JP5518261B2 - 等化装置及び等化方法 - Google Patents
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Description
本発明は、直交周波数分割多重変調方式を用いて変調された受信信号の伝送路歪みを補償する等化装置及び等化方法に関するものである。
一般に、移動しながら無線信号を受信する環境下では、電波の干渉によるマルチパスフェージングや移動に伴う伝送路環境の激しい変動が生じ、受信機に到来する信号の品質が劣化しやすいという問題がある。そこで、劣悪な伝送路環境でも正確に信号を受信するための新しい移動受信技術が要求されている。
このような正確な信号受信を行うための技術の一つとして伝送路等化技術がある。この伝送路等化技術では、受信機に到来する信号に適切な濾波係数を乗算することにより、雑音等に起因して生じた伝送路環境の変動(伝送路歪み)を補償(等化)することができる。つまり、この技術によれば、マルチパスフェージング及び高速移動に伴う信号ひずみや受信機で重畳される雑音の影響を低減することができる。
図1に、本発明に係る等化装置に関連する、伝送路推定技術が適用された等化装置の例を示す。なお、以下の説明においては、図1に示される等化装置を「関連等化装置」と呼ぶ。この関連等化装置の前段には、直交周波数分割多重変調方式の放送信号を受信信号として受信する受信機が設けられており、当該受信信号が関連等化装置に入力されている。
図1に示される関連等化装置では、まず、受信信号が第1基準信号検出部1に入力される。第1基準信号検出部1では、当該受信信号に含まれる基準信号を抽出する。ここで、基準信号は、特定の周波数及び振幅を用いて送信される信号であり、例えば、図2に示されるような信号配置を有する受信信号においては、周波数方向及び時間方向に一定間隔ごとにデータ信号12に挿入される散在基準信号11(砂地ハッチング)に相当する。第1基準信号検出部1は、抽出した基準信号を歪検出部2に出力する。
歪検出部2は、当該基準信号の入力があった場合に、当該基準信号の歪み成分を算出する。例えば、歪検出部2は、第1基準信号検出部1で抽出された基準信号の振幅成分を検出し、当該振幅成分を既知の理想振幅値、すなわち送信時の基準信号の振幅値で除算する。そして、歪検出部2は、その除算により得られた値を基準信号の歪み成分として、当該歪み成分を示す歪み信号を時間内挿濾波部3に出力する。このような手法によれば、基準信号11の歪みの程度を数値化することができる。
時間内挿濾波部3は、歪検出部2からの歪み信号に信号処理を行うことにより、歪み信号が示す基準信号の歪み成分に加えて、データ信号の一部(以下「一部データ信号」と呼ぶこともある)の歪み成分も示す第1濾波信号を生成する。なお、一部データ信号とは、例えば、時間方向において隣り合う基準信号同士の間に位置するデータ信号であり、その歪み成分が、基準信号と、濾波係数とに基づいて推定される。
周波数内挿濾波部4は、時間内挿濾波部3からの第1濾波信号に信号処理を行うことにより、第1濾波信号が示す基準信号及び一部データ信号の歪み成分に加えて、データ信号の残余部(以下「残余データ信号」と呼ぶこともある)の歪み成分も示す第2濾波信号を生成する。なお、残余データ信号とは、例えば、周波数方向において隣り合う基準信号及び一部データ信号同士の間に位置するデータ信号であり、その歪み成分が、第1濾波信号と、濾波係数とに基づいて推定される。
以上のように、周波数内挿濾波部4は、基準信号の歪み成分と、データ信号の全て(一部データ信号及び残余データ信号)の歪み成分とを示す第2濾波信号を生成し、当該第2濾波信号を等化部5に出力する。等化部5は、受信信号を第2濾波信号で除算する。これにより、受信信号に含まれる伝送路歪みが補償される。
さて、以上のような伝送路等化技術(伝送路歪推定方法)においては、伝送路環境を推定する際に係数算出アルゴリズムが用いる動作パラメータを適切に決定して、歪み補償能力を向上させる学習アルゴリズムが知られている。例えば、学習アルゴリズムを用いて、時間内挿濾波部3及び周波数内挿濾波部4の濾波係数を適切に決定すれば、時間内挿濾波部3や周波数内挿濾波部4の推定精度を向上させることができ、歪み補償能力を向上させることができる。特に、系の後側に存在し、多くのデータ信号の歪みを推定する周波数内挿濾波部4では、より高い推定精度が要求されることから、一般的に、周波数内挿濾波部4の濾波係数が学習アルゴリズムにより適切に決定されている。
次に、このような学習アルゴリズムについて同図1を用いて説明する。周波数内挿濾波部4において生成された第2濾波信号は、等化部5に入力されるとともに第2基準信号検出部6にも入力される。第2基準信号検出部6は、第2濾波信号が示す歪み成分のうち、基準信号の歪み成分を抽出し、当該歪み成分をエラー算出部7に出力する。
エラー算出部7は、歪み検出部2からの基準信号の歪み成分と、第2基準信号検出部6からの基準信号の歪み成分との比較結果に基づくエラー信号(例えば両歪み成分の差分を示すエラー信号)を係数算出部8に出力する。
係数算出部8は、時間内挿濾波部3からの第1濾波信号と、エラー算出部7からのエラー信号とを参照した学習アルゴリズムを用いることにより、周波数内挿濾波部4の濾波係数を算出する。
以上のような手法をとる関連等化装置によれば、伝送路歪みを適切に推定することが可能となる。しかし、受信時の信号電力対雑音電力比(CNR:Carrier-to-Noise power Ratio)が低い環境では、正確な係数算出が行えなくなる場合が多くなるという問題がある。また、恒常的に受信電界強度が弱い弱電界環境において同手法を用いると、係数算出速度が低下し、伝送路追従性能が劣化してしまうという問題がある。さらに、関連等化装置における、周波数内挿濾波器4の係数を算出する学習アルゴリズムは、基準信号が入力されるタイミングでのみ動作するため、同アルゴリズムの算出速度や収束精度に限界があるという問題がある。
そこで、このような問題を解決するために、伝送路歪補償後の判定器により得られる判定信号(例えば硬判定結果を示す信号)を利用して、係数算出アルゴリズムの追従速度や精度を向上させる手法が提案されている。
例えば、特許文献1では、受信信号を硬判定結果で除算して得られる値と伝送路推定値とを比較し、当該比較結果を示すエラー信号に基づいて周波数内挿濾波部4の係数算出を行う手法が開示されている。同手法によれば、基準信号だけでなくデータ信号の全てに対して係数算出アルゴリズムを適用することが可能となることから、伝送路推定精度の向上が期待できる。
また、特許文献2では、硬判定前後の信号の差分を示すエラー信号を定義し、当該エラー信号を用いて伝送路歪み補償後の信号のCNRを推定することで、係数算出アルゴリズムの動作を制御する手法が開示されている。同手法によれば、伝送路歪み補償後に残留する伝送路歪み成分及び雑音成分が大きい場合に、係数算出アルゴリズムの動作を安定化させることができる。
しかしながら、特許文献1で開示されている手法では、伝送路推定値の確度が考慮されていないため、伝送路推定値の確度が低くなりがちな環境下、すなわち受信信号電力と雑音電力とが拮抗する環境下や、恒常的に受信電界強度が弱い弱電界環境下では、濾波係数が最適化されない可能性がある。
また、特許文献2のような手法では、伝送路歪み補償後の信号のCNRが低い環境下において、所望の動作を行えない可能性がある。具体的には、伝送路歪み補償後の信号に含まれる雑音電力と希望信号電力とが拮抗している環境下では、誤った硬判定が行われる可能性が高くなることから、誤った硬判定結果に基づいてCNRが推定されることがある。このような場合には、受信信号を正しく補償できない可能性がある。
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、様々な環境下において、受信信号を正しく補償することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明に係る等化装置は、基準信号及びデータ信号を含む直交周波数分割多重変調方式の受信信号における伝送路歪みを補償する等化装置であって、前記受信信号に含まれる前記基準信号の歪み成分を示す歪み信号を生成する歪検出器を備える。前記等化装置は、前記歪み信号に基づいて、前記データ信号の一部の歪み成分、及び、前記基準信号の歪み成分を示す第1濾波信号を生成する第1濾波器と、前記第1濾波信号と濾波係数とに基づいて、前記データ信号の全ての歪み成分、及び、前記基準信号の歪み成分を示す第2濾波信号を生成する第2濾波器と、前記第2濾波信号に基づいて前記受信信号の歪み成分を補償する補償器とを備える。前記等化装置は、前記歪み信号及び前記第1濾波信号の少なくともいずれか一つと前記第2濾波信号とに基づいて、前記濾波係数を算出するためのエラー信号の確度を判定し、当該確度に基づいて前記エラー信号を補正するエラー調整器と、前記第1濾波信号と、前記エラー調整器により補正された前記エラー信号とに基づいて、前記第2濾波器で用いられる前記濾波係数を算出する係数算出器とを備える。
本発明によれば、歪み信号及び第1濾波信号の少なくともいずれか一つと第2濾波信号とに基づいて、濾波係数を算出するためのエラー信号の確度を判定し、当該確度に基づいてエラー信号を補正する。したがって、係数算出アルゴリズムの動作を適応的に制御できることから、様々な環境下において受信信号を正しく補償することができる。
<実施の形態1>
図3は、本発明の実施の形態1に係る等化装置の構成を示すブロック図である。この図3に示されるように、等化装置300は、歪検出器301と、第1濾波係数を用いて入力信号を濾波する第1濾波器302と、可変の濾波係数である第2濾波係数を用いて入力信号を濾波する第2濾波器303と、補償器304と、係数算出器305と、エラー調整器306とを備えており、この等化装置300には、受信信号r(t)と、エラー信号e(t)とが入力されている。なお、文章中の各信号に付された(t)は信号処理を行う時刻を表しているが、図中の各信号に対しては、簡単のため(t)を省略している。
図3は、本発明の実施の形態1に係る等化装置の構成を示すブロック図である。この図3に示されるように、等化装置300は、歪検出器301と、第1濾波係数を用いて入力信号を濾波する第1濾波器302と、可変の濾波係数である第2濾波係数を用いて入力信号を濾波する第2濾波器303と、補償器304と、係数算出器305と、エラー調整器306とを備えており、この等化装置300には、受信信号r(t)と、エラー信号e(t)とが入力されている。なお、文章中の各信号に付された(t)は信号処理を行う時刻を表しているが、図中の各信号に対しては、簡単のため(t)を省略している。
この等化装置300は、歪検出器301と、第1濾波器302と、第2濾波器303とを経て得られる信号を用いて、受信信号r(t)の伝送路歪みを補償(等化)し、それによって得られた等化信号q(t)を判定器307に出力する。
また、本実施の形態に係る等化装置300は、第1濾波器302の出力と、第2濾波器303の出力とに基づいて、第2濾波係数を算出するためのエラー信号e(t)の確度を判定する。そして、等化装置300は、当該確度に基づいてエラー信号e(t)を補正し、それによって得られた補正エラー信号g(t)に基づいて第2濾波器303の第2濾波係数を算出する。このような本実施の形態に係る等化装置300によれば、上述の補償(等化)を行う係数算出アルゴリズムの動作を適応的に制御できることから、受信信号r(t)に含まれる雑音電力と希望信号電力とが拮抗する環境下や、恒常的に受信電界強度が弱い弱電界環境下などにおいても安定して受信信号を正しく補償することが可能となっている。以下、このような本実施の形態に係る等化装置300の構成について説明する。
まず、等化装置300に入力される受信信号r(t)は、歪検出器301に入力される。ここで、等化装置300に入力される受信信号r(t)は、基準信号及びデータ信号を含む、直交周波数分割多重変調方式の信号である。なお、受信信号r(t)としては、離散フーリエ変換(DCT:Discrete Fourier Transform)や高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)に代表されるような時間領域−周波数領域変換器からの出力信号であることが望ましい。
また、受信信号r(t)に含まれる基準信号は、特定の周波数及び振幅を用いて送信される信号であることが望ましく、具体的には、図2に示されるように、周波数方向及び時間方向に一定間隔ごとにデータ信号12に挿入される散在基準信号11であることが望ましい。なお、本実施の形態では、受信信号r(t)に含まれる基準信号は、散在基準信号11であるものとして説明するが、当該基準信号は散在基準信号11に限ったものではない。なお、以下の説明においては、散在基準信号11を「基準信号11」と呼ぶこともある。
歪検出器301は、受信信号r(t)から基準信号11の歪み成分を検出し、当該歪み成分を示す歪み信号p(t)を生成する。そして、歪検出器301は、当該歪み信号p(t)を第1濾波器302に出力する。
図4は、歪検出器301の構成例を示すブロック図である。この図4に示されるように、歪検出器301は、基準信号抽出器401と、歪検出用除算器402と、理想信号発生器403とを備えている。
基準信号抽出器401は、受信信号r(t)から基準信号11を抽出する。なお、基準信号11は、時間的・周波数的に所定の間隔でデータ信号12に挿入されていることから、例えば、所定時間毎に導通状態となる時間スイッチと、所定の搬送波に変調された信号を選択して取り出す選択器とから基準信号抽出器401を構成することができる。基準信号抽出器401は、抽出した散在基準信号11を歪検出用除算器402に出力する。
歪検出用除算器402は、基準信号抽出器401からの基準信号を、理想信号発生器403において生成される既知の理想信号で除算し、その結果を歪み信号p(t)として出力する。ここで、当該理想信号は、伝送路歪みや雑音の影響を全く受けなかった場合に基準信号抽出器401から出力されると期待される理想的な基準信号と同一であることが望ましい。このような手法をとる歪検出器301によれば、基準信号11の歪みの程度を数値化した歪み信号p(t)を生成することができる。
図3に戻って、第1濾波器302は、歪検出器301からの歪み信号p(t)に基づいて、データ信号12の一部(一部データ信号12)の歪み成分を推定し、当該一部データ信号12の歪み成分、及び、基準信号11の歪み成分を示す第1濾波信号s(t)を生成する。そして、第1濾波器302は、当該第1濾波信号s(t)を、第2濾波器303、係数算出器305及びエラー調整器306に出力する。
なお、上述したように本実施の形態に係る受信信号r(t)は、図2に示されるような基準信号11を含んでいる。このような場合には、歪み信号p(t)に、その時間方向に関して濾波を行う濾波器を、第1濾波器302に適用することが望ましい。つまり、時間方向で隣り合う基準信号11の歪み成分に基づいて、伝送路歪み成分の時間方向の内挿(補間)が行われることが望ましい。このような濾波器によれば、歪み信号p(t)が示す基準信号11の歪み成分だけでなく、時間方向で隣り合う基準信号11同士の間に位置する一部データ信号12の歪み成分をも示す第1濾波信号s(t)を生成することができる。
図5は、ディジタル信号処理による有限インパルス応答型濾波器を、第1濾波器302に適用した場合の具体的な構成例を示すブロック図である。この図5に示される第1濾波器302は、m個の第1濾波用第1遅延器〜第1濾波用第m遅延器からなる第1遅延器群501と、m個の第1乗算器502と、第1加算器503と、第1濾波係数に相当するm個の第1濾波用第1係数〜第1濾波用第m係数を格納した第1濾波係数記憶器504とを備える。
まず、第1濾波器302に入力される歪み信号p(t)が、その時間順で第1遅延器群501に入力される。第1遅延器群501の各々の遅延器は、このような入力信号を所定時間T1だけ遅延させた信号を出力する。そして、第1濾波用第1遅延器の入力信号が、歪み信号p(t)となるように、また、第1濾波用第k遅延器(2≦k≦m−1)の入力及び出力が、それぞれ第1濾波用第(k−1)遅延器の出力及び第1濾波用第(k+1)遅延器の入力となるように、これら遅延器は接続されている。
第1濾波係数記憶器504の第1濾波用第j係数(1≦j≦m)は、対応する第1乗算器502において第1濾波用第j遅延器の出力と乗算され、その乗算結果が第1加算器503に出力される。
最後に、第1加算器503は、入力されたm個の乗算結果を加算し、その結果を第1濾波信号s(t)として出力する。このような手法をとる第1濾波器302によれば、基準信号11の歪み成分に基づいて、上述の第1濾波信号s(t)を生成することができる。
なお、ここでは、第1濾波器302が、ディジタル信号処理による有限インパルス応答型濾波器である場合について説明したが、これに限ったものではなく、ディジタル信号処理による無限インパルス型濾波器であってもよいし、アナログ信号処理による濾波器であってもよい。
図3に戻って、第2濾波器303には、第1濾波器302で生成された第1濾波信号s(t)と、係数算出器305で算出された第2濾波係数w(t)であるn個の第2濾波用第j係数wj(t)(1≦j≦n)とが入力される。なお、係数算出器305については後で詳細に説明する。
第2濾波器303は、第1濾波器302からの第1濾波信号s(t)と、係数算出器305からの第2濾波係数w(t)とに基づいて、データ信号12の残余部(残余データ信号12)の歪み成分を推定する。そして、第2濾波器303は、一部データ信号12及び残余データ信号12の歪み成分、つまりデータ信号12の全ての歪み成分と、基準信号11の歪み成分とを示す第2濾波信号c(t)を生成する。第2濾波器303は、当該第2濾波信号c(t)を補償器304及びエラー調整器306に出力する。
なお、上述したように本実施の形態に係る受信信号r(t)は、図2に示されるような基準信号11を含んでいる。このような場合には、第1濾波信号s(t)に、その周波数方向に関して濾波を行う濾波器を、第2濾波器303に適用することが望ましい。つまり、周波数方向で隣り合う基準信号11及び一部データ信号12の歪み成分に基づいて、伝送路歪み成分の周波数方向の内挿(補間)が行われることが望ましい。このような濾波器によれば、第1濾波信号s(t)が示す基準信号11及び一部データ信号12の歪み成分だけでなく、周波数方向で隣り合う基準信号11及び一部データ信号12同士の間に位置する残余データ信号12の歪み成分をも示す第2濾波信号c(t)を生成することができる。
図6は、ディジタル信号処理による有限インパルス応答型濾波器を、第2濾波器303に適用した場合の具体的な構成例を示すブロック図である。この図6に示される第2濾波器303は、n個の第2濾波用第1遅延器〜第2濾波用第n遅延器からなる第2遅延器群601と、複数の第2乗算器602と、第2加算器603とを備える。
まず、第2濾波器303に入力される第1濾波信号s(t)が、一定シンボル単位ごとに、副搬送波(サブキャリア)の周波数の高い順または低い順で第2遅延器群601に入力される。第2遅延器群601の各々の遅延器は、このような入力信号を所定時間T2だけ遅延させた信号を出力する。そして、第2濾波用第1遅延器の入力信号が、第1濾波信号s(t)となるように、また、第2濾波用第k遅延器(2≦k≦n−1)の入力及び出力が、それぞれ第2濾波用第(k−1)遅延器の出力及び第2濾波用第(k+1)遅延器の入力となるように、これら遅延器は接続されている。
係数算出器305からの第2濾波係数w(t)である第2濾波用第j係数wj(t)(1≦j≦n)は、対応する第2乗算器602において第2濾波用第j遅延器の出力と乗算され、その乗算結果が第2加算器603に出力される。
最後に、第2加算器603は、入力されたn個の乗算結果を加算し、その結果を第2濾波信号c(t)として出力する。このような手法をとる第2濾波器303によれば、基準信号11及び一部データ信号12の歪み成分に基づいて、上述の第2濾波信号c(t)を生成することができる。
なお、ここでは、第2濾波器303が、ディジタル信号処理による有限インパルス応答型濾波器である場合について説明したが、これに限ったものではなく、ディジタル信号処理による無限インパルス型濾波器であってもよいし、アナログ信号処理による濾波器であってもよい。また、第1濾波器302の遅延時間T1、及び、第2濾波器303の遅延時間T2は同一の値としてもよいし、第1遅延器群501の遅延器の個数m、及び、第2遅延器群601の個数nは同一の値としてもよい。さらに、第1乗算器502及び第2乗算器602は同一の構成としてもよく、第1加算器503及び第2加算器603は同一の構成としてもよい。
図3に戻って、補償器304は、第2濾波器303からの第2濾波信号c(t)に基づいて受信信号r(t)の歪み成分を補償(等化)し、それによって得られた等化信号q(t)を判定器307に出力する。
図7は、このような動作を行う補償器304の具体的な構成例を示すブロック図である。この図7に示される補償器304は、受信信号r(t)及び第2濾波信号c(t)が入力される等化用除算器701を備えている。この等化用除算器701は、伝送路歪みを含んだ受信信号r(t)を、上述によって推定された歪み成分である伝送路歪み推定成分を示す第2濾波信号c(t)で除算する。したがって、補償器304によれば、伝送路歪み成分が補償された等化信号q(t)を得ることができる。
図3に戻って、判定器307は、補償器304からの等化信号q(t)を、等化装置300の出力として受け取る。そして、判定器307は、当該等化信号q(t)を復号し、それによって得られた復号信号d(t)を出力する。なお、この判定器307は、例えば硬判定を行う演算器により構成されてもよいし、軟判定を行う演算器により構成されてもよい。
エラー調整器306は、第1濾波器302からの第1濾波信号s(t)と、第2濾波器303からの第2濾波信号c(t)とに基づいて、エラー信号e(t)を補正し、補正エラー信号g(t)を生成する。なお、このエラー調整器306については後で詳細に説明する。
係数算出器305は、第1濾波信号s(t)と、エラー調整器306で補正されたエラー信号e(t)とに基づいて、第2濾波器303で用いられる第2濾波係数w(t)を算出する。本実施の形態では、係数算出器305は、第1濾波信号s(t)と、補正エラー信号g(t)とに基づいて、n個の第2濾波用第j係数wj(t)(1≦j≦n)を算出する。より具体的には、係数算出器305は、エラー調整器306において現時点よりも過去に得られた第2濾波係数w(t−τ)と、n個の補正エラー信号g(t−τ),…,g(t−nτ)と、n個の第1濾波信号s(t−τ),…,s(t−nτ)とを次式(1)に代入することにより、現在の第2濾波係数w(t)(第2濾波用第j係数wj(t)(1≦j≦n))を算出する。ただし、τは所定時間量である。
次に、エラー調整器306について詳細に説明する。本実施の形態では、エラー調整器306には、第1濾波信号s(t)、第2濾波信号c(t)、及び、エラー信号e(t)が入力される。ここで、エラー信号e(t)とは、第2濾波係数w(t)を算出するための信号であり、例えば、第1濾波信号s(t)及び第2濾波信号c(t)を用いて次式(2)のように定義することができる。
また、エラー信号e(t)は、例えば、補償器304からの等化信号q(t)、及び、判定器307からの復号信号d(t)を用いて次式(3)のように定義することもできる。次式(3)のように定義すれば、伝送路歪み成分と雑音成分との両方を考慮することができる。
また、エラー信号e(t)は、例えば、伝送路歪みの程度に対応した確度を考慮して次式(4)のように定義することもできる。
また、エラー信号e(t)は、例えば、伝送路歪みの程度と受信信号振幅に対応した確度を考慮して次式(5)のように定義することもできる。
以上、エラー信号e(t)の例について説明したが、以上に限ったものではない。
さて、エラー調整器306は、第1濾波信号s(t)と第2濾波信号c(t)とに基づいて、エラー信号e(t)の確度を判定する。そして、エラー調整器306は、当該確度に基づいてエラー信号e(t)を補正し、係数算出器305で用いられる補正エラー信号g(t)を生成する。
図8は、このような動作を行うエラー調整器306の具体的な構成例を示すブロック図である。この図8に示されるエラー調整器306は、信号変換器801と、第1信号処理演算器811と、信号強度判定器821と、雑音強度判定器831と、エラー補正器841とを備える。そして、第1信号処理演算器811は、平均化演算器812と、正規化演算器813とから構成され、エラー補正器841は、第1補正器842と、第2補正器843と、第3補正器844とから構成されている。
エラー調整器306に入力された第1濾波信号s(t)は、平均化演算器812及び正規化演算器813に入力され、エラー調整器306に入力された第2濾波信号c(t)は、信号変換器801及び信号強度判定器821に入力され、エラー調整器306に入力されたエラー信号e(t)は、第1補正器842に入力される。次に、エラー調整器306の各構成要素について説明する。
信号変換器801は、第2濾波信号c(t)の大きさに基づいて第1補正信号x1(t)を生成し、当該第1補正信号x1(t)を第1補正器842に出力する。例えば、信号変換器801は、次式(6)〜(8)のような信号変換を行って第1補正信号x1(t)を生成する。ただし、αは定数である。なお、信号変換器801の信号変換はこれに限られるものではない。
第1補正器842は、第1補正信号x1(t)に基づいてエラー信号e(t)を補正して第1中間エラー信号e1(t)を生成し、それを第2補正器843に出力する。例えば、第1補正器842は、第1補正信号x1(t)と、エラー信号e(t)とを積算して得られる信号を、第1中間エラー信号e1(t)とする。
第1信号処理演算器811は、第1濾波信号s(t)に統計的処理を行って、第1統計信号である平均第1濾波信号save(t)と、第2統計信号である正規化第1濾波信号snrm(t)とを生成する。
本実施の形態では、第1信号処理演算器811(平均化演算器812)は、自身が統計的処理すべき信号、すなわち第1濾波信号s(t)を所定時間単位で平均化することによって平均第1濾波信号save(t)を生成する。なお、第1信号処理演算器811(平均化演算器812)は、信号入力回数が所定回数に達したときに平均化処理を行うブロック平均処理を行うように構成されてもよいし、信号が入力される毎に平均化処理を行う移動平均処理を行うように構成されてもよい。
また、本実施の形態では、第1信号処理演算器811(正規化演算器813)は、自身が統計的処理すべき信号、すなわち第1濾波信号s(t)を、平均第1濾波信号save(t)で除算する(正規化する)ことによって正規化第1濾波信号snrm(t)を生成する。以上により生成された平均第1濾波信号save(t)は、信号強度判定器821に入力され、正規化第1濾波信号snrm(t)は、雑音強度判定器831に入力される。
信号強度判定器821は、平均第1濾波信号save(t)と第2濾波信号c(t)とに基づいて、受信信号r(t)の信号強度を判定する。なお、後述するように、受信信号r(t)の信号強度は、エラー信号e(t)の確度に対応していることから、当該信号強度の判定を実施することは、当該確度の判定を実施することに対応している。信号強度判定器821は、当該信号強度に基づいて第2補正信号x2(t)を生成し、当該第2補正信号x2(t)を第2補正器843に出力する。なお、第2補正信号x2(t)は、第1補正器842から出力される第1中間エラー信号e1(t)を補正するための信号である。以下、信号強度判定器821における第2補正信号x2(t)の生成について具体的に説明する。
本実施の形態に係る信号強度判定器821は、信号強度の判定に用いる信号のうち第2濾波信号c(t)を除く信号、すなわち平均第1濾波信号save(t)の大きさに基づいて、受信電界強度(つまり受信電界環境)を判定する。ここでは、信号強度判定器821は、平均第1濾波信号save(t)の大きさを類別するための2つの閾値を有しており、それら閾値により区切られた3つの区分範囲のいずれに平均第1濾波信号save(t)が該当するかを判定する。そして、信号強度判定器821は、「強電界」、「中電界」及び「弱電界」という3段階の受信電界強度の中から、平均第1濾波信号save(t)が該当した区分範囲に対応する一つの段階を、受信電界強度の判定結果として選択する。なお、以上の説明では、信号強度判定器821は、平均第1濾波信号save(t)の大きさに基づいて、受信電界強度(受信電界環境)を判定するものとしたが、これに限ったものではなく、受信電力強度(受信電力状態)を判定するものであってもよい。
また、信号強度判定器821は、第2濾波信号c(t)の大きさに基づいて、第2濾波信号c(t)の電界レベルを判定する。例えば、信号強度判定器821は、第2濾波信号c(t)の大きさを類別するための2つの閾値を有しており、それら閾値によって区切られた3つの区分範囲のいずれに第2濾波信号c(t)が該当するかを判定する。そして、信号強度判定器821は、「高レベル」、「中レベル」及び「低レベル」という3段階の電界レベルの中から、第2濾波信号c(t)が該当した区分範囲に対応する一つの段階を、電界レベルの判定結果として選択する。なお、以上の説明では、信号強度判定器821は、第2濾波信号c(t)の大きさに基づいて、第2濾波信号c(t)の電界レベルを判定するものとしたが、これに限ったものではなく、第2濾波信号c(t)の電力レベルを判定するものであってもよい。
また、信号強度判定器821は、図9に示されるように、平均第1濾波信号save(t)に対する3段階の受信電界強度と、第2濾波信号c(t)に対する3段階の電界レベルとを組み合わせた9つの組のそれぞれに、第2補正信号x2(t)の係数を対応付けたテーブルを有している。信号強度判定器821は、このテーブルを参照し、自身が判定した一つの受信電界強度及び一つの電界レベルに基づいて、第2補正信号x2(t)の係数を一つ選択する。
ここで、本実施の形態では、第2補正信号x2(t)の係数、エラー信号e(t)の確度、及び、受信信号r(t)の信号強度は互いに対応付けられており、第2補正信号x2(t)の係数が大きいほど、エラー信号e(t)の確度が高く、かつ、受信信号r(t)の信号強度が強くなっている。したがって、本実施の形態に係る信号強度判定器821は、自身が判定した受信電界強度及び電界レベルに基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する受信信号r(t)の信号強度を判定し、当該信号強度に基づいて、第2補正信号x2(t)を生成することとなる。
また、本実施の形態では、図9に示されるように、受信電界強度が中電界である場合には、第1中間エラー信号e1(t)を補正する必要がないものとして、係数が「1」の第2補正信号x2(t)が信号強度判定器821から出力されるものとなっている。また、受信電界強度が弱電界である場合には、値が「1」以上の係数βHM(M=1,2,3)を有する第2補正信号x2(t)が出力され、受信電界強度が強電界である場合には、値が「1」以下の係数βLM(M=1,2,3)を有する第2補正信号x2(t)が出力されるものとなっている。つまり、本実施の形態に係る信号強度判定器821は、受信電界強度が弱くなるほど、エラー信号e(t)の確度が高い(受信信号r(t)の信号強度が強い)と判定し、第2補正信号x2(t)の係数(信号レベル)を大きくするようになっている。
また、受信電界強度が同じ弱電界において、受信電界強度(弱電界)との差が大きい電界レベル(高レベル)の係数(βH1)が、受信電界強度(弱電界)との差が小さい電界レベル(低レベル)の係数(βH3)よりも小さくなっている。同様に、受信電界強度が同じ強電界において、受信電界強度(強電界)との差が大きい電界レベル(低レベル)の係数(βL3)が、受信電界強度(強電界)との差が小さい電界レベル(高レベル)の係数(βL1)よりも小さくなっている。つまり、本実施の形態に係る信号強度判定器821は、受信電界強度と電界レベルとの差分の絶対値が大きいほど、エラー信号e(t)の確度が低い(受信信号r(t)の信号強度が弱い)と判定し、第2補正信号x2(t)の係数(信号レベル)を小さくするようになっている。
なお、以上においては、信号強度判定器821は、自身が判定した受信電界強度及び電界レベルに基づいて確度を判定する場合について説明したが、これに限ったものではなく、自身が判定した受信電力強度及び電力レベルに基づいて確度を判定してもよい。また、受信電界強度及び電界レベルのそれぞれの段階は3つに限ったものではなく、2段階や、4段階以上であってもよい。また、第2補正信号x2(t)の係数(βHM、1、βLM)の組み合わせは、図9に示した大小関係に限られるものではない。
第2補正器843には、信号強度判定器821からの第2補正信号x2(t)が入力される。第2補正器843は、第2補正信号x2(t)に基づいて第1中間エラー信号e1(t)を補正して第2中間エラー信号e2(t)を生成し、それを第3補正器844に出力する。例えば、第2補正器843は、第2補正信号x2(t)と、第1中間エラー信号e1(t)とを積算して得られる信号を、第2中間エラー信号e2(t)とする。
雑音強度判定器831には、第1信号処理演算器811からの正規化第1濾波信号snrm(t)が入力される。雑音強度判定器831は、正規化第1濾波信号snrm(t)に基づいて、第1濾波信号s(t)の雑音強度を判定する。なお、後述するように、第1濾波信号s(t)の雑音強度は、エラー信号e(t)の確度に対応していることから、当該雑音強度の判定を実施することは、当該確度の判定を実施することに対応している。雑音強度判定器831は、当該雑音強度に基づいて第3補正信号x3(t)を生成し、当該第3補正信号x3(t)を第3補正器844に出力する。なお、第3補正信号x3(t)は、第2補正器843から出力される第2中間エラー信号e2(t)を補正するための信号である。以下、雑音強度判定器831における第3補正信号x3(t)の生成について具体的に説明する。
本実施の形態に係る雑音強度判定器831は、雑音強度の判定に用いる信号、すなわち正規化第1濾波信号snrm(t)に基づいて分散値svar(t)を算出する。なお、ここでは、雑音強度判定器831には、正規化第1濾波信号snrm(t)が所定時間単位で入力されており、雑音強度判定器831は、当該正規化第1濾波信号snrm(t)の分散値を、副搬送波の周波数に関して算出する。
雑音強度判定器831は、算出した分散値svar(t)の大きさを類別するための2つの閾値を有しており、それら閾値により区切られた3つの区分範囲のいずれに分散値svar(t)が該当するかを判定する。そして、雑音強度判定器831は、「強雑音」、「中雑音」及び「弱雑音」という3段階の雑音強度の中から、分散値svar(t)が該当した区分範囲に対応する一つの段階を、雑音強度の判定結果として選択する。
また、雑音強度判定器831は、図10に示されるように、分散値svar(t)に対する3段階の雑音強度のそれぞれに、第3補正信号x3(t)の係数を対応付けたテーブルを有している。雑音強度判定器831は、このテーブルを参照し、自身が判定した一つの雑音強度に基づいて、第3補正信号x3(t)の係数を一つ選択する。
ここで、本実施の形態では、第3補正信号x3(t)の係数は、第1濾波信号s(t)の雑音強度だけでなく、エラー信号e(t)の確度とも対応付けられており、第3補正信号x3(t)の係数が大きいほど、エラー信号e(t)の確度が高くなっている。したがって、本実施の形態に係る雑音強度判定器831は、分散値svar(t)に基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する第1濾波信号s(t)の雑音強度を判定し、当該雑音強度に基づいて、第3補正信号x3(t)を生成することとなる。
また、本実施の形態では、雑音強度が弱雑音である場合には、値が大きい係数γL1を有する第3補正信号x3(t)が出力され、雑音強度が強雑音である場合には、値が小さい係数γL3を有する第3補正信号x3(t)が出力されるものとなっている。つまり、本実施の形態に係る雑音強度判定器831は、雑音強度が弱くなるほど、第3補正信号x3(t)の係数(信号レベル)を大きくするようになっている。なお、第2中間エラー信号e2(t)を補正する必要がない場合に、係数が「1」の第3補正信号x3(t)を出力するとした場合には、γL1≦1であることが望ましい。また、雑音強度の段階は3つに限ったものではなく、2段階や、4段階以上であってもよい。
第3補正器844には、雑音強度判定器831からの第3補正信号x3(t)が入力される。第3補正器844は、第3補正信号x3(t)に基づいて第2中間エラー信号e2(t)を補正して上述の補正エラー信号g(t)を生成し、それを係数算出器305に出力する。例えば、第3補正器844は、第3補正信号x3(t)と、第2中間エラー信号e2(t)とを積算して得られる信号を、補正エラー信号g(t)とする。
エラー補正器841では、第1補正器842〜第3補正器844が上述の動作を行う。したがって、エラー補正器841は、第1〜第3補正信号x1(t)〜x3(t)に基づいてエラー信号e(t)を補正する。
以上の構成からなる本実施の形態に係る等化装置によれば、図11〜図14に示される状態に対して、受信信号r(t)の電力及びCNRから伝送路状態を総合的に考慮した係数算出アルゴリズムの制御が可能となる。以下、図11〜図14を用いて、本実施の形態に係る等化装置の具体的な動作例と、その効果について説明する。
図11及び図12は、ある時刻における平均第1濾波信号save(t)と、第2濾波信号s(t)との一例を示す図である。図11に示されるように、平均信号レベルが高い、つまり平均第1濾波信号save(t)が大きい場合には、信号強度判定器821は、受信電界強度を「強電界」とする判定、つまり強電界環境とする判定を行う。一方、図12に示されるように、平均信号レベルが低い、つまり平均第1濾波信号save(t)が小さい場合には、信号強度判定器821は、受信電界強度を「弱電界」とする判定、つまり弱電界環境とする判定を行う。
次に、図11及び図12に示される環境のいずれにおいても、副搬送波の周波数fmにおける第2濾波信号c(t)の電界レベルが、弱電界環境下における平均信号レベルと同程度であるHeとなっている。ここでは、第2濾波信号c(t)の電界レベルがHe程度である場合には、信号強度判定器821は、第2濾波信号c(t)の電界レベルを「低レベル」と判定するものとする。
そうすると、図11に示される環境では、受信電界強度及び電界レベルは「強電界」及び「低レベル」と判定され、受信電界強度と電界レベルとの差分の絶対値が大きくなる。このような場合には、信号強度判定器821は、受信信号r(t)の信号強度が低い(エラー信号e(t)の確度が低い)と判定し、値が小さい係数βL3を有する第2補正信号x2(t)を出力する。
一方、図12に示される環境では、受信電界強度及び電界レベルは「弱電界」及び「低レベル」と判定され、受信電界強度と電界レベルとの差分の絶対値が小さくなる。このような場合には、信号強度判定器821は、受信信号r(t)の信号強度が高い(エラー信号e(t)の確度が高い)と判定し、値が大きい係数βH3を有する第2補正信号x2(t)を出力する。
次に、図13及び図14は、ある時刻における第1濾波信号s(t)の一例を示す図である。図13に示されるように、上述の分散値svar(t)が大きい場合には、希望信号電力と雑音電力が拮抗している。このような場合には、雑音強度判定器831は、雑音強度が強い(エラー信号e(t)の確度が低い)と判定し、値が小さい係数γL3を有する第3補正信号x3(t)を出力する。一方、図14に示されるように、上述の分散値svar(t)が小さい場合には、希望信号電力が雑音電力に対して十分に大きくなる。このような場合には、雑音強度判定器831は、雑音強度が弱い(エラー信号e(t)の確度が高い)と判定し、値が大きい係数γL1を有する第3補正信号x3(t)を出力する。
以上のような本実施の形態に係る等化装置及び等化方法によれば、第2濾波係数を算出するためのエラー信号e(t)の確度を判定し、当該確度に基づいてエラー信号e(t)を補正する。したがって、係数算出アルゴリズムの動作を適応的に制御できることから、様々な環境下において受信信号r(t)を正しく補償することができる。
また、本実施の形態では、第1濾波信号s(t)と第2濾波信号c(t)とに基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する信号強度及び雑音強度を判定し、これら信号強度及び雑音強度に基づいて、エラー信号e(t)を補正する。したがって、受信信号r(t)の信号強度(例えば受信電界強度、受信電力強度)及びCNRから伝送路状態を総合的に考慮することができ、係数算出アルゴリズムを正しく制御することができる。よって、受信信号r(t)に含まれる雑音電力が希望信号電力と拮抗する環境下や、恒常的に受信電界強度が弱い弱電界環境下であっても、安定して受信信号r(t)を補償することができる。
また、本実施の形態では、平均第1濾波信号save(t)に基づく受信電界強度/受信電力強度と、第2濾波信号c(t)の電界レベル/電力レベルとに基づいて、エラー信号e(t)を補正する第2補正信号x2(t)を生成する。したがって、受信信号強度の瞬時値と平均値との双方に基づいて、伝送路環境を適切に判断することが可能となることから、エラー信号e(t)を高精度に補正することができる。
また、本実施の形態では、正規化第1濾波信号snrm(t)の分散値svar(t)に基づいて、エラー信号e(t)を補正する第3補正信号x3(t)を生成する。したがって、受信信号強度の統計量(ここでは分散値)に基づいて、雑音環境を適切に判断することが可能となることから、エラー信号e(t)を高精度に補正することができる。
<実施の形態2>
図15は、本発明の実施の形態2に係る等化装置の構成を示すブロック図である。なお、以下、本実施の形態に係る等化装置についての説明において、実施の形態1で説明した構成要素と類似するものについては同じ符号を付し、その説明を省略するものとする。
図15は、本発明の実施の形態2に係る等化装置の構成を示すブロック図である。なお、以下、本実施の形態に係る等化装置についての説明において、実施の形態1で説明した構成要素と類似するものについては同じ符号を付し、その説明を省略するものとする。
本実施の形態と上述の実施の形態1との相違点は、図3に示した実施の形態1に係る等化装置を構成するエラー調整器306に入力される信号が、第1濾波信号s(t)、第2濾波信号c(t)及びエラー信号e(t)であったのに対し、本実施の形態に係る等化装置を構成するエラー調整器316に入力される信号が、歪み信号p(t)、第2濾波信号c(t)及びエラー信号e(t)となっている点である。これに伴い、本実施の形態に係るエラー調整器316は、歪み信号p(t)と第2濾波信号c(t)とに基づいて、エラー信号e(t)の確度を判定し、当該確度に基づいてエラー信号e(t)を補正するものとなっている。
図16は、このような動作を行う本実施の形態に係るエラー調整器316の構成例を示すブロック図である。この図16によれば、エラー調整器316は、実施の形態1に係る第1信号処理演算器811、信号強度判定器821及び雑音強度判定器831の代わりに、第1信号処理演算器851、信号強度判定器861及び雑音強度判定器871を備えている。そして、第1信号処理演算器851は、平均化演算器852と、正規化演算器853とから構成されている。
本実施の形態に係る第1信号処理演算器851は、実施の形態1に係る第1信号処理演算器811が第1濾波信号s(t)に対して行った統計的処理と同様の処理を、歪み信号p(t)に対して行う。つまり、第1信号処理演算器811は、歪み信号p(t)に統計的処理を行って、第1統計信号である平均歪み信号pave(t)と、第2統計信号である正規化歪み信号pnrm(t)とを生成する。
より具体的には、第1信号処理演算器851(平均化演算器852)は、自身が統計的処理すべき信号、すなわち歪み信号p(t)を所定時間単位で平均化することによって平均歪み信号pave(t)を生成する。なお、第1信号処理演算器851(平均化演算器852)は、信号入力回数が所定回数に達したときに平均化処理を行うブロック平均処理を行うように構成されてもよいし、信号が入力される毎に平均化処理を行う移動平均処理を行うように構成されてもよい。
また、第1信号処理演算器851(正規化演算器853)は、自身が統計的処理すべき信号、すなわち歪み信号p(t)を、平均歪み信号pave(t)で除算する(正規化する)ことによって正規化歪み信号pnrm(t)を生成する。以上により生成された平均歪み信号pave(t)は、信号強度判定器861に入力され、正規化歪み信号pnrm(t)は、雑音強度判定器871に入力される。
本実施の形態に係る信号強度判定器861及び雑音強度判定器871は、実施の形態1に係る信号強度判定器821及び雑音強度判定器831とほぼ同様の動作を行う。つまり、信号強度判定器861は、平均歪み信号pave(t)と第2濾波信号c(t)とに基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する受信信号r(t)の信号強度を判定し、当該信号強度に基づいて第2補正信号x2(t)を生成する。また、雑音強度判定器871は、正規化歪み信号pnrm(t)に基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する歪み信号p(t)の雑音強度を判定し、当該雑音強度に基づいて第3補正信号x3(t)を生成する。
以上のような本実施の形態に係る等化装置及び等化方法によれば、歪み信号p(t)と第2濾波信号c(t)とに基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する信号強度及び雑音強度を判定し、これら信号強度及び雑音強度に基づいて、エラー信号e(t)を補正する。したがって、第1及び第2濾波器302,303の出力が不安定な状態に陥った場合であっても、受信信号r(t)の信号強度(例えば受信電界強度、受信電力強度)及びCNRから伝送路状態を総合的に考慮することができ、係数算出アルゴリズムを正しく制御することが可能となっている。以下、この効果について詳細に説明する。
まず、実施の形態1のような等化装置において、例えば、何らかの要因で第1濾波器302の動作状態が不安定となった場合には、第1濾波信号s(t)の統計的性質が、本来の統計的性質と異なる可能性がある。より具体的には、例えば、第1濾波器302の係数制御系が発散傾向に陥った場合には、第1濾波信号s(t)には本来検出されるべき雑音よりも強いレベルの雑音が重畳されることから、雑音強度判定器831の雑音強度の判定において誤判定が生じる可能性が高くなる。その結果、エラー信号e(t)の確度を正しく判定できなくなる可能性がある。
しかし、第1濾波器302の動作状態が不安定となったとしても、それに起因する雑音が、歪み信号p(t)に重畳される可能性は低い。ここで、本実施の形態に係る等化装置によれば、歪み信号p(t)を用いて雑音強度を判定することから、雑第1濾波器302や第2濾波器303の動作状態に関係なく、雑音強度判定器831において雑音強度を正しく判定することができる。
したがって、本実施の形態に係る等化装置及び等化方法によれば、第1及び第2濾波器302,303の出力が不安定な状態に陥った場合であっても、受信信号r(t)の信号強度(例えば受信電界強度、受信電力強度)及びCNRから伝送路状態を総合的に考慮することができ、係数算出アルゴリズムを正しく制御することができる。
<実施の形態3>
図17は、本発明の実施の形態3に係る等化装置の構成を示すブロック図である。なお、以下、本実施の形態に係る等化装置についての説明において、実施の形態1で説明した構成要素と類似するものについては同じ符号を付し、その説明を省略するものとする。
図17は、本発明の実施の形態3に係る等化装置の構成を示すブロック図である。なお、以下、本実施の形態に係る等化装置についての説明において、実施の形態1で説明した構成要素と類似するものについては同じ符号を付し、その説明を省略するものとする。
本実施の形態と上述の実施の形態1との相違点は、図3に示した実施の形態1に係る等化装置を構成するエラー調整器306に入力される信号が、第1濾波信号s(t)、第2濾波信号c(t)及びエラー信号e(t)であったのに対し、本実施の形態に係る等化装置を構成するエラー調整器326に入力される信号が、歪み信号p(t)、第1濾波信号s(t)、第2濾波信号c(t)及びエラー信号e(t)となっている点である。これに伴い、本実施の形態に係るエラー調整器326は、歪み信号p(t)及び第1濾波信号s(t)の少なくともいずれか一方と、第2濾波信号c(t)とに基づいて、エラー信号e(t)の確度を判定し、当該確度に基づいてエラー信号e(t)を補正するものとなっている。
図18は、このような動作を行う本実施の形態に係るエラー調整器326の構成例を示すブロック図である。この図18によれば、エラー調整器326は、第1信号処理演算器811と、エラー補正器841と、第2信号処理演算器881と、信号強度判定器891と、雑音強度判定器901とを備えている。
第1信号処理演算器811は、実施の形態1と同様に、第1濾波信号s(t)に統計的処理を行って、第1統計信号である平均第1濾波信号save(t)と、第2統計信号である正規化第1濾波信号snrm(t)とを生成する。ここで生成された平均第1濾波信号save(t)は信号強度判定器891に入力され、正規化第1濾波信号snrm(t)は雑音強度判定器901に入力される。
第2信号処理演算器881は、実施の形態2に係る平均化演算器852及び正規化演算器853と同様の動作を行う平均化演算器882及び正規化演算器883を備えており、実施の形態2に係る第1信号処理演算器851と同様の処理を行う。つまり、第2信号処理演算器881は、歪み信号p(t)に統計的処理を行って、第3統計信号である平均歪み信号pave(t)と、第4統計信号である正規化歪み信号pnrm(t)とを生成する。より具体的には、第2信号処理演算器881(平均化演算器882)は、自身が統計的処理すべき信号、すなわち歪み信号p(t)を所定時間単位で平均化することによって平均歪み信号pave(t)を生成する。また、第2信号処理演算器881(正規化演算器883)は、自身が統計的処理すべき信号、すなわち歪み信号p(t)を、平均歪み信号pave(t)で除算する(正規化する)ことによって正規化歪み信号pnrm(t)を生成する。ここで生成された平均歪み信号pave(t)は信号強度判定器891に入力され、正規化歪み信号pnrm(t)は雑音強度判定器901に入力される。
本実施の形態に係る信号強度判定器891は、平均第1濾波信号save(t)及び平均歪み信号pave(t)の少なくともいずれか一つと、第2濾波信号c(t)とに基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する受信信号r(t)の信号強度を判定し、当該信号強度に基づいて第2補正信号x2(t)を生成する。
図19は、このような動作を行う信号強度判定器891の具体的な構成例を示すブロック図である。この図19に示される信号強度判定器891は、平均第1濾波信号save(t)及び平均歪み信号pave(t)が入力される第1比較器892と、第1比較器892の出力及び第2濾波信号c(t)が入力される第1判定器893とを備えている。
第1比較器892は、平均第1濾波信号save(t)及び平均歪み信号pave(t)の少なくともいずれか一つに基づいて信号を取得し、当該取得した信号を第1比較信号psave(t)として出力する。例えば、第1比較器892は、平均第1濾波信号save(t)と、平均歪み信号pave(t)とを比較し、その比較結果に基づいてそれら信号のうちいずれか一つを第1比較信号psave(t)として出力する。あるいは、第1比較器892は、平均第1濾波信号save(t)と平均歪み信号pave(t)との相加平均を取って得られる信号を第1比較信号psave(t)として出力してもよい。
第1判定器893は、実施の形態1に係る信号強度判定器821とほぼ同様の動作を行う。つまり、第1判定器893は、第1比較信号psave(t)と第2濾波信号c(t)とに基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する受信信号r(t)の信号強度を判定し、当該信号強度に基づいて第2補正信号x2(t)を生成する。以下、第1判定器893における第2補正信号x2(t)の生成について具体的に説明する。
第1判定器893は、受信信号r(t)の信号強度の判定に用いる信号のうち第2濾波信号c(t)を除く信号、すなわち第1比較信号psave(t)の大きさに基づいて、受信電界強度(つまり受信電界環境)を判定する。ここでは、第1判定器893は、第1比較信号psave(t)の大きさを類別するための2つの閾値を有しており、それら閾値により区切られた3つの区分範囲のいずれに第1比較信号psave(t)が該当するかを判定する。そして、第1判定器893は、「強電界」、「中電界」及び「弱電界」という3段階の受信電界強度の中から、第1比較信号psave(t)が該当した区分範囲に対応する一つの段階を、受信電界強度の判定結果として選択する。なお、以上の説明では、第1判定器893は、第1比較信号psave(t)の大きさに基づいて、受信電界強度(受信電界環境)を判定するものとしたが、これに限ったものではなく、受信電力強度(受信電力状態)を判定するものであってもよい。
また、第1判定器893は、第2濾波信号c(t)の大きさに基づいて、第2濾波信号c(t)の電界レベルを判定する。例えば、第1判定器893は、第2濾波信号c(t)の大きさを類別するための2つの閾値を有しており、それら閾値によって区切られた3つの区分範囲のいずれに第2濾波信号c(t)が該当するかを判定する。そして、第1判定器893は、「高レベル」、「中レベル」及び「低レベル」という3段階の電界レベルの中から、第2濾波信号c(t)が該当した区分範囲に対応する一つの段階を、電界レベルの判定結果として選択する。なお、以上の説明では、第1判定器893は、第2濾波信号c(t)の大きさに基づいて、第2濾波信号c(t)の電界レベルを判定するものとしたが、これに限ったものではなく、第2濾波信号c(t)の電力レベルを判定するものであってもよい。
また、第1判定器893は、第1比較信号psave(t)に対する3段階の受信電界強度と、第2濾波信号c(t)に対する3段階の電界レベルとを組み合わせた9つの組のそれぞれに、第2補正信号x2(t)の係数を対応付けたテーブル、つまり図9に示したテーブルと同様のテーブルを有している。第1判定器893は、このテーブルを参照し、自身が判定した一つの受信電界強度及び一つの電界レベルに基づいて、第2補正信号x2(t)の係数を一つ選択する。
なお、ここでは、第1判定器893は、自身が判定した受信電界強度及び電界レベルに基づいて確度を判定する場合について説明したが、これに限ったものではなく、自身が判定した受信電力強度及び電力レベルに基づいて確度を判定してもよい。また、受信電界強度及び電界レベルのそれぞれの段階は3つに限ったものではなく、2段階や、4段階以上であってもよい。
図18に戻って、本実施の形態に係る雑音強度判定器901は、正規化第1濾波信号snrm(t)及び正規化歪み信号pnrm(t)の少なくともいずれか一つに基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する当該いずれか一つの信号の雑音強度を判定し、当該雑音強度に基づいて第3補正信号x3(t)を生成する。
図20は、このような動作を行う雑音強度判定器901の具体的な構成例を示すブロック図である。この図20に示される雑音強度判定器901は、正規化第1濾波信号snrm(t)及び正規化歪み信号pnrm(t)が入力される第2比較器902と、第2比較器902の出力が入力される第2判定器903とを備えている。
第2比較器902は、正規化第1濾波信号snrm(t)及び正規化歪み信号pnrm(t)の少なくともいずれか一つに基づいて信号を取得し、当該取得した信号を第2比較信号psnrm(t)として出力する。例えば、第2比較器902は、正規化第1濾波信号snrm(t)と、正規化歪み信号pnrm(t)とを比較し、その比較結果に基づいてそれら信号のうちいずれか一つを第2比較信号psnrm(t)として出力する。より具体的には、第2比較器902は、正規化第1濾波信号snrm(t)の分散値の大きさが、正規化歪み信号pnrm(t)の分散値の大きさを下回った場合に限り、正規化第1濾波信号snrm(t)を第2比較信号psnrm(t)として出力する。そして、第2比較器902は、それ以外の場合には、過去のある時点において第1濾波器302等の動作状態が安定であったときの第2比較信号psnrm(t)(以下、「過去の第2比較信号psnrm(t)」と呼ぶ)を、現在の第2比較信号psnrm(t)として出力する。なお、この過去の第2比較信号psnrm(t)は、例えば第2比較器902の記憶器(図示しない)に記憶されている。
あるいは、第2比較器902は、正規化第1濾波信号snrm(t)と正規化歪み信号pnrm(t)との相加平均を取って得られる信号を第2比較信号psnrm(t)として出力してもよい。さらに、第2比較器902は、例えば所定閾値を有するようにし、正規化第1濾波信号snrm(t)及び正規化歪み信号pnrm(t)の分散値の両方が当該所定閾値を下回った場合に、双方の信号のうちいずれか一つ、または、双方の信号を相加平均して得られる信号を第2比較信号psnrm(t)として出力してもよい。
第2判定器903は、実施の形態1に係る雑音強度判定器831とほぼ同様の動作を行う。つまり、第2判定器903は、第2比較信号psnrm(t)に基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する上述の雑音強度を判定し、当該雑音強度に基づいて第3補正信号x3(t)を生成する。以下、第2判定器903における第3補正信号x3(t)の生成について具体的に説明する。
第2判定器903は、第2比較信号psnrm(t)に基づいて分散値psvar(t)を算出する。ここで、第2判定器903は、算出した分散値psvar(t)の大きさを類別するための2つの閾値を有しており、それら閾値により区切られた3つの区分範囲のいずれに分散値psvar(t)が該当するかを判定する。そして、第2判定器903は、「強雑音」、「中雑音」及び「弱雑音」という3段階の雑音強度(雑音環境)の中から、分散値psvar(t)が該当した区分範囲に対応する一つの段階を、雑音強度(雑音環境)の判定結果として選択する。
また、第2判定器903は、分散値psvar(t)に対する3段階の雑音強度のそれぞれに、第3補正信号x3(t)の係数を対応付けたテーブル、つまり図10に示したテーブルと同様のテーブルを有している。第2判定器903は、このテーブルを参照し、自身が判定した一つの雑音強度に基づいて、第3補正信号x3(t)の係数を一つ選択する。なお、雑音強度の段階は3つに限ったものではなく、2段階や、4段階以上であってもよい。
以上のような本実施の形態に係る等化装置及び等化方法によれば、第1濾波信号s(t)、歪み信号p(t)及び第2濾波信号c(t)に基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する信号強度及び雑音強度を判定し、これら信号強度及び雑音強度に基づいて、エラー信号e(t)を補正する。したがって、第1濾波器302の出力が不安定な状態に陥った場合であっても、歪検出器301の出力と第1濾波器302の出力との比較結果により得られる信号を、上述の確度を得るための信号として継続参照することが可能となっている。
以下、より具体的にこの効果について詳細に説明するため、第2比較器902は、例えば、正規化第1濾波信号snrm(t)の分散値が、正規化歪み信号pnrm(t)の分散値を下回った場合に限り、正規化第1濾波信号snrm(t)を第2比較信号psnrm(t)として出力するものとする。そして、第2比較器902は、それ以外の場合には上述の過去の第2比較信号psnrm(t)を第2比較信号psnrm(t)として出力するものとする。
このとき、第1濾波器302の動作状態が不安定になると、正規化第1濾波信号snrm(t)の分散値が、第1濾波器302の入力に対応する正規化歪み信号pnrm(t)の分散値よりも増加する。この場合、正規化第1濾波信号snrm(t)が第2比較信号psnrm(t)として出力されずに、過去の第2比較信号psnrm(t)が、現在の第2比較信号psnrm(t)として出力されることになる。
したがって、以上のような本実施の形態に係る等化装置及び等化方法によれば、第1濾波器302の出力が不安定な状態に陥った場合であっても、受信信号r(t)の信号強度(例えば受信電界強度、受信電力強度)及びCNRから伝送路状態を総合的に考慮して、係数算出アルゴリズムを正しく制御することができる。よって、受信信号r(t)に含まれる雑音電力が希望信号電力と拮抗する環境下や、恒常的に受信電界強度が弱い弱電界環境下において移動に伴う伝送路の高速変動が発生する場合であっても、安定して受信信号r(t)を補償することができる。
<実施の形態4>
本発明の実施の形態4に係る等化装置の構成を示すブロック図は、実施の形態3に係る等化装置の構成を示すブロック図(図19)と同じである。なお、以下、本実施の形態に係る等化装置についての説明において、実施の形態3で説明した構成要素と類似するものについては同じ符号を付し、その説明を省略するものとする。
本発明の実施の形態4に係る等化装置の構成を示すブロック図は、実施の形態3に係る等化装置の構成を示すブロック図(図19)と同じである。なお、以下、本実施の形態に係る等化装置についての説明において、実施の形態3で説明した構成要素と類似するものについては同じ符号を付し、その説明を省略するものとする。
本実施の形態に係る等化装置を構成するエラー調整器336は、実施の形態3に係るエラー調整器326と同様に、歪み信号p(t)及び第1濾波信号s(t)の少なくともいずれか一方と、第2濾波信号c(t)とに基づいて、エラー信号e(t)の確度を判定し、当該確度に基づいてエラー信号e(t)を補正するものとなっている。
図21は、このような動作を行う本実施の形態に係るエラー調整器336の構成例を示すブロック図である。この図21によれば、エラー調整器336は、第1信号処理演算器811と、エラー補正器841と、第2信号処理演算器881と、第3信号処理演算器911と、信号強度判定器921と、雑音強度判定器931とを備えている。第3信号処理演算器911は、平均化演算器912と、正規化演算器913とを備えている。
第1及び第2信号処理演算器811,881の構成及び動作は、実施の形態3で説明したとおりである。ただし、平均第1濾波信号save(t)及び平均歪み信号pave(t)が信号強度判定器921に入力される点と、正規化第1濾波信号snrm(t)及び正規化歪み信号pnrm(t)が雑音強度判定器931に入力される点とが、実施の形態3と異なっている。
第3信号処理演算器911は、実施の形態1に係る第1信号処理演算器811が第1濾波信号s(t)に対して行った統計的処理と同様の処理を、第2濾波信号c(t)に対して行う。つまり、第3信号処理演算器911は、第2濾波信号c(t)に統計的処理を行って、第5統計信号である平均第2濾波信号cave(t)と、第6統計信号である正規化第2濾波信号cnrm(t)とを生成する。
より具体的には、第3信号処理演算器911(平均化演算器912)は、自身が統計的処理すべき信号、すなわち第2濾波信号c(t)を所定時間単位で平均化することによって平均第2濾波信号cave(t)を生成する。また、第3信号処理演算器911(正規化演算器913)は、自身が統計的処理すべき信号、すなわち第2濾波信号c(t)を、平均第2濾波信号cave(t)で除算する(正規化する)ことによって正規化第2濾波信号cnrm(t)を生成する。ここで生成された平均第2濾波信号cave(t)は信号強度判定器921に入力され、正規化第2濾波信号cnrm(t)は雑音強度判定器931に入力される。
本実施の形態に係る信号強度判定器921は、平均第1濾波信号save(t),平均歪み信号pave(t)及び平均第2濾波信号cave(t)の少なくともいずれか一つと、第2濾波信号c(t)とに基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する受信信号r(t)の信号強度を判定し、当該信号強度に基づいて第2補正信号x3(t)を生成する。
図22は、このような動作を行う信号強度判定器921の具体的な構成例を示すブロック図である。この図22に示される信号強度判定器921は、平均第1濾波信号save(t)、平均歪み信号pave(t)及び平均第2濾波信号cave(t)が入力される第3比較器922と、第3比較器922の出力及び第2濾波信号c(t)が入力される第3版定期923とを備えている。
第3比較器922は、平均第1濾波信号save(t)、平均歪み信号pave(t)及び平均第2濾波信号cave(t)の少なくともいずれか一つに基づいて信号を取得し、当該取得した信号を第3比較信号pscave(t)として出力する。例えば、第3比較器922は、平均第1濾波信号save(t)と、平均歪み信号pave(t)と、平均第2濾波信号cave(t)とを比較し、その比較結果に基づいてそれら信号のうちいずれか一つを第3比較信号pscave(t)として出力する。あるいは、第3比較器922は、平均第1濾波信号save(t)と、平均歪み信号pave(t)と、平均第2濾波信号cave(t)との相加平均を取って得られる信号を第3比較信号pscave(t)として出力してもよい。
第3判定器923は、実施の形態3で説明した第1比較信号psave(t)が、第3比較信号pscave(t)に変更されている点を除けば、実施の形態3に係る第1判定器893と同様の動作を行う。つまり、第3判定器923は、第3比較信号pscave(t)と第2濾波信号c(t)とに基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する受信信号r(t)の信号強度を判定し、当該信号強度に基づいて第2補正信号x2(t)を生成する。以下、第3判定器923における第2補正信号x2(t)の生成について具体的に説明する。
第3判定器923は、受信信号r(t)の信号強度の判定に用いる信号のうち第2濾波信号c(t)を除く信号、すなわち第3比較信号pscave(t)の大きさに基づいて、受信電界強度(つまり受信電界環境)を判定する。ここでは、第3判定器923は、第3比較信号pscave(t)の大きさを類別するための2つの閾値を有しており、それら閾値により区切られた3つの区分範囲のいずれに第3比較信号pscave(t)が該当するかを判定する。そして、第3判定器923は、「強電界」、「中電界」及び「弱電界」という3段階の受信電界強度の中から、第3比較信号pscave(t)が該当した区分範囲に対応する一つの段階を、受信電界強度の判定結果として選択する。なお、以上の説明では、第3判定器923は、第3比較信号pscave(t)の大きさに基づいて、受信電界強度(受信電界環境)を判定するものとしたが、これに限ったものではなく、受信電力強度(受信電力状態)を判定するものであってもよい。
また、第3判定器923は、第2濾波信号c(t)の大きさに基づいて、第2濾波信号c(t)の電界レベルを判定する。例えば、第3判定器923は、第2濾波信号c(t)の大きさを類別するための2つの閾値を有しており、それら閾値によって区切られた3つの区分範囲のいずれに第2濾波信号c(t)が該当するかを判定する。そして、第1判定器893は、「高レベル」、「中レベル」及び「低レベル」という3段階の電界レベルの中から、第2濾波信号c(t)が該当した区分範囲に対応する一つの段階を、電界レベルの判定結果として選択する。なお、以上の説明では、第3判定器923は、第2濾波信号c(t)の大きさに基づいて、第2濾波信号c(t)の電界レベルを判定するものとしたが、これに限ったものではなく、第2濾波信号c(t)の電力レベルを判定するものであってもよい。
また、第3判定器923は、第3比較信号pscave(t)に対する3段階の受信電界強度と、第2濾波信号c(t)に対する3段階の電界レベルとを組み合わせた9つの組のそれぞれに、第2補正信号x2(t)の係数を対応付けたテーブル、つまり図9に示したテーブルと同様のテーブルを有している。第3判定器923は、このテーブルを参照し、自身が判定した一つの受信電界強度及び一つの電界レベルに基づいて、第2補正信号x2(t)の係数を一つ選択する。
なお、ここでは、第3判定器923は、自身が判定した受信電界強度及び電界レベルに基づいて確度を判定する場合について説明したが、これに限ったものではなく、自身が判定した受信電力強度及び電力レベルに基づいて確度を判定してもよい。また、受信電界強度及び電界レベルのそれぞれの段階は3つに限ったものではなく、2段階や、4段階以上であってもよい。
図21に戻って、本実施の形態に係る雑音強度判定器931は、正規化第1濾波信号snrm(t)、正規化歪み信号pnrm(t)及び正規化第2濾波信号cnrm(t)の少なくともいずれか一つに基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する当該いずれか一つの信号の雑音強度を判定し、当該雑音強度に基づいて第3補正信号x3(t)を生成する。
図23は、このような動作を行う雑音強度判定器931の具体的な構成例を示すブロック図である。この図23に示される雑音強度判定器931は、正規化第1濾波信号snrm(t)、正規化歪み信号pnrm(t)及び正規化第2濾波信号cnrm(t)が入力される第4比較器932と、第4比較器932の出力が入力される第4判定器933とを備えている。
第4比較器932は、正規化第1濾波信号snrm(t)、正規化歪み信号pnrm(t)及び正規化第2濾波信号cnrm(t)の少なくともいずれか一つに基づいて信号を取得し、当該取得した信号を第4比較信号pscnrm(t)として出力する。例えば、第4比較器932は、正規化第1濾波信号snrm(t)と、正規化歪み信号pnrm(t)と、正規化第2濾波信号cnrm(t)とを比較し、その比較結果に基づいてそれら信号のうちいずれか一つを第4比較信号pscnrm(t)として出力する。より具体的には、第4比較器932は、正規化第1濾波信号snrm(t)の分散値の大きさが、正規化歪み信号pnrm(t)の分散値の大きさを下回り、かつ、正規化第2濾波信号cnrm(t)の分散値の大きさが、正規化第1濾波信号snrm(t)の分散値の大きさを下回った場合に限り、正規化第1濾波信号snrm(t)を第4比較信号pscnrm(t)として出力する。そして、第4比較器932は、それ以外の場合には、過去のある時点において第1濾波器302等の動作状態が安定であったときの第4比較信号pscnrm(t)(以下、「過去の第4比較信号pscnrm(t)」と呼ぶ)を、現在の第4比較信号pscnrm(t)として出力する。なお、この過去の第4比較信号pscnrm(t)は、例えば第4比較器932の記憶器(図示しない)に記憶されている。
あるいは、第4比較器932は、正規化第1濾波信号snrm(t)と正規化歪み信号pnrm(t)と正規化第2濾波信号cnrm(t)との相加平均を取って得られる信号を第4比較信号pscnrm(t)として出力してもよい。さらに、第4比較器932は、例えば所定閾値を有するようにし、正規化第1濾波信号snrm(t)、正規化歪み信号pnrm(t)及び正規化第2濾波信号cnrm(t)の全てが当該所定閾値を下回った場合にその3種類の信号のうちいずれか一つ、または、それら信号を相加平均して得られる信号を第4比較信号pscnrm(t)として出力してもよい。
第4判定器933は、実施の形態3に係る第2判定器903とほぼ同様の動作を行う。つまり、第4判定器933は、第4比較信号pscnrm(t)に基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する上述の雑音強度を判定し、当該雑音強度に基づいて第3補正信号x3(t)を生成する。以下、第4判定器933における第3補正信号x3(t)の生成について具体的に説明する。
第4判定器933は、第4比較信号pscnrm(t)に基づいて分散値pscvar(t)を算出する。ここで、第4判定器933は、算出した分散値pscvar(t)の大きさを類別するための2つの閾値を有しており、それら閾値により区切られた3つの区分範囲のいずれに分散値pscvar(t)が該当するかを判定する。そして、第4判定器933は、「強雑音」、「中雑音」及び「弱雑音」という3段階の雑音強度(雑音環境)の中から、分散値pscvar(t)が該当した区分範囲に対応する一つの段階を、雑音強度(雑音環境)の判定結果として選択する。
また、第4判定器933は、分散値pscvar(t)に対する3段階の雑音強度のそれぞれに、第3補正信号x3(t)の係数を対応付けたテーブル、つまり図10に示したテーブルと同様のテーブルを有している。第4判定器933は、このテーブルを参照し、自身が判定した一つの雑音強度に基づいて、第3補正信号x3(t)の係数を一つ選択する。なお、雑音強度の段階は3つに限ったものではなく、2段階や、4段階以上であってもよい。
以上のような本実施の形態に係る等化装置及び等化方法によれば、第1濾波信号s(t)、歪み信号p(t)及び第2濾波信号c(t)に基づいて、エラー信号e(t)の確度に対応する信号強度及び雑音強度を判定し、これら信号強度及び雑音強度に基づいて、エラー信号e(t)を補正する。したがって、第2濾波器303の出力が不安定な状態に陥った場合であっても、歪検出器301の出力と、第1濾波器302の出力と、第2濾波器303の出力との比較結果により得られる信号を、上述の確度を得るための信号として継続参照することが可能となっている。
以下、より具体的にこの効果について詳細に説明するため、第4比較器932は、例えば、正規化第1濾波信号snrm(t)の分散値の大きさが、正規化歪み信号pnrm(t)の分散値の大きさを下回り、かつ、正規化第2濾波信号cnrm(t)の分散値の大きさが、正規化第1濾波信号snrm(t)の分散値の大きさを下回った場合に限り、正規化第1濾波信号snrm(t)を第4比較信号pscnrm(t)として出力するものとする。そして、第4比較器932は、それ以外の場合には、上述の過去の第4比較信号pscnrm(t)を第4比較信号pscnrm(t)として出力するものとする。
このとき、第1濾波器302の動作状態が不安定になると、正規化第1濾波信号snrm(t)の分散値が、第1濾波器302の入力に対応する正規化歪み信号pnrm(t)の分散値よりも増加する。この場合、正規化第1濾波信号snrm(t)が第4比較信号pscnrm(t)として出力されずに、過去の第4比較信号pscnrm(t)が、現在の第4比較信号pscnrm(t)として出力されることになる。
したがって、以上のような本実施の形態に係る等化装置及び等化方法によれば、第2濾波器303の出力が不安定な状態に陥った場合であっても、受信信号r(t)の信号強度(例えば受信電界強度、受信電力強度)及びCNRから伝送路状態を総合的に考慮して、係数算出アルゴリズムを正しく制御することができる。よって、受信信号r(t)に含まれる雑音電力が希望信号電力と拮抗する環境下や、恒常的に受信電界強度が弱い弱電界環境下において移動に伴う伝送路の高速変動が発生する場合であっても、安定して受信信号r(t)を補償することができる。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
11 基準信号、12 データ信号、300 等化装置、301 歪検出器、302 第1濾波器、303 第2濾波器、304 補償器、305 係数算出器、306,316,326 エラー調整器、801 信号変換器、811,851 第1信号処理演算器、821,861,891,921 信号強度判定器、831,871,901,931 雑音強度判定器、841 エラー補正器、881 第2信号処理演算器、911 第3信号処理演算器。
Claims (15)
- 基準信号及びデータ信号を含む直交周波数分割多重変調方式の受信信号における伝送路歪みを補償する等化装置であって、
前記受信信号に含まれる前記基準信号の歪み成分を示す歪み信号を生成する歪検出器と、
前記歪み信号に基づいて、前記データ信号の一部の歪み成分、及び、前記基準信号の歪み成分を示す第1濾波信号を生成する第1濾波器と、
前記第1濾波信号と濾波係数とに基づいて、前記データ信号の全ての歪み成分、及び、前記基準信号の歪み成分を示す第2濾波信号を生成する第2濾波器と、
前記第2濾波信号に基づいて前記受信信号の歪み成分を補償する補償器と、
前記歪み信号及び前記第1濾波信号の少なくともいずれか一つと前記第2濾波信号とに基づいて、前記濾波係数を算出するためのエラー信号の確度を判定し、当該確度に基づいて前記エラー信号を補正するエラー調整器と、
前記第1濾波信号と、前記エラー調整器により補正された前記エラー信号とに基づいて、前記第2濾波器で用いられる前記濾波係数を算出する係数算出器と
を備える、等化装置。 - 請求項1に記載の等化装置であって、
前記エラー調整器は、
前記第2濾波信号に基づいて第1補正信号を生成する信号変換器と、
前記第1濾波信号に統計的処理を行って第1及び第2統計信号を生成する第1信号処理演算器と、
前記第1統計信号と前記第2濾波信号とに基づいて、前記確度に対応する前記受信信号の信号強度を判定し、当該信号強度に基づいて第2補正信号を生成する信号強度判定器と、
前記第2統計信号に基づいて、前記確度に対応する前記第1濾波信号の雑音強度を判定し、当該雑音強度に基づいて第3補正信号を生成する雑音強度判定器と、
前記第1〜第3補正信号に基づいて前記エラー信号を補正するエラー補正器と
を備える、等化装置。 - 請求項1に記載の等化装置であって、
前記エラー調整器は、
前記第2濾波信号に基づいて第1補正信号を生成する信号変換器と、
前記歪み信号に統計的処理を行って第1及び第2統計信号を生成する第1信号処理演算器と、
前記第1統計信号と前記第2濾波信号とに基づいて、前記確度に対応する前記受信信号の信号強度を判定し、当該信号強度に基づいて第2補正信号を生成する信号強度判定器と、
前記第2統計信号に基づいて、前記確度に対応する前記歪み信号の雑音強度を判定し、当該雑音強度に基づいて第3補正信号を生成する雑音強度判定器と、
前記第1〜第3補正信号に基づいて、前記エラー信号を補正するエラー補正器と
を備える、等化装置。 - 請求項1に記載の等化装置であって、
前記エラー調整器は、
前記第2濾波信号に基づいて第1補正信号を生成する信号変換器と、
前記第1濾波信号に統計的処理を行って第1及び第2統計信号を生成する第1信号処理演算器と、
前記歪み信号に統計的処理を行って第3及び第4統計信号を生成する第2信号処理演算器と、
前記第1統計信号及び前記第3統計信号の少なくともいずれか一つと前記第2濾波信号とに基づいて、前記確度に対応する前記受信信号の信号強度を判定し、当該信号強度に基づいて第2補正信号を生成する信号強度判定器と、
前記第2統計信号及び前記第4統計信号の少なくともいずれか一つに基づいて、前記確度に対応する当該いずれか一つの信号の雑音強度を判定し、当該雑音強度に基づいて第3補正信号を生成する雑音強度判定器と、
前記第1〜第3補正信号に基づいて、前記エラー信号を補正するエラー補正器と
を備える、等化装置。 - 請求項1に記載の等化装置であって、
前記エラー調整器は、
前記第2濾波信号に基づいて第1補正信号を生成する信号変換器と、
前記第1濾波信号に統計的処理を行って第1及び第2統計信号を生成する第1信号処理演算器と、
前記歪み信号に統計的処理を行って第3及び第4統計信号を生成する第2信号処理演算器と、
前記第2濾波信号に統計的処理を行って第5及び第6統計信号を生成する第3信号処理演算器と、
前記第1統計信号、前記第3統計信号及び前記第5統計信号の少なくともいずれか一つと前記第2濾波信号とに基づいて、前記確度に対応する前記受信信号の信号強度を判定し、当該信号強度に基づいて第2補正信号を生成する信号強度判定器と、
前記第2統計信号、前記第4統計信号及び前記第6統計信号の少なくともいずれか一つに基づいて、前記確度に対応する当該いずれか一つの信号の雑音強度を判定し、当該雑音強度に基づいて第3補正信号を生成する雑音強度判定器と、
前記第1〜第3補正信号に基づいて、前記エラー信号を補正するエラー補正器と
を備える、等化装置。 - 請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の等化装置であって、
前記信号強度判定器は、
前記信号強度の判定に用いる信号のうち前記第2濾波信号を除く信号に基づいて、受信電界強度/受信電力強度を判定し、当該受信電界強度/受信電力強度と前記第2濾波信号の電界レベル/電力レベルと基づいて前記信号強度を判定する、等化装置。 - 請求項6に記載の等化装置であって、
前記信号強度判定器は、
前記受信電界強度/受信電力強度と、前記第2濾波信号の前記電界レベル/電力レベルとの差分の絶対値が大きいほど前記確度が低いと判定し、前記第2補正信号の信号レベルを小さくする、等化装置。 - 請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の等化装置であって、
前記雑音強度判定器は、
前記雑音強度の判定に用いる信号の分散値に基づいて前記雑音強度を判定する、等化装置。 - 請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の等化装置であって、
前記第1信号処理演算器は、
自身が前記統計的処理すべき信号を所定時間単位で平均化することによって、前記第1統計信号を生成する、等化装置。 - 請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の等化装置であって、
前記第1信号処理演算器は、
自身が前記統計的処理すべき信号を、それを所定時間単位で平均化した信号で除算することによって、前記第2統計信号を生成する、等化装置。 - 請求項4または請求項5に記載の等化装置であって、
前記第2信号処理演算器は、
自身が前記統計的処理すべき信号を所定時間単位で平均化することによって、前記第3統計信号を生成する、等化装置。 - 請求項4または請求項5に記載の等化装置であって、
前記第2信号処理演算器は、
自身が前記統計的処理すべき信号を、それを所定時間単位で平均化した信号で除算することによって、前記第4統計信号を生成する、等化装置。 - 請求項5に記載の等化装置であって、
前記第3信号処理演算器は、
自身が前記統計的処理すべき信号を所定時間単位で平均化することによって、前記第5統計信号を生成する、等化装置。 - 請求項5に記載の等化装置であって、
前記第3信号処理演算器は、
自身が前記統計的処理すべき信号を、それを所定時間単位で平均化した信号で除算することによって、前記第6統計信号を生成する、等化装置。 - 基準信号及びデータ信号を含む直交周波数分割多重変調方式の受信信号における伝送路歪みを補償する等化方法であって、
(a)前記受信信号に含まれる前記基準信号の歪み成分を示す歪み信号を生成する工程と、
(b)前記歪み信号に基づいて、前記データ信号の一部の歪み成分、及び、前記基準信号の歪み成分を示す第1濾波信号を生成する工程と、
(c)前記第1濾波信号と濾波係数とに基づいて、前記データ信号の全ての歪み成分、及び、前記基準信号の歪み成分を示す第2濾波信号を生成する工程と、
(d)前記第2濾波信号に基づいて前記受信信号の歪み成分を補償する工程と、
(e)前記歪み信号及び前記第1濾波信号の少なくともいずれか一つと、前記第2濾波信号とに基づいて、前記濾波係数を算出するためのエラー信号の確度を判定し、当該確度に基づいて前記エラー信号を補正する工程と、
(f)前記第1濾波信号と、前記工程(e)により補正された前記エラー信号とに基づいて、前記工程(c)で用いられる前記濾波係数を算出する工程と
を備える、等化方法。
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