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JP5515818B2 - 無段変速伝動機構 - Google Patents

無段変速伝動機構 Download PDF

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JP5515818B2
JP5515818B2 JP2010027612A JP2010027612A JP5515818B2 JP 5515818 B2 JP5515818 B2 JP 5515818B2 JP 2010027612 A JP2010027612 A JP 2010027612A JP 2010027612 A JP2010027612 A JP 2010027612A JP 5515818 B2 JP5515818 B2 JP 5515818B2
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Description

本発明は、多数のリンク板を順次、リンクピンで数珠繋ぎに連結して成る無終端チェーンリンクと、この無終端チェーンリンクを無段変速可能に巻き掛けしたプーリとから成る無段変速伝動機構に関するものである。
この種の無段変速伝動機構としてはVベルト式無段変速機が良く知られており、無終端チェーンリンクをプーリのV溝に掛け渡して動力伝達可能となす一方、
この動力伝達中にプーリV溝の溝幅を変更することでプーリに対する無終端チェーンリンクの巻き掛け径を連続的に変化させることにより、無段変速が可能となるよう構成する。
他方、無段変速伝動機構のスリップを抑制して伝動効率を高める技術として従来、例えば特許文献1に記載のごとく、プーリV溝の底面を画成するプーリの中心ボス部外周面に歯を突設し、
無終端チェーンリンクの内周に形成した歯溝がプーリ中心ボス部外周面の歯と噛み合う伝動比である間、プーリおよび無終端チェーンリンク間のスリップを防止して無段変速伝動機構の伝動効率を高める技術が提案されている。
しかしこの技術は、プーリ中心ボス部の外周面に設ける歯をプーリ中心ボス部外周面に固設していたため、これら歯が無終端チェーンリンクの内周歯溝と噛み合い損なった場合に無終端チェーンリンクと干渉して、これを損傷させるという問題があった。
そこで本願出願人は先に特許文献2により、プーリ中心ボス部の外周面に設ける歯をプーリ中心ボス部外周に対し径方向進退可能にした可動歯となし、
この可動歯が無終端チェーンリンクの内周歯溝と噛み合い損なった場合は、無終端チェーンリンクの内周により径方向内方へ後退され得るようにすることで、プーリ中心ボス部外周の歯が無終端チェーンリンクとの干渉によりこれを損傷させることのないようにした無段変速伝動機構を提案済である。
特開昭63−120950号公報 特開2010−014269号公報
しかし上記した先の提案技術にあっては、上記の無終端チェーンリンク内周歯溝が1個ずつ設けられている複数のリンク板と、プーリ中心ボス部外周可動歯との噛み合いが、或る瞬間に(或る位相で)同時噛み合い状態となるが、次の瞬間に(次の位相で)同時非噛み合い状態となる場面が存在するため、以下のような問題が生ずる。
つまり、上記のように同時噛み合い状態になる位相と、同時非噛み合い状態になる位相とが存在するのでは、無終端チェーンリンクとプーリとの間におけるスリップが一定でないことになり、安定したスリップ防止を期待できない。
なおこの問題解決のため、各リンク板に設ける可動歯噛合溝の数を1個から複数個に増やすことが考えられるが、何の考慮もなしに可動歯噛合溝の数を増やしても、同時噛み合いの確率が増えるだけで、同時非噛み合い状態は無くならないため、抜本的な解決策たり得ない。
本発明は、上記の同時非噛み合い状態が無くなるような態様で、リンク板に設ける可動歯噛合溝の数を増やして、常時少なくとも1個の可動歯がリンク板の可動歯噛合溝と噛み合っているようになし、
これにより無終端チェーンリンクとプーリとの間における安定したスリップ防止を実現し得るようにして、上記の問題を生ずることのないようにした無段変速伝動機構を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明による無段変速伝動機構は、以下のごとくにこれを構成する。
先ず、本発明の要旨構成の基礎前提となる無段変速伝動機構は、
多数のリンク板を順次、リンクピンで数珠繋ぎに連結して成る無終端チェーンリンクと、この無終端チェーンリンクを無段変速可能に巻き掛けしたプーリとから成り、該プーリの中心ボス部外周に径方向進退可能に設けた可動歯と、前記リンク板に設けた可動歯噛合溝との噛み合いにより、該噛み合いが可能な伝動比でのスリップ防止を可能にしたものである。
本発明は、かかる無段変速伝動機構において、
前記可動歯と噛み合った状態で前記リンク板の両端におけるリンクピン挿通孔の中心と、前記プーリの中心とをそれぞれ結んだ半径線間の角度であるリンクピッチ角θpsから、前記可動歯と可動歯噛合溝との噛み合い接触範囲を前記プーリ中心の周りの角度として定義した遅れ位相角Δθsubを差し引いて得られる角度範囲θps−Δθsub内に、前記可動歯噛合溝を、
前記無終端チェーンリンクのプーリ巻き付き範囲内で前記可動歯噛合溝と噛み合っている可動歯の有効噛み合い歯数Zeが常時1以上となるような数Zsubだけ設けたことを特徴とするものである。
このような本発明の無段変速伝動機構にあっては、上記の角度範囲θps−Δθsub内に可動歯噛合溝を配置して設け、且つその数を、プーリ巻き付き範囲内における可動歯の有効噛み合い歯数が常時1以上となるような数Zsubとしたため、
常時少なくとも1個の可動歯が可動歯噛合溝と噛み合っていることとなって同時非噛み合い状態となる位相が存在せず、これにより無終端チェーンリンクとプーリとの間における安定したスリップ防止を実現することができる。

本発明の着想を適用可能な無段変速伝動機構を例示する概略側面図である。 図1に示した無段変速伝動機構のセカンダリプーリ側における巻き掛け伝動部のスリップ防止機構を示す詳細図である。 図1,2に示した無段変速伝動機構の無終端チェーンリンクおよびセカンダリプーリ間におけるスリップ防止機構を示し、 (a)は、当該スリップ防止機構の噛み合い状態を示す詳細説明図、 (b)は、当該スリップ防止機構の非噛み合い状態を示す詳細説明図である。 図1〜3に示した無段変速伝動機構のリンク板に設ける可動歯噛合溝の数と、これら可動歯噛合溝に対する可動歯の噛合状態との関係を示す説明図である。 本発明の一実施例になる無段変速伝動機構のセカンダリプーリ側における巻き掛け伝動部のスリップ防止機構を示す詳細図である。 図5に示した無段変速伝動機構の無終端チェーンリンクを構成するリンク板の各種諸元の説明図である。 図5に示した無段変速伝動機構のセカンダリプーリ側における巻き掛け伝動部のスリップ防止機構に関わる各種諸元の説明図である。 図5〜7に示した無段変速伝動機構のリンク板に設ける可動歯噛合溝の数と、これら可動歯噛合溝に対する可動歯の噛合状態との関係を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<本発明を適用可能な無段変速伝動機構の例示>
図1,2は、本発明の着想を適用可能な無段変速伝動機構を例示し、図1は、無段変速伝動機構10の概略側面図、図2は、そのセカンダリプーリ側における巻き掛け伝動部の詳細図である。
図1において、11は、無段変速伝動機構10の駆動側プーリであるプライマリプーリ、12は、従動側プーリであるセカンダリプーリを示す。
これらプライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12間に無終端チェーンリンク13を掛け渡して設け、
無段変速伝動機構10は、この無終端チェーンリンク13を介しプライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12間で動力伝達を行い得るものとする。
プライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12はそれぞれ、回転軸線方向に正対する対向シーブ11a,12a(図1では便宜上、手前側のシーブを除去して、向こう側のシーブのみを示す)を具え、これら対向シーブ11a間および対向シーブ12a間にプーリV溝を画成するV溝プーリとする。
無終端チェーンリンク13は、図2に明示するごとく、多数のリンク板14を順次、その両端におけるリンクピン挿通孔14a内のリンクピン15で数珠繋ぎに連結して連続円環状に構成する。
そして各リンクピン15の両端面は、プライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12のプーリV溝側壁を提供する対向シーブ11aおよび対向シーブ12aの内側面と面接触するよう傾斜させる。
かくて無終端チェーンリンク13は、プーリ巻き付き領域においてリンクピン15を、プライマリプーリ11の対向シーブ11a間およびセカンダリプーリ12の対向シーブ12a間に挟圧され、プライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12間での動力伝達を行うことができる。
プライマリプーリ11の対向シーブ11aは、その一方を固定シーブとし、他方を軸線方向にストローク制御可能な可動シーブとする。
セカンダリプーリ12の対向シーブ12aは、プライマリプーリ11の可動シーブと同じ側におけるシーブを固定シーブとし、プライマリプーリ11の固定シーブと同じ側におけるシーブを軸線方向にストローク制御可能な可動シーブとする。
プライマリプーリ11の可動シーブを固定シーブに対し接近させてプーリV溝幅を狭くすると同時に、セカンダリプーリ12の可動シーブを固定シーブから遠ざけてプーリV溝幅を広くするにつれ、
無終端チェーンリンク13は、プライマリプーリ11に対する巻き掛け径を増大されると共に、セカンダリプーリ12に対する巻き掛け径を小さくされ、無段変速伝動機構10は図1に示す最ハイ変速比選択状態に向け無段変速下にアップ可能である。
逆に、プライマリプーリ11の可動シーブを固定シーブから遠ざけてプーリV溝幅を広くすると同時に、セカンダリプーリ12の可動シーブを固定シーブに対し接近させてプーリV溝幅を狭くするにつれ、
無終端チェーンリンク13は、プライマリプーリ11に対する巻き掛け径を小さくされると共に、セカンダリプーリ12に対する巻き掛け径を増大され、無段変速伝動機構10は図1に示す最ハイ変速比選択状態から図示せざる最ロー変速比選択状態に向け無段変速下にダウンシフト可能である。
上記した最ハイ変速比選択状態でセカンダリプーリ12に対する無終端チェーンリンク13のスリップを抑制して無段変速伝動機構10の伝動効率を向上させるため、図1,2では、セカンダリプーリ12の中心ボス部16に、その外周面から突出するよう複数個の可動歯17を円周方向等間隔に配して設ける。
これら可動歯17は、セカンダリプーリ中心ボス部16の外周面に嵌着した円筒状の可動歯ホルダー18に対し制限範囲内で径方向進退可能に嵌合し、バネなどの弾性手段19により図1,2に示すごとく可動歯ホルダー18から径方向外方へ突出した進出位置に弾支する。
無終端チェーンリンク13の内周縁を画成する各リンク板14の内側縁には、セカンダリプーリ12対する巻き掛け領域において可動歯17の突出先端が噛み合うための可動歯噛合溝14bを設け、
可動歯17と可動歯噛合溝14bとの噛み合いにより、最ハイ変速比選択状態でセカンダリプーリ12に対する無終端チェーンリンク13のスリップを抑制し、無段変速伝動機構10の伝動効率を向上させることができる。
しかして可動歯17は、可動歯噛合溝14bと整列せずこれとの噛み合いが不能な場合、弾性手段19に抗してリンク板14の内側縁により可動歯ホルダー18内に押し込まれた後退位置となり得て、無終端チェーンリンク13との干渉によりこれを損傷させることがない。
<上記無段変速伝動機構の問題点>
しかし上記した無段変速伝動機構では、可動歯噛合溝14bが1個ずつ設けられている複数のリンク板14と、プーリ中心ボス部16の外周における可動歯17との噛み合いが、或る瞬間に(或る位相で)図3(a)に示す同時噛み合いとなるが、次の瞬間に(次の位相で) 図3(b)に示す同時非噛み合い状態となる場面が存在するため、以下のような問題が生ずる。
図3(a)に示す同時噛み合い状態と、同図(b)に示す同時非噛み合い状態とが、位相の進み具合に応じてどのように発生するかを、図4の最も左側の列に示す。
位相1では図4の最も左側の列に記号「1」で示すように、第1の可動歯から第6の可動歯まで全ての可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bと図3(a)に示すように噛み合った同時噛み合い状態となるが、
以後の位相2〜20では図4の最も左側の列に空欄で示すように、第1の可動歯から第6の可動歯まで全ての可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bに対し図3(b)に示すごとく噛み合わない同時非噛み合い状態となる。
このように同時噛み合い状態になる位相と、同時非噛み合い状態になる位相とが存在するのでは、無終端チェーンリンク13とセカンダリプーリ12との間におけるスリップが一定でないことになり、安定したスリップ防止を期待できない。
ちなみに、各リンク14板に設ける可動歯噛合溝14bの数を1個から複数個に増やした場合を以下に考察する。
各リンク14板に設ける可動歯噛合溝14bの数を2個に増やした場合、図4の左側から二番目の列に記号「1」で示すごとく、
位相1において、第1の可動歯から第6の可動歯まで全ての可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bに対し図3(a)のように噛み合った同時噛み合い状態となるのに加え、
位相11においても、第1の可動歯から第6の可動歯まで全ての可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bに対し図3(a)のように噛み合った同時噛み合い状態となる。
しかし、それ以外の位相2〜10および位相12〜20では図4の左側から二番目の列に空欄で示すように、第1の可動歯から第6の可動歯まで全ての可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bに対し図3(b)に示すごとく噛み合わない同時非噛み合い状態となる。
各リンク14板に設ける可動歯噛合溝14bの数を3個に増やした場合、図4の左側から三番目の列に記号「1」で示すごとく、
位相1,8,15においてそれぞれ、第1の可動歯から第6の可動歯まで全ての可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bに対し図3(a)のように噛み合った同時噛み合い状態となるが、
それ以外の位相2〜7、位相9〜14および位相16〜20では図4の左側から三番目の列に空欄で示すように、第1の可動歯から第6の可動歯まで全ての可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bに対し図3(b)に示すごとく噛み合わない同時非噛み合い状態となる。
各リンク14板に設ける可動歯噛合溝14bの数を4個に増やした場合、図4の左側から四番目の列に記号「1」で示すごとく、
位相1,6,11,16においてそれぞれ、第1の可動歯から第6の可動歯まで全ての可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bに対し噛み合った同時噛み合い状態となるが、
それ以外の位相2〜5、位相7〜10、位相12〜15および位相17〜20では図4の左側から四番目の列に空欄で示すごとく、第1の可動歯から第6の可動歯まで全ての可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bに対し噛み合わない同時非噛み合い状態となる。
各リンク14板に設ける可動歯噛合溝14bの数を5個に増やした場合、図4の左側から五番目の列に記号「1」で示すごとく、
位相1,5,9,13,17においてそれぞれ、第1の可動歯から第6の可動歯まで全ての可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bに対し噛み合った同時噛み合い状態となるが、
それ以外の位相2〜4、位相6〜8、位相10〜12、位相14〜16および位相18〜20では図4の左側から五番目の列に空欄で示すごとく、第1の可動歯から第6の可動歯まで全ての可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bに対し噛み合わない同時非噛み合い状態となる。
以上のことから明らかなように、何の考慮もなしに各リンク14板に設ける可動歯噛合溝14bの数を増やしただけでは、同時噛み合いの確率が増えるだけで、同時非噛み合い状態は無くならないため、抜本的な解決策たり得ない。
<実施例の構成>
図5は、本発明の一実施例になる無段変速伝動機構の要部を示し、本実施例においては無段変速伝動機構を基本的には図1,2につき前述したと同様な構成とするが、セカンダリプーリ中心ボス部16と無終端チェーンリンク13との間におけるスリップ防止機構を、上記の問題解決を実現可能にするため、図5に示すごときものとする。
なお図5中、図1,2におけると同様に機能する部分には同一符号を付して示し、重複説明を避けた。
図1,2におけると同様に可動歯ホルダー18を介してセカンダリプーリ中心ボス部16の外周に径方向進退可能に設ける可動歯17を、本実施例では18個一組として円周方向等間隔に配置する。
そして、これら可動歯17が噛み合うよう各リンク板14の内側縁に設ける可動歯噛合溝14bの数および配置を以下のごとくに決定する。
つまり、図5に示すごとく可動歯17と噛み合った状態でリンク板14の両端におけるリンクピン挿通孔14aの中心Opと、セカンダリプーリ回転中心Osとをそれぞれ結んだ半径線A1,A2(図6参照)間の角度であるリンクピッチ角θpsから、図7に示すごとく可動歯17と可動歯噛合溝14bとの噛み合い接触範囲をセカンダリプーリ回転中心Os周りの角度として定義した遅れ位相角Δθsubを差し引いて得られる角度範囲θps−Δθsub(図6参照)内に、可動歯噛合溝14bを配置して設ける。
そして、かかる角度範囲θps−Δθsub内に設ける可動歯噛合溝14bの数Zsubは、以下のように決定する。
つまり、図5に示す無終端チェーンリンク13のプーリ巻き付き範囲(噛み合い始めの第1歯から第7歯までの可動歯7歯分)内で可動歯噛合溝14bと噛み合っている可動歯17の有効噛み合い歯数Zeが1以上(図5では、第1歯から第3歯までの3個の可動歯17が可動歯噛合溝14bと噛み合う有効噛み合い歯であり、Ze=3)となるよう、可動歯噛合溝14bの数Zsubを図6に明示するようにZsub=4と決定する。
ちなみに、プーリ巻き付き範囲内における第4歯から第7歯までの4個の可動歯17は、可動歯噛合溝14bと噛み合わないため、弾性手段19に抗して無終端チェーンリンク13により後退位置に押し込まれている。
なお上記のごとくに定義した図7に示す遅れ位相角Δθsubは、可動歯17の圧力角をαとし、可動歯17の歯丈をhとし、可動歯17の噛み合いピッチ径Rpとしたとき、次式
Δθsub≡{sin-1〔((h×tanα)/2)/Rp〕}×2 ‥‥(1)
で表される。
また、上記のごとくリンクピッチ角θpsから遅れ位相角Δθsubを差し引いた角度範囲θps−Δθsub(図6参照)内に、可動歯噛合溝14bを、プーリ巻き付き範囲内における可動歯17の有効噛み合い歯数Zeが1以上となるような数Zsubだけ設けた場合、1溝分の角度であるサブピッチ角θsubは、次式で示すようなものとなる。
θsub=(θps−Δθsub)/Zsub ‥‥(2)
<実施例の作用効果>
上記した実施例の無段変速伝動機構にあっては、上記の角度範囲θps−Δθsub内に可動歯噛合溝14bを配置して設け、且つその数Zsubを、プーリ巻き付き範囲内における可動歯17の有効噛み合い歯数Zeが1以上(Ze=3)となるような数Zsub=4としたため、以下の作用効果が奏し得られる。
図8は、図5において各リンク板14に設ける可動歯噛合溝14bが1個である場合と、2個である場合と、3個である場合と、図6につき前述した本実施例のように4個である場合と、それよりも更に多い5個である場合につき、
可動歯17のうち第1歯〜第6歯が可動歯噛合溝14bと噛み合う状況(図4におけると同様に、可動歯17が噛み合っている場合を記号「1」で示し、可動歯17が噛み合っていない場合を空欄で示した)を、位相の進み具合に応じて示したものである。
各リンク板14に設ける可動歯噛合溝14bが1個である場合、図8の最も左側の列に記号「1」を付して示すように、位相1〜6では第1歯から第6歯までの何れか1つの可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bと噛み合った噛み合い状態となるが、
以後の位相7〜20では図8の最も左側の列に空欄で示すように、第1歯から第6歯までの何れの可動歯17も、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bに対し噛み合っていない非噛み合い状態となる。
各リンク板14に設ける可動歯噛合溝14bが2個である場合、図8の左側から二番目の列に記号「1」を付して示すように、位相1〜6および位相11〜16では第1歯から第6歯までの何れか1つの可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bと噛み合った噛み合い状態となるが、
それ以外の位相7〜10および位相17〜20では図8の左側から二番目の列に空欄で示すように、第1歯から第6歯までの何れの可動歯17も、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bに対し噛み合っていない非噛み合い状態となる。
各リンク板14に設ける可動歯噛合溝14bが3個である場合、図8の左側から三番目の列に記号「1」を付して示すように、位相1〜6、位相8〜13および位相15〜20では第1歯から第6歯までの何れか1つの可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bと噛み合った噛み合い状態となるが、
それ以外の位相7および位相14では図8の左側から三番目の列に空欄で示すように、第1歯から第6歯までの何れの可動歯17も、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bに対し噛み合っていない非噛み合い状態となる。
ところで各リンク板14に設ける可動歯噛合溝14bが4個以上である場合、図8の左側から四番目および五番目の列に記号「1」を付して示すように、全ての位相で第1歯から第6歯までの何れかの可動歯17が、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bと噛み合っており、
第1歯から第6歯までの何れの可動歯17も、対応するリンク板14の可動歯噛合溝14bに対し噛み合わない同時非噛み合い状態となる位相が存在しない。
従って、本実施例のように前記の角度範囲θps−Δθsub内に可動歯噛合溝14bを配置して設け、且つその数Zsubを、プーリ巻き付き範囲内における可動歯17の有効噛み合い歯数Zeが1以上(Ze=3)となるような数Zsub=4とする場合、
常時少なくとも1個の可動歯17が可動歯噛合溝14bと噛み合っていることとなって同時非噛み合い状態となる位相が存在せず、これにより無終端チェーンリンク13とセカンダリプーリとの間における安定したスリップ防止を実現することができる。
なお図示例で可動歯17の有効噛み合い歯数Zeを3個とした理由は、無段変速伝動機構の使用条件に応じた必要な有効噛み合い歯数Zeが3個であるためであり、
この場合、可動歯17の一歯当りのトルク伝達容量が入力トルクに対し不足していても、3個の可動歯17の共働により伝達すべきトルクを確実に伝達することができ、各可動歯17の小型化により無段変速伝動機構の小型化を実現し得ると共に、それにもかかわらず可動歯17の破損や摩耗を減じて無段変速伝動機構の耐久性を向上させることができる。
<その他の実施例>
前記の角度範囲θps−Δθsub内に設ける可動歯噛合溝14bの数Zsub、およびプーリ巻き付き範囲内における可動歯17の有効噛み合い歯数Zeを、前記した実施例のように決定するに際しては、
無終端チェーンリンク13のプーリ巻き付き範囲内における可動歯歯数をZfとし、各リンク板14内の噛み合い歯数をesubとしたとき、次式
Ze=Zf×esub ・・・(3)
esub≡(Δθsub/θps)×Zsub ・・・(4)
が満足されるよう、可動歯17の有効噛み合い歯数Ze、および前記角度範囲θps−Δθsub内における可動歯噛合溝数Zsubを決定することができる。
この場合、上記の(3),(4)式を満足させるだけで、前記した実施例の作用効果が得られるよう可動歯有効噛み合い歯数Zeおよび可動歯噛合溝数Zsubの決定することができ、設計が容易になって大いに有利である。
また可動歯17の有効噛み合い歯数Zeは、実施例の3個に限られるものではなく、無段変速伝動機構の使用条件に応じ、大トルクを伝達する使用条件なら可動歯17の有効噛み合い歯数Zeを4個以上にしたり、小さいトルクを伝達する使用条件なら可動歯17の有効噛み合い歯数Zeを3個未満にすることができる。
かように可動歯17の有効噛み合い歯数Zeを、無段変速伝動機構の使用条件に応じて加減する場合、可動歯17の有効噛み合い歯数Zeを、無段変速伝動機構の使用条件に応じた必要最小限の歯数にして、可動歯17の破損や摩耗を減じて無段変速伝動機構の耐久性を向上させつつ、無段変速伝動機構の低廉化を実現することができる。
更に図示例では、最ハイ変速比選択状態で無終端チェーンリンク13とセカンダリプーリ12との間のスリップを防止すべく、これら無終端チェーンリンク13およびセカンダリプーリ12間にスリップ防止機構(可動歯17、可動歯噛合溝14b)が存在する場合について本発明の着想を適用したが、
最ロー変速比選択状態で無終端チェーンリンク13とプライマリプーリ11との間のスリップを防止すべく、これら無終端チェーンリンク13およびプライマリプーリ11間に同様なスリップ防止機構が存在する場合も本発明の上記した着想は適用可能であり、この適用によっても前記したと同様な作用効果が奏し得られのは言うまでもない。
10 無段変速伝動機構
11 プライマリプーリ
12 セカンダリプーリ
13 無終端チェーンリンク
14 リンク板
14a リンクピン挿通孔
14b 可動歯噛合溝
15 リンクピン
16 プーリ中心ボス部
17 可動歯
18 可動歯ホルダー
19 弾性手段

Claims (3)

  1. 多数のリンク板を順次、リンクピンで数珠繋ぎに連結して成る無終端チェーンリンクと、この無終端チェーンリンクを無段変速可能に巻き掛けしたプーリとから成り、該プーリの中心ボス部外周に径方向進退可能に設けた可動歯と、前記リンク板に設けた可動歯噛合溝との噛み合いにより、該噛み合いが可能な伝動比でのスリップ防止を可能にした無段変速伝動機構において、
    前記可動歯と噛み合った状態で前記リンク板の両端におけるリンクピン挿通孔の中心と、前記プーリの中心とをそれぞれ結んだ半径線間の角度であるリンクピッチ角θpsから、前記可動歯と可動歯噛合溝との噛み合い接触範囲を前記プーリ中心の周りの角度として定義した遅れ位相角Δθsubを差し引いて得られる角度範囲θps−Δθsub内に、前記可動歯噛合溝を、
    前記無終端チェーンリンクのプーリ巻き付き範囲内で前記可動歯噛合溝と噛み合っている可動歯の有効噛み合い歯数Zeが常時1以上となるような数Zsubだけ設けたことを特徴とする無段変速伝動機構。
  2. 請求項1に記載された無段変速伝動機構において、
    前記無終端チェーンリンクのプーリ巻き付き範囲内における可動歯歯数をZfとし、1リンク板内の噛み合い歯数をesubとしたとき、前記可動歯の有効噛み合い歯数Ze、および前記角度範囲θps−Δθsub内における前記可動歯噛合溝数Zsubをそれぞれ、次式
    Ze=Zf×esub
    esub≡(Δθsub/θps)×Zsub
    が満足されるよう決定したことを特徴とする無段変速伝動機構。
  3. 請求項1または2に記載の無段変速伝動機構において、
    前記可動歯の有効噛み合い歯数Zeを、無段変速伝動機構の使用条件に応じた所定値以上となるよう決定したことを特徴とする無段変速伝動機構。
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