JP5488098B2 - 耐酸廃レンガの処理方法 - Google Patents
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Description
銅精鉱の主成分をCuFeS2とした例においては、酸化溶融製錬反応は以下のように進行すると考えられる。すなわち、先ず銅精鉱が(1)式に従って銅の硫化物と鉄の硫化物となる。
4CuFeS2→ 2Cu2S+2FeS+2FeS2・・・・・(1)
鉄の硫化物のうち二硫化鉄(FeS2)はさらに酸化されて(2)式に従って硫化鉄(FeS)となる。
2FeS2+2O2→ 2FeS + 2SO2・・・・・(2)
こうしてできた硫化鉄(FeS)は、(3)式に従ってさらに酸化されるとともにフラックス中の珪酸と結合して鉄珪酸塩となる。
4FeS+6O2+4SiO2→2Cu2S+4FeOSiO2+6SO2
・・・・・(3)
つまり上記(1)式から(3)式までの左右各編を加えると、銅精鉱の製錬反応は以下の(4)式で代表される。
4CuFeS2+4SiO2+8O2
→ 2Cu2S+4FeOSiO2+6SO2・・・・・・(4)
この際、炉内での反応に伴って発生する多量の亜硫酸ガス(SO2)は、硫酸工場へ導入して酸化して三酸化硫酸ガス(SO3)に転化した後、水に溶かして硫酸製造の原料とされる。銅精鉱の主成分が上記とは別の化学式形態をとる場合でも、製錬反応にともなってSO2が多量に発生することは同様である。
吸収塔の内張りに使用されている耐酸レンガは、設備の更新時にレンガの張替え作業が行なわれるので、設備の状態にもよるが、更新されて廃棄物となった耐酸レンガ(以下、耐酸廃レンガという場合がある)は20〜30年に1回、約100t規模で発生する。
耐用年数経過後に更新されて廃棄物となった耐酸レンガを、産業廃棄物として処分すると高額な処理費用が必要となり経済的損失を招く。
硫酸製造工程で使用された耐酸廃レンガは比重が小さく、上記先行文献にあるようにカラミ選鉱工程に混ぜて処理すると、比重差が大きく、スラリーにした際に分離し、配管を閉塞させたりシックナーにて比重の小さい耐酸廃レンガの沈降を阻害する問題がある。
耐酸廃レンガを処理する際に、耐酸廃レンガとフラックス用の珪酸鉱との混合割合が、その珪酸鉱に対して重量比で3%以下となるように耐酸廃レンガを珪酸鉱原料と混合し、湿式粉砕により、粉末状に粉砕して、銅製錬工程のフラックス原料として使用することとした。この方法によれば安価で産業廃棄物を出さずに効率的に処理できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、耐酸廃レンガをフラックス用珪酸鉱原料と混ぜ、ジョークラッシャーなどで
粗破砕し、さらにボールミルによって粒径が50〜100μmの粉末状になるように粉砕
することで、自熔炉でのフラックス用珪酸鉱原料として供給することができる。
本発明においては、耐酸廃レンガと珪酸鉱との混合割合は、重量比で珪酸鉱に対して3重量%以下の割合とするのが重要であり、1重量%以下の割合とするのがより好ましい。
前記珪酸鉱としては、硅石を使用することができる。
好ましい操業状態では、マット中のCu分は64〜69重量%、Fe分は10〜15重量%、Sは18〜22重量%程度である。また、好ましいカラミとは、Cu含有量が0.65〜0.90重量%、Fe含有量が40〜44重量%、SiO2 含有量が26〜30重量%で、Fe/SiO2 (モル比 )が1.0〜1.4程度である。
このようなカラミの好ましい組成は、SiO2:26〜28重量%、 Al2O3:4〜8重量%、MgO:24〜28重量%、CaO:2〜5重量%程度である。FeはFe3O4を生成するとカラミ融点が高くなり、半溶融状態のまま炉内に残留するので、Cuの巻き込みが多くなったり操業上の支障を来すようになるので、表面に粉炭を供給したり銑鉄を添加してFe3O4をFeOに還元するのが有効である。また、カラミ中のMgOやCaOもカラミの融点を高めて流動性を悪化させる。Al2O3は中性成分として作用する。カラミ中にはこの他に金、銀、鉛、亜鉛、アンチモン、ビスマス等の有用金属を含むので、さらに精製工程に移して回収する。
カラミ中のMgO、CaOやAl2O3、Cr2O3を目標値に抑えるためには、耐酸廃レンガの配合量は多くとも硅石鉱原料の3重量%以下とするのが限度である。耐酸廃レンガの配合量が3重量%を越えるとMgO、CaOやAl2O3等の脈石成分が多くなり、カラミの融点や粘度が上昇し、操業に支障を来す恐れがある。耐酸廃レンガの発生が十数年に一度であるため、この程度の耐酸廃レンガの使用量でも再利用しながら処分可能な量である。尚、前記耐酸レンガの代表的な組成は、SiO2:74重量%以上、Al2O3:14重量%以上、MgO・CaO:2重量%程度である。廃レンガとなっても、この組成に大きな変動はない。
珪酸鉱は自溶炉で銅精鉱とともに酸素付加空気で炉内に吹き込み、基本的には燃料を使用しないで溶解させねばならないので、50〜100μmと充分細かい粒径にしておく必要がある。この粒径の粉末を得るには、上記したとおり、75μmの篩目を60〜80重量%が通過できるように粉砕すれば良い。
珪酸鉱としては、一般に硅石を使用する。
尚、破砕や粉砕工程のうち、前記均一な混合状態を維持するのがもっとも困難なのは、ボールミルを使用した湿式粉砕が工程である。通常操業においては、連続式のボールミルが使用されており、内容物が均一な混合状態であることを前提に操業されている。このため、ボールミルの回転によって比重の小さな粉末と比重の大きな粉末とが、2層にわかれると、比重の小さな粉末は、所定の湿式粉砕を受けずにボールミルから排出され、その結果ボールミルから排出される粉末に、0.5〜1.5mm程度の粗粒が目視でも判別できる程度に混入する。
このため、前記耐酸廃レンガと珪酸鉱との混合割合は、珪酸鉱に対して重量比で3%以下とすることが重要である。この重量比が3%を超えると、前記均一な混合状態を維持することが困難となり、粗粒が多量に発生し、75μmの篩目で60重量%以上を通過させることができなくなるからである。
発明者らは、耐酸廃レンガの配合量は多くとも硅石鉱原料の3重量%以下とすることによって、組成上の要請と、粒径の要請の両方を満たすことができるので、本発明の効果が発現するものと考えている。
以上説明したとおり、本発明によれば、廃棄処分が必要な廃耐酸レンガを産業廃棄物として処分するのではなく、安価かつ効率的に処分することができる。
以上のように、実施例1においては、極めて安定した良好な操業を維持しつつ、耐酸廃レンガをフラックス用原料として利用することができた。
その結果、ボールミルによる湿式粉砕において、均一な混合状態は保たれており、粉砕後の粉末に0.5〜1.5mmといった粗粒の発生は見られなかった。尚、75μmの篩目を65〜70重量%が通過した。
その結果、実施例1と同様、安定した操業を維持しつつ、耐酸廃レンガをフラックス用原料として利用することができた。
その結果、ボールミルによる湿式粉砕において、ほぼ均一な混合状態は保たれていた。粉砕後の粉末に0.5〜1.5mmといった粗粒の発生が見られたが、ごく僅かであり、75μmの篩目を60〜65重量%が通過した。
また、マット成分やカラミ成分は実施例1と同様、安定した操業を維持しつつ、耐酸廃レンガをフラックス用原料として利用することができた。
耐酸廃レンガ10.0トンに対して硅石300トンの割合で混合(混合割合3.3重量%)した以外は、実施例1と同様の操業を行った。
その結果、ボールミルによる湿式粉砕において、均一な混合状態の維持が困難で、粉砕後の粉末に0.5〜1.5mmといった粗粒が多く発生し、75μmの篩目を50〜65重量%しか通過させることが出来なかった。
また、前記した粉砕後の粉末から粗粒を取り除いて、引き続き操業をおこなった。その結果、マット成分は安定状態の範囲内であったが、カラミ成分のうち、例えばカラミ中のCu分は1.0重量%を超えており、目標成績を達成した安定操業を維持することができなかった。
Claims (2)
- 銅製錬プラントにおける硫酸製造工程から発生する耐酸廃レンガを処理するに際し耐酸廃レンガと珪酸鉱との混合割合が、前記珪酸鉱に対して重量比で3%以下となるように耐酸廃レンガを珪酸鉱と混合し、湿式粉砕により、粒径が50〜100μmの粉末状に粉砕して、銅製錬工程の自溶炉のフラックスとして使用することを特徴とする耐酸廃レンガの処理方法。
- 前記珪酸鉱が硅石であることを特徴とする請求項1に記載の耐酸廃レンガの処理方法。
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