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JP5473343B2 - セロトニン化合物、チロシナーゼ阻害剤及び美白化粧料 - Google Patents

セロトニン化合物、チロシナーゼ阻害剤及び美白化粧料 Download PDF

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JP5473343B2 JP2009017757A JP2009017757A JP5473343B2 JP 5473343 B2 JP5473343 B2 JP 5473343B2 JP 2009017757 A JP2009017757 A JP 2009017757A JP 2009017757 A JP2009017757 A JP 2009017757A JP 5473343 B2 JP5473343 B2 JP 5473343B2
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Description

本発明は、チロシナーゼ阻害活性を有するセロトニン化合物、該化合物を有効成分として含有するチロシナーゼ阻害剤、及び美白化粧料に関する。
しみ・そばかす及び日焼け後の肌への色素沈着は、加齢に伴い発生、増加、或いは消失しにくくなり、中高年齢層にとって悩みとなっている。これらの色素沈着症の発症機構は未だ解明されていないが、太陽光線、特に紫外線やメラノサイト刺激ホルモン等の作用により表皮メラノサイトのメラニン合成機構が亢進するためであると考えられている。
また、表皮角化細胞(ケラチノサイト)の加齢に伴う角化遅延もメラニンの表皮外への排泄速度を遅延させ、メラニン合成能の亢進と合わせて、表皮内のメラニン顆粒密度の増加、即ち臨床的に色素沈着が増加する症状を発現させるものと考えられている。更にそれらの色素沈着部は局部的に存在し、周囲の正常皮膚色と明らかな差異を生ずることもある。
このため上記の後天的な色素沈着部を正常な皮膚色にまで回復させる薬剤や、色素沈着を予防する薬剤が強く望まれており、これまでにも多くの薬剤が開発され商品化されている。
例えば、近年、優れた還元能を有するビタミンC(L−アスコルビン酸)誘導体を用いた化粧料が提案されているが、ビタミンC誘導体は安定性に難があるとともに、外用では殆ど効果が認められていない。
また、欧米において、ハイドロキノンがしみの治療や黒人皮膚を白くする等の用途の薬剤として用いられているが、ハイドロキノンは、それ自体の安全性(刺激性、アレルギー性)に問題があり、また、白斑を生じさせるケースもある等の点から一般用薬剤に配合するには問題がある。
これらの他にもメラニン抑制剤としてインビトロ(in vitro)のチロシナーゼ活性阻害試験で効力を示す種々の物質が報告されている。それらのうち、安息香酸誘導体については、短鎖アルコキシ基を有するサリチル酸誘導体についてインビトロのチロシナーゼ活性阻害及び美白作用が報告されている(特許文献1参照)。しかしながら、報告されているような短鎖アルコキシ置換サリチル酸誘導体をはじめとする公知のメラニン抑制剤でも、未だ十分な美白効果が得られず、更には、皮膚刺激等の安全性も十分とはいえない。
即ち、色素沈着改善(美白)効果及び皮膚に対する安全性の両面を十分に満足する化合物は、未だ提案されておらず、強く要望されているのが現状である。
ところで、非特許文献1には、サフラワー(Safflower)の種子から抽出されたN−フェルロイルセロトニン(N-feruloylserotonin)、N−(p−クマロイル)セロトニン(N-(p-coumaroyl)serotonin)等が、メラニンの産生を強力に阻害することが示されている。
Biol. Pharm. Bull. 27(12) 1976-1978 (2004)
本発明の目的は、チロシナーゼ阻害活性を有する化合物を提供することにある。また、該化合物を有効成分として含有するチロシナーゼ阻害剤を提供することにある。さらに、哺乳動物の表皮への異常なメラニン色素の沈着を予防あるいは改善する等の美白効果に優れた美白化粧料を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、孟宗竹の抽出物が優れたチロシナーゼ阻害作用を有することを見出し、これをさらに発展させて、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は次のセロトニン誘導体、チロシナーゼ阻害剤及び美白化粧料に関する。
項1. 一般式(I):
Figure 0005473343
(式中、Rは同一又は異なってアルキル基を示す。)
で表される化合物又はその塩。
項2. 一般式(I)において、Rが同一又は異なって炭素数1〜3のアルキル基である項1に記載の化合物。
項3. 項1又は2に記載の化合物を有効成分として含有するチロシナーゼ阻害剤。
項4. 項1又は2に記載の化合物を有効成分として含有する美白化粧料。
項5. 一般式(I):
Figure 0005473343
(式中、Rは同一又は異なってアルキル基を示す。)
で表される化合物又はその塩の製造方法であって、一般式(II):
Figure 0005473343
(式中、Rは前記に同じ。)
で表される化合物又はその誘導体と、一般式(III):
Figure 0005473343
で表されるセロトニン又はその誘導体を縮合反応させることを特徴とする製造方法。
項6. 孟宗竹の抽出物を有効成分として含む美白化粧料。
項7. 孟宗竹をアルコール及び酢酸エチルからなる群より選ばれる少なくとも1種で抽出して得られる抽出物を有効成分として含む項6に記載の美白化粧料。
本発明のセロトニン化合物は、優れたチロシナーゼ阻害活性を有し、高い美白効果を有している。そのため美白化粧料として有用である。
孟宗竹からの抽出工程及び各種溶媒の転溶部を示す。 各転溶部の濃度とチロシナーゼ阻害活性率の関係を示すグラフである。 酢酸エチル転溶部から化合物1及び2を精製する工程を示す。 酢酸エチル転溶部、分画1及び2の濃度とチロシナーゼ阻害活性率の関係を示すグラフである。 化合物1〜5及びアルブチン(arbutin)の濃度とチロシナーゼ阻害活性率の関係を示すグラフである。 化合物1の構造及び各種スペクトルデータを示す。 化合物2の構造及び各種スペクトルデータを示す。 化合物3の構造及び各種スペクトルデータを示す。 化合物4の構造及び各種スペクトルデータを示す。 化合物5の構造及び各種スペクトルデータを示す。
本発明のチロシナーゼ阻害剤は、孟宗竹からの抽出物、特に一般式(I)で表される化合物を有効成分とするものである。
孟宗竹からの抽出物
孟宗竹は、そのまま抽出に供することができるが、より細かく粉砕した後、抽出に供するのが好ましい。
孟宗竹の抽出溶媒としては、特に限定的ではなく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等のグリコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;水等を用いることができる。これらの抽出溶媒は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。特に、メタノール、エタノール等のアルコール類、及び酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが、取り扱いが容易であり、しかも優れた活性を有する抽出物を得ることができる点で好ましい。この場合、特に抽出物を美白化粧料として用いる場合には、アルコールとしては、エタノールを用いることが好ましい。
溶媒を混合して用いる場合には、各溶媒の混合比は、溶媒の種類に応じて適宜調整すればよいが、例えば、水とアルコールとの混合溶液として用いる場合には、水:アルコール(重量比)=1:100〜100:1程度とすれば良く、1:50〜50:1程度とすることが好ましく、ほぼ等重量で用いることがより好ましい。
抽出方法については、特に限定されるものではなく、孟宗竹に溶媒を加えた後、抽出物のチロシナーゼ阻害活性を失活させない程度に加温加熱する加熱抽出法や、超臨界抽出法等を適宜適用できる。また、一定量の溶媒に孟宗竹を浸漬してバッチ処理する浸漬抽出法や連続的に溶媒を送り続ける連続抽出法等、公知の種々の抽出法を適用できる。
具体的な抽出方法の一例を挙げると、例えば、孟宗竹の乾燥重量に対して、0.5〜5重量倍程度、好ましくは、0.8〜1.2重量倍程度の抽出溶媒を加えて浸漬して加熱し、30〜60分間程度溶媒を還流させることにより、チロシナーゼ阻害活性を有する成分を抽出することができる。勿論、溶媒量や加熱温度、加熱時間等については、優れたチロシナーゼ阻害活性を有する成分を抽出できるように適宜調整すればよい。
上記した方法によって孟宗竹から抽出物を得た後、通常、濾過、遠心分離等の常法によって残渣と固液分離することによって、抽出液を得ることができる。本発明では、得られた抽出液をそのままチロシナーゼ阻害剤として用いることが可能であるが、活性が低い場合もあるため、適宜濃縮又は溶媒を留去して、エキス状や粉末状として用いることもできる。
更に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、クロロホルム、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、ベンゼン等の有機溶媒を1種又は2種以上用いた溶媒分画操作により得られた抽出画分から、活性画分を分取したものをチロシナーゼ阻害剤として用いることも可能である。
更に、必要に応じて、アルミナカラムクロマトグラフィーやシリカゲルクロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の適当な分離精製手段を1種若しくは2種以上組み合わせて、チロシナーゼ阻害活性作用のある画分又は化合物を取り出して、チロシナーゼ阻害剤とすることができる。これにより、少量の摂取で優れた活性を発揮させることができる。
チロシナーゼ阻害活性化合物
次に、図1〜7を参照して、孟宗竹からのチロシナーゼ阻害活性化合物の精製・同定の手順を例示する。
孟宗竹をアルコール性溶媒(例えば、メタノール、エタノール)で還流し、アルコール抽出物を得る。この抽出物を水に懸濁させ、ヘキサン、塩化メチレン、酢酸エチル及び1−ブタノールでそれぞれ転溶し、それらの画分を減圧下濃縮して、ヘキサン転溶部、塩化メチレン転溶部、酢酸エチル転溶部、及び1−ブタノール転溶部を得る。チロシナーゼ阻害活性作用のある酢酸エチル転溶部を(図2)、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分画することにより、チロシナーゼ阻害活性作用のある活性化合物1及び2を得る(図3)。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる分画は、必要に応じ溶出溶媒の極性を変えて数回繰り返してもよい。
活性化合物は、各種スペクトル分析により、クマロイルセロトニン(図6)及び新規化合物である4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジメトキシシンナモイルセロトニン(4’-Hydroxy-3’,5’-dimethoxy-cinnamoyl serotonin)(図7)と同定された。該化合物は、クマロイルセロトニンに比べて顕著に優れたチロシナーゼ阻害活性を有している(図5)。
さらに、その構造類似化合物を合成し(図8〜10)、それらのチロシナーゼ阻害活性について構造活性相関を調べたところ、4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジメトキシシンナモイルセロトニンに匹敵するチロシナーゼ阻害活性作用を有するものはなかった(図5)。
本発明の化合物は、一般式(I):
Figure 0005473343
(式中、Rは同一又は異なってアルキル基を示す。)
で示される化合物又はその塩である。
上記一般式(I)におけるRで表されるアルキル基としては、例えば、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、好ましくは直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜6のアルキル基、より好ましくは直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基等が例示される。より好ましいRとしては、メチル基、エチル基が挙げられ、特にメチル基が好ましい。すなわち、一般式(I)で示される化合物として、4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジメトキシシンナモイルセロトニン(図7)が好ましい。
一般式(I)で示される化合物の塩としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、カルボン酸(例えば、酢酸、フマール酸、マレイン酸、コハク酸等)、スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等)等の有機酸との塩、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)との塩などが挙げられる。
製造方法
なお、一般式(I)で示される化合物は、例えば次のようにして製造することができる。
Figure 0005473343
(式中、Rは前記に同じ)
具体的には、一般式(II)で表される化合物又はその誘導体と、一般式(III)で表されるセロトニン又はその誘導体を縮合反応させることにより製造することができる。
一般式(II)で表される化合物の誘導体とは、例えば、フェノール性水酸基が保護基(例えば、シリル系保護基、アシル基、アルキル基等)で保護された化合物、カルボキシル基が活性化された化合物(例えば、混合酸無水物等)を形成した化合物などが挙げられる。
一般式(III)で表される化合物の誘導体とは、例えば、例えば、アミノ基が塩(例えば、塩酸塩等)を形成した化合物、フェノール性水酸基が保護基(例えば、シリル系保護基、アシル基等)で保護された化合物などが挙げられる。
一般式(II)で表される化合物又はその誘導体は、一般式(III)で表されるセロトニン又はその誘導体1モルに対して、通常1〜3モル、好ましくは1〜2モル、より好ましくは1〜1.5モル使用する。
用いる溶媒は、縮合反応に悪影響を与えない溶媒であればよく、例えば塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒等、あるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。好ましくは塩化メチレンである。
縮合反応に用いられる縮合剤としては、例えば、EDC、DCC、CDI、等が挙げられる。必要に応じ、HOBT等の活性化剤;触媒量のDMF;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、DMAP等の塩基を用いることもできる。縮合剤は、一般式(III)で表されるセロトニン又はその誘導体1モルに対して、通常1〜2モル使用する。活性化剤は、一般式(III)で表されるセロトニン又はその誘導体1モルに対して、通常1〜2モル使用する。塩基は、一般式(III)で表されるセロトニン又はその誘導体1モルに対して、通常1〜2モル使用する。
反応温度は、通常15〜30℃程度であり、反応時間は8〜24時間程度である。
反応終了後は通常の後処理操作(抽出、洗浄、濃縮、精製等)により、一般式(I)で表される化合物を得る。参考文献としてJ. Agri. Food Chem. 2006, 54, 4970-4976が参照される。
美白化粧料
上述の孟宗竹からの抽出物及び一般式(I)で示される化合物は、優れたチロシナーゼ阻害作用を有し、表皮への異常なメラニン色素沈着予防効果等の美白効果に優れている。そのため、美白化粧料として好適に用いることができる。
本発明の美白化粧料において、孟宗竹からの抽出物の含有量は、美白化粧料全体に対し、0.01〜70重量%程度、好ましくは1〜50重量%程度である。
本発明の美白化粧料において、上記化合物(I)又はその塩は、それぞれ単独で又はぞれぞれの任意の2種以上を混合して用いられる。また、本発明の美白化粧料における上記化合物(I)又はその塩の含有量は、美白化粧料全体に対し、0.0001〜50重量%程度、好ましくは0.01〜20重量%程度である。
また、本発明の美白化粧料は、上記有効成分に、更に、他の美白剤、紫外線吸収剤及び角化改善剤からなる群から選ばれた1種又は2種以上を配合することにより、美白効果が更に向上し、また、メラニン抑制効果の向上のみならず、日焼けの予防効果を有する美白化粧料として用いることができる。
上記他の美白剤としては、アラントイン、ビタミンE誘導体、グリチルリチン、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩等のアスコルビン酸誘導体、コージ酸、アルブチン、パンテチン酸誘導体、プラセンタエキス、抗炎症剤、ヨクイニン、緑茶、葛根、桑白皮、甘草、オウゴン、アロエ、橙皮、カミツレ、霊芝等の各種生薬・植物抽出物等の公知の美白剤が挙げられる。上記美白剤の配合量は、美白化粧料全体に対し、好ましくは0.0001〜40重量%、更に好ましくは0.01〜20重量%である。
また、上記紫外線吸収剤としては、ジベンゾイルメタン誘導体、ケイ皮酸エステル誘導体、ベンゾフェノン誘導体、p−アミノ安息香酸誘導体等の有機系紫外線吸収剤、及び亜鉛華、雲母、雲母チタン、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の無機系紫外線吸収剤等が挙げられる。上記紫外線吸収剤の配合量は、美白化粧料全体に対し、好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは0.5〜10重量%である。
また、上記角化改善剤としては、スフィンゴシン誘導体や特開平5−194185号公報に記載のアミン誘導体等が挙げられる。上記角化改善剤の配合量は、美白化粧料全体に対し、好ましくは0.0001〜40重量%、更に好ましくは0.01〜20重量%である。
また、本発明の美白化粧料には、上記有効成分、上記の公知の美白剤、上記紫外線吸収剤、上記角化改善剤以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の成分を配合することができる。上記の任意の成分は、美白化粧料の剤型に応じて、公知の皮膚外用剤や顔面化粧用化粧料に通常配合される成分、例えば、精製水、エタノール、油状成分、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、薬効成分、粉体、香料、乳化安定剤、pH調整剤等が用いられる。
具体的には、上記油状成分としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン、ミツロウ、カルナバロウ、オリーブ油、ラノリン、高級アルコール、脂肪酸、高級アルコールと脂肪酸の合成エステル油、シリコーン油、フッ素系油剤等が挙げられる。
また、上記保湿剤としては、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、マルチトール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
また、上記増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、カラギーナン、ゼラチン等の水溶性高分子、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の電解質等が挙げられる。
また、上記防腐剤としては、尿素、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
また、上記乳化剤としては、レシチン、水素添加レシチン、α−モノアルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、シリコーン乳化剤等が挙げられる。
また、上記薬効成分としては、抗ヒスタミン剤(塩酸ジフェドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸誘導体等)、ホルモン類(エストラジオール、エストロン、エチルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン等)等が例示される。
また、上記粉体としては、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、シリカ、ベントナイト、バーミキュライト、硫酸バリウム、ベンガラ、酸化鉄、群青等が挙げられる。
また、上記香料としては、リモネン、リナノール、シトラール、β−イオノン、ベンジルベンゾエート、インドール、オイゲノール、オーランチオール、ゲラニオール、リラール、ダマスコン、ベンジルアセテート、ジャスミンラクトン、ガラクソリッド、精油等が挙げられる。
また、上記pH調整剤としては、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム等の緩衝剤が挙げられる。
本発明の美白化粧料は、常法により種々の形態にすることができ、その形態には特に制限されないが、一般には、ローション状、乳液状、クリーム状、軟膏状、スティック状、有機溶媒や精製水などによる溶液状、パック状、ゲル状等とするのが好ましい。即ち、本発明の美白化粧料は、ローション、オイルエッセンス、O/W型又はW/O型のクリーム、乳化型化粧料、パック、軟膏、美白ファンデーション等の美白化粧料や、化粧乳液、化粧水、油性化粧料、口紅、ファンデーション、皮膚洗浄剤、ヘアトニック、整髪剤、養毛剤、育毛剤、浴用剤、シャンプー、リンス等の皮膚外用剤として使用される。
本発明の美白化粧料は、紫外線による皮膚の炎症、しみ、そばかす、日焼け後の色素沈着部等の患部に局所的に適用することにより、該部位を治療・改善し正常な皮膚色に戻すことができるものであり、また、予め局所的に適用した場合には、上記症状を予防することができるものである。
次に、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1(孟宗竹由来の新規セロトニン化合物の単離)
孟宗竹の粉4kgにメタノール10L を抽出溶媒とし、加熱還流を2時間行った。その後、ろ過を行い、孟宗竹のメタノール抽出液の減圧濃縮を行い、メタノール抽出物140gを得た。得られたメタノール抽出物を各種溶媒(ヘキサン、塩化メチレン、酢酸エチル、及び1-ブタノール)に転溶させ、各転溶部を得た(図1)。
チロシナーセ阻害活性を確認するため、各転溶部に関してチロシナーゼ阻害活性試験を実施した。試験方法としては、140μLの0.1Mリン酸バッファー(pH 6.8)に各サンプルをDMSOに溶解させ、12.5μLを添加させた。さらにチロシナーゼ(500units/ml)を16μL、最後に1.5mM L-チロシンを36μL添加し37℃で25分、震盪させ、492nmの波長で吸光度を測定した。
各グラフの縦軸のチロシナーゼ阻害活性率(%)は、次のようにして算出した。
Figure 0005473343
・コントロールブランク: 基質(L-チロシン)なしの系でバッファー、DMSO 及び酵素(チロシナーゼ)の系の吸光度
・コントロール: 基質(L-チロシン)、バッファー、DMSO 及び酵素(チロシナーゼ)の系の吸光度・・・酵素と基質が反応し発色する
・サンプルブランク:サンプル、バッファー、DMSO 及び酵素(チロシナーゼ)の系の吸光度・・・サンプル自体の発色を確認する
・サンプル: サンプル、基質(L-チロシン)、バッファー、DMSO、及び酵素(チロシナーゼ)の系の吸光度・・・酵素と基質の発色を確認する
その結果を図2に示す。その結果、酢酸エチル転溶部にチロシナーゼ阻害活性が確認された。さらに酢酸エチル転溶部をシリカゲルクロマトグラフィーにより分画した(図3)。その結果、分画1にチロシナーゼ阻害活性があることを確認した(図4)。このチロシナーゼ阻害活性に由来する化合物を確認するため、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって繰り返し精製し、化合物1及び2を得た(図3)。
単離した化合物1及び2について機器分析を行った。その結果、下記の図6及び7に記載の化学構造式であることが明らかになった。化合物1は既知のクマロイルセロトニン(N-p-coumaroyl serotonin)であり、また化合物2は新規化合物である4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジメトキシシンナモイルセロトニン(4’-Hydroxy -3’,5’-dimethoxy-cinnamoyl serotonin)であることが確認された。
実施例2(新規セロトニン化合物のチロシナーゼ阻害活性)
実施例1で得られた化合物2の新規セロトニン誘導体化合物が確認されたことから、構造類似の他のセロトニン誘導体(化合物3,4及び5)に関しても合成した(実施例3を参照)。化合物3、4及び5で示される化学構造式と各種機器分析データを図8、9及び10に示す。
化合物1〜5に関して、上記実施例1と同様にしてチロシナーゼ阻害活性試験を実施し、その阻害活性率を計測した。化合物の濃度としては、最終濃度が300μM, 150μM, 75μM, 30μM, 15μMとなるように調製した。その結果を図5に示す。
比較化合物として、アルブチンを使用した。この結果、図5に示すように化合物1であるクマロイルセロトニン(coumaroyl serotonin)、また合成した化合物3であるフェルロイルセロトニン(feruloyl serotonin)がチロシナーゼ阻害活性としてはアルブチンより強い阻害活性を示した。新たに確認された化合物2、即ち4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジメトキシシンナモイルセロトニンは上記2種類の化合物より顕著に高い活性が確認された。
その他の合成したセロトニン化合物である化合物4のシンナモイルセロトニン(cinnamoyl serotonin)、化合物5の3’,4’-ジメトキシシンナモイルセロトニン(3’,4’-dimethoxy cinnamoyl serotonin)は、チロシナーゼ阻害活性は低い結果となった。
以上より、今回新たに確認された化合物2は、他のセロトニン化合物より遥かに優れていることが初めて確認された。
実施例3(セロトニン誘導体の合成:化合物1〜5)
Figure 0005473343
参考文献としてJ. Agri. Food Chem. 2006, 54, 4970-4976を用いた。反応容器内に桂皮酸類、及びセロトニン塩酸塩、HOBT(1-hydroxybenzotriazole)を添加し、反応容器内を窒素置換した。その後、窒素気流中にて、DMF (dimethylformamide)を添加し溶解させた後、塩化メチレン、次いでトリエチルアミン, EDC(1-[3-(Dimethylamino)propyl]-3-ethylcarbodiimide)を添加して、室温にて一晩攪拌させた。原料及び試薬の当量関係を表1に示す。
Figure 0005473343
その後、反応液を減圧下にて濃縮し、水を添加し懸濁させ、酢酸エチルにて抽出を行った。酢酸エチル層を5%のクエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮して反応物を固体で得た。
以上のようにして、天然から単離された化合物も含めて5種類のセロトニン誘導体を合成した。表2に収率を示す。
Figure 0005473343
実施例4(美白化粧料)
実施例2又は3で得られた4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジメトキシシンナモイルセロトニン(化合物2)を用いて、下記製造例1〜3の美白化粧料を調製できる。
Figure 0005473343

Claims (3)

  1. 一般式(I):
    Figure 0005473343
    (式中、Rは同一又は異なってアルキル基を示す。)
    で表される化合物又はその塩を有効成分として含有するチロシナーゼ阻害剤(但し、一般式(I)で表される化合物が孟宗竹の抽出物に含まれる場合を除く)
  2. 一般式(I)において、Rが同一又は異なって炭素数1〜3のアルキル基である請求項1に記載のチロシナーゼ阻害剤
  3. 請求項1又は2に記載の化合物を有効成分として含有する美白化粧料。
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