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JP5425740B2 - 固体酸化物形燃料電池システム及び接合材 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池システム及び接合材 Download PDF

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JP5425740B2 JP2010218407A JP2010218407A JP5425740B2 JP 5425740 B2 JP5425740 B2 JP 5425740B2 JP 2010218407 A JP2010218407 A JP 2010218407A JP 2010218407 A JP2010218407 A JP 2010218407A JP 5425740 B2 JP5425740 B2 JP 5425740B2
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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池を主体とする発電システム(固体酸化物形燃料電池システム)に関し、詳しくは、該燃料電池(単セル)と該燃料電池に燃料ガス又は酸素含有ガスを供給するためのガス配管その他の接続部材とを接合するための接合材、及び該接合材を用いた接合方法、ならびに該接合材により接続された固体酸化物形燃料電池と接続部材とを備えた固体酸化物形燃料電池システムに関する。
固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下、単に「SOFC」ということもある。)は、第三世代型燃料電池とも呼ばれており、他の燃料電池に比べて以下のような利点がある。例えば、SOFCでは作動温度を高くできるため反応促進剤(触媒)が不要であり、ランニングコストの低減となる。また、高温の排出ガス(排熱)を再利用することで、全体の効率(総合効率)を高めることが可能である。さらに、SOFCは出力密度が高いので小型化が可能である。これらのことから、蒸気タービン、ガスタービン等の内燃機関に代わる分散型発電装置として期待されている。
SOFCは、その基本構造(単セル)として、酸素イオン伝導体(典型的には酸素イオン伝導性のセラミック体)から成る緻密な固体電解質(例えば緻密膜層)の一方の面に多孔質構造の空気極(カソード)が形成され、他方の面に多孔質構造の燃料極(アノード)が形成(例えば積層)されることにより構成されている。燃料極が形成された側の固体電解質の表面には燃料ガス(典型的にはH(水素))が供給され、空気極が形成された側の固体電解質の表面にはO(酸素)含有ガス(典型的には空気)が供給される。また、このようなガスをSOFCの両電極に供給するために、ガス源とSOFCとを連結して上記各ガスを流通させるガス配管がSOFCに接続されることにより、発電システムが構築される。
SOFC用の固体電解質材料としては、イオン伝導性、化学的安定性及び機械的強度の高さから、ジルコニア系材料(例えばイットリア安定化ジルコニア:YSZ)が広く用いられている。かかる固体電解質(層)は、薄くなるほどイオン透過速度が上昇して充放電特性等の電池性能が向上する。このことにより、近年、SOFCの電池性能を向上させるべく固体電解質の薄層化を目的として、燃料極として機能する多孔質基材の表面に固体電解質が薄膜状に形成されてなるアノード支持形SOFCの開発が進められている。このタイプのSOFCでは、アノードとして例えばNiOとYSZとの混合物(サーメット)が用いられる。かかる混合物は使用時に還元処理されてNiとYSZになるため、Niの導電性を活かしながら熱膨張差を固体電解質(YSZ)と近似させることができる。他方、カソードとしては例えばLaCoO、LaMnO等のペロブスカイト構造の酸化物が用いられる。
ところで、SOFCの実用化が進むにつれて、耐久性や信頼性の向上のために、セル自体やセルを複数備えて成る燃料電池システム(発電システム)におけるガスリーク(ガス漏れ)を少なくする要求が増大している。従来の小規模評価試験ではセルにおいてガスリークが発生しても燃料ガス(水素、都市ガス等)と空気中の酸素とが反応することにより基礎データ取得には問題は生じなかった。しかし、実用面ではガスリークは燃料ガスの利用効率低下や局部的な熱分布ムラの原因となるため好ましくない。従って、セルとセルとの間、或いはセルと何らかの接続部材(例えばガス配管)との接合部分の高い気密性を実現するシール接合を形成し得る接合材が求められている。
ここで、SOFC及びSOFCシステムの接合部を形成するための接合材料としては、接合する対象に適合し得る種々の接合材料が提案されている。例えば、特許文献1〜4に示されるように、固体電解質とインターコネクタ(セパレータともいう)とを接合する材料として、安定化ジルコニアやスピネル等を主成分とする接合材や、安定化ジルコニア等のセラミック体とガラスの混合物、あるいは金属とガラスの混合物等が提案されている。また、特許文献5には、600〜900℃の温度域で金属部材又はセラミックス部材を接合する封着用ガラス組成物が記載されている。また、特許文献6には、ガラスマトリックス中にリューサイト結晶が析出しているSOFC用接合材が記載されている。
特開平11−154525号公報 特開2004−39573号公報 特表2008−527680号公報 特表2008−529256号公報 特開2006−56769号公報 特開2009−199970号公報
ところで、SOFCの接合部を形成する接合材としては、被接合対象の熱膨張係数と近似する熱膨張係数の接合部を形成し得るものであることが要求される。一般には、かかる接合部の熱膨張係数は8〜13×10−6/K程度に維持される必要がある。このため、従来のこの種の接合材は、ナトリウム(Na)やカリウム(K)といったアルカリ成分を含むガラス組成物によって構成されている(例えば上記特許文献2〜4)。
しかし、アルカリ成分は被接合対象の少なくとも一方が金属製の接続部材である場合に当該金属部分と化学的に反応を起こすことがある。例えば、ステンレス鋼(例えばSUS430等のフェライト系ステンレス鋼)に含まれるクロム(Cr)はアルカリ成分との反応により二クロム酸カリウム等の環境負荷の大きい反応物が生成されることがあり好ましくない。また、アルカリとの反応性が低い(高アルカリ耐久性)合金等からなる接続部材を採用することは、SOFCシステムの製造コスト高の要因となるため好ましくない。
本発明は、かかる従来の課題を解決すべく創出されたものであり、上記ステンレス鋼等がアルカリ成分と反応することを未然に防止すべく、従来のアルカリ含有ガラス組成物から成る接合材と遜色ない接合強度を有する接合部を形成可能なアルカリレスのSOFC用ガラス製接合材を提供することを目的とする。また、そのような接合材を用いてSOFC(セル)相互或いはSOFCとガス配管その他の接続部材(典型的には金属製ガス配管)とを接合する方法を提供することを他の目的とする。また、そのような接合材を用いて形成されたアルカリレスの接合部を有するSOFCシステムを提供することを他の目的とする。
上記目的を実現するべく、本発明により提供される燃料電池システムは、燃料極(アノード)と、空気極(カソード)と、固体電解質とを備える固体酸化物形燃料電池(SOFC)と、上記固体酸化物形燃料電池に接合される少なくとも一つの接続部材(典型的にはSUS等の金属製の接続部材)と、を備える固体酸化物形燃料電池システムである。そして該システムは、上記固体酸化物形燃料電池と上記接続部材との接合部がガラスマトリックスと該マトリックス中に混在するリューサイト結晶とからなるガラスによって形成されており、ここで上記接合部のガラスマトリックスは、アルカリ成分を含まない組成により構成されていることを特徴とする。
典型的には、上記接続部材として、固体酸化物形燃料電池にガスを供給するための金属製のガス配管を備えており、該ガス配管と固体酸化物形燃料電池との接合部が上記ガラスによって形成されている。
本明細書において固体酸化物形燃料電池システム(SOFCシステム)とは、SOFCを主体として発電を行う構造体(システム)をいい、最小単位である燃料電池セル(即ち、固体電解質と燃料極と空気極とを有する燃料電池の構成体)を複数備えるスタック(即ち、セルを相互に複数連結させた集合体)、該スタックを構成する際に上記セル間に介在させるインターコネクタ(セパレータ)、上記セルやスタックに燃料ガスや酸素含有ガスを供給するガス配管、等を備えた構造体を包含する用語である。従って、ここでいうところのSOFCシステムを構成する部材の典型例として、SOFC構成物(即ち、固体電解質、燃料極、空気極)のほか、該SOFCに接続され得るガス配管やインターコネクタ等の接続部材が挙げられる。
本発明に係るSOFCシステムでは、上記のとおり、SOFCと上記接続部材(例えばSUS等の金属製のガス配管)との接合部が、リューサイト結晶(KAlSi)を含有し、アルカリ成分を実質的に含まないガラスマトリックスから構成されているガラス(以下「リューサイト結晶含有アルカリレスガラス」ということもある。)により形成されている。
かかる構成により、アルカリ成分を含まないにもかかわらず固体酸化物形燃料電池(即ちセルを構成するいずれかの部材、典型的には固体電解質、燃料極及び/又は空気極)と前記接続部材(典型的にはガス配管)との好適な接合が実現される。そして、アルカリと接続部材の金属成分との好ましくない化学的反応を未然に防止することができる。
ここで開示されるSOFCシステムの好ましい一態様では、上記接合部のガラスマトリックスは、酸化物換算の質量比で以下の組成:
BaO 60〜85質量%;
SiO 1〜25質量%;
Al 1〜5質量%;
TiO 0〜30質量%;
から実質的に構成されている。
本明細書において「実質的に構成される」とは、上記列挙した成分を主体に構成されることを意味し、本発明の目的が実現される限りにおいて全体の例えば1〜2質量%程度又はそれ以下の微量混在成分(例えばアルカリ土類金属その他の金属元素、あるいは不可避的混合成分)の存在を許容するものである。
かかる構成によると、好適な機械的強度とシール性能(緻密性)を両立した接合部がアルカリ成分無しで実現される。
また好ましい他の一態様のSOFCシステムでは、上記接合部に含まれるリューサイト結晶の含有量は、ガラスマトリックス100質量部に対して5〜15質量部である。
かかる含有率でリューサイト結晶がガラス(ガラスマトリックス)中に混在することにより、良好な機械的強度を緻密性を損なうことなく実現することができる。
また好ましい他の一態様のSOFCシステムでは、上記接合部の熱膨張係数が8×10−6/K〜13×10−6/Kの範囲にあることを特徴とする。
かかる構成によると、接合部と被接合対象部材との熱膨張係数を近似させることができるため、特に耐熱強度と気密性(シール性)とを高い次元で実現することができる。
このため、SOFCを高温域(例えば800℃〜1000℃)で繰り返し使用し、該使用温度域(作動温度域)と非使用時の温度(常温)との間で昇温と降温とを繰り返しても、接合部(シール部)からのガスのリークを防止し、長期にわたり高い気密性を保持することができる。またガスリークの防止により電池性能も向上させることができる。従って、かかる構成のSOFCシステムは、優れた耐熱性と電池特性を実現することができる。
本発明は、他の側面として、上記課題を解決するSOFC用接合材を提供する。すなわち、ここで開示される接合材は、固体酸化物形燃料電池と該固体酸化物形燃料電池に接続される接続部材を接合するための接合材であって、アルカリ成分を含まない組成により構成されたガラスマトリックスと、該マトリックスに混在するリューサイト結晶とからなることを特徴とする。
かかるリューサイト結晶含有アルカリレスガラスからなる接合材によると、アルカリと接続部材の金属成分との好ましくない化学的反応を未然に防止し、上述のようにSOFCと接続部材(典型的にはSUS等の金属製の接続部材)とを高い気密性と機械的強度を有して接合(シール)させることができる。従って、優れた耐熱性と耐久性に備えた接合部を備えた高性能のSOFCシステムを提供することができる。
好ましくは、上記リューサイト結晶含有アルカリレスガラスを主成分として含むペースト状(スラリー状)の接合材(シール材)として提供される。
好ましい一態様の接合材では、上記ガラスマトリックスは酸化物換算の質量比で以下の組成:
BaO 60〜85質量%;
SiO 1〜25質量%;
Al 1〜5質量%;
TiO 0〜30質量%;
から実質的に構成されている。かかる構成によると、好適な機械的強度とシール性能(緻密性)を両立した接合部をアルカリ成分無しで好適に形成することができる。
また、好ましい他の一態様の接合材では、上記リューサイト結晶の含有量は、ガラスマトリックス100質量部に対して5〜15質量部である。かかる構成によると、緻密性を損なうことなく良好な機械的強度を有する接合部を形成することができる。
また、好ましい他の一態様の接合材では、熱膨張係数が8×10−6/K〜13×10−6/Kの範囲となるように調製されている。
かかる熱膨張係数(典型的には、一般的な示差膨張方式の熱機械分析(TMA)に基づく室温(25℃)〜ガラスの軟化点以下の温度(例えば450℃〜500℃)の間の平均値をいう。)は、SOFC構成部材及び接続部材の熱膨張係数と近似する。従って、かかる構成の接合材を使用することによって、SOFCと接続部材(例えばSUS等の金属製のガス配管)とをより一層高い気密性と機械的強度を有して接合(シール)させることができるとともに、より優れた耐熱性と耐久性に備えた上記接合部を備えた高性能のSOFCシステムを提供することができる。
また、本発明は、他の側面として、固体酸化物形燃料電池と接続部材(典型的にはSUS等の金属製の接続部材)とを接合する方法を提供する。即ち、該接合方法は、ここで開示されるいずれかの接合材を用意し、該接合材を固体酸化物形燃料電池と接続部材との接続部分に塗布することと、該塗布された接合材を該接合材が上記塗布した部分から流出しない温度域で焼成することによって固体酸化物形燃料電池と上記接続部材との接続部分において該接合材からなる接合部を形成することとを包含する。好ましくは、上記固体電解質とガス配管との隙間を塞ぐように上記固体酸化物形燃料電池と上記ガス配管とを接合することが好ましい。
かかる構成の方法では、上記接続部分に塗布された接合材を焼成することによって、上述したような効果を奏する固体酸化物形燃料電池システムを提供することができる。
従って、本発明は他の側面として、ここで開示されるいずれかの接合材を使用してSOFC(例えばジルコニア系酸化物からなる固体電解質)と、例えばSUS製のガス配管とを上記接合方法により接合することを特徴とする、SOFCシステムの好適な製造方法を提供する。
円筒型アノード支持形の固体酸化物形燃料電池(SOFC)と該SOFCに接合された金属製のガス配管とを備えたSOFCシステムの一形態(要部)を模式的に示す断面図である。 実施例において作成した接合体(試供体)の構成を模式的に示す断面図である。 実施例において用いたリューサイト結晶の形状を示す電子顕微鏡写真である。 実施例において形成した接合部の状態を示す電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、接合材を構成するガラス組成物の調製方法)以外の事項であって本発明の実施に必要な事柄(例えば接合部の形成に関連しない単セル及びSOFCシステム自体の構築方法)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明に係るSOFCシステムは、該システムを構成する固体酸化物形燃料電池(SOFC)と該SOFCに接合される少なくとも一つの接続部材との接合部が、上述のリューサイト結晶含有アルカリレスガラスからなる接合材により形成されていることにより特徴づけられるものであり、その他の構成成分、例えばSOFCの電極の組成や接続部材の形状(例えばガス配管の形状)等は、種々の基準に照らして任意に決定することができる。
ここで開示される接合材は、SOFCシステムを構成するSOFCと、ガス配管、インターコネクタ等の接続部材(特に金属製である接続部材、例えば金属製のガス配管やインターコネクタ)とを互いに接合するための接合材であり、ガラスマトリックス中にリューサイト(KAlSiあるいは4SiO・Al・KO)結晶が混在し且つ実質的にアルカリ成分を含まないガラス組成物(リューサイト結晶含有アルカリレスガラス)からなる。
ここで開示されるリューサイト結晶含有アルカリレスガラスは、典型的には、ガラス構成成分(即ち非晶質なガラスマトリックス構成成分)として、酸化物換算でマトリックス全体の50質量%以上がBaOで構成される酸化物ガラスである。
このようなBa高含有ガラスとすることにより、アルカリ成分を含有することなく、例えば800〜1000℃というようなSOFCの使用温度域において燃料電池(セル)と金属製接続部材(例えばSUS製のガス配管)とに近似する適当な熱膨張係数を有し、シール性能に優れるアルカリレス接合部を形成することができる。ガラスマトリックス全体のうち酸化物換算の質量比で60〜85質量%がBaOで構成されるものが好ましく、65〜80質量%が特に好ましい。
ここで開示されるリューサイト結晶含有アルカリレスガラスは、SOFCシステムを比較的高温域、例えば700〜1200℃、好ましくは700〜1100℃(例えば800〜1000℃)で使用することを想定して当該高温域で溶融し難い組成のガラスが好ましい。即ち、ガラスの融点(軟化点)を上昇させる成分の添加又は増加により、所望する高融点(高軟化点)を実現することができる。
かかる観点より、ここで開示されるリューサイト結晶含有アルカリレスガラスは、マトリックス中に上記BaOに加えて、典型的にはSiOを含む。SiOは接合部のガラス層(ガラスマトリックス)の骨格を構成する主成分である。ガラスマトリックス全体のうち酸化物換算の質量比で1〜25質量%がSiOで構成されるものが適当であり、後述するTiOを含まない場合には10〜25質量%程度が好ましく、或いはTiOを含む場合には1〜10質量%程度が好ましい。SiO含有率が高すぎると融点(軟化点)が高くなりすぎてしまい好ましくない。一方、SiO含有率が低すぎる或いは含まれないと、耐水性や耐化学性が低下する虞がある。
また、ここで開示されるリューサイト結晶含有アルカリレスガラスは、マトリックス中に上記BaOに加えて、典型的にはAlを含む。Alはガラスの流動性を制御して付着安定性に関与する成分であり、本発明のように、アルカリレス接合部を構成するためのガラスの成分として好適である。ガラスマトリックス全体のうち酸化物換算の質量比で1〜5質量%がAlで構成されるものが適当であり、2〜3質量%程度が好ましい。Al含有率が低すぎると付着安定性が低下して均一な厚みのガラス層(ガラスマトリックス)の形成を損なう虞がある。一方、Al含有率が高すぎるとアルカリレス接合部の耐化学性を低下させる虞がある。
また、ここで開示されるリューサイト結晶含有アルカリレスガラスは、上記SiOに代替して若しくはSiOに加えて、TiOを含む。TiOはガラスの熱膨張性を調整する成分であり、また適当な含有率により低温溶融性や耐化学性を向上させることもできる成分である。本発明の実施にあたっては、かかるTiO成分をコントロールすることにより、好ましい熱膨張率を得ることができる。本発明の目的のためには、接合材を構成するガラスマトリックス全体のうち酸化物換算の質量比で30質量%以下がTiOで構成されるものが適当であり、例えば5〜30質量%程度が好ましい。特にSiOと混在させる場合、ガラスマトリックス全体のうち酸化物換算の質量比でTiOが20〜30質量%であり、且つ、SiOが1〜10質量%であることが好ましい。
ここで開示される接合材のガラスマトリックスを構成するガラス(組成物)の組成の具体的な好適例として、以下の二つが挙げられる。即ち、TiO成分を含まない場合は、酸化物換算の質量比で以下の組成:
BaO 70〜85質量%;
SiO 10〜25質量%;
Al 1〜5質量%;
から実質的に構成されるガラスマトリックスを含む接合材が好ましい。
他方、TiO成分を含む場合は、酸化物換算の質量比で以下の組成:
BaO 60〜70質量%;
SiO 1〜10質量%;
Al 1〜5質量%;
TiO 20〜30質量%;
から実質的に構成されるガラスマトリックスを含む接合材が好ましい。
なお、上記主要な成分以外に含まれ得る微量混在成分として、アルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrO等が挙げられる。これらは、熱膨張係数の調整を行うことができる任意成分である。例えば、CaOはガラス層(ガラスフラックス)の硬度を上げて耐摩耗性を向上させ得る成分であり、MgOはガラス溶融時の粘度調整を行うことができる成分でもある。
また、これらの成分を入れることによりガラスマトリックスが多成分系で構成されるため、耐化学性が向上し得る。これら酸化物のガラス組成物全体における含有率は、それぞれ、ゼロ(無添加)かあるいは1〜2質量%又はそれ以下であることが好ましい。
また、上述した酸化物成分以外の、本発明の実施において本質的ではない成分(例えばZnO、LiO、Bi、SnO、SnO、CuO、CuO、ZrO、La)を種々の目的に応じて添加することができる。
好ましくは、接合材の熱膨張係数が、接合対象(例えば、ガス配管とSOFCの燃料極及び/又は固体電解質)の熱膨張係数に近似するように上述の各成分を調合してリューサイト結晶含有アルカリレスガラスのガラスマトリックスを構成するガラス組成物を調製する。例えばガス配管及び固体電解質がYSZ等のジルコニア系酸化物の緻密体から形成されており、かかる緻密なガス配管と固体電解質との間を塞ぐようにしてSOFCとガス配管とを接合(シール)する場合には、上記ジルコニア系酸化物の熱膨張係数に近似させて、熱膨張係数(示差膨張方式の熱機械分析(TMA)に基づく室温(25℃)〜(ガラスの軟化点以下の温度(例えば500℃)の間の平均値)が8×10−6/K〜13×10−6/K(特には9×10−6/K〜12×10−6/K)となるように組成を調整すればよい。
また、アルカリレス接合部を形成する際の焼成温度に軟化点が近似するように組成を調整することが好ましい。例えば、SOFCシステムの作動温度域を800〜1000℃とした場合、アルカリレス接合部を形成する際の接合温度は700〜900℃程度が好ましく、その場合には上記TMAに基づくガラス軟化点が700〜900℃の範囲になるように組成を調整することが好ましい。
上記のようなガラスマトリックスと混在させるリューサイト結晶としては、本発明の目的を実現し得る限りにおいて、種々の形状・サイズのものを使用することができる。好ましくは、例えばレーザー回折・散乱法に基づく平均粒径が10〜100μm(例えば平均粒径が20〜50μm)の微小なリューサイト結晶の粉末を使用することができる。かかる粒径範囲のリューサイト結晶の粉末を使用することにより、上記ガラスマトリックスを構成するガラスの粉末との混合性がよく、ほぼ均一に分散した原料粉体(接合材の一形態)を調製することができる。
また、このような粒径のリューサイト結晶(粒子)がガラスマトリックス中に混在することにより、かかる接合材を用いてアルカリレス接合部を形成した際、SOFCの作動温度域(例えば800〜1000℃の温度域)におけるガラスの流動性を低下させ、ひいては接合部からのガラス(接合材)の流出を抑制することができる。
また、接合材中のリューサイト結晶の含有率(混合割合)であるが、ガラスマトリックス100質量部に対して1〜20質量部が適当であり、同100質量部に対して5〜15質量部程度の量でのリューサイト結晶の添加が好ましい。このような混合割合でリューサイト結晶を含むことにより、緻密性(シール性)を損なうことなく、上記SOFCの作動温度域でのガラス流出を抑えた耐熱性を有するアルカリレス接合部を形成することができる。リューサイト結晶の含有率が上記範囲よりも少なすぎる(或いはリューサイト結晶を含まない)場合には、ガラス流出を抑えた高耐熱性の接合部が形成され難くなるため好ましくない。一方、リューサイト結晶の含有率が上記範囲よりも多すぎる場合には、相対的にガラスマトリックスの存在割合が低下し、緻密性(シール性)が低下するため好ましくない。
上記のような組成の接合材の製造方法に関して特に制限はなく、従来の結晶含有ガラスを製造するのと同様の方法が用いられる。
典型的には、当該組成物を構成する各種酸化物成分を得るための化合物(例えば各成分を含有する酸化物、炭酸塩、硝酸塩、複合酸化物等を含む工業製品、試薬、又は各種の鉱物原料)及び必要に応じてそれ以外の添加物を所定の配合比で乾式又は湿式のボールミル等の混合機に投入し、適当な時間(例えば1時間〜数十時間)混合する。このようにして得られた混和物(粉末)は、乾燥後、耐火性の坩堝に入れ、適当な高温(典型的には1000℃〜1500℃)条件下で加熱・溶融させ、そして急冷することによって目的の組成のガラス組成物を得ることができる。
次に、得られたガラス(ガラス質中間体)を適当な大きさ(粒径)となるまで粉砕し、ガラス粉末を作製する。かかる粉砕処理後に分級処理を実施し、所望の平均粒径及び粒度分布のガラス粉末を得ることが好ましい。後に添加されるリューサイト結晶粉末と均一に混和し易く、また扱い易い粒径である限りにおいて特に制限はないが、例えばレーザー回折・散乱法に基づく平均粒径が0.5μm〜50μmの範囲が適当であり、好ましくは1μm〜10μmである。
上記粉砕により得られたガラス粉末(ガラスマトリックスを構成する粉末)に対して、予め用意しておいたリューサイト結晶粉末(好ましい平均粒径は上記のとおり)を、好ましくは上記の混合割合となるように添加する。
次に、添加されたリューサイト結晶粉末とガラス粉末とを、上記と同様にして乾式又は湿式のボールミル等の混合機を用いて適当な時間(例えば1時間〜数十時間)混合する。このようにして得られた混和物(粉末)を、乾燥後、耐火性の坩堝に入れ、好ましくはリューサイトが再溶解しない温度域(典型的には800〜1000℃)で適当な時間(例えば2時間以内、典型的には0.5時間〜1時間)加熱処理し、ガラスマトリックスとリューサイト結晶を混合する。この処理により、ガラスマトリックス中に適当な粒径のリューサイト粒子を分散させることができる。
その後、粉砕し、好ましくは分級処理を実施することにより、所望の平均粒径及び粒度分布のリューサイト結晶含有アルカリレスガラス粉末を得ることができる。
後述するペースト材料の調製や被接合部位へ塗布し易い流動性や粘度が得られるという観点から、好ましくは、レーザー回折・散乱法に基づく平均粒径が0.5μm〜10μm程度のリューサイト結晶含有アルカリレスガラス粉末を製造する。かかる平均粒径が1μm〜5μmであるものがより好ましい。
このようにして得られた粉末状リューサイト結晶含有アルカリレスガラス材料(接合材)は、従来のこの種の接合材と同様、典型的にはペースト状に調製されて、接合対象の接続部分(被接合部分)に塗布することができる。例えば、得られた上記接合材に適当なバインダーや溶媒を混合してペースト状に調製することができる。なお、ペーストに用いられるバインダー、溶媒及び他の成分(例えば分散剤)は、特に限定されるものではなく、ペースト製造において従来公知のものから適宜選択して用いることができる。
例えば、バインダーの好適例としてセルロース又はその誘導体が挙げられる。具体的には、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロース、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びこれらの塩が挙げられる。バインダーは、ペースト全体の5〜20質量%の範囲で含まれることが好ましい。
また、ペースト中に含まれ得る溶媒としては、例えば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、又は他の有機溶剤が挙げられる。好適例としてエチレングリコール及びジエチレングリコール誘導体、トルエン、キシレン、ターピネオール等の高沸点有機溶媒又はこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。ペーストにおける溶媒の含有率は、特に限定されないが、ペースト全体の1〜40質量%程度が好ましい。
ここで開示される接合材は、従来のこの種の接合材と同様に用いることができる。具体的には、接合対象であるSOFC(例えば固体電解質及び/又は燃料極)と少なくとも一つの接続部材(例えば金属製のインターコネクタやガス配管)の被接合部分を相互に接触・接続し、当該接続した部分にペースト状に調製された接合材を塗布する。そして、かかる塗布物を適当な温度(典型的には60〜100℃、例えば80℃±10℃)で乾燥させる。次いで、好ましくはSOFCの使用温度域(例えば800〜1000℃、あるいはそれよりも高い温度域、例えば800℃〜1200℃)と同等又はそれよりも高い温度域であってガラスが流出しない温度域(例えば使用温度域が700℃〜1000℃の場合、典型的には800℃〜1200℃、使用温度域が概ね1200℃までの場合、典型的には1200℃〜1300℃)で焼成する。このことにより、SOFCと接続部材との接続(連結)部分においてガス流通を遮断する(すなわちガスリークが無い)接合部(シール部)が形成される。
例えば、SOFCにおける緻密な固体電解質と金属製ガス配管との間に生じ得る隙間が塞がれるように上記接合材を付与してSOFCと金属製ガス配管とを接合する。このようにして形成された接合部では、ガス配管内を流通するガス(例えば燃料ガス)がリークすることなくSOFCに供給される。また、かかる接合材は、SOFCの使用温度域において柔軟性を示すことにより、例えば燃料ガスの接触に伴う還元膨張等によって上記接合部に応力が発生し得る場合でも当該接合部の気密性及び耐久性は高く維持され得る。
ここで開示される接合材を好ましく適用することができるSOFC(セル)と該SOFCに接合される接続部材の一典型例である金属製ガス配管について説明する。
かかる接合材は、種々の構造のSOFC(例えば、従来公知の平板型(Planar)、円筒型(Tubular)、あるいは円筒の周側面を垂直に押し潰したフラットチューブラー(Flat tubular)型等)に対して好ましく適用することができ、SOFCの形状又はサイズに特に限定されない。
例えば、燃料極を支持基材として該燃料極上に薄膜状(例えば膜厚が100μm以下の膜状)に形成された固体電解質を備えた構成のアノード支持形SOFCに対しても好適に適用することができる。以下、特に限定することを意図しないが、ここで開示されるSOFCについて、アノード支持形SOFCを例として詳細に説明する。
ここで開示されるSOFCが備える固体電解質としては、酸化(空気)雰囲気及び還元(燃料ガス)雰囲気のいずれにおいても酸素イオン伝導性が高く、ガス透過性の無い緻密な層を形成できる材料から構成されることが好ましく、特にジルコニア系酸化物からなる固体電解質が好適である。このようなジルコニア系酸化物として、典型的にはイットリア(Y)で安定化したジルコニア(YSZ)が用いられる。その他、カルシア(CaO)で安定化したジルコニア(CSZ)、スカンジア(Sc)で安定化したジルコニア(SSZ)等が挙げられる。
ここで開示されるSOFCが備える燃料極及び空気極は、従来のSOFCと同様でよく特に制限はない。例えば、燃料極としてはニッケル(Ni)とYSZのサーメット、ルテニウム(Ru)とYSZのサーメット等が好適に採用される。空気極としてはLa0.5Sr0.5CoO等のランタンコバルトネート(LaCoO)系やランタンマンガネート(LaMnO)系のペロブスカイト型酸化物が好適に採用される。これら材質からなる多孔質体をそれぞれ燃料極及び空気極として使用することが好ましい。
ここで開示されるSOFCの単セル及びそのスタックの製造は、従来のSOFCの単セルとスタックの製造に準じればよく、本発明のSOFCを構築するために特別な処理を必要としない。従来用いられている種々の方法により、固体電解質、燃料極及び空気極を形成することができる。
例えば、アノード支持形SOFCを構築する場合には以下のようにして行う。まず、支持基材(支持体)として機能し得る燃料極を作製する。所定のサーメット材料(例えば平均粒径0.1μm〜10μm程度のYSZ粉末、平均粒径1μm〜10μm程度のNiO粉末、バインダー、分散剤、溶媒)からなるスラリー状の燃料極用成形材料を調製する。次いで、かかる成形材料を用いて、例えば押出成形等により燃料極成形体を作製する。ここで、燃料極成形体の形状としては、シート状(又は平板状)、もしくは燃料ガスを燃料極内に流入させるための中空部(ガス流路)を備えた中空箱型状、又は中空扁平状(フラットチューブラ−状)であることが好ましい。
次に、固体電解質材料を調製する。すなわち所定の材料(例えば平均粒径0.1μm〜10μm程度のYSZ粉末、バインダー、分散剤、溶媒)を混合してスラリー状(ペースト状)の固体電解質用の成形材料を調製する。この固体電解質用成形材料を上記燃料極成形体の上に、膜厚100μm以下(典型的には1μm〜100μm、好ましくは10μm〜100μm、例えば10μm〜50μm)で印刷成形することにより未焼成の固体電解質膜を形成する。この燃料極成形体に支持された固体電解質膜を乾燥した後に、1200℃〜1400℃の焼成温度で大気中で焼成する。これにより多孔質の燃料極上に緻密な固体電解質膜が形成されてなる焼成体が得られる。
次に、空気極材料を調製する。すなわち所定の材料(例えば平均粒径1μm〜10μm程度のLaSrO粉末やLa0.5Sr0.5CoO粉末、バインダー、分散剤、溶媒からなるスラリー状の空気極用の成形材料を調製する。この空気極用成形材料を上記得られた焼成後の固体電解質膜の表面に膜厚100μm以下(典型的には1μm〜100μm、好ましくは10μm〜100μm、例えば10μm〜50μm)で印刷成形することにより未焼成の空気極層(膜)を形成する。これを乾燥後、1000℃〜1200℃の焼成温度で大気中で焼成する。このようにして、上記固体電解質膜上に多孔質な空気極を形成し、燃料極、固体電解質膜、及び空気極からなる積層構造を備えたアノード支持形SOFC(単セル)が製造される。
上記のようなSOFCに連結されるために該SOFCと接合されるガス配管は、SOFCにガスを供給するために用いられる従来のガス配管と同様でよく、特に制限されない。例えばステンレス鋼(例えばフェライト系のSUS430)製のガス配管は、上記接合材により固体電解質と接合させ易く、好適に用いることができる。なお、ガス配管の形状、サイズについては、連結されるSOFCのサイズや接合部分の大きさに合わせて適宜設定され得る設計事項である。
ここで開示される接合材を使用して、上記製造したSOFCとガス配管とを接合して連結させることにより、本発明に係る固体酸化物形燃料電池システムを製造することができる。
一例として要部断面図を図1に示す構成のSOFCシステム100が挙げられる。即ち、図1に示すSOFCシステム100は、円筒型アノード支持形のSOFCシステムである。かかるSOFCシステム100は、大まかにいって、円筒形状の多孔質な燃料極12と、該燃料極12の外周面に積層された緻密なYSZ等からなる固体電解質膜14と、該固体電解質膜14の外周面にさらに積層された多孔質な空気極16とを備える円筒形状のアノード支持形SOFC(単セル)10を備えている。そして、かかるSOFCシステム100は、燃料極12に燃料ガスを供給するための金属製(例えばSUS製)ガス配管20を備える。かかるガス配管20は、円筒形状燃料極12の両端面(連結面)13,15に接合され連結されている。
かかるSOFC10に供給される燃料ガスは、ガス管20を通って燃料極12におけるガス管20との連結面13から燃料極12の中空部11に流入する。中空部11は、ガス用流路であってガス管20の内径と同程度の直径を有する中空円筒状(空洞状)の燃料ガス用流路となっている。中空部11に供給された燃料ガスの一部は多孔質な燃料極12内を透過(拡散)してSOFC10における充放電に寄与するとともに、残りは他方のガス管20との連結面15からガス管20を通って排出される。一方、円筒型アノード支持形SOFC10の外側から空気極16に供給される酸素含有ガス(典型的には空気)は、SOFC10の外周空間を流れ、空気極16に接触するように流通する。
図1に示されるように、この形態のSOFCシステム100において、リューサイト結晶含有アルカリレスガラスからなる接合材1は、燃料極12の連結面13,15とガス配管20の端面21,23とを当接させ、かかる面同士を接合させるように付与(塗布)される。さらに、緻密な金属製ガス配管20と緻密な固体電解質膜14との間を上記接合材1が橋渡しをしてガス配管20と固体電解質14との間で露出し得る多孔質の燃料極12部分(典型的には端部)を覆うように塗布する。そして、塗布物を乾燥後、適当な温度(例えば800〜900℃)で焼成することにより、緻密な固体電解質膜14とガス配管20との間で生じ得る隙間(すなわち露出し得る多孔質な燃料極12の一部分)が上記接合材1により完全に塞がれるような状態でガス配管20とSOFC10とを接合、連結させることができる。このような接合部1は、高い気密性と強度を有するため、かかるSOFCシステム100は、ガスリークが好ましく防止されて高い耐久性と電池特性を有する優れた電池性能を備えたSOFCシステムを実現することができる。
以下、図2を参照しつつ本発明に関する実施例を説明するが、本発明を以下の実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<アノード支持形SOFC(単セル)の作製>
3〜8mol%イットリア安定化ジルコニア(YSZ)粉末(平均粒径:約1μm)及びNiO粉末(平均粒径:約3μm)に一般的なバインダー(ここではポリビニルアルコール(PVA)を使用した。)、分散剤(ここではポリアクリル酸アンモニウムを使用した。)及び溶媒(ここでは水)を添加して混練した。次いで、この混練物(スラリー又はペースト状の燃料極用成形材料)を用いてシート成形を行い、直径20mm×厚み1mm程度の円板形状の燃料極成形体を得た。
次いで、3〜8mol%YSZ粉末(平均粒径:約1μm)に上記と同様のバインダー、分散剤、及び溶媒を添加して混練した。次いで、この混練物(ペースト状の固体電解質膜用成形材料)を上記燃料極成形体上に、直径16mm×厚み10μm〜30μmの円板状に印刷成形した。この燃料極成形体と該成形体上に支持された固体電解質膜とからなる未焼成の積層体を乾燥後、1200℃〜1400℃の焼成温度で大気中で焼成した。
次いで、La0.5Sr0.5CoO粉末(平均粒径:約1μm)に一般的なバインダー(ここでは、エチルセルロースを用いた。)、及び溶媒(ここではターピネオールを用いた。)を添加して混練した。次いで、この混練物(ペースト状の空気極用成形材料)を上記固体電解質膜上に、直径13mm×厚み10μm〜30μmの円板状に印刷成形した。次いで、1000℃〜1200℃の焼成温度で大気中で焼成した。このようにして、図2に示されるような、燃料極82と固体電解質膜84と空気極86とからなるアノード支持形SOFC80を作製した。
<ガス配管の作製>
3〜8mol%YSZ粉末(平均粒径:約1μm)に上記と同様のバインダー、分散剤、及び溶媒を添加して混練し、スラリー又はペースト状のガス配管用成形材料を調製した。次いで、かかる成形材料を押出成形等によって管状に成形した。得られた成形体を大気中で1300℃〜1600℃)で焼成し、2本の管状のガス配管92,94(図2参照)を作製した。
<ペースト状接合材の作製>
表1に示す組成となるように、平均粒径が約1〜10μmであるBaCO粉末、SiO粉末、Al粉末、及び必要に応じてTiO粉末を所定の配合比で混合し、計2種類(即ち表1中のサンプル1〜5に係るTiを含まないものと、サンプル6〜8に係るTiを含むもの)の原料粉末を調製した。
次いで、各原料粉末を1400〜1500℃の温度域(ここでは1450℃)で溶融してガラスを形成し、粉砕した。
このようにして得られた2種類のガラス粉末に対し、予め調製しておいた平均粒径40〜50μmの球状リューサイト結晶粉末(図3の電子顕微鏡(SEM)写真参照)を、ガラス粉末100質量部に対し、表1に示す質量割合(質量部)で添加し、混合した。なお、ここで使用したリューサイト結晶粉末は、硫酸カリウム、硝酸アルミニウム、シリカを所定の混合比で混合し、1000℃で焼成後に不純物を塩酸で除去して作製した結晶体の粉状物である。
上記リューサイト結晶粉末を混合した混合材料を800〜1000℃(ここでは900℃)で30〜60分間(ここでは45分間)熱処理し、その後粉砕してレーザー回折・散乱法に基づく平均粒径が約2μmの粉末状態の計8種類の接合材(表1に示すサンプル1〜8)を調製した。
次いで、接合材粉末(サンプル1〜8)100質量部に、一般的なバインダー(ここではエチルセルロースを使用した。)1.5質量部と、溶剤(ここではターピネオールを使用した。)28.5質量部とを混合し、表1のサンプル1〜8に対応する計8種類のペースト状接合材を作製した。
<接合処理>
上記8種類のペースト(サンプル1〜8)をそれぞれ接合材として用いて接合処理を行った。具体的には、上述の図2に示されるように、上記作製したアノード支持形SOFC80の両側にガス配管92,94を配置し、該ガス配管92,94に挟まれたSOFC80における固体電解質膜84とガス配管92,94との各間の隙間を塞ぐようにして接合材96(各サンプル1〜8)を塗布した。これを80℃で乾燥した後、大気中で800℃〜1000℃(ここでは850℃)の温度域で1時間保持(焼成)した。これにより、ガス配管92,94とSOFC80とを接合した。
ここで、サンプル1〜8のペースト状接合材を使用して得られる接合部96の熱膨張係数(ただし、示差膨張方式の熱機械分析(TMA)に基づく室温(25℃)〜500℃の間の平均値))を測定した。結果を表1の該当欄に示す。サンプル1(7.7×10−6/K)を除いて他のサンプル2〜8に係る接合部については、表1に示されるように、いずれも8×10−6/K〜13×10−6/Kの範囲内であった。なお、ここで使用したYSZ固体電解質膜84の熱膨張係数は10.2×10−6/Kであった。また、ここで使用したSUS製のガス配管92,94の同条件での熱膨張係数は12.0×10−6/Kであった。
また、上記TMAに基づいて測定された各接合材から得られる接合部の軟化点(℃)を表1中の該当欄に示す。サンプル1(690℃)を除いて他のサンプル2〜8に係る接合部については、表1に示されるように、いずれも700〜750℃の範囲内であった。
<ガスリーク試験>
次に、上記構築した計8種類(サンプル1〜8)を用いてガス配管92,94とSOFC80とが接合されたSOFCシステムの供試体について、接合部96からのガスリークの有無を確認するリーク試験を行った。具体的には、ガス配管94側から空気を0.1MPaの圧力下で200mL/分の流量で試供体に供給するとともに、ガス配管92側から燃料ガスとしての水素ガスを0.1MPaの圧力下で100mL/分の流量で試供体に供給した。次いで、空気極86側を還元処理し、その後、ガスクロマトグラフィにより燃料極82側(すなわちガス配管94側)からの排ガスの組成を測定し、該排ガスに含まれる窒素(N)ガスの量から、接合部96からのガスのリークの有無を調べた。
その評価結果を表1の該当欄に示す。表1において、窒素ガスのリーク率が1%以下のものを○で表示し、実用的な気密性を有しているものとした。
表1に示されるように、リューサイト結晶をガラスマトリックス(100質量部)に対して外添加で5〜15質量部含むサンプル2〜4(TiOを含まないガラス)ならびにサンプル7〜8(TiOを含むガラス)からなる接合部ではガスリークが好ましく防止されており、優れた気密性を有することがわかった。図4は、サンプル2の接合材からなる接合部の表面の状態を示す電子顕微鏡(SEM)写真である。この電顕像から明らかなように、緻密な接合部が形成されている。
他方、リューサイト結晶を含まないサンプル1では、接合部に剥離が認められ、重大なガスリークが認められた。また、リューサイト結晶を含まないサンプル6では、良好な接合が形成されず(濡れ不良)、重大なガスリークが認められた。また、リューサイト結晶が外添加で20質量部含まれるサンプル5では、接合部自体の緻密不良によるガスリークが認められた。
上述のように、本発明によると、ここで開示されるリューサイト結晶含有アルカリレスガラスからなる接合材を用いて、燃料電池セルと接続部材(特にSUS等の金属製のもの)との間を良好に接合、連結することができる。また、アルカリ成分と金属製接続部材の反応を抑制し、ガスリークを生じさせることなく十分な気密性を確保しつつ接合する(すなわちアルカリレス接合部を形成する)ことができる。このため、機械的強度及び気密性に優れた好適なSOFC(単セル、スタック)システムを提供することができる。
1 接合材(接合部)
10 固体酸化物形燃料電池(SOFC)
12 燃料極
14 固体電解質膜
16 空気極
20 ガス配管
80 固体酸化物形燃料電池(SOFC)
82 燃料極
84 固体電解質膜
86 空気極
92,94 ガス配管
96 接合材(接合部)
100 固体酸化物形燃料電池システム(SOFCシステム)

Claims (8)

  1. 燃料極と、空気極と、固体電解質とを備える固体酸化物形燃料電池と、
    前記固体酸化物形燃料電池に接合される少なくとも一つの接続部材と、
    を備える固体酸化物形燃料電池システムであって、
    前記固体酸化物形燃料電池と前記接続部材との接合部は、ガラスマトリックスと該マトリックスに混在するリューサイト結晶とからなるガラスによって形成されており、
    ここで前記接合部のガラスマトリックスは、アルカリ成分を含まない組成であって、酸化物換算の質量比で以下の組成:
    BaO 60〜85質量%;
    SiO 1〜25質量%;
    Al 1〜5質量%;
    TiO 0〜30質量%;
    から実質的に構成されていることを特徴とする、固体酸化物形燃料電池システム。
  2. 前記接合部に含まれるリューサイト結晶の含有量は、ガラスマトリックス100質量部に対して5〜15質量部である、請求項に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  3. 前記接続部材として、前記固体酸化物形燃料電池にガスを供給するための金属製のガス配管を備えており、該ガス配管と固体酸化物形燃料電池との接合部が前記ガラスによって形成されている、請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  4. 前記接合部の熱膨張係数が8×10−6/K〜13×10−6/Kの範囲にある、請求項1〜のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  5. 固体酸化物形燃料電池と該固体酸化物形燃料電池に接続される接続部材を接合するための接合材であって、
    アルカリ成分を含まない組成により構成されたガラスマトリックスと、
    該マトリックスに混在するリューサイト結晶と、
    からなり、
    前記ガラスマトリックスは、酸化物換算の質量比で以下の組成:
    BaO 60〜85質量%;
    SiO 1〜25質量%;
    Al 1〜5質量%;
    TiO 0〜30質量%;
    から実質的に構成されていることを特徴とする、接合材。
  6. 前記リューサイト結晶の含有量は、ガラスマトリックス100質量部に対して5〜15質量部である、請求項に記載の接合材。
  7. 熱膨張係数が8×10−6/K〜13×10−6/Kの範囲にある、請求項5又は6に記載の接合材。
  8. 固体酸化物形燃料電池と接続部材とを接合する方法であって、
    請求項5〜7のいずれか一項に記載の接合材を用意し、該接合材を固体酸化物形燃料電池と前記接続部材との接続部分に塗布すること、
    前記塗布された接合材を、該接合材が前記塗布した部分から流出しない温度域で焼成することによって、前記固体酸化物形燃料電池と前記接続部材との前記接続部分において該接合材からなる接合部を形成すること、
    を包含する、方法。
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