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JP5468336B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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JP5468336B2
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Description

本発明は、例えば二輪、四輪自動車等の車両に制動力を付与するのに好適に用いられるディスクブレーキに関する。
一般に、自動車等の車両に設けられるディスクブレーキは、ディスクの外周側を跨いで配置されディスクの両面に向けて一対の摩擦パッドを押付けるキャリパを備えている。そして、該キャリパには、外部からの液圧供給により前記摩擦パッドをディスクの表面に向けて押圧するピストンが設けられている。また、前記摩擦パッドの裏金には、前記キャリパと摩擦パッドとの間に位置してブレーキ鳴き防止用のシム板を設ける構成としている(例えば、特許文献1,2参照)。
この種の従来技術によるディスクブレーキは、車両の運転者等がブレーキ操作を行ったときに、例えばキャリパのインナ側に設けたピストンを外部からの液圧供給によりディスク側に摺動変位させ、インナ側の摩擦パッドをディスクに押圧する。そして、キャリパは、このときの反力で取付部材に対して摺動変位し、そのアウタ脚部とピストンとの間で各摩擦パッドをディスクの両面に押圧することによって、回転するディスクに制動力を付与するものである。
また、前記摩擦パッドの裏金に取付けられるシム板は、キャリパと摩擦パッドとの間に介在することにより、ディスクからの回転トルクがブレーキ操作時に摩擦パッドを介してキャリパに伝わるのを抑え、ブレーキ鳴きと呼ばれる現象が発生するのを低減するものである。
特開平9−53668号公報 特開2004−316899号公報
ところで、上述した特許文献1の従来技術では、シム板に、ピストンの内周側に係止するピストン側の爪部と、摩擦パッドの裏金に係止しシム板を裏金に対して抜止め状態に保持するパッド側の爪部とを設ける構成としている。
しかし、パッド側の爪部は、摩擦パッドがシム板(ピストン)に対してディスクの周方向に移動するのを規制する構成であるため、車両の制動時に摩擦パッドがディスクの周方向に移動しようとするときに、摩擦パッドの姿勢が不安定になることがあり、ブレーキ鳴きの発生を必ずしも十分に低減できないという問題がある。
一方、特許文献2による従来技術では、摩擦パッドの裏金に係止して取付けられる内側シム板(被押圧側シム板)と、ピストンに係止して取付けられる外側シム板(押圧側シム板)とを備え、これら2枚のシム板を互いに摺動変位できるように当接させる構成としている。
この場合、2枚のシム板は互いに摺動変位可能な配置であるため、車両の制動時に摩擦パッドがディスクの周方向に移動しようとするときに、例えば内側シム板を外側シム板に対してディスクの周方向に摺動変位させることができ、摩擦パッドの姿勢が不安定になるのを抑えることができる。しかし、摩擦パッドがディスクの径方向で振動するのを抑えることはできず、摩擦パッドの振動に起因したブレーキ鳴き現象を十分に低減することができないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、摩擦パッドがディスクの周方向に移動するのを許しつつも、摩擦パッドがピストンに対して径方向に振動するのを規制することができ、ブレーキ鳴きを効果的に低減して、ブレーキ性能を高めることができるようにしたディスクブレーキを提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明は、ディスクの外周側を跨いで配置され前記ディスクの両面のうち少なくとも一方の面に対向しディスク周方向に並んで配置される一対の筒状のピストンを設けてなるキャリパと、該キャリパに外部から供給される液圧で前記一対のピストンを駆動することにより前記キャリパを介してディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、該各摩擦パッドと前記キャリパとの間に位置して該摩擦パッドの裏金に取付けられるブレーキ鳴き防止用のシム板とを備えてなるディスクブレーキに適用される。
そして、本発明が採用する構成の特徴は、前記シム板は、前記摩擦パッドの裏金に沿ってディスクの周方向と径方向とに延びる平板部と、該平板部の径方向内側と外側とに位置して前記裏金の内,外周面に取付けられ該平板部がディスクの径方向に位置ずれするのを規制しディスク周方向への変位を許す複数の取付爪部と、前記平板部から前記ピストンの内周面に向けて突出し前記ピストンに対する前記平板部の変位を規制する規制爪部とが一枚の板材から形成され、前記規制爪部は、前記一対のピストンの各ピストン毎に、該ピストンの径方向に離間して対向する規制爪として2つだけ形成されており、該2つの規制爪の離間方向は、ディスクの周方向及び径方向に対し斜めに傾けられ、前記平板部の長手方向と直交する中心線に対して対称に配置されており、かつ、前記2つの規制爪部のうちディスクの径方向外側に位置する規制爪部間のディスク周方向間隔が、前記2つの規制爪部のうちディスクの径方向内側に位置する規制爪部間のディスク周方向間隔よりも大きくなる構成としたことにある。
上述の如く、本発明によれば、一対のピストン毎に該各ピストンの径方向に離間して対向するようにそれぞれ設けた2つの規制爪部により、シム板の平板部がピストンに対してディスクの径方向と周方向とに変位するのを抑えることができ、摩擦パッドがディスクの径方向に変位、位置ずれするのも取付爪部により規制することができる。しかし、この取付爪部は、摩擦パッドがディスクの周方向に摺動変位するのを許す構成である。このため、車両のブレーキ操作時にディスクからの回転トルクが摩擦パッドに伝わり、該摩擦パッドがディスクの回転方向に変位した場合でも、摩擦パッドの裏金とピストンとの間に介在するシム板は、裏金に対してディスクの周方向に摺動変位することにより、このときの回転トルクがピストン、キャリパ側に伝わるのを防ぐことができ、車両のブレーキ鳴き等を効果的に低減することができる。
本発明の参考技術によるディスクブレーキを示す正面図である。 図1に示すディスクブレーキの平面図である。 ディスクブレーキ図2中の矢示 III−III 方向からみた拡大断面図である。 摩擦パッドにシム板を取付けた状態を示す正面図である。 図4の摩擦パッドとシム板を反対側からみた背面図である。 図4中のシム板を単体として示す正面図である。 シム板を図6中の矢示VII−VII方向からみた拡大断面図である。 本発明の実施の形態によるシム板を示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態によるディスクブレーキを、ディスクの両面に対向して筒状のピストンが設けられた対向ピストン型のディスクブレーキとして、二輪車に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図7は本発明の前提となる参考技術を示している。図中、ディスクブレーキは、二輪車の車輪と共に回転するディスク1の外周側を跨いで配置されるキャリパ2を有している。該キャリパ2は、ディスク1の近傍で二輪車のフロントフォーク(図示せず)等に取付けられ、ディスク1の両面に向けて後述の各摩擦パッド10を押付けるものである。
そして、キャリパ2は、ディスク1の一側(例えば、アウタ側)に配設された一側キャリパ部3と、ディスク1の他側(例えば、インナ側)に配設された他側キャリパ部4とによって構成されている。一側キャリパ部3と他側キャリパ部4とは、ディスク1の回転方向である周方向に延びて形成されている。
また、一側キャリパ部3と他側キャリパ部4との間には、ディスク1の周方向で中央部となる位置にパッド収容部5が形成され、該パッド収容部5内には、後述の各摩擦パッド10がディスク1を軸方向両側から挟むように収容されている。ここで、一側キャリパ部3には、ディスク1の回転方向に離間してパッド収容部5内に開口する一対のシリンダ穴3A(図3中に一方のみ図示)が円形の有底穴として形成されている。一方、他側キャリパ部4にも、同様に一対のシリンダ穴4A(図3中に一方のみ図示)が形成されている。
6は一側キャリパ部3に設けられた車両取付部を構成する一対の取付穴で、該各取付穴6は、図2に示す如く左,右対称となるように、ディスク1の周方向に離間して配置されている。そして、各取付穴6には一対のボルト(図示せず)が螺着され、これにより、キャリパ2は前記フロントフォークに固定して取付けられるものである。
7はブレーキ液の給排口で、該給排口7は、図2に示すように一対の取付穴6間に位置して一側キャリパ部3に設けられている。そして、給排口7は、外部のブレーキ配管を介してマスタシリンダ穴(図示せず)等に接続されている。また、一側キャリパ部3,他側キャリパ部4内には、給排口7を前記シリンダ穴3A,4Aにそれぞれ連通させる液通路(図示せず)が形成されている。
8は一側キャリパ部3と他側キャリパ部4との間に着脱可能に設けられた一対の支持ピンで、該各支持ピン8は、図2に示すように、前記パッド収容部5よりもディスク1の径方向外側に位置してディスク1の軸方向に延び、ディスク1の周方向に互いに離間して配置されている。そして、各支持ピン8は、一側キャリパ部3と他側キャリパ部4との間に架橋して設けられ、後述の摩擦パッド10を吊下状態でディスク1の軸方向に変位可能に支持するものである。
9は各シリンダ穴3A,4A内にそれぞれ設けられた複数のピストンで、該各ピストン9は、図3に示すように有底筒状のカップ体として形成され、一側キャリパ部3の各シリンダ穴3A内と他側キャリパ部4の各シリンダ穴4A内とに摺動可能に挿嵌されている。そして、これらのピストン9は、ブレーキ操作時にシリンダ穴3A,4A内に供給されるブレーキ液圧により、シリンダ穴3A,4A内をディスク1の軸方向に摺動変位し、後述の摩擦パッド10をディスク1の表面に押圧するものである。
10はディスク1の両面に押圧される一対の摩擦パッドで、該各摩擦パッド10は、一側キャリパ部3と他側キャリパ部4との間でパッド収容部5内に後述のパッドスプリング16を介して摺動可能に設けられ、ディスク1の両面に対向配設されている。そして、これらの摩擦パッド10は、裏金11およびライニング12により構成されている。
ここで、摩擦パッド10の裏金11は、図3〜図5に示すように、鉄板等の金属板により略長方形の板体として形成され、その表面側には摩擦材からなるライニング12が固着して設けられている。そして、ライニング12は、ディスク1の周方向(回転方向)に沿って延び、全体として略扇形状に形成されている。
また、摩擦パッド10の裏金11は、図4、図5に示す如く、外周面11A、内周面11B、左,右方向(回入側,回出側)の側面11C,11Dおよび後述の突出部13等により構成されている。そして、裏金11の外周面11Aには、後述の各突出部13との間に位置して例えば2個の取付溝11Eが浅い溝として形成され、該各取付溝11Eは外周面11Aの周方向に離間して左,右対称となる位置に配置されている。
また、裏金11の内周面11B側には、周方向の中間部に位置して取付溝11Fが同じく浅い溝として形成されている。そして、これらの取付溝11E,11Fには、後述するシム板14の取付爪部14B,14Cがディスク1の周方向に変位可能に取付けられ、このシム板14は、取付爪部14B,14Cにより裏金11に対するディスク1の径方向での位置ずれが規制されるものである。
13は裏金11の外周面11Aと左,右の側面11C,11Dとの間に一体形成された一対の突出部で、該各突出部13は、裏金11の外周面11A(ライニング12)よりもディスク1の径方向外側へと略U字状をなして突出し、ディスク1の周方向に離間して左,右対称となるように配設されている。
また、各突出部13には、長円形状をなす一対のピン穴13Aが穿設されている。そして、該各ピン穴13A内には、前述した各支持ピン8が隙間をもって挿入(遊嵌)され、これにより摩擦パッド10は、各支持ピン8を介してディスク1の軸方向に変位可能に支持(吊下)されている。
14は各摩擦パッド10の裏金11に取付けられたシム板で、該各シム板14は、図3に示すように各ピストン9の開口端と裏金11との間に配置され、両者の間で所謂ブレーキ鳴きの発生を抑えるものである。そして、シム板14は、ばね性を有するステンレス鋼板等をプレス加工することによって図6、図7に示すように一体物として形成されている。
ここで、シム板14は、裏金11の裏面に沿ってディスク1の周方向と径方向とに延びる略四角形の平板として形成された平板部14Aと、該平板部14Aの周縁部から折曲げて略S字状に形成された例えば3個の取付爪部14B,14B,14Cと、平板部14Aのうち各ピストン9との当接部位に形成された一対の打抜き穴14Dと、該各打抜き穴14Dに臨んで平板部14Aに一体形成されピストン9の内周面に弾性的に係止する一対の規制爪部14E,14Fと、後述の各突出板部15とにより構成されている。
そして、シム板14の規制爪部14E,14Fがピストン9の内周面に係止した状態では、図4中に二点鎖線で示すように、左,右一対のピストン9とシム板21との相対位置が各規制爪部14E,14Fによって決められる。
この場合、シム板14の各取付爪部14B,14Bは、平板部14Aのうちディスク径方向外側寄りの位置から左,右方向(ディスク周方向)に離間して配置され、裏金11の各取付溝11Eに掛止めされる爪部として平板部14Aの周縁部から折曲げられて略S字状に形成されている。また、他の取付爪部14Cは、平板部14Aのうちディスク径方向内側寄りの位置で、左,右方向(ディスク周方向)の中央部となる位置に配置され、裏金11の取付溝11Fに掛止めされる爪部として平板部14Aの周縁部から折曲げられて略S字状に形成されている。
そして、シム板14は、これらの取付爪部14B,14Cにより裏金11の外周面11A,内周面11Bに取付溝11E,11Fを介して取付けられ、裏金11に対するディスク径方向の変位(位置ずれ)が規制される。しかし、これらの取付爪部14B,14Cは、裏金11の取付溝11E,11Fよりも幅寸法(ディスク周方向の寸法)が小さく形成され、シム板14の平板部14Aが裏金11に対してディスク周方向に変位するのを許す構成となっている。
また、一対の打抜き穴14Dは、ピストン9の直径方向で、かつディスクの径方向に延びる略長方形の長穴として形成されている。そして、各打抜き穴14Dは、図6に示す如く左,右の取付爪部14Bよりもディスクの周方向で外側となる位置に配置され、ディスクの径方向で互いに平行に延びている。
また、シム板14の各規制爪部14E,14Fは、ディスクの径方向に延びる打抜き穴14Dを介して互いに対向する位置、即ちディスクの径方向で互いに対向する位置に配置されている。そして、各規制爪部14E,14Fは、平板部14Aのうち各打抜き穴14Dの位置からピストン9の内周面に向けて突出するように平板部14Aに対する垂線よりも傾くように折曲げて形成され、各規制爪部14E,14F同士は逆ハの字となるように構成されて、ピストン9の内周面に対して弾性的に係止されるものである。
この場合、各規制爪部14E,14Fは、図3に示すようにピストン9の内周面に係止した状態で、ピストン9の内周面に対してディスク1の径方向内向きと径方向外向きとに弾性的な付勢力を付与する構成となっている。これにより、各規制爪部14E,14Fは、シム板14の平板部14Aがピストン9に対してディスク1の径方向と周方向とに変位するのを規制するものである。
15は裏金11の各突出部13に対応してシム板14に一体形成された一対の突出板部で、該各突出板部15は、裏金11の突出部13と同様にディスクの径方向外側へと突出して形成され、ディスクの周方向に離間して左,右対称となるように配設されている。また、各突出板部15には、長円形状をなす一対のピン穴15Aが、裏金11側のピン穴13Aとほぼ同様に穿設されている。
しかし、シム板14(突出板部15)の各ピン穴15Aは、裏金11側のピン穴13Aよりも大径に形成されている。そして、これらのピン穴15A内には、裏金11側の各ピン穴13Aと同様に各支持ピン8が隙間をもって挿入(遊嵌)される。これによりシム板14は、摩擦パッド10の裏金11と同様に各支持ピン8を介してディスク1の軸方向に変位可能に支持(吊下)されている。
なお、16はキャリパ2のパッド収容部5と摩擦パッド10の裏金11との間に介在して設けられたパッドスプリングで、該各パッドスプリング16は、各摩擦パッド10をディスク1の軸方向に沿って摺動可能にガイドするものである。
発明の前提となる参考技術による対向ピストン型のディスクブレーキは、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、二輪車の運転者がブレーキ操作を行なうと、外部からのブレーキ液圧がキャリパ2のシリンダ穴3A,4A内に供給される。これにより、一対のピストン9がシリンダ穴3A,4A内をディスク1側に向けて摺動する。そして、各ピストン9は、摩擦パッド10をディスク1の両面に向けて押圧し当該ディスク1に制動力を与える。
また、キャリパ2の一側キャリパ部3と他側キャリパ部4との間には、ディスク1の軸方向両側で各摩擦パッド10を収容するパッド収容部5が形成されている。そして、ブレーキ操作時に各摩擦パッド10がディスク1から受ける回転トルク(摩擦トルク)は、パッド収容部5を介してキャリパ2が受承し、これによってキャリパ2は、ディスク1に対し一対の摩擦パッド10を介して強い制動力を付与することができる。
ここで、前記参考技術によれば、キャリパ2側のピストン9と摩擦パッド11の裏金11との間に設けるシム板14を、裏金11の裏面に沿ってディスク1の周方向と径方向とに延びる平板部14Aと、該平板部14Aの径方向内側と外側とに位置して裏金11の外周面11A,内周面11Bに取付溝11E,11Fを介して取付けられ平板部14Aがディスク1の径方向に位置ずれするのを規制しディスク周方向への変位を許す複数の取付爪部14B,14Cと、平板部14Aからピストン9の内周面に向けて突出し平板部14Aがピストン9に対して変位するのを規制する複数の規制爪部14E,14Fとを有する構成としている。
これにより、シム板14がピストン9に対してディスク1の径方向、周方向等に変位するのを規制爪部14E,14Fによって抑えることができる。また、シム板14に設けた複数の取付爪部14B,14Cにより、摩擦パッド10がディスク1の径方向に変位したり、位置ずれしたりするのを規制することができる。そして、この場合の取付爪部14B,14Cは、摩擦パッド10がディスク1の周方向に摺動変位するのを許す構成としている。
このため、車両のブレーキ操作時にディスク1からの回転トルクが摩擦パッド10に伝わり、摩擦パッド10がディスク1の回転方向に変位した場合でも、摩擦パッド10の裏金11とピストン9との間に介在するシム板14は、裏金11に対してディスク1の周方向に摺動変位することにより、このときの回転トルクがピストン9、キャリパ2側に伝わるのを防ぐことができ、車両のブレーキ鳴き等を効果的に低減することができる。
しかも、シム板14に設けた取付爪部14B,14Cと規制爪部14E,14Fとにより、摩擦パッド10がピストン9、キャリパ2に対してディスク1の径方向に振動するのを抑制することができる。これによって、ブレーキ鳴きの発生を低減できると共に、一対の支持ピン8が振動の影響で摩耗するのを抑えることができ、耐久性、寿命を向上することができる。
また、ピストン9と摩擦パッド10とをシム板14によってディスク1の軸方向で一体化するように連結することができる。これにより、ブレーキ操作を解除したときには、ピストン9と一緒に摩擦パッド10をシム板14により戻すことができ、一対の摩擦パッド10をディスク1の両面から離間させて引き摺りトルクの発生、パッド偏摩耗の発生等を低減することができる。
また、シム板14の平板部14Aには、各ピストン9との当接部位に一対の打抜き穴14Dを穿設し、該各打抜き穴14Dは、ピストン9の直径方向で、かつディスクの径方向に略長方形状をなして延びる構成としている。これにより、ピストン9から摩擦パッド10が受ける押圧力の分布状態を打抜き穴14Dにより調整することができ、ブレーキレバーの操作フィーリングを調整することができる。
また、前記参考技術で採用したシム板14には、ブレーキ鳴きを抑えるためのグリスを用いる必要がないので、ブレーキレバーの操作フィーリングを損なうことなく、ブレーキ鳴きを低減することができる。また、微圧鳴き、断熱、ブレーキレバーの操作フィーリング等を同時に両立させることができ、部品点数の削減および原価低減等を図ることができる。
また、シム板14は摩擦パッド10の裏金11に対してディスクの周方向で接線方向に変位可能な構成であるから、キャリパ2のパッド収容部5内に摩擦パッド10を装入した後にも、パッド単体の位置調整を行うことができる。さらに、ディスクブレーキを製品として出荷するときに、通常は用いているパッド間スペーサ(図示せず)等を、シム板14により不要にすることができ、廃止することが可能となる。
次に、図8は本発明の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、シム板の平板部に形成する打抜き穴をディスクの周方向、径方向に対して斜めに傾ける構成したことにある。なお、本実施の形態では、前述した参考技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、21は本実施の形態で採用したシム板で、該シム板21は、参考技術で述べたシム板14とほぼ同様に形成され、平板部21A、例えば3個の取付爪部21B,21C、一対の打抜き穴21D、一対の規制爪部21E,21Fおよび一対の突出板部15等を有している。
しかし、この場合のシム板21は、略長方形状をなす一対の打抜き穴21Dがディスクの周方向、径方向に対し斜めに傾けて形成されている点で、参考技術とは異なるものである。これにより、各打抜き穴21Dは、ディスクの径方向外側に向けて突出した突出板部15に対して、例えば120〜150度、好ましくは135度程度の傾き(傾斜角)をもって配設されている。
また、シム板21の規制爪部21E,21Fは、略長方形状をなす打抜き穴21Dの長手方向両側に位置し、該打抜き穴21Dと同様にディスクの周方向、径方向に対し斜めに傾けて配置されている。そして、規制爪部21E,21Fは、ピストン9の内周面に係止することにより、シム板21の平板部21Aがピストン9に対してディスクの径方向と周方向とに変位するのを規制するものである。
22はシム板21の平板部21Aに設けられた左,右の切取り部で、該各切取り部22は、ディスクの径方向内側寄りに位置する平板部21Aの角隅部を斜めにカットすることにより形成されている。そして、各切取り部22は、一対の打抜き穴21Dと平行に延びるように、ディスクの周方向、径方向に対し斜めに傾けて形成されている。即ち、この場合の切取り部22は、平板部21Aを挟んで突出板部15とはディスク径方向の反対側に位置し、打抜き穴21Dと同様に突出板部15に対して、例えば120〜150度、好ましくは135度程度の傾き(傾斜角)をもって配設されている。
ここで、ピストン9の内周面は、図8中に二点鎖線で示すように、シム板21との相対位置が規制爪部21E,21Fによって決められる。そして、シム板21の平板部21Aに当接されるピストン9の開口端側は、その一部が切取り部22により平板部21Aから外側にはみ出した位置に配置される。これにより、ピストン9がシム板21を介して摩擦パッド10の裏金11を押圧する範囲は、切取り部22の形状、大きさ(面積)に応じて変更されるものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、シム板21を用いることにより車両のブレーキ鳴き等を効果的に低減することができ、前記参考技術とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、実施の形態では、シム板21の平板部21Aに形成した各打抜き穴21Dを、斜めに傾斜させて設けると共に、その外側(ディスクの径方向内側寄りの部位)には打抜き穴21Dと平行に延びるように、切取り部22をディスクの周方向、径方向に対し斜めに傾けて形成する構成としている。
これによって、シム板21の平板部21Aに当接されるピストン9は、その一部が切取り部22により平板部21Aから外側にはみ出した位置に配置されるので、シム板21に対するピストン9の当接範囲、即ちピストン9がシム板21を介して摩擦パッド10の裏金11を押圧する範囲を、切取り部22によって調整することができ、摩擦パッド10の偏摩耗を抑制することができる。また、シム板21の平板部21Aに切取り部22を設けることにより、摩擦パッド10がディスクの周方向に振動するのを抑え、制振効果を奏することができる。
なお、前記実施の形態では、例えばキャリパ2の一側キャリパ部3に複数の取付穴6を設け、これらの取付穴6に螺着したボルトによりキャリパ2を車両の非回転部分(フロントフォーク)に固定して取付ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば車両の非回転部分に取付部材(キャリア)を設け、この取付部材によりキャリパをディスクの軸方向に変位可能に支持する構成としてもよいものである。
また、本発明は、対向ピストン型のディスクブレーキに限るものではなく、例えばキャリパのインナ脚部にシリンダ穴を介してピストンを摺動可能に設け、キャリパのアウタ脚部(アウタ爪部)側をアウタ側の摩擦パッドに当接させる構成とした所謂フローティングキャリパ型のディスクブレーキに適用してもよいものである
さらに、前記実施の形態では、ディスクブレーキを二輪車に適用する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば四輪自動車等の車両に用いるディスクブレーキにも広く適用することができるものである。
1 ディスク
2 キャリパ
3 一側キャリパ部
3A,4A シリンダ穴
4 他側キャリパ部
5 パッド収容部
6 取付穴(車両取付部)
8 支持ピン
9 ピストン
10 摩擦パッド
11 裏金
11A 外周面
11B 内周面
11C,11D 左,右の側面
11E,11F 取付溝
12 ライニング
14,21 シム板
14A,21A 平板部
14B,14C,21B,21C 取付爪部
14D,21D 打抜き穴
14E,14F,21E,21F 規制爪部
16 パッドスプリング

Claims (1)

  1. ディスクの外周側を跨いで配置され前記ディスクの両面のうち少なくとも一方の面に対向しディスク周方向に並んで配置される一対の筒状のピストンを設けてなるキャリパと、
    該キャリパに外部から供給される液圧で前記一対のピストンを駆動することにより前記キャリパを介してディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、
    該各摩擦パッドと前記キャリパとの間に位置して該摩擦パッドの裏金に取付けられるブレーキ鳴き防止用のシム板と
    を備えてなるディスクブレーキにおいて、
    前記シム板は、
    前記摩擦パッドの裏金に沿ってディスクの周方向と径方向とに延びる平板部と、
    該平板部の径方向内側と外側とに位置して前記裏金の内,外周面に取付けられ該平板部がディスクの径方向に位置ずれするのを規制しディスク周方向への変位を許す複数の取付爪部と、
    前記平板部から前記ピストンの内周面に向けて突出し前記ピストンに対する前記平板部の変位を規制する規制爪部とが一枚の板材から形成され
    前記規制爪部は、前記一対のピストンの各ピストン毎に、該ピストンの径方向に離間して対向する規制爪として2つだけ形成されており、該2つの規制爪の離間方向は、ディスクの周方向及び径方向に対し斜めに傾けられ、前記平板部の長手方向と直交する中心線に対して対称に配置されており、かつ、
    前記2つの規制爪部のうちディスクの径方向外側に位置する規制爪部間のディスク周方向間隔が、前記2つの規制爪部のうちディスクの径方向内側に位置する規制爪部間のディスク周方向間隔よりも大きくなっている構成としたことを特徴とするディスクブレーキ。
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