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JP5463106B2 - 浸透気化膜分離用モジュール - Google Patents

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JP5463106B2
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Description

本発明は、浸透気化膜分離用モジュールに関し、詳しくは、含水有機物の無水化の話題性のある代表例の一つとして、バイオエタノールを自動車燃料用エタノールとするための無水化や、また半導体や液晶の製造工程での洗浄や水切り乾燥に使用された高純度溶剤の再生や、各種の化学製品・薬品の製造用原料として使用される有機液体に含まれて不純物となる水の除去や、エステル化反応で代表される反応により生成して製品中に蓄積し反応の完結を妨害する副生水の除去や、等々、含水有機物の脱水・無水化に有効に適用され、さらに、またPV膜分離は、水の透過除去だけでなく多くの分野に適用拡大が検討されるものと期待される浸透気化膜分離用モジュールに関する。
各種の産業用処理プロセスで膜分離技術の適用化は広範囲に進んでいる。膜分離プロセスを効率よいものとするためには、進歩した膜エレメントの特徴を最大限に活かせるモジュール構造の採用が大きなポイントである。
含水有機物から水分を除去するPV(pervaporation:浸透気化)膜脱水プロセスも、産業用膜分離の重要な適用分野である。進歩した膜性能を活かす重要なポイントは、供給液側の膜表面近傍に形成される濃度分極の影響を最小にするモジュール構造の提供である。
濃度分極とは、原料液側の膜表面の溶質濃度が原料液側の流路内の溶質混合平均濃度に比べて高くなり、溶媒の膜透過の推進力を低下させ、膜透過流束に負の影響を与える現象である。これを回避するためには、原料液側の本体流と膜表面との間の物質移動速度を大きくすることが必要である。従来のPVモジュールでは原料側流は流路を充満して流れる液単相流であるが、物質移動速度を上げるためには、(1)原料側流の流速を上げる、(2)本体流中に乱れ・混合を促進する構造とする、等が考えられるが、複雑な構造を必要としない(1)が採用されるのが一般的である。
従来、管状の膜エレメントを使用するPV膜分離においては、二重管型モジュールとバフル付シェル&チューブ型モジュールが使用されてきている。
二重管型モジュールは、図5に示すように、水平円筒状モジュール本体101と、モジュール本体101内に、上下方向に列をなすように配置された複数の二重管102を備えており、各二重管102は、内管を構成する水平筒状膜エレメント111と、外管を構成しかつ各膜エレメントの周囲に流体通路Pを形成している導管112とを備えており、モジュール本体101の胴壁左端には供給流体入口121が下向きに、脱水流体出口122が上向きにそれぞれ設けられており、モジュール本体101の右端壁中央には透過ペーパ出口123が設けられて、各膜エレメント111の左端は、閉鎖されており、その右端は開口されており、導管112の左端は、閉鎖されており、その右端は、対応する膜エレメント111の右端部を貫通させた状態で閉鎖されており、供給流体入口121から脱水流体出口122にかけて、全導管112内に蛇行状流体通路を形成するように、上下隣り合う導管112同士が連通させられるとともに、最下位の導管112が供給流体入口121に、最上位の導管112が脱水流体出口122に連通させられているものである。
このモジュールでは、確実に膜面流速を保持させて濃度分極を最小にして膜エレメント111の性能を最大限活かせる特長を有するが、環状流路Pを流す原料側液の流速を上げると流路長を長くする必要が生じ(膜エレメント111の長さは一定であるため、何らかの方法で直列に接続して流路長を増やす必要がある。二重管102をモジュール本体101内に収める構造の場合には、パス数を多くする)、また導管112である外管に使用する金属管の使用量が多いという問題がある。
バフル付シェル&チューブ型モジュールは、図6に示すように、水平円筒状モジュール本体201と、モジュール本体201内に収容されている左右一対の管束202とを備えており、モジュール本体101内の左端壁近くには垂直状左管板203が設けられて、その左方に左分離ベーパチャンバ204が形成されており、モジュール本体201内の右端壁近くには垂直状右管板205が設けられて、その右方に右分離ベーパチャンバ206が形成されており、モジュール本体201胴壁の右管板205近くには供給流体入口207が、左管板203近くには下向き脱水流体出口208が、そのそれぞれ設けられており、各管束202は、上下および前後に列をなすように配列された複数の膜エレメント211よりなり、各管束202の膜エレメント211の一端は、対応する分離ベーパチャンバ204、206に連通させられ、その他端は、閉鎖されており、供給流体入口207から脱水流体出口208にかけて、流体通路Pを蛇行状とするように左右の管板203、205間に、複数の垂直板状バフル212が設けられているものである。
左右の分離ベーパチャンバ204、206にはそれぞれ、透過ベーパ出口221、222が設けられており、凝縮器を経て真空系に接続されている。
このモジュールでは上記外管は不要である。モジュール本体201内の原料液の流速を上げるために多数枚のバフル212を使用する。それでも理想的に膜面流速を確保することが難しく、濃度分極の影響を大きく受けざるを得ない傾向がある。さらに、モジュールの製造時に、膜エレメント211をモジュール本体201内に装着するに際して多数のバフル212にあけた穴を通して挿入する必要がある。ゼオライト膜等の管状PV膜の表面はデリケートであり、バフル212の穴を通過する過程で表面が穴の縁で擦れる可能性があり、膜を損傷する危険性が高いと言う問題を有する。
上記において説明した二重管型モジュールにおいて、性能確認試験を行ったところ、以下の結果が得られた。試験には、供給流体入口側から連続する2本の膜エレメントだけから構成された試験機を使用した。
供給流体入口121側から見て2本目(後段)の膜エレメント111に注目し、条件設定と性能確認を行った。管状PV膜エレメント111はA型ゼオライト膜で、外形17mm、有効長1m。供給流体はエタノール水溶液で、濃度は2本目膜エレメント111の入出口平均濃度として95wt.%とした。供給液量は100L/hとしたが、この程度の処理液量は、電子部品洗浄乾燥用等の溶剤の自工場内脱水精製処理等では、実用途でしばしば遭遇する条件の範囲内である。環状部での流速をできるだけ大きくするために、外管112としては内径をできるだけ小さくなるよう、外径27.2mm、内径21.4mm(管肉厚2.9mm)のステンレス管を選定した。この場合、外管112内径と膜エレメント111外径で形成される環状流路の断面積は1.33cmで、100L/hの液流量に対する平均流速は約0.21m/secとなり、濃度分極への影響の面からは遅すぎる流速と考えられる。
PV脱水での推進力を可能な限り大きくするために、透過ベーパー側は、チラーで冷やした低温冷媒(0℃)で冷却する凝縮器とドライ真空ポンプの使用により、操作圧力を1kPa(abs)に維持した。供給液体の温度は、2本目の膜エレメント111の入出口平均で約75℃に維持した。
上記条件における透過流束を測定したところ、約1.6kg/m・hの値を得た。透過側の操作圧力を極力小さくして脱水の推進力をできるだけ大きくしたにも係らず、透過流束としては満足できるものではなかった。この結果を種々検討した結果、環状部の流速が過小であるために濃度分極の影響が支配的になっているものと判断された。
そこで、環状部の流速を上げれば透過流速を上げることができるかを確認することにした。試験用脱水流体出口122で液を容器に受け、これをポンプで供給流体入口122に循環することで環状部の流速を上げた。液の循環を実際のモジュールで採用すると、一旦脱水された液が供給液に混合されるため、PV膜分離のための推進力の低下を招くので濃度分極の影響が減っても正負どちらの効果が支配的になるか予断を許さないが、ここでは先ず流速が濃度分極の低減・透過流束の増加に及ぼす影響を確認した。
液の循環を行って、環状部での流速を2倍にすると、透過流束は2.0 kg/m・hとやや大きくなった。更に循環量を大きく増やして環状部での流速を10倍にすると透過流束は約3.4 kg/m・h、流速を20倍にすると透過流束は約4.3 kg/m・hと、ほぼ流速の1/3乗に比例して増加することが解った。これらのデータから、このケースにおける透過流束は濃度分極支配と推測された。しかしこのように多量の液を循環することは、設備面(ポンプ容量)でも、ランニングコスト面でも実際的とは言えず、有効な方法とならないと判断された。
本発明の目的は、PV法の分離膜モジュールに特化して、外管を使用せず、中間部にはバフルも設けず、従来型のモジュールの問題点を回避する構造とする浸透気化膜分離用モジュールを提供することにある。
本発明による浸透気化膜分離用モジュールは、モジュール本体容器内に複数の外圧型管状の浸透気化膜エレメントが上下方向に列をなすように水平に配置されており、各膜エレメントの管内側は分離ベーパーチャンバを介して減圧系に接続されており、各膜エレメントの外面に流下液膜を形成させるように最上位の膜エレメント上方から原料液を散布する散布手段を備えているものである。
本発明では、管外から管内に向けて透過させる(ここでは外圧型と略称する)管状膜エレメントを水平にモジュール本体内に装着して管束を形成させるが、外管を使用せず、中間部にはバフルも設けず、従来型のモジュールの問題点を回避する構造とするものである。管束の上に液散布のための構造を設け、管束に原料液を降りかけ、管状膜エレメント表面は原料液で濡れ、非常に薄い液膜を形成する。最上部の管状膜エレメントの膜表面を濡らした液は順次下方の管状膜エレメント上に流れ落ち、原料液は、最上段の膜エレメントから最下段の膜エレメントまでの外表面に非常に薄い液膜を形成し、上方から下方へ流れ落ちる。全ての管状膜エレメントの内部は減圧などの手段で透過流体の分圧を下げてある(この点は従来型モジュールと同じ)ので、原料液は上方から下方へ液膜を形成しつつ流れ落ちる過程で、水分等除去目的物質の透過が進み、原料液の濃縮・精製が進む。最大の特徴は、非常に薄い原料液の液膜を外圧型PV膜表面上に形成させることで原料液本体流とPV膜表面間の物質移動を促進し、外管やバフル等を設けずシンプルな構造のままで濃度分極の影響を低減でき、モジュールの製造コストを下げ、製造時の膜表面損傷リスクを低減できることである。
本発明による最大の特徴は、水平に保持した膜エレメントの外面に非常に薄い供給液の液膜を形成させることで、膜面流速を高くすると共に、下方の膜エレメントへ液が移る毎に濃度境界層がリセットされるため、供給液本体流と膜エレメント表面間の物質移動速度が高く保たれる結果、外管やバッフル等を設けずシンプルな構造のままで濃度分極の影響を低減でき、モジュールの製造コストを下げ、製造時の膜表面損傷リスクを低減できることである。
本発明による分離膜モジュールの垂直縦断面図である。 同分離膜モジュールによる膜エレメント表面に形成される液膜の様子を示すイメージ図である。 同膜エレメント表面を流下する処理液の様子を示すイメージ図である。 同膜エレメントの配列形態を示す説明図である。 従来例による二重管型モジュールの垂直縦断面図である。 従来例によるバフル付シェル&チューブ型モジュール垂直縦断面図である。
図1を参照すると、モジュールは、左右に長い直方体モジュール本体11と、モジュール本体11内に収容されている左右一対の膜エレメント管束12、13とよりなる。
モジュール本体11内の左端壁近くには垂直状左管板21が設けられている。モジュール本体11内における左管板21の左方に分離ベーパーチャンバ22が形成されている。モジュール本体11内の右端壁近くには垂直状右管板23が設けられている。モジュール本体11内における右管板23の右方に右分離ベーパーチャンバ24が形成されている。モジュール本体11内の左右方向中央には左右一対の垂直対向状支持板25、26が設けられている。
各管束12、13は、前後方向(図6紙面と直交方向)に並んだ複数の膜エレメント列31よりなる。各膜エレメント列31は、上下方向に並んだ複数の水平管状膜エレメント32よりなる。
各膜エレメント32は、セラミックからなる支持体表面に、ゼオライト膜を形成してなる外圧式膜エレメントである。
左管束12において、各膜エレメント32は、左管板21および左支持板25に固定状に橋渡しされている。各膜エレメント32の左端は、開口されて左分離ベーパーチャンバ22に連通させられている。各膜エレメント32の右端は、閉鎖されている。
右管束13において、各膜エレメント32は、右管板23および右支持板26に固定状に橋渡しされている。各膜エレメント32の右端は、開口されて右分離ベーパーチャンバ24に連通させられている。
左右の管束12、13の上方には、左右方向にのびかつ前後方向に並列に並んだ複数の水平状散布管41が配置されている。各散布管41の長さ方向には複数の下向き散布孔42が間隔をおいて形成されている。左右の管束12、13の下方には受け皿43が配置されている。
各分離ベーパーチャンバ22、24には、透過ベーパーを凝縮器(図示しない)に送るための分離ベーパー排出管44が接続されている。受け皿43には、次段モジュール(図示しない)に処理液を送るための処理液出口管46が接続されている。
供給管45を通じて散布管41に原料液が供給される。供給された原料液は、散布孔42を通じて、最上位の膜エレメント32にこれの上方から散布される。散布された原料液は、同膜エレメント32の外表面を濡らし、流下液膜を形成する。膜エレメント32内は分離ベーパー排出管44および分離ベーパーチャンバ22または24を通して減圧されており、液膜を形成した原料液に含まれる水分は、膜エレメント32を透過し、原料液は濃縮処理される。
最上位の膜エレメント32の上方から散布された原料液は、上位の膜エレメント32からその下方の膜エレメント32に向かって順次流下し、各膜エレメント32の表面に液膜を形成する。液膜は非常に薄いので、小流量でも局所流速は高くなるし、下方の膜エレメント32へ流下する毎に液膜内で混合が生じ濃度境界層が打ち消されるので、膜の単位表面積当りの水分透過速度(透過流束)が大きくなり、分離効率が高くなる。
上記説明による実施形態は典型的なものであり、本発明がこの説明に全て拘束されるものではない。具体的には、管束12、13の数は必ずしも2である必要は無く、図1の左または右の管束12、13を単独で使用する場合もある。また、膜エレメント32の固定と支持の方法も、上記方法に限定されるものでもない。また膜エレメント32の種類もセラミック支持体にゼオライト膜を形成させたものに限定されるものではなく、PV(浸透気化)膜分離に有効な管状の膜エレメントであれば、本発明の実施に何ら問題は生じない。更に、モジュール本体11は、供給原料が沸点より温度の低い液体であれば常圧で操作されるために、容積効率の高い直方体形状とできる利点があるが、一般的には圧力条件や製造コストの面から容器形状を決めればよく、本発明が直方体のモジュール容器に限定される訳でもない。
ここで対象とする管状PV膜エレメントは、所謂外圧型と言われるもので、分離に有効な層が外表面に形成されており、透過させたい物質の分圧を高めた条件(通常は加温される)で原料液は膜エレメントの管外側に供給され、透過物質の分圧を下げるよう条件を維持された(通常は減圧される)管内側へ向けてPV透過が進み、膜透過の過程で気化した透過物質は、更に圧力を低めた凝縮器あるいは真空ポンプの吸引側等に接続された配管を通って管内側から外部へ抜き出される。
このような外圧型管状PV膜エレメントを、全ての管が水平となるように、多数管板に取り付けて水平管の管束をつくる。このような管状PV膜エレメント管束の上方に設けた液分散機構から、最上部の全ての管を濡らすように、加温された原料液が供給される。
液分散機構としては、トレイを設置してその底板に最上部の全ての管の中心線上長さ方向にそって小孔を開け、トレイ上に数cmの液位を保ちながら均等に滴下する方法がある。微粒子等を含み、底板の穴が詰まりやすい原料の場合には、底板に上方に突き出たノズルを取り付けて、沈降する微粒子による詰りを避けてノズル内に原料液を流入させ、ノズル下端から滴下させる方法もある。また、スプレイで下方に向かって噴霧して液を吹き付けるものでもよい。或いは、管長手方向に底板に幅の小さいスリットを切り、スリット周縁に上辺にピッチの小さいノッチを刻んだ堰板を設け、堰をオーバーフローした液を管中心上に供給することもできる。その外にも、液分散の方法は各種あるが、本発明の有効性は、特定の液分散方法に限定されるものではない。
図2に、膜エレメント32表面上面に形成される液膜Fのイメージが示されている。
膜エレメント32上に供給された原料液はその表面を濡らし、表面張力の作用でその長手方向にも拡がる。膜エレメント32の上端(時計12時の方向)に供給された原料液は、重力の作用で、膜エレメント32表面上に薄い液膜Fを形成しながら、膜エレメント32下端(時計6時の方向)に向かって流れ落ちながら、分離対象の溶媒成分は減圧された膜エレメント32内に向けて気化しながら透過する。
溶質成分濃度がやや増加した残余の液は、下方に位置した次段の膜エレメント32上端に流下し、上述と同じ現象が繰り返される。
本発明の有効性は、液膜Fの形成条件によって大きく影響を受ける。先ず、液膜Fの厚みtは小さいほど原料液本体流とPV膜表面間の物質移動は容易となる。液膜Fの厚みtは、管サイズ、原料流体の物性、管単位長さ当りの供給液流量等に影響される。管単位長さ当りの液流量が小さいほど薄くなるが、液流量が過少となると、液膜Fが破れて管表面上に実質的には液が流れない部分が生じる。溶剤の無水化のような用途では、膜表面に濡れていない部分が発生しても、その分有効な膜面積が減少したことにはなるが、スケール析出等の非可逆性の表面汚染は生じない。しかし処理効率を高く維持するためには、液膜Fの破断が生じない範囲に流量を維持することが重要である。水分を含む原料液を親水性多孔質膜で処理する場合のように原料液と膜表面の親和性が高い場合には、液膜Fの破断を生じることなく、流量を下げて液膜厚みtを非常に薄くすることも可能である。特別な液と膜表面との親和性を前提としないで、好適な液膜Fを得る条件としては、20≦ Re ≦200 が目安となる。
ここで、Re:液膜のレイノルズ数、Re=4・m/μで定義される。
ただし、m:水平管単位長さ当りの流量の1/2(図2に示すように、管頂に供給された液は、二分されて液膜を形成する)[kg/m・h]。μ:液の粘度[kg/m・h]。しかしながら、このレイノルズ数範囲を超えても、直ちに本発明の有効性が失われる訳ではない。
もう一つ、本発明の有効性を高める条件がある。上下の管の間を落下する液の流動状態に留意する必要がある。この流動状態を、図3に示す。
膜エレメント32表面が十分濡れる条件であっても、上下の膜エレメント32の間の距離が離れていれば、上の膜エレメント32の下端を離れた液は、図3(a)のように大粒の液滴51となって下の膜エレメント32の上端に到達する。最上段の膜エレメント32に注目すると、膜エレメント32上端では濃度境界層は存在しないが、膜エレメント32の表面上を液膜として流下する間にPV膜分離が進むので、液膜内に濃度境界層が形成される。膜エレメント32下端から離れる液中には濃度境界層が残っているが、上下の膜エレメント32間を液滴51で落下して下の膜エレメント32の上端に到達し再度液膜が形成される時に、膜エレメント32上端のよどみ部分で液の撹拌混合が起こり、濃度境界層は殆ど消失する。そのため、2段目以降の膜エレメント32においても、膜エレメント32上端(12時の方向)から新たな濃度境界層の形成が始まるため、その膜エレメント32での平均の物質移動速度の低下が殆ど生じなく、上下方向の膜エレメント32段数に関係なく高性能が発揮される。
この条件より上下膜エレメント32間の距離を接近させるか、膜エレメント32単位長さ当りの流量を大きく設計すると、上下の膜エレメント32の間の流れは図3(b)のように液柱52の状態となり、下の膜エレメント32の上端に達したところでの撹拌混合が弱くなり、下の膜エレメント32では上端で濃度境界層が残った状態から更に液膜内で濃度境界層が発達することになり、下の膜エレメント32の平均値としての物質移動速度が負の影響を受ける。更に膜エレメント32を接近させるか流量を増加させると、上下の膜エレメント32の間での液の流れは、図3(c)のように連続したシート53となり、濃度境界層が下方の膜エレメント32へ蓄積してゆく傾向が更に強くなり、物質移動性能は更に悪化する。従って、可能な限り上下膜エレメント32間の流れは、図3(a)に示す滴下モードに保つのが望ましい。
上下膜エレメント32間の液流れのモードの移行条件については、多くの研究結果が報告されている。例えば、X.Hu and A. M. Jacobi, Transaction of the ASME Journal of Heat Transfer , Vol. 118 , August 1996 , pp. 616-625では、滴下モードと、図3(b)に示す液柱モードの境界の液膜レイノルズ数として、Re= 0.0743・Ga0.302 の関係が報告されている。
ここで、Ga:修正ガリレオ数=ρ・σ・g 、ρ:液の密度、σ:液の表面張力、g:重力加速度 である。
図4(a)〜(d)に、PV膜エレメント32束の配列態様がさまざまに示されている。これは、シェルアンドチューブ型の熱交換器と同様なものである。図4(a)は、四角配置直列を、図4(b)は、三角配置錯列を、図4(c)は、四角配置錯列を、図4(d)は、三角配置直列をそれぞれ示すものである。
上方の膜エレメント32を離脱する原料側液を真下で受け取り、次々下方へ受け渡して行けるように、上下方向に間隔pをおいて必要な本数の膜エレメント32を配置するばかりでなく、処理容量に応じて、横方向にも間隔pをおいて平行に複数の膜エレメント32を配し、それらの膜エレメント32下端から落下する液を受け取る膜エレメント32を次々下方に配置する。
図4(a)〜(d)に示す配列のいずれを採用しても本質的に本発明は有効である。錯列の方が上下の膜エレメント32間距離が大きくなり、下方段の膜エレメント32が上方段の液を受けたところでの撹拌混合が強くなり、濃度境界層消失が容易となり有利な面があるが、モジュール設置時に傾きがあったりすると、上方の膜エレメント32を離脱した液の下方膜エレメント32への受け渡しに問題が生じる可能性が考えられ、工事施工段階等で留意を要する。
本発明によるモジュールの有効性を検討した。条件は、冒頭、図5を参照しながら説明した二重管型モジュールに係る試験と同等にした。即ち、管状PV膜エレメント2本を、上下の位置に水平に設置し、上方の膜エレメント外面に長さ方向に均一に液を供給し、膜エレメント外面に液膜を形成させた。下方の膜エレメントは上方の膜エレメントの真下に10mmの間隔を空けて設置した。上方の膜エレメントの下端から落下する液流は、下方の膜エレメントの上端に長さ方向に均一に供給される。性能確認は下方の膜エレメントに注目して行った。管PV膜エレメントはA型ゼオライト膜で、外形17mm、有効長1m。供給流体はエタノール水溶液で、濃度は2本目エレメントの上下端平均濃度として95wt.%とした。供給液流量は100L/hとした(これが、上方エレメントの長さ方向に均一に供給される)。供給液体の温度は、2本目の膜エレメントの上下端平均で約75℃に維持した。この条件では、下方膜エレメント外表面に形成される液膜のレイノルズ数は、約83となる。透過側の操作圧力は、前記比較例の場合と同様に、1kPa(abs)とした。
この運転条件では、上方の膜エレメントから下方の膜エレメントに移る液の流動様式は、主として滴下モードであり、時々液柱モードが現れる。膜エレメント表面に形成される液膜は、A型ゼオライト膜表面とエタノール水溶液との間の親和性が高いことも作用して非常に安定で、破断する様子は見られない。計算上の液膜厚みは平均約0.18mmと、非常に薄い液膜を形成する。
これらの条件に対するPV膜透過速度として、濃度分極支配の限界透過流束は約5.7 kg/m・hとなった。これらの結果から、重力の作用を巧みに利用する液膜式モジュールでは、液の循環等行うことなく、供給液量の少ない状況でも濃度分極の影響を少なくする設計が可能であることが明らかとなった。
ただし、ここでは2本の膜エレメントを使用する試験用モジュールで限界性能の比較を行ったが、実用の膜分離装置としてのモジュール設計では、処理量や製品品質面から適切な設計が必要であることは言うまでもないことである。
本発明による分離膜モジュールは、アルコール無水化設備、例えば、エタノール製造設備、イソプロピルアルコール(IPA)リサイクル設備において、有機溶剤と水の混合液もしくは蒸気等の流体を、無水化することを達成するのに適している。
11 モジュール本体
22、24 分離ベーパチャンバ
32 膜エレメント

Claims (1)

  1. モジュール本体容器内に複数の外圧型管状の浸透気化膜エレメントが上下方向に列をなすように水平に配置されており、各膜エレメントの管内側は分離ベーパーチャンバを介して減圧系に接続されており、各膜エレメントの外面に流下液膜を形成させるように最上位の膜エレメント上方から原料液を散布する散布手段を備えている浸透気化膜分離用モジュール。
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