[go: up one dir, main page]

JP5434432B2 - ナノ炭素材料複合基板および電子放出素子 - Google Patents

ナノ炭素材料複合基板および電子放出素子 Download PDF

Info

Publication number
JP5434432B2
JP5434432B2 JP2009220941A JP2009220941A JP5434432B2 JP 5434432 B2 JP5434432 B2 JP 5434432B2 JP 2009220941 A JP2009220941 A JP 2009220941A JP 2009220941 A JP2009220941 A JP 2009220941A JP 5434432 B2 JP5434432 B2 JP 5434432B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nanocarbon material
substrate
opening
composite substrate
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009220941A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011070919A (ja
Inventor
浩介 高柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2009220941A priority Critical patent/JP5434432B2/ja
Publication of JP2011070919A publication Critical patent/JP2011070919A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5434432B2 publication Critical patent/JP5434432B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Discharge Lamps And Accessories Thereof (AREA)

Description

本発明は、ナノ炭素材料複合基板、該ナノ炭素材料複合基板の製造に適したナノ炭素材料複合基板製造方法、該ナノ炭素材料複合基板を用いた電子放出素子、および、該ナノ炭素材料複合基板を用いた電界電子放出型ランプに関する。
ナノ炭素材料は、炭素原子のsp混成軌道で構成された、ナノメーター(nm)サイズの微細形状を有することから、従来の材料を凌駕する特性または従来の材料にはない特性を有しており、強度補強材料、電子放出素子材料、電池の電極材料、電磁波吸収材料、触媒材料、光学材料などの次世代の機能性材料としての応用が期待されている。
上述したナノ炭素材料の製造方法として、種々の方法が提案されている。
例えば、基板上に形成された触媒金属粒子上に化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVD)を利用してカーボンナノチューブを配向成長させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
例えば、固体基板と有機液体が急激な温度差をもって接触することから生じる特異な界面分解反応に基づいており、精製が不要な高純度のカーボンナノチューブを合成することができ、収率が非常に高い合成方法である固液界面接触分解法が提案されている(特許文献2参照)。
電界電子放出(フィールドエミッション)は、アスペクト比の大きい材料に対して強電界を印加したとき、トンネル効果によりその材料の表面から電子放出が起こる現象のことを指している。フィールドエミッションにより放出される電子を蛍光体に入射し、蛍光体を励起・発光させ、照明器具として利用した装置が電界電子放出型ランプである。電界電子放出型ランプは、従来の白熱電球や蛍光灯などと比較して低消費電力、低公害などのような優れた特徴を有しており、次世代の照明器具として注目を集めている。
フィールドエミッションにより電子を放出させるための材料として、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノウォール、カーボンナノフィラメント、カーボンナノコイル、カーボンナノホーンなどのようなナノ炭素材料が挙げられる。これらナノ炭素材料は、仕事関数が低いこと、電界集中係数が高いこと、電気伝導性や熱伝導性が高いこと、など電子放出材料として好適な物性を有している。
上述のような物性を生かし、ナノ炭素材料を基板表面に成長させて電子放出材料として用い、電界電子放出型ランプなどへ応用する研究が行われている。このとき、基板表面においてナノ炭素材料をパターニングして成長させることで、ナノ炭素材料へより効率よく電界集中が起こることが知られている。
例えば、基板表面にカーボンナノチューブ成長のための触媒を成膜した後アニールを行い、触媒を微粒子化してパターンを形成し、パターン形成された触媒担持部位にのみナノ炭素材料を成長させる方法が提案されている(特許文献3参照)。
例えば、基板表面にカーボンナノチューブをパターニングして成長させ、カーボンナノチューブを保護するため、パターン化された絶縁性薄膜で被覆する方法が提案されている(特許文献4参照)。
特開2001−167721号公報 特開2008−214141号公報 特開2005−259600号公報 特開2007−299697号公報
基板表面にナノ炭素材料をパターニングして成膜させた場合、基板全面にナノ炭素材料を成膜した場合と比較してナノ炭素材料が相対的に少なくなるため、ナノ炭素材料の機械的強度が不足する。このため、衝撃あるいは電界を印加した際に起こるスパークなどに対する安定性が損なわれるという欠点を有している。
また、基板表面にナノ炭素材料をパターニングして成膜させその周囲を被覆した場合には、ナノ炭素材料の持つ高いアスペクト比を生かすことができず、結果として電界集中の効果が低くなってしまう。
そこで、本発明は、基板にナノ炭素材料を好適にパターニングして成長させることが出来るナノ炭素材料複合基板製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態は、表面層、触媒層、背面層、を有する基板と、前記基板上に触媒層を露出させるために形成された開口部と、前記開口部内に露出した前記触媒層の表面に成膜されたナノ炭素材料を備え前記開口部の側面は、テーパー状に形成されており、前記背面層が導電性を有し、カソード電極と導通可能なことを特徴とするナノ炭素材料複合基板である。
また、前記ナノ炭素材料複合基板が、カソード電極、ゲート電極、アノード電極を備えていないことを特徴とするナノ炭素材料複合基板である。
また、前記触媒層の表面に成膜されたナノ炭素材料は、該ナノ炭素材料の先端が前記基板の表面層の表面に突出していないことが好ましい。
また、本発明の一実施形態は、上述のナノ炭素材料複合基板を用いた電子放出素子である。
また、本発明の一実施形態は、上述の電子放出素子を用いた電界電子放出型ランプであって、前記電子放出素子と、前記電子放出素子と対向して配置され、ゲート開口部を有するゲート電極と、前記ゲート電極を挟んで前記電子放出素子と対向して配置されたアノード電極と、前記アノード電極上に設けられた蛍光体と、を備えたことを特徴とする電界電子放出型ランプである。
本発明の手法を用いることにより、基板上に形成した開口部の断面部分に触媒層が露出させられ、この触媒層が露出されられた部分にのみナノ炭素材料が成長したナノ炭素材料複合基板が作製できる。このため、本発明のナノ炭素材料複合基板は、開口部により露出された触媒層にのみナノ炭素材料が生成されており、パターニングされてナノ炭素材料が配置されることから、電界が集中しやすく、優れた電子放出特性が発揮されることが期待できる。また、個々のナノ炭素材料は、基板の表面層によって保護されているために、衝撃やスパークなどからナノ炭素材料を保護することができ、ナノ炭素材料複合基板が優れた耐久性を発揮することが可能になる。
本発明のナノ炭素材料複合基板製造方法の実施形態の一例を示した概略工程図である。 本発明のナノ炭素材料複合基板製造方法の実施形態の一例を示した概略工程図である。 本発明のナノ炭素材料複合基板製造方法の実施形態の一例を示した概略工程図である。 本発明の電界電子放出型ランプの一例を示した概略図である。
以下、本発明の一実施形態に関わるナノ炭素材料複合基板製造方法について、説明を行なう。
<基板準備工程>
まず、基板11の準備を行う。本発明に用いられる基板11は、表面層12、触媒層13、背面層14、の層を備えた多層構造を有する。基板11は触媒層13を触媒層13に用いた材料とは異なる材料で両面に積層された基板11であればよく、3層以上の多層基板を用いても良い。
触媒層13は、ナノ炭素材料を成膜するための触媒能を持つ材料で構成されている。具体的には鉄、ニッケル、コバルト、およびこれらの金属のうち少なくとも一種類を含むような合金材料、などを用いることができる。
表面層12および背面層14は、ナノ炭素材料を成膜するための触媒能を持たない材料で構成されている。具体的には銅、アルミニウム、亜鉛、クロム、マグネシウム、シリコンなどの金属材料、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ジルコニウムなどのセラミック材料、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアセタール、ポリエーテルイミドなどの樹脂材料、などを用いることができる。
このような多層構造を有する基板11は、表面層12、触媒層13、背面層14の3種の材料の張り合わせ、背面層14の表面に触媒層13を成膜した後で表面層12と張り合わせ、触媒層12と背面層13を張り合わせた後でその表面に表面層12を成膜、など公知の張り合わせ、接着プロセス、および薄膜形成プロセスなどを適宜用いることによって作製される。
例として、銅、鉄‐ニッケル合金、銅の各基板を張り合わせる方法、銅板にニッケルめっきを施した上でニッケルの面を別の銅板に張り合わせる方法、銅板とニッケル板を張り合わせた上でニッケル板の表面に樹脂層を形成する方法、などを利用することで基板11を作製することができる。
<触媒層露出工程>
次に、基板11上に表面層12、少なくとも触媒層13まで達する深さの開口部16を形成し、この開口部16の底部に触媒層13を露出させる。開口部16の形成は、エッチング、機械加工など公知のプロセスを適宜用いることによって行われる。開口部16の深さおよび形状は、(1)エッチングの方式、エッチング種などの反応条件の調整、(2)微細機械加工装置の加工精度の範囲、などにより所望の形状・寸法で加工することが出来る。
また、開口部は、基板11に多数形成されていてもよく、該複数の開口部はそれぞれパターン配列されていてもよい。
なお、ここで、パターン配列とは、各開口部同士が規則的に並んでいる状態を示すものものとして定義する。このため、例えば、碁盤目状、蜂の巣状(ハニカム構造)などの配列で整列されたものを含み、またこれらの配列に限定されるものではない。
また、前記触媒層露出工程にあたり、前記基板上に形成された開口部は前記基板の表面層、触媒層まで達する深さであってもよい。
開口部の最深部を触媒層とした場合、開口部の底面一面に連続してナノ炭素材料を配置することが出来る(例えば、図1(e)参照)。
また、前記触媒層露出工程において、前記基板上に形成された開口部は前記基板の表面層、触媒層、背面層まで達する深さであってもよい。
開口部の最深部を背面層とした場合、開口部の底面である背面層に分断された側面にナノ炭素材料を配置することが出来る(例えば、図2(e)参照)。
このとき、ナノ炭素材料17aが開口部16aの底面部分ではなくその断面の一部分にのみ成膜されているため、ナノ炭素材料複合基板18aを電子放出素子として用いた際にナノ炭素材料17aに電界集中が起こりやすく、結果として電子放出特性の向上が期待できる。
また、前記触媒層形成工程において、前記基板上に形成された開口部は前記基板を貫通していてもよい。
開口部を貫通孔とした場合、開口部の側面にナノ炭素材料を配置することが出来る(例えば、図3(e)参照)。
このとき、開口部16bが基板11を貫通するように形成されているため、ナノ炭素材料複合基板18bを電子放出素子として用いた際に開口部16b内部のナノ炭素材料17aにより電界集中が起こりやすく、結果として電子放出特性のさらなる向上が期待できる。
また、前記開口部の側面は、テーパー状に形成されていることが好ましい。
開口部をテーパー形状とすることにより、後述する<ナノ炭素材料成長工程>において、ナノ炭素材料17を開口部16の開口の方向へ成膜することが可能となり、ナノ炭素材料複合基板18を電子放出素子として用いた際に電子放出特性の向上が期待できる。
<ナノ炭素材料成長工程>
次に、開口部16の底部に露出させられた触媒層13の表面にナノ炭素材料17を成膜することでナノ炭素材料複合基板18を作製する。このとき、露出させられた触媒層13の表面にナノ炭素材料17が垂直配向するような合成方法を採用することが望ましい。
具体的には、(1)基板上に形成された触媒金属粒子上に化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVD)を利用してカーボンナノチューブを配向成長させる方法、(2)有機液体中で遷移金属または遷移金属の酸化物からなる触媒を担持した基板を加熱してその基板上にカーボンナノチューブを合成する固液界面接触分解法、など、があげられる。
このとき、触媒層13の表面に成長させられたナノ炭素材料は、該ナノ炭素材料の先端が前記基板11の表面層12の表面を突出していないことが好ましい。
ナノ炭素材料の先端が前記基板11の表面層12の表面を突出していないことにより、触媒層13の上に位置する表面層12によって保護された構造となる。このため、ナノ炭素材料複合基板18を電子放出素子として用いた際に、衝撃やスパークなどからナノ炭素材料17を保護することが可能になる。さらに、ナノ炭素材料17が基板11の表面に突出していない(ナノ炭素材料17の先端の高さが表面層12の表面を越えない)形態を取ることで、より確実にナノ炭素材料17を保護することが可能になる。
本発明のナノ炭素材料複合基板製造方法は、表面層、触媒層、背面層、の多層構造を有する基板に対して開口部を形成し、触媒層を露出させることにより、任意のパターンでナノ炭素材料を成膜させることができる。ナノ炭素材料をパターニングして成膜させることにより、ナノ炭素材料複合基板を電子放出素子として用いた際に個々のナノ炭素材料に電界が集中しやすくなることが期待できる。また、触媒層の表面に成膜されたナノ炭素材料は表面層によって保護された構造になっているため、ナノ炭素材料複合基板を電子放出素子として用いた際に衝撃やスパークなどからナノ炭素材料を保護することが可能となり、耐久性が向上することが期待できる。
以下、本発明のナノ炭素材料複合基板製造方法の具体的な第1の実施の形態として、図1を用いながら説明を行なう。
まず、表面層12、触媒層13、背面層14の順で積層された多層基板を用意する(図1(a))。
次に、表面層12の表面に所望のパターンでレジスト15を塗布する(図1(b))。
次に、パターン形成されたレジスト15をマスクとしてエッチングを行い、基板11表面に開口部16を形成する。このとき、開口部16は表面層12および触媒層13まで達しており、したがって開口部16の底部には触媒層13が露出されることとなる(図1(c))。
次に、開口部16を形成した後、レジスト15を除去する(図1(d))。 次に、開口部16の底部に露出させられた触媒層13の表面にナノ炭素材料17を成膜することでナノ炭素材料複合基板18を作製する(図1(e))。
図1に示す実施の形態では、開口部の最深部は触媒層であり、開口部の底面一面に連続してナノ炭素材料を配置することが出来る(例えば、図1(e)参照)。
以下、本発明のナノ炭素材料複合基板製造方法の具体的な第2の実施の形態として、図2を用いながら説明を行なう。
まず、表面層12、触媒層13、背面層14の順で積層された多層基板を用意する(図2(a))。
次に、表面層12の表面に所望のパターンでレジスト15を塗布する(図2(b))。
次に、パターン形成されたレジスト15をマスクとしてエッチングを行い、基板11表面に開口部16を形成する。このとき、開口部16aは背面層1413まで達しており、したがって開口部16aの底部には背面層14が露出されることとなる(図2(c))。
次に、開口部16aを形成した後、レジスト15を除去する(図2(d))。
次に、開口部16aにより露出させられた触媒層13の表面にナノ炭素材料17を成膜することでナノ炭素材料複合基板18を作製する(図2(e))。
図2に示す実施の形態では、開口部の最深部は背面層であり、開口部の底面である背面層に分断された側面にナノ炭素材料を配置することが出来る(例えば、図2(e)参照)。
このとき、ナノ炭素材料17aが開口部16aの底面部分ではなくその断面の一部分にのみ成膜されているため、ナノ炭素材料複合基板18aを電子放出素子として用いた際にナノ炭素材料17aに電界集中が起こりやすく、結果として電子放出特性の向上が期待できる。
以下、本発明のナノ炭素材料複合基板製造方法の具体的な第3の実施の形態として、図3を用いながら説明を行なう。
まず、表面層12、触媒層13、背面層14の順で積層された多層基板を用意する(図3(a))。
次に、表面層12の表面に所望のパターンでレジスト15を塗布する(図3(b))。
次に、パターン形成されたレジスト15をマスクとしてエッチングを行い、基板11表面に開口部16bを形成する。このとき、開口部16aは表面層12から背面層14までを貫く貫通孔であり、開口部16bの側面に触媒層13が露出している(図3(c))。
次に、開口部16bを形成した後、レジスト15を除去する(図3(d))。
次に、開口部16bにより露出させられた触媒層13の表面にナノ炭素材料17を成膜することでナノ炭素材料複合基板18を作製する(図3(e))。
図3に示す実施の形態では、開口部は貫通孔であり、開口部の側面にナノ炭素材料を配置することが出来る(例えば、図3(e)参照)。
このとき、開口部16bが基板11を貫通するように形成されているため、ナノ炭素材料複合基板18bを電子放出素子として用いた際に開口部16b内部のナノ炭素材料17aにより電界集中が起こりやすく、結果として電子放出特性のさらなる向上が期待できる。
以下、本発明のナノ炭素材料複合基板を電子放出源として用いた電界電子放出型ランプについて、図4を参照しながら詳しく説明する。ただし、本発明は以下に説明する好適な実施の形態に何ら限定されるものではない。
図4に示すように、本発明のナノ炭素材料複合基板を電子放出源として用いた電界電子放出型ランプは、カソード電極19、ゲート電極31、アノード電極42を備えた三極構造型の電界電子放出型ランプである。
カソード電極19は、金属材料または半金属材料からなる導電性材料、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、または鋼、ステンレス、インバー、コバールなどの合金、またはシリコンなどで構成されている。このカソード電極16のゲート電極31と対向する面には上記のナノ炭素材料複合基板18が配置されている。なお、ナノ炭素材料複合基板18の背面層14が導電性材料で構成されている場合には、これを利用してナノ炭素材料複合基板18にカソード電極としての役割を持たせても差し支えない。この場合にはカソード電極19が省略され、ナノ炭素材料複合基板18が直接外部回路に接続されることとなる(不図示)。
ゲート電極31は、銅、アルミニウム、ニッケル、鋼、ステンレス、インバー、コバールなどのような金属材料で構成されている。ゲート電極31は、カソード電極19上のナノ炭素材料複合基板18から電子を放出させ、この電子をアノード電極42の方向へと導くための金属材料で構成された平板状電極である。
ゲート電極31は、金属材料に対して機械加工、エッチング、スクリーン印刷などの手法によって開口部32を形成することによって作製される。このとき、開口部32を形成する領域及びその形態については、必ずしも図4の形態に限定される必要はなく、円形、矩形、ライン状など任意の形態で形成して差し支えない。あるいは、ナノ炭素材料複合基板18に形成されている開口部16と同一のパターンで形成されていても良い。
また、上記のように金属材料に対して開口部32を形成することでゲート電極31を作製する代わりに、金属材料からなるメッシュをゲート電極31として用いてもよい。
アノード電極42は、酸化インジウムスズ、酸化亜鉛、酸化スズなどのような透明導電膜であり、アノード基板41上にスパッタ、真空蒸着、レーザーアブレーション、イオンプレーティング、CVD、スプレー法、ディップ法などにより成膜されている。またアノード基板41は、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどのような透明度の高い材料で構成されている。
アノード電極42上のゲート電極31と対向する面には、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化イットリウムなどの微粒子の分散溶液をインクジェット、スクリーン印刷などで塗布し、その後乾燥、焼成させることにより蛍光体層43が成膜されている。
なお、蛍光体層43を成膜する領域及びその領域については、必ずしも図2の形態に限定される必要はない。アノード電極42上において、アノード電極42およびゲート電極31に対して垂直な方向から見たとき、少なくともゲート電極31上の開口部32の直上に蛍光体層43が成膜されていれば十分である。
上記カソード電極19、ゲート電極31、およびアノード電極42は真空排気された発光容器(不図示)中に設置されている。またカソード電極19とゲート電極31との間には外部電源51が、カソード電極19とアノード電極42との間には外部電源52が発光容器外部よりそれぞれ接続されており、両電極間に印加する電圧を任意に設定することが可能である。
外部電源51によってカソード電極19とゲート電極31との間に、外部電源52によってカソード電極19とアノード電極42との間に、それぞれ直流電圧を印加することにより、ナノ炭素材料複合基板18の開口部16の内部に成膜したナノ炭素材料17からフィールドエミッションにより電子が放出される。電子はゲート電極31に設けられた開口部32を通り抜け、アノード電極42上の蛍光体層43に入射する。このとき蛍光体層43より可視光が放出され、この可視光はアノード基板41を透過してランプ外部に放たれる。
本発明のナノ炭素材料複合基板を電子放出源として用いた電界電子放出型ランプにおいては、個々のナノ炭素材料に電界が集中しやすく、またこれらナノ炭素材料は表面層によって保護された構造になっているため、電界電子放出型ランプの発光特性および耐久性が向上することが期待できる。
本発明のナノ炭素材料複合基板は、強度補強材料、電池の電極材料、電磁波吸収材料、触媒材料、光学材料、電子放出素子材料、などの基板としての応用が期待される。
特に、強電界によって電子を放出する電界放射型の電子放出素子としての利用が期待され、具体的には、例えば、光プリンタ、電子顕微鏡、電子ビーム露光装置などの電子発生源や電子銃、平面ディスプレイを構成するアレイ状のフィールドエミッタアレイの面電子源、照明ランプ、などの用途としての電子放出素子として有用である。
特に、照明ランプの電子放出素子として用いる場合、(1)ディスプレイ用途:液晶バックライト、プロジェクタ光源、LEDディスプレイ光源、(2)シグナル用途:交通信号灯、産業/業務用回転灯・信号灯、非常灯・誘導灯、(3)センシング用途:赤外線センサ光源、産業用光センサ光源、光通信用光源、(4)医療・画像処理用途:医療用光源(眼底カメラ・スリットランプ)、医療用光源(内視鏡)、画像処理用光源、(5)光化学反応用途:硬化・乾燥/接着用光源、洗浄/表面改質用光源、水殺菌/空気殺菌用光源、(6)自動車用光源:ヘッドランプ、リアコンビネーションランプ、内装ランプ、(7)一般照明:オフィス照明、店舗照明、施設照明、舞台照明・演出照明、屋外照明、住宅照明、ディスプレイ照明(パチンコ機、自動販売機、冷凍・冷蔵ショーケース)、機器・什器組込照明、などの照明用途に応用が期待される。
なお、上記の用途に本発明のナノ炭素材料複合基板の用途は限定されるものではない。
11……基板
12……表面層
13……触媒層
14……背面層
15……レジスト
16、16a、16b……開口部
17、17a、17b……ナノ炭素材料
18、18a、18b……ナノ炭素材料複合基板
19……カソード電極
31……ゲート電極
32……開口部
41……アノード基板
42……アノード電極
43……蛍光体層
51……外部電源
52……外部電源

Claims (4)

  1. 表面層、触媒層、背面層、を有する基板と、
    前記基板上に触媒層を露出させるために形成された開口部と、
    前記開口部内に露出した前記触媒層の表面に成膜されたナノ炭素材料を備え、
    前記開口部の側面は、テーパー状に形成されており、
    前記背面層が導電性を有し、カソード電極と導通可能なことを特徴とするナノ炭素材料複合基板。
  2. 前記ナノ炭素材料複合基板が、カソード電極、ゲート電極、アノード電極を備えていないことを特徴とする、請求項1に記載のナノ炭素材料複合基板。
  3. 前記触媒層の表面に成膜されたナノ炭素材料は、該ナノ炭素材料の先端が前記基板の表面層の表面に突出していないこと
    を特徴とする請求項1、2いずれかに記載のナノ炭素材料複合基板。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のナノ炭素材料複合基板を用いた電子放出素子。
JP2009220941A 2009-09-25 2009-09-25 ナノ炭素材料複合基板および電子放出素子 Expired - Fee Related JP5434432B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009220941A JP5434432B2 (ja) 2009-09-25 2009-09-25 ナノ炭素材料複合基板および電子放出素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009220941A JP5434432B2 (ja) 2009-09-25 2009-09-25 ナノ炭素材料複合基板および電子放出素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011070919A JP2011070919A (ja) 2011-04-07
JP5434432B2 true JP5434432B2 (ja) 2014-03-05

Family

ID=44016010

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009220941A Expired - Fee Related JP5434432B2 (ja) 2009-09-25 2009-09-25 ナノ炭素材料複合基板および電子放出素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5434432B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5347938B2 (ja) * 2009-12-14 2013-11-20 凸版印刷株式会社 発光装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3054205B2 (ja) * 1991-02-20 2000-06-19 株式会社リコー 電子放出素子集積基板
JP2787901B2 (ja) * 1995-07-28 1998-08-20 日本電気株式会社 電界放射冷陰極の製造方法
KR100343205B1 (ko) * 2000-04-26 2002-07-10 김순택 카본나노튜브를 이용한 삼극 전계 방출 어레이 및 그 제작방법
JP2004071527A (ja) * 2002-08-08 2004-03-04 Sp Solution:Kk 電子放出装置
JP4703270B2 (ja) * 2005-06-06 2011-06-15 三菱電機株式会社 ナノ構造体群を用いた電子素子
JP4611228B2 (ja) * 2006-03-23 2011-01-12 三菱電機株式会社 電界電子放出装置およびその製造方法
JP2007335269A (ja) * 2006-06-15 2007-12-27 Displaytech 21:Kk 真空蛍光管

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011070919A (ja) 2011-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1203507C (zh) 电子发射元件、电子源、发光装置以及图像形成装置的各制造方法
JP5698982B2 (ja) 照明ランプ及びナノ炭素材料複合基板とその製造方法
KR20020043952A (ko) 탄소 나노 튜브를 이용한 전계 방출 소자 및 그 제조 방법
Chang-Jian et al. Fabrication of carbon nanotube field emission cathodes in patterns by a laser transfermethod
KR101251183B1 (ko) 필드 에미션 램프
JP5434432B2 (ja) ナノ炭素材料複合基板および電子放出素子
KR20090113907A (ko) 애노드 코팅을 구비한 전계 방출 소자
JP5444893B2 (ja) ナノ炭素材料複合体基板製造方法およびそれを用いた電子放出素子並びに照明ランプ
JP5347938B2 (ja) 発光装置
JP5531675B2 (ja) ナノ炭素材料複合基板およびその製造方法、並びに、電子放出素子および照明ランプ
JP5549028B2 (ja) フレーク状ナノ炭素材料の製造方法及び電子放出素子並びに面発光素子
JP2008053172A (ja) 面発光素子
JP5604926B2 (ja) ナノ炭素材料複合基板製造方法およびナノ炭素材料複合基板
JP4048323B2 (ja) 薄型フレキシブル電子放出部材
JP2011108563A (ja) 照明装置
JP5293352B2 (ja) 三極構造型の電界電子放出型ランプの製造方法
JP5549027B2 (ja) 粒子状ナノ炭素材料の製造方法及び電子放出素子並びに面発光素子
JP2011210439A (ja) 電子放出素子、その製造方法、電子放出素子を用いた面発光素子
JP2010129330A (ja) 電子放出素子及びその製造方法並びに面発光素子
JP2012009304A (ja) 電界電子放出型ランプ
JP2011090875A (ja) 発光装置
KR20080054165A (ko) 카바이드 유도 탄소, 이를 포함하는 냉음극용 전자 방출원및 상기 전자 방출원을 구비한 전자 방출 소자
JP4984130B2 (ja) ナノカーボンエミッタとその製造方法並びに面発光素子
JP2010262857A (ja) 電子放出素子の製造方法、平面発光素子の形成方法および照明装置
JP2004327208A (ja) 電子放出源およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130910

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131008

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees