口している。第2ダクト872のうち正回転方向の後端部には、円板壁866を貫通した矩形の連通開口872Dが形成されており、その連通開口872Dによって第2ダクト872と中間ダクト873とが連通状態に接続されている。
第1ダクト871は、円板壁866における第1回転室15側の面から離れた位置で円弧状に延びている。図101(A)に示すように、第1ダクト871は、円板壁866から第1回転室15内に突出しかつ筒形容器860の内周面と平行に延びた円弧状のダクト底壁871Aと、ダクト底壁871Aのうち円板壁866から離れた側の縁部から径方向外側に突出して容器筒壁862の内周面に接合した円弧状の第1ダクト側壁871Bと、ダクト底壁871Aのうち第1ダクト側壁871Bと円板壁866との中間部から径方向外側に突出してネック部863の内面に宛がわれた円弧状の第2ダクト側壁871Cとを有しており、円弧状に湾曲した扁平な角筒状をなしている。第1ダクト871のうち正回転方向の後端部には、移送ダクト23の第1終端開口24が形成されている。第1終端開口24は、逆回転させた場合の進行方向の前方に向かって開口している。なお、第1ダクト871を構成する第1ダクト側壁871B及び第2ダクト側壁871Cは、機能ユニット865を第1回転室15側の面から見たときに、筒形容器860の開口部864と同一径の円(図101(B)の二点鎖線で示された円)に収まるように構成されている。
第1ダクト871の正回転方向の前端部には中間ダクト873が接続されている、中間ダクト873は、円板壁866から第2回転室15内に突出している。詳細には、中間ダクト873は、円板壁866に貫通形成された連通開口872Dの開口縁から第2回転室16内に突出して、第1ダクト871における正回転方向の前端部に直角に接続されている。なお、図101(D)に示すように、中間ダクト873のうち正回転方向の前端面には、中間ダクト873から離れるに従って(正回転方向の前方に向かうに従って)円板壁866に接近するように傾斜した端面斜板875が設けられている。端面斜板875は、筒形回転容器10を正回転させた場合に、第1回転室15内に段付き状に突出した中間ダクト873が処理対象物Sから受ける抵抗を軽減すると共に、処理対象物Sが中間ダクト873の前端面にすくい上げられること防止する。
機能ユニット865を筒形容器860に組み付ける場合には、機能ユニット865の中心軸を筒形容器860の中心軸に対してずらした状態で、センター筒体812及び第1ダクト871を構成するダクト底壁871A等を筒形容器10内に挿入する。そして、機能ユニット865の円板壁866を筒形容器860の開口端に宛がって、そのまま中心軸と直交する方向に機能ユニット865をスライドさせて、機能ユニット865の中心軸と筒形容器860の中心軸とを一致させる。すると、図100(C)に示すように、第1ダクト側壁871Bが筒形容器860の内周面に突き当てられると共に、第2ダクト側壁871Cと円板壁866との間で筒形容器860のネック部863が挟持される。最後に、円板壁866を貫通した複数の螺子(図示せず)を筒形容器860の開口端の螺子孔860Aに締め付けて機能ユニット865を筒形容器860に固定する。
本参考例の筒形回転容器10は、ポットミル粉砕機に使用される公知なポットミル回転架台(図示せず)によって回転させることができる。筒形回転容器10を逆回転させると、第1回転室15内の処理対象物Sは、第1ダクト871及び中間ダクト873を経由して第2ダクト872に進入する。そして、流路切替板816が第1位置に位置している場合には、処理対象物Sがトロンメル810に送られ、流路切替板816が第2位置に位置している場合には、処理対象物Sが第2始端開口25から第2回転室16内に排出される。また、機能ユニット865を固定した筒形回転容器10を、上記第7参考例の回転受容部601(図64参照)に挿入して使用してもよいし、上記第8参考例の回転受容部650(図68参照)に組み付けて使用してもよい。
[第19参考例]
以下、本発明の第19参考例を図102〜図104に基づいて説明する。図103に示すように、本参考例の容器回転装置100は、筒形回転容器10を収容した真空容器880と、真空容器880を気密状態に貫通して筒形回転容器10を回転可能に支持した駆動シャフト886と、駆動シャフト886に回転駆動力を付与する駆動源とを備えている。真空容器880の内面には加熱源としてのヒーター33が設けられており、筒形回転容器10内の処理対象物Sを外側から加熱することが可能となっている。また、真空容器880の外側には処理対象物Sを供給するためのフィーダー36が備えられており、真空容器880を気密状態に貫通した供給シュート881を介して筒形回転容器10の第2回転室16内に処理対象物Sを供給することが可能となっている。その他、真空容器880には、真空容器880内又は第1回転室15内にガスを供給するためのガス供給源882A,882B、真空容器880内を真空引きするための真空ポンプ883、筒形回転容器10から排出された処理対象物Sを受けるための排出容器884等が、真空弁885A〜885Eを介して接続されている。
筒形回転容器10は、駆動源としてのモータ36によって回転駆動される駆動シャフト886の先端部に着脱可能に取り付けられており、駆動シャフト886と共に真空容器880内で回転する。詳細には、駆動シャフト886は真空容器880の端部壁を貫通した貫通孔880Aに挿通されており、真空容器880内に配置された先端部に平板状の取付ベース887とその取付ベース887から突出した断面非円形の嵌合軸部888とを備えている。なお、真空容器880の貫通孔880Aと駆動シャフト886の外周面との間は、摺動シール889によって気密状態にシールされている。筒形回転容器10のうち、第1始端壁12の中央部からは、第1回転室15側に断面非円形の嵌合筒部890が突出しており、その嵌合筒部890が、駆動シャフト886における嵌合軸部888の外側に嵌合している(図104(G)参照)。これにより、駆動シャフト886と筒形回転容器10とが一体回転可能に連結されている。なお、本参考例では、共に断面が非円形をなした嵌合軸部888と嵌合筒部890との嵌合によりそれらが一体回転可能に連結されていたが、嵌合軸部888及び嵌合筒部890を共に断面円形とし、取付ベース887と筒形回転容器10の第1始端壁12とを図示しないピンによって結合することで、それらを一体回転可能に連結してもよい。
筒形回転容器10は、その軸方向の中間部で2分割可能となっている。詳細には、第1終端壁14より始端側の第1容器構成体891と、第1終端壁14を含む終端側の第2容器構成体892とに分割可能となっている。第1容器構成体891の終端部と第2容器構成体892の始端部には、それぞれインロー部893,894が形成されている。図104(A)に示すように、インロー部893,894はそれぞれ筒壁から外側に張り出したフランジ893A,894Aを有しており、それらフランジ893A,894Aの間にはパッキン895(例えば、リップパッキン。具体的には、Vパッキン)が挟まれている。
図104(A)には、図103(A)の点線円で囲まれた部分が拡大して示されている。同図に示すように、第2容器構成体892に設けられたインロー部894は、パッキン895より内側に環状の嵌合溝894Bを有している。同図(B)に示すように、嵌合溝894Bには、第1容器構成体891の筒壁の終端部が突入して凹凸嵌合している。第1容器構成体891の筒壁の終端面は、断面が半円弧状をなした第1シール面891Sとなっている。これに対し、嵌合溝894Bの内面は断面が第1シール面891Sに外接する略円錐台形状をなした第2シール面894Sとなっている。また、第2シール面894Sの底面からは断面楔形のシール突起894Tが突出している。シール突起894Tの頂部は鋭角に尖っており、図104(C)に示すように第1シール面891Sの押し付けによって嵌合溝894Bの中心側に曲げ変形される。そして、シール突起894Tを含む少なくとも5箇所で、第1シール面891Sと第2シール面894Sとが筒形回転容器10の周方向の全周に亘って同心円状に線当接して、所謂、メタルタッチシールが構成されている。このメタルタッチシールと、上記したパッキン895とによって、第1容器構成体891と第2容器構成体892との接合部分(インロー嵌合部)が気密状態にシールされている。なお、パッキン895はリップパッキンに限定するものではなく、例えば、図104(D)に示すように、断面円形又は断面角形のパッキンでもよい。また、セラミックスファイバーパッキンやカーボンファイバーパッキンを使用してもよい。また、インロー部893,894に形成したフランジ893A,894Aの間にパッキン895を挟んでシールを行っていたが、図104(E)に示すように、第1容器構成体891及び第2容器構成体892の筒壁の肉厚をさらに厚くした場合には、フランジフランジ893A,894Aを設けることなくパッキン895によるシールを行うことができる。
図103(A)に示すように、第1容器構成体891と第2容器構成体892は、駆動シャフト886及び第1回転室15の軸心部を貫通した連結パイプ896によって合体状態に保持されている。連結パイプ896は、駆動シャフト886の基端部と、第1終端壁14における第2回転室16側の面から突出した軸受筒部897とによって両端部が支持されている。また、連結パイプ896の両端部は、駆動シャフト886の基端部及び軸受筒部897の先端部からそれぞれ突出しており、その突出部分にそれぞれナット898A,898Bが螺合している。連結パイプ896の基端部のナット898Bと駆動シャフト886との間には圧縮コイルバネ899が配置されている(図104(F)参照)。連結パイプ896の先端のナット898Aを締め付けることで、圧縮コイルバネ899が押し縮められ、その弾発力で第2容器構成体892が第1容器構成体891に押し付けられて両者の接合部分(インロー嵌合部分)が気密状態に維持されている。ここで、ヒーター33の熱によって連結パイプ896が熱膨張によって延びる可能性があるが、圧縮コイルバネ899の弾発力を予め適正値に設定しておくことで、熱膨張が起きた場合でも、第1容器構成体891と第2容器構成体892との接合部分の気密状態を確実に維持することができる。また、連結パイプ896は、第1回転室15内にガスを供給するためのガス供給管を兼ねており、連結パイプ896軸方向の複数箇所には、ガス放出口896Aが貫通形成されている(図103(A)参照)。連結パイプ896の基端部は、ロータリージョイント724を介してガス供給源882Aに接続されている。
さて、図102(A)には、本参考例の容器回転装置10による処理対象物Sの自動処理フローの一例が示されている。まずは、真空ポンプ883によって真空容器880内が真空引きされる。次いで、筒形回転容器10の正回転が開始され、その正回転した状態で、予め定められた所定量の処理対象物Sがフィーダー36から第2回転室16内に自動供給される。このとき、真空弁885Aが閉じられて真空容器880内の真空状態が維持される。
第2回転室16に供給された処理対象物Sは、第2螺旋ガイド18によって第1終端壁14側に移動し、移送ダクト23を通って第1回転室15に移動する。処理対象物Sは、第1回転室15内で撹拌・混合されると共に加熱処理される。予め設定した処理時間が経過すると筒形回転容器10は一旦停止し、その後、逆回転する。すると、処理対象物Sは移送ダクト23を通って第2回転室16に移動し、第2螺旋ガイド18の案内によって終端口13から排出される。このとき真空弁885Cが開放して、第2回転室16から排出された処理対象物Sが排出容器884に受容される。予め設定した回転時間が経過すると逆回転が停止し真空弁885Cが閉じる。その後、上述した真空ポンプ883による真空引き以降の処理が繰り返し行われ、処理対象物Sが毎回一定量ずつ加熱処理される。
ここで、筒形回転容器10のうち少なくとも第1容器構成体891を透明容器(例えば、ガラス容器)で構成すると共に、真空容器880内に光源を配置して、処理対象物Sを、光(例えば、EUV、UV,赤外線等)のエネルギーによって処理可能な構成としてもよい。このとき、ヒーター33による加熱を同時に行ってもよい。
図103(B)には、本参考例の変形例が示されている。この容器回転装置100では、筒形回転容器10の外側に誘導コイル42Bが備えられ、第1回転室15内にプラズマ雰囲気を発生させることが可能となっている。図102(B)は、この容器回転装置100による処理対象物Sの自動処理フローの一例である。同図に示すように、処理対象物Sを撹拌・混合しながらプラズマ雰囲気によって処理することができる。なお、上述したように、筒形回転容器10のうち少なくとも第1容器構成体891を透明容器で構成すると共に、真空容器880内に光源及び/又は加熱源を配置して、処理対象物Sを、光(例えば、EUV、UV,赤外線等)のエネルギー、熱エネルギー、プラズマの何れか又はそれらを組み合わせて処理対象物Sの処理を行うようにしてもよい。なお、上述した本参考例の構成を、他の実施形態及び参考例に適用してもよい。
[第20参考例]
本発明の第20参考例を図105〜図107を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、第19参考例との相違点のみを説明することとし、同一部位については同一符号を付すことで重複した説明は省略する。
図105(A)に示すように、第2容器構成体892のインロー部894に備えたフランジ894Aには、リング状の押えフランジ900が係止されている。駆動シャフト886に備えた取付ベース887の外縁部寄り位置からは、押えフランジ900を貫通した複数の連結シャフト901が延びている。連結シャフト901は、筒形回転容器10の中心軸と平行に延びており、取付ベース887とは反対側の先端部にナット902が螺合している。また、連結シャフト901のうち、ナット902と押えフランジ900との間には円筒カラー903及び圧縮コイルバネ904が配置されている。円筒カラー903は連結シャフト901の外側に直動可能に嵌合しており、圧縮コイルバネ904の弾発力によって押えフランジ900に押し付けられている(図105(B)参照)。その弾発力によって、第1容器構成体891と第2容器構成体892との接合部分(インロー嵌合部分)が気密状態に維持されている。また、ナット902を螺合操作することで、圧縮コイルバネ904の弾発力、即ち、第1容器構成体891と第2容器構成体892との固定力を任意に調節することができる。
図105(C)に示すように、筒形回転容器10の第1回転室15内には、プラズマ発生部905が設けられている。プラズマ発生部905は、筒形回転容器10内で水平に延びた支持部材906の両端部から片持ち梁状に延びた棒状のプラズマ電極907,907を有しており、それらプラズマ電極907,907の間でプラズマを発生させて、処理対象物Sを処理することが可能となっている。支持部材906は、駆動シャフト886のシャフト貫通孔886Aを貫通した回転不可能な固定シャフト908の先端部に固定されており、固定シャフト908は駆動シャフト886に対して相対回転可能に支持されている。なお、駆動シャフト886のシャフト貫通孔886Aと固定シャフト908との間は摺動シール909によってシールされている。その他の構成は、上記第19参考例と同一である。本参考例によっても、上記第19参考例と同等の作用効果を奏する。
なお、本参考例では、第1回転室15の筒壁内面に上記第1実施形態等で説明した第1螺旋ガイド17を備えていなかったが、その第1螺旋ガイド17や、他の撹拌部材を設けてもよい。例えば、図105(D)に示すように、筒形回転容器10の中心軸に沿って間隔を空けて配列された複数の矩形突片910や、図107に示すような畝形突条911を設けてもよい。同図(A)に示すように、畝形突条911は、第1始端壁12と第1終端壁14との間で筒形回転容器10の中心軸に対して傾斜して延びている。より詳細には、畝形突条911は断面が直角三角形となっており、筒形回転容器10の筒壁に対して直角でかつ正回転方向の前方を向いた垂直面911Aと、筒壁に対して傾斜しかつ逆回転方向の前方を向いた傾斜面911Bとを有している。また、畝形突条911は、第1始端壁12から第1終端壁14に向かうに従って逆回転方向の前方に向かうように傾斜して延びており(同図(C)参照)、さらに、畝形突条911における稜線911Cが、第1始端壁12から第1終端壁14に向かうに従って筒壁内面から離れるように傾斜している(同図(B)参照)。なお、この畝形突条911や矩形突片910は、六角筒形の筒形回転容器10に限らず、同図(D)に示すように、円筒形の筒形回転容器10の第1回転室15に設けてもよい。
さらに、図106(A)及び同図(B)に示すように、筒形回転容器10(第1回転室15)の筒壁内面に向かって突出した複数のプラズマ電極907と、筒形回転容器10(第1回転室15)の筒壁内面との間でプラズマを発生させるように構成してもよい。なお、上述した本参考例の構成を、他の実施形態及び参考例に適用してもよい。
[第21参考例]
本発明の第21参考例を図108〜図109を参照しつつ説明する。本参考例の容器回転装置100は、筒形回転容器10の外面のうち少なくとも第1回転室15の側方部分を覆って筒形回転容器10と一体回転すると共に、内部に熱媒体を循環させて筒形回転容器10を加熱又は冷却するための熱交換ジャケット920を備えている。なお、以下の説明では、第1実施形態との相違点のみを説明することとし、同一部位については同一符号を付すことで重複した説明は省略する。
図108(A)に示すように、筒形回転容器10のうち軸方向の中間部より第1始端壁12側の部分は、熱交換ジャケット920によって覆われている。熱交換ジャケット920は、筒形回転容器10の筒壁11を覆ったジャケット胴部921と、第1始端壁12の径方向外寄り部分を覆ったジャケット底部922とから構成されている。熱交換ジャケット920は、筒形回転容器10の筒壁11及び第1始端壁12の外面から起立した複数の支柱923によって筒形回転容器10の外面に固定されている。熱交換ジャケット920と筒形回転容器10との間には閉塞されたジャケット室924が形成されており、そのジャケット室924に媒体供給装置937から供給された冷熱媒体(例えば、冷水、熱媒体油、液体窒素)又は温熱媒体(例えば、スチーム、温水、温風、溶融ナトリウム、熱媒体油)によって、第1回転室15内の処理対象物Sを冷却又は加熱することが可能となっている。
媒体供給装置937と熱交換ジャケット920は、熱媒体給排管930によって接続されている。熱媒体給排管930は、筒形回転容器10と一体回転可能であり、内管931と外管932とを有した二重管構造となっている。熱媒体は、内管931の内側の供給流路931Aを通ってジャケット室924に供給され、内管931と外管932との間に形成された排出流路932Aを通ってジャケット室924から排出される。熱媒体給排管930は、第2回転室16の内側でその中心から径方向外側に向かって延びた第1配管部933と、第2回転室16における筒形回転容器10の中心軸上に配されて第1配管部933に接続された第2配管部934とを有している。
第1配管部933のうち第2配管部934から離れた端部は、熱交換ジャケット920に接続されている。詳細には、熱交換ジャケット920のジャケット室924と第1配管部933における排出流路932Aとが連通している(図108(C)及び同図(D)参照)。図109(A)に示すように、第1配管部933における内管931と外管932は断面矩形の角筒状をなしており、外管932は、内管931をその軸方向と直交する三方から囲んでいる。即ち、第1配管部933における排出流路932Aは断面「コ」の字形をなしている。第1配管部933における排出流路932A内には、第1配管部933と平行に延びた内部隔壁935が設けられている。内部隔壁935は内管931と外管932のうち、筒形回転容器10の軸方向で対向した管壁同士の間に形成されている。その内部隔壁935によって、第1配管部933における排出流路932Aが第2配管部934との接続部を除いて二等分されている(図108(D)参照)。
図108(A)に示すように、第2配管部934は、筒形回転容器10の終端口13を通過して固定蓋32を貫通しており、回転軸受部938によって筒形回転容器10と一体回転可能に支持されている。また、第2配管部934における内管931と外管932は共に断面円形の円筒状をなしかつ、同心円状に配置されている。ここで、第2配管部934の軸方向の中間部は、フレキシブル管934Aで構成されている。これにより、熱媒体給排管930の熱変形(伸縮)や芯ズレを吸収することができる。なお、熱媒体給排管930と媒体供給装置937はロータリージョイント936を介して接続されている。また、排出流路932Aを通って排出された熱媒体は、ロータリージョイント936に接続された図示しない熱交換機を通って媒体供給装置937に環流されるか又は、熱媒体を利用する別の装置(例えば、ボイラー等)に供給される。
熱媒体給排管930の排出流路932Aは、ジャケット胴部921の閉塞端部に貫通形成された排出口921Aを介してジャケット室924と連通している。一方、熱媒体給排管930の供給流路931Aは、熱交換ジャケット920の内面と筒形回転容器10の外面との間に形成されたジャケット内流路925に接続されている。ジャケット内流路925は、熱交換ジャケット920の内面から突出した流路壁926を筒形回転容器10の外面に突き当てて構成されており、ジャケット内流路925とジャケット室924との間は流路壁926によって仕切られている。
ジャケット内流路925は、筒形回転容器10の筒壁11とジャケット胴部921との間で筒形回転容器10の中心軸と平行に延びた第1の直線流路925A(図109(A)参照)と、第1始端壁12とジャケット底部922との間で筒形回転容器10の径方向に延びかつ一端部が第1の直線流路925Aに接続された第2の直線流路925Bと、第2の直線流路925Bの他端部に接続されて筒形回転容器10と同心円状をなした環状の分配流路925Cとから構成されている(図109(G)参照)。分配流路925Cは、円環状をなしたジャケット底部922の内縁部に沿って設けられており、その分配流路925Cとジャケット室924とを区画した流路壁926には、複数の分配口926Aが貫通形成されている。ジャケット内流路925を流れて分配流路925Cに到達した熱媒体は、各分配口926Aからそれぞれジャケット室924に流入する。
図109(G)に示すように、分配流路925Cの流路壁926のうち、周方向で隣り合った分配口926Aの中間部からは、径方向外側に向かって複数の仕切壁927が放射状に延びている。それら仕切板927のうち分配流路925Cから離れた先端部には、それぞれ媒体ガイド板928が接続されている。図108(A)に示すように、媒体ガイド板928は、ジャケット胴部921の内面から突出して筒形回転容器10の筒壁11外面に突き当てられている。媒体ガイド板928は、ジャケット室924内で筒形回転容器10の中心軸と平行に延びている。また、それら媒体ガイド板928は、筒形回転容器10の周方向における位置に応じてそれぞれ長さが異ならせてある。具体的には、例えば、ジャケット内流路925における第1の直線流路925Aから離れるに従って、媒体ガイド板928の長さが徐々に長くなっている。
媒体供給装置937から供給された熱媒体は、熱媒体給排管930の供給流路931A(内管931)を通過してジャケット内流路925に進入し、そのジャケット内流路925をさらに通過してジャケット室924へと進入する。ジャケット室924に進入した熱媒体によって第1回転室15内の処理対象物Sが冷却又は加熱される。ジャケット室924内の熱媒体は、新たにジャケット室924内に流入した熱媒体によって押し出され、熱媒体給排管930の排出流路932Aを通って筒形回転容器10の外部に排出される。
ところで、液体の熱媒体を使用した場合にジャケット室924内に気泡が貯まると、熱交換性能が低下するので、ジャケット室924内の気泡は除去する必要がある。これに対し、本参考例によれば、筒形回転容器10の回転に伴ってジャケット室924内の気泡が熱媒体と共に自然に排出されるように構成されている。
具体的には、筒形回転容器10が図109(D)に示す位置、即ち、熱媒体給排管930の第1配管部933が第2配管部934から鉛直上方に向かって立ち上がった状態になったとき、ジャケット室924内の気泡は、ジャケット室924の上端部、即ち、ジャケット内流路925の第1の直線流路925Aを挟んだ両側に集まる。
筒形回転容器10が図109(D)に示す位置から正回転方向に回転すると、ジャケット室924のうち第1の直線流路925Aより正回転方向の後側に集まっていた気泡は、そのままジャケット室924の上端部に留まるが、ジャケット室924のうち第1の直線流路925Aより正回転方向の前方側に貯まっていた気泡は、第1の直線流路925Aを構成する流路壁926に押されて下方に移動し、熱媒体に流されて熱媒体給排管930における第1配管部933の排出流路932Aに進入する(図109(E)参照)。さらに筒形回転容器10が正回転方向に回転すると、排出流路932Aに進入した気泡が内部隔壁935の案内によって第1配管部933から第2配管部934に向かって移動し(図109(F)参照)、熱媒体と共に気泡がジャケット室924内から排出される。筒形回転容器10を逆回転させた場合も同様にして気泡が除去される。
なお、筒形回転容器10の筒壁11の外側を、パイプをコイル状に巻いた熱交換パイプで覆って、その熱交換パイプに流した熱媒体によって、処理対象物Sの冷却又は加熱を行ってもよい。具体的には、例えば、熱媒体の供給用と排出用とを含む複数本のパイプをコイル状に巻き付けて、それら供給用と排出用のパイプ同士を接続した構成とすればよい。なお、上述した本参考例の構成を、他の実施形態及び参考例に適用してもよい。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記第1実施形態では、第2始端開口25が、正回転方向の前方を向いて開口していたが、第1終端壁14と直交する方向に開口していてもよい。その場合、第2螺旋ガイド18の端部を第2始端開口25における正回転方向の後側縁部に接続してもよい。こうすれば、筒形回転容器10を正方向に回転させた場合に、第2回転室16内の処理対象物Sを第2螺旋ガイド18によって、第2始端開口25に誘導することができる。
(2)図110(A)に示すように、第1回転室15内に撹拌部材660を設けてもよい。撹拌部材660は、筒形回転容器10の軸方向で向かい合わせにして、第1螺旋ガイド17の内側領域に配置されている(同図(B)参照)。両撹拌部材660,660は、それぞれ回転シャフト661の先端に固定されており、筒形回転容器10の外部に配置された図示しないモータによって筒形回転容器10とは別個に回転させることが可能となっている。これにより、処理対象物Sや処理内容に応じて様々な撹拌操作を行うことが可能となる。
撹拌部材660は、回転シャフト661の側方に張り出しかつ、回転シャフト661に対して回転対称な1対の撹拌翼662,662を有している。撹拌翼662は、傾斜の方向が異なる3つの傾斜板663,664,665が連なった形状をなしている。
図111(B)に示すように、撹拌翼662のうち第1の傾斜板663は、平面視L字形をなしており、同図(A)に示すように、基端部から先端部に向かうに従って筒形回転容器10の正回転方向の前方に向かうように傾斜している。図111(B)に示すように、第2の傾斜板664は、第1の傾斜板663の先端から回転中心側に突出しており、同図(A)に示すように第1の傾斜板663から離れるに従って正回転方向の後方に向かうように傾斜している。図111(B)に示すように、第3の傾斜板665は、第2の傾斜板664の先端から第1の傾斜板663の基端側に向かって突出しており、同図(A)に示すように、第2の傾斜板664から離れるに従って正回転方向の前方に向かうように傾斜している。このように、傾斜の方向が異なる3つの傾斜板663,664,665によって撹拌翼62を構成したことで、第1回転室15内で処理対象物Sを複雑に流動させることが可能になる。
(3)図112に示すように、筒形回転容器10と一体回転する第1サブ螺旋ガイド27の替わりに、筒形回転容器10に対して相対回転可能な回転螺旋ガイド670を設けてもよい。具体的には、第1回転室15の中心を回転シャフト671が回転可能に貫通しており、その回転シャフト671に回転螺旋ガイド670が一体に固定されている。回転螺旋ガイド670は、第1螺旋ガイド17の内側に配置されており、第1始端壁12と第1終端壁14との間で螺旋状に延びたリボン形をなしている。回転シャフト671と回転螺旋ガイド670との間は、回転シャフト671の軸方向の複数箇所から径方向に突出した複数のスポーク672によって連結されている。さらに、回転螺旋ガイド670は、筒形回転容器10の周方向で180度位相をずらして2つ備えられている。なお、回転螺旋ガイド670は、筒形回転容器10を正回転させた場合に、第1回転室15内の処理対象物Sを第1終端壁14側に送給する(逆回転させた場合に、第1始端壁12側に送給する)ような螺旋形状としてもよいし、正回転させた場合に、処理対象物Sを第1始端壁12側に送給する(逆回転させた場合に、第1終端壁14側に送給する)ような螺旋形状としてもよい。この構成によれば、回転螺旋ガイド670を筒形回転容器10の回転方向に対して逆回転させたり、筒形回転容器10とは異なる回転速度で回転させたり、筒形回転容器10と回転螺旋ガイド670との何れか一方のみを回転させる等、処理対象物Sの種類や処理内容に応じて様々な撹拌操作を行うことが可能となる。
(4)図113に示すように、筒形回転容器10と一体回転する第1サブ螺旋ガイド27の替わりに、筒形回転容器10に対して相対回転可能な撹拌子680を設けた構成としてもよい。具体的には、第1回転室15の中心を回転シャフト681が回転可能に貫通しており、その回転シャフト681の側方に複数の撹拌子680が配置されている。全ての撹拌子680は、第1螺旋ガイド17よりも内側に配置されており、回転シャフト681と各撹拌子680との間は、回転シャフト681から径方向に突出したスポーク682によって連結されている。また、撹拌子680は、回転方向の一端から他端に向かうに従って先細りとなった流線型をなしている。詳細には、筒形回転容器10の逆回転方向X2の前方に向かうに従って窄まった楔状をなしている。この構成によれば、撹拌子680を、筒形回転容器10の回転方向に対して逆回転させたり、筒形回転容器10とは異なる回転速度で回転させたり、筒形回転容器10と撹拌子680との何れか一方のみを回転させる等、処理対象物Sの種類や処理内容に応じて様々な撹拌を行うことが可能となる。また、撹拌子680を、例えば、耕うん機に用いられているロータリーの刃構造や、せん断効果を得るための鎌状刃等、処理対象物Sの種類や処理内容に応じた構造にすることで、様々な撹拌を行うことが可能となる。
(5)筒形回転容器10を中心軸方向で複数分割してなる容器構成体を、固定手段(ボルト等の締結部材や溶接を含む)によって固定して筒形回転容器10が構成されるようにしてもよい。例えば、上記第1実施形態の筒形回転容器10の場合には、図114(A)に示すように、第1始端壁12及びリフター20を一体に備えた第1の容器構成体691と、第1螺旋ガイド17を一体に備えた第2の容器構成体692と、第1終端壁14及び移送ダクト23を一体に備えた第3の容器構成体693と、第2螺旋ガイド18を一体に備えた第4の容器構成体694とに分割可能とすると共に、各容器構成体691〜694の分割面に設けたフランジ部695同士を固定手段によって固定した構成としてもよい。このような構成とすることで、第1回転室15の内壁、第2回転室16の内壁、螺旋ガイド17,18,27、リフター20等の内部機構の清掃、洗浄容易性を高め、内部点検を容易に行うことができる。
また、例えば、図114(B)に示すように、第1〜第4の各容器構成体691〜694と交換することが可能でかつ内部構造が異なる交換用の容器構成体701〜705を用意しておき、処理対象物Sの種類や処理内容に応じて、容器構成体691〜694,701〜704を任意に組み合わせて筒形回転容器10とすることが可能な構成としてもよい。
(6)上記実施形態では連続したリボン形の第1螺旋ガイド17を備えていたが、第1螺旋ガイド17の替わりに、図115(A)の三面図に示すように、筒壁11の内周面から起立した長板状の撹拌壁710を複数設けてもよい。これら複数の撹拌壁710は、筒形回転容器10の中心軸に対して一定角度傾けた状態で配置され、筒形回転容器10の周方向及び軸方向で互いにずらして配置されると共に、長手方向の両端部が隣接する別の撹拌壁710とオーバーラップするように配置されている。そして、筒形回転容器10を正回転させると、第1回転室15の下部で堆積している処理対象物Sの中を複数の撹拌壁710が順次通過して、それら複数の撹拌壁710に押されて処理対象物Sが第1終端壁14から第1始端壁12へと移動する。筒形回転容器10を逆回転させた場合も同様であり、処理対象物Sが複数の撹拌壁710に押されて第1始端壁12から第1終端壁14へと移動する。さらに、図115(B)に示すように、撹拌壁710から径方向内側に突出した柱体712の先端に、撹拌壁710に対して傾斜したサブ撹拌壁711を備えた構成としてもよい。サブ撹拌壁711は、処理対象物Sの中層又は上層部分を撹拌壁710とは反対側に押すので、効果的に撹拌することができる。なお、撹拌壁710及びサブ撹拌壁711の全体を丸みを帯びた形状(エッジを面取りした形状)にするとより好ましい。このような構成とすることで、筒形回転容器10(第1回転室15)の内側の洗浄容易性を高めることができる。
(7)図116(A)に示すように、エアー又は電磁式のノッカー460(打撃子461)によって、筒形回転容器10の筒壁11を直接打撃したり、同図(B)に示すように、筒形回転容器10の内側で筒壁11から離れて配置された第1サブ螺旋ガイド27(又は、トロンメル65,232等)をノッカー460によって間接的に打撃するように構成してもよい。なお、図116(B)における符号450は筒壁11の内周面から起立して奥部が被打撃座455によって閉塞されたシリンダ、符号451は、シリンダ450内を直動して被打撃座455を打撃する打撃ピストン、符号452は打撃ピストン451をシリンダ450の被打撃座455から離間させる方向に付勢するスプリング、符号453は、スプリング452の付勢力によって筒壁11の外周面から突出してノッカー460の打撃子461と当接可能な受圧ピンである。ノッカー460の打撃子461が筒壁11の外周面に接近した状態で、筒形回転容器10が回転すると、打撃ピストン451が打撃子461を通過する毎(打撃子461と受圧ピン453とが当接する毎)に、打撃ピストン451がシリンダ450の被打撃座455に衝突して、第1サブ螺旋ガイド27(又は、トロンメル65,232等)に衝撃が付与され、それらに付着した処理対象物Sを払い落とすことができる。
(8)上記実施形態では、筒形回転容器10が直接、モータ31によって回転駆動されていたが、図117(A)に示すように、筒形回転容器10を下方から支持する支持ローラー30,30をモータ31によって回転駆動することで、筒形回転容器10を回転させてもよい。なお、同図における符号470は、2つの支持ローラー30,30を共通のモータ31で回転駆動するための動力伝達シャフトである。
(9)ここで、支持ローラー30,30の回転を筒形回転容器10に伝えるには、支持ローラー30と外輪11Rとを摩擦係合させる必要がある。具体的には、支持ローラー30の材質を、例えば、ゴム又はウレタンにすることが考えられる。しかしながら、筒形回転容器10を外部又は内部から加熱して処理対象物Sの処理を行う場合に、熱が外輪11Rを介してゴムやウレタンで構成された支持ローラー30に伝わることは回避したい。そこで、外輪11R,11Rを、図117(B)及び同図(C)に示すような構造としてもよい。この外輪11Rは、タイヤ471とリム472とで構成されている。タイヤ471は幅狭なリング状をなしており、リム472は筒形回転容器10の外周面から張り出したフランジ状をなして、タイヤ471の内周面に突き当てられている。リム472には、放熱性を高めるための冷却孔472Aが多数形成されている。リム472とタイヤ471との間には、伝熱を抑えるために複数のスリット状隙間473が形成されている。また、リム472と筒形回転容器10との間にも、伝熱を抑えるために複数のスリット状隙間474が形成されている。このスリット状隙間474を形成するために、リム472と筒形回転容器10との間には複数のスペーサ475が差し挟まれており、それら複数のスペーサ475を介してリム472と筒形回転容器10とが一体に固定されている。このような伝熱防止対策を講じることで、筒形回転容器10の熱が支持ローラー30に伝わり難くなるので、支持ローラー30の材質としてゴム又はウレタンを採用することが可能になる。
(10)図118に示すように、筒形回転容器10の筒壁11に貫通形成された筒壁貫通孔11Bと、筒壁貫通孔11Bに挿通され、第1回転室15内で回転可能な回転シャフト221と、回転シャフト221の基端部に接続されかつ筒壁11に固定されたモータ220と、回転シャフト221の先端から側方に張り出した粉砕ブレード222と、筒形回転容器10の外部に設けられた給電部(図示せず)とモータ220との間を電気接続するスリップリング480とを備えた構成としてもよい。また、筒壁11に粉砕ブレード222用のモータ220が複数固定された場合には、それら複数のモータ220を共通のインバータによって制御してもよいし、複数の各モータ220毎にインバータを設けて各モータ220を別個に制御してもよい。このようにすれば、第1回転室15の下部に貯まっている処理対象物Sも粉砕処理することができる。
(11)上記実施形態において、処理対象物Sの重量を計測することが可能なロードセルを設け、処理対象物Sの重量を記録すると共に、ロードセルの出力に応じて、処理対象物Sの供給や排出を自動で行うようにしてもよい。
(12)上記第1実施形態では、第1回転室15における筒内中心部に火炎や過熱水蒸気を供給して処理対象物Sの加熱処理を行っていたが、例えば、筒内中心部に液体窒素等を吹き付けて処理対象物Sの冷凍処理を行い、その冷凍物の撹拌・混合・粉砕を行うことが可能な構成としてもよい。
(13)上記実施形態において、筒形回転容器10の内外、処理対象物S、筒内中心部の処理雰囲気等の温度を計測する温度センサ及び、温度センサの出力を無線によって容器回転装置100の制御部に送信する無線通信手段を備えて、温度制御を行いながら処理を行うようにしてもよい。このとき、無線通信手段及び温度センサの電源としてゼーベック発電ユニットを利用してもよい。
(14)上記実施形態において、筒形回転容器10の内面に不動態化処理又はコーティング処理を施したり、筒形回転容器の内面又は外面に断熱材を貼り付けた構成としてもよい。
(15)上記第1実施形態において、第1回転室15に、第1始端壁12から第1終端壁14に向かって拡径した円錐台形筒状の図示しないコーンを設けて、筒形回転容器10と一体回転するようにしておき、リフター20によって処理雰囲気中に投入された処理対象物Sを、コーンの小径側端部で受けてそのコーン内を椀形反射部材19側に移動させ、コーンの大径側端部から落下させるようにしてもよい。このようにすると、第1回転室15の第1終端壁14側に溜まった処理対象物Sが第1螺旋ガイド17によって第1始端壁12側へと送られ、第1始端壁12に到達した処理対象物Sがリフター20のポケット部21にすくい取られて処理雰囲気中に投入され、処理雰囲気中に投入された処理対象物Sが、コーン内を通って第1終端壁14側に送られるという循環経路ができ、処理対象物Sが処理雰囲気を通過する回数が平坦化され、より均一な雰囲気中処理を行うことができる。
(16)上記実施形態において、螺旋ガイド17,18,27を筒形回転容器10に対して着脱可能としてもよい。図119には、第1回転室15に備えた第1螺旋ガイド17と第1サブ螺旋ガイド27を筒形回転容器10に対して着脱可能とした場合の構造が示されている。同図(A)に示すように螺旋ガイド17,27は、固定支持ユニット940によって支持されている。
固定支持ユニット940は、第1回転室15内でその中心軸と直交する方向に延びた1対の支持柱941,941と、それら支持柱941,941の軸方向の中間部同士を連結した連結棒950とを有している。図119(B)に示すように、支持柱941は、断面矩形の角柱部942の両端部に後述するガイド連結部943を備えてなる。連結棒950は、一方の支持柱941に固定されて筒形回転容器10の中心軸上で延びており、その先端部には螺子部950Aが形成されている。他方の支持柱941(角柱部942)には螺子部950Aが貫通した貫通孔941Aが形成されており、その貫通孔941Aには円筒形のスリーブナット944が回転可能に支持されている(図119(F)参照)。図119(E)に示すように、スリーブナット944は、貫通孔941Aに挿通された軸方向の中間部が両端部に対して細くなっていて、貫通孔941Aに対して抜け止め状態に取り付けられている。そのスリーブナット944と連結棒950の螺子部950Aとが螺合している。そして、スリーブナット944の回転操作によって、一方の支持柱941を他方の支持柱941に対して接離させて、それらの軸間距離を変更することが可能となっている。
両支持柱941,941の両端部に設けられたガイド連結部943は、角柱部942の端面から突出した1対の円柱部945,945で構成されており、それら対をなした円柱部945,945が、軸筒形回転容器10の中心軸方向に並べて配置されている(図119(C)及び同図(D)参照)。隣り合った円柱部945,945の間にはスリット状のガイド交差隙間946が形成されており、そのガイド交差隙間946に第1螺旋ガイド17及び第1サブ螺旋ガイド27の端部が挿通されている(図119(D)参照)。
1対の円柱部945,945には、それらの並び方向で貫通したピン挿通孔945Aが形成されている。ピン挿通孔945Aは円柱部945の基端側と先端側とに形成されており、それら両方のピン挿通孔945Aに、それぞれ連結ピン947が挿通されている。先端側のピン挿通孔945Aに挿通された連結ピン947が、ガイド交差隙間946に挿通された第1螺旋ガイド17を串刺し状態に貫通しており、基端側のピン挿通孔945Aに挿通された連結ピン947が、ガイド交差隙間946に挿通された第1サブ螺旋ガイド27を串刺し状態に貫通している。
各螺旋ガイド17,27の両端部には連結ピン947が貫通した長孔948,949が形成されている。螺旋ガイド17,27の一方の端部には径方向に沿って延びた縦長孔948が形成され、反対側の端部には螺旋ガイド17,27の略周方向に沿って延びた横長孔949が形成されている。これら長孔948,949及び、上記したスリーブナット944に対する支持柱941の回転により、固定支持ユニット940との連結を維持したまま、1対の支持柱941,941の軸間距離の変化に伴う螺旋ガイド17,27の形状変化を吸収することが可能になる。詳細には、1対の支持柱941,941の軸間距離を小さくしていった場合に、固定支持ユニット940との連結を維持したまま螺旋ガイド17,27の拡径方向への変形が許容されると共に、1対の支持柱941,941の軸間距離を大きくしていった場合に、固定支持ユニット940との連結を維持したまま螺旋ガイド17,27の縮径方向への変形が許容される。
螺旋ガイド17,27を第1回転室15内に組み付ける場合には、スリーブナット944の回転操作によって1対の支持柱941,941の軸間距離を比較的大きくして、螺旋ガイド17,27を縮径状態にしておき、その状態で第1回転室15に挿入する。次に、スリーブナット944を回転操作して1対の支持柱941,941の軸間距離を狭めていく。すると、螺旋ガイド27が拡径方向に変形して、第1螺旋ガイド17が筒形回転容器10の筒壁11内面に全周に亘って突き当てられ、その突っ張り状態で固定される。本実施形態によれば、第1螺旋ガイド17及び第1サブ螺旋ガイド27を筒形回転容器10の内側(第1回転室15)から取り外すことができるので、筒形回転容器10の内側(第1回転室15)の洗浄容易性を高めることができる。なお、図示しないが、同様な固定支持ユニット940によって第2螺旋ガイド18を第2回転室16に着脱可能としてもよい。
(17)筒形回転容器10を断面多角形の角筒形としかつ、その軸方向の両端部間で周方向に捻れた構造としてもよい。例えば、図120に示す筒形回転容器10は、六角形の角筒形をなし、その軸方向の両端部間で中心軸回りに60度未満の所定角度だけ捻れている。より詳細には、第1始端壁12に対して終端口13が正回転方向X1の前方に約20度捻れている。筒形回転容器10を逆回転(矢印X2方向に回転)させると、筒形回転容器10の底部内面が、第1始端壁12から終端口13に向かって下り傾斜した傾斜面となるので(図120(D)参照)、その傾斜面によって筒形回転容器10内の処理対象物Sが第1始端壁12側から終端口13側へと(図120(C)の紙面手前から奥側に向かって)移動する。即ち、第1回転室15内の処理対象物Sが第1終端壁14へと移動し、移送ダクト23を通って第2回転室16に移送され、さらに、第2回転室16内を移動して終端口13から排出される。一方、筒形回転容器10を正回転(矢印X1方向に回転)させると、筒形回転容器10内の処理対象物Sが傾斜面によって、終端口13側から第1始端壁12側へと(図120(C)の紙面奥側から手前側に向かって)移動する。即ち、第2回転室16内の処理対象物Sが移送ダクト23を通って第1回転室15に移送され、さらに第1回転室15内を第1始端壁12へと向けて移動する。このような構成とすれば、第1螺旋ガイド17や第2螺旋ガイド18を配置した場合に比べて、筒形回転容器10の内部の洗浄性を高めることができる。なお、第1回転室15には、必要に応じて第1サブ螺旋ガイド27を設けてもよい。また、上記実施例では、筒形回転容器10がその中心軸回りに20度捻れていたが、捻れの角度は、処理物物性、処理方法、処理回転等の条件等に応じて、最適な角度に設定すればよい。
(18)図121に示すように、第1始端壁12における第1回転室15側の内面と、第1終端壁14における第1回転室15側の内面とに敷設された1対の電極940,940と、それら1対の電極940,940間に電圧を印加可能な電源装置941とを備えた構成としてもよい。1対の各電極940,940は、第1始端壁12及び第1終端壁14の内面全体を覆った円板形をなしており、第1回転室15内で対向配置されている。この容器回転装置100によれば、例えば、第1回転室15に、水、処理対象物S及び固形の触媒を投入して筒形回転容器10を回転させた場合に、触媒が電極940,940に接触することで、電極940の表面に発生したガス気泡を除去したり、電極940(陰極)ににおけるスケールの付着を防止することができ、また、処理対象物Sを撹拌して均一化し、さらには、触媒によって電解効率の向上を図ることができる。そして、処理対象物Sとしての電解質液体、廃油、廃水、植物性有機物、動物性有機物、セルロース系物質、汚染土壌等の液体又はスラリー、固形状物を、電気分解によって処理することができる。また、電解質液体の電気分解によって電解生成物(電気分解電解液、酸素水素共存ガス体)を製造することができる。また、生成された電解生成物によって金属含有排水(例えば、めっき排水)からの金属回収、シアン含有排水におけるシアンの分解、高負荷排水のCOD及びBODの低減、有機物の分解、スラリー状の汚染土壌の無害化、機械油、天ぷら油などの廃油を水と油の分散液にした燃料化を行うことが可能となる。図121には示されていないが、筒形回転容器10に粉砕機構(例えば、粉砕ブレード222。図39参照)や分級機構(図29参照)を備えて、植物性有機物原料(生ゴミ、食品廃棄物、農産物廃棄物、木質廃棄物等)や動物性有機物原料(し尿、浄化槽汚泥、動物性廃棄物、家畜糞尿、下水処理汚泥等)または、これらの混成物を、粉砕電気分解可溶化処理をして、メタンガス、水素発酵処理による水素ガスを発生させてもよい。さらには、サツマイモの茎葉、サトウキビ穂等の単一の有機物基材セルロース系物質ないし、カニ、えび、昆虫などの殻等の単一の有機物基材キチン物質を粉砕電気分解可溶化処理をし、有機物ポリフェノール成分の抽出分級処理を行ってもよい。
(19)上記実施形態において、処理対象物Sを第1回転室15の第1始端壁12方向に推進させる必要が無い場合ないし、筒形回転容器10を傾動させる手段を備えた場合に筒形回転容器10の筒壁11を、第1始端壁12から終端口13に向かって拡径した円錐台形状とし、第1螺旋ガイド17と第2螺旋ガイド18とをなくした構造としてもよい。また、第1回転室15を構成する筒壁と第2回転室16を構成する筒壁の両方又は何れか一方を、第1始端壁12から離れる(終端口13に近づく)に従って拡径した円錐台形状としてもよい。これにより、筒形回転容器10を正回転させた場合に、第1回転室15内の処理対象物Sを第1終端壁14に近づく側に、第2回転室16内の処理対象物Sを終端口13に近づく側に、それぞれ推進させることができ、両室の第1螺旋ガイド17と第2螺旋ガイド18を具備することなく、実施例の処理動作を行える。ただし、処理対象物Sの物性(例えば、液体、スラリー、ないし流動性が高い粒子等以外の処理物)によっては、効果が少なく処理時間が長くなる場合があるから、コストバランスを判断した上で採用すればよい。また、吸引ファン554のガス吸引力による処理を、容器回転装置100の排気口32Bと粒子回収装置500の間に、図示しない押し込みファンを設けて、ガス押し込みによる粒子状物質遠心力集塵ならびに、濾過分離処理を行ってもよい。
(20)上記実施形態では、各処理装置での処理手段を主に掲げているが、上記のこれら処理装置を各工程に配置し、処理装置の各処理工程に測定手段を設け、測定手段で測定し得られたデータを基に適正な処理が進行する様に、各処理工程で所定の値となるように、酸化剤、PH調整剤、処理に合わせた促進剤等、直流電源の電気分解電極への給電等と、処理装置の稼働を、プログラム制御できる制御盤を具備(図示しない)し自動制御を行い、処理対象物Sを自動投入、混合、造粒、粉砕、分級、自動排出を行い、プラズマ、光エネルギー、過熱水蒸気、ミスト、火炎、ガス、等による滅菌、濃縮、焼却、凝固等の雰囲気生成処理を、プラズマ、光エネルギー、イオン、電気等による、分解、ナノ微粒子製造、改質(酸化・還元)、めっき、電気分解等の電気化学反応雰囲気生成処理を行うことで、所望する効果を得ることができる、生産プロセス処理システムを構築して使用できる。
[他の参考例]
(1)上記第6参考例では、バランスウエイト527と排出シュート520内に堆積した粒子状物質の重量とのバランスによって第2弁体523が開閉され、その第2弁体523の開閉に連動して、第1弁体535が開閉するように構成されていたが、第1弁体535及び第2弁体523の開閉動作を以下のようにして行ってもよい。即ち、排出シュート520の下端寄り位置に排出完了を検知する検知センサを設けると共に、上端寄り位置に満量を検知する検知センサを設けておき、それら検知センサによる満量の検知又は排出完了の検知により、第1弁体513及び第2弁体523を図示しない作動手段(電磁ソレノイド、モータ、エアーシリンダー等)によって自動開閉させる構成としてもよい。
(2)上記第6参考例では、排気ガスに含まれる粒子状物質(処理対象物Sとしての粉粒体の粒子や、処理過程で発生した粉塵、煤塵、その他粒子)を回収するための粒子回収装置500を備えているが、この粒子回収装置500の構成を用いて、液中に含まれる粒子状物質(処理対象物Sとしての粉粒体の粒子や、処理過程で発生したスラリー、その他粒子)を回収するための液中粒子回収装置としてもよい。具体的には、吸引ファン554を吸引ポンプに替えて吸引を、圧縮エアによるフィルター553の逆洗を、水圧に替えて逆洗を行うことで、液中に含まれる粒子状物質の遠心力分離処理ならびに、濾過分離処理の、液中粒子回収処理を行うことができる。さらには、上記実施形態(19)の構成を用いれば、押し込みポンプによる手段で同様の液中粒子回収処理が行える。
(3)上記第11参考例では、図77に示すように、液中プラズマ発生部760は、回転ロッド761の先端部から側方に向かって張り出している。液中プラズマ発生部760は、回転ロッド761から離れた先端側か三股に割れた先割れ構造をなしており、同一構造をなした3つの電極ホルダ762を有している。この電極ホルダ762に設けられた先端中心電極763と対向電極764は、第1回転室15内の導電性液体中でプラズマを発生する位置に取り付けられているが、次のような構造にしてプラズマを発生させて用いてもよい。まず、対向電極764部とガス放出流路774を取り去り、リング形電極740が対向電極と成るようにプラズマ用電源装置に接続し、電極ホルダ762に設けられた先端中心電極763は、先端中心電極763が液面に接触しない位置に電極ホルダ762を設ける。先端中心電極763は気相中に位置し、先端中心電極763とリング形電極740間の印加により、先端中心電極763から第1回転室15内の導電性液体表面間で、プラズマが発生する。ここでガス放出流路774のみを持つ電極ホルダによりガスを供給することで、より複雑な反応が行える。なお、反応の原理は、一般社団法人電気学会から2011年6月10日に出版された「電気学会技術報告 No.1224」に記載されている通りである。先端中心電極763と第1回転室15内の導電性液体表面間のプラズマ発生による、導電性液体の気液界面で発現する、プラズマ中の活性なイオン、ラジカル、電子を利用して、所望する効果(例えば、液体中の有害物質の無害化処理(分解、滅菌、消毒)や、有機化合物の生成処理、液体に溶解している金属イオンを気液プラズマを利用して還元又は酸化してナノ微粒子および、グラフェンの生成処理、ないし液体中に分散している粒子、さらには供給された粒子の表面修飾処理等)を得たのちに、溶液の取り出しを行ってもよい。めっき処理を行う場合は、リング形電極740の回路を切り替えて、または、めっき処理を行うリング形電極740を新たに設けてめっき処理を行い、上記第9参考例で説明した処理フローに従って処理を行ってもよい。上述した本参考例の構成を、本参考例以外の他の実施形態及び参考例に適用してもよい。
(4)上記第13参考例では、マイクロ波の照射によりアンテナ794のポール先端部にプラズマを発生させる構成となっていたが、例えば、シーエムシー技術開発株式会社製のマイクロ波発熱体(マイクロ波を吸収して発熱する特殊セラミックス)をアンテナ794の替わりに具備してマイクロ波照射を行い、マイクロ波発熱体の熱によって処理を行ってもよい。
(5)上記第9参考例では、図70(A)に示す処理フローに従って、1台の処理装置で、電気めっき処理又は電解研磨処理と、洗浄処理と、乾燥処理とを行っているが、処理内容毎に別々の処理装置を用いてもよい。具体的には、上記第9参考例の容器回転装置から、通電処理に必要な構成のみを残して他の構成部品を除外した構成の通電処理用の容器回転装置と、洗浄処理に必要な構成のみを残して他の構成部品を除外した構成の洗浄処理用の容器回転装置と、乾燥処理に必要な構成のみを残して他の構成部品を除外した構成の乾燥処理用の容器回転装置とを備えておき、これら3つの容器回転装置を通電処理用、洗浄処理用、乾燥処理用の順にシュートで接続して、処理対象物がこれら3つの容器回転装置を順次移動して処理が行われるようにしてもよい。このようにすることで、処理対象物Sのめっき処理生産量を増大させることができる。また、自動制御盤を設けて、これら3つの容器回転装置による一連の処理を自動制御で行うようにしてもよい。また、クロメートめっき処理は、予備脱脂→水洗→脱脂→水洗→活性化→水洗→めっき→水洗→クロメート処理→水洗→最終洗浄→乾燥という工程で行われるが、予備脱脂、脱脂、活性化の各工程は、洗浄処理用の容器回転装置で行うことができ、クロメートめっき処理においても、上記したように複数の容器回転装置を使用して生産設備を構築することができる。また、自動制御盤を設け一連のクロメートめっき処理を自動制御で行うようにしてもよい。