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JP2007218395A - ブレーキキャリパ - Google Patents

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JP2007218395A
JP2007218395A JP2006042545A JP2006042545A JP2007218395A JP 2007218395 A JP2007218395 A JP 2007218395A JP 2006042545 A JP2006042545 A JP 2006042545A JP 2006042545 A JP2006042545 A JP 2006042545A JP 2007218395 A JP2007218395 A JP 2007218395A
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Shoji Ozaki
将司 尾崎
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】ブレーキパッドとディスクロータの摩擦摺動面との間に混入した異物の排除を行うことのできるブレーキキャリパを提供する。
【解決手段】ブレーキキャリパ10は、ブレーキパッド14と、マウンティング12と、ブレーキパッド14をブレーキパッド14の短手方向に移動させるバイメタル36を含む。バイメタル36は、トルク受け溝34とガイド突部32との間に配置され、制動時に発生する摩擦熱に応じて形状が変化してパッド裏金22を短手方向に移動させる。バイメタル36の熱変形に応じて、ディスクロータと摩擦材20との接触位置が変化するので、摩擦材20とディスクロータの間に侵入した異物に対する接触状態が変化しさせることができ、異物に作用する力の状態を変化させられる。この接触状態の変化、力の変化により異物の排出を促進する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ブレーキキャリパ、特にブレーキパッドとディスクロータの摩擦摺動面との間に混入した異物を排除する排除機能を有するブレーキキャリパに関する。
車両の制動を行う制動装置の一つとして、ディスクブレーキ装置がある。このディスクブレーキ装置は、車輪と共に回転するディスクロータと、このディスクロータに押圧され制動力を発生させるブレーキパッドを支持するとともに、ブレーキパッドをディスクロータに対して接離移動するシリンダ部を内蔵するブレーキキャリパを含んで構成されている。
ディスクブレーキ装置は、基本的な制動能力を確保する他に、ブレーキの操作時や非操作時に生じる異音、いわゆるブレーキ鳴きや振動を抑制することが要求されている。ブレーキ鳴きや振動は、ブレーキの非操作時にディスクロータの摩擦摺動面からブレーキパッドの離反が不十分である場合、つまり引き摺りを生じた場合や、ブレーキ操作時のブレーキパッドの押圧力や押圧姿勢が不安定である場合に発生する。このようなブレーキ鳴きや振動はユーザに不快感を与えるばかりでなく、ブレーキパッドやディスクロータの偏摩耗の原因となるので、速やかに解消することが望まれる。たとえば、特許文献1に開示されるディスクブレーキは、引き摺りを低減する構造を備えている。この引摺り低減型ディスクブレーキは、ブレーキパッドのがたつきを防止するアンチラトルスプリングを形状記憶合金製としている。そして、アンチラトルスプリングをその温度が設定温度より高い状態では設定温度より低い状態より大きな引き戻し力をブレーキパッドに加える形状に変形するようにしている。アンチラトルスプリングは、制動時に発生する摩擦熱により変形し、ブレーキ操作終了後のブレーキパッドに大きな引き戻し力を付与する。その結果、引き摺りを低減することができる。
実開昭63−128329号公報
上述したように、ブレーキパッドはブレーキ操作が終了するとディスクロータの回転軸方向に引き戻され、ディスクロータの摩擦摺動面とブレーキパッドが離間する。しかし、その離間距離は極僅かであり、ブレーキパッドとディスクロータとの間に異物が混入した場合には、その異物を介して引き摺りによりブレーキ鳴きや振動、偏摩耗が発生する。このような異物は、外部から侵入する場合もあるが、ディスクロータの摩耗粉やブレーキパッドの摩擦材に含まれる金属成分が摩擦材に食い込み、そこで凝集して大きな金属塊となってブレーキパッドとディスクロータの間に留まってしまう場合がある。このように凝集した金属塊は、ディスクロータを異常摩耗させる、いわゆるメタルキャッチの原因にもなる。また、メタルキャッチはブレーキ鳴きや振動の原因になる。特許文献1に記載されるディスクブレーキは、ブレーキ操作終了時に大きな力でブレーキパッドを引き戻すことができるが、その引き戻し方向は、従来のディスクブレーキのブレーキパッドと同様に、ディスクロータの回転軸方向である。そのため、ブレーキパットとディスクロータの摩擦摺動面とはブレーキ操作の都度ほぼ同じ位置で接触する。その結果、ディスクロータとブレーキパッドとの間に侵入した異物はなかなか排出できない。特に、異物がブレーキパッドの摩擦材に食い込んでいる場合、異物を挟んだままブレーキパッドとディスクロータが毎回同じ位置で、同じ状態で接触するので、ブレーキパッドがディスクロータの軸方向に移動するだけでは、メタルキャッチを阻止したり、異物を排出することは困難であった。また、ブレーキ鳴きや振動の抑制効果も低下してしまうという問題があった。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ブレーキパッドとディスクロータの摩擦摺動面との間に混入した異物の排除を行うことのできるブレーキキャリパを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキキャリパは、車輪とともに回転するディスクロータの摩擦摺動面に押圧され、当該ディスクロータに制動力を与えるブレーキパッドと、車体側に固定されるとともに、前記ブレーキパッドを前記ディスクロータの摩擦摺動面に対向する位置で遊動自在に支持するマウンティングと、前記ブレーキパッドを前記ディスクロータの摩擦摺動面に押圧する押圧手段と、前記マウンティングと前記ブレーキパッドとの間に配置され、周囲の温度変化に応じて形状が変化し前記ブレーキパッドを当該ブレーキパッドの短手方向に移動させる熱変形部材と、を含むことを特徴とする。
この態様によれば、温度状態に応じて熱変形部材が変形し、ブレーキパッドを短手方向、すなわちブレーキパッドにおいてディスクロータの半径方向に移動させる。その結果、ブレーキパッドとディスクロータが接触するときの位置がブレーキパッドの短手方向の移動状態によって変化する。つまり、異物に対するディスクロータとブレーキパッドの接触状態も変化する。そのため、ブレーキパッドが短手方向へ移動するごとに、異物に作用する力の状態が変化して、異物をブレーキパッドとディスクロータの間からの排出し易くする。
また、上記態様において、前記熱変形部材の復帰変形に伴い前記ブレーキパッドを初期位置に戻す戻し付勢手段を有してもよい。戻し付勢手段は、たとえば、リーフスプリングやコイルスプリングなどの弾性部材を用いることができる。この態様によれば、熱変形部材の形状復帰に伴うブレーキパッドの移動動作をスムーズに行うことができる。また、戻し付勢手段を挿入することにより、熱変形部材が変形していないときのブレーキパッドのがたつきを防止することができる。また、ブレーキパッドをがたつかせることなく、ブレーキパッドの移動スペースを確保することができる。なお、戻し付勢手段の発生する付勢力は、熱変形部材が変形するときに発生する付勢力より弱く設定することが望ましい。
また、上記態様において、前記ブレーキパッドは、前記ディスクロータの摩擦摺動面と接触する摩擦材と、当該摩擦材を裏面から支持するパッド裏金と、から構成され、前記パッド裏金は、前記マウンティングに形成された支持部と係合する係合部を長手方向の両端面に有し、前記熱変形部材は、前記長手方向と平行に前記支持部と前記係合部との間に配置することができる。ブレーキパッドは、支持部で支持されつつ、ブレーキ操作時には、ディスクロータの回転軸方向に移動し押圧動作を行う。また、ブレーキパッドとディスクロータとが接触した後はトレーリング方向に移動する。つまり、ブレーキパッドは、支持部で支持された状態で移動しやすいように形成されている。したがって、熱変形部材の変形による移動力を支持部の位置でパッド裏金に付与することにより、バランスよくパッド裏金、すなわちブレーキパッドを短手方向に移動させることができる。なお、支持部と係合部は、相互が嵌り合う形状、たとえば凹凸形状とすることができる。たとえば、支持部が凹形状の場合、係合部を凸形状とすることができる。また、支持部が凸形状の場合、係合部を凹形状とすることができる。
また、上記態様において、前記熱変形部材は、バイメタルで形成することができる。バイメタルは、非変形時には、平板形態で僅かなスペースに収納することができる。また、バイメタルは温度に応じて変形量が変化するので、変形時のブレーキパッドの移動位置が一定の位置に固定されることがない。すなわち、ブレーキパッドとディスクロータの接触状態が変形温度によって変化するので、異物排除を効率的に行うことができる。
また、上記態様において、前記熱変形部材は、前記ディスクロータの摩擦摺動面と前記ブレーキパッドとの接触による摩擦熱により変形するようにすることができる。この態様によれば、制動時に発生する摩擦熱を有効活用して異物の排出を行うことができる。
本発明のブレーキキャリパによれば、熱変形部材の変形によりブレーキパッドを当該ブレーキパッドの短手方向に移動させることによりブレーキパッドとディスクロータの摩擦摺動面との間に混入した異物の排除を効果的に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に基づいて説明する。
本実施形態のブレーキキャリパは、ディスクロータに押圧されるブレーキパッドと、ブレーキパッドを支持するマウンティングと、ブレーキパッドを押圧動作させる押圧手段と、ブレーキパッドを当該ブレーキパッドの短手方向に移動させる熱変形部材と、を含んで構成されている。熱変形部材は、マウンティングとブレーキパッドとの間に配置され、周囲の温度変化に応じて形状が変化してブレーキパッドを当該ブレーキパッドの短手方向に移動させる。つまり、熱変形部材の熱変形に応じて、ブレーキ操作した時のディスクロータとブレーキパッドとの接触位置がブレーキパッドの短手方向にスライドする。その結果、ブレーキパッドとディスクロータの間に侵入した異物に対する接触状態を変化させることが可能になり、異物に作用する力の状態を変化させることができる。この接触状態の変化、力の変化により異物の排出がされやすくなるようにできる。
図1は、ディスクブレーキ装置を構成する本実施形態の浮動型のブレーキキャリパ10(以下、キャリパ10という)の側面図、図2は、図1の線分A−Aにおける断面図である。また、図3は、図2の線分B−Bにおける断面図である。本実施形態のキャリパ10は、図1に示すように大別して、キャリパ自身を図示しない車体側に固定するためのマウンティング12と、ディスクロータに押圧され制動力を発生するブレーキパッド14と、ブレーキパッド14を駆動するシリンダ部16とで構成されている。車輪と共に回転するディスクロータ18は図2に示すように、一対のブレーキパッド14の間に存在する。ディスクロータ18の側面18a、18bは摩擦摺動面を構成し、一対のブレーキパッド14がディスクロータ18を挟んで対向配置される。このブレーキパッド14は、ディスクロータ18の側面18a、18bと直接接触する摩擦摺動面を有する摩擦材20a、20bと、この摩擦材20a、20bの裏側、すなわちディスクロータ18と接触しない側を支持するパッド裏金22a、22bによって構成されている。なお、以下、左右の摩擦材を区別しない場合、摩擦材20と記する。また、左右のパッド裏金を区別しない場合、パッド裏金22と記する。
キャリパ10は、矢印L、矢印R方向に変位可能にマウンティング12を介して車体側に取り付けられている。キャリパ10のシリンダ部16には、図2に示すように、有底の穴24が穿設されており、この穴24には、ピストン26が摺動可能に嵌挿されている。穴24の底にはポート28が設けられ、液圧配管を介してマスターシリンダ(不図示)に接続されている。運転者がブレーキペダルを操作するとマスターシリンダからのブレーキフルードがポート28内に流入し、ピストン26を駆動するようになっている。
ブレーキフルードがポート28内に流入すると、ピストン26が図2に示す非動作状態から矢印L方向、すなわちピストン26の押圧方向に摺動し、パッド裏金22aを介して摩擦材20aをディスクロータ18の側面18aに押圧する。摩擦材20aがディスクロータ18に押圧されると、ピストン26は摺動を停止する。ピストン26が摺動を停止した後も、ブレーキフルードがポート28内に流入すれば穴24内の液圧がさらに上昇する。その結果、停止したピストン26が逆に穴24の内面を矢印R方向に押圧し、シリンダ部16を構成するシリンダハウジング16aを矢印R方向に押圧する。つまり、液圧の上昇に伴って、シリンダハウジング16aが矢印R方向に変位する。
シリンダハウジング16aのシリンダが形成されていない側には爪部30が形成されており、シリンダハウジング16aの矢印R方向への変位に伴って、爪部30がパッド裏金22bを介して摩擦材20bをディスクロータ18の側面18bに押圧する。この結果、ディスクロータ18を一対の摩擦材20a,20bが押圧挟持する状態となり、ディスクロータ18を効率的に制動させることが可能となる。
ブレーキパッド14を構成する摩擦材20aを支持するパッド裏金22aは、図3に示すように、パッド裏金22aの摩擦材20aの支持面の長手方向(図3中矢印L方向)の両端面に、係合部として機能するガイド突部32を有している。このガイド突部32は、マウンティング12側に形成された支持部として機能するトルク受け溝34と遊動自在に係合している。このトルク受け溝34は、制動時にブレーキパッド14に作用する制動トルクのトルク受け面として機能すると共に、ブレーキパッド14がディスクロータ18の回転軸に沿って接離するときの移動方向をガイドするガイド部材として機能する。たとえば、回転するディスクロータ18に摩擦材20aを接触させると、当該摩擦材20aはディスクロータ18に引き摺られる状態になりディスクロータ18に関して接線方向の接線力を受ける。つまり制動トルクを受けることになる。この接線力をパッド裏金22aを介してマウンティング12のトルク受け溝34で受け止めることになる。言い換えれば、トルク受け溝34はパッド裏金22aの押圧時にディスクロータ18の回転方向に対して摩擦材20aのトレーリング側のパッド裏金22aの端面部と接触して摩擦材20aの接線力を受け止める。例えば、図3において、ディスクロータ18(不図示)が反時計方向に回転した場合、トルク受け溝34aが、当該トルク受け溝34aに係合するガイド突部32の制動トルクを受ける。逆に、ディスクロータ18が時計方向に回転した場合、トルク受け溝34bが、当該トルク受け溝34bに係合するガイド突部32の制動トルクを受ける。その結果、トルク受け溝34は車両の前進時および後退時の両方で、パッド裏金22すなわちブレーキパッド14をディスクロータ18に対面する位置に保持する。また、ディスクロータ18を挟んでブレーキパッド14を接離移動させることにより良好な制動力を確保する。なお、図3は、ピストン26側のブレーキパッド14の構成を示しているが、爪部30側のブレーキパッド14も同様な構成で同様に機能する。本実施形態では、パッド裏金22の両端面にガイド突部32を設け、マウンティング12側に凹状のトルク受け溝34を設けた例を示したが、凹凸が逆でもよい。すなわち、パッド裏金22側に凹部を設け、マウンティング12側に凸部を設けても上述と同じ効果を得ることができる。
本実施形態において、ブレーキパッド14はディスクロータ18に対して、当該ブレーキパッド14の短手方向、すなわち、図3の矢印H方向であり、ディスクロータ18の半径方向に移動できるように構成されている。ブレーキパッド14の短手方向の移動を実現するために、本実施形態のキャリパ10は、ガイド突部32とトルク受け溝34との間に、熱変形部材として、たとえばバイメタル36を配置している。図4は、トルク受け溝34周辺の拡大図であり、本実施形態の場合、ガイド突部32の下面側(パッド裏金22の内周側)に、定常時平板姿勢のバイメタル36をブレーキパッド14の長手方向、すなわちパッド裏金22の長手方向に平行に配置している。また、ガイド突部32の上面側(パッド裏金22の外周側)には、トルク受け溝34との間に、ガイド突部32をバイメタル36側に付勢するリーフスプリング38を配置している。このリーフスプリング38は、バイメタル36の復帰変形に伴いブレーキパッド14のパッド裏金22を初期位置に戻す戻し付勢手段として機能する。なお、リーフスプリングの代わりにコイルスプリングなど任意の付勢部材を用いることができる。さらに、ガイド突部32の側面側には、トルク受け溝34との間に、パッド裏金22を逆側のトルク受け溝34に付勢するサイド押スプリング40を配置している。前述したように、ブレーキパッド14、つまりパッド裏金22は、ディスクロータ18の回転軸方向に接離移動するとともに、ブレーキパッド14の長手方向(図3の矢印L方向)に移動できるように遊動自在にマウンティング12のトルク受け溝34に組み込まれている。リーフスプリング38やサイド押スプリング40を配置することにより、パッド裏金22の移動を可能にするとともに、シリンダ部16や爪部30による押圧力が付与されていない場合のパッド裏金22、すなわちブレーキパッド14のがたつきを防止している。また、リーフスプリング38は、後述するようにバイメタル36が変形したとき移動できる移動空間をパッド裏金22をがたつかせることなく形成している。また、バイメタル36が形状復帰して平板状態になったときに、パッド裏金22を初期位置にスムーズに押し戻すように機能する。なお、リーフスプリング38の付勢力は、バイメタル36が変形したときに発生できる付勢力より小さくなるように設定されている。つまり、バイメタル36が変形したときには、リーフスプリング38の付勢力に逆らいパッド裏金22がリーフスプリング38側に向かって移動することを許容する。また、バイメタル36が初期状態に形状復帰した場合には、パッド裏金22がバイメタル36側に向かって移動することを許容する。
図5(a)、(b)に示すように、バイメタル36は、熱膨張率が異なる2種類の金属板36a、36bをはり合わせたもので、温度が変化するとバイメタル36全体が熱膨張率が金属板36aより小さな金属板36bの側に曲がる。ディスクブレーキの場合、ディスクロータ18の側面18aとブレーキパッド14の摩擦材20とが接触すると両者の間で摩擦熱が発生する。発生する摩擦熱による昇温は、制動状態や制動回数などにより異なるが、制動後、100℃以上の状態がしばらく継続する。そして、ディスクロータ18の側面18aとブレーキパッド14の摩擦材20との間で発生した摩擦熱は、パッド裏金22およびガイド突部32に伝わる。また、マウンティング12を介しても熱が伝わる。したがって、制動操作を頻繁に行う市街地走行では、バイメタル36を変形させるのに十分な温度を制動時の摩擦熱で確保することができる。なお、本実施形態の場合、市街地などを走行している場合に、バイメタル36およびその周囲の温度がたとえば平均100℃〜150℃程度になることが頻繁に発生すると仮定し、バイメタル36の変形開始温度をたとえば70℃として説明する。
たとえば、十分な摩擦熱が発生するようなブレーキ操作が行われていない場合や、巡航走行時など前回のブレーキ操作から長時間経過して、ディスクブレーキが冷却されている場合、バイメタル36およびその周囲の温度は低く、バイメタル36の形状は、図6(a)に示すように、初期状態の平板状になっている。この状態では、パッド裏金22は、リーフスプリング38により矢印H1方向に付勢されている。そして、ブレーキ操作が行われると、パッド裏金22がディスクロータ18の回転軸方向に沿って当該ディスクロータ18に接近するように押圧され、ディスクロータ18の側面18aとブレーキパッド14の摩擦材20との間で摩擦熱が発生する。前述したように、摩擦熱により上昇した温度はすぐには下がらない。したがって、ブレーキ操作が終了して、ブレーキパッド14が遊動状態になった場合、摩擦熱がバイメタル36の変形開始温度、たとえば70℃を超えている場合、図6(b)に示すように、バイメタル36が湾曲形状に変形する。つまり、シリンダ部16による押圧が解除され、ブレーキパッド14が遊動自在の状態に戻ると、バイメタル36はブレーキパッド14の短手方向である矢印H2方向にパッド裏金22を移動させる。前述したように、リーフスプリング38の付勢力はバイメタル36の変形により発生できる付勢力より小さいので、パッド裏金22は容易に矢印H2方向に移動することができる。そして、次回の制動時まで、バイメタル36の温度が変形開始温度を超えていれば、パッド裏金22は図6(b)に示すように、ブレーキパッド14の短手方向(矢印H2方向)に移動した姿勢のまま、ディスクロータ18に向かって押圧される。
図7(a)は、パッド裏金22が短手方向(矢印H2方向)に移動する前、すなわち、バイメタル36が変形する前の状態でブレーキ操作が行われ、摩擦材20とディスクロータ18が接触した状態を示している。また、図7(b)は、パッド裏金22が短手方向(矢印H2方向)に移動した後、すなわち、バイメタル36が変形した後の状態でブレーキ操作が行われ、摩擦材20とディスクロータ18が接触した状態を示している。前述したように、ディスクロータ18と摩擦材20との間に異物42が侵入してしまう場合がある。このような異物42は、外部から侵入する場合もあるが、ディスクロータ18の摩耗粉や摩擦材20に含まれる金属成分である場合もある。特に、ディスクロータ18の摩耗粉や摩擦材20に含まれる金属成分の場合、摩擦材20に食い込み、そこで凝集して大きな金属塊となりディスクロータ18を異常摩耗させる、いわゆるメタルキャッチの原因にもなる。
しかし、前述したように、本実施形態のキャリパ10の場合、制動時に発生する摩擦熱により変形したバイメタル36がパッド裏金22すなわちブレーキパッド14を短手方向H2方向に移動させる。たとえば、バイメタル36が変形していないあるタイミングで、図7(a)に示すように、ディスクロータ18の摩耗粉や摩擦材20に含まれる金属成分からなる異物、または外部から侵入した異物が、ディスクロータ18と摩擦材20の間に挟まったり、摩擦材20に食い込んだとする。この状態では、異物42を排出することは困難である。そして、ブレーキ操作が終了し摩擦熱がバイメタル36の変形開始温度を超えている場合、バイメタル36は変形してパッド裏金22を矢印H2方向に移動させる。そして、バイメタル36が変形した別のタイミングで制動を再度行うと、図7(b)に示すように、ディスクロータ18と摩擦材20が別の位置が接触する。つまり、ディスクロータ18と摩擦材20の接触位置が前回の制動時の位置から変化することにより、摩擦材20に食い込んでいる異物42とディスクロータ18の接触状態も変化する。そのため、異物42に作用する力の状態が変化して、異物42の食い込み状態を解消しディスクロータ18と摩擦材20の間からの排出し易くする。また、パッド裏金22の短手方向の一度の移動で異物が排出されない場合でも、制動による温度の上昇と走行による冷却が繰り返されるので、バイメタル36の変形によるパッド裏金22の移動も反復的に行われる。その結果、異物42の排出は早急に実施される。
ところで、ブレーキパッド14は、トルク受け溝34に沿ってスムーズに移動できるように重心バランスなどが設計されている。したがって、バイメタル36をガイド突部32とトルク受け溝34の間に配置することにより、バイメタル36の変形による移動力を効率的にパッド裏金22に付与することが可能となり、バランスよくパッド裏金22、すなわちブレーキパッド14を短手方向に移動させることができる。また、バイメタル36は、非変形時には、平板形態でトルク受け溝34とガイド突部32との間の僅かなスペースに収納することができる。
このように、本実施形態のキャリパ10は、制動時に発生する摩擦熱で変形するバイメタル36を用いてブレーキパッド14を短手方向に移動させて異物42の排出を効果的に行うことができる。また、本実施形態では、異物42の排出をスムーズに行うことができるので、非ブレーキ操作時に摩擦材20のディスクロータ18に対する引き摺りを防止できる。その結果、ブレーキ鳴きの発生を防止できる。また、異物42を排出するとともに、摩擦材20の引き摺りを解消することで偏摩耗の発生も抑制できる。
ところで、熱変形部材としてバイメタルを用いる場合、発生する温度が所定の変形開始温度を超えていれば、その温度に応じて変形量が変化する。つまり、バイメタル36の変形による摩擦材20の移動位置が一定の位置に固定されることがない。たとえば、ディスクロータ18に対する摩擦材20の位置が移動する場合でも、摩擦材20が毎回同じ位置に移動すると、摩擦材20に食い込んだ異物42とディスクロータ18が馴染み易くなり、排出効率が低下することがある。一方、バイメタル36の場合、温度によって変形量が変わるため摩擦材20の移動する位置が一定せず適度にばらつく。つまり、異物42がディスクロータ18の様々な位置で接触する可能性があり、異物42に作用する力が変化し、異物42の排除が効果的に行える。もちろん、摩擦材20が毎回同じ位置に移動する場合でもパッド裏金22とディスクロータ18の接触状態が変化するので、異物42の排出効果は得られる。したがって、たとえば、バイメタル36に代えて、温度が設定値を超えると所定の形状に変化する形状記憶合金を用いても本実施形態と同様な効果を得ることができる。
本実施形態では、バイメタル36を図6(a)、(b)に示すように、ガイド突部32の下側に配置して、バイメタル36の変形時には、パッド裏金22を矢印H2方向に移動させる例を説明したが、バイメタル36をガイド突部32の上側に配置してもよい。この場合、バイメタル36の変形時には、パッド裏金22は矢印H1方向に移動するが、ディスクロータ18と摩擦材20の接触位置は、バイメタル36をガイド突部32の下側に配置した場合と同様に相対的に変化する。したがって、この場合でも上述した例と同様な異物42の排出効果を得ることができる。
また、本実施形態では、バイメタル36などの熱変形部材を、ガイド突部32とトルク受け溝34との間に配置する例を説明したが、変形した熱変形部材によりブレーキパッド14が短手方向に移動できれば、その配置位置は任意である。たとえば、熱変形部材をパッド裏金22の中央下部とマウンティング12との間に配置してもよい。また、熱変形部材が変形した場合、摩擦材20に付勢力を付与し短手方向に移動させるようにしても、本実施形態と同様の異物排出効果を得ることができる。
また、本実施形態では、一例としてシングルピストン型の浮動キャリパを示したが、他のタイプのキャリパにも適用可能であり、熱変形部材の変形を用いて異物の排除をスムーズに行うことができる。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
本実施形態に係るブレーキキャリパの構成を説明する外観図である。 図1の線分A−Aにおけるキャリパの内部構造を説明する断面図である。 図2の線分B−Bにおけるのキャリパの摩擦材の摩擦摺動面を露出させた断面図である。 本実施形態に係るブレーキキャリパのバイメタルの配置位置を説明する説明図である。 本実施形態に係るブレーキキャリパのバイメタルの変形状態を説明する説明図である。 本実施形態に係るブレーキキャリパのバイメタルの変形によるパッド裏金の移動状態を説明する説明図である。 本実施形態に係るブレーキキャリパのバイメタルの変形により移動したブレーキパッドが異物を排出することを説明する説明図である。
符号の説明
10 キャリパ、 12 マウンティング、 14 ブレーキパッド、 16 シリンダ部、 16a シリンダハウジング、 18 ディスクロータ、 20 摩擦材、 22 パッド裏金、 24 穴、 26 ピストン、 28 ポート、 30 爪部、 32 ガイド突部、 34 トルク受け溝、 36 バイメタル、 38 リーフスプリング、 40 サイド押スプリング、 42 異物。

Claims (5)

  1. 車輪とともに回転するディスクロータの摩擦摺動面に押圧され、当該ディスクロータに制動力を与えるブレーキパッドと、
    車体側に固定されるとともに、前記ブレーキパッドを前記ディスクロータの摩擦摺動面に対向する位置で遊動自在に支持するマウンティングと、
    前記ブレーキパッドを前記ディスクロータの摩擦摺動面に押圧する押圧手段と、
    前記マウンティングと前記ブレーキパッドとの間に配置され、周囲の温度変化に応じて形状が変化し前記ブレーキパッドを当該ブレーキパッドの短手方向に移動させる熱変形部材と、
    を含むことを特徴とするブレーキキャリパ。
  2. 前記熱変形部材の復帰変形に伴い前記ブレーキパッドを初期位置に戻す戻し付勢手段を有することを特徴とする請求項1記載のブレーキキャリパ。
  3. 前記ブレーキパッドは、前記ディスクロータの摩擦摺動面と接触する摩擦材と、当該摩擦材を裏面から支持するパッド裏金と、から構成され、
    前記パッド裏金は、前記マウンティングに形成された支持部と係合する係合部を長手方向の両端面に有し、前記熱変形部材は、前記長手方向と平行に前記支持部と前記係合部との間に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のブレーキキャリパ。
  4. 前記熱変形部材は、バイメタルで形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のブレーキキャリパ。
  5. 前記熱変形部材は、前記ディスクロータの摩擦摺動面と前記ブレーキパッドとの接触による摩擦熱により変形することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のブレーキキャリパ。
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