以下、実施形態を図面を用いて説明する。図中、太線で示した信号線は、複数本で構成されている。また、太線が接続されているブロックの一部は、複数の回路で構成されている。信号が伝達される信号線には、信号名と同じ符号を使用する。先頭に”/”の付いている信号は、負論理を示している。図中の二重の四角印は、外部端子を示している。外部端子は、例えば、半導体チップ上のパッド、あるいは半導体チップが収納されるパッケージのリードである。外部端子を介して供給される信号には、端子名と同じ符号を使用する。
図1は、一実施形態における半導体集積回路SEMの例を示している。半導体集積回路SEMは、第1電圧生成回路V1GEN、第1スイッチSW1およびレベル比較器CMP1を有している。第1電圧生成回路V1GENは、第1電圧生成信号VCG1GENの活性化に応じて動作し、第1高電圧VCG1を生成する。第1スイッチSWは、第1高電圧VCG1が供給される第1高電圧線VCG1を内部電圧線VCGに接続するために第1スイッチ制御信号SW1ONの活性化に応じてオンする。レベル比較器CMP1は、第1電圧生成信号VCG1GENの活性化に応じて動作し、第1高電圧VCG1と内部電圧VCGとを比較する。レベル比較器CMP1は、第1高電圧VCG1と内部電圧VCGとの差が所定値になったときに第1スイッチ制御信号SW1ONを活性化する。
例えば、第1電圧生成回路V1GENが動作を停止しており、第1高電圧線VCG1の電圧が低いときに第1スイッチSW1をオンすると、第1スイッチSW1の両端間に高電圧が印加されるおそれがある。この実施形態では、第1電圧生成回路V1GENが第1高電圧VCG1の生成を開始した後、第1高電圧VCG1と内部電圧VCGとの差が所定値になったときに第1スイッチ制御信号SW1ONが活性化される。例えば、第1スイッチ制御信号SW1ONは、内部電圧VCGが第1高電圧VCG1と等しくなったときに活性化される。あるいは、第1スイッチ制御信号SW1ONは、内部電圧VCGが第1高電圧VCG1より低くなったときに活性化される。あるいは、第1スイッチ制御信号SW1ONは、内部電圧VCGが第1高電圧VCG1に所定の電圧を加えた値より低くなったときに活性化される。
これにより、第1スイッチSW1の両端間に印加される電圧差が小さくなった後に第1スイッチSW1をオンできる。換言すれば、第1スイッチSW1の両端間に高電圧が印加された状態で、第1スイッチSW1がオンすることを防止でき、第1スイッチSW1の信頼性が低下することを防止できる。また、内部電圧VCGが低くなるのを待たずに第1電圧生成回路V1GENの動作を開始できるため、内部電圧VCGを迅速に第1高電圧VCG1に設定できる。これにより、半導体集積回路SEMを高速に動作できる。
以上、この実施形態では、第1スイッチSW1の両端に掛かる第1高電圧VCG1および内部電圧VCGをレベル比較器CMP1により比較し、電圧差が小さくなったときに第1スイッチSW1をオンする。これにより、第1スイッチSW1の信頼性を低下することなく、内部電圧線VCGを所定の電圧VCG1に迅速に設定でき、半導体集積回路SEMの動作速度を向上できる。
図2は、別の実施形態における半導体集積回路SEMの例を示している。例えば、半導体集積回路SEMは、NOR型のフラッシュメモリ等の不揮発性半導体メモリである。半導体集積回路SEMは、コマンドデコーダ12、動作制御回路14、アドレスデコーダ16、データ入出力回路18、電圧制御回路20、第1電圧生成回路22、第2電圧生成回路24、電圧切替回路26、放電回路28およびメモリコア30を有している。
コマンドデコーダ12は、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WE等のコマンド信号を解読し、解読した結果を動作制御回路14に出力する。動作制御回路14は、コマンドデコーダ12からの信号に応じて、メモリコア30を動作するための制御信号およびタイミング信号を出力する。例えば、動作制御回路14は、コマンド信号として書き込みコマンドが供給されたとき、メモリコア30に書き込み動作を実行させるためのプログラム制御信号PGを出力する。動作制御回路14は、コマンド信号として消去コマンドが供給されたとき、メモリコア30に消去動作を実行させるための消去制御信号ERSを出力する。さらに、動作制御回路14は、コマンド信号として読み出しコマンドが供給されたとき、メモリコア30に読み出し動作を実行させるための読み出し制御信号RDを出力する。
書き込み動作は、図3に示すメモリセルMCに論理0を設定する動作である。消去動作は、メモリセルMCに論理1を設定する動作である。例えば、論理0は、メモリセルMCを形成するメモリトランジスタMT(図3)の閾値電圧を高くすることにより設定される。例えば、論理1は、メモリトランジスタMTの閾値電圧を低くすることにより設定される。メモリトランジスタMTの閾値電圧は、フローティングゲートに電荷を蓄積することで高くなり、フローティングゲートから電荷を引き抜くことで低くなる。
アドレスデコーダ16は、アドレス信号ADをデコードし、アドレスデコード信号ADECとしてメモリコア30に出力する。データ入出力回路18は、読み出し動作時に、メモリコア30から出力される読み出しデータの論理をデータ端子I/Oに出力する。データ入出力回路18は、書き込み動作時に、データ端子I/Oに供給される書き込みデータの論理をメモリコア30に出力する。
電圧制御回路20は、書き込み動作、消去動作および読み出し動作において、メモリセルMC(すなわち、メモリトランジスタMT)のコントロールゲート、ソース、ドレインを所定の電圧に設定するために動作する。以降の説明では、書き込み動作において、メモリトランジスタのコントロールゲートに接続されたコントロールゲート電圧VCGを制御するために動作する回路について説明する。電圧制御回路20は、プログラム制御信号PGに基づいて、第1電圧生成信号VCG1GEN、第2電圧生成信号VCG2GEN、スイッチ制御信号SW1ON、放電イネーブル信号DCENを生成し、スイッチ制御信号/SW1ONを受ける。電圧制御回路20の例は図4に示す。
第1電圧生成回路22は、第1電圧生成信号VCG1GENが高レベルに活性化されているときに第1高電圧線VCG1に第1高電圧VCG1を生成する。第1電圧生成回路22は、第1電圧生成信号VCG1GENが低レベルに非活性化されているときに第1高電圧VCG1の生成を停止する。例えば、第1高電圧VCG1は5Vであり、メモリトランジスタの閾値電圧を確認するときにコントロールゲートに供給される。閾値電圧の確認は、読み出し動作時と、書き込み動作におけるベリファイ動作時に実施される。第1電圧生成回路22の例は図6に示す。
第2電圧生成回路24は、第2電圧生成信号VCG2GENが高レベルに活性化されているときに第2高電圧線VCG2に第2高電圧VCG2を生成する。第2電圧生成回路24は、第2電圧生成信号VCG2GENが低レベルに非活性化されているときに第2高電圧VCG2の生成を停止する。例えば、第2高電圧VCG2は9Vであり、メモリトランジスタの閾値電圧を高くするときにコントロールゲートに供給される。
電圧切替回路26は、スイッチ制御信号SW1ONが高レベルに活性化されているときに、第1高電圧線VCG1を、内部電圧線であるコントロールゲート線VCGに接続する。電圧切替回路26は、第2電圧生成信号VCG2GENが高レベルに活性化されているときに、第2高電圧線VCG2をコントロールゲート線VCGに接続する。また、電圧切替回路26は、スイッチ制御信号SW1ONの論理レベルを反転し、スイッチ制御信号/SW1ONとして電圧制御回路20に出力する。電圧切替回路26の例は図6に示す。
放電回路28は、放電イネーブル信号DCENが高レベルに活性化されているときに、コントロールゲート線VCGを接地線VSSに接続し、コントロールゲート線VCG上の電荷を放電する。例えば、放電回路28は、電圧制御回路20および電圧切替回路26に近い側(近端側)のコントロールゲート線VCGに接続されている。なお、放電回路28は、電圧制御回路20および電圧切替回路26から離れているメモリコア30の端側(遠端側;図2の下側)のコントロールゲート線VCGに接続されてもよい。放電回路28の例は図6に示す。
メモリコア30は、例えば、16個のセクタSEC(SEC0、SESC1、...、SEC15)を有している。各セクタSECは、セクタスイッチSSW、ワードデコーダWDECおよびメモリセルアレイARYを有している。メモリコア30の例は図3に示す。
図3は、図2に示したメモリコア30の例を示している。各セクタSECのセクタスイッチSSWは、セクタ選択信号SSEL(SSEL0、SSEL1、...、SSEL15)が低レベルのときにオンするpMOSトランジスタを有している。書き込み動作において、セクタ選択信号SSELのいずれかは、アドレスデコード信号ADECに応じて低レベルに活性化され、セクタSECのいずれかのセクタスイッチSSWがオンされる。セクタスイッチSSWのオンにより、対応するセクタコントロールゲート線SVCGは、コントロールゲート線VCGに接続され、高レベル電圧(第1高電圧VCG1または第2高電圧VCG2)に設定される。コントロールゲート線VCGは、多数のセクタSECに配線され、配線長は長い。また、コントロールゲート線VCGは、トランジスタサイズが論理回路のトランジスタに比べて大きいセクタスイッチSSWに接続されている。このため、コントロールゲート線VCGの寄生容量は大きい。
ワードデコーダWDECは、セクタコントロールゲート線SVCGの高レベル電圧を受けて動作し、アドレスデコード信号ADECに応じてワード線WLのいずれかを高レベル電圧に設定する。メモリセルアレイARYは、マトリックス状に配置される複数の不揮発性のメモリセルMCを有している。各メモリセルMCは、メモリトランジスタMTを有している。メモリトランジスタMTは、nMOSトランジスタの構造を有しており、電子を蓄積するフローティングゲートと、ワード線WLに接続されたコントロールゲートとを有する。なお、メモリトランジスタMTは、電子が所定の場所に蓄積されるトラップゲートを用いて形成されてもよい。メモリトランジスタMTは、コントロールゲートに印加されるコントロールゲート電圧VCGに応じてフローティングゲートに蓄積される電荷量を変えることで、閾値電圧が変化する。そして、メモリセルMCは、閾値電圧に応じてデータの論理を記憶する。
図3の横方向に並ぶメモリトランジスタMTの列のコントロールゲートは、共通のワード線WLに接続されている。図3の縦方向に並ぶメモリトランジスタMTの列のソースおよびドレインは、共通のソース線SLおよび共通のビット線BLに接続されている。
図4は、図2に示した電圧制御回路20の例を示している。電圧制御回路20は、タイミング制御回路21、レベル比較器CMP1およびバッファ回路BUF1を有している。タイミング制御回路21は、プログラム制御信号PGに応じて、第1電圧生成信号VCG1GENおよび第2電圧生成信号VCG2GENを生成する。レベル比較器CMP1は、第1高電圧VCG1とコントロールゲート電圧VCGとを比較し、コントロールゲート電圧VCGが第1高電圧VCG1より低いときにスイッチ制御信号SW1ONを高レベルに活性化する。レベル比較器CMP1の例は図5に示す。なお、レベル比較器CMP1は、電圧制御回路20の外部に形成されてもよい。
バッファ回路BUF1は、第1電圧生成信号VCG1GENおよびスイッチ制御信号/SW1ONがともに高レベルのとき、放電イネーブル信号DCECを高レベルに活性化する。なお、レベル比較器CMP1およびバッファ回路BUF1に示している二重線の電源は、例えば、第2高電圧VCG2と同じ高電圧(例えば9V)が供給されることを示している。二重線で示す電源を受けて動作するバッファ回路BUF1等の論理素子は、各トランジスタのソース、ドレイン間に高電圧が印加されることを防ぐために、分圧トランジスタDTRを挿入している。以降の図面においても、二重線の電源を受ける論理回路は、第2高電圧VCG2と同じ高電圧(例えば9V)が供給され、分圧トランジスタDTRが挿入されている。
図5は、図4に示したレベル比較器CMP1の例を示している。レベル比較器CMP1は、カレントミラータイプのアンプAMP1、pMOSトランジスタPM1およびインバータIV1を有している。アンプAMP1は、コントロールゲート電圧VCGおよび第1高電圧VCG1の電圧レベルを差動増幅し、コントロールゲート電圧VCGと第1高電圧VCG1のレベル差を示す信号を出力ノードOUT1に出力する。アンプAMP1は、第1電圧生成信号VCG1GENが高レベルのときに、電圧レベルの比較動作を実施する。電圧VCMNをゲートで受けるnMOSトランジスタNM1は、定電流源として動作する。例えば、電圧VCMNは、半導体のバンドギャップを利用して電源電圧に依存しない一定の値に設定される。
pMOSトランジスタPM1は、第1電圧生成信号VCG1GENが低レベルに非活性化されているときに、出力ノードOUT1を高レベルにリセットする。インバータIV1は、出力ノードOUT1の論理レベルを反転し、スイッチ制御信号SW1ONとして出力する。
図6は、図2に示した第1電圧生成回路22、電圧切替回路26および放電回路28の例を示している。第1電圧生成回路22は、レベル比較器CMP2を有する定電圧発生回路CVGENとnMOSトランジスタで形成されたレギュレータRGLを有している。定電圧発生回路CVGENは、高電圧線と接地線の間に直列に接続されたpMOSトランジスタPM2、nMOSトランジスタNM2および抵抗Ra、Rbを有している。pMOSトランジスタPM2のゲートは、レベル比較器CMP2の出力RONを受けている。nMOSトランジスタNM2は、ダイオード接続されている。
レベル比較器CMP2は、第1電圧生成信号VCG1GENが高レベルに活性化されているときに動作する、レベル比較器CMP2は、抵抗Ra、Rbの接続ノードに生成されるモニタ電圧MONI1を基準電圧VREFと比較し、レギュレータRGLをオンするための制御信号RONを生成する。レギュレータRGLは、高電圧生成回路により生成された高電圧(例えば、9V)を降圧して第1高電圧VCG1を生成する。
例えば、レギュレータRGLのゲート電圧VGが期待値より低いとき、モニタ電圧MONI1は、基準電圧VREFより低くなり、制御信号RONの電圧は低くなる。これにより、pMOSトランジスタPM2のソース、ドレイン間抵抗は下がり、ゲート電圧VGは上昇する。一方、レギュレータRGLのゲート電圧VGが期待値より高いとき、モニタ電圧MONI1は、基準電圧VREFより高くなり、制御信号RONの電圧は高くなる。これにより、pMOSトランジスタPM2のソース、ドレイン間抵抗は上がり、ゲート電圧VGは下降する。このような制御を繰り返すことで、ゲート電圧VGは所定の値に保持される。
この実施形態では、例えば、レギュレータRGLのnMOSトランジスタの閾値電圧は0.5V、ソース電圧は9Vであり、ゲート電圧VGは5.5Vに設定される。このとき、ゲート電圧VGよりnMOSトランジスタの閾値電圧だけ低い第1高電圧VCG1(5V)が、レギュレータRGLにより生成される。なお、第1電圧制御回路22では、第1高電圧線VCG1に電荷を供給するためにレギュレータRGLが形成されるが、第1高電圧VCG1が目標値(設計値)を超えたときの放電経路がない。このため、余分な電荷を放電するために、高抵抗素子により形成されたブリーダ回路BLDが、第1高電圧線VCG1と接地線VSSとの間に配置される。ブリーダ回路BLDにより、例えば、第1高電圧線VCG1上の電荷がほとんど使用されず消費電流が小さいときにも、第1高電圧線VCG1の電圧がレギュレータRGLのリーク電流により上昇する、いわゆるクリープアップ減少を防止できる。
電圧切替回路26は、例えば、CMOS伝達ゲートを含む第1スイッチSW1および第2スイッチSW2を有している。第1スイッチSW1は、スイッチ制御信号SW1ONが高レベルに活性化されているときにオンし、第1高電圧線VCG1をコントロールゲート線VCGに接続する。第2スイッチSW2は、第2電圧生成信号VCG2GENが高レベルに活性化されているときにオンし、第2高電圧線VCG2をコントロールゲート線VCGに接続する。
放電回路28は、コントロールゲート線VCGと接地線VSSの間に直列に接続されたnMOSトランジスタNM3、NM4を有している。nMOSトランジスタNM3は、ゲートで電源電圧VDDを受け、分圧トランジスタとして機能する。例えば、電源電圧VDDは、半導体集積回路SEMの電源端子に供給される。nMOSトランジスタNM4は、ゲートで高レベルの放電イネーブル信号DCECを受けているときにオンする。nMOSトランジスタNM3、NM4は、コントロールゲート線VCGを接地線VSSに接続する放電スイッチとして機能する。
図7は、図6に示したレベル比較器CMP2の例を示している。レベル比較器CMP2は、図5に示したレベル比較器CMP1と同じ回路であり、アンプAMP1、pMOSトランジスタPM1およびインバータIV1を有している。アンプAMP1は、第1電圧生成信号VCG1GENが高レベルに活性化されているときに動作し、モニタ電圧MONI1と基準電圧VREFのレベル差を示す信号を出力ノードOUT1に出力する。
pMOSトランジスタPM1は、第1電圧生成信号VCG1GENが低レベルに非活性化されているときに、出力ノードOUT1を高レベルにリセットする。インバータIV1は、出力ノードOUT1の論理レベルを反転し、スイッチ制御信号SW1ONとして出力する。
図8は、図4に示した電圧制御回路20の動作の例を示している。図8では、メモリコア30の書き込み動作において、プログラム動作PGM後にベリファイ動作VRFYを実施するときの動作を示している。書き込み動作では、メモリセルMCのメモリトランジスタMTの閾値電圧が予め設定されたベリファイ電圧より高くなるまで、プログラム動作PGMとベリファイ動作VRFYが繰り返し実施される。コントロールゲート線VCGは、プログラム動作PGM中に第2高電圧VCG2(例えば9V)に設定され、ベリファイ動作VRFY中に第1高電圧VCG1(例えば5V)に設定される。コントロールゲート線VCGの電圧は、切替期間SWPに第2高電圧VCG2から第1高電圧VCG1に変更される。
プログラム動作PGM中、第1電圧生成信号VCG1GENは低レベルに非活性化されているため、図5に示したレベル比較器CMP1は、低レベルのスイッチ制御信号SW1ONを出力する(図8(a))。図6に示した第2スイッチSW2は、高レベルの第2電圧生成信号VCG2GENを受けてオンし、第1スイッチSW1は、低レベルのスイッチ制御信号SW1ONを受けてオフしている(図8(b))。これにより、コントロールゲート線VCGは、第2高電圧線VCG2に接続され、第2高電圧VCG2(例えば9V)に設定される(図8(c))。
図2に示した電圧制御回路20は、プログラム動作PGMの完了に応答して第2電圧生成信号VCG2GENを低レベルに非活性化し、第1電圧生成信号VCG1GENを高レベルに活性化する(図8(d))。図2に示した第2電圧生成回路24は、第2電圧生成信号VCG2GENの低レベルへの変化に応答して、第2高電圧VCG2の生成動作を停止する。第2スイッチSW2は、第2電圧生成信号VCG2GENの低レベルへの変化に応答してオフする(図8(e))。これにより、コントロールゲート線VCGは、高電圧VCG2のフローティング状態に設定される。
図4に示したバッファ回路BUF1は、第1電圧生成信号VCG1GENの活性化に応答して放電イネーブル信号DCECを高レベルに活性化する(図8(f))。図6に示した放電回路28のnMOSトランジスタNM4は、高レベルの放電イネーブル信号DCECを受けてオンし、コントロールゲート線VCGから電荷を引き抜く。これにより、コントロールゲート電圧VCGは低下する(図8(g))。図4に示したレベル比較器CMP1は、コントロールゲート電圧VCGが第1高電圧VCG1より低くなったとき、スイッチ制御信号SW1ONを活性化する(図8(h))。第1スイッチSW1は、スイッチ制御信号SW1ONの活性化に応答してオンする(図8(i))。
スイッチ制御信号SW1ONの活性化に応答して、スイッチ制御信号/SW1ONは低レベルに活性化される。図4に示したバッファ回路BUF1は、スイッチ制御信号/SW1ONの活性化に応答して放電イネーブル信号DCECを低レベルに非活性化する(図8(j))。図6に示した放電回路28のnMOSトランジスタNM4は、低レベルの放電イネーブル信号DCECを受けてオフする。これにより、コントロールゲート線VCGと接地線VSSとの接続が解除され、放電動作が停止する。コントロールゲート線VCGは、第1スイッチSW1のオンにより第1高電圧線VCG1に接続される。コントロールゲート電圧VCGは、第1高電圧VCG1の上昇に追従して、ベリファイ動作VRFYに必要な電圧まで上昇する(図8(k))。
この実施形態では、レベル比較器CMP1により、コントロールゲート電圧VCGが接地電圧VSSまで低下する前にコントロールゲート線VCGの放電を停止できる。このため、放電期間DCPを最小限にでき、消費電流を少なくできる。また、プログラム動作PGMの完了からベリファイ動作VRFYの開始までの期間を最小限にでき、書き込み動作時間を短くできる。
図9は、電圧制御回路および電圧切替回路の別の例を示している。電圧制御回路20Aおよび電圧切替回路26Aを除く構成は、図2と同様である。電圧制御回路20Aは、図4に示したレベル比較器CMP1を有してない。電圧制御回路20Aは、プログラム制御信号PGを受け、第2電圧生成信号VCG2GEN、放電イネーブル信号DCENおよび第1電圧生成信号VCG1GENを生成する。例えば、第2電圧生成信号VCG2GEN、放電イネーブル信号DCENおよび第1電圧生成信号VCG1GENは、遅延回路を用いて、プログラム制御信号PGに応答して順次に高レベルに活性化される。また、図9に示した電圧切替回路26Aの第1スイッチSW1は、第1電圧生成信号VCG1GENの高レベル期間にオンする。
図10は、図9に示した電圧制御回路20Aおよび電圧切替回路26Aの動作の例を示している。図8と同じ動作については、詳細な説明は省略する。図10は、図8と同様に、メモリコア30の書き込み動作において、プログラム動作PGM後にベリファイ動作VRFYを実施するときの動作を示している。コントロールゲート線VCGは、プログラム動作PGM中に第2高電圧VCG2に設定され、ベリファイ動作VRFY中に第1高電圧VCG1に設定される。第2電圧生成信号VCG2GENが低レベルに変化するまでの波形は、スイッチ制御信号SW1ONがないことを除き図8と同じである。
電圧制御回路20Aは、第2電圧生成信号VCG2GENを非活性化した後、放電イネーブル信号DCENを所定の期間、高レベルに活性化する(図10(a))。放電イネーブル信号DCENの活性化期間である放電期間DCPは、コントロールゲート電圧VCGが放電回路28により接地電圧VSSまで低下するように、マージンを持って設計される。これにより、電源電圧が低く、トランジスタの閾値電圧が高いときにも、コントロールゲート電圧VCGは接地電圧VSSまで確実に低下する(図10(b))。
次に、電圧制御回路20Aは、放電イネーブル信号DCENの非活性化に応答して第1電圧生成信号VCG1GENを高レベルに活性化する(図10(c))。これにより、第1高電圧VCG1の生成が開始され、第1スイッチSW1がオンする(図10(d))。第1スイッチSW1のオンにより、コントロールゲート電圧VCGは、第1高電圧VCG1とともに上昇する(図10(e))。
図10に示した動作では、放電期間DCPは、遅延回路等のタイミング回路を用いて設定されるため、温度マージンおよび回路マージンを考慮する必要があり、図8に比べて長くなる。高電圧VCG1の生成開始タイミングは、放電期間DCPの終了後に設定されるため、図8に比べて遅くなる。また、ベリファイ動作VRFYの開始時のコントロールゲート電圧VCGが第1高電圧VCG1(5V)より高くなることを防止するために、第1スイッチSW1のオン期間は、放電期間DCPと重複することなく設定される。これにより、プログラム動作PGMの完了からベリファイ動作VRFYの開始までの時間は長くなり、書き込み動作時間は長くなる。特に、図10の動作は、1回の書き込み動作中に複数回実施されるため、書き込み動作速度の低下の影響は大きい。また、コントロールゲート電圧VCG上の電荷を接地電圧VSSまで放電するため、図8に比べて無駄な電流が消費される。
図11は、図9に示した電圧制御回路20Aおよび電圧切替回路26Aの動作の別の例を示している。図8と同じ動作については、詳細な説明は省略する。図11は、図8および図10と同様に、メモリコア30の書き込み動作において、プログラム動作PGM後にベリファイ動作VRFYを実施するときの動作を示している。第2電圧生成信号VCG2GENが低レベルに変化するまでの波形は、スイッチ制御信号SW1ONがないことを除き図8と同じである。図11は、図9に示した電圧制御回路20Aによる第1電圧生成信号VCG1GENの生成タイミングが早すぎる例を示している。例えば、図11の波形は、図9に示した回路において、電源電圧が高く、動作温度が低いときに発生しやすい。
放電期間DCPが短いとき、第1スイッチSW1は、コントロールゲート電圧VCGが第1高電圧VCG1の既定値(例えば5V)まで低下する前にオンする(図11(a))。コントロールゲート電圧VCGが高く、第1高電圧VCG1が低いときに第1スイッチSW1をオンすることは望ましくない。換言すれば、第1スイッチSW1に形成されるトランジスタのソース、ドレイン間に高電圧が印加されている状態で第1スイッチSW1をオンすることは、第1スイッチSW1の信頼性を低下させる。
図3に示したように、コントロールゲート線VCGは、多数のセクタSECに配線され、寄生容量が大きい。これにより、コントロールゲート線VCG上の電荷は、第1スイッチSW1を介して第1高電圧線VCG1に流入し、第1高電圧VCG1は、レギュレータRGLによる目標値(例えば5V)より高くなる(図11(b))。ベリファイ動作VRFYが開始される前、第1高電圧線VCG1から接地線VSSの放電経路(電流の消費経路)は、ブリーダ回路BLD(高抵抗素子)のみである。このため、第1高電圧線VCG1の電圧が目標値より高くなると、コントロールゲート電圧VCGが正常な値(例えば5V)になるまでの時間が掛かり、正しいベリファイ動作VRFYを実施することができないおそれがある(図11(c))。
これに対して、図6の回路では、図8に示したように、第1スイッチSW1は、コントロールゲート電圧VCGが第1高電圧VCG1より低くなった後にオンする。このため、放電期間DCPが短いときにも、第1高電圧VCG1が目標値より高くなることはなく、常に正しいベリファイ動作が実施できる。
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、レベル比較器CMP1を用いることで、放電回路28による放電動作と第1電圧生成回路22による第1高電圧VCG1の生成動作を同時に実施できる。これにより、プログラム動作PGMの完了からコントロールゲート電圧VCGが第1高電圧VCG1より低くなるまでの時間(すなわち、放電期間DCP)を短縮でき、ベリファイ動作VRFYを早く開始できる。この結果、半導体集積回路SEMの書き込み動作時間を短縮できる。特に、フローティングゲートを有するメモリセルMCの書き込み動作において、プログラム動作PGMとベリファイ動作VRFYが繰り返し実施されるときに、書き込み動作時間を短縮でき、半導体集積回路SEMの性能を向上できる。
図12は、別の実施形態における電圧制御回路20Bの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。電圧制御回路20Bを除く構成は、図2と同様である。すなわち、電圧制御回路20Bは、NOR型のフラッシュメモリ等の半導体集積回路SEMに形成される。
電圧制御回路20Bは、タイミング制御回路21が図4と相違している。また、電圧制御回路20Bは、図4に示した電圧制御回路20にNORゲート、バッファ回路BUF2およびフリップフロップ回路FF1を追加している。さらに、電圧制御回路20Bのレベル比較器CMP1は、正(+)の入力端子でコントロールゲート電圧VCGを受け、負(−)の入力端子で第1高電圧VCG1を受けている。なお、レベル比較器CMP1は、電圧制御回路20Bの外部に形成されてもよい。
タイミング制御回路21は、プログラム制御信号PGに応答するプログラム動作時に、低電圧モード信号LMODEおよび他モード信号OMODEを低レベルに設定する。タイミング制御回路21は、プログラム制御信号PGに応答するベリファイ動作時に低電圧モード信号LMODEを高レベルに設定する。タイミング制御回路21は、プログラム動作およびベリファイ動作のいずれも実行されないときに、他モード信号OMODEを高レベルに設定する。
NORゲートは、低電圧モード信号LMODEおよび他モード信号OMODEがともに低レベルのとき、すなわち、プログラム動作時に第2電圧生成信号VCG2GENを高レベルに活性化する。バッファ回路BUF2は、低電圧モード信号LMODEが高レベルのとき、すなわち、ベリファイ動作時に第1電圧生成信号VCG1GENを高レベルに活性化する。
レベル比較器CMP1は、コントロールゲート電圧VCGが第1高電圧VCG1より高いときに高レベルを出力し、コントロールゲート電圧VCGが第1高電圧VCG1より低いときに低レベルを出力する。レベル比較器CMP1は、第1電圧生成信号VCG1GENの活性化中に動作し、第1電圧生成信号VCG1GENの非活性化中に高レベルを出力する。このため、レベル比較器CMP1は、図5に示したpMOSトランジスタPM1の代わりに、ドレインが出力ノードOUT1に接続され、ソースが接地線VSSに接続されたnMOSトランジスタを有している。nMOSトランジスタのゲートは、第1電圧生成信号VCG1GENの反転信号を受けている。フリップフロップ回路FF1は、レベル比較器CMP1の低レベルの出力に応答してスイッチ制御信号SW1ONを高レベルに活性化する。フリップフロップ回路FF1は、第1電圧生成信号VCG1GENの低レベルへの非活性化に応答してスイッチ制御信号SW1ONを低レベルに非活性化する。
フリップフロップ回路FF1は、レベル比較器CMP1によりコントロールゲート電圧VCG<第1高電圧VCG1が最初に検出されたときに、スイッチ制御信号SW1ONを高レベルに活性化する。その後、コントロールゲート電圧VCGと第1高電圧VCG1のレベルが反転し、レベル検出器CMP1の出力レベルが変化しても、フリップフロップ回路FF1の出力は変化しない。したがって、コントロールゲート電圧VCGと第1高電圧VCG1がほぼ等しくなり、レベル比較器CMP1の出力が不安定なときにも、スイッチ制御信号SW1ONのレベルが繰り返し反転することを防止できる。なお、図12に示した電圧制御回路12Bの動作は、図8と同じである。
図13は、図12に示した電圧制御回路20Bを有する半導体装置SEMにおけるコントロールゲート電圧VCGの生成動作の例を示している。他モード信号OMODEおよび低電圧モード信号LMODEがともに低レベルLのとき、プログラム動作PGMを実施するために、第2電圧生成信号VCG2GENは高レベルHに変化する。これにより、第2スイッチSW2はオンし、コントロールゲート線VCGは第2高電圧線VCG2に接続される。
他モード信号OMODEが低レベルLで、低電圧モード信号LMODEが高レベルHのとき、ベリファイ動作を実施するために、第1電圧生成信号VCG1GENは高レベルHに変化し、放電イネーブル信号DCECは所定の期間高レベルHに変化する。これにより、第1スイッチSW1はオンし、コントロールゲート線VCGは第1高電圧線VCG1に接続される。
他モード信号OMODEが高レベルHで、低電圧モード信号LMODEが低レベルLのとき、第1および第2電圧生成信号VCG1GEN、VCG2GENおよび放電イネーブル信号DCECは、全て低レベルに保持される。これにより、コントロールゲート線VCGと第1および第2高電圧線VCG1、VCG2との接続は解除される。
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、レベル検出器CMP1と第1スイッチSW1の間にフリップフロップ回路FF1を配置することで、レベル検出器CMP1の動作中にスイッチ制御信号SW1ONのレベルが繰り返し反転することを防止できる。この結果、第1スイッチSW1が繰り返しオフすることを防止でき、コントロールゲート線VCGの電圧を迅速に第1高電圧VCG1の目標値に設定できる。
図14は、別の実施形態における電圧切替回路20Cの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。電圧制御回路20Cを除く構成は、図2と同様である。すなわち、電圧制御回路20Cは、NOR型のフラッシュメモリ等の半導体集積回路SEMに形成される。
電圧制御回路20Cは、図12に示した電圧制御回路12Bに抵抗R1、R2、R3、R4を追加している。電圧制御回路12Cのその他の構成は、図12と同じである。抵抗R1、R2は、コントロールゲート線VCGと接地線VSSの間に配置されている。抵抗R1、R2の接続ノードVCGMからは分圧電圧VCGMが生成される。抵抗R3、R4は、第1高電圧線VCG1と接地線VSSの間に配置されている。抵抗R3、R4の接続ノードVCG1Mからは分圧電圧VCG1Mが生成される。
例えば、抵抗R1、R2の抵抗比R1:R2および抵抗R3、R4の抵抗比R3:R4は、ともに”1”である。このため、分圧電圧VCGMは、コントロールゲート電圧VCGの半分になり、分圧電圧VCG1Mは、第1高電圧VCG1の半分になる。これにより、レベル比較器CMP1で比較する電圧を低くでき、レベル比較器CMP1を高耐圧トランジスタで形成する必要がなくなる。例えば、レベル比較器CMP1のトランジスタは、耐圧が低い薄いゲート絶縁膜を用いて形成可能になる。これにより、レベル比較器CMP1を高速に動作でき、書き込み動作時間を短縮できる。また、レベル比較器CMP1の回路規模を小さくできる。
なお、抵抗R1−R4およびレベル比較器CMP1は、電圧制御回路20Cの外部に形成されてもよい。また、抵抗R3、R4を高抵抗にすることで、抵抗R3、R4を図6および図9に示したブリーダ回路BLDの代わりに機能させることができる。この結果、ブリーダ回路BLDを不要にできる。
図15は、図14に示した電圧制御回路20Cの動作の例を示している。図8と同じ動作については、詳細な説明は省略する。図15は、図8と同様に、メモリコア30の書き込み動作において、プログラム動作PGM後にベリファイ動作VRFYを実施するときの動作を示している。
この例では、図14に示したレベル検出器CMP1は、分圧電圧VCGM、VCG1Mを比較する。そして、レベル検出器CMP1は、分圧電圧VCGMが分圧電圧VCG1Mより低くなったときに低レベルを出力し、スイッチ制御信号SW1ONを高レベルに活性化する(図15(a、b))。分圧電圧VCGM、VCG1M以外の波形は、図8と同じである。
図16は、図14に示した電圧制御回路20Cの動作の別の例を示している。図8および図15と同じ動作については、詳細な説明は省略する。この例では、図14に示した抵抗R1、R2の値は、R1<R2に設定される。このため、分圧電圧VCGMは、コントロールゲート電圧VCGの半分の値より高くなる(図16(a))。なお、抵抗R1、R2の値の合計(R1+R2)は図15と同じである。抵抗R3、R4の値は、図15と同じであり、互いに等しい。このため、分圧電圧VCG1Mは、第1高電圧VCG1の値の半分になる。すなわち、内部電圧VCGに対する分圧電圧VCGMの比率は、第1高電圧VCG1に対する分圧電圧VCG1Mの比率に比べて高くなる。
この例では、レベル検出器CMP1は、相対的に高い分圧電圧VCGMを分圧電圧VCG1Mと比較する。換言すれば、コントロールゲート線VCGの電圧が第1高電圧VCG1より所定値だけ低くなったときに、第1スイッチSW1はオンする。このため、第1スイッチSW1がオンするタイミングは、図8および図15よりも遅くなる(図16(b))。
図16に示した一点鎖線は、図3のセクタSEC15側(遠端側)のコントロールゲート線VCGの電圧を示している。放電回路28が電圧制御回路20に近い側(近端側)に配置されるとき、コントロールゲート線VCGの遠端側の電荷は、近端側に比べてゆっくり抜ける。このため、図8に示したように、コントロールゲート電圧VCGが第1高電圧VCG1より低くなったときに第1スイッチSW1をオンすると、コントロールゲート線VCGの遠端側の電圧は、第1高電圧VCG1の目標値より高くなっているおそれがある。このとき、コントロールゲート線VCGの遠端側の電圧変化は、図11と同様になり、遠端側に位置するセクタSECのベリファイ動作において、コントロールゲート電圧VCGが正常な値になるまでの時間が掛かってしまう。
分圧電圧VCGMを相対的に高くすることにより、コントロールゲート線VCGの遠端側の電圧が第1高電圧VCG1より低くなった後に第1スイッチSW1をオンできる。これにより、図11に示した問題が発生することを防止できる。なお、第1スイッチSW1のオンタイミングは、分圧電圧VCG1Mを相対的に低くすることによっても遅くできる。
図17は、図14に示した電圧制御回路20Cの動作の別の例を示している。図8および図15と同じ動作については、詳細な説明は省略する。この例では、図14に示した抵抗R1、R2の値は、R1>R2に設定される。このため、分圧電圧VCGMは、コントロールゲート電圧VCGの半分の値より低くなる(図17(a))。なお、抵抗R1、R2の値の合計(R1+R2)は図15と同じである。抵抗R3、R4の値は、図15と同じであり、互いに等しい。このため、分圧電圧VCG1Mは、第1高電圧VCG1の値の半分になる。
この例では、レベル検出器CMP1は、相対的に低い分圧電圧VCGMを分圧電圧VCG1Mと比較する。換言すれば、コントロールゲート線VCGの電圧と第1高電圧VCG1との差が所定値まで近づいたときに、第1スイッチSW1はオンする。このため、第1スイッチSW1がオンするタイミングは、図8および図15よりも早くなる(図17(b))。例えば、スイッチ制御信号SW1ONの活性化タイミングは、コントロールゲート電圧VCGが第1高電圧VCG1の目標値より僅かに低くなった後に、第1スイッチSW1がオンするように設計される。第1スイッチSW1が早くオンするため、放電期間DCPを短くでき、動作に寄与しない無駄な電流が消費されることを防止できる。また、書き込み動作時間を短縮できる。
第1スイッチSW1がオンするとき、図17に一点鎖線で示したコントロールゲート線VCGの遠端側の電圧は、第1高電圧VCG1の目標値より僅かに高い(図17(c))。この例では、第1スイッチSW1がオンした後、レギュレータRGLの動作に加えて、コントロールゲート線VCGの遠端側から近端側への電荷の移動により、コントロールゲート電圧VCGを迅速に目標値(例えば5V)に設定できる(図17(d))。なお、第1スイッチSW1のオンタイミングは、分圧電圧VCG1Mを相対的に高くすることによっても早くできる。
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、レベル比較器CMP1により、分圧電圧VCGM、VCG1Mを比較することで、レベル比較器CMP1を高速に動作するトランジスタを用いて形成でき、書き込み動作時間を短縮できる。
内部電圧VCGに対する分圧電圧VCGMの比率を第1高電圧VCG1に対する分圧電圧VCG1Mの比率に比べて高くすることで、第1スイッチSW1のオンタイミングを遅くできる。これにより、コントロールゲート線VCGの遠端側の電圧が第1高電圧VCG1より低くなった後に第1スイッチSW1をオンでき、ベリファイ動作VRFY時に、内部電圧VCGが第1高電圧VCG1の目標値より高くなることを防止できる。さらに、抵抗R3、R4にブリーダ回路BLDの機能を持たせることで、ブリーダ回路BLDを不要にできる。
図18は、別の実施形態における半導体集積回路SEMの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。例えば、半導体集積回路SEMは、NOR型のフラッシュメモリ等の不揮発性半導体メモリである。半導体集積回路SEMは、図2の電圧制御回路20の代わりに電圧制御回路20Dを有している。電圧制御回路20Dの例は、図19に示す。また、半導体集積回路SEMは、テスト端子TESTおよびテスト制御回路10Dを有している。半導体集積回路SEMのその他の構成は、図2と同様である。
テスト制御回路10Dは、プログラム回路PGMCを有しており、プログラム回路PGMCにプログラムされた値に応じてテスト制御信号TM0、TM1、TM2のいずれかを高レベルに設定する。例えば、プログラム回路PGMCは、メモリセルMCと同様の不揮発性メモリセルを有している。すなわち、不揮発性メモリセルは、フローティングゲートを有するメモリトランジスタを有しており、メモリトランジスタの閾値電圧に応じて値を記憶する。なお、プログラム回路PGMCは、テスト制御回路10Dの外部に形成されてもよい。
テスト制御回路10Dは、テスト端子TESTが所定のレベル(例えば、高レベル)に設定されるテストモード中に、外部端子を介して供給されるアドレス信号ADに応じてテスト制御信号TM0−TM2の値を設定する。テストモード中、プログラム回路PGMCにプログラムされている値はマスクされる。すなわち、テスト制御回路10Dは、テストモード中、プログラム回路PGMCのプログラム状態に拘わりなく、アドレス信号ADに応じてテスト制御信号TM0−TM2を生成する。
図19は、図18に示した電圧制御回路20Dの例を示している。電圧制御回路20Dは、分圧電圧VCGM、VCG1Mを生成するための抵抗が図14と相違している。抵抗以外の構成は、図14と同様である。
電圧制御回路20Dは、コントロールゲート線VCGと接地線VSSの間に直列に接続された抵抗R11、R12、R13、R14と、第1高電圧線VCG1と接地線VSSの間に直列に接続された抵抗R31、R32、R33、R34とを有している。分圧電圧VCGM1は、抵抗R32、R33の接続ノードから生成される。なお、抵抗R11−R14、R31−R34およびレベル比較器CMP1は、電圧制御回路20Dの外部に形成されてもよい。
抵抗R11、R12の接続ノードは、nMOSトランジスタNM10を介して分圧ノードVCGMに接続されている。nMOSトランジスタNM10のゲートは、テスト制御信号TM0を受けている。抵抗R12、R13の接続ノードは、nMOSトランジスタNM11を介して分圧ノードVCGMに接続されている。nMOSトランジスタNM11のゲートは、テスト制御信号TM1を受けている。抵抗R13、R14の接続ノードは、nMOSトランジスタNM12を介して分圧ノードVCGMに接続されている。nMOSトランジスタNM12のゲートは、テスト制御信号TM2を受けている。
この実施形態では、テスト制御信号TM0−TM2により、nMOSトランジスタNM10−NM12のいずれかがオンすることで、3種類の分圧電圧VCGMを生成できる。例えば、3種類の分圧電圧VCGMは、図15、図16および図17に示した電圧である。すなわち、nMOSトランジスタNM10−NM12は、分圧電圧VCGMの値を変更する分圧電圧変更回路として機能する。
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、製造された半導体集積回路SEMの電気的特性に合わせて、第1スイッチSW1のオンタイミングを最適に設定できる。
図20は、別の実施形態における電圧制御回路20Eの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。電圧制御回路20Eを除く構成は、図2と同様である。すなわち、電圧制御回路20Eは、NOR型のフラッシュメモリ等の半導体集積回路SEMに形成される。
この実施形態では、テスト制御信号TM0−TM2に応じて分圧電圧VCG1Mを変更できる。抵抗以外の構成は、図14および図19と同様である。電圧制御回路20Eは、コントロールゲート線VCGと接地線VSSの間に直列に接続された抵抗R11、R12、R13、R14と、第1高電圧線VCG1と接地線VSSの間に直列に接続された抵抗R31、R32、R33、R34とを有している。なお、抵抗R11−R14、R31−R34およびレベル比較器CMP1は、電圧制御回路20Eの外部に形成されてもよい。
抵抗R31、R32の接続ノードは、nMOSトランジスタNM10を介して分圧ノードVCG1Mに接続されている。nMOSトランジスタNM10のゲートは、テスト制御信号TM0を受けている。抵抗R32、R33の接続ノードは、nMOSトランジスタNM11を介して分圧ノードVCG1Mに接続されている。nMOSトランジスタNM11のゲートは、テスト制御信号TM1を受けている。抵抗R33、R34の接続ノードは、nMOSトランジスタNM12を介して分圧ノードVCG1Mに接続されている。nMOSトランジスタNM12のゲートは、テスト制御信号TM2を受けている。
この実施形態では、テスト制御信号TM0−TM2により、nMOSトランジスタNM10−NM12のいずれかがオンすることで、3種類の分圧電圧VCG1Mを生成できる。すなわち、nMOSトランジスタNM10−NM12は、分圧電圧VCG1Mの値を変更する分圧電圧変更回路として機能する。以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
図21は、別の実施形態における電圧制御回路20Fの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。電圧制御回路20Fを除く構成は、図2と同様である。すなわち、電圧制御回路20Fは、NOR型のフラッシュメモリ等の半導体集積回路SEMに形成される。
電圧制御回路20Fは、図14に示した抵抗R1−R4の代わりにキャパシタC1−C4を有している。抵抗以外の構成は、図14と同様である。なお、キャパシタC1−C4およびレベル比較器CMP1は、電圧制御回路20Fの外部に形成されてもよい。キャパシタC1、C2は、コントロールゲート線VCGと接地線VSSの間に配置されている。分圧電圧VCGMは、キャパシタC1、C2の接続ノードから生成される。キャパシタC3、C4は、第1高電圧線VCG1と接地線VSSの間に配置されている。分圧電圧VCG1Mは、キャパシタC3、C4の接続ノードから生成される。
例えば、キャパシタC1−C4の容量値は全て等しく、キャパシタC1、C2の容量比C1:C2およびキャパシタC3、C4の容量比C3:C4は、ともに”1”である。このため、分圧電圧VCGMは、コントロールゲート電圧VCGの半分になり、分圧電圧VCG1Mは、第1高電圧VCG1の半分になる。分圧電圧VCGM、VCG1MをキャパシタC1−C4を用いて生成することで、分圧ノードVCGMを介してコントロールゲート線VCGから接地線VSSに流れるリーク電流をなくすことができる。また、分圧ノードVCG1Mを介して高電圧線VCG1から接地線VSSに流れるリーク電流をなくすことができる。電圧制御回路20Fの動作は、図15と同様である。なお、電圧制御回路20Fは、例えば、キャパシタC1、C2の容量比をC1>C2にすることで、図16と同様に動作させることができ、容量比をC1<C2にすることで、図17と同様に動作させることができる。キャパシタC1、C2の容量比を変える代わりに、キャパシタC3、C4の容量比を変えても図16および図17の動作を実現できる。
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、分圧電圧VCGM、VCG1MをキャパシタC1−C4を用いて生成することで、分圧電圧VCGM、VCG1Mを生成する回路に流れるリーク電流をなくすことができる。
図22は、別の実施形態における電圧制御回路20Gの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。電圧制御回路20Gを除く構成は、テスト制御回路10Dが異なることを除き、図18と同様である。すなわち、電圧制御回路20Gは、NOR型のフラッシュメモリ等の半導体集積回路SEMに形成される。電圧制御回路20Gは、分圧電圧VCGM、VCG1Mを生成するためのキャパシタが図21と相違している。キャパシタ以外の構成は、図21と同様である。
電圧制御回路20Gは、コントロールゲート線VCGと接地線VSSの間に直列に接続されたキャパシタC1、C2と、キャパシタC10、C20と、第1高電圧線VCG1と接地線VSSの間にそれぞれ直列に接続されたキャパシタC3、C4およびキャパシタC30、C40を有している。分圧ノードVCG1Mは、キャパシタC3、C4の接続ノードおよびキャパシタC30、C40の接続ノードに接続されている。例えば、キャパシタC1−C4、C10−C40の容量値は全て等しい。このため、キャパシタC1、C2の容量比C1:C2およびキャパシタC3、C4の容量比C3:C4は、ともに”1”である。キャパシタC10、C20の容量比C10:C20およびキャパシタC30、C40の容量比C30:C40は、ともに”1”である。
分圧ノードVCGMは、キャパシタC1、C2の接続ノードに接続されている。キャパシタC10は、一端が分圧ノードVCGMに接続され、他端がnMOSトランジスタNM13、NM14を介してコントロールゲート線VCGまたは接地線VSSに接続される。キャパシタC20は、一端が分圧ノードVCGMに接続され、他端がnMOSトランジスタNM15、NM16を介してコントロールゲート線VCGまたは接地線VSSに接続される。なお、キャパシタC1−C4、C10−C40、nMOSトランジスタNM13−NM16およびレベル比較器CMP1は、電圧制御回路20Gの外部に形成されてもよい。
nMOSトランジスタNM13は、ゲートでテスト制御信号TMaを受け、nMOSトランジスタNM14は、ゲートでテスト制御信号TMaの反転信号を受けている。nMOSトランジスタNM15は、ゲートでテスト制御信号TMbを受け、nMOSトランジスタNM16は、ゲートでテスト制御信号TMbの反転信号を受けている。テスト制御信号TMa、TMbは、テスト制御回路10D(図18)内のプログラム回路PGMCのプログラム状態に応じて生成され、あるいは、テストモード中にアドレス信号ADに応じて生成される。
テスト制御信号TMaが高レベルに設定され、テスト制御信号TMbが低レベルに設定されるとき、分圧ノードVCGMは、キャパシタC1、C10を介してコントロールゲート線VCGに接続される。また、分圧ノードVCGMは、キャパシタC2、C20を介して接地線VSSに接続される。容量比C1:C2=C10:C20=1であるため、分圧電圧VCGMの値は、コントロールゲート電圧VCGの半分になる。容量比C3:C4=C30:C40=1であるため、分圧電圧VCG1Mの値は、第1高電圧VCG1の半分になる。このため、電圧制御回路20Gの動作は、図15と同じになる。なお、テスト制御信号TMaが低レベルに設定され、テスト制御信号TMbが高レベルに設定されるとき、分圧電圧VCGMの値は、コントロールゲート電圧VCGの半分になる。このため、電圧制御回路20Gの動作は、図15と同じになる。
テスト制御信号TMa、TMbがともに高レベルに設定されるとき、キャパシタC1、C10、C20はコントロールゲート線VCGに接続され、キャパシタC2は接地線VSSに接続される。これにより、分圧電圧VCGMは、相対的に高くなり、電圧制御回路20Gの動作は、図16と同じになる。一方、テスト制御信号TMa、TMbがともに低レベルに設定されるとき、キャパシタC1はコントロールゲート線VCGに接続され、キャパシタC2、C10、C20は接地線VSSに接続される。これにより、分圧電圧VCGMは、相対的に低くなり、電圧制御回路20Gの動作は、図17と同じになる。
このように、キャパシタC10、C20の接続先をテスト制御信号TMa、TMbに応じて切り替えることで、図15、図16および図17に示したように、3種類の分圧電圧VCGMを用いて電圧制御回路20Gを動作させることができる。すなわち、nMOSトランジスタNM13−NM16は、分圧電圧VCGMの値を変更する分圧電圧変更回路として機能する。これにより、製造された半導体集積回路SEMの電気的特性に合わせて、第1スイッチSW1のオンタイミングを最適に設定できる。以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
図23は、別の実施形態における電圧制御回路20Hの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。電圧制御回路20Hを除く構成は、テスト制御回路10Dが異なることを除き、図18と同様である。すなわち、電圧制御回路20Hは、NOR型のフラッシュメモリ等の半導体集積回路SEMに形成される。電圧制御回路20Hは、分圧電圧VCGM、VCG1Mを生成するためのキャパシタが図22と相違している。キャパシタ以外の構成は、図22と同様である。
電圧制御回路20Gは、コントロールゲート線VCGと接地線VSSの間にそれぞれ直列に接続されたキャパシタC1、C2およびキャパシタC10、C20と、第1高電圧線VCG1と接地線VSSの間に直列に接続されたキャパシタC3、C4と、キャパシタC30、C40とを有している。キャパシタC30は、一端が分圧ノードVCG1Mに接続され、他端がnMOSトランジスタNM17、NM18を介して第1高電圧線VCG1または接地線VSSに接続される。キャパシタC40は、一端が分圧ノードVCG1Mに接続され、他端がnMOSトランジスタNM19、NM20を介して第1高電圧線VCG1または接地線VSSに接続される。なお、キャパシタC1−C4、C10−C40、nMOSトランジスタNM17−NM20およびレベル比較器CMP1は、電圧制御回路20Hの外部に形成されてもよい。
キャパシタC1−C4、C10−C40の容量値は、図22と同じである。このため、容量比C1:C2、C10:C20、C3:C4、C30:C40は、全て”1”である。この実施形態では、図23と同様に、キャパシタC30、C40の接続先をテスト制御信号TMa、TMbに応じて切り替えることで、3種類の分圧電圧VCG1Mを生成できる。すなわち、nMOSトランジスタNM17−20は、分圧電圧VCG1Mの値を変更する分圧電圧変更回路として機能する。これにより、電圧制御回路20Gを用いて、図15、図16および図17に示した動作を実現できる。以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
図24は、別の実施形態における電圧制御回路20Iの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。電圧制御回路20Iを除く構成は、テスト制御回路10Dが異なることを除き、図18と同様である。すなわち、電圧制御回路20Iは、NOR型のフラッシュメモリ等の半導体集積回路SEMに形成される。
電圧制御回路20Iは、図22に示したキャパシタC1、C10、C2、C20およびnMOSトランジスタNM13−NM16と、図23に示したキャパシタC3、C30、C4、C40およびnMOSトランジスタNM17−NM20とを有している。なお、キャパシタC1−C4、C10−C40、nMOSトランジスタNM13−NM20およびレベル比較器CMP1は、電圧制御回路20Iの外部に形成されてもよい。
nMOSトランジスタNM17−NM18のゲートは、テスト制御信号TMcにより制御される。nMOSトランジスタNM19−NM20のゲートは、テスト制御信号TMcにより制御される。テスト制御信号TMa−TMdは、テスト制御回路10D(図18)内のプログラム回路PGMCのプログラム状態に応じて生成され、あるいは、テストモード中にアドレス信号ADに応じて生成される。電圧制御回路20Iのその他の構成は、図22と同様である。
この実施形態では、キャパシタC10、C20の接続先をテスト制御信号TMa、TMbに応じて切り替え、キャパシタC30、C40の接続先をテスト制御信号TMc、TMdに応じて切り替えることで、3種類の分圧電圧VCGMと、3種類の分圧電圧VCG1Mを生成できる。すなわち、nMOSトランジスタNM13−NM20は、分圧電圧VCGM、VCG1Mの値を変更する分圧電圧変更回路として機能する。この結果、製造された半導体集積回路SEMの電気的特性に合わせて、第1スイッチSW1のオンタイミングをさらに最適に設定できる。以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
図25は、別の実施形態における電圧制御回路20Jの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。電圧制御回路20Jを除く構成は、図6に示したブリーダ回路BLDがないことを除き、図2および図6と同様である。すなわち、電圧制御回路20Jは、NOR型のフラッシュメモリ等の半導体集積回路SEMに形成される。
電圧制御回路20Jは、図21に示したキャパシタC3、C4の代わりに、図14に示した抵抗R3、R4を有している。電圧制御回路20Jのその他の構成は、図21と同じである。なお、抵抗R3−R4、キャパシタC1−C2およびレベル比較器CMP1は、電圧制御回路20Jの外部に形成されてもよい。抵抗R3、R4の抵抗値は高く、図6に示したブリーダ回路BLDの抵抗値とほぼ等しい。すなわち、抵抗R3、R4は、分圧電圧VCG1Mを生成するだけでなく、ブリーダ回路BLDとしても機能する。この実施形態では、キャパシタC3、C4の容量比または抵抗R3、R4の抵抗比に応じて、複数種の分圧電圧VCGM、VCG1Mを生成できる。図15−図17に示した動作を実現できる。以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、キャパシタC1、C2により分圧電圧VCGMを生成し、抵抗R3、R4にブリーダ回路BLDの機能を持たせることで、ブリーダ回路BLDを不要にでき、リーク電流を削減できる。
図26は、別の実施形態における電圧制御回路20Kの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。電圧制御回路20Kを除く構成は、図2と同様である。すなわち、電圧制御回路20Kは、NOR型のフラッシュメモリ等の半導体集積回路SEMに形成される。
電圧制御回路20Kは、図12に示したレベル比較器CMP1とフリップフロップ回路FF1の間に遅延回路DLYを配置している。電圧制御回路20Kのその他の構成は、図12に示した電圧制御回路20Bと同様である。なお、レベル比較器CMP1および遅延回路DLYは、電圧制御回路20Kの外部に形成されてもよい。
遅延回路DLYは、レベル比較器CMP1の出力信号DETの立ち下がりエッジを遅延時間D1だけ遅らせて、出力信号DETDとして出力する。これにより、フリップフロップ回路FF1は、コントロールゲート電圧VCGが第1高電圧VCG1より低いことをレベル比較器CMP1により検出されてから遅延時間D1後に、スイッチ制御信号SW1ONを高レベルに設定する。
図27は、図26に示した電圧制御回路20Kの動作の例を示している。図8および図16と同じ動作については、詳細な説明は省略する。図27示した波形は、出力信号DET、DETDを除き図16と同様である。この例では、出力信号DETの立ち下がりエッジから遅延時間D1後に出力信号DETDが生成され、スイッチ制御信号SW1ONが高レベルに変化する(図27(a))。すなわち、スイッチ制御信号SW1ONの活性化タイミングは、遅延回路DLYにより遅れる。これにより、抵抗比や容量比により分圧電圧VCGMまたはVCG1Mを生成することなく、スイッチ制御信号SW1ONの出力タイミングを遅くできる。
なお、図26に示したレベル比較器CMP1で比較する電圧を下げるために、図14および図21に示したように、分圧電圧VCGM、VCG1Mをレベル比較器CMP1に供給してもよい。また、図14および図25に示したように、抵抗R3、R4を用いて分圧電圧VCG1Mを生成することにより、図6に示したブリーダ回路BLDを削除できる。
また、図2に示した放電回路28は、電圧制御回路20および電圧切替回路26から離れているメモリコア30の端側(遠端側;図2の下側)のコントロールゲート線VCGに接続されてもよい。これにより、コントロールゲート線VCGにおいて、遠端側は放電速度が高くなり、電圧制御回路20(レベル比較器CMP1)および電圧切替回路26(第1スイッチSW1)に近い近端側は放電速度が低くなる。このとき、レベル比較器CMP1は、放電速度の低いコントロールゲート電圧VCGを受けて動作するため、遅延回路DLYを配置することなく図27に示した動作を実現できる。
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、抵抗比や容量比により分圧電圧VCGMまたはVCG1Mを生成することなく、スイッチ制御信号SW1ONの出力タイミングを遅くできる。この結果、コントロールゲート電圧VCGを正常な値(例えば5V)に設定できる。
図28は、上述した実施形態の半導体集積回路SEMが搭載されるシステムSYSの例を示している。システムSYS(ユーザシステム)は、例えば、携帯機器等のマイクロコンピュータシステムの少なくとも一部を構成する。システムSYSは、シリコン基板上に複数のマクロが集積されたシステムオンチップSoCを有している。あるいは、システムSYSは、パッケージ基板上に複数のチップが積層されたマルチチップパッケージMCPを有している。あるいは、システムSYSは、リードフレーム等のパッケージ基板上に複数のチップが搭載されたシステムインパッケージSiPを有している。さらに、システムSYSは、チップオンチップCoCあるいはパッケージオンパッケージPoPの形態で構成されてもよい。
例えば、SoCは、CPU(コントローラ)、ROM、周辺回路I/Oおよび上述した半導体集積回路SEM(フラッシュメモリ)を有している。CPU、ROM、周辺回路I/Oおよび半導体集積回路SEMは、システムバスSBUSにより互いに接続されている。なお、CPUと半導体集積回路SEMの間にメモリコントローラを配置してもよい。
CPUは、ROM、周辺回路I/Oおよび半導体集積回路SEMをアクセスするとともにシステム全体の動作を制御する。半導体集積回路SEMは、CPUからのアクセス要求に応じて、書き込み動作、読み出し動作および消去動作を実行する。なお、システムSYSの最小構成は、CPUと半導体集積回路SEMである。
以上の実施形態において説明した発明を整理して、付記として開示する。
(付記1)
第1高電圧が供給される第1高電圧線を内部電圧線に接続するために第1スイッチ制御信号の活性化に応じてオンする第1スイッチと、
前記第1高電圧を生成するために第1電圧生成信号の活性化に応じて動作する第1電圧生成回路と、
前記第1電圧生成信号の活性化に応じて動作し、前記第1高電圧と前記内部電圧線の電圧とを比較し、前記第1高電圧と前記内部電圧線の電圧との差が所定値になったときに前記第1スイッチ制御信号を活性化するレベル比較器と
を備えていることを特徴とする半導体集積回路。
(付記2)
前記第1高電圧より高い第2高電圧が供給される第2高電圧線を前記内部電圧線に接続するために第2スイッチ制御信号の活性化に応じてオンする第2スイッチと、
前記内部電圧線と接地線の間に配置され第3スイッチ制御信号の活性化に応じてオンする放電スイッチと、
前記内部電圧線の電圧を前記第2高電圧から前記第1高電圧に切り替える切替期間に、前記第2スイッチ制御信号を非活性化するとともに前記第1電圧生成信号および前記第3スイッチ制御信号を活性化し、前記第1スイッチ制御信号の活性化に応答して前記第3スイッチ制御信号を非活性化する電圧制御回路と
を備えていることを特徴とする付記1に記載の半導体集積回路。
(付記3)
前記第1高電圧を分圧して第1分圧電圧を生成する第1分圧回路と、
前記内部電圧線の電圧を分圧して第2分圧電圧を生成する第2分圧回路と
を備え、
前記レベル比較器は、前記第1分圧電圧を前記第1高電圧として受け、前記第2分圧電圧を前記内部電圧線の電圧として受け、前記第1分圧電圧と前記第2分圧電圧の差が所定値になったときに前記第1スイッチ制御信号を活性化すること
を特徴とする付記1または付記2に記載の半導体集積回路。
(付記4)
前記内部電圧線の電圧に対する前記第2分圧電圧の比率は、前記第1高電圧に対する前記第1分圧電圧の比率より高く設定されること
を特徴とする付記3に記載の半導体集積回路。
(付記5)
前記放電スイッチおよび前記レベル比較器は、前記第1スイッチから延在する前記内部電源線において、前記第1スイッチに近い側に接続されていること
を特徴とする付記3または付記4に記載の半導体集積回路。
(付記6)
前記第1電圧生成回路は、ドレインを電源線に接続し、ゲートで定電圧を受け、ソースを前記第1高電圧線に接続したnMOSトランジスタを有するレギュレータを備え、
前記第1分圧回路は、前記第1高電圧線と接地線の間に直列に接続された複数の抵抗を備えていること
を特徴とする付記3ないし付記4のいずれか1項に記載の半導体集積回路。
(付記7)
前記第1および第2分圧回路のいずれかに設けられ、テスト制御信号に応じて前記第1および第2分圧電圧のいずれかの値を変更する分圧電圧変更回路と、
プログラム状態に応じて前記テスト制御信号を所定のレベルに固定するプログラム回路と、
テストモード中に動作し、前記プログラム回路のプログラム状態に拘わりなく、半導体集積回路の外部から供給される信号に応じて前記テスト制御信号を生成するテスト制御回路と
を備えていることを特徴とする付記3ないし付記6のいずれか1項に記載の半導体集積回路。
(付記8)
前記レベル比較器と前記第1スイッチとの間に配置され、前記レベル比較器から前記第1スイッチに供給される前記第1スイッチ制御信号の活性化タイミングを遅らせる遅延回路を備えていることを特徴とする付記1ないし付記6のいずれか1項に記載の半導体集積回路。
(付記9)
コントロールゲートおよびフローティングゲートを有するメモリトランジスタを含む不揮発性のメモリセルと、
前記メモリセルにデータを書き込むときに、プログラム動作およびベリファイ動作を繰り返し実施する書き込み動作を制御する動作制御回路と
を備え、
前記内部電圧線の電圧は前記コントロールゲートに供給され、プログラム動作中に前記第2高電圧に設定され、前記ベリファイ動作中に前記第1高電圧に設定され、
前記レベル比較器は、前記プログラム動作から前記ベリファイ動作に切り替えられるときに動作すること
を特徴とする付記2ないし付記8のいずれか1項に記載の半導体集積回路。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずであり、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。