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JP5495768B2 - 現像ローラ及びその製造方法、プロセスカートリッジ並びに電子写真画像形成装置 - Google Patents

現像ローラ及びその製造方法、プロセスカートリッジ並びに電子写真画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は現像ローラとその製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置に関する。
特許文献1に記載の発明の目的は、帯電ロール軸方向の端部における放電現象を、余分なコーティング層を設けることなく抑制し、感光ドラム表面に対するエッチング作用を低減せしめ、感光ドラムの長寿命化を図り得る帯電ロールの提供にある。そして、特許文献1には、軸体の回りにイオン導電剤を含む導電性の層を形成し、ロール軸方向端部側部位のロール径方向外側又は内側に該イオン導電剤を析出させ、該ロール軸方向端側部位の電気抵抗を高めてなる帯電ロールにより上記目的が達成されことを記載している。
特開平11−272040号公報
本発明者らは、上記特許文献1に記載された構成について検討したところ、ロール軸方向での電流リークの抑制効果は確認されたものの、イオン導電剤により導電化された導電層は、長期の使用に伴って電気抵抗が変化しやすいという課題がある。
そこで、本発明の目的は、当接する他部材との間での端部における放電をより抑制できると共に、長期間に渡って安定した帯電性能を発揮する現像ローラおよびその製造方法の提供にある。また、本発明の他の目的は、長期にわたって高品位な電子写真画像を提供可能な電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジの提供にある。
本発明に係る現像ローラは、軸芯体と、シリコーンゴムおよび導電性粒子を含有している導電性の弾性層と、樹脂層とをこの順番で具備している現像ローラであって、
該弾性層の軸方向端部に二酸化ケイ素が偏在し、該弾性層の端面の電気抵抗が高められていることを特徴とする。
また、本発明に係る上記の現像ローラの製造方法は、シリコーンゴム及び導電性粒子を含有している導電性の弾性層の周面に樹脂層を形成した後、該弾性層の軸方向端部に直流電流を選択的に印加して、該弾性層に含まれるシロキサンを燃焼させて二酸化ケイ素を該弾性層の端部に生成させる工程を含むことを特徴とする。
更に、本発明に係るプロセスカートリッジは、感光体と、該感光体に当接して配置されている現像ローラとを具備している、電子写真画像形成装置の本体に脱着可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、該現像ローラが上記の現像ローラであることを特徴とする。
更にまた、本発明に係る電子写真画像形成装置は、感光体と、該感光体に当接して配置されている現像ローラとを具備する電子写真画像形成装置において、該現像ローラが上記の現像ローラであることを特徴とする。
本発明によれば、現像ローラの軸方向端部における、現像ローラと該現像ローラへの当接部材との間における電流リークの発生を抑制することができる。また、本発明のプロセスカートリッジ、及び電子写真画像形成装置は、長期間に渡って安定した画像形成が可能である。
本発明にかかる現像ローラの軸方向及び軸に直交する方向の断面図である。 本発明に係る現像ローラのSiO2偏在処理装置の説明図である。 抵抗測定装置の概略構成図である。 本発明に係る電子写真画像形成装置の断面図である。 本発明に係るプロセスカートリッジの断面図である。
本発明者らは、上述のとおり、現像ローラのシリコーンゴム及び導電性粒子を含有している導電性の弾性層の両端面にSiO2を偏在させ、高抵抗化することで、電流リークを抑制可能な現像ローラを実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。なお、以下において、簡便のため、現像ローラのシリコーンゴムを含む弾性層を、「シリコーンゴム弾性層」ということがある。
現像ローラの電流リークは、現像ローラに当接して用いられる他部材との間に設けられた電位差によって現像ローラに電流が流れ込み、現像ローラに印加される現像バイアスが変動して、ハーフトーン画像上に横スジが形成される現象である。現像ローラに流れ込む電流は、現像ローラ中央部に比較して端部で大きい。これは、現像ローラを構成する弾性層及び樹脂層の内部よりも、現像ローラ端面の方が、電流が流れやすいためである。従って、現像ローラ端面の抵抗を制御することが、電流リークの抑制に効果的である。
しかしながら、弾性層の端に弾性層とは別の高抵抗材料層を形成して、高抵抗化した場合、弾性層と高抵抗材料層との界面で電流が流れやすくなり、結果として、電流リークを抑制することが充分にできない。
そこで、弾性層の端面からの電流リークの抑制方法を鋭意検討した結果、弾性層をシリコーンゴムを含む材料で形成し、弾性層の軸方向端部にSiO2を偏在させ、該弾性層の軸方向端面を高抵抗化することにより、電流リークを効果的に抑制できることを見出した。すなわち、シリコーンゴム弾性層の端部に選択的に直流電流を印加した場合、シリコーンゴム中に不可避的に存在する低分子量のシロキサンが電気エネルギーにより燃焼して、弾性層の軸方向端部に二酸化ケイ素(SiO2)を生成する。これにより、弾性層は軸方向端部においてSiO2が偏在した状態となり、弾性層端面の電気抵抗を高めることとなる。弾性層の軸方向端部に印加する直流電流としては、0.1mA以上10mA以下の電流を印加することが好ましい。すなわち、該印加直流電流を上記範囲内とすることで、効率良く低分子シロキサンを燃焼させ、弾性層の軸方向端部においてシリコーンゴムとSiO2の混在状態をより好ましく形成できる。
さらに、シリコーンゴム弾性層の端面に形成するSiO2量を制御することが好ましい。具体的には、弾性層の端面にSiO2がシリコーンゴムに混在して形成される。この際、X線光電子分光法により該弾性層端面の表面で検出される全Si原子に対するSiO2に帰属されるSi原子の平均存在原子比Aが、下記式(1)を満足することが、電流リークの抑制、長期間にわたる使用での耐久性を両立する上で好ましい。
0.50≦A<1.00 式(1)
さらに、シリコーンゴム弾性層の端部へSiO2とシリコーンゴムの混在状態を形成するのは、シリコーンゴム弾性層の端部へ直流電流を印加することにより可能であり、その印加電流量をコントロールすることにより、混在状態も所望の範囲にできる。
さらに、弾性層の端部に直流電流を印加する前に、該端部を予め50℃以上120℃以下の温度で加熱しておくと、弾性層の端部のSiO2がより効率よく行われる。これは、シリコーンゴム弾性層中の未反応のシロキサンがシリコーンゴム表面に抽出し、SiO2の偏在がより促進されやすくなることによるものと推測される。すなわち、シリコーンゴム弾性層の端部を50℃以上にすることで、弾性層中のシロキサンを表面に抽出しやすくし、効率良くSiO2を形成することができる。また、120℃以下にすることで、熱によるシリコーンゴム弾性層の硬度が低下せず、耐久性を充分に得ることができる。
本発明の現像ローラを、感光体と、該感光体に当接して配置されている現像ローラとを具備するプロセスカートリッジに、現像ローラとして搭載することで、電流リークを抑制し、長期間にわたって安定した画像形成が可能である。なお、該プロセスカートリッジは、電子写真画像形成装置に脱着可能に構成されている。
また、本発明の現像ローラは、プロセスカートリッジにしなくても、感光体に当接して配置されている現像ローラと具備する電子写真画像形成装置に、現像ローラとして搭載することで、電流リークを抑制し、長期間にわたって安定した画像形成が可能である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<現像ローラ>
本発明にかかる現像ローラの一例の断面図を図1に示す。(a)は軸方向の、(b)は軸に直交する方向の断面図である。
現像ローラ10は、円柱状の軸芯体11、該軸芯体11の周囲に設けられたシリコーンゴム及び導電性粒子を含む材料で形成されている導電性の弾性層12及びその周囲に設けられた少なくとも1層の樹脂層13をこの順番で有する。また、樹脂層は、2層以上で形成されていても良い。そして、シリコーンゴム弾性層12の端面にはシリコーンゴムとSiO2が混在したSiO2が偏在した層(SiO2偏在部)14が形成されている。
軸芯体11の材料は、導電性であればとくに限定されず、炭素鋼、合金鋼及び鋳鉄、導電性樹脂の中から、適宜選択して用いることができる。合金鋼としては、ステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブテン鋼、クロム鋼、クロムモリブテン鋼、Al、Cr、Mo及びVを添加した窒化用鋼などが挙げられる。さらに防錆対策として軸芯体にめっき、酸化処理を施しておくこともできる。めっきの種類としては電気めっき、無電解めっきのいずれでもかまわないが、寸法安定性の観点から無電解めっきが好ましい。ここで使用される無電解めっきの種類としては、ニッケルめっき、銅めっき、金めっき、カニゼンめっき、その他各種合金めっきがある。ニッケルめっきの種類としては、Ni―P、Ni−B、Ni−W−P、Ni−P−PTFE複合めっきがある。めっきの膜厚はそれぞれ0.05μm以上であれば好ましいが、より好ましくは0.10μm乃至30.00μmである。また、上記においては、円柱状を示したが、十分な強度があれば円筒状であってもかまわない。さらに、径としては、3mm乃至10mmが適当であり、4mm乃至8mmが好ましい。
弾性層12は、シリコーンゴムを含む材料から形成される。なお、シリコーンゴムは単独であっても、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムから選択される一種以上と組み合わせてあっても良い。
シリコーンゴムとしては、現像ローラの弾性層形成に用いられるものならばいずれでも使用可能であり、具体的には以下のものが挙げられる。ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリトリフルオロプロピルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサン、これらポリシロキサンの構成単位を複数からなる共重合体。
弾性層12の厚さは、現像ローラ10に充分な弾性を与えるために0.5mm乃至10.0mmであることが好ましい。弾性層12の厚さを0.5mmあれば、現像ローラ10が充分な弾性を有し、感光体を摩耗することが抑制される。なお、弾性層12の厚さは現像剤の搬送に支障がない限り、特に制限はないが、コスト等から考えて、10.0mmにすることが好ましい。
弾性層12の硬さは、Asker−C硬度で10度乃至80度であることが好ましい。弾性層12の硬さが10度以上であると、弾性層の変形に起因する画像不良の発生が抑制され、80度以下であると感光体の摩耗が抑制される。なお、以下に記載する樹脂層を設けた後の現像ローラで測定したMD−1硬度が所定範囲内あると、この弾性層12自体の硬さは確認する必要はない。
弾性層12には、シリコーンゴムが有する低硬度及び低圧縮永久歪の特性を阻害しない範囲内で、充填剤を添加しても良い。充填剤としては、具体的に、以下のものを挙げることができる。石英微粉末、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、ケイソウ土、酸化亜鉛、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤など。これらの充填剤は、有機珪素化合物、例えば、ポリジオルガノシロキサンで処理して、表面が疎水化されてあっても良い。
弾性層12を導電化する手段としては、イオン導電機構、又は電子導電機構による導電剤を上記材料に添加することにより導電化する手法が挙げられる。
イオン導電機構による導電剤としては、以下のものが挙げられる。LiCF3SO3、NaClO4、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCN、NaClなどの周期律表第1族金属の塩、NH4Cl、(NH42SO4、NH4NO3などのアンモニウム塩、Ca(ClO42、Ba(ClO42などの周期律表第2族金属の塩、これらの塩と1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールの多価アルコールやそれらの誘導体との錯体、これらの塩とエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルのモノオールとの錯体、第4級アンモニウム塩の陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩の陰イオン性界面活性剤、ベタインの両性界面活性剤など。
また、電子導電機構による導電剤としては以下のものが挙げられる。カーボンブラック、グラファイトなどの炭素系物質、アルミニウム、銀、金、錫−鉛合金、銅―ニッケル合金などの金属或いは合金、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化銀などの金属酸化物、各種フィラーに銅、ニッケル、銀などの導電性金属めっきを施した物質。
これらイオン導電機構、電子導電機構による導電剤は粉末状や繊維状の形態で、単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。導電剤としては、この中でも、カーボンブラックは導電性の制御が容易であり、また経済的であるといった観点から好適に用いられる。
樹脂層13は、例えば、軸芯体11の外周に上記弾性層用の材料を、軸芯体を内蔵する円筒金型に注入し、硬化することによって製造された弾性層を有するローラに、樹脂層用の原料塗布液を塗布・硬化することによって製造される。例えば、ディッピング法、スプレーコーティング法、ロールコート法といった一般的な方法を用いて、樹脂層用の原料塗布液を弾性層上に塗布した後、加熱硬化を行うことによって樹脂層を得ることができる。
樹脂層13として用いられる材料としては、以下のものが挙げられる。エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、珪素樹脂、ポリエステル樹脂、スチロール系樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、繊維素系樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリルウレタン樹脂、水系樹脂。また、これらを2種類以上組み合わせて使用することも可能である。この中でも特に含窒素化合物であるウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂を用いることがトナーを安定して帯電させられることから好ましく、中でもイソシアネート化合物とポリオールを反応させて得られるウレタン樹脂からなることがより好ましい。
イソシアネート化合物としては、以下のものが挙げられる。ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、カルボジイミド変性MDI、キシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート。また、これらの混合物を用いることもでき、その混合割合はいかなる割合でもよい。
また、ここで用いるポリオールとしては、以下のものが挙げられる。2価のポリオール(ジオール)として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコール;3価以上のポリオールとして、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール。さらに、ジオール、トリオールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを付加した高分子量のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロックグリコールといったポリオールも使用可能である。また、これらの混合物を用いることもでき、その混合割合はいかなる割合でもよい。
さらに、これらの樹脂層13に導電性を付与して使用することができる。導電性を付与する手法としては上記弾性層12の導電化と同様の手法を用いることが可能である。
樹脂層13の厚さは、1.0μm乃至500.0μmが好ましく、1.0μm乃至50.0μmがより好ましい。樹脂層13を1.0μm以上にすることで、耐久性を与えることができる。また、樹脂層13を500.0μm以下、さらに好ましくは50.0μm以下にすることで、現像ローラ10のMD−1硬度(後述する)が高くなりすぎることもなくでき、トナーの固着を抑制できる。樹脂層を複数層形成する場合は、複数層全体の厚さを上記範囲にすることが望ましい。
樹脂層13の厚さは、例えば、キーエンス株式会社製のデジタルマイクロスコープVHX−600(商品名)を用いて樹脂層の厚み方向の断面を観察し、樹脂層表面の平坦部から弾性層との界面までの平均距離のことである。
現像ローラ10のMD−1硬度は、25.0°乃至40.0°とすることが好ましい。この範囲であると、トナーの固着と当接部材による変形を効果的に抑制できる。ここで、MD−1硬度は、高分子計器株式会社製のマイクロゴム硬度計MD−1型(商品名)を用いて、温度23℃、湿度50%RHの環境で測定した硬さ(マイクロゴム硬度)のことである。
現像ローラ10の表面粗さは、トナーの搬送力に大きく影響するので、JIS B 0601:2001における算術平均粗さRaが0.05μm乃至3.00μmであることが好ましい。Raを0.05μm以上にすることで、トナーの搬送力を得ることができ、画像濃度の低下やゴーストといった画像品質の低下を抑制することができる。また、Raを3.00μm以下とすることで、かぶりやガサツキといった画像品質の低下を抑制することができる。
表面粗さを制御する手段としては、樹脂層13に所望の粒径の粒子を含有させることが有効である。また、樹脂層の形成前後に、適宜研磨処理を施すことにより所望の表面粗さに形成することも可能である。その場合、弾性層のみを形成する場合には、弾性層を形成後に研磨処理を施せば良い。弾性層を複数層形成する場合には、全弾性層を形成後に研磨処理を施せば良い。また、弾性層と樹脂層を形成する場合には、弾性層を形成後に研磨処理を施した後に樹脂層を形成しても、樹脂層を形成後に研磨処理を施しても良い。
樹脂層13に含有させる粒子には、粒径0.1μm乃至30.0μmの金属粒子及び樹脂粒子を用いることができる。中でも、柔軟性に富み、比較的比重が小さくて塗料の安定性が得やすい樹脂粒子がより好ましい。そのような樹脂粒子としては、ウレタン粒子、ナイロン粒子、アクリル粒子、シリコーン粒子を挙げることができる。これらの樹脂粒子は単独で、又は複数種を混合して使用することができる。樹脂層を複数層形成する場合、複数層全てに粒子を含有させても良いし、複数層のうちの少なくとも一層に粒子を含有させても良い。
SiO2偏在部14は、図1に示すように、弾性層12の両端面に形成される。
SiO2偏在部14の厚さは、0.05μm以上10μm以下であることが好ましい。該厚さを0.05μm以上にすることでリーク抑制効果を充分に得ることができる。また、該厚さを10μm以下にすることで、端部の局所的なチャージアップに起因する現像剤規制ブレードへのトナー固着の発生を抑制できる。
SiO2偏在部14の厚さは、TEM(透過電子顕微鏡)などの方法を用いて測定する。
弾性層12の両端面を切り出した後、ミクロトームで切削し、100μm角、厚さ100nmのSiO2偏在部14の断面を含む薄片を作製する。この試料を、透過電子顕微鏡(商品名:H−7500、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて10000倍の倍率で観察し、SiO2偏在部14の厚さを確認する。
SiO2偏在部14は、X線光電子分光法により検出される、全Si原子に対するSiO2に帰属されるSi原子の平均原子比Aが0.50≦A<1.00を満足することが好ましい。SiO2に帰属される以外のSi原子としては、弾性層12を構成するシリコーンゴムに帰属されるSi原子が主に挙げられるが、それ以外にもシリコーンゴム中に含まれる環状ポリシロキサンに帰属されるSi原子が挙げられる。
SiO2偏在部14は、弾性層と樹脂層を形成した後、後述の方法で弾性層端部に直流電流を印加することにより、弾性層に含まれるシリコーンゴムをSiO2に変化させて形成することが可能である。しかしながら、シリコーンゴムとSiO2の混在状態を形成できれば、とくに制限されるわけではない。
<シリコーンゴム弾性層端面にSiO2を偏在させる方法>
シリコーンゴム弾性層の端面にSiO2を偏在させ、SiO2偏在部の形成に用いる装置(SiO2偏在処理装置)の一例について、その説明図を図2に示す。なお、(a)は長手方に平行な断面図であり、(b)は側面図である。
この装置20は、現像ローラ10の軸芯体11に接続された直流電源21と電流計22、アースに接続されたAl製のアース電極23により構成されている。アース電極23は、現像ローラ10の端部に当接するように構成されている。アース電極23の形状は、弾性層端部に所望の直流電流を印加できればとくに制限はされない。
例えば、アース電極23は、外径6mmの軸芯体11に弾性層及び樹脂層を形成した外径12mmの現像ローラ10に対して、内径12mm、厚さ1mm、長さ5mmの円筒の片端に、直径10mmの円をくり抜いた円板を接合したものとすることができる。アース電極23は、少なくとも現像ローラ10の端面の最外周部分が当接し、弾性層端部に電流を印加できれば良い。直流電源21として、例えば、小型電源PL−650−0.1(商品名、松定プレシジョン株式会社製)を使用できる。
次に、弾性層端面にSiO2を偏在させる操作手順について説明する。温度23℃、湿度50%RHの環境に設置した装置20に、現像ローラ10を弾性層の端面がアース電極23に当接するように設置する。次に、現像ローラ10の軸芯体11に直流電源21と電流計22を接続する。その後、軸芯体11に電圧を印加し、弾性層端部に必要な直流電流が印加されるように電圧を調整した後、シリコーンゴムのSiO2の偏在処理が十分進行したら直流電源21を停止する。なお、電圧、直流電流量、印加時間等は、SiO2の形成量に応じて適宜調整する。
本発明においては、直流電流印加に先立って、弾性層端面を予め加熱しておいても良い。その場合、50℃以上120℃以下の温度に加熱した後、弾性層端部に直流電流を印加することがより好ましい。熱源はとくに制限されないが、赤外線ハロゲンランプがコスト、昇温速度の点で好ましい。
以上のような方法により、弾性層の端部でシリコーンゴムをSiO2に変化させることにより、弾性層端面にSiO2とシリコーンゴムが混在した状態(SiO2偏在部14)が形成され、弾性層端面が高抵抗化される。
<現像ローラの端部の高抵抗化の測定方法>
弾性層端面が高抵抗化しているか否かは、例えば、図3に示すような抵抗測定装置30を用いて確認することができる。
該抵抗測定装置30は、金属電極31を3ヶ所に備えた電極ローラ32、現像ローラ10の軸芯体11に接続できる直流電源33、金属電極31それぞれに接続された内部抵抗34及び電圧計35により構成される。金属電極31は、Al製の幅5mmの円筒形状であり、現像ローラ10の両端部と中央部の計3箇所に対向する位置に設けられる。電極ローラ32は、金属電極31以外は絶縁部材で構成され、不図示の駆動モーターにより回転駆動が可能である。なお、直流電源33には、例えば、小型電源PL−650−0.1(商品名、松定プレシジョン株式会社製)が使用できる。また、電圧計35には、例えば、デジタルマルチメーター フルーク83(商品名、フルーク社製)が使用できる。
次に、現像ローラの端部の高抵抗化の測定手順について説明する。温度23℃、湿度50%RHの環境に設置した抵抗測定装置30に、現像ローラ10を電極ローラ32に荷重をかけて圧接して設置する。荷重は、軸芯体11の両端に各500gの荷重(4.9N)をし、計1kgの荷重(9.8N)とした。次に、電極ローラ32を回転駆動して回転数を調整し、従動して回転する現像ローラ10の回転数が32rpmになるように調整する。直流電源33より軸芯体11に50Vの電圧を印加する。このとき、現像ローラ10の両端部及び中央部の抵抗値を以下の方法で測定する。金属電極31のそれぞれに接続された内部抵抗34の両端の電圧Vrを電圧計35により測定する。内部抵抗34の抵抗値R[Ω]は、電圧計35で測定される電圧が0.1〜1Vになるように、適宜選択する。測定電圧Vr[V]は、電圧印加後3秒後から3秒間の平均値とする。現像ローラ10の両端部及び中央部の幅5mmの抵抗値Rr[Ω]を下記式(3)によりそれぞれ求める。
Rr=R×(50/Vr−1) 式(3)
現像ローラ10の両端部2ヶ所の平均値を両端部の抵抗値とし、中央部の抵抗値と比較して両端部の方が中央部よりも抵抗値が高い場合を、現像ローラの弾性層の端面が高抵抗化したと判断する。
<弾性層端面のX線光電子分光法によるSiO2の分析>
弾性層端面にSiO2か偏在している程度を、弾性層の端面をX線光電子分光法によりSiO2の定量分析することにより行う。試料は、測定する現像ローラの弾性層端面から、弾性層を2mm角、深さ3mmで切り出して作製する。測定装置として、例えば、X線光電子分光装置(商品名:Quantum2000、アルバック・ファイ株式会社製)を用いることができる。試料を該X線光電子分光装置に載置して組成分析を行う。ここで、分析領域は弾性層端面のφ100μmの範囲とし、X線源にはAl Kα(15kV、25W)を用いる。具体的には、Siの2p軌道の結合エネルギーに起因するピークの測定を行い、SiO2に帰属されるSiのピークを103.5eV、Si−Oに帰属されるSiのピークを102.5eVとしてピーク分離を行う。ピーク分離したそれぞれの波形の面積比より、SiO2に帰属されるSi原子とSi−Oに帰属されるSi原子の比率を求めた。SiO2に帰属されるSi原子とSi−Oに帰属されるSi原子の総和を検出された全Si原子とし、全Si原子に対するSiO2に帰属されるSi原子の平均原子比Aを算出した。本発明では、この平均原子比Aは、現像ローラ端面を各3箇所、計6箇所測定し、その平均値とする。
ここで、全Si原子に対するSiO2に帰属されるSi原子の平均原子比Aが1の場合は、弾性層の端面がSiO2で全面被覆されていることを意味する。また、同じく平均原子比Aが0の場合には、SiO2が形成されていないことを意味する。
本発明では、平均原子比Aが、0.00<A<1.00を満足すること、すなわち、SiO2がシリコーンゴムに混在して形成されていることが好ましく、さらには、下記式(1)を満足することがより好ましい。
0.50≦A<1.00 式(1)
<電子写真画像形成装置>
図4は本発明の現像ローラを搭載する電子写真画像形成装置の一例の概略を示す断面図である。本電子写真画像形成装置400は、イエロートナー、マゼンダトナー、シアントナー、ブラックトナーのトナー毎に画像形成ユニットa、b、c、dが設けられた、タンデム形式のカラー画像形成装置である。画像形成ユニットには矢印方向に回転する静電潜像担持体としての感光体401が設けられている。感光体の周囲には、感光体の帯電装置407、帯電させた感光体にレーザ光406を照射して静電潜像を形成する露光手段、静電潜像が形成された感光体にトナーを供給し現像する現像装置405が設けられている。また、給紙ローラ419により供給される紙等の記録材418を搬送する転写搬送ベルト416が駆動ローラ412、従動ローラ417、テンションローラ415に懸架されて設けられている。転写搬送ベルト416には吸着ローラ420を介して吸着バイアス電源421から電荷が印加され、記録材418を表面に静電気的に付着して搬送される。転写搬送ベルト416の裏面に配置される転写ローラ413には、各画像形成ユニットの感光体上のトナー像を、転写搬送ベルト416によって搬送される記録材418に転写するための電荷を印加する転写バイアス電源414が接続されている。各画像形成ユニットにおいて形成される各色のトナー像は、画像形成ユニットに同期して可動される転写搬送ベルト416によって搬送される記録材418上に、順次重畳して転写されるようになっている。更に、記録材418上に重畳転写したトナー像を加熱などにより定着する定着装置411、画像形成された記録材418を装置外に排出する搬送装置(不図示)が設けられている。
画像形成ユニットは、感光体上の転写残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング装置408を有する。上記画像形成ユニットに設けられる現像装置405には、一成分現像剤として非磁性トナーとそれを収容しているトナー容器403と、トナー容器の開口を閉塞するように設置され、トナー容器から露出した部分で感光体と対向するように現像ローラ10が設けられている。そして、本発明に係る画像形成装置ユニットは、該現像ローラとして上記で説明した現像ローラを具備する。
トナー容器403内には、現像ローラ10にトナーを供給すると同時に、現像後現像ローラ上に使用されずに残留するトナーを掻き取るためのトナー供給ローラ402が向けられている。さらに、トナー容器403には、現像ローラ10上のトナーを薄層状に形成すると共に、摩擦帯電するSUS304製の現像剤規制ブレード404が設けられている。これらはそれぞれ現像ローラ10に当接配置されている。現像剤規制ブレード404には現像剤規制ブレードバイアス電源409が接続され、現像ローラ10には現像ローラバイアス電源410が接続され、画像形成時において、現像剤規制ブレード404と現像ローラ10にはそれぞれ電圧が印加される。現像剤規制ブレードバイアス電源409からは、現像ローラバイアス電源410から出力される電圧より50V乃至400V低い電圧が出力される。この電圧差は、現像ローラ10上に供給される現像剤の供給量及び摩擦帯電量を考慮して適宜設定される。
本発明では、感光体401と共に、帯電部材407、現像装置405及びクリーニング装置408のいずれかを組み合わせ、電子写真プロセスカートリッジとすることも可能である。図5に、本発明の現像ローラを搭載する電子写真プロセスカートリッジの一例の概略の断面図を示す。プロセスカートリッジ500は、感光体401、帯電部材407、現像装置405及びクリーニング装置408を有し、これらが一体化されて電子写真画像形成装置本体に着脱自在に構成されている。現像装置405としては上記電子写真画像形成装置で説明したものと同様のものが使用できる。すなわち、現像装置405に設けられる現像ローラとして、上記で説明したものを用いる。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
[実施例1]
<現像ローラの作製>
以下の手順により、円柱状の軸芯体(直径6mm、長さ279mmのSUS304製)の周囲に、被覆層として弾性層と樹脂層を1層ずつ設け、さらにSiO2偏在部を有する現像ローラを作製した。
まず、次の材料を混合し液状シリコーンゴムのベース材料を得た。
・両末端にビニル基を有する温度25℃における粘度が100Pa・sのジメチルポリシロキサン 100質量部。
・充填剤として石英粉末(Pennsylvania Glass Sand社製、商品名:Min−USil) 7質量部。
・カーボンブラック(電気化学工業株式会社製、商品名:デンカブラック、粉状品) 8質量部。
このベース材料に、硬化触媒として白金化合物を微量配合したものと、オルガノハイドロジェンポリシロキサン3質量部を配合したものをそれぞれ作成し、質量比1:1で混合して、液状シリコーンゴム材料を得た。
内径12mmの円筒型金型内の中心部に軸芯体を配置し、円筒型金型内に注入口からこの液状シリコーンゴムを注入し、温度120℃で5分間加熱硬化し、室温まで冷却した後、軸芯体と一体となった弾性層を脱型した。さらに温度150℃で4時間加熱して硬化反応を完了させ、厚さ3mmのシリコーンゴムを主成分とする弾性層を軸芯体の外周面上に設けた。その後、軸芯体を回転軸として30rpmで回転させながら、波長172nmの紫外線を照射可能な細管エキシマランプ(ハリソン東芝ライティング製)により、積算光量が120mJ/cm2となるように弾性層表面を照射処理した。照射時の弾性層表面とエキシマランプの距離は2mmであった。
まず、ポリテトラメチレングリコール100質量部とイソシアネート成分21.2質量部をメチルエチルケトン(MEK)中で段階的に混合し、窒素雰囲気下に80℃で6時間反応して、2官能のポリウレタンプレポリマーを得た。なお、ポリテトラ目チレングリコールは、商品名:PTG650SN、数平均分子量Mn=1000、f=2(fは官能基数を表す。以下同じ。)である保土谷化学株式会社製のものである。また、イソシアネート成分は、商品名:ミリオネートMT、(MDI)、f=2、日本ポリウレタン工業株式会社製のものである。また、得られたポリウレタンプレポリマーは、重量平均分子量Mw=10000、水酸基価20.0(mg・KOH/g)、分子量分散度Mw/Mn=2.9、Mz/Mw=2.5であった。
このポリウレタンプレポリマー100.0質量部にポリイソシアネート(商品名:コロネート2521、日本ポリウレタン工業株式会社製)35.0質量部を加えて、NCO当量を1.4となるようにした。なお、NCO当量は、イソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル数とポリオール成分中の水酸基のモル数との比([NCO]/[OH])を示すものである。
さらに、カーボンブラック(商品名:#1000、pH3.0、三菱化学株式会社製)を22.0質量部添加し、次いでMEKを加え、20μm前後の膜厚が得られるように固形分20質量%乃至30質量%の範囲で適宜調整した。その後、ウレタン樹脂粒子(商品名:C400透明、直径14μm、根上工業株式会社製)を21.0質量部加え、均一分散、混合し、樹脂層の原料液を得た。
この樹脂層の原料液中に、上記の弾性層表面を照射処理したローラを浸漬した後、引上げて自然乾燥させた。次いで、温度140℃にて60分間の加熱処理を行い、樹脂層の原料液を硬化させて、平均20.0μmの膜厚の樹脂層を形成した。その後、被覆層の長さが235mmになるように両端部を軸芯体に垂直に切取って、SiO2偏在処理用現像ローラを得た。
その後、前述のSiO2偏在処理装置にSiO2偏在処理用現像ローラを設置して、赤外線ハロゲンランプを用いて弾性層端面を80℃の温度に加熱した後、弾性層端部に直流電流1mAが印加されるように電圧を調整し、直流電流を30秒間印加した。
このようにして、外径が約12mm、被覆層の長さ235mm、算術平均粗さRaが1.5μmの現像ローラを作製した。
<現像ローラの評価>
前述の現像ローラの端部の高抵抗化の測定方法にて抵抗を測定した結果、現像ローラの両端部の抵抗値は1.0×107Ω、中央部の抵抗値は2.0×106Ωであった。従って、現像ローラの両端部の方が中央部よりも抵抗値が高く、現像ローラ端面が高抵抗化していることが確認できた。
前述の弾性層端面のX線光電子分光法によるSiO2の分析に従い、弾性層端面のSiO2の定量分析を行った。その結果、全Si原子に対するSiO2に帰属されるSi原子の平均原子比Aは0.75であり、SiO2がシリコーンゴムに混在して形成されていることが確認できた。
前述の弾性層端面のSiO2偏在部14の厚さの評価方法にてSiO2偏在部14の厚さを確認した。その結果、弾性層端面のSiO2偏在部14の厚さは0.8μmであった。
温度23℃、湿度50%RHの環境に設置した高分子計器株式会社製のマイクロゴム硬度計MD−1型(商品名)を用いて測定したマイクロゴム硬度を、現像ローラの中央位置、及び両端部から30mm位置の計3点を測定した。その平均値を求めて、本現像ローラのMD−1硬度を求めた結果、MD−1硬度は36.1であった。
さらに、同じ条件で作製した現像ローラを用い、電子写真画像形成装置で画像評価(リーク評価)を行った。電子写真画像形成装置には、Hewlett−Packard社製 Color Laser Jet3600(商品名)を用いた。プロセスカートリッジは専用のブラック用のものを用い、このプロセスカートリッジの現像ローラを上記で作製したものとすると共に、現像剤規制ブレード408をSUS304製の厚さ100μmのものに交換した。さらに、現像剤規制ブレードバイアス電源413からは、現像ローラバイアス電源414から出力される電圧よりも300V低い電圧を、現像剤規制ブレード408に供給して評価画像の出力をした。
(リーク評価)
上記改造プロセスカートリッジを画像形成装置本体のブラック用ポジションに搭載し、温度15℃、湿度10%RHの環境に24時間放置した。同環境において、最初に初期のハーフトーン画像を出力した。その後、印字率が2%の画像を20000枚連続で出力した後、耐久後のハーフトーン画像を出力した。それぞれのハーフトーン画像より、以下の方法でリーク評価を行った。リークは、ハーフトーン画像上の横スジの有無を目視で判断した後、反射濃度計(商品名:GreatagMacbeth RD918、マクベス社製)を用いて、横スジ部と正常部の濃度差を測定し、以下の基準により評価した。
A:横スジは確認されない。
B:極軽微な横スジが確認されるが、濃度差は0.03未満である。
C:横スジが確認され、濃度差が0.05以上0.1未満である。
D:横スジが確認され、濃度差も0.1以上である。
以上の評価結果を、表1に示す。
[比較例1]
実施例1で作製したSiO2偏在処理用現像ローラをそのまま現像ローラとして用い、実施例1と同じ評価を行った。なお、現像ローラの両端部の抵抗値は1.0×106Ω、中央部の抵抗値は2.0×106Ωであった。また、全Si原子に対するSiO2に帰属されるSi原子の平均原子比Aは0.00であった。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
SiO2偏在処理装置による処理の代わりに、スパッタリング装置により弾性層端面に直接SiO2層を形成した以外は、実施例1と同様にして現像ローラを作製し、以下、実施例1と同じ評価を行った。
SiO2層の形成には、スパッタリング装置(商品名:E−200S、キヤノンアネルバエンジニアリング株式会社製)を用い、SiO2ターゲットを用いて、1μmの膜厚で均一にSiO2層を形成した。また、この現像ローラの両端部の抵抗値は3.0×107Ω、中央部の抵抗値は2.0×106Ωであり、弾性層端面は高抵抗化していた。また、全Si原子に対するSiO2に帰属されるSi原子の平均原子比Aは1.00であった。評価結果を表1に示す。
[実施例2乃至9]
SiO2の偏在処理において、印加する直流電流、直流電流印前の弾性層端面の加熱温度をそれぞれ表1に示す様に変更以外は、実施例1と同様にして現像ローラを作製し、以下、実施例1と同じ評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 0005495768
10 現像ローラ
11 軸芯体
12 弾性層
13 樹脂層
14 SiO2偏在部

Claims (5)

  1. 軸芯体と、シリコーンゴムおよび導電性粒子を含有している導電性の弾性層と、樹脂層とをこの順番で具備している現像ローラであって、
    該弾性層の軸方向端部に二酸化ケイ素が偏在し、該弾性層の端面の電気抵抗が高められていることを特徴とする現像ローラ。
  2. 請求項1に記載の現像ローラの製造方法であって、
    シリコーンゴム及び導電性粒子を含有している導電性の弾性層の周面に樹脂層を形成した後、該弾性層の軸方向端部に直流電流を選択的に印加して、該弾性層に含まれるシロキサンを燃焼させて二酸化ケイ素を該弾性層の端部に生成させる工程を含むことを特徴とする現像ローラの製造方法。
  3. 前記弾性層の軸方向端部への直流電流の印加に先立って、該弾性層の軸方向端部を予め50℃以上120℃以下に加熱する請求項2に記載の現像ローラの製造方法。
  4. 感光体と、該感光体に当接して配置されている現像ローラとを具備している、電子写真画像形成装置の本体に脱着可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、
    該現像ローラが請求項1に記載の現像ローラであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  5. 感光体と、該感光体に当接して配置されている現像ローラとを具備する電子写真画像形成装置において、該現像ローラが請求項1に記載の現像ローラであることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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